JP6194655B2 - 液体吐出ヘッドの分極処理方法および液体吐出ヘッドの分極処理装置、並びに液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッドの分極処理方法および液体吐出ヘッドの分極処理装置、並びに液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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本発明は、強誘電体素子の分極処理を行う液体吐出ヘッドの分極処理方法に関する。
インクジェットプリンタ等の液体吐出ヘッドでインク等の液体を吐出する部分(アクチュエータ)は電気機械変換特性を持つ強誘電体素子(チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等)で振動板を駆動させている。
強誘電体素子が電機機械変換特性を発揮するためには、製造工程のどこかで強誘電体素子に対して素子内の小領域(ドメイン)が持つ電気的な極性の方向を揃えるための分極処理を行なう必要がある。分極処理の手段としては、強誘電体素子に対して直接、直流電圧を印加する手段、あるいは強誘電体素子の直上でコロナ放電を発生させて荷電する手段があり、いずれかを利用する方法が既に知られている。
しかしながら、今までの電圧印加による分極手段で強誘電体素子を分極処理して所望の分極特性を得るためには、アクチュエータを構成する振動板の個々に対して半導体製法で形成された薄膜状の強誘電体素子に対して数分程度の電圧印加時間を要する。このことから、シリコンウエハ1枚分の各アクチュエータを構成している強誘電体素子を分極するためには数時間を要するという問題があった。
一方のコロナ放電による分極手段は、シリコンウエハ1枚分のアクチュエータを構成している強誘電体素子の全てに対して、分極処理が20分程度で実施できる。
ところが、コロナ放電による分極手段では、シリコンウエハ上で形成されるアクチュエータの振動板がコロナ放電を実施するコロナワイヤに対して露出している製造段階でコロナ放電を実施しなければならないという工程設計上の制約を受けるという問題があった。また、コロナ放電を実施したあとのアクチュエータ製造工程によって分極量が変化するという問題があった。
ここで、特許文献1(特許第4927400号公報)には、コロナ放電によって圧電体(強誘電体)を分極(ポーリング)する目的で、コロナ放電の基本的な実施方法が記載され、具体的には実施例において上部電極を形成する前にポーリングする方法が開示されている。
また、特許文献2(特開2009−016819号公報)には、直流電圧印加によって圧電体(強誘電体)を分極(ポーリング)する目的で、予備分極を2回と本番の分極を実施する方法が開示されている。
しかしながら、コロナ放電分極処理後の変化や分極のバラツキという問題と、直流電圧印加処理に時間が掛かるという問題との双方を解決するには至っていない。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、強誘電体素子の分極処理に要する時間を低減し、分極のバラツキが少ない液体吐出ヘッドの分極処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明に係る液体吐出ヘッドの分極処理方法は、強誘電体素子を有するアクチュエータを備える液体吐出ヘッドの分極処理方法であって、コロナ放電による第1の分極処理工程と、正の抗電界Ecを超える電圧を印加する第2の分極処理工程と、を備え、前記強誘電体素子を分極処理することを特徴とする。
本発明によれば、強誘電体素子の分極処理に要する時間を低減し、分極のバラツキが少ない液体吐出ヘッドの分極処理方法を提供することができる。
アクチュエータを形成する製造工程を示す工程フロー図である。 図1に示すコロナ分極を行なうまでの工程で形成されたアクチュエータの構成を示す模式図である。 コロナ放電用の装置の構成を示す概略図である。 図1に示す電圧印加分極を行なうまでの工程で形成されたアクチュエータの構成を示す模式図である。 電圧印加用の装置の構成を示す概略図である。 (a)ヒステリシスループを示すグラフである。(b)ファーストループ(分極処理前)を示すグラフである。(c)ファーストループ(分極処理後)を示すグラフである。 従来のコロナ放電を用いた製造方法における各工程時の分極量差の変動を示すグラフである。 コロナ分極の後に電圧印加分極を実施した場合の分極量差の変動を示すグラフである。 本発明に係る液体吐出ヘッドの分極処理方法により分極処理が為された場合の分極量差の変動の一例を示すグラフである。 (a)正の抗電界Ecを超えて一定の電圧値を印加する電圧波形の印加の例を示すグラフである。(b)電圧値が正の範囲であって、下限がEc以下、上限がEcを超える電圧値で周期性を持った電圧波形の印加の例を示すグラフである。(c)電圧値が負の抗電界−Ec以上であって、下限がEc以下、上限がEcを超える電圧値で周期性を持った電圧波形の印加の例を示すグラフである。
本発明に係る液体吐出ヘッドの分極処理方法は、強誘電体素子210を有するアクチュエータを備える液体吐出ヘッドの分極処理方法であって、コロナ放電による第1の分極処理工程と、正の抗電界Ecを超える電圧を印加する第2の分極処理工程と、を備え、前記強誘電体素子210を分極処理することを特徴とする。
コロナ放電による分極処理は非接触であるが強誘電体に対して短時間の操作で分極処理の効果が強誘電体において発現する。
一方、電圧印加による分極処理は強誘電体に対して時間をかけて直接、電荷を注入することで確実に強誘電体の分極処理を行なうことができる。
そこでコロナ放電によって一次処理として強誘電体に対して分極処理を実施する。次いで二次処理として電圧印加によって比較的短時間の分極処理を強誘電体に対して実施する。この二種の処理を経ることで、一次処理後の製造工程中に変動した分極特性を二次処理で補完する形になるので、アクチュエータ製造工程全体として分極処理に要する時間を短くでき、かつ、強誘電体素子にバラツキの少ない分極を付与できる。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの分極処理方法についてさらに詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は以下の説明において本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
[液体吐出ヘッドの分極処理方法、液体吐出ヘッドの分極処理装置]
図1はアクチュエータを形成する製造工程(1)〜(12)を示す工程フロー図である。
図2は図1に示すコロナ分極を行なうまでの工程で形成されたアクチュエータの模式図である。図2の電気機械変換膜(圧電体)を分極するには図3に示すような構成のコロナ放電用の装置が用いられる。
図1に示す各工程(1)〜(12)について、先ず概要を説明しながらその流れを述べた後に、詳細に説明する。
(1):電気機械変換膜成膜
シリコン等からなる基板201上に電気機械変換特性を有する薄膜である電気機械変換膜204を数層〜数十層を積層形成する。
(2):スタッドバンプ形成
駆動用ICの固定と導通のための接合ポイントを基板201に形成する。
(3):コロナ分極(第1の分極工程)
コロナ放電によって分極処理を行なう。
(4):保持基板接合
加工処理する基板201を補強するためにもうひとつのシリコン等からなる保持基板206を接着する。
(5):駆動用IC実装
第2の電極205(個別電極)への印加を制御するICをスタッドバンプに接着する。
(6):加圧液室加工
強誘電体素子210が加圧する吐出インクを貯める空間(個別液室201b)をエッチングで掘削加工する。
(7):耐液性薄膜成膜
個別液室201bの表面に耐液性薄膜(保護膜)を形成する。
(8):ウエハ検査
基板201上に形成されたインクジェットヘッド等の液体吐出ヘッド用のアクチュエータをウエハ全体で検査する。
(9):ダイシング
基板201上に形成された液体吐出ヘッド用のアクチュエータを個別に切り分ける。
(10):電圧印加分極(第2の分極工程)
電圧を印加して分極を行なう。
(11):検査選別
切り分けられたアクチュエータを個々に検査して良品を選別する。
(12):ヘッド組立
アクチュエータなどの部品を組み付けて液体吐出ヘッドを組立てる。
図1に示す製造工程において、コロナ放電によって分極処理を行なう位置を「コロナ分極」、電圧を印加して分極を行なう位置を「電圧印加分極」で示している。
コロナ分極はコロナ放電によって発生する電荷が第2の電極205および第1の電極203に到達しなければならないため、それぞれの電極がコロナ放電に対して曝露されている状態において、すなわち、保持基板接合工程(前記工程(4))や駆動IC実装工程(前記工程(5))よりも前の工程で実施する必要がある。
なお、電圧印加分極(前記工程(10))の位置は実施の形態の一つであり、他の工程間で実施することもできるが、ここでは駆動用ICを利用して通電することを念頭に置いている。
インク吐出部分(アクチュエータ)は図1に示す製造工程で形成される。アクチュエータは1個の液体吐出ヘッドに対して液体の吐出口(ノズル)の数だけ必要で、それらはウエハ上でまとめて形成され、ダイシング工程で個別のヘッド用に分割されて、個別のヘッドの組立に供される。
シリコン基板201上に半導体の薄膜形成プロセスによって振動板202、第1の電極203(下部電極、共通電極)、電気機械変換膜204(圧電体;PZTなど)、第2の電極205(上部電極、個別電極)を形成し、エッチング処理でウエハ上に個別のアクチュエータとして加工されている。
以上は図1における電気機械変換膜成膜工程(前記工程(1))で形成されるものである。
すなわち、シリコン基板201上にまず振動板202を膜状に形成し、次に第1の電極203を膜状に形成し、次に電気機械変換膜204(圧電体)を数層〜数十層となるように重ねて形成し、最後に第2の電極205を膜状に形成する。しかる後に、強誘電体素子部分を残して不要な部分をエッチング処理で削減している。この状態で図3のコロナ放電分極装置で分極処理を行なう。
図3はコロナ放電分極装置の仕組である。
ここで基板201はアースされている。図2では省略している第2の電極205から配線された電極PAD(電極板)の直上にコロナを発生させるコロナワイヤを配置し、高電圧を印加することでコロナワイヤ周辺に放電が起こり、電荷を発生させる。この電荷が電極PADに降り注ぎ、第2の電極205に伝導し、第1の電極203との間で生じた電界によって電極間の電気機械変換膜204内部の微小領域(ドメイン)の電気的な極性の方向を揃える。[第1の分極処理]
電極PADとコロナワイヤの距離は数mm、電圧は数kV、印加時間は数十秒のオーダーで分極処理する。具体的には、例えば、電極PADとコロナワイヤの距離は5mm、電圧は8kV、印加時間は30秒で分極処理する。
図4は電圧印加分極を行なうまでの工程で形成されたアクチュエータの模式図である。図4の電気機械変換膜を分極するには図5のような仕組の装置が用いられる。
図2のアクチュエータは、その後の製造工程で、上部に保持基板206(支持基板、サブフレーム)を接合し、駆動用ICを搭載し、シリコン基板201を研磨したあと、インクが一時的に溜める液室を彫る加工等が行なわれてから、インクヘッド用に切り分けられる(ダイシング)。
図5は電圧印加分極装置の仕組である。第1の電極203と図4では省略している第2の電極205から配線された電極PAD(電極板)の間に直流電圧を印加することで電荷が電極PADから第2の電極205に伝導し、第1の電極203との間で生じた電界によって電極間の電気機械変換膜204内部の分極が行なわれる。
電圧は数十V、印加時間は数十分のオーダーで分極処理する。具体的には、例えば、電圧は40V、10〜100kHzで振動する電圧波形で10分以上印加することで分極処理する。
液体吐出ヘッドの液体吐出は電気機械変換素子(圧電体)の物理的性質を利用して液滴を押し出している。電気機械変換膜の電気機械的な性質を顕在化するために、電気機械変換膜内部の微小領域(ドメイン)の電気的な極性の方向を揃える。[第2の分極処理]
ここで、分極の度合いを表わす指標としてPr−Piniを用い、分極量差と呼び以下のように定義する。
強誘電体の誘電分極P(μC・cm−2)の変化は、印加電圧(電界)E(kV・cm−1)に対してヒステリシスループとなる。図6(a)にヒステリシスループの例を示す。Prは残留分極量、Pmは正の最大電圧印加時の分極量、Ecおよび−Ecは抗電界(分極の符号が反転するときの電界の強さ)である。電界を最初に印加したときのヒステリシスループは分極処理を行なう前と分極処理を行なった後で差異がある。
図6(a)にヒステリシスループ、図6(b)にファーストループ(分極処理前)、図6(c)にファーストループ(分極処理後)のそれぞれの例を示す。Piniは初期分極量で、分極処理前後で変化がある特性値である。この特性値を分極量差と定義する。
分極処理の手段としては、一般的に、強誘電体素子の上でコロナ放電を発生させて電荷を供給する方法(コロナ放電分極)と、強誘電体素子に直接、電圧を印加して電荷を供給する方法(電圧印加分極)のいずれかを利用して電気機械変換膜を分極する。図4はコロナ放電による分極処理、図5は電圧印加による分極処理の仕組を示す図である。
コロナ放電分極を実施するためには、強誘電体素子の上面と下面に貼り付けられたそれぞれの電極に接続する電極部が、コロナ放電に対して曝露された状態で実施する必要がある。図1のインク吐出部分(アクチュエータ)の製造工程のうちで、保持基板206を本体ウエハ(基板201)に接合すると強誘電体素子が覆われてしまう。そのため図1に示すように、コロナ放電分極は、保持基板206が接合される前に実施されなければならない。
電圧印加分極の実施において、強誘電体素子への通電を制御する駆動ICを通して通電することでプロービング数を少なくできる。そのため、電圧印加分極は、液体吐出部分の製造工程のうちで、駆動IC実装工程(前記工程(5))より後で実施されることが望ましい。
電圧印加分極のみで、所望の分極状態を得るまでには、電圧を長時間印加する必要があることがわかっている。そのため代替案として、コロナ放電分極の使用を検討したところ、コロナ放電分極は、電圧印加分極に比べて短時間で所望の分極状態を達成しうることが確認できた。従って、アクチュエータ製造時間を短縮するために、電気機械変換膜の分極にはコロナ放電分極処理を採用することが有利である。
しかしながら、アクチュエータの製造において、図1に示すコロナ放電分極処理の後で、保持基板206を本体ウエハ(基板201)に接合する工程をはじめ、いくつかの製造工程を経ると、コロナ放電分極処理で分極された電気機械変換膜の分極状態が変動することがわかった。
この電気機械変換膜の分極状態の変動の様子、即ち従来のコロナ放電を用いた製造方法における各工程時の分極量差の変動のグラフを図7に示す。分極量差は電気機械変換膜の分極状態を表す指標で、値が小さいほど分極の度合が大きいことを示している。
一方、コロナ放電による分極処理によって電気機械変換膜の分極を進展させたあとに、さらに正の抗電界Ecを超える電圧を印加することによって分極が進展することがわかった。図8はその様子を示すものであり、コロナ分極の後に電圧印加分極を実施した場合の分極量差の変動を示すグラフである。
その様子を示す。
そこで、液体吐出ヘッドに装着されるアクチュエータを製造する工程(図1)において、分極処理は二段階で実施することとした。一次処理はコロナ放電分極により短時間で電気機械変換膜の分極を実施する。次に、図7に示すようにコロナ分極処理後の工程における分極量の変動が起きた後の工程で、二次処理として電圧印加により分極処理を行なう。
即ち、コロナ放電による分極処理を主たる分極処理とし、電圧印加による分極処理を補助的な分極処理とすることで、アクチュエータ製造工程全体に要する時間を著しく増大することなく、また、コロナ放電分極による一次処理後の各製造工程で変動した分極量を回復する。このようにして、図9のごとく、良好な分極量差のアクチュエータを得ることができる。図9は本発明に係る液体吐出ヘッドの分極処理方法により分極処理が為された場合の分極量差の変動の一例を示すグラフである。
二次処理として実施する電圧印加は、抗電界を超える電圧を印加することで分極を進展させる方法が望ましい。
このとき、正の抗電界Ecを超えて一定の電圧値を印加するもっともシンプルな方法として、図10(a)がある。即ち図10(a)は、正の抗電界Ecを超えて一定の電圧値を印加する電圧波形の印加の例を示すグラフである。この方法では電気機械変換膜に同じ方向の電界がかかるので効率よく分極処理が進むが、電気機械変換膜が歪む向きは変わらないため強誘電体素子に応力が残る可能性がある。
次に電圧の最大値が正の抗電界Ecを超えて、電圧値を変化させて印加する方法がある。例えば、電圧値が正の範囲であって、下限がEc以下、上限がEcを超える電圧値で周期性を持った電圧波形で印加する方法図10(b)である。即ち図10(b)は、電圧値が正の範囲であって、下限がEc以下、上限がEcを超える電圧値で周期性を持った電圧波形の印加の例を示すグラフである。この方法では、強誘電体素子に電圧を印加して分極処理が進むため、電圧印加中は電気機械変換膜の変形によって強誘電体素子が接着している振動板が、液体が無い状態で振動し続けることになる。
上述した実施の形態では電圧値が矩形に変化する電圧波形を印加することで効果があることを確認したが、分極処理で使用する電圧波形はこの限りではない。
また、電圧値の最小値は0V以下であってもよい。図10(c)に図示する電圧波形の印加の場合、負の抗電界−Ecを超えなければ、電気機械変換膜の分極の極性が反転することはない。即ち図10(c)は、電圧値が負の抗電界−Ec以上であって、下限がEc以下、上限がEcを超える電圧値で周期性を持った電圧波形の印加の例を示すグラフである。
なお、電圧印加分極は、最大電圧を駆動用ICの耐圧限界とした電圧波形で電圧を印加することが、分極を短時間で進展させるのに有効であるため好ましい。
[液体吐出ヘッドの製造方法、液体吐出ヘッド]
なお、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法および該液体吐出ヘッドの製造方法により得られる液体吐出ヘッドについては、上述した液体吐出ヘッドの分極処理方法を適用することに特徴を有するものであり、その他の構成は周知慣用のものをそのまま用いることができる。
201 基板
201a 流路基板隔壁
201b 個別液室
202 振動板
203 第一の電極(共通電極)
204 電気機械変換膜(圧電体)
205 第2の電極(個別電極)
206 保持基板
206a 保持基板隔壁
210 強誘電体素子
211 第1絶縁膜
212 第2絶縁膜
特許第4927400号公報 特開2009−016819号公報

Claims (7)

  1. 強誘電体素子を有するアクチュエータを備える液体吐出ヘッドの分極処理方法であって、
    コロナ放電による第1の分極処理工程と、
    正の抗電界Ecを超える電圧を印加する第2の分極処理工程と、を備え、
    前記強誘電体素子を分極処理することを特徴とする液体吐出ヘッドの分極処理方法。
  2. 前記第2の分極処理工程は、正の抗電界Ecを超える一定の電圧値で電圧印加することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの分極処理方法。
  3. 前記第2の分極処理工程は、正の抗電界Ecよりも小さい最小電圧値と、正の抗電界Ecよりも大きい最大電圧値の間で周期的な振幅を持つ電圧波形で電圧を印加することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの分極処理方法。
  4. 前記正の抗電界Ecよりも小さい最小電圧値が、負の抗電界−Ecよりも大きい負の電圧である電圧波形で電圧を印加することを特徴とする請求項3に記載の液体吐出ヘッドの分極処理方法。
  5. 前記第2の分極処理工程は、最大電圧を駆動用ICの耐圧限界とした電圧波形で電圧を印加することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの分極処理方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の液体吐出ヘッドの分極処理方法による分極処理を行うことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  7. 強誘電体素子を有するアクチュエータを備える液体吐出ヘッドの分極処理装置であって、
    コロナ放電による第1の分極処理手段と、
    正の抗電界Ecを超える電圧を印加する第2の分極処理手段と、を備え、
    前記強誘電体素子を分極処理することを特徴とする液体吐出ヘッドの分極処理装置。
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