以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る印刷処理システム及び印刷方法について詳細に説明する。
<第1の実施形態>
[システム全体の構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る印刷処理システムを示す図である。図1に示す印刷システムは、1つ又は複数のユーザ端末(本実施形態では、ユーザ端末101、及びユーザ端末102)と、インターネット103を介して接続されているPOD(Print On Demand)システム115から成っている。
PODシステム115に対してプリントサービスの発注を行う発注者は、ユーザ端末101又はユーザ端末102を用いてプリントサービスの発注をすることができる。
一方、PODシステム115において、受注サーバ105は、インターネット103を介してユーザ端末からプリントサービスを受注するサーバであり、ユーザ端末からのプリントサービスとしてプリントジョブデータを受信する。ここで、プリントジョブデータとは、ユーザ端末にて特定のアプリケーションソフトウェアで作成された複数ページのデータを一連のプリントジョブとしてまとめたデータである。プリントジョブデータは、ユーザ端末にて動作するアプリケーションソフトウェアで作成されたデータに、そのデータをPODシステムにてどのような出力方法で出力させるかを示す設定情報を付加したデータである。ここで、出力方法とは、例えば、製本の種類、カラーモード、用紙タイプを示す。受注サーバ105がユーザ端末101又は102から受信したプリントジョブデータは、受注サーバ105が発行するID番号で管理される。この受注サーバ105は、ウェブサーバ機能を備えており、インターネット103を介してユーザ端末101及びユーザ端末102にて動作するウェブブラウザに対して、ウェブブラウザにて表示させるべき表示データを送信する機能を有する。
ファイルサーバ106は、受注サーバ105がインターネット103を介して受信したプリントジョブデータを保存して管理するためサーバである。
また、ファイルサーバ106には、ディジタル複合機(Multi Function Peripheral)110/MFP111で使用可能であるシートのライブラリ情報が保存されている。
ここで、シートのライブラリ情報とは、例えば、図2のテーブルに示されるような情報である。図2のライブラリ情報は、8種類のシートをテーブル化した情報であるが、より多種類(例えば、数百種類)のシートをテーブル化しても良い。8つのシートの各々には、ユニークなシートIDが付与されており、シートIDを特定することによりシートの種類が特定される。なお、ファイルサーバ106は、ライブラリ情報をMFP110やMFP111に送信することができる。そして、ライブラリ情報を受信したMFP110やMFP111は、ライブラリ情報に基づいて装置を動作させるための各種の設定を行う。図2にはシート毎に定着温度が定められている。ここで、定着温度は、後述する定着器608を用いてシートにトナー像を熱定着させる際の温度を示すものであり、シートの種類に応じて図2のような温度を定着処理にて設定する定着温度とする。これにより、MFP110やMFP111は、ライブラリ情報に基づいて、シートの種類に応じた適切な定着温度にてシートに定着処理を行うことができる。なお、図2にはシートに対応付けた情報として定着温度が示されているが、定着温度以外の情報を付け加えてもよい。例えば、転写ドラム605に印加される転写電圧等の情報を付け加えても良い。
プリントサーバ108は、スキャナ107やMFP110やMFP111等の原稿を画像データとして読み取るスキャンデバイスにより読み取られた画像データを保存するためのサーバである。また、プリントサーバ108は、読み込んだ画像データの補正(読取方向のずれの補正、ノイズ(黒点)の除去)を実行する。また、プリントサーバ108は、ファイルサーバ106に保存されている複数のプリントジョブデータやスキャナ107等により読み取られた画像データを結合する。
プリントサーバ108、クライアントPC109、スキャナ107、MFP110、MFP111は、LAN等のネットワーク104により接続され、各装置間でデータを転送したり、制御コマンドを送受信したりすることができる。
また、図1に示す印刷処理システムにおいて、紙折り機112は、MFP110やMFP111により出力された複数枚のシートを折り畳む機能を有する。
また、くるみ製本機(case binding device)113は、製本されるべき複数枚のシートに対して、表紙となるシートを糊付けして製本する機能を有する。
さらにまた、断裁機(sheet cutting device)114は、くるみ製本機113によって表紙が糊付けされて複数枚のシートを製本したものを裁断する。
[MFPの構成] 次に、MFP(Multi Function Peripheral)について説明する。図3は、MFP110、111の構成を示すブロック図である。本実施形態に係るMFP110、111は、複数のジョブデータを記憶可能なハードディスク209等のメモリを具備する。また、MFP110、111は、スキャナ部201から入力されたジョブデータをハードディスク209等へ記憶させた後にプリンタ部203でプリントするコピー機能を備える。また、外部I/F202を介して入力されたジョブデータをハードディスク209等へ記憶させた後にプリンタ部203でプリントするプリント機能を備える。
図3に示すように、本実施形態に係るMFPは、紙原稿等の画像を読み取るとともに読み取られた画像データを画像処理するスキャナ部201を備える。また、MFPは、外部装置と画像データ等を送受信する外部I/F202と、ハードディスク209等に記憶されたジョブデータに基づいてシート上に画像形成するプリンタ部203とを備えている。
また、MFPは、操作部204をさらに備え、MFPの操作者は、MFPの様々な処理機能を選択したり、各種の指示をしたりすることができる。
さらに、MFPはCPU205を備え、ROM207に読み込んだプログラムに基づいて動作する。また、MFPのROM207には、外部I/F202が外部装置(例えば、クライアントPC109)から受信したPDL(Page Description language:ページ記述言語)コードデータを解釈するためのプログラムが記憶されている。また、ROM207には、ラスターイメージデータに展開する動作を実行するためのプログラムが記憶されている。そして、それらのプログラムは、CPU205が実行する。
さらにまた、MFPのメモリコントローラ部206は、ROM207、RAM208、及びハードディスク209へのアクセスを制御する。
ROM207は、読み出し専用のメモリであり、MFPの各種の機能を初期化するためのプログラムやフォント情報等が予め記憶されている。また、RAM208は、読み出し及び書き込み可能なメモリであり、スキャナ部201や外部I/F202よりメモリコントローラ部206を介して送られてきた画像データや、各種プログラムや設定情報を記憶する。さらに、ハードディスク209は、圧縮伸長部210によって圧縮された画像データを記憶する大容量の記憶装置である。
圧縮伸長部210は、JBIGやJPEG等といった各種圧縮方式によってRAM208、ハードディスク209に記憶されている画像データ等を圧縮・伸長動作を行う。
[MFPの構成]
図4は、MFPの構成を示す断面図である。
図4において、自動原稿搬送装置(Automatic Document Feeder:ADF)601は、原稿トレイの積載面にセットされた原稿シート束を1枚ずつ順番に分離する。そして、ADF601は、原稿シート束をスキャナ602によって原稿走査するために原稿台ガラス上へ搬送する。スキャナ602は、原稿台ガラス上に搬送された原稿の画像を読み取り、CCDによって画像データに変換する。回転多面鏡(ポリゴンミラー等)603は、変換された画像データに応じて変調された、例えばレーザー光等の光線を入射させ、反射ミラーを介して反射走査光として感光ドラム604に照射する。
感光ドラム604上に反射走査光として照射されたレーザー光によって形成された潜像はトナーによって現像され、転写ドラム605上に貼り付けられたシート材に対してトナー像を転写する。この一連の画像形成プロセスをイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各トナーに対して順次実行することにより画像が形成される。
そして、4回の画像形成プロセスの後に、画像形成された転写ドラム605上のシートは、分離爪606によって分離され、定着前搬送部607によって定着器608へ搬送される。定着器608は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータ等の熱源を内蔵し、トナー像が転写されたシート材上のトナーを、熱と圧力によって定着させる。
排紙フラッパ609は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シートの搬送方向を規定する。例えば、排紙フラッパ609が時計回りの方向に揺動しているときには、シートは真直ぐに搬送され、排紙ローラ610によって機外へ排出される。一方、シートの両面に画像を形成する際には、排紙フラッパ609が図中反時計回りの方向に揺動し、シートは下方向に進路を変更され両面搬送部へと送り込まれる。
両面搬送部は、反転フラッパ611、反転ローラ612、反転ガイド613及び両面トレイ614より構成される。反転フラッパ611は、揺動軸を中心に揺動可能に構成され、シートの搬送方向を規定する。まず、反転フラッパ611が反時計回りの方向に揺動し、シートは反転ローラ612によって反転ガイド613へと送り込まれる。シート後端が反転ローラ612に狭持された状態で反転ローラ612は一旦停止し、引き続き反転フラッパ611が時計回りの方向に揺動する。さらに、反転ローラ612が逆方向に回転し、シートはスイッチバックして搬送され、後端と先端が入れ替わった状態で両面トレイ614へと導かれる。
両面トレイ614では、シートを一旦積載し、その後、再給紙ローラ615によってシートは再びレジストローラ616へと送り込まれる。このときシートは、1面目の転写工程とは反対の面が感光ドラムと対向する側になって送られてきている。そして、先述したプロセスと同様にして2面目の画像が形成され、シートの両面に画像が形成され、定着工程を経て機外へ排出される。
給紙搬送部は、シート積載手段としてのシートカセットA617、B618、ペーパーデッキ619、手差しトレイ620と、給紙ローラ621、及びレジストローラ616によって構成されている。
シートカセットA617、B618、手差しトレイ620及びペーパーデッキ619には、各種サイズ及び各種タイプのシートが収納される。シートカセットA617、シートカセットB618、ペーパーデッキ619及び手差しトレイ620には、それぞれに給紙ローラ621が設けられ、シートが1枚ずつ給送される。具体的には、ピックアップローラによって積載されたシートが順次繰り出され、給紙ローラ621に対向して設けられる分離ローラによって重送が防止され、シートは1枚ずつ搬送ガイドへと送り出される。
ここで、分離ローラには、搬送方向とは逆方向に回転させる駆動力が、図示しないトルクリミッタを介して入力されている。分離ローラは、給紙ローラ621との間に形成されるニップ部にシートが1枚だけ進入しているときには、シートに従動して搬送方向に回転する。一方、重送が発生している場合には、分離ローラは搬送方向とは逆方向に回転することにより、重送したシートが戻され、最上部の1枚だけが送り出されるようになっている。
送り出されたシートは、搬送ガイドの間を案内され、複数の搬送ローラによってレジストローラ616まで搬送される。このときレジストローラ616は停止しており、シートの先端がレジストローラ616対で形成されるニップ部に突き当たり、シートがループを形成し斜行が補正される。その後、画像形成部において感光ドラム604上に形成されるトナー像のタイミングに合わせて、レジストローラ616は回転を開始してシートを搬送する。
レジストローラ616により送られたシートは、吸着ローラ622によって転写ドラム605表面に静電気的に吸着される。
プリンタ部203の定着器608から排出されたシートは、オンラインフィニッシャ部に入る(フィニッシャが接続されている場合)。オンラインフィニッシャ部には、サンプルトレイ623及びスタックトレイ624があり、ジョブの種類や排出されるシートの枚数に応じて切り替えて排出される。
さらに、出力すべきジョブに対してステープルモードが設定されている場合には、スタックトレイ624に排出するように制御する。その際には、シートがスタックトレイ624に排出される前に、シートをジョブ毎にフィニッシャ内部の処理トレイ625に順次蓄えておく。そして、処理トレイ625上においてステープラ626によってバインドして、その上で、スタックトレイ624へシート束を束排出する。
その他、上記2つのトレイに至るまでに、ファイル用の2つ(又は3つ等)の穴開けを行うパンチャ627があり、ジョブの種類に応じてパンチ処理を行う。例えば、出力すべきジョブに対するシート処理に関する設定として、ユーザにより操作部を介してパンチ処理設定がなされた場合には、以下の動作をする。それは、そのジョブの記録紙に対してパンチャ627によるパンチ処理を実行させ、その上で、機内を通過させて、スタックトレイ624及びサンプルトレイ623等の排出トレイに排紙する動作である。
さらに、サドルステッチャ628は、シートの中央部分を2か所バインドした後に、シートの中央部分をローラに噛ませることによりシートを半折りし、パンフレットのようなブックレットを作成する処理(製本処理)を行う。サドルステッチャ628で製本されたシートは、ブックレットトレイ629に排出される。尚、当該サドルステッチャ628による製本処理等のシート処理動作の実行可否も、上述したように出力すべきジョブに対してユーザにより設定されたシート処理設定に基づく。
また、インサータ630は、インサートトレイ631にセットされたシートをプリンタへ通さずにスタックトレイ624及びサンプルトレイ623等の排出トレイのいずれかに送るためのものである。これによってオンラインフィニッシャ部に送り込まれるシート(プリンタ部で印刷されたシート)とシートの間にインサータ630にセットされたシートをインサート(中差し)することができる。インサータ630のインサートトレイ631にはユーザによりフェイスアップの状態でセットされるものとし、ピックアップローラにより最上部のシートから順に給送する。
従って、インサータ630からのシートは、そのままスタックトレイ624又はサンプルトレイ623へ搬送することにより、フェイスダウン状態で排出される。サドルステッチャ628へ送るときには、一度パンチャ側へ送り込んだ後スイッチバックさせて送り込むことによりフェースの向きを合わせる。尚、インサータ630によるシート挿入処理等のシート処理動作の実行可否も、上述したように出力すべきジョブに対してユーザにより設定されたシート処理設定に基づく。
[プリントジョブの送信処理]
次に、クライアントPC109からPODシステム115のオペレータが受注サーバ105に受注された内容に従ってクライアントPC109からMFP110又はMFP111にプリントジョブを送信する処理について説明する。
図5は、クライアントPC109上で動作するプリンタドライバの設定画面を示す図である。そして、クライアントPC109は、文書作成アプリケーション等のアプリケーションソフトウェアにて文書を作成している際に、プリンタドライバを起動させることで図5の設定画面をクライアントPC109の表示画面上に表示させる。ここで、プリンタドライバとは、MFP110又はMFP111を制御するためのデバイスドライバであり、クライアントPC109上で動作するソフトウェアである。そして、クライアントPC109は、プリンタドライバを動作させることでMFP110又はMFP111へ送信するプリントジョブを生成する。
図5の設定画面において、クライアントPC109を操作する操作者(作業者)は、プリンタ名選択ボックス501を不図示のポインティングデバイス等を用いて操作する。この操作により、クライアントPC109がプリントジョブを送信する送信先として、MFP110又はMFP111のいずれかが選択される。図5においてクライアントPC109は、MPF110を選択している。また、クライアントPC109を操作する作業者は、印刷範囲選択ボックス502をポインティングデバイス等を用いて操作する。これにより、アプリケーションが生成する文書のうち所望の範囲がMFP110にて印刷すべき範囲として決定する。プリンタドライバは、作業者が「すべて」を選択した場合には、アプリケーションが生成した文書の全てのページを印刷対象とする。また、プリンタドライバは、作業者が「現在のページ」を選択した場合には、アプリケーションが生成した複数ページの文書のうち現在クライアントPCの画面上に表示されているページを印刷対象とする。また、プリンタドライバは、作業者が「ページ指定」を選択した場合には、アプリケーションが生成した複数ページの文書のうちエディットボックス503に入力されているページを印刷対象とする。また、プリンタドライバは、作業者が印刷部数設定ボックス504に入力した部数を印刷対象の部数にする。
そして、クライアントPC109の作業者は、プリンタドライバを介したMFP110へ送信するプリントジョブの設定が終了したならばOKボタン506を押下することにより、プリントジョブの生成を開始させる。なお、クライアントPC109の作業者は、プリントジョブの生成を中止する場合には、キャンセルボタン507を押下する。
図6は、図5のプリンタドライバのプロパティ設定画面においてプロパティボタン505を押下したときに表示される画面を示す図である。
クライアントPC109を操作する作業者は、原稿サイズ選択ボックス601を不図示のポインティングデバイス等を用いて操作する。この操作により、プリンタドライバは、クライアントPC109上で起動中のアプリケーションデータにおける各ページのサイズを選択する。なお、通常はアプリケーションデータが生成する文書には原稿サイズが指定されているので、この原稿サイズが自動的に選択される。また、プリンタドライバは、作業者が出力用紙サイズ選択ボックス602について「原稿サイズと同じ」を選択した場合には、MFP110にて印刷処理(出力処理)に用いるシートのサイズとしてA4サイズを選択する。なお、作業者は出力用紙サイズとして、「原稿サイズと同じ」を選択する以外にも「A3サイズ」、「B5サイズ」等の所望のシートサイズを選択することができる。ただし、この場合は、原稿サイズと異なるサイズが選択されるので、プリンタドライバは、倍率を変更しつつプリントジョブを生成する。また、プリンタドライバは、作業者が部数選択ボックス603について所望の印刷部数を入力したことに応じて入力された部数をプリントジョブに設定する。また、プリンタドライバは、作業者が印刷方向指定ボックス604にて選択した印刷方向を入力する。
そして、作業者がOKボタン655を選択したことにより原稿サイズ選択ボックス651、出力用紙サイズ選択ボックス652、部数選択ボックス653、印刷方向指定ボックス654に入力されている値を確定する。一方、作業者がキャンセルボタン656を選択したことにより原稿サイズ選択ボックス651、出力用紙サイズ選択ボックス652、部数選択ボックス653、印刷方向指定ボックス654に入力されている値を確定せずに予め定められている初期設定に戻す。
図7は、図6のプリンタドライバのプロパティ設定画面において仕上げタブ658が選択されたときに表示される画面を示す図である。
クライアントPC109を操作する作業者は、印刷方法選択ボックス701を不図示のポインティングデバイス等を用いて操作する。この操作により、プリンタドライバは、アプリケーションデータから生成するプリントジョブをMFP110にて印刷処理させるときの印刷方法を選択する。なお、印刷方法としては、シートの片面のみに印刷処理をする「片面印刷」、シートの両面に印刷処理をする「両面印刷」、サドルステッチャ628を用いた「製本印刷」等がある。
そして、作業者がOKボタン702を選択したことにより印刷方法選択ボックス701に入力されている値を確定する。一方、作業者がキャンセルボタン703を選択したことにより印刷方法選択ボックス701に入力されている値を確定せずに予め定められている初期設定に戻す。
図8及び図9は、図6のプリンタドライバのプロパティ設定画面において給紙タブ659が選択されたときに表示される画面を示す図である。
クライアントPC109を操作する作業者は、シートの指定方法選択ボタン801を不図示のポインティングデバイス等を用いて操作する。この操作により、プリンタドライバは、作業者が「給紙部で指定」ボタンを選択した場合は、給紙部選択ボックス802を操作して選択した給紙部をプリントジョブに設定する。
一方、プリンタドライバは、作業者が「シートタイプで指定」ボタンを選択した場合は、シートタイプ選択ボックス805を操作して選択したシートをプリントジョブに設定する。
そして、作業者がOKボタン803を選択したことにより給紙部選択ボックス802又はシートタイプ選択ボックス805に入力されている値を確定する。一方、作業者がキャンセルボタン804を選択したことにより給紙部選択ボックス802又はシートタイプ選択ボックス805に入力されている値を確定せずに予め定められている初期設定に戻す。
そして、図6、図7、図8、図9のプリンタドライバのプロパティ設定画面における設定が終了すると(OKボタン655、OKボタン702、OKボタン803が受け付けられると)、図5のプリンタドライバの設定画面に戻る。そして、図5のプリンタドライバの設定画面におけるOKボタン506が受け付けられると、クライアントPC109は、プロパティ設定画面において設定された設定内容と、アプリケーションデータとを合成して1つのプリントジョブを生成する。さらに、クライアントPC109は、プリントジョブをMFP110へ送信する。
なお、プリントジョブのデータ構造の具体例を図10に示す。
図10は、クライアントPC109がMFP110に送信するプリントジョブのデータ構造を示す図である。
図10において1001はプリントジョブIDであり、クライアントPC109がネットワーク104を介してMFP110又はMFP111等にプリントジョブを送信する場合に、プリントジョブを特定できるようプリントジョブに付与される固有のIDである。
また、1002は出力方法指定情報であり、印刷方法選択ボックス701にて選択された印刷方法を特定する情報である。また、1003は給紙部指定情報であり、給紙部選択ボックス802にて選択された給紙部を特定する情報である。また、1004はシート属性情報であり、出力用紙サイズ選択ボックス602にて選択された出力用紙サイズを特定するシートサイズ情報と、シートタイプ選択ボックス805にて選択されたシートタイプ情報とを含む情報である。また、1005は印刷部数指定情報であり、印刷部数設定ボックス504又は印刷部数選択ボックス603(各々同じ値が入力される)にて入力された印刷部数を特定する情報である。また、1006は、プリントジョブ名であり、アプリケーションにて管理する際のファイル名を示すテキストデータがプリントジョブ名として付与されている。そして、1007は、ドキュメントデータであり、クライアントPC109上で動作するアプリケーションにて生成されたドキュメント(文書)のデータである。なお、ドキュメントデータには、ドキュメントに含まれるページのページ数が記述されているものとする。
[プリントジョブの処理フロー]
次に、クライアントPC109により送信されたプリントジョブを受信したMFP110が実行するプリントジョブの処理フローについて説明する。
クライアントPC109からプリントジョブを受信したMFP110のCPU205は、受信したプリントジョブをHDD209に保持した上で図11に示すプリント待ち行例を用いて管理する。
ここで、プリント待ち行列(プリントジョブリスト)について図11を用いて説明する。図11は、HDD209に記憶されるプリント待ち行列の一例を示す図である。図11において“No.”は、プリント待ち行列にて待機しているプリントジョブの数を示すものであり、図11では6個のプリントジョブが蓄積されていることが示されている。また、“プリントジョブID”は、プリントジョブのプリントジョブ設定データに含まれるものであり、MFP110が受信するプリントジョブの各々に固有のIDである。また、“プリントジョブ名”はプリントジョブ設定データに含まれるプリントジョブ名1006に対応する。また、“ステータス”は、プリントジョブが印刷処理中なのか印刷処理待ちなのかを示す処理状況を示す。また、“出力方法”は、プリントジョブのプリントジョブ設定データに含まれるものであり、MFP110が受信するプリントジョブを印刷処理するときの出力方法(例えば、片面印刷、両面印刷、製本印刷)を指定する情報である。また、“シートタイプ”は、プリントジョブのシート属性情報に含まれる、プリントジョブで用いるシートのタイプを特定するものである。例えば、クライアントPC109がMFP110に送信するプリントジョブには、普通紙、上質紙、厚紙106g/m2、厚紙150g/m2、厚紙210g/m2、厚紙253g/m2、コート紙、色紙の8種類のいずれかが指定される。また、“シートサイズ”は、プリントジョブのシート属性情報に含まれる、プリントジョブで用いるシートのサイズを特定するものである。例えば、クライアントPC109がMFP110に送信するプリントジョブには、A4、A5、B5、B4、リーガル、レター等の各種のいずれかのサイズが指定される。また、“ページ数”は、ドキュメントデータ1007に記述されたドキュメントのページ数を示すものである。また、“部数”は、プリントジョブのシート属性情報に含まれる、プリントジョブにて印刷処理する部数を特定するものであり、プリントジョブに含まれるドキュメントデータ1006を1部として、それを何部印刷処理するかを示す。
また、MFP110のHDD209には、図12に示す給紙トレイ情報が保持されている。
給紙トレイ情報とは、給紙トレイ毎に、どのような種類(サイズ、タイプ)のシートが、どのくらいの量積載されているのかを示す情報である。
給紙トレイ毎に、図2に示されるシートのライブラリ情報に含まれるいずれの種類の用紙が積載されているかを示すシートID情報が記憶されている。また、給紙トレイ毎に、シートID情報に対応するシート名称が記憶されている。また、給紙トレイ毎に、積載されたシートのサイズが記憶されている。さらに、給紙トレイ毎に、積載されたシートの残量(枚数)が記憶されている。なお、シートカセットA、B、ペーパデッキ、手差しトレイの各々には、積載されたシートの枚数を検知するセンサが備えられている。そして、CPU205はセンサからの出力情報に基づいて各給紙トレイに積載されたシートの枚数を図12の残量としてHDD209に記憶させる。
次に、図13のフローチャートを用いてMFP110のCPU205が実行するプリントジョブリストの更新処理について説明する。
なお、CPU205は、プリント待ち行列に印刷処理待ちのステータスで保持されている複数のプリントジョブの各々について、図13の処理を実行するものとする。
図13の処理において、CPU205は、各プリントジョブが使用するシートの枚数とMFP110の各給紙トレイが備えるシートの残量に基づいて、プリントジョブが使用するシートの種類の変更を要求するか否かを制御する。
ステップS131で、CPU205は、図11に示されるプリント待ち行例に含まれるいずれかのプリントジョブを特定する。なお、ここで特定するプリントジョブは印刷処理待ちのプリントジョブである。例えば、プリントジョブID003のジョブCを特定する。
ステップS132で、CPU205は、S131で特定されたプリントジョブ(例:ジョブC)のシート属性情報(例:シートタイプ=普通紙、シートサイズ=A4)に対応する給紙トレイ(例:シートカセットB)があるかを判断する。対応する給紙トレイがあれば、ステップS133に進み、そうでなければ、ステップS138へ進む。
ステップS133で、CPU205は、S131で特定されたプリントジョブ(例:ジョブC)に対応する給紙トレイ(例:シートカセットB)を特定する。
ステップS134で、CPU205は、S133で特定された給紙トレイ(例:シートカセットB)に対応する他のプリントジョブがあるかどうかを判定し、他のプリントジョブがあればS135へ進み、そうでなければS136へ進む。ここで、他のプリントジョブは、ステップS131で特定したプリントジョブに先行するプリントジョブに限定される。例えば、ステップS131でジョブCが特定された場合、ジョブCに先行するプリントジョブであるジョブBに限定される。
ステップS135で、CPU205は、S133で特定された給紙トレイ(例:シートカセットB)に対応する他のプリントジョブ(例:ジョブB)を特定する。
ステップS136で、CPU205は、S131及びS135で特定されたプリントジョブ(例:ジョブB及びジョブC)が使用するシートの枚数を確定する。ここでの確定は、プリントジョブの出力方法指定情報1002、印刷部数指定情報及びドキュメントデータ1006に含まれるドキュメントのページ数に基づいて行われる。例えば、ジョブCは、4ページの10部分を両面印刷するプリントジョブであるので、使用するシートの枚数は4/2×10=20枚となる。また、ジョブBは、30ページの1部分を片面印刷するので使用するシートの枚数は30×1=30枚である。従って、特定されたプリントジョブが使用する枚数は20+30=50枚となる。
ステップS137で、CPU205は、S133で特定された給紙トレイの残量がステップS136で確定したシートの枚数以上であるか否かを判定する。YESと判定されれば処理フローを終了させ、NOと判定されればステップS138へ処理を進める。例えば、CPU205は、給紙トレイとしてシートカセットBが特定され、ステップS136で50枚が確定した場合、図12の給紙トレイ情報を参照すると、シートカセットBの残量(40枚)が50枚より小さいのでNOと判定してステップS138へ処理を進める。なお、CPU205が処理をステップS138へ進めるのは、ステップS131及びステップS135で特定されたプリントジョブに基づく印刷処理が終了する前にプリントジョブにより利用されるシートが不足することを意味する。
ステップS138で、CPU205は、ステップS131及びステップS135で特定されたプリントジョブのシート属性情報を変更するために、図14に示すように、代替シートの登録を要求する情報を操作部204に表示させる。
ここで、図14のステップS138にて操作部204に表示されるプリントジョブリストについて説明する。
図14は、図11にて示されるプリント待ち行列を操作部204に表示したものである。そして、図14の画面においては、プリントジョブリスト1401として、ジョブC及びジョブDが他のジョブ(ジョブA、B、E及びF)とは識別できるように表示されている。なお、CPU205は、ジョブC及びジョブDについての備考欄には、他のジョブ(ジョブA、B、E及びF)と識別できるように“!”マークを表示するよう操作部204を制御する。
なお、ジョブCに“!”が表示されているのは、ジョブCについて実行された図13の処理フローにより、CPU205が以下のように処理したからである。
・ステップS131で、ジョブCを特定する。
・ステップS133で、シートカセットBを特定する。
・ステップS135で、ジョブBを特定する。
・ステップS136で、ジョブB及びジョブCが使用するシートの枚数を50枚(30枚+20枚)と確定する。
・ステップS137で、シートカセットBの残量(40枚)より確定したシートの枚数(50枚)が多いのでNOと判定する。
また、ジョブDに“!”が表示されているのは、ジョブDについて実行された図13の
処理フローにより、CPU205が以下のように処理したからである。
・ステップS131で、ジョブDを特定する。
・ステップS133で、シートカセットAを特定する。
・ステップS135で、ジョブAを特定する。
・ステップS136で、ジョブA及びジョブDが使用するシートの枚数を140枚(60枚+80枚)と確定する。
・ステップS137で、シートカセットBの残量(70枚)より確定したシートの枚数(140枚)が多いのでNOと判定する。
なお、CPU205が、ジョブA、B、E及びFについて“!”を操作部204に表示させていないのは、それらのジョブについては、ステップS132、S137のいずれにおいてもYESと判定したからである。
以上のように、本実施形態の例において、CPU205は、ジョブB及びジョブCに含まれるシート属性情報を変更するようにMFPの操作者に要求するための表示をするよう操作部204を制御する。
次に、図15を用いて、代替シート設定画面について説明する。
図15は、図14のプリントジョブリストに含まれるいずれかのプリントジョブが操作者の指示により選択された状態で、図14の代替シート設定キー1402が受け付けられた場合に表示される画面である。なお、図15の画面は、図14のプリントジョブリストに含まれるいずれのジョブが選択された場合であっても代替シート設定キー1402の押下に応じて表示されるものとするが、他の態様であってもよい。例えば、図14のプリントジョブリストのうち、備考欄に“!”マークが表示されるプリントジョブが選択された状態である場合に限って、代替シート設定キー1402の受け付けられた場合に表示されるようにしてもよい。
図15において、キー1501は、図14にて選択されたプリントジョブのシート属性情報として、シートカセットAに積載されるシートに対応するシート属性情報(A4サイズの厚紙106g/m2)を設定するためのキーである。
また、キー1502は、図14にて選択されたプリントジョブのシート属性情報として、シートカセットBに積載されるシートに対応するシート属性情報(A4サイズの普通紙)を設定するためのキーである。
また、キー1503は、図14にて選択されたプリントジョブのシート属性情報として、ペーパーデッキに積載されるシートに対応するシート属性情報(A4サイズの普通紙)を設定するためのキーである。
また、キー1504は、図14にて選択されたプリントジョブのシート属性情報として、手差しトレイに積載されるシートに対応するシート属性情報(A3サイズの上質紙)を設定するためのキーである。
また、キー1505は、図15に示す代替シート設定画面から図14に示すプリントジョブリスト画面に戻すためのキーである。
ここで、図16を用いて、代替シート設定の処理フローを説明する。
図16は、代替シート設定の処理フローであり、図14に表示された複数のプリントジョブのいずれかが選択された状態で代替シート設定キー1402が受け付けられた場合に開始される。
ステップS1601で、CPU205は、図14のプリントジョブリストに表示されるいずれのプリントジョブが選択されたかを特定する(例:ジョブC)。
ステップS1602で、CPU205は、操作部204に表示された図15に示される画面を介して、MFP110の操作者によりキー1501〜1504のうちいずれかのキーが受け付けられたかを判定する。そして、いずれかのキーが受け付けられたと判定した場合はS1603へ処理を進める。ここで、CPU205は、操作者による指示の受付手段として機能する。
ステップS1603で、CPU205は、ステップS1602で受け付けられたと判定されたキーに対応するシート属性情報を図12の給紙トレイ情報に基づいて特定する。例えば、ステップS1602でキー1503が受け付けられた場合は、ペーパデッキに積載されるシートID=7のA4サイズのコート紙をシート属性情報として特定する。
ステップS1604で、CPU205は、ステップS1601にて特定されたプリントジョブのシート属性情報を、ステップS1603で特定されたシート属性情報により更新(上書き)する。例えば、ステップS1601でジョブCが特定され、ステップS1603でシートID=7のA4サイズのコート紙が特定された場合、ジョブCのシート属性情報を、A4サイズの普通紙からA4サイズのコート紙に変更する。
そして、CPU205は、ステップS1604の処理が終了して図16の処理フローが終了した後に、図15の画面でキー1505が受け付けられたことを検出すると、プリントジョブリストを表示するように操作部204を制御する。
なお、前述した例のように、ジョブCについて図15の代替シート設定画面を介してシート属性情報を変更した場合、図17に示される画面がプリントジョブリスト1701として表示される。図14のプリントジョブリストではジョブCのシートタイプが普通紙であったのが、図17では代替シート設定によりコート紙に変更されている点が異なる。
また、図14のプリントジョブリストでは、ジョブCについてシート属性情報を変更するようにMFPの操作者に要求するための表示(“!”マークの表示)がなされているが、図17ではそのような表示がなされていない。これは、シート属性情報が更新されたジョブCについて図13の処理フローが実行され、ステップS132及びステップS137のいずれでもYESと判定されたからである。このことは、ジョブCが利用するシート(コート紙)がジョブC及びそれに先行する他のジョブを実行したとしてもシートが足りなくなるという状況が発生しないことを示している。以上のように、ジョブCについて、代替シート設定をすることにより、ジョブCの実行開始時あるいは実行中に印刷処理が中断されてしまうことを未然に防止することができる。
なお、図17のプリントジョブリストでは、ジョブDについて“!”マークが表示されているので、このままではジョブDの実行開始時あるいは実行中に印刷処理が中断されてしまうこととなる。ここで、MFP110の操作者は、ジョブCについて行った操作と同様に、図17の代替シート設定キー1702を押下してジョブDのシート属性情報を変更することができる。これにより、ジョブDの実行開始時あるいは実行中に印刷処理が中断されてしまうことを未然に防止することができる。
次に、図18を用いて、プリントジョブの処理を説明する。
図18は、図11に示されるプリントジョブリストの先頭(No.1)のジョブを実行してシートへの印刷処理を実行するフローを示すものである。
ステップS1801で、CPU205は、プリントジョブリストの先頭のジョブが使用する給紙トレイを特定する。例えば、図11のプリントジョブリストでは、ジョブAが使用するシートカセットAを特定する。
ステップS1802で、CPU205は、ステップS1802で特定された給紙トレイからシートを給紙し、指定された出力方法にて印刷処理を実行する。例えば、ジョブAについてはシートカセットAからシートを給紙し、片面印刷にて印刷処理を実行するようプリンタ部203を制御する。
ステップS1803で、CPU205は、図11のプリントジョブリストを参照し、引き続き実行するべきプリントジョブがあるかどうかを判定し、ある場合にはステップS1801へ処理を進めて引き続くプリントジョブを実行する。引き続き実行するべきプリントジョブがなければ図18のフローを終了させる。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、特定の印刷ジョブにより利用されるシートが特定の印刷ジョブを実行する際に不足してしまう場合であっても、特定の印刷ジョブが実行できるようにするための指示を操作者に要求し、操作者による指示を受け付けることができる。これにより、特定の印刷ジョブの実行開始時あるいは実行中に印刷処理が中断されてしまうことを未然に防止することができる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第1の実施形態においては、ジョブA〜Fのいずれも、1つのプリントジョブに設定されるシート属性情報の種類は1種類のみであった。
それに対して、第2の実施形態においては、1つのプリントジョブに設定されるシート属性情報の種類が複数種類の場合に対応するものである。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の変形例であり、以下で特に説明する部分を除いては、第1の実施形態と動揺であるものとする。
図19に、第2の実施形態におけるプリントジョブリストを示す。
第1の実施形態の図14のプリントジョブリストと異なる点は、1つのプリントジョブに設定されるシート属性情報の種類が複数種類の場合がある点である。具体的には、図19のNo.4とNo.5には、共通のプリントジョブID(004)のプリントジョブが割り当てられており、1つのプリントジョブであることを示している。つまり、ジョブJは、1つのプリントジョブではあるものの、A4サイズの厚紙106g/m2とA4サイズの上質紙の双方を使用して印刷処理を実行するものである。
MFP110のCPU205は、1つのプリントジョブに複数種類のシートに対応するシート属性情報が設定されている場合であっても、第1の実施形態と同様に、特定の印刷ジョブが実行できるようにするための指示を操作者に要求する。
ここで、ジョブJについて実行される図13のプリントジョブリストの更新処理を説明する。
CPU205は、ステップS131でジョブJを特定し、ステップS132でYESと判定する。
ステップS133で、CPU205は、ジョブJで使用する給紙トレイとして、シートカセットA及び手差しトレイを特定する。
そして、CPU205は、シートカセットA又は手差しトレイを使用する他のプリントジョブ(先行するプリントジョブ)があるかを判定し(S134)、他のプリントジョブとしてジョブGを特定する(S135)。
ステップS136で、CPU205は、ジョブJが使用するシートの枚数としてA4サイズの厚紙106g/m2が80枚であり、A3サイズの上質紙が5枚であると確定する。
また、CPU205は、ジョブGが使用するシートの枚数としてA4サイズの厚紙106g/m2が60枚であると確定する。
CPU205は、図12に示されたA4サイズの厚紙106g/m2の残量(70枚)よりジョブJ及びジョブGが使用するA4サイズの厚紙106g/m2の枚数(80枚+60枚)が多いのでNOと判定する(S137)。また、CPU205は、A4サイズの厚紙106g/m2を他のシートに代替するよう要求する表示をするよう制御する(S138)。
なお、第1の実施形態と同様に、代替シート設定キー1902を受け付けられることにより表示される図15の代替シート設定画面を介してA4サイズの厚紙106g/m2をA4サイズのコート紙に変更することができる。この場合、CPU205は、ジョブJについてのシート属性情報が変更され、図19に表示されていた他のシートへ代替するよう要求する表示(“!”マーク)を表示しないように操作部204を制御する。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、複数種類のシート属性情報が設定された特定の印刷ジョブにより利用されるシートが特定の印刷ジョブを実行する際に不足してしまう場合であっても、特定の印刷ジョブが実行できるようにするための指示を操作者に要求し、操作者による指示を受け付けることができる。これにより、特定の印刷ジョブの実行開始時あるいは実行中に印刷処理が中断されてしまうことを未然に防止することができる。
<他の実施形態>
なお、第1の実施形態及び第2の実施形態においては、各給紙トレイの残量としてシート枚数を各給紙トレイに備えられたセンサが検出するものとして説明したが、他の態様であってもよい。
例えば、最大積載枚数を100%として現在何%の枚数が積載されているかをCPU205が各給紙トレイに設けられたセンサが出力情報として出力するようにしても良い。この場合、CPU205は、出力情報に基づいて各給紙トレイに積載されたシートの枚数を推定し、推定した値数を残量としてHDD209に記憶させる。
また、MFP110の操作者が操作部204を介して各給紙トレイに積載されるシートの枚数を入力し、各給紙トレイからシートが給送されるたびに入力されたシートの枚数から減算した枚数を残量としてHDD209に記憶させるようにしてもよい。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態においては、ステップS137で特定された給紙トレイの残量が確定したシートの枚数より少ない場合(下回る場合)にNOと判定するものであったが、他の態様であっても良い。例えば、特定された給紙トレイの残量から所定の残量(例えば、10枚)を減算した値が確定したシートの枚数より少ない場合にNOと判定するようにしてもよい。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。