JP6187127B2 - 内接歯車ポンプ - Google Patents
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Description
このアイドルストップ機構は信号待ちなどで車両が停止しているときは、エンジンが停止して従来よりも車室内騒音が低下するので、このような車両に搭載される電動油圧ポンプには静粛性が要求されるようになってきている。
内接歯車ポンプは、外歯を有するインナーロータと内歯を有するアウターロータとが互いに偏心して組み合わされていて、そのインナーロータがモータで駆動されて、この内歯と外歯が噛み合って油を送る機構になっている。電動油圧ポンプの作動音を低減するためには、この内歯と外歯との噛み合い音を低減することが有効である。
図1は、本発明にかかる内接歯車ポンプを組み込んだ電動油圧ポンプ1の断面構造図であって、電動油圧ポンプ1は、油を吐出するポンプ部40と、ポンプ部40を駆動するモータ部90とで構成され、ポンプ部40とモータ部90とが軸方向に一体に結合された構成となっている。
アウターロータ21は、鉄系の焼結材料で作られていて、軸方向に一様な形状で、一様な厚さを有する略リング形状である。その外周面21bは円筒形状で、内周には8枚の内歯21aが形成されている。
この8枚の内歯21aの輪郭形状はすべて同一であって、その形状には一般にトロコイド曲線が使用されている。そして歯底(内周面の輪郭形状において、歯と歯の間で半径方向に最も外側にある点)をつないで得られる歯底円と、歯先(内周面の輪郭形状における歯の先端で最も内側にある点)をつないで得られる歯先円は、それぞれ外周面21bと同軸になっている。
軸穴3は、円筒面3aと平坦面3bとで形成されていて、軸心と直角方向の断面形状は、軸心と同軸でかつ半周以上の長さを持つ円弧と、ひとつの弦をもった形状となっている。
歯先から歯元までの輪郭形状は、図3に示したX1からX2にかけて、他の歯の輪郭形状より小さくなっている。X1の位置は、歯先から歯元までの道程の1/10程度の位置にあり、X2は道程の3/10程度の位置にある。このX1とX2の点はそれぞれ図5における噛み合い点AまたはCに概ね対応する点である。
このX1とX2の間の輪郭形状が、他の6枚の外歯の輪郭形状より歯面に直行する方向に小さくなっている程度(以下、「減少量」という)について、歯の更に詳細に述べると、歯先からX1までの減少量はゼロで、X1からX2に向かうにつれて減少量が漸増し、X1とX2との中央部で最大10〜50μm程度の減少量となり、その後X2に向かうにつれて減少量が漸減して、X2から歯元までの減少量はゼロとなっている。
モータ部90は、軸端に永久磁石93を備えたシャフト4と、このシャフト4を回転支持する軸受装着部52と、永久磁石93の外周に配置され、ハウジング8に固定されたステータ91とで構成されている。
ヨーク92は、軸受装着部52を囲むように断面形状が略コの字の円筒形状に形成されていて、その内周がシャフト4の軸端部に圧入して固定されている。ヨーク92の外周に極性の異なる永久磁石93が円周方向に交互に配置されて保持されている。
ハウジング8に固定されたステータ91は、円周方向に複数のコイルを有する。この複数のコイルに順次通電し、回転磁界を発生させることによって、シャフト4に回転力が付与される。
図2に示すように、シャフト軸端部6は、外周の一部が軸線に平行に面取りされていて、円筒面6aと平坦面6bとで形成されていて、軸心に直角方向の断面形状は、軸心と同軸でかつ半周以上の長さを持つ円弧と、ひとつの弦をもった形状となっている。
上述したようにシャフト4のシャフト軸端部6がロータ収容部10内に突出しており、インナーロータ22の軸穴3とシャフト軸端部6とが、それぞれの平坦面3bと平坦面6bの位相をあわせて嵌め合わせられて、ポンプロータ2とシャフト4とが連結される。
より具体的には、インナーロータ22およびシャフト4を同軸にかつ同位相に配置したとき、軸穴3およびシャフト軸端部6間の径方向に隙間は、平坦面3bおよび平坦面6b間で100μm程度あり、円筒面3aおよび円筒面6a間で40μm程度ある。
平坦面3bおよび平坦面6b間の隙間が大きくなるのは、機械加工するときの加工方式に違いによるもので、円筒面が研削加工によって精度よく加工されるのに対して、平坦面は一般にフライス盤等によって切削加工されるので、寸法精度を確保しにくいためである。
アウターロータ21の内周面とインナーロータ22の外周面は、図6に示すように円周方向に異なるA〜Hのポイントで互いに近接しており、アウターロータ21の内周面とインナーロータ21の外周面とで挟まれた空間が上記の近接点A〜Hのうち2つの近接点で仕切られて、ポンプ空間a〜hが形成されている。
以下の説明のために、インナーロータ22に対するアウターロータ21の偏心方向と、軸穴3の回転方向の位相とが、図6に示す関係になっているときのインナーロータ22の位相角を0°とする。
図4(a)は、位相角が0°で、ポンプロータ2の軸穴3とシャフト軸端部6とが嵌め合わされている状態を表わしている。図4(b)〜(d)は、その状態からインナーロータ22が時計回りに回転したときの、90°毎の軸穴3とシャフト4の嵌め合い状態を表わしている。いずれも軸穴3とシャフト軸端部6の接触状態を説明するために、円弧部分の曲率は実際のものと異なった表示となっている。
このときのシャフト4に対するインナーロータ22の変位量の計算値は、概ね30μm程度となる。ここでは、嵌め合い部の隙間が最大となる組み合わせ、すなわちインナーロータ22の軸穴3とシャフト軸端部6の寸法が、それぞれ前述のばらつき範囲での最大または最小となったときの値で検討しており、弦の部分の半径方向隙間を50μm、円弧の部分の半径方向隙間を19μmとした。
そしてシャフトの回転と共に、位相角が90°、180°、270°と変化するとき、いずれの位相角においても軸穴3は、円弧の部分が吐出ポート71の方に向いており、インナーロータ22の変位量は、円弧部分の隙間の大きさにほぼ等しく、19μm程度となる。
そこで図6によって、軸心に対して弦の反対方向にある外歯22zに着目して、アウターロータ21とインナーロータ22との接触状態の変化を、更に詳細に説明する。
図6(a)の位相では、外歯22zは図の上方に位置しており、この外歯22zは、GとHの位置でアウターロータ内歯21aと対向し、インナーロータ22の回転力は、Hの点でアウターロータ21に伝達されている。このとき軸穴3の円弧の部分が、吐出ポート71の方向に向いている。
更にインナーロータ22が正回転すると、外歯22zはアウターロータ内歯21aと対向しながら回転し、図6(c)および(d)に示す位相になると、それぞれB,Cの各点でアウターロータ内歯21aと対向する。そして図示を省略したが、外歯22zが図の最も下方に向いたときは、外歯22zの歯先部分がアウターロータ内歯21aと対向する。
そして、上述したようにBの点でインナーロータの外歯22zとアウターロータの内歯21aとが最も接近するので、インナーロータの外歯22zの輪郭形状を小さくする程度は、Bの点が最も大きく、AまたはCの点はこれよりやや小さくてよい。
この結果、荷重Fに伴って、インナーロータ22が吸入ポート72の側に大きく変位したときの、アウターロータ21との強い歯当たりを防止することが出来て、インナーロータ22とアウターロータ21の歯打ち音を効果的に軽減することが出来る。
しかし、外歯22zの大きさの減少量が極めて小さいことから、当該ポンプロータ2を裏返したときに、その表裏を判別することは困難である。そのため、他の実施形態の組立工程においては、その表裏を厳密に管理する方法に変えて、外歯22zの歯先から両隣の歯元にかけての輪郭形状を、同程度に小さくした形状に形成しておくことによって、表裏を区別することなく組み込むことが出来る。
Claims (2)
- ハウジングの内部に形成された円筒形状のロータ収容部と、
環状で、内周面に複数の内歯が形成されて、前記ロータ収容部に回転自在に保持されたアウターロータと、
前記ハウジングに回転可能に支持されて、当該ロータ収容部の軸心と偏心した位置で前記ロータ収容部内に突出した軸端部を有するシャフトと、
前記内歯と順次噛み合う複数の外歯が外周面に形成されていて、軸心部に形成された軸穴が前記軸端部に嵌め合わされて、前記ロータ収容部に回転自在に保持されたインナーロータとで構成され、
前記軸穴と前記軸端部は、その断面形状が、互いの軸心を同軸に保持する円弧と、互いに係合して回転方向に回り止めする弦とからなる内接歯車ポンプにおいて、
前記外歯のうち、前記インナーロータの軸心を挟んで前記弦と反対の方向にある一の外歯は、その歯先部とこの歯先部に隣接する両歯元部のうち少なくとも一方とをつなぐ部分の輪郭形状が、他の外歯の輪郭形状より小さく形成されていることを特徴とする内接歯車ポンプ。 - 前記一の外歯は、歯先から歯元までの輪郭形状のうち、歯先から歯元までの道程の1/10から3/10の範囲が、前記他の外歯の輪郭形状より小さく形成されていることを特徴とする請求項1の内接歯車ポンプ。
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