JP6180226B2 - ボールジョイント及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ボール部を有するボール側部材、受け部を有する受け側部材及びボール部を回動可能に保持して受け部に嵌着されるベアリングシートを備えたボールジョイント及びその製造方法に関する。
従来、例えば自動車などの車両の懸架装置、あるいは操舵装置などに用いるボールジョイントは、ボール部およびこのボール部に対して突出する軸部であるスタッド部を有するボール側部材であるボールスタッド、受け部を有する受け側部材であるハウジング、ボール部と受け部との間に位置しボール部を回動可能に保持する合成樹脂製のベアリングシートであるボールシート、ハウジング本体の一端を閉塞してボールシートをハウジングに保持する閉塞部材であるプラグ、及び、ハウジングからボールスタッドに亘って取り付けられる防塵部材であるダストカバーなどを備えている。
このようなボールジョイントは、一般に、ボールスタッドのボール部を回動可能に保持したボールシートを受け部に圧入し、ハウジングの一端にプラグを嵌め込み、ハウジングの一端側をかしめ変形してプラグを固定し、その後、ダストカバーを組み付ける製造方法が採用されている(例えば、特許文献1参照。)。また、必要に応じて、ボールスタッドを例えばナックルなどの被固定体に対して接続する際の接触面積を確保するために、スタッド部に鍔状のワッシャを取り付ける(例えば、特許文献2参照。)。
特開2007−132506号公報(第4−5頁、図1−3) 特開平8−284948号公報(第3−4頁、図1−2)
しかしながら、上述のボールジョイントの場合、ハウジングを一旦成形した後、ダストカバーを嵌着するためのハウジング外周の溝部をさらに切削加工したり、スタッド部の回動幅を確保するためにこのスタッド部が突出するハウジングの開口部の縁部に傾斜をさらに切削加工したりする必要があり、そのための設備や工数を確保しなければならず、低コスト化が容易でない。
また、上述のようにハウジングをかしめ加工してボールシート及びボールスタッドを保持する場合、ボールシート及びボールスタッドの圧入の際にスタッド部を開口部に挿通させるため、この開口部の径寸法以上の径寸法を有する鍔部を予めスタッド部に設けることができず、別途のワッシャや後加工などが必要で、そのための工数を確保しなければならず、低コスト化が容易でない。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、製造コストを確実に低減できるボールジョイント及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載のボールジョイントは、ボール部を備えたボール側部材と、開口部を有する受け部を備えた受け側部材と、内部に設けられ前記ボール部を回動可能に保持する保持面、この保持面に連通する開口、及び、外部に設けられこの外部と前記受け部との間に隙間を形成する隙間形成部を備え、前記保持面により前記ボール部を保持した状態で前記受け部に嵌着されるベアリングシートと、所定の材料の一部が前記隙間に充填されて前記ベアリングシートと別途成形され、前記ベアリングシートを前記受け側部材に対して抜け止めするとともに、前記受け側部材の外部に位置する外縁部に溝部を備える充填部と、前記溝部とボール側部材との間に嵌着されて前記開口部を覆うダストカバーとを具備したものである。
請求項2記載のボールジョイントは、請求項1記載のボールジョイントにおいて、充填部は、ベアリングシートよりも強度が大きい材料により形成されているものである。
請求項3記載のボールジョイントは、請求項1または2記載のボールジョイントにおいて、ベアリングシートは、開口部の縁部に係止されてこのベアリングシートを受け側部材に固定する爪部を備えているものである。
請求項4記載のボールジョイントは、請求項1ないし3いずれか一記載のボールジョイントにおいて、受け側部材は、開口部と対向する位置で受け部に連通する連通開口部を備え、充填部は、前記連通開口部を閉塞する閉塞部を一体に備えているものである
請求項記載のボールジョイントの製造方法は、ボール部を備えたボール側部材と、開口部を有する受け部を備えた受け側部材と、内部に設けられ前記ボール部を回動可能に保持する保持面、この保持面に連通する開口、及び、外部に設けられた隙間形成部を備えたベアリングシートと、このベアリングシートを前記受け側部材に対して抜け止めする充填部と、ダストカバーとを具備したボールジョイントの製造方法であって、前記ボール部を前記保持面に保持したベアリングシートを前記ボール側部材とともに前記受け側部材の前記受け部に嵌着してこのベアリングシートの前記隙間形成部によりこのベアリングシートの外部と前記受け部との間に隙間を形成し、成形型を用いて形成した前記隙間を含む空間に所定の材料を射出して硬化させることで前記充填部を、前記受け側部材の外部に位置する外縁部に溝部を形成するように前記成形型により成形し、この溝部と前記ボール側部材との間に前記ダストカバーを取り付けて前記開口部を覆うものである。
請求項記載のボールジョイントの製造方法は、請求項記載のボールジョイントの製造方法において、充填部の材料をベアリングシートよりも強度が大きいものとするものである。
請求項記載のボールジョイントの製造方法は、請求項または記載のボールジョイントの製造方法において、充填部の成形の際に、受け側部材の開口部と対向する位置で受け部に連通する連通開口部を閉塞する閉塞部を成形型によりこの充填部と一体成形するものである
請求項1記載のボールジョイントによれば、ベアリングシートの外部に設けた隙間形成部によりベアリングシートの外部と受け部材の受け部との間に形成した隙間に、所定の材料の一部を充填して充填部を、ダストカバーを取り付けるための溝部を形成するように成形し、この形成した充填部によってベアリングシートを受け側部材に対して抜け止めするので、この充填部の成形の際に溝部などの必要形状を同時に形成することができ、受け側部材に溝部を形成するための別途の切削加工やかしめ加工などを施す必要がなく、これらの工程を削減して製造コストを確実に低減できる。
請求項2記載のボールジョイントによれば、請求項1記載のボールジョイントの効果に加えて、充填部の材料の強度をベアリングシートよりも大きくすることで、充填部によってベアリングシートを受け側部材に対してより確実に抜け止めできる。
請求項3記載のボールジョイントによれば、請求項1または2記載のボールジョイントの効果に加えて、開口部の縁部に係止されてベアリングシートを受け側部材に固定する爪部を備えるので、ベアリングシートを受け側部材に対してより確実に固定できる。
請求項4記載のボールジョイントによれば、請求項1ないし3いずれか一記載のボールジョイントの効果に加えて、連通開口部を閉塞する閉塞部を充填部に一体に備えるので、この閉塞部を別途成形する工程や、成形した閉塞部を受け側部材に取り付ける工程が不要となるとともに、例えば別途の閉塞部をかしめ加工などによって受け側部材に固定する場合などと比較して、工数を低減でき、製造コストをより確実に低減できる
請求項記載のボールジョイントの製造方法によれば、ベアリングシートの外部に設けた隙間形成部によりベアリングシートの外部と受け部材の受け部との間に形成した隙間を含む空間を成形型により形成し、この空間に所定の材料を充填して充填部を、ダストカバーを取り付けるための溝部を形成するように成形型により成形し、この形成した充填部によってベアリングシートを受け側部材に対して抜け止めするので、この充填部の成形の際に溝部などの必要形状を同時に形成することができ、溝部を形成するための別途の切削加工やかしめ加工などが不要となり、製造コストを確実に低減できる。
請求項記載のボールジョイントの製造方法によれば、請求項記載のボールジョイントの製造方法の効果に加えて、充填部の材料の強度をベアリングシートよりも大きくすることで、充填部によってベアリングシートを受け側部材に対してより確実に抜け止めできる。
請求項記載のボールジョイントの製造方法によれば、請求項または記載のボールジョイントの製造方法の効果に加えて、充填部の成形の際に連通開口部を閉塞する閉塞部を成形型により一体成形するので、閉塞部を別途成形する工程や、この閉塞部を別途取り付ける工程が不要となるとともに、例えば別途の閉塞部をかしめ加工などによって受け側部材に固定する場合などと比較して、工数を低減でき、製造コストをより確実に低減できる
本発明の一実施の形態のボールジョイントを示す図4のI−I相当位置の縦断面図である。 同上ボールジョイントの横断面図である。 同上ボールジョイントの製造方法を(a)ないし(d)の順に示す説明図である。 (a)は同上ボールジョイントの製造方法の図3(a)の斜視図、(b)は同上ボールジョイントの製造方法の図3(b)の斜視図、(c)は同上ボールジョイントの製造方法の図3(d)の斜視図である。
以下、本発明の一実施の形態の構成を図1ないし図4を参照して説明する。
図1において、11はボールジョイントであり、このボールジョイント11は、例えば自動車などの車両の懸架装置のサスペンションアームとスタビライザとを連結する連結部材であるスタビライザリンクの両端部などに用いられるものである。そして、このボールジョイント11は、ボール側部材である金属製などのボールスタッド15と、受け側部材である金属製などのハウジング16と、このハウジング16とボールスタッド15との間に介在される合成樹脂製などのベアリングシートであるボールシート17と、このボールシート17をハウジング16に対して係止固定する充填部18と、ボールスタッド15とハウジング16(充填部18)との間に亘って配置される防塵部材であるダストカバー19とを備えている。なお、以下に示す上下方向とは、図1の上下方向をいうものとする。
ボールスタッド15は、略球状の球頭部であるボール部21と、このボール部21から突出する例えば金属製などの上下方向長手状の丸軸状の軸部であるスタッド部22とを有し、このスタッド部22の長手方向中間の外周側に一体に外方に向って突出して鍔部23が形成されている。また、スタッド部22の上端側の外周面には接続部であるねじ溝24が形成され、このねじ溝24に対して図示しないナットが螺合されることにより被固定体(図示せず)が鍔部23とナットとの間で挟持固定され、ボールジョイント11が被固定体と接続されるように構成されている。
また、ハウジング16は、ソケットとも呼ばれるもので、例えばアルミニウムなどの金属により成形され、ボールシート17を介してボール部21を保持する円筒状の受け部26と、この受け部26の軸方向一端部及び他端部に開口された開口部27及び連通開口部28とを一体に有する円筒状となっている。
受け部26は、ボール部21を保持したボールシート17が嵌着される部分、すなわちボール部21を受ける部分である。この受け部26は、ハウジング16(ボールスタッド15)と同軸でボールシート17の外周面及び充填部18と密着する円筒面状の内周面31を備えている。
開口部27は、受け部26の軸方向一端部である上端部に位置し、上方へと徐々に拡開している。また、連通開口部28は、開口部27と対向する受け部26の軸方向他端部である下端部に位置している。
ボールシート17は、例えば全体がポリアセタール(POM)などの合成樹脂にて上面が開口した略有底円筒状に一体成形されている。すなわち、このボールシート17は、開口径寸法がボール部21の外径寸法より小さい略円形状の開口33を軸方向一端部である上端部に有しているとともに、内部にこの開口33と連通する保持面である摺接面34を有している。また、このボールシート17の外周面35には、隙間形成部としてのリブ状の複数の突起部36が軸方向に沿って突設されている。そして、このボールシート17の開口33の外縁部である上端部には、各突起部36の位置に対応して爪部37がそれぞれ軸方向と交差(直交)する軸直方向に沿って突設されている。
開口33は、ボールスタッド15のボール部21の上端側及びスタッド部22が上方へと露出する部分であり、ハウジング16の開口部27よりも上方に位置している。また、この開口33は、上方すなわち反摺接面34方向へと徐々に拡開している。
摺接面34は、ボール部21の外周面の少なくとも赤道Xを含む位置を回動可能に保持している。したがって、ボールシート17は、ボールスタッド15のボール部21とともにハウジング16の受け部26内に収容配設され、ボール部21が、ボールシート17を介して受け部26内にて回動可能に保持されている。さらに、この摺接面34とボール部21の外周面との間には、図示しない潤滑剤であるグリースが介在されている。なお、ボール部21の赤道Xとは、ボールスタッド15の軸方向においてボール部21の径寸法が最大となる位置をいう。
外周面35は、ハウジング16の受け部26の内周面31よりも径寸法が小さく設定されており、この内周面31の内方に離間されて対向している。
突起部36は、ボールシート17の外周面35に、このボールシート17の軸方向である上下方向に沿って直線状にそれぞれ設けられており、この外周面35から径方向に突出しているとともに、ボールシート17の周方向に互いに略等間隔(略等角度)に離間されている。これら突起部36の外周面35からの突出量は、ハウジング16の受け部26の内周面31と外周面35との径寸法差と略同等、またはこの径寸法差以上となっている。したがって、これら突起部36は、ボールシート17をハウジング16の受け部26に圧入した状態で、この受け部26の内周面31と面状に接触している。このため、隣接する突起部36,36間の外周面35と受け部26の内周面31との間が、それぞれ軸方向に沿って延びる隙間39となっている(図2)。換言すれば、これら突起部36は、受け部26の内周面31との接触によって、ボールシート17の外周面35と受け部26の内周面31との間に、軸方向に沿って直線状の複数の隙間39を形成するようになっている。
爪部37は、ボールシート17をハウジング16の開口部27の縁部に係止するものであり、突起部36の一端部である上端部の位置でそれぞれ径方向に沿ってフランジ状に突出している。そして、これら爪部37は、開口部27の縁部にてハウジング16の上端部に下端部が当接してボールシート17をハウジング16に対して連通開口部28側(下側)に抜けないように係止している。
充填部18は、例えば本実施の形態では繊維強化合成樹脂などの、ボールシート17よりも強度が大きい高強度素材を材料M(図3)として略有底円筒状に一体成形されている。すなわち、この充填部18は、略円筒状の充填部本体41と、この充填部本体41の軸方向両端部である上下端部に形成された(第1及び第2の)抜止部42,43と、上端部の抜止部42の外周に位置する溝部(カバー溝)である段部44と、下端部の抜止部43の内方に位置する閉塞部(プラグ部)45とを一体に備えている。
充填部本体41は、ハウジング16の受け部26の内周面31とボールシート17の外周面35との間にて突起部36,36間にそれぞれ区画される隙間39を充填する部分である。すなわち、この充填部本体41は、隙間39に嵌合して上下方向に沿ってリブ状となっている本体部41aと、これら本体部41a間に位置して上下方向に沿って長手状に開口する充填部開口41bとを周方向に交互に備えている。
抜止部42,43は、充填部本体41の上下端部の外縁部からそれぞれ上下に突出してハウジング16の開口部27及び連通開口部28の縁部に係合されるもので、軸方向から見て円環状となっている。すなわち、これら抜止部42,43により、充填部18がボールシート17及びハウジング16を軸方向両端部から挟むように形成されている。また、上端部の抜止部42は、ボールシート17の爪部37を含む上端部の外縁側全体を覆い、上方に向けて徐々に拡開するように内縁部が傾斜している。したがって、この抜止部42は、ボールシート17の上端部の上方及び外方に亘って位置している。
段部44は、ダストカバー19の下端側が嵌着される部分であり、ハウジング16の上端部に位置している。
閉塞部45は、ボールシート17の下端部全体を覆って連通開口部28を閉塞するものであり、略円形皿状に形成されている。したがって、充填部18は、ボールシート17を軸方向両端部である上下端部から挟持するように内包している。また、この閉塞部45は、中心部に向けて徐々に下方へと突出している。
ダストカバー19は、ダストシールやブーツなどとも呼ばれるもので、例えば全体が軟質ゴムあるいは軟質合成樹脂などにて扁平な(軸方向寸法よりも最大径寸法が大きい)円筒状に形成されている。このダストカバー19は、軸方向一端部である上端部がボールスタッド15の鍔部23の外周及びスタッド部22の外周に亘って嵌着され、軸方向他端部である下端部が充填部18の段部44の外周側に嵌着されて開口部27を覆っている。さらに、このダストカバー19の下端部は、略円形環状の環状部材であるクリップ51にて段部44に対して固定されている。そして、ダストカバー19とボールスタッド15とボールシート17とにより囲まれた空間が、グリースを収容する潤滑剤収容部であるグリース溜まり空間52となっている。
次に、上記一実施の形態のボールジョイント11の製造方法を説明する。
まず、図3(a)に示すように、予め合成樹脂の射出成形などにより別体成形した樹脂ライナであるボールシート17を、予め別途成形したボールスタッド15のボール部21のうちこのボール部21の赤道Xを含む部分の外周側に赤道Xを覆うように装着することにより、ボール部21の外周側がボールシート17にて覆われた(第1の)中間体55(図4(a))を得る(装着工程)。この際、例えばボール部21を開口33からボールシート17内にこのボールシート17の上端部を若干弾性変形させながら挿入して組み込む。なお、ボールシート17は、ボール部21と別個に形成してボール部21を圧入する構成に代えて、例えばボール部21を中子としてこのボール部21の外周面に射出成形してもよい。
次いで、図3(b)に示すように、中間体55のボールシート17を、予め別途成形したハウジング16の受け部26に開口部27から圧入して(第2の)中間体56(図4(b))を得る(圧入工程)。このとき、ボールシート17は、各突起部36がハウジング16の受け部26の内周面31に沿って摺接するように受け部26に圧入され、突起部36,36間の外周面35と受け部26の内周面31との間にそれぞれ隙間39を形成する。なお、このボールシート17は、各爪部37がハウジング16の開口部27の縁部に係止される位置まで受け部26へと押し込む。
さらに、図3(c)に示すように、この中間体56を所定の成形型Dへとセットした後、この成形型D内の空間S内に溶融した材料Mを射出して圧入供給し、その後、図3(d)に示すように冷却させて硬化させ、充填部18を成形して(第3の)中間体57(図4(c))を得る(充填工程)。
ここで、成形型Dは、例えば上下2分割などの複数の型部材を備えた金型であり、そのパーティングラインや材料Mを空間Sに射出するゲートは充填部18の形状に対応して任意に設定できるので図示を省略している。この成形型Dは、各型部材を組み合わせた状態で中間体56をボールシート17の上端部からハウジング16の上端部に亘る位置とハウジング16の下端部とから挟持し、ハウジング16の受け部26とボールシート17との間の隙間39を含む空間Sを内部に区画する。この空間Sの形状に充填部18が成形される。したがって、この空間Sの形状により、充填部18は、ボールシート17を上下から挟み込むように成形され、隙間39を充填した充填部本体41と、ハウジング16の上下両端部にそれぞれ係合する抜止部42,43と、ボールシート17の下端部全体を覆って連通開口部28を閉塞する閉塞部45と、抜止部42の外縁部にてハウジング16の上端部に位置する段部44とが同一工程で一体成形される。
そして、図1に示すように、ハウジング16の段部44とボールスタッド15のスタッド部22及び鍔部23との間にダストカバー19を固着して開口部27を覆い(固着工程)、ボールジョイント11を得る。
上述したように、上記一実施の形態によれば、ボールシート17の外周面35に設けた突起部36によりボールシート17の外部とハウジング16の受け部26の内周面31との間に形成した隙間39を含む空間Sを成形型Dにより形成し、この空間Sに所定の材料Mを充填して充填部18を形成し、この形成した充填部18によってボールシート17をハウジング16に対して抜け止めするので、この充填部18の成形の際に例えば抜止部42の上端部の内縁部の傾斜や段部44などの必要形状を同時に形成することができ、例えばハウジング16に切削加工やかしめ加工などを施す必要がなく、これらの工程を削減して製造コストを確実に低減できる。
さらに、材料Mの強度をボールシート17よりも大きくすることで、充填部18によってボールシート17をハウジング16に対してより確実に抜け止めできる。すなわち、ボール部21の摺動性や耐摩耗性が望まれるボールシート17自身でハウジング16に対して抜け止めするよりも、より抜け止めに適した材料Mを用いて充填部18を構成することができ、ボールシート17と充填部18とのそれぞれの材料の最適化を図ることができる。
また、開口部27の縁部に係止されてボールシート17をハウジング16に固定する爪部37を備えるので、製造の際に(圧入工程において)ボールシート17をハウジング16に対してより確実に固定できるとともに、製造後にはボールシート17をハウジング16に対して軸方向により強固に抜け止め保持でき、引き抜き荷重をより向上できる。
さらに、充填部18の成形の際に連通開口部28を閉塞する閉塞部45を成形型Dにより一体成形する(連通開口部28を閉塞する閉塞部45を充填部18に一体に備える)ので、この閉塞部45を別途成形する工程や、成形した閉塞部45をハウジング16に取り付ける工程が不要となるとともに、例えば別途の閉塞部をかしめ加工などによってハウジングに固定する場合などと比較して、工数を低減でき、製造コストをより確実に低減できる。
すなわち、上記のボールジョイント11は、かしめ工程を有しない、いわゆるかしめレスで製造することが可能になる。ここで、例えばハウジングの連通開口部側をかしめ加工する従来例の場合には、ボール部を保持したボールシートをボールスタッドとともにハウジングに連通開口部側から圧入する必要があり、このときスタッド部を開口部に挿通しなければならないので、鍔部の径寸法を開口部の径寸法以上とすることはできず、鍔部の径寸法を大きく設定できない。また、例えばハウジングの開口部側をかしめ加工する従来例の場合には、かしめ加工用のローラを開口部の外縁部に対して上方から当接させる必要があり、その際に鍔部がローラの下方への移動を妨げることとなるので、同様に鍔部の径寸法を大きく設定できない。そこで、本実施の形態では、かしめ加工を用いることなくボールジョイント11を製造できるので、かしめ工程を伴う場合に大きく設定することが容易でない鍔部23の径寸法を大きく設定できる。特に、スタビライザリンクに用いるボールジョイント11の場合には、締結座面(締結力)を確保するために、鍔部23の径寸法を大きくすることが求められるので、本実施の形態のボールジョイント11は、特にスタビライザリンク用として適する。
そして、充填部18にダストカバー19を取り付けるための段部44を成形型Dにより成形するので、この段部44を充填部18の成形の際にこの充填部18と同時に成形でき、この段部44を別途の切削加工などにより形成する必要がなく、製造コストをより確実に低減できる。
なお、上記一実施の形態において、ボールジョイント11は、スタビライザリンク以外でも、例えば車両用の操舵装置など、任意の位置に用いることができる。
また、充填部18は、例えば金属により成形してもよい。さらに、充填部18は、ボールシート17をハウジング16に対して抜け止めできる強度が確保できれば、ボールシート17の材料より強度が大きい材料Mを用いなくてもよく、任意の材料を適宜選択して用いることができる。すなわち、充填部18は、材料Mを隙間39に充填して成形する際にボールシート17を構成する材料と溶け合わず(混じり合わず)に別途成形できれば、例えばボールシート17と同一の材質などを用いることも可能である。例えば、充填部18の材料Mとボールシート17の材料として、含まれる強化繊維の量が互いに異なる同種の合成樹脂などを用いることもできる。
そして、隙間形成部は、材料Mを射出してボールシート17をハウジング16に対して抜け止めするように充填部18を成形できれば、任意の形状とすることが可能である。
本発明は、例えば自動車の懸架装置のスタビライザリンク用として好適に用いることができる。
11 ボールジョイント
15 ボール側部材であるボールスタッド
16 受け側部材であるハウジング
17 ベアリングシートであるボールシート
18 充填部
19 ダストカバー
21 ボール部
26 受け部
27 開口部
28 連通開口部
33 開口
34 保持面である摺接面
36 隙間形成部としての突起部
37 爪部
39 隙間
44 溝部である段部
45 閉塞部
D 成形型
M 材料
S 空間

Claims (7)

  1. ボール部を備えたボール側部材と、
    開口部を有する受け部を備えた受け側部材と、
    内部に設けられ前記ボール部を回動可能に保持する保持面、この保持面に連通する開口、及び、外部に設けられこの外部と前記受け部との間に隙間を形成する隙間形成部を備え、前記保持面により前記ボール部を保持した状態で前記受け部に嵌着されるベアリングシートと、
    所定の材料の一部が前記隙間に充填されて前記ベアリングシートと別途成形され、前記ベアリングシートを前記受け側部材に対して抜け止めするとともに、前記受け側部材の外部に位置する外縁部に溝部を備える充填部と
    前記溝部とボール側部材との間に嵌着されて前記開口部を覆うダストカバーと
    を具備したことを特徴とするボールジョイント。
  2. 充填部は、ベアリングシートよりも強度が大きい材料により形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載のボールジョイント。
  3. ベアリングシートは、開口部の縁部に係止されてこのベアリングシートを受け側部材に固定する爪部を備えている
    ことを特徴とする請求項1または2記載のボールジョイント。
  4. 受け側部材は、開口部と対向する位置で受け部に連通する連通開口部を備え、
    充填部は、前記連通開口部を閉塞する閉塞部を一体に備えている
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のボールジョイント
  5. ボール部を備えたボール側部材と、開口部を有する受け部を備えた受け側部材と、内部に設けられ前記ボール部を回動可能に保持する保持面、この保持面に連通する開口、及び、外部に設けられた隙間形成部を備えたベアリングシートと、このベアリングシートを前記受け側部材に対して抜け止めする充填部と、ダストカバーとを具備したボールジョイントの製造方法であって、
    前記ボール部を前記保持面に保持したベアリングシートを前記ボール側部材とともに前記受け側部材の前記受け部に嵌着してこのベアリングシートの前記隙間形成部によりこのベアリングシートの外部と前記受け部との間に隙間を形成し、
    成形型を用いて形成した前記隙間を含む空間に所定の材料を射出して硬化させることで前記充填部を、前記受け側部材の外部に位置する外縁部に溝部を形成するように前記成形型により成形し、
    この溝部と前記ボール側部材との間に前記ダストカバーを取り付けて前記開口部を覆う
    ことを特徴とするボールジョイントの製造方法。
  6. 充填部の材料をベアリングシートよりも強度が大きいものとする
    ことを特徴とする請求項記載のボールジョイントの製造方法。
  7. 充填部の成形の際に、受け側部材の開口部と対向する位置で受け部に連通する連通開口部を閉塞する閉塞部を成形型によりこの充填部と一体成形する
    ことを特徴とする請求項または記載のボールジョイントの製造方法
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