JP6187413B2 - 車両用情報提示方法、車両用情報提示システム、車載装置 - Google Patents
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Description
A.第1実施例 :
A−1.装置構成 :
図1には、第1実施例の画像表示システム1の構成が示されている。第1実施例の画像表示システム1は、車両に設けられた車載装置10と、運転者(乗員)が頭部に装着することができる眼鏡型のウェアラブル端末20とから構成されている。車載装置10とウェアラブル端末20は互いに無線通信可能に接続されている。
尚、「表示器画像」は、本発明における「文字または画像を表示させるための情報」に対応している。また、表示情報生成部17は、本発明における「演算手段」に対応している。
A−2−1.通信確立処理 :
図2には、第1実施例の車載装置10において行われる通信確立処理のフローチャートが示されている。尚、この通信確立処理も含めて車載装置10において行われる処理は、実際には、車載装置10内部のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって行われるが、以下では、車載装置10または上述した機能ブロック11〜19を実行主体として説明する。また、この通信確立処理は、車両のACC電源が投入された後、車載装置10とウェアラブル端末20との通信が確立されるまで、タイマ割り込み処理として一定の時間毎に(例えば100m秒毎に)行われる。
これに対して、通信が許可されたウェアラブル端末20が存在すると判断された場合は(S100:yes)、自己のアドレスや周波数のホッピングパターンの送信等を行うことによって、ウェアラブル端末20との通信を確立する(S102)。こうして、ウェアラブル端末20との通信が確立されたら(ウェアラブル端末20との通信が可能な状態となったら)、図3に示す送信開始処理を起動すると共に(S104)、図2の通信確立処理を終了する。尚、ウェアラブル端末20との通信が確立された後は(図3に示す送信開始処理が起動された後は)、タイマ割り込みのタイミングが到来しても、図2に示す通信確立処理は行われない。
図3には、第1実施例の車載装置10において行われる送信開始処理のフローチャートが示されている。この送信開始処理では、ウェアラブル端末20に対する車両情報の送信を開始するための処理(図5、図6を用いて後述する車両情報送信処理を開始するための処理)が行われる。尚、この送信開始処理は、起動された後、後述する車両情報送信処理が開始されるまで、タイマ割り込み処理として一定の時間毎に(例えば100m秒毎に)行われる。
ブルートゥース通信部11は、撮影画像要求信号を送信したら(S200)、該撮影画像要求信号に応答したウェアラブル端末20から撮影画像を受信したか否かを判断する(S202)。そして、撮影画像を未だ受信していない場合は(S202:no)、所定の待機時間(例えば500m秒)が経過したか否か(タイムアウトとなったか否か)を判断する(S204)。その結果、所定の待機時間が経過していなければ(S204:no)、再び撮影画像を受信したか否かを判断する(S202)。
これに対して、所定の待機時間が経過していれば(S204:yes)、そのまま図3に示す送信開始処理を終了して、次のタイマ割り込みのタイミングで再びこの送信開始処理を実行する。すなわち、撮影画像要求信号を送信した後、所定の待機時間が経過するまでは、S202の判断処理を繰り返すことでウェアラブル端末20から送信される撮影画像の受信を待機する。そして、所定の待機時間が経過する前に撮影画像を受信したら(S202:yes)、ブルートゥース通信部11は、受信した撮影画像を受信情報記憶部12に記憶する(S206)。
ここで、第1実施例の車載装置10が設けられた車両には、車速メーターや、燃料計、水温計、液晶表示器等の運転者が視認する表示器が設けられておらず、複数のマーカー「1」〜「7」(それぞれ異なる態様(デザイン)のマーカー)が刻印、印刷、貼付等によって設けられている。これらのマーカー「1」〜「7」は、図4に示すように、従来であれば各種表示器が設けられる位置だけでなく(マーカー「2」,「3」,「7」)、表示器が設けられないような位置(図4であればハンドル,フロントピラー,ブレーキ,アクセル)にも設けられている(マーカー「1」,「4」,「5」,「6」)。
S208の判断処理では、これらのマーカーのうちハンドルの中央部に設けられたマーカー「1」を撮影画像から検出する処理を実行する。例えば、周知のエッジ検出処理やパターンマッチング処理等を行うことによって、マーカー「1」を検出する処理を実行する。その結果、撮影画像からマーカー「1」が検出された場合は(S210:yes)、図5および図6に示す車両情報送信処理を起動すると共に(S212)、図3の送信開始処理を終了する。これに対して、撮影画像からマーカー「1」が検出されなかった場合は(S212:no)、そのまま図3に示す送信開始処理を終了して、次のタイマ割り込みのタイミングで再びこの送信開始処理を行う。
S210の判断処理では、このような運転者の視認方向が撮影された撮影画像からマーカー「1」を検出したか否かを判断するので、結局のところ、運転者がマーカー「1」を視認したか否かが判断される。そして、運転者がマーカー「1」を視認したと判断された場合は(S210:yes)、図5および図6に示す車両情報送信処理を起動する(S212)。尚、図5および図6に示す車両情報送信処理が起動された後は、タイマ割り込みのタイミングが到来しても、図3に示す送信開始処理は行われない。
図5および図6には、第1実施例の車載装置10において行われる車両情報送信処理のフローチャートが示されている。この車両情報送信処理では、車載装置10からウェアラブル端末20へ車両情報を送信するための処理が行われる。尚、この車両情報送信処理は、起動された後、タイマ割り込み処理として一定の時間毎に(例えば100m秒毎に)行われる。
その結果、異常情報が検出された場合は(S302:yes)、異常検出部13は、異常の発生を運転者に警告する画像(以下「警告画像」という)のうち今回検出された異常情報に対応する画像を送信情報記憶部13に記憶させる。そして、ブルートゥース通信部11は、送信情報記憶部13に記憶された該警告画像をウェアラブル端末20に向けて送信する(S304)。詳しくは後述するが、ウェアラブル端末20は、車載装置10から警告画像を受信すると、表示部21に該警告画像を表示する。尚、異常情報が検出されなかった場合は(S302:no)、S304の処理は省略される。
そこで、表示情報生成部17は、表示器画像を生成して(S320)送信情報記憶部13に記憶したら(S322)、該表示器画像が「運転者が視認しているマーカー」に重なる位置に表示されるように、該表示器画像の表示位置(ウェアラブル端末20の表示部21上の表示位置)を演算する。例えば、「運転者が視認しているマーカー」の撮影画像内における位置(縦座標、横座標)を検出し(S324)、この位置に基づいて表示器画像の表示位置を演算する(S326)。そして、S320の処理で記憶された表示器画像に対応付けて、該表示器画像の表示位置を送信情報記憶部13に記憶する(S328)。
以上は、車載装置10において行われる処理について説明した。以下では、ウェアラブル端末20において行われる処理について説明する。
図8には、第1実施例のウェアラブル端末20において行われる対応処理のフローチャートが示されている。この対応処理では、車載装置10から送信される上述の各種情報(撮影画像要求信号、警告画像、「表示器画像および表示位置」)に対応する処理が行われる。尚、ウェアラブル端末20において行われる処理は、実際には、制御装置23内部のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって行われるが、以下では、制御装置23または上述した機能ブロック24〜27を実行主体として説明する。また、この対応処理は、タイマ割り込み処理として一定の時間毎に(例えば100m秒毎に)行われる。
撮影画像要求信号を受信している場合は(S400:yes)、カメラ22に撮影を行わせると共に(S402)、カメラ22が撮影した撮影画像を送信情報記憶部26に記憶する。そして、該撮影画像を車載装置10に向けて送信する(S404)。前述したように、車載装置10では、この撮影画像の中から「運転者が視認しているマーカー」が検出される(図3のS208、図5のS314)。
警告画像を受信している場合は(S406:yes)、表示制御部27は、受信情報記憶部25から警告画像を読み出し、該警告画像を表示部21の予め定められた領域(警告画像表示領域)に表示する(S408)。警告画像表示領域は、例えば、レンズ型の表示部21の縁部などに設定することができる。
以上のように警告画像を表示部21に表示すると、該警告画像を運転者に視認させることができ、ひいては、車両に異常が発生したことを運転者に認識させることができる。
「表示器画像および表示位置」を受信している場合は(S410:yes)、表示制御部27は、受信情報記憶部25から「表示器画像および表示位置」を読み出し、表示部21の表示領域のうち「表示位置」に対応する位置に「表示器画像」を表示する(S412)。
図9には、運転者がウェアラブル端末20を装着した場合の視野が概念的に示されている。図9(a)に示すように、運転者が表示部21を介してマーカーを視認している場合は、上述のS412の処理が行われることによって、図9(b)に示すように、マーカーに重なる位置に表示器画像が表示される。図9に示す例では、マーカー「2」に重なる位置に車速を示す表示器画像(車速メーターの画像)が表示され、マーカー「3」に重なる位置に燃料の残量およびエンジン冷却水の水温を示す表示器画像(燃料計の画像および水温計の画像)が表示され、マーカー「4」に重なる位置に運転席のドアのロック状況を示す表示器画像(「LOCK」,「UNLOCK」の文字が表示される液晶表示器の画像)が表示されている。
尚、図示は省略したが、運転者が表示部21を介してマーカー「5」を視認している場合は、マーカー「5」に重なる位置に「ブレーキ」であることを示す表示器画像(例えば、「ブレーキ」の文字が表示されるドットマトリックス表示器の画像)を表示し、マーカー「6」に重なる位置に「アクセル」であることを示す表示器画像(例えば、「アクセル」の文字が表示されるドットマトリックス表示器の画像)を表示し、マーカー「7」に重なる位置にナビエーションシステムやオーディオシステム用の液晶表示器を示す表示器画像を表示することとしてもよい。
また、第1実施例の画像表示システム1では、従来の表示器と比較して大きな設置スペースを必要としないマーカーを設けて、該マーカーと重なって見える位置に車両情報を示す表示器画像を表示する。従って、表示器を設けるスペースがない部位や、従来であれば表示器が設けられていない部位に、表示器が設けられているように運転者に見せることができる。この結果、車両の部位に表示器が実際に設置されているように見せつつも、車両内における情報表示の自由度(車両情報の表示位置の自由度)を高めることが可能となる。
尚、マーカー「5」に重なる位置に「ブレーキ」であることを示す表示器画像を表示したり、マーカー「6」に重なる位置に「アクセル」であることを示す表示器画像を表示したりする場合は、アクセルとブレーキの踏み間違いを抑制することができ、安全運転に貢献することが可能となる。
また、第1実施例の画像表示システム1では、車両に異常が発生した場合は、運転者がマーカーを視認していない場合であっても、ウェアラブル端末20の表示部21に警告画像を表示する。従って、車両の異常が発生したことを迅速に運転者に認識させることが可能となる。
A−4−1.変形例1 :
次に上述した第1実施例の変形例1について説明する。変形例1では、第1実施例の図6の処理に代えて、図10に示す処理を実行する。図6と図10を比較すると明らかなように、変形例1では、S320〜S328の処理を実行する前に、S500の処理(図中、太枠)が実行される。
ウェアラブル端末20は、「表示器画像および表示位置」を受信すると、図8を用いて前述したように、表示部21の表示領域のうち「表示位置」に対応する位置に「表示器画像」を表示する。すなわち、運転者がウェアラブル端末20の表示部21を介してマーカーを視認した場合に「表示器画像」がマーカーと重なって見える位置に表示する。
次に上述した第1実施例の変形例2について説明する。変形例2では、図12に示すように、マーカー「7」の右下方に運転者が操作可能なスイッチ類(操作部)が設けられている。
また、変形例2では、運転者がマーカー「7」を視認すると、表示部21の表示領域のうち該マーカー「7」に重なって見える位置に「操作対応画面」を表示する。「操作対応画面」は、運転者にスイッチ類の操作を促す画面であり、表示器画像の一種である。例えば、図13に示すように、車両に搭載されたオーディオシステムで再生可能な複数の楽曲(項目)から所望の楽曲を選択させるための画像、および、音量を調節させるための画像を表示する。
そして、このような変形例2の車載装置10は、上述した第1実施例の各種処理(通信確立処理、送信開始処理、車両情報送信処理)に加えて、以下に説明するスイッチ操作関連処理を行う。これにより、運転者によるスイッチ類の操作に対応する処理が実行される。
図15に示すスイッチ操作関連処理を開始すると、車載装置10のスイッチ操作判定部30は、運転者によってスイッチ類の操作が行われたか否かを判定する(S600)。その結果、スイッチ類の操作が行われた場合は(S600:yes)、表示中画像判定部31は、ウェアラブル端末20の表示部21においてマーカー「7」に対応する「表示器画像」(すなわち「操作対応画面」、図13参照)の表示中であるか否かを判断する(S602)。この判断処理は、直前にウェアラブル端末20に送信した「表示器画像」を送信情報記憶部13から読み出し、該「表示器画像」がマーカー「7」に対応する「表示器画像」(操作対応画面)であるか否かを判断することによって行う。
次に、第2実施例の画像表示システム(本発明における「車両用情報提示システム」)について説明する。第2実施例では、第1実施例のような固定式のマーカー(刻印、印刷、貼付等されたマーカー)は車両に設けられておらず、マーカー画像を後述のマーカー画像表示部45に適宜表示することとしている。尚、第2実施例において、第1実施例と同様の内容についてはその説明を省略する。
図16には、第2実施例の画像表示システム30の構成が示されている。図16に示すように、第2実施例の画像表示システム30は、車載装置40とウェアラブル端末50とから構成されている。車載装置40は、他のシステムが有している車両情報を受信して記憶する車両情報記憶部41を備えている。また、車載装置40は、各種のマーカー画像(例えば、第1実施例のマーカー「1」〜「7」と同様のマーカーの画像)を記憶するマーカー画像記憶部43を備えており、これらのマーカー画像は、車両情報の種類や種々の条件に対応付けて記憶されている。
さらに、車載装置40は、マーカー画像決定部43とマーカー画像表示制御部44とを備えている。これらのうちマーカー画像決定部43は、車両情報記憶部41に記憶された車両情報に基づいて、マーカー画像記憶部42に記憶されているマーカー画像の中から、表示すべきマーカー画像を決定する。また、マーカー画像表示制御部44は、マーカー画像決定部43が決定したマーカー画像をマーカー画像記憶部42から読み出して、マーカー画像表示部43に表示する。このマーカー画像表示部43としては、表示画面を運転席側に向けて、運転席前方のインストルメントパネルやハンドルなどに設けられた液晶表示器等が採用される。
尚、マーカー画像表示部45は本発明における「車載表示装置」に対応し、マーカー画像表示制御部44は本発明における「車載表示制御装置」に対応している。
この制御装置23は、マーカー対応情報記憶部54と表示制御部55とを備えている。これらのうちマーカー対応情報記憶部54は、車載装置40において表示される各種のマーカー画像に対応付けて表示器画像(本発明における「情報表示画像」)を記憶している。すなわち、マーカー画像の種類毎に表示器画像の種類が対応付けられた「マーカー画像−表示器画像対応テーブル」を記憶している。また、表示制御部55は、カメラ52が撮影した撮影画像に基づいてマーカー画像を検出する。そして、「マーカー画像−表示器画像対応テーブル」を参照して、検出したマーカー画像に対応する表示器画像を決定し、決定した表示器画像を表示部51に表示する。
尚、カメラ52は本発明における「撮影装置」に対応し、表示部51は本発明における「眼鏡型表示装置」に対応し、表示制御部55は本発明における「表示情報制御部」に対応している。
図17には、第2実施例の車載装置40において行われるマーカー画像表示処理のフローチャートが示されている。このマーカー画像表示処理では、車両情報記憶部41が記憶している車両情報(他のシステムから受信した車両情報)に基づいて、マーカー画像を表示するための処理が行われる。尚、このマーカー画像表示処理は、実際には、車載装置40内部のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって行われるが、以下では、車載装置40または上述した機能ブロック41〜44を実行主体として説明する。また、このマーカー画像表示処理は、起動された後、タイマ割り込み処理として一定の時間毎に(例えば100m秒毎に)行われる。
その結果、マーカー画像表示条件が成立した場合は(S700:yes)、今回成立したマーカー画像表示条件に対応するマーカー画像の種類を決定する(S702)。例えば、車両情報記憶部41が他のシステムから特定の情報を受信した場合は、受信した特定の情報に対応するマーカー画像の種類を決定する。こうしてマーカー画像の種類を決定したら、該マーカー画像をマーカー画像記憶部42から読み出してマーカー画像表示部45に表示する(S704)。尚、S700の判断処理で、マーカー画像表示条件が成立していないと判断された場合は(S700:no)、そのまま図17に示すマーカー画像表示処理を終了する。
以上は、車載装置40において行われる処理について説明した。以下では、ウェアラブル端末50において行われる処理について説明する。
図18には、第2実施例のウェアラブル端末50において行われる対応情報表示処理のフローチャートが示されている。この対応情報表示処理では、車載装置40のマーカー画像表示部45に表示された上述のマーカー画像に対応する表示器画像を、表示部51に表示するための処理が行われる。尚、この対応情報表示処理は、実際には、制御装置53内部のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって行われるが、以下では、制御装置53または上述した機能ブロック54〜55を実行主体として説明する。また、この対応情報表示処理は、タイマ割り込み処理として一定の時間毎に(例えば100m秒毎に)行われる。
また、第2実施例の画像表示システム30では、従来の表示器と比較して大きな設置スペースを必要としないマーカー画像表示部45にマーカー画像を表示し、該マーカー画像と重なって見える位置に表示器画像を表示する。従って、表示器を設けるスペースがない部位や、従来であれば表示器が設けられていない部位に、表示器が設けられているように運転者に見せることができる。この結果、車両の部位に表示器が実際に設置されているように見せつつも、車両内における情報表示の自由度を高めることが可能となる。
次に、第3実施例の画像表示システム(本発明における「車両用情報提示システム」)について説明する。第3実施例では、第1実施例と同様の固定式のマーカー(刻印、印刷、貼付等されたマーカー)が1つ設けられている場合について説明する。尚、第3実施例において、第1実施例または第2実施例と同様の内容についてはその説明を省略する。
図19には、第3実施例の画像表示システム70の構成が示されている。図19に示すように、第3実施例の画像表示システム70は、車載装置80とウェアラブル端末90とから構成されている。車載装置80は、ブルートゥース信号を送受信するブルートゥース通信部81と、ブルートゥース通信部81(車載装置80)からウェアラブル端末90に送信する情報を記憶する送信情報記憶部82とを備えている。また、車載装置80は、他のシステムが有している車両情報を受信して記憶する車両情報記憶部83を備えている。また、車載装置80は、指示信号決定部84を備えている。指示信号決定部84は、車両情報記憶部83に記憶された車両情報に基づいて、ウェアラブル端末90に送信する指示信号(本発明における「トリガ信号」)を決定する。
この制御装置93は、ブルートゥース信号を送受信するブルートゥース通信部94と、ブルートゥース通信部94(ウェアラブル端末90)が車載装置80から受信した情報を記憶する受信情報記憶部95とを備えている。さらに、制御装置93は、指示信号対応情報記憶部96と表示制御部97とを備えている。これらのうち指示信号対応情報記憶部96は、車載装置80から送信される各種の指示信号に対応付けて表示器画像(本発明における「情報表示画像」)を記憶している。すなわち、指示信号の種類毎に表示器画像の種類が対応付けられた「指示信号−表示器画像対応テーブル」を記憶している。また、表示制御部97は、カメラ92が撮影した撮影画像に基づいてマーカー画像を検出する。そして、マーカー画像を検出したら「指示信号−表示器画像対応テーブル」を参照して、受信した指示信号に対応する表示器画像を決定し、決定した表示器画像を表示部91に表示する。
尚、カメラ92は本発明における「撮影装置」に対応し、表示部90は本発明における「眼鏡型表示装置」に対応し、表示制御部97は本発明における「表示情報制御部」に対応している。
図19には、第3実施例の車載装置80において行われる指示信号送信処理のフローチャートが示されている。この指示信号送信処理では、車両情報記憶部83が記憶している車両情報(他のシステムから受信した車両情報)に基づいて、ウェアラブル端末90に向けて指示信号を送信するための処理が行われる。尚、この指示信号送信処理は、実際には、車載装置80内部のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって行われるが、以下では、車載装置80または上述した機能ブロック81〜84を実行主体として説明する。また、この指示信号送信処理は、図2と同様の通信確立処理において通信が確立されたら起動され、その後、タイマ割り込み処理として一定の時間毎に(例えば100m秒毎に)行われる。
その結果、指示信号送信条件が成立した場合は(S800:yes)、今回成立した指示信号送信条件に対応する指示信号の種類を決定する(S802)。例えば、車両情報記憶部83が他のシステムから特定の情報を受信した場合は、受信した特定の情報に対応する指示信号の種類を決定する。こうして指示信号の種類を決定したら、該指示信号を送信情報記憶部82に記憶する。そして、ブルートゥース通信部81は、該指示信号をウェアラブル端末90に向けて送信する(S804)。尚、S800の判断処理で、指示信号送信条件が成立していないと判断された場合は(S800:no)、そのまま図20に示す指示信号送信処理を終了する。
以上は、車載装置80において行われる処理について説明した。以下では、ウェアラブル端末90において行われる処理について説明する。
図21には、第3実施例のウェアラブル端末90において行われる対応情報表示処理のフローチャートが示されている。この対応情報表示処理では、車載装置80から送信される指示信号に対応する表示器画像を、表示部91に表示するための処理が行われる。尚、この対応情報表示処理は、実際には、制御装置93内部のCPUがROMに記憶されたプログラムを実行することによって行われるが、以下では、制御装置93または上述した機能ブロック94〜97を実行主体として説明する。また、この対応情報表示処理は、タイマ割り込み処理として一定の時間毎に(例えば100m秒毎に)行われる。
これに対して、車載装置80から指示信号を受信している場合は(S850:yes)、ウェアラブル端末90の表示制御部97は、カメラ92に撮影を行わせて撮影画像を得る(S852)。続いて、周知のエッジ検出処理やパターンマッチング処理等を行うことによって、この撮影画像からマーカーを検出する処理を実行する(S854)。そして、この処理の結果、撮影画像からマーカーが検出されたか否かを判断する(S856)。つまり、撮影画像は運転者の視認方向を撮影した画像であるので、S856の処理では、運転者がマーカーを視認しているか否かが判断される。その結果、撮影画像からマーカーが検出されなかった場合、すなわち、運転者がマーカーを視認していない場合は(S856:no)、そのまま図21に示す対応情報表示処理を終了する。
また、第3実施例の画像表示システム70では、従来の表示器と比較して大きな設置スペースを必要としないマーカーを設けて、該マーカーと重なって見える位置に車両情報を示す表示器画像を表示する。従って、表示器を設けるスペースがない部位や、従来であれば表示器が設けられていない部位に、表示器が設けられているように運転者に見せることができる。この結果、車両の部位に表示器が実際に設置されているように見せつつも、車両内における情報表示の自由度を高めることが可能となる。
また、上述した実施例および変形例では、ウェアラブル端末20,50,90の表示部21,51,91の表示領域のうち、マーカーまたはマーカー画像と重なる位置に車両情報(表示器画像)を表示することとしたが、予め定められた表示領域に車両情報(表示器画像)を表示することとしてもよい。
また、上述した第1実施例や、第3実施例、変形例では、運転者が視認しているマーカーを検出し、該マーカーに対応する車両情報(表示器画像)を表示することとした。これに限らず、マーカーを設けなくても、運転者が車両内や車外の特定位置を視認していることを検出し、該特定位置に対応する車両情報(表示器画像)を表示することとしてもよい。このような構成とした場合は、運転者が標識(特定位置)を視認していることを検出し、該標識に関する車両情報(表示器画像)を表示することとしてもよい。例えば、運転者が制限速度の標識を視認している場合において、車速が該制限速度を超過している場合に車両情報として車速を表示することとしてもよい。
また、上述した第1実施例および変形例では、車載装置10において運転者が視認しているマーカーを検出することとしたが、ウェアラブル端末20において運転者が視認しているマーカーを検出し、その結果をウェアラブル端末20から車載装置10に送信することとしてもよい。また、上述した第1実施例および変形例では、車載装置10において「表示器画像」を生成することとしたが、車載装置10からウェアラブル端末20に向けて車両情報を送信し、ウェアラブル端末20において「表示器画像」を生成することとしてもよい。この場合は、車両情報が本発明における「文字または画像を表示させるための情報」に対応する。
また、上述した第1実施例や、第3実施例および変形例では、車載装置10,80とウェアラブル端末20,90はブルートゥース信号によって通信することとして説明したが、これに限らず、種々の規格の通信方式を採用することができる。例えば、iBeacon(登録商標)や、NFC(Near Field Communication)、DSRC(Dedicated Short Range Communications、登録商標)等を採用することが可能である。
14…視認マーカー検出部、15…車両情報記憶部、16…車両情報読出部、
17…表示器画像生成部、 18…異常検出部、 19…素材画像記憶部、
20…ウェアラブル端末、 21…表示部、 22…カメラ、
23…制御装置、 24…ブルートゥース通信部、 27…表示制御部、
30…画像表示システム、 40…車載装置、 50…ウェアラブル端末、
70…画像表示システム、 80…車載装置、 90…ウェアラブル端末。
Claims (8)
- 車両に搭載された車載表示装置(45)と、
撮影装置(52)と眼鏡型表示装置(51)を有するウェアラブル端末(50)と、
を用いて前記車両の乗員に対して情報を提示する車両用情報提示方法であって、
前記情報を受信し(S700)、
受信した前記情報に基づいて、前記車載表示装置にマーカー画像を表示させ(S704)、
前記ウェアラブル端末の前記撮影装置が前記マーカー画像を捉えたときに、前記マーカー画像に対応した情報表示画像を表示する(S758)ことを特徴とする車両用情報提示方法。 - 請求項1に記載の車両用情報提示方法において、
前記マーカー画像に対応した情報表示画像は、前記眼鏡型表示装置の表示可能領域のうち、前記乗員が前記眼鏡型表示装置越しに前記車載表示装置を視認する位置に表示されることを特徴とする車両用情報提示方法。 - 車両に搭載された車載表示装置(45)と、
撮影装置(52)と眼鏡型表示装置(51)を有するウェアラブル端末(50)と、
前記車載表示装置にマーカー画像を表示させる車載表示制御装置(44)と、
前記ウェアラブル端末の前記撮影装置が前記マーカー画像を捉えたときに、前記眼鏡型表示装置に前記マーカー画像に対応した情報表示画像を表示させる表示情報制御部(55)と
を備えることを特徴とする車両用情報提示システム。 - 請求項3に記載の車両用情報提示システムにおいて、
前記表示情報制御部は、前記マーカー画像に対応した情報表示画像を、前記眼鏡型表示装置の表示可能領域のうち、前記車両の乗員が前記眼鏡型表示装置越しに前記車載表示装置を視認する位置に表示させることを特徴とする車両用情報提示システム。 - 撮影装置(52)と眼鏡型表示装置(51)を有するウェアラブル端末(50)に対してマーカー画像を表示する車載装置(40)であって、
表示画面を車室内に向けた車載表示装置(45)と、
所定のトリガ信号を受信すると、前記車載表示装置に前記ウェアラブル端末が認識可能なマーカー画像を表示させる車載表示制御装置(44)と
を備えることを特徴とする車載装置。 - 車両に搭載された車載装置(80)と、
撮影装置(92)と眼鏡型表示装置(91)を有するウェアラブル端末(90)と、
を用いて前記車両の乗員に対して情報を提示する車両用情報提示方法であって、
前記情報を受信し(S800)、
受信した前記情報に基づいて、前記車載装置から前記ウェアラブル端末に所定のトリガ信号を送信し(S804)、
前記ウェアラブル端末は前記トリガ信号を受信すると、前記車両に設けられたマーカーに対応する位置に、前記トリガ信号に応じた情報表示画像を表示する(S860)ことを特徴とする車両用情報提示方法。 - 撮影装置(92)と眼鏡型表示装置(91)を有するウェアラブル端末(90)と、
前記ウェアラブル端末と通信可能に構成され、車両に搭載された車載装置(80)と、
前記車両に設けられたマーカーと、を備え、
前記ウェアラブル端末は、前記車載装置から所定のトリガ信号を受信したとき、前記マーカーに対応する位置に前記トリガ信号に応じた情報表示画像を表示させる表示情報制御部(97)を備えることを特徴とする車両用情報提示システム。 - 撮影装置(92)と眼鏡型表示装置(91)を有するウェアラブル端末(90)に対してトリガ信号を送信する車載装置(80)であって、
前記トリガ信号を前記ウェアラブル端末に向けて送信することで、前記ウェアラブル端末の前記撮影装置が車両に設けられたマーカーを捉えたときに、前記眼鏡型表示装置の表示可能領域のうち、前記マーカーに対応する位置に、前記トリガ信号に応じた情報表示画像を表示させることを特徴とする車載装置。
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