JP6188669B2 - 走査型内視鏡装置 - Google Patents

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Description

本発明は、照明光を走査して内視鏡画像を取得する走査型内視鏡装置に関する。
近年、医療分野等において照明光を走査する内視鏡が広く用いられるようになっている。また、光ファイバによって導光した光を観察部位等の被写体上を2次元的に走査させ、その反射光を受光して画像化する走査型内視鏡も提案されている。
また、走査型内視鏡により画像を取得するため光ファイバの先端を2次元的に走査する場合、例えば、特開2012−143265号公報に開示されているように2軸アクチュエータを用いて渦巻き状(スパイラル状)に走査する場合がある。
上記公報の従来例は、歪みの少ない画像を生成、又は製品固有の特性が原因で発生する走査誤差量を簡易に計算することができるように、光源から射出された光を所定の走査範囲内で周期的に走査する走査装置と、走査光の走査位置及び光量を検出する光検出手段と、検出された走査位置及び光量に基づいて前記走査範囲内の走査光の光量分布をヒストグラム化するヒストグラム化手段と、前記ヒストグラムを所定のマスタヒストグラムと比較する比較手段と、前記比較結果に基づいて前記走査装置の製品固有の特性に起因する走査誤差量を計算する走査誤差量計算手段と、を有するキャリブレーション装置を開示している。
そして、走査範囲を複数のベルト状領域に分割して、ヒストグラム分布を算出し、算出したヒストグラム分布を基準となるマスタヒストグラムと比較して、走査装置と光検出手段との相対的な位置を調整するようにしている。
特開2012−143265号公報
しかしながら、上記従来例は、走査誤差が発生した場合、走査誤差を低減するように調整することが簡単に出来難い欠点がある。例えば、あるベルト状領域におけるヒストグラムがマスタヒストグラムの場合に比較して小さい場合には、ヒストグラムが大きくなるように調整すれば良いことが分かるが、そのベルト状領域に含まれいずれのスポット光を調整すれば良いかが分からない。
アクチュエータ等による望ましい渦巻き状の走査特性が、経年変化等により、変化したような場合には、歪みを含む画像が取得されるため、画像が歪みを含むか否か(換言すると渦巻き状の走査特性が歪みを含むか否か)を簡単に判定でき、歪みを含む場合には、歪みを補正することにより画質を向上した画像を生成することができる走査型内視鏡装置が望まれる。
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、画像が歪みを含むか否かを簡単に判定でき、歪み補正した画像を生成することができる走査型内視鏡装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の走査型内視鏡装置は、光源部から発する照明光を観察対象における所定の経路上で走査する走査型光プローブと、前記走査型光プローブにより照明光が走査された前記観察対象からの戻り光を検出し、前記照明光の走査位置に応じた検出信号を生成する信号生成部と、前記信号生成部において生成された複数の検出信号を前記走査位置に対応した座標上に配置する配置部と、所定のライン上に沿って間欠的に所定数設けられたマーカを有するマーカ部を前記観察対象とした際に、前記所定数のマーカに対するマーカ検出信号から、前記所定のライン上に設けた前記所定数の前記マーカの計数値を計数する計数部と、前記計数部において計数された前記マーカの計数値に基づき前記配置部による前記複数の検出信号の前記座標上の配置を補正した観察画像を生成する画像生成部と、を有する。
本発明によれば、画像が歪みを含むか否かを簡単に判定でき、歪み補正した画像を生成することができる。
図1は本発明の第1の実施形態の走査型内視鏡装置の全体構成を示す図。 図2は図1におけるA−A線断面によりアクチュエータの構成を示す図。 図3はアクチュエータ素子を駆動する駆動信号の波形を示す図。 図4はマーカ装置を用いてドット状のマーカを計測する構成を示す図。 図5は水平方向と垂直方向の直線ライン上に設定した複数のマーカを示す図。 図6Aは水平方向のマーカを渦巻き状の走査により検出し、歪み判定等の処理を行う処理内容を示すフローチャート。 図6Bは垂直方向のマーカを渦巻き状の走査により検出し、歪み判定等の処理を行う処理内容を示すフローチャート。 図7は図6Aの動作の説明図。 図8は図6Bの動作の説明図。 図9は図7のマーカ全体をX軸方向にΔh移動した補正用のマーカを設定し、検出信号を抽出する場合の説明図。 図10は補正用のマーカにより閾値以上の検出信号を抽出した場合、照射位置を補正する動作の説明図。 図11は第1変形例に係り、第1の実施形態における水平及び垂直方向の他に、斜め方向の直線ライン上に複数のマーカを設定した様子と、斜め方向のマーカに対する検出信号を抽出する動作等を示す説明図。 図12は第2変形例の動作の説明図。 図13は第2変形例の処理内容を示すフローチャート。 図14は第3変形例の処理内容を示すフローチャート。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1に示すように本発明の第1の実施形態の走査型内視鏡装置1は、走査型光プローブを形成する走査型内視鏡2と、走査型内視鏡2が着脱自在に接続される本体装置(又は走査型内視鏡制御装置)3と、本体装置3に接続される表示装置としてのモニタ4と、を有する。
走査型内視鏡2は、被検体5の体内又は体腔内に挿入可能な細長の形状及び可撓性を備える挿入部6を有し、挿入部6の基端(後端)には、走査型内視鏡2を本体装置3のコネクタ受け8に着脱自在に接続するためのコネクタ7が設けられている。
また、挿入部6は、硬質の先端部11と、その後端からコネクタ7に延びる、可撓性
を有する可撓管部12と、を有する。なお、先端部11と可撓管部12との間に、湾曲自在の湾曲部を設け、可撓管部12とコネクタ7との間に湾曲部を湾曲する操作ノブ等を設けた操作部を設けるようにしても良い。
先端部11は、硬質の筒状部材としての円筒部材13を有し、この円筒部材13の後端に可撓性の円筒チューブの先端が連結され、この円筒チューブの後端は、コネクタ7に固定されている。
挿入部6内には、照明光を導光する導光部材を形成する光ファイバ15が挿通され、この光ファイバ15の基端(後端)は、コネクタ7において本体装置3内部の光ファイバ15bと接続される。そして、本体装置3内部の光源部を形成する光源ユニット31で発生した照明光が光ファイバ15bを経て光ファイバ15の基端に入射される。光ファイバ15により導光された照明光は、光ファイバ15の先端面から、該先端面に対向して円筒部材13の先端に取り付けられた集光する照明レンズ16を経て、被検体5内の観察対象となる検査部位等に向けて照明光が出射される。
円筒部材13の内側には、光ファイバ15の先端側を、該光ファイバ15の長手方向(図1ではZ軸方向)と直交する方向に揺動する如くに駆動する駆動部を形成するアクチュエータ17が配置されている。このアクチュエータ17は、挿入部6内を挿通された駆動線を介して本体装置3内部の駆動ユニット32から駆動信号(又は駆動電圧)が印加されることにより、長手方向に伸縮する。
このアクチュエータ17は、その基端が保持部材19により保持され、この保持部材19の円板状の外周面は円筒部材13に固定されている。光ファイバ15とアクチュエータ17は、接合部材としてのフェルール20(図2参照)により接合されている。
図2は図1のA−A線断面によりアクチュエータ17の周辺部の構成を示す。図2に示すように(円筒部材13における)中心軸Oに沿って配置される断面が正方形の直方体形状の硬質の接合部材としてのフェルール20は、例えば、ジルコニア(セラミック)またはニッケル等により形成されている。
フェルール20は、中心軸Oに沿って光ファイバ15が固定され、Z軸と直交するY軸方向(紙面の上下方向)の両側面と、X軸方向(紙面の左右方向)の両側面とにアクチュエータ17を形成するアクチュエータ素子17a、17bと17c、17dが取り付けられている。
各アクチュエータ素子は、例えば圧電素子により構成され、駆動信号の印加により、長手方向(図1においてZ軸方向)に伸縮する。従って、基端が保持又は固定された状態で、例えばアクチュエータ素子17a,17bに(一方を伸張、他方を収縮させる)駆動信号(又は駆動電圧)を印加することにより、図1において点線で示すように光ファイバ15の先端側を上下方向に揺動させることができる。
また、この保持部材19の基端側は、円筒部材13の基端に嵌合して接着剤等により固定されている。
図3は、アクチュエータ素子17c,17dと17a,17bに印加される駆動信号の電圧波形を示し、その場合、光ファイバ15の先端は図7(A)、図8(A)に示すように渦巻き形状の経路(又は軌跡)を描く。図3に示すようにX方向とY方向への駆動信号の位相は90°ずれた状態でアクチュエータ素子17c,17dと17a,17bに印加され、電圧が時間と共に少しずつ変化させることにより、光ファイバ15の先端は円形から渦巻き形状の軌跡を描くようになる。なお、図3における走査開始近傍においては、90°とは異なる位相ずれとなる。
図1に示すように円筒部材13及び円筒チューブの外周面に沿って、被写体により反射された照明光を受光するための受光用光ファイバ23がリング状に複数本、配置され、受光用光ファイバ23により受光された(観察対象からの戻り光又は反射)光は、コネクタ7を経て本体装置3内部の受光用光ファイバ23bに導光される。この受光用光ファイバ23bに導光された光は、検出ユニット33に入射され、電気信号に変換される。
リング状に配置された受光用光ファイバ23は、可撓性を有する外装部材24により覆われ、保護されている。
また、各走査型内視鏡2には、アクチュエータ17により、光ファイバ15の先端を渦巻き形状の所定の走査パターンに沿って駆動させるための駆動データ及び駆動した場合の照射位置(走査位置又は走査スポット位置)に対応する座標位置データ等の情報を格納したメモリ25を有する。このメモリ25に格納された情報は、コネクタ7の接点、信号線を経て本体装置3内部のコントローラ34に入力される。コントローラ34は、入力された上記情報を例えばメモリ35に格納し、メモリ35に格納した情報を参照して、光源ユニット31や駆動ユニット32を制御する。
本体装置3は、光源ユニット31と、駆動ユニット32と、検出ユニット33と、本体装置3の各ユニットを制御するコントローラ34と、コントローラ34と接続され、各種の情報を格納するメモリ35と、を有する。また、本体装置3には、ユーザが各種の入力指示を行う入力装置36が接続されている。
光源ユニット31は、赤色の波長帯域の光(R光とも言う)を発生するR光源31aと、緑色の波長帯域の光(G光とも言う)を発生するG光源31bと、青色の波長帯域の光(B光とも言う)を発生するB光源31cと、R光、G光及びB光を合波(混合)する合波器31dと、を有する。
R光源31a、G光源31b及びB光源31bは、例えばレーザ光源等を用いて構成され、コントローラ34の制御によりオンされた際に、それぞれR光、G光、B光を合波器31dへ出射する。コントローラ34は、R光源31a、G光源31b及びB光源31bの離散的なパルス発光を制御する中央演算装置(CPUと略記)などから構成される発光制御部34aを有する。
コントローラ34の光源制御部34aは、R光源31a、G光源31b及びB光源31bに対して同時にパルス的に発光させる制御信号を送り、R光源31a、G光源31b及びB光源31bは同時にR光、G光、B光を発生し、合波器31dへ出射する。
合波器31dは、R光源31aからのR光と、光源31bからのG光と、光源31cからのB光と、を合波して光ファイバ15bの光入射面に供給し、光ファイバ15bは、合波されたR光、G光、B光を照明光として光ファイバ15に供給する。
駆動ユニット32は、正弦波に近いデジタルの交流信号を発生する信号発生器32aと、信号発生器32aにより発生したデジタルの交流信号の位相を90°シフトする位相シフト回路32bと、スイッチ32c、32dと、デジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換器32e、32fと、アナログ信号を増幅して、90°位相が異なる駆動信号を出力するアンプ32g及び32hと、を有する。
信号発生器32aは、光ファイバ15の先端をY軸方向に走査(振動)させるための交流信号を発生し、この交流信号はスイッチ32cを経てD/A変換器32eによりアナログの交流信号に変換され、アンプ32gにより増幅されてY軸方向に走査(振動)させる駆動信号となる。
また、Y軸方向に走査(振動)させる交流信号は、位相シスト回路32bにより90°ずれたX軸方向に走査(振動)させる交流信号となり、この交流信号はスイッチ32dを経てD/A変換器32fによりアナログの交流信号に変換され、アンプ32hにより増幅されたX軸方向に走査(振動)させる駆動信号となる。
アンプ32g及び32hから出力される駆動信号は、図3に示した波形となり、アクチュエータ素子17c,17dと17a,17bにそれぞれ印加される。
そして、光ファイバ15の先端は、図7(A)等に示すように渦巻き形状の走査軌跡を形成するように走査される。なお、図7(A)においては、基準の設定状態にセットされたマーカ板52のマーカ53を走査した場合を示しているが、被検体5内の観察対象側においても同様に渦巻き形状の走査軌跡(走査経路)を形成する。
駆動ユニット32は、コントローラ34内の走査制御部(または駆動制御部)34bにより制御される。本実施形態においては、スイッチ32c、32dにおける一方のみをONにすることにより、光ファイバ15の先端から出射される光をX軸方向、又はY軸方向に沿って走査させることができるようにしている。そして、図4に示すようにマーカ装置51を用いる場合において走査型内視鏡2の位置決めを精度良く行うことができるようにしている。
検出ユニット33は、分波器33aと、検出器33b、33c及び33dと、A/D変換器33e、33f及び33gと、を有する。
分波器33aは、ダイクロイックミラー等を有し、受光用光ファイバ23bの光出射端面から出射された戻り光をR(赤)、G(緑)及びB(青)の色成分毎の光に分離して検出器33b、33c及び33dへ出射する。
検出器33b、33c及び33dは、フォトダイオード等の光検出器により構成され、分波器33aから出力されるR光の強度、G光の強度、及びB光の強度をそれぞれ検出し、当該検出したR光、G光及びB光の強度にそれぞれ応じたアナログのR,G,B検出信号を生成し、A/D変換器33e、33f、及び33gへ出力する。
A/D変換器33e、33f、及び33gは、検出器33b、33c及び33dからそれぞれ出力されたアナログのR、G及びB検出信号を、それぞれデジタルのR、G及びB検出信号に変換してコントローラ34内の画像処理部41へ出力する。画像処理部41は、図4に示すように構成されている。
検出信号は、画像処理部41内に設けた配置部を形成するXYマッピング回路42内のメモリ43に格納される。この場合、メモリ43には、照明光の各照射位置(又は照明光をパルス発光した走査位置)にそれぞれ対応付けられて各検出信号が格納される。
そして、図4に示すマーカ装置51を用いない通常の使用時においては、画像処理部41は、メモリ43に格納された検出信号及び対応する照射位置の情報を用いて画像を生成し、モニタ4において表示する。
これに対して、図4に示すようにマーカ装置51を用いる場合には、基準の走査対象となるマーカ53を検出した場合のマーカ検出信号(単に検出信号とも言う)に基づいて、上記配置部を形成するXYマッピング回路42内のメモリ43に格納された照射位置(又は走査位置)の座標位置を変更(又は補正)して画像を生成する。
つまり、本実施形態においては、画像処理部41は、図4に示すマーカ装置51を用いて歪み補正した画像としての観察画像を生成する観察画像生成部の機能を有する。そして、歪み補正した画質の良い観察画像を生成することができるようにしている。
図1に示すメモリ35は、本体装置3の制御を行うための制御プログラム等を予め格納している。また、メモリ35は、上述したように本体装置3のコントローラ34により、メモリ25から読み込まれた座標位置の情報が格納される。
コントローラ34は、CPU等を用いて構成され、メモリ35に格納された制御プログラムを読み出し、当該読み出した制御プログラムとメモリ25から読み出した情報に基づいて光源ユニット31及び駆動ユニット32の制御を行う。
図4はマーカ装置51を用いて歪みの有無を検出すると共に、検出結果に基づいて歪み補正した画像を生成する構成の説明図を示す。
図4に示すように走査の歪みを検出するためのマーカ装置51を有し、マーカ装置51を構成するマーカ板52は、直交する2つの直線ラインLh、Lvに沿って間欠的に所定数のドット状のマーカ53が設けられている。2つの直線ラインLh、Lvは、第1の直線と第2の直線を形成する。そして、マーカ53を走査型内視鏡2により検出するように走査し、走査した場合の検出信号に基づいて画像処理部41は歪みを検出(又は判定)すると共に、検出した検出信号に基づいて画像を生成する場合の照射位置を補正する処理を行う。
図4に示すマーカ板52は、その前面に直線ラインLh,Lvに沿って反射率が高いドット状のマーカ53を基準となる所定の間隔で設けたマーカ部54が形成されている。図5は、マーカ板52を正面から見た場合のマーカ53を示す。
図5に示すように、直交する直線ラインLh,Lvに沿ってそれぞれ設けられたマーカ53の間隔は、予め基準となる駆動信号を用いて、基準の走査型内視鏡(図4の走査型内視鏡2と同じ特性で、かつ基準として使用される高精度のもの)のアクチュエータを駆動し、マーカ板52を渦巻き状に走査した場合、直線ラインLh,Lvをそれぞれ通る(クロス)タイミングにおいて照射した際の光スポットの照射位置となる基準位置にそれぞれドット状のマーカ53が形成されている。
従って、基準の走査型内視鏡と同じ特性の走査型内視鏡2を用いた場合においては、直線ラインLh,Lvをそれぞれ通る(クロス)タイミングにおいてパルス発光させると、(走査型内視鏡2の先端から所定の距離の)マーカ板52におけるマーカ53を照射するように光スポットを形成することになる。工場から出荷される走査型内視鏡2は、基準の走査型内視鏡の特性から許容される範囲内のずれを含む特性に設定される。
実際に使用される走査型内視鏡2は、使用環境により温度や、経年変化等により特性が変動する場合がある。本実施形態においては、以下に説明するように、上記マーカ板52を用いて反射された光の検出信号における閾値以上となる検出信号の計数値から、(当該検出信号の状態で)生成される画像が歪みを含むものであるか否かを簡単に判定できるようにしている。
上記マーカ板52は、その裏面の中心位置がX、Y軸方向に移動自在となるXYステージ55に、アーム56を介して保持されている。
図4に示す状態においては、直線ラインLh、Lvは、水平又は横方向(X軸方向)と垂直又は縦方向(Y軸方向)に設定されている。
なお、マーカ板52におけるマーカ53以外の部分は、マーカ53の反射率に比較して十分に小さい反射率に設定されている。従って、マーカ53に光を照射した場合の検出信号と、マーカ53を外れたマーカ板52におけるマーカ53を外れた背景部分に光を照射した場合の検出信号とにおいては輝度値に大きな差異が発生する。
マーカ53を用いる場合(歪み検出の判定を行う場合)には、マーカ53を用いない通常の走査により通常の画像を生成する場合と同様に駆動ユニット32の駆動信号により渦巻き状に走査することを行うが、発光制御部34aは、通常の画像を生成する場合(つまりメモリ25等に予め格納されている所定の照射位置のタイミングでパルス発光させる場合)とは異なるタイミングで以下のようにパルス発光させる。
駆動ユニット32の駆動信号によりアクチュエータ17が光ファイバ15の先端(又は基準被写体となるマーカ板52上)を渦巻き状に走査する場合、発光制御部34aは、垂直方向(Y軸方向)に駆動(走査)する駆動信号(Y駆動信号とも言う)と、水平方向(X軸方向)に駆動(走査)する駆動信号(X駆動信号とも言う)との両駆動信号におけるY駆動信号が0を交差(0クロス)するタイミングでパルス発光するように制御する。
このようにパルス発光させることにより、渦巻き状に走査した場合においてもY駆動信号が0を交差(0クロス)するタイミングでパルス発光させることによりその照射位置(スポット照射位置)はX軸上の位置の位置となり、理想的な走査型内視鏡を使用した場合には、その照射位置はX軸上に配置したマーカ53の位置となるように設定されている。Y軸上に配置したマーカ53を検出する場合には、発光制御部34aは、X駆動信号が0を交差(0クロス)するタイミングでパルス発光させるように制御する。
また、このようにパルス発光させた場合、受光用光ファイバ23を介して検出したマーカ53で反射された光を受光した信号は、検出ユニット33を経て検出信号となり、ラインに沿ったラインデータとしての検出信号列を生成するラインデータ生成部を形成するラインプロファイル回路44内の信号抽出回路45に入力される。信号抽出回路45は、各照射タイミング毎に(マーカ53で反射された場合とマーカ53以外の部分で反射された場合の)検出信号をマーカ検出信号格納部を形成するメモリ46に格納(記憶)する。
なお、メモリ43とメモリ46を1つのメモリに統合しても良い。メモリ46に格納された検出信号は、計数部を形成する計数回路47に入力され、計数回路47は閾値回路47aの閾値Vthを用いて閾値Vth以上の検出信号を計数し、歪み判定部を形成する歪み判定回路48に出力する。歪み判定回路48は、閾値Vth以上の検出信号の数、又は計数値が、所定の数以上となる許容値未満となる歪みが小さいか否かの判定を行う。なお、計数対象となるマーカの数に対する計数値の割合が所定の割合以上となるか否かにより許容値未満となる歪みが小さいか否かの判定を行うようにしても良い。
歪みが(許容値未満となる)小さいと判定した場合には、(歪み補正の必要無しと判定し)メモリ43の検出信号を補間回路49によりラスタスキャンの画像信号に補間(変換)する補間処理して観察画像を生成し、モニタ4に出力する。
一方、歪みが許容値以上に大きいと判定した場合には、メモリ46の検出信号に基づいて、該検出信号の座標位置を補正すると共に、メモリ43の座標位置を補正する補正処理を補正回路50により行う。そして、メモリ43における座標位置が補正された検出信号は、補間回路49により上記と同様に補間処理された観察画像となり、モニタ4に出力される。
本実施形態の走査型内視鏡装置1は、光源部を形成する光源ユニット31から発する照明光を観察対象における所定の経路上で走査する走査型光プローブを形成する走査型内視鏡2と、前記走査型光プローブにより照明光が走査された前記観察対象からの戻り光を検出し、前記照明光の走査位置に応じた検出信号を生成する信号生成部を形成する検出ユニット33と、前記信号生成部において生成された複数の検出信号を前記走査位置に対応した座標上に配置する配置部を形成するXYマッピング回路42と、所定のラインとしての直線ラインLh,Lv上に沿って間欠的に所定数設けられたマーカ53を有するマーカ部54を前記観察対象とした際に、前記所定数のマーカ53に対する複数のマーカ検出信号から、前記所定のライン上に設けた所定数の前記マーカ53の数を計数する計数部を形成する計数回路47と、前記計数部において前記複数のマーカ検出信号により計数された前記マーカ53の計数値に基づき前記配置部による前記複数の検出信号の前記座標上の配置を変更した観察画像を生成する画像生成部を形成する補正回路50と、を有することを特徴とする。
次に本実施形態の動作を説明する。図6Aは、本実施形態におけるマーカ53を用いた場合の画像処理部41の代表的な処理を示す。
最初のステップS1aにおいてラインプロファイル回路44の信号抽出回路45は、光ファイバ15の先端を螺旋状に走査した場合における水平方向に配置したマーカ53に対する検出信号Dhiを取得し、メモリ46に格納する処理を行う。
ここで、検出信号Dhiにおけるパラメータiは、水平方向に配置したマーカ53を螺旋状に走査した場合に順次検出される番号を表し(i=1,2,…,Nht)、水平方向に配置した(中央のマーカ53を除外した)走査対象となるマーカ53の全数Nhtが最大の番号となる。
直線ラインLh,Lvが交差する中央(交差点)に配置されたマーカ53は、マーカ装置51に対する走査型内視鏡2の位置決めに用いられる。例えば、図4に示すようにマーカ板52に対向するように走査型内視鏡2をセットし、駆動信号を出力しない(換言すると両駆動信号の電圧が0の)状態で光を照射した場合の照射位置が中央のマーカ53の位置となるように走査型内視鏡2(又はマーカ装置)を調整する。
また、スイッチ32dのみをONした状態で駆動信号をアクチュエータ17に印加し、光の照射位置がX軸上を走査するように走査型内視鏡2(又はマーカ装置)を調整する。同様にスイッチ32cのみをONした状態で駆動信号をアクチュエータ17に印加し、光の照射位置がY軸上を走査するように走査型内視鏡2(又はマーカ装置)を調整する初期設定の位置決めを行う。
このように中央のマーカ53は、初期設定の際に、該マーカ53を照射するように走査型内視鏡2の位置調整に用いられる。このため、以下の説明では、中央のマーカ53を走査対象となるマーカ53から除外して説明する。上記のように初期設定の位置決めを行った後、螺旋状に走査して水平方向に配置したマーカ53に対する検出信号Dhiを取得し、メモリ46に格納する処理を行う。
マーカ53の全数Nhtに対する検出信号をメモリ46に格納した後、ステップS2aにおいて計数回路47は、閾値Vthを用いて、検出信号Dhiの判定(判別)を開始し、閾値Vth以上の検出信号を計数する。このため、ステップS3aにおいて計数回路47は、計数値Nhを0の初期値にセットし、ステップS4aにおいて最初の検出信号Dhiのパラメータiを1にセットする。
ステップS5aに示すように計数回路47は、最初の検出信号Dhi(i=1)が閾値Vth以上であると判定した場合には、ステップS6aにおいて計数値Nhを1つ増加させ、ステップS7aの処理に移る。一方、最初の検出信号Dhi(i=1)が閾値Vth未満であると判定した場合には、ステップS8aにおいて閾値Vth未満の検出信号Dhi、又はその番号i(この検出信号Dhiに対応するマーカ53の番号でも良い。閾値Vth未満の検出信号Dhiとなったこのマーカ53をミスマーカと言う)を例えばメモリ46に格納した後、ステップS7aの処理に移る。
ステップS7aにおいて計数回路47は、iが全数Nhtに等しいか否かを判定し、等しくない場合には、ステップS9aにおいてiを1つ大きくしてステップS4aの処理に戻る。この場合には、2番目の検出信号Dhi(i=2)に対して同様の処理が行われる。
ステップS7aにおいてiが全数Nhtに等しい場合には、計数回路47は、計数値Nhを歪み判定回路48に送り、ステップS10aにおいて歪み判定回路48は、計数値Nhに基づいて歪みの大小を判定する。
例えば、ステップS11aに示すように歪み判定回路48は、計数値Nhが全数Nhtに対する計数値Nhの割合が計数割合の閾値Nth以上か否かを判定し、閾値Nth以上の場合には、許容される範囲内の歪みであり、補正する必要無しと判定し、図6Aの処理を終了する。
一方、計数値Nhの割合が計数割合の閾値Nth未満の場合には、ステップS12aに示すように歪み判定回路48は、XYステージ55を駆動し、マーカ板52を移動し、閾値Vth未満の検出信号Dhi(この情報はステップS8aの処理によりメモリ46に格納されている)に対する補正処理を行う。後述するようにXYステージ55を駆動して、マーカ板52を水平方向に小さな移動量Δhだけ移動した状態(図9参照)で、ミスマーカに対して補正用の検出信号を取得し、メモリ46に格納する処理を行う。
このようにして、補正用の検出信号を取得した後、計数回路47は、上述した場合と同様に補正用の検出信号に対して閾値Vth以上となる補正用の検出信号を判定し、その計数値Nh′を計数する。そして、上述した計数値Nhと計数値Nh′を加算した加算値(Nh+Nh′)の割合が閾値Nth以上となるか否かを判定する。
閾値Nth以上となる場合には補正用の検出信号を補正回路50に送り、ステップS13aに示すように補正回路50は、当該補正用の検出信号に対する補正値作りの処理を行い、ステップS14aに示すように補正回路50は、補正用の検出信号を補正すると共に、メモリ43に格納された補正用の検出信号と同じ走査軌跡付近の検出信号に対する補正を行い、図6Aの処理を終了する。
一方、加算値(Nh+Nh′)の割合が閾値Nth未満の場合には、更にマーカ板52を水平方向に上記移動量とは異なる移動量だけ移動した状態で、ミスマーカに対して第2の補正用の検出信号を取得し、メモリ46に格納する処理を行う。そして、上述した補正用の検出信号の場合と同様の処理を行う。このような処理を行うことにより、加算値(Nh+Nh′)の割合が閾値Nth以上となる補正用の検出信号を取得し、上述したように補正を行う。
図6AにおけるステップS12a〜14aは、許容される範囲以上のミスマーカが存在するために、ステップS8aの検出信号に対して、マーカ板52を移動し、閾値Vth以上の補正用の検出信号が得られるように補正値作りの処理を行い、閾値Vth以上の補正用の検出信号の計数値Nh′と補正値作り前の計数値Nhとの加算値(Nh+Nh′)の割合が閾値Nth以上となるようにした後、ステップS14aの補正用の検出信号に基づいて補正(図10参照)を行う。
図6Aは、水平方向に配置したマーカを用いた処理を示しているが、垂直方向に配置したマーカに対しても同様の処理を行う。図6Bは、垂直方向に配置したマーカを用いた場合の処理を示す。
図6BにおけるステップS1b〜S14bの処理は、図6AにおけるステップS1a〜S14aにおける水平方向を垂直方向に、(水平方向における)検出信号Dhiを(垂直方向における)検出信号Dviに、(水平方向における)計数値Nhを(垂直方向における)計数値Nvに、(水平方向におけるマーカ53の)全数Nhtを(垂直方向におけるマーカ53の)全数Nvtに、置換した内容と同じであるため、その説明を省略する。なお、水平方向の場合の閾値Vth,Nthと垂直方向の場合の閾値Vth,Nthとを共通(つまり同じ値)に設定しているが、異なる値に設定しても良い。
図7は、図6Aの動作説明図を示し、信号抽出回路45が検出信号Dhiを抽出し、メモリ46に格納する様子を示す。図7(A)に示すように中央のマーカ位置Psに光スポットを照射する状態(初期状態)の光ファイバ15の先端は、図7(B)に示す駆動信号により渦巻き状(スパイラル状)に走査される。
なお、図7(B)における実線は、X軸方向に走査する駆動信号(X駆動信号)を示し、点線はY軸方向に走査する駆動信号(Y駆動信号)を示す。前述したように走査を開始する中央のマーカ位置Ps近傍ではX駆動信号とY駆動信号の位相差は90°と異なり、その後、最初にX軸をクロスするタイミング以降においては90°の位相差となる。最初から90°の位相差をもつように設定しても良い。この場合には、図7(A)に示す軌跡は中央付近の軌跡部分が若干異なる。
そして、図7(C)に示すように信号抽出回路45は、X駆動信号が最初にX軸をクロスするタイミングt1hを含む期間に信号抽出用ゲートを開き、開いた期間内において取得した検出信号(この場合にはマーカ53で反射された場合の検出信号)D1hをデータ記憶部となるメモリ46に格納する。
なお、図7(C)に示すように信号抽出用ゲートを用いる場合には当該信号抽出用ゲートが開となる開期間を小さくすれば、X駆動信号がX軸をクロスするタイミングt1hの検出信号を取得(抽出)することができる。このため、X駆動信号がX軸をクロスするタイミングt1hの検出信号を取得(抽出)するための信号抽出用ゲートを用いる場合には、照明光をパルス発光させた場合の他に、連続的に発生させた状態においても適用できる(換言すると、パルス発光は不可欠でものでない)。
次にX軸をクロスするタイミングt2hを含む期間において取得した検出信号(この場合にはマーカ53で反射された場合の検出信号)D2hをメモリ46に記憶し、次にX軸をクロスするタイミングt3hを含む期間において取得した検出信号(この場合にはマーカ53で反射されないでその背景部分で反射された輝度レベルが小さい検出信号)D3hをメモリ46に格納する。
このようにして、1枚の画像を生成する場合における水平方向における所定の走査範囲を走査した場合における全マーカ53に対する検出信号のデータ取得が終了した場合には、直線ラインLvに沿って形成されたマーカ53を用いて類似の処理を行う。つまり、図8に示すように、図7の場合と類似の処理を行う。なお、図8(A)と図8(B)は、図7(A)と図7(B)と同じ図である。
この場合にも、図7(B)と同じ駆動信号によりアクチュエータ17が光ファイバ15の先端を渦巻き状に走査する。そして、発光制御部34aは、渦巻き状に走査した場合におけるX駆動信号が0となる(つまりY軸をクロスする)タイミングでパルス発光させるように発光制御を行う。
また、信号抽出回路45は、図8(C)に示すように光スポットがY軸をクロスするタイミングを含む期間毎にゲートを開き、図8(D)に示すように検出信号Dviを抽出し、抽出した検出信号Dviをメモリ46に格納する。
例えば、中央のマーカ位置Psの状態(初期状態)から光ファイバ15の先端を渦巻き状に走査させ、最初にY軸をクロスするタイミングt1vを含む期間において取得した検出信号(この場合にはマーカ53で反射された場合の検出信号)D1vをメモリ46に格納する。次にY軸をクロスするタイミングt2vを含む期間において取得した検出信号(この場合にはマーカ53で反射された場合の検出信号)D2vをメモリ46に格納し、次にY軸をクロスするタイミングt3vを含む期間において取得した検出信号(この場合にはマーカ53で反射されないで背景部分で反射された輝度レベルが小さい検出信号)D3vをメモリ46に格納する。このようにして、1枚の画像を生成する場合における垂直方向における所定の走査範囲を走査する。
メモリ46に格納された検出信号Dhi,Dviは、計数回路47に送られ、計数回路47は閾値Vthを用いて、閾値Vth以上の検出信号の計数値Nh、Nvを計数(カウント)する。
なお、上述した図6A,図6B、図7、図8の説明においては、渦巻き状に走査した場合、水平方向のマーカ53と垂直方向のマーカ53との場合に分けて検出信号Dhi,Dviを取得する場合を説明したが、1回の渦巻き状の走査中において、図7(C)、図8(C)に示すゲートをそれぞれ設定することにより、図6A及び図6Bにおける検出信号Dhi,Dviを纏めて取得することができる。
図7(D),図8(D)は、閾値Vthにより閾値Vth以上の検出信号Dhi,Dviを判定する様子を示す。閾値Vthは、例えば検出される検出信号における最大の輝度値の1/2程度に設定され、計数回路47は、この閾値Vth以上の検出信号Dhi,Dviを計数する。なお、図7(D)の例では検出信号Dh1,Dh2,Dh4が閾値Vth以上と判定され、検出信号Dh3,Dh5は、閾値Vth未満と判定される。
計数回路47は計数した計数値Nh、Nvを歪み判定回路48に送り、上述したように歪み判定回路48は歪みが小さいか否かを判定する。
歪み判定回路48は、図6AにおけるステップS11aにおいて説明したように水平方向における走査範囲内のマーカ53の全数Nhtと、図6Bに示した垂直方向における走査範囲内のマーカ53の全数Nvtに対して、Nh/NhtとNv/Nvtが予め設定された割合の閾値Nth以上の場合には歪みが小さいとして補正を行わない。
なお、歪みが小さいか否かを判定する場合、上記のような割合の閾値Nthにより判定する場合に限定されるものでなく、計数値Nh、Nvに対して予め設定した計数値の閾値Nth′を用いて判定するようにしても良い(例えばNh、Nvが閾値Nth′以上の場合には歪みが小さく、閾値Nth′未満の場合には歪みが小さくないと判定するようにしても良い)。
一方、Nh/Nht又はNv/Nvtが予め設定された割合の閾値Nth未満の場合には歪みの補正を行う。具体的には、閾値Vth未満となる検出信号が検出されたマーカ(つまりミスマーカ)を走査対象として補正を行う。例えば図7(D)から分かるように閾値Vth未満となる検出信号Dh3が検出された光照射位置は、基準となるマーカ53(53−3hとする)の位置からずれていることが(図7(A)から)分かる。
歪み判定回路48は、XYステージ55によりマーカ板52を移動し、マーカ板52における直線ラインLvをX軸方向に+Δh、又は−Δhだけ移動して、図7の処理を行い、閾値Vth未満であった検出信号Dh3,Dh5を再度、検出する。
例えば、図9の上側(図7(A)に相当)に示すマーマ位置Ps(図10ではPsは(0,0))を基準として配置した水平方向の直線ラインLhに対して、図9の下側に示すようにX軸方向にΔh移動した状態で直線ラインLhに沿った補正用のマーカ53を設定する。そして、図7(A)の設定状態においては閾値Vth以上の輝度値として検出できない検出信号を閾値Vth以上の検出信号として検出できるようにする。図9に示す例では、移動前の各マーカの位置を(Δh,0)移動して水平方向の直線ラインLhに沿った補正用のマーカ53を設定している。
図7(A)のマーカ板52の状態(図9の上側の図)から+ΔhだけX軸の正の方向に移動したマーカ53を用いた場合(図9の下側の図)には、光スポットがマーカ53(より具体的には53−3hで示すマーカ)を照射し、この場合には閾値Vth以上となる補正用の検出信号Dh3が検出される様子を示す。
この場合には、検出信号Dh3が検出された際の光スポットの照射位置を補正する。例えば検出信号Dh3の検出に用いられた際のマーカ53−3hの(移動前の)座標位置が(Ph3,0)であったとすると、検出信号Dh3の照射位置を(Ph3―Δh,0)に補正する。
なお、検出信号Dh3以外の検出信号においても、この閾値Vth以上となる検出信号が検出された場合には同様に補正する。
また、検出信号Dh5の場合においては、マーカ板52をX軸方向に−Δh移動した場合に、光スポットがマーカ53(より具体的には53−5hで示すマーカ)を照射し、閾値Vth以上となる検出信号Dh5が検出されたとする。この場合には、マーカ(53−5hの(−Δhの移動前の)座標位置が(Ph5、0)であったとすると、検出信号Dh5の照射位置を(Ph5+Δh,0)に補正する。
検出信号Dh5以外の検出信号に対しても閾値Vth以上となる検出信号が検出された場合には同様に補正する。
このようにして、移動量Δh又は−Δhだけ移動した補正用のマーカ53の設定により閾値Vth以上の検出信号が検出された計数値Nh′を上記計数値Nhに加算し、上述したように加算値(Nh+Nh′)/Nhtが予め設定された割合の閾値Nth以上の場合には、さらなる歪み補正は行わない。一方、加算値(Nh+Nh′)/Nhtが予め設定された割合の閾値Nth未満となる場合には、さらに上記の移動量Δh,−Δhとは異なる移動量の補正用のマーカを設定して、閾値Vth以上の検出信号を検出する。このような処理を繰り返すことにより、予め設定された割合以上の計数値の検出信号を得ることができる。
図9においてはX軸方向の直線ラインLh上のマーカ53の場合に対して説明したが、垂直方向の直線ラインLvのマーカ53を用いた場合の検出信号に対しても同様に補正する。但し、この場合には、歪み判定回路48は、XYステージ55により直線ラインLhをY軸方向に+Δv又は−Δvだけ移動して、上述した処理を行い、閾値Vth未満であった検出信号Dv3,Dv4等を検出する。
そして、検出信号Dv3,Dv4等に対して、検出信号Dh3,Dh5の場合とほぼ同様に補正を行う。例えば、直線ラインLhをY軸方向に+Δvだけ、移動した場合において、Y軸をクロスするタイミングの光スポットがマーカ53−4vを照射し、その場合の検出信号Dv4は閾値Vth以上の輝度値となる。この場合には、図8に示すマーカ53−4vの移動前の座標位置が(0,Pv4)であったとすると、検出信号D4vの照射位置を(0,Pv4−Δv)に補正する。
実際に画像を取得する場合には、渦巻き状に走査した場合において、予め設定されたタイミング(又は照射位置)においてパルス発光するため、パルス発光した場合の照射位置は予め設定されている。照射位置がX軸上又はY軸上に設定されている場合には、上記のように簡単に補正することができるが、照射位置がX軸上又はY軸上に設定されていない照射位置に対しても合理的に補正することにより取得される画像の画質を向上することができる。
正弦波形のX,Y駆動信号の振幅を少しずつ変化させることにより渦巻き状に走査するため、標準の渦巻き状の走査位置(走査軌跡)から1つの位置のみが単独でずれることは殆ど起こり得ないで、通常は、正弦波形のX,Y駆動信号におけるX方向又はY方向の振幅が標準の振幅からずれることにより、標準の走査軌跡からずれることが原因となる。
このため、例えば図9において検出信号Dh3を補正した場合におけるX軸から離れた照射位置に対して、図10に示すように補正すれば良い。図10は、図9の下側の図において、検出信号Dh3の照射位置(走査位置)を含む軌跡上に隣接し、例えば先行してパルス発光される照射位置Ph(P3x,P3y)を、補正する説明図を示す。
この場合、照射位置Ph(P3x,P3y)を、補正照射位置Ph′(P3x−Δh×cos(θ),P3y)に補正する。ここで、cos(θ)は、P3y/(P3h−Δh)又はP3y/r(rは(Δh,0)又は(0,0)から照射位置Ph3までの長さ)である。つまり、照射位置Ph(P3x,P3y)におけるX座標成分を補正する。
又は、照射位置Ph(P3x,P3y)を、補正照射位置Ph′(P3x−Δh×cos(θ),P3y(1−Δh×sin(θ))に補正するようにしても良い。
同様に検出信号Dh3を含む軌跡上に沿った、例えば半円(の円弧状軌跡)内の複数の照射位置を補正すれば良い。
また、図10では水平方向の補正用の検出信号の場合において説明したが、垂直方向に配置した場合において閾値Vth未満となった例えば検出信号Dv3等に対する例えば補正用の検出信号Dv3の場合に対しても、当該補正用の検出信号Dv3を含む軌跡上に沿った、例えば半円(の円弧状軌跡)内の照射位置も同様に補正すれば良い。この場合には、主にY座標成分の位置を補正する。なお、直交する直線ラインLh,LvがX軸、Y軸に一致しない場合には、直線ラインLh,Lv方向の座標成分の各位置をそれぞれ補正すれば良い。
このようにして、補正用のマーカ53により閾値Vth以上として検出された補正用の検出信号と同じ半円状の軌跡に存在し、メモリ43に格納されている照射位置(走査位置)に対して、主にX座標成分の位置を補正する。
そして、位置補正された照射位置と共に、位置補正する前の検出信号をメモリ43に再配置して格納する。再配置された照射位置と関連付けた検出信号は補間回路49において補間処理されてラスタスキャンの画像信号に変換されてモニタ4に出力され、モニタ4には観察画像が表示される。
このように動作する本実施形態によれば、直線ラインLh,Lv上に予め所定数配置したマーカ53を用いて、所定数のマーカ53を閾値Vth以上の検出信号の計数値Nh,Nvを計数することにより、渦巻き状の走査軌跡が許容される範囲内となる歪みの少ない画質を確保できる状態であるか、否かを簡単に判定できる。
また、閾値Vth未満となる検出信号に対しては、マーカ板52を水平方向(X軸方向)又は垂直方向(Y軸方向)に移動した補正用のマーカ53を用いることにより、照射位置(走査位置)を補正することができる。従って、補正用のマーカ53を併用することにより、歪みの少ない良好な画質の画像信号を生成することが可能になる。
また、本実施形態によれば、2つの直交する直線ラインLh,Lv上に配置したマーカ53を検出した検出信号とマーカ53の位置情報を用いることにより、実際の走査軌跡上における個々の照射位置を合理的に補正することが可能になる。
次に本実施形態における第1変形例を説明する。上述した第1の実施形態においては、2つの直交する直線ラインLh,Lv上に配置したマーカ53を走査した場合の検出信号を用いて画像を生成する場合を説明した。
本変形例は、図11(A)に示すように2つの直交する直線ラインLh,Lvの他に、斜め方向に設定した直線ラインLα、Lβ上にもマーカ53を配置したマーカ板52を用いて画像を生成する処理を行う。以下に説明するように直線ラインLα、Lβ上に配置したマーカ53の場合にも、直線ラインLh,Lv上に配置したマーカ53を走査した場合とほぼ同様の処理を行う。
図11(A)においては、直線ラインLα、Lβは、中央(原点とする)を通り、X軸とそれぞれ角α、β成す方向に延びる直線ラインに設定されており、図11(A)においてα、βは、例えばX軸とそれぞれ45°、125°の角度を成すように設定されている。
また、直線ラインLα、Lβに沿ってそれぞれ設けられたマーカ53は、予め基準となる駆動信号を用いて、基準の走査型内視鏡2のアクチュエータ17を駆動し、マーカ板52を渦巻き状に走査した場合、直線ラインLα、Lβをそれぞれ通る(クロス)タイミングにおいて照射した際の光スポットの照射位置となる基準位置にそれぞれドット状のマーカ53が間欠的に所定数形成されている。
従って、基準の走査型内視鏡2と同じ特性の走査型内視鏡2を用いた場合においては、直線ラインLα,Lβをそれぞれ通る(クロス)タイミングにおいてパルス発光させると、マーカ板52に設けた各マーカ53を照射するように光スポットを形成することになる。工場から出荷される走査型内視鏡2は、基準の走査型内視鏡2の特性から許容される範囲内のずれを含む特性に設定される。
しかし、経年変化等により、特性が変化すると、マーカ53を通らない軌跡で走査する場合も起こりえる。本変形例においては、直線ラインLα、Lβに沿ってそれぞれ設けられたマーカ53の位置は既知の位置となっているので、渦巻き状の軌跡に沿って直線ラインLα、Lβ上に配置されたマーカ53を走査する駆動信号に対する所定のタイミングでパルス発光させる。
図11(A)に示すマーカ板52を用いた場合には、直線ラインLh,Lv上のマーカ53に対しては、第1の実施形態で説明したように検出信号Dhi,Dviを取得することができる。また、直線ラインンLα、Lβ上に設定したマーカ53に対する検出信号は、図11(B)の駆動信号に対して、図11(C)に示すようなタイミングの信号抽出用ゲートを用いることにより、図11(A)に示すマーカ53−β1、53−α1、53−β2、53−α2、…に対する図11(D)に示すような検出信号を取得(抽出)することができる。取得された検出信号は、図4に示したメモリ46に格納される。
そして、上述したように計数回路47により閾値Vth以上の検出信号の計数値Nα、Nβが計数され、歪み判定回路48により斜め方向に設定した走査対象のマーカ53の全数Nαt、Nβtに対する割合の閾値Nth以上であるか否かにより、歪みが少ないか否かが判定される。
また、全数Nαt、Nβtに対する計数値Nα、Nβの割合が閾値Nth未満と判定された場合には、直線ラインンLα、Lβ上におけるマーカ53を直線ラインンLα、Lβの方向にΔh又は−Δhだけ移動した補正用のマーカを設定し、閾値Nth未満と判定された検出信号が閾値Nth以上の補正用の検出信号として抽出できるようにする。
また、補正用のマーカ53の位置情報を用いて閾値Nth以上の補正用の検出信号の照射位置を補正すると共に、当該補正用の検出信号を含む軌跡上における当該補正用の検出信号の周辺におけるメモリ43に格納された照射位置も同様に補正する。
本変形例においては、第1の実施形態における直交する直線ラインLh,Lvの間に斜め方向の直線ラインンLα、Lβを設定しているため、補正用の検出信号により、メモリ43に格納された照射位置を補正する場合、当該補正用の検出信号を含む軌跡において、当該補正用の検出信号の周辺領域のみを補正対象にすることができる。
具体的に説明すると、図11(A)、図11(D)から分かるように検出信号Dtβ2は、閾値Vth未満の検出信号となり、補助用のマーカ53を設定することにより閾値Vth以上の補正用の検出信号として取得することが可能となる。この補正用の検出信号により、メモリ43に格納されている検出信号の照射位置を補正する場合、図11(A)におけるマーカ53−β2を含む直線ラインLβと直線ラインLhを二等分する直線ラインと、直線ラインLβと直線ラインLvを二等分する直線ラインとの間に含まれる軌跡上の範囲のみに対して補正する。当該軌跡上の範囲の外側の照射位置に対しては、マーカ53−β2に対して周方向に隣接するX軸上のマーカと、Y軸上のマーカとに対する検出信号それぞれに基づいて補正したり、補正しないようにすれば良い。
本変形例によれば、周方向に対して第1の実施形態の場合よりも数が多い直線ラインLh,Lv,Lα,Lβ上にそれぞれ設定したマーカ53を用いることにより、渦巻き状に走査した場合における周方向における照射位置がずれているか否かをより詳細に判定することができる。また、このようにより詳細に判定するために取得した補正用の検出信号を用いることにより、より詳細に照射位置を補正することができる。
次に第2変形例を説明する。渦巻き状に走査した場合におけるパルス発光するタイミングをY駆動信号が0となるタイミングに理想的に行った場合には、図12に示すようにX軸上の直線ラインLh上の各マーカ53を配置した白丸で示す位置が照射位置Ph1,Ph2,Ph3,Ph4,Ph5,…となる。なお、これらの照射位置Phiは、水平方向のマーカ53−ihの位置となる。
しかし、このようにY駆動信号が0となるような特殊な照射タイミング又は発光タイミングの制御方法によって、渦巻き状の走査における任意に近い各位置でパルス発光させることは困難になる。そのために、実際の使用状態においては、予めパルス発光させた際にそれぞれ(又は代表的なもの)で取得された照射位置の情報を、画像を生成する際の位置情報として利用する。
このような管理方法の場合には、例えばX軸上の照射位置(つまりY座標が0となる照射位置のタイミング)で照射した場合には、上記の照射位置Ph1,Ph2,Ph3,Ph4,Ph5,…が、黒丸で示す照射位置Ph1′,Ph2′,Ph3′,Ph4′,Ph5′,…となり、図12に示す例では照射位置Ph3′〜Ph8′がX軸から上又は下側にずれることが起こりえる。
なお、このような照射位置のずれは、周方向における他の方向においても起こり得る。第2変形例においては、メモリ43に格納された照射位置を補正する場合、マーカ53側の配置位置の方向又は角度をずらして、閾値Vth以上の補正用の検出信号が得られるようにする。また、図14を参照して説明する第3変形例においては、駆動信号の位相をずらす補正を行う。
図13は第2変形例の処理を示す。なお、本変形例の構成は、図4と同様な構成である。但し、本変形例においては、XYステージ55の代わりにモータ(図示略)が用いられ、マーカ板52をモータの回転軸(図4のアーム56の中心軸)の回りで所定の角範囲γmax内で回転可能にしている。
最初のステップS1a′において、ラインプロファイル回路44の信号抽出回路45は、光ファイバ15の先端を渦巻き状に走査した場合における水平方向に配置したマーカ53に対する検出信号Dhiを取得し、メモリ46に格納する。図6Aにおいては、Y駆動信号が0となるタイミングにおいて検出信号Dhiを取得したが、本変形例においてはY座標が0となるタイミングで順次検出信号Dhiを取得し、メモリ46に記憶(格納)する。
理想的な状態においてはY座標が0のタイミングはY駆動信号の電圧が0となるタイミングと一致するが、駆動信号と照射位置間においてずれが発生すると、Y駆動信号の電圧が0に対応する照射位置が、Y駆動信号の電圧が0となる位置からずれることが起こりえる。
次のステップS2aは、図6AのステップS2aと同じ処理となり、ステップS11aまで図6Aと同じ処理を行う。ステップS11aにおいて計数値Nh/Nhtが閾値Nth以上の場合には、図6Aの場合と同様に図13の処理を終了し、計数値Nh/Nhtが閾値Nth未満の場合には、ステップS21aの処理に移る。
ステップS21aにおいて歪み判定回路48は、図示しないモータに駆動信号を印加し、モータを例えば時計回りの回転方向(正の回転方向)に小さい角Δγだけ回転した角γに設定する。モータの回転軸と共に、マーカ板52を角Δγだけ回転する。
つまり、水平方向の直線ラインLhは、初期状態の設定角γ=0から角Δγだけ正の回転方向に回転した角γの補正用のマーカ53の状態に設定される。
次のステップS22aにおいて信号抽出回路45は、閾値Vth未満となった検出信号を補正用の検出信号Dhi′として再度、取得し、メモリ46に格納する。図12に示す例では、例えば照射位置Ph7,Ph8の検出信号に対応する補正用の検出信号Dh7′、Dh8′取得する。角Δγを小さく設定した場合、マーカ53(53−7h,53−8h)で反射された補正用の検出信号Dh7′,Dh8′を取得することが可能になる。
次のステップS23aにおいて計数回路47は、取得した補正用の検出信号Dhi′が閾値Vth以上となるか否かを判定し、閾値Vth以上となる補正用の検出信号Dhi′を取得して、メモリ46に格納すると共に、ステップS24aにおいて閾値Vth以上となる補正用の検出信号Dhi′の計数値Nh′を計数する。
次のステップS25aにおいて歪み判定回路48は、マーカ53の全数Nhtに対する上記計数値Nhと加算した計数値(Nh+Nh′)の割合(Nh+Nh′)/Nhtが閾値Nth以上か否かを判定する。なお、前述したように計数値(Nh+Nh′)が閾値Tth′以上か否かにより歪みが少ないか否かを判定するようにしても良い。
閾値Nth以上になる場合には、次のステップS26aにおいて補正回路50は、照射位置の補正を角γを用いて行い、図13の処理を終了する。
例えば補正回路50は、閾値Vth以上となる補正用の検出信号Dhi′が角γに設定された状態のマーカ53において取得できた場合には、当該補正用の検出信号Dhi′を含む円の1/4程度の範囲内の軌跡上となる照射位置をそれぞれ角γだけ負の方向にシフトする補正を行う。
一方、ステップS25aにおいて、(Nh+Nh′)/Nhtが閾値Nth未満になる場合には、ステップS27aにおいて歪み判定回路48は、角γがγmaxに達したか否かの判定を行い、γmaxに達していない場合には、次のステップS28aにおいて現在の角γから更に角Δγだけ増大させた後、ステップS22aの処理に戻る。そして、同様の処理を行う。
また、ステップS27aにおいて、角γがγmaxに達した判定結果の場合には、ステップS29aにおいて歪み判定回路48は、マーカ板を初期状態に戻した後、負の回転方向にΔγだけ回転させた角γに設定し、ステップS22aの処理に戻る。この場合には、マーカ板52を負の回転方向に角Δγずつ回転させて補正用の検出信号を取得し、マーカ板52を正の回転方向に回転させた場合と同様の処理を行う。
図13においては、水平方向に配置したマーカ53を用いた場合を説明したが、垂直方向に配置したマーカ53に対しても同様の処理を行う。
そして、例えば補正回路50は、閾値Vth以上となる補正用の検出信号Dvi′が(負の方向に回転した場合における)角γに設定された状態のマーカ53において取得できた場合には、当該補正用の検出信号Dhi′を含む円の1/4程度の範囲内の軌跡上となる照射位置をそれぞれ角γだけ正の方向にシフトする補正を行う。
本変形例によれば、パルス発光した場合の照射位置が駆動信号の電圧値(振幅値)が0となるような特定の基準位置からずれた場合に対しても、その照射位置を補正し、歪みの少ない観察画像を生成できるように補正することができる。
次に第1の実施形態の第3変形例を説明する。上記第2変形例においては、初期状態からΔγだけ、マーカ53の配列方向を変えて補正用の検出信号を順次取得し、閾値Vth以上となる検出信号及び補正用の検出信号の計数値が閾値以上となるまでΔγずつ変化させる処理を繰り返す。
これに対して、以下に説明するようにX,Y駆動信号における一方の駆動信号の位相を例えばΔφずつ、変化させた駆動信号を用いて渦巻き状に走査し、水平方向に配置したマーカを検出し、閾値Vth以上となる検出信号の計数値が最大となる場合の位相に補正するようにしても良い。
図14は第3変形例の処理内容を示す。図14における処理において、最初のステップS1a′からステップS11aまでは図13と同様の処理となる。ステップS11aにおいて計数値Nh/Nhtが閾値Nth以上の場合には、図6Aの場合と同様に図14の処理を終了し、計数値Nh/Nhtが閾値Nth未満の場合には、ステップS31aの処理に移る。
ステップS31aにおいて計数回路47は、ステップS8aにおいて閾値Vth未満となる検出信号における番号の最も小さいものの情報を抽出する。換言すると、最初に閾値Vth未満となる検出信号の情報を抽出(取得)する。また、その検出信号が取得される直前のX駆動信号の位相を所定の位相範囲φmax内で変化させる調整用位相φを(X駆動信号の位相を増加させる)正の方向にΔφだけ変化させる。
次のステップS32aにおいて信号抽出回路45は、上記のX駆動信号とY駆動信号とにより渦巻き状に走査し、上述したY座標が0となるタイミングで(換言すると、ステップS1a′と同じように)検出信号を取得する。この場合の検出信号Dhiは、調整用位相φに依存するため、以後、検出信号Dhi(φ)で表す。
また、次のステップS33aにおいて計数回路47は、閾値Vth以上の検出信号Dhi(φ)の計数値Nh(φ)を計数し、メモリ46に格納する。
次のステップS34aにおいて例えば計数回路47は、調整用位相φが位相範囲φmaxに達したか否かを判定し、達していない場合には、次のステップS35aにおいて計数回路47は、調整用位相φを更にΔφ増加させて、ステップS32aの処理に戻る。このようにして、Δφずつ増加させて、閾値Vth以上の検出信号Dhi(φ)の計数値Nh(φ)がメモリ46に順次格納される。
ステップS34aにおいて調整用位相φが位相範囲φmaxに達した判定結果の場合には、ステップS36aにおいて計数回路47は、最初に閾値Vth未満となる検出信号が取得される直前のX駆動信号の位相を変化させる調整用位相φを(X駆動信号の位相を減少させる)負の方向にΔφだけ変化させる。そして、ステップS32a〜S35aと同様の処理となるステップS37a〜S340をX駆動信号の位相を減少させる方向において行う。
ステップS39aにおいて調整用位相φが位相範囲φmaxに達した判定結果の場合には、ステップS41aにおいて計数回路47は、メモリ46に格納されている計数値Nh(φ)における最大の計数値Nh(φMh)となる調整用位相φMhを抽出し、メモリ46等に記憶する。そして、図14の処理を終了する。
また、垂直方向の直線ラインLv上に配置したマーカ53に対しても同様に行い、閾値Vth以上の検出信号の計数値Nv(φ)を取得し、計数値Nv(φ)が最大となる最大の計数値Nv(φMv)となる調整用位相φMvを抽出し、メモリ46等に記憶する。
そして、上記調整用位相φMhのX駆動信号と、調整用位相φMvのY駆動信号とで渦巻き状の走査を行うように、駆動信号を補正する。
上述の説明においては、水平方向と垂直方向とに分けてマーカを検出するようにしているが、例えばX駆動信号に対する調整用位相φを変化させた場合、水平方向の直線ラインLh上に配置したマーカ53と、垂直方向の直線ラインLv上に配置したマーカ53とを同じ渦巻き状の走査の際に同時に検出するようにしても良い。
そして、上記計数値Nh(φ)と、直線ラインLvのマーカ53の場合の計数値Nv(φ)とを取得し、加算した計数値Nh(φ)+Nv(φ)が最大となる最大の計数値Nhv(φM)となる調整用位相φMを抽出し、メモリ46等に記憶するようにしても良い。
この場合には、駆動信号におけるX駆動信号の位相を調整用位相φMで補正した駆動信号を用いて観察画像を取得する。第3変形例は、駆動信号により渦巻き状に走査する場合、位相ずれが発生して、その位相ずれが後の駆動信号の位相ずれに蓄積されていくような場合に対しては、位相ずれの補正により有効に位相ずれによる照射位置のずれを補正又は解消できる。
なお、上述した第3変形例においては、閾値Vth以上となる検出信号の計数値の数により最終的な調整用位相φMを決定していたが、各検出信号の輝度値を積算した積算値を用いて、積算値が最大となる調整用位相を最終的な調整用位相φMに決定するようにしても良い。
また、上述した変形例の場合を含む実施形態を部分的に組み合わせて構成される実施形態も本発明に属する。
1…走査型内視鏡装置、2…走査型内視鏡、3…本体装置、4…モニタ、6…挿入部、15…光ファイバ、17…アクチュエータ、23…受光用光ファイバ、31…光源ユニット、32…駆動ユニット、33…検出ユニット、34…コントローラ、41…画像処理部、42…XYマッピング回路、43…メモリ、44…ラインプロファイル回路、45…信号抽出回路、46…メモリ、47…計数回路、48…歪み判定回路、49…補間回路、50…補正回路、51…マーカ装置、52…マーカ板、53…マーカ、54…マーカ部、56…アーム、57…XYステージ、

Claims (9)

  1. 光源部から発する照明光を観察対象における所定の経路上で走査する走査型光プローブと、
    前記走査型光プローブにより照明光が走査された前記観察対象からの戻り光を検出し、前記照明光の走査位置に応じた検出信号を生成する信号生成部と、
    前記信号生成部において生成された複数の検出信号を前記走査位置に対応した座標上に配置する配置部と、
    所定のライン上に沿って間欠的に所定数設けられたマーカを有するマーカ部を前記観察対象とした際に、前記所定数のマーカに対するマーカ検出信号から、前記所定のライン上に設けた前記所定数の前記マーカの計数値を計数する計数部と、
    前記計数部において計数された前記マーカの計数値に基づき前記配置部による前記複数の検出信号の前記座標上の配置を補正した観察画像を生成する画像生成部と、
    を有することを特徴とする走査型内視鏡装置。
  2. 前記所定のラインは、第1の直線と、該第1の直線に直交する第2の直線を有し、前記マーカは、前記第1の直線上と前記第2の直線上とにそれぞれ間欠的に配置され、
    前記計数部は、前記第1の直線上に配置された前記マーカを検出する第1のマーカ検出信号の輝度値に基づいて第1の計数値を計数すると共に、
    前記第2の直線上に配置された前記マーカを検出する第2のマーカ検出信号の輝度値に基づいて第2の計数値を計数し、
    前記信号生成部は、前記第1の計数値又は前記第2の計数値が所定の数未満である場合には、前記走査型光プローブの長手方向に垂直な面上における前記マーカ部の2次元位置が変更された状態において、前記第1のマーカ検出信号又は前記第2のマーカ検出信号を補正用の検出信号として生成し、
    前記計数部は、前記補正用の検出信号の輝度値に基づいて前記第1の計数値又は前記第1の計数値に加算した計数値を計数することを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
  3. 前記計数部は、前記マーカ検出信号における輝度値を算出し、所定の閾値以上の輝度値を有する前記マーカの計数値として計数し、
    前記画像生成部は、前記マーカの計数値が所定の数未満である場合には、前記所定の閾値未満となる前記マーカ検出信号を検出するために前記マーカ部を移動し、移動された前記マーカ部において検出されるマーカ検出信号が所定の閾値以上の輝度値を有する状態になった場合の移動量に基づいて、前記複数の検出信号の前記座標上の配置を補正し、前記マーカの計数値が前記所定の数以上の場合には前記複数の検出信号における前記座標上の配置を補正しないことを特徴とする請求項1に記載の走査型内視鏡装置。
  4. 前記画像生成部は、前記第1の計数値が前記所定の数未満である場合には、前記マーカ部の2次元位置が変更された状態において、生成された前記補正用の検出信号に基づいて、前記補正用の検出信号の走査位置を含む半円程度の円弧状上となる前記検出信号における前記第1の直線方向成分の座標を補正することを特徴とする請求項2に記載の走査型内視鏡装置。
  5. 前記画像生成部は、前記第2の計数値が前記所定の数未満である場合には、前記マーカ部の2次元位置が変更された状態において、生成された前記補正用の検出信号に基づいて、前記補正用の検出信号の走査位置を含む半円程度の円弧上となる前記検出信号における前記第2の直線方向成分の座標を補正することを特徴とする請求項4に記載の走査型内視鏡装置。
  6. 前記走査型光プローブに設けられ、印加される駆動電圧に応じて伸縮することで前記照明光を前記観察対象において2次元的に走査可能とする第1及び第2のアクチュエータ素子を備えるアクチュエータと、
    前記第1及び第2のアクチュエータ素子に対して第1及び第2の駆動電圧を印加して前記第1及び第2のアクチュエータ素子を直交する2方向に駆動する駆動部と、
    前記駆動部から出力する前記第1及び第2の駆動電圧を生成する前記駆動部を制御する駆動制御部と、を有し、
    前記駆動制御部は、前記第1及び第2の駆動電圧の位相差が90°となる状態で前記第1及び第2の駆動電圧を前記第1及び第2のアクチュエータ素子に印加して渦巻き形状の経路を走査するように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項2に記載の走査型内視鏡装置。
  7. 前記計数部は、前記マーカ検出信号における輝度値を算出し、所定の閾値以上の輝度値を有する前記マーカの計数値として計数し、
    前記駆動制御部は、前記マーカの計数値が所定の数未満である場合には、前記第1の駆動電圧又は前記第2の駆動電圧の位相を変化させ、前記計数部により所定の閾値以上の輝度値を有する前記マーカ検出信号の計数値が最大となる位相角を検出し、検出された前記位相角を用いて前記配置部における前記検出信号を補正することを特徴とする請求項6に記載の走査型内視鏡装置。
  8. 前記駆動制御部は、前記第1及び第2のアクチュエータ素子を、前記照明光が前記マーカ部における前記第1の直線上と前記第2の直線上とをそれぞれ走査することができるように初期設定の位置決めを行った後、前記渦巻き形状の経路を走査するように前記駆動部を制御し、
    前記信号生成部は、前記第1の駆動電圧が0となるタイミングと前記第2の駆動電圧が0となるタイミングにおいて抽出した前記マーカ検出信号を生成することを特徴とする請求項6に記載の走査型内視鏡装置。
  9. 前記計数部は、前記マーカ検出信号における輝度値を算出し、所定の閾値以上の輝度値を有する前記マーカの計数値として計数し、
    前記画像生成部は、前記マーカの計数値が所定の数未満である場合には、前記所定の閾値未満となる前記マーカ検出信号を検出するために前記マーカ部を移動し、移動された前記マーカ部において検出されるマーカ検出信号が所定の閾値以上の輝度値を有する状態になった場合の移動量に基づいて、前記複数の検出信号の前記座標上の配置を補正し、前記マーカの計数値が前記所定の数以上の場合には前記複数の検出信号における前記座標上の配置を補正しないことを特徴とする請求項8に記載の走査型内視鏡装置。

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