JP6185877B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、記録媒体にトナー像を定着させる定着装置と、この定着装置を備えた画像形成装置に関する。
従来、複写機、プリンター、ファックス、複合機などの電子写真方式の画像形成装置は、用紙などの記録媒体にトナー像を定着させる定着装置を備えている。この定着装置には、熱ローラー方式が広く使われている。熱ローラー方式とは、一対のローラーを用いて定着ニップを形成する方式である。
一方で、定着装置の低熱容量化及びウォームアップ時間の短縮のため、上記の熱ローラー方式からベルト方式へと定着方式の移行が進んでいる。ベルト方式とは、定着ベルトを用いて定着ニップを形成する方式である。
例えば、特許文献1には、定着ベルトと、定着ベルトに圧接して定着ニップを形成する加圧部材(特許文献1の「加圧ローラ22」参照)と、定着ベルトの径方向内側に配置される熱源(特許文献1の「ハロゲンヒータ23」参照)と、加圧部材との間に定着ベルトを挟み込むように配置されるニップ部材(特許文献1の「ニップ形成部材24」参照)と、ニップ部材を支持する支持部材(特許文献1の「ステー25」参照)と、を備えた定着装置が開示されている。
特開2013−145288号公報
特許文献1では、熱源とニップ部材の間に支持部材が配置されているため、熱源からの輻射熱をニップ部材に直接照射することができず、ニップ部材からの熱伝達によって定着ニップを加熱することが困難である。そのため、記録媒体が定着ニップを通過する時に記録媒体が定着ニップの熱を奪うと、定着ニップの温度が急激に低下し、記録媒体にトナー像を確実に定着させることができなくなる恐れがある。
本発明は上記事情を考慮し、記録媒体が定着ニップを通過する時に定着ニップの温度が急激に低下するのを抑制し、記録媒体にトナー像を確実に定着させることを目的とする。
本発明の定着装置は、回転可能に設けられる定着ベルトと、前記定着ベルトに圧接して定着ニップを形成し、回転可能に設けられる加圧部材と、前記定着ベルトの径方向内側に配置され、輻射熱を放射する熱源と、前記加圧部材との間に前記定着ベルトを挟み込むように配置されるニップ部材と、を備え、前記熱源から放射される輻射熱が前記定着ベルトの内周面及び前記ニップ部材に直接照射されることを特徴とする。
このような構成を採用することで、熱源によってニップ部材を直接加熱することができるため、ニップ部材からの熱伝達によって定着ニップを加熱することが可能となる。そのため、記録媒体が定着ニップを通過する時に記録媒体が定着ニップの熱を奪ったとしても、定着ニップの温度が急激に低下するのを抑制することができ、記録媒体にトナー像を確実に定着させることが可能となる。
前記ニップ部材を支持する支持部材を更に備え、前記ニップ部材は、前記熱源から放射される輻射熱が直接照射される被照射部と、前記被照射部に接続され、前記加圧部材との間に前記定着ベルトを挟み込むように配置されるニップ部と、を一体に備え、前記被照射部は、前記熱源と前記支持部材の間を仕切るように設けられていても良い。
このような構成を採用することで、熱源からの輻射熱が支持部材に直接照射されるのを防止することが可能となる。これに伴って、支持部材に奪われる熱を少なくすることができ、定着ベルトの昇温性能を向上させ、定着装置の省エネルギー性を高めることが可能となる。
前記支持部材と前記被照射部の間に設けられるスペーサーを更に備えていても良い。
このような構成を採用することで、被照射部から支持部材への熱伝達を抑制することができるため、支持部材に奪われる熱を一層少なくすることが可能となる。
前記ニップ部材は、記録媒体の搬送方向における前記被照射部の上流端部と記録媒体の搬送方向における前記ニップ部の上流端部を接続する接続部を更に備えていても良い。
このような構成を採用することで、被照射部とニップ部が間隔をおいて配置されている場合でも、接続部を介して被照射部の熱をニップ部に確実に伝達することが可能となる。
前記支持部材と前記接続部の間に設けられる断熱体を更に備えていても良い。
このような構成を採用することで、接続部から支持部材への熱伝達を抑制することができるため、支持部材に奪われる熱を一層少なくすることが可能となる。
前記接続部の少なくとも一部は、前記定着ベルトの回転方向における前記定着ニップの上流側において前記定着ベルトの内周面に接触していても良い。
このような構成を採用することで、定着ベルトの回転方向における定着ニップの上流側においてもニップ部材の熱を定着ベルトに伝達することができる。そのため、記録媒体にトナー像を一層確実に定着させることが可能となる。
前記ニップ部と前記支持部材の間に設けられる断熱部材を更に備えていても良い。
このような構成を採用することで、ニップ部から支持部材への熱伝達を抑制することができるため、支持部材に奪われる熱を一層少なくすることが可能となる。
本発明の画像形成装置は、上記したいずれかの定着装置を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、記録媒体が定着ニップを通過する時に定着ニップの温度が急激に低下するのを抑制し、記録媒体にトナー像を確実に定着させることが可能となる。
本発明の一実施形態に係るプリンターの概略を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置において、上フレーム部及び定着ベルトを示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置において、定着ベルト及びその周辺部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置において、定着ベルトの径方向内側に配置される部材を示す分解斜視図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置において、ニップ部材及びその周辺部を示す右後側からの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置において、ニップ部材及びその周辺部を示す右前側からの斜視図である。
まず、図1を用いて、プリンター1(画像形成装置)の全体の構成について説明する。
プリンター1は、箱型形状のプリンター本体2を備えており、プリンター本体2の下部には、用紙(記録媒体)を収納する給紙カセット3が収容され、プリンター本体2の上面には排紙トレイ4が設けられている。プリンター本体2の上面には、排紙トレイ4の側方に上カバー5が開閉可能に取り付けられ、上カバー5の下方にはトナーコンテナ6が収納されている。
プリンター本体2の上部には、レーザー・スキャニング・ユニット(LSU)で構成される露光器7が排紙トレイ4の下方に配置され、露光器7の下方には、画像形成部8が設けられている。画像形成部8には、像担持体である感光体ドラム10が回転可能に設けられており、感光体ドラム10の周囲には、帯電器11と、現像器12と、転写ローラー13と、クリーニング装置14とが、感光体ドラム10の回転方向(図1の矢印X参照)に沿って配置されている。
プリンター本体2の内部には、用紙の搬送経路15が設けられている。搬送経路15の上流端には給紙部16が設けられ、搬送経路15の中流部には、感光体ドラム10と転写ローラー13によって構成される転写部17が設けられ、搬送経路15の下流部には定着装置18が設けられ、搬送経路15の下流端には排紙部19が設けられている。搬送経路15の下方には、両面印刷用の反転経路20が形成されている。
次に、このような構成を備えたプリンター1の画像形成動作について説明する。
プリンター1に電源が投入されると、各種パラメーターが初期化され、定着装置18の温度設定等の初期設定が実行される。そして、プリンター1に接続されたコンピューター等から画像データが入力され、印刷開始の指示がなされると、以下のようにして画像形成動作が実行される。
まず、帯電器11によって感光体ドラム10の表面が帯電された後、露光器7からのレーザー光(図1の二点鎖線P参照)により感光体ドラム10に対して画像データに対応した露光が行われ、感光体ドラム10の表面に静電潜像が形成される。次に、この静電潜像を、現像器12がトナーによりトナー像に現像する。
一方、給紙部16によって給紙カセット3から取り出された用紙は、上記した画像形成動作とタイミングを合わせて転写部17へと搬送され、転写部17において感光体ドラム10上のトナー像が用紙に転写される。トナー像を転写された用紙は、搬送経路15を下流側へと搬送されて定着装置18に進入し、この定着装置18において用紙にトナー像が定着される。トナー像が定着された用紙は、排紙部19から排紙トレイ4に排出される。なお、感光体ドラム10上に残留したトナーは、クリーニング装置14によって回収される。
次に、定着装置18について詳細に説明する。以下、説明の便宜上、図2における紙面手前側を定着装置18の前側(正面側)とする。図2の矢印Yは、用紙の搬送方向(本実施形態では、左右方向)を示している。各図に適宜付される矢印Frは、定着装置18の前側(正面側)を示している。各図に適宜付される矢印Iは、前後方向内側を示し、各図に適宜付される矢印Oは、前後方向外側を示している。
図2等に示されるように、定着装置18は、箱型形状の定着フレーム21と、定着フレーム21の上部に収容される定着ベルト22と、定着フレーム21の下部に収容される加圧ローラー23(加圧部材)と、定着ベルト22の径方向内側に配置されるヒーター24(熱源)と、定着ベルト22の径方向内側においてヒーター24の下側に配置される支持部材26と、定着ベルト22の径方向内側において支持部材26の上下両側及び右側に配置されるニップ部材27と、支持部材26の上側に配置される一対のスペーサー28と、支持部材26の右側に配置される3個の断熱体29と、支持部材26の下側に配置される断熱部材30と、を主体として構成されている。
定着フレーム21は、板金によって形成されている。図3等に示されるように、定着フレーム21は、互いに連結される上フレーム部31及び下フレーム部32によって構成されている。
定着フレーム21の上フレーム部31は、前後一対の上側両端板33と、上側両端板33の上端部を連結する天板34と、を備えている。
図4等に示されるように、上フレーム部31の各上側両端板33の外面には、ヒーター取付板35が固定されている。各上側両端板33の内面には、ベルト取付台36が固定されている。各ベルト取付台36の前後方向内側の端部には、円弧状のベルト支持部37が設けられている。ベルト支持部37の外周には、円環状の蛇行規制リング38が設けられている。
上フレーム部31の天板34には、前後一対の第1サーミスター40が固定されている。図3等に示されるように、各第1サーミスター40は、定着ベルト22の外周面の中央部と後部にそれぞれ接触している。
定着フレーム21の下フレーム部32は、前後一対の下側両端板41と、下側両端板41の下部を連結する底板42と、を備えている。
下フレーム部32の各下側両端板41の前後方向内側には、揺動フレーム43が設けられている。各揺動フレーム43の右端側には支軸44が設けられており、各支軸44を支点に各揺動フレーム43が揺動するように構成されている。後側の下側両端板41の後側(前後方向外側)には、入力ギア45が各支軸44と同軸上に設けられている。入力ギア45は、モーター等によって構成される駆動源46と接続されている。
図2等に示されるように、下フレーム部32には、第2サーミスター47が固定されている。第2サーミスター47は、加圧ローラー23の外周面に接触している。下フレーム部32には、進入ガイド48及び排出ガイド49が設けられている。
定着ベルト22は、前後方向に長い略円筒状を成している。定着ベルト22は、可撓性を有しており、周方向には無端状である。定着ベルト22は、例えば、基材層と、この基材層を被覆する離型層と、によって構成されている。定着ベルト22の基材層は、例えば、SUSなどの金属によって形成されている。なお、定着ベルト22の基材層は、PI(ポリイミド)などの樹脂によって形成されていても良い。定着ベルト22の離型層は、例えば、PFAチューブによって形成されている。なお、各図において、定着ベルト22の各層(基材層、離型層)は、特に区別されずに表示されている。
定着ベルト22の前後両端部には、上フレーム部31の各ベルト取付台36に設けられたベルト支持部37(図4等参照)が挿入されている。これにより、定着ベルト22が上フレーム部31に回転可能に支持されている。定着ベルト22は、前後方向に延びる回転軸A(図4参照)を中心に回転可能となっている。つまり、本実施形態では、前後方向が定着ベルト22の回転軸方向である。定着ベルト22の前後両端面は、上フレーム部31の各ベルト取付台36に設けられた蛇行規制リング38の前後方向内側に配置されている。これにより、定着ベルト22の蛇行(前後方向外側への移動)が規制されている。
加圧ローラー23(図2等参照)は、前後方向に長い略円柱状を成している。加圧ローラー23は、例えば、円柱状の芯材50と、この芯材50に周設される弾性層51と、この弾性層51を被覆する離型層(図示せず)と、によって構成されている。加圧ローラー23の芯材50は、例えば、鉄等の金属によって形成されている。加圧ローラー23の弾性層51は、例えば、シリコンゴムによって形成されている。加圧ローラー23の離型層は、例えば、PFAチューブによって形成されている。
加圧ローラー23は、定着ベルト22の下側(外側)に配置されている。加圧ローラー23は、定着ベルト22に圧接しており、定着ベルト22と加圧ローラー23の間には定着ニップ52が形成されている。加圧ローラー23は、定着フレーム21の揺動フレーム43の長手方向中央部(本実施形態では左右方向中央部)に回転可能に支持されており、揺動フレーム43が支軸44を中心に揺動することで加圧ローラー23が昇降し、定着ニップ52の圧力が切り替わるようになっている。
図3に示されるように、加圧ローラー23の後端部には、駆動ギア53が固定されている。駆動ギア53は、入力ギア45に噛合しており、入力ギア45を介して駆動源46に接続されている。
ヒーター24(図5、図6等参照)は、例えば、ハロゲンヒーターによって構成されている。ヒーター24は、通電によって発熱し、輻射熱を放射するように構成されている。ヒーター24の前後両端部は、サーモスタット54に接続されている。ヒーター24の前後両端部は、定着フレーム21の上フレーム部31のヒーター取付板35(図4等参照)に取り付けられている。
支持部材26(図5、図6等参照)は、前後方向に長い形状を成している。支持部材26は、例えば、SECC(亜鉛メッキ鋼板)等の一枚の板金を屈曲させることによって形成されている。
支持部材26は、左右方向(用紙搬送方向)に沿って延びる上板60と、上板60の右端部から下側に向かって屈曲される第1側板61と、上板60の左端部から下側に向かって屈曲される第2側板62と、を備えており、コ字状を成している。支持部材26には、下側(定着ニップ52側)に向かって開口部58が形成されている。
支持部材26の上板60の前後両端部には、固定穴63が設けられている。支持部材26の第1側板61の前後両端部には、フック部64が設けられている。支持部材26の第1側板61の中央部と前後両側部には、ビス穴65が設けられている。各ビス穴65の前側には、正円状の第1嵌合穴66が設けられている。各ビス穴65の後側には、長穴状の第2嵌合穴67が設けられている。
ニップ部材27(図5、図6等参照)は、前後方向に長い形状を成している。ニップ部材27は、例えば、アルミニウムやSUS等の熱伝導性の高い金属から成る一枚の板金を屈曲及び湾曲させることによって形成されている。
ニップ部材27は、被照射部70と、被照射部70の下側(定着ニップ52側)に設けられるニップ部71と、被照射部70の右端部(用紙搬送方向上流側の端部)とニップ部71の右端部(用紙搬送方向上流側の端部)を接続する接続部72と、ニップ部71の左端部(用紙搬送方向下流側の端部)から上側に向かって屈曲されるガイド部78と、を一体に備えている。
ニップ部材27の被照射部70は、左右方向(用紙搬送方向)に沿って延びている。被照射部70は、支持部材26の上側を覆うように設けられている。被照射部70は、ヒーター24と支持部材26の間を仕切るように設けられている。被照射部70の前後両縁部には、前後方向外側に向かって突出する左右一対の突片73が設けられている。
ニップ部材27のニップ部71は、左右方向(用紙搬送方向)に沿って延びている。ニップ部71は、支持部材26の下側に設けられている。ニップ部71は、加圧ローラー23との間に定着ベルト22の下部(定着ニップ52側の部分)を挟み込むように配置されており、定着ベルト22の下部の内周面に接触している。
ニップ部材27の接続部72は、支持部材26の右側を覆うように設けられている。接続部72は、固定部74と、固定部74の下側に設けられる接触部75と、を備えている。固定部74の前後方向中央部と前後両側部には、穴部76が設けられている。接触部75は、定着ベルト22の内周面に沿って円弧状に湾曲している。接触部75は、定着ベルト22の回転方向における定着ニップ52の上流側において定着ベルト22の内周面に接触している。
図7において斑点が表示されている領域は、ニップ部材27のうちでヒーター24からの輻射熱が直接照射される領域(本実施形態では、被照射部70の上面)を示している。この領域には、熱吸収率(昇温性能)を向上させるための黒塗装が施されている。
図8において斑点が表示されている領域は、ニップ部材27のうちで定着ベルト22の内周面と接触する領域(本実施形態では、ニップ部71及び接続部72の接触部75)を示している。この領域には、フッ素コーティング、セラミックコーティング又は無電解ニッケルメッキが施されている。これにより、ニップ部材27に対する定着ベルト22の摺動性が向上すると共に、ニップ部材27の摩耗が防止される。
スペーサー28(図5、図6等参照)は、支持部材26の前後両端側にそれぞれ配置されている。各スペーサー28は、例えば、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂によって形成されている。
各スペーサー28は、底壁部80と、底壁部80の左右両端部から上側に向かって屈曲される一対の側壁部81と、を備えている。底壁部80及び各側壁部81の前後方向内側の縁部には、前後方向内側に向かって突出する突部82が設けられている。
各スペーサー28の底壁部80の中央部には、円形の固定穴83が設けられている。そして、この固定穴83と支持部材26の上板60の固定穴63とを貫通する固定ビス84によって、支持部材26の上板60に各スペーサー28が固定されている。底壁部80には、ニップ部材27の被照射部70の前後両端部が載置されている。以上のような構成により、底壁部80は、支持部材26の上板60とニップ部材27の被照射部70の間に設けられている。
断熱体29(図5、図6等参照)は、支持部材26の前後方向中央と前後両側にそれぞれ配置されている。各断熱体29は、例えば、LCP(液晶ポリマー)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の樹脂によって形成されている。各断熱体29は、支持部材26の第1側板61とニップ部材27の接続部72の固定部74の間に設けられている。
各断熱体29は、第1断熱部91と、第1断熱部91の前後両側に設けられる第2断熱部92と、を備えている。第1断熱部91の右面は、各第2断熱部92の右面よりも右側に突出している。
第1断熱部91には、ビス穴94が設けられている。そして、このビス穴94と支持部材26の第1側板61に設けられたビス穴65とを貫通するビス77によって各断熱体29が支持部材26の第1側板61に固定されている。第1断熱部91の右面には、ビス穴94の周囲に環状突起95が設けられている。環状突起95は、ニップ部材27の接続部72の固定部74に設けられた穴部76に嵌合している。
各第2断熱部92の左面には、嵌合突起96が設けられている。前側の第2断熱部92の嵌合突起96は、支持部材26の第1側板61の第1嵌合穴66に嵌合している。後側の第2断熱部92の嵌合突起96は、支持部材26の第1側板61の第2嵌合穴67に嵌合している。
断熱部材30(図5、図6等参照)は、前後方向に長い形状を成している。断熱部材30は、例えば、LCP(液晶ポリマー)等の耐熱性樹脂によって形成されている。断熱部材30は、支持部材26の第1側板61及び第2側板62とニップ部材27のニップ部71の間に設けられている。断熱部材30の下面は、ニップ部材27のニップ部71を介して定着ベルト22を下側(加圧ローラー23側)に向かって押圧している。断熱部材30の上部は、支持部材26に設けられた開口部58に挿入されている。
断熱部材30には、左側面と上面に跨るようにして係合凹部98が設けられている。係合凹部98には、支持部材26の第2側板62の先端部(下端部)が係合している。断熱部材30の右側面の前後両端部には、係合突起99が設けられている。各係合突起99には、支持部材26の第1側板61に設けられた各フック部64が係合している。このような構成により、断熱部材30が支持部材26に支持されている。
以上のように、本実施形態では、支持部材26とニップ部材27の間にスペーサー28、断熱体29及び断熱部材30が設けられている。そのため、ニップ部材27は、支持部材26に対して非接触となっている。
上記のように構成された定着装置18において、用紙にトナー像を定着させる際には、駆動源46を駆動させる。このように駆動源46が駆動すると、駆動源46の回転が入力ギア45及び駆動ギア53を介して加圧ローラー23に伝達され、図2に矢印Bで示されるように、加圧ローラー23が回転する。このように加圧ローラー23が回転すると、図2に矢印Cで示されるように、加圧ローラー23に圧接する定着ベルト22が加圧ローラー23とは逆方向に従動回転する。このように定着ベルト22が回転すると、定着ベルト22がニップ部材27に対して摺動する。
また、用紙にトナー像を定着させる際には、ヒーター24を稼働(点灯)させる。このようにヒーター24が稼働すると、ヒーター24から輻射熱が放射される。ヒーター24から放射された輻射熱の一部は、図2に矢印Dで示されるように、定着ベルト22の内周面に直接照射され、吸収される。また、ヒーター24から放射された輻射熱の別の一部は、図2に矢印Eで示されるように、ニップ部材27の被照射部70の上面に直接照射され、ニップ部材27の被照射部70に吸収される。ニップ部材27の被照射部70に吸収された輻射熱は、ニップ部材27の接続部72を介してニップ部材27のニップ部71に伝達される。これに伴って、ニップ部71が昇温し、ニップ部71からの熱伝達によって定着ニップ52が加熱される。
本実施形態では上記のように、ヒーター24から放射される輻射熱が定着ベルト22の内周面及びニップ部材27の被照射部70の上面に直接照射されるようになっている。このような構成を採用することで、ヒーター24によってニップ部材27を直接加熱することができるため、ニップ部材27からの熱伝達によって定着ニップ52を加熱することが可能となる。そのため、用紙が定着ニップ52を通過する時に用紙が定着ニップ52の熱を奪ったとしても、定着ニップ52の温度が急激に低下するのを抑制することができ、用紙にトナー像を確実に定着させることが可能となる。
また、ニップ部材27の被照射部70は、ヒーター24と支持部材26の間を仕切るように設けられている。このような構成を採用することで、ヒーター24からの輻射熱が支持部材26に直接照射されるのを防止することが可能となる。これに伴って、支持部材26に奪われる熱を少なくすることができ、定着ベルト22の昇温性能を向上させ、定着装置18の省エネルギー性を高めることが可能となる。
また、支持部材26の上板60とニップ部材27の被照射部70の間には、スペーサー28の底壁部80が設けられている。このような構成を採用することで、ニップ部材27の被照射部70から支持部材26への熱伝達を抑制することができるため、支持部材26に奪われる熱を一層少なくすることが可能となる。
また、ニップ部材27は、被照射部70の右端部(用紙搬送方向上流側の端部)とニップ部71の右端部(用紙搬送方向上流側の端部)を接続する接続部72を備えている。このような構成を採用することで、被照射部70とニップ部71が間隔をおいて配置されている場合でも、接続部72を介して被照射部70の熱をニップ部71に確実に伝達することが可能となる。
また、支持部材26の第1側板61とニップ部材27の接続部72の間には、断熱体29が設けられている。このような構成を採用することで、ニップ部材27の接続部72から支持部材26への熱伝達を抑制することができるため、支持部材26に奪われる熱を一層少なくすることが可能となる。
また、ニップ部材27の接続部72の接触部75は、定着ベルト22の回転方向における定着ニップ52の上流側において定着ベルト22の内周面に接触している。このような構成を採用することで、定着ベルト22の回転方向における定着ニップ52の上流側においてもニップ部材27の熱を定着ベルト22に伝達することができる。そのため、用紙にトナー像を一層確実に定着させることが可能となる。
また、ニップ部材27のニップ部71と支持部材26の第1側板61及び第2側板62の間には、断熱部材30が設けられている。このような構成を採用することで、ニップ部材27のニップ部71から支持部材26への熱伝達を抑制することができるため、支持部材26に奪われる熱を一層少なくすることが可能となる。
本実施形態では、被照射部70の右端部(用紙搬送方向上流側の端部)とニップ部71の右端部(用紙搬送方向上流側の端部)を接続部72が接続する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、被照射部70の左端部(用紙搬送方向下流側の端部)とニップ部71の左端部(用紙搬送方向下流側の端部)を接続部72が接続しても良いし、接続部72を介さずに被照射部70とニップ部71を接続しても良い。
本実施形態では、ニップ部材27の接続部72の接触部75が定着ベルト22の回転方向における定着ニップ52の上流側において定着ベルト22の内周面に接触する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、ニップ部材27の接続部72の接触部75が定着ベルト22の回転方向における定着ニップ52の下流側において定着ベルト22の内周面に接触していても良いし、ニップ部材27の接続部72が定着ベルト22の内周面に接触していなくても良い。
本実施形態では、定着ベルト22の径方向内側に1個のヒーター24を配置する場合について説明した。一方で、他の異なる実施形態では、定着ベルト22の径方向内側に複数個のヒーター24を配置しても良い。
本実施形態では、ハロゲンヒーターをヒーター24として用いる場合について説明したが、他の異なる実施形態では、セラミックヒーターなどをヒーターとして用いても良い。
本実施形態では、プリンター1に本発明の構成を適用する場合について説明したが、他の異なる実施形態では、複写機、ファクシミリ、複合機等の他の画像形成装置に本発明の構成を適用することも可能である。
1 プリンター(画像形成装置)
18 定着装置
22 定着ベルト
23 加圧ローラー(加圧部材)
24 ヒーター(熱源)
26 支持部材
27 ニップ部材
28 スペーサー
29 断熱体
30 断熱部材
52 定着ニップ
70 被照射部
71 ニップ部
72 接続部

Claims (7)

  1. 回転可能に設けられる定着ベルトと、
    前記定着ベルトに圧接して定着ニップを形成し、回転可能に設けられる加圧部材と、
    前記定着ベルトの径方向内側に配置され、輻射熱を放射する熱源と、
    前記加圧部材との間に前記定着ベルトを挟み込むように配置されるニップ部材と、
    前記ニップ部材を支持する支持部材と、を備え、
    前記熱源から放射される輻射熱が前記定着ベルトの内周面及び前記ニップ部材に直接照射され
    前記ニップ部材は、
    前記熱源から放射される輻射熱が直接照射される被照射部と、
    前記加圧部材との間に前記定着ベルトを挟み込むように配置されるニップ部と、
    記録媒体の搬送方向における前記被照射部の上流端部と記録媒体の搬送方向における前記ニップ部の上流端部を接続する接続部と、を一体に備え、
    記録媒体の搬送方向における前記被照射部の下流端部と記録媒体の搬送方向における前記ニップ部の下流端部の間には、前記ニップ部材の内部と外部を連通させる開口が形成されていることを特徴とする定着装置。
  2. 前記被照射部は、前記熱源と前記支持部材の間を仕切るように設けられていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記支持部材と前記被照射部の間に設けられるスペーサーを更に備えていることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記支持部材と前記接続部の間に設けられる断熱体を更に備えていることを特徴とする請求項に記載の定着装置。
  5. 前記接続部の少なくとも一部は、前記定着ベルトの回転方向における前記定着ニップの上流側において前記定着ベルトの内周面に接触していることを特徴とする請求項1又は4に記載の定着装置。
  6. 前記ニップ部と前記支持部材の間に設けられる断熱部材を更に備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の定着装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の定着装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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