JP6189968B2 - 保持層による、微細構造化された眼鏡レンズの製造 - Google Patents

保持層による、微細構造化された眼鏡レンズの製造 Download PDF

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Description

本発明は、レンズを製造する方法に関し、特に、少なくとも1つのレンズ面に特に回折微細構造部を有する眼鏡レンズを製造する方法に関する。
回折光学素子は、少なくとも1つの表面又は境界面での、屈折効果及び回折効果の組み合わせを利用することが多い。このようにして、高機能密度を有する複雑な光学素子においてさえも、比較的少数のレンズ要素を用いて、非常に良好な画質を得ることができる。主に、単一のレンズのみが使用される応用において、屈折効果及び回折効果の組み合わせにより、結像誤差を減少させることができる。そうでなければ、結像誤差は、複層レンズ、又は屈折率勾配を有するレンズによってのみ、抑制され得る。特に、分散材から構成される眼鏡レンズのようなレンズに関して、回折微細構造部が、レンズの色誤差によって生じる、例えばカラーフリンジを減少させるために、レンズの表面で使用されることがある。カラーフリンジを補正するための、回折構造部に関する設計例のいくつかが、例えば、独国特許出願公開第102010051627号明細書、独国特許出願公開第102010051637号明細書、独国特許出願公開第102010051645号明細書、及び独国特許出願公開第102010051762号明細書により知られている。
独国特許出願公開第102010051627号明細書 独国特許出願公開第102010051637号明細書 独国特許出願公開第102010051645号明細書 独国特許出願公開第102010051762号明細書
しかしながら、回折構造部を使用する場合の課題の1つは、回折構造部の製造が、非常に複雑なことである。特に、回転対称の構造部を製造するために、材料除去加工方法(例えば、ダイヤモンド切削)が確立されている。製造すべきレンズが、直接加工されてもよい。又は、注入成形モールドもしくはパンチが、レンズ表面の、製造すべき微細構造部の凹部を、その内部に形成するために加工される。その後、この微細構造部は、レンズを注入成形することにより、又は穿孔及び/もしくはエンボス加工により、レンズ面のそれぞれに複製される。
しかしながら、レンズの材料によっては、すべての作り方を常に利用できる訳ではない。例えば、熱硬化性材料(例えば、Perfalit 1.67)が、レンズ、特に眼鏡レンズの基材として、一般的に利用されている。しかしながら、この種のポリマーは、多くの場合、次に(熱)変形させることができない。また、加工又はリソグラフィ処理を次に行うことが、ほとんど不可能であることが多く、又は、可能であっても、不満足な構造部品質しか得られないか、もしくはかなりの労力を要する。したがって、多くの場合、レンズ、特に眼鏡レンズを注入成形する過程で、微細構造部をボリューム材料に組み込むことが有効であり、又は、唯一の技術的に合理性を有する可能性でさえある。このために、最初は液体の(又は粘性の)ボリューム材料が、(例えば、モノマーの重合により)硬化されなければならない。その後、微細構造化された注入成形モールドは、次のレンズを製造するために使用され得る。しかしながら、レンズ本体の厚さは大きく、このため、レンズ本体用のボリューム材料はゆっくりと硬化する。従って、注入成形モールドのサイクルタイムは長い。
レンズの製造、特に、少なくとも1つのレンズ面に特に回折微細構造部を有する眼鏡レンズの製造を簡略化することが、本発明の目的である。この目的は、請求項1に開示される特徴を有する方法によって達成される。好ましい実施形態が、従属請求項の主題である。
したがって、本発明は、レンズ、特に、少なくとも1つのレンズ面に微細構造部を有する眼鏡レンズを製造する方法を提供する。微細構造部は、好ましくは眼鏡レンズのカラーフリンジ補正のために、詳細には、可視光用の回折格子としての役割を果たす。眼鏡レンズの場合、微細構造部が、眼鏡レンズの前面に設けられることが特に好ましい。本発明によれば、まず、表面に微細構造部を有する(構造部保持フィルムとも表される)構造部保持層が設けられる。この微細構造部は、詳細には、レンズ表面、又はレンズ内の、形成すべき微細構造部の凹部に該当する。レンズ本体、詳細には、実際に製造すべきレンズ、又は、後にさらに処理され実際のレンズを形成するレンズブランクが、その後、構造部保持層の微細構造部において、注入成形される。
構造部保持層は、少なくともレンズ、又はレンズ本体が硬化するまで、レンズ、又はレンズ本体に留まることができる。レンズ本体の注入成形中、構造部保持層は、微細構造部から離れた方を向いている面が、支持基板に接した状態で、配置され得る。したがって、支持基板は、構造部保持層と共に、レンズ本体を注入成形するための、注入成形モールドとしての役割を果たす。ここで、支持基板は、好ましくは支持基板より薄い、非常に柔らかい構造部保持層を支持するために特に役立つ。したがって、構造部保持層は、支持基板よりも、厚さが小さく、及び/又は、支持基板よりも材料強度が低いか、もしくは材料硬度が低いことが好ましい。
概して、構造部保持層は、支持基板と共に、レンズ用の注入成形モールドとして使用されることが好ましい。構造部保持層は、例えば、モールド内での注入成形、浸漬成形、へら絞り、スパッタリング、又はエンボス加工により、従来の固形の注入成形モールドよりもかなり容易に、したがってまた、コストに対する効果もより高く、詳細には微細構造化された状態に、製造され得る。このために、詳細には、モールド内での注入成形により、並びに/又は浸漬成形、及び/もしくはへら絞り、及び/もしくはスパッタリング、もしくは蒸着によるコーティングにより、並びに/又は形成もしくはエンボス加工により、容易に微細構造化できるそのような材料が、使用され得る。構造部保持層を微細構造化するために必要な工具は、製造が比較的複雑で、そのためコストがかかることがあるが、このような工具は、構造部保持層を比較的容易に製造した後、さらなる製造工程において再度使用することができる。
したがって、これらの工具のサイクルタイムは、レンズを注入成形するための、同様に高価な恐れがある従来の注入成形モールドと比較して、どの場合にも比較的短い。従来の注入成形モールドは、レンズが硬化するまで、製造すべきレンズに留まらなければならない。この処理には、通常、数時間から数日かかることがあり、従来の微細構造化された注入成形モールドの、これに応じた長いサイクルタイムが必要である。
対照的に、本発明による方法の構造部保持層は、少なくとも製造すべきレンズが硬化するまで、より高価な工具を固定しておくことなく、レンズ本体に留まることができる。微細構造化されていない支持基板が使用され、レンズ本体が硬化するまで、製造すべきレンズの表面に同様に留まる場合であっても、微細構造部を有さない支持基板は、コストに対する効果が非常に高く製造でき、したがって、より大量に製造できるため、この支持基板により、従来の方法に対して、コストがかなり減少する。構造部保持層は同様に、従来の微細構造化された注入成形モールドと比較して、コストに対する効果が非常に高く、廃棄される場合さえあり、又は数回の注入成形サイクルを経た後、摩耗する場合もある。どの場合にも、構造部保持層を一回のみ使用し、その後に構造部保持層を処分することも可能であろう。損傷又は汚染から微細構造部を保護するために、少なくともレンズの次の加工中、又は、後に使用する間にさえも、構造部保持層が、保護層としてレンズの表面に留まることが特に好ましい。その寸法(通常軸方向に0.3μm〜5μm、側面方向に1μm〜500μm)により、上記の微細構造部は、汚染、又は引っ掻き傷を受けやすい。後者は、構造部が比較的軟質の有機材料の表面に設けられた場合に、特に当てはまる。したがって、製造中も、この構造部を完成品(レンズ)の中に保護することが有効である。
詳細には、構造部保持層を支持するための支持基板が、レンズ本体の注入成形中に使用される場合、本方法は、好ましくは注入成形後、詳細には少なくともレンズ本体の部分硬化後に、構造部保持層から支持基板を取り除くことを含み、一方で、構造部保持層は、レンズ本体の表面に留まる。
構造部保持層は、最大厚さが約1mm以下であることが好ましく、約0.5mm以下であることが特に好ましく、約0.25mm以下であることが最も好ましい。構造部保持層は、層厚が、実質的に一定であることが特に好ましい。他の好ましい実施形態において、厚さが数十マイクロメートル(例えば、約20μm〜40μm)である、さらに薄い層が使用され得る。この層は、詳細には、例えば、スピンコーティング、又は浸漬成形等の方法によって製造され得る。
特に好ましい実施形態において、構造部保持層は、(最大)厚さが、レンズ本体の(最小)厚さより小さい。構造部保持層が、(従来の)注入成形モールドを利用して、注入成形によって製造される場合であっても、構造部保持層は、厚みが小さいため、製造すべきレンズの厚さを有するレンズ、又はレンズ本体の厚さを有するレンズより、かなり速く硬化する。したがって、コストがかかる(従来の)注入成形モールドのサイクルタイムが、非常に短いままである。その上、構造部保持層を製造するための他の処理がまた、後に説明されるように、本発明で使用され得る。この処理により、微細構造化された工具のサイクルタイムを、さらに減少させることができる。
好ましい実施形態において、構造部保持層は、レンズ本体の屈折率とは異なる屈折率を有する。この形態において、構造部保持層は、保護層として、レンズ本体に留まることができ、(詳細には、回折格子の形態の)微細構造部が、レンズ製造の次の処理工程によって損傷したり、又はこれらの処理中に汚染したりすることを防ぐことができる。屈折率の違いにより、微細構造部は、光学的に有効なままである。詳細には、微細構造部は、(詳細には、可視光に対する)回折格子として作用することができる。
構造部保持層には、特に、例えば、構造部保持層を有するレンズを、眼鏡レンズとして使用できるように、十分な光透過性が付与される。この場合、構造部保持層は、眼鏡レンズの表面に、保護層として留まることが好ましい。これにより、構造部保持層はまた、眼鏡店での次の作業工程(例えば、眼鏡レンズの縁付け)の間、並びに完成した眼鏡を着用する際、損傷及び汚染から微細構造部を保護することができる。
微細構造部から離れた方を向いている、構造部保持層の片面に、構造部保持層は、おおむね平滑な表面を有することが好ましい。この表面は、詳細には微細構造部の輪郭に沿っておらず、単に、製造すべきレンズ、特に眼鏡レンズの全体的な湾曲に沿っている。したがって、構造部保持層の、この実質的に平滑な表面は、損傷又は汚染にほとんど影響されない。その上、これにより、微細構造部の平坦でない表面には(容易に)設けられない可能性があるか、又は層の効果に悪影響を与える可能性があるさらなる層(例えば、反射防止層、トップコーティング、ハードコーティング)を、容易に設ける見込みが生じる。
構造部保持層が、保護層としてレンズに留まる場合、構造部保持層、及び構造部保持層の光学的特性−詳細には屈折率−は、微細構造部の設計中に、既に考慮されている。構造部保持層の屈折率と、(可視光用の)レンズ本体の屈折率との差は、少なくとも約0.05であることが好ましく、少なくとも約0.1であることが好ましく、少なくとも約0.15であることがより好ましく、少なくとも約0.2であることが最も好ましい。したがって、例えば、構造部保持層は、屈折率が約1.5である一方で、レンズ本体は、屈折率が約1.6であるという場合がある。別の例では、構造部保持層は、屈折率が約1.6である一方で、レンズ本体の屈折率は、約1.67であるという場合がある。より大きな屈折率の差を得るために、構造部保持層は、屈折率が約1.5である一方で、レンズ本体は、例えば、屈折率が1.67であってもよい。さらに大きな屈折率の差を得るために、レンズ本体に対する約1.74の屈折率と、構造部保持層に対する約1.5の屈折率との、例示的な組み合わせも可能である。
また、構造部保持層の材料が、光の可視範囲において、光学的に澄んでおり、かつ、−逆を望んでいない限り−均一に透明であれば好ましい。さらなるハードコーティングを塗布することができるため、構造部保持層自体は、特別硬質でなくてもよい。しかしながら、構造部保持層は、それでもやはり、さらなる処理に対する、十分な接着力、及び耐摩耗性を確実に有することが好ましい。構造部保持層の硬度が低いと、微細構造部の製造の簡略化が促進される。材料強度は、微細構造部を損傷することなく、レンズ本体を注入成形することができるように、十分に高くなければならない。
(例えば、フォトクロミックを有する/有さないTransshadeを使用する場合)硬度が高い必要はないが、好ましい実施形態(例えば、TS56Tを使用する場合)においては、保持層はまた、ハードコーティングとなる。
構造部保持層は、レンズ本体の方を向いている表面において、微細構造部の輪郭に沿っているが、この微細構造部は、レンズ本体から離れた方を向いている構造部保持層の面には再現されないことが好ましい。レンズ本体から離れた方を向いている構造部保持層の表面は、構造部保持層が、製造すべきレンズの対応する表面(したがって、例えば、球面、非球面であるが回転対称な表面、又は自由形状の表面)の形状に、構造部を再現することなく、実質的に(特に好ましくは等距離に)沿う幾何学的形状を有することが好ましい。また、微細構造部から離れた方を向いている面においては、平滑な構造部保持層、又は特別な要求(例えば、次の層の接着を向上させるための、規定された粗さ)を満たす構造部保持層が好ましい。
層の厚さは、使用される光の波長より大きくなるように選択されることが好ましい。しかしながら、他の(光学的な)効果が、(例えば、効果的な屈折率を生み出す)微細構造部によって得られるべき場合には、厚みは、これらの要求に従って設計され得る。構造部保持層は、厚さが、少なくとも約5μmであることが特に好ましく、少なくとも約20μmであることが好ましく、少なくとも約100μmであることが特に好ましく、少なくとも約200μmであることが最も好ましい。したがって、特に、構造部保持層内の干渉現象(主にファブリペロー干渉)が、効果的に抑制されるか、又は防止される。このことは、これらの層厚では、一般的な周囲光の通常のコヒーレンス長が、(少なくとも部分的に)層厚よりも短くなり、その結果として、干渉効果が、無視できるほどになるという事実によって説明できる。厚みを指定する場合、材料の安定性、並びに処理に関連する状況を考慮しなければならない。この結果、厚みが、500μmまで、又は、さらに1mm超といった、非常に大きなものとなる可能性がある。
既に述べたように、構造部保持層を準備することは、対応して微細構造化された注入成形モールド表面を有する注入成形モールドにより、構造部保持層を注入成形することを含むことが好ましい。したがって、構造部保持層は、2つの注入成形モールド間で、注入成形されることが好ましい。2つの注入成形モールドのうち1つは、構造部を有する。この方法の利点は、この方法により、幾何学的形状を、非常に正確に制御することが可能になることである。構造部保持層の厚みが十分に小さい場合、構造部保持層は、厚みのあるレンズより、かなり速く硬化する。このため、微細構造化された注入成形モールド表面を有する注入成形モールドの部分は、より早くに、再度使用できる。したがって、この結果、レンズのための従来の注入成形方法における、一般的な場合よりも、サイクルタイムがかなり短くなる。
潜在的に繊細な構造部保持層(フィルム)を保護するために、好ましい一実施形態において、構造部から離れた方を向いている構造部保持層の面に配置された注入成形モールドは、上述の支持基板として、構造部保持層の表面に留まる。その後、注入成形型(即ち支持基板)と、構造部保持フィルム(構造部保持層)とから作られるパケット(packet)は、ボリューム材料(レンズ本体)を注入成形するための注入成形モールドとして使用される。十分な安定性(又は厚さ)がある場合、構造部保持フィルムを、直接注入成形モールドとして、使用することもできる。
微細構造部を有する上述の注入成形モールドパケットから、及び、微細構造部から離れた方を向いている、製造すべきレンズの面の形状、又は製造すべきブランクの面の形状を再現する、従来の注入成形モールドから、注入成形パケットが作製されることが好ましい。その後、最初は液体のボリューム材料が、注入成形パケット、又は注入成形に適した装置に導入され、(例えば、モノマーの重合によって)硬化される。
硬化処理中の気泡の発生を避けるためには、ボリューム材料の注入成形パケットを、硬化中、水平位置に保つことが有効である場合がある。
さらに好ましい実施形態において、構造部保持層を準備することは、構造部保持層がパンチに付着するように、対応して微細構造化されたパンチが浸漬槽に入れられる浸漬処理を含む。さらに好ましい実施形態において、構造部保持層を準備することは、微細構造化された基板上に構造部保持層をへら絞り(spinning)すること及び/もしくはスパッタリングすること、並びに/又は、蒸着により、微細構造化された基板をコーティングすることを含む。構造部保持層の注入成形方法と同様に、構造部保持層は、詳細には、構造部保持層の厚みが十分に小さい場合に、厚みのあるレンズより、かなり速く硬化し得る。この結果、対応する微細構造化された工具(パンチ又は基板)のサイクルタイムが、その分短くなる。
さらに好ましい実施形態において、構造部保持層を準備することは、成形、詳細にはエンボス加工、及び/もしくは穿孔により、並びに/又は材料除去加工処理(例えば、ダイヤモンド切削)により、並びに/又はレーザアブレーションにより、並びに/又は射出成形により、微細構造部を形成することを含む。構造部保持層の硬度、又は材料強度に関して出される要求が、従来の微細構造化された注入成形モールドに関して出される要求より、全く厳しくないため、構造部保持層のための、十分に形成可能な材料を用いて、構造部保持層は、特にエンボス加工、射出成形、又は穿孔により、かなり容易に、かつコストに対する効果を高く、製造され得る。成形はまた、詳細には、熱により補助され得る。レーザ技術を利用する加工の場合(例えば、レーザアブレーション)には、構造部は、第2の処理において、平滑にされ得る。これは、レーザシステムによる溶融によって行われることが好ましい。
特に、構造部保持層が、保護層として、レンズ本体に留まる場合、本方法は、好ましくは注入成形後、詳細には、少なくともレンズ本体の部分硬化後に、微細構造部から離れた方を向いている構造部保持層の表面を機械加工(例えば、研削、研磨、粗面化)することを含む。
一態様において、本発明は、詳細には、構造部(例えば、回折微細構造部)が、製造すべきレンズのボリューム材料内に直接注入成形されず、その代わり、まず、スピーシ保持層(構造化された支持層)内に、凹部として注入成形され、ボリューム材料(レンズ本体)が、この層に面して、第2の工程で注入成形される際の、長いサイクルタイムに関する問題を解決する。構造部保持層が、特に、別個の材料システムを有するため、又はこれとは別の材料システムを、ボリューム材料に対しては他に使用できるため、かつボリューム材料にとってはおそらく適切ではない特別な方法(例えば、熱アシストによる重合、又はUVアシストによる重合)を、構造部保持層を硬化するために使用できるため、かつこの構造部保持層は、特に、ボリューム材料(通常数ミリメートル)よりかなり薄く(好ましくは1μm〜200μm)することができるため、それゆえに、構造部の注入成形中の硬化処理を、ボリューム材料内に直接注入成形するよりも、かなり速く(数時間から数日というよりむしろ数分)行うことができる。
好ましい実施形態において、構造部保持層は、ボリューム材料の注入成形後、保護層として維持される。したがって、構造部保持層は、(例えば、回折効果を生み出すために構造部を使用する場合に)屈折率の変化を起こすという仕事を実行でき、損傷及び/又は汚染から、構造部を保護するという仕事を実行することもできる。この手法の利点は、ボリューム材料(レンズ本体)を硬化させることが、2つの要素の、非常に強く、かつ光学的に無傷な接続という結果につながるということである。これは、特に、添加剤を投入できるという事実によって促進される。促進しなくても、添加剤は、構造化された注入成形モールドから製品を離すために必要である。また、2つの要素のうち、1つの要素における構造部の汚染、又は境界に沿った汚染を、直接つながっている配置によって、効果的に避けることができる。さらに、必要な処理工程が減少するため、この方法は、非常に経済的である。その後、構造部保持層は、個別のさらなる処理工程、又はすべての処理工程の間、保護部としての役割を果たすことができ、一連の処理において、適切なときに、取り除くことができる。代替形態として、構造部保持層はまた、例えば、眼鏡着用者によって使用されている間、製品の保護に必須の部分として、眼鏡レンズ内に一体化され得る。
好ましい実施形態において、微細構造化されたレンズを製造する方法は、微細構造部から離れた方を向いているボリューム材料(レンズ)の表面を加工することを含む。この工程では、微細構造部から離れた方を向いている面には、所望の表面の幾何学的形状、及び表面品質が付与される。この工程は、この面がさらなる処理を必要としない場合、詳細には省略され得る。これは、例えば、この面が、注入成形後に、所望の幾何学的形状及び品質を、既に有している場合である。
加工が行われる場合、ミリング−研削−研磨(従来のRGF)、又は「切断研磨」、又は旋削−研磨等の技法が、ここで使用されることが好ましい。このために、ブランクは、通常、固定される。このために、低融点金属合金と組み合わせた、接着フィルム又は特別なラッカー層、並びに接着フィルム、又は接着剤と組み合わせたベース支持体を使用できる。接着剤、又はラッカーを選択する場合、接着剤、又はラッカーが、ブランクをしっかりと保持するために、一方で、加工後、ブランクを、これらの層、又はボリューム材料を破壊することなく、構造部保持層から取り外すことができるように、十分な強度で、構造部保持層(又はボリューム材料、又は一時的な保護層)に接着することが、確認されるべきである。固定を解除した後、さらなる処理の前に、構造部保持層、又はボリューム材料は、必要に応じて、洗浄されるべき、かつ/又は、平滑にされるべきである。
別の好ましい実施形態において、構造部保持層は、固定を解除した後、レンズ本体から離される(取り外される)。このことは、ブロックと、構造部保持層との間の、非常に良好な機械的接続、したがって、レンズ全体、又はブランクの非常に良好な固着が、構造部保持層に対する永続的な損傷を避けることを気にする必要なく、固定のために達成され得る際に、特に有効である。詳細には、このことは、機構を接続すること、又は残留物なしに取り外すことができる材料を接続することに限定されない。
上述の好ましい実施形態のいくつかにおいては、構造部保持層は、いくつかの又はすべての、後続の処理工程の間、又は完成品に対してであっても、保護層として使用され得るが、他の好ましい実施形態においては、構造部保持層はまた、取り除かれる場合があり、したがって、レンズ本体を注入成形した直後(又は、レンズ本体が少なくとも部分的に硬化した後)に、レンズ本体から離される場合がある。構造部保持層を取り除くために、機械的方法(例えば、剥離)に加えて、化学的方法(例えば、酸性媒体又はアルカリ性媒体内での溶解、有機溶剤の使用、超音波による補助等)も使用できる。
特に、構造部保持層が、完成品(例えば、眼鏡レンズ)に留まることがなお意図されている場合、構造部層が、微細構造部から離れた方を向いている面における、レンズ本体(つまりレンズ本体)の注入成形後、直接的、又は間接的に、加工されることが好ましい。構造部保持層が、取り外されるべきか、又は維持されるべきかにかかわらず、代替的又は付加的に、微細構造部から離れた方を向いている、レンズ本体の面はまた、好ましくは類似した方式で、加工され得る。詳細には、さらなる層(例えば、接着剤層、ハードコーティング、AR層、撥水層、又は防汚層)を設けることができる。又は、レンズ(眼鏡レンズ)を、着色することができる。この工程は、さらなる層が所望されない場合、省略することができる。
特に、構造部保持層が、少なくとも一時的に、又は完成品にさえも、維持されるべき場合、微細構造部から離れた方を向いている、構造部保持層の面は、レンズ体の注入成形後の加工により、所望の表面の幾何学的形状、及び所望の表面品質を獲得する。この工程は、ボリューム材料の注入成形後、又は構造部から離れた方を向いているボリューム材料の表面の加工後に行われることが好ましい。以下の態様及び処理が、このための例として挙げられる。
表面品質(例えば、粗度)
これは、例えば、構造部保持層の上述の面における、表面の粗度に関するものである。したがって、表面は、所望の表面性状を獲得するために、機械的に、又は化学的に処理され得る(例えば、研磨される)。このような表面性状は、例えば、光学品質、設けるべき層を向上させるための固有の性質、又は硬度に関する場合がある。
幾何学的形状(形状及び厚さ)
ボリューム材料の、生成、構造化、注入成形、又は加工後の、構造部保持層の上述の面における幾何学的形状は、完成品における支持層の所望の表面と一致していなくてもよい。この場合、所望の幾何学的形状が、機械的処理、又は化学処理(例えば、研削、又はエッチング)により、個別の処理工程として、処理全体における適切な局面(例えば、支持層からモールドを外した後)で、実現されなければならない。このための例には、(構造部保持層を製造する場合の)へら絞り後に存在し得るような、輪郭の不明確な幾何学的形状が挙げられるであろう。また、構造部保持層は、注入成形の工程(ボリューム材料の注入成形)の間、又はモールドを外す間の安定性を高めるために、意図的に、厚さをより大きく製造され得る。製品用の、所望の注入成形モールドの他に、湾曲した注入成形モールド、又は平坦な注入成形モールドを使用することもまた、可能である。
本発明を、以下に、好ましい実施形態により、添付の図面を参照して説明する。
本発明の好ましい実施形態による方法を使用して製造された、第1の表面に、回折微細構造部を有するレンズ(眼鏡レンズ、又はレンズブランク)の概略図である。 本発明の好ましい実施形態による、製造方法の個別の方法工程を示す概略図である。
図1は、異なる効果、及び異なる表面曲率を示す眼鏡レンズ10の例を表している。眼鏡レンズ体12(レンズ本体)は、どの場合にも、前面14、及び背面16(眼側の表面)を有する。回折微細構造部18は、どの場合にも、前面14に形成される。回折微細構造部18の説明図は、完全に概略的なものと見なされるべきである。詳細には、微細構造部18のそれぞれは、比率が正確に図示されていない。通常、微細構造部18は、レンズ本体12より、かなり小さい。回折微細構造部の通常の寸法は、軸方向には(したがって、眼鏡レンズの厚さ方向には)、約0.3μm〜約5μmの範囲にわたり、側面方向には、約1μm〜約500μmの範囲にわたることが好ましい。左から右に順に、図1は、例として、凸面のベース湾曲(前面14)を有するプラスレンズ、凸面のベース湾曲(前面14)を有するマイナスレンズ、平面のベース湾曲(前面14)を有するプラスレンズ、及び平面のベース湾曲(前面14)を有するマイナスレンズを示す。
本発明による方法の実施形態に従い、図1の眼鏡レンズ10は、最終製品、又は中間製品(例えば、ブランク)と見なされ得る。そして、図1は、構造部保持層20を有する眼鏡レンズ10を示している。構造部保持層20は、レンズ本体12の前面14に配置される。構造部保持層20は、最終製品の保護層として、元の場所に留まることが可能であり、又は、ブランクのさらなる加工の間、少なくとも一時的に、その場に留まることが可能である。又は、注入成形後、もしくはレンズ本体の(少なくとも部分的)硬化後、直接的に、又は間接的に取り除かれる。微細構造部18と同様に、図1の構造部保持層20は、比率が正確に示されていない。構造部保持層は、レンズ本体12より、かなり薄いことが好ましい。したがって、構造部保持層20は、約1mmより薄いことが好ましく、約0.5mmより厚みがないことがより好ましく、約0.2mmより厚みがないことがさらに好ましい。いくつかの好ましい実施形態において、構造部保持層は、約0.1mmより厚みがなく、又は、約50μmの厚みさえない。しかしながら、構造部保持層20は、少なくとも微細構造部18の輪郭を完全に定めるのに十分に厚く、これによりレンズ本体12を注入成形するための、注入成形モールド表面としての役割を果たすことが好ましい。
したがって、まず、内部に微細構造部18が形成された構造部保持層20が製造され、その後、構造部保持層に対して、レンズ本体を注入成形する。好ましい実施形態において、構造部保持層20は、後に、レンズ本体12から取り除かれる。別の好ましい実施形態において、構造部保持層20は、眼鏡レンズブランクのさらなる処理全体の間、詳細には完成した眼鏡レンズに対してまで、詳細には完成した眼鏡に対してまで、レンズ本体12の表面に留まり、微細構造部18を覆い、したがって微細構造部18を保護する。
図2は、本発明の好ましい実施形態による、少なくとも1つのレンズ面に微細構造部を有するレンズを製造する方法を、概略的に示している。この好ましい実施形態では、構造部保持層はまず、構造部保持層が、片面に、製造すべきレンズの微細構造部の凹部を有するように、微細構造化された一次注入成形モールドにより、ステップST10において注入成形される。微細構造化された一次注入成形モールドは、実質的に、製造すべきレンズの微細構造部の凸部を有する。
さらなるステップST12において、このように注入成形された構造部保持層は、少なくとも微細構造化された面における構造部保持層の硬化の後、モールドを外される。(微細構造部から離れた方を向いている、構造部保持層の面の)他のシェルモールドは、構造部保持層の安定化のために、支持基板として、元の場所に留まることが好ましい。したがって、構造部保持層は、支持基板と共に、微細構造化された第1の注入成形シェルモールドを形成する。続いて、微細構造化された第1の注入成形シェルモールドは、詳細には、微細構造化されていない第2の注入成形シェルモールドと共に、二次注入成形モールドを形成する。二次注入成形モールドにより、製造すべきレンズのレンズ本体が、注入成形され得る。これは、今度は、ステップST14において行われる。
レンズ本体が硬化した後、結果として得られたレンズ、又はレンズブランクは、ステップST16において、モールドを外される。このために、詳細には微細構造化されていないシェルモールドが、レンズ本体から取り外され、支持基板が、構造部保持層から取り外される。ここでは、構造部保持層が、レンズ本体に接続されたままであることが好ましい。別の好ましい実施形態において、(詳細には、支持基板と共に)構造部保持層は、レンズ本体から離される場合もある。
図2に示された好ましい実施形態では、方法はまた、微細構造部から離れた方を向いているレンズ本体の面(詳細には、製造すべき眼鏡レンズの背面)における、及び/又は構造部保持層(詳細には、製造すべき眼鏡レンズの前面)における、さらなる処理操作のステップST18を含む。この処理操作は、詳細には、眼鏡レンズの背面、特に、個別に製造される累進レンズの背面の機械加工、詳細には、ミリング、及び/又は研削、及び/又は研磨を含む。このために、保持要素(ブロック)が、微細構造部から離れた方を向いている、構造部保持層の表面に固定され、これにより、レンズブランク(眼鏡レンズブランク)が、正確に保持される、又は正確に操作されることが好ましい。ブロックは、詳細には、ブロックが使用されるすべての加工工程が完了した後に、取り除かれる。代替的又は付加的に、ステップST18のさらなる処理操作は、特に、1つ以上のさらなる機能層を付着させることによる、詳細には、ハードコーティング、並びに/又は接着剤層、並びに/又はAR層、並びに/又は疎水層及び/もしくは疎油層、並びに/又は着色層による、レンズ(眼鏡レンズ)の精製を含む。この(これらの)さらなる層(複数の層)が、眼鏡レンズの背面(第2の表面)にのみ付着すべき場合、このことは、眼鏡レンズブランクが、依然として固定されている間も実行できる。しかしながら、前面のさらなるコーティングがなされるべきならば、このさらなるコーティングは、構造部保持層に、直接的に、又は間接的に塗布されることが好ましい。
特に、眼鏡レンズを製造する場合、眼鏡レンズにはさらに、縁が付けられる。ここで、構造部保持層は、このために、及びそれに続く眼鏡レンズの使用のために、保護層として、無傷のまま、さらに残ることが好ましい。
以下に、レンズ本体、及び構造部保持層のために好ましい材料の具体例を明記する。(詳細には、眼鏡レンズの場合の)構造部保持層が、保護層として、最終製品に維持されるべき場合、これらの材料が、特に有効である。レンズブランクから得られる、レンズ本体、したがって、製造すべきレンズの主要部分には、詳細には、以下の材料が適している。
−Perfalit 1.5
−−化学名:ポリエチレングリコールビス(アリルカーボネート)
−−主成分は、PPG製のCR 39 (Columbia Resin 39)。
−−屈折率1.5;アッベ数58
−−熱硬化性
−PCM 1.54(フォトクロミック)
−−化学名:ポリエチレングリコールジメタクリレート等を含む共重合体
−−屈折率1.54;アッベ数43
−−熱硬化性
−ポリカーボネート
−−屈折率1.59;アッベ数29
−−全く破損せず。(スポーツ部門及び子ども部門)
−−耐溶剤性が低い。(アルコール、アセトン)
−−熱可塑
−Perfalit 1.6
−−化学名:ポリチオウレタン
−−屈折率1.60;アッベ数41
−−熱硬化性
−Perfalit 1.67
−−化学名:ポリチオウレタン
−−屈折率1.67;アッベ数32
−−熱硬化性
−Perfalit/Cosmolit 1.74
−−化学名:ポリエピスルフィド
−−屈折率1.74;アッベ数約32
−−熱硬化性
詳細には、1つ以上の上述の好ましい、レンズ本体の材料と組み合わせて、1つ以上の以下の材料が、構造部保持層に使用されることが好ましい。
−株式会社トクヤマ製のTS56T
屈折率1.49を有するこのラッカーは、従来の眼鏡レンズ、好ましくはPerfalit 1.5に使用される。液浸処理を経て、約2.2μmの厚みを得ることが好ましい。
−SDC Technologies製のIM−9200
このラッカーは、屈折力が1.585〜1.605の間にあり、従来の眼鏡レンズの場合、好ましくは表面活性化の後、Perfalit 1.6、及びPerfalit 1.67に塗布される。浸漬処理を経て、約2.8μmの厚みを達成することが好ましい。1.5μm〜3.2μmの変形が可能である。
−株式会社トクヤマ製のTranshade
これは、フォトクロミックラッカーシステムであることが好ましい。30μm〜50μmの厚みが、スピンコーティングによって達成されることが好ましい。通常の厚みは、約39μmである。その上、200μmより大きい厚みが達成できる注入成形処理がまた、利用され得る。このラッカーはまた、フォトクロミック着色を用いなくとも得られ、熱によって、かつUV照射によっても、硬化され得る。
−PPG製のHi Guard 1080、及び株式会社トクヤマ製の製品
これらのラッカーは、Perfalit 1.5に塗布するために、株式会社トクヤマ製のTS56T (3)の代替品として使用され得る。
−石英ガラス
射出成形に特に適している、構造部保持層のためのさらに好ましい材料は、ポリカーボネート、及びPMMAである。射出成形に適した他の材料はまた、射出成形を利用する好ましい実施形態において使用され得る。したがって、構造部保持層に関する、上述の好ましい提供された内容の意味における「注入成形」には、詳細には射出成形も含まれる。
可能な限り低い屈折率(低屈折率n)を有する構造部保持層を、可能な限り高い屈折率(眼鏡レンズ体、詳細には微細構造部を有する眼鏡レンズ体の高屈折率n)を有するレンズ本体の材料と組み合わせることが、特に好ましい。これにより、可能な限り大きな屈折率の変化が達成される。好ましい組み合わせは、例えば、n=1.5に対して、n=1.6、又はn=1.67、又はn=1.74等であり、n=1.6に対して、n=1.67、又はn=1.74等もあり、n=1.67に対して、n=1.74等もある。特に好ましいのは、屈折率におけるより大きな差異、詳細には、少なくとも0.2以上の差異を有する組み合わせである。
10 眼鏡レンズ(ブランク)
12 眼鏡レンズ体(レンズ本体)
14 眼鏡レンズの前面(ベース湾曲)
16 眼鏡レンズの背面
18 微細構造部
20 構造部保持層

Claims (8)

  1. 少なくとも1つのレンズ面に、微細構造部を有する眼鏡レンズを製造する方法であって、
    −表面に微細構造部を有し、且つ1mm以下の最大厚さを有する構造部保持層を準備する工程であって、前記微細構造部を形成するために、前記構造部保持層が、前記微細構造部から離れた方を向いている面が、支持基板に接した状態で配置され、前記支持基板が、前記構造部保持層と共に、前記レンズ本体を注入成形するための注入成形シェルモールドとして使用される、前記構造部保持層を準備する工程と、
    −前記構造部保持層の前記微細構造部に対して、前記眼鏡レンズのレンズ本体を注入成形する工程と、
    前記レンズ本体の前記注入成形後に、前記構造部保持層から前記支持基板を取り外す工程であって、一方で、前記構造部保持層が前記レンズ本体に留まる、前記支持基板を取り外す工程と、を含む、
    方法。
  2. 前記構造部保持層が、前記レンズ本体の厚さよりも小さい厚さを有する、請求項に記載の方法。
  3. 前記構造部保持層が、前記レンズ本体の屈折率とは異なる屈折率を有する、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記構造部保持層を準備する工程が、対応して微細構造化された注入成形モールド表面を有する注入成形モールドにより、前記構造部保持層を注入成形することを含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記構造部保持層を準備する工程が、前記構造部保持層がパンチに付着するように、対応して微細構造化された前記パンチが浸漬槽に入れられる浸漬処理を含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記構造部保持層を準備する工程が、微細構造化された基板上に前記構造部保持層をへら絞りすること及び/もしくはスパッタリングすること、並びに/又は、蒸着により、微細構造化された基板をコーティングすることを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記構造部保持層を準備する工程が、エンボス加工及び/もしくは穿孔により、並びに/又は材料除去加工方法により、並びに/又はレーザアブレーションにより、前記微細構造部を形成することを含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記レンズ本体の前記注入成形後に、前記微細構造部から離れた方を向いている、前記構造部保持層の前記表面を機械加工する工程を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
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