(第1実施例)
[演出モード選択領域]
本実施例の遊技機においては、演出表示装置に設けられたメイン表示領域のほか、そのメイン表示領域と区別される形でサブ表示領域が設けられる。ここで、「サブ表示領域」は、遊技者がそれをメイン表示領域と認識しないよう、その大きさや配置が設定されるものでよい。例えば、サブ表示領域をメイン表示領域よりも小さく構成してもよい。メイン表示領域が1つのみ設けられ、サブ表示領域が複数設けられていてもよい。遊技領域の中央部にメイン表示領域を配置し、その周辺にサブ表示領域を設けるようにしてもよい。サブ表示領域は、演出表示装置の画面上にメイン表示領域と区画される形で設けられてもよい。その場合、サブ表示領域のメイン表示領域に対する位置関係を演出過程で可変としてもよい。あるいは、サブ表示領域は、演出表示装置とは別体のサブ表示装置に設けられてもよい。その場合、サブ表示装置を演出表示装置に対して相対変位可能とすることにより、サブ表示領域のメイン表示領域に対する位置関係を演出過程で可変としてもよい。サブ表示領域は1つ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。
本実施例では、演出形態が異なる複数の演出モードが設けられ、それらが遊技状態に応じて切り替えられる。ここでいう「演出形態」は、予告演出の種類であってもよいし、予告演出の種類の選択傾向や演出頻度であってもよい。例えば、演出頻度が演出モードによって低・中・高と分かれていてもよい。その場合、演出モードによって特定の演出についての演出頻度(例えばリーチ前の予告演出の頻度など)が異なるものとしてもよい。あるいは、背景、登場するキャラクタ、モチーフの少なくともいずれかにより区別されるものでもよい。予告演出の種類として、各演出モード固有の演出と、全演出モード共通の演出とが混在してもよい。「遊技状態に応じて」とは、例えば遊技者から所定の操作入力があったことに応じるものでもよい。あるいは、演出モードを選択するための抽選を実行し、その抽選結果に応じるものでもよい。あるいは、確変や時短への突入又は終了を契機とするものでもよい。
本実施例では、当否抽選ごとに各演出モードの演出がそれぞれ事前決定される。そして、決定された演出のうち、遊技者によって選択された演出モード(便宜上「選択モード」ともいう)に係る演出が主演出としてメイン表示領域に表示され、遊技者に選択されなかった演出モード(便宜上「非選択モード」ともいう)に係る演出が副演出としてサブ表示領域に表示される。なお、主演出は副演出よりも優位な形で表示されるものでよい。例えば、主演出を選択モードに係る演出の全体をメイン表示領域に表示させるものとし、副演出を非選択モードに係る演出の一部をサブ表示領域に表示させるものとしてもよい。サブ表示領域の大きさや配置により副演出の視認性を主演出に比べて低くできる場合には、非選択モードに係る演出についてもその全体を表示させるようにしてもよい。いずれにしても、副演出をみることで非選択モードに係る演出の種類を遊技者が認知(推測)できる程度に構成されるのがよい。
本実施例によれば、遊技者により選択されるか否かにかかわらず、当否抽選の結果に応じて各演出モードの演出が事前決定される。そしてその後、選択モードに係る演出が主演出として表示されるに留まらず、非選択モードに係る演出も副演出として表示される。これにより、遊技者は、主演出を楽しむことができることはもちろん、副演出を認知することができる。すなわち、非選択モードに係る演出を仮に選択していたとしたら主演出としてみることができたであろう演出を、現在の主演出と同時並行的に表示される副演出から垣間見ることができるという従来にない斬新な遊技性が実現される。また、非選択モードが選択モードと比較して演出表示上の優位性が劣る場合であっても、複数の演出モードを画面上に常駐させる点で従来にない遊技性が実現される。
このような表示処理は、いわゆる「先読み」を用いて実行することができる。「先読み」とは、抽選値が消化される前にその抽選結果を取得する手法である。すなわち、始動口への入球を契機に新たな当否抽選が実行されると、その当否抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず、その抽選値に関する情報(抽選値情報)が取得される。そして、その抽選値が消化される際に表示予定とされる演出候補が、各演出モードについて事前決定される。そして、抽選値が消化されるごとに、事前決定された演出候補のうち現在の演出モードに対応する演出が主演出として決定され、現在の演出モードに対応しない演出が副演出として決定される。すなわち、本実施例によれば、演出モードごとの演出候補を抽選値の保留段階で事前決定しておき、抽選値の消化ごとに主演出又は副演出に割り振る処理により、両演出を各表示領域にスムーズに表示させることができる。
図柄変動中であっても、遊技者の選択操作に応じて演出モードを切り替え、サブ表示領域に表示中の演出をメイン表示領域に表示してもよい。このようにすることで、副演出として表示されていた演出を所望のタイミングで主演出に切り替えることができ、遊技者の意向に沿った柔軟な演出表示を実現することができる。あるいは、図柄変動中に限らず、特別遊技中やデモンストレーション画面の表示中に遊技者の操作入力に基づいて演出モードを切り替えるようにしてもよい。その際、メイン表示領域に表示中の演出をサブ表示領域に表示してもよい。
以下、本実施例の詳細について説明する。
本実施例のぱちんこ遊技機においては、従来にいう第1種ぱちんこ遊技機に相当する遊技が複数混在する遊技性を有する。その複数の遊技としての第1の遊技と第2の遊技の遊技性を両立させるために、本実施例のぱちんこ遊技機は、複数の始動入賞口(「始動口」という)、複数の特別図柄表示装置、複数の保留ランプを備える。遊技球が第1始動口または第2始動口に入球すると、第1の抽選、第2の抽選がそれぞれ実行され、その当否抽選の結果が「大当り」であった場合、大入賞口が開閉を繰り返す特別遊技が開始される。大入賞口が開放されて遊技球が入球すると、その都度所定数の賞球が払い出されることで遊技者は大きな利益を獲得できる。
本実施例では、大当りとして、通常の大当りと特定の大当りが設けられている。通常の大当りは通常の特別遊技(「通常特別遊技」という)への移行を示し、特定の大当りは特定の特別遊技(「特定特別遊技」)への移行を示す。いずれの特別遊技も複数の単位遊技(特別遊技が継続する場合の単位となる遊技)を含むが、大入賞口の開放態様(開放時間)が互いに異なっている。通常特別遊技は、所定継続回数(15回)の単位遊技を含み、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(30秒)の経過が各単位遊技の終了条件とされている。本実施例では、この通常特別遊技を「15R特別遊技」とも呼ぶ。また、その実行契機となる通常の大当りを「15R大当り」とも呼ぶ。一方、特定特別遊技は、所定継続回数(2回)の単位遊技を含み、所定数以上の入球(10球以上入賞)または所定時間(0.5秒)の経過が各単位遊技の終了条件とされている。後述のように、この0.5秒という極短期間には大入賞口への入球がほとんど見込めないため、実質的に出玉は期待できない。本実施例では、この特定特別遊技を「2R特別遊技」とも呼ぶ。また、その実行契機となる特定の大当りを「2R大当り」とも呼ぶ。なお、本実施例では2R大当りは全て確変移行を伴うが、15R大当りは確変移行を伴う場合と確変移行を伴わない場合がある。以下、確変移行を伴う15R大当りを「15R確変大当り」、確変移行を伴わない(通常状態への移行を伴う)15R大当りを「15R通常大当り」とも呼ぶ。なお、説明の便宜上、2R大当りについても「2R確変大当り」と呼ぶことがある。
一方、第1の抽選または第2の抽選が「小当り」と呼ばれる所定の結果になった場合は、大入賞口の短時間の開放(0.5秒の開放が2回)がなされる小当り遊技が実行される。この小当り遊技は、単位遊技を1回分しか有しないため「大当り」とは区別される。本実施例では小当り遊技においても大入賞口の開放時間が短いため、2R特別遊技と同様に実質的に出玉は期待できない。小当りは確変や時短等の特定遊技を伴わず、その小当り遊技前後の遊技状態を変化させない。ただし、確変状態(高確率状態)から大当りが発生した場合、その大当りが確変を伴わなければその特別遊技後の遊技状態は通常状態(低確率状態)に転落してしまうが、確変状態から小当りが発生してもその小当り遊技後の遊技状態は確変状態に維持される。本実施例では、2R大当りが確実に確変移行を伴う点で、遊技状態を変化させない小当りよりも有利となる。
時短は、当否抽選の結果を示す特別図柄の変動時間を通常状態よりも短くすることで一定時間あたりの図柄変動および当否抽選の回数を増加させる。また、時短中には第2始動口への一定時間あたりの入球容易性が高められるため、その第2始動口への入球により賞球が得られる頻度が増し、遊技者は持ち玉の減少を抑制しながら効率よく大当りを狙うことができる。すなわち、時短中は「入球容易状態」となる。本実施例における時短は、特別遊技の終了後に特別図柄の変動回数が所定回数(「終期回数」ともいう)に達するまで、または新たな大当りが発生するまで継続する。具体的には後述のように、確変移行を伴う大当りが発生した場合には、時短の終期は次の大当りが発生するまでとなり、確変移行を伴わない大当りが発生した場合には、時短の終期は所定の終期回数(100回)に達するか、それ以前に新たな大当りが発生するまでとなる。なお、確変の終期については次の大当りが発生するまでとしている。
本実施例のぱちんこ遊技機は、このような構成において第1の抽選よりも第2の抽選を優遇した仕様を有する。すなわち後述のように、第1の抽選と第2の抽選の当選確率は等しく設定されているものの、第1の抽選の当否抽選値(「第1当否抽選値」ともいう)には大当りとして15R大当りと2R大当りの双方が対応づけられているのに対し、第2の抽選の当否抽選値(「第2当否抽選値」ともいう)には15R大当りのみが対応づけられている。このため、出玉獲得の点で第2の遊技が有利となっている。一方、第1の抽選よりも第2の抽選を優先して実行する仕様となっている。このため、第2当否抽選値の保留を絶やさない限り、遊技者は相対的に有利に遊技を進行できる可能性が高い。以下、その詳細について説明する。
図1は、第1実施例に係るぱちんこ遊技機の前面側における基本的な構造を示す。ぱちんこ遊技機10は、主に遊技機枠と遊技盤で構成される。ぱちんこ遊技機10の遊技機枠は、外枠11、前枠12、透明板13、扉14、上球皿15、下球皿16、および発射ハンドル17を含む。外枠11は、開口部分を有し、ぱちんこ遊技機10を設置すべき位置に固定するための枠体である。前枠12は、外枠11の開口部分に整合する枠体であり、図示しないヒンジ機構により外枠11へ開閉可能に取り付けられる。前枠12は、遊技球を発射する機構や、遊技盤を着脱可能に収容させるための機構、遊技球を誘導または回収するための機構等を含む。
透明板13は、ガラスなどにより形成され、扉14により支持される。扉14は、図示しないヒンジ機構により前枠12へ開閉可能に取り付けられる。上球皿15は、遊技球の貯留、発射レールへの遊技球の送り出し、下球皿16への遊技球の抜き取り等の機構を有する。下球皿16は、遊技球の貯留、抜き取り等の機構を有する。上球皿15と下球皿16の間にはスピーカ18が設けられており、遊技状態などに応じた効果音が出力される。
遊技盤50は、外レール54と内レール56により区画された遊技領域52上に、アウト口58、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、メイン演出表示装置160、サブ演出表示装置162、第1始動口62、第2始動口63、センター飾り64、第1大入賞口91、第2大入賞口92、作動口68、一般入賞口72を含む。さらに遊技領域52には、図示しない多数の遊技釘や風車などの機構が設置される。
第1始動口62は第1の遊技に対応する始動口として設けられ、第2始動口63は第2の遊技に対応する始動口として設けられる。第1始動口62および第2始動口63は、遊技球の発射強弱によっていずれかを目標にした打ち分けが可能な程度に互いに離れた位置に設けられる。第1始動口62と第2始動口63は、遊技者の意思にしたがった遊技球の発射強弱によっていずれか一方への入球を狙うことが可能となるよう、それぞれ遊技領域52の左側と右側に離れて設置され、一方を狙った遊技球が他方へ入球しがたい構成となっている。例えば、第1始動口62は遊技領域52の左側を狙って比較的弱めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられ、第2始動口63は遊技領域52の右側を狙って比較的強めに発射したときに入球しやすくなるような位置に設けられる。
第1始動口62は、始動入賞検出装置74を備える。始動入賞検出装置74は、第1始動口62への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1始動入賞情報を生成する。第2始動口63は、始動入賞検出装置75と、普通電動役物65と、普通電動役物65を開閉させるための普通電動役物ソレノイド76を備える。始動入賞検出装置75は、第2始動口63への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2始動入賞情報を生成する。普通電動役物ソレノイド76の駆動力により普通電動役物65が拡開されると、第2始動口63への入球容易性が高まる。
また、第2始動口63は図示するとおり遊技領域52の右側における狭い通路に設けられているので、右側を狙って強めに打球した遊技球の多くが少なくとも第2始動口63の近傍に集まるので、第2始動口63に入球し易くなる。これに対し、第1始動口62には普通電動役物が設置されておらず、しかも狭い通路から離れた位置に設けられているため、入球可能性はそれほど高くない。ただし、第2始動口63の直上には図示略の遊技釘が設けられており、拡開されていない状態においては、第2始動口63そのものの入球容易性は第1始動口62よりも低くなる。
一般入賞口72は、遊技球の入球を検出するための一般入賞検出装置73を複数備える。一般入賞検出装置73は、一般入賞口72への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す一般入賞情報を生成する。
第1大入賞口91は、遊技領域52における中央下方の領域、つまりアウト口58の上方の位置に設けられる。一方、第2大入賞口92は、遊技領域52における右下の領域に設けられている。したがって、第2大入賞口92は、遊技領域52の右側を狙って遊技球を比較的強めに発射したとき、いわゆる右打ちを行ったときに入球しやすくなる配置構成となっている。
第1大入賞口91は、第1の遊技に対応する大入賞口として設けられ、大当りまたは小当りの発生により開放される。第1大入賞口91は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置78と、第1大入賞口91を開閉させるための大入賞口ソレノイド80を備える。入賞検出装置78は、第1大入賞口91への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第1大入賞口入賞情報を生成する。第1大入賞口91は、第1特別図柄192が所定の大当り態様または小当り態様にて停止したときに開放状態となる横長方形状の入賞口である。第1大入賞口91はアウト口58の上方の位置に設けられる。
一方、第2大入賞口92は、第2の遊技に対応する大入賞口として設けられ、大当りまたは小当りの発生により開放される。第2大入賞口92は、遊技球の入球を検出するための入賞検出装置79と、第2大入賞口92の羽根を開閉させるための大入賞口ソレノイド81を備える。入賞検出装置79は、第2大入賞口92への遊技球の入球を検出するセンサであり、入球時にその入球を示す第2大入賞口入賞情報を生成する。第2大入賞口92は、第2特別図柄193が所定の大当り態様または小当り態様にて停止したときに開放状態となる。
遊技領域52の略中央にメイン演出表示装置160が設けられている。サブ演出表示装置162は、メイン演出表示装置160の直下に設けられている。メイン演出表示装置160の左下方の左右に第1の遊技に対応する第1特別図柄表示装置70と第2の遊技に対応する第2特別図柄表示装置71が設けられている。第1特別図柄表示装置70には第1の遊技に対応する第1特別図柄192の変動が表示され、第2特別図柄表示装置71には第2の遊技に対応する第2特別図柄193の変動が表示される。第1特別図柄192は、第1始動口62への遊技球の入球を契機として行われる第1の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第2特別図柄193は、第2始動口63への遊技球の入球を契機として行われる第2の抽選の結果に対応した図柄であり、その変動表示が所定の当り態様にて停止されたときに特別遊技としての大当りが発生する。第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71は、ドットマトリクス・ディスプレイや7セグメントLEDで構成される表示手段である。第1特別図柄192および第2特別図柄193はそれぞれ「1」〜「9」の9種類の数字や、「A」〜「C」,「−」等の文字や、その他の記号で表される。
メイン演出表示装置160は、液晶ディスプレイからなる表示領域194(「メイン表示領域」として機能する)を有する。この表示領域194には、第1特別図柄192に連動する装飾図柄190または第2特別図柄193に連動する装飾図柄190の変動が表示される。装飾図柄190は、第1特別図柄192で示される第1の抽選の結果表示または第2特別図柄193で示される第2の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄である。メイン演出表示装置160は、装飾図柄190として、例えばスロットマシンのゲームを模した複数列の図柄変動の動画像を表示領域194に表示する。メイン演出表示装置160は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、LEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。なお、第1特別図柄192および第2特別図柄193は必ずしも演出的な役割をもつことを要しないため、本実施例ではメイン演出表示装置160の左下方の第1特別図柄表示装置70および第2特別図柄表示装置71にて目立たない大きさで表示させるが、特別図柄自体に演出的な役割をもたせて装飾図柄を表示させないような手法を採用する場合には、特別図柄をメイン演出表示装置160のような液晶ディスプレイに表示させてもよい。
サブ演出表示装置162は、液晶ディスプレイからなる表示領域196(「サブ表示領域」として機能する)を有する。この表示領域196には、メイン演出表示装置160の表示領域194とは区別される形で演出が表示される。その詳細については後述する。なお、サブ演出表示装置162は、この実施例では液晶ディスプレイで構成されるが、LEDなどの他の表示手段で構成されてもよい。
作動口68は、遊技盤50の右側方位置に設けられる。作動口68は、通過検出装置69を含む。通過検出装置69は、作動口68への遊技球の通過を検出するセンサであり、通過時にその通過を示す通過情報を生成する。作動口68への遊技球の通過は第2始動口63の普通電動役物65を拡開させるか否かを決定する普通図柄抽選の契機となる。作動口68を遊技球が通過すると、普通図柄抽選の結果を示す図柄である普通図柄が普通図柄表示装置59に変動表示される。この普通図柄抽選は、普通図柄の停止図柄により普通電動役物65の作動有無、つまり第2始動口63の拡開作動の有無を決定するための抽選であり、「作動抽選」とも呼ぶ。本実施例における普通図柄表示装置59は、便宜上、二つのランプで構成されるとともに、それらのうちいずれのランプが点灯しているかによって普通図柄の表示状態が表現される。例えば、第1のランプの点灯が外れを示し、第2のランプが当りを示すとき、それらが交互に点灯と消灯を繰り返すことによって普通図柄の変動表示が表現され、最終的にいずれかの点灯状態にて停止されることで普通図柄の停止図柄が表現される。普通図柄表示装置59はメイン演出表示装置160の右下方に設けられる。変動開始から所定時間の経過後に、普通図柄の変動表示が停止する。普通図柄が当りの図柄で停止すると、普通電動役物65が所定時間拡開される。
メイン演出表示装置160の周囲にはセンター飾り64が設けられている。センター飾り64は、遊技球の流路、メイン演出表示装置160の保護、装飾等の機能を有する。遊技効果ランプ90がセンター飾り64の上部および下部に設けられ、点滅等することで演出の役割を果たす。第1特別図柄表示装置70の上方には、第1の遊技に対応する第1特図保留ランプ20が設けられている。第1特図保留ランプ20は2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって第1の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第1特図保留ランプ20における当否抽選値の保留数は、第1特別図柄192の変動中または特別遊技の実行中に第1始動口62へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
また、第2特別図柄表示装置71の上方には、第2の遊技に対応する第2特図保留ランプ21が設けられている。第2特図保留ランプ21も2個のランプからなる。第2特図保留ランプ21は、その点灯個数または点滅個数によって第2の遊技における当否抽選値の保留数を表示する。第2特図保留ランプ21における当否抽選値の保留数は、第2特別図柄193の変動中または特別遊技の実行中に第2始動口63へ入賞した抽選結果の個数であり、図柄変動がまだ実行されていない入賞球の数を示す。
普通図柄表示装置59の下方には、普通図柄変動に対応する普図保留ランプ22が設けられている。普図保留ランプ22もまた2個のランプからなり、その点灯個数または点滅個数によって普通図柄変動の保留数を表示する。普通図柄変動の保留数は、普通図柄195の変動中に作動口68を通過した遊技球の個数であり、普通図柄195の変動がまだ実行されていない普通図柄抽選の数を示す。操作ボタン82は、遊技者が遊技機側所定の指示を入力するために操作するボタンである。操作ボタン82は、上球皿15近傍の外壁面に設けられる。
以上のような構成においてなされる遊技の方法および制御の流れを概説する。遊技者が発射ハンドル17を手で回動させると、その回動角度に応じた強度で上球皿15に貯留された遊技球が1球ずつ内レール56と外レール54に案内されて遊技領域52へ発射される。遊技者が発射ハンドル17の回動位置を手で固定させると一定の時間間隔で遊技球の発射が繰り返される。遊技領域52の上部へ発射された遊技球は、複数の遊技釘や風車に当りながらその当り方に応じた方向へ落下する。遊技球が一般入賞口72、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92の各入賞口へ落入すると、その入賞口の種類に応じた賞球が上球皿15または下球皿16に払い出される。一般入賞口72等の各入賞口に落入した遊技球はセーフ球として処理され、アウト口58に落入した遊技球はアウト球として処理される。なお、各入賞口は遊技球が通過するゲートタイプのものを含み、本願において「落入」「入球」「入賞」というときは「通過」を含むものとする。
遊技球が第1始動口62に入球すると、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192が変動表示され、メイン演出表示装置160の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。遊技球が第2始動口63に入球すると、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193が変動表示され、メイン演出表示装置160の表示領域194において装飾図柄190が変動表示される。第1特別図柄192、第2特別図柄193、装飾図柄190の変動表示は、表示に先だって決定された表示時間の経過後に停止される。
第1特別図柄192および第2特別図柄193は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動パターンにしたがって変動表示される。装飾図柄190は、その変動開始から停止までの変動態様が定められた変動演出パターンにしたがって変動表示される。変動パターンおよび変動演出パターンはそれぞれ複数種ずつ用意され、それぞれが長短様々な変動時間をもつ。変動パターンにしたがって第1特別図柄192または第2特別図柄193が変動表示される間、同じ変動時間をもつ変動演出パターンにしたがって装飾図柄190が変動表示される。変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動が停止される。
装飾図柄190の変動表示としては、まず変動開始とともにスロットマシンのリール回転のように3列とも図柄を変動させ、変動終了タイミングへ近づいたときに一列ずつ停止させることで最終的な停止態様としての図柄組合せを表示する。停止時の第1特別図柄192および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合、通常遊技よりも遊技者に有利な遊技状態である特別遊技に移行し、第1大入賞口91の開閉動作が開始される。停止時の第2特別図柄193および装飾図柄190が大当りを示す停止態様となった場合も特別遊技に移行し、第2大入賞口92の開閉動作が開始される。大当りを示す装飾図柄190の停止態様は、例えば3つの図柄の種類が一致する組合せの態様である。
変動演出パターンには、通常外れ演出パターン、リーチ外れ演出パターン、リーチ大当り演出パターンが含まれる。通常外れ演出パターンは、通常の外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ外れ演出パターンは、あと一つ図柄が揃えば大当りとなる状態であるリーチ状態を経て外れの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。リーチ大当り演出パターンは、リーチ状態を経て大当りの図柄組合せを表示するときの演出パターンである。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれ、相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。
当否抽選が大当りに該当した場合は特別遊技が実行される。15R特別遊技は、開始デモと呼ばれる演出画面の表示によって開始される。開始デモの画面表示後に大入賞口が開放され、その開放が約30秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口の開放から閉鎖までが、基本的には単位遊技と呼ばれるが、1回の単位遊技の間に複数回の短時間の開放を繰り返す場合があってもよい。大入賞口の開閉ないし単位遊技が15回繰り返された後、終了デモと呼ばれる演出画面の表示によって通常特別遊技が終了される。
また、2R特別遊技も開始デモの表示によって開始される。その開始デモの画面表示後に大入賞口が開放され、その開放が約0.5秒間続いた後、または10球以上の遊技球が落入した後で一旦閉鎖される。このような大入賞口の開放から閉鎖までが単位遊技となる。大入賞口の開閉ないし単位遊技が2回繰り返された後、終了デモの表示によって特定特別遊技が終了される。
これに対し、当否抽選が小当りと呼ばれる結果に該当した場合は小当り遊技が実行される。小当り遊技は、一部の種類の特別遊技(2R特別遊技)と類似の態様にて実行される単位遊技である。ただし、小当り遊技として実行される単位遊技は1回だけであり、複数回数の単位遊技が実行される特別遊技とは異なる。本実施例では上述したように、小当り遊技では大入賞口が2R特別遊技と同様の態様で複数回短開放される。すなわち、小当り遊技も、開始デモの表示によって開始される。その開始デモの画面表示後の単位遊技において大入賞口の約0.5秒間の短開放が2回繰り返される。その2回の短開放の後、終了デモと呼ばれる演出画面の表示によって小当り遊技が終了される。
特別遊技が発生した場合であって抽選などの所定の条件が満たされた場合、その特別遊技が終了した後の通常遊技においては特定遊技の一つである第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短が開始される。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短は、これらの変動時間が通常状態よりも短縮される状態である。第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間は、所定の変動回数、例えば100回の変動表示がなされた後で元の変動時間に戻されるが、その変動回数に達する前に大当りが発生すれば時短も終了する。時短により第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の変動時間が短縮されるため、通常の変動時間のまま図柄変動がなされる通常状態の場合と比べて、大当りが発生するまでの時間を短縮することができ、大当りの獲得容易性を相対的に高めることができる。
第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短中は、特定遊技の一つである入球容易状態が実施される。入球容易状態は、普通図柄の時短、普通図柄抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長が実施されることにより第2始動口63への入球容易性が高められる状態である。普通図柄の時短は、普通図柄の変動時間が通常状態より短縮される状態である。通常状態における普通図柄195の変動表示において30秒から60秒の間で比較的長い変動時間が設定されるのに対し、時短状態では1秒から5秒の間で通常状態よりも相当短い変動時間が設定される。
普通図柄抽選の確率変動は、普通図柄抽選の当り確率を通常状態より高める状態である。通常状態では26/256の低確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。一方、時短状態では通常状態よりも高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。具体的には、通常時短においては230/256の高確率にて普通図柄が当りの図柄で停止する。
普通電動役物65の開放延長は、普通電動役物65の開放時間を通常状態よりも長くする状態である。すなわち、普通電動役物65の作動1回あたりの開放時間は、通常状態においては0.5秒の1回開放(通常開放パターン1)、1秒の1回開放(通常開放パターン2)、2秒の1回開放(通常開放パターン3)の3種類が設けられており、それらの通常開放パターン1,2,3の選択確率が約90%,7%,3%となっている。一方、時短中においては普通電動役物65の作動1回あたりの開放時間が2秒の3回開放(特定開放パターン1)、3秒の2回開放(特定開放パターン2)、6秒の1回開放(特定開放パターン3)の3種類が設けられており、それらの特定開放パターン1,2,3の選択確率が約90%,7%,3%となっている。すなわち、時短中においては普通電動役物65の作動1回あたりの開放時間が通常状態よりも長いので、遊技球は第2始動口63に入球しやすくなる。
時短による入球容易状態においては、一定時間あたりの普通図柄の変動回数が通常状態よりも増加する可能性が高まる上、第2始動口63への入球容易性も増すため、第2始動口63への入球数が増加する可能性も高まる。したがって、第1特別図柄192、第2特別図柄193および装飾図柄190の時短および入球容易状態により、その期間中は第2始動口63への入球による賞球を得られる機会が増加する結果、持ち玉の減少を抑制しつつ遊技し続けることが可能となる。
なお、本実施例における入球容易状態は、普通図柄の時短、普通図柄抽選の確率変動、普通電動役物65の開放延長という3つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める。ただし、変形例としては、これら3つの機能のうち、1つまたは2つの機能を用いて第2始動口63への入球容易性を高める構成としてもよい。このように3つの機能のうち一部だけを用いても第2始動口63への入球容易性を高めることは可能である。また、3つの機能のうち少なくともいずれかを、実施する期間と実施しない期間とで遊技状態に応じて切り替える構成としてもよい。
図2は、ぱちんこ遊技機の背面側における基本的な構造を示す。電源スイッチ40は、ぱちんこ遊技機10の電源をオンオフするスイッチである。メイン基板102は、ぱちんこ遊技機10の全体動作を制御し、とくに第1始動口62、第2始動口63へ入賞したときの抽選等、遊技動作全般を処理する。サブ基板104は、液晶ユニット42を備え、メイン演出表示装置160およびサブ演出表示装置162における表示内容を制御し、特にメイン基板102による抽選結果に応じて表示内容を変動させる。メイン基板102およびサブ基板104は、遊技制御装置100を構成する。裏セット機構39は、賞球タンク44や賞球の流路、賞球を払い出す払出ユニット43等を含む。払出ユニット43は、各入賞口への入賞に応じて賞球タンク44から供給される遊技球を上球皿15へ払い出す。払出制御基板45は、払出ユニット43による払出動作を制御する。発射装置46は、上球皿15の貯留球を遊技領域52へ1球ずつ発射する。発射制御基板47は、発射装置46の発射動作を制御する。電源ユニット48は、ぱちんこ遊技機10の各部へ電力を供給する。
図3は、本実施例におけるぱちんこ遊技機10の機能ブロックを示す。ぱちんこ遊技機10において、遊技制御装置100は、第1始動口62、第2始動口63、第1大入賞口91、第2大入賞口92、一般入賞口72、作動口68、第1特別図柄表示装置70、第2特別図柄表示装置71、メイン演出表示装置160、サブ演出表示装置162、普通図柄表示装置59、操作ボタン82、スピーカ18、遊技効果ランプ90のそれぞれと電気的に接続されており、各種制御信号の送受信を可能とする。遊技制御装置100は、遊技の基本動作だけでなく、図柄変動表示や電飾等の演出的動作も制御する。遊技制御装置100は、遊技の基本動作や遊技の進行を含むぱちんこ遊技機10の全体動作を制御する主制御装置としてのメイン基板102と、図柄の演出等を制御する副制御装置としてのサブ基板104とに機能を分担させた形態で構成される。遊技制御装置100は、ハードウエア的にはデータやプログラムを格納するROMやRAM、演算処理に用いるCPU等の素子を含んで構成される。
本実施例におけるメイン基板102は、入球判定手段110、第1抽選手段126、第2抽選手段128、普図抽選手段136、保留制御手段116、メイン表示制御手段118、特別遊技制御手段120、小当り遊技制御手段121、特定遊技実行手段122、開閉制御手段124、特図調整手段152、条件保持手段176を備える。本実施例におけるサブ基板104は、パターン記憶手段130、演出決定手段132、演出表示制御手段134を備える。なお、メイン基板102に含まれる各機能ブロックは、いずれかがメイン基板102ではなくサブ基板104に搭載されるかたちで構成されてもよい。同様に、サブ基板104に含まれる各機能ブロックは、いずれかがサブ基板104ではなくメイン基板102に搭載されるかたちで構成されてもよい。
ただし、メイン基板102とサブ基板104の間におけるデータの送受信はメイン基板102からサブ基板104への一方向であるため、そのような一方向でのデータ送受信にて全体動作が実現されるよう各構成がメイン基板102とサブ基板104に配置される。このようにメイン基板102からサブ基板104へのデータ送信の一方向性が保たれるため、サブ基板104に含まれる構成からメイン基板102に含まれる構成へはデータを送信することができず、データ送信の要求もできない。したがって、メイン基板102で生成された情報は、メイン基板102がサブ基板104へ一方的に送信しない限りサブ基板104から参照することはできない。
入球判定手段110は、各入賞口への遊技球の入球を判定する。入球判定手段110は、第1始動入賞情報を受け取ると遊技球が第1始動口62に入賞したと判断し、第2始動入賞情報を受け取ると遊技球が第2始動口63に入賞したと判断する。入球判定手段110は、第1大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第1大入賞口91に入賞したと判断し、第2大入賞口入賞情報を受け取ると遊技球が第2大入賞口92に入賞したと判断し、一般入賞情報を受け取ると遊技球が一般入賞口72に入賞したと判断する。入球判定手段110は、通過情報を受け取ると遊技球が作動口68を通過したと判断する。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、「特図抽選手段」として機能する。第1抽選手段126は、第1抽選値取得手段112、第1当否判定手段113、第1パターン決定手段114を含み、第1始動口62への入球に対応する特別図柄抽選として第1の抽選を実行する。第1の抽選の結果は、第1特別図柄表示装置70において第1特別図柄192の変動表示の形で示され、メイン演出表示装置160の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。一方、第2抽選手段128は、第2抽選値取得手段115、第2当否判定手段117、第2パターン決定手段119を含み、第2始動口63への入球に対応する特別図柄抽選として第2の抽選を実行する。第2の抽選の結果は、第2特別図柄表示装置71において第2特別図柄193の変動表示の形で示され、メイン演出表示装置160の表示領域194において装飾図柄190の変動表示の形で示される。
第1抽選手段126および第2抽選手段128は、図柄変動を開始するにあたり、その図柄変動に対応する抽選の結果を図柄変動の制御コマンドとともに演出決定手段132へ送信する。さらに、第1抽選手段126および第2抽選手段128は、第1始動口62または第2始動口63への入球時にも事前判定処理として抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行し、その判定結果を抽選結果として演出決定手段132へ送信する。事前判定処理の結果は送信バッファに一時保存された後、その抽選に対応する図柄変動表示が直ちに開始されるか否かにかかわらず演出決定手段132へ送信され、送信バッファから消去または後に上書きされる。そのため、サブ基板104の側にとっては図柄変動開始の順番が巡ってくる前に予め当否結果を推測的に認識できる、いわゆる「先読み」と呼ばれる処理が実現される。
第1抽選値取得手段112は、第1始動口62への入球を契機に、第1の抽選のための乱数の値を第1当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。第2抽選値取得手段115は、第2始動口63への入球を契機に、第2の抽選のための乱数の値を第2当否抽選値(「特図抽選値」ともいう)として取得する。例えば、当否抽選のために第1当否抽選値および第2当否抽選値として取得する値は「0」から「65535」までの値範囲から取得される。なお、本願にいう「乱数」は、数学的に発生させる乱数でなくてもよく、ハードウエア乱数やソフトウエア乱数などにより発生させる疑似乱数でもよい。第1当否抽選値または第2当否抽選値として取得された値は、保留制御手段116により一時的に保留される。ただし、保留制御手段116により保留される所定の保留上限数を超えない範囲で第1当否抽選値と第2当否抽選値が保留される。
第1抽選手段126は、第1当否抽選値が保留されたときに現在の第1当否抽選値の保留数の情報を演出決定手段132へ送信する。第2抽選手段128は、第2当否抽選値が保留されたときに現在の第2当否抽選値の保留数の情報を演出決定手段132へ送信する。なお、変形例においては各当否抽選値の保留数の情報ではなく保留された旨の情報のみを送信し、演出決定手段132が各当否抽選値の保留数を管理(演算・更新)できるようにしてもよい。なお、以下の説明において第1当否抽選値と第2当否抽選値とを区別しない場合には、単に「当否抽選値」ともいう。
第1当否判定手段113は、第1当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第1当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第2当否判定手段117は、第2当否抽選値に基づき、特別遊技または小当り遊技へ移行するか否かを判定する当否判定と、第2当否抽選値が当否判定におけるいずれの抽選値範囲に該当するかの事前当否判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定で参照する当否判定テーブルと事前当否判定テーブルを保持する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する当否判定を、特に事前当否判定と区別するために、適宜「本判定としての当否判定」とも呼ぶ。
図4は、当否判定テーブルを模式的に示す図である。本図の当否判定テーブルには、大当り、小当り、外れの判定結果と当否抽選値とが対応付けられており、対応付けられたそれぞれの範囲設定に応じて大当り当否確率や小当りの当否確率が定まる。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、本判定としての当否判定において図示の当否判定テーブルを参照する。図4(a)は通常時に参照されるテーブルであり、図4(b)は確変時に参照されるテーブルである。
すなわち、各当否判定手段による当否抽選においては、通常時には当否抽選値が0〜163の範囲に該当したときのみ大当りとなる。一方、確変時には大当りの範囲が拡大され、当否抽選値が0〜163の範囲に該当する場合だけでなく、164〜1639の範囲に該当する場合にも大当りとなる。このように、大当りに該当する範囲は遊技状態に応じて変化するが、第1の抽選と第2の抽選とで大当りに該当する確率は等しい。大当りに該当した場合、それが確変を伴うか否かは、特別図柄の停止図柄に応じて別途決定される。なお、本図では単一の当否判定テーブルによって通常時と確変時の双方の大当り範囲を示したが、当否判定テーブルは通常時用と確変時用とで別個に用意してもよいし、第1の抽選用と第2の抽選用とで別個に用意してもよい。
本実施例においては、当否抽選値が大当り範囲に該当しない、いわゆる外れとなった場合であっても、所定の範囲に該当した場合には小当りとなる。図示の例では、第1の抽選においては確変状態の有無にかかわらず、第1当否抽選値が65208〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。一方、第2の抽選においては確変状態の有無にかかわらず、第2当否抽選値が65455〜65535の範囲に該当した場合に小当りとなる。つまり、本実施例では、第1始動口62への入球を契機とする第1の抽選のほうが第2始動口63への入球を契機とする第2の抽選よりも高い確率で小当りとなる。なお、大当りに該当しなかった場合、本来はすべて「外れ」であるが、本図の例では大当りに該当しなかった場合のうち小当りにも該当しなかった場合の当否抽選値範囲を特に「外れ」と表現している。なお、本図では大当りか否かの判定テーブルと小当りか否かの判定テーブルとを単一の当否判定テーブルの形で実現する例を示したが、それぞれを別個のテーブルとして実現してもよい。なお、小当りを外れに含めることなく特定の当りとし、当否判定テーブルに個別の範囲を設けてもよい。
図5は、事前当否判定で参照される事前当否判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段113は図5(a)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜163」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「164〜1639」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「1640〜65454」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「65208〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第1当否判定手段113は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
第2当否判定手段117は図5(b)のテーブルを参照し、当否抽選値が「0〜163」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「164〜1639」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。当否抽選値が「1640〜65207」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての当否範囲に設定し、当否抽選値が「65455〜65535」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としての当否範囲に設定する。第2当否判定手段117は、以上のように当否範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。なお、後述する特殊演出の制御のために、第2当否判定手段117は、仮に保留の個数が上限値に達していたために第2保留手段146による新たな保留がなされなかった場合であっても、第2始動口63への入球情報を演出決定手段132へ送信する。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、別途取得する乱数値である図柄抽選値と当否判定の結果に基づいて、図柄の変動開始にあたってその停止図柄を決定するとともに、図柄抽選値がいずれの図柄範囲に該当するかの事前図柄判定を実行する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、特別図柄の停止図柄を決定するために参照する複数の図柄判定テーブルと事前図柄判定テーブルを保持する。第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否判定結果に応じて異なる図柄判定テーブルを参照する。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する図柄判定を、特に事前図柄判定と区別するために、適宜「本判定としての図柄判定」とも呼ぶ。
図6は、本判定で参照される図柄判定テーブルの構成例を示す。ここでは、図柄抽選値は「0」から「255」までの値範囲であることとする。この図柄判定テーブルには、図柄抽選値に対し、第1特別図柄192および第2特別図柄193の停止態様(停止図柄)、特別遊技のラウンド数、確変移行の有無がそれぞれ対応づけられている。図6(a)および(b)は当否抽選の結果が大当りであった場合に参照されるテーブルであり、図6(c)は当否抽選の結果が小当りであった場合に参照されるテーブルであり、図6(d)は当否抽選の結果が外れであった場合に参照されるテーブルである。図柄判定テーブルには、特別図柄の種類を示す「0」〜「19」の番号と図柄抽選値との対応関係が定められている。特別図柄の種類はそれぞれ大当り、小当り、外れの当否判定結果と対応付けられており、「0」〜「17」が大当りに対応し、「18」が小当りに対応し、「19」が外れに対応する。各種類には複数の特別図柄、すなわちセグメントの組合せで形成される一般に意味を持たない記号が複数割り当てられている。
第1当否判定手段113は、第1の抽選の結果が大当りとなった場合、図6(a)の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルでは、特別図柄の種類「0」〜「8」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「0」〜「4」は確変を伴う2R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜136」のうち図柄ごとの異なる範囲に対応付けられる。また、種類「5」「6」は確変を伴う15R大当りを示し、それぞれ図柄抽選値の範囲「137〜163」「164〜190」に対応付けられる。種類「7」「8」は確変を伴わない15R大当りを示し、それぞれ図柄抽選値の範囲「191〜217」「218〜255」に対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。なお、図示を省略するが、確変を伴う大当り(「確変大当り」ともいう)は、確変と同様に次の大当りまでを終期とする時短を伴う。一方、確変を伴わない大当り(「通常大当り」ともいう)は、特別図柄の変動回数100回の期間を終期とする時短を伴う。
一方、第2当否判定手段117は、第2の抽選の結果が大当りとなった場合、図6(b)の図柄判定テーブルを参照する。この図柄判定テーブルでも特別図柄の種類「9」〜「17」が大当りに対応付けられている。そのうち、種類「9」〜「15」は確変を伴う15R大当りを示し、図柄抽選値の範囲「0〜190」のうち図柄ごとの異なる範囲に対応付けられる。また、種類「16」「17」は確変を伴わない15R大当りを示し、それぞれ図柄抽選値の範囲「191〜217」「218〜255」に対応付けられる。このように図柄抽選値の範囲の大きさによって大当り種類ごとの選択確率が定まる。なお、図示を省略するが、第2の遊技においても、確変大当りは、確変と同様に次の大当りまでを終期とする時短を伴う。一方、通常大当りは、特別図柄の変動回数100回の期間を終期とする時短を伴う。
このように、第1の遊技と第2の遊技とは確変大当りの当選確率が同じとなるように設定されているが、第1の抽選においては15R大当りおよび2R大当りの双方が選択対象となっているのに対し、第2の抽選においては15R大当りのみが選択対象となっており、ラウンド振り分けにおいて第2の遊技のほうが優遇されている。なお、本実施例では図5(a)の図柄判定テーブルで選択される図柄と(b)の図柄判定テーブルで選択される図柄はすべて異なるよう定めている。変形例においては、一部の図柄、例えば15R大当りに対応する図柄、例えば「5」〜「8」または「14」〜「17」を共通で用いてもよい。
第1当否判定手段113および第2当否判定手段117は、当否抽選の結果が小当りとなった場合に図6(c)の図柄判定テーブルを参照し、外れとなった場合に図6(d)の図柄判定テーブルを参照する。種類「18」は当否判定結果が小当りの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。種類「19」は当否判定結果が外れの場合における全範囲の図柄抽選値に対応付けられている。なお、小当りは1回の単位遊技(1ラウンド)からなり、確変、時短に関する遊技状態の変更の契機とはならない。
図7は、事前図柄判定で参照される事前図柄判定テーブルを模式的に示す図である。第1当否判定手段113は、当否抽選値が大当りに該当する場合に図7(a)のテーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜136」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「137〜190」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。図柄抽選値が「191〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。ここで、図6(a)との対比からも分かるように、図柄範囲「1」は2R確変大当りを示し、図柄範囲「2」は15R確変大当りを示し、図柄範囲「3」は15R通常大当りを示している。なお、図示を省略するが、当否抽選値が小当りに該当する場合には、その旨を示す「4」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、当否抽選値が外れに該当する場合には、その旨を示す「5」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。第1当否判定手段113は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を第1の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
第2当否判定手段117は、当否抽選値が大当りに該当する場合に図7(b)のテーブルを参照する。図柄抽選値が「0〜190」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、図柄抽選値が「191〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。ここで、図6(b)との対比からも分かるように、図柄範囲「2」は15R確変大当りを示し、図柄範囲「3」は15R通常大当りを示している。なお、図示を省略するが、当否抽選値が小当りに該当する場合には、その旨を示す「4」の値を判定結果としての図柄範囲に設定し、当否抽選値が外れに該当する場合には、その旨を示す「5」の値を判定結果としての図柄範囲に設定する。第2当否判定手段117は、以上のように図柄範囲を設定するたびにその値を第2の抽選であることを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。
図3に戻り、第1パターン決定手段114は、第1特別図柄表示装置70およびメイン演出表示装置160に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第1パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第2パターン決定手段119は、第2特別図柄表示装置71およびメイン演出表示装置160に表示させる図柄変動の表示過程が定められた変動パターンを、別途取得する第2パターン抽選値に基づいて複数の変動パターンの中から決定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、それぞれ図柄変動を開始する際に変動パターンテーブルを参照してその図柄変動の変動パターンを決定する。
また、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、パターン抽選値がいずれの変動パターン範囲に該当するかの事前パターン判定を実行する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、変動パターンを決定するために参照する変動パターンテーブルと事前パターン判定テーブルをそれぞれ保持または共有する。変動パターンには、特別図柄を変動表示させるときの変動開始から停止までの変動時間が定められており、その種類によって長短様々な変動時間をもつ。すなわち、各変動パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動表示時間が定められており、その変動表示時間の経過時に特別図柄の変動が停止される。なお、図柄変動を開始するにあたって実行する変動パターン判定を、特に事前パターン判定と区別するために、適宜「本判定としての変動パターン判定」とも呼ぶ。
図8は、本判定で参照される変動パターンテーブルを模式的に示す図である。変動パターンテーブルには、パターン抽選値と変動パターンとが対応づけられている。ここでは、パターン抽選値は「0」から「255」までの値範囲であることとする。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否判定結果が外れのときは図8(a)に示される外れ用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が15R大当りのときは図8(b)に示される15R大当り用の変動パターンテーブルを参照する。当否判定結果が2R大当りまたは小当りのときは図8(c)に示される2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルを参照する。
図8(a)に示すように、外れ用の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜10」に「スーパー1」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「11〜20」に「スーパー2」というスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「21〜255」に「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のいずれかの変動パターンが対応付けられている。このように、当否判定結果が外れの場合、スーパーリーチ、ノーマルリーチ、リーチなしのいずれも選択される可能性がある。なお、外れ用の変動パターンテーブルにおいて、特に「リーチなし」の変動パターンを選択するとき、時短状態においては通常状態よりもさらに変動時間が概ね短い変動パターンが選択されるよう異なるテーブルを参照する。また、外れ用の変動パターンテーブルは保留数ごとに参照すべき欄が異なるように規定されるが、通常状態を例とするその詳細は後述する図10において説明する。
図8(b)に示すように、15R大当り用の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜120」に「スーパー1」のスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「121〜240」に「スーパー2」のスーパーリーチが対応付けられている。パターン抽選値「241〜250」に「ノーマル1」のリーチが対応付けられ、パターン抽選値「251〜255」に「ノーマル2」のリーチが対応付けられている。このように、当否判定結果が15R大当りの場合はリーチ付きの変動パターンが選択される。
図8(c)に示すように、2R大当りおよび小当り用の変動パターンテーブルにおいては、パターン抽選値「0〜122」に「スーパー3」というスーパーリーチが対応付けられ、パターン抽選値「123〜255」に「ノーマル3」というノーマルリーチが対応付けられている。このように当否判定結果が2R大当りまたは小当りの場合は「スーパー3」または「ノーマル3」がそれぞれ約50%の確率で選択される。
図9は、事前パターン判定で参照される事前パターン判定テーブルを模式的に示す図である。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が外れの場合に図9(a)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜10」の場合はその旨を示す「1」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「11〜20」の場合はその旨を示す「2」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「21〜255」の場合はその旨を示す「3」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が15R大当りの場合に図9(b)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜120」の場合はその旨を示す「4」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「121〜240」の場合はその旨を示す「5」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。パターン抽選値が「241〜250」の場合はその旨を示す「6」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「251〜255」の場合はその旨を示す「7」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。
第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、当否結果が2R大当りまたは小当りの場合に図9(c)のテーブルを参照し、パターン抽選値が「0〜122」の場合はその旨を示す「8」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定し、パターン抽選値が「123〜255」の場合はその旨を示す「9」の値を判定結果としてのパターン範囲に設定する。第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119は、以上のようにパターン範囲を設定するたびにその値を第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値や保留の個数とともに演出決定手段132へ送信する。なお、本実施例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、共通の変動パターンテーブル、事前パターン判定テーブルを用いる例を示した。変形例においては、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が、これら変動パターンテーブルおよび事前パターン判定テーブルの少なくとも一方について別々のテーブルを用いるようにしてもよい。
図10は、外れ用の変動パターンテーブルを詳細に示す図である。本図の変動パターンテーブルにおいては、保留数ごとにそれぞれ変動パターンに対応付けられたパターン抽選値の範囲が異なる。具体的には、保留数が少ないほど変動時間が相対的に長い変動パターンに割り当てられたパターン抽選値の範囲が広くされており、それら変動時間の長い変動パターンが選択される確率を高めている。そのため、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が少ないほど平均的な変動時間が長くなる。したがって、第1保留手段144または第2保留手段146による保留数が所定数、例えば1〜2個より少なくなった場合に、変動時間の長い変動パターンの選択確率が通常より高くなり、変動時間が比較的長くなりやすい。
第1欄212には、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数が1の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。同様に、第2欄214、第3欄216、第4欄218に、第1保留手段144による第1の抽選の結果保留数または第2保留手段146による第2の抽選の結果保留数がそれぞれ2、3、4の場合のパターン抽選値範囲と変動パターンとの対応関係が示される。すなわち、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218が保留数ごとの変動パターンテーブルを示すと考えることができる。本図では、外れのときに選択され得る複数の変動パターンを変動時間別に5種類に分類した例を説明するが、実際にはそれらの分類ごとに複数の変動演出パターンが用意されており、全体で数十種類の変動演出パターンがそれぞれの分類ごとの抽選値範囲に対応付けられていることに等しい。
第1範囲222には、抽選値が0から10までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー1」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。第2範囲224には、抽選値が11から20までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218のいずれにも「スーパー2」というスーパーリーチの変動パターンが対応付けられる。このように、抽選値が0から10までのパターン抽選値と抽選値が11から20までのパターン抽選値の場合には、保留数にかかわらず同じ変動時間の変動パターンが選択される。
第3範囲226には、抽選値が21から255までのパターン抽選値に該当する場合の変動パターンとして、第1欄212、第2欄214、第3欄216、第4欄218にはそれぞれノーマルリーチである「ノーマル1」「ノーマル2」と「リーチなし」の3種類の変動パターンが対応付けられる。ただし、それぞれの変動パターンが対応付けられるパターン抽選値の範囲は保留数によって異なる。第1欄212では、「ノーマル1」「ノーマル2」「リーチなし」のそれぞれが対応付けられる抽選値範囲の大きさがそれぞれほぼ等しく、21から255をほぼ3等分した範囲が対応付けられている。これに対し、第2欄214では、「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさが「リーチなし」に対応付けられる抽選値範囲よりやや小さい。また、第3欄216では「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさがさらに小さくなり、第4欄218にて「ノーマル1」「ノーマル2」のそれぞれに対応付けられる抽選値範囲の大きさはまたさらに小さくなっている。
「ノーマル1」「ノーマル2」の変動時間は「リーチなし」の変動時間より長くてもよく、また「リーチなし」のときは時短状態のように変動時間が短縮される場合もあるため、上記の第3範囲226の設定内容に応じて平均的な変動時間が異なることとなる。保留数が1から2、3、4と多くなるにつれて「ノーマル1」および「ノーマル2」のパターン抽選値範囲は小さくなり、逆に「リーチなし外れ」のパターン抽選値範囲が大きくなる。したがって、保留数が多いほど平均的な変動時間は短くなり、逆に保留数が少ないほど平均的な変動時間は長くなる。このように保留数ごとにパターン抽選値範囲と変動パターンの対応関係が異なる変動パターンテーブルを用いることにより、保留数が少なくなったときに変動時間の長い変動パターンが選択されやすくなる制御を実現することができる。
図3に戻り、普図抽選手段136は、「作動抽選手段」として機能し、作動口68を遊技球が通過したときに抽選値(「普図抽選値」ともいう)を取得することにより普通図柄抽選を実行する。普図抽選手段136による抽選の結果は、普通図柄表示装置59において普通図柄の形で変動表示される。普図抽選手段136は、普通図柄表示装置59に表示させる普通図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄判定テーブルを保持する。その図柄判定テーブルには抽選値と普通図柄の対応関係が定められており、普図抽選手段136は普通図柄の停止図柄を図柄判定テーブルを参照して決定する。決定された停止図柄が所定の図柄となった場合に普通図柄が当りに該当したと判定され、その停止図柄にて普通図柄の変動表示が停止された後に開閉制御手段124が普通電動役物65を所定時間拡開する。
保留制御手段116は、第1保留手段144、第2保留手段146、普図保留手段147を含む。第1保留手段144は、第1始動口62への入球により新たに第1当否抽選値が取得されたときにそれ以前の第1の抽選に対応する第1特別図柄192の変動が表示されている場合、新たな第1当否抽選値をその抽選に対応する第1特別図柄192の変動表示開始まで保留する。すなわち、第1特別図柄192の図柄変動許可が下りていない状況で取得した乱数を一時記憶するか否かを判定し、この判定結果に基づきその乱数をその図柄変動許可が下りるまで一次記憶手段に保留する。本実施例では4個を上限として第1当否抽選値を保留する。この保留数は、第1特図保留ランプ20の点灯数または点滅数により表される。
第2保留手段146は、第2始動口63への入球により新たに第2当否抽選値が取得されたときにそれ以前の第2の抽選に対応する第2特別図柄193の変動が表示されている場合、新たな第2当否抽選値をその抽選に対応する第2特別図柄193の変動表示開始まで保留する。すなわち、第2特別図柄193の図柄変動許可が下りていない状況で取得した乱数を一時記憶するか否かを判定し、この判定結果に基づきその乱数をその図柄変動許可が下りるまで一次記憶手段に保留する。本実施例では4個を上限として第2当否抽選値を保留する。この保留数は、第2特図保留ランプ21の点灯数または点滅数により表される。このように、第1の抽選の当否抽選値の保留上限数が4個、第2の抽選の当否抽選値の保留上限数が4個であることから、第1の抽選と第2の抽選とを合わせた当否抽選値の保留上限数は8個ということになる。
普図保留手段147は、作動口68への入球により新たに普図抽選値が取得されたときにそれ以前の作動抽選に対応する普通図柄の変動が表示されている場合、新たな普図抽選値をその作動抽選に対応する普通図柄の変動表示開始まで保留する。すなわち、普通図柄の図柄変動許可が下りていない状況で取得した乱数を一時記憶するか否かを判定し、この判定結果に基づきその乱数をその図柄変動許可が下りるまで一次記憶手段に保留する。本実施例では、4個を上限として普図抽選値を保留する。この保留数は、普図保留ランプ22の点灯数または点滅数により表される。
メイン表示制御手段118は、第1特図制御手段148、第2特図制御手段150、普図制御手段153を含む。第1特図制御手段148は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第1特別図柄192の変動を第1特別図柄表示装置70に表示させる。第1特図制御手段148は、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。第2特図制御手段150は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果として決定された変動パターンにしたがい第2特別図柄193の変動を第2特別図柄表示装置71に表示させる。第2特図制御手段150もまた、それ以前になされた第1の抽選または第2の抽選に対応する図柄の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。
第1特図制御手段148および第2特図制御手段150は、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示を開始するタイミングと停止するタイミングにて、変動開始コマンドと変動停止コマンドを演出表示制御手段134へ送信する。これにより、メイン表示制御手段118および演出表示制御手段134による変動表示が同期し、連動が保たれる。普図制御手段153は、普図抽選手段136による抽選の結果を普通図柄195の変動表示として普通図柄表示装置59に表示させる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方を変動表示させる間は他方の変動表示の開始を待機させる。本実施例において、特図調整手段152は、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193の変動表示を優先的に実行する。すなわち、第2保留手段146に当否抽選値が保留されている間は、第1保留手段144に当否抽選値が保留されていても、第2保留手段146に保留された当否抽選値の消化を優先させる(このような仕様を「優先消化」ともいう)。これにより、第2特別図柄193の変動終了時には既に第2保留手段146により当否抽選値が保留されているという状態を維持するかぎり、第2の抽選を継続的に実行させることが可能になる。その結果、出玉のある大当りを早期に発生させやすくなる。
特図調整手段152は、第1特別図柄192および第2特別図柄193のうち、一方が当り態様で停止されたときはその停止表示を継続し、他方の変動表示の開始を待機させる。この場合、特別遊技を実行する間は特別図柄の変動表示は開始されないので、遊技者は特別遊技に集中することができる。
条件保持手段176は、特別遊技作動条件保持手段178および小当り遊技作動条件保持手段180を含む。特別遊技作動条件保持手段178は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開放を伴う単位遊技を複数回含む特別遊技へ移行するための特別遊技作動条件を保持する。特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選が特別遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の大当り態様で停止されることをその特別遊技作動条件として保持する。すなわち、特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選の結果が15R大当りとなり、特別図柄が15R大当りを示す図柄で停止されることを15R特別遊技の作動条件として保持する。特別遊技作動条件保持手段178は、当否抽選の結果が2R大当りとなり、特別図柄が2R大当りを示す図柄で停止されることを2R特別遊技の作動条件として保持する。
小当り遊技作動条件保持手段180は、小当り遊技へ移行するための条件である小当り作動条件を保持する。小当り遊技作動条件保持手段180は、当否抽選が小当り遊技への移行を示す結果となり、特別図柄が所定の小当り態様で停止されることを小当り作動条件として保持する。すなわち、小当り遊技作動条件保持手段180は、当否抽選の結果が小当りとなり、特別図柄が小当りを示す図柄で停止されることを小当り遊技の作動条件として保持する。
特別遊技制御手段120は、第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否抽選結果が大当りであった場合に、特別遊技の実行処理を制御する。特別遊技は、第1大入賞口91または第2大入賞口92の開閉動作を複数回数連続して継続する遊技であり、複数回の単位遊技で構成される。特別遊技制御手段120は、単位遊技の継続回数が上限回数に達していなければ、現在の単位遊技の終了後に次の単位遊技を開始させる。単位遊技が所定回数を消化した場合に特別遊技を終了させる。
特別遊技制御手段120は、当否抽選の結果が15R大当りとなって特別遊技作動条件が成立したときに長期開放遊技として15R特別遊技を実行する。すなわち、15R特別遊技として単位遊技を15回繰り返し、1回の単位遊技において第1大入賞口91を約30秒間開放させる。15R特別遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)は、長期開放遊技と短期開放遊技とを区別するために予め定めた開放基準時間(本実施例では2秒)以上となっている。特別遊技制御手段120は、また、当否抽選の結果が2R大当りとなって特別遊技作動条件が成立したときに短期開放遊技として2R特別遊技を実行する。すなわち、2R特別遊技として単位遊技を2回繰り返し、1回の単位遊技において第2大入賞口92を約0.5秒間開放させる。2R特別遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間:本実施例では0.5×2=1秒)は上記開放基準時間未満となる。
小当り遊技制御手段121は、当否抽選の結果が小当りとなって小当り作動条件が成立したときに短期開放遊技として小当り遊技を実行する。小当り遊技制御手段121は、小当り遊技として単位遊技を1回だけ実行し、例えば、その単位遊技において第2大入賞口92を0.5秒、0.5秒の2回にわたって開放する。小当り遊技における大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間:本実施例では0.5×2=1秒)は上記開放基準時間未満となる。
特定遊技実行手段122は、確変状態および時短状態(入球容易状態)における通常遊技を制御する。特定遊技実行手段122は、確変状態を次の大当りが発生するまで継続する。特定遊技実行手段122は、時短状態を予め定められた終期に到達するまで継続するが、その終期に到達するまでに当否抽選が大当りとなれば一旦時短状態を終了する。時短状態においては、第1特別図柄192および第2特別図柄193の変動表示時間が概ね短くなるよう、第1パターン決定手段114および第2パターン決定手段119が変動時間の短い変動パターンを選択する。また、入球容易状態においては、普通図柄の時短、普通図柄の確変、第2始動口63の拡開機構(「入球変動機構」として機能する)の開放延長が実施される。
開閉制御手段124は、「作動制御手段」として機能し、第2始動口63の普通電動役物65や第1大入賞口91、第2大入賞口92の開閉を制御する。開閉制御手段124は、普通図柄195が特定の態様で停止されると、普通電動役物ソレノイド76に開放指示を送り、第2始動口63の普通電動役物65を開放させる。開閉制御手段124は、入球容易状態においては普通電動役物65を通常状態に比べて長い時間作動させ、第2始動口63を通常状態に比べて長い時間拡開させる開放延長を実行する。第2始動口63の入球容易性を高め、遊技者が持ち玉の減少を抑制しつつ遊技を継続できるようにするものである。開閉制御手段124は、特別遊技または小当り遊技において大入賞口ソレノイド80または大入賞口ソレノイド81に開放指示を送り、第1大入賞口91または第2大入賞口92を開放させる。
パターン記憶手段130は、メイン演出表示装置160およびサブ演出表示装置162にそれぞれ表示させる演出的な画像内容とその表示過程が定められた複数の演出パターンを保持する。演出パターンには、装飾図柄190の変動表示における変動開始から停止までの変動過程と演出過程が定められた複数の変動演出パターンと、装飾図柄190の変動表示とは別に表示されて大当りへの期待度の高さを変動表示の停止前に予告的に示唆する複数の予告演出パターンとが含まれる。なお、変形例においては、変動演出と予告演出とを予め一体に構成した総合演出パターンとして設けてもよい。パターン記憶手段130は、特別遊技中にメイン演出表示装置160に表示させるべき演出や、小当り遊技中にメイン演出表示装置160に表示させるべき演出のデータをさらに保持する。なお、本実施例では、通常遊技中にのみサブ演出表示装置162への演出表示がなされるが、特別遊技中や小当り遊技中においても演出表示がなされるようにしてもよい。例えば、特別遊技中においては、サブ表示領域にて現在のラウンド数や獲得賞球数、連荘数や大当り履歴の表示、さらには保留内連荘の告知を行ってもよい。獲得賞球数については、当該特別遊技中の獲得賞球数であってもよいし、当該特別遊技を含むそれまでの遊技において獲得された賞球数の総数であってもよい。
演出決定手段132は、第1抽選手段126から受け取る第1の抽選の結果または第2抽選手段128から受け取る第2の抽選の結果に応じて、演出表示制御手段134によってメイン演出表示装置およびサブ演出表示装置162へ表示させる演出内容を決定する。演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119により決定された特別図柄(第1特別図柄192,第2特別図柄193)の変動パターンに対応する複数の変動演出パターンデータの中からいずれかを選択してパターン記憶手段130から読み出す。演出決定手段132は、読み出した変動演出パターンの情報を演出表示制御手段134へ送る。演出決定手段132は、変動演出パターンを選択するために参照すべきパターンテーブルを保持する。
各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、変動時間が等しい演出画像の変動演出パターンを選択する。
演出決定手段132は、装飾図柄190の停止図柄の組合せとその配置を、第1抽選手段126または第2抽選手段128による抽選の結果、特別図柄の停止図柄、特別図柄の変動パターン、装飾図柄の変動演出パターンに応じて決定する。演出決定手段132は、決定した停止図柄の組合せを示す情報を演出表示制御手段134へ送信する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄を決定するために参照すべき図柄範囲テーブルを保持する。演出決定手段132は、また、特別遊技の実行に先立って、その特別遊技中に表示される開始デモおよび終了デモを含む大当り演出の内容を決定する。演出決定手段132は、さらに、小当り遊技の実行に先立って、その小当り遊技中に表示される開始デモおよび終了デモを含む小当り演出の内容を決定する。
装飾図柄190の停止図柄は、3つの図柄の組合せとして形成され、例えば第1抽選手段126または第2抽選手段128による当否判定結果が15R特別遊技への移行を示す場合には特定の組合せ、例えば「777」や「111」のように3つの図柄が揃った組合せが選択される。当否判定結果が2R大当りの場合や小当りの場合もまた特定の組合せ、例えば「357」のような所定の組合せが選択される。すなわち、2R大当りや小当りの特定の組合せは必ずしも3つの図柄が揃った組合せでなくてもよい。当否判定結果が大当りでも小当りでもない場合は、「312」や「946」のように3つの図柄が揃っていない組合せであって、2R大当りや小当りのときに選択される特定の組合せに該当しない組合せが選択される。当否判定結果が15R大当りではない場合であって、リーチ付きの外れを示す変動パターンが選択された場合は、「191」や「727」のように一つだけ図柄が揃っていない組合せを選択する。演出決定手段132は、装飾図柄の停止図柄組合せと装飾図柄の変動演出パターンを示す情報を演出表示制御手段134へ送る。
装飾図柄の変動演出パターンには、装飾図柄の変動表示態様、すなわち装飾図柄の変動開始から変動停止までの演出過程が定義される。変動演出パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、あと一つ図柄が揃えば大当りとなるリーチ状態を経て外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当り図柄を表示するときのパターンが含まれる。特に、リーチ状態を経るときのパターンとしては、長短様々な変動時間をもつパターンが含まれる。相対的に変動時間の短いリーチパターンを「ノーマルリーチ」と称し、変動時間の長いリーチパターンを「スーパーリーチ」と称する。各変動演出パターンには、その図柄変動の終了条件としてパターンごとに変動時間が定められており、その変動時間の経過時に図柄変動が停止される。演出決定手段132は、特別図柄の変動パターンに応じて、特別図柄と変動時間が等しい装飾図柄の変動演出パターンを選択する。
予告演出パターンは、特定のキャラクタやモチーフの画像、アニメーション、映像などを一時的に画面表示させる演出パターンや、特定の音声を出力する演出パターンである。予告演出パターンによる演出は、図柄変動と並行して実行され、その図柄変動が大当り態様にて停止する期待度が高いことを予告的に示唆する。例えば、特定のキャラクタのコメントを表示させるコメント予告演出、キャラクタの画像を一つだけ画面に表示させるだけのキャラクタ予告演出、多数のキャラクタの群れを画面の一端から他端へ通過させるように表示させる群予告演出、演出の表示過程を複数段階に分け、表示させる段階数を可変にして段階数が多いほど大当りへの期待度が高いことを示唆するステップアップ予告演出がある。なお、本実施例では、このような予告演出を含むバトル演出が設けられる。その詳細については後述する。
予告演出パターンには、装飾図柄の表示態様がリーチ状態となった後のタイミングで演出が実行されて図柄の最終的な停止態様を予告するパターンと、装飾図柄が一つも停止していないタイミングで演出が実行されてリーチ状態となることを同時に予告するパターンとがある。
演出決定手段132は、当否抽選の結果に応じてメイン演出表示装置160およびサブ演出表示装置162に表示させるべき予告演出等の演出パターンを決定する。演出決定手段132は、演出パターンの種類を選択するときに参照すべき演出パターンテーブルを保持する。この演出パターンテーブルの詳細については後述する。
演出表示制御手段134は、第1演出制御手段168および第2演出制御手段170を含む。第1演出制御手段168は、第1抽選手段126による第1の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190としてメイン演出表示装置160の表示領域194に変動表示させる。第2演出制御手段170は、第2抽選手段128による第2の抽選の結果を、選択された変動パターンデータにしたがって装飾図柄190としてメイン演出表示装置160の表示領域194に変動表示させる。第1演出制御手段168および第2演出制御手段170は、それ以前の第1の抽選または第2の抽選に対応する装飾図柄190の変動表示が終了していることを新たな図柄変動の開始条件とする。演出表示制御手段134は、遊技効果ランプ90の点灯および消灯や、スピーカ18からの音声出力などの演出処理をさらに制御する。
次に、本実施例の特徴的構成および動作について説明する。
本実施例では上述のように、通常遊技中に切り替えられる複数の演出モードを設け、所定条件のもと、遊技者自らが演出モードを選択できるようにしている。そして、選択モードの演出を主演出としてメイン表示領域に大きく表示し、非選択モードの演出を副演出としてサブ表示領域に小さく表示させる。これにより、遊技者が非選択モードの演出全体を詳細に認識することは困難であるが、その演出の種類や概要を認知することはできる。このため、遊技者は、非選択モードの演出のほうが選択モードの演出よりも興味深いと判断した場合、演出モードの切り替えによりその演出を主演出として詳細に見ることができる。このように、仮に選択されていれば主演出としてみることができたであろう演出を副演出として同時並行的に垣間見せることで、遊技者の選択操作による積極的な介入を促すことができる。
図11は、演出全体の概略構成を示す図である。本実施例においては、通常遊技中の演出モードとして通常モードとスペシャルモードが設定されている。遊技開始時の初期設定は通常モードとされ、所定条件のもとスペシャルモードとの切り替えが可能とされている。本実施例では、通常モードおよびスペシャルモードともにメインキャラクタが敵キャラクタと戦うバトル演出が表示される。このバトル演出は、メインキャラクタの勝利により15R大当りの確定を示唆する演出である。
通常モードでは背景として密林が設定され、そこに生息する敵キャラクタと対戦する演出が表示される。なお、このバトル演出中に敵キャラクタによるコメント予告,キャラクタ予告,群予告等がなされることがあり、その予告種類に応じて当り期待度が異なるように設定されている。図示のように、敵キャラクタとしてキャラクタA〜Cが設定され、その強さはA>B>Cとなっている。このため、最強のキャラクタAが登場するとメインキャラクタが敗北する可能性が高く、当り期待度は相対的に小さくなる。逆に、最弱のキャラクタCが登場するとメインキャラクタが勝利する可能性が高く、当り期待度は相対的に大きくなる。通常モードが設定された状態において、いずれの入賞口にも入球しない状態が所定時間継続するとモード切替可能状態となり、メイン演出表示装置160に後述するモード切替画面が表示される。これに応じて遊技者が操作ボタン82を操作することにより、通常モードからスペシャルモードへ切り替えることが可能となる。
スペシャルモードは、ステップアップ予告のみが表示される特殊な演出モードであり、背景として荒野が設定され、そこに生息する敵キャラクタと対戦する演出が表示される。本実施例では敵キャラクタD〜Fがそれぞれ登場する3種類のステップアップ予告が設けられ、各ステップアップ予告について4段階のステップが設定されている。いずれもステップが進むほどメインキャラクタが勝利する可能性が高くなり、当り期待度は相対的に大きくなる。このスペシャルモードが設定された状態において、いずれの入賞口にも入球しない状態が所定時間継続すると同様にモード切替可能状態となり、モード切替画面が表示される。これに応じて遊技者が操作ボタン82を操作することにより、通常モードからスペシャルモードへ切り替えることが可能となる。
図12は、演出表示装置に表示される画面例を表す図である。図12(a)〜(d)はその演出過程の一部を例示している。図12(a)に示すように、メイン演出表示装置160の表示領域194は大きく、サブ演出表示装置162の表示領域196は小さい。メイン演出表示装置160の表示領域194には、その略中央の領域に装飾図柄190が変動表示される他、その装飾図柄190の変動表示に重ねられるように、各種演出の画像が表示される。また、装飾図柄190の変動表示に干渉しない下方には特定表示領域202,204が設定され、第1の遊技の保留表示演出、第2の遊技の保留表示演出がそれぞれ表示される。
すなわち、表示領域194の左下の特定表示領域202には、第1保留手段144により保持される当否抽選値(第1当否抽選値)の保留状態がランプをモチーフとした保留対応画像206の態様により表示される。図示の例では、その保留数の上限値と同数(本実施例では4つ)のランプ画像のうち、現在の保留数に相当する2つのランプが点灯表示されている。特定表示領域202における4つのランプ画像は、第1保留手段144による第1当否抽選値の保留が追加されるごとに、左方から順次追加点灯され、保留が消化されるごとに右方から消灯される。演出上は、保留対応画像206が左端側から順次消化されてその点灯状態が左方へシフトするように表示される。
表示領域194の右下の特定表示領域204には、第2保留手段146により保持される当否抽選値(第2当否抽選値)の保留状態がランプをモチーフとした保留対応画像206の態様により表示される。図示の例では、その保留数の上限値と同数(本実施例では4つ)のランプ画像のうち、現在の保留数に相当する2つのランプが点灯表示されている。特定表示領域204における4つのランプ画像は、第2保留手段146による第2当否抽選値の保留が追加されるごとに、左方から順次追加点灯され、保留が消化されるごとに右方から消灯される。演出上は、保留対応画像206が左端側から順次消化されてその点灯状態が左方へシフトするように表示される。
図12(b)に示すように、メイン演出表示装置160の表示領域194には主演出が表示され、サブ演出表示装置162の表示領域196には副演出が表示される。上述のように、主演出は現在の演出モードに対応した選択モードの演出であり、副演出は現在の演出モードに対応しない非選択モードの演出である。主演出は、メイン演出表示装置160の大きな画面にその全体が大きく表示され、副演出はサブ演出表示装置162の小さな画面にその一部が小さく表示される。このため、遊技者は、主演出についてはその詳細まで十分に認識可能であるが、副演出については演出の種類や概要までは認知できるものの、詳細を認識するのは困難となる。同図には通常モードにおける演出例が示され、主演出としてキャラクタCが登場するバトル演出が表示され、副演出としてキャラクタFが登場するステップアップ予告が表示されている。図示の状態では副演出に関し、ステップアップ予告であることは認識できても、ステップ数を正確に把握することは難しい。
このような状態においてモード切替可能状態になると、図12(c)に示すように、メイン演出表示装置160にモード切替画面が表示される。このモード切替画面では操作ボタン82の操作が促される。これに応じて遊技者が操作ボタン82を押下すると、図12(d)に示すようにスペシャルモードに切り替えられ、メイン演出表示装置160に表示されていた演出と、サブ演出表示装置162に表示されていた演出とが切り替えられる。これにより、通常モードにおいて副演出として一部しか表示されていなかった演出の全体が主演出として大きく表示される。逆に、通常モードにおいて主演出として全体が表示されていた演出の一部が副演出として小さく表示されるようになる。それにより、遊技者は、スペシャルモードにおけるステップ数を容易に認識することができる。図示の例では、キャラクタFの群予告であることから、所定ステップ数(例えばステップ4)であったと認識することができる。
このような構成により、現在選択されていない非選択モードの演出についてもその概要を把握することができ、適宜モード切替を行うことによりその詳細を把握することも可能となる。このため、例えば現在の演出モードの演出進行過程において垣間見た副演出が興味深い演出であったり、より期待度の高い演出である可能性があると認知できた場合には、遊技者が積極的にモード切替を行うようにもなる。その結果、遊技者介入性をより高めることができ、遊技機の稼働率向上を図れるようになる。
図13は、通常遊技中に参照される演出パターンテーブルを模式的に示す図である。演出決定手段132は、通常遊技中に演出を選択する際に図示の演出パターンテーブルを参照する。演出パターンは、特別図柄の変動パターンに応じて決定される。図中の変動パターン範囲は、図9に示した変動パターン範囲の値である。
本実施例では上述のように、当否抽選ごとに各演出モードの演出をそれぞれ事前決定しておく。そして、決定された演出のうち、遊技者によって選択された選択モードに係る演出を主演出としてメイン演出表示装置160に表示させる一方、遊技者に選択されなかった非選択モードの演出についても副演出としてサブ演出表示装置162に表示させる。すなわち、後の演出モードの設定状態を問わず、当否抽選値の保留ごとに各演出モードが選択された場合の演出を決定しておく。そして、図柄変動開始又は演出モードの切り替えごとに、事前決定された演出のうち選択モードに係る演出を主演出として決定し、非選択モードに係る演出を副演出として決定する。
演出決定手段132は、第1パターン決定手段114または第2パターン決定手段119から先読みによる抽選値情報(特別図柄の変動パターンを示す情報)として変動パターン範囲の値を受信すると、その値に応じて演出パターンを事前決定するための抽選を実行する。演出決定手段132は、この演出パターンの事前決定に先立ち、演出抽選値0〜255のいずれかを取得する。
外れのスーパー1に該当する変動パターン範囲「1」が受信された場合、通常モードの演出として演出A1〜C1のいずれかが選択される。演出A1〜C1はいずれもバトル演出であり、演出A1では敵キャラクタAが登場し、演出B1では敵キャラクタBが登場し、演出C1では敵キャラクタCが登場する。一方、スペシャルモードの演出として演出D又は演出Fのいずれか、さらにその演出にて到達するステップ数が選択される。なお、図示の添え字「STEP1〜STEP4」は、それぞれステップ1〜4に到達する演出であることを意味する。
外れのスーパー2に該当する変動パターン範囲「2」が受信された場合、通常モードの演出として演出A2〜C2のいずれかが選択される。演出A2〜C2はいずれもバトル演出であり、それぞれ敵キャラクタA〜Cが登場するが、上記演出A1〜C1とはストーリーの展開が異なるものとされている。一方、スペシャルモードの演出として演出E又は演出Fのいずれか、さらにその演出にて到達するステップ数が選択される。
外れのノーマル1,2又はリーチなしに該当する変動パターン範囲「3」が受信された場合、通常モードの演出として演出A3〜C3のいずれかが選択される。演出A3〜C3はいずれもバトル演出であり、それぞれ敵キャラクタA〜Cが登場するが、上記演出A1〜C1,A2〜C2とはストーリーの展開が異なるものとされている。一方、スペシャルモードの演出として演出D〜演出Fのいずれかでステップ数が1のものが選択される。
ただし、以上の外れの演出パターンにおいては、バトル演出の結末においてメインキャラクタが勝利しない内容となる。また、通常モードの演出については、当り期待度の低い敵キャラクタAが出現し易く、当り期待度の高い敵キャラクタCが出現し難くなるよう演出抽選値が割り当てられている。スペシャルモードの演出については、ステップ数が最終ステップであるステップ4に到達し難くなるよう演出抽選値が割り当てられている。それにより、当否抽選の結果と演出の信頼度との整合性が保たれている。
一方、15R大当りのスーパー1に該当する変動パターン範囲「4」が受信された場合、通常モードの演出として演出A1〜C1のいずれかが選択され、スペシャルモードの演出として演出D又は演出Fのいずれかとそのステップ数が選択される。15R大当りのスーパー2に該当する変動パターン範囲「5」が受信された場合、通常モードの演出として演出A2〜C2のいずれかが選択され、スペシャルモードの演出として演出E又は演出Fのいずれかとそのステップ数が選択される。15R大当りのノーマル1に該当する変動パターン範囲「6」が受信された場合、および15R大当りのノーマル2に該当する変動パターン範囲「7」が受信された場合には、通常モードの演出として演出A3〜C3のいずれかが選択され、スペシャルモードの演出として演出D〜演出Fのいずれかでステップ数が1のものが選択される。
以上の15R大当りの演出パターンにおいては、バトル演出の結末においてメインキャラクタが勝利する内容となる。また、通常モードの演出については、当り期待度の高い敵キャラクタCが出現し易く、当り期待度の低い敵キャラクタAが出現し難くなるよう演出抽選値が割り当てられている。スペシャルモードの演出については、スーパーリーチに対してはステップ数が最終ステップであるステップ4に到達し易くなるよう演出抽選値が割り当てられている。それにより、当否抽選の結果と演出の信頼度との整合性が保たれている。なお、ノーマルリーチに対してはステップ1が割り当てられるが、これはステップ2以上とした場合、そのステップ2が表示された段階で15R大当りが先ばれしてしまうため、そのような事態を回避するものである。
2R大当り又は小当りのスーパー3に該当する変動パターン範囲「8」が受信された場合、通常モードの演出として特殊演出1が選択され、スペシャルモードの演出として特殊演出3が選択される。また、2R大当り又は小当りのノーマル3に該当する変動パターン範囲「9」が受信された場合、通常モードの演出として特殊演出2が選択され、スペシャルモードの演出として特殊演出4が選択される。特殊演出1は3つの敵キャラクタA〜Cが同時に出現する演出であり、特殊演出2は3つの敵キャラクタA〜Cが順次出現する演出である。特殊演出3は2つの敵キャラクタD,Fが同時に出現する演出であり、特殊演出4は2つの敵キャラクタE,Fが同時に出現する演出である。この特殊演出が表示されると、遊技者は2R大当り又は小当りが発生したと認識し、そのいずれであるかにつき、期待感が煽られるようになる。
図14は、ぱちんこ遊技機における基本的な動作過程を示すフローチャートである。まず、遊技球が第1始動口62、第2始動口63、一般入賞口72、作動口68、第1大入賞口91、第2大入賞口92などへ入球した場合の処理を実行する(S10)。そして、通常遊技中であれば(S12のY)、演出モード切替処理を実行し(S13)、当否抽選などの通常遊技の制御処理を実行する(S14)。通常遊技中でなければ(S12のN)、特別遊技の制御処理(S16)や、小当り遊技の制御処理を実行する(S17)。そして、S10からS17までの処理における各種入賞に応じた賞球払出を処理する(S18)。なお、S16の特別遊技とS17の小当り遊技は同時に実行されることはなく、一方が実行されるときは他方は作動回避される。
図15は、図14におけるS10の入球処理を詳細に示すフローチャートである。入球判定手段110は、始動口(第1始動口62または第2始動口63)への入球が検出されると(S200のY)、その始動口に対応する規定賞球数をセットする(S202)。そして、当否抽選値を取得し(S204)、保留制御手段116による当否抽選値の保留数が4未満であるか否かを参照してさらなる保留が可能な状態であれば(S206のY)、その当否抽選値について先読みによる事前判定処理を実行し(S208)、その当否抽選値を保留制御手段116に保留する(S210)。S206において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合は(S206のN)、S208およびS210の処理をスキップする。S200において入球検出がない場合には(S200のN)、S202からS210の処理をスキップする。
作動口68に入球があった場合(S212のY)、普図抽選値を取得し(S214)、保留制御手段116による普図抽選値の保留数が4未満であるか参照してさらに保留可能な状態であれば(S216のY)、その普図抽選値を保留制御手段116に保留する(S220)。S212において作動口68への入球がない場合は(S212のN)、S214からS220までの処理をスキップする。S216において保留数が上限に達していてさらなる保留が不可能な場合には(S216のN)、S220の処理をスキップする。
一般入賞口72に入球があった場合(S222のY)、一般入賞口72に対応する規定賞球数をセットする(S224)。一般入賞口72への入球がないときは(S222のN)、S224の処理をスキップする。
大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)に入球があった場合(S226のY)、大入賞口に対応する規定賞球数をセットする(S228)。大入賞口への入球がないときは(S226のN)、S228の処理をスキップする。
図16は、図15におけるS208の事前判定処理を詳細に示すフローチャートである。まず、事前当否判定テーブルを参照して事前当否判定を実行し(S230)、その判定結果として当否範囲を示す値を設定し(S232)、事前図柄判定テーブルを参照して事前図柄判定を実行し(S234)、その判定結果として図柄範囲を示す値を設定し(S236)、事前パターン判定テーブルを参照して事前パターン判定を実行し(S238)、その判定結果として変動パターン範囲を示す値を設定する(S240)。以上のように設定された事前判定結果の値が、第1の抽選と第2の抽選のいずれであるかを示す値、保留の個数、保留順序等の情報とともに送信バッファに一時保存され、サブ基板104の演出決定手段132へ送信される(S242)。
図17は、図14におけるS13の演出モード切替処理を詳細に示すフローチャートである。演出決定手段132は、遊技状態が待機状態へ移行されていなければ(S300のN)、各入賞口等いずれの入球口の入球も検出されない状態が所定時間以上継続した場合には(S302のY)、待機状態へ移行させ(S304)、演出表示制御手段134にモード切替画面の表示を開始させる(S306)。この場合のモード切替画面は、図12(c)に示したように操作ボタン82の操作を促す画面であるが、図示のものとは背景が異なるデモ画面となる。すなわち、入球未検出状態が所定時間(本実施例では5分)を経過すると、遊技が中断されたとみなして待機デモが表示され、その待機デモ中にモード切替画面を表示させるようにする。入球未検出状態が所定時間継続していなければ(S302のN)、S304およびS306の処理をスキップする。
既に待機状態へ移行されている場合(S300のY)、モード切替画面にしたがった遊技者の操作入力があれば(S308のY)、その操作によるモード設定を記憶し(S310)、演出モードを切り替える(S312)。すなわち、選択モードにしたがって通常モード又はスペシャルモードを設定する。一方、遊技者の操作入力がなされない状態で(S308のN)、いずれかの入球口への入球が検出された場合には(S314のY)、モード切替画面の表示を終了する(S316)。すなわち、選択操作入力がないまま遊技球が打ち出された場合には、遊技者が演出モードの切り替えを希望しないとみなし、本処理を終了する。入球が検出されない場合には(S314のN)、S316の処理をスキップする。
図18は、図14におけるS14の通常遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。この通常遊技制御処理は、サブ基板104における先読み処理が実行され(S250)、メイン基板102における特別図柄変動処理の実行(S252)、サブ基板104における装飾図柄変動処理の実行(S254)が、繰り返し処理される。
図19は、図18におけるS250の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。本実施例では、いわゆる先読みによって得られる事前判定情報(抽選値情報)に基づき、保留表示を更新するとともに、その抽選値の消化とともに表示されるべき演出を各演出モードについて事前決定する。すなわち、サブ基板104がメイン基板102から事前判定情報を受信した場合(S260のY)、演出決定手段132は、保留数の情報に基づいて保留表示演出の内容を決定し、演出表示制御手段134が保留表示の更新を実行する。すなわち、図12(a)等に示した保留対応画像206としてのランプ画像の点灯を増加させる表示処理を実行する(S262)。
続いて、演出決定手段132は、事前判定情報に基づいて抽選値の消化とともに表示されるべき演出を事前決定する。すなわち、受信した変動パターン範囲を示す値に基づいて図13に示した演出パターンテーブルを参照し、通常モードに対応する演出パターンを決定するとともに(S264)、スペシャルモードに対応する演出パターンを決定する(S266)。事前判定情報が未受信であれば(S260のN)、S262からS266の処理をスキップする。
図20は、図18におけるS252の特別図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。まだ図柄変動表示が開始されていない場合(S20のN)、第2特別図柄193の変動表示タイミングであれば(S22のY)、第2抽選手段128が第2保留手段146から第2当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S24)、第2特別図柄193の停止図柄を決定し(S26)、第2特別図柄193の変動パターンを決定する(S28)。そして、第2特別図柄193の図柄変動が開始される(S38)。一方、第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく(S22のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングであれば(S30のY)、第1抽選手段126が第1保留手段144から第1当否抽選値を読み出して当否判定を実行し(S32)、第1特別図柄192の停止図柄を決定し(S34)、第1特別図柄192の変動パターンを決定する(S36)。そして、第1特別図柄192の図柄変動が開始される(S38)。
なお、第1特別図柄192の変動表示タイミングであるか、第2特別図柄193の変動表示タイミングであるかは、第2保留手段146に第2当否抽選値が保留されているか否かに加え、図柄変動中であるか否か応じて決定される。本実施例では上述のように、第2保留手段146が保留する第2当否抽選値を第1保留手段144が保留する第1当否抽選値よりも優先的に消化し、第1特別図柄192よりも第2特別図柄193の変動表示を優先的に実行する。したがって、第2保留手段146が第2当否抽選値を保留していれば、次の変動表示タイミングには第2特別図柄193の変動表示が開始されることになる。第2保留手段146が第2当否抽選値を保留しておらず、第1保留手段144のみが第1当否抽選値を保留している場合、次の変動表示タイミングには第1特別図柄192の変動表示が開始されることになる。
第2特別図柄193の変動表示タイミングでなく(S22のN)、第1特別図柄192の変動表示タイミングでもなければ(S30のN)、本図のフローを終了する。一方、既に図柄変動表示が開始されている場合は(S20のY)、図柄変動表示処理を実行し(S40)、図柄変動の停止タイミングに達していれば(S42のY)、図柄変動の停止処理を実行する(S44)。図柄変動の停止タイミングに達していないときは(S42のN)、S44をスキップする。
図21は、図20におけるS44の図柄変動停止処理を詳細に示すフローチャートである。まず図柄変動を停止する処理を実行し(S50)、当否抽選の結果が大当りであった場合(S52のY)、時短(入球容易状態)を伴う図柄であれば(S54のY)、時短の設定をオンする(S56)。時短を伴う図柄でなければ(S54のN)、S56の処理をスキップする。さらに確変を伴う図柄であれば(S58のY)、確変の設定をオンし(S60)、確変を伴う図柄でなければ(S58のN)、確変の設定をオフする(S62)。そして、特別遊技へ移行する(S64)。15R大当りである場合は15R特別遊技へ移行し、2R大当りである場合には2R特別遊技へ移行する。なお、ここで設定された確変のオンおよび時短のオンは、特別遊技の終了後に有効となる。ただし、本実施例においては大当りが全て時短を伴うため、S54,S56において時短の設定は必ずオンにされることになる。
一方、大当りでなかった場合には(S52のN)、時短中であれば(S66のY)、その時短の終期となっていれば(S68のY)、時短の設定をオフにする(S70)。既に述べたように、時短の終期は、確変の終期と同じかまたは終期回数(100回)に到達したことである。時短の終期となっていなければ(S68のN)、S70の処理をスキップする。時短中でなければ(S66のN)、S68およびS70の処理をスキップする。そして、小当りであった場合には(S72のY)、小当り遊技へ移行する(S74)。小当りでなかった場合、つまり外れであった場合には(S72のN)、S74の処理をスキップする。
図22は、図18におけるS254の装飾図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。サブ基板104の演出決定手段132がメイン基板102から変動開始コマンドを受信した場合(S280のY)、受信した当否判定結果および特別図柄の停止図柄に応じて装飾図柄の停止態様を決定する(S282)。また、受信した当否判定結果および変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する(S284)。一方、現在の演出モードに応じて、主演出の演出パターンを決定するとともに(S286)、副演出の演出パターンを決定する(S288)。すなわち、図19のS264およびS266にて事前決定された演出パターンのうち、現在の演出モードに対応するものを主演出の演出パターンとして決定し、現在の演出モードに対応しないものを副演出の演出パターンとして決定する。そして、演出表示制御手段134は、装飾図柄190による図柄変動演出、予告演出などの表示制御を開始する(S290)。変動開始コマンドを受信していない場合には(S280のN)、S282からS290の処理をスキップする。
続いて、演出表示中における演出モード切替処理を実行する(S291)。この演出モード切替処理は、図17のS13の処理とほぼ同様であるが、待機状態への移行がない点が異なる。すなわち、この演出モード切替処理においては、図17のS300においてモード切替画面が表示中であるか否かが判定される。このとき、モード切替画面が表示されていなければ(S300のN)、入球も検出されない状態が所定時間(本実施例では30秒)以上継続した場合に(S302のY)、図12(c)に示したようなモード切替画面の表示を開始する(S306)。モード切替画面が表示中であれば(S300のY)、S308へ移行する。なお、その他の処理は図17のS13の処理と同様であるため、説明を省略する。このように、本実施例では演出表示過程においても演出モードの切り替えが可能とされている。
既に装飾図柄の変動表示が開始済みであれば(S292のY)、その演出表示処理を実行し(S294)、メイン基板102から変動停止コマンドを受信したときは(S296のY)、S282で決定された停止態様にて装飾図柄を停止表示させることで図柄変動表示を停止する(S298)。変動停止コマンドをメイン基板102から受信していないときは(S296のN)、S298の処理をスキップする。変動表示が開始済みでないときは(S292のN)、S294からS298の処理をスキップする。
図23は、図14におけるS16の特別遊技制御処理の全体的な過程を示すフローチャートである。当否抽選の結果が大当りであった場合(S90のY)、すでに特別遊技が開始済みであって(S92のY)、大入賞口(第1大入賞口91又は第2大入賞口92)が開放済でなければ(S98のN)、大入賞口の開放処理を実行する(S100)。大入賞口が開放済みであれば(S98のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S102)。その結果、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S104のY)、S106へ移行する。閉鎖状態でなければ(S104のN)、S106以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S92において特別遊技が開始済みでない場合は(S92のN)、特別遊技を開始して(S94)、その開始デモ演出の表示を開始し(S96)、本処理を一旦終了する。
S106においては、特別遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。なお、ここでいう「デモ演出」は、開始デモ演出および終了デモ演出を含む。デモ演出中でなければ(S106のN)、後述する終了フラグを参照して特別遊技終了条件が満たされるか否かを判定し、特別遊技終了条件が満たされていれば(S110のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S112)、終了デモ演出の表示を開始する(S114)。特別遊技終了条件が満たされていなければ(S110のN)、本処理を一旦終了する。S106にてデモ演出中であると判定され(S106のY)、終了デモ演出が終了した場合(S116のY)、特別遊技を終了し(S118)、特定遊技、すなわち確変、時短、および入球容易状態を開始する(S120)。終了デモ演出が終了していない場合は(S116のN)、S118およびS120の処理をスキップする。大当りでない場合は(S90のN)、本図のS92以降のフローをスキップする。
図24は、図23におけるS100の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S122のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S124)、大入賞口を開放させる(S126)。また、現在の単位遊技の繰り返し回数に対応した大当り演出、または繰り返し回数が異なる回数になることに対応した大当り演出を設定して開始する。開放タイミングでないときは(S122のN)、S124およびS126の処理をスキップする。
図25は、図23におけるS102の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の閉鎖タイミングとなったとき、開閉制御手段124は大入賞口を閉鎖させる。すなわち、特別遊技中において、入球数による終了条件が満たされるか(S130のY)、入球数による終了条件が満たされなくとも(S130のN)、開放時間による終了条件が満たされれば(S132のY)、大入賞口を閉鎖する(S134)。開放時間による終了条件も満たされなければ(S132のN)、S134以降のフローをスキップする。
なお、この特別遊技における入球数による終了条件は大入賞口への10球以上の入球であり、開放時間による終了条件は、大入賞口の開放開始から開閉パターンに沿った設定時間の経過である。15R特別遊技であれば大入賞口の開放開始から30秒の経過であり、2R特別遊技であれば大入賞口の開放開始から0.5秒の経過である。このとき、単位遊技の繰り返し数が継続上限回数に達していれば(S136のY)、終了フラグをオンにする(S138)。継続上限回数に達していなければ(S136のN)、S138の処理をスキップする。この継続上限回数は15R特別遊技であれば15回であり、2R特別遊技であれば2回である。入球数による終了条件および開放時間による終了条件のいずれも満たされていなければ(S130のN,S132のN)、S134以降の処理をスキップする。
図26は、図14におけるS17の小当り遊技制御処理を詳細に示すフローチャートである。当否抽選の結果が小当りであった場合(S150のY)、既に小当り遊技が開始済みであって(S152のY)、大入賞口(第1大入賞口91または第2大入賞口92)が開放済でなければ(S158のN)、大入賞口の開放処理を実行し(S160)、開放済みであれば(S158のY)、大入賞口の閉鎖処理を実行する(S162)。そして、大入賞口が閉鎖状態になっていれば(S164のY)、S166へ移行する。閉鎖状態でなければ(S164のN)、S166以降の処理をスキップして本処理を一旦終了する。一方、S152において小当り遊技が開始済みでない場合は(S152のN)、小当り遊技を開始し(S154)、開始デモ演出の表示を開始する(S156)。
S166においては、小当り遊技中の演出であるデモ演出中であるか否かを判定する。デモ演出中でなければ(S166のN)、小当り遊技終了条件が満たされたか否かを判定する。ここでは、後述する終了フラグがオンになっていれば、小当り遊技終了条件が満たされることになる。小当り遊技終了条件が満たされていれば(S170のY)、その終了フラグをオフにしたうえで(S172)、終了デモ演出の表示を開始する(S174)。小当り遊技終了条件が満たされていなければ(S170のN)、本処理を一旦終了する。
S166にてデモ演出中であると判定され(S166のY)、終了デモ演出が終了した場合(S176のY)、小当り遊技を終了する(S178)。このとき、小当り終了フラグをオンにしておく(S179)。終了デモ演出が終了していない場合には(S176のN)、S178以降の処理をスキップする。小当りでない場合は(S150のN)、S152以降のフローをスキップする。
図27は、図26におけるS160の開放処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の開放タイミングとなったとき(S180のY)、開閉制御手段124は、開閉パターンの動作を設定し(S182)、大入賞口の開放を開始する(S184)。開放タイミングでないときは(S180のN)、S182およびS184の処理をスキップする。
図28は、図26におけるS162の閉鎖処理を詳細に示すフローチャートである。設定された開閉パターンに基づく大入賞口の終了タイミングとなったとき(S190のY)、終了フラグをオンにし(S192)、大入賞口を閉鎖する(S194)。なお、この閉鎖タイミングは、例えば、大入賞口の開放開始から0.5秒の経過したタイミングである。閉鎖タイミングでなければ(S190のN)、S192およびS194の処理をスキップする。
(第2実施例)
[遊技者が配置を任意選択可能なサブ表示領域]
本実施例においては、遊技状態に応じてサブ表示領域の配置が変化する。ここで、「遊技状態に応じて」とは、例えば遊技者から所定の操作入力があったことに応じるものでもよい。あるいは、配置変更の有無や配置変更先を決定するための抽選を実行し、その抽選結果に応じるものでもよい。あるいは、確変や時短への移行又は終了を契機とするものでもよい。あるいは、図柄変動回数が所定の変動回数に到達したことを契機とするものでもよい。本実施例では特に、遊技者の操作入力に応じてサブ表示領域の配置が変化する。一方、サブ表示領域の配置に応じてそのサブ表示領域に表示される演出の選択対象が異なるよう演出選択基準が設定されている。なお、「演出選択基準」については、パラメータ同士の対応関係が定められたテーブル構造を用いて実現してもよいし、一方のパラメータから他方のパラメータを導出するプログラム構造を用いて実現してもよい。すなわち、配置情報に基づいてテーブルを参照することにより、あるいは配置情報に基づいて演算処理を実行することにより演出を決定してもよい。
本実施例によれば、サブ表示領域の配置、つまりサブ表示領域のメイン表示領域に対する相対的な位置関係に応じて演出が変化するといった斬新な遊技性が実現される。このため、遊技者がそのサブ表示領域の配置と演出との対応関係を予め認知することで、遊技者自らの意向に応じた演出を表示させることも容易となる。
具体的には、演出表示装置の表示画面の一部にサブ表示領域が設定される一方、その表示画面の残余の部分にてメイン表示領域が構成されてもよい。そして、その表示画面にサブ表示領域の配置変化の過程を表示させてもよい。このような構成によれば、遊技者が望む配置が実現されるか否かにつき、その期待感を煽る演出を構成することもできる。なお、サブ表示領域が演出表示装置とは別体のサブ表示装置に設けられてもよいことは上述のとおりである。その場合、サブ表示装置を演出表示装置に対して相対変位させるための駆動装置を設けるとよい。
より具体的には、所定の遊技状態の出現を予告的に示唆する複数種類の予告演出を、サブ表示領域に表示させる演出の選択対象として保持してもよい。ここでいう「所定の遊技状態」は、その遊技状態の出現に関わる構造体とサブ表示領域の配置とが関連付けられる形で定義されてもよい。そして、演出選択基準として、複数種類の予告演出とサブ表示領域の複数の配置態様とが対応付けられた基準を保持してもよい。
この態様によれば、サブ表示領域の配置態様が変化することにより、遊技者がその後に表示される予告演出の種類を認知することができ、その所定の遊技状態の出現を推測することが可能となる。その遊技状態が大当りとなる期待度(以下「当り期待度」ともいう)の高いものであれば、遊技者の期待感を高揚させることができる。また、その所定の遊技状態の出現が予見されることから、遊技者がその出現に備えることができる。
以下、本実施例の詳細について、第1実施例との相異点を中心に説明する。
図29は、第2実施例に係る演出表示装置に表示される画面例を表す図である。図29(a)〜(d)はその演出過程の一部を例示している。図29(a)に示すように、本実施例においては、第1実施例におけるメイン演出表示装置160と同様の演出表示装置160が設けられるが、サブ演出表示装置162は設けられていない。一方、演出表示装置160の画面には、メイン表示領域と区別される形で複数のサブ表示領域が設定される。すなわち、メイン表示領域としての表示領域194と区画されるように第1サブ表示領域210と第2サブ表示領域212が設定される。
本実施例では、表示領域194に対する第1サブ表示領域210および第2サブ表示領域212の配置モードとして、図29(a)〜(c)に示される3種類のモードが切替可能とされている。図29(a)に示す第1配置モードは、第1サブ表示領域210と第2サブ表示領域212が表示領域194の上下に設けられるモードであり、第1サブ表示領域210には遊技進行に伴う情報がテロップとして表示される。第2サブ表示領域212には、保留表示に関する遊技説明が表示される。図示の例では、新たな第2当否抽選値の保留されたときに、その抽選値に基づく事前判定結果としてバトルリーチが選択されたことを予告する表示がなされている。このように当り期待度の高い抽選値が保留されたときにこれを報知することで、遊技者の期待感を高めることが可能となる。本実施例ではこのように、当該変動もしくは今後の変動にて表示される演出内容の示唆や、演出内容の説明等を行うことが可能となる。
図29(b)に示す第2配置モードは、第1サブ表示領域210と第2サブ表示領域212が表示領域194の左右に設けられるモードであり、それぞれ装飾図柄190の左右の図柄とオーバラップするように配置される。この第2配置モードが設定されると、装飾図柄190の左右の停止図柄をその停止に先立って予告する図柄透視予告が表示対象とされる。ここでいう「図柄透視予告」は、3列の図柄の変動中に左右の図柄の背後に予告用の図柄を透過表示させるものであり、複数列の少なくともいずれかの列において、変動停止もしくは変動仮停止する装飾図柄がいずれであるのかを示唆する演出である。図示の例では、左右の図柄として「7」が停止態様にて透過表示され、それにより「7」でテンパイするリーチの発生が示唆されている。この図柄透視予告がなされると、その予告のとおりに図柄変動が進行する。
図29(c)に示す第3配置モードは、第1サブ表示領域210と第2サブ表示領域212が表示領域194の左上方と右下方に設けられるモードである。この第1サブ表示領域210の位置はセンター飾り64の左上に近接し(図1参照)、いわゆる左打ちを行っている場合の遊技球の落入位置に近い。一方、第2サブ表示領域212の位置は、センター飾り64の右下に近接し、第2大入賞口92に近い。この第3配置モードが設定されると、サブ表示領域と遊技領域52との位置関係を利用して遊技者の遊技を誘導する誘導演出が表示される。図示の例では、第2サブ表示領域212に「右大入賞口が開くよ!」というコメントが表示され、第1サブ表示領域210に「発射強めて右打ち!!」というコメントが表示されている。すなわち、第2大入賞口92が開放されるため、右打ちを促す演出が表示されている。本実施例ではこのように、適切な遊技方法の説明やチュートリアルなどを行うために使用することも可能となる。
すなわち、第1配置モードによれば保留表示に関する遊技説明演出が表示され、第2配置モードによれば左右の透視図柄による図柄透視予告が表示され、第3配置モードによればサブ表示領域の近接位置にて変化する遊技状態に関して遊技者に注意を喚起する誘導演出が表示される。本実施例では、このような演出のいずれを表示させるかを、遊技者自らの操作により切り替えることができる。すなわち、所定の切替条件が成立すると、図29(d)に示すモード切替画面が表示される。遊技者は、十字キーや操作ボタン82を操作することにより、所望の画面モードを選択することができる。本実施例によれば、遊技者のニーズに合った演出を表示させることができる。
図30は、図18におけるS250の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は、第1実施例における図19の処理に置き換えて実行される。すなわち、本実施例の先読み処理において、演出決定手段132は、保留表示の更新とともに(S262)、抽選値の消化とともに表示されるべき演出を事前判定情報に基づいてサブ表示領域の配置モードごとに事前決定しておく(S263)。なお、配置モードの決定については、図17のS13および図22のS291の処理において、モード切替の対象を演出モードではなく配置モードとすることで実行することができる。
図31は、図18におけるS254の装飾図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は、第1実施例における図22の処理に置き換えて実行される。すなわち、本実施例の装飾図柄変動処理において、演出決定手段132は、受信した当否判定結果および変動パターンに応じて変動演出パターンを決定する一方(S284)、現在の画面の配置モードに応じて演出パターンを決定する(S285)。すなわち、図30のS263にて事前決定された演出パターンのうち、現在の配置モードに対応する演出パターンを決定する。演出表示制御手段134は、決定された演出パターンにしたがって演出表示制御を開始する(S289)。
(第3実施例)
[遊技者が配置を任意選択可能なサブ表示領域]
本実施例においては、いわゆる「先読み」を利用することにより、複数の演出の開始タイミングを異ならせる。すなわち、図柄の変動開始条件が充足されたことを契機に開始される主演出と、抽選値情報の取得を契機として開始される副演出とが設けられる。主演出はメイン表示領域のみに表示されるか又はメイン表示領域にサブ表示領域よりも高い確率にて表示される。一方、副演出はサブ表示領域のみに表示されるか又はサブ表示領域にメイン表示領域よりも高い確率にて表示される。なお、副演出については、抽選値の保留タイミングにて開始してもよい。また、抽選値が保留されたときに図柄変動中であれば、次の図柄変動開始とともに副演出を開始してもよい。あるいは、抽選値の保留タイミングにて副演出を開始させるか否かの抽選を実行し、その抽選に当選したときに副演出を開始してもよい。
この態様によれば、メイン表示領域に表示される主演出と、サブ表示領域に表示される副演出とを異なるタイミングにて開始させることができ、遊技者の興趣を高めることができる。例えばメイン表示領域に表示中の主演出が遊技者の本意に沿わないものとなっているような場合、サブ表示領域に適度なタイミングでこれをフォローするような副演出を表示させることで、遊技者の遊技意欲を持続させることが可能となる。
以下、本実施例の詳細について、第1,第2実施例との相異点を中心に説明する。
図32は、第3実施例に係る演出表示装置に表示される画面例を表す図である。図32(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。図32(a)に示すように、本実施例においてもサブ演出表示装置162は設けられていない。一方、演出表示装置160の画面には、メイン表示領域と区別される形で複数のサブ表示領域が設定される。すなわち、メイン表示領域としての表示領域194と区画されるように第1サブ表示領域310〜第4サブ表示領域316が設定される。第1サブ表示領域310は表示領域194の左上方に設けられ、第2サブ表示領域312は表示領域194の左下方に設けられ、第3サブ表示領域314は表示領域194の右上方に設けられ、第4サブ表示領域316は表示領域194の右下方に設けられている。
表示領域194には、抽選値の消化とともに図柄変動がなされた当該変動に係る演出が主演出として大きく表示される。一方、第1サブ表示領域310〜第4サブ表示領域316には、保留中の抽選値のうち1〜4番目に消化予定の抽選値に対応するサブ予告演出がそれぞれ副演出として小さく表示される。このサブ予告演出は、対応する抽選値の消化とともに表示予定の予告演出の種類や期待度を示唆するものである。ただし、本実施例では第1実施例と同様に優先消化の仕様が採用されるため、新たな保留がなされたときにサブ表示領域における表示が入れ替わる可能性がある。
図32(b)には、第2当否抽選値が2つ、第1当否抽選値が2つ保留された結果、第1サブ表示領域310および第2サブ表示領域312に第2当否抽選値に係るサブ予告演出が表示され、第3サブ表示領域314および第4サブ表示領域316に第1当否抽選値に係るサブ予告演出が表示されている。このサブ予告演出により、遊技者は、次変動では低期待度の敵キャラクタAが出現すること、3番目の変動では中期待度の敵キャラクタBが出現することなどを推測することができる。
図32(c)には、新たに第2当否抽選値が保留された結果、これに対応するサブ予告演出が第3サブ表示領域314に表示された様子が示されている。第2当否抽選値が第1当否抽選値に優先されるため、図32(b)に示した時点で第3サブ表示領域314に表示されていた第1当否抽選値に係るサブ予告演出が第4サブ表示領域316に繰り下げる形で表示されている。図示の例では、新たな保留により高期待度の敵キャラクタCの出願が予告されており、遊技者の期待感は高められるようになる。
図33は、図18におけるS250の先読み処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は、第1実施例における図19の処理に置き換えて実行される。すなわち、本実施例の先読み処理において、演出決定手段132は、保留表示の更新とともに(S262)、事前判定情報に基づいてその抽選値に対応するサブ予告演出を事前決定しておく(S267)。そして、記憶されているサブ予告演出を優先消化に基づいて変動開始順に再設定し、第1サブ表示領域310〜第4サブ表示領域316にそれぞれ表示させる(S269)。
図34は、図18におけるS254の装飾図柄変動処理を詳細に示すフローチャートである。本図の処理は、第1実施例における図22の処理に置き換えて実行される。すなわち、本実施例の装飾図柄変動処理において、演出決定手段132は、受信した当否判定結果および変動パターンに応じて変動演出パターンを決定するとともに(S284)、主演出の演出パターンを決定する(S287)。演出表示制御手段134は、決定された演出パターンにしたがって演出表示制御を開始する(S289)。すなわち、本実施例では主演出と副演出の表示開始タイミングを異ならせている。
以上、本発明を実施例をもとに説明した。この実施例はあくまで例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
(変形例1)
図35は、第3実施例の変形例に係る演出表示装置に表示される画面例を表す図である。図35(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。図35(a)に示すように、本変形例においては、第1サブ表示領域310〜第4サブ表示領域316に表示されるサブ予告演出として、当り期待度を示唆する敵キャラクタの種類のみではなく、図柄の変動パターンを予告する演出が表示される。
すなわち、図35(a)に示す例では、後に開始予定の1,2番目の変動はリーチにならず、3,4番目の変動がリーチとなる旨が予告されている。例えば3番目の変動について、敵キャラクタCにて図柄「7」でのリーチが予告されている。その結果、図35(b)および(c)に示すように、その3番目に該当する抽選値の消化とともに「7」にてスーパーリーチに発展し、敵キャラクタCとのバトル演出が表示されている。このように変動パターンの種類についても予告することで、遊技者の期待感をより一層高めることが可能となる。
(変形例2)
図36は、他の変形例に係る演出表示装置に表示される画面例を表す図である。図36(a)〜(c)はその演出過程の一部を例示している。図36(a)に示すように、本変形例においては、演出表示装置160の画面が液晶タッチパネルにて構成され、遊技者が指で操作することによりサブ表示領域を移動させることが可能となっている。例えば図36(b)に示すように、装飾図柄として「576」が停止されたと仮定する。このとき、第1サブ表示領域210と第2サブ表示領域212は表示領域194の左右に表示され、装飾図柄の左右の図柄とオーバラップする。この状態から遊技者が第2サブ表示領域212を選択してスライドさせると、その第2サブ表示領域212の配置を図柄とともに変更することができる。すなわち、表示領域194に表示された中央図柄「7」と第2サブ表示領域212に表示されていた右図柄「6」とを入れ替えることができ、装飾図柄190として「567」を構成することができる。本変形例では、この「567」がいわゆるチャンス目とされており、この遊技者の操作に基づいて高期待度の演出が表示される。このように、タッチパネルを導入して遊技者介入性をより高めることで、演出のバリエーションを向上させることができる。なお、「チャンス目」は、当該変動の期待度を示唆するものとして使用される。例えば、特定の演出発展示唆や擬似連示唆として使用される。また、それ以降の図柄変動の当たり期待度を示唆する所謂先読み示唆としても使用される。
(変形例3)
図37は、さらに他の変形例に係る演出表示装置に表示される画面例を表す図である。図37(a)〜(d)および(e)〜(h)はその演出過程の一部を例示している。図37(a)〜(d)に示す変形例では、装飾図柄190の一部の図柄をストックすることができる。例えば図37(a)に示すように、「776」の外れ図柄組合せが停止表示されたときに右図柄のストックを促す表示がなされる。これに応じて遊技者が操作ボタン82を押下すると、図37(b)に示すように、そのときの右図柄「6」がサブ表示領域412にストックされつつ次変動が開始される(便宜上、ストックされた図柄を「ストック図柄」ともいう)。その次変動又はそれ以降の変動において例えば「667」のようにストック図柄と同じ図柄でテンパイした外れ図柄組合せが停止表示されると、図37(c)に示すように、そのストックを戻すよう促す表示がなされる。これに応じて遊技者が操作ボタン82を押下すると、図37(d)に示すように「6」が右図柄として戻され、「666」の当り図柄組合せが表示される。ただし、このようにストックを戻す表示がなされるのは、当否抽選の結果が大当りであった場合に限られる。
なお、このような当り図柄組合せではなく、リーチ態様を形成するための図柄のストックを行えるようにしてもよい。例えば、右図柄の停止によりリーチ態様が形成されなかったが、ストックされた図柄と置換することによりリーチ態様が形成可能となったときに、そのストックを戻すよう促す表示がなされるようにしてもよい。このようにすれば、当否抽選の結果が大当りであった場合に限らずに当該演出を表示させることができる。
図37(e)〜(h)に示す変形例では、図37(e)に示すように、サブ表示領域412にも補助的な図柄(便宜上「補助図柄」ともいう)を変動させる。そして、図37(b)に示すように、装飾図柄190として「6」にてテンパイする外れ図柄組合せ「665」が停止表示される一方、サブ表示領域412に「6」が停止されたとする。このとき、この状態から遊技者がサブ表示領域412をスライドさせ、装飾図柄190の右図柄に重ねることにより、そのサブ表示領域412の補助図柄「6」を装飾図柄190の一部として転載表示(置換表示)可能とする。それにより、「666」の当り図柄組合せが表示される。ただし、このような転載表示がなされるのは、当否抽選の結果が大当りであった場合に限られる。
なお、このような当り図柄組合せではなく、リーチ態様を形成するための図柄の転載表示を行えるようにしてもよい。この場合、サブ表示領域412の補助図柄を装飾図柄190に先行して停止表示させる。その後、装飾図柄190の右図柄の停止によりリーチ態様が形成されなかったが、左図柄が補助図柄と同じ図柄であった場合、遊技者の操作により補助図柄を装飾図柄190の右図柄として転載表示し、リーチに発展させてもよい。このようにすれば、当否抽選の結果が大当りであった場合に限らずに当該演出を表示させることができる。以上のように、タッチパネルを導入して遊技者介入性をより高めることで、演出のバリエーションを向上させることができる。図36に記載の変形例および図37に記載の変形例のいずれにおいても、そのように図柄を変更する演出をチャンス目作成、当り図柄組合せ作成、リーチ作成のいずれに適用してもよい。
(変形例4)
上記実施例では、遊技状態にかかわらず先読みによる事前判定を実行する例を示した。変形例においては、入球容易状態(時短中)であることを条件に先読みを実行する構成としてもよい。あるいは、確変中であることを条件に先読みを実行する構成としてもよい。また、上記実施例では、第1の遊技および第2の遊技の双方において先読みを実行する例を示した。変形例においては、第1の遊技および第2の遊技の一方についてのみ先読みによる事前判定を行うようにしてもよい。また、入球容易状態の第2の遊技についてのみ先読みを実行するようにしてもよい。
(変形例5)
上記第1,第2実施例については、先読み行わない構成としてもよい。すなわち、第1実施例において、保留消化とともに通常モードおよびスペシャルモードの各演出を決定し、現在の演出モードに対応する演出を主演出としてメイン演出表示装置160に表示し、現在の演出モードに対応しない演出を副演出としてサブ演出表示装置162に表示させてもよい。また、第2実施例において、保留消化とともに各配置モードの演出を決定し、現在の配置モードに対応する演出を第1サブ表示領域210および第2サブ表示領域212に表示させてもよい。
(変形例6)
上記第1実施例では、メイン演出表示装置160に選択モードの演出全体を表示させ、サブ演出表示装置162に非選択モードの演出の一部を表示させる例を示した。変形例においては、非選択モードの演出についてもその演出全体をサブ演出表示装置162に表示させるようにしてもよい。このようにしても、サブ演出表示装置162には非選択モードの演出が縮小された形で表示されるため視認性が低くなり、主演出との差別化を保つことができる。また、サブ表示領域に表示可能な予告種別や予告内容をメイン表示領域と比較して限定的としてもよい。あるいは、サブ表示領域に表示可能な予告種別や予告内容の表示頻度をメイン表示領域と比較して低下させるようにしてもよい。
(変形例7)
上記第3実施例では、第1サブ表示領域310〜第4サブ表示領域316に対し、保留中の抽選値に対応するサブ予告演出を保留消化の早い順に表示させる例を示した。変形例においては、保留中の全ての抽選値に対応するサブ予告演出を表示させるようにしてもよい。例えば、第1当否抽選値および第2当否抽選値の双方について、1番目の抽選値に対応するサブ予告演出を第1サブ表示領域310に表示し、2番目の抽選値に対応するサブ予告演出を第2サブ表示領域312に表示し、3番目の抽選値に対応するサブ予告演出を第3サブ表示領域314に表示し、4番目の抽選値に対応するサブ予告演出を第4サブ表示領域316に表示してもよい。その場合、各サブ表示領域を区画するなどして、第1当否抽選値に対応する演出と第2当否抽選値に対応する演出とを明確に区別できるようにするのが好ましい。
(変形例8)
上記実施例ではサブ表示領域の配置態様の一例を示したが、それ以外の配置構成を採用してもよい。例えば、第1実施例のサブ演出表示装置162を、メイン演出表示装置160の下方ではなく上方に配置してもよい。あるいは、メイン演出表示装置160の左右に配置してもよい。また、サブ演出表示装置162を所定の駆動装置により移動可能に構成してもよい。また、演出表示装置160の画面の最前面にメイン表示領域を配置する形でメイン表示領域とサブ表示領域とを重畳配置してもよい。あるいは、演出表示装置160の液晶画面を大小に分割し、その大領域をメイン表示領域とし、小領域をサブ表示領域としてもよい。
(変形例9)
上記第3実施例ではサブ予告演出の開始タイミングを抽選値の保留タイミング、つまり始動口への入球タイミングとしたが、入球後の次変動以降の変動開始タイミングとしてもよい。より詳細には、入球後の次変動以降であって、その入球に係る保留(サブ予告演出の表示開始契機となった保留)に対応する変動以前の変動開始タイミングとしてもよい。さらには、その組み合わせでもよい。つまり、入球タイミングにて開始される演出(次変動以降に何かが起こる可能性があることを示唆する演出)と、入球後次変動以降のタイミングで開始される演出(次変動以降に実際に起こる演出)との両方を混在させてもよい。あるいは、入球後にサブ予告演出を表示させるか否かを決定するための演出抽選を実行し、その演出抽選に当選したときにサブ予告演出を開始させてもよい。また、その演出抽選により、何変動後にサブ予告演出を開始させるかを決定してもよい。
(変形例10)
上記実施例では述べなかったが、メイン表示領域に表示される主演出の表示頻度と、サブ表示領域に表示される副演出の表示頻度とを異ならせてもよい。具体的には、副演出については特定の表示条件が満たされたときにのみ表示されるようにしてもよい。例えば、入球容易状態、確変状態、時短状態の少なくともいずれかとなったときに表示可能としてもよい。
(変形例11)
上記実施例では述べなかったが、遊技領域52をアクリル板等の透明部材又は透過部材にて構成し、その背面に液晶等によるサブ表示領域を設けてもよい。特に第2実施例の第2配置モードのように、遊技領域52に配置された部材や装置についての遊技説明演出を行う場合、そのサブ表示領域を該当する部材又は装置に近接させることで演出効果をより高めることができる。また、演出領域を拡大できるため、副演出のバリエーションを広げることができるようになる。
(変形例12)
上記実施例では、バトル演出を15R大当りの確定有無を煽る演出とする例を示したが、15R確変大当りの確定有無を煽る演出としてもよい。さらに、15R大当りに限らず、2R大当り等を含む大当りの確定有無を煽る演出としてもよい。あるいは、高期待度のリーチ演出の出現確定を煽る演出としてもよい。また、通常状態(非確変状態)においては大当りの確定有無を煽る演出とし、確変状態においては確変大当りの有無を煽る演出としてもよい。
(変形例13)
上記実施例では、表示領域194に保留対応画像206を表示させる構成を示したが、この保留対応画像206を省略した構成としてもよい。
(変形例14)
上記実施例では、大入賞口の短開放が行われる特別遊技(「特定特別遊技」ともいう)のラウンド数を2ラウンドのみとし、単位遊技あたりの大入賞口の開放時間を0.5秒とする例を示した。そして、第1当否抽選値には大当りとして15R大当りと2R大当りの双方が対応づけられているのに対し、第2当否抽選値には大当りとして15R大当りのみが対応づけられる例を示した。つまり、出玉の期待できない大当り(「特定大当り」ともいう)が第1の抽選に対応づけられるのに対し、第2の抽選には対応づけられない構成を例示した。変形例においては、第2の抽選についても特定大当りを対応づけるようにしてもよい。その場合、大当りとして特定大当りが割り当てられる割合が、第1の遊技よりも第2の遊技のほうが小さくなるようにすることで、出玉獲得の点で第2の遊技が有利となるようにしてもよい。
また、上記実施例では、15R特別遊技について単位遊技あたりの大入賞口の開放時間を30秒とする例を示した。変形例においては、同じラウンド数でも大入賞口の開放パターンが異なる特別遊技を設けてもよい。例えば、15R特別遊技として単位遊技あたりの大入賞口の開放時間が30秒の長開放に設定される15R通常特別遊技と、単位遊技あたりの大入賞口の開放時間が0.5秒の短開放に設定される15R特定特別遊技を設けるようにしてもよい。そして、15R特定特別遊技への移行を示す15R特定大当りが大当りとして割り当てられる割合が、第1の遊技よりも第2の遊技のほうが小さくなるようにすることで、出玉獲得の点で第2の遊技が有利となるようにしてもよい。なお、15R特定大当りを第1当否抽選値に割り当て、第2当否抽選値には割り当てないようにしてもよい。
また、15R特定特別遊技として、単位遊技あたりの大入賞口の開放時間が0.1秒の短開放に設定される特別遊技を含めるようにしてもよい。その場合、特定特別遊技の開始から終了までにおける大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)が予め定める開放基準時間(例えば2秒)未満となるようにしてもよい。そして、小当り遊技として、単位遊技において大入賞口の0.1秒の開放を15回実行するようにし、小当り遊技の開始から終了までにおける大入賞口のトータルの開放時間(総開状態時間)も開放基準時間未満となるようにしてもよい。このような構成においても特定特別遊技と小当り遊技とが大入賞口の開閉態様において共通するため、両者の区別をつき難くして遊技者の期待感を煽る遊技性を実現でき、上記実施例の作用効果を発揮させることができる。その場合、特定特別遊技のラウンド数を15ラウンドで統一するなど、特別遊技のラウンド数を特定特別遊技であるか通常特別遊技であるかによらず共通とすることで、いわゆるラウンド表示灯を設ける必要がなくなる。
(変形例15)
上記実施例では、当否抽選値の消化順序について第2当否抽選値を第1当否抽選値よりも優先的に消化する優先消化の仕様を採用した。変形例においては、第1始動口62および第2始動口63のうちいずれに遊技球が入球したかの順序にしたがって当否抽選値を消化させ、第1特別図柄192と第2特別図柄193とを選択的に変動表示させてもよい。このようにすれば、例えば図32に示したようなサブ表示領域への表示に際し、新たな保留がなされたときにサブ表示領域における演出が入れ替わることがなくなり、よりシンプルで遊技者に分かり易い遊技性を実現することができる。
(変形例16)
上記実施例では、図12等に示したように、保留対応画像による保留表示演出をメイン表示領域に表示させる例を示したが、サブ表示領域に表示させてもよい。
(変形例17)
上記実施例では述べなかったが、変動中にモード切替可能な期間を所定期間のみとし、その所定期間を変動開始から変動停止までの時間よりも短く設定してもよい。例えば、変動開始直後からの所定期間としてもよい。また、上記所定期間とステップアップ予告などの演出進行タイミングとが被っている場合、モード切替タイミングに応じてモード切替後の演出を出さなくしたり、途中から強制的に出したりしてもよい。
(変形例18)
上記第1実施例では、図22のS291の演出モード切替処理において、所定の入球未検出時間に基づいてモード切替画面を表示し、演出モードの切り替えを可能とした。変形例においては、図柄変動開始以後の所定タイミングからの所定期間をモード切替期間とし、遊技者の操作入力に応じて演出モードを切り替えるようにしてもよい。例えば、図柄変動開始タイミングからの所定時間(例えば20秒間等)をモード切替期間としてもよい。その場合、モード切替期間においてモード切替画面を表示してもよい。あるいは、モード切替画面を表示することなく、操作ボタン82等を介した遊技者の操作入力に応じて演出モードを切り替えるようにしてもよい。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。尚、本願発明は上記実施例や変形例に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施例や変形例に開示されている複数の構成要素の適宜組合せにより種々の発明を形成しても良いし、上記実施例や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除しても良い。更に、複数の実施例にわたる構成要素を適宜組み合わせることも可能である。