JP6196920B2 - グラフェン加工方法 - Google Patents

グラフェン加工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6196920B2
JP6196920B2 JP2014043828A JP2014043828A JP6196920B2 JP 6196920 B2 JP6196920 B2 JP 6196920B2 JP 2014043828 A JP2014043828 A JP 2014043828A JP 2014043828 A JP2014043828 A JP 2014043828A JP 6196920 B2 JP6196920 B2 JP 6196920B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
graphene
gas
gcb
cluster
processing method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2014043828A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015168593A (ja
Inventor
貴士 松本
貴士 松本
土橋 和也
和也 土橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tokyo Electron Ltd
Original Assignee
Tokyo Electron Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tokyo Electron Ltd filed Critical Tokyo Electron Ltd
Priority to JP2014043828A priority Critical patent/JP6196920B2/ja
Priority to KR1020150025782A priority patent/KR20150105208A/ko
Priority to US14/634,948 priority patent/US20150251913A1/en
Publication of JP2015168593A publication Critical patent/JP2015168593A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6196920B2 publication Critical patent/JP6196920B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/182Graphene
    • C01B32/184Preparation
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/305Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for casting, melting, evaporating or etching
    • H01J37/3053Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for casting, melting, evaporating or etching for evaporating or etching
    • H01J37/3056Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for casting, melting, evaporating or etching for evaporating or etching for microworking, e.g. etching of gratings, trimming of electrical components
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B32/00Carbon; Compounds thereof
    • C01B32/15Nano-sized carbon materials
    • C01B32/182Graphene
    • C01B32/194After-treatment
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J37/00Discharge tubes with provision for introducing objects or material to be exposed to the discharge, e.g. for the purpose of examination or processing thereof
    • H01J37/30Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects
    • H01J37/317Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for changing properties of the objects or for applying thin layers thereon, e.g. for ion implantation
    • H01J37/3178Electron-beam or ion-beam tubes for localised treatment of objects for changing properties of the objects or for applying thin layers thereon, e.g. for ion implantation for applying thin layers on objects
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2204/00Structure or properties of graphene
    • C01B2204/06Graphene nanoribbons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B2204/00Structure or properties of graphene
    • C01B2204/20Graphene characterized by its properties
    • C01B2204/22Electronic properties
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/02Details
    • H01J2237/024Moving components not otherwise provided for
    • H01J2237/0245Moving whole optical system relatively to object
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2237/00Discharge tubes exposing object to beam, e.g. for analysis treatment, etching, imaging
    • H01J2237/30Electron or ion beam tubes for processing objects
    • H01J2237/31Processing objects on a macro-scale
    • H01J2237/3151Etching

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Drying Of Semiconductors (AREA)

Description

本発明は、GCB(Gas Cluster Beam)を用いたグラフェン加工方法に関する。
炭素原子によって構成される六員環構造の集合体であるグラフェンはシリコン(Si)に比べて遙かに高い移動度、例えば、200,000cm/Vsの移動度を有することから、半導体デバイス、例えば、超高速スイッチングデバイスや高周波デバイスへの適用が検討されている。また、グラフェンはバリスティク伝導特性も有しているため、半導体デバイスにおいて銅(Cu)に変わる配線材料として用いることも検討されている。
グラフェンを半導体デバイスに適用する際には、幅が、例えば、10nm程度のリボン(以下、「グラフェンリボン」という。)に加工する必要があるが、加工後のグラフェンリボンの両側端(以下、「エッジ」という。)は、図8(A)に示すようなトランス型のポリアセチレン構造における連続した六員環構造の一部であるアームチェアエッジや図8(B)に示すようなシス型のポリアセチレン構造における連続した六員環構造の一部であるジグザグエッジを呈する。
ところで、グラフェンリボンはエッジの形態によって電気的特性、例えば、移動度、電気伝導度やギャップが変わり、例えば、ジグザグエッジでは移動度や電気伝導度が高くなるため、グラフェンリボンを配線へ好適に適用することができ、アームチェアエッジではバンドギャップが生じるため、グラフェンリボンをトランジスタへ好適に適用することができる。したがって、グラフェンリボンを得る際には当該グラフェンリボンのエッジの形態を制御することが重要である。
従来、グラフェンの加工にはリソグラフィ技術、例えば、マスクを用いてRIE(Reactive Ion Etching)を用いるが、RIEにおけるプラズマはエネルギーが高く、プラズマ中のイオンがグラフェンと衝突する際、六員環構造を開裂させてエッジが崩れることがある。これに対応してグラフェンを加工してグラフェンリボンを得た後、例えば、水素ガス(H)、酸素ガス(O)、アンモニアガス(NH)や炭化水素ガス(C)等の反応性ガスの雰囲気においてグラフェンリボンへアニール処理やプラズマ処理を施し、開裂した六員環構造へ官能基を結合させてエッジを修復することが検討されているが、官能基の結合だけではエッジを完全に修復するのは困難である。
そこで、比較的低エネルギーのガス分子のクラスターを用いるGCIB(Gas Cluster Ion Beam)をグラフェンの加工に適用することが検討されている。特に、本発明者により、水分子のGCIBを用いてグラフェンを加工することにより、水分子の低酸化力との相乗効果によって化学的に安定なアームチェアエッジを選択的に得ることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013−216510号公報
しかしながら、GCIBではガス分子や複数のガス分子からなるクラスターをイオン化し、若しくはガス分子やクラスターに電荷を付着させるため、GCIBを用いる加工によって得られたグラフェンリボンには電荷が残留することがあり、残留する電荷はグラフェンリボンが適用される半導体デバイスの電気的特性に影響を与えるおそれがある。
本発明の目的は、グラフェンのエッジを崩すことなく、且つグラフェンリボンに電荷が残留するのを防止することができるグラフェンの加工方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のグラフェンの加工方法は、グラフェンへGCBを照射し、前記照射されるGCBに含まれるガス分子のクラスターのエネルギーを0.3〜0.5eV/クラスターに制御して前記グラフェンの端部においてアームチェアエッジを選択的に形成することを特徴とすることを特徴とする。
本発明のグラフェンの加工方法によれば、グラフェンへGCBを照射する。GCBは、複数のガス分子、若しくは複数のガス原子からなるクラスターのビームであるが、GCBではクラスターがイオン化しておらず、電荷も付着していない。GCBのクラスターは通常のガス分子等よりも質量が非常に重いため、衝突時の衝撃によってグラフェンをグラフェンリボンへ加工することが可能であるが、電荷が付着していないのでグラフェンリボンに電荷を残留させることなくグラフェンを加工できる。また、GCBではクラスターがイオン化しておらず、クラスターがイオン加速されることが無いので、クラスターのエネルギーが不必要に大きくなることが無く、当該クラスターが衝突するグラフェンのエッジが崩れるのを防止できる。さらに、GCBのエネルギーはガス導入圧力、ガス種や混合ガスにおける各ガス種の組み合わせ、流量比等よって制御することができるため、これらのパラメータを制御することにより、グラフェンのエッジが崩れるのを防止しながらグラフェンを加工することができ、さらに、グラフェンのエッジの形態を制御することができる。
本発明の実施の形態に係るグラフェンの加工方法を実行するGCB照射装置の構成を概略的に示す垂直断面図である。 図1のGCB照射装置の水平断面図である。 図1におけるGCB照射ノズルの構成を概略的に示す垂直断面図である。 グラフェンへのGCBの照射の形態を示す図である。 GCBの照射によって一部が除去されたグラフェンの形態を示す部分平面図である。 ラマン分光法によって分析された図5のグラフェンが除去されたウエハの表面の性状を示すグラフである。 本実施の形態に係るグラフェンの加工方法を示す工程図である。 グラフェンのエッジの形態を示す部分拡大平面図であり、図8(A)はジグザグエッジを示し、図8(B)はアームチェアエッジを示す。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係るグラフェンの加工方法を実行するGCB照射装置の構成を概略的に示す垂直断面図であり、図2は、図1のGCB照射装置の水平断面図である。
図1及び図2において、GCB照射装置10は、円筒状の真空容器からなるチャンバ11と、該チャンバ11内において底部に配置された回転ステージ12と、チャンバ11内において回転ステージ12と対向するように配置されたGCB照射ノズル13とを備える。
チャンバ11の側面には表面にグラフェンが形成された基板Sを搬出入するための搬出口14が配置され、該搬出口14には搬出口14の開閉を行うゲートバルブ15が設けられる。
また、GCB照射装置10の側面の別の箇所には排気口16が配置され、排気口16には排気路17が接続され、排気路17は圧力調整弁18や開閉弁19を介して、例えば、ターボ分子ポンプからなる真空ポンプ20へ接続される。真空ポンプ20は排気路17を介してチャンバ11内を減圧し、圧力調整弁18はチャンバ11内の圧力を所定の真空度、例えば、10−4Paへ調整する。
回転ステージ12は基板Sを載置し、回転軸21を介して回転駆動力を回転軸21に付与する駆動部22に接続され、回転ステージ12は駆動部22によって回転軸21回りに回転自在、且つ図中上下方向に移動自在に構成される。回転ステージ12は基板Sを静電チャック機構又は真空吸着機構(いずれも図示しない)によって吸着する。
GCB照射ノズル13は、回転ステージ12の脇において立設する旋回軸23a及び該旋回軸23の上端から回転ステージ12の方向へ延出する旋回腕23bによって構成されるノズル移動部23によって釣支される。旋回軸23aはチャンバ11の底部を貫通し、チャンバ11の外において回転機構24と係合する。回転機構24は旋回軸23aを回転駆動することにより、GCB照射ノズル13に旋回軸23aを中心とする旋回運動を行わせ、GCB照射ノズル13を回転ステージ12に載置された基板Sの上方から退出させ、又は基板Sの上方へ進入させる。
図3は、図1におけるGCB照射ノズルの構成を概略的に示す垂直断面図である。
図3において、GCB照射ノズル13は、下端部が開口してオリフィス25を形成する略円筒状の圧力筒26と、該圧力筒26の下端に形成され、オリフィス25を介して圧力筒26内と連通するとともに、下方へ向けて径が拡大する円錐状のガス拡散部27とを有する。なお、オリフィス25の開口径は、例えば、0.1mmである。
GCB照射ノズル13は、チャンバ11内よりも圧力が高い圧力筒26内からガス分子28を基板Sへ向けて噴出する(すなわち、ガス分子28がチャンバ11内へ導入される)。このとき、ガス拡散部27の径が下方へ向けて拡大するため、吐出されたガス分子28は断熱膨張によって急冷され、各ガス分子28の運動エネルギーが低下して各ガス分子28間に作用する分子間力(ファンデルワールス力)によって互いに密着する。これにより、多数のガス分子28からなる複数のガスクラスター29が形成される。形成されたガスクラスター29はそのまま基板Sへ向けて移動して基板Sと衝突する。換言すれば、多数のガスクラスター29からなるGCBが基板Sへ照射される。
GCB照射ノズル13では、ガスクラスター29の形態がオリフィス25の開口径やガス拡散部27の形状に左右される。ガスクラスター29は温度が上昇すると分解するおそれがあるため、ガスクラスター29を照射する際、圧力筒26を冷却するのが好ましい。
GCB照射ノズル13は基板Sの表面へGCBを垂直に照射するように構成されるが、本実施の形態において垂直とは、図中における基板Sと圧力筒26の中心軸とがなす角θが90°±15°の範囲内にある状態を示す。
GCB照射ノズル13では、圧力筒26の上端部に配管30が接続される。配管30は、図2に示すように、旋回腕23bや旋回軸23aの内部を貫通し、チャンバ11の外において接続部31を介してガス供給路32と接続される。ガス供給路32は第1のガス供給路33及び第2のガス供給路34へ分岐点35において分岐され、接続部31及び分岐点35の間には圧力調整弁36が配置される。
第1のガス供給路33には開閉弁V1及び流量調整器37を介して二酸化炭素(CO)ガス供給源38が接続され、第2のガス供給路34には開閉弁V2及び流量調整器39を介してヘリウム(He)供給源40が接続される。
ガス供給路32には圧力検出器41が配置され、該圧力検出器41の検出値に基づいて、後述の制御部42によって圧力調整弁36の開度が調整され、GCB照射ノズル13の圧力筒26内の圧力が調整される。なお、圧力検出器41の代わりに圧力筒26へ圧力検出器を設け、当該圧力検出器の検出値に基づいて圧力筒26内の圧力を調整してもよい。
GCB照射装置10ではGCB照射ノズル13の旋回運動と回転ステージ12の回転によって基板Sの全面にGCBが照射されるが、GCB照射装置10におけるGCB照射ノズル13の旋回運動や回転ステージ12の回転等は、GCB照射装置10が備える制御部42によって制御される。制御部42は、例えば、コンピュータからなり、プログラムを格納するメモリ、プログラムの展開領域であるRAMやCPUを有し、CPUはRAMに展開されたプログラムを実行することにより、本実施の形態に係るグラフェンの加工方法を実行する。
ところで、本発明に先立ち、本発明者は、表面に単層のグラフェン43が形成された半導体ウエハ(以下、単に「ウエハ」という。)Wを準備し、該ウエハWへ向けてGCB照射ノズル13から二酸化炭素ガス及びヘリウムガスの混合ガス(以下、単に「混合ガス」という。)から生成されたGCB44を照射した。このとき、図4に示すように、GCB44によってグラフェン43を一方向に走査してグラフェン43の一部を帯状に除去した。その後、ウエハWの表面の性状をラマン分光法によって分析した。なお、図4においてウエハWはその一部が切り出されたように示される。
GCB44を生成するための混合ガスにおける二酸化炭素ガス及びヘリウムガスの流量比は1:9であり、GCB照射ノズル13の圧力筒26内における混合ガスの圧力は4MPaに設定された。
図5は、GCBの照射によって一部が除去されたグラフェンの形態を示す部分平面図である。図5においてもウエハWはその一部が切り出されたように示される。
図5では、図中の左半分においてグラフェン43が除去されて、例えば、シリコンからなるウエハWの基材45が露出している。また、グラフェン43及び露出した基材45の境界にはグラフェン43のエッジ46が存在する。
図6は、ラマン分光法によって分析された図5のグラフェンが除去されたウエハの表面の性状を示すグラフである。図6において、横軸はウエハWの表面からの散乱光の波数(波長の逆数)であり、縦軸は散乱光の強度であり、符号(1)〜(4)は図5中における位置(1)〜(4)にそれぞれ対応する。なお、波数の単位はcm−1であり、散乱光の強度の単位は任意単位(a.u.)である。
通常、グラフェンからの散乱光には、炭素原子の六員環構造(六角格子)内振動に起因する、波数が1590 cm−1近傍のGバンドと呼ばれるピークが生じ、未結合手(ダングリングボンド)が多く存在するアームチェアエッジ、又はグラフェン43の残滓や損傷からの散乱光には、ダングリングボンドを持つ炭素原子に起因する、波数が1350cm−1近傍のDバンドと呼ばれるピークが生じる。
図5及び図6に示すように、まず、位置(3)ではGバンドが大きく発生しており、グラフェン43が除去されずに残存する一方、位置(2)ではGバンドが殆ど発生しておらず、グラフェン43が除去されていることから、位置(3)及び位置(2)の間でグラフェン43が途切れてエッジ46が明確に形成されているのが分かった。すなわち、GCB44の照射によってエッジ46を明確に形成することができるのが分かった。
また、位置(2)ではGバンドが殆ど発生していないことからグラフェン43が除去されていることが分かる一方、Dバンドが大きく発生していることから位置(2)の近傍のエッジ46ではアームチェアエッジが形成されていることが分かった。
上記混合ガスから生成されたGCB44を照射することにより、エッジ46としてアームチェアエッジが形成された理由として、本発明者は以下の理由を推察した。すなわち、グラフェンリボンにおいてジグザグエッジよりもアームチェアエッジの方が化学的に安定し、形態を維持するためのエネルギーも低いところ、上記混合ガスから生成されたGCB44のガス分子(二酸化炭素やヘリウムのガス分子)のクラスターのエネルギーは0.3〜0.5eV/クラスターと低いため、当該クラスターがグラフェン43へ与えるエネルギーが低く、結果として、グラフェン43が加工される際、形態を維持するためのエネルギーが低いアームチェアエッジが選択的に形成されたと推察された。
また、上記理由を鑑みると、GCBのガス分子のクラスターのエネルギーがやや高い場合、例えば、0.5eV/クラスター以上の場合だと形態を維持するためのエネルギーがやや高いジグザグエッジが形成されるものと推察された。
その他、位置(1)ではGバンドが発生していないことからグラフェン43が完全に除去されていることが分かり、Dバンドも発生していないことからグラフェン43の残渣も存在しないことが分かった。一方、位置(4)ではGバンドが大きく発生していることからグラフェン43が除去されずに残存し、さらに、位置(3)、(4)ではDバンドが殆ど発生していないことから残存するグラフェン43には損傷が存在しないことが分かった。
本発明は以上得られた知見に基づくものである。
図7は、本実施の形態に係るグラフェンの加工方法を示す工程図である。
まず、表面に単層のグラフェン43が形成されウエハWを準備し、GCB照射装置10における回転ステージ12にウエハWを吸着させる(図7(A))。
次いで、チャンバ11内の圧力を、例えば、10−4Paまで低下させ、ノズル移動部23によってGCB照射ノズル13を吸着されたウエハWの上方へ進入させてGCB照射ノズル13をウエハWにおける所望の加工位置に対向させ、さらに、圧力筒26内の圧力を4MPaに設定し、圧力筒26内から所定のガスをチャンバ11内へ噴出して複数のガスクラスター29を形成し、これらのガスクラスター29からなるGCB44を、GCBノズル13をウエハWに対して相対的に移動させながら、ウエハWのグラフェン43へ照射する(図7(B))。
GCB44はグラフェン43を所望の加工位置からガスクラスター29の衝突によって除去し、エッジ46を形成する(図7(C))。このとき、GCB44のガス分子のクラスターのエネルギーが制御される。例えば、ガス分子のクラスターのエネルギーが低い場合(例えば、0.3〜0.5eV/クラスターである場合)には、エッジ46としてアームチェアエッジが形成され、ガス分子のクラスターのエネルギーがやや高い場合(例えば、0.5eV/クラスター以上である場合)には、エッジ46としてジグザグエッジが形成される。ガス分子のクラスターのエネルギーの制御は、ガス種や混合ガスにおける各ガス種の組み合わせ、流量比等を変更してガス分子の平均分子量(単ガスの場合は分子量)を変更すること、若しくは、ガスの噴出時におけるGCB照射ノズル13の圧力筒26内の圧力を変更してガス導入圧力を変更することで行うことができる。
次いで、グラフェン43が所望の加工位置から除去されてエッジ46が形成された後、本方法を終了する。
図7の加工方法によれば、ウエハWのグラフェン43へGCB44を照射する。GCB44は複数のガス分子、若しくは複数のガス原子からなるガスクラスター29のビームであるが、GCB44ではガスクラスター29がイオン化しておらず、電荷も付着していない。GCB44のガスクラスター29は通常のガス分子等よりも質量が非常に重いため、衝突時の衝撃によってグラフェン43をグラフェンリボンへ加工することが可能であるが、例え、GCB44のガスクラスター29の質量が従来のGCIBのクラスターの質量と同程度であったとしても、GCB44のガスクラスター29には電荷が付着していないので、グラフェンリボンに電荷を残留させないという効果を奏することができる。また、GCB44のエネルギーはガスクラスター29の運動エネルギーが主であるため、GCB照射ノズル13から導入された各ガス分子等の運動エネルギーが高いほど、GCB44のエネルギーは高くなる。
本実施の形態では、GCB照射ノズル13からチャンバ11内へ所定のガスを噴出する際に、大気圧よりも大きい圧力差で所定のガスを噴出することにより、高速でガスを導入するとともに、噴出される所定のガスの断熱膨張の程度を大きくする。これにより、GCB44のガスクラスター29を形成する各ガス分子等が有する運動エネルギーを増大させるとともに、形成されるクラスターの質量をより大きくすることができ、もって、確実にグラフェンを加工することができる。
すなわち、GCIBのガスクラスターと同様に、GCB44のガスクラスター29の運動エネルギーを、自由運動を行うガス分子等の運動エネルギーよりも高くすることができ、その結果、確実にグラフェンを加工することができる一方、GCIBのガス分子イオンやクラスターイオンとは異なり、GCB44のガスクラスター29のガス分子等には電荷が付着していないので、グラフェン43へGCB44を照射する際に、グラフェンリボンに電荷が残留するのを防止しながらグラフェン43を加工することが可能となる。
また、GCB44のガスクラスター29はイオン加速されることが無いので、ガスクラスター29のエネルギーが不必要に大きくなることが無く、当該ガスクラスター29が衝突するグラフェン43のエッジが崩れるのを防止できる。さらに、GCB44のエネルギーはガス導入圧力、ガス種や混合ガスにおける各ガス種の組み合わせ、流量比等よって制御することができるため、これらのパラメータを制御することにより、グラフェン43のエッジが崩れるのを防止ししながらグラフェン44を加工することができ、さらに、グラフェン43のエッジの形態を制御するができる。
上述した図7の加工方法では、GCB44のガス分子のクラスターのエネルギーが制御される。グラフェンリボンにおいてジグザグエッジよりもアームチェアエッジの方が化学的に安定し、形態を維持するためのエネルギーも低いため、GCB44のガス分子のクラスターのエネルギーを制御してグラフェン43へ与えるエネルギーを制御することにより、GCB44を用いる加工によって得られるグラフェンリボンのエッジ46の形態(アームチェアエッジやジグザグエッジ)を制御することができる。すなわち、上述した図7の加工方法では、グラフェン43へGCB44を照射することにより、グラフェン43の加工とエッジ46の形態の制御を同時に行うことができる。
また、上述した図7の加工方法では、ガス分子をイオン化する必要がないので、GCB照射装置10はイオン化装置を備える必要が無く、GCB照射装置10の構成を簡素化することができる。
以上、本発明について、上記実施の形態を用いて説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、GCB44を生成するためのガスは、常温以下で不活性となるガスであることが好ましい。これにより、GCB44を用いる加工においてガスに含まれるガス分子に起因する化学反応が発生するのを抑制することができ、グラフェン43における炭素の六員環構造へ化学反応によって官能基が結合するのを防止することができる。また、この場合、除去されないグラフェン43が化学反応を起こすのを防ぐために必要な、グラフェン43を覆うマスク膜が不要となるため、マスク膜を構成するレジスト材料がグラフェンリボンに不純物準位を形成するのを抑制することができる。また、マスク膜のアッシングが不要となるため、過度のアッシングによってグラフェンリボンが損傷するのを防止することができる。
なお、常温以下で不活性となるガスとしては、上記実施の形態で用いた二酸化炭素ガスとヘリウムガスの混合ガスの他、四フッ化炭素(CF)ガスや六フッ化硫黄(SF)ガス等が該当する。また、四フッ化炭素ガスや六フッ化硫黄ガスはヘリウムガスと混合させることなく単ガスとして用いることができる。
また、本発明の目的は、上述した実施の形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、コンピュータ、例えば、GCB照射装置10の制御部42に供給し、制御部42のCPUが記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出して実行することによっても達成される。
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が上述した実施の形態の機能を実現することになり、プログラムコード及びそのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、RAM、NV−RAM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD(DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW)等の光ディスク、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、他のROM等の上記プログラムコードを記憶できるものであればよい。或いは、上記プログラムコードは、インターネット、商用ネットワーク、若しくはローカルエリアネットワーク等に接続される不図示の他のコンピュータやデータベース等からダウンロードすることにより制御部42に供給されてもよい。
また、制御部42が読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、CPU上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
更に、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、制御部42に挿入された機能拡張ボードや制御部42に接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部又は全部を行い、その処理によって上述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれる。
上記プログラムコードの形態は、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラムコード、OSに供給されるスクリプトデータ等の形態から成ってもよい。
W ウエハ
29 ガスクラスター
43 グラフェン
44 GCB

Claims (8)

  1. グラフェンへGCBを照射し、
    前記照射されるGCBに含まれるガス分子のクラスターのエネルギーを0.3〜0.5eV/クラスターに制御して前記グラフェンの端部においてアームチェアエッジを選択的に形成することを特徴とするグラフェンの加工方法。
  2. 前記グラフェンをマスク膜で覆わないことを特徴とする請求項1記載のグラフェンの加工方法。
  3. 前記GCBは常温以下で不活性となる単ガス又は混合ガスから生成されることを特徴とする請求項1記載のグラフェンの加工方法。
  4. 前記ガス分子のクラスターのエネルギーは、前記単ガス又は前記混合ガスを構成するガス種、各ガス種の組み合わせ、又は各ガス種の流量比を変更することによって制御されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のグラフェンの加工方法。
  5. 前記ガス分子は二酸化炭素分子及びヘリウム分子を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のグラフェンの加工方法。
  6. 前記ガス分子は四フッ化炭素ガス分子及びヘリウム分子を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のグラフェンの加工方法。
  7. 前記ガス分子は六フッ化硫黄ガス分子及びヘリウム分子を含むことを特徴とする請求項乃至のいずれか1項に記載のグラフェンの加工方法。
  8. グラフェンへGCBを照射し、
    前記照射されるGCBに含まれるガス分子のクラスターのエネルギーを0.3〜0.5eV/クラスターに制御し、
    前記GCBを照射した後の前記グラフェンの端部の表面の性状をラマン分光法によって分析した際、Gバンドの散乱光は発生せず、Dバンドの散乱光が発生することを特徴とするグラフェンの加工方法。
JP2014043828A 2014-03-06 2014-03-06 グラフェン加工方法 Expired - Fee Related JP6196920B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014043828A JP6196920B2 (ja) 2014-03-06 2014-03-06 グラフェン加工方法
KR1020150025782A KR20150105208A (ko) 2014-03-06 2015-02-24 그래핀의 가공 방법
US14/634,948 US20150251913A1 (en) 2014-03-06 2015-03-02 Graphene machining method

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014043828A JP6196920B2 (ja) 2014-03-06 2014-03-06 グラフェン加工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015168593A JP2015168593A (ja) 2015-09-28
JP6196920B2 true JP6196920B2 (ja) 2017-09-13

Family

ID=54016684

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014043828A Expired - Fee Related JP6196920B2 (ja) 2014-03-06 2014-03-06 グラフェン加工方法

Country Status (3)

Country Link
US (1) US20150251913A1 (ja)
JP (1) JP6196920B2 (ja)
KR (1) KR20150105208A (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6596340B2 (ja) * 2016-01-21 2019-10-23 東京エレクトロン株式会社 基板洗浄方法および基板洗浄装置
JP2018127369A (ja) * 2017-02-06 2018-08-16 東京エレクトロン株式会社 グラフェンの異方性エッチング方法
US11450506B2 (en) * 2020-04-24 2022-09-20 Tel Manufacturing And Engineering Of America, Inc. Pattern enhancement using a gas cluster ion beam

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3647507B2 (ja) * 1995-05-19 2005-05-11 独立行政法人科学技術振興機構 ガスクラスターおよびガスクラスターイオンの 形成方法
JP5575648B2 (ja) * 2008-08-18 2014-08-20 岩谷産業株式会社 クラスタ噴射式加工方法
US8440578B2 (en) * 2011-03-28 2013-05-14 Tel Epion Inc. GCIB process for reducing interfacial roughness following pre-amorphization
JP2013012546A (ja) * 2011-06-28 2013-01-17 Toshiba Corp 不揮発性記憶装置の製造方法
JP2013216510A (ja) * 2012-04-05 2013-10-24 Tokyo Electron Ltd グラフェンの加工方法
JP5945178B2 (ja) * 2012-07-04 2016-07-05 東京エレクトロン株式会社 ガスクラスター照射機構およびそれを用いた基板処理装置、ならびにガスクラスター照射方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015168593A (ja) 2015-09-28
US20150251913A1 (en) 2015-09-10
KR20150105208A (ko) 2015-09-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9837260B2 (en) Cleaning method, processing apparatus, and storage medium
US5967156A (en) Processing a surface
JP6196920B2 (ja) グラフェン加工方法
JP5299506B2 (ja) グラフェンシート系材料の処理方法及び電子機器の製造方法
KR101857323B1 (ko) 패턴 형성 방법, 패턴 형성 장치 및 컴퓨터 판독 가능 기억 매체
US8062432B2 (en) Cleaning method for turbo molecular pump
KR102651514B1 (ko) 기판 처리 방법, 기억 매체 및 기판 처리 장치
US11020774B2 (en) Microelectronic treatment system having treatment spray with controllable beam size
US6730237B2 (en) Focused ion beam process for removal of copper
US20100214712A1 (en) Method for charge-neutralizing target substrate and substrate processing apparatus
KR101310513B1 (ko) 기판 세정 방법
JP2012124512A (ja) ガスクラスターイオンビームによる固体表面の平坦化方法および固体表面平坦化装置
JP2005268380A (ja) ウェットエッチング装置、およびウェットエッチング方法。
JP2009234815A (ja) グラフェンシート系材料の処理方法及び装置
JP2012036040A (ja) グラフェンシート系材料の形成方法およびグラフェンシート系材料
JP2020017613A (ja) 基板処理方法および基板処理装置
JP2004193590A (ja) プラズマ処理方法
KR102534904B1 (ko) 기판 처리 방법 및 기판 처리 장치
JPH05190517A (ja) 微細パターン形成方法
US20150235842A1 (en) Transistor and method for manufacturing the same
JP4406311B2 (ja) エネルギー線照射装置およびそれを用いたパタン作成方法
JP2007235138A (ja) 大きい深さ対幅アスペクト比をもつホールからポリマーを制御下にかつ急速に除去するための大気内プロセスおよびシステム
US11538679B2 (en) Substrate processing method and substrate processing apparatus
WO2022224822A1 (ja) 基板処理装置及び固化膜除去方法
JP2010056263A (ja) イオン注入によりカーボン層が形成されたレジストの除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170712

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170801

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6196920

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees