JP6197662B2 - 残響時間解析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、残響時間を測定する技術に関する。
会議室やホール等の音響空間(以下「被測定空間」という)の残響時間を測定する技術が従来から提案されている。例えば特許文献1には、複数の周波数帯域の各々について測定された残響時間(残響時間-周波数特性)を表示装置に表示させる技術が開示されている。
特開平7−038987号公報
ところで、残響時間を実際に測定する場面では、被測定空間内に存在する暗騒音の影響で残響時間の測定結果に誤差が発生する可能性がある。しかし、残響時間の測定結果が、被測定空間の現実の特性を反映した適正な数値であるのか、暗騒音に起因した誤差を含む信頼性の低い数値であるのかを判断することは、音響測定の専門的な知識が充分でない利用者にとって困難である。以上の事情を考慮して、本発明は、残響時間の測定結果の適否を利用者が容易に把握できるようにすることを目的とする。
以上の課題を解決するために、本発明の第1態様に係る残響時間解析装置は、複数の周波数帯域の各々について被測定空間内のSN比を測定する雑音解析手段と、複数の周波数帯域の各々について被測定空間内の残響時間を測定する残響解析手段と、残響時間を周波数帯域毎に表示装置に表示させる手段であって、複数の周波数帯域のうちSN比が閾値を下回る周波数帯域の残響時間を表示対象から除外する表示制御手段とを具備する。以上の構成では、複数の周波数帯域のうちSN比が閾値を下回る周波数帯域の残響時間が表示対象から除外される。したがって、残響時間の測定結果の適否(表示対象の残響時間は充分に信頼できること)を利用者が容易に把握できるという利点がある。
また、本発明の第2態様に係る残響時間解析装置は、複数の周波数帯域の各々について被測定空間内のSN比を測定する雑音解析手段と、複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域のSN比に応じて可変に設定された基準量だけ当該周波数帯域の音響の強度が減衰する時間長に応じて被測定空間の残響時間を算定する残響解析手段と、残響時間を周波数帯域毎に表示装置に表示させる手段であって、相異なる基準量のもとで測定された各残響時間の表示態様を相違させる表示制御手段とを具備する。以上の構成では、残響時間の算定に適用される基準量がSN比に応じて可変に設定され、相異なる基準量に対応する残響時間が別個の態様で表示装置に表示される。したがって、残響時間の測定結果の適否(各残響時間の信頼性の高低)を利用者が容易に把握できるという利点がある。
本発明の好適な態様において、残響解析手段は、複数の周波数帯域のうち利用者から指示された周波数帯域の残響時間を再測定する。以上の態様では、利用者から指示された周波数帯域の残響時間が再測定されるから、例えば一時的な外乱に起因して残響時間に誤差が発生した場合に適正な残響時間を再測定により確認できるという利点がある。
以上の各態様に係る残響時間解析装置は、残響時間の解析に専用されるDSP(Digital Signal Processor)等のハードウェア(電子回路)によって実現されるほか、CPU(Central Processing Unit)等の汎用の演算処理装置とプログラムとの協働によっても実現される。本発明のプログラムは、コンピュータが読取可能な記録媒体に格納された形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。記録媒体は、例えば非一過性(non-transitory)の記録媒体であり、CD-ROM等の光学式記録媒体(光ディスク)が好例であるが、半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の任意の形式の記録媒体を包含し得る。また、例えば、本発明のプログラムは、通信網を介した配信の形態で提供されてコンピュータにインストールされ得る。また、本発明は、以上に説明した各態様に係る残響時間解析装置の動作方法(残響時間解析方法)としても特定される。
本発明の第1実施形態に係る残響時間解析装置の構成図である。 雑音解析処理のフローチャートである。 残響解析処理のフローチャートである。 残響時間の算定の説明図である。 解析結果画面の模式図である。 表示制御処理のフローチャートである。 第2実施形態における残響解析処理の説明図である。 第2実施形態における解析結果画面の模式図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る残響時間解析装置100の構成図である。残響時間解析装置100は、会議室やホール等の任意の音響空間(被測定空間)の残響時間を測定するための情報処理装置であり、図1に例示される通り、演算処理装置10と記憶装置12と表示装置14と入力装置16と収音装置18とを具備するコンピュータシステムで実現される。例えばスマートフォンやタブレット端末等の可搬型の情報処理装置で残響時間解析装置100を実現することが可能である。
記憶装置12は、演算処理装置10が実行するプログラムや演算処理装置10が使用する各種のデータを記憶する。半導体記録媒体や磁気記録媒体等の公知の記録媒体や複数種の記録媒体の組合せが記憶装置12として任意に採用され得る。表示装置14(例えば液晶表示パネル)は、演算処理装置10による制御のもとで各種の画像を表示する。例えば残響時間の測定結果が表示装置14に表示される。入力装置16は、残響時間解析装置100に対する指示を利用者が入力するための操作機器である。例えば利用者が押圧可能な操作子や表示装置14と一体に構成されたタッチパネルが入力装置16として好適に利用される。
収音装置18は、被測定空間内の音響を収音することで音響信号(以下「観測信号」という)Qを生成するマイクロホンである。なお、残響時間解析装置100に収音装置18を搭載した構成を図1では例示したが、残響時間解析装置100とは別体の収音装置18を残響時間解析装置100に外付けすることも可能である。なお、収音装置18が生成した観測信号Qをアナログからデジタルに変換するA/D変換器の図示は便宜的に省略した。
図1に例示される通り、残響時間解析装置100には放音装置200(スピーカ)が接続される。被測定空間の残響時間を測定するための音響信号(以下「試験信号」という)Zが残響時間解析装置100から放音装置200に供給される。放音装置200は、残響時間解析装置100から供給される試験信号Zに応じた音響(以下「試験音」という)を被測定空間に放射する。なお、試験信号Zをデジタルからアナログに変換するD/A変換器の図示は便宜的に省略した。また、残響時間解析装置100に放音装置200を外付けした構成を図1では例示したが、残響時間解析装置100に放音装置200を搭載した構成も採用され得る。
演算処理装置10は、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することで、被測定空間の残響時間を解析および提示するための複数の機能(雑音解析部22,残響解析部24,表示制御部26)として機能する。なお、演算処理装置10の機能を複数の装置に分散した構成や、演算処理装置10の機能の一部を専用の電子回路が実現する構成も採用され得る。
雑音解析部22は、相異なるK個(Kは2以上の自然数)の周波数帯域B[1]〜B[K]の各々について被測定空間内のSN比σ[k]を算定する(k=1〜K)。任意の1個の周波数帯域B[k]のSN比σ[k]は、被測定空間内に存在する暗騒音のうち周波数帯域B[k]の成分の強度の指標である。なお、周波数帯域B[k]の総数Kや各周波数帯域B[k]の周波数および帯域幅は任意である。例えば、可聴周波数帯域を低音域と中音域と高音域との3個(K=3)の周波数帯域B[1]〜B[3]に分割した構成や、1/1オクターブまたは1/3オクターブを単位として可聴周波数帯域をK個の周波数帯域B[1]〜B[K]に分割した構成が採用される。
図2は、雑音解析部22が各周波数帯域B[k]のSN比σ[k](σ[1]〜σ[K])を算定する処理(雑音解析処理)のフローチャートである。入力装置16に対する利用者からの指示(測定開始の指示)を契機として図2の雑音解析処理が開始される。
雑音解析処理を開始すると、雑音解析部22は、被測定空間内の暗騒音のレベル(以下「雑音レベル」という)LN[k](LN[1]〜LN[K])を周波数帯域B[k]毎に算定する(SA1)。具体的には、放音装置200に対する試験信号Zの供給前(すなわち試験音の放射前)に収音装置18が生成する観測信号Qのうち各周波数帯域B[k]の成分の信号レベル(または複数の時点にわたる信号レベルの平均値)が雑音レベルLN[k]として算定される。
雑音解析部22は、試験信号Zを放音装置200に供給することで放音装置200から試験音を放射させる(SA2)。試験音の種類は任意であるが、例えば信号レベルが広帯域にわたり均一化された白色雑音等の雑音信号や、周波数が時間的に連続に変化する時間伸長信号(Swept-Sine)が試験信号Zとして好適である。利用者は、放音装置200から放射される試験音を聴取しながら入力装置16を操作することで試験信号Zの信号レベル(試験音の再生音量)を適宜に調整することが可能である。
試験信号Zの信号レベルの調整が完了すると、雑音解析部22は、調整後の試験信号Zの信号レベルLZと各周波数帯域B[k]の雑音レベルLN[k]とに応じて、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]の各々についてSN比σ[k](σ[1]〜σ[K])を算定する(SA3)。以上が雑音解析処理の具体例である。
図1の残響解析部24は、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]の各々について被測定空間の残響時間T[k](T[1]〜T[K])を測定する。具体的には、残響解析部24は、放音装置200から被測定空間内に放射される試験音が停止した直後の観測信号Qのうち周波数帯域B[k]の成分の減衰特性を解析することで残響時間T[k]を算定する。図3は、残響解析部24が各周波数帯域B[k]の残響時間T[k](T[1]〜T[K])を算定する処理(残響解析処理)のフローチャートである。図2の雑音解析処理の完了を契機として図3の残響解析処理が開始される。
残響解析処理を開始すると、残響解析部24は、図2の雑音解析処理で設定された信号レベルLZの試験信号Zを放音装置200に供給することで放音装置200から試験音を放射させる(SB1)。残響解析部24は、試験音の放射の開始から所定の時間(例えば試験音の強度が安定するまでの時間)が経過した時点(以下「発音停止点」という)で放音装置200に対する試験信号Zの供給を停止して試験音の放射を停止させる(SB2)。
発音停止点の直後には、試験音に起因する残響音が収音装置18により収音される。残響解析部24は、発音停止点以降の所定時間にわたり収音装置18から供給される観測信号Qを解析することで周波数帯域B[k]毎の信号レベルLQ[k]の時系列を特定して記憶装置12に格納する(SB3)。任意の1個の周波数帯域B[k]に対応する信号レベルLQ[k]の時系列は、試験音に起因した残響音の時間的な減衰を表現する。
残響解析部24は、各周波数帯域B[k]の信号レベルLQ[k]の時系列を解析することで残響時間T[k]を周波数帯域B[k]毎に算定する(SB4)。残響時間T[k]の算定にはインパルス積分法(Schroeder法)が好適に利用される。すなわち、残響解析部24は、各周波数帯域B[k]の信号レベルLQ[k]の時系列(インパルス応答)のうち時間軸上の所定区間を積分範囲としたインパルス積分法で図4の残響減衰曲線C[k]を算定し、残響減衰曲線C[k]の解析で周波数帯域B[k]毎の残響時間T[k]を算定する。第1実施形態の残響解析部24は、図4に例示される通り、残響減衰曲線C[k]の数値が発音停止点t0の経過後に所定の基準量δだけ減衰する時間長τ[k]に応じて周波数帯域B[k]の残響時間T[k]を算定する。具体的には、残響減衰曲線C[k]の数値が、発音停止点t0での初期値c0と比較して所定量(例えば5dB)だけ低下する時点t1から、時点t1での数値と比較して基準量δだけ低下する時点t2までの経過時間が、時間長τ[k]として算定される。基準量δは例えば30dBに設定される。残響時間T[k]は、発音停止点t0の経過後に信号レベルLQ[k]が60dBだけ減衰する時間長と定義されるから、残響解析部24は、残響減衰曲線C[k]の数値が基準量δだけ減衰する時間長τ[k]を{60/δ}倍した数値を残響時間T[k]として算定する。例えば基準量δを前述の通り30dBと仮定すると、時間長τ[k]の2倍の数値が残響時間T[k]として算定される。なお、各周波数帯域B[k]の信号レベルLQ[k]の時系列から直接的に残響時間T[k]を算定すること(ノイズ断続法)も可能である。
図1の表示制御部26は、残響解析部24が算定した残響時間T[k]を周波数帯域B[k]毎に表示装置14に表示させる。具体的には、表示制御部26は、図5の解析結果画面50を表示装置14に表示させる。解析結果画面50は、各周波数帯域B[k]の残響時間T[k]を利用者に提示するための画像である。図5に例示された解析結果画面50は、周波数軸(横軸)AXと残響時間T[k]の数値軸(縦軸)AYとが設定された表示領域52に周波数帯域B[k]毎の指示点P[k]を配置して各指示点P[k]を直線で相互に連結した折線グラフである。数値軸AYの方向における指示点P[k]の位置が残響時間T[k]に応じて選定される。
第1実施形態の表示制御部26は、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]のうち雑音解析部22が測定したSN比σ[k]が所定の閾値σTHを下回る各周波数帯域B[k](以下「高雑音帯域BN」という)の残響時間T[k]を解析結果画面50での表示対象から除外する。具体的には、各高雑音帯域BNについては、残響時間T[k]を表象する指示点P[k]の表示が省略される。図5では、低域側の残響時間T[1]および残響時間T[2]と高域側の残響時間T[K]とが表示対象から除外された状態が例示されている。
SN比σ[k]が閾値σTHを上回る環境で測定された残響時間T[k]について充分な信頼性が担保されるように、閾値σTHは統計的または実験的に設定される。すなわち、閾値σTHを下回る程度にSN比σ[k]が低い環境(すなわち雑音レベルLN[k]が高い環境)で算定される残響時間T[k]は、被測定空間内の暗騒音に起因した誤差を含む信頼性の低い測定結果である可能性が高い。以上の説明から理解される通り、表示制御部26は、信頼性が低い測定結果(残響時間T[k])を表示対象から除外する要素とも換言され得る。なお、入力装置16に対する利用者からの指示に応じて閾値σTHを可変に設定する構成や、周波数帯域B[k]毎に閾値σTHを別個に設定する構成も採用され得る。
図6は、表示制御部26が解析結果画面50を表示させる処理(表示制御処理)のフローチャートである。図3の残響解析処理の完了(K個の残響時間T[1]〜T[K]の算定)を契機として図6の表示制御処理が開始される。
表示制御部26は、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]の何れか(以下「選択帯域」という)B[k]を選択し(SC1)、選択帯域B[k]について雑音解析部22が測定したSN比σ[k]が閾値σTHを下回るか否かを判定する(SC2)。SN比σ[k]が閾値σTHを上回る場合(SC2:NO)、表示制御部26は、選択帯域B[k]の残響時間T[k]を表示装置14に表示させる。具体的には、表示制御部26は、選択帯域B[k]に対応する指示点P[k]を残響時間T[k]に応じて表示領域52に配置する(SC3)。他方、SN比σ[k]が閾値σTHを下回る場合(すなわち残響時間T[k]の信頼性が低い場合)、表示制御部26は、選択帯域B[k]の残響時間T[k]を表示対象から除外する(SC4)。すなわち、表示制御部26は、選択帯域B[k]の指示点P[k]を表示装置14に表示させない。
表示制御部26は、各周波数帯域B[k]について以上の処理を反復し(SC5:NO)、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]について処理が完了した場合には(SC5:YES)、表示領域52内の各指示点P[k]を直線で相互に連結して解析結果画面50を完成する(SC6)。
以上に説明した通り、第1実施形態では、SN比σ[k]が閾値σTHを下回る各高雑音帯域BNの残響時間T[k]が表示対象から除外されるから、残響時間T[k]の測定結果の適否(表示対象の残響時間T[k]は充分に信頼できること)を利用者が容易に把握できるという利点がある。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
図7の部分(A)は、周波数帯域B[k]のSN比σ[k]が高い環境における残響減衰曲線C[k]であり、図7の部分(B)は、図7の部分(A)と比較してSN比σ[k]が低い環境における残響減衰曲線C[k]である。図7から理解される通り、SN比σ[k]が低い環境では、発音停止点t0の経過後の早い段階で残響減衰曲線C[k](あるいは信号レベルLQ[k]の時系列)に対する暗騒音の影響が顕在化するという傾向がある。以上の傾向を考慮して、第2実施形態では、被測定空間内のSN比σ[k]に応じて基準量δを可変に制御する。
第2実施形態の残響解析部24は、残響解析処理において、各周波数帯域B[k]のSN比σ[k]が低いほど基準量δ[k]が減少するように、残響時間T[k]の算定(SB4)に適用される基準量δ[k]を周波数帯域B[k]毎に個別に設定する。具体的には、残響解析部24は、雑音解析部22が算定したSN比σ[k]が低いほど基準量δ[k]を小さい数値に設定する。例えば、SN比σ[k]が第1範囲に包含される場合には基準量δ[k]は30dB(標準値)に設定され、第1範囲を下回る第2範囲にSN比σ[k]が包含される場合には基準量δ[k]は25dBに設定され、第2範囲を下回る第3範囲にSN比σ[k]が包含される場合には基準量δ[k]は20dBに設定される。発音停止点t0の経過後に残響減衰曲線C[k]の数値が基準量δ[k]だけ低下する時間長τ[k]に応じて残響時間T[k](T[k]=τ[k]×{60/δ[k]})を算定する処理は第1実施形態と同様である。
以上の通り、SN比σ[k]に応じて基準量δ[k]を制御することで測定結果(残響時間T[k])に対する暗騒音の影響は低減されるが、残響時間T[k]の本来の定義に係る60dBから基準量δ[k]が乖離するほど、残響時間T[k]の誤差は増加する(測定結果の信頼性が低下する)という傾向がある。以上の傾向を考慮して、第2実施形態の表示制御部26は、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]の各々について残響時間T[k]を表示装置14に表示させる一方、相異なる基準量δ[k]のもとで算定された各残響時間T[k]の表示態様を相違させる。
図8は、第2実施形態における解析結果画面50の模式図である。図8では、周波数帯域B[1]の基準量δ[1]と周波数帯域B[2]の基準量δ[2]と周波数帯域B[K]の基準量δ[K]とが20dBに設定され、周波数帯域B[3]の基準量δ[3]が25dBに設定され、残余の各周波数帯域B[k](B[4]〜B[K-1])の基準量δ[k]が30dB(標準値)に設定された場合が想定されている。図8から理解される通り、表示制御部26は、各周波数帯域B[k]の残響時間T[k]を表象する指示点P[k]を基準量δ[k]に応じた表示態様(例えば階調)で表示する。具体的には、基準量δ[k]が小さいほど指示点P[k]は淡い階調(白色に近い階調)で表示される。また、表示制御部26は、標準値(30dB)以外の基準量δ[k]に対応した残響時間T[k]を表象する指示点P[k]の近傍に、基準量δ[k]の数値を表現する文字列54を配置する。具体的には、残響時間T[1]の指示点P[1]と残響時間T[2]の指示点P[2]と残響時間T[K]の指示点P[K]との各々の近傍には、各基準量δ[k]の数値(20dB)を包含する「T20」の文字列54が配置され、残響時間T[3]の指示点P[3]の近傍には、基準量δ[3]の数値(25dB)を包含する「T25」の文字列54が配置される。
以上に説明した通り、第2実施形態では、残響時間T[k]の算定に適用される基準量δ[k]がSN比σ[k]に応じて可変に設定され、相異なる基準量δ[k]に対応する残響時間T[k]が別個の表示態様で表示される。したがって、残響時間T[k]の測定結果の適否(各残響時間T[k]の信頼性の高低)を利用者が容易に把握できるという利点がある。
<第3実施形態>
第3実施形態では、第2実施形態(図8)と同様に、基準量δ[k]に応じた表示態様でK個の残響時間T[k]が表示される。利用者は、入力装置16を適宜に操作することで、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]の何れか(K個の残響時間T[1]〜T[K]の何れか)を選択することが可能である。表示装置14の表示面に対する接触を検出するタッチパネルを入力装置16として利用した構成では、表示面のうち任意の指示点P[k]に対応する位置に利用者が接触することで、当該指示点P[k]に対応する周波数帯域B[k]の選択を指示することが可能である。
任意の1個の周波数帯域(以下「対象帯域」という)B[k]が指示された場合、当該対象帯域B[k]に対応する残響時間T[k]の再測定が実行される。具体的には、雑音解析部22は、図2の雑音解析処理で対象帯域B[k]のSN比σ[k]を測定し、残響解析部24は、当該SN比σ[k]を適用した図3の残響解析処理で対象帯域B[k]の残響時間T[k]を算定する。表示制御部26は、再測定の結果を解析結果画面50に反映させる。すなわち、再測定に係る残響時間T[k]の表示を含む内容に解析結果画面50が更新される。
第3実施形態においても第2実施形態と同様の効果が実現される。また、第3実施形態では、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]のうち利用者から指示された周波数帯域B[k]の残響時間T[k]が再測定されるから、例えば一時的な外乱に起因して残響時間T[k]に誤差が発生している場合に適正な残響時間T[k]を再測定により確認できるという利点がある。なお、以上の例示ではK個の周波数帯域B[1]〜B[K]の何れかを利用者が指示する場合を例示したが、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]のうち所定の閾値を下回る基準量δ[k]の適用で残響時間T[k]が算定された周波数帯域B[k](すなわち残響時間T[k]の信頼性が低い周波数帯域B[k])のみを利用者による選択候補とすることも可能である。
<変形例>
以上の各形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は適宜に併合され得る。
(1)解析結果画面50の態様は以上の例示に限定されない。例えば、SN比σ[k]が閾値σTHを下回る周波数帯域B[k]の残響時間T[k]について、信頼性が低いことを警告する文字列や、残響時間T[k]の再測定を勧告する文字列を、表示制御部26が表示装置14に表示させることも可能である。また、図8では、基準量δ[k]に応じて指示点P[k]の階調を相違させたが、例えば指示点P[k]の形状や模様等を相違させた構成や、基準量δ[k]が小さい残響時間T[k]の指示点P[k]を点滅させる構成も採用される。以上の説明から理解される通り、残響時間T[k]の「表示態様」とは、視覚的に識別可能な性状として包括的に表現される。
(2)第1実施形態と第2実施形態とを併合することも可能である。すなわち、K個の周波数帯域B[1]〜B[K]のうちSN比σ[k]が閾値σTHを下回る各周波数帯域B[k]の残響時間T[k]を第1実施形態と同様に表示対象から除外するとともに、表示対象の各残響時間T[k]の表示態様を第2実施形態と同様に基準量δ[k]に応じて相違させる。また、利用者から指示された対象帯域B[k]の残響時間T[k]を再測定する第3実施形態の構成を第1実施形態に適用することも可能である。すなわち、SN比σ[k]が閾値σTHを下回る複数の周波数帯域B[k]のうち利用者が選択した対象帯域B[k]の残響時間T[k]が再測定される。
(3)前述の各形態では、スマートフォン等の可搬型の情報処理装置で残響時間解析装置100を実現したが、移動通信網やインターネット等の通信網を介して端末装置と通信するサーバ装置(例えばウェブサーバ)で残響時間解析装置100を実現することも可能である。具体的には、残響時間解析装置100は、被測定空間内の端末装置から通信網を介して受信した観測信号Qの解析でSN比σ[k]および残響時間T[k]を周波数帯域B[k]毎に測定し、測定結果を表現する解析結果画面50の画像データを生成して端末装置に送信することで端末装置の表示装置に解析結果画面50を表示させる。
100……残響時間解析装置、200……放音装置、10……演算処理装置、12……記憶装置、14……表示装置、16……入力装置、18……収音装置、22……雑音解析部、24……残響解析部、26……表示制御部、50……解析結果画面、52……表示領域。

Claims (3)

  1. 複数の周波数帯域の各々について被測定空間内のSN比を測定する雑音解析手段と、
    前記複数の周波数帯域の各々について前記被測定空間内の残響時間を測定する残響解析手段と、
    前記残響時間を周波数帯域毎に表示装置に表示させる手段であって、前記複数の周波数帯域のうち前記SN比が閾値を下回る周波数帯域の残響時間を表示対象から除外する表示制御手段と
    を具備する残響時間解析装置。
  2. 複数の周波数帯域の各々について被測定空間内のSN比を測定する雑音解析手段と、
    前記複数の周波数帯域の各々について、当該周波数帯域の前記SN比に応じて可変に設定された基準量だけ当該周波数帯域の音響の強度が減衰する時間長に応じて前記被測定空間の残響時間を算定する残響解析手段と、
    前記残響時間を周波数帯域毎に表示装置に表示させる手段であって、相異なる基準量のもとで測定された前記各残響時間の表示態様を相違させる表示制御手段と
    を具備する残響時間解析装置。
  3. 前記残響解析手段は、前記複数の周波数帯域のうち利用者から指示された周波数帯域の残響時間を再測定する
    請求項1または請求項2の残響時間解析装置。
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