JP6182539B2 - ポリジエンを製造するためのバルク重合プロセス - Google Patents

ポリジエンを製造するためのバルク重合プロセス Download PDF

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Description

本出願は2012年12月27日に出願された米国特許仮出願第61/580,492号の利益を主張するものであり、当該仮出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の1つ以上の実施形態は、高いシス−1,4−結合含量と狭い分子量分布との組み合わせを有するポリジエンを製造するためのバルク重合プロセスに関する。その他の実施形態は、これらのプロセスで用いられる触媒組成物に関する。
ランタニド化合物、アルキル化剤、及びハロゲン源を含有するランタニド系触媒システムは、高いシス−1,4−結合含量を有する共役ジエンポリマーを製造するのに有用であると知られている。しかしながら、共役ジエンのバルク重合に適用された時、ランタニド系触媒システムは一般にシス−1,4−ポリジエンを生じさせる。
ポリジエンは、共役ジエンモノマーを不活性溶媒又は希釈剤内で重合させる溶液重合によって製造し得る。溶媒は反応物質及び生成物を可溶化し、反応物質及び生成物の担体として機能し、重合熱の移動を助け、また、重合速度の緩和に役立つ。溶媒はまた、重合混合物(セメントとも呼ばれる)のより容易な撹拌及び移動をも可能にするが、これは溶媒の存在によってセメントの粘度が減少させられるためである。
例えば、共役ジエンモノマーはメタロセン錯体及び/又はランタノイド元素、スカンジウム、及びイットリウムをベースとするハーフメタロセン錯体を用いた溶液内で重合されてきた。これらの触媒錯体は、高いシス−1,4−含量を有するポリジエンを製造するために、アルミノキサン、有機アルミニウム化合物、及びイオン性化合物と併用されてきた。
しかしながら、溶媒の存在は多くの難点をもたらす。溶媒はポリマーから分離され、続いて再使用のためにリサイクルされるか、あるいは廃棄物として廃棄される必要がある。溶媒の回集及びリサイクルのコストは製造されるポリマーのコストを大きく増加させ、また、精製後にリサイクルされた溶媒が、重合触媒を汚染するであろう幾らかの不純物を依然として保持し得るというリスクが常に存在する。加えて、芳香族炭化水素などの幾つかの溶媒は、環境への懸念を生じさせ得る。更に、溶媒の除去が困難である場合は、ポリマー生成物の純度が影響を受ける可能性がある。
ポリジエンは、共役ジエンモノマーがいかなる溶媒の非存在下又は実質的な非存在下で重合され、事実上モノマー自体が希釈剤として働くバルク重合(塊状重合とも呼ばれる)によっても製造し得る。バルク重合は本質的に無溶媒であるため、汚染のリスクが減少し、また生成物の分離が簡略化される。バルク重合は、新たな工場設備能力のためのより低い資本コスト、操業のためのより低いエネルギーコスト、及び操業のためのより少ない人員を含む多くの経済的利点をもたらす。無溶媒の特長はまた、排気ガス及び廃液汚染を減少させる、環境上の利点をももたらす。
触媒技術は、特にポリマー合成に関する場合は予測不可能となり得ることが多く、また、あるシステムから別のシステムへの技術移転、又はある変動要素の変更が、技術的な困難をもたらす場合がある。従って、バルク重合システムは多くの利点をもたらす一方で、既知の溶液技術をバルクシステムへ移転することは予測不可能となり、多くの技術的な困難を抱える可能性がある。
本発明の実施形態はポリジエンの調製プロセスを提供し、このプロセスは、共役ジエンモノマーとメタロセン錯体触媒システムとを重合混合物の総重量に対して20重量%未満の溶媒を含む重合混合物内で重合させる工程を含み、該メタロセン錯体触媒システムが、(a)メタロセン錯体と、(b)アルキル化剤と、任意で(c)非配位アニオンとの組み合わせ又は反応生成物を含む、プロセスである。
例示的実施形態の詳細な説明
本発明の実施形態は、共役ジエンモノマーとメタロセン錯体ベースの触媒システムとを重合させることによるポリジエン製造用バルク重合プロセスの発見に基づく。メタロセン錯体は、ランタニド系列金属、スカンジウム、又はイットリウムを含み得る。特定の実施形態の触媒システムは、バルクシステムに用いられる時、高いシス含量、低いビニル含量、狭い分子量分布、及び有用な機能性を備えるポリマーを産生すると同時に、重合発熱の抑制を可能にする。
1つ以上の実施形態では、触媒システムはメタロセン錯体とアルキル化剤と任意の非配位アニオンとの組み合わせ又は反応生成物を含む。アルミノキサンがアルキル化剤として用いられる1つ以上の実施形態では、触媒システムはメタロセン錯体とアルミノキサン化合物との組み合わせ又は反応生成物を含む。有機アルミニウム化合物がアルキル化剤として用いられるその他の実施形態では、触媒システムはメタロセン錯体と有機アルミニウム化合物と非配位アニオンとの組み合わせ又は反応生成物を含む。
モノマー
1つ以上の実施形態では、本発明により重合することが可能な共役ジエンモノマーの例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、及び2,4−ヘキサジエンが挙げられる。2つ以上の共役ジエンの混合物を共重合に用いてもよい。
メタロセン錯体
前述した通り、本発明の実施に用いられる触媒システムには、ランタニド系列金属、スカンジウム、又はイットリウムを含むメタロセン錯体が含まれる。当該技術分野において既知である通り、メタロセン錯体としては、金属が1種又は2種のシクロペンタジエニル又はシクロペンタジエニル誘導体と共に配位される錯体が挙げられる。金属の価数に応じて、1つ以上の追加の化合物をランタニドメタロセンに結合又は配位し得る。2つのシクロペンタジエニル又はシクロペンタジエニル誘導体が金属原子に配位される1つ以上の実施形態では、メタロセン錯体は正メタロセン錯体(regular metallocene complex)と称し得る。1つのみのシクロペンタジエニル又はシクロペンタジエニル誘導体が金属原子に配位される1つ以上の実施形態では、メタロセン錯体はハーフメタロセン錯体と称し得る。シクロペンタジエニル又はシクロペンタジエニル誘導体がシクロペンタジエニル、シクロペンタジエニル誘導体、又は金属に配位される別の基に結合されるその他の実施形態では、メタロセン錯体は架橋メタロセン錯体と称し得る。
1つ以上の実施形態では、メタロセン錯体は下記の式Iによって定義し得る。
式中Mはランタニド系列元素、スカンジウム、又はイットリウムであり、Cpはシクロペンタジエニル基若しくはシクロペンタジエニル誘導基であり、Yはヒドロカルビルオキシ基、チオヒドロカルビルオキシ基、アミン基、シリル基、シクロペンタジエニル基、若しくはシクロペンタジエニル誘導基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、チオヒドロカルビルオキシ基、アミン基、シリル基、若しくは一価有機基であり、各Lは個別に中性のルイス塩基であり、nは0〜3の数であり、又は、式中Cp及びYは二価の基に結合する。
1つ以上の実施形態では、シクロペンタジエニル誘導体としては少なくとも1つの芳香族5員環構造を有する化合物が挙げられる。シクロペンタジエン誘導体の5員環構造には、5員環構造に結合する1つ以上の基又は環状構造を含み得る。1つ以上の実施形態では、シクロペンタジエニル誘導体としては、1,2,3,4,5−ペンタメチルシクロペンタジエン、インデニル基、又はフルオレニル基が挙げられ得る。
1つ以上の実施形態では、置換シリル基を含むシリル基の種類としては、トリヒドロカルビルシリル、トリシリルオキシシリル、トリヒドロカルビルオキシシリル、トリシリルシリル、ジヒドロカルビルヒドロシリル、ジヒドロカルビル(シリルオキシ)シリル、ジヒドロカルビル(シリル)シリル、ジヒドロカルビル(ヒドロカルビルオキシ)シリル、ヒドロカルビルジヒドロシリル、ヒドロカルビル(ジシリルオキシ)シリル、ヒドロカルビル(ジシリル)シリル、及びヒドロカルビル(ジヒドロカルビルオキシ)シリル基が挙げられるが、これらに限定されない。シリル基の具体的な種類としては、例えば、トリアルキルシリル、ジアルキルヒドロシリル、ジアルキル(シリルオキシ)シリル、ジアルキル(シリル)シリル、トリシクロアルキルシリル、ジシクロアルキルヒドロシリル、ジシクロアルキル(シリルオキシ)シリル、ジシクロアルキル(シリル)シリル、トリアルケニルシリル、ジアルケニルヒドロシリル、ジアルケニル(シリルオキシ)シリル、ジアルケニル(シリル)シリル、トリシクロアルケニルシリル、ジシクロアルケニルヒドロシリル、ジシクロアルケニル(シリルオキシ)シリル、ジシクロアルケニル(シリル)シリル、トリアリールシリル、ジアリールヒドロシリル、ジアリール(シリルオキシ)シリル、ジアリール(シリル)シリル、トリアリルシリル、ジアリルヒドロシリル、ジアリル(シリルオキシ)シリル、ジアリル(シリル)シリル、トリアラルキルシリル、ジアラルキルヒドロシリル、ジアラルキル(シリルオキシ)シリル、ジアラルキル(シリル)シリル、トリアルカリールシリル、ジアルカリールヒドロシリル、ジアルカリール(シリルオキシ)シリル、ジアルカリール(シリル)シリル、トリアルキニルシリル、ジアルキニルヒドロシリル、ジアルキニル(シリルオキシ)シリル、ジアルキニル(シリル)シリル、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル、トリス(トリアリールシリルオキシ)シリル、トリス(トリシクロアルキルシリルオキシ)シリル、トリス(トリアルコキシシリルオキシ)シリル、トリス(トリアリールオキシシリルオキシ)シリル、又はトリス(トリシクロアルキルオキシシリルオキシ)シリル基が挙げられ得る。置換シリル基としては、1つ以上の水素原子がヒドロカルビル基、ヒドロカルビルオキシ基、シリル基、又はシロキシ基などの置換基で置換されたシリル基が挙げられる。1つ以上の実施形態では、これらの基は1又は基を形成するために適する最小数の炭素原子から、約20の炭素原子を含み得る。これらの基はまた、窒素、ホウ素、酸素、ケイ素、硫黄、スズ、及びリン原子などの、しかしこれらに限定されないヘテロ原子も含み得る。
1つ以上の実施形態では、アミノ基は、式−NR2で定義されるこれらの基を含み、式中各Rは独立して一価有機基であり、又は各Rは結合して二価有機基を形成する。アミノ基の種類としては、ジヒドロカルビルアミノ、ビス(トリヒドロカルビルシリル)アミノ、ビス(ジヒドロカルビルヒドロシリル)アミノ、1−アザ−ジシラ−1−シクロヒドロカルビル、(トリヒドロカルビルシリル)(ヒドロカルビル)アミノ、(ジヒドロカルビルヒドロシリル)(ヒドロカルビル)アミノ、1−アザ−2−シラ−1−シクロヒドロカルビル、ジヒドロカルビルアミノ、及び1−アザ−1−シクロヒドロカルビル基が挙げられるが、これらに限定されない。
1つ以上の実施形態では、アルキルオキシ、シクロアルキルオキシ、アルケニルオキシ、シクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、アリルオキシ、アラルキルオキシ、アルカリールオキシ、又はアルキニルオキシ基などの、しかしこれらに限定されないヒドロカルビルオキシ基又は置換ヒドロカルビルオキシ基。置換ヒドロカルビルオキシ基としては、1つ以上の水素原子がアルキル基などの置換基で置換されたヒドロカルビルオキシ基が挙げられる。1つ以上の実施形態では、これらの基は1又は基を形成するために適する最小数の炭素原子から、20の炭素原子を含み得る。これらの基はまた、窒素、ホウ素、酸素、ケイ素、硫黄、スズ、及びリン原子などの、しかしこれらに限定されないヘテロ原子も含み得る。
1つ以上の実施形態では、置換チオヒドロカルビルオキシ基を含むチオヒドロカルビルオキシ基としては、チオアルキルオキシ、チオシクロアルキルオキシ、チオアルケニルオキシ、チオシクロアルケニルオキシ、チオアリールオキシ、チオアリルオキシ、チオアラルキルオキシ、チオアルカリールオキシ、又はチオアルキニルオキシ基が挙げられるが、これらに限定されない。置換チオヒドロカルビルオキシ基としては、1つ以上の水素原子がアルキル基などの置換基で置換されたチオヒドロカルビルオキシ基が挙げられる。1つ以上の実施形態では、これらの基は1又は基を形成するために適する最小数の炭素原子から、20の炭素原子を含み得る。これらの基はまた、窒素、ホウ素、酸素、ケイ素、硫黄、スズ、及びリン原子などの、しかしこれらに限定されないヘテロ原子も含み得る。
1つ以上の実施形態では、ハロゲン原子としてはフッ素、塩素、臭素、及びヨウ素が挙げられるが、これらに限定されない。
1つ以上の実施形態では、中性のルイス塩基の例としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジメチルアニリン、トリメチルホスフィン、塩化リチウム、中性のオレフィン、及び中性のジオレフィンが挙げられるが、これらに限定されない。
1つ以上の実施形態では、一価有機基としては、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アリール、アリル、アラルキル、アルカリール、又はアルキニル基などの、しかしこれらに限定されない置換ヒドロカルビル基を含むヒドロカルビル基が挙げられ得る。置換ヒドロカルビル基としては、1つ以上の水素原子がアルキル基などの置換基で置換されたヒドロカルビル基が挙げられる。1つ以上の実施形態では、これらの基は1又は基を形成するために適する最小数の炭素原子から、20の炭素原子を含み得る。これらの基はまた、窒素、ホウ素、酸素、ケイ素、硫黄、スズ、及びリン原子などの、しかしこれらに限定されないヘテロ原子も含み得る。
1つ以上の実施形態では、二価基としては二価有機基及び二価シリル基が挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の実施形態では、二価有機基としては置換ヒドロカルビレン基を含むヒドロカルビレン基が挙げられ得る。例えば、ヒドロカルビレン基としてはアルキレン、シクロアルキレン、アルケニレン、シクロアルケニレン、アルキニレン、シクロアルキニレン、又はアリーレン基が挙げられる。置換ヒドロカルビレン基としては、1つ以上の水素原子がアルキル基などの置換基で置換されたヒドロカルビレン基が挙げられる。1つ以上の実施形態では、これらの基は2又は基を形成するために適する最小数の炭素原子から、20の炭素原子を含み得る。これらの基はまた、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、スズ、及びリン原子などの、しかしこれらに限定されない1つ以上のヘテロ原子も含み得る。他の実施形態では、二価シリル基としては置換シリレン基を含むシリレン基が挙げられる。置換シリレン基としては、1つ以上の水素原子がアルキル基などの置換基で置換されたシリレン基が挙げられる。1つ以上の実施形態では、これらの基は2又は基を形成するために適する最小数のケイ素原子から、20の炭素原子を含み得る。これらの基はまた、窒素、酸素、ホウ素、炭素、硫黄、スズ、及びリン原子などの、しかしこれらに限定されない1つ以上のヘテロ原子も含み得る。
式IのY基がシクロペンタジエニル基又はシクロペンタジエニル誘導基(即ちCp基)である1つ以上の実施形態では、メタロセン錯体は式II
によって定義し得、式中Mはランタニド系列元素、スカンジウム、又はイットリウムであり、各Cpは個別にシクロペンタジエニル基又はシクロペンタジエニル誘導基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、チオヒドロカルビルオキシ基、アミン基、シリル基、又は一価有機基であり、各Lは個別に中性のルイス塩基であり、nは0〜3の数であり、又は式中Cp及びYは二価の基に結合する。
式IIの2つのCp基が二価基によって結合される1つ以上の実施形態では、架橋メタロセン錯体と称され得るメタロセン錯体は、式IIIによって定義し得る。
式中Mはランタニド系列元素、スカンジウム、又はイットリウムであり、各Cpはシクロペンタジエニル基又はシクロペンタジエニル誘導基から個別に選択され、Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、チオヒドロカルビルオキシ基、アミン基、シリル基、又は一価有機基であり、各Lは個別に中性のルイス塩基であり、nは0〜3の数であり、Zは二価基である。
1つ以上の実施形態では、本発明の実施において有用なメタロセン錯体の具体例としては、ビス(インデニル)ガドリニウム[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]、ビス(2−メチルインデニル)ガドリニウム[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]、ビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウム[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]、ビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウム[N,N−ビス(ジメチルシリル)アミド]、ビス(1−メチル−2−フェニルインデニル)ガドリニウム[N,N−ビス(ジメチルシリル)アミド]、ビス(2−メチルインデニル)スカンジウム[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]、及びビス(インデニル)スカンジウム[N,N−ビス(トリメチルシリル)アミド]が挙げられるが、これらに限定されない。
アルキル化剤
前述した通り、本発明において使用される触媒システムはアルキル化剤を含む。1つ以上の実施形態では、ヒドロカルビル化剤とも称し得るアルキル化剤としては、1つ以上のヒドロカルビル基を別の金属に転移し得る有機金属化合物が挙げられる。典型的には、これらの剤としては第1、2、及び3族の金属(第IA、IIA、及びIIIA族の金属)などの電気陽性金属の有機金属化合物が挙げられる。本発明において有用なアルキル化剤としては、有機アルミニウム化合物及び有機マグネシウム化合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で使用する場合、用語「有機アルミニウム化合物」とは、少なくとも1つのアルミニウム−炭素結合を含有する任意のアルミニウム化合物を意味する。1つ以上の実施形態では、炭化水素溶媒に可溶性の有機アルミニウム化合物を使用し得る。本明細書で使用する場合、用語「有機マグネシウム化合物」とは、少なくとも1つのマグネシウム−炭素結合を含有する任意のマグネシウム化合物を意味する。1つ以上の実施形態では、炭化水素に可溶性の有機マグネシウム化合物を使用し得る。以下により詳細に説明する通り、好適なアルキル化剤の幾つかの化学種は、ハロゲン化物の形態であり得る。アルキル化剤がハロゲン原子を含む場合、アルキル化剤は上記の触媒システム内でハロゲン源の全部又は一部としても機能し得る。
1つ以上の実施形態では、利用可能な有機アルミニウム化合物には一般式AlRnX3-nで表されるものが含まれ、各Rは独立して炭素原子を介してアルミニウム原子に結合された一価有機基であり得、各Xは独立して水素原子、ハロゲン原子、カルボン酸基、アルコキシド基、又はアリールオキシド基であり得、nは1〜3の範囲の整数であり得る。1つ以上の実施形態では、各Rは独立して、例えばアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリール、アリル、及びアルキニル基などのヒドロカルビル基であり得、各基は1又は基を形成するために適する最小数の炭素原子から、最大約20の炭素原子を含む。これらのヒドロカルビル基は、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、及びリン原子を含むがこれらに限定されないヘテロ原子を含み得る。
一般式AlRn3-nによって表される有機アルミニウム化合物の種類としては、トリヒドロカルビルアルミニウム、ジヒドロカルビルアルミニウムハイドライド、ヒドロカルビルアルミニウムジハイドライド、ジヒドロカルビルアルミニウムカルボキシレート、ヒドロカルビルアルミニウムビス(カルボキシレート)、ジヒドロカルビルアルミニウムアルコキシド、ヒドロカルビルアルミニウムジアルコキシド、ジヒドロカルビルアルミニウムハライド、ヒドロカルビルアルミニウムジハライド、ジヒドロカルビルアルミニウムアリールオキシド、及びヒドロカルビルアルミニウムジアリールオキシド化合物が挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、アルキル化剤は、トリヒドロカルビルアルミニウム、ジヒドロカルビルアルミニウムハイドライド、及び/又はヒドロカルビルアルミニウムジハイドライド化合物を含み得る。参照することによりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,008,899号に開示される通り、アルキル化剤が有機アルミニウムハイドライド化合物を含む一実施形態では、上記のハロゲン源はスズハライドによって提供し得る。
好適なトリヒドロカルビルアルミニウム化合物としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−プロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ−n−ブチルアルミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−n−ペンチルアルミニウム、トリネオペンチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウム、トリ−n−オクチルアルミニウム、トリス(2−エチルヘキシル)アルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウム、トリス(1−メチルシクロペンチル)アルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ−p−トリルアルミニウム、トリス(2,6−ジメチルフェニル)アルミニウム、トリベンジルアルミニウム、ジエチルフェニルアルミニウム、ジエチル−p−トリルアルミニウム、ジエチルベンジルアルミニウム、エチルジフェニルアルミニウム、エチルジ−p−トリルアルミニウム、及びエチルジベンジルアルミニウムが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なジヒドロカルビルアルミニウムハイドライド化合物としては、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ジイソプロピルアルミニウムハイドライド、ジ−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジ−n−オクチルアルミニウムハイドライド、ジフェニルアルミニウムハイドライド、ジ−p−トリルアルミニウムハイドライド、ジベンジルアルミニウムハイドライド、フェニルエチルアルミニウムハイドライド、フェニル−n−プロピルアルミニウムハイドライド、フェニルイソプロピルアルミニウムハイドライド、フェニル−n−ブチルアルミニウムハイドライド、フェニルイソブチルアルミニウムハイドライド、フェニル−n−オクチルアルミニウムハイドライド、p−トリルエチルアルミニウムハイドライド、p−トリル−n−プロピルアルミニウムハイドライド、p−トリルイソプロピルアルミニウムハイドライド、p−トリル−n−ブチルアルミニウムハイドライド、p−トリルイソブチルアルミニウムハイドライド、p−トリル−n−オクチルアルミニウムハイドライド、ベンジルエチルアルミニウムハイドライド、ベンジル−n−プロピルアルミニウムハイドライド、ベンジルイソプロピルアルミニウムハイドライド、ベンジル−n−ブチルアルミニウムハイドライド、ベンジルイソブチルアルミニウムハイドライド、及びベンジル−n−オクチルアルミニウムハイドライドが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なヒドロカルビルアルミニウムジハイドライドとしては、エチルアルミニウムジハイドライド、n−プロピルアルミニウムジハイドライド、イソプロピルアルミニウムジハイドライド、n−ブチルアルミニウムジハイドライド、イソブチルアルミニウムジハイドライド、及びn−オクチルアルミニウムジハイドライドが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なジヒドロカルビルアルミニウムハライド化合物としては、ジエチルアルミニウムクロライド、ジ−n−プロピルアルミニウムクロライド、ジイソプロピルアルミニウムクロライド、ジ−n−ブチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジ−n−オクチルアルミニウムクロライド、ジフェニルアルミニウムクロライド、ジ−p−トリルアルミニウムクロライド、ジベンジルアルミニウムクロライド、フェニルエチルアルミニウムクロライド、フェニル−n−プロピルアルミニウムクロライド、フェニルイソプロピルアルミニウムクロライド、フェニル−n−ブチルアルミニウムクロライド、フェニルイソブチルアルミニウムクロライド、フェニル−n−オクチルアルミニウムクロライド、p−トリルエチルアルミニウムクロライド、p−トリル−n−プロピルアルミニウムクロライド、p−トリルイソプロピルアルミニウムクロライド、p−トリル−n−ブチルアルミニウムクロライド、p−トリルイソブチルアルミニウムクロライド、p−トリル−n−オクチルアルミニウムクロライド、ベンジルエチルアルミニウムクロライド、ベンジル−n−プロピルアルミニウムクロライド、ベンジルイソプロピルアルミニウムクロライド、ベンジル−n−ブチルアルミニウムクロライド、ベンジルイソブチルアルミニウムクロライド、及びベンジル−n−オクチルアルミニウムクロライドが挙げられるが、これらに限定されない。
好適なヒドロカルビルアルミニウムジハライド化合物としては、エチルアルミニウムジクロライド、n−プロピルアルミニウムジクロライド、イソプロピルアルミニウムジクロライド、n−ブチルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、及びn−オクチルアルミニウムジクロライドが挙げられるが、これらに限定されない。
一般式AlRn3-nで表され得るアルキル化剤として有用なその他の有機アルミニウム化合物としては、ジメチルアルミニウムヘキサノエート、ジエチルアルミニウムオクトエート、ジイソブチルアルミニウム2−エチルヘキサノエート、ジメチルアルミニウムネオデカノエート、ジエチルアルミニウムステアレート、ジイソブチルアルミニウムオレエート、メチルアルミニウムビス(ヘキサノエート)、エチルアルミニウムビス(オクトエート)、イソブチルアルミニウムビス(2−エチルヘキサノエート)、メチルアルミニウムビス(ネオデカノエート)、エチルアルミニウムビス(ステアレート)、イソブチルアルミニウムビス(オレエート)、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムメトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムエトキシド、ジメチルアルミニウムフェノキシド、ジエチルアルミニウムフェノキシド、ジイソブチルアルミニウムフェノキシド、メチルアルミニウムジメトキシド、エチルアルミニウムジメトキシド、イソブチルアルミニウムジメトキシド、メチルアルミニウムジエトキシド、エチルアルミニウムジエトキシド、イソブチルアルミニウムジエトキシド、メチルアルミニウムジフェノキシド、エチルアルミニウムジフェノキシド、及びイソブチルアルミニウムジフェノキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のアルキル化剤としての使用に適する有機アルミニウム化合物の別部類はアルミノキサンである。アルミノキサンは次の一般式
によって表し得るオリゴマー状直鎖アルミノキサン、及び、次の一般式によって表し得るオリゴマー状環状アルミノキサンを含み得る。
式中xは1〜約100、又は約10〜約50の範囲の整数であり得、yは2〜約100、又は約3〜約20の範囲の整数であり得、各Rは独立して炭素原子を介してアルミニウム原子に結合した一価有機基であり得る。一実施形態では、各Rは独立して、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、アラルキル、アルカリール、アリル、及びアルキニル基を含むがそれらに限定されないヒドロカルビル基であり得、各基は1又は基を形成するために適する最小数の炭素原子から、最大約20の炭素原子を含む。これらのヒドロカルビル基はまた、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、及びリン原子を含むがこれらに限定されないヘテロ原子も含み得る。本出願で使用する場合、アルミノキサンのモル数はオリゴマー状アルミノキサン分子のモル数ではなくアルミニウム原子のモル数を意味することに注意されたい。この慣習的な計算方法は、アルミノキサンを用いた触媒システムの分野で一般に用いられる。
アルミノキサンはトリヒドロカルビルアルミニウム化合物と水とを反応させることで調製し得る。この反応は、例えば、(1)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を有機溶媒内に溶解して、続いて水と接触させる方法、(2)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を、例えば金属塩に含有された結晶水、若しくは無機若しくは有機化合物内に吸着した水と反応させる方法、又は(3)トリヒドロカルビルアルミニウム化合物を、重合されるモノマー若しくはモノマー溶液の存在下で水と反応させる方法などの既知の方法に従って実行し得る。
好適なアルミノキサン化合物としては、メチルアルミノキサン(「MAO」)、修飾メチルアルミノキサン(「MMAO」)、エチルアルミノキサン、n−プロピルアルミノキサン、イソプロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、n−ペンチルアルミノキサン、ネオペンチルアルミノキサン、n−ヘキシルアルミノキサン、n−オクチルアルミノキサン、2−エチルヘキシルアルミノキサン、シクロヘキシルアルミノキサン、1−メチルシクロペンチルアルミノキサン、フェニルアルミノキサン、及び2,6−ジメチルフェニルアルミノキサンが挙げられるが、これらに限定されない。修飾メチルアルミノキサンは、当業者に周知の技術を使用して、メチルアルミノキサンのメチル基約20〜80%をC2〜C12のヒドロカルビル基、好ましくはイソブチル基で置換することによって形成し得る。
アルミノキサンは単独でもその他の有機アルミニウム化合物との組み合わせでも使用し得る。一実施形態では、メチルアルミノキサンと、ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの少なくとも1つのその他の有機アルミニウム化合物(例えばAlRn3-n)とを組み合わせて使用し得る。参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2008/0182954号では、アルミノキサンと有機アルミニウム化合物とを組み合わせて使用し得るその他の実施例が提供されている。
前述した通り、本発明において有用なアルキル化剤は、有機マグネシウム化合物を含有し得る。1つ以上の実施形態では、利用可能な有機マグネシウム化合物としては一般式MgR2で表されるようなものが挙げられ、式中各Rは独立して炭素原子を介してマグネシウム原子に結合された一価有機基であり得る。1つ以上の実施形態では、各Rは独立して、アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリール、及びアルキニル基を含むがこれらに限定されないヒドロカルビル基であり得、各基は1又は基を形成するために適する最小数の炭素原子から、最大約20の炭素原子を含む。これらのヒドロカルビル基はまた、窒素、酸素、ケイ素、硫黄、及びリン原子を含むがこれらに限定されないヘテロ原子も含み得る。
一般式MgR2で表され得る好適な有機マグネシウム化合物としては、ジエチルマグネシウム、ジ−n−プロピルマグネシウム、ジイソプロピルマグネシウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジフェニルマグネシウム、及びジベンジルマグネシウムが挙げられるが、これらに限定されない。
アルキル化剤として使用可能な有機マグネシウム化合物の別部類は、一般式RMgXで表すことができ、式中Rは炭素原子を介してマグネシウム原子に結合された一価有機基であり得、Xは水素原子、ハロゲン原子、カルボン酸基、アルコキシド基、又はアリールオキシド基であり得る。アルキル化剤がハロゲン原子を含む有機マグネシウム化合物である場合、有機マグネシウム化合物は、触媒システムにおいて、アルキル化剤とハロゲン源の少なくとも一部とのいずれとしても機能し得る。1つ以上の実施形態では、Rはアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、アリル、置換アリール、アラルキル、アルカリール、及びアルキニル基を含むがこれらに限定されないヒドロカルビル基であり得、各基は1又は基を形成するために適する最小数の炭素原子から、最大約20の炭素原子を含む。これらのヒドロカルビル基はまた、窒素、酸素、ホウ素、ケイ素、硫黄、及びリン原子を含むがこれらに限定されないヘテロ原子も含み得る。一実施形態では、Xはカルボン酸基、アルコキシド基、アリールオキシド基であり得、各基は1〜約20の範囲の炭素原子を含む。
一般式RMgXで表され得る有機マグネシウム化合物の種類としては、ヒドロカルビルマグネシウムハイドライド、ヒドロカルビルマグネシウムハライド、ヒドロカルビルマグネシウムカルボキシレート、ヒドロカルビルマグネシウムアルコキシド、及びヒドロカルビルマグネシウムアリールオキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
一般式RMgXで表され得る好適な有機マグネシウム化合物としては、メチルマグネシウムハイドライド、エチルマグネシウムハイドライド、ブチルマグネシウムハイドライド、ヘキシルマグネシウムハイドライド、フェニルマグネシウムハイドライド、ベンジルマグネシウムハイドライド、メチルマグネシウムクロライド、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ヘキシルマグネシウムクロライド、フェニルマグネシウムクロライド、ベンジルマグネシウムクロライド、メチルマグネシウムブロマイド、エチルマグネシウムブロマイド、ブチルマグネシウムブロマイド、ヘキシルマグネシウムブロマイド、フェニルマグネシウムブロマイド、ベンジルマグネシウムブロマイド、メチルマグネシウムヘキサノエート、エチルマグネシウムヘキサノエート、ブチルマグネシウムヘキサノエート、ヘキシルマグネシウムヘキサノエート、フェニルマグネシウムヘキサノエート、ベンジルマグネシウムヘキサノエート、メチルマグネシウムエトキシド、エチルマグネシウムエトキシド、ブチルマグネシウムエトキシド、ヘキシルマグネシウムエトキシド、フェニルマグネシウムエトキシド、ベンジルマグネシウムエトキシド、メチルマグネシウムフェノキシド、エチルマグネシウムフェノキシド、ブチルマグネシウムフェノキシド、ヘキシルマグネシウムフェノキシド、フェニルマグネシウムフェノキシド、及びベンジルマグネシウムフェノキシドが挙げられるが、これらに限定されない。
非配位アニオン
前述した通り、本発明の実施に用いられる触媒システムは、非配位アニオンを含み得る。1つ以上の実施形態では、非配位アニオンは、立体障害のために、例えば触媒システムの活性中心との配位結合を形成しない立体的に嵩高いアニオンである。特定の実施形態では、非配位アニオンとしてはフッ素化テトラアリールボレートアニオンなどのテトラアリールボレートアニオンが挙げられる。1つ以上の実施形態では、非配位アニオンとしてはカルボニウム、アンモニウム、又はホスホニウムカチオンなどの対カチオンが挙げられる。例えば、対カチオンとしてはトリアリールカルボニウムカチオンが挙げられ得る。
1つ以上の実施形態では、非配位アニオンの塩は次式で表され得る。
[A][B]
式中[A]はカチオンであり、[B]は非配位アニオンである。
非配位アニオンの具体例としては、テトラフェニルボレート、テトラキス(モノフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トリル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、及びトリデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレートが挙げられるが、これらに限定されない。
非配位アニオンの塩の具体例としては、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート及びトリフェニルカルボニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられるが、これらに限定されない。
触媒システムの形成
本発明の触媒組成物は、上記の触媒材料を組み合わせる、又は混合することによって形成し得る。1つ以上の活性触媒の化学種が触媒材料の組み合わせから産生されると考えられているが、多様な触媒材料又は構成成分の間の相互作用又は反応については、確実な根拠に基づいては分かっていない。メタロセン錯体、アルキル化剤、及び任意の非配位アニオンの組み合わせ又は反応生成物は、従来から触媒システム又は触媒組成物と呼ばれている。用語「触媒組成物」又は「触媒システム」は、単なる材料の混合物、物理的若しくは化学的な引力によって生じた多様な材料の複合体、材料の化学反応生成物、又はこれらの組み合わせを包含するために用いられ得る。
本発明の触媒組成物は、広い範囲の触媒濃度及び触媒材料比に渡って共役ジエンを重合してポリジエンにするための技術的に有用な触媒活性を有利に有する。幾つかの要因が、触媒材料のうちのいずれかの最適濃度に影響を与え得る。例えば、触媒材料は相互作用して活性な化学種を形成し得るため、任意の一つの触媒材料の最適濃度は、その他の触媒材料の濃度に左右され得る。
1つ以上の実施形態では、アルキル化剤とメタロセン錯体の金属とのモル比(アルキル化剤/M)は約1:1〜約100:1の間で変化し得、他の実施形態では約10:1〜約60:1の間で変化し得、他の実施形態では約20:1〜約40:1の間で変化し得る。
アルミノキサンがアルキル化剤として用いられるこれらの実施形態では、アルミノキサンとメタロセン錯体の金属とのモル比(アルミノキサン/M)は1:1〜約100:1の間で変化し得、他の実施形態では約10:1〜約60:1の間で変化し得、他の実施形態では約20:1〜約40:1の間で変化し得る。
触媒システムが非配位(non−coordinating)を用いるこれらの実施形態では、非配位アニオンとメタロセン錯体の金属とのモル比(アニオン/M)は0.5:1〜約3:1の間で変化し得、他の実施形態では約0.7:1〜約1.5:1の間で変化し得、他の実施形態では約0.8:1〜約1.2:1の間で変化し得る。
1つ以上の実施形態では、触媒システムはいくつかの技術を用いて形成し得る。1つ以上の実施形態では、触媒は触媒構成成分を重合されるモノマーに直接添加することで形成され得る。このため、触媒構成成分は順次又は同時のいずれでも添加し得る。触媒材料が順次に添加される一実施形態では、メタロセン錯体を最初に添加し、続いてアルキル化剤を添加し、任意で続いて非配位アニオンを添加し得る。触媒構成成分の重合されるモノマーへの直接の添加は、触媒システムのその場形成と称し得る。
他の実施形態では、触媒又はその一部分を予め形成し得る。これはつまり、重合されるモノマーの外部で2つ以上の触媒材料を導入して予め混合し得るということである。例えば、メタロセン錯体とアルキル化剤とは、任意で少量の少なくとも1つの共役ジエンモノマーの存在下の適切な温度で、適切な溶媒中で混合されてブレンドを形成し得る。続いて、非配位アニオンをメタロセン錯体とアルキル化剤とのブレンドに導入して、予形成触媒(即ち活性触媒)を形成し得る。他の実施形態では、ブレンド及び非配位アニオンを別々に及び個別に、重合されるモノマーに添加し得る。
更に他の実施形態では、メタロセン錯体と対アニオンを組み合わせて前駆錯体を形成することで触媒を予形成する。この前駆体は適切な溶媒内で、任意で少量のモノマーの存在下で形成し得る。続いてアルキル化剤を前駆体と混合して予形成触媒を形成し得る。他の実施形態では、前駆錯体及びアルキル化剤を別々に及び個別に、重合されるモノマーに添加し得る。
特定の実施形態では、触媒の予形成は、あらゆるモノマーの不在下、又は少量の少なくとも1つの共役ジエンモノマーの存在下のいずれでも、一般に約−20℃〜約80℃の適切な温度で実施し得る。共役ジエンモノマーの混合物を使用してもよい。触媒の予形成に使用し得る共役ジエンモノマーの量は、メタロセン錯体1モル当たり約1〜約500モルであり得、他の実施形態では、約5〜約250モルであり得、他の実施形態では、約10〜約100モルであり得る。得られた予形成触媒組成物は、必要であれば重合されるモノマーに添加する前にエージングしてよい。
1つ以上の実施形態では、触媒又は触媒材料の重合システムへの移動を促進するために、溶媒を担体として用いて、触媒又は触媒材料を溶解又は懸濁させ得る。他の実施形態では、共役ジエンモノマーを触媒担体として使用し得る。更に他の実施形態では、触媒材料をいかなる溶媒も用いずにニート状態(neat state)で使用し得る。
1つ以上の実施形態では、好適な溶媒には、触媒の存在下でモノマーの重合中に成長ポリマー鎖に重合されない、又は組み込まれない有機化合物が含まれる。1つ以上の実施形態では、これらの有機溶媒は触媒に対して不活性である。1つ以上の実施形態では、これらの有機溶媒は周囲温度及び周囲圧力下で液体である。例示的な有機溶媒としては、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、及び脂環式炭化水素などの、低い又は比較的低い沸点を有する炭化水素が挙げられる。芳香族炭化水素の非限定的な例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、及びメシチレンが挙げられる。脂肪族炭化水素の非限定的な例としては、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン、イソペンタン、イソヘキサン、イソペンタン、イソオクタン、2,2−ジメチルブタン、石油エーテル、ケロセン、及び石油スピリットが挙げられる。また、脂環式炭化水素の非限定的な例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、及びメチルシクロヘキサンが挙げられる。上記の炭化水素類の混合物も使用し得る。低沸点炭化水素溶媒は、一般に重合完了時にポリマーから分離される。
有機溶媒の他の例としては、パラフィン系油、芳香系油、又は油展ポリマーに一般に使用される他の炭化水素油などの、高分子量の高沸点炭化水素が挙げられる。これらの炭化水素は不揮発性であるため、通常は分離の必要がなく、ポリマーに組み込まれた状態を維持する。
重合システム
本発明によるポリジエンの製造は、触媒有効量の上記触媒組成物の存在下で共役ジエンモノマーを重合することで達成され得る。触媒組成物と、共役ジエンモノマーと、用いられる場合は任意の溶媒との導入により、その内部でポリマー生成物が形成される重合混合物が形成される。重合混合物内に用いられる触媒の合計濃度は、材料の純度、重合温度、所望の重合速度及び転化率、所望の分子量、並びに多くの他の要因といった様々な要因の相互作用によって決まり得る。したがって、それぞれの触媒材料の触媒有効量を使用し得ると述べる他に、具体的な触媒の合計濃度を明確に記載することはできない。1つ以上の実施形態では、使用するメタロセン錯体の量は共役ジエンモノマー100g当たり約0.0005〜約0.01mmolの間で変化し得、他の実施形態では約0.001〜約0.009mmolの間で変化し得、他の実施形態では約0.003〜約0.007mmolの間で変化し得る。
1つ以上の実施形態では、本発明において使用される重合システムは、溶媒を実質的に含まないか又は最小量の溶媒を含むバルク重合システムであると一般に考えられ得る。当業者はバルク重合プロセス(即ち、モノマーが溶媒として機能するプロセス)の利点、従って重合システムが、バルク重合を実行することにより求められる利点に有害な影響を与えるよりも少量の溶媒を含むということを理解するであろう。1つ以上の実施形態では、重合混合物の溶媒含量は、重合混合物の合計重量に対して約20重量%未満であり得、他の実施形態では約10重量%未満であり得、更に他の実施形態では約5重量%未満であり得る。別の実施形態では、重合混合物は用いられる原材料に本来備わるもの以外の溶媒を含まない。更に別の実施形態では、重合混合物は溶媒を実質的に欠いているが、これは重合プロセスに検出可能な影響を与える量の溶媒が存在しないことを意味する。溶媒を実質的に欠く重合システムは、溶媒を実質的に含まないと言うこともできる。特定の実施形態では、重合混合物は溶媒を欠く。
バルク重合は当該技術分野において既知の、従来型の重合容器内で実施し得る。1つ以上の実施形態では、特にモノマー転化率が約60%未満である場合、バルク重合は従来型の撹拌槽型リアクタ内で実施し得る。特定の実施形態では、バルク重合は第1の容器内でモノマーの転化率が20%未満になるまで、他の実施形態では15%未満になるまで、他の実施形態では12%未満になるまで実施され、次にポリマー及び未反応のモノマーが第1のリアクタから取り除かれて重合は停止する。低いモノマー転化率を採用した有用なバルク重合プロセスの例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許番号第7,351,776号で開示されている。
特に、一般に極めて粘稠なセメントを生じる、モノマー転化率が約60%を超える他の実施形態では、バルク重合は、重合中の粘稠なセメントがピストンによって、又は実質的にピストンによって内部を移動させられる細長いリアクタ内で実施し得る。例えば、自動洗浄式の一軸又は二軸撹拌器によってセメントが押し出される押出機がこの目的に適している。
1つ以上の実施形態では、重合に用いられるすべての材料を単一の容器内(例えば、従来型の撹拌槽型リアクタ)で混合し得、また重合プロセスの全工程をこの容器内で実施し得る。他の実施形態では、2つ以上の材料を1つの容器内で予混合して、次にモノマー(又は少なくともその大部分)の重合を実施し得る別の容器に移動させてもよい。
バルク重合はバッチプロセス、連続プロセス、又は半連続プロセスとして実施し得る。半連続処理では、モノマーは必要に応じて断続的にチャージされて、既に重合されたモノマーと置き換えられる。重合温度は変化し得る。しかしながら、高温下では1,3−ブタジエンモノマー内におけるシス−1,4−ポリブタジエンの溶解度が制限されるため、ポリマー分子量が厳密に制御され、また均一なポリマー生成物をもたらすことを可能にする単一相の均質なシステムにおける重合塊(polymerization mass)を維持するために、比較的低い重合温度を採用することが好ましい。1つ以上の実施形態では、重合混合物の温度を約0℃〜約50℃の範囲に、他の実施形態では約5℃〜約45℃に、他の実施形態では約10℃〜約40℃に維持するため、重合が進行する条件を制御し得る。1つ以上の実施形態では、重合熱は、熱制御されたリアクタジャケットによる外部冷却、リアクタに結合した還流冷却器を使用することを通じてモノマーを蒸発・凝縮させることによる内部冷却、又は2つの方法の組み合わせによって除去し得る。また、条件を制御して、約0.1気圧〜約50気圧、他の実施形態では約0.5気圧〜約20気圧、他の実施形態では約1気圧〜約10気圧の加圧下で重合を実施し得る。1つ以上の実施形態では、重合を実施し得る圧力としては、モノマーの大部分が液相であることを確保する圧力が挙げられる。これらの又は他の実施形態では、重合混合物は嫌気性条件下で維持され得る。
重合は、重合が停止されるまで任意の所望の転化率で実施され得る。しかしながら、1つ以上の実施形態では、モノマー中の、例えばシス−1,4−ポリブタジエンの溶解度が制限されるために固相としてのポリマーが高い転化率のモノマーから分離する可能性、及び高い転化率によってもたらされる高いセメント粘度を避ける事が望ましい場合がある。したがって、一実施形態では転化率は約5%〜約60%である。別の実施形態では転化率は約10%〜約40%である。更に別の実施形態では転化率は約15%〜約30%である。未反応のモノマーは後でプロセスに戻して再利用し得る。
ポリマーの修飾
本発明の重合プロセスによって製造されたポリジエンは、これらのポリマー中のいくつかのポリマー鎖が反応性鎖末端を有するような擬似リビング特性を有し得る。所望のモノマーの転化率が達成されれば、任意で官能化剤を重合混合物中に導入して、任意の反応性ポリマー鎖と反応させ、官能化したポリマーを産生してもよい。1つ以上の実施形態では、重合混合物と失活剤とを接触させる前に官能化剤を導入する。他の実施形態では、重合混合物が失活剤で部分的に失活された後に官能化を導入し得る。
1つ以上の実施形態では、官能化剤としては、本発明により製造される反応性ポリマーと反応し、それにより官能化剤と反応しなかった成長鎖と異なる官能基を有するポリマーを提供することが可能な化合物又は試薬が挙げられる。官能基は、他のポリマー鎖(成長及び/又は非成長)又はポリマーと混合し得る補強性充填剤(例えば、カーボンブラック)などの他の成分と反応性又は相互作用性であり得る。1つ以上の実施形態では、官能化剤と反応性ポリマーとの間の反応は、付加反応又は置換反応によって進行する。
有用な官能化剤としては、2つ以上のポリマー鎖を合わせて連結することなくポリマー鎖の末端に官能基を提供する化合物、及び官能性結合を介して2つ以上のポリマー鎖を合わせて結合又は連結し、単一の巨大分子を形成する化合物を挙げることができる。後者のタイプの官能化剤はカップリング剤と称し得る。
1つ以上の実施形態では、官能化剤としては、ポリマー鎖にヘテロ原子を加える、又は付与する化合物が挙げられる。特定の実施形態では、官能化剤としてはポリマー鎖に官能基を付与して官能化ポリマーを形成する化合物が挙げられ、この官能化ポリマーは、非官能化ポリマーから調製した同様のカーボンブラック充填加硫物と比べて、官能化ポリマーから調製したカーボンブラック充填加硫物の50℃におけるヒステリシスロスを低減させる。1つ以上の実施形態では、このヒステリシスロスの低減は少なくとも5%、他の実施形態では少なくとも10%、他の実施形態では少なくとも15%である。
1つ以上の実施形態では、適する官能化剤としては、擬似リビングポリマー(例えば、本発明に従い製造される)と反応し得る基を含む化合物が挙げられる。例示的な官能化剤としては、ケトン、キノン、アルデヒド、アミド、エステル、イソシアネート、イソチオシアネート、エポキシド、イミン、アミノケトン、アミノチオケトン、及び酸無水物が挙げられる。これらの化合物の例は、参照により本明細書に組み込まれる米国特許第4906706号、同第4990573号、同第5064910号、同第5567784号、同第5844050号、同第6838526号、同第6977281号、及び第6992147号、米国特許公開第2006/0004131A1号、同第2006/0025539A1号、同第2006/0030677A1号、及び同第2004/0147694A1号、並びに日本国特許出願第05−051406A号、同第05−059103A号、同第10−306113A号、及び同第11−035633A号に開示されている。官能化剤の他の例としては、全て参照により本明細書に組み込まれる米国出願番号第11/640,711号に開示のアジン化合物、同第11/710,713号に開示のヒドロベンズアミド化合物、同第11/710,845号に開示のニトロ化合物、及び同第60/875,484号に開示の保護オキシム化合物が挙げられる。
特定の実施形態では、使用される官能化剤は、四塩化スズなどの金属ハライド、四塩化ケイ素などの半金属ハライド、ビス(オクチルマレエート)ジオクチルスズなどの金属エステル−カルボキシレート複合体、オルトケイ酸テトラエチルなどのアルコキシシラン、及びテトラエトキシスズなどのアルコキシスタンナンなどを含むがこれらに限定されないカップリング剤であり得る。カップリング剤は、単独又は他の官能化剤と組み合わせてのどちらでも用い得る。官能化剤の組み合わせは、任意のモル比で用い得る。
重合混合物に導入する官能化剤の量は、重合を開始するのに用いる触媒の種類及び量、官能化剤の種類、所望する官能性の程度、並びに多数の他の要因を含む、様々な要因によって決まり得る。1つ以上の実施形態では、使用される官能化剤の量は、官能化剤の官能基とメタロセン錯体の金属とのモル比(官能基/M)として表し得る。1つ以上の実施形態では、モル比(官能基/M)は約0.5:1〜約300:1、他の実施形態では約1:1〜約200:1、他の実施形態では約10:1〜約100:1、他の実施形態では約20:1〜約50:1であり得る。
高温では反応性ポリマー鎖がゆっくりと自己停止(self-terminate)し得るため、一実施形態では、一旦ピーク重合温度が観察されれば、官能化剤を重合混合物に添加し得る。他の実施形態では、ピーク重合温度に達した後約25〜35分以内に官能化剤を添加し得る。
1つ以上の実施形態では、所望のモノマー転化率が達成された後、かつプロトン性水素原子を含有した失活剤を添加する前に、官能化剤を重合混合物に導入し得る。1つ以上の実施形態では、モノマー転化率が少なくとも5%、他の実施形態では少なくとも10%、他の実施形態では少なくとも20%、他の実施形態では少なくとも50%、他の実施形態では少なくとも80%となった後に、官能化剤を重合混合物に添加する。これらの又は他の実施形態ではモノマー転化率が90%、他の実施形態ではモノマー転化率が70%、他の実施形態ではモノマー転化率が50%、他の実施形態ではモノマー転化率が20%、他の実施形態では15%となる前に、官能化剤を重合混合物に添加する。1つ以上の実施形態では、官能化剤はモノマー転化の完了後、又は実質的な完了後に添加する。参照により本明細書に組み込まれる2007年8月7日出願の同時係属米国出願番号第11/890,590号に開示されている通り、特定の実施形態では、ルイス塩基を導入する直前に、同時に、又は後で官能化剤を重合混合物に導入し得る。
1つ以上の実施形態では、重合(又は少なくともその一部分)が実施された場所(例えば容器内)で、官能化剤を重合混合物に導入し得る。他の実施形態では、重合(又は少なくともその一部分)が実施された場所とは異なる場所で、官能化剤を重合混合物に導入し得る。例えば、官能化剤は下流リアクタ若しくは槽、インラインリアクタ若しくはミキサー、押出機、又は揮発分除去装置(devolatilizers)を含む下流容器内の重合混合物に導入し得る。
失活及び添加剤類
一旦官能化剤を重合混合物に導入して所望の反応時間を与えられれば、あらゆる残留した反応性ポリマー、触媒、及び/又は触媒構成成分を非活性化させるために、任意で失活剤を重合混合物に添加し得る。1つ以上の実施形態では、失活剤としては、アルコール、カルボン酸、無機酸、又はこれらの混合物などの、ただしこれらに限定されないプロトン性化合物が挙げられる。参照により本明細書に組み込まれる2007年8月7日出願の同時係属米国出願番号第11/890,591号に開示されている通り、特定の実施形態では、失活剤にはポリヒドロキシ化合物が含まれる。
失活剤の添加と同時に、その前に、又は後に、2,6−ジーt−ブチル−4−メチルフェノールなどの酸化防止剤を添加し得る。使用される酸化防止剤の量は、ポリマー生成物の約0.2〜約1重量%であり得る。失活剤及び酸化防止剤はニート材として添加し得、又は必要であれば重合混合物に添加される前に炭化水素溶媒若しくは共役ジエンモノマーに溶解させられ得る。
単離
一旦重合混合物が失活されれば、重合混合物の様々な成分は回収し得る。1つ以上の実施形態では、未反応のモノマーは重合混合物から回収し得る。例えば、モノマーは当該技術分野において既知の技術を用いて重合混合物から蒸留し得る。1つ以上の実施形態では、揮発分除去装置を用いてモノマーを重合混合物から除去し得る。一旦モノマーが重合混合物から除去されれば、モノマーを精製、貯蔵、及び/又は重合プロセスに戻して再利用し得る。
ポリマー生成物は当該技術分野において既知の技術を用いて重合混合物から回収し得る。1つ以上の実施形態では、脱溶媒化及び乾燥技術を使用し得る。例えば、適する温度(例えば約100℃〜約170℃)及び大気圧又は準大気圧下での蒸発により揮発性物質を除去する脱溶媒押出機などの加熱されたスクリュー装置に重合混合物を通すことでポリマーを回収し得る。この処理は、未反応モノマー及びあらゆる低沸点溶媒を除去する働きをする。あるいは、重合混合物を蒸気脱溶媒して、続いて得られたポリマークラムを熱風トンネル内で乾燥することによってもポリマーを回収し得る。重合混合物をドラム乾燥機で直接乾燥させることによってもポリマーを回収し得る。
ポリマーの性質
シス−1,4−ポリジエン(例えば、シス−1,4−ポリブタジエン)が本発明のプロセスの1つ以上の実施形態によって製造される場合、シス−1,4−ポリジエンは96%超、他の実施形態では97%超、他の実施形態では98%超、他の実施形態では98.5%超、他の実施形態では99%超のシス−1,4−結合含量を有利に有し得る。
1つ以上の実施形態では、本発明のプロセスによって製造されるポリジエンは約2.7未満、他の実施形態では約2.5未満、更に他の実施形態では約2.2未満、尚更に他の実施形態では約2.0未満の分子量分布(Mw/Mn)を示す。
特定の実施形態では、本発明のプロセスによって製造されるシス−1,4−ポリジエンは、98.4%超のシス−1,4−結合含量及び2.0未満の分子量分布を有する。これは、より狭い分子量分布を有するシス−1,4−ポリジエンはより低いヒステリシスをもたらし、一方でより高いシス−1,4−結合含量を有するシス−1,4−ポリジエンは歪誘起結晶化する改善された能力を示し、従って高い引っ張り強度及び高い磨耗耐性などの優れた物性をもたらすため、有利である。
1つ以上の実施形態では、本発明のプロセスにより製造されるポリジエンは、失活前に少なくとも35%、他の実施形態では少なくとも40%、他の実施形態では少なくとも43%の割合の官能性を示す。
産業上の利用可能性
本発明のプロセスによって製造されるシス−1,4−ポリジエンは、優れた粘弾特性を示し、タイヤトレッド、サイドウォール、サブトレッド、及びビードフィラーを含むがそれらに限定されない様々なタイヤ構成部品の製造に特に有用である。シス−1,4−ポリジエンはタイヤストックのゴム弾性構成部品の全部又は一部として使用し得る。シス−1,4−ポリジエンを他のゴムと共に用いてタイヤストックのゴム弾性構成部品を形成する時、これらの他のゴムは天然ゴム、合成ゴム、及びそれらの混合物であり得る。合成ゴムの例としては、ポリイソプレン、ポリ(スチレン−コ−ブタジエン)、低シス−1,4−結合含量のポリブタジエン、ポリ(スチレンーコーブタジエンーコーイソプレン)、及びこれらの混合物が挙げられる。シス−1,4−ポリジエンは、ホース、ベルト、靴底、窓シール、その他のシール、防振ゴム、及び他の工業製品の製造にも使用し得る。
本発明の実施を実証するために、以下の実施例を調製して試験した。しかしながら、実施例は、本発明の範囲を制限するものとして見なすべきではない。本発明は特許請求の範囲によって定義される。
ビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウム[N,N−ビス(ジメチルシリル)アミド]錯体の合成
アルゴン雰囲気下でシュレンクフラスコに6.90g(26.18mmol)のガドリニウム(III)クロライド(GdCl3)及び15.46g(77.48mmol)のカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KN(SiMe32)を添加した。固形分をを200mLのTHFに溶解させ、アルゴン下の室温で終夜撹拌した。終夜撹拌した後、全ての揮発物を真空中で除去して白い固形分を産出した。得られた固形分を200mLのヘキサンに再度溶解させ、室温のアルゴン下で1時間撹拌した。カニューレを介して溶液をセライトでろ過して乾燥シュレンクフラスコに移し、減圧下で濃縮して、淡黄色固体としての11.68g(収率69.9%)のトリス(ビス(トリメチルシリル)アミド)ガドリニウムを産出した。
11.68g(18.30mmol)のトリス(ビス(トリメチルシリル)アミド)ガドリニウムを含んだシュレンクフラスコに、6.72g(34.96mmol)の2−フェニルインデンを添加した。固形分を150mLのヘキサンに溶解して、この溶液に12.98mL(73.21mmol)の1,1,3,3−テトラメチルジシラザン(HN(SiHMe22)を添加した。混合物を終夜アルゴン下で70℃に加熱した。室温に冷却した後、ヘキサンをろ過によって除去した。得られた固形分を100mLのトルエンに再度溶解させ、室温のアルゴン下で30分間撹拌した。次に溶液をろ過して濃縮し、黄色固体として6.73g(収率55%)のビス(2−フェニルインデニル)ガドリニウム[N,N−ビス(ジメチルシリル)アミド][(2−PhC962GdN(SiHMe22]を産出した。
ガドリニウム−メタロセン触媒を用いたブタジエンのバルク重合
高粘度のポリマーセメントの混合が可能な機械式撹拌器(シャフト及びブレード)を備えた1ガロンのステンレス製シリンダーで構成された重合リアクタ。リアクタの上面を、重合時間の全体を通してリアクタ内に生じた1,3−ブタジエン蒸気の搬送、凝縮、及び再利用のための還流冷却器システムに接続した。リアクタは冷水によって冷却される冷却ジャケットも備えた。重合熱は還流冷却器システムの使用を通した内部冷却によって部分的に消散され、また冷却ジャケットへの熱伝達を通じた外部冷却によって部分的に消散された。
リアクタを乾燥窒素のストリームで十分にパージして、続いてリアクタに100gの乾燥1,3−ブタジエンモノマーをチャージし、リアクタを65℃に加熱し、続いてリアクタ内に残留する液体1,3−ブタジエンがなくなるまで1,3−ブタジエン蒸気を還流冷却器システムの上面からベントしすることによって乾燥窒素を1,3−ブタジエン蒸気に置き換えた。冷却水を還流冷却器及びリアクタジャケットに加え、1302gの1,3−ブタジエンモノマーをリアクタ内にチャージした。モノマーをサーモスタットで32℃に調節した後、トルエン25mL、トルエン内の1.0Mジイソブチルアルミニウムハイドライド(DIBAH)2.34mL、ビス(インデニル)ガドリニウム[N,N−ビス(ジメチルシリル)アミド]錯体52.2mg(0.078mmol)、N,N−ジメチルアニリニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート68.9mg(0.086mmol)の順序で混合し、続いて混合物を10分間エージングして調製されていた予形成触媒をリアクタに投入することで重合を開始した。開始から17.0分後、1.0Mの4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(DEAB)のトルエン溶液10.0mLをチャージし、続いて重合溶液を5分間撹拌することで重合(polymerization)を官能化した。1360gのヘキサンに溶解したイソプロパノール6.0mLで重合混合物を希釈し、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール5gを含むイソプロパノール3ガロンにバッチを滴下することで重合を停止させた。中程度の重合速度(毎分0.8%の転化率)により引き起こされた最小の重合発熱に起因するバルク重合の後、リアクタ及び撹拌器のシャフトの壁面がゲルを全く含まなかったことが観察された。
凝固させたポリマーをドラム乾燥した。ポリマーの収量は172.2g(転化率13.2%)であった。大型ローターを備え、ウォームアップ時間が1分、実行時間が4分のモンサント・ムーニー粘度計を用いて、100℃でのポリマーのムーニー粘度(ML1+4)は25.9であると測定された。ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)で測定されたポリマーの数平均分子量(Mn)は124,000g/mol、重量平均分子量(Mw)は211,000g/mol、分子量分布(Mw/Mn)は1.7であった。ミクロ構造を測定して、シス−1,2含量は98.5、トランス−1,4含量は0.9%、ビニル含量は0.6であることが示された。官能性(%)(percent functionality)を測定するため、GPC装置は示差屈折率(RI)検出器及び紫外線(UV)吸収検出器を備えた。UV検出器信号のRI検出器信号に対する比であるGPC UV/RI比を用いて、アニオン重合を用いて製造され、同じMnを有する官能化ポリブタジエン試料のUV/RI比に対する官能化シス−1,4−ポリブタジエンのGPC UV/RI比を参照することでポリマー試料の官能性(%)を算出した。上記の方法を用いて官能性(%)が44%であると測定した。

Claims (18)

  1. 共役ジエンモノマーとメタロセン錯体触媒システムとを重合混合物の総重量に対して20重量%未満の溶媒を含む前記重合混合物内で重合させて、反応性鎖末端を有するポリマー鎖を生成する工程、及び官能化剤を前記重合混合物中に導入して前記ポリマー鎖を有するポリマーと反応させ、官能化したポリマーを産出する工程を含み、前記メタロセン錯体触媒システムが、(a)メタロセン錯体、(b)アルキル化剤、及び任意で(c)非配位アニオンの組み合わせ又は反応生成物を含み、
    前記メタロセン錯体が下記の式によって定義され、

    式中Mはランタニド系列元素、スカンジウム、又はイットリウムであり、Cpはシクロペンタジエニル基若しくはシクロペンタジエニル誘導基であり、Yはヒドロカルビルオキシ基、チオヒドロカルビルオキシ基、アミノ基、シリル基、シクロペンタジエニル基、若しくはシクロペンタジエニル誘導基であり、Xは水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビルオキシ基、チオヒドロカルビルオキシ基、アミノ基、シリル基、若しくは一価有機基であり、各Lは個別に中性のルイス塩基であり、nは0〜3の数であり、又は、式中Cp及びYは二価の基に結合される、ポリジエンの調製プロセス。
  2. 前記重合混合物が前記重合混合物の総重量に対して5重量%未満の溶媒を含む、請求項1に記載のプロセス。
  3. 前記重合工程が実質的に溶媒を欠く重合混合物内で行われる、請求項1又は2に記載のプロセス。
  4. 前記Yがシクロペンタジエニル基又はシクロペンタジエニル誘導基である、請求項1に記載のプロセス。
  5. 前記Yがヒドロカルビルオキシ基、チオヒドロカルビルオキシ基、アミノ基、またはシリル基である、請求項1に記載のプロセス。
  6. 前記Yがヒドロカルビルオキシ基である、請求項5に記載のプロセス。
  7. 前記Yがチオヒドロカルビルオキシ基である、請求項5に記載のプロセス。
  8. 前記Yがアミノ基である、請求項5に記載のプロセス。
  9. 前記Yがシリル基である、請求項5に記載のプロセス。
  10. 前記Cp及びYが二価基によって結合される、請求項1に記載のプロセス。
  11. 前記共役ジエンモノマーが、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、及び2,4−ヘキサジエンからなる群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
  12. 前記アルキル化剤が有機アルミニウム化合物である、請求項1に記載のプロセス。
  13. 前記アルキル化剤が有機マグネシウム化合物である、請求項1に記載のプロセス。
  14. 前記プロセスが非配位アニオンを用いる、請求項1に記載のプロセス。
  15. 前記アルキル化剤の前記メタロセン錯体の金属に対するモル比が1:1〜100:1である、請求項1に記載のプロセス。
  16. 前記アルキル化剤がアルミノキサンであり、前記アルミノキサンの前記メタロセン錯体の金属に対するモル比が1:1〜100:1である、請求項1に記載のプロセス。
  17. 前記共役ジエンモノマー100g当たり0.0005〜0.01mmolの前記メタロセン錯体が用いられる、請求項1に記載のプロセス。
  18. 前記重合工程が5%〜60%のモノマー転化率に達する、請求項1に記載のプロセス。
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