<発泡ダクト200の概要>
まず、図1、図2を参照しながら、本実施形態の発泡ダクト200の概要について説明する。
本実施形態の発泡ダクト200は、発泡樹脂で構成した発泡ダクト200であり、図2に示すように、他の壁部よりも発泡倍率の高い高発泡壁部204を有する、ことを特徴とする。
本実施形態の発泡ダクト200は、発泡倍率の高い高発泡壁部204を有しているため、発泡ダクト200の構造によって、発泡ダクト200に断熱性や緩衝性を付与することができる。本実施形態の発泡ダクト200は、図2に示すように、屈曲した箇所(屈曲部207)を有しているため、その屈曲部207を高発泡壁部204で構成することが好ましい。
屈曲部207は、発泡ダクト200を成形する際に樹脂が引き伸ばされて形成される部分であるため、通常は、薄肉部が形成され易い箇所になる。屈曲部207に薄肉部が形成されると、高断熱性が得られず、その部分が結露してしまうことになる。また、落下時や別部材との衝突時に薄肉部が割れ易くなってしまう。
これに対し、本実施形態の発泡ダクト200は、屈曲部207を高発泡壁部204で構成することで、他の壁部よりも発泡倍率を高くすることができる。また、屈曲部207に薄肉部が形成されず、逆に、屈曲部207の肉厚を厚くすることができる。その結果、屈曲部207での結露の発生を防止することができる。また、屈曲部207は、落下時や別部材との衝突時に衝撃を受け易い部分であるが、屈曲部207を高発泡壁部204で構成することで、屈曲部207に緩衝性を付与することができるため、落下時や衝突時の衝撃を緩和することができる。以下、添付図面を参照しながら、本実施形態の発泡ダクト200について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
<発泡ダクト200の構成例>
まず、図1〜図5を参照しながら、本実施形態の発泡ダクト200の構成例について説明する。図1は、本実施形態の発泡ダクト200の構成例を示す図であり、図2は、発泡ダクト200のA-A'の中空延伸方向垂直断面構成例を示す図である。図3は、図1に示す接続部206のX-X'の中空延伸方向垂直断面構成例を示す図である。図4は、発泡ダクト200の接続部206に他部材300を接続した状態を示す図であり、図5は、図4に示す接続部206のX-X'の中空延伸方向垂直断面構成例を示す図である。
本実施形態の発泡ダクト200は、発泡樹脂をブローして成形し、発泡倍率が2.0倍以上で、且つ、複数の気泡セルを有する独立気泡構造で構成している。発泡倍率は、以下のように算出する。発泡ダクト200の直線形状を構成する箇所において2cm角で試験片を切り取り、「JIS K-7112に準じたアルファミラージュ(株)製電子比重計EW−200SG」により、試験片の比重を測定する。そして、測定した試験片の比重で、発泡する前の樹脂の比重を割ることで、発泡倍率を算出する。
本実施形態の発泡ダクト200は、図1、図2に示すように、第1の壁部201と、第1の壁部201と間隔をおいて対向する第2の壁部202と、第1の壁部201と第2の壁部202との周囲を繋ぐ周囲壁203と、を有し、ダクト内面に中空部205を有して構成している。第1の壁部201と第2の壁部202とを繋ぐ周囲壁203にはパーティングラインPL1,PL2が形成されている。
本実施形態の発泡ダクト200は、図1、図2に示すように屈曲部207を有しており、屈曲部207は、高発泡壁部204で構成している。屈曲部207は、発泡ダクト200において屈曲した箇所を構成する部分であり、高発泡壁部204は、他の壁部よりも気泡径が大きく、他の壁部よりも発泡倍率が高くなっている。高発泡壁部204は、他の壁部よりも発泡倍率が0.3〜0.5倍の範囲で高くなっている。高発泡壁部204の発泡倍率も上記で説明した直線形状の箇所と同様に算出する。例えば、屈曲部207において2cm角で試験片を切り取り、「JIS K-7112に準じたアルファミラージュ(株)製電子比重計EW−200SG」により、試験片の比重を測定する。そして、測定した試験片の比重で、発泡する前の樹脂の比重を割ることで、発泡倍率を算出する。また、気泡径は、以下のように算出する。発泡ダクト200の直線形状を構成する壁部の気泡径は、発泡ダクト200の流路方向と垂直に発泡ダクト200を切断し(例えば、図2に示すA-A'断面)、発泡ダクト200の直線形状を構成する壁部の部分の切断面をCCDカメラ(キーエンスVH-6300)で撮影し、切断面の2mm2の領域内に存在する各気泡の径を測定し、その各気泡の径の平均値を、発泡ダクト200の直線形状を構成する壁部の気泡径とする。但し、各気泡の径は、その気泡の長手方向の径(長径)と短手方向の径(短径)との平均値である。また、高発泡壁部204の気泡径は、発泡ダクト200の流路方向と垂直に切断し(例えば、図2に示すA-A'断面)、屈曲部207を構成する部分の切断面をCCDカメラ(キーエンスVH-6300)で撮影し、切断面の5mm2の領域内に存在する各気泡の径を測定し、その各気泡の径の平均値を、高発泡壁部204の気泡径とする。但し、各気泡の径は、その気泡の長手方向の径(長径)と短手方向の径(短径)との平均値である。本実施形態の発泡ダクト200の直線形状を構成する壁部の部分の気泡径は、約200μmで構成し、80〜500μmの範囲で構成する。また、高発泡壁部204の部分の気泡径は、約1.0mmで構成し、500μmを超えて構成する。
本実施形態の発泡ダクト200を構成する第1の壁部201と第2の壁部202との全体の平均肉厚は、2.0〜3.0mmである。平均肉厚については、以下のように算出する。まず、発泡ダクト200の中央、及び、両端付近(即ち、上端および下端)の3箇所の断面における、2つの金型分割点を結ぶ直線の垂直二等分線と交わる部分(合計6箇所)の肉厚を、ノギスにより測定する。そして、6つの測定値の平均値を、平均肉厚として算出する。
また、図2に示す発泡ダクト200の中空延伸方向垂直断面形状において、肉厚が最も厚い箇所は、高発泡壁部204で構成する屈曲部207である。このため、屈曲部207は、発泡ダクト200の平均肉厚よりも厚くなる。なお、発泡ダクト200の肉厚差を大きくするためには、ブロー比が0.2以上、好ましくは0.4以上であることが望ましい。図2に示す発泡ダクト200におけるブロー比は、図2に示すように、中空延伸方向垂直断面において、パーティングラインPL1,PL2同士を結ぶ直線の長さAと、この直線Aから最も離れた壁部外面までの距離Bと、の割合(B/A)であり、0.2である。
本実施形態の発泡ダクト200を構成する発泡樹脂は、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加した樹脂で構成する。230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂としては、例えば、ボレアリスWB140:日本ポリプロFB3312:住友化学FX201=70:20:10で材料配合した樹脂等が挙げられる。発泡剤としては、例えば、空気、炭酸ガス、窒素ガス、水等の無機系物理発泡剤、およびブタン、ペンタン、ヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン等の有機系物理発泡剤、あるいは、重炭酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、アゾジカルボンアミド等の化学発泡剤が適用可能である。さらに、これらの物理発泡剤と化学発泡剤とを併用することも可能である。本実施形態の発泡ダクト200は、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した発泡樹脂を用いて成形することで、図2に示すように発泡倍率が高い高発泡壁部204を屈曲部207に形成することができる。
本実施形態の発泡ダクト200は、屈曲部207を有し、屈曲部207は、高発泡壁部204で構成しているため、屈曲部207を他の壁部よりも断熱性や緩衝性を高くすることができる。このため、屈曲部207が結露するのを防止することができる。また、屈曲部207は、落下時や別部材との衝突時に衝撃を受け易い部分であるが、屈曲部207を高発泡壁部204で構成し、緩衝性を付与しているため、落下時や衝突時の衝撃を緩和することができる。また、高発泡壁部204は、図2に示すように、外側形状と内側形状とが異なり、内側形状は、外側形状よりも緩やかな曲線形状を含んで構成している。例えば、図2では、高発泡壁部204の外側形状は角張った部分を含んでおり、内側形状は滑らかな曲線部分を含んで構成している。これにより、発泡ダクト200の内面に空気等の流体を流通させた場合でも流体に対する抵抗を低減し、流体の流通効率(送風効率)を向上させることができる。
また、本実施形態の発泡ダクト200は、発泡ダクト200の長手方向の先端と後端とに、他部材300(図4参照)と接続するための外形が多角形状の接続部206を有している。本実施形態の接続部206は、図4、図5に示すように、接続部206の内面側と、他部材300の外面側と、を嵌合して接続する雌型の接続部206を構成している。また、接続部206の開口は、長方形状で構成しており、上述した屈曲部207を有している。屈曲部207は、他の壁部よりも発泡倍率の高い高発泡壁部204で構成しており、他の壁部よりも断熱性や緩衝性を高くしている。このため、屈曲部207が結露するのを防止することができる。また、落下時や衝突時の衝撃を緩和することができる。
また、本実施形態の接続部206は、高発泡壁部204で構成した屈曲部207を有しているため、屈曲部207を柔らかくすることができる。その結果、図4に示すように、他部材300を接続部206に挿入し易くすることができる。また、本実施形態の接続部206は、図3に示す状態で、図5に示すように、他部材300を接続部206に挿入し、他部材300の外面側と高発泡壁部204とが当接した際に、高発泡壁部204が他部材300の外面形状に沿って変形し、他部材300を安定して保持することができる。その結果、発泡ダクト200と他部材300とが不用意に抜けてしまうことを防止することができる。
<発泡ダクト200の成形方法例>
次に、図6〜図8を参照しながら、本実施形態の発泡ダクト200の成形方法例について説明する。図6は、環状ダイ11から円筒形状の発泡パリソン14を押し出した状態を示し、図7、図8は、図6に示す環状ダイ11の方から発泡パリソン14を見た状態を示している。
まず、図6に示すように、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加した樹脂を溶融混練して形成した発泡樹脂を押出機の環状ダイ11から押し出し、円筒形状の発泡パリソン14を形成し、その発泡パリソン14を分割金型12a,12b間に配置する。これにより、図6、図7(a)に示すように、分割金型12a,12b間に発泡パリソン14を配置することができる。
次に、図7(b)に示すように、分割金型12a,12bを型締めし、発泡パリソン14を分割金型12a,12bで挟み込む。これにより、発泡パリソン14の両端がピンチオフ部13a,13bで挟み込まれ、発泡パリソン14を分割金型12a,12bのキャビティ10a,10b内に収納させることができる。
次に、分割金型12a,12bを型締めした状態で、吹き込み針と吹き出し針とを発泡パリソン14に突き刺し、吹き込み針から空気等の圧縮気体を発泡パリソン14の内部に吹き込み、発泡パリソン14の内部を経由して吹き出し針から圧縮気体を吹き出し、所定のブロー圧にてブロー成形を行う。これにより、図7(c)に示すように、発泡パリソン14がキャビティ10a,10bの壁面側に押圧され、発泡パリソン14がキャビティ10a,10b側に引き伸ばされる。
なお、所定のブロー圧にてブロー成形を行う場合は、温調設備を設け、吹き込み針から発泡パリソン14内に供給する圧縮気体を所定の温度に加熱することも可能である。これにより、発泡パリソン14の内部に供給された圧縮気体が所定の温度になるため、発泡パリソン14内に含有されている発泡剤を発泡させ易くすることができる。なお、所定の温度は、発泡剤を発泡させるのに適した温度に設定することが好ましい。
また、温調設備を設けず、吹き込み針から発泡パリソン14内に供給する圧縮気体を室温で行うことも可能である。これにより、圧縮気体の温度を調整するための温調設備を設ける必要がないため、発泡ダクト200を低コストで成形することができる。また、ブロー成形後の発泡ダクト200を冷却することになるため、ブロー成形時は室温で行うことで、ブロー成形後の発泡ダクト200の冷却時間の短縮に寄与することができる。但し、上述した所定のブロー圧にてブロー成形を行う場合は、後工程で屈曲部207に高発泡壁部204を形成するために、発泡パリソン14とキャビティ10a,10bとの間に隙間15を残しておく必要がある。
図7(c)に示すように、所定のブロー圧にてブロー成形を行った後は、分割金型12a,12bのキャビティ10a,10bから吸引を行い、図8(a)に示すように、発泡パリソン14をキャビティ10a,10bの形状に引き伸ばす。
本実施形態の成形方法では、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加した樹脂で形成した発泡樹脂を使用し、所定のブロー圧にてブロー成形を行って発泡パリソン14をキャビティ10a,10b側に一度引き伸ばした後に、分割金型12a,12bのキャビティ10a,10bから吸引を行って発泡パリソン14をキャビティ10a,10bの形状に引き伸ばしている。これにより、発泡パリソン14を引き伸ばして形成する屈曲部207に高発泡壁部204を形成することができる。
次に、吹き込み針から空気等の圧縮気体を発泡パリソン14の内部に吹き込み、発泡パリソン14の内部を経由して吹き出し針から圧縮気体を吹き出し、所定のブロー圧にて発泡ダクト200を冷却する。
発泡ダクト200を冷却する際に吹き込み針から発泡パリソン14内に供給する圧縮気体の温度は、10℃〜30℃に設定し、室温(例えば、23℃)に設定することが好ましい。圧縮気体の温度を室温に設定することで、圧縮気体の温度を調整するための温調設備を設ける必要がないため、発泡ダクト200を低コストで成形することができる。また、温調設備を設け、吹き込み針から発泡パリソン14内に供給する圧縮気体の温度を室温よりも低くした場合は、発泡ダクト200の冷却時間を短縮することができる。なお、圧縮気体の温度にもよるが、冷却時間は、30秒〜80秒で行うことが好ましい。
屈曲部207に高発泡壁部204が形成された発泡ダクト200を成形した後は、図8(b)に示すように分割金型12a,12bを開いて発泡ダクト200を取り出し、不要な部分(バリ等)を除去する。これにより、図1に示す発泡ダクト200が得られる。
<本実施形態の発泡ダクト200の作用・効果>
このように、本実施形態の発泡ダクト200は、図7(a)に示すように、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した円筒形状の発泡パリソン14を分割金型12a,12bの間に配置し、図7(b)に示すように、分割金型12a,12bを型締めし、吹き込み針と吹き出し針とを発泡パリソン14に突き刺し、所定のブロー圧にてブロー成形を行い、図7(c)に示すように、発泡パリソン14とキャビティ10a,10bとの間に隙間15を形成する。次に、分割金型12a,12bのキャビティ10a,10bから吸引を行い、図8(a)に示すように、発泡パリソン14をキャビティ10a,10bの形状に引き伸ばし、屈曲部207に高発泡壁部204を形成する。これにより、屈曲部207に高発泡壁部204が形成された発泡ダクト200を成形することができる。
本実施形態の発泡ダクト200は、図2に示すように、屈曲部207に高発泡壁部204が形成されているため、屈曲部207を他の壁部よりも断熱性や緩衝性を高くすることができる。このため、屈曲部207が結露するのを防止することができる。また、屈曲部207は、落下時や別部材との衝突時に衝撃を受け易い部分であるが、屈曲部207を高発泡壁部204で構成し、緩衝性を付与しているため、落下時や衝突時の衝撃を緩和することができる。また、高発泡壁部204の内側形状は、外側形状よりも緩やかな曲線形状を含んで構成しているため、発泡ダクト200の内面に流体を流通させた場合でも流体に対する抵抗を低減し、流体の流通効率(送風効率)を向上させることができる。
また、本実施形態の接続部206も高発泡壁部204で構成した屈曲部207を有しているため、屈曲部207を柔らかくすることができる。その結果、図4に示すように、他部材300を接続部206に挿入し易くすることができる。また、本実施形態の接続部206は、図3に示す状態で、図5に示すように、他部材300を接続部206に挿入し、他部材300の外面側と高発泡壁部204とが当接した際に、高発泡壁部204が他部材300の外面形状に沿って変形し、他部材300を安定して保持することができる。その結果、発泡ダクト200と他部材300とが不用意に抜けてしまうことを防止することができる。
なお、上述した実施形態の発泡ダクト200は、図4、図5に示すように、他部材300を接続部206の内面側に挿入し、他部材300の外面側と接続部206の内面側とを接続する構成例にしている。しかし、例えば、他部材300の外面周囲に発泡ウレタンなどのパッキン部材を貼り付け、そのパッキン部材を貼り付けた他部材300を接続部206の内面側に挿入して接続することも可能である。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態の発泡ダクト200の屈曲部207は、図2に示すように、他の壁部よりも気泡径が大きい高発泡壁部204で構成している。
第2の実施形態の発泡ダクト200の屈曲部207は、図9に示すように、間に中空部306を有する複数の壁部305,307で構成された高発泡壁部304で構成している。図9に示す中空部306は、例えば、成形時に、図2に示す気泡間の壁が破れて気泡同士が連結することで形成できる。また、成形時に、発泡樹脂が2つに分離し、その分離した2つの樹脂の間で形成できる。2つに分離した樹脂は、図9に示す外側壁部305と内側壁部307とを構成する。
本実施形態の発泡ダクト200の屈曲部207は、中空部306を気泡径が大きい気泡とみなし、屈曲部207全体をみれば、気泡径が大きい中空部306を有する高発泡壁部304で構成していることになる。このため、第1の実施形態と同様に、屈曲部207に断熱性や緩衝性を付与することができる。以下、図9〜図12を参照しながら、第2の実施形態について詳細に説明する。
<発泡ダクト200の構成例>
まず、図9〜図11を参照しながら、本実施形態の発泡ダクト200の構成例について説明する。本実施形態の発泡ダクト200は、上述したように発泡ダクト200の断面形状が第1の実施形態の発泡ダクト200と異なるだけであり、発泡ダクト200の外観形状は、図1に示す発泡ダクト200とほぼ同じであるため、発泡ダクト200のみの外観形状の図については省略する。図9は、図10に示す発泡ダクト200のA-A'の中空延伸方向垂直断面構成例を示す図である。図10は、発泡ダクト200の接続部206に他部材300を接続した状態を示す図であり、図11は、図10に示す接続部206のX-X'の中空延伸方向垂直断面構成例を示す図である。
本実施形態の発泡ダクト200は、図9に示すように屈曲部207を有しており、屈曲部207は、中空部306を有する高発泡壁部304で構成している。本実施形態の高発泡壁部304は、1つの中空部306と、外側壁部305と、内側壁部307と、で構成している。なお、図9に示す高発泡壁部304は、1つの中空部306と、2つの壁部305,307と、で構成した例を示しているが、中空部の数や壁部の数は特に限定せず、任意の数で構成することが可能である。図9に示す中空部306は、例えば、成形時に、図2に示す気泡間の壁が破れて気泡同士が連結することで形成できる。また、成形時に、発泡樹脂が2つに分離し、その分離した2つの樹脂の間で形成できる。中空部306の幅は、約2.0mmで構成する。但し、中空部306の幅は、2つの壁部305,307で挟まれた間において最も長い箇所を意味する。
なお、図9に示す発泡ダクト200の中空延伸方向垂直断面形状において、肉厚が最も厚い箇所は、高発泡壁部304で構成する屈曲部207であり、高発泡壁部304で構成する屈曲部207は、パーティングラインPL1,PL2同士を結んだ線から最も遠い箇所になる。但し、本実施形態では、高発泡壁部304を構成する中空部306を気泡とみなし、外側壁部305から内側壁部307までの厚さを高発泡壁部304の肉厚としている。
本実施形態の発泡ダクト200を構成する発泡樹脂は、230℃におけるMTが1〜3cN未満となる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した発泡樹脂で構成する。230℃におけるMTが1〜3cN未満となる材料配合の樹脂としては、例えば、ボレアリスWB140:住友化学AW564:住友化学FX201=50:37.5:12.5で材料配合した樹脂等が挙げられる。発泡剤としては、第1の実施形態と同様な発泡剤が適用可能である。但し、発泡剤は、第1の実施形態よりも少なく添加することが好ましい(例えば、第1の実施形態の1/2の量)。
本実施形態の発泡ダクト200は、230℃におけるMTが1〜3cN未満となる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した発泡樹脂を用いて成形することで、図9に示すように中空部306を有する高発泡壁部304を屈曲部207に形成することができる。
本実施形態の発泡ダクト200は、屈曲部207を有し、屈曲部207は、高発泡壁部304で構成しているため、屈曲部207を他の壁部よりも断熱性や緩衝性を高くすることができる。このため、屈曲部207が結露するのを防止することができる。また、屈曲部207は、落下時や別部材との衝突時に衝撃を受け易い部分であるが、屈曲部207を高発泡壁部304で構成し、緩衝性を付与しているため、落下時や衝突時の衝撃を緩和することができる。また、高発泡壁部304の内側形状は、外側形状よりも緩やかな曲線形状を含んで構成しているため、発泡ダクト200の内面に流体を流通させた場合でも流体に対する抵抗を低減し、流体の流通効率(送風効率)を向上させることができる。
また、本実施形態の発泡ダクト200は、図10に示すように、発泡ダクト200の長手方向の先端と後端とに、他部材300と接続するための外形が多角形状の接続部206を有しており、接続部206は、上述した屈曲部207を有している。屈曲部207は、他の壁部よりも発泡倍率の高い高発泡壁部304で構成しており、他の壁部よりも断熱性や緩衝性を高くしている。このため、屈曲部207が結露するのを防止することができる。また、落下時や衝突時の衝撃を緩和することができる。
また、本実施形態の接続部206は、高発泡壁部304で構成した屈曲部207を有しているため、屈曲部207を柔らかくすることができる。その結果、図10に示すように、他部材300を接続部206に挿入し易くすることができる。また、本実施形態の接続部206は、図11に示すように、他部材300を接続部206に挿入し、他部材300の外面側と高発泡壁部304を構成する内側壁部307とが当接した際に、内側壁部307が他部材300の外面形状に沿って変形し、他部材300を安定して保持することができる。その結果、発泡ダクト200と他部材300とが不用意に抜けてしまうことを防止することができる。
また、本実施形態の高発泡壁部304は、図9に示すように、間に中空部306を有する複数の壁部305,307で構成しているため、例えば、内側壁部307の一部を切断し、図12に示すように、他部材300を接続部206に挿入し、他部材300の外面側と高発泡壁部304を構成する内側壁部307とが当接した際に、内側壁部307が他部材300の外面形状に沿って変形し、他部材300を安定して保持することもできる。その結果、発泡ダクト200と他部材300とが不用意に抜けてしまうことを防止することができる。
<発泡ダクト200の成形方法例>
次に、図6、図7、図13を参照しながら、本実施形態の発泡ダクト200の成形方法例について説明する。
第1の実施形態の発泡ダクト200は、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した発泡樹脂を用いて成形したが、本実施形態の発泡ダクト200は、230℃におけるMTが1〜3cN未満となる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した発泡樹脂を用いて成形する。成形方法は、第1の実施形態とほぼ同様である。
まず、図6に示すように、230℃におけるMTが1〜3cN未満となる材料配合の樹脂に発泡剤を添加した樹脂を溶融混練して形成した発泡樹脂を押出機の環状ダイ11から押し出し、円筒形状の発泡パリソン14を形成し、その発泡パリソン14を図6、図7(a)に示すように分割金型12a,12b間に配置する。
次に、図7(b)に示すように、分割金型12a,12bを型締めし、発泡パリソン14を分割金型12a,12bで挟み込む。次に、分割金型12a,12bを型締めした状態で、吹き込み針と吹き出し針とを発泡パリソン14に突き刺し、吹き込み針から圧縮気体を発泡パリソン14内に吹き込み、所定のブロー圧にてブロー成形を行う。これにより、図7(c)に示すように、発泡パリソン14がキャビティ10a,10bの壁面側に押圧され、発泡パリソン14がキャビティ10a,10b側に引き伸ばされる。
図7(c)に示すように、所定のブロー圧にてブロー成形を行った後は、分割金型12a,12bのキャビティ10a,10bから吸引を行い、図13(a)に示すように、発泡パリソン14をキャビティ10a,10bの形状に引き伸ばす。本実施形態の発泡パリソン14は、230℃におけるMTが1〜3cN未満となる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した発泡樹脂で構成しているため、図13(a)に示すように、発泡パリソン14が2つに分離し、その分離した2つの発泡パリソン14の間に中空部306が形成される。また、分離した2つの発泡パリソンで内側壁部307と外側壁部305とが形成される。これにより、中空部306を有する高発泡壁部304が屈曲部207に形成される。なお、発泡パリソン14を複数に分離するには、図7(c)に示すように、所定のブロー圧にてブロー成形を行う工程で発泡パリソン14の中央を所定以上に硬くしておくことが好ましい。これにより、図13(a)に示すように、分割金型12a,12bのキャビティ10a,10bから吸引を行った際に、所定以上に硬化した発泡パリソン14の中央から分離し易くすることができる。
次に、吹き込み針から空気等の圧縮気体を発泡パリソン14の内部に吹き込み、発泡パリソン14の内部を経由して吹き出し針から圧縮気体を吹き出し、所定のブロー圧にて発泡ダクト200を冷却する。
これにより、屈曲部207に高発泡壁部304が形成された発泡ダクト200を成形することができる。発泡ダクト200を成形した後は、図13(b)に示すように分割金型12a,12bを開いて発泡ダクト200を取り出し、不要な部分(バリ等)を除去する。
<本実施形態の発泡ダクト200の作用・効果>
このように、本実施形態の発泡ダクト200は、230℃におけるMTが1〜3cN未満となる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した円筒形状の発泡パリソン14を用いて第1の実施形態とほぼ同様な成形方法で成形することで、中空部306を有する高発泡壁部304が屈曲部207に形成された発泡ダクト200を成形することができる。その結果、第1の実施形態の発泡ダクト200と同様に屈曲部207に断熱性や緩衝性を付与することができる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第1、第2の実施形態の発泡ダクト200は、図1に示すように、接続部206が枝分かれしていない構成例について説明した。
第3の実施形態は、図14に示すように、接続部206が二股以上に枝分かれしている構成例について説明する。この図14に示す構成例の場合も、発泡ダクト200の屈曲部207に、上述した図2に示す高発泡壁部204や図9に示す高発泡壁部304を形成することができる。その結果、屈曲部207に断熱性や緩衝性を付与することができる。以下、図14〜図17を参照しながら、本実施形態の発泡ダクト200について説明する。なお、以下の説明では、発泡ダクト200としてインパネダクトを例に説明する。
<発泡ダクト200の構成例>
まず、図14、図15を参照しながら、本実施形態の発泡ダクト200の構成例について説明する。図14は、本実施形態の発泡ダクト200の構成例を示す図であり、図14(a)は、発泡ダクト200の第1の壁部201側を示し、図14(b)は、発泡ダクト200の第2の壁部202側を示す。図15は、図14(a)に示す発泡ダクト200のA-A'の中空延伸方向垂直断面構成例を示す図である。
本実施形態の発泡ダクト200は、発泡樹脂をブローして成形し、発泡倍率が2.0倍以上で、且つ、複数の気泡セルを有する独立気泡構造で構成している。
本実施形態の発泡ダクト200は、パーティングラインPL1,PL2を介して溶着した第1の壁部201と第2の壁部202とを有し、第1の壁部201と第2の壁部202との間に中空部205を有して構成し、その中空部205を介して空気などの流体を流通させるようにしている。
本実施形態の発泡ダクト200は、図15に示すように屈曲部207を有しており、屈曲部207は、高発泡壁部204で構成している。屈曲部207は、発泡ダクト200において屈曲した箇所を構成する部分であり、高発泡壁部204は、他の壁部よりも気泡径が大きくなっており、他の壁部よりも発泡倍率が高くなっている。高発泡壁部204は、他の壁部よりも0.3〜0.5の範囲で発泡倍率が高くなっている。
本実施形態の発泡ダクト200を構成する第1の壁部201と第2の壁部202との全体の平均肉厚は、2.0〜3.0mmである。
平均肉厚は、発泡ダクト200の中空延伸方向に約100mmの等間隔で測定した肉厚の平均値を意味する。中空延伸方向とは、発泡ダクト200において中空部205が延びる方向であり、流体が流れる方向である。本実施形態の発泡ダクト200の第1の壁部201側の平均肉厚は、図14(a)に示す発泡ダクト200の第1の壁部201側の11〜19,20〜28の18カ所で測定した肉厚の平均値である。また、第2の壁部202側の平均肉厚は、図14(b)に示す発泡ダクト200の第2の壁部202側の31〜38,39〜46の16カ所で測定した肉厚の平均値である。発泡ダクト200全体の平均肉厚は、第1の壁部201側の平均肉厚と、第2の壁部202側の平均肉厚と、を平均した肉厚である。
図15に示す発泡ダクト200の中空延伸方向垂直断面形状において、肉厚が最も厚い箇所は、高発泡壁部204で構成する屈曲部207であり、高発泡壁部204で構成する屈曲部207は、パーティングラインPL1,PL2同士を結んだ線から最も遠い箇所である。図15に示す発泡ダクト200におけるブロー比は、図15に示すように、中空延伸方向垂直断面において、パーティングラインPL1,PL2同士を結ぶ直線の長さAと、この直線Aから最も離れた壁部外面までの距離Bと、の割合(B/A)であり、0.4である。
本実施形態の発泡ダクト200を構成する発泡樹脂は、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した発泡樹脂で構成する。本実施形態の発泡ダクト200は、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加した発泡樹脂を用いて成形することで、図15に示すように発泡倍率が高い高発泡壁部204を屈曲部207に形成することができる。
本実施形態の発泡ダクト200は、屈曲部207を有し、屈曲部207は、高発泡壁部204で構成しているため、屈曲部207を他の壁部よりも断熱性や緩衝性を高くすることができる。このため、屈曲部207が結露するのを防止することができる。また、屈曲部207は、落下時や別部材との衝突時に衝撃を受け易い部分であるが、屈曲部207を高発泡壁部204で構成し、緩衝性を付与しているため、落下時や衝突時の衝撃を緩和することができる。また、高発泡壁部204の内側形状は、外側形状よりも緩やかな曲線形状を含んで構成しているため、発泡ダクト200の内面に流体を流通させた場合でも流体に対する抵抗を低減し、流体の流通効率(送風効率)を向上させることができる。
また、本実施形態の発泡ダクト200は、他部材300と接続するための接続部206を有しており、その接続部206は、二股以上に枝分かれしている。本実施形態の接続部206は、接続部206の内面側と、他部材300の外面側と、を嵌合して接続する雌型の接続部206を構成している。また、接続部206の開口は、長方形状で構成しており、上述した図15に示す高発泡壁部204が形成された屈曲部207を有している。このため、本実施形態の接続部206は、屈曲部207を柔らかくすることができる。その結果、他部材300を接続部206に挿入し易くすることができる。また、本実施形態の接続部206は、他部材300の外面側と高発泡壁部204とが当接した際に、高発泡壁部204が他部材300の外面形状に沿って変形し、他部材300を安定して保持することができる。その結果、発泡ダクト200と他部材300とが不用意に抜けてしまうことを防止することができる。
<発泡ダクト200の成形方法例>
次に、図6、図16、図17を参照しながら、本実施形態の発泡ダクト200の成形方法例について説明する。
まず、図6に示すように、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加した樹脂を溶融混練して形成した発泡樹脂を押出機の環状ダイ11から押し出し、円筒形状の発泡パリソン14を形成し、その発泡パリソン14を分割金型12a,12b間に配置する。これにより、図6、図16(a)に示すように、分割金型12a,12b間に発泡パリソン14を配置することができる。
次に、図16(b)に示すように分割金型12a,12bを発泡パリソン14側に移動させ、分割金型12a,12bのキャビティ10a,10bを発泡パリソン14に当接し、発泡パリソン14、キャビティ10a,10bにより密閉空間16a,16bを形成する。
次に、分割金型12a,12bを通じて密閉空間16a,16b内を吸引し、発泡パリソン14をキャビティ10a,10bに対して押圧し、図16(c)に示すように発泡パリソン14をキャビティ10a,10b側に引き付ける。本実施形態の分割金型12a,12bの内部には、真空吸引室(図示せず)が設けられており、真空吸引室は、吸引穴を介してキャビティ10a,10bに連通し、真空吸引室から吸引穴を介して吸引することにより、発泡パリソン14をキャビティ10a,10bに向かって吸着させ、発泡パリソン14をキャビティ10a,10b側に引き付ける。
次に、図17(a)に示すように、分割金型12a,12bを型締めし、発泡パリソン14を分割金型12a,12bで挟み込む。これにより、発泡パリソン14の両端が分割金型12a,12bで挟み込まれ、発泡パリソン14を分割金型12a,12bのキャビティ10a,10b内に収納させることができる。また、発泡パリソン14同士の周辺が溶着されパーティングラインPL1,PL2が形成される。
次に、分割金型12a,12bを型締めした状態で、分割金型12a,12bを通じて密閉空間16a,16b内を吸引し、図17(b)に示すように、発泡パリソン14をキャビティ10a,10bに沿った形状に賦形する。
本実施形態の成形方法は、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加した樹脂で形成した発泡樹脂を使用して発泡パリソン14を形成し、分割金型12a,12bを通じて密閉空間16a,16b内を吸引し、発泡パリソン14をキャビティ10a,10b側に一度引き伸ばす。そして、再度、分割金型12a,12bのキャビティ10a,10bから吸引を行って発泡パリソン14をキャビティ10a,10bの形状に引き伸ばすことにしている。これにより、発泡パリソン14を引き伸ばして形成する屈曲部207に高発泡壁部204を形成することができる。
屈曲部207に高発泡壁部204が形成された発泡ダクト200を成形した後は、図17(c)に示すように分割金型12a,12bを開いて発泡ダクト200を取り出し、不要な部分(バリ等)を除去する。これにより、図14に示す発泡ダクト200が得られる。
<本実施形態の発泡ダクト200の作用・効果>
このように、本実施形態の発泡ダクト200は、図16(a)に示すように、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した円筒形状の発泡パリソン14を分割金型12a,12bの間に配置し、図16(b)に示すように、分割金型12a,12bのキャビティ10a,10bを発泡パリソン14に当接し、発泡パリソン14、キャビティ10a,10bにより密閉空間16a,16bを形成する。次に、分割金型12a,12bを通じて密閉空間16a,16b内を吸引し、発泡パリソン14をキャビティ10a,10bに対して押圧し、図16(c)に示すように発泡パリソン14をキャビティ10a,10b側に引き付ける。次に、図17(a)に示すように、分割金型12a,12bを型締めし、分割金型12a,12bを型締めした状態で、分割金型12a,12bを通じて密閉空間16a,16b内を吸引し、図17(b)に示すように、発泡パリソン14をキャビティ10a,10bに沿った形状に賦形する。これにより、屈曲部207に高発泡壁部204が形成された発泡ダクト200を成形することができる。その結果、屈曲部207に断熱性や緩衝性を付与することができる。
なお、上述した第3の実施形態では、230℃におけるMTが3〜5cNとなる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した発泡樹脂を用いて発泡ダクト200を成形することで、屈曲部207に図15に示す気泡径が大きい高発泡壁部204が形成される。しかし、上述した第3の実施形態において、230℃におけるMTが1〜3cN未満となる材料配合の樹脂に発泡剤を添加して形成した発泡樹脂を用いて発泡ダクト200を成形することで、屈曲部207に、図18に示す間に中空部306を有する複数の壁部305,307で構成する高発泡壁部304を形成することができる。図18に示す高発泡壁部304を形成する場合は、上述した成形方法において、図19(a)に示すように、分割金型12a,12bを型締めした状態で、分割金型12a,12bを通じて密閉空間16a,16b内を吸引し、図19(b)に示すように、発泡パリソン14をキャビティ10a,10bに沿った形状に賦形する。この時、発泡パリソン14が2つに分離し、その分離した2つの発泡パリソン14の間に中空部306が形成される。また、分離した2つの発泡パリソンで内側壁部307と外側壁部305とが形成される。これにより、中空部306を有する高発泡壁部304が屈曲部207に形成される。
なお、上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、上述した実施形態では、円筒形状の発泡パリソン14を用いて、屈曲部207に高発泡壁部204,304を有する発泡ダクト200を成形する例について説明した。しかし、円筒形状の発泡パリソン14ではなく、2枚のシート状の発泡樹脂シートを用いても、上述した実施形態の発泡ダクト200を成形することができる。発泡樹脂シートを用いる場合は、各々のシート厚を調整することができるため、第1の壁部201と第2の壁部202との肉厚を各々異ならせることができると共に、高発泡壁部204,304の形状も第1の壁部201と第2の壁部
202とで各々異ならせることもできる。その結果、発泡ダクト200の中空部205の形状を任意に変更することも可能である。