JP6196680B2 - 大量試料をローディングするためのゲル電気泳動装置 - Google Patents

大量試料をローディングするためのゲル電気泳動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6196680B2
JP6196680B2 JP2015542811A JP2015542811A JP6196680B2 JP 6196680 B2 JP6196680 B2 JP 6196680B2 JP 2015542811 A JP2015542811 A JP 2015542811A JP 2015542811 A JP2015542811 A JP 2015542811A JP 6196680 B2 JP6196680 B2 JP 6196680B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
comb
gel
plate
front plate
comb teeth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015542811A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016501368A (ja
Inventor
ズーイン ワン
ズーイン ワン
ホン チェン
ホン チェン
ユェンミン リャオ
ユェンミン リャオ
タオ バイ
タオ バイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nanjing Jinsirui Science and Technology Biology Corp
Original Assignee
Nanjing Jinsirui Science and Technology Biology Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nanjing Jinsirui Science and Technology Biology Corp filed Critical Nanjing Jinsirui Science and Technology Biology Corp
Publication of JP2016501368A publication Critical patent/JP2016501368A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6196680B2 publication Critical patent/JP6196680B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01DSEPARATION
    • B01D57/00Separation, other than separation of solids, not fully covered by a single other group or subclass, e.g. B03C
    • B01D57/02Separation, other than separation of solids, not fully covered by a single other group or subclass, e.g. B03C by electrophoresis
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44704Details; Accessories
    • G01N27/44743Introducing samples
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/44756Apparatus specially adapted therefor
    • G01N27/44782Apparatus specially adapted therefor of a plurality of samples
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/416Systems
    • G01N27/447Systems using electrophoresis
    • G01N27/453Cells therefor

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Environmental & Geological Engineering (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Description

本発明はゲル電気泳動を実施するための装置に関する。特に、本発明は、向上したゲル分解能で多くの試料量をローディングすることを可能にする、生体高分子の分離のための改良されたゲル電気泳動装置に関する。
ゲル電気泳動はタンパク質と核酸(DNA及びRNA)などの生体分子の分離に通常用いられる技術である。一般的に、この方法は生体混合物を含有する多孔質の重合されたゲルマトリックスに電流を加える必要がある。混合物の成分は、多くの場合、電荷及び/又はサイズによって、ゲルマトリックスでの移動速度が異なる。重合されたゲルマトリックスでの分子の移動によって一連のバンドが形成され、各バンドが異なる分子に対応する。
アクリルアミド又はアガロースゲルマトリックスは、生体分子の分離に典型的に用いられる。ゲルマトリックスは架橋試薬を用いる共重合により形成され、ゲルマトリックスへの分子の通過を可能とする孔構造をもたらす。他のゲル、例えば澱粉ゲルも電気泳動に利用されている。ゲルマトリックス材料の選択は、多くの場合、分離しようとする生体分子の種類によるものである。タンパク質分離のためには、ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAGE)は広く利用されている。なぜなら、ポリアクリルアミドゲルは光学的に透明であり、且つその孔サイズはタンパク質に適した範囲にあるからである。異なる電荷/質量比のタンパク質がポリアクリルアミドマトリックスを移動する速度は異なる。一連の既知分子量のタンパク質をマーカーとして用いることにより、特定のタンパク質のサイズ及び/又は分子量を見積もることができる。
ポリアクリルアミドゲルは、1959年にRaymondとWeintraubにより、はじめてゲル電気泳動のサポートマトリックスとして使用され(Raymond, S. andWeintraub, L. Acrylamide gel as a supporting medium for zone electrophoresis. Science, 1959, 130: 711-711)、その後、Ornstein(Ornstein, L. Disc Electrophoresis, 1, Background and Theory. Ann. New York Acad. Sci., 1964, 121: 321-349)とDavis(Davis, B.J. Disc Electrophoresis. 2, Method and application to human serum proteins.Ann. New York Acad. Sci., 1964, 121: 404-427)により十分に研究された。一般的に、アクリルアミドモノマー及び架橋剤としてのビスアクリルアミドを含有する溶液は、適当な緩衝液中で、開始剤存在下で室温で重合される。所望するゲル分解能は、ゲル溶液における様々な成分の濃度を調整することにより実現することができる。様々な用途のために異なるサポートマトリックスのゲル溶液を製造するための成分およびそれらの濃度は、当業者に広く知られている。
ゲル電気泳動に用いる基本的な装置は、(1)2つの板の間にゲルマトリックスを保持するゲルカセット、及び(2)ゲルカセットを固定するとともに分子のゲルマトリックスでの移動を引き起こす電流を提供する電源に接続された電気泳動装置を含む。電気泳動装置は、ゲルの頂部と底部とをそれぞれ緩衝液に接触させるための緩衝液槽を更に含み、緩衝液はゲルマトリックスで電流を伝導可能なイオン溶液である。ガラス又はプラスチック板が、ポリアクリルアミドゲルを注入するためのゲルカセットを形成するために典型的に用いられている。ゲル電気泳動を実施する際、プラスチックカセットに保持されたものと比べて、ガラスカセット中に保持されたポリアクリルアミドゲルは、より良好な分解能を示す。しかし、ガラスは壊れやすく、且つ複雑なプロセスでゲルを調製するので、ハイスループットの生産には適していない。プラスチック金型はより簡便でより経済的であるので、現在、よくプレキャストゲルを製造するために用いられる。プラスチック板の特別な表面コーティングが適用されており、これにより高分子バンド分離の分解能を向上させることができる。
標準ゲルカセットは、2つのガラスまたはプラスチックの板を一緒につなげることにより形成され、且つカセットの底部はテープにより一時的に密封される。スペーサーを、各板の垂直側端に沿って配置することにより、板間に、ゲルマトリックスを充填するため間隔、または「ゲルチャンバー」が形成される。ゲルマトリックス溶液は密封したゲルカセットに注入され、且つ重合反応により固化される。試料を保持する、「ウェル」として知られる区画を形成するために、ゲル重合工程の完了前に、2つの板の間に上端で櫛が挿入される。ここで、櫛の櫛歯が下方に延びてゲルマトリックスに挿入される。また、一方の板の上端を、垂直側端を除く板の頂部長さ(top length)を横切って切り取って、切り欠きが形成されることがある。この切り欠きは、カセットが電気泳動装置内に置かれたときに緩衝液がゲルマトリックスの頂部に達することを可能にする。この切り欠きは、ウェル内への試料のローディングも促進する。
板と板との距離が、ゲルの厚さを決める。例えば、板と板との距離が大きくなるほどゲルは厚くなる。標準ゲルカセットにおいて、板と板との距離は、板の全長および全高さにわたって一定である。より具体的には、タンパク質の分離に用いられる標準ゲルカセットの板と板との間の距離は1mmである。このため、ゲルと試料ローディングウェルの厚さも1mmで一定である。
ゲル上にロードできる試料量は、ウェルのサイズにより制限され、ほとんどの場合、少量しか収容できない。しかし、特に試料における濃度が低い標的分子の分析のためには、ゲル上により多くの試料量をロードできることが望ましい。ウェルのサイズを大きくし、それによりロード可能な試料の量を増やすために、いつも用いられている2つのアプローチがある。第一のアプローチは、より厚いゲルを製造することである。これにより、ゲルの厚さに比例して、ウェルの容量は増加する。しかし、ゲルが厚ければ厚いほど、電気泳動の際に所定の電界強度を得るために要する電流はより大きくなる。大きい電流を利用するほど、ゲルでの熱の発生が増加するので、ゲル分解能と性能を低下させてしまう。厚いゲルはさらにタンパク質の膜転写効率を低下させるが、膜転写は普通のダウンストリーム分析方法(例えばWestern blotting)に必要なものである。ウェルが収容可能な試料量を増加する第二のアプローチは、長い櫛歯の櫛を利用してウェルの深さを深くすることである。しかし、ローディング後のウェルにおいてサンプル高さが増すことは、ゲル分解能を低下させ、タンパク質または同様のサイズの他の生体分子の分離効率の低下を引き起こす場合もある。
ゲル分解能と性能は上記以外の要因の影響も受ける。最適な分解能を取得するために、試料をできるだけウェルの底部近くに置く必要がある。実際、PAGEで用いられる標準1mmのゲルカセットのウェルに試料をロードすることは困難である。なぜなら、板の間の間隔は、標準的なピペット先端が板の間に適合して(fit)ウェルの底部に達するには狭すぎるからである。更に、試料をゲルを介して試料レーンに流すために、試料をゲル上にロードしウェル中に留める。しかし、重合後に櫛を除去すると、試料ウェルの壁は、そこに留まらず、自由に動いてしまう。これにより、試料レーンが曲がってしまい、試料ローディングが難しくなり、電気泳動後の高分子バンドが曲がってしまうことがある。
Raymond, S. andWeintraub, L. Acrylamide gel as a supporting medium for zone electrophoresis. Science, 1959, 130: 711-711 Ornstein, L. Disc Electrophoresis, 1, Background and Theory. Ann. New York Acad. Sci., 1964, 121: 321-349 Davis, B.J. Disc Electrophoresis. 2, Method and application to human serum proteins.Ann. New York Acad. Sci., 1964, 121: 404-427
このため、ゲル厚さとウェルの高さを変えずに、多量の試料を保持することができるゲルカセットが求められている。かかるゲルカセットによれば、より多くの試料量を、ゲルの分解能力を低下させることなく、且つゲルカセットが保持される電気泳動装置を変えることなく、より多くの試料量をロードすることが可能となる。更に、試料ローディングを促進し、且つゲル分解能を更に高めるために、ゲルカセットを、櫛を除去した後に試料ウェルの壁がそこに留まるように設計することが望ましい。
本発明は、ゲル電気泳動、特にPAGEを実施するためのプレキャストゲルを製造するための改良された装置を提供する。この装置は、ゲルカセット、櫛、及びゲルマトリックスからなり、それらは一緒に組立てられると、標準ゲルカセットおよび櫛を用いてゲル中に形成されたウェルと比べて多くの量の試料を保持することができる試料ウェルを形成する。本発明の態様によれば、試料ウェルの量を増やすために当分野で知られている方法と比べて、電気泳動時、向上したゲル分解能で、より多くの試料量をゲルのウェル中にロードすることができる。
本発明の一態様は、前面板と背面板を含み、少なくとも1つの板の内面に段のある構成(stepped configuration)を有するゲルカセットを提供する。段のある構成を有する板は、上部と下部を有し、板の上部は板の下部よりも少なくとも0.05mm薄い。このため、前面板と背面板の内面が対向して一緒に固定されると、ゲルカセットの上部においてゲルチャンバーを定める2つの板の間に形成された間隔は、その下部での間隔よりも大きい。
本発明の別の態様は、ゲルカセットの頂部開口に挿入された櫛を提供する。この櫛は、下方に延びてゲルマトリックスに挿入される少なくとも1つの櫛歯を有する。櫛歯の厚さは、前面板と背面板の上部の間に形成された間隔と実質的に同じである。好ましい態様において、櫛の歯の長さは、板の薄い方の上部の高さと実質的に同じである。本発明の態様によれば、櫛がゲルカセットに挿入されると、板と板の間の距離およびウェルの厚さが全体にわたって一定である標準ゲルカセットおよび櫛を用いて形成されたウェルの容量と比べて、容量が増加したより厚いウェルが形成される。
本発明の別の態様は、重合したゲルマトリックス中の試料ウェルの壁(walls)の間にネットワークを形成するために、背面板が、その上部に設けられた凹溝を含むゲルカセットを提供する。この凹溝は少なくとも0.05mmの幅、0.05mmの深さを有する。櫛がゲルカセットに挿入された後、ゲルマトリックスは櫛歯の間の間隔に充填されて、その後、凹溝に流れ込む。これにより、試料ウェルの壁をその場に精度よく位置決めするための手段が提供され、試料ローディングおよびゲル電気泳動の際の移動が妨げられる。
本発明の好ましい態様において、ゲル電気泳動装置は、前面板と背面板を含み、少なくとも1つの板は段のある内面を有し、底部での板と板との距離が1mmであり、且つ上部での板と板との距離が1.05mmであるゲルカセット;及び櫛歯の厚さが1mmよりも大きく、且つゲルカセットの上部での板と板との間の距離と実質的に同じである櫛、を含む。この好ましい態様に記載の装置を用いて注入されたゲル中の試料ウェルの容量は、標準1mmゲルカセットおよび櫛を用いて注入された1mm厚のゲルの試料ウェルより少なくとも10%多い。
本発明の内容をより良く了解するために、異なる部材が対応する番号を参照しながら、各種の実施例を以下の発明の詳細の説明において更に説明する。図面及びその詳細の説明は本発明に異なる実施例を提供する。ただし、本発明の範囲はこれらの実施例の検討と図面に限定されたものではない。
図面において、
図1Aと図1Bは、本発明の一態様にかかる、2つのプラスチック板を含む、組み立てられたゲルカセットの側面斜視図と断面図である。 図2Aと2Bは、それぞれ本発明の一態様にかかる前面板の内面斜視図と断面厚さ図である。 図3Aと3Bは、それぞれ本発明の一態様にかかる背面板の内面斜視図と断面厚さ図である。 図4は、本発明の一態様にかかる、ゲルカセットおよび12個の櫛歯を有する櫛を含む、組立てられた装置を示す。 図5A〜5Dは、それぞれ本発明の様々な態様にかかる、12個の櫛歯の前面斜視図、背面斜視図、裏側面図及び断面図である。 図6Aと6Bは、それぞれ標準1mmゲルカセットと本発明の一態様により組立てられた1mmゲルカセットの、試料ローディングの際の違いを示す断面図である。 図7Aと7Bは、それぞれ標準1mmゲル電気泳動装置と本発明の一態様により組立てられた1mmゲル電気泳動装置を用いたゲル電気泳動像である。
引用されたすべての文献と特許は、参照として組み込まれる。特別に説明しない限り、本発明におけるすべての技術と科学用語がいずれも当業者に普通に理解された意味と同じである。なお、特徴用語について説明しながら定義する。
ここでいう「ゲルカセット」とは、対向して並べられた2つの板であって、それらの間に間隔を設けて一緒に固定された2つの板から組立てられた装置である。2つの板の間に形成された間隔は、「ゲルチャンバー」と呼ばれる。ゲルマトリックスはゲルチャンバー内に保持される。ゲルカセットのサイズと他の性質を記述する特定の技術用語は以下の意味がある。板の「頂部長さ」とは、その上端に沿って垂直側端に垂直な方向に延びる寸法であり、「板と板との距離」とは、板の面に垂直な方向に延びる2つの板の間で測定される距離であり、「頂部開口」又は「頂部での間隔」とは、両板の上端近くに達することができる2つの板の間の間隔であり、「底部開口」又は「底部での間隔」とは、両板の下端近くに達することができる2つの板の間の間隔であり、「ゲル厚さ」とは、ゲルカセットを形成するために組立てられた板の面に垂直な方向でのゲルの寸法である。
ここでいう「ウェル」又は「試料ウェル」とは、櫛がゲルカセットの頂部開口に挿入されて櫛歯が下方に延びてゲルマトリックスに挿入されたときに、櫛歯によって、ゲルカセットの上端に沿ってゲルマトリックス中に形成される試料区画である。「ウェル厚さ」とは、ウェルのゲルカセットの板の面に垂直な方向におけるウェルの寸法である。
ここでいう「標準ゲルカセット」と「標準ゲルカセットおよび櫛」とは、いずれも、ゲルカセットの板の間の板と板との距離が全体にわたって一定な、ゲル電気泳動装置である。より具体的には、「標準1mmゲルカセット」と「標準1mmゲルカセットおよび櫛」とは、ゲルカセットの板の間の板と板との距離、ゲル厚さ及びウェル厚さがいずれも全体にわたって1mmで一定な、ゲル電気泳動装置である。標準1mmゲルカセットに利用される櫛歯厚さも1mmであることが理解される。
図面を詳細に参照すると、図1Aは本発明の一態様により組み立てられたゲルカセットを示し、参照数字10により一般に示される。ゲルカセット10は前面板12と背面板14との2枚の板からなる。前面板と背面板はそれぞれ上端16、下端18、及び2つの側端20を有する。各板は、内面及び外面という2つの表面を有する。ゲルカセットを組み立てる場合、前面板と背面板の内面は、それぞれの端を揃えて対応して配置される。前面板の上端16は、2つの側端を除くその頂部長さを横切る切欠き22を含むことにより、電気泳動の際にゲルマトリックスの上端が緩衝液に接することを可能にし、且つ試料ローディングを促進することができる。このため、組み立てられたゲルカセットにおいて、前面板の上端16は、背面板の上端16よりも低い。
ゲルカセットの2枚の板を、適当な方法により、例えば超音波溶接により、一緒に組み立てることができる。組み立てられた後、カセットの底部開口を適当なテープ、接着剤又は重合物材料で密封してもよいし、又は密封しなくてもよい。ゲルカセットに注入されたゲル溶液は、ポリアクリルアミド、アガロース、及び澱粉を含む何らかの適当なマトリックス材料であってよいが、それらに限定されない。ただし、ポリアクリルアミドが最も好ましい。板は、何らかの適当な材料で製造することができ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン、ポリスチレン、ポリエチレン又は様々な共重合体を含むプラスチックであるが、これらに限定されない。電気泳動のプロセスの観察を促進するために、板は透明であってもよい。
本発明の態様によれば、ゲルカセットの前面板と背面板は、組み立てを容易にするために、板の側端に、突起(bumps)や棒(posts)(図1)のような更なる特徴を有する。板の側端に沿うこれらの更なる特徴も、板を隔てるスペーサーとして機能してゲルマトリックスを保持するゲルチャンバー25(図1B)を形成する。具体的には、これらの突起は、ゲルカセットを組み立てる過程において、スペーサーの役割を果たし、棒は2つの板を一緒に保持して組立過程で板が変形することを防止する。これらの更なる特徴も、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−スチレン、ポリスチレン、ポリエチレン又は様々な共重合体を含む適当なプラスチック材料から形成することができるが、これらに限定されない。好ましくは、板と同じ材料で形成される。
図2Aと3Aはそれぞれ前面板と背面板の内面の側面斜視図である。図に、本発明の態様にかかる、2つの板を一緒に組み立てることを容易にする更なる特徴を示す。前面板の底部に位置する円柱状の棒26は、背面板が組み立て過程において湾曲することを防止するために設けられる。前面板の側端に位置するコーナー形状の棒24は、前面板と背面板を一緒に正確に組み立ててゲルカセットを形成することを補助する。図3Aに示すように、背面板はその側端に位置する4つの円柱状の棒32を有する。これらの円柱状の棒32は、ゲルカセットの組み立て中に前面板の側端でコーナー形状の棒24と適合して板を一緒に正確に位置決めするために設けられる。前面板と背面板部材を一緒に位置決め及び固定する更なる特徴は、間隔をおいて配置されてゲルチャンバーを形成するが、それらは使用してもよいが、ここに具体的に記載したものに限定されない。
本発明の態様によれば、ゲルカセットの少なくとも1つの板の内面は、段のある構成を有し、板は上部及び下部を有し、板の上部は、板の下部より薄い。図2Aと2Bに示すように、それら図面のうちの後者は、本発明の態様にかかる段のある構成を有する前面の断面厚さ図であり、前面板の内面は、上部28及び下部30を有する。上部28と下部30は、段のある領域29によって分けられている。上部の高さh1は、段のある領域から上端16までで測定され、下部の高さh2は、段のある領域から下端18までで測定される。好ましくは、h1はh2よりも小さい。好ましい態様では、上部の高さh1は、少なくとも試料ウェルの形成に用いられる櫛歯の長さと同じである。本発明にかかる櫛の具体的態様を、以下により詳細に記載する。
図2Bの前面板の断面厚さ図を参照すると、前面板の上部は厚さt1を有し、下部は厚さt2を有する。本発明の態様によれば、t1はt2よりも少なくとも0.05mm薄い。例えば、t1は1.4mmであり、t2は1.8mmであることができる。他の態様において、詳細を後述するように背面板の内面に段のある構成があるならば、t1とt2は同じであってよい。
本発明の別の態様では、図3Aと3Bに示すように、背面板の内面に、段のある構成がある。図3Aの背面板の内面の側面斜視図を参照すると、背面板は、段のある領域38によって分けられた上部34と下部36を有する。その上部の高さh3は、段のある領域38から上端16までで測定され、下部の高さh4は、段のある領域から下端18までで測定される。好ましくは、h3はh4よりも小さい。好ましい態様では、上部の高さh3は、少なくとも試料ウェルを形成するために用いられる櫛歯の長さと同じである。
図3Bの背面板の断面厚さ図を参照すると、上部34は厚さt3を有し、下部36は厚さt4を有する。本発明の態様によれば、t3はt4より少なくとも0.05mm薄い。他の態様によれば、前記し且つ図2Bに示すように、前面板がt1がt2より少なくとも0.05mm薄い段のある構成を有するならば、t3とt4は同じでもよい。
本発明の態様によれば、ゲルカセットの頂部開口における板と板との距離d1は(図1B)、ゲルカセットの底部開口における板と板との距離d2より大きい。なぜなら、ゲルカセットの少なくとも1つの板は、段のある構成を有するからである。一態様では(例えば、図1Bに示すように)、前面板と背面板はいずれも段のある構成を有し、板の上部は、下部より薄い。言い換えると、t1はt2よりも少なくとも0.05mm薄く(図2B)、且つt3はt4よりも少なくとも0.05mm薄い(図3B)。別の態様では、前面板のみに段のある構成があり、前面板の上部はその下部よりも薄いが、背面板の上部と下部は同じ厚さである。言い換えると、t1はt2よりも少なくとも0.05mm薄く、t3とt4は同じである。更に別の態様では、背面板のみに段のある構成があり、背面板の上部はその下部よりも薄いが、前面板の上部と下部は同じ厚さである。言い換えると、t1とt2は同じであり、t3はt4よりも少なくとも0.05mm薄い。
本発明の別の態様において、板と板との距離d1(板の上部における間隔とも呼ばれる)は、ゲルカセットの上部全体にわたって一定である。また、板と板との距離d2(板の下部における間隔とも呼ばれる)は、ゲルカセットの底部全体にわたって一定である。
本発明の他の態様は、ゲルカセットの頂部開口における間隔に挿入される櫛を提供する。ここで使用する技術用語である「櫛」とは、試料ウェルを形成するために用いられるテンプレートを指す。櫛は、以下において「櫛背(spine)」と呼ばれる矩形の支持構造と、櫛背からその長さに沿って下方に延びる指状の突起(「櫛歯」と呼ばれる)からなる。各櫛歯は前面と裏面という2つの面を有する。櫛背も同様に前面と裏面という2つの面を有する。ここで櫛歯の寸法を説明する特定の技術用語は、以下の意味を有する:「長さ」とは、櫛歯が櫛背と接する接点から櫛歯の最遠先端(extreme tip)まで延びる方向における寸法であり、「厚さ」とは、櫛歯の前面から櫛歯の裏面まで延びる方向における寸法であり、「幅」とは、その長さに垂直な櫛歯の面を横切って延びる方向における寸法である。櫛は適当な材料から形成することができ、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)、ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride)、ポリメタクリル酸メチル(polymethyl methacrylate)、アクリロニトリル−スチレン(acrylonitrile-styrene)、ポリスチレン(polystyrene)、ポリエチレン(polyethylene)又は様々な共重合体を含むプラスチックが好ましいが、これらに限定されない。
図4は、本発明の態様にかかる、ゲルカセットの頂部開口に挿入された櫛42を含むゲルカセットの例を示す。櫛は、櫛背44及び少なくとも1つの櫛歯46からなる。図4に示す具体例において、櫛は、12個の櫛歯を有する。本発明の態様によれば、前記櫛は少なくとも1つの櫛歯を有し、15個以上の櫛歯を含んでよい。
図5A〜5Dは、それぞれ本発明の態様にかかる、12個の櫛歯を有する櫛の前側斜視図、裏側斜視図、裏側平面図及び断面厚さ図を示す。好ましくは、図5Cに示すように、これらの櫛歯は、櫛背の長さに沿って均等に間隔があいている。より好ましくは、各櫛歯は、櫛背に近接する幅が大きく、そして、櫛背から離れると内側にわずかに次第に細くなることにより、台形形状を形成する。このため、櫛背に近接する任意の2つの櫛歯の間の間隔の幅w2は、櫛背から離れる任意の2つの櫛歯の間の間隔の幅w3よりも狭い。例えばw2は1.4mmで、w3は2.03mmであることができる。
本発明の態様によれば、櫛の厚さt5(図5Bと5D)は、組み立てられたゲルカセットの板の上部における板と板との間の距離d1(図1)と実質的に同じである。このため、櫛がゲルカセットの頂部開口における間隔に挿入される場合、各櫛歯の前面50は、前面板の上部の内面とぴったりくっつき、各櫛歯の裏面54は、背面板の内面の上部とぴったりくっつく。
本発明の他の態様は、フランジ48を有する櫛を提供する(図5A)。フランジは、その前面52に櫛背44の長さに沿って設けられ、接点で櫛背は櫛歯と接する。図5Dを参照すると、フランジは、各櫛歯の前面50に実質的に垂直な方向で外側に向かって延びる。櫛歯の前面50が前面板の内面と対向した状態で、櫛がゲルカセットの頂部開口における間隔に挿入される場合、フランジは、前面板の上端上に置かれる。図5Bの12個の櫛歯を有する櫛の裏側面図に示すように、フランジは、櫛背の前面のみに配置され、各櫛歯の裏面54は、櫛背の裏面56とぴったり重なる。
本発明の別の態様によれば、図3Aと3Bに示すように、ゲルカセットの背面板の内面の上部には凹溝40が設けられる。凹溝は、板の上端に平行な方向に2つの側端を除く板の頂部長さを横切って延びる。凹溝は、好ましくは、背面板の上部に位置し、前面板と背面板を一緒に組み立ててゲルカセットを形成した場合、凹溝の位置は前面板の上端よりも低いが前面板の段のある領域よりも高い。図3Bを参照すると、凹溝の深さd3は少なくとも0.05mmであり、且つ幅w1は少なくとも0.05mmである。例えば、d3は0.8mmであり、w1は1.2mmであることができる。凹溝深さd3は、背面板の上部の厚さt3よりも小さい。凹溝の目的は、ゲルチャンバー内でゲルマトリックスを重合した後に、試料ウェルの壁の間にゲルネットワークを形成することを可能にすることである。このゲルネットワークは、試料ウェルを正確に位置決め保持する役割を果たすことにより、試料ローディングを促進し、且つゲル分解能を向上することができる。
本発明の更に別の態様によれば、櫛の各櫛歯の前面の長さは、各櫛歯の裏面の長さよりも短い。図5Cと5Dを参照すると、各櫛歯の前面の長さl1は、各櫛歯の裏面の長さl2よりも少なくとも0.05mm短い。各櫛歯の2つの面の間の長さの差を、l3(図5Cを参照)と示す。櫛歯と櫛背が接する接点において、櫛歯を斜めに切ることにより、斜面58(図5D)が形成され、これにより、櫛歯間の間隔は背面板の凹溝40を介して連通できるようになる(図3Aと3B)。櫛をゲルカセットに挿入した後、カセット中のゲルマトリックスは、まず櫛歯間の間隔に充填され、そして、その後に背面板の凹溝に流れる。
本特許の好ましい態様において、ゲルカセットの底部開口における板と板との間の距離d2は1mmであり、頂部開口における板と板との距離d1は少なくとも1.05mmであり、櫛歯の厚さt5はd1と実質的に同じであり、このため、ここで利用した櫛歯の厚さは、標準1mm電気泳動ゲルカセットに利用されている櫛歯の厚さよりも厚い。ゲルカセット全体にわたって板と板との距離が1mmであり、ウェルの厚さが1mmである標準1mmゲルカセットと比べると、本発明のこの好ましい態様にかかるゲルカセットでは、試料量を、約10%〜120%増加させることができる。
本発明のこの好ましい態様の関連する態様によれば、ゲルカセットの上部における板と板との距離は、標準的なピペット先端が、ゲルにダメージを与えることなく、試料ローディング中に、試料ウェルの底部に達するのに十分なほど大きい。図6Aと6Bは、それぞれ標準的なピペット先端を用いて標準1mmゲルカセットに試料をローディングする場合、及び標準的なピペット先端を用いて本発明の好ましい態様により組み立てられたゲルカセットに試料をローディングする場合の模式図である。図6Aに示すように、標準的なピペット先端は、標準1mmゲルカセットにおいて、ウェルの底部に達することができない場合がある。しかし、本発明の好ましい態様により組み立てられたゲルカセットの頂部開口は、標準的なピペット先端が頂部開口を通り抜けてウェルの底部に達することを可能にするに十分な幅を有するので、試料を直接にウェルの底部に加えることができる(図6B)。この特徴により、試料ローディングは容易になり、試験の工程は簡素化され、且つゲル分解能は向上される。
本発明の他の態様によれば、標準ゲルカセットに同じ量をローディングした後のウェル中の試料高さと比べて、試料ローディング後のゲルカセットのウェル中の試料高さは低下する(図6Aと6Bを参照)。本発明をサポートした試験において、標準1mmゲルカセットを用いたゲル電気泳動を、板の底部における板と板との距離が1mmである本発明の好ましい態様により組み立てられたゲルカセットを用いたゲル電気泳動と比較した(図7Aと7B)。図7Aに示すように、標準1mmゲルカセットの各ウェルに6μLを試料ローディングし、図7Bに示すように、本発明の好ましい態様により組み立てられた1mmゲルカセットの各ウェルに6μLを試料ローディングした。2分間電気泳動した後に写真撮影した。本発明のゲルカセットを用いて観察された試料高さh6は、標準1mmゲルカセットにおける観察された試料高さh5よりも2〜3倍短い。このため、本発明の態様により組み立てられたゲルカセットの頂部開口がより広く設計されていることにより、標準ゲルカセットと比べて、試料高さを低下させることができ、最終的にはゲル分解能が向上される。
当業者は、本発明の実施例に基づいて、本発明の主旨を逸脱しない改良を行うことができる。このため、本発明は、本特許に記載の特定の発明実施例に限定されず、本発明の主旨及び付随する請求項で定義された範囲内の修正を含むことを理解することができる。

Claims (15)

  1. 前面板と背面板を含み、前記前面板と背面板はいずれも内面、上端、下端及び2つの側端を有し、前記前面板と背面板は少なくとも前記2つの側端に沿って互いに固定され、それらの内面は間隔をあけて対向してゲルチャンバーを形成し、前記前面板と背面板の少なくとも一方の板の内面は、段のある構成(stepped configuration)を有することにより前記少なくとも一方の板は上部と底部とを有し、前記上部が前記底部より少なくとも0.05mm薄い厚さを有することにより、前記板の間の前記ゲルチャンバーの一部を形成する間隔は、前記上部において、前記底部における板の間の前記ゲルチャンバーの一部を形成する空間より大きく、かつ前記上部における板と板との距離が前記上部全体にわたって一定であるゲルカセット(i)と、
    前記ゲルチャンバー内に保持されたゲルマトリックス(ii)と、
    前記前面と背面板の上部の空間(spacing)に挿入された櫛(comb)(iii)と、
    を含むゲル電気泳動を実施するための装置であって、
    前記櫛は、櫛背(spine)と複数の櫛歯(teeth)とを有し、
    前記複数の櫛歯は櫛背から下へ突出してゲルマトリックス内に延び、前記複数の櫛歯の隣接する櫛歯の間隔(gaps)がゲルマトリックスによって満たされ、ゲル電気泳動を実施するために櫛が除去されるとゲルマトリックス中に複数のウェル形成され
    前記複数の櫛歯は一定かつ前記前面板と背面板の上部の間の間隔と実質的に同じ厚さを有し、かつ
    前記複数のウェルは、前記前面板の上部と背面板の上部との間に形成される、ゲル電気泳動を実施するための装置。
  2. 前記少なくとも一枚の板の上部は高さを有し、かつ前記櫛の前記複数の櫛歯は長さを有し、前記少なくとも1枚の板の上部の高さは、前記櫛の前記複数の櫛歯の長さと実質的に同じである、請求項1に記載の装置。
  3. 前記ゲルカセットの前面板は切り欠きを含み、前記切り欠きが前記2つの側端を除く前面板の上部長さを横切って延び、前記前面板は背面板の上端よりも上端が低くなっている、請求項1に記載の装置。
  4. 前記ゲルカセットの背面板には凹溝があり、前記凹溝は、背面板の内面にその上部に沿って設けられて前記2つの側端の間でその上端と平行な方向に延び、前記前面板と背面板が互いに固定されるときに前記前面板の上端と下端との間に位置し、前記凹溝がゲルマトリックスを含んで隣接するウェルの壁をつなぐゲルネットワークがもたらされる、請求項1に記載の装置。
  5. 前記凹溝の幅は少なくとも0.05mmであり、深さは少なくとも0.05mmである、請求項4に記載の装置。
  6. 前記櫛の前記複数の櫛歯は前面と裏面を有し、前記複数の櫛歯を傾斜させて支持部から切り取ると前記複数の櫛歯の前面が前記複数の櫛歯の裏面より短い、請求項1に記載の装置。
  7. 前記櫛の前記複数の櫛歯の前面は、前記櫛の前記複数の櫛歯の裏面より少なくとも0.05mm短い、請求項6に記載の装置。
  8. 前記櫛の櫛背は前面と裏面を有し、フランジが、前記複数の櫛歯が櫛背と接する接点(interface)で前記櫛背の前面に設けられ、前記フランジが、前記櫛の前記複数の櫛歯の前面と実質的に垂直な方向に延び、前記複数の櫛歯の前面が前記前面板の内面と対向した状態で前記櫛が前記前面と背面板の上部の間の間隔に挿入されるときに、前記フランジが前記前面板の上端上に置かれる、請求項1に記載の装置。
  9. 前記櫛は〜15個の櫛歯を有する、請求項1に記載の装置。
  10. 前記底部における前記ゲルカセットの前面板と背面板との間の間隔は、1mmである、請求項1に記載の装置。
  11. 前記ゲルマトリックス中のウェルは、標準1mmゲルカセットより20%〜100%多い試料を保持する、請求項1に記載の装置。
  12. 前記前面板と背面板の両方が、内面に段のある構成を有する、請求項1に記載の装置。
  13. 前面板と背面板を含み、前記前面板と背面板はいずれも内面、上端、下端及び2つの側端を有し、前記前面板と背面板は少なくとも前記2つの側端に沿って互いに固定され、それらの内面は間隔をあけて対向してゲルチャンバーを形成し、前記前面板と背面板の少なくとも一方の板の内面は、段のある構成を有することにより前記少なくとも一方の板は上部と底部とを有し、前記上部が前記底部より少なくとも0.05mm薄い厚さを有することにより前記板の間の前記ゲルチャンバーの一部を形成する間隔は、前記上部において、前記底部における板の間の前記ゲルチャンバーの一部を形成する空間より大きく、かつ前記上部における板と板との距離が前記上部全体にわたって一定であるゲルカセット(i)と、
    前記前面板と背面板の上部の空間に挿入された櫛(ii)と、
    を含むゲル電気泳動を実施するための装置であって、
    前記櫛は、櫛背と複数の櫛歯とを有し、
    前記櫛が前記前面板と背面板の上部の空間に挿入されると、前記櫛歯は櫛背から下へ突出してゲルチャンバー内に延び、前記複数の櫛歯の隣接する櫛歯の間隔(gaps)が前記ゲルチャンバー内に保持されたゲルマトリックスによって満たされ、
    前記複数の櫛歯は一定かつ前記前面と背面板の上部の間の間隔と実質的に同じ厚さを有し、ゲル電気泳動を実施するために櫛が除去されると前記ゲルチャンバー内に保持されたゲルマトリックス中に複数のウェルが形成され、かつ
    前記複数のウェルは、前記前面板の上部と背面板の上部との間に形成される、ゲル電気泳動を実施するための装置。
  14. 前記ゲルカセットの背面板には凹溝があり、前記凹溝は、背面板の内面にその上部に沿って設けられて前記2つの側端の間でその上端と平行な方向に延び、前記前面板と背面板が互いに固定されるときに前記前面板の上端と下端との間に位置し、前記凹溝がゲルマトリックスを含んで隣接するウェルの壁をつなぐゲルネットワークがもたらされる、請求項13に記載の装置。
  15. (i)請求項1〜14のいずれか1項に記載の装置においてゲル電気泳動を実施するために櫛を除去して前記複数のウェルを形成すること、および、
    (ii)少なくとも1つのウェルにサンプルを適用すること、
    を含む、ゲル電気泳動を実施する方法。
JP2015542811A 2012-11-20 2013-11-15 大量試料をローディングするためのゲル電気泳動装置 Active JP6196680B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US13/682,125 2012-11-20
US13/682,125 US9061236B2 (en) 2012-11-20 2012-11-20 Gel electrophoresis device for loading large sample volumes
PCT/US2013/070263 WO2014081625A1 (en) 2012-11-20 2013-11-15 Gel electrophoresis device for loading large sample volumes

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016501368A JP2016501368A (ja) 2016-01-18
JP6196680B2 true JP6196680B2 (ja) 2017-09-13

Family

ID=49880928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015542811A Active JP6196680B2 (ja) 2012-11-20 2013-11-15 大量試料をローディングするためのゲル電気泳動装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US9061236B2 (ja)
EP (1) EP2923198B1 (ja)
JP (1) JP6196680B2 (ja)
KR (1) KR101791504B1 (ja)
CN (1) CN104956214B (ja)
WO (1) WO2014081625A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9234874B2 (en) * 2011-02-24 2016-01-12 Bio-Rad Laboratories, Inc. Dimensional stabilization of slab gel cassettes to prevent distortion caused by swelling gels
CN108359177A (zh) * 2018-02-25 2018-08-03 柴建锋 一种预制胶用聚丙烯材料及其制备方法
CN110215884A (zh) * 2019-07-03 2019-09-10 常州天地人和生物科技有限公司 一种电泳用凝胶制备装置
CN112881499A (zh) * 2019-11-29 2021-06-01 鸿林堂生物科技股份有限公司 电泳凝胶的胶壳
KR102397413B1 (ko) * 2022-02-24 2022-05-12 주식회사 미소진 웰 식별마크가 표시된 전기영동용 겔

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60104760U (ja) * 1983-12-21 1985-07-17 杉村 嘉男 ゲル電気泳動に用いる高感度検出試料櫛
JPS60170769U (ja) * 1984-04-21 1985-11-12 株式会社島津製作所 二次元電気泳動装置のスラブゲル
US5073246A (en) * 1990-05-16 1991-12-17 Bio-Rad Laboratories, Inc. Slab electrophoresis system with improved sample wells and cooling mechanism
US5411657A (en) 1993-09-14 1995-05-02 Leka; George T. Molded plastic electrophoresis cassettes
JP2955839B2 (ja) 1995-03-27 1999-10-04 日立電子エンジニアリング株式会社 Dna塩基配列決定装置
US5993628A (en) * 1998-04-17 1999-11-30 The Perkin-Elmer Corporation Electrophoresis method and apparatus for separating bio-organic molecules
WO2011028532A1 (en) * 2009-08-24 2011-03-10 Life Technologies Corporation Electrophoresis gel cassette and comb

Also Published As

Publication number Publication date
US9061236B2 (en) 2015-06-23
US20140138249A1 (en) 2014-05-22
WO2014081625A1 (en) 2014-05-30
JP2016501368A (ja) 2016-01-18
CN104956214B (zh) 2017-10-10
KR101791504B1 (ko) 2017-10-30
KR20150085075A (ko) 2015-07-22
CN104956214A (zh) 2015-09-30
EP2923198B1 (en) 2019-01-09
EP2923198A1 (en) 2015-09-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20240192165A1 (en) Electrophoresis gel cassette and comb
JP6196680B2 (ja) 大量試料をローディングするためのゲル電気泳動装置
US6562213B1 (en) Electrophoresis apparatus for simultaneous loading of multiple samples
US10101296B2 (en) Mini-gel comb
US7033477B2 (en) Electrophoresis gel assembly
KR102645006B1 (ko) 전기 영동용 아가로스 겔 제조보관틀
WO2014088948A1 (en) Combless gel electrophoresis device
JPH08166370A (ja) 電気泳動装置及び電気泳動装置用支持体作製装置
JPH10253591A (ja) サンプルプレートとマルチキャピラリー電気泳動装置
IL154643A (en) Electrophoresis apparatus for simultaneous loading of multiple samples

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160425

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160510

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160809

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160906

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161206

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170203

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170302

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170818

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6196680

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250