JP6187716B2 - 通信装置及び通信方法 - Google Patents

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Description

本開示は、通信装置及び通信方法に関する。
近年、LTE(Long Term Evolution)及びWiMAXなどの高速なセルラ無線通信方式が実用化され、モバイルユーザにより享受される無線通信サービスの通信レートは大きく向上した。さらに、LTE−A(LTE-Advanced)などの第4世代セルラ無線通信方式が導入されれば、通信レートは一層向上するものと期待される。
一方で、モバイルユーザの数は急速に増加しており、高データレートを要求するアプリケーションの利用も広まってきている。結果として、セルラ無線通信方式の発展は、モバイルユーザの全てのニーズを満足させるには至っていない。そこで、通信レートを維持し、又は向上させるために、周波数リソースの有効利用のための技術が検討されている。
例えば、特許文献1には、複数の二次通信サービス間での通信リソースの共用を支援する技術が開示されている。
特開2012−34326号公報
しかし、1次システムが有する通信リソースのうちの遊休状態の通信リソースを有効活用する場合に、例えば、遊休状態の通信リソースの利用を2次システムが望む場合でも、実際に遊休状態である通信リソースは2次システムにとって不明である。そのため、遊休状態の通信リソースが1次システムから2次システムへ通知されることが望ましいが、当該通知の手法によっては、1次システムの負担が大きくなり、遊休状態の通信リソースの確認が、2次システムにとって困難になり得る。
そこで、1次システムが遊休状態の通信リソースを効率的に通知し、且つ2次システムが当該通信リソースを容易に確認することを可能にする仕組みが提供されることが望ましい。
本開示によれば、1次システムが有する周波数帯域を用いて、上記1次システムの端末装置と無線通信する無線通信部と、無線通信における時間の単位であるサブフレームであって、上記周波数帯域を二次的に利用する2次システムにとって当該周波数帯域が利用可能である上記サブフレームを選択する選択部と、を備え、上記無線通信部は、選択された上記サブフレームの識別情報を含む、上記周波数帯域のシステム情報を送信する、通信制御装置が提供される。
また、本開示によれば、1次システムが有する周波数帯域を用いて、上記1次システムの端末装置と無線通信することと、無線通信における時間の単位であるサブフレームであって、上記周波数帯域を二次的に利用する2次システムにとって当該周波数帯域が利用可能である上記サブフレームを選択することと、選択された上記サブフレームの識別情報を含む、上記周波数帯域のシステム情報を送信することと、を含む通信制御方法が提供される。
本開示によれば、1次システムが有する周波数帯域を用いて上記1次システムの端末装置と無線通信する通信制御装置が、無線通信における時間の単位であるサブフレームであって、上記周波数帯域を二次的に利用する2次システムにとって当該周波数帯域が利用可能である上記サブフレームを、選択した場合に、選択された上記サブフレームの識別情報を含む、上記周波数帯域のシステム情報を受信する無線通信部と、上記識別情報から識別されるサブフレーム内で、上記無線通信部に、上記周波数帯域を用いて無線通信させる制御部と、を備える通信装置が提供される。
以上説明したように本開示によれば、1次システムが遊休状態の通信リソースを効率的に通知し、且つ2次システムが当該通信リソースを容易に確認することが可能となる。
TDDの無線フレームのフォーマットの一例を説明するための説明図である。 TDDの無線フレームに含まれるスペシャルサブフレームの一例を説明するための説明図である。 本開示の実施形態に係る1次システム及び2次システムの概略的な構成の一例を示す説明図である。 第1の実施形態に係る1次システムのeNodeBの構成の一例を示すブロック図である。 MBSFNサブフレームの通信リソースの一例を説明するための説明図である。 MBSFNサブフレームにおけるガード領域の第1の例を説明するための説明図である。 MBSFNサブフレームにおけるガード領域の第2の例を説明するための説明図である。 アップリンクについてのサブフレーム内の通信リソースの一例を説明するための説明図である。 アップリンクについてのサブフレーム内の開放された通信リソースの一例を説明するための説明図である。 第1の実施形態に係る2次システムのHome eNodeBの構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る2次システムのUEの構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るサブフレーム選択処理(FDDを採用時)の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るサブフレーム選択処理(TDDを採用時)の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態に係るサブフレーム設定処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。 第1の実施形態の変形例に係るサブフレーム設定処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。 2次システムから1次システムの隣接セルへの干渉の一例を説明するための説明図である。 2次システムから1次システムの隣接セルへの干渉を抑制する手法の一例を説明するための説明図である。 第2の実施形態に係る1次システムのeNodeBの構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係る2次システムのHome eNodeBの構成の一例を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るeNodeB側の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るHome eNodeB側の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。 各TDDコンフィギュレーションにおける、UE側でのダウンリンクの受信及びアップリンクの送信のタイミングの一例を説明するための説明図である。 第3の実施形態に係る1次システムのeNodeB100−3の構成の一例を示すブロック図である。 第3の実施形態に係るサブフレーム選択処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
以下に添付の図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.はじめに
1.1.周波数リソースの有効利用のための技術分野
1.2.遊休状態の周波数リソースを有効活用する周波数2次利用
1.3.1次システム及び2次システム
1.4.LTEにおけるFDD/TDD
1.5.技術的課題
2.1次システム及び2次システムの概略的な構成
3.第1の実施形態
3.1.概要
3.2.eNodeBの構成
3.3.Home eNodeBの構成
3.4.UEの構成
3.5.処理の流れ
3.6.変形例
4.第2の実施形態
4.1.概要
4.2.eNodeBの構成
4.3.Home eNodeBの構成
4.4.処理の流れ
5.第3の実施形態
5.1.概要
5.2.eNodeBの構成
5.3.処理の流れ
6.まとめ
<<1.はじめに>>
まず、周波数リソースの有効利用のための技術分野、時間的に又は空間的に遊休状態の周波数リソースを有効活用する周波数2次利用、1次システム及び2次システム、LTEにおけるFDD/TDD、及び技術的課題を説明する。
<1.1.周波数リソースの有効利用のための技術分野>
まず、周波数リソースの有効利用のための技術分野を説明する。周波数リソースの有効利用のための技術分野として、例えば、以下のような技術分野が代表的である。
・単一の事業者内での周波数シェアリング
・異なる事業者間での周波数シェアリング
・時間的に又は空間的に遊休状態の周波数リソースを有効活用する周波数2次利用
・遊休状態の周波数リソースのリアルタイムオークション
第1に、単一の事業者内での周波数シェアリングは、同一事業者の異なる通信方式の通信システム間での周波数リソースの貸借により、周波数リソースの利用効率を向上させる技術である。上記異なる通信方式は、一例として、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)及びLTE(Long Term Evolution)である。例えば、LTEネットワーク内でトラフィック量が急増し、W−CDMAネットワーク内でトラフィック量が少ない場合に、W−CDMAネットワークの周波数リソースの一部が、LTEネットワークで一時的に利用可能とされる。その結果、LTEネットワークの通信容量が増加し、W−CDMAネットワーク及びLTEネットワークの両方での合計のトラフィック量を増やすことが可能である。また、換言すると、W−CDMAネットワーク及びLTEネットワークの両方で収容可能な端末装置の数を増やすことが可能である。
第2に、異なる事業者間での周波数シェアリングは、異なる事業者の通信システム間での周波数リソースの貸借により、周波数リソースの利用効率を向上させる技術である。当該周波数シェアリングでは、異なる事業者(例えば、事業者A及び事業者B)が同時に同じエリアで無線通信サービスを提供していると仮定される。例えば、事業者A及び事業者Bは、それぞれ、LTEの無線通信サービスを提供する。例えば、事業者BのLTEネットワーク内でトラフィック量が急増し、事業者AのLTEネットワーク内でトラフィック量が少ない場合に、事業者AのLTEネットワークの周波数リソースの一部が、事業者BのLTEネットワークで一時的に利用可能とされる。その結果、事業者BのLTEネットワークの通信容量が増加し、事業者BのLTEネットワークでトラフィック量を増やすことが可能である。
第3に、時間的に又は空間的に遊休状態の周波数リソースを有効活用する周波数2次利用は、1次システムと2次システムとの間での周波数リソースの貸借により、周波数リソースの利用効率を向上させる技術である。1次システムは、プライマリシステムとも呼ばれる。また、2次システムは、セカンダリシステムとも呼ばれる。1次システムは、優先権を有するメインのシステムである。例えば、1次システムは、LTEの無線通信システムである。また、例えば、2次システムは、無線LANシステム、又は、Home eNodeBとその近傍のUE(User Equipment)とで構成される専用の(dedicated)LTEの無線通信システムである。例えば、1次システムの周波数リソースの空きがある場合に、2次システムは、当該周波数リソースを一時的に利用する。
第4に、遊休状態の周波数リソースのリアルタイムオークションは、遊休状態の周波数リソースを、当該周波数リソースの利用を希望する事業者にオークションで貸し出す技術である。
なお、本開示は、時間的に又は空間的に遊休状態の周波数リソースを有効活用する周波数2次利用に着目する。本開示では、例えば、LTEのプラットフォームにおいてこの技術を適用する場合に求められる技術を説明する。
<1.2.遊休状態の周波数リソースを有効活用する周波数2次利用>
(LTEにおける周波数2次利用の前提)
LTEの無線通信システムにおいて、リソースブロック(RB)が、アップリンク及びダウンリンクにおけるスケジューリングの単位である。このリソースブロックは、12サブキャリア×7OFDMシンボルの通信リソースである。通信リソースは、このように周波数方向及び時間方向で分けられ得る。ユーザ機器(UE:User Equipment)は、リソースブロック単位の通信リソースを使用できる。また、UEへのダウンリンク及びアップリンクの通信リソースの割当ては、リソースブロックの単位で行われる。
LTEの無線通信システムにおいて、全ての時間において、全てのリソースブロックが使用されているわけではない。即ち、セル内でUEの数が少ない場合、又は、UEのアップリンク又はダウンリンクのトラフィックが少ない場合には、遊休状態のリソースブロックが存在する。この遊休状態の通信リソースを、1次システムが開放し、2次システムが有効利用することで、スループットを向上させることができる。
(有効利用する通信リソースの単位)
上述したように、遊休状態の通信リソースとして、12サブキャリア×7OFDMシンボルの通信リソースであるリソースブロックを説明した。当該リソースブロックは、スケジューリングの最小単位である。第1の例として、2次システムに開放される遊休状態の通信リソースの単位は、このリソースブロックである。また、第2の例として、2次システムに開放される遊休状態の通信リソースの単位は、サブフレームである。即ち、周波数帯域(例えば、コンポーネントキャリア)×1ミリ秒(ms)の通信リソースが、2次システムに開放される。
開放される遊休状態の通信リソースの単位によって、通信リソースの開放を決定すべき頻度が異なると考えられる。
例えば、開放される遊休状態の通信リソースの単位がリソースブロックである場合には、開放の決定の頻度は非常に高くなり得る。即ち、遊休状態の通信リソースは、非常に動的(dynamic)に開放され得る。なぜならば、リソースブロックごとに、当該リソースブロックをどのUEが使用するかが決められるので、遊休状態であったリソースブロックの直後のリソースブロックでは、遊休状態になっていない可能性があるからである。よって、リソースブロックの開放を決定する頻度は、例えば1ms(サブフレームの長さ)ごとである。
一方、例えば、開放される遊休状態の通信リソースの単位がサブフレームである場合には、開放の決定の頻度はより低くなり得る。即ち、遊休状態の通信リソースは、準静的(semi-static)に開放され得る。サブフレーム単位の通信リソースの開放を決定する頻度は、例えば数10msごとである。この場合に、数10msの間は、10msの無線フレームの中の開放されたサブフレーム単位の通信リソースが、2次システムにより利用される。
本開示では、サブフレーム単位での通信リソースの開放に着目する。
<1.3.1次システム及び2次システム>
(概要)
次に、一般的な1次システム及び2次システムを説明する。1次システムは、通信リソースの利用についての優先権を有するシステムである。一方、2次システムは、1次システムの通信リソースの中に遊休状態の通信リソースがある場合に、1次システムに影響を与えないという条件の下で、上記遊休状態の通信リソースを利用するシステムである。よって、1次システムの方が2次システムよりも優先度が高いといえる。なお、1次システムと2次システムとは、異なる無線アクセス技術を用いてもよい。
(1次システム及び2次システムの例)
1次システムは、一例としてLTEの無線通信システムである。一方、2次システムは、一例として、無線LANの通信システムである。別の例として、2次システムは、P2Pモードで動作するLTEのUEを含む無線通信システムであってもよい。また、さらに別の例として、2次システムは、独立したスモールセルのeNodeB(例えば、Home eNodeB、Pico eNodeB)と当該eNodeBと通信するUEとを含む無線通信システムであってもよい。
(LTEにおける1次システムと2次システムとの関係)
上述したように、1次システムの優先度が高く、2次システムの優先度が低い。この場合に、2次システムが1次システムに何らかの信号を送信することは考えにくい。即ち、遊休状態の通信リソースについて2次システムが1次システムに問い合わせることは、考えにくい。なぜならば、このような問い合わせは、1次システムへの負荷が増大し得るからである。一般的には、2次システムは、1次システムとの信号の送受信を行うことなく、1次システムの遊休状態の通信リソースを独立して判別し、1次システムに影響を与えないように、判別した通信リソースを利用する。ここで、2次システムが1次システムに影響を与えるとは、例えば、2次システムの通信リソースの利用による送信信号が1次システムにとっての干渉源となって、1次システムのスループットが下がることを意味する。
なお、1次システムがLTEの無線通信システムである場合には、当該無線通信システムはセルラ方式のシステムであるため、1次システムのあるセルは1次システムの別のセルと隣接する。この場合に、あるセルにおいて遊休状態の通信リソースがあり、2次システムが当該通信リソースを利用される場合に、当該2次システムの送信信号が隣接セルへの干渉源となり得ることも、考慮されることが望ましい。
上述したように、従来の1次システムと2次システムとの間では、一般的に、信号の送受信は行われない。そのため、2次システムは、1次システムの電波の測定(measurement)を十分に長い期間行った上で、1次システムにおいて通信リソースが使用されていないか(即ち、遊休状態の通信リソースがあるか)を判定する。そして、2次システムは、遊休状態の通信リソースがあると判定した場合に、遊休状態と思われる通信リソースを利用する。
<1.4.LTEにおけるFDD/TDD>
ここで、LTEの無線通信システムにおける周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)について説明する。LTEでは、FDD又はTDDのいずれも採用可能である。FDDでは、周波数方向において、アップリンク専用の周波数帯域とダウンリンク専用の周波数帯域とが使用される。また、FDDでは、時間方向において、10個のサブフレームを含む無線フレームのフォーマットが使用される。一方、TDDでも、時間方向において、10個のサブフレームを含む無線フレームのフォーマットが使用される。しかし、TDDでは、アップリンク及びダウンリンクの両方の通信に同一の周波数帯域が使用される。以下、TDDの無線フレームのフォーマットを図1を参照してより具体的に説明する。
図1は、TDDの無線フレームのフォーマットの一例を説明するための説明図である。図1を参照すると、無線フレーム(Radio Frame)は、LTEにおける1つの時間の単位であり、その長さは10msである。さらに、1つの無線フレームは、10個のサブフレーム(Subframe)を含む。サブフレームも、LTEにおける1つの時間の単位であり、その長さは、1msである。TDDでは、サブフレームごとのリンク方向が設定される。例えば、図1に示される無線フレームでは、♯0のサブフレームのリンク方向としてダウンリンク方向が設定され、♯3のサブフレームのリンク方向としてアップリンク方向が設定される。
ここで、アップリンクとは、UEからeNodeBへの通信のことであり、ダウンリンクとは、eNodeBからUEへの通信のことである。図1では、D、U、及びSが、それぞれ、ダウンリンクサブフレーム、アップリンクサブフレーム、及びスペシャルサブフレームを示す。スペシャルサブフレームについては、後に説明する。
LTEに準拠した無線通信システムではFDDが採用されることが一般的であった。しかし、TDDにはFDDと比べていくつかのメリットがある。
例えば、TDDには、周波数帯域の確保の観点からのメリットがある。FDDでは、アップリンク用の周波数帯域とダウンリンク用の周波数帯域とのペアを確保しなければならないが、TDDでは、1つの周波数帯域を確保すればよい。
また、例えば、TDDには、アップリンクとダウンリンクとの比率の観点からのメリットがある。一例として、FDDでは、アップリンク用の20MHzの周波数帯域とダウンリンク用の20MHzの周波数帯域とが確保された場合に、アップリンク用の通信リソースとダウンリンク用の通信リソースとの比率は1対1に固定される。一方、TDDでは、20MHzの周波数帯域が確保された場合に、アップリンク用の通信リソースとダウンリンク用の通信リソースとの比率は変更可能である。即ち、TDDでは、無線フレーム内のサブフレームごとのリンク方向のコンフィギュレーション(以下、「TDDコンフィギュレーション」と呼ぶ)を変更することにより、アップリンク用の通信リソースとダウンリンク用の通信リソースとの比率を変更することが可能である。
このようなメリットから、LTE又はLTE−Advancedに準拠した無線通信システムにおいてTDDが採用されることが、今後増えていくと予測される。
なお、TDDでは、上述したようなメリットがあるが一方、ダウンリンクとアップリンクとの切り替えのための時間を確保する必要がある。そのため、TDDでは、ダウンリンクサブフレームとアップリンクサブフレームとの間に、スペシャルサブフレームが挿入される。以下、当該スペシャルサブフレームを、図2を参照してより具体的に説明する。
図2は、TDDの無線フレームに含まれるスペシャルサブフレームの一例を説明するための説明図である。図2を参照すると、図1に示された無線フレームのうちの♯0〜♯2のサブフレームが示されている。ここで、♯0のサブフレームはダウンリンクサブフレームであり、♯1のサブフレームはスペシャルサブフレームであり、♯2のサブフレームはアップリンクサブフレームである。eNodeBの観点によれば、♯0のサブフレームのダウンリンク信号をUEが受信する時間は、空間での伝搬遅延及びUE内での処理遅延により、フォーマットにおける♯0のサブフレームの時間よりも遅延する。また、フォーマットにおける♯2のサブフレームの時間にeNodeBにデータが到着するためには、UEはアップリンク信号を前もって送信する必要がある。したがって、スペシャルサブフレームは、ダウンリンクについての遅延分の時間及びアップリンクについての前倒し分の時間を稼ぐための領域として定義される。即ち、スペシャルサブフレームは、ダウンリンクパイロットタイムスロット(DwPTS)及びアップリンクパイロットタイムスロット(UpPTS)を含む。また、スペシャルサブフレームは、さらに、ガード区間(Guard Period)を含む。このように、ダウンリンクとアップリンクとの切り替え時にスペシャルサブフレームが挿入されることが、TDDのデメリットである。
<1.5.技術的課題>
上述した時間的に又は空間的に遊休状態の周波数リソースを有効活用する周波数2次利用を実装する場合の技術的課題を説明する。ここでは、サブフレーム単位での通信リソースが開放されるものとする。また、一例として、LTE又はLTE−Aのプラットフォーム上で、上記周波数2次利用が実装される場合を説明する。
上述したように、一般的には、従来の1次システムと2次システムとの間で信号の送受信は行われない。そのため、2次システムは、1次システムの電波の測定を十分に長い期間行った上で、1次システムにおいて通信リソースが使用されていないか(即ち、遊休状態の通信リソースがあるか)を判定する。そして、2次システムは、遊休状態の通信リソースがあると判定した場合に、遊休状態と思われる通信リソースを利用する。
しかし、このような従来の手法では、実際に遊休状態である通信リソースは2次システムにとって不明である。より具体的には、2次システムの測定により遊休状態の通信リソースを判定する手法は、判定の直後に1次システムの通信が開始するという危険性を伴うので、実際に遊休状態である通信リソースを正確に特定することはできない。さらに、当該手法は、測定にある程度の長い時間を要するので、測定に要する時間よりも短い周期で生じる遊休状態の通信リソースを特定することはできない。
よって、遊休状態の通信リソースが1次システムから2次システムへ通知されることが望ましい。当該通知の手法として、1次システムのLTEの無線アクセスを用いて遊休状態の通信リソースを2次システムに通知する手法が考えられる。これは、1次システムのeNodeBからコアネットワーク(及びインターネット)を介して2次システムに通知する手法は、相当な時間を要し、効率的に遊休状態の通信リソースを開放できないと考えられるからである。ただし、当該通知の手法によっては、1次システムの負担が大きくなり、遊休状態の通信リソースの確認が、2次システムにとって困難になり得る。
そこで、本開示の実施形態は、1次システムが遊休状態の通信リソースを効率的に通知し、且つ2次システムが当該通信リソースを容易に確認することを可能にする。以降、<<2.1次システム及び2次システムの概略的な構成>>、<<3.第1の実施形態>>、<<4.第2の実施形態>>及び<<5.第3の実施形態>>において、その具体的な内容を説明する。
<<2.1次システム及び2次システムの概略的な構成>>
まず、図3を参照して、本開示の実施形態に係る1次システム及び2次システムの概略的な構成について説明する。図3は、本開示の実施形態に係る1次システム及び2次システムの概略的な構成の一例を示す説明図である。図3を参照すると、eNodeB100及びUE200を含む1次システムと、Home eNodeB300及びUE400を含む2次システムとが示されている。このように、1次システム及び2次システムは、一例として、LTE又はLTE−Aの無線通信システムである。
(1次システム)
上述したように、1次システムは、例えば、eNodeB100及びUE200を含む。eNodeB100は、1次システムのセル10内で、1次システムが有する周波数帯域を用いてUE200と無線通信する。例えば、当該周波数帯域は、コンポーネントキャリア(CC)である。当該CCは、最大20MHzの帯域幅を有する。
また、eNodeB100は、無線通信における時間の単位ごとに、UE200と無線通信する。無線通信における当該時間の単位は、10msの無線フレームである。また、無線フレームは10個のサブフレームを含むので、無線通信における当該時間の単位は、1msのサブフレームとも言える。
また、eNodeB100は、リソースブロックの単位で、アップリンク及びダウンリンクのスケジューリングを行う。即ち、eNodeB100は、リソースブロックの単位のアップリンク通信リソース及びダウンリンク通信リソースをUE200に割り当てる。なお、周波数方向において、CCは、最大110個のリソースブロックを含み、時間方向において、サブフレームは、2個のリソースブロックを含む。即ち、CCは、サブフレームごとに、最大220個のリソースブロックを含む。
(2次システム)
上述したように、2次システムは、例えば、Home eNodeB300及びUE400を含む。当該2次システムは、1次システムが有する周波数帯域を二次的に利用する。換言すると、Home eNodeB300は、1次システムにおいて使用されない遊休状態の通信リソースを用いて、UE400と通信する。とりわけ、本開示の実施形態では、サブフレーム単位での遊休状態の通信リソースが、2次システムにより利用される。即ち、Home eNodeB300は、1次システムがCCを使用しないサブフレーム内で、当該CCを用いてUE400と通信する。
<<3.第1の実施形態>>
<3.1.概要>
次に、本開示の第1の実施形態を説明する。第1の実施形態では、1次システムは、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームを選択する。そして、1次システムは、選択されたサブフレームの識別情報を含むシステム情報を送信する。即ち、1次システムは、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームの識別情報を、システム情報の一部として送信する。
LTEの無線通信システムにおいて、eNodeBが制御情報を送信する手法として、PDCCHで制御情報を送信する第1の送信手法、PDSCHでのRRCシグナリングにより制御情報を送信する第2の送信手法、制御情報をシステム情報の一部として送信する第3の送信手法という3種類の手法が考えられる。
まず、第1の送信手法では、通信リソースの無駄が大きい。PDCCHは、各リソースブロックの制御に関連する情報を送信するためのチャネルである。そのため、どのサブフレームの通信リソースを開放するかという準静的な情報がPDCCHで送信されると、通信リソースの無駄が大きい。
また、第2の送信手法では、2次システムは、利用可能な通信リソースを容易に確認できない。RRCシグナリングの通知のためには、2次システムの通信装置が、1次システムにおいて、周波数帯域での同期、RACH(Random Access Channel)でのいくつかの制御処理を経て、RRC_Connectedの状態で接続される必要がある。そのため、RRCシグナリングでの情報の受信は、2次システムにとって困難又は不便である。
一方、第3の送信手法では、第1の送信手法のような通信リソースの無駄はない。即ち、システム情報は、周波数帯域ごとに送信されるので、どのサブフレームの通信リソースを開放するか(即ち、どのサブフレームで周波数帯域を開放するか)という準静的な情報の送信に向いている。また、第2の送信手法のような2次システムにとっての困難さ又は不便さもない。即ち、システム情報は、周波数帯域での同期後に確認可能な情報であるため、2次システムはシステム情報を容易に確認できる。
したがって、上述したように、1次システムは、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームの識別情報を、システム情報の一部として送信する。
なお、第1の実施形態では、1次システムは、選択したサブフレームの通信リソースを開放するために、当該サブフレームを所定の種類のサブフレームに設定する。
<3.2.eNodeBの構成>
図4〜図9を参照して、第1の実施形態に係る1次システムのeNodeB100−1の構成の一例について説明する。図4は、第1の実施形態に係る1次システムのeNodeB100−1の構成の一例を示すブロック図である。図4を参照すると、eNodeB100−1は、無線通信部110、ネットワーク通信部120、記憶部130及び制御部140を備える。
(無線通信部110)
無線通信部110は、1次システムが有する周波数帯域を用いて、1次システムのUE200と無線通信する。例えば、当該周波数帯域は、最大20MHzの帯域幅を有するコンポーネントキャリア(CC)である。また、無線通信部110は、時間方向において、無線通信における時間の単位ごとに、即ち10msの無線フレーム(又は1msのサブフレーム)単位で、CCを用いて、UE200と通信する。
また、例えば、後述するように、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームが、制御部140(サブフレーム選択部143)により選択されると、無線通信部110は、選択されたサブフレームの識別情報を含む、周波数帯域のシステム情報を送信する。無線通信部110は、PBCH(Physical Broadcast Channel)及びPDSCH(Physical Downlink Shared Channel)上でシステム情報を送信する。
なお、無線通信部210は、例えばアンテナ及びRF回路を含む。
(ネットワーク通信部120)
ネットワーク通信部120は、他の通信ノードと通信する。例えば、ネットワーク通信部120は、直接的に又はいずれかの通信ノードを介して、2次システムのHome eNodeB300−1と通信する。
(記憶部130)
記憶部130は、eNodeB100−1の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。記憶部130は、例えばハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体を含む。
(制御部140)
制御部140は、eNodeB100−1の様々な機能を提供する。例えば、制御部140は、CPU又はDSP等のプロセッサに相当し、記憶部130又は他の記憶媒体に記憶されるプログラムを実行することにより、上記様々な機能を提供する。制御部140は、スケジューリング部141、サブフレーム選択部143、サブフレーム設定部145及びシステム情報生成部147を含む。
(スケジューリング部141)
スケジューリング部141は、アップリンク及びダウンリンクのスケジューリングを行う。例えば、スケジューリング部141は、リソースブロックの単位でスケジューリングを行う。即ち、eNodeB100は、リソースブロックの単位のアップリンク通信リソース及びダウンリンク通信リソースをUE200に割り当てる。
また、例えば、後述するように、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームが、サブフレーム選択部143により選択されると、スケジューリング部141は、選択されたサブフレームの通信リソースのスケジューリングを行わない。即ち、スケジューリング部141は、選択されたサブフレームのリソースブロックを、いずれのUE200にも割り当てない。
(サブフレーム選択部143)
サブフレーム選択部143は、2次システムにとって上記周波数帯域が利用可能であるサブフレームを選択する。例えば、サブフレーム選択部143は、周波数帯域の使用状況に基づいて、2次システムにとって上記周波数帯域が利用可能であるサブフレームを選択する。以下、1次システムでFDDが採用される場合のサブフレームの選択の例、及び1次システムでTDDが採用される場合のサブフレームの選択の例を説明する。
まず、1次システムでFDDが採用される場合、上記周波数帯域は、ダウンリンク及びアップリンクのうちのいずれか一方で用いられる。この場合に、サブフレーム選択部143は、例えば、周波数帯域の使用状況に基づいて、無線フレームに含まれる10個のサブフレームのうちのいくつのサブフレームの通信リソースを開放できるかを判定する。そして、サブフレーム選択部143は、無線フレームに含まれる10個のサブフレームの中から、判定された数(又は当該数よりも少ない数)のサブフレームを選択する。
また、1次システムでTDDが採用される場合、各サブフレームは、ダウンリンクサブフレーム又はアップリンクサブフレームのいずれかである。そして、上記周波数帯域は、ダウンリンクサブフレームでは、ダウンリンクで用いられ、アップリンクサブフレームでは、アップリンクで用いられる。この場合に、サブフレーム選択部143は、例えば、ダウンリンクでの周波数帯域の使用状況に基づいて、無線フレームに含まれるダウンリンクサブフレームのうちのいくつのダウンリンクサブフレームの通信リソースを開放できるかを判定する。そして、サブフレーム選択部143は、無線フレームに含まれるダウンリンクサブフレームの中から、判定された数(又は当該数よりも少ない数)のダウンリンクサブフレームを選択する。同様に、サブフレーム選択部143は、例えば、アップリンクでの周波数帯域の使用状況に基づいて、無線フレームに含まれるアップリンクサブフレームのうちのいくつのアップリンクサブフレームの通信リソースを開放できるかを判定する。そして、サブフレーム選択部143は、無線フレームに含まれるアップリンクサブフレームの中から、判定された数(又は当該数よりも少ない数)のアップリンクサブフレームを選択する。
また、1次システムがTDDの無線通信システムである場合に、例えば、サブフレーム選択部143は、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームとして、ダウンリンクサブフレームよりもアップリンクサブフレームを優先的に選択する。後述するように、アップリンクサブフレームが選択される場合には、ダウンリンクサブフレームが選択される場合よりも、2次システムがより多くの通信リソースを利用可能である。よって、通信リソースのより有効な利用が可能になる。また、アップリンクサブフレームが選択される場合には、1次システムは、後述するようなサブフレームの設定を行う必要はない。よって、1次システムにとっての負荷の軽減が可能になる。
なお、周波数帯域の使用状況は、例えば、周波数帯域との接続状態にあるUEの数、当該UEの数と周波数帯域との接続しようとするUEの数との和、周波数帯域における通信リソースの使用率、若しくは周波数帯域におけるトラフィック量のうちの少なくとも1つの値の実績値若しくは推定値であり、又は、当該実績値若しくは推定値から導かれる値である。
また、サブフレーム選択部143は、選択されたサブフレームの識別情報を生成する。第1の例として、サブフレームの識別情報は、10ビットの情報であり、当該10ビットの各ビットが、無線フレームに含まれる1つのサブフレームの通信リソースが開放されるか否かを示してもよい。また、第2の例として、サブフレームの数に応じて、無線フレームのうちのどのサブフレームの通信リソースが開放されるかが、予め決められていてもよい。そして、サブフレームの識別情報は、数ビットの情報であり、当該数ビットは、通信リソースが開放されるサブフレームの数を示してもよい。また、第3の例として、10個のサブフレームのうちの通信リソースを開放するサブフレームの複数のパターン(例えば、7つのパターン)が、予め決められていてもよい。そして、サブフレームの識別情報は、上記複数のパターンのうちのいずれかのパターンを一意に識別するための数ビット(例えば、3ビット)の情報であってもよい。
(サブフレーム設定部145)
サブフレーム設定部145は、選択されるサブフレームを、ダウンリンクのユニキャスト送信には使用されない所定の種類のサブフレームに設定する。例えば、サブフレーム設定部145は、選択されるサブフレームをMBSFN(Multicast-Broadcast Single Frequency Network)サブフレームに設定する。より具体的には、サブフレーム設定部145は、対象の周波数帯域が1次システムのダウンリンク周波数帯域であり、又は選択されるサブフレームが1次システムのダウンリンクサブフレームである場合に、選択されるサブフレームをMBSFNサブフレームに設定する。即ち、1次システムでFDDが採用される場合に、サブフレーム設定部145は、ダウンリンク周波数帯域について、選択されるサブフレームをMBSFNサブフレームに設定する。また、1次システムでTDDが採用される場合に、サブフレーム設定部145は、選択されるダウンリンクサブフレームをMBSFNサブフレームに設定する。このようなMBSFNサブフレームの設定により、2次システムがサブフレーム内でより多くの通信リソースを使用することが可能になる。以下、この点について図5を参照してより具体的に説明する。
図5は、MBSFNサブフレームの通信リソースの一例を説明するための説明図である。図5を参照すると、MBSFNサブフレームにおける通信リソースとして、周波数方向(f)及び時間方向(t)に分けられる通信リソース40が示されている。周波数方向には、12個のサブキャリアが示されている。また、時間方向には、1サブフレーム(即ち14個のOFDMシンボル)が示されている。即ち、12×14個のリソースエレメント(RE)が示され、時間方向に並ぶ2つのリソースブロック(RB)が示されている。また、通信リソース40の領域41は、通常のサブフレームにおけるPDCCHに対応する領域であり、通信リソース40の領域43は、通常のサブフレームにおけるPDSCHに対応する領域である。また、MBSFNサブフレームでは、通常のサブフレームにおけるPDCCHに対応する領域41において、UE200はCRS(Common Reference Signal)45を受信する。
UE200は、通常のサブフレーム内では、自装置宛のデータが受信されない場合であっても、PDCCH(領域41)の信号及びPDSCH(領域43)のCRSを受信する。一方、サブフレームがMBSFNサブフレームに設定されると、MBSFNの対象ではないUE200は、MBSFNサブフレーム内では、PDCCHのCRS45のみを受信すればよいことになっている。よって、選択されるサブフレームをMBSFNサブフレームに設定し、当該サブフレームについて1次システムのいずれのUE200もMBSFNの対象としないことにより、1次システムのUE200は、当該サブフレーム内でPDCCH(領域41)のCRS45以外の信号を受信しない。その結果、2次システムは、選択される上記サブフレーム内で、PDCCHのCRS45に対応する通信リソースを除く通信リソースを利用可能になる。したがって、選択されるサブフレームについてのスケジューリングを単に行わないだけの手法と比べて、2次システムがより多くの通信リソースを使用することが可能になる。
なお、サブフレームのMBSFNサブフレームへの設定は、サブフレームが選択された後に行われてもよく、又はサブフレームが選択される前に行われてもよい。
MBSFNサブフレームの設定による通信リソースの開放について説明したが、このような通信リソースの開放には制約がある。より具体的には、MBSFNサブフレームに設定可能なサブフレームは、無線フレームに含まれる10個のサブフレームのうちの特定のサブフレームに限られる。よって、当該特定のサブフレームの通信リソースが、開放の対象となる。例えば、1次システムにおいてFDDが採用される場合には、#0、#4、#5及び#9のサブフレームをMBSFNサブフレームに設定することが禁じられている。よって、この場合に、#1、#2、#3、#6、#7及び#8のサブフレームの通信リソースが開放の対象となる。また、#0、#5のサブフレームで同期信号が送信される。また、1次システムにおいてTDDが採用される場合には、#0、#1、#2、#5及び#6のサブフレームをMBSFNサブフレームに設定することが禁じられている。よって、この場合に、#3、#4、#7、#8及び#9のサブフレームの通信リソースが開放の対象となる。また、#0、#1、#5及び#6のサブフレームで同期信号が送信される。また、#1のサブフレームはスペシャルサブフレームであり、前半の部分(可変)が一部送られる特別のサブフレームである。
また、選択されるサブフレームがMBSFNサブフレームに設定される場合に、当該サブフレームがMBSFNサブフレームであることが、1次システムのeNodeB100−1に従属する(即ち、RRC_Connectedの)UE200に通知される。例えば、選択されたサブフレームがMBSFNサブフレームであることを通知するための情報が、システム情報の中に含められる。このような通知により、選択されたサブフレーム内でPDCCHのCRS45以外の信号をUE200が受信しないことが保証される。
なお、1次システムと2次システムとの間での干渉を回避するために、サブフレームの中の通信リソースの一部は、2次システムにより利用されない。
第1の例として、選択されたサブフレーム内では、リファレンス信号の通信リソースと周波数方向及び時間方向で近い通信リソースは、2次システムにより利用されない。以下、この点について図6を参照してより具体的に説明する。
図6は、MBSFNサブフレームにおけるガード領域の第1の例を説明するための説明図である。図6を参照すると、CRS45に対応する通信リソースの周囲の領域47は、ガード領域となる。即ち、2次システムは、ガード領域47の通信リソースを利用せず、ガード領域47の通信リソースとCRS45に対応する通信リソースとを除く通信リソースを利用する。
このような通信リソースの使用により、1次システムのUE200は、より小さな干渉でCRS45を受信することが可能になる。
第2の例として、選択されたサブフレームの直前のサブフレームがサブフレーム選択部143により選択されない場合に、選択されたサブフレーム内で、周波数帯域は、当該サブフレームの開始時点から所定の時間が経過するまで2次システムにより利用されない。及び/又は、選択されたサブフレームの直後のサブフレームがサブフレーム選択部143により選択されない場合に、選択された上記サブフレーム内で、周波数帯域は、当該サブフレームの終了時点の所定の時間前から当該終了時点まで2次システムにより利用されない。以下、この点について図7を参照してより具体的に説明する。
図7は、MBSFNサブフレームにおけるガード領域の第2の例を説明するための説明図である。図7を参照すると、サブフレームに含まれるOFDMシンボルのうちの1番目のOFDMシンボル及び14番目のOFDMシンボルに対応する領域49は、ガード領域となる。即ち、2次システムは、ガード領域49の通信リソースを利用せず、ガード領域49の通信リソースと、ガード領域47の通信リソースと、CRS45に対応する通信リソースとを除く通信リソースを利用する。
このような通信リソースの使用により、通信リソースが開放されるサブフレームの前後のサブフレームで通信リソースが開放されない場合であっても、当該前後のサブフレームで1次システムにより送信される信号への干渉を抑制することができる。
以上、1次システムのダウンリンクの通信リソースの開放について説明したが、アップリンクの通信リソースの開放は、スケジューリング部141について上述したスケジューリングの停止により実現され得る。以下、この点について図8及び図9を参照してより具体的に説明する。
図8は、アップリンクについてのサブフレーム内の通信リソースの一例を説明するための説明図である。図8を参照すると、1つのサブフレーム内のアップリンクの通信リソース50が示されている。通信リソース50は、周波数帯域全体の1サブフレーム分の通信リソースである。アップリンクの通信リソース50の周波数方向の両端の領域は、アップリンクの制御信号のためのチャネルであるPUCCH(Physical Uplink Control Channel)51である。PUCCHは2つの部分(51a、51b)に分けられ、当該2つの部分はたすき掛けのように配置されるので、周波数ダイバーシチと時間ダイバーシチの両方の効果が得られる。上記サブフレームについてのスケジューリングが行われない(即ち、上記サブフレームの通信リソースがUE200に割り当てられない)場合に、通信リソース50にはPUCCH51が含まれない。また、通信リソース50には、CRSが含まれない。よって、1次システムのUE200は、通信リソース50を自由に利用することができる。
図9は、アップリンクについてのサブフレーム内の開放された通信リソースの一例を説明するための説明図である。図9に示されるように、アップリンクの通信リソース50が開放されると、通信リソース50全体が2次システムに利用可能となる。
なお、ダウンリンクの場合と同様に、アップリンクの場合にも、通信リソース50の中に、図7を参照して説明したようなガード領域49があってもよい。
(システム情報生成部147)
システム情報生成部147は、1次システムが有する周波数帯域のシステム情報を生成する。例えば、当該システム情報は、サブフレーム選択部143により選択されたサブフレームの識別情報を含む。また、例えば、当該システム情報は、サブフレーム(例えば、サブフレーム選択部143により選択されたサブフレーム)がMBSFNサブフレームであることを通知するための情報を含んでもよい。
<3.3.Home eNodeBの構成>
図10を参照して、第1の実施形態に係る2次システムのHome eNodeB300−1の構成の一例について説明する。図10は、第1の実施形態に係る2次システムのHome eNodeB300−1の構成の一例を示すブロック図である。図10を参照すると、eNodeB300−1は、無線通信部310、ネットワーク通信部320、記憶部330及び制御部340を備える。
(無線通信部310)
無線通信部310は、1次システムの有する周波数帯域が2次システムにとって利用可能であるサブフレームが、eNodeB100−1により選択された場合に、無線通信部310は、選択されたサブフレームの識別情報を含む、上記周波数帯域のシステム情報を受信する。そして、無線通信部310は、制御部340の制御に応じて、上記識別情報から識別されるサブフレーム内で、上記周波数帯域を用いてUE400と無線通信する。
また、例えば、無線通信部310は、選択されたサブフレーム内で、リファレンス信号(例えば、CRS)の通信リソースと周波数方向及び時間方向で近い通信リソースを用いない。これは、eNodeB100−1に関連して図6を参照して説明したとおりである。
また、例えば、選択された当該サブフレームの直前のサブフレームが、eNodeB100−1により選択されないこともある。この場合に、例えば、無線通信部310は、選択されたサブフレーム内で、当該サブフレームの開始時点から所定の時間が経過するまで、上記周波数帯域を用いない。同様に、選択された当該サブフレームの直後のサブフレームが、eNodeB100−1により選択されないこともある。この場合に、例えば、無線通信部310は、選択されたサブフレーム内で、当該サブフレームの終了時点の所定の時間前から当該終了時点まで、上記周波数帯域を用いない。これは、eNodeB100−1に関連して図7を参照して説明したとおりである。
(ネットワーク通信部320)
ネットワーク通信部320は、他の通信ノードと通信する。例えば、ネットワーク通信部320は、直接的に又はいずれかの通信ノードを介して、1次システムのeNodeB100−1と通信する。
(記憶部330)
記憶部330は、Home eNodeB300−1の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。記憶部330は、例えばハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体を含む。
(制御部340)
制御部340は、Home eNodeB300−1の様々な機能を提供する。例えば、制御部340は、CPU又はDSP等のプロセッサに相当し、記憶部330又は他の記憶媒体に記憶されるプログラムを実行することにより、上記様々な機能を提供する。
例えば、制御部340は、1次システムが有する周波数帯域のシステム情報に含まれる識別情報から、サブフレームを識別する。当該サブフレームは、通信リソースが開放されるサブフレームである。そして、制御部340は、当該サブフレーム内で、無線通信部310に、上記周波数帯域を用いて通信させる。
<3.4.UEの構成>
図11を参照して、第1の実施形態に係る2次システムのUE400の構成の一例について説明する。図11は、第1の実施形態に係る2次システムのUE400の構成の一例を示すブロック図である。図11を参照すると、UE400は、無線通信部410、記憶部420及び制御部430を備える。
(無線通信部410)
無線通信部410は、1次システムの有する周波数帯域が2次システムにとって利用可能であるサブフレームがeNodeB100−1により選択された場合に、選択されたサブフレーム内で周波数帯域を用いてHome eNodeB300−1と無線通信する。
また、Home eNodeB300−1と同様に、例えば、無線通信部410は、選択されたサブフレーム内で、リファレンス信号(例えば、CRS)の通信リソースと周波数方向及び時間方向で近い通信リソースを用いない。
また、例えば、選択された当該サブフレームの直前のサブフレームが、eNodeB100−1により選択されないこともある。この場合に、Home eNodeB300−1と同様に、例えば、無線通信部410は、選択されたサブフレーム内で、当該サブフレームの開始時点から所定の時間が経過するまで、上記周波数帯域を用いない。また、選択された当該サブフレームの直後のサブフレームが、eNodeB100−1により選択されないこともある。この場合に、Home eNodeB300−1と同様に、例えば、無線通信部410は、選択されたサブフレーム内で、当該サブフレームの終了時点の所定の時間前から当該終了時点まで、上記周波数帯域を用いない。
(記憶部420)
記憶部420は、UE400の動作のためのプログラム及びデータを記憶する。記憶部420は、例えばハードディスク又は半導体メモリ等の記憶媒体を含む。
(制御部430)
制御部430は、UE400の様々な機能を提供する。例えば、制御部430は、CPU又はDSP等のプロセッサに相当し、記憶部430又は他の記憶媒体に記憶されるプログラムを実行することにより、上記様々な機能を提供する。
例えば、制御部430は、Home eNodeB300−1による制御に応じて、システム情報に含まれる識別情報から識別されるサブフレーム内で、無線通信部410に、上記周波数帯域を用いて通信させる。当該サブフレームは、通信リソースが開放されるサブフレームである。
<3.5.処理の流れ>
次に、図12〜図15を参照して、第1の実施形態に係る通信制御処理の一例について説明する。図12は、第1の実施形態に係る通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS600で、サブフレーム選択部143は、サブフレーム選択処理を実行する。即ち、サブフレーム選択部143は、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームを選択する。当該サブフレーム選択処理は、後に詳細に説明される。
次に、ステップS510で、サブフレーム選択部は、選択されたサブフレームがあるかを判定する。選択されたサブフレームがあれば、処理はステップS700へ進む。そうでなければ、処理はステップS530へ進む。
ステップS700で、スケジューリング部141及びサブフレーム設定部145は、サブフレーム設定処理を実行する。ここで、サブフレーム設定部145は、選択されたサブフレームを、ダウンリンクのユニキャスト送信には使用されない所定の種類のサブフレームに設定する。当該サブフレーム設定処理は、後に詳細に説明される。
ステップS520で、システム情報生成部147は、1次システムが有する周波数帯域のシステム情報を生成する。当該システム情報は、サブフレーム選択部143により選択されたサブフレームの識別情報を含む。
ステップS530で、システム情報生成部147は、1次システムが有する周波数帯域のシステム情報を生成する。
ステップS540で、無線通信部110は、1次システムが有する周波数帯域のシステム情報を送信する。そして、処理は終了する。
(サブフレーム選択処理)
次に、図13を及び図14を参照して、上記サブフレーム選択処理(ステップS600)を説明する。
−FDDが採用される場合
まず、図13は、第1の実施形態に係るサブフレーム選択処理(FDDを採用時)の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS601で、サブフレーム選択部143は、周波数帯域の使用状況に基づいて、無線フレームに含まれる10個のサブフレームのうちのいくつのサブフレームの通信リソースを開放できるかを判定する。ここで、周波数帯域の使用状況とは、例えば、当該eNodeBにRRC_ConnectedしているUEの数や、当該RRC_Connectedな状態のUEのアップリンクとダウンリンクの各トラフィックの状況のことである。そして、例えば、UEの数や、トラフィックの量が少ないサブフレームを開放できると判定する。また、当該サブフレーム単体で、トラフィックの量を判断する手法以外にも、あるサブフレームのトラフィックを別のサブフレームに移すことが可能な場合、つまり、対象としているサブフレーム以外の他のサブフレームに、対象としているトラフィックを移して吸収可能な場合も、対象としているサブフレームを開放できると判定してもよい。より具体的には、eNodeBのMACレイヤーに搭載されているスケジューラが当該サブフレームへの割り当てをしなくても支障がない状態のことである。
次に、ステップS603で、サブフレーム選択部143は、通信リソースを開放可能なサブフレームが1つ以上か(即ち、通信リソースを開放可能なサブフレームがあるか)を判定する。当該サブフレームが1つ以上であれば、処理はステップS605へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
ステップS605で、サブフレーム選択部143は、通信リソースを開放する1つ以上のサブフレーム(即ち、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレーム)を選択する。そして、ステップS607で、サブフレーム選択部143は、選択されたサブフレームの識別情報を生成する。そして、処理は終了する。
−TDDが採用される場合
次に、図14は、第1の実施形態に係るサブフレーム選択処理(TDDを採用時)の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS621で、サブフレーム選択部143は、アップリンクサブフレームでの周波数帯域の使用状況に基づいて、無線フレームに含まれるアップリンクサブフレームのうちのいくつのアップリンクサブフレームの通信リソースを開放できるかを判定する。
次に、ステップS623で、サブフレーム選択部143は、通信リソースを開放可能なアップリンクサブフレームが1つ以上かを判定する。当該アップリンクサブフレームが1つ以上であれば、処理はステップS625へ進む。そうでなければ、処理はステップS631へ進む。
ステップS625で、サブフレーム選択部143は、通信リソースを開放する1つ以上のアップリンクサブフレームを選択する。
ステップS631で、サブフレーム選択部143は、ダウンリンクサブフレームでの周波数帯域の使用状況に基づいて、無線フレームに含まれるダウンリンクサブフレームのうちのいくつのダウンリンクサブフレームの通信リソースを開放できるかを判定する。
次に、ステップS633で、サブフレーム選択部143は、通信リソースを開放可能なダウンリンクサブフレームが1つ以上かを判定する。当該ダウンリンクサブフレームが1つ以上であれば、処理はステップS635へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
ステップS635で、サブフレーム選択部143は、通信リソースを開放する1つ以上ダウンリンクサブフレームを選択する。
ステップS641で、サブフレーム選択部143は、選択されたサブフレーム(アップリンクサブフレーム及びダウンリンクサブフレーム)の識別情報を生成する。そして、処理は終了する。
(サブフレーム設定処理)
次に、図15を参照して、上記サブフレーム設定処理(ステップS700)を説明する。図15は、第1の実施形態に係るサブフレーム設定処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS701で、スケジューリング部141は、選択されたサブフレームの通信リソースのスケジューリングを停止する(即ち、スケジューリングを行わない)。
次に、ステップS703で、サブフレーム設定部145は、周波数帯域はダウンリンク周波数帯域であるか(FDD採用時)、又は選択されたサブフレームがダウンリンクサブフレームを含むかを判定する。判定が真(Yes)であれば、処理はステップS705へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
ステップS705で、サブフレーム設定部145は、選択されたサブフレームをMBSFNサブフレームに設定する。なお、1次システムがTDDを採用し、ダウンリンクサブフレームとアップリンクサブフレームとの両方が選択された場合には、ダウンリンクサブフレームのみが、MBSFNサブフレームに設定される。
<3.6.変形例>
次に、第1の実施形態の変形例を説明する。本変形例では、1次システムは、時分割複信方式の無線通信システムである。そして、1次システムは、選択されるサブフレームをアップリンクサブフレームに設定する。このように選択されるサブフレームがアップリンクサブフレームであることで、当該サブフレーム内の全ての制御信号をなくすことが可能である。よって、2次システムがより多くの通信リソースを利用できるようになる。
(サブフレーム設定部145)
サブフレーム設定部145は、選択されるサブフレームを、ダウンリンクのユニキャスト送信には使用されない所定の種類のサブフレームに設定する。とりわけ本変形例では、サブフレーム設定部145は、選択されるサブフレームをアップリンクサブフレームに設定する。より具体的には、例えば、サブフレーム設定部145は、サブフレーム選択部143により既に選択されたサブフレームが1次システムのダウンリンクサブフレームである場合に、選択されたサブフレームをアップリンクサブフレームに設定する。又は、サブフレーム設定部145は、無線フレームに含まれるサブフレームのうちのいくつかのサブフレームをアップリンクサブフレームに設定し、サブフレーム選択部143は、アップリンクサブフレームに設定されたサブフレームを選択してもよい。
より具体的には、例えば、サブフレーム設定部145は、ダウンリンクサブフレームがより少なくなり、アップリンクサブフレームがより多くなるように、TDDコンフィギュレーションを変更する。例えば、特定のサブフレームのリンク方向がダウンリンクからアップリンクに変わるように、TDDコンフィギュレーションが変更されてもよい。
(サブフレーム設定処理)
図16を参照して、本変形例に係るサブフレーム設定処理(ステップS700)を説明する。図16は、第1の実施形態の変形例に係るサブフレーム設定処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS721で、スケジューリング部141は、選択されたサブフレームの通信リソースのスケジューリングを停止する。
次に、ステップS723で、サブフレーム設定部145は、選択されたサブフレームがダウンリンクサブフレームを含むかを判定する。選択されたサブフレームがダウンリンクサブフレームを含めば、処理はステップS725へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
ステップS725で、サブフレーム設定部145は、選択されたサブフレームがアップリンクサブフレームになるように、TDDコンフィギュレーションを変更する。即ち、サブフレーム設定部145は、選択されたサブフレームをアップリンクサブフレームに設定する。
<<4.第2の実施形態>>
<4.1.概要>
次に、本開示の第2施形態を説明する。1次システムがFDDを採用する場合に、ダウンリンク周波数帯域の通信リソースが開放されることがあり得る。また、1次システムがTDDを採用する場合に、ダウンリンクサブフレームの通信リソースが開放されることがあり得る。第2の実施形態では、これらの場合に、周波数帯域は、選択されたサブフレーム内で、1次システムのセルの端部で無線通信する2次システムにより利用されない。以下、この点について図17を参照してより具体的に説明する。
図17は、2次システムから1次システムの隣接セルへの干渉の一例を説明するための説明図である。図17を参照すると、1次システムのeNodeB100a、100b、及びUE200a、200b、200cが示されている。また、2次システムのHome eNodeB300及びUE400が示されている。なお、eNodeB100aのセル10aとeNodeB100bのセル10bとは互いに隣接する。また、Home eNodeB300及びUE400を含む2次システムは、セル10の端部で無線通信している。
ここで、1次システムがTDDの無線通信システムであり、隣接するセル10間でTDDコンフィギュレーションが一致すると仮定する。この場合に、例えば、eNodeB100aは、ダウンリンクサブフレームの通信リソースを、セル10a内の2次システムに開放する。その結果、1次システムのeNodeB100a及びUE200aは、当該ダウンリンクサブフレームにおいて周波数帯域を利用せず、2次システムのHome eNodeB300及びUE400は、当該ダウンリンクサブフレームにおいて当該周波数帯域を利用する。例えば、Home eNodeB300及びUE400の一方が、他方に向けて信号を送信する。一方、eNodeB100bは、上記サブフレームサブフレームの通信リソースを、セル10b内の2次システムに開放しない。そのため、1次システムのeNodeB100b及びUE200b、200cは、当該ダウンリンクサブフレームにおいて周波数帯域を利用する。例えば、eNodeB100bは、UE200b及びUE200cにダウンリンク信号を送信する。このような場合に、例えば、セル10aの近傍に位置するUE200bにおいて、セル端部で通信するHome eNodeB300及びUE400の一方からの信号が、eNodeB100bからのダウンリンク信号に干渉し得る。
また、1次システムがFDDの無線通信システムである場合でも、ダウンリンク周波数帯域において、上述したような干渉が生じ得る。
よって、1次システムのあるセルにおいてダウンリンクの通信リソースが開放されると、当該セルに隣接する1次システムの別のセルへの干渉が生じ得る。そして、セル10aに隣接するセル10b内で通信するUE200が2次システムのセル30からどの程度近いかは不明であるため、このような干渉を抑制することは困難である。
一方、1次システムのあるセルにおいてアップリンクの通信リソースが開放されたとしても、当該セルに隣接するセルへの干渉を抑制することは可能である。より具体的には、アップリンク通信リソースが開放される場合には、セル10bのeNodeB100bにおいて、セル端部で通信するHome eNodeB300及びUE400の一方からの信号が、UE200b又はUE200cからのアップリンク信号に干渉し得る。ただし、2次システムのHome eNodeB300又はUE400は、セル10bのeNodeB100bからのリファレンス信号を観測することにより、eNodeB100bでの干渉を予測することができる。よって、このような場合には、例えば2次システムにおける電力制御により、干渉を抑制することが可能である。
したがって、第2の実施形態では、2次システムから1次システムへの干渉を抑制するために、ダウンリンクの通信リソースは、1次システムのセルの端部で無線通信する2次システムにより利用されない。以下、この点について図18を参照してより具体的に説明する。
図18は、2次システムから1次システムの隣接セルへの干渉を抑制する手法の一例を説明するための説明図である。図18を参照すると、セル10の中心部に位置する2次システム(Home eNodeB300−2a、UE400a)は、1次システムのアップリンクの通信リソース及びダウンリンクの通信リソースを利用する。一方、セル10の端部に位置する2次システム(Home eNodeB300−2b、UE400b)は、1次システムのアップリンクの通信リソースのみを利用する。
このようにセル端部で無線通信する2次システムが利用可能な通信リソースを制限することにより、1次システムの隣接セルへの干渉を抑制することが可能である。
<4.2.eNodeBの構成>
図19を参照して、第2の実施形態に係る1次システムのeNodeB100−2の構成の一例について説明する。図19は、第2の実施形態に係る1次システムのeNodeB100−2の構成の一例を示すブロック図である。図19を参照すると、eNodeB100−2は、無線通信部111、ネットワーク通信部120、記憶部130及び制御部150を備える。
ここで、ネットワーク通信部120及び記憶部130については、第1の実施形態と第2の実施形態との間に差異はない。また、制御部150のうち、スケジューリング部141、サブフレーム選択部143及びサブフレーム設定部145についても、第1の実施形態と第2の実施形態との間に差異はない。よって、ここでは、無線通信部111及びシステム情報生成部157について説明する。
(無線通信部111)
無線通信部111は、1次システムが有する周波数帯域を用いて、1次システムのUE200と無線通信する。また、例えば、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームが、制御部140(サブフレーム選択部143)により選択されると、無線通信部111は、選択されたサブフレームの識別情報を含む、周波数帯域のシステム情報を送信する。これらの点については、第1の実施形態の無線通信部110と同様である。
また、対象の周波数帯域が1次システムのダウンリンク周波数帯域であり、又は選択されたサブフレームが1次システムのダウンリンクサブフレームであり得る。この場合に、無線通信部111は、1次システムのセルの端部で無線通信する2次システムにとって、選択された上記サブフレーム内で上記周波数帯域が利用不能であることを示す利用制約情報を送信する。このような利用制約情報の送信により、1次システムのセルの端部で無線通信する2次システムに、ダウンリンクの通信リソースを利用してはいけないことを知らせることができる。その結果、上記周波数帯域は、選択された上記サブフレーム内で、1次システムのセルの端部で無線通信する2次システムにより利用されなくすることが可能になる。その結果、1次システムの隣接セルへの干渉が抑制される。
また、例えば、無線通信部111は、上記利用制約情報を含むシステム情報を送信する。即ち、利用制約情報は、システム情報の一部として送信される。このような送信により、2次システム(例えば、Home eNodeB300−2)は、サブフレームの識別情報と同様に、利用制約情報を容易に確認することが可能になり、また、サブフレームの識別情報の確認後に利用制約情報も即座に確認することが可能になる。
(システム情報生成部157)
システム情報生成部147は、1次システムが有する周波数帯域のシステム情報を生成する。例えば、当該システム情報は、サブフレーム選択部143により選択されたサブフレームの識別情報を含む。また、例えば、当該システム情報は、サブフレーム(例えば、サブフレーム選択部143により選択されたサブフレーム)がMBSFNサブフレームであることを通知するための情報を含んでもよい。これらの点については、第1の実施形態のシステム情報生成部147と同様である。
また、対象の周波数帯域が1次システムのダウンリンク周波数帯域であり、又は選択されたサブフレームが上記1次システムのダウンリンクサブフレームである場合に、システム情報生成部147は、上記利用制約情報を含むシステム情報を生成する。
<4.3.Home eNodeBの構成>
図20を参照して、第2の実施形態に係る2次システムのHome eNodeB300−2の構成の一例について説明する。図20は、第2の実施形態に係る2次システムのHome eNodeB300−2の構成の一例を示すブロック図である。図20を参照すると、Home eNodeB300−2は、無線通信部310、ネットワーク通信部320、記憶部330及び制御部350を備える。
ここで、無線通信部310、ネットワーク通信部320及び記憶部330については、第1の実施形態と第2の実施形態との間に差異はない。よって、ここでは、制御部350について説明する。
(制御部350)
制御部350は、Home eNodeB300−1の様々な機能を提供する。例えば、制御部350は、1次システムが有する周波数帯域のシステム情報に含まれる識別情報から、サブフレームを識別する。当該サブフレームは、通信リソースが開放されるサブフレームである。そして、制御部350は、当該サブフレーム内で、無線通信部310に、上記周波数帯域を用いて通信させる。これらの点については、第1の実施形態の制御部340と同様である。
また、例えば、Home eNodeB300−2とUE400とは、セル10の端部で無線通信する。そして、例えば、対象の周波数帯域が1次システムのダウンリンク周波数帯域であり、又は選択されたサブフレームが1次システムのダウンリンクサブフレームであり得る。このような場合には、制御部350は、周波数帯域を、選択された上記サブフレーム内で利用しないように、無線通信部310を制御する。より具体的には、制御部350は、サブフレームの識別情報を取得したとしても、当該サブフレームについての利用制約情報も取得した場合には、周波数帯域を、選択された上記サブフレーム内で利用しないように、無線通信部310を制御する。
このような制御の結果、上記周波数帯域は、選択された上記サブフレーム内で、1次システムのセルの端部で無線通信する2次システムにより利用されなくすることが可能になる。その結果、1次システムの隣接セルへの干渉が抑制される。
<4.4.処理の流れ>
次に、図21及び図22を参照して、第2の実施形態に係る通信制御処理の例について説明する。まず1次システム側の処理を説明する。図21は、第2の実施形態に係るeNodeB側の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
ここでは、図12を参照して説明した第1の実施形態に係る通信制御処理の一例と、第2の実施形態に係る通信制御処理の一例との差分である、ステップS550、S560のみを説明する。
ステップS550で、システム情報生成部157は、対象の周波数帯域がアップリンク周波数帯域であり、又は選択されたサブフレームがアップリンクサブフレームを含むかを判定する。判定が真(Yes)であれば、処理はステップS520へ進む。
ステップS560で、システム情報生成部157は、選択されたサブフレームの識別情報及び利用制約情報を含むシステム情報を生成する。
次に、2次システム側の処理を説明する。図22は、第2の実施形態に係るHome eNodeB側の通信制御処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。
ステップS810で、無線通信部310は、システム情報を受信する。次に、ステップS820で、制御部350は、システム情報の中に、サブフレームの識別情報が含まれるかを判定する。サブフレームの識別情報が含まれていれば、処理はステップS830へ進む。そうでなければ、処理は終了する。
ステップS830で、制御部350は、Home eNodeB300−2が1次システムのセル10の端部にあるかを判定する。Home eNodeB300−2がセル10の端部にあれば、処理はステップS840へ進む。そうでなければ、処理はステップS850へ進む。
ステップS840で、制御部350は、システム情報の中に、利用制約情報が含まれるかを判定する。利用制約情報が含まれていれば、処理は終了する。そうでなければ、処理はステップS850へ進む。
ステップS850で、無線通信部310は、識別情報から識別されるサブフレームで無線通信する。そして、処理は終了する。
<<5.第3の実施形態>>
<5.1.概要>
次に、本開示の第3施形態を説明する。第3の実施形態では、1次システムは、TDDの無線通信システムである。そして、1次システムは、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームとして、アップリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームよりも、ダウンリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームを優先的に選択する。
基本的に、TDDにおけるサブフレームは、eNodeB側でのダウンリンクの送信及びアップリンクの受信のタイミングに合わせて配置される。よって、実際には、UEは、サブフレームのタイミングよりも遅延して、ダウンリンクでの信号を受信し、サブフレームのタイミングよりも速く、アップリンクの信号を送信する。以下、この点について図23を参照してより具体的に説明する。
図23は、各TDDコンフィギュレーションにおける、UE側でのダウンリンクの受信及びアップリンクの送信のタイミングの一例を説明するための説明図である。図23を参照すると、上述したように、ダウンリンクの受信のタイミングは、サブフレームのタイミングよりも遅く、アップリンクの送信のタイミングは、サブフレームのタイミングよりも早い。なお、図23には、ダウンリンクサブフレームからアップリンクサブフレームへの切り替わりの際に挿入されるスペシャルサブフレームは示されていない。当該スペシャルサブフレームは、♯1のサブフレーム又は♯6のサブフレームである。
ここでアップリンクサブフレームに着目すると、アップリンクサブフレームとその直後のアップリンクサブフレームとの間には間隔がないが、アップリンクサブフレームとその直後のダウンリンクサブフレームとの間には大きな間隔がある。よって、ダウンリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームの通信リソースが開放される場合には、2次システムは、当該アップリンクサブフレームの間隔のみならず、当該アップリンクサブフレームとその直後のダウンリンクサブフレームとの間の間隔でも、通信リソースを利用することができる。例えば、Configuration 0について、♯8のアップリンクサブフレームの通信リソースを開放するよりも、♯4のアップリンクサブフレームの通信リソースを開放する方が、2次システムは、より多くの通信リソースを利用することができる。
したがって、第3の実施形態では、アップリンクサブフレームが選択される場合に、アップリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームよりも、ダウンリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームが、優先的に選択される。その結果、2次システムがより多くの通信リソースを利用することが可能になり、2次システムのスループットが向上する。
なお、TDDでは、♯0、♯1、♯5及び♯6のサブフレームでは、同期信号が送信される。よって、これらのサブフレーム以外のサブフレームの通信リソースは、開放される可能性がある。
<5.2.eNodeBの構成>
図24を参照して、第3の実施形態に係る1次システムのeNodeB100−3の構成の一例について説明する。図24は、第3の実施形態に係る1次システムのeNodeB100−3の構成の一例を示すブロック図である。図24を参照すると、eNodeB100−3は、無線通信部110、ネットワーク通信部120、記憶部130及び制御部160を備える。
ここで、無線通信部110、ネットワーク通信部120及び記憶部130については、第1の実施形態と第3の実施形態との間に差異はない。また、制御部160のうち、スケジューリング部141、サブフレーム設定部145及びシステム情報生成部147についても、第1の実施形態と第2の実施形態との間に差異はない。よって、ここでは、サブフレーム選択部163について説明する。
(サブフレーム選択部163)
サブフレーム選択部163は、2次システムにとって上記周波数帯域が利用可能であるサブフレームを選択する。また、1次システムがTDDの無線通信システムである場合に、例えば、サブフレーム選択部163は、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームとして、ダウンリンクサブフレームよりもアップリンクサブフレームを優先的に選択する。また、サブフレーム選択部163は、選択されたサブフレームの識別情報を生成する。これらの点については、第1の実施形態のサブフレーム選択部143と同様である。
また、サブフレーム選択部163は、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームとして、アップリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームよりも、ダウンリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームを優先的に選択する。例えば、TDDコンフィギュレーションが、図1及び図23に示されるConfiguration 0である場合に、サブフレーム選択部163は、♯2、♯3、♯7及び♯8のアップリンクサブフレームよりも、♯4及び♯9のアップリンクサブフレームを優先的に選択する。このようなアップリンクサブフレームの選択により、2次システムは、より多くの通信リソースを利用することができる。
<5.3.処理の流れ>
次に、図25参照して、第3の実施形態に係るサブフレーム選択処理の例について説明する。なお、第3の実施形態に係る通信制御処理全体は、図12を参照して説明された第1の実施形態の通信制御処理と同様である。
図25は、第3の実施形態に係るサブフレーム選択処理の概略的な流れの一例を示すフローチャートである。ここでは、図14を参照して説明した第1の実施形態に係るサブフレーム選択処理(TDD採用時)の一例と、第3の実施形態に係るサブフレーム選択処理の一例との差分である、ステップS661、S663、S665のみを説明する。
ステップS661で、サブフレーム選択部163は、ダウンリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームを選択可能かを判定する。当該アップリンクサブフレームを選択可能であれば、処理はステップS663へ進む。そうでなければ、処理はステップS665へ進む。
ステップS663で、サブフレーム選択部163は、ダウンリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームを含む1つ以上アップリンクサブフレームを選択する。
ステップS665で、サブフレーム選択部163は、ダウンリンクサブフレームの直前の1つ以上アップリンクサブフレームを選択する。
<<6.まとめ>>
ここまで、図1〜図25を用いて、本開示の実施形態に係る各装置及び通信制御処理について説明した。本実施形態によれば、1次システムのeNodeB100は、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームを選択する。そして、1次システムのeNodeB100は、選択された上記サブフレームの識別情報を含む、上記周波数帯域のシステム情報を送信する。これにより、1次システムが遊休状態の通信リソースを効率的に通知し、且つ2次システムが当該通信リソースを容易に確認することが可能になる。
1次システムのeNodeB100は、選択されるサブフレームを、ダウンリンクのユニキャスト送信には使用されない所定の種類のサブフレームに設定する。このような設定により、2次システムがサブフレーム内でより多くの通信リソースを使用することが可能になる。
より具体的には、例えば、1次システムのeNodeB100は、選択されたサブフレームをMBSFNサブフレームに設定する。このようなMBSFNサブフレームの設定により、1次システムのUE200は、当該サブフレーム内でPDCCH(領域41)のCRS45以外の信号を受信しない。その結果、2次システムは、選択される上記サブフレーム内で、PDCCHのCRS45に対応する通信リソースを除く通信リソースを利用可能になる。したがって、選択されるサブフレームについてのスケジューリングを行わない手法と比べて、2次システムがより多くの通信リソースを使用することが可能になる。
また、例えば、1次システムのeNodeB100は、選択されるサブフレームをアップリンクサブフレームに設定する。このように選択されるサブフレームがアップリンクサブフレームであることで、当該サブフレーム内の全ての制御信号をなくすことが可能である。よって、2次システムがより多くの通信リソースを利用できるようになる。
また、1次システムがTDDの無線通信システムである場合に、例えば、1次システムのeNodeB100は、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームとして、ダウンリンクサブフレームよりもアップリンクサブフレームを優先的に選択する。アップリンクサブフレームが選択される場合には、ダウンリンクサブフレームが選択される場合よりも、2次システムがより多くの通信リソースを利用可能である。よって、通信リソースのより有効な利用が可能になる。また、アップリンクサブフレームが選択される場合には、1次システムは、サブフレームの設定を行う必要はない。よって、1次システムにとっての負荷の軽減が可能になる。
また、対象の周波数帯域が1次システムのダウンリンク周波数帯域であり、又は選択されたサブフレームが1次システムのダウンリンクサブフレームである場合に、周波数帯域は、選択されたサブフレーム内で、1次システムのセルの端部で無線通信する2次システムにより利用されない。このようにセル端部で無線通信する2次システムが利用可能な通信リソースを制限することにより、1次システムの隣接セルへの干渉を抑制することが可能である。
また、1次システムのeNodeB100は、2次システムにとって周波数帯域が利用可能であるサブフレームとして、アップリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームよりも、ダウンリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームを優先的に選択する。このようなアップリンクサブフレームの選択により、2次システムは、より多くの通信リソースを利用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、Home eNodeBとUEとを含む2次システムの例を説明したが、本開示に係る2次システムはこれに限られない。2次システムは、別の通信装置を含む無線通信システムであってもよい。例えば、2次システムは、いずれかの基地局(又はアクセスポイント)といずれかの端末装置とを含む別の無線通信システムであってもよい。また、例えば、2次システムは、複数の端末装置を含み、当該複数の端末装置が互いにダイレクト通信を行なってもよい。このようなダイレクト通信は、Device to Device通信(D2D)と呼ばれ、今後のセルラーの新技術として注目されている。
また、2次システムのうちのHome eNodeBが1次システムからのサブフレームの識別情報、利用制約情報等の情報を処理する例を説明したが、本開示に係る技術はこれに限られない。2次システムのうちのいずれの通信装置が、サブフレームの識別情報、利用制約情報等の情報を処理してもよい。例えば、UEが、Home eNodeBの代わりに、又はHome eNodeBと共に、上記情報を処理してもよい。
また、利用制約情報がシステム情報の一部として送信される例を説明したが、本開示に係る技術はこれに限られない。利用制約情報は、例えば、いずれかの他の手法で送信されてもよい。例えば、利用制約情報は、有線ネットワークを含むネットワークを介して2次システムの通信装置(例えば、Home eNodeB)に送信されてもよい。
また、1次システムの1つの周波数帯域に着目して、当該周波数帯域の通信リソースが開放される例を説明したが、本開示に係る技術はこれに限られない。1次システムの複数の周波数帯域の各々の通信リソースが開放されてもよい。この場合に、例えば、上述した実施形態の各処理が、周波数帯域ごとに実行される。
また、本明細書の通信制御処理における処理ステップは、必ずしもフローチャートに記載された順序に沿って時系列に実行されなくてよい。例えば、通信制御処理における処理ステップは、フローチャートとして記載した順序と異なる順序で実行されても、並列的に実行されてもよい。具体的な一例として、通信制御処理において、サブフレーム選択処理の後にサブフレーム設定処理が実行される例を説明したが、本開示に係る通信制御処理はこれに限られない。例えば、通信制御処理において、サブフレーム設定処理の後にサブフレーム選択処理が実行されてもよく、又は、サブフレーム選択処理に含まれる個別のステップとサブフレーム設定処理に含まれる個別のステップとが、いずれかの適当な順序に並べられて、実行されてもよい。
また、eNodeBのような1次システムの通信制御装置、並びに、Home eNodeB及びUEのような2次システムの通信装置に内蔵されるCPU、ROM及びRAM等のハードウェアに、上記通信制御装置及び上記通信装置の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
1次システムが有する周波数帯域を用いて、前記1次システムの端末装置と無線通信する無線通信部と、
無線通信における時間の単位であるサブフレームであって、前記周波数帯域を二次的に利用する2次システムにとって当該周波数帯域が利用可能である前記サブフレームを選択する選択部と、
を備え、
前記無線通信部は、選択された前記サブフレームの識別情報を含む、前記周波数帯域のシステム情報を送信する、
通信制御装置。
(2)
前記通信制御装置は、選択される前記サブフレームを、ダウンリンクのユニキャスト送信には使用されない所定の種類のサブフレームに設定する設定部、をさらに備える、前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記設定部は、選択される前記サブフレームをMBSFNサブフレームに設定する、前記(2)に記載の通信制御装置。
(4)
前記1次システムは、時分割複信方式の無線通信システムであり、
前記設定部は、選択される前記サブフレームをアップリンクサブフレームに設定する、前記(2)に記載の通信制御装置。
(5)
前記1次システムは、時分割複信方式の無線通信システムであり、
前記選択部は、前記2次システムにとって前記周波数帯域が利用可能である前記サブフレームとして、ダウンリンクサブフレームよりもアップリンクサブフレームを優先的に選択する、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(6)
選択された前記サブフレーム内では、リファレンス信号の通信リソースと周波数方向及び時間方向で近い通信リソースは、前記2次システムにより利用されない、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(7)
選択された前記サブフレームの直前のサブフレームが前記選択部により選択されない場合に、選択された前記サブフレーム内で、前記周波数帯域は、当該サブフレームの開始時点から所定の時間が経過するまで前記2次システムにより利用されず、選択された前記サブフレームの直後のサブフレームが前記選択部により選択されない場合に、選択された前記サブフレーム内で、前記周波数帯域は、当該サブフレームの終了時点の所定の時間前から当該終了時点まで前記2次システムにより利用されない、前記(1)〜(6)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(8)
前記周波数帯域が前記1次システムのダウンリンク周波数帯域であり、又は選択された前記サブフレームが前記1次システムのダウンリンクサブフレームである場合に、前記周波数帯域は、選択された前記サブフレーム内で、前記1次システムのセルの端部で無線通信する2次システムにより利用されない、前記(1)〜(7)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(9)
前記無線通信部は、前記周波数帯域が前記1次システムのダウンリンク周波数帯域であり、又は選択された前記サブフレームが前記1次システムのダウンリンクサブフレームである場合に、前記1次システムのセルの端部で無線通信する2次システムにとって、選択された前記サブフレーム内で前記周波数帯域が利用不能であることを示す利用制約情報を送信する、前記(8)に記載の通信制御装置。
(10)
前記無線通信部は、前記周波数帯域が前記1次システムのダウンリンク周波数帯域であり、又は選択された前記サブフレームが前記1次システムのダウンリンクサブフレームである場合に、前記利用制約情報を含む前記システム情報を送信する、前記(9)に記載の通信制御装置。
(11)
前記1次システムは、時分割複信方式の無線通信システムであり、
前記選択部は、前記2次システムにとって前記周波数帯域が利用可能である前記サブフレームとして、アップリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームよりも、ダウンリンクサブフレームの直前のアップリンクサブフレームを優先的に選択する、
前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の通信制御装置。
(12)
1次システムが有する周波数帯域を用いて、前記1次システムの端末装置と無線通信することと、
無線通信における時間の単位であるサブフレームであって、前記周波数帯域を二次的に利用する2次システムにとって当該周波数帯域が利用可能である前記サブフレームを選択することと、
選択された前記サブフレームの識別情報を含む、前記周波数帯域のシステム情報を送信することと、
を含む通信制御方法。
(13)
1次システムが有する周波数帯域を用いて前記1次システムの端末装置と無線通信する通信制御装置が、無線通信における時間の単位であるサブフレームであって、前記周波数帯域を二次的に利用する2次システムにとって当該周波数帯域が利用可能である前記サブフレームを、選択した場合に、選択された前記サブフレームの識別情報を含む、前記周波数帯域のシステム情報を受信する無線通信部と、
前記識別情報から識別されるサブフレーム内で、前記無線通信部に、前記周波数帯域を用いて無線通信させる制御部と、
を備える通信装置。
10 1次システムのセル
30 2次システムのセル
100 eNodeB
110、111 無線通信部
120 ネットワーク通信部
130 記憶部
140、150、160 制御部
141 スケジューリング部
143、163 サブフレーム選択部
145 サブフレーム設定部
147、157 システム情報生成部
300 Home eNodeB
310 無線通信部
320 ネットワーク通信部
330 記憶部
340、350 制御部
400 UE
410 無線通信部
420 記憶部
430 制御部

Claims (2)

  1. 無線通信する無線通信部と、
    1次システムが有する周波数帯域を用いて前記1次システムの端末装置と無線通信する通信制御装置が、無線通信における時間の単位であるサブフレームであって、前記周波数帯域を二次的に利用する2次システムにとって当該周波数帯域が利用可能である前記サブフレームを設定した場合に、設定された前記サブフレーム内で前記周波数帯域を用いて無線通信するよう前記無線通信部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記1次システムは、FDD(Frequency Division Duplex)またはTDD(Time Division Duplex)で動作可能なLTE無線システムであり、前記2次システムは、D2D(device-to-device)で動作するLTE無線システムであり、
    設定される前記サブフレームとしてアップリンクサブフレームが優先的に設定され、
    前記無線通信部は、前記1次システムがFDD及びTDDのいずれで動作する場合であっても、予め決められた複数のフレームパターンのうちいずれかのパターンとして設定された前記サブフレームの識別情報を受信し、
    前記サブフレームの識別情報は、複数のビットを含み、前記複数のビットは、前記周波数帯域が前記1次システムによって通信に使用されていない場合に前記2次システムの端末装置により使用可能な前記サブフレームを特定する情報であり、前記複数のビットのビット数は、LTE(Long Term Evolution)における無線フレームに含まれるサブフレームの数よりも少なく、
    設定された前記サブフレームの最初及び最後の1つのシンボルは、前記2次システムに用いられないガード領域であり、
    設定された前記サブフレームのうちCRS(Common Reference Signal)に対応するリソース及びCRSに対応するリソースの周囲のリソースは、前記2次システムに用いられないガード領域である、通信装置。
  2. 通信装置が無線通信することと、
    1次システムが有する周波数帯域を用いて前記1次システムの端末装置と無線通信する通信制御装置が、無線通信における時間の単位であるサブフレームであって、前記周波数帯域を二次的に利用する2次システムにとって当該周波数帯域が利用可能である前記サブフレームを設定した場合に、設定された前記サブフレーム内で前記周波数帯域を用いて無線通信するよう前記通信装置のプロセッサにより制御することと、
    を含み、
    前記1次システムは、FDD(Frequency Division Duplex)またはTDD(Time Division Duplex)で動作可能なLTE無線システムであり、前記2次システムは、D2D(device-to-device)で動作するLTE無線システムであり、
    設定される前記サブフレームとしてアップリンクサブフレームが優先的に設定され、
    前記無線通信することは、前記1次システムがFDD及びTDDのいずれで動作する場合であっても、予め決められた複数のフレームパターンのうちいずれかのパターンとして設定された前記サブフレームの識別情報を受信することを含み、
    前記サブフレームの識別情報は、複数のビットを含み、前記複数のビットは、前記周波数帯域が前記1次システムによって通信に使用されていない場合に前記2次システムの端末装置により使用可能な前記サブフレームを特定する情報であり、前記複数のビットのビット数は、LTE(Long Term Evolution)における無線フレームに含まれるサブフレームの数よりも少なく、
    設定された前記サブフレームの最初及び最後の1つのシンボルは、前記2次システムに用いられないガード領域であり、
    設定された前記サブフレームのうちCRS(Common Reference Signal)に対応するリソース及びCRSに対応するリソースの周囲のリソースは、前記2次システムに用いられないガード領域である、通信方法。
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