JP6186979B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用等のエンジン、特にロータリエンジンにおいて作動室内に水素ガス等の気体燃料を直接噴射する直噴式の燃料噴射弁の技術分野に属する。
従来、自動車等に水素ロータリエンジンを用いる技術が開発され或いは実用化されている。
ここで、一般にロータリエンジンは、ロータとロータハウジングの間に形成される作動室の気密を保つためのアペックスシールの潤滑と気密性確保のため、メタリングオイルを作動室に供給する必要がある。
もっとも、直噴式の燃料噴射弁を採用するロータリエンジンの場合、高圧縮状態の作動室(燃焼室)内に燃料噴射弁から燃料を直接噴射するため、該作動室内から燃料噴射弁内、特にプランジャと該プランジャが摺動自在に嵌合されたハウジングとの嵌合隙間にメタリングオイルが侵入してしまうことがあった。このメタリングオイルは一般に低温時に粘度が高くなるため、エンジン温度が低いときにプランジャの摺動抵抗が大きくなり、エンジンコントロールユニット(以下、「ECU」という)から噴射信号を受けてから実際に燃料噴射弁が開弁するまでの作動遅れ時間(以下、「無効噴射時間」という。)が増大し、エンジンの応答性、特に冷間始動時や寒冷地での始動性が悪化し、具体的にはエンジンがかかりにくい、かかっても失火しやすい状態となる。
また、ロータリエンジンに限らず、一般に直噴式燃料噴射弁を採用するエンジンにおいては、燃焼室(作動室)内でのオイルの燃焼により発生するカーボン粒子(煤)が、燃焼ガスに含まれた状態で燃料噴射弁内に侵入し、燃料噴射弁の応答性を低下させる原因となる。
例えば、特許文献1には、直噴式燃料噴射弁において、プランジャの周囲にダイヤモンドライクカーボンからなる高硬度被膜を形成する技術が開示されている。
しかし、特許文献1に記載された上述の技術では、プランジャとハウジング間の摩擦抵抗は低減できるが、高硬度被膜と金属面との嵌合面間には寸法精度に起因する隙間や両面の微妙な凹凸による空隙を完全になくすることはできないため、この隙間にメタリングオイルやカーボン粒子が侵入するのを完全には阻止できない。
特開2003−206820号公報
そこで、本発明は、プランジャとハウジングとの嵌合隙間へのメタリングオイルやカーボン等の侵入による直噴式燃料噴射弁の応答性の低下を抑制することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る燃料噴射弁は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に係る発明は、
ロータハウジング、サイドハウジング及びロータにより形成される作動室と、前記ロータと前記ロータハウジングとの間に介在するアペックスシールと、該アペックスシールの潤滑のためのメタリングオイルを前記作動室に供給するメタリングオイル供給手段とを備えたロータリエンジンにおいて、気体燃料を前記作動室に直接噴射する直噴式の燃料噴射弁であって、
プランジャと、該プランジャが摺動自在に嵌合され、先端に噴孔が設けられたハウジングと、前記噴孔を閉じるように前記プランジャを付勢するスプリングと、磁力により前記スプリングの付勢力に抗して前記噴孔を開弁させ、前記ハウジング内に供給されている前記気体燃料を前記噴孔から噴射させるソレノイドとを備え、
前記ハウジングの内周面と前記プランジャの外周面との間の円筒形嵌合隙間に液体が充填されており、
前記嵌合隙間の軸方向両端部に高圧気体を供給して前記嵌合隙間に前記液体を封止する高圧気体供給手段を有すると共に、
前記液体は、前記メタリングオイルに比べて、0℃以下での動粘度、及び、−20℃〜20℃での粘度変化率が小さいシリコーンオイルであることを特徴とする。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、
前記シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルのうちのいずれか一つであることを特徴とする。
また、本願の請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、
前記高圧気体は、前記燃料として供給される気体燃料である
ことを特徴とする。
以上の構成により、本願の各請求項に係る発明によれば、次の効果が得られる。
請求項1に係る発明によれば、燃料噴射弁のプランジャとハウジング間の嵌合隙間が液体で充填されており、この液体は高圧気体によって嵌合隙間に封止されているため、この液体の存在によって燃焼室内からこの嵌合隙間にメタリングオイルやカーボン粒子等が侵入するのを防止できる。したがって、燃料噴射弁の応答性の低下を抑止することができ、ひいてはエンジンの応答性の低下を防止できる。
また、請求項に係る発明によれば、嵌合隙間に充填する液体として、温度変化に対する粘度変化率が小さなシリコーンオイルを用いることで、エンジンが始動時から暖機完了時までプランジャの摺動抵抗の変化が小さくなり、すなわち、エンジンの温度変化に応じた燃料噴射弁の無効噴射時間の変化が小さくなるため、ECUによる燃料噴射弁の燃料噴射量の制御性が向上する。
さらに、請求項2に係る発明によれば、前記シリコーンオイルとして、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルのうちのいずれか一つが用いられる場合に、上記の効果が得られる。
請求項3に係る発明によれば、嵌合隙間に液体を封止する高圧気体として、燃料噴射弁に供給されている気体燃料を用いているため、嵌合隙間に液体を封止するための専用の高圧気体を供給する機構を別途設ける必要がなく、シンプルな機構で上述の効果を実現できる。
本発明に係る燃料噴射弁の全体構造を示す縦断面図である。 図1のプランジャ周辺部の拡大断面図である。 シリコーンオイルの粘度特性をメタリングオイルと比較して示す図である。 本発明における無効噴射時間の温度依存性を従来技術と比較して示す図である。
以下、本発明に係る燃料噴射弁1の実施形態について、図1から図4を参照しながら説明する。
まず、本発明に係る燃料噴射弁1が適用されるロータリエンジン(図示しない)について説明する。当該ロータリエンジンは、燃料として水素ガスを用いる水素エンジンであり、トロコイド状内周面を有する繭状のロータハウジングとその両側に配置されたサイドハウジングとに囲まれたロータ収容室に略三角形状のロータが収容されており、ロータの外周面とロータハウジングの内周面との間に3つの作動室(燃焼室)が形成されている。
各作動室は、サイドハウジングの内側面に開口する吸気ポートが開かれたときに、その内部に吸気通路からエアを吸入した上、該エア中に水素供給源から燃料噴射弁1を介して燃料である水素ガスを噴射して混合気を形成し、この混合気をロータで圧縮した上で点火プラグで点火して燃焼させ、このときの該作動室の膨張によりロータに回転力を与え、ロータハウジングの内周面に開口する排気ポートが該作動室と連通したときに、燃焼ガスを排気通路に排出するといった吸気、圧縮、膨張(爆発)、排気の一連の工程を順次繰り返すようになっている。
この回転力によってロータは、その頂部をアペックスシールを介してロータハウジングのトロコイド状内周面に摺接させつつ偏心軸まわりで遊星回転運動を行い、この遊星回転運動に伴って偏心軸が回転することで、この偏心軸の回転力がエンジンの出力として取り出されるようになっている。
また、ロータリエンジンには、ロータハウジングとアペックスシールの潤滑と作動室の気密性確保のため、作動室内にメタリングオイルを供給するメタリングオイル供給手段が設けられており、該オイル供給手段は、オイルタンク内のメタリングオイルをオイルポンプによってオイルノズルを介して作動室内に直接供給するように構成されている。このオイルポンプはECUからの制御信号により駆動されてエンジンの状況に応じて所定の吐出量のメタリングオイルを吐出するようになっている。
水素供給源から燃料噴射弁1まで水素ガスを導く水素供給通路には、水素ガスの流量を制御する水素供給制御弁が介設されており、この水素供給制御弁は、ECUによって制御されるようになっている。また、燃料噴射弁1は、偏心軸と同期する所定のタイミングで開閉するようにECUによって制御されるようになっている。なお、水素供給源としては、常温で水素ガスを高密度で貯蔵する高圧ボンベ、水素を保冷して液体水素として貯蔵する液体水素タンク、水素を高密度で吸蔵することができる水素吸蔵合金を用いた水素貯蔵器等を用いることができる。
次に、図1を参照しながら、本実施形態の燃料噴射弁1の構成について説明する。
本実施形態の燃料噴射弁1の本体は、その内周面に後述のプランジャ20が摺動自在に嵌合される円筒状のハウジング10と、該ハウジング10の後端に連接された円筒状の非磁性体よりなる固定コア12とが同心状に配設された構成を有している。ハウジング10は、その中央を貫通する噴孔18を備えたバルブボディ16が前端に嵌合されて構成されている。
プランジャ20は、有底円筒状の磁性体であり、その外周面に自己潤滑性の被膜がコーティングされ、その先端面にゴム製の着座部24が接合され、その先端部に外周面に開口する複数の横孔22を備えており、その後端部と固定コア12の間に挟んで設けられたスプリング30によって、固定コア12から離間する方向(すなわち閉弁方向)に付勢されている。
また、上述の本体内部には、プランジャ20の後部から固定コア12の前部に亘ってこれらを囲むように延在するソレノイドコイル40が収納されており、本体後端にはソレノイドコイル40を励磁するための通電部50が一側方に突出して樹脂で一体成形されており、ソレノイドコイル40で発生した磁力によって、固定コア12側に可動コアであるプランジャ20がスプリング30の付勢力に抗して吸引される。このとき、バルブボディ16の噴孔18の周囲の内壁面にある円環状の弁座19に、同じく円環状とされたプランジャ20の着座部24が、プランジャ20の移動に応じて対接、離間することにより、噴孔18が閉弁、開弁するように構成されている。
さらに、固定コア12の後端には、ハウジング10内に水素ガスを供給するための燃料供給部60が設けられており、燃料噴射弁1は、この燃料供給部60に接続されたパイプ(図示せず)から固定コア12内の燃料通路62を経由して、固定コア12の先端部とプランジャ20の後端部との間にある空間64まで高圧の水素ガスが圧送されると共に、プランジャ20内の燃料通路66と横孔22を経由して、バルブボディ16の内壁面とハウジング10の内周面10aとプランジャ20の先端部との間にある空間68にも高圧の水素ガスが圧送されるように構成されている。
なお、ソレノイドコイル40の励磁および消磁の切り替えは、燃料制御部(図示しない)によって制御される。この燃料制御部は、ECU(図示しない)内に設けられ、エンジンの運転状態を示す各種信号を入力し、これらの信号が示す運転状態に応じて要求される噴射量となるように、燃料噴射弁1のソレノイドコイル40にパルス状の制御電流を出力するように構成されている。
図2は、プランジャ20周辺の拡大図と該拡大図における嵌合隙間70の一部をさらに拡大した図を示している。図2に示すように、燃料噴射弁1は、プランジャ20の外周面20aとハウジング10の内周面10aの間に円筒形の嵌合隙間70(例えば、最大隙間10μm)を備え、該嵌合隙間70は液体のシリコーンオイル80が予め所定量充填されるように構成されている。この嵌合隙間70の軸方向両端部は、その上下にある空間64、68とそれぞれ連通しており、空間64、68に圧送される水素ガスの圧力(例えば、0.3〜1.2MPa)によって、嵌合隙間70に充填されているシリコーンオイル80が上下から圧力を受けて嵌合隙間70の内部に封止されるように構成されている。
ここで、一般にシリコーンオイルは、無色透明の液体であり、耐寒性に優れている。特にジメチルシリコーンオイルは、−40〜−50℃でも流動性を保つことができ、少量のフェニル基を含有するメチルフェニルシリコーンオイルは、凝固点が−70℃以下のものもあり、これらは低温での使用に適している。また、一般にシリコーンオイルは、粘度安定性にも優れており、温度による粘度変化が鉱油系または植物系の油に比べて非常に少ない。
そして、本実施形態の燃料噴射弁1で用いられるシリコーンオイル80も耐寒性と粘度安定性に優れた液体のシリコーンオイルであって、特に、アペックスシールの潤滑等のために用いられるメタリングオイルに比べて耐寒性と粘度安定性が共に優れたものを用いるのが望ましい。図3に示すように、シリコーンオイル80は、−20℃における動粘度が約1100(mm/s)、0℃における動粘度が約600(mm/s)、20℃における動粘度が約400(mm/s)であり、20℃の動粘度を基準とした−25℃での粘度変化率が1100/400=2.75である。一方、メタリングオイルは、−20℃における動粘度が約14900(mm/s)、0℃における動粘度が約1300(mm/s)、20℃における動粘度が約250(mm/s)であり、20℃の動粘度を基準とした−25℃での粘度変化率が14900/250=59.6である。よって、シリコーンオイル80は、メタリングオイルと比較すると、低温時(0℃以下)での動粘度が小さいと共に、使用温度範囲(−20〜20℃)での粘度変化率が小さいことがわかる。シリコーンオイル80として、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等を用いてもよい。
次に、本実施形態の燃料噴射弁1の作用について説明する。
まず、ソレノイドコイル40が消磁された状態で、燃料供給部60から水素ガスが燃料噴射弁1に供給されると、水素ガスは固定コア12内の燃料通路62を経由して固定コア12の先端部とプランジャ20の後端部との間にある空間64まで圧送され、さらに、プランジャ20内の燃料通路66と横孔22を経由して、バルブボディ16の内壁面とハウジング10の内周面10aとプランジャ20の先端部との間にある空間68に圧送される。このとき、空間64、68に圧送されている水素ガスの圧力によって嵌合隙間70に充填されているシリコーンオイル80が上下から圧力を受けて嵌合隙間70の内部に封止される。
その後、ソレノイドコイル40を励磁すると、プランジャ20が固定コア12側に吸引され、プランジャ20の着座部24とバルブボディ16の弁座19との間に隙間ができて、上述のように空間68に圧送されている水素ガスがバルブボディ16の噴孔18から噴射される。次に、ソレノイドコイル40を消磁すると、プランジャ20が固定コア12側に吸引されなくなると共に、スプリング30によってプランジャ20が固定コア12から離間する方向に押圧され、プランジャ20の着座部24がバルブボディ16の弁座19に着座し、バルブボディ16の噴孔18からの水素ガスの噴射が止まる。この間、常に嵌合隙間70の両端部に水素ガスによる同等の圧力がかかるため、プランジャ20が摺動しても、嵌合隙間70にあるシリコーンオイル80が漏れ出すことはない。
次に、図4を参照しながら、本発明の効果について説明する。
図4は、本実施形態の燃料噴射弁1における無効噴射時間の温度依存性について従来技術と比較したグラフである。なお、該グラフの縦軸が示す無効噴射時間(msec)は、ECUから噴射信号を受けてから実際に燃料噴射弁1が開弁するまでの作動遅れ時間を測定した値であり、横軸が示す温度(℃)は、燃料噴射弁1の温度の実測値である。図4に示すように、本実施形態の燃料噴射弁1は、−15℃での無効噴射時間が約3.4(msec)であり、20℃での無効噴射時間が約2.5(msec)である。一方で、従来技術の燃料噴射弁は、−15℃での無効噴射時間が約6.0(msec)であり、20℃での無効噴射時間が約2.8(msec)である。よって、嵌合隙間70にシリコーンオイル80を封止した方が封止しない場合に比べて、温度変化に対する無効噴射時間の変化が小さいことがわかる。
したがって、本実施形態の燃料噴射弁1によれば、プランジャ20とハウジング10間の嵌合隙間70が液体のシリコーンオイル80で充填されており、該シリコーンオイル80は両端部を高圧の水素ガスによって封止されているため、このシリコーンオイル80の存在によってロータリエンジンの作動室内からこの嵌合隙間70にメタリングオイルやカーボン粒子等が侵入するのを防止できる。したがって、燃料噴射弁1の応答性の低下を抑止することができ、ひいてはロータリエンジンの応答性の低下を防止できる。
また、嵌合隙間70に充填する液体として、温度変化に対する粘度変化率が小さなシリコーンオイル80を用いることで、エンジンが始動時から暖機完了時までのプランジャ20の摺動抵抗の変化が小さくなり、すなわち、エンジンの温度変化に応じた燃料噴射弁1の無効噴射時間の変化が小さくなるため、ECUによる燃料噴射弁1の燃料噴射量の制御性が向上する。
また、嵌合隙間70にシリコーンオイル80を封止する高圧気体として、燃料噴射弁1に供給されている気体燃料である水素ガスを兼用しているため、嵌合隙間70にシリコーンオイル80を封止するための専用の高圧気体を供給する機構を別途設ける必要がなく、シンプルな機構で上述の効果を実現できる。
なお、本発明は例示された実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良および設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、本実施形態では、燃料噴射弁1を水素ロータリエンジンに適用したが、直噴エンジンであれば適用でき、例えば直噴式のレシプロエンジンに適用してもよい。また、気体燃料も水素ガスに限るものではなく、CNG、LPG等の天然ガスを用いても良い。
また、本実施形態では、嵌合隙間70に封止される液体としてシリコーンオイル80を用いたが、メタリングオイルよりも使用温度範囲において動粘度が小さく、かつ、温度変化に対する動粘度の変化率が小さいものであればどのような種類の液体を用いても良い。
さらに、本実施形態では、気体燃料である水素ガスを用いてシリコーンオイル80を嵌合隙間70に封止したが、シリコーンオイル80を嵌合隙間70に封止する気体は気体燃料に限るものではなく、気体燃料とは別に、嵌合隙間70にシリコーンオイル80を封止するための専用の高圧気体を供給できるようにしても良い。
以上のように、本発明によれば、水素ガス等の気体燃料を直接噴射する直噴式燃料噴射弁を適用したエンジン、特に水素ロータリエンジンにおいて、エンジンの応答性の低下を抑制できるため、この種の自動車用等のエンジンの製造産業分野において好適に利用される。
1 燃料噴射弁
10 ハウジング
10a ハウジングの内周面
18 噴孔
20 プランジャ
20a プランジャの外周面
22 横孔(高圧気体供給手段)
30 スプリング
40 ソレノイドコイル(ソレノイド)
64、68 燃料通路(高圧気体供給手段)
70 嵌合隙間
80 シリコーンオイル(液体)

Claims (3)

  1. ロータハウジング、サイドハウジング及びロータにより形成される作動室と、前記ロータと前記ロータハウジングとの間に介在するアペックスシールと、該アペックスシールの潤滑のためのメタリングオイルを前記作動室に供給するメタリングオイル供給手段とを備えたロータリエンジンにおいて、気体燃料を前記作動室に直接噴射する直噴式の燃料噴射弁であって、
    プランジャと、該プランジャが摺動自在に嵌合され、先端に噴孔が設けられたハウジングと、前記噴孔を閉じるように前記プランジャを付勢するスプリングと、磁力により前記スプリングの付勢力に抗して前記噴孔を開弁させ、前記ハウジング内に供給されている前記気体燃料を前記噴孔から噴射させるソレノイドとを備え、
    前記ハウジングの内周面と前記プランジャの外周面との間の円筒形嵌合隙間に液体が充填されており、
    前記嵌合隙間の軸方向両端部に高圧気体を供給して前記嵌合隙間に前記液体を封止する高圧気体供給手段を有すると共に、
    前記液体は、前記メタリングオイルに比べて、0℃以下での動粘度、及び、−20℃〜20℃での粘度変化率が小さいシリコーンオイルであることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記シリコーンオイルは、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルのうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記高圧気体は、前記燃料として供給される気体燃料である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
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