JP6190996B2 - 粘土やシルトを含む土壌を含み、放射性物質を取り込んだ被処理物の放射性物質を生活環境において安全レベルにまで低減する処理方法 - Google Patents

粘土やシルトを含む土壌を含み、放射性物質を取り込んだ被処理物の放射性物質を生活環境において安全レベルにまで低減する処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、粘土やシルトを含む土壌を含み、放射性物質を取り込んだ被処理物の放射性物質を生活環境において安全レベルにまで低減する処理方法に関する。
放射性物質を内部に取り込んだ粘土を含む土壌を生活環境において安全レベルにまで低減する処理方法が特許文献1から知られている。この方法では、水、水溶性液体又はそれらの混合物と放射性物質を含む土壌とを容器内に収容し、加熱処理する前に土壌をその大半を覆う程度以上に前記水、水溶性液体又はそれらの混合物で浸す工程、前記容器を密閉した状態で前記水、水溶性液体又はそれらの混合物の亜臨界状態で前記土壌を加熱処理する工程、前記亜臨界状態での加熱処理後に圧力を急激に解放する工程、及び、加熱処理後に容器外に出された物質を流体分と固形分に分離する工程を備えている。
特許第5032713号
しかしながら、この処理方法では、圧力を急激に解放する工程で被処理物を、亜臨界水条件下の高温下、数MPaから常圧雰囲気中に向けて噴射することになる。その時、バルブ開放瞬間時における僅かな隙間から噴出される被処理物の速度は、音速並み、或いは亜音速という高速となる。そのため、被処理物が土壌の場合、バルブ内壁や爆砕物を受ける爆砕装置内壁の摩耗による損傷が著しく、長期間の使用が難しいという問題がある。そのため、コストの高い方法となっており、工業化を図るにはさらなる改善が必要である。
かかる課題に鑑みなされたもので、本発明は、工業化に適し、粘土やシルトを含む土壌を含み、放射性物質を取り込んだ被処理物から放射性物質を低コストで且つ高い除染率で除去することができる処理方法を提供するものである。
本発明は、粘土やシルトを含む土壌を含み、放射性物質を取り込んだ被処理物の放射性物質を生活環境において安全レベルにまで低減する処理方法であって、
粘土やシルトを含む土壌を含み、放射性物質を取り込んだ被処理物のうち、洗浄のみで放射性物質を除去できる粗粒被処理物若しくは洗浄のみで放射性物質を除去できる被処理物またはそれらを大部分とする部分(以下、「第1被処理物」という)と、洗浄のみで放射性物質を除去できない微細被処理物若しくは洗浄のみで放射性物質を除去できない被処理物またはそれらを大部分とする部分(以下、「第2被処理物」という)とに仕分ける仕分け工程と、
第1被処理物を洗浄液体で洗浄する洗浄工程と、
第2被処理物を水、水溶性液体若しくはそれらの混合物(以下、「水、水溶性液体若しくはそれらの混合物」を「水性液体」という)の臨界温度以下で飽和蒸気圧以上の圧力状態で加熱処理した後、圧力を急激に解放する加熱/圧力解放工程と、
前記加熱/圧力解放工程後の第2被処理物と水性液体との混合物を液分と固形分とに分離する分離工程と、
を包む。
前記仕分け工程は、鉄系成分を優位に含有するシルトを第1被処理物に、アルミ系成分を優位に含有するシルトを第2被処理物に、仕分ける工程を含むことができる。
または、前記仕分け工程は、被処理物である土壌に対して、シルトの粒径範囲に属する被処理物を、粘土の粒径範囲に属する被処理物と共に第2被処理物に、分級する工程を含むことができる。
さらに、前記洗浄工程で第1被処理物を洗浄するのに用いた洗浄液体から放射性物質を抽出する抽出工程を含むことができる。
さらに、前記分離工程によって分離された液分から放射性物質を抽出する抽出工程を含み、該工程は、前記第1被処理物を洗浄するのに用いた洗浄液体から放射性物質を抽出する抽出工程と同工程で行われることができる。
前記抽出工程は、吸着剤を用いて洗浄液体または液分中の放射性物質を吸着させるか、または洗浄液体または液分を蒸発させて、放射性物質を集約する工程を含むことができる。
さらに、前記加熱/圧力解放工程後の第2被処理物を洗浄する洗浄工程を含み、該工程は、前記第1被処理物を洗浄液体で洗浄する洗浄工程と同工程で行われることができる。
本発明によれば、洗浄のみで放射性物質を除去できる粗粒被処理物若しくは洗浄のみで放射性物質を除去できる被処理物またはそれらを大部分とする第1被処理物と、洗浄のみで放射性物質を除去できない微細被処理物若しくは洗浄のみで放射性物質を除去できない被処理物またはそれらを大部分とする第2被処理物とに仕分け、第2被処理物のみを加熱/圧力解放工程に供することで、圧力解放時に音速並み或いは亜音速という高速度で衝撃を受ける装置の損傷が顕著に軽減され、装置の長期使用を可能にすることができる。しかも、除染率に関しては、仕分け工程を経ずに処理をした場合と同程度の除染率を維持することができるのに加えて、仕分け工程を経ずに全被処理物に対して加熱/圧力解放工程の処理を行う場合に比べて、単位時間当たりの処理量を大幅に増加させることができる。
[被処理物]
本発明が対象とする被処理物は、放射性セシウムのような水溶性の放射性物質を内部に取り込んだ粘土やシルトを含む土壌を含むものである。ここで土壌の中でシルトとは平均粒径が0.05〜0.005mmの土であり、粘土とは0.005mm以下のものを指す。これに対して、砂は平均粒径が0.05mmより大きく、さらに、礫は平均粒径が2mm以上の土である。被処理物としては土壌以外の物が含まれていてもよい。その例としては、植物、焼却灰、微生物を含む下水汚泥などが挙げられる。なお、本発明で「放射性セシウム」或いは「セシウム」というときは、放射性セシウム化合物を包含する。
[被処理物の仕分け工程]
本発明の被処理物は、まず、洗浄のみで放射性物質を除去できる被処理物もしくはその大部分である第1被処理物と、洗浄のみで放射性物質を除去できない被処理物若しくはそれらの大部分である第2被処理物とに仕分けする。
この仕分けは、分級手段を用いた被処理物の大きさに基づく分級を含むことができる。さらに、分級は、被処理物である土壌に対して、粗粒の粗粒被処理物と、微細の微細被処理物とをその粒径の範囲に応じて分級することを含むことができ、粗粒被処理物を第1被処理物とし、微細被処理物を第2被処理物とすることができる。後述の爆砕装置の損傷に大きく影響してくるのは粒径の大きい土壌に強く影響されるからである。この分別する粒径の範囲は、シルト及び粘土の平均粒径を基準に上述の一般的範囲に基づき決定することができ、シルトの粒径範囲及び粘土の粒径範囲は、第2被処理物に属するように分級するとよい。但し、粒径範囲を超えるものであっても粘土は、第2被処理物にできる限り分級することが好ましい。
但し、分級手段の精度から、第1被処理物と第2被処理物は、それぞれ大部分がそれぞれ粗粒被処理物と微細被処理物であればよく、例えば、少量であれば、粘土が一部、第1被処理物に紛れ込むことも許容される。少量の程度はその粘土の有する放射性物質と、最終的に許容される放射性物質の残留程度に依存する。
分級手段としては、公知の分級手段が使用可能であり、例えば、気流分級器(乾式)、遠心分離機(湿式)、マルチマイクロサイクロン(湿式)などが例示されるが、この中でも、放射性物質が含まれている粉塵が舞い上がらないように湿式で行うのが特に好ましい。
また、仕分けとしては、ほぼ同じ大きさの範囲に属するものであっても、被処理物の含有する成分によって仕分けることができる。例えば、鉄系成分を多く含有するシルトは洗浄のみで放射性物質を除去できるが、アルミ系成分を多く含有するシルトは洗浄のみでは放射性物質を除去できない、という性質を有する。
従って、鉄系成分とアルミ系成分とを分けるしきい値を設定し、被処理物またはその一部のサンプルとを検査によって鉄系成分かアルミ系成分かを識別するようにしてもよい。その検査としては蛍光X線分析等の検査を使用することができる。
被処理物のシルトが鉄系成分を主とするとき、洗浄のみで放射性物質を除去した場合に鉄系成分以外のものによる放射性物質が残留するが、その最終的な残留程度が許容できるときには、その被処理物は第1被処理物に仕分けし、その他の場合は第2被処理物に仕分けするとよい。また、被処理物のシルトが鉄系成分を主としないときは、第2被処理物に仕分けするとよい。
また、仕分けは、被処理物の種類に応じて行うことができる。例えば、植物、焼却灰、下水汚泥は、いずれも洗浄のみで放射性物質を除去できないので、第2被処理物に仕分けする。
[第1被処理物を洗浄する洗浄工程]
前記仕分け工程で第1被処理物に仕分けられた被処理物を水等の洗浄液体で洗浄する。洗浄方法、洗浄温度などは特に制限されない。
[第1被処理物を洗浄後、洗浄液体から放射性物質を抽出する抽出工程]
第1被処理物を洗浄後、洗浄液体中にはセシウムのような水溶性の放射性物質が溶解しているので、放射性物質を吸着させる吸着剤で吸着させるか、或いは、洗浄液体を蒸発させることによって、放射性物質を抽出する。この抽出工程は、第2被処理物の処理中の抽出工程の場合と同様、または同工程で行なうことができるので、以降の項の中で詳述する。
第1被処理物については、洗浄により残留する放射性物質が安全レベルに達しているので、生活居住空間に戻される。
[第2被処理物に対し、好適には水性液体で被処理物を覆う程度以上に浸す工程]
前記仕分け工程で第2被処理物に仕分けられた被処理物に対し、加熱処理の前処理として、好ましくは、加熱処理がなされる容器内で、被処理物を覆う程度以上に水性液体で浸す。ここで「覆う」とは次の加熱工程での水性液体の臨界温度以下で飽和蒸気圧以上の状態で被処理物が水性液体で覆われている状態にあればよい。よって、予め被処理物を水性液体で覆う程度に浸す必要はなく、例えば、予め存在する水分は覆う程度になくても、次の工程で加熱に用いる蒸気が凝結することにより生ずる水分が加わって、加熱処理中に覆う程度になってもよい。また、「覆う程度」とは、被処理物の放射性物質の放射能の程度により異なるものの、被処理物の70%以上、より好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上が覆われている状態であれば多くの場合、水性液体の浸入効果が期待できる。しかし、これは容器が固定されている場合であり、容器が例えば水平軸に対し回転するものであれば、より少量の水性液体で被処理物が浸される機会を得ることができる。また、常温以下の温度に置かれた被処理物が蒸気に曝されることで凝結される水性液体の量も加味すると、かなりの程度、被処理物は浸されるからである。被処理物を完全に覆うと共に被処理物表面よりも水性液体の表面が上回るようにすればするほど、水性液体の量が増えるので、水性液体に溶け出す放射性物質量も増え、除染効果はよくなる反面、温度を上げるためのエネルギーがより多く必要となるので、これらのバランスで「覆う程度」の最適条件が決められるとよい。一つの目安としては容器が固定されている場合には、被処理物の容積の1.5〜5倍、より好ましくは2〜4倍である。ここで水性液体としては水、メタノール、エタノール、アセトンなどが好適に用いられる。また、界面活性剤を含む水性液体も被処理物が微細な多孔構造を有する場合には浸透しやすいのでより好適に用いられる。
第2被処理物を水性液体で覆う程度以上に浸すのは、好ましい方法であって、必須ではない。第2被処理物の状態によってその必要性は異なってくるのであり、例えば、被処理物が生物のような場合には、被処理物の生物自体が水性液体である水を有しているので、水性液体で覆う必要すらなく、水性液体を用いる必要もなく、単に被処理物を常温で加圧すればよい。しかしながら、被処理物が粘土やシルト(以下、第2被処理物中の粘土とシルトを併せて「粘土等」という)や焼却灰のような場合には水性液体で覆う程度以上に浸すのが好ましい。
[加熱/圧力解放工程]
次いで、第2被処理物と水性液体とを、水性液体の臨界温度以下の温度、且つ飽和蒸気圧以上の圧力状態で加熱処理し、圧力を急激に解放する。
容器を密閉状態とし、水性液体を加熱することにより、第2被処理物を水性液体の臨界温度以下の温度、且つ飽和蒸気圧以上の圧力状態で加熱処理する。加熱加圧方法としては、次の3種類の方法があるが、いずれも水性液体を加熱することにより、なされる。その方法の一つは水性液体と第2被処理物を容器に入れ、その水性液体を外部から加熱することにより、その水性液体の気化蒸気圧により加圧する方法である。もう一つの方法は、あらかじめ水性液体と第2被処理物を容器に入れておき、そこに水性液体と同一物質の飽和蒸気を吹き込み、その熱と圧力で内容物を加熱、加圧する方法である。さらに別な方法は上記2種類の方法の組み合わせである。即ち、外部加熱と飽和蒸気熱の両方を用いる方法である。このようにすることで、その水性液体が加熱されることで生ずる圧力あるいは加熱とは無関係に外から加えられる圧力で、第2被処理物全体を水性液体で浸しつつ加圧する。その結果、第2被処理物が例えば、粘土等や焼却灰のような、多孔質空孔を有するものである場合には、多孔質空孔に水性液体を浸入させることができる。これに対し、蒸煮のように水分が予め存在しない状況下で加熱すると、蒸煮のためのスチームが一部凝結されるとしても、その量は僅かであり、焼却灰や粘土等の多孔質の隙間に浸入することができない。水性液体が浸入することによる効果は後述する。
加熱処理する条件は亜臨界状態の一種である。水性液体が水の場合で説明すると、亜臨界状態とは、一般的に、水の臨界温度以上、臨界圧力以下(水の臨界温度は374℃、臨界圧力は22.1MPaである)の高温中圧の水蒸気の状態と、水の臨界温度以下で飽和水蒸気圧以上の中温中圧の液体水の状態を指すが、本明細書及び特許請求の範囲では後者の水の臨界温度以下で飽和水蒸気圧以上の中温中圧の液体の亜臨界状態を意味する。この水の亜臨界状態での加熱を水熱とも言う。このような状態での水のイオン積は、室温、大気圧下と比較して非常に大きくなる。室温、大気圧下でのイオン積が10−14モル/kgであるのに対し、亜臨界状態では10−12〜10−11モル/kgと、室温、大気圧下でのイオン積の100〜1000倍になるので、H+とOH-の濃度は常温における値の約3〜30倍となり、加水分解力が非常に大きく、加水分解の起こり得る結合部位への攻撃が極めて大きくなる。水以外の水溶性液体も同様である。水と水溶性液体の混合物の場合には、各成分の持つ加水分解力と成分比を考慮していずれかの成分の臨界温度以下、飽和蒸気圧以上の中温中圧の液体の状態で行う。このような強い加水分解力から、放射性物質、特にセシウムは水性液体に溶解されやすくなっているものと思われる。330℃より温度が高くなると、温度の上昇に伴い、水のイオン積は急激に減少するため加水分解力も急激に衰え、加水分解力は臨界点を超えるとなくなるので、臨界点以下の温度で処理を行うとよい。また、130℃より低い温度でも加水分解力は緩やかではあるが低下するので、好ましくは130〜330℃で、より好ましくは180〜300℃、より一層好ましくは230〜280℃、特に好ましくは240〜270℃で行われるとよい。この反応は無触媒でもよいが、触媒の存在下で行うとさらに効果的である。触媒としては鉄粉などの鉄材が好ましく用いられる。被処理物は、好適には水性液体で覆われており、上記条件下で処理されるので、被処理物は強い加水分解力を受ける。被処理物が粘土等や焼却灰の場合には、多孔質中に存在すると思われる放射性セシウムが強い加水分解力を受ける。その結果、放射性セシウムは水性液体中に溶解されやすくなるものと思われる。粘土中に含まれている堆肥中に含まれる生物有機体、或いは堆肥とは別に被処理物中に含まれる有機微生物などの細胞膜内に取り込まれてしまった放射性物質も急激に圧力を解放することで細胞膜が破壊される結果、細胞膜の外に放出される。また、被処理物が、例えば、植物や微生物である場合にも、これら植物及び微生物の細胞膜が強い加水分解力を受けて、細胞膜は物理的、化学的に破壊されて細胞膜内にある細胞液が外界に流出し得る状態になる。その結果、細胞膜を構成する固体有機物を短時間に低分子の有機物に分解し、リグニンやセルロースのような分子量の高いものも分解することが可能である。その結果、放射性セシウムは水性液体中に溶解されやすくなるものと思われる。これに対し、蒸煮では水性液体が多孔質や細胞膜の中に浸透するほど存在せず、多孔質は蒸気に接しているだけであるので、放射性セシウムは水性液体に溶解されて加水分解力を受ける状況下にはないか、あっても乏しいので、あまり好ましくない。
第2被処理物を容器の中に60〜90容量%、好適には70〜90容量%、より好適には80〜85容量%で投入し、容器の内部を高圧にする。圧力としては高圧ほど、第2被処理物中の粘土等や焼却灰は、その細孔中に水性液体が浸透しやすくなり、第2被処理物中の生物は物理的にも化学的にも強く影響を受けるので、望ましく、3気圧(0.3MPa)以上、好ましくは5気圧(0.5MPa)以上、より好ましくは10気圧(1.0MPa)以上とするとよい。既述のように、加熱処理は密閉空間を外部から加熱する方法をとってもよいし、密閉空間に例えば蒸気を注入するような加熱媒体を加える方法であってもよいが、後者の場合は蒸気だけでは水分量が足りないので予め水分をある程度存在させておく必要があり、そのために被処理物を水性液体で浸しておくとよい。なお、容器中に占める被処理物の量が上記好ましい範囲を下回ると処理効率が悪いだけであり、上記範囲にこだわる必要はない。
容器の大きさは大きいと内部の温度が不均一になりやすいので、容器の大きさを小さいものにするか、或いは攪拌させるのが望ましい。前者の場合は、容量が30〜200L程度、好適には30〜100L程度の小型のものを用いればよく、処理時間は温度によって異なるが、好ましい温度であれば、数秒で十分であるが、容器によって、好ましい温度に至らない場合も考慮すると、数秒〜60分、多くの場合は2〜30分あれば十分である。大量処理が必要な場合にはこのような小型容器を複数個用意する。このような小型容器を複数連動させることで、大型容器を所定の温度にするまでの昇温時間に比べて、短時間で所定温度に達することができ、容器内の温度分布を均一にできることと相俟って大型容器を用いて処理を行う以上に大量処理が可能である。例えば、コンベア上に置かれた被処理物からリミットスイッチによりバルブを介して開いた計量計に向けて被処理物が送り込まれ、所定量の被処理物が計量されたことを光センサーで感知したところでバルブを閉めると、所定量の被処理物が、容器に送り込まれる。相互の容器の被処理物や蒸気の入口と出口はそれぞれリミットスイッチにより所定の条件を満たすと開閉して、順次、加熱処理される。
水性液体の臨界温度以下で飽和蒸気圧以上の状態は超臨界水のような酸化還元力がないので、超臨界水を扱う装置に比べれば亜臨界反応を行わせる容器は腐蝕され難いものの、水分と酸素が存在するので、腐蝕を加速させる要因を有する。しかしながら、加熱処理において酸素を含まないようにすることで腐蝕そのものを起こさせないようにすることがかなりの程度まで可能である。また、容器内にある空気(酸素や窒素など)は圧力を急激に解放したとき、水蒸気と違って液体になるわけではないので、装置の小型化を図る点からもできるだけ存在しないようにするのが望ましい。酸素を含まない手段として、蒸気に用いる水にせよ、予め存在させる水にせよ、純水を使い、しかも80℃程度に加熱して酸素が仮に入り込んだ場合でも追い出したものを用いるのが好ましい。また被処理物に吸着されている空気を例えば0.5〜0.8MPa程度の水蒸気でブロータンク或いは系外に追い出して系内のガスを水蒸気だけにすることも好ましい手段である。また、無機の燐が含まれないようにすることも好ましい手段である。このような配慮をした上で、後の圧力解放工程で、加熱処理後の圧力解放を、急激な圧力低下で行なうと、容器内部の全てのものが吹き飛ばされるので、容器内部は清浄にされるため、相対的に長期にわたる使用が可能であり、容器の長期使用の耐久性の面からも好ましい。本発明で用いられる容器の材料としてはオーステナイト系、マルテンサイト系や二層合金系などのステンレス鋼、高合金鋼などが好適に用いられるが、鉄等も使用可能である。しかしながら、この反応の過程で水酸化セシウムが生成するので、セシウム濃度が高い場合にはその強アルカリ性に対して注意が必要である。
上記処理をされた第2被処理物と水性液体の圧力を密閉空間に解放する。前記加熱加圧処理が水性液体の気化蒸気圧により加熱されていると、圧力解放されれば、圧力は常圧に戻される。圧力は急激に解放し、急激な圧力変化により被処理物を破断する。この操作を爆砕ともいう。
圧力解放処理では加熱処理とは異なり、物理的作用が主体となる。加熱処理後に急激に圧力を解放すれば、被処理物が粘土等や焼却灰の場合には、その時点まで放射性物質が吸着されていると考えられる粘土等や焼却灰の多孔質の孔の中にまで含浸していた水性液体が熱膨張だけでなく、気化することで急激な体積膨張が生じ、その孔は急激な圧力を受けて更に拡げられる。その結果、放射性物質は水性液体とともに外界に飛び出すことができる。蒸煮のような、凝結による僅かな液体しかない場合と比べて、より多くの液体が多孔質の孔に含浸しているので、急激に圧力を解放することで、焼却灰や粘土等の細孔のあちらこちらで急激な体積膨張が生じる。また、被処理物が生物の場合には、急激な圧力の解放で細胞膜外は常圧になるのに対し、細胞膜内は高圧のままであり、その圧力差が大きい場合には細胞膜が破断され、細胞膜内に取り込まれていた放射性物質は外界にさらされる。
ここで「急激に圧力を解放」とは、加熱処理を行なった密閉空間の容積(cm3)に対する、圧力を一度に解放するための開口部の面積(cm2)の比が0.0002/cm以上のものである。この比が高いほど好ましく、好適には0.0005/cm以上であり、より好ましくは0.001/cm以上であり、より一層好ましくは0.005/cm以上であり、特に好ましくは、0.01/cm以上である。これは圧力を解放する場が大気圧であって、開口部を一気に開けた場合について規定したものであるが、その他の条件下の場合には、適宜その圧力差と移動速度を換算するものとする。また、かかる意味で、加熱処理する前に被処理物を微粉状にしておくことが好ましい。
また、急激に圧力を解放することには別な効果がある。急激に圧力を解放せずに、徐々に圧力を解放した場合には加熱条件下でせっかく活性化された例えばセシウムのような放射性物質のイオンが解離しているのに、高圧下で徐冷されるため、解離前の相手と再結合される可能性が高くなるが、加熱処理後、圧力を急激に解放すれば、急激に加水分解しやすい条件からしにくい条件に移るため、再結合される可能性は薄らぎ、液体或いはその液体の気化と共に放出される可能性が高くなる。この意味でも急激に圧力を解放するのが好適である。但し、圧力解放を急激に行う場合においても、再結合をできるだけ防ぐべく、加熱処理中に放射性物質を吸着する吸着剤を共存させる方法が好適に用いられ得る。臨界温度以下という高温に耐えられる吸着性物質としては、粘土、ゼオライトなどの無機系吸着剤が挙げられる。吸着剤については後述する。
圧力を急激に解放する場合には、解放前の圧力の大きさに応じ、解放される密閉空間の大きさも大きいものを要する。大きさが十分に取れない場合には、その代りに減圧にしておく方法もある。明細書及び請求の範囲において、「常圧にまで解放することを可能にする密閉空間に圧力解放する」とはこのような意味で用いる。それでも常圧にまで解放する事ができないときには気体中の水蒸気など、ガス状になっている水性液体を以下で述べるように凝縮させる。
圧力解放工程において、被処理物が、仕分けにより第1被処理物と分けられた第2被処理物のみであるために、圧力解放時に音速並み或いは亜音速という高速度で衝撃を受けるための密閉空間を包囲する爆砕装置の損傷が顕著に軽減され、爆砕装置の長期使用を可能にすることができる。特に、第2被処理物が微細被処理物を大部分としている場合には、爆砕装置に与える負担を、粗粒被処理物の場合と比較して顕著に軽減することができる。
また、加熱/圧力解放工程を第2被処理物のみに対して行うことで、加熱/圧力解放工程を全被処理物に対して行う場合に比べて、単位時間当たりの処理量を大幅に増加させることができる。
加熱/圧力解放工程での温度、圧力が適切であると、放射性物質の殆どは液分側に移行し、固形分に残留する放射性物質は僅かとなる。
[必要に応じてなされる、気体中の放射性物質の除去工程]
前記加熱処理されたものは、例えば密閉容器中で加熱処理後、自然冷却されれば、殆どの放射性物質は水性液体中に溶解していて、気体中には僅かであるので、多くの場合、気体中の放射性物質の除去は不要である。しかしながら、急激に圧力を解放したような場合には、液化されるものもそれなりにあるものの、温度も高く、気体中に放射性物質が同伴されやすい。その量が安全レベルを超えていれば、そのまま大気中に放出することができないので、気化された水性ガスと共に存在する放射性物質が外界に放出されないように密閉系で放射性物質の回収をして気体中の放射性物質の除去を行わなければならない。その方法としては、気体を、フラッシュコンデンサーのような公知の熱交換手段を用いて冷却して水性液体として凝縮する方法、気体を吸着性カラムなどの吸着手段を通すことにより、放射性物質を吸着させる方法、あるいは気体を水性液体中に通すことで放射性物質を水性液体中に溶解させる方法など、公知の方法が採用される。これにより、加熱処理後の気体は大気中に安全に放出することが可能である。
[液分と固形分とに分離する工程]
次いで第2被処理物と水性液体との混合物を液分と固形分とに分離する。固形分と液分との固液分離手段としては濾過、スクウィーズ、スクリュープレス、遠心分離など、公知の固液分離手段が用いられ得る。ここで固形分としては前記処理により放射性物質を外界に放出した被処理物の他に、加熱処理及び圧力解放処理時に吸着剤を用いる場合の吸着剤がある。前者は外界に放出した放射性物質が表面に付着することはあっても、内部に取り込まれているものは前記処理により大幅に少なくなっているものであり、洗浄することにより安全レベルにあると考えられる。そのような場合には、生活居住空間に戻される。これに対し、加熱処理及び圧力解放処理時に吸着剤を混在させる場合には、放射性物質を吸着した吸着剤と、除染された固形分との分離がしやすいようにしなければならない。その一つの方法としては比重の違いを利用する方法である。被処理物はその種類により、比重が1を超えるものと1より小さいものがあるので、比重が1より大きい場合には、吸着剤としては比重が1より小さいものを選び、被処理物の比重が1以下の場合には、吸着剤の比重が1より大きいものを選ぶことで分離が可能である。しかし、これに限られるのではなく、被処理物の比重が1より小さいとき、吸着剤も比重が1より小さいものを選び、放射性物質を吸着した吸着剤のみを凝集剤で沈澱させることで除染された被処理物と放射性物質を吸着した吸着剤を分離するようにしてもよい。
また、固形分の中には、急激な圧力解放や加熱処理により破砕されて破断が細かいため、一見すると固体と認識しにくい場合が多い。しかも、水性液体が存在するために、本発明でいう固形分は、固形分というより、ドロドロした液状といってもよい。また、固液分離手段によっては、微粒子であるがために固体でありながら、液分に移行するものも当然存在する。しかしながら、これらは必要に応じて洗浄することで安全レベルにあるものが多いのである。しかしながら、このようなものの中に放射性物質に対し吸着性が強く、高い放射能を有するものが存在する場合がある。そのときには凝集剤により凝集沈殿させる。
被処理物の表面になお付着している放射性物質のために固形分がそのままでは安全レベルを超えている場合には、水洗する。この水洗は、前述の、第1被処理物に対してなされる洗浄工程と一緒にして行なってもよいし、別々に行なってもよい。洗浄は攪拌洗浄が好ましい。また、洗浄の際に、固形分を振動させることも効果的である。また、それでも安全レベルを超える場合には、洗浄を繰り返すことで、より安全レベルに達することが可能である。それでも安全レベルに達しない時には、前述の加熱/圧力解放工程を繰り返すことで安全レベルに達することができる。この洗浄水は放射性物質を溶解しているので、液分と一緒にして以降の処理を行う。
択一的には、分離工程に、フィルタープレスを用いることもできる。
この場合、固形分と液分に分けるのにいきなりフィルタープレス工程にかけてもよいが、時間を要するので、粗粒分とそれ以外のものに分け、粗粒分を洗浄して、安全レベルにした上で、粗粒分以外のものと粗粒分の洗浄に用いた水をフィルタープレス工程に移すのが好ましい。粗粒分は安全レベルになっているので、生活空間に戻すことができる。粗粒分とそれ以外のものに分ける方法としては液分と固形分の混合体であるスラリーをロールフィルターの上から流し、粗粒分をロールフィルター上に残し、その他の分をロールフィルターを通し、フィルタープレスに回す。他方、ロールフィルター上に残った粗粒分は遠心分離し、その液分をフィルタープレスに回す方法が好適に用いられる。
フィルタープレス工程は前の工程より送られたスラリーをフィルタープレスし、それを水洗浄する。フィルタープレスすることで液分と固形分が分離され、固形分はケーキ状になる。本発明では、詰まりが生じてスラリーを送り込むことができないときに、水を流して詰まりを除くこともあるが、固形分の表面に付着する放射性物質を洗浄するために水洗浄する。フィルタープレスした後の固形分からなる積層体はこのような水洗浄が可能であることが分かった。フィルタープレスのフィルターの目開きはssともいわれる浮遊分も固形分側に残るような目開きとする。また、被処理物に生物が含まれる場合、水熱時間が長いと加水分解が進み、可溶化し、目詰まりを起こす程度になったのでは洗浄に時間が取られるので、水熱時間を適度にして、目詰まりを起こさないとともに、洗浄が容易である程度の固形物にする。洗浄の際の水は温水の方が放射性物質の溶解性が高いので好ましい。このような処理でスラリー中の固形分はケーキ状となり、それに含まれる放射性物質は安全レベルに至らせることができる。
[液分中の放射性物質を抽出する抽出工程]
液分中には、放射性物質が溶解しており、そのままでは生活居住空間に戻すことができないので、次の液分中の放射性物質を吸着させる工程または液分を蒸発させる工程のいずれかで処理されて、放射性物質を抽出して集約させる。この工程も、第1被処理物の抽出工程と一緒に処理してもよいし、別々に行なってもよい。一緒に処理を行う場合には、第1被処理物を洗浄後の洗浄液体を、第2被処理物の洗浄に使用された洗浄水と共に、液分と一緒にして処理することができる。
[液分中の放射性物質を吸着させる工程]
まず、液分中の放射性物質を吸着させる工程について述べる。液分中にはセシウムのような水溶性の放射性物質が溶解している。このような放射性物質を液分から除くために吸着剤を液分中に投入する。その際、吸着剤の種類によっては、放射性物質を吸着したまま懸濁している場合がある。かかる場合にはそれを凝結させる凝結剤、さらにそれを凝集させる凝集剤などを液分中に投入して沈澱させた上で、放射性物質をほとんど含まない水性液体を主成分とする液分と、放射性物質を含む沈殿物とに分離する。放射性物質の吸着は、化学吸着でも物理吸着でもよい。吸着剤としては、フェロシアン化物、ゼオライト、活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、粘土鉱物からなるss等が例示される。これら吸着剤はその見掛け比重により液分中で浮遊するものもあれば沈澱するものもあり、適宜利用される。吸着剤はカラムに充填して液分を通過させる形で接触させてもよいし、液分中に必要な量の吸着剤を投入して攪拌させるような形でもよい。攪拌であれば、前述の洗浄工程を兼ねて行なうことができる。なお、前者のカラムに充填して液分を通過させる場合、吸着剤は、カラムに充填でき、流出しない程度の粒径のものでなければならない。また、液分中に吸着剤を投入させる場合は液分中に吸着剤が浮遊していては困るので、吸着剤だけ凝集させて沈澱させることができる凝集沈殿剤を用いる必要がある。例えば、フェロシアン化物は特に造粒しない限り、微粉であるため、フェロシアン化物を造粒するか、あるいは微粉のままで使うのであれば、凝集剤を用いるか、フェロシアン化物のような磁性体の場合には磁石で吸引するなどの凝集手段が用いられる。吸着剤で吸着された後の液分のみの放射線強度は適切な吸着剤の選択と量を選べば、そのまま生活環境において安全なレベルにすることができる。吸着剤と、必要に応じて用いられた凝集剤は液分と分離する。
放射性物質を吸着した吸着剤と液分との混合物はそのまま、処分場に運びこみ、水分を自然蒸発させてもよいが、液分の放射性物質は殆ど無視できる程度の量であるので、吸着剤と液分を分離して吸着剤のみを最終処分場に運び、液分はそのまま排泄しても又は再利用しても環境に影響はない。
放射性物質を吸着した吸着剤は放射性物質の放射線強度が抑制できるような容器に収容保存する。容器の材質としてはコンクリート製、鉛製など、放射線を外界に放出する度合いを顕著に抑制できる材質であればよく、コンクリートが好適に用いられる。ここで容器は放射線を吸着した吸着剤の放射線量が大きいときには最終処分場の保管容器となるが、吸着剤の放射線量が少ないときには放射性物質を吸着した吸着剤を、セメントと混ぜて、例えば、コンクリートであれば、コンクリートが本来用いられる用途、例えば、土木建築材に用いられ得る。
[必要に応じて行う発酵工程]
被処理物に植物が含まれている場合に、吸着剤から分離された液分中には糖が溶解しているので、酵素を用いて発酵処理されることができる。発酵に用いる酵素としては酵母、メタン細菌などが例示される。発酵により、被処理物はアルコール、アルデヒド、メタンなどの発酵生成物と糖と水分等の混合物になる。発酵がある程度進むと十分糖が残っていても、それ以上進みにくくなる場合もあるので、その場合には、発酵生成物を除き、更に発酵処理を行なう。発酵処理後、水分と発酵生成物を分離する。分離方法としては、発酵生成物の性質に応じて異なるが、例えば、アルコールの場合には蒸留してアルコールと水分にする。上述のような処理によりセルロースやリグニンの分子量を短時間で減らし、単細胞化して単糖類とすることができるので、発酵時間を短縮することができる。特に水の亜臨界状態での加熱処理と圧力を急激に解放する処理が併せて行われているのでその効果が顕著である。得られた発酵生成物は安全レベルにあるので、安心して使用に供すことが可能である。その用途の例としては、バイオ燃料が挙げられ、発電等に使用される。
[放射性物質を溶存する液分を蒸発させる工程]
液分中の放射性物質を吸着させる代わりに、液分を蒸発させる工程について述べる。液分と固形分とに分離する工程を経た液分中には放射性物質が溶存している。液分を気化させることで放射性物質を濃縮することができる。気化手段としては加温或いは常温での蒸発、減圧乾燥などの公知の手段が採用される。その際、火力発電所や原子力発電所、焼却炉などの廃熱が利用できる。また、減圧乾燥には、減圧下での凍結乾燥が好適に採用される。セシウムの蒸気圧は水の蒸気圧に比べて低いので、液分を凍結させて減圧下で乾燥させる。蒸気は、放射線強度が安全レベルであれば、そのまま大気に解放することができる。また、放射線強度が安全レベルでない場合には、蒸気を集めて凍結し、再び減圧下で蒸発させる工程を繰り返すことで、蒸気は安全レベルまで放射線強度を低めることができる。液分気化後の残留放射性物質は、例えば樹脂やコンクリートなどで固めて集約させる。この濃縮工程では、吸着剤を使用しないことで、放射性物質を小さな嵩にまとめることができ、集約性を向上させることができる。気化装置については公知のものが用いられる。
本発明は、放射性物質で汚染された粘土やシルトを含む土壌を含む被処理物を低コストでしかも高い除染率で元の状態に復帰させるのに利用することができる。

Claims (7)

  1. 粘土やシルトを含む土壌を含み、放射性物質を取り込んだ被処理物の放射性物質を生活環境において安全レベルにまで低減する処理方法であって、
    粘土やシルトを含む土壌を含み、放射性物質を取り込んだ被処理物のうち、洗浄のみで放射性物質を除去できる粗粒被処理物若しくは洗浄のみで放射性物質を除去できる被処理物またはそれらを大部分とする部分(以下、「第1被処理物」という)と、洗浄のみで放射性物質を除去できない微細被処理物若しくは洗浄のみで放射性物質を除去できない被処理物またはそれらを大部分とする部分(以下、「第2被処理物」という)とに仕分ける仕分け工程と、
    第1被処理物を洗浄液体で洗浄する洗浄工程と、
    第2被処理物を水、水溶性液体若しくはそれらの混合物(以下、「水、水溶性液体若し
    くはそれらの混合物」を「水性液体」という)の臨界温度以下で飽和蒸気圧以上の圧力状
    態で加熱処理した後、圧力を急激に解放する加熱/圧力解放工程と、
    前記加熱/圧力解放工程後の第2被処理物と水性液体との混合物を液分と固形分とに分離する分離工程と、
    含み、
    前記仕分け工程は、鉄系成分を優位に含有するシルトを第1被処理物に、アルミ系成分を優位に含有するシルトを第2被処理物に、仕分ける工程を含むことを特徴とする粘土やシルトを含む土壌を含み、放射性物質を取り込んだ被処理物の放射性物質を生活環境において安全レベルにまで低減する処理方法。
  2. 前前記仕分け工程は、被処理物である土壌に対して、シルトの粒径範囲に属する被処理物を、粘土の粒径範囲に属する被処理物と共に第2被処理物に、分級する工程を含むことを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  3. 前記洗浄工程で第1被処理物を洗浄するのに用いた洗浄液体から放射性物質を抽出する抽出工程を含むことを特徴とする請求項1または請求項2記載の処理方法。
  4. 前記分離工程によって分離された液分から放射性物質を抽出する抽出工程を含み、該工程は、前記第1被処理物を洗浄するのに用いた洗浄液体から放射性物質を抽出する抽出工程と同工程で行われることを特徴とする請求項記載の処理方法。
  5. 前記抽出工程は、吸着剤を用いて洗浄液体または液分中の放射性物質を吸着させるか、または洗浄液体または液分を蒸発させて、放射性物質を集約する工程を含むことを特徴とする請求項または請求項4記載の処理方法。
  6. 前記加熱/圧力解放工程後の第2被処理物を洗浄する洗浄工程を含み、該工程は、前記第1被処理物を洗浄液体で洗浄する洗浄工程と同工程で行われることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の処理方法。
  7. 前記加熱/圧力解放工程は、圧力を常圧にまで解放することを可能にする密閉空間に圧力解放することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の処理方法。
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