JP6188195B2 - トルクコンバータのロックアップ装置 - Google Patents
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フロントカバー11は、図示しないフレキシブルプレート等の部材を介してトルクが入力される部材である。フロントカバー11は、円板部111と、円板部111の外周縁からトランスミッション側に向かって延びる筒状部112とを有している。円板部111のトランスミッション側の側面において、外周部には摩擦面113が形成されている。円板部111のエンジン側の側面外周部には、複数のボルト13が溶接により固定されている。このボルト13に螺合するナット(図示せず)により、図示しないフレキシブルプレート等の部材が装着される。また、筒状部112のトランスミッション側の端部には、トルクコンバータを構成するインペラーのインペラーシェル14が溶接により固定されている。
ロックアップ装置1は、タービン120とフロントカバー11との間の空間に配置されており、必要に応じて両者を機械的に連結するための機構である。
図2は、ピストン2の側面断面図である。図2に示すように、ピストン2は、環状の円板部21、内周筒状部22、外周筒状部23を有している。内周筒状部22は、円板部21の内周端部からトランスミッション側に突出して形成されており、タービンハブ12の筒状部121の外周面に軸方向及び回転方向に摺動自在に支持されている。外周筒状部23は、円板部21の外周端部からトランスミッション側に延びて形成されており、円周方向に並ぶ複数の切欠き24を有している。ピストン2の円板部21の外周部には、環状の摩擦部材16が固定されている。このピストン2と摩擦部材16とが、本発明のクラッチ部に相当する。
ダンパー機構のサブアセンブリを図3から図5に示している。図3はダンパー機構の側面断面図、図4及び図5は図3の右側から見たダンパー機構の正面図である。なお、図4では、説明の便宜上、出力プレート4の記載を省略している。また、図5では、一部のトーションスプリング5の記載を省略している。
となる。このため、トーションスプリング5の連結部63側の端部は、径方向において外周環状部61と内周環状部62とに支持される。
入力プレート3と出力プレート4とを連結するとともに、ストッパ機構を構成するリベット7を図7に拡大して示している。このリベット7は、第1径を有する円形の第1胴部7aと、第1径より小さい第2径を有する円形の第2胴部7bと、第1胴部7aの一端側に形成された頭部7cと、第2胴部7bの他端側に形成されたかしめ部7dと、を有している。
車両の速度が所定の速度以上になると、ピストン2がフロントカバー11側に移動させられ、摩擦部材16がフロントカバー11の摩擦面に押し付けられる。これにより、フロントカバー11のトルクは、ピストン2から入力プレート3を介してトーションスプリング5に伝達され、さらに出力プレート4を介してタービンハブ12に伝達される。すなわち、フロントカバー11が機械的にタービンハブ12に連結され、フロントカバー11のトルクがタービンハブ12を介してトランスミッションの入力シャフトに直接出力される。
本実施形態に係るロックアップ装置1は、次の特徴を有する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
突出部42は出力プレート4に形成されているが、入力プレート3に形成されていてもよい。具体的には、図8に示すように、入力プレート3の円板部31の内周端部の一部を中間プレート6側に折り曲げることによって複数の突出部31cを形成してもよい。なお、図8は、変形例1に係るダンパー機構の側面断面図である。この各突出部31cは、円周方向に所定間隔をおいて形成されている。この突出部31cは、軸方向において中間プレート6まで延びており、突出部31cの外周側の面が中間プレート6の内周環状部62の内周面と当接している。
図9は、変形例2に係るダンパー機構の側面断面図である。図9に示すように、入力プレート3の円板部31は、中間プレート6の外周側において、中間プレート6の外周環状部61の外周面と当接するための突出部31bが形成されていてもよい。また、出力プレート4の円板部41も、同様に、中間プレート6の外周環状部61の外周面と当接するための突出部41bが形成されていてもよい。この場合は、入力プレート3の突出部31bと、出力プレート4の突出部41bとによって中間プレート6の径方向への移動を防止することができる。なお、変形例2では、出力プレート4の突出部42は形成しているが、出力プレート4の突出部42を省略することもできる。
図10は、変形例3に係る中間プレートの正面図である。図10に示すように、中間プレート6の内周環状部62は、内周部において、外周側へと凹む複数(例えば3つの)凹部621が形成されていてもよい。各凹部621は、円周方向において所定間隔で配置されており、円周方向側面621aを有している。この凹部621内に、出力プレート4の突出部42が収容されている。入力プレート3と出力プレート4とが相対的に回転する際に、トーションスプリング5が完全に圧縮して密着する前に、突出部42が凹部621の円周方向側面621aに当接する。
上記実施形態では、中間プレート6の連結部63に形成されている貫通孔631は、円周方向において連結部63の中央に形成されているが、この貫通孔631の位置を円周方向にずらしてもよい。これにより、この貫通孔631を利用して中間プレート6を治具に固定する場合に、中間プレート6の表裏が逆の状態でダンパー機構が組まれることを防止できる。これは、中間プレート6の一方面側だけに面取り加工をしている場合などに有効である。
中間プレート6は、入力プレート3又は出力プレート4との干渉を防止するために、面取り加工することができる。この場合、面取り加工を中間プレート6の両面に施すことにより、中間プレート6を表裏が逆の状態であってもダンパー機構を組むことができる。
上記実施形態では、入力プレート3の外周側壁部331の内周側の面と、出力プレート4の外周側壁部441の内周側の面と、中間プレート6の外周環状部61の内周面とは、軸方向においてトーションスプリング5の外周面に沿う円弧を画定するが、特にこれに限定されない。例えば、この円弧よりも中間プレート6の外周環状部61の内周面を内周側に位置させることによって、各外周側壁部331,441に対してトーションスプリング5から加えられる外周側への押圧力を低減することができる。
図11は、変形例7に係るダンパー機構の正面図である、図11に示すように、各リベット7を、円周方向において等間隔に配置してもよい。これにより、出力プレート4をより均一な力で抑えることができ、出力プレート4の軸方向への変形を防ぐことができる。
入力プレート3及び出力プレート4の具体的な形状は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の形状が可能である。また、各部材の数は、特に限定されるものではない。
上記実施形態では、ピストン2と摩擦部材16とによってクラッチ部を構成したが、クラッチ部は上述した構成に限定されるものではない。
2 ピストン
3 入力プレート(入力回転部材)
4 出力プレート(出力回転部材)
5 トーションスプリング(弾性部材)
6 中間プレート(中間部材)
61 外周環状部
62 内周環状部
63 連結部
64 収容孔
11 フロントカバー
16 摩擦部材
120 タービン
Claims (14)
- エンジン側の部材に連結されるフロントカバーとトルクコンバータのタービンとの間に配置され、前記フロントカバーからのトルクを前記タービンに機械的に伝達するためのロックアップ装置であって、
軸方向に移動可能なピストンを有し、前記フロントカバーからのトルクを伝達又は遮断するクラッチ部と、
前記クラッチ部からトルクが入力される入力回転部材と、
前記入力回転部材と相対回転自在であり、前記タービンに接続される出力回転部材と、
前記入力回転部材と前記出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結し、同一円周上にのみ配置される複数の弾性部材と、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材と相対回転自在であり、前記複数の弾性部材のうちの少なくとも2つを直列的に作用させるための中間部材と、
を備え、
前記中間部材は、外周環状部と、前記外周環状部の内周側に配置される内周環状部と、前記外周環状部と前記内周環状部とを径方向に連結するとともに円周方向において所定間隔で配置される複数の連結部と、を有し、
前記中間部材における前記外周環状部、前記内周環状部、及び円周方向において隣り合う2つの前記連結部によって画定される収容孔内において、少なくとも2つの前記弾性部材が円周方向に直列的に配置される、
ロックアップ装置。 - 軸方向において、前記入力回転部材、前記中間部材、前記出力回転部材は、この順で配置され、
前記各弾性部材は、前記入力回転部材と前記出力回転部材との間に配置される、請求項1に記載のロックアップ装置。 - 前記中間部材の収容孔は、円周方向の中間部において径方向の長さが前記弾性部材の直径よりも大きく、円周方向の両端部において円周方向の端面に近づくほど径方向の長さが小さくなる、請求項1又は2に記載のロックアップ装置。
- 軸方向において、前記入力回転部材、前記中間部材、及び前記出力回転部材は、この順で配置され、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材の少なくとも一方は、前記中間部材側に突出するとともに前記中間部材の前記内周環状部の内周面又は前記外周環状部の外周面に当接する突出部を有する、請求項1から3のいずれかに記載のロックアップ装置。 - 前記中間部材の内周環状部は、前記突出部を収容するよう外周側に凹む凹部を有し、
前記凹部は、前記中間部材が前記入力回転部材又は前記出力回転部材に対して相対的に回転したときに、円周方向側面が前記突出部に当接する、請求項4に記載のロックアップ装置。 - 軸方向において、前記入力回転部材、前記中間部材、及び前記出力回転部材は、この順で配置されており、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材は、前記入力回転部材と前記出力回転部材との間で前記弾性部材を収容するための収容部の外周側の面を画定する外周側壁部をそれぞれ有し、
前記各外周側壁部の内周側の面と前記外周環状部の内周側の面とは、軸方向において前記弾性部材の外周面に沿う円弧を画定する、請求項1から5のいずれかに記載のロックアップ装置。 - 軸方向において、前記入力回転部材、前記中間部材、及び前記出力回転部材は、この順で配置されており、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材は、前記入力回転部材と前記出力回転部材との間で前記弾性部材を収容するための収容部の外周側の面を画定する外周側壁部をそれぞれ有し、
前記入力回転部材における前記外周側壁部の内周側の面と、前記出力回転部材における前記外周側壁部の内周側の面とは、軸方向において前記弾性部材の外周面に沿う円弧を画定し、
前記外周環状部の内周側の面は、前記円弧よりも内周側に配置される、請求項1から5のいずれかに記載のロックアップ装置。 - 前記出力回転部材の外周縁よりも外周側において前記入力回転部材から径方向に突出するように装着されたリベットをさらに備え、
前記出力回転部材は、前記リベットの頭部及び前記入力回転部材によって軸方向への移動が規制される、請求項1から7のいずれかに記載のロックアップ装置。 - 前記リベットは、円周方向において等間隔に配置される、請求項8に記載のロックアップ装置。
- エンジン側の部材に連結されるフロントカバーとトルクコンバータのタービンとの間に配置され、前記フロントカバーからのトルクを前記タービンに機械的に伝達するためのロックアップ装置であって、
軸方向に移動可能なピストンを有し、前記フロントカバーからのトルクを伝達又は遮断するクラッチ部と、
前記クラッチ部からトルクが入力される入力回転部材と、
前記入力回転部材と相対回転自在であり、前記タービンに接続される出力回転部材と、
前記入力回転部材と前記出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための複数の弾性部材と、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材と相対回転自在であり、前記複数の弾性部材のうちの少なくとも2つを直列的に作用させるための中間部材と、
を備え、
前記中間部材は、外周環状部と、前記外周環状部の内周側に配置される内周環状部と、前記外周環状部と前記内周環状部とを径方向に連結するとともに円周方向において所定間隔で配置される複数の連結部と、を有し、
前記中間部材における前記外周環状部、前記内周環状部、及び円周方向において隣り合う2つの前記連結部によって画定される収容孔内において、少なくとも2つの前記弾性部材が円周方向に直列的に配置され、
軸方向において、前記入力回転部材、前記中間部材、前記出力回転部材は、この順で配置され、
前記各弾性部材は、前記入力回転部材と前記出力回転部材との間に配置される、
ロックアップ装置。 - エンジン側の部材に連結されるフロントカバーとトルクコンバータのタービンとの間に配置され、前記フロントカバーからのトルクを前記タービンに機械的に伝達するためのロックアップ装置であって、
軸方向に移動可能なピストンを有し、前記フロントカバーからのトルクを伝達又は遮断するクラッチ部と、
前記クラッチ部からトルクが入力される入力回転部材と、
前記入力回転部材と相対回転自在であり、前記タービンに接続される出力回転部材と、
前記入力回転部材と前記出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための複数の弾性部材と、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材と相対回転自在であり、前記複数の弾性部材のうちの少なくとも2つを直列的に作用させるための中間部材と、
を備え、
前記中間部材は、外周環状部と、前記外周環状部の内周側に配置される内周環状部と、前記外周環状部と前記内周環状部とを径方向に連結するとともに円周方向において所定間隔で配置される複数の連結部と、を有し、
前記中間部材における前記外周環状部、前記内周環状部、及び円周方向において隣り合う2つの前記連結部によって画定される収容孔内において、少なくとも2つの前記弾性部材が円周方向に直列的に配置され、
軸方向において、前記入力回転部材、前記中間部材、及び前記出力回転部材は、この順で配置され、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材の少なくとも一方は、前記中間部材側に突出するとともに前記中間部材の前記内周環状部の内周面又は前記外周環状部の外周面に当接する突出部を有する、
ロックアップ装置。 - エンジン側の部材に連結されるフロントカバーとトルクコンバータのタービンとの間に配置され、前記フロントカバーからのトルクを前記タービンに機械的に伝達するためのロックアップ装置であって、
軸方向に移動可能なピストンを有し、前記フロントカバーからのトルクを伝達又は遮断するクラッチ部と、
前記クラッチ部からトルクが入力される入力回転部材と、
前記入力回転部材と相対回転自在であり、前記タービンに接続される出力回転部材と、
前記入力回転部材と前記出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための複数の弾性部材と、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材と相対回転自在であり、前記複数の弾性部材のうちの少なくとも2つを直列的に作用させるための中間部材と、
を備え、
前記中間部材は、外周環状部と、前記外周環状部の内周側に配置される内周環状部と、前記外周環状部と前記内周環状部とを径方向に連結するとともに円周方向において所定間隔で配置される複数の連結部と、を有し、
前記中間部材における前記外周環状部、前記内周環状部、及び円周方向において隣り合う2つの前記連結部によって画定される収容孔内において、少なくとも2つの前記弾性部材が円周方向に直列的に配置され、
軸方向において、前記入力回転部材、前記中間部材、及び前記出力回転部材は、この順で配置されており、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材は、前記入力回転部材と前記出力回転部材との間で前記弾性部材を収容するための収容部の外周側の面を画定する外周側壁部をそれぞれ有し、
前記各外周側壁部の内周側の面と前記外周環状部の内周側の面とは、軸方向において前記弾性部材の外周面に沿う円弧を画定する、
ロックアップ装置。 - エンジン側の部材に連結されるフロントカバーとトルクコンバータのタービンとの間に配置され、前記フロントカバーからのトルクを前記タービンに機械的に伝達するためのロックアップ装置であって、
軸方向に移動可能なピストンを有し、前記フロントカバーからのトルクを伝達又は遮断するクラッチ部と、
前記クラッチ部からトルクが入力される入力回転部材と、
前記入力回転部材と相対回転自在であり、前記タービンに接続される出力回転部材と、
前記入力回転部材と前記出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための複数の弾性部材と、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材と相対回転自在であり、前記複数の弾性部材のうちの少なくとも2つを直列的に作用させるための中間部材と、
を備え、
前記中間部材は、外周環状部と、前記外周環状部の内周側に配置される内周環状部と、前記外周環状部と前記内周環状部とを径方向に連結するとともに円周方向において所定間隔で配置される複数の連結部と、を有し、
前記中間部材における前記外周環状部、前記内周環状部、及び円周方向において隣り合う2つの前記連結部によって画定される収容孔内において、少なくとも2つの前記弾性部材が円周方向に直列的に配置され、
軸方向において、前記入力回転部材、前記中間部材、及び前記出力回転部材は、この順で配置されており、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材は、前記入力回転部材と前記出力回転部材との間で前記弾性部材を収容するための収容部の外周側の面を画定する外周側壁部をそれぞれ有し、
前記入力回転部材における前記外周側壁部の内周側の面と、前記出力回転部材における前記外周側壁部の内周側の面とは、軸方向において前記弾性部材の外周面に沿う円弧を画定し、
前記外周環状部の内周側の面は、前記円弧よりも内周側に配置される、
ロックアップ装置。 - エンジン側の部材に連結されるフロントカバーとトルクコンバータのタービンとの間に配置され、前記フロントカバーからのトルクを前記タービンに機械的に伝達するためのロックアップ装置であって、
軸方向に移動可能なピストンを有し、前記フロントカバーからのトルクを伝達又は遮断するクラッチ部と、
前記クラッチ部からトルクが入力される入力回転部材と、
前記入力回転部材と相対回転自在であり、前記タービンに接続される出力回転部材と、
前記入力回転部材と前記出力回転部材とを回転方向に弾性的に連結するための複数の弾性部材と、
前記入力回転部材及び前記出力回転部材と相対回転自在であり、前記複数の弾性部材のうちの少なくとも2つを直列的に作用させるための中間部材と、
を備え、
前記中間部材は、外周環状部と、前記外周環状部の内周側に配置される内周環状部と、前記外周環状部と前記内周環状部とを径方向に連結するとともに円周方向において所定間隔で配置される複数の連結部と、を有し、
前記中間部材における前記外周環状部、前記内周環状部、及び円周方向において隣り合う2つの前記連結部によって画定される収容孔内において、少なくとも2つの前記弾性部材が円周方向に直列的に配置され、
前記出力回転部材の外周縁よりも外周側において前記入力回転部材から径方向に突出するように装着されたリベットをさらに備え、
前記出力回転部材は、前記リベットの頭部及び前記入力回転部材によって軸方向への移動が規制される、
ロックアップ装置。
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