本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
本発明の第一実施形態の型紙セットは、図1(a)に示す第一型紙1と、図1(b)や図1(c)に示す第二型紙2とを備える。本実施形態では、第二型紙2は、複数設けられる。
図2(a)及び図2(b)に示すように、第一型紙1は、トイレルームの壁面100に当てた状態でトイレルームの床面101に載置される。第二型紙2は、床面101の排水管3に位置を合わせて第一型紙1に載置される。以下では、トイレルームの壁面100に対して型紙セットが配置される側を前方とし、その反対側を後方とし、トイレルームの壁面100に沿った水平方向を左右方向とし、トイレルームの壁面100に沿った鉛直方向を上下方向として、各構成について説明する。つまり、図2(a)においては、矢印X1で示す方向が前方であり、その逆側が後方であり、矢印Y1で示す方向が右方であり、その逆側が左方であり、矢印Z1で示す方向が上方であり、その逆方向が下方である。
第一型紙1は、図1(a)、図2(a)及び図2(b)に示すように、平面視略矩形状であり、後端面10が左右方向に亘って壁面100に当てられる面となっている。第一型紙1は、例えば厚紙で形成される。なお、第一型紙1は、厚紙に限らず、樹脂製等のシート部材で形成してもよい。
第一型紙1は、便器の排水口に取り付けられるエルボ体4の載置位置を示す目印11と、排水管3が内側に配される開口12とを有する。本実施形態では、目印11は、略矩形状の孔であり、エルボ体4の下面の形状と同形状である。
エルボ体4は、上方に向けて開口し、便器の排水口に接続される流入口40と、前方に向けて開口し、横引き管5が接続される排出口41と、床面101に載置される板状の載置部42とを有する。第一型紙1の目印11は、載置部42の平面視外形状と略同形状である。エルボ体4は、載置部42を目印11に合わせて配置することで、排出口41がまっすぐ前方を向く。エルボ体4に接続される横引き管5は、前後方向を長手方向とする筒体である。本実施形態では、横引き管5は、長手方向に垂直な断面が略円形状であり、上面が弧状ではなくフラットな面となっている。
開口12は、前後方向に長く設けられ、壁面100からの距離が互いに異なる様々な排水管3を内側に配することができる。例えば、開口12は、壁面100からの距離が、305mmから470mmの排水管3を内側に配することができる。本実施形態では、開口12は、排水管3の周囲の床面101に取り付けられる平面視円環状の取付部材30を内側に配することができる。開口12は、前後方向に長い略楕円形状に設けられ、左右幅が取付部材30の外径と略同じである。
取付部材30には、図3(a)及び図3(b)に示す排水ソケット6が、ボルト・ナット等の固定具によって取り付けられる。排水ソケット6は、後方に向けて開口し、横引き管5の前端部が接続される流入口60と、下方に向けて開口し、排水管3の上端開口部に連通する排出口61と、取付部材30に載置される板状の載置部62とを有する。流入口60内には、挿入された横引き管5の前端面が当たるストッパー面63が設けられている。排水ソケット6は、載置部62が固定具によって取付部材30に固定される。排水ソケット6は、載置部62が取付部材30に固定された状態で、排出口61の孔中心C2が排水管3の孔中心C3に、平面視にて一致する。排水ソケット6は、横引き管5を介してエルボ体4に接続される。
また、排水ソケット6には、必要に応じて、図4(a)及び図4(b)に示すように、延長部材7が取り付けられる。延長部材7は、略円筒状であり、前端部が排水ソケット6の流入口60に挿入され、前端面が流入口60内のストッパー面63に当てた状態で、排水ソケット6に接続される。延長部材7は、後端部に横引き管5の前端部が挿入される。延長部材7の後端部内には、横引き管5の前端面が当たるストッパー面70が設けられている。
第二型紙2は、図1(b),(c)及び図2(b)に示すように、第一型紙1に載置されるベース部20と、ベース部20と一体に設けられる立ち上がり部21とを有する。立ち上がり部21は、少なくとも第二型紙2を使用する際には、ベース部20から上方に突出する。本実施形態では、ベース部20と立ち上がり部21は、例えば、1枚の長方形状のシート材を長手方向の一部で90度に折り曲げることで形成される。なお、立ち上がり部21は、ベース部20から上方に突出させて形成したものであってもよい。第二型紙2は、例えば厚紙で形成される。なお、第二型紙2は、立ち上がり部21をベース部20に対して垂直にできるものであれば、硬質な樹脂シート等の他のシート部材で形成してもよい。
ベース部20には、排水管3に位置を合わせる合わせ孔22が設けられている。本実施形態では、合わせ孔22は、孔縁が平面視略C字状をなす略円形状の孔であり、円環状の取付部材30の外周面の大部分に合致する。なお、合わせ孔22は、取付部材30の外周面に全周に亘って合致する円形状の孔であってもよい。
立ち上がり部21には、エルボ体4に接続された横引き管5が挿通される挿通孔23と、取付部材30が収められる収納孔24とが設けられている。挿通孔23は、横引き管5の長手方向に垂直な断面と同形状である。本実施形態では、挿通孔23は、略円形状であり、上端部の孔縁がフラットである。
挿通孔23は、横引き管5と同じ上下位置となるように立ち上がり部21に設けられる。挿通孔23に挿通された横引き管5は、立ち上がり部21によって支持される。横引き管5のうち挿通孔23に挿通される箇所が横引き管5の切断位置である。ここで、横引き管5のうち挿通孔23に挿通される箇所とは、挿通孔23と平面視にて一致する箇所に限らず、立ち上がり部21の前面に沿った箇所や、立ち上がり部21の後面に沿った箇所も含む。なお、挿通孔23は、横引き管5を挿通可能な孔であればよく、挿通された横引き管5との間に隙間が形成されて横引き管5を支持しないものであってもよい。
収納孔24は、取付部材30のうち平面視にて立ち上がり部21と重なる部位を収める孔である。本実施形態では、立ち上がり部21の下端部のうち、合わせ孔22の孔縁と連続する2か所に、切り込み25を上方に向けて形成することで、左右一対の切り込み25間に収納孔24が形成される。立ち上がり部21の下端部のうち、左右一対の切り込み25間の部位が、取付部材30によって押し上げられることで、収納孔24内に取付部材30が収納される。このように収納孔24を設けることで、立ち上がり部21が取付部材30によって押し上げられて、第一型紙1から離れることを防止できる。なお、収納孔24は、立ち上がり部21の下端部のうち、左右一対の切り込み25間の部位を切除した、前後方向に貫通する孔であってもよい。
第二型紙2は、複数設けられ、複数の第二型紙2はそれぞれ、合わせ孔22の中心C1から挿通孔23までの水平方向の距離L1が互いに異なる。言い換えると、複数の第二型紙2はそれぞれ、合わせ孔22の中心C1から立ち上がり部21までの水平方向の距離L1が互いに異なる。
複数の第二型紙2は、排水管3に取り付けられる排水ソケット6に対応した第二型紙200を含む。図1(b)に示す第二型紙2が、排水ソケット6に対応した第二型紙200である。
第二型紙200の、合わせ孔22の中心C1から挿通孔23までの前後距離L10は、排水ソケット6のストッパー面63から排出口61の孔中心C2までの前後距離L2と同じである(図3(a)参照)。つまり、第二型紙200は、合わせ孔22の中心C1が排水ソケット6の排出口61の孔中心C2に対応し、挿通孔23が排水ソケット6の流入口60内のストッパー面63に対応する、排水ソケット6を単純化したモデルとなっている。
また、複数の第二型紙2は、延長部材7を取り付けた排水ソケット6(図4(b)参照)に対応した第二型紙201を含む。図1(c)に示す第二型紙2が、延長部材7付きの排水ソケット6に対応した第二型紙201である。第二型紙201の、合わせ孔22の中心C1から挿通孔23までの前後距離L11は、第二型紙200の前後距離L10よりも、延長部材7の前端面からストッパー面70までの前後距離L3の分だけ長い(図4(a)参照)。つまり、第二型紙201は、合わせ孔22の中心C1が排水ソケット6の排出口61の孔中心C2に対応し、挿通孔23が延長部材7内のストッパー面70に対応する、延長部材7付きの排水ソケット6を単純化したモデルとなっている。第二型紙201では、第二型紙200よりも合わせ孔22内に配される取付部材30の範囲が広い。
また、複数の第二型紙2は、トイレルームの壁面100と便器との間に設置される、手洗い器等のトイレ用設備に対応した第二型紙202を含む(図5(b)参照)。第二型紙202の、合わせ孔22の中心C1から挿通孔23までの前後距離L12は、第二型紙200の前後距離L10よりも、トイレ用設備の前後長さの分だけ長い。第二型紙202の前後距離L12は、設置されるトイレ用設備の前後長さに対応させて、適宜設定可能である。なお、第二型紙202は、前後距離L12が合わせ孔22の半径よりも長い場合には、立ち上がり部21には収納孔24が形成されない。
また、第一型紙1には、図1(a)に示すように、開口12の周囲に、使用されるべき第二型紙2を示す第二目印13が設けられる。第二目印13は、開口12内における排水管3の孔中心C3の前後位置と見比べることで、複数の第二型紙2のうち使用されるべき1つの第二型紙2が施工者にわかるように設けられる。ここで、複数の第二型紙2とは、排水ソケット6に対応した第二型紙200と、延長部材7付きの排水ソケット6に対応した第二型紙201である。第二目印13は、例えば、使用する第二型紙2を切り替える位置に描かれた直線130を有する。直線130は、例えば、壁面100からの距離が445mmの箇所に描かれる。第二目印13は、第一型紙1のうち開口12よりも右側の部位と左側の部位にそれぞれ設けられる。
また、第一型紙1には、便器の前部が固定される固定片8(図7(b)等参照)を取り付けるための第三目印14が、開口12よりも前側に設けられる。第三目印14は、本実施形態では、固定片8の下面の外形と略同形状の孔である。
また、第一型紙1には、図1(a)に示すように、左右方向の中央部に、切り離し線15が設けられる。切り離し線15は、第一型紙1のうち、例えば、第一型紙1の前端面から第三目印14までの部位と、第三目印14から開口12までの部位と、開口12から目印11までの部位に設けられる。これにより、第一型紙1は、床面101から取り外す際に、切り離し線15で簡単に左右に分けることができる。
続いて、以上説明した本実施形態の型紙セットを用いた施工方法の一例について説明する。
まず、トイレルームの壁面100と便器との間に、手洗い器等のトイレ用設備を設置する場合について説明する。
初めに、図5(a)に示すように、第一型紙1の後端面10をトイレルームの壁面100に当て、第一型紙1の開口12内に排水管3の周囲の取付部材30を位置させた状態で、第一型紙1をトイレルームの床面101に載置する。
次いで、第一型紙1の目印11に位置を合わせてエルボ体4を床面101に載置する。ここで、エルボ体4の排出口41には、横引き管5を接続しておく。
次いで、図5(b)に示すように、複数の第二型紙2のうち、トイレ用設備に対応した第二型紙202を、排水管3の位置に合わせて第一型紙1に載置する。このとき、第二型紙202の合わせ孔22を排水管3の周囲の取付部材30の外周面に合致させ、第二型紙201の立ち上がり部21の挿通孔23に横引き管5を挿通させる。ここで、合わせ孔22から上方に突出する取付部材30が、立ち上がり部21の収納孔24に収められることで、第二型紙202は、第一型紙1に接触した状態を確保できる。
次いで、図6に示すように、横引き管5のうち挿通孔23を挿通する箇所に、マーカー等で切断位置を示すマークM1を付けて、第二型紙201を取り外す。次いで、横引き管5のマークM1の付いた箇所を、のこぎり等の切断具を用いて切断する。
次いで、切断された横引き管5の先端部(前端部)を、排水ソケット6の流入口60に接続する(図3(a)及び図3(b)参照)。このとき、横引き管5の前端を、流入口60内のストッパー面63に当てる。そして、排水ソケット6と横引き管5とエルボ体4を接着剤等で一体化させる。
次いで、図7(a)及び図7(b)に示すように、排水ソケット6の載置部62を、排水管3の周囲の取付部材30に載置して、載置部62を取付部材30にボルト・ナット等の固定具80を用いて固定する。このとき、エルボ体4は、第一型紙1の目印11よりも前側、つまり排水管3側に、トイレ用設備の前後長さ分だけずらして配置されることになる。次いで、第一型紙1の第三目印14に位置を合わせて、固定片8を床面101に載置し、第三目印14内の床面101に固定片8を、ねじ等の固定具81で固定する。なお、排水ソケット6の取付部材30への固定と、固定片8の床面101への固定は、どちらを先に行ってもよい。
次いで、図8に示すように、第一型紙1を切り離し線15で分けて、床面101から取り外す。次いで、エルボ体4の載置部42をビス等の固定具83を用いて床面101に固定する。
次いで、図9に示すように、エルボ体4の上方から便器9を落とし込み、エルボ体4の流入口40に便器9の排水口を接続させる。次いで、便器9の前部に、前方からねじ等の固定具82を挿通させて、便器9の前部を固定片8に固定する。以上のように設置することで、便器9と壁面100との間には、トイレ用設備を設置するためのスペースが形成される。次いで、前記スペースに、トイレ用設備を設置する。
以上のように、本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、トイレ用設備に対応した第二型紙202を用いることで、第一型紙1をトイレルームの壁面100に当てたままの状態で使用できる。そのため、本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、施工中の第一型紙1の位置ずれをトイレルームの壁面100によって規制することができ、トイレルームの壁面100と便器との間にトイレ用設備を設置する際に、便器の位置決めを簡単に行うことができる。
続いて、トイレルームの壁面100と便器との間に、トイレ用設備を設置しない場合について説明する。以下では、上述した施工方法と異なる施工手順については詳しく説明する。
初めに、図2(a)に示すように、第一型紙1を壁面100に当てた状態で床面101に載置し、目印11に位置を合わせて、横引き管5を接続したエルボ体4を床面101に載置する。
次いで、図1(a)に示す第一型紙1の開口12の周囲の第二目印13と、開口12内における排水管3の孔中心C3の前後位置とを比べて、使用されるべき1つの第二型紙2を決める。ここで、第二目印13の直線130よりも後側に排水管3の孔中心C3が位置する場合には、排水ソケット6に対応した第二型紙200を使用する。そして、第二目印13の直線130よりも前側に排水管3の孔中心C3が位置する場合には、延長部材7付きの排水ソケット6に対応した第二型紙201を使用する。
まず、排水ソケット6に対応した第二型紙200を使用する場合について説明する。
エルボ体4を床面101に載置した後、図2(b)に示すように、第二型紙200を、排水管3の位置に合わせて第一型紙1に載置し、挿通孔23に横引き管5を挿入させる。次いで、横引き管5のうち挿通孔23に挿通する箇所に、切断位置を示すマークM1を付ける。
次いで、第二型紙200を取り外して、横引き管5のマークM1の付いた箇所を切断する。次いで、切断された横引き管5の前端を流入口60内のストッパー面63に当て、排水ソケット6と横引き管5とエルボ体4を接着剤等で一体化させる。
次いで、図10に示すように、排水ソケット6の載置部62を、取付部材30に固定する。このとき、エルボ体4の載置部42は、第一型紙1の目印11内の床面101に載置される。エルボ体4の載置部42は、ねじ等の固定具83を用いて、目印11内の床面101に固定する。そして、第一型紙1の第三目印14に合わせて、固定片8を床面101に固定する。
次いで、第一型紙1を切り離し線15で分けて、床面101から取り外す。次いで、エルボ体4の上方から便器9を落とし込み、エルボ体4の流入口40に便器9の排水口を接続させる。次いで、便器9の前部に、前方から固定具82を挿通させて、便器の前部を固定片8に固定する。
続いて、延長部材7付きの排水ソケット6に対応した第二型紙201を使用する場合について説明する。
図5(a)及び図5(b)に示すように、エルボ体4を床面101に載置した後、第二型紙201を、排水管3の位置に合わせて第一型紙1に載置し、挿通孔23に横引き管5を挿入させる。次いで、横引き管5のうち挿通孔23に挿通する箇所に、切断位置を示すマークM1を付ける。
次いで、第二型紙201を取り外して、横引き管5のマークM1の付いた箇所を切断する。次いで、排水ソケット6の流入口60に接続された延長部材7の後端部に、切断された横引き管5の先端部(前端部)を接続する(図4(b)参照)。このとき、切断された横引き管5の前端を、延長部材7内のストッパー面70に当てる。そして、排水ソケット6と延長部材7と横引き管5とエルボ体4を接着剤等で一体化させる。なお、延長部材7は、横引き管5が接続される前に、排水ソケット6に接着剤等で一体化させておいてもよい。
次いで、排水ソケット6の載置部62を、取付部材30に固定する。このとき、エルボ体4の載置部42は、第一型紙1の目印11内の床面101に載置される。エルボ体4の載置部42は、ねじ等の固定具83を用いて、目印11内の床面101に固定する。そして、第一型紙1の第三目印14に位置を合わせて、固定片8を床面101に固定する。
次いで、第一型紙1を切り離し線15で分けて、床面101から取り外す。次いで、エルボ体4の上方から便器9を落とし込み、エルボ体4の流入口40に便器9の排水口を接続させる。次いで、便器9の前部に、前方から固定具82を挿通させて、便器9の前部を固定片8に固定する。
以上のように本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、壁面100と便器との間にトイレ用設備を設置せず、延長部材7付きの排水ソケット6を用いる際にも、対応した第二型紙201を用いることで、第一型紙1を壁面100に当てた状態で用いることができる。
また、本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、壁面100と便器との間にトイレ用設備を設置せず、延長部材7無しの排水ソケット6を用いる際にも、対応した第二型紙200を用いることで、第一型紙1を壁面100に当てた状態で用いることができる。そのため、本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、施工中の第一型紙1の位置ずれを壁面100によって規制することができ、これにより、壁面100と便器との間にトイレ用設備を設置しない際にも、便器の位置決めを簡単に行うことができる。
また、本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、第二型紙200と第二型紙201を使い分けることで、対応可能な排水管3の配置の範囲を拡げることができる。
また、本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、第二型紙200と第二型紙201と第二型紙202を使い分けることで、現場に応じて様々なパターンに対応することができ、汎用性の高いものとなっている。
続いて、本発明の第二実施形態の型紙セットについて説明する。本実施形態の型紙セットは、図11に示すように、第一実施形態の型紙セットとは、第二型紙2が異なる。本実施形態の型紙セットについて、第一実施形態の型紙セットと同様の構成については図中に同じ符号を付けて詳しい説明を省略する。
本実施形態の型紙セットでは、第二型紙2は、図11、図12(a)及び図12(b)に示すように、第一型紙1に載置されるベース部20と、ベース部20と一体に設けられる複数の立ち上がり部21とを有する。複数の立ち上がり部21は、前後に距離をあけて配置され、互いに平行に設けられる。複数の立ち上がり部21にはそれぞれ、エルボ体4に接続された横引き管5が挿通される挿通孔23が設けられる。複数の立ち上がり部21にそれぞれ設けられた挿通孔23は、ベース部20の合わせ孔22の中心C1までの水平方向の距離L1が互いに異なる。言い換えると、複数の立ち上がり部21はそれぞれ、合わせ孔22の中心C1までの前後距離L1が互いに異なる。
本実施形態では、第二型紙2は、2つの立ち上がり部21を有し、2つの立ち上がり部21間に、合わせ孔22が位置する。2つの立ち上がり部21それぞれの挿通孔23は、合わせ孔22の中心C1までの前後距離L1が、第一実施形態の3つの第二型紙200,201,202のうちのいずれか1つの前後距離L1と同じである。
例えば、一方の立ち上がり部21の挿通孔23の、合わせ孔22の中心C1までの前後距離L13は、第一実施形態の第二型紙200の前後距離L10と同じである。そして、他方の立ち上がり部21の挿通孔23の、合わせ孔22の中心C1までの前後距離L14は、第一実施形態の第二型紙202の前後距離L12と同じである。あるいは、他方の立ち上がり部21の挿通孔23の、合わせ孔22の中心C1までの前後距離L14は、第一実施形態の第二型紙201の前後距離L11と同じである。なお、一方の立ち上がり部21の挿通孔23の前後距離L13が第一実施形態の第二型紙202の前後距離L12と同じであり、他方の立ち上がり部21の挿通孔23の前後距離L14が第一実施形態の第二型紙201の前後距離L11と同じであってもよい。
本実施形態の型紙セットを用いた施工方法は、上述した第一実施形態の施工方法とは、第二型紙2の設置の仕方のみ異なる。
本実施形態では、第一型紙1に第二型紙2を載置する際に、第二型紙2の合わせ孔22を排水管3の周囲の取付部材30の外周面に合致させ、2つの立ち上がり部21のうち、現場の状況に対応した一方の立ち上がり部21の挿通孔23に横引き管5を挿入させる。例えば、トイレ用設備を設置する場合には、トイレ用設備に対応した立ち上がり部21の挿通孔23に横引き管5を挿入させる。また、トイレ用設備を設置しない場合において、排水ソケット6に直接横引き管5を接続する場合には、排水ソケット6に対応した立ち上がり部21の挿通孔23に横引き管5を挿入させる。また、トイレ用設備を設置しない場合において、排水ソケット6に延長部材7を介して横引き管5を接続する場合には、延長部材7付きの排水ソケット6に対応した立ち上がり部21の挿通孔23に横引き管5を挿入させる。
以上のように、本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、2つの立ち上がり部21の挿通孔23のうち、トイレ用設備に対応した立ち上がり部21の挿通孔23を用いることで、第一型紙1をトイレルームの壁面100に当てたままの状態で使用できる。そのため、施工中の第一型紙1の位置ずれをトイレルームの壁面100によって規制することができる。これにより、本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、トイレルームの壁面100と便器との間に、手洗い器等のトイレ用設備を設置する際に、便器の位置決めを簡単に行うことができる。
また、本実施形態の型紙セットでは、トイレ用設備を設置する場合に限らず、トイレ用設備を設置しない場合にも、選択する立ち上がり部21を変えることで、延長部材7付きの排水ソケット6や、延長部材7無しの排水ソケット6に対応可能である。
これにより、本実施形態の型紙セットは、1つの第二型紙2で現場に応じた複数パターンの状況に対応できるため、汎用性の高いものとなっている。
また、本実施形態の型紙セットを用いた施工方法では、第二型紙2を180度反転させることで、2つの立ち上がり部21の配置を入れ替えることができ、2つの立ち上がり部21の挿通孔23の使い分けを簡単に行うことができる。
なお、上述した第二実施形態では、立ち上がり部21を2つ有する第二型紙2の例について説明したが、第二型紙2の立ち上がり部21は、3つ以上であってもよい。
また、上述した第二実施形態では、立ち上がり部21を合わせ孔22の前側と後側に有する第二型紙2の例について説明したが、第二型紙2の複数の立ち上がり部21は、合わせ孔22の前側にだけまたは後側にだけ、前後に距離をあけて配置されていてもよい。
以上まとめると、本発明の型紙セットは、上述した第一実施形態の型紙セットのように、下記の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明の型紙セットは、排水ソケット6と、エルボ体4と、横引き管5とを介して、トイレルームの床面101の排水管3と便器9の排水口とを接続する際に用いられる型紙セットである。排水ソケット6は、排水管3に取り付けられ、エルボ体4は、床面101に載置され、便器9の排水口に取り付けられる。横引き管5は、排水ソケット6とエルボ体4を接続する。本発明の型紙セットは、トイレルームの壁面100に当てた状態で床面101に載置される第一型紙1と、排水管3に位置を合わせて第一型紙1に載置される第二型紙2とを備える。第一型紙1は、エルボ体4の載置位置を示す目印11と、排水管3が内側に配される開口12とを有する。第二型紙2は、第一型紙1に載置されるベース部20と、ベース部20と一体に設けられる立ち上がり部21とを有する。ベース部20には、排水管3に位置を合わせる合わせ孔22が設けられ、立ち上がり部21には、エルボ体4に接続された横引き管5が挿通される挿通孔23が設けられる。挿通孔23に挿通される箇所が横引き管5の切断位置である。第二型紙2は、複数設けられ、複数の第二型紙2それぞれは、合わせ孔22の中心から挿通孔23までの水平方向の距離L1が互いに異なる。
以上のような構成とすることで、本発明の型紙セットでは、便器9と壁面100との間に手洗い器などのトイレ用設備を配置する際には、複数の第二型紙2の中から対応した第二型紙2を選択することで、第一型紙1を壁面100に当てた状態で用いることができる。また、本発明の型紙セットでは、延長部材7付きの排水ソケット6を用いる際にも、複数の第二型紙2の中から対応した第二型紙2を選択することで、第一型紙1を壁面100に当てた状態で用いることができる。これにより、本発明の型紙セットでは、施工中の第一型紙1の位置ずれを壁面100で規制することができ、便器9の位置決めを正確に行いやすい。
また、本発明の型紙セットは、上述した第一実施形態の型紙セットのように、下記の構成を更に備えることが好ましい。
すなわち、本発明の型紙セットでは、第一型紙1には、開口12の周囲に、選択されるべき第二型紙2を示す第二目印13が設けられる。
このような構成を備えることで、本発明の型紙セットでは、複数の第二型紙2の中から1つの第二型紙2を選択する際に、第二目印13を目安にすることができ、間違った第二型紙2を選択することを抑制できる。
また、本発明の型紙セットは、上述した第二実施形態の型紙セットのように、下記の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明の型紙セットは、排水ソケット6と、エルボ体4と、横引き管5とを介して、トイレルームの床面101の排水管3と便器9の排水口とを接続する際に用いられる型紙セットである。排水ソケット6は、排水管3に取り付けられ、エルボ体4は、床面101に載置され、便器9の排水口に取り付けられる。横引き管5は、排水ソケット6とエルボ体4を接続する。本発明の型紙セットは、トイレルームの壁面100に当てた状態で床面101に載置される第一型紙1と、排水管3に位置を合わせて第一型紙1に載置される第二型紙2と、を備える。第一型紙1は、エルボ体4の載置位置を示す目印11と、排水管3が内側に配される開口12とを有する。第二型紙2は、第一型紙1に載置されるベース部20と、ベース部20と一体に設けられる複数の立ち上がり部21とを有する。ベース部20には、排水管3に位置を合わせる合わせ孔22が設けられ、複数の立ち上がり部21にはそれぞれ、エルボ体4に接続された横引き管5が挿通される挿通孔23が設けられる。挿通孔23に挿通される箇所が横引き管5の切断位置である。複数の立ち上がり部21にそれぞれ設けられた挿通孔23は、合わせ孔22の中心までの水平方向の距離L1が互いに異なる。
以上のような構成とすることで、本発明の型紙セットでは、便器9と壁面100との間にトイレ用設備を配置する際には、複数の立ち上がり部21の挿通孔23の中から対応した挿通孔23を選択することで、第一型紙1を壁面100に当てた状態で用いることができる。また、本発明の型紙セットでは、延長部材7付きの排水ソケット6を用いる際にも、複数の立ち上がり部21の挿通孔23の中から対応した挿通孔23を選択することで、第一型紙1を壁面100に当てた状態で用いることができる。これにより、本発明の型紙セットでは、施工中の第一型紙1の位置ずれを壁面100で規制することができ、便器9の位置決めを正確に行いやすい。
また、本発明の型紙セットは、上述した第二実施形態の型紙セットのように、下記の構成を更に備えることが好ましい。
すなわち、本発明の型紙セットでは、複数の立ち上がり部21は、2つの立ち上がり部21であり、2つの立ち上がり部21間に、合わせ孔22が位置する。
このような構成を備えることで、本発明の型紙セットでは、第二型紙2を反転させることで、2つの立ち上がり部21の挿通孔23を簡単に使い分けることができる。
また、本発明の型紙セットを用いた施工方法は、上述した第一及び第二実施形態の型紙セットを用いた施工方法のように、下記の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明の型紙セットを用いた施工方法は、トイレルームの壁面100と便器9との間にトイレ用設備を設置する際に、以下のようにして、横引き管5の切断位置を決定して、前記切断位置で横引き管5を切断する。つまり、複数の第二型紙2のうち、合わせ孔22の中心から挿通孔23までの距離L1が長い方の第二型紙2を用いるか、または、複数の挿通孔23のうち、合わせ孔22の中心から挿通孔23までの距離L1が長い方の挿通孔23を用いることで、前記切断位置を決定する。そして、エルボ体4を前記載置位置よりも排水管3側にずらして配置することで、壁面100と便器9との間に、トイレ用設備を設置するためのスペースを形成する。
以上のように本発明の型紙セットを用いた施工方法では、エルボ体4を第一型紙1の目印11で示される載置位置よりも排水管3側にずらして配置することで、第一型紙1は壁面100に当てた状態のまま、エルボ体4の配置を決めることができる。これにより、本発明の型紙セットを用いた施工方法では、施工中の第一型紙1の位置ずれを壁面100で規制することができ、便器9の位置決めを正確に行いやすい。
また、本発明の型紙セットを用いた施工方法は、上述した第一及び第二実施形態の型紙セットを用いた施工方法のように、下記の構成を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明の型紙セットを用いた施工方法は、第二型紙2を用いて、載置位置上のエルボ体4に接続された横引き管5の切断位置を決定し、エルボ体4を前記載置位置で床面101に対して取り付ける。
以上のように本発明の型紙セットを用いた施工方法では、エルボ体4を第一型紙1の目印11で示される載置位置で床面101に対して取り付けることで、エルボ体4の位置決めを簡単に行なえる。
以上、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の意図する範囲内であれば、適宜の設計変更が可能である。