JP6186249B2 - 再利用される樹脂材料を含む、生物によって再生可能な転相インク - Google Patents

再利用される樹脂材料を含む、生物によって再生可能な転相インク Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、室温で固体であり、高温では溶融し、溶融したインクがこの温度で基材に塗布されることを特徴とする転相インク組成物に関する。これらの転相インク組成物をインクジェット印刷に使用することができる。本発明の実施形態は、アモルファス化合物と、結晶性化合物と、場合により着色剤とを含む新規転相インク組成物、およびこの組成物を製造する方法に関する。本明細書に記載する具体的な配合物は、「無公害」であり、環境に優しい。さらに具体的には、本発明の転相インク組成物は、相溶性が低く、生物によって再生可能な材料から誘導されるアモルファス化合物および結晶性化合物との組み合わせを含み、コーティングされた紙基材に印刷するとき、迅速に結晶化して高品質の画像を生成するインク組成物を提供する。さらに、この結晶性化合物は、再利用される樹脂から誘導することもできる。したがって、本発明の実施形態で使用される結晶性化合物は、生物によって再生可能であり、再利用される出発物質の組み合わせから、無公害な内容物を100%までの量含む。
インクジェット印刷プロセスは、室温で固体であり、高温で液体であるインクを使用してもよい。このようなインクは、固体インク、ホットメルトインク、転相インクなどと呼ばれることもある。一般的に、転相インク(時には、「ホットメルトインク」または「固体インク」と呼ばれる)は、周囲温度では固相であるが、インクジェット印刷デバイスの操作温度である高温では液相である。吐出温度では、液体インクの液滴が印刷デバイスから放出され、インクの液滴が記録媒体表面と直接的に、または中間加熱転写ベルトまたはドラムを介して接触すると、液滴は迅速に固化し、インク液滴が所定の模様に固化したものを生成する。
カラー印刷のための転相インクは、典型的には、転相インクと相溶性の着色剤と組み合わせた転相インク担体組成物を含む。具体的な実施形態では、インク担体組成物と、相溶性の減法混色の着色剤とを組み合わせることによって、一連のカラー転相インクを作成することができる。減法混色のカラー転相インクは、4成分の染料または顔料、つまり、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックを含んでいてもよいが、インクは、これら4種の色に限定されない。これらの減法混色のカラーインクは、1種類の染料もしくは顔料または染料もしくは含量の混合物を用いることによって作成することができる。
転相インクは、運搬、長期間にわたる保存などの間、室温では固相を保っているため、インクジェットプリンターにとって望ましい。それに加え、液体インクジェットインクからインクが蒸発した結果として生じるノズルの詰まりに関連する問題は、大部分がなくなり、それによって、インクジェット印刷の信頼性が上がる。さらに、インク液滴が最終的な記録媒体(例えば、紙、透明材料など)に直接塗布される転相インクジェットプリンターでは、記録媒体と接触すると液滴はすぐに固化し、その結果、印刷媒体に沿ったインクの移動は防がれ、ドットの品質が向上する。
上の従来の転相インク技術は、一般的に、首尾良く鮮明な画像を与え、吐出部を使用する際の経済性および多孔性の紙に対する基材の自由度を与えるが、このような技術は、コーティングされた基材では満足のいくものではない。したがって、既知の組成物およびプロセスでも、これらの意図する目的に適しているが、コーティングされた紙基材の上に画像を作成するか、または印刷するというためのさらなる手段が依然として必要である。このように、あらゆる基材に対し、優れた画質を消費者に提供するための転相インク組成物およびさらなる印刷技術のために、代わりとなる組成物、好ましくは、生物によって再生可能な供給源から誘導される組成物を見つけることが必要である。さらに、プロダクションプリンティングのような高速で印刷する環境に適した転相インク組成物を提供することが必要である。
本明細書に示す実施形態によれば、アモルファス成分と;以下の構造を有する結晶性成分
〔式中、n1は、1〜40であり、n2は、1〜40である〕と;任意要素の着色剤とを含み、結晶性化合物が、生物によって再生可能であり、再利用される出発物質から誘導される転相インクが提供される。
転相インク技術は、印刷の可能性と、多くの市場にわたる顧客基盤を拡大し、印刷ヘッド技術、印刷プロセスおよびインク材料を有効に組み込むことによって、印刷用途の多様性が増すだろう。転相インク組成物は、室温(RT)(例えば、20〜27℃)で固体であり、高温では溶融し、溶融したインクがこの温度で基材に塗布されることを特徴とする。上述のように、現行のインクの選択肢も多孔性紙基材ならうまく使用することができるが、これらの選択肢は、コーティングされた紙基材では常に満足するものであるとはいえない。
従来の転相インク技術は、首尾良く鮮明な画像を与え、吐出部を使用する際の経済性および多孔性の紙に対する基材の自由度を与える。しかし、このような技術は、コーティングされた基材では満足のいくものではない。したがって、既知の組成物およびプロセスでも、これらの意図する目的に適しているが、コーティングされた紙基材の上に画像を作成するか、または印刷するというためのさらなる手段が依然として必要である。このように、望ましいインク成分として使用するのに適した異なる種類の材料を選択し、特定することを含め、あらゆる基材に対し、優れた画質を消費者に提供するための転相インク組成物およびさらなる印刷技術のために、代わりとなる組成物を見つけることが必要である。さらに、プロダクション環境でのデジタルプレスによって必要に応じて高速でこれらのインクを印刷することが必要である。
例えば、エネルギーおよび環境に関する政策、高騰する揮発性油の価格、地球規模の化石埋蔵量が速やかに枯渇することに対する国民意識/政治意識によって、生体材料から誘導される持続可能なモノマーの必要性が生じてきた。本発明の実施形態は、インク組成物で使用するために、生物によって再生可能な材料を使用する。「生物によって再生可能な」という用語は、植物材料から誘導される1種類以上のモノマーで構成される材料を意味するように用いられる。このような再生可能な生物由来の原料を用いることによって、製造業者は、二酸化炭素排出量を低減し、ゼロカーボンまたはカーボンニュートラルな排出量へと移行するだろう。生物由来の原料は、特定のエネルギーおよび排出量を低く抑えるという観点でも非常に魅力的である。生物によって再生可能な原料を利用することで、埋め立てることとなる廃棄物の量を減らすことができ、不安定な地域から輸入する石油に依存することに関連する経済的な危険性および不確実性を減らすことができる。
「無公害」な出発物質を提供する別の様式は、再利用される備蓄物によるものである。プラスチックの再利用は、例えば、インク製造に用いられる原材料によって生じるCO排出量をほとんど完全になくす手段を与える。したがって、再利用されるプラスチックを使用してインク成分を製造する場合、インクの持続可能性内容物を増やすことができる。したがって、上述のことに基づき、本願発明者らは、インクの持続可能性内容物を顕著に増やし、このインクの全体的なCO排出量を減らすような、生物によって再生可能であり、再利用される出発物質との組み合わせをインク成分に使用する様式を発見した。
米国特許出願第13/095,636号に開示されているように、転相インク配合物中で結晶性およびアモルファス性の低分子化合物の混合物を用いることで、堅牢性の高いインク、特に、コーティングされた紙の上で堅牢性の高い画像を示す転相インクを与えることがすでに発見されている。このような転相インクを用いて製造される印刷サンプルは、現時点で利用可能な転相インクと比較して高い堅牢性を示す。
本願発明者らは、結晶性成分とアモルファス成分とから作られる組成物の迅速な結晶化は、この組成物に固有の性質ではないことも発見した。結晶性/アモルファス性混合物の結晶化速度は、結晶性成分やアモルファス成分のみの独立した関数というだけではなく、もっと重要なことには、結晶性材料とアモルファス材料の対を選択することによって影響を受ける。例えば、所与の結晶性成分は、あるアモルファス成分と混合したときに、迅速に結晶化する組成物を与えることがあるが、同じ結晶性成分を異なるアモルファス成分と混合したときに、ゆっくりと結晶化する組成物を生じる場合がある。結晶性成分とアモルファス成分の対の化学構造の関係によって、所与の混合物の結晶化速度を制御する。しかし、迅速に結晶化するインクを提供するような結晶性成分とアモルファス成分の特定の対を選択するのは困難である。
本発明の実施形態は、堅牢性の高いインク、特に、コーティングされた紙の上で堅牢性の高い画像を示す転相インクを提供するだけではなく、さらに、迅速に結晶化し、生物によって再生可能な材料から誘導される、結晶性成分およびアモルファス成分に基づくインク組成物のための配合物を提供する。
本発明の実施形態は、(1)結晶性化合物および(2)アモルファス化合物のブレンドを、一般的には、それぞれ約60:40〜約95:5の重量比で含む新しい種類のインクジェット転相インク組成物を提供する。さらに具体的な実施形態では、結晶性化合物とアモルファス化合物の重量比は、約65:35〜約95:5、または約70:30〜約90:10である。
それぞれの化合物または成分は、転相インクに特定の性質を付与し、その結果として得られるこれらのアモルファス化合物と結晶性化合物のブレンドを含むインクは、コーティングされていない基材およびコーティングされた基材の上で優れた堅牢性を示す。インク配合物中の結晶性化合物は、冷却すると迅速に結晶化することによって転相を引き起こす。結晶性化合物は、さらに、最終的なインク膜の構造を固定し、アモルファス化合物の粘着性を下げることによって固いインクを作り出す。アモルファス化合物は、印刷したインクに対し、粘着性を与え、堅牢性を付与する。
米国特許出願第13/457,157号は、結晶性成分とアモルファス成分が、制限された相溶性を有するような組成物を用いることによって、迅速に固化するインクを達成するための一方法を開示し、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。相溶性を制限するとは、この2つの成分が、溶融状態から冷却すると迅速に相分離する傾向を有することを意味する。制限された相溶性は、迅速に結晶化する能力を与えるようなそれぞれの選択した結晶性成分とアモルファス成分の対の化学構造中に存在する官能基間の関係に関連する一連の設計規則を満たすように、結晶性成分とアモルファス成分を選択することによって達成される。簡潔にいうと、この設計規則を以下に記載する。
(1)転相インク組成物は、アモルファス化合物と、結晶性化合物とを含み、
(2)アモルファス化合物は、少なくとも1つの官能基を含み、少なくとも1つのアモルファス末端基に接続するアモルファスコア部分を含み、アモルファス末端基がアルキル基を含み、アルキルは、約1〜約40個の炭素原子を含む直鎖、分枝鎖または環状、飽和または不飽和、置換または非置換であり、アモルファス化合物の構造を示す図を以下に示す。
(3)結晶性化合物は、少なくとも1つの官能基を有し、少なくとも1つの結晶性末端基に接続する結晶性コア部分を含み、結晶性コア基は、芳香族基を含み、結晶性化合物の構造を示す図を以下に示す。
(4)アモルファスコア部分の官能基は、どれも結晶性コア部分のどの官能基とも同じではない。
本発明の実施形態は、生分解可能であり、迅速に結晶化し、疎水性の特徴を有するジ−エステルと、生物によって再生可能な材料から誘導されるアモルファス成分とを使用する。いくつかの実施形態では、本発明の実施形態は、少なくとも20%の生物によって再生可能な内容物、または約20〜約85%の生物によって再生可能な内容物、または約65〜約83%の生物によって再生可能な内容物を含むインクを提供する。これは、インク成分の少なくとも20%が、植物のような再生可能な資源から誘導されることを意味する。特に、インク組成物は、脂肪族モノアルコールと二酸(例えばテレフタル酸)から誘導される安価で鋭敏に溶融し、転相成分として機能する結晶性材料を、アモルファスバインダー樹脂として機能する他のジエステルに加えて含む。脂肪族アルコールは、インクにある程度の疎水性の特徴を与え、インクの広がり性を高め、他のインク配合物よりも改良するのに役立つ。この結晶性材料は、安価でもあり、生分解性でもある。これらの材料から作られる転相インクは、同じ基材の上で、市販の転相インクと比較して優れた堅牢性を示す。
本発明の実施形態は、「無公害」な内容物、または生物によって再生可能な供給源または再利用される供給源のような持続可能な資源から誘導される内容物が多いようなさらなる様式も提供する。例えば、いくつかの実施形態では、結晶性成分は、約60〜約100%の生物によって再生可能な内容物で構成される。いくつかの実施形態では、結晶性成分は、約10〜約40%の再利用される内容物で構成される。
いくつかの実施形態では、結晶性成分は、上述のように、テレフタラートコアと、アモルファスジエステルとを含む。さらなる実施形態では、テレフタラートコアは、テレフタラートコアと脂肪族鎖とを含む再利用される樹脂から作られる。特に、この樹脂は、再利用されるポリエチレンテレフタラートプラスチックの解糖から得られるオリゴマー性ポリエチレンテレフタラート(PETE)で構成され、結晶性成分のテレフタラートコアを作成するための再利用される結晶性樹脂を調製する。いくつかの実施形態では、結晶性化合物は、一般的な構造
を有し、式中、n1は1〜40であり、n2は1〜40である。
再利用されるPETEオリゴマーを、アルコール(例えば、ステアリルアルコールまたはベヘニルアルコール)と組み合わせて用い、本発明の実施形態の転相インクのための結晶性成分を製造することができる。このようにして得られた結晶性成分は、生物によって再生可能であり、再利用される材料の組み合わせを含む。このような実施形態では、この結晶性成分から作られるインクは、少なくとも70%の無公害な内容物を含んでいてもよい。さらなる実施形態では、このインクは、80%〜約100%の無公害な内容物を含む。なおさらなる実施形態では、インクは、無公害な内容物を95%より多く含み、これは、インクジェットインクとして今までに報告されている中で最も無公害な内容物である。
試験インクが高速印刷に適するかを評価するために、結晶性成分を含有する転相インクの結晶化速度を測定する定量的な方法が開発された。時間分解光学顕微鏡(TROM)によって、種々の試験サンプル間が比較され、その結果、迅速に結晶化するインクの設計に関して行われた進歩をモニタリングする有用なツールである。TROMは、Gabriel Iftimeらに対する2012年4月26日に電子出願された米国特許出願第13/456,847号に記載され(代理人整理番号20110828−401275)、その全体が本明細書に参考として組み込まれる。
TROMは、偏光顕微鏡(POM)を用いることによって、結晶の外観および成長をモニタリングする。顕微鏡の交差した偏光子の間にサンプルを置く。結晶性材料は、複屈折性であるため、目で見ることができる。光を透過しないアモルファス性の材料または液体(例えば、溶融状態のインク)は、POMでは黒色に見える。したがって、POMは、結晶性成分を見たときに画像のコントラストを与え、溶融状態から設定温度まで冷却したとき、結晶性−アモルファス性インクの結晶化動態を追うことができる。異なる種々のサンプルを比較するデータを得るために、実際の印刷プロセスに関連する多くのパラメーターを含む目標を用い、標準化したTROM実験条件を設定した。インクまたはインク基剤を18mmの円形の薄いガラススライドで挟む。インク層の厚みを、実際に印刷したインク層に近い20〜25μmに維持する(ガラスファイバーのスペーサーを用いて制御する)。結晶化速度を測定するために、オフラインのホットプレートによってサンプルを予想吐出温度まで加熱し(粘度は約10〜12cp)、次いで、光学顕微鏡と接続した冷却ステージに移す。冷却ステージは、熱および液体窒素を制御しつつ供給することによって維持されるあらかじめ設定した温度で恒温に維持される。この実験の設定は、実際の印刷プロセスでインク液滴が吐出される際の予想されるドラム/紙温度に合わせている(本開示で報告する実験では40℃)。結晶の生成および成長をカメラで記録する。
選択したインクについてTROM方法を用いて得られた結晶化時間は、実際の印刷デバイスにおけるインク液滴の結晶化時間と同じではないことを理解すべきである。実際の印刷デバイス(例えば、プリンター)では、インクはもっと速く固化する。TROM方法によって測定される総結晶化時間と、プリンターでのインクの固化時間との間に良好な相関関係があることがわかる。上述の標準化された条件では、TROM方法によって測定する場合、20秒以内、15秒以内、または10秒以内に固化する(すなわち、総結晶化時間が20s未満、15s未満、または10s未満)インクは、高速印刷、典型的には、100フィート/分またはそれより速い速度での迅速な印刷に適していることもわかる。したがって、本開示の目的のために、15秒よりも短い結晶化速度は、迅速な結晶化であると考える。しかし、500フィート/分またはそれより速い超高速での印刷は、TROMによって測定される結晶化速度が、標準化されたTROM条件で約7秒未満であるインクを必要とする。
実際に、本願発明者らは、TROM試験でtimetotal(結晶性およびアモルファス性)が15秒以下であるインクが、約100フィート/分またはそれより速い速度での迅速な印刷に適していることを発見した。
特定の実施形態では、転相インクの総結晶化時間は、結晶性化合物のみの総結晶化時間の5倍以下である。さらなる実施形態では、転相インクの総結晶化時間は、結晶性化合物のみの総結晶化時間の4倍以下である。なおさらなる実施形態では、転相インクの総結晶化時間は、結晶性化合物のみの総結晶化時間の3倍以下である。
いくつかの実施形態では、転相インクは、ある特定の物理的性質を満たす。例えば、本発明の実施形態の転相インクは、融点(Tmelt)が約65℃〜約150℃、または約70℃〜約140℃、または約80℃〜約135℃である。他の実施形態では、このインクは、DSCによって速度10℃/分で決定する場合、結晶化温度(Tcrys)が約40℃〜約140℃、または約45℃〜約130℃、または約50℃〜約120℃である。他の実施形態では、本発明の実施形態の転相インクは、約100〜約140℃の吐出範囲において、粘度が約1〜約22cpである。特に、本発明の実施形態の転相インクは、140℃での粘度が12cp未満、または約12cp〜約3cp、または約10cp〜約5cpである。このインクは、室温での粘度が約10cpより大きくてもよい。
いくつかの実施形態では、アモルファス化合物は、結晶性成分および任意の着色剤または他の少量添加剤のためのバインダー成分として機能する。本発明の実施形態では、アモルファス化合物は、一般式
を有するエステル化合物であり、式中、RおよびRは、それぞれ他と独立して、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基または二環系であり、Zは、アルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基またはアルキルアリーレン基である。具体的な実施形態では、アモルファス化合物は、以下に記載する構造を有する。
ある適切なアモルファスは、米国特許出願第13/095,784号に開示されている。このアモルファス材料は、以下の式を有する酒石酸エステル
を含み、式中、RおよびRは、それぞれ他と独立しており、つまり、同じであってもよく、異なっていてもよいことを意味し、アルキル基からなる群から選択され、アルキル部分は、約1〜約40個の炭素原子を含む直鎖、分枝鎖または環状、飽和または不飽和、置換または非置換であってもよく、または置換または非置換の芳香族基またはヘテロ芳香族基、およびその混合物であってもよい。特定の実施形態では、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチルおよびt−ブチルから選択される1個以上のアルキル基で場合により置換されたシクロヘキシル基である。
酒石酸骨格は、L−(+)−酒石酸、D−(−)−酒石酸、DL−酒石酸、またはメソ酒石酸、およびその混合物から選択される。酒石酸のR基および立体化学に依存して、そのエステルは、結晶または安定なアモルファス化合物を生成することができる。具体的な実施形態では、アモルファス化合物は、L−酒石酸ジ−L−メンチル、L−酒石酸ジ−DL−メンチル(DMT)、DL−酒石酸ジ−L−メンチル、DL−酒石酸ジ−DL−メンチル、およびその任意の立体異性体および混合物からなる群から選択される。
これらの物質は、吐出温度付近(≦140℃、または約100〜約140℃、または約105〜約140℃)では比較的低い粘度を示す(<10センチポイズ(cp)、または約1〜約100cp、または約5〜約95cp)が、室温では非常に高い粘度を示す(>10cp)。
アモルファス成分を合成するために、米国特許出願第13/095,784号に示される合成スキームに示すように、酒石酸を種々のアルコールと反応させ、ジ−エステルを製造した。本発明の実施形態で使用するのに適切なアルコールは、アルキルアルコールからなる群から選択されてもよく、アルコールのアルキル部分は、約1〜約40個の炭素原子を含む直鎖、分枝鎖または環状、飽和または不飽和、置換または非置換であってもよく、または置換または非置換の芳香族またはヘテロ芳香族基、およびその混合物であってもよい。種々のアルコール、例えば、メントール、イソメントール、ネオメントール、イソネオメントール、およびその任意の立体異性体および混合物をエステル化に使用してもよい。脂肪族アルコールの混合物をエステル化に使用してもよい。例えば、2種類の脂肪族アルコールの混合物をエステル化に使用してもよい。これらの混合反応で使用可能な脂肪族アルコールの適切な例は、シクロヘキサノールおよび置換シクロヘキサノール(例えば、2−、3−または4−t−ブチルシクロヘキサノール)である。脂肪族アルコールのモル比は、25:75〜75:25、40:60〜60:40、または約50:50であってもよい。
さらに適切ないくつかのアモルファス材料は、米国特許出願第13/680,200号に開示されている。
別の実施形態では、アモルファス材料は、以下の一般式を有するジ−エステル
または一般式Iおよび/または一般式IIの1つ以上の混合物を含んでいてもよく、
式中、Rは、アルキレン基、アリーレン基、アリールアルキレン基、アルキルアリーレン基であり(置換および非置換のアルキレン基を含み)、アルキレン基(例えば、2〜約12個の炭素原子を含むアルキレン基)中にヘテロ原子が存在していてもよく、存在していなくてもよく、R〜R25基は、独立して、水素、アルキル基、アリールアルキル基、アルキルアリール基、ヘテロ環基からなる群から選択され、R〜R25基のうち、1つ以上は、環構造に含まれており、(CH)xは、1個以上のメチレン基を示し、xは、1〜約20の整数であるか、または一般式Iおよび/または一般式IIの1つ以上の化合物の混合物を含んでいてもよい。
さらに具体的には、アモルファス化合物は、以下の構造
を有するコハク酸または酒石酸とAbitol Eアルコールのエステルである。
アモルファス成分を合成するために、米国特許出願第13/680,200号で示される合成スキームに示すように、コハク酸または酒石酸をABITOL E(商標)アルコール(Hercules,Inc.(ウィルミントン、デラウエア)から入手可能)と反応させた。ABITOL Eは、代表的な構造によって示され、ヒドロアビエチルアルコール(CAS[13393−93−6])、水素化ロジンのメチルエステル(CAS[8050−15−5])、脱炭酸ロジン(CAS[8050−18−8]))を含む。
具体的な実施形態では、アモルファスバインダーは、メントールと酒石酸(DMT)のジ−エステルである(以下の表1に示す化合物1)。酒石酸は、ワイン産業から得られる共通の副生成物である、生物によって再生可能な材料である。メントールも、供給源によっては、生物によって再生可能であってもよい。他の実施形態では、アモルファスバインダーは、シクロヘキサノールとt−ブチルシクロヘキサノールの混合物(比率50:50)と酒石酸のエステルである(以下の表1の化合物2)。化合物1および化合物2は、米国特許出願第13/095,784号に開示されている。別の具体的な実施形態では、アモルファスバインダーは、Abitol Eとコハク酸ジ−エステルのエステルである(以下の表1に示す化合物3)。Abitol Eは、松の樹液と、トウモロコシまたはソルガムから入手可能な生物由来のコハクサンとから誘導される樹脂である。生物によって再生可能な内容物は、生物由来の原料の重量%を基準とする。化合物3は、米国特許出願第13/680,200号に開示されている。
アモルファス化合物は、吐出温度付近(≦140℃)では比較的低い粘度を示す(<10センチポイズ(cp)、または約1〜約100cp、または約5〜約95cp)が、室温では非常に高い粘度を示す(>10cp)。
いくつかの実施形態では、アモルファス化合物を結晶性化合物とともに配合し、転相インク組成物を作成する。結晶性成分およびバインダーは、すべてエステルである。この種の材料は、容易に生分解可能であることはよく知られている。このインク組成物は、良好なレオロジープロフィールを示す。K−プルーフによってコーティング紙の上に転相インク組成物によって作成された印刷サンプルは、優れた堅牢性を示す。
いくつかの実施形態では、アモルファス材料は、インク組成物の合計重量の約5重量%〜約50重量%、または約10重量%〜約40重量%、または約15重量%〜約30重量%の量で存在する。
ある具体的な実施形態では、RとR’は同じである。いくつかの実施形態では、結晶性化合物は、以下のスキーム1から製造されるジ−エステル化合物である。
式中、Rは、飽和脂肪族基またはエチレン性不飽和脂肪族基であり、一実施形態では、少なくとも約6個の炭素原子を含み、別の実施形態では、少なくとも約8個の炭素原子を含み、一実施形態では、約100個以下の炭素原子を含み、別の実施形態では、約80個以下の炭素原子を含み、さらに別の実施形態では、約60個の炭素原子を含むが、炭素原子の数は、これらの範囲からはずれていてもよい。R’は、飽和脂肪族基またはエチレン性不飽和脂肪族基であり、一実施形態では、少なくとも約6個の炭素原子を含み、別の実施形態では、少なくとも約8個の炭素原子を含み、一実施形態では、約100個以下の炭素原子を含み、別の実施形態では、約80個以下の炭素原子を含み、さらに別の実施形態では、約60個の炭素原子を含むが、炭素原子の数は、これらの範囲からはずれていてもよい。具体的な実施形態では、結晶性化合物は、天然の脂肪族アルコール(例えば、オクタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、カプリンアルコール、リノレイルアルコールなど)から誘導される。上の反応は、スズ触媒、例えば、ジラウリン酸ジブチルスズ(Fascat 4202)、ジブチルスズオキシド(Fascat 4100);亜鉛触媒、例えば、Bi cat Z;またはビスマス触媒、例えば、Bi cat 8124;Bi cat 8108、チタン触媒、例えば、二酸化チタンが存在する状態でテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸またはPETEと、アルコールとを溶融状態で合わせることによって行われてもよい。このプロセスは、ほんの痕跡量の触媒しか必要としない。
いくつかの実施形態では、触媒は、全生成物の約0.01重量%〜2重量%、または約0.05重量%〜約1重量%の量で存在する。
この反応は、約150℃〜約250℃、または約160℃〜約210℃の高温で行われる。無溶媒プロセスは、環境的に持続可能であり、副生成物の問題をなくし、反応器のスループットが高くなることも意味している。
これらのアルコールのほとんどは、例えば、綿、ココナツ、パーム核、トウゴマの実、菜種、大豆、ヒマワリのような植物油から誘導される生物によって再生可能な材料である。これらのアルコールをテレフタル酸ジメチル、テレフタル酸またはPETEと反応させ、対応するジ−エステルを与える。生物によって再生可能なテレフタル酸は、まだ入手可能ではないが、本発明の実施形態は、再利用されるPETEとアルコールとを用い、所望のジ−エステルを得る方法を提供する。以下のスキーム2は、アルコールとPETEを使用してジ−エステルを製造することを示す。
いくつかの実施形態では、このアルコールは、構造ROHを有し、Rは、約12〜約24個の炭素原子を含むアルキル鎖である。スキーム2によれば、テレフタル酸ジステアリル(DST)は、PETEとステアリルアルコール(C12)との反応から製造することができ、テレフタル酸ジベヘニル(DBT)は、ベヘニルアルコールの反応から製造することができる。
いくつかの実施形態では、PETEは、スキーム3に示すように、解糖を介するポリエチレン(PET)の解重合によって得られる。解糖は、以下の2つの工程を含む。(i)PETプラスチックを粉砕することによってPETフレークを得て、(ii)エチレングリコール(EG)およびエステル交換触媒を用いて部分的に解重合。得られた解重合した材料は、PETEとして知られており、Reichhold,Inc.(ダラム、ノースカロライナ)から入手可能である。PETEとステアリルアルコールからDSTを調製するプロセスは、テレフタル酸ジメチルとステアリルアルコールから調製するときは20時間であるのに対し、1サイクルの反応時間が6時間である。
(結晶性化合物として使用するための)ジ−エステル化合物を製造するために使用する具体的なアルコールを表2に示す。両化合物は、望ましい温度範囲(すなわち、60℃<T<130℃)で非常に鋭敏な転移を示し(表2)、このことは、インクの転相材料にとって有望な性質を示す。
生物によって再生可能な内容物は、生物由来の原料の重量%を基準とする。本発明の実施形態の結晶性成分を製造するために用いられる出発物質はすべて安価である。さらに、これらの材料は、唯一の副生成物としてメタノールを含む無溶媒縮合手順を用い、単純で低コストであり、環境に良い合成経路によって調製される。
本発明の実施形態の転相インクにとって重要な別の必要事項は、高い吐出温度で長期間にわたってインク成分が安定であることである。表2の化合物1を140℃のオーブンで7日間熟成し、安定性を試験した。
この結晶性材料は、鋭敏な結晶化、約140℃の温度で比較的低い粘度(≦10センチポイズ(cp)、または約0.5〜約20cp、または約1〜約15cp)を示すが、室温では非常に高い粘度を示す(>10cp)。これらの材料は、融点(Tmelt)が150℃未満、または約65〜約150℃、または約66〜約145℃であり、結晶化温度(Tcrys)が60℃より大きく、または約60〜約140℃、または約65℃〜約120℃である。TmeltとTcrysのΔTは、約55℃未満である。
いくつかの実施形態では、アモルファス化合物は、以下に示す構造およびその混合物からなる群から選択されるジ−エステル化合物である。
いくつかの実施形態では、結晶性材料は、インク組成物の合計重量の約60重量%〜約95重量%、または約65重量%〜約95重量%、または約70重量%〜約90重量%の量で存在する。
実施形態のインクは、従来の添加剤に関連する既知の機能を利用するために、このような従来の添加剤をさらに含んでいてもよい。このような添加剤としては、例えば、少なくとも1つの酸化防止剤、消泡剤、すべり剤およびレベリング剤、清澄剤、粘度調整剤、接着剤、可塑剤などを挙げることができる。
インクは、場合により、画像が酸化するのを防ぐために酸化防止剤を含んでいてもよく、また、インク容器内で加熱した溶融物として存在している間にインク成分が酸化しないように保護してもよい。酸化防止剤は、存在する場合、任意の望ましい量または有効な量で、例えば、インクの約0.25重量%〜約10重量%、またはインクの約1重量%〜約5重量%の量で存在していてもよい。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する転相インク組成物は、着色剤をさらに含む。したがって、本発明の実施形態の転相インクは、着色剤を含むものであってもよく、含まないものであってもよい。転相インクは、場合により、染料または顔料のような着色剤を含んでいてもよい。着色剤は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(CMYK)のセットのいずれかであってもよく、特注のカラー染料または顔料、または顔料混合物から得られるスポットカラーであってもよい。染料系の着色剤は、インク基剤組成物と混和性であり、結晶性成分とアモルファス成分、任意の他の添加剤を含む。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の転相インク組成物は、着色剤も含む。着色剤をインク担体に溶解または分散させることができるのであれば、染料、顔料、これらの混合物などの任意の望ましい着色剤または有効な着色剤を転相インク組成物に利用してもよい。インク担体に分散または溶解させることができ、他のインク成分と相溶性である限り、任意の染料または顔料を選択してもよい。
インク基剤中の顔料分散物を共力剤および分散剤によって安定化させてもよい。一般的に、適切な顔料は、有機材料または無機物であってもよい。例えば、堅牢性の高い磁気インク文字認識(MICR)インクを製造するために、磁性材料系の顔料も適している。磁性顔料としては、磁性ナノ粒子、例えば、強磁性ナノ粒子が挙げられる。
いくつかの実施形態では、溶媒染料を利用する。本発明で使用するのに適した溶媒染料の例は、本明細書に開示するインク担体との相溶性のため、スピリット溶媒染料を挙げることができる。
着色剤は、望ましい色または色相を得るのに望ましい任意の量または有効な量で、例えば、インクの少なくとも約0.1重量%〜約50重量%、少なくとも約0.2重量%〜約20重量%、少なくとも約0.5重量%〜約10重量%の量で転相インク中に存在していてもよい。
インク組成物は、任意の望ましい方法または適切な方法によって調製することができる。
任意の適切な基材または記録シートを使用することができる。
(実施例1)
テレフタル酸ジステアリルの合成(化合物1、表2)
2リットルのBuchi反応器にメカニカルスターラー、底部排出弁、蒸留装置を取り付け、これに解重合したPETE(315グラム)、FASCAT 4100(2.5グラム)およびステアリルアルコール(605.8)グラムを入れた。窒素をパージしつつ混合物を160℃まで加熱し、機械攪拌機(ツインブレード、P3ピッチ)を100rpmで撹拌した。混合物を3時間かけて195℃まで加熱し、次いで、1時間かけて205℃まで加熱し、その後に、減圧ポンプを用い、1時間かけて圧力を約5mm−Hgまで下げた。反応をさらに1時間続けた後、窒素を用いて周囲圧力まで圧力を増やし、その後、底部排出弁によって取り出した。
以下の表3は、結晶性成分を合成するために用いられるアルコールと、本発明の組成物およびコントロールインク組成物で用いられる結晶性成分の他の性質とを示す。
(インクの実施例1)
テレフタル酸ジステアリルを含有するインクの調製
30mLの褐色瓶に、以下の順序で入れた。テレフタル酸ジステアリル3.92g(表2の化合物1、78.4wt%)、0.98gのAbitol Eコハク酸ジ−エステル(100% BRC)。Abitol Eコハク酸ジ−エステル化合物は、米国特許出願第13/680,200号に記載されている。この物質を140℃で溶融させ、マグネチックスターラーを用いて30分間撹拌した後、この溶融混合物に0.1gのKeyplast Solvent blue 101染料(2wt%、Keystoneから購入)を加えた。インクを140℃でさらに1時間撹拌し、アルミニウム皿に注ぎ、室温まで冷却した。
(インクの実施例2)
Abitol E酒石酸バインダー(100% BRC)をアモルファス成分として用いる以外は、インクの実施例1にしたがってインクを製造した。
(コントロールインク)
コントロールインクの調製
インクが2%の顔料を含有し、残りのインク基剤の結晶性とアモルファス性の比率が80:20になるように、50mLビーカーにKeyplast Solvent blue 101染料、テレフタル酸ジステアリル結晶性樹脂、酒石酸 t−ブチルシクロヘキシル−シクロヘキシルアモルファス樹脂を加えた。次いで、この混合物を130℃で2時間撹拌し、皿に注いで固化させた。

Claims (20)

  1. 転相インクであって、
    アモルファス成分と;
    以下の構造を有する結晶性成分


    〔式中、n1は、1〜40であり、n2は、1〜40である〕
    と;
    任意要素の着色剤とを含み、
    結晶性化合物が、生物によって再生可能であり、再利用された出発物質から誘導され、
    前記転相インクが、生物によって再生可能な内容物を少なくとも20重量%含む、
    転相インク。
  2. 少なくとも70重量%の生物によって再生可能な内容物を含む、請求項1に記載の転相インク。
  3. 95重量%超の生物によって再生可能な内容物を含む、請求項2に記載の転相インク。
  4. 前記結晶性成分が、再利用されたオリゴマー性ポリエチレンテレフタラートから誘導される、請求項1に記載の転相インク。
  5. 前記結晶性化合物が、転相インクの合計重量の60重量%〜95重量%の量で存在する、請求項1に記載の転相インク。
  6. 前記アモルファス成分が、転相インクの合計重量の5重量%〜40重量%の量で存在する、請求項1に記載の転相インク。
  7. 結晶性:アモルファスの比が60:40〜95:5の比である、請求項1に記載の転相インク。
  8. 前記結晶性成分は、140℃の温度での粘度が12cp未満である、請求項1に記載の転相インク。
  9. 前記結晶性成分は、Tmeltが150℃未満である、請求項1に記載の転相インク。
  10. 前記結晶性成分は、Tcrysが60℃より高い、請求項1に記載の転相インク。
  11. 100℃〜140℃の吐出範囲において、粘度が1〜22cpである、請求項1に記載の転相インク。
  12. 室温での粘度が10cps超である、請求項1に記載の転相インク。
  13. 転相インクであって、
    Abitol Eコハク酸、Abitol E酒石酸、およびその混合物からなる群から選択されるアモルファス成分と;
    以下の構造を有する結晶性成分


    〔式中、n1は、1〜40であり、n2は、1〜40である〕
    と;
    着色剤とを含み、
    結晶性化合物が、生物によって再生可能であり、再利用された出発物質から誘導され、
    前記転相インクが、生物によって再生可能な内容物を少なくとも20重量%含む、
    転相インク。
  14. 前記結晶性成分が、再利用されたオリゴマー性ポリエチレンテレフタラートから誘導される、請求項13に記載の転相インク。
  15. 前記結晶性成分の60重量%〜100重量%が、生物によって再生可能な内容物である、請求項13に記載の転相インク。
  16. 結晶性成分の10〜40%が再利用された内容物である、請求項13に記載の転相インク。
  17. 転相インクを製造する方法であって、
    再利用されるポリエチレンテレフタラートプラスチックの解糖を開始し、オリゴマー性ポリエチレンテレフタラートを作成することと、
    オリゴマー性ポリエチレンテレフタラートと、生物によって再生可能なアルコールとを反応させ、以下の構造を有する結晶性成分


    〔式中、n1は、1〜40であり、n2は、1〜40である〕
    を製造することと、
    アモルファス成分、前記結晶性成分、任意要素の着色剤を一緒に混合して転相インクを作成することとを含み、結晶性化合物が、生物によって再生可能であり、再利用された出発物質から誘導される、方法。
  18. 前記生物によって再生可能なアルコールが、オクタノール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、カプリンアルコール、リノレイルアルコール及びその混合物からなる群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 前記転相インクが、少なくとも70重量%の生物によって再生可能な内容物を含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記転相インクが95重量%超の生物によって再生可能な内容物を含む、請求項19に記載の方法。
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