JP6180099B2 - 光電変換素子 - Google Patents

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Description

本発明は、光電変換素子に関する。
光電変換素子は、陽極および陰極からなる一対の電極と、該一対の電極間に設けられた活性層とを備える素子である。有機化合物からなる活性層を有する光電変換素子は、シリコン等の無機化合物からなる活性層を有する光電変換素子に比べ、製造コストを大幅に低減できる可能性がある光電変換素子として注目を集めている。
例えば特許文献1には、下記式で表される電子供与性のポリマーであるP3HTと電子受容性のポリマーであるF8TBTなどの2種類のポリマーをブレンドして活性層に用いた光電変換素子が開示されている。
Figure 0006180099
特開2010−062550号公報
しかしながら、前記2種のポリマーを材料とする活性層を有する光電変換素子は、光電変換効率が十分ではない。したがって、本発明の目的は、光電変換効率が高い光電変換素子を提供することにある。
即ち、本発明は、下記[1]〜[11]を提供する。
[1] 第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極および該第2の電極間に設けられる活性層とを備える光電変換素子であって、
前記活性層は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が異なる2種以上の電子受容性高分子化合物と、電子供与性高分子化合物とを含む光電変換素子。
[2] 前記電子供与性高分子化合物および前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、アリーレン基、および2価の複素環基からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含む高分子化合物である、[1]に記載の光電変換素子。
[3] 前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種の化合物は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が50000以上である、[1]または[2]に記載の光電変換素子。
[4] 前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種の化合物は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が50000未満である、[1]〜[3]のいずれか1つに記載の光電変換素子。
[5] 前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちのポリスチレン換算の重量平均分子量が最も大きい電子受容性化合物の割合が、30重量%以上、70重量%以下である、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の光電変換素子。
[6] 前記電子供与性高分子化合物および前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種の化合物の両方が、2価の芳香族炭化水素基、および2価の複素環基からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位のみからなる高分子化合物である、[1]〜[5]のいずれか1つに記載の光電変換素子。
[7] 電子供与性高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量が10000以上である、[1]〜[6]のいずれか1つに記載の光電変換素子。
[8] 電子供与性高分子化合物および前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、チオフェン骨格を有する繰り返し単位を含む高分子化合物である、[1]〜[7]のいずれか1つに記載の光電変換素子。
[9] 電子供与性高分子化合物および前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物である、[1]〜[8]のいずれか1つに記載の光電変換素子。
Figure 0006180099
(式(1)中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。R、R、R、R、RおよびRのうちの2個が連結し、連結するR、R、R、R、RおよびRのうちの2個が結合している炭素原子とともに環状構造を形成していてもよい。X、XおよびXは、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−N(R)−で表される基、またはCR=CR−で表される基を表す。R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。nおよびmは、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Xが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Xが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。)
[10] [1]〜[9]のいずれか1つに記載の光電変換素子を含むモジュール。
[11] [1]〜[9]のいずれか1つに記載の光電変換素子を含むイメージセンサー。
本発明によれば、光電変換効率が高い光電変換素子を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
(光電変換素子の基本的形態)
本発明の光電変換素子は、第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極および第2の電極間に設けられる活性層とを備える光電変換素子であって、活性層は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が異なる2種以上の電子受容性高分子化合物と、電子供与性高分子化合物とを含む。よって本発明の光電変換素子は、いわゆるバルクヘテロジャンクション型の光電変換素子である。以下、光電変換素子の構成要素について個別に説明する。
(基板)
本発明の光電変換素子は、通常、基板上に形成される。該基板は、電極を形成する際、有機物からなる層を形成する際に化学的に変化しない基板であればよい。基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、高分子フィルム、およびシリコンが挙げられる。不透明な基板上に光電変換素子を形成する場合には、基板とは反対側の電極(即ち、基板から遠い方の電極)が透明または半透明であることが好ましい。
(電極)
第1の電極および第2の電極のうちの少なくとも一方は、透明または半透明の電極とされることが好ましい。透明または半透明の電極としては、例えば、導電性の金属酸化物膜、および金属薄膜が挙げられる。透明または半透明の電極の材料としては、例えば、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウムスズオキサイド(ITO)、インジウム亜鉛オキサイド(IZO)、NESAなどの導電性の金属酸化物材料、金、白金、銀、および銅などの金属材料が挙げられ、ITO、IZO、および酸化スズが好ましい。電極の作製方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、およびメッキ法が挙げられる。また、透明または半透明の電極としては、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等の有機材料を含む透明導電膜を用いてもよい。透明または半透明の電極は、陽極であっても陰極であってもよい。
本発明の光電変換素子は透明または半透明ではない電極を有していてもよく、透明または半透明ではない電極の材料としては、例えば、金属および導電性高分子が挙げられる。透明または半透明ではない電極の材料の具体例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の金属、前記金属からなる群から選ばれる2種以上の金属の合金、1種以上の前記金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステンおよび錫からなる群から選ばれる1種以上の金属との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体が挙げられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、およびカルシウム−アルミニウム合金が挙げられる。
(バッファー層)
本発明の光電変換素子は、光電変換効率を向上させるための構成として活性層以外の付加的な中間層(電荷輸送層など)を有していてもよい。中間層に用いられる材料としては、例えば、フッ化リチウム等のアルカリ金属のハロゲン化物、アルカリ土類金属のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、およびアルカリ土類金属の酸化物が挙げられる。
また、酸化チタン等の無機半導体の微粒子、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン))とPSS(ポリ(4−スチレンスルホネート))との混合物(PEDOT:PSS)などを中間層の材料として用いてもよい。
(活性層)
本発明の光電変換素子に含まれる活性層は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が異なる2種以上の電子受容性高分子化合物と電子供与性高分子化合物とを含む。
電子受容性高分子化合物および電子供与性高分子化合物の重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される値であり、標準のポリスチレンで換算した重量平均分子量である。
この2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種の化合物は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が50000以上であることが好ましい。さらに、2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種の化合物は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が50000未満であることが好ましい。さらに2種以上の電子受容性高分子化合物のうちのポリスチレン換算の重量平均分子量が最も大きい電子受容性化合物の割合が30重量%以上、70重量%以下であることが好ましく、より好ましくは35重量%以上、65重量%以下である。
活性層における、電子供与性高分子化合物の重量に対する電子受容性高分子化合物の重量は、電子供与性高分子化合物100重量部に対して、10重量部〜1000重量部であることが好ましく、20重量部〜500重量部であることがより好ましい。
活性層の厚さは、1nm〜100μmが好ましく、より好ましくは2nm〜1000nmであり、さらに好ましくは5nm〜500nmであり、特に好ましくは20nm〜200nmである。
なお、前記電子供与性高分子化合物、および前記電子受容性高分子化合物は、複数の化合物の最高占有分子軌道(HOMO)または最低空分子軌道(LUMO)のエネルギー準位から相対的に決定される。
活性層が含む、電子供与性高分子化合物および2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、アリーレン基、および2価の複素環基からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
また活性層が含む、電子供与性高分子化合物および2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、アリーレン基、および2価の複素環基からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位のみからなる高分子化合物であることがさらに好ましく、電子供与性高分子化合物および電子受容性高分子化合物の両方が、アリーレン基、および2価の複素環基からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位のみからなる高分子化合物であることがさらに好ましく、電子供与性高分子化合物および電子受容性高分子化合物の両方が、2価の芳香族炭化水素基、および2価の複素環基からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位のみからなる高分子化合物であることが特に好ましい。
アリーレン基とは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素から芳香環に直接的に結合している水素原子を2個除いた基を意味する。アリーレン基としては、例えば、フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、ピレンジイル基およびフルオレンジイル基が挙げられる。
2価の複素環基とは、複素環式化合物から複素環に直接的に結合している水素原子を2個除いた基を意味する。2価の複素環基としては、例えば、チオフェンジイル基、ベンゾチアジアゾールジイル基、フランジイル基、ピリジンジイル基およびピロールジイル基が挙げられる。2価の複素環基は、2価の芳香族複素環基が好ましい。
アリーレン基、および2価の複素環基からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含む高分子化合物は、アリーレン基および2価の複素環基以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。含まれ得るアリーレン基および2価の複素環基以外の繰り返し単位の例としては、チオフェン誘導体などが挙げられる。
(電子供与性高分子化合物)
前記電子供与性高分子化合物は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が10000以上であることが好ましい。電子供与性高分子化合物としては、太陽光の波長の領域に吸収があれば制限はないが、最高占有分子軌道のエネルギー準位が−4.7eV以下であり、かつ、最低空分子軌道のエネルギー準位が−4.0eV以上である高分子化合物が好ましい。電子供与性高分子化合物としては、例えば、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体が挙げられ、ポリチオフェンおよびその誘導体(ポリチオフェン誘導体)が好ましく、チオフェンの2〜5量体を含む構造またはチオフェン誘導体の2〜5量体を含む構造を有する高分子化合物がより好ましい。ここで、ポリチオフェン誘導体とは、置換基を有するチオフェンジイル基を有する高分子化合物である。
ポリチオフェンおよびその誘導体は、ホモポリマーであることが好ましい。ホモポリマーは、チオフェンジイル基および置換基を有するチオフェンジイル基からなる群から選ばれる基のみが複数個結合してなるポリマーである。チオフェンジイル基としては、チオフェン−2,5−ジイル基が好ましく、置換基を有するチオフェンジイル基としては、アルキルチオフェン−2,5−ジイル基が好ましい。ホモポリマーであるポリチオフェンおよびその誘導体の具体例としては、ポリ(3−ヘキシルチオフェン−2,5−ジイル)(P3HT)、ポリ(3−オクチルチオフェン−2,5−ジイル)、ポリ(3−ドデシルチオフェン−2,5−ジイル)、およびポリ(3−オクタデシルチオフェン−2,5−ジイル)が挙げられる。ホモポリマーであるポリチオフェンおよびその誘導体の中では、炭素原子数6〜30のアルキル基で置換されたチオフェンジイル基からなるチオフェン誘導体のホモポリマーが好ましい。
(電子受容性高分子化合物)
電子受容性高分子化合物は、最高占有分子軌道のエネルギー準位が−5.0eV以下であり、かつ、最低空分子軌道のエネルギー準位が−4.3eV以上である高分子化合物が好ましい。電子受容性高分子化合物としては、例えば、ベンゾチアジアゾールおよびその誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタンおよびその誘導体、ベンゾキノンおよびその誘導体、ナフトキノンおよびその誘導体、アントラキノンおよびその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタンおよびその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリンおよびその誘導体、ポリキノリンおよびその誘導体、ポリキノキサリンおよびその誘導体、ポリフルオレンおよびその誘導体、バソクプロイン等のフェナントレン誘導体が挙げられる。電子受容性高分子化合物としては、繰り返し単位にベンゾチアジアゾール構造を含む高分子化合物、および繰り返し単位にキノキサリン構造を含む高分子化合物が好ましく、繰り返し単位にベンゾチアジアゾール構造を含む高分子化合物がより好ましい。
本発明の光電変換素子が備える活性層に含まれる、電子供与性高分子化合物および2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、チオフェン骨格を含有する繰り返し単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
本発明の光電変換素子が備える活性層に含まれる、電子供与性高分子化合物および2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
Figure 0006180099
式(1)中、nおよびmは、それぞれ独立に、0〜5の整数を表し、1〜3の整数であることが好ましく、1であることがより好ましい。
、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なってもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。
、R、R、R、RおよびRで表される置換基としては、フッ素原子、および炭素原子数が1〜30である基が好ましい。置換基としては、例えば、フッ素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基などのアルコキシ基、および、フェニル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
また、R、R、R、R、RおよびRのうちの2個が連結し、連結しているR、R、R、R、RおよびRのうちの2個が結合している炭素原子とともに環状構造を形成してもよい。このような環状構造のうち、RとRとが連結し、Rが結合している炭素原子およびRが結合している炭素原子とともに形成した環状構造、および、RとRとが連結し、Rが結合している炭素原子およびRが結合している炭素原子とともに形成した環状構造の具体例としては、下記式(4)で表される構造が挙げられる。
Figure 0006180099
とRとが連結し、Rが結合している炭素原子およびRが結合している炭素原子とともに形成した環状構造の具体例としては、下記式(5)で表される構造および下記式(6)で表される構造が挙げられる。
Figure 0006180099
式(5)および式(6)中、R12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。
12およびR13で表される置換基の定義および具体例は、前記R、R、R、R、RおよびRで表される置換基の定義および具体例と同じである。
12およびR13は、それぞれ独立に、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
、XおよびXは、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−N(R)−で表される基、またはCR=CR−で表される基を表す。R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。Xが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Xが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。
、RおよびRで表される置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基などのアルキル基、およびフェニル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。
、XおよびXは、硫黄原子であることが好ましい。
本発明の光電変換素子においては、活性層が含む電子供与性高分子化合物が、前記式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物であることが好ましい。
式(1)で表される繰り返し単位としては、下記式(1−1)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0006180099
電子供与性高分子化合物および2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が前記式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物である場合、該高分子化合物が有する全ての種類の繰り返し単位の中で、式(1)で表される繰り返し単位の数が、最も多いことが好ましい。
光電変換素子の光電変換効率を高める観点から、式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物が有する式(1)で表される繰り返し単位の数は、高分子化合物が有する全繰り返し単位の合計数の50%を超える数であることが好ましく、52%以上の数であることがより好ましく、55%以上の数であることがさらに好ましい。
また、式(1)で表される繰り返し単位の数は、高分子化合物中の全繰り返し単位の合計数の100%未満の数であることが好ましく、98%以下の数であることがより好ましく、70%以下の数であることがさらに好ましい。
繰り返し単位にベンゾチアジアゾール構造を含む高分子化合物の例としては、下記式(3)で表される高分子化合物が挙げられる。
Figure 0006180099
式(3)中、pは2以上の整数を表す。
電子供与性高分子化合物および2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種は、前記式(1)で表される繰り返し単位に加え、他の繰り返し単位を含むことが好ましい。
他の繰り返し単位としては、例えば、下記式(2)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0006180099
式(2)中、環Aおよび環Bは、それぞれ独立に、芳香環を表す。R10およびR11は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。R10およびR11が連結し、R10およびR11が結合している炭素原子とともに環状構造を形成していてもよい。
10およびR11で表される置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基などのアルキル基、およびフェニル基、ナフチル基などのアリール基が挙げられる。R10およびR11で表される置換基の炭素原子数は、12以上、20以下であることが好ましい。R10およびR11は、アルキル基、およびアリール基等の炭化水素基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。
環Aおよび環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環などの芳香族炭化水素環、チオフェンなどの芳香族複素環が挙げられる。環Aおよび環Bは、5〜10員環が好ましく、ベンゼン環およびナフタレン環がより好ましい。
前記式(2)で表される繰り返し単位としては、下記式(2−1)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 0006180099
式(2−1)中、R10およびR11は、前述と同じ意味を表す。
電子供与性高分子化合物および2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、前記式(1)で表される繰り返し単位および前記式(2)で表される繰り返し単位を含む場合、該高分子化合物が有する全ての種類の繰り返し単位の中で、式(1)で表される繰り返し単位の数が最も多く、次いで、式(2)で表される繰り返し単位の数が多いことが好ましい。式(1)で表される繰り返し単位および式(2)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物は、式(1)で表される繰り返し単位と式(2)で表される繰り返し単位のみからなることが好ましい。
活性層には、種々の機能を発現させるために、電子供与性高分子化合物および電子受容性高分子化合物以外に、必要に応じて他の成分を含有させてもよい。他の成分としては、例えば、紫外線吸収剤、酸化防止剤、吸収した光により電荷を発生させる機能を増感するための増感剤、および紫外線からの安定性を増すための光安定剤が挙げられる。
活性層中の該他の成分の配合量は、電子供与性化合物および電子受容性化合物の合計量100重量部に対し、それぞれ5重量部以下であることが好ましく、特に、0.01重量部〜3重量部の割合で配合することが効果的である。
また、活性層は、その機械的特性を高めるため、電子供与性化合物および電子受容性化合物以外の高分子化合物を高分子バインダーとして含んでいてもよい。高分子バインダーとしては、電子輸送性またはホール輸送性を阻害しない高分子化合物が好ましく、また可視光の吸収が少ない高分子化合物が好ましい。高分子バインダーとしては、例えば、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリ(p−フェニレンビニレン)およびその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)およびその誘導体、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、およびポリシロキサンが挙げられる。
<高分子化合物の製造方法>
本発明の光電変換素子の活性層の材料として用いられる電子供与性高分子化合物および電子受容性高分子化合物の製造方法としては、特に制限されるものではないが、高分子化合物の合成の容易さからは、Suzukiカップリング反応、Stilleカップリング反応を用いる方法が好ましい。
Suzukiカップリング反応を用いる方法としては、例えば、式(100):
1−E1−Q2 (100)

(式(100)中、E1は、アリーレン基または2価の複素環基を表す。Q1およびQ2は、それぞれ独立に、ジヒドロキシボリル基(−B(OH))またはホウ酸エステル残基を表す。)
で表される1種類以上の化合物と、式(200):
−E−T (200)

(式(200)中、Eは、前記式(1)で表される基を表す。TおよびTは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、またはスルホン酸残基を表す。)
で表される1種類以上の化合物とをパラジウム触媒および塩基の存在下で反応させる工程を有する製造方法が挙げられる。
は、前記式(2)で表される基が好ましい。Eは、Eと同一の基であっても異なる基であってもよいが、EとEとは、互いに異なる基であることが好ましい。
ホウ酸エステル残基とは、ホウ酸ジエステルから水酸基を除去した基を意味し、ジアルキルエステル残基、ジアリールエステル残基、ジ(アリールアルキル)エステル残基などが挙げられる。ホウ酸エステル残基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
Figure 0006180099
式中、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
式(200)における、TおよびTで表されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、およびヨウ素原子が挙げられる。高分子化合物の合成の容易さからは、T1およびT2で表されるハロゲン原子は、臭素原子、およびヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
式(200)における、TおよびTで表されるスルホン酸残基とは、スルホン酸(−SOH)から酸性水素を除いた原子団を意味し、具体例としては、アルキルスルホネート基(例えば、メタンスルホネート基、エタンスルホネート基)、アリールスルホネート基(例えば、ベンゼンスルホネート基、p−トルエンスルホネート基)、アリールアルキルスルホネート基(例えば、ベンジルスルホネート基)およびトリフルオロメタンスルホネート基が挙げられる。
具体的には、Suzukiカップリング反応を行う方法としては、任意の溶媒中において、触媒としてパラジウム触媒を用い、塩基の存在下で反応させる方法等が挙げられる。
Suzukiカップリング反応に使用するパラジウム触媒としては、例えば、Pd(0)触媒、Pd(II)触媒が挙げられ、具体的には、パラジウム[テトラキス(トリフェニルホスフィン)]、パラジウムアセテート類、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウムが挙げられ、反応(重合)操作の容易さ、反応(重合)速度の観点からは、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましい。
パラジウム触媒の添加量は、特に限定されず、触媒としての有効量であればよいが、式(100)で表される化合物1モルに対して、通常、0.0001モル〜0.5モル、好ましくは0.0003モル〜0.1モルである。
Suzukiカップリング反応に使用するパラジウム触媒としてパラジウムアセテート類を用いる場合は、例えば、トリフェニルホスフィン、トリ(o−トリル)ホスフィン、トリ(o−メトキシフェニル)ホスフィン等のリン化合物を配位子として添加することができる。この場合、配位子の添加量は、パラジウム触媒1モルに対して、通常、0.5モル〜100モルであり、好ましくは0.9モル〜20モル、さらに好ましくは1モル〜10モルである。
Suzukiカップリング反応に使用する塩基としては、無機塩基、有機塩基、無機塩等が挙げられる。無機塩基としては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、水酸化バリウムが挙げられる。有機塩基としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンが挙げられる。無機塩としては、例えば、フッ化セシウムが挙げられる。
塩基の添加量は、式(100)で表される化合物1モルに対して、通常、0.5モル〜100モル、好ましくは0.9モル〜20モル、さらに好ましくは1モル〜10モルである。
Suzukiカップリング反応は、通常、溶媒中で行われる。溶媒としては、例えばN,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ジメトキシエタン、テトラヒドロフランが挙げられる。本発明に用いられる高分子化合物の溶解性の観点からは、トルエン、テトラヒドロフランが好ましい。また、塩基は、水溶液として加え、2相系で反応させてもよい。塩基として無機塩を用いる場合は、無機塩の溶解性の観点から、通常、水溶液として加えて反応させる。
なお、塩基を水溶液として加え、2相系で反応させる場合は、必要に応じて、第4級アンモニウム塩などの相間移動触媒を加えてもよい。
Suzukiカップリング反応を行う温度は、前記溶媒にもよるが、通常、50℃〜160℃程度であり、高分子化合物の高分子量化の観点からは、60℃〜120℃であることが好ましい。また、溶媒の沸点近くまで昇温し、還流させてもよい。反応時間は、目的の重合度に達したときを終点としてもよいが、通常、0.1時間〜200時間程度である。反応時間は、1時間〜30時間程度が効率的で好ましい。
前記反応は、アルゴンガス、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下、Pd(0)触媒が失活しない反応系で行う。例えば、アルゴンガスや窒素ガス等で、十分脱気された系で行う。具体的には、重合容器(反応系)内を窒素ガスで十分置換し、脱気した後、この重合容器に、式(100)で表される化合物、式(200)で表される化合物、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を仕込み、さらに、重合容器内を窒素ガスで十分置換し、脱気した後、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより、脱気した溶媒、例えば、トルエンを加えた後、この溶液に、あらかじめ窒素ガスでバブリングすることにより脱気した塩基、例えば、炭酸ナトリウム水溶液を滴下した後、加熱、昇温し、例えば、還流温度で8時間、不活性ガス雰囲気を保持しながら重合する。
電子供与性高分子化合物および電子受容性高分子化合物の末端は、重合活性基がそのまま残っていると、光電変換素子の作製に用いたときに得られる光電変換素子の特性、寿命が低下する可能性があるので、安定な基で保護されていてもよい。該安定な基は、主鎖の共役構造と連続した共役結合を有している基が好ましい。
<活性層の製造方法>
前記活性層の製造方法は、電子供与性高分子化合物および電子受容性高分子化合物を含む溶液からの成膜が好ましい。
溶液からの成膜に用いる溶媒は、電子供与性高分子化合物および電子受容性高分子化合物を溶解させるものであれば特に制限はない。該溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン等の炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素溶媒、および、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル溶媒が挙げられる。電子供与性高分子化合物および電子受容性高分子化合物は、通常、前記溶媒にそれぞれ0.1重量%以上溶解させることができる。
成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができ、スピンコート法、フレキソ印刷法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法、およびディスペンサー印刷法が好ましい。
<光電変換素子の用途>
本発明の光電変換素子は、透明または半透明の電極側から太陽光等の光を入射させることにより、電極間に光起電力が発生し、これにより光電変換素子を有機薄膜太陽電池として動作させることができる。有機薄膜太陽電池を複数集積してモジュール化することにより、有機薄膜太陽電池モジュールとすることができる。
また、電極間に電圧を印加した状態、あるいは無印加の状態で、透明または半透明の電極側から光を入射させることにより、光電流が流れ、これにより光電変換素子を有機光センサーとして動作させることができる。有機光センサーを複数集積してモジュール化することにより、複数の光電変換素子を含むイメージセンサーとすることができる。
<モジュール>
モジュールとは、複数の光電変換素子を含むデバイスである。モジュールは、複数の光電変換素子を集積した構成を有している。モジュールには、上記のような有機薄膜太陽電池モジュール、イメージセンサーなどが含まれる。
有機薄膜太陽電池モジュールは、従来の太陽電池モジュールと基本的には同様のモジュール構造をとりうる。有機薄膜太陽電池モジュールは、一般的には金属、セラミック等の支持基板の上に有機薄膜太陽電池が構成され、その上を充填樹脂、保護ガラス等で覆い、支持基板の反対側から光を取り込む構造をとるが、支持基板に強化ガラス等の透明材料を用い、その上に有機薄膜太陽電池を構成してその透明の支持基板側から光を取り込む構造とすることも可能である。モジュール構造としては、具体的には、スーパーストレートタイプ、サブストレートタイプ、ポッティングタイプと呼ばれるモジュール構造、アモルファスシリコン太陽電池などで用いられる基板一体型モジュール構造等が知られている。本発明の有機薄膜太陽電池も使用目的、使用場所および環境により、適宜これらのモジュール構造を選択できる。
代表的なスーパーストレートタイプあるいはサブストレートタイプのモジュール構造は、片側または両側が透明で反射防止処理を施された支持基板の間に一定間隔に有機薄膜太陽電池が配置され、隣り合う有機薄膜太陽電池同士が金属リードまたはフレキシブル配線等によって接続され、外縁部に集電電極が配置されており、発生した電力が外部に取り出される構造となっている。基板と有機薄膜太陽電池との間には、有機薄膜太陽電池の保護、集電効率向上のため、目的に応じエチレンビニルアセテート(EVA)等様々な種類のプラスチック材料をフィルムまたは充填樹脂の形で用いてもよい。また、外部からの衝撃が少ないところなど表面を硬い素材で覆う必要のない場所において使用する場合には、表面保護層を透明プラスチックフィルムで構成し、または上記充填樹脂を硬化させることによって保護機能を付与し、片側の支持基板をなくすことが可能である。支持基板の周囲は、内部の密封およびモジュールの剛性を確保するため金属製のフレームでサンドイッチして固定し、支持基板とフレームとの間は封止材料で密封シールする。また、有機薄膜太陽電池自体、支持基板、充填材料および封止材料に可撓性の素材を用いれば、曲面の上に有機薄膜太陽電池を構成することもできる。
ポリマーフィルム等のフレキシブル支持体を用いた有機薄膜太陽電池の場合、ロール状の支持体を送り出しながら順次に有機薄膜太陽電池を形成し、所望のサイズに切断した後、周縁部をフレキシブルで防湿性のある素材でシールすることにより有機薄膜太陽電池本体を作製できる。また、Solar Energy Materials and Solar Cells, 48, p383-391に記載の「SCAF」とよばれるモジュール構造とすることもできる。更に、フレキシブル支持体を用いた有機薄膜太陽電池は、曲面ガラス等に接着固定して使用することもできる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明は以下の実施例にに限定されない。
合成例1(高分子化合物A1の製造)
内部の気体をアルゴンガスで置換した容量200mLのフラスコに、下記式(I)で表される単量体(I)を0.945g(1.60mmol)、下記式(II)で表される単量体(II)を0.9164g(2.00mmol)、Aliquat336(シグマアルドリッチ社製)を460mg、トルエンを40mL、トリス(o−メトキシフェニル)ホスフィンを26.4mg加えて、懸濁液を得た。
Figure 0006180099
得られた懸濁液をアルゴンガスで30分間バブリングした。バブリング後、酢酸パラジウム(II)を5.2mg加え、100℃のオイルバスにフラスコを浸した。その後、16.7重量%の炭酸ナトリウム水溶液10mLを15分間かけて滴下した。滴下後、100℃で3.5時間攪拌し、その後、ホウ酸フェニル270mgを1mLのテトラヒドロフランに溶解させた溶液を加えてさらに9時間100℃で攪拌した。攪拌後、フラスコを25℃まで冷却し、トルエン25mLを加えた。得られた溶液を水50mLで2回洗浄し、3重量%の酢酸水溶液50mLで2回洗浄し、水50mLでさらに2回洗浄した。得られた有機層をメタノール1000mLに注いでポリマーを析出させた。析出したポリマーを濾過して集め、ポリマーを1.43g得た。得られたポリマーをクロロホルム100mLに溶解させ、100gのアルミナを充填したカラムを通過させた。得られたクロロホルム溶液をメタノールに注いで精製ポリマーを析出させ、濾過、乾燥することにより、下記式で表される高分子化合物A1を精製ポリマーとして得た。140℃で測定した高分子化合物A1のポリスチレン換算の重量平均分子量は8400であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は3300であった。
Figure 0006180099
合成例2(高分子化合物A2の製造)
単量体(I)を1.063g(1.80mmol)用いたこと以外は合成例1と同様にして合成を行い、下記式で表される高分子化合物A2を得た。常温で測定した高分子化合物A2のポリスチレン換算の重量平均分子量は20000であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は10200であった。
Figure 0006180099
合成例3(高分子化合物A3の製造)
合成例1において、単量体(I)を1.181g(2.00mmol)用いたこと以外は同様にしてポリマーの製造を行い、下記式で表される高分子化合物A3を得た。140℃で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は78000であり、ポリスチレン換算の数平均分子量は28000であった。
Figure 0006180099
実施例1(有機薄膜太陽電池の作製および評価)
スパッタ法により150nmの厚さでITO膜を付けたガラス基板を、紫外線の照射により発生したオゾンで洗浄し、表面処理を行った。次に、電子供与性高分子化合物である高分子化合物B(シグマアルドリッチ社製)および電子受容性高分子化合物A3と電子受容性高分子化合物A2を、下記式で表される高分子化合物Bの重量に対する重量の比が2:1:1となるようクロロホルムに溶解させてクロロホルム溶液を調製した。高分子化合物Bのポリスチレン換算の数平均分子量は22300であり、ポリスチレン換算の重量平均分子量は42300であった。得られたクロロホルム溶液をITO膜上にスピンコート法により塗布して活性層を作製した。活性層の厚さは約60nmであった。該活性層を140℃で10分間不活性ガス雰囲気下で熱処理した後、真空蒸着機によりCaを厚さ15nmで該活性層上に蒸着し、次いで、Alを厚さ70nmで蒸着し、有機薄膜太陽電池を作製した。得られた有機薄膜太陽電池の形状は、半径1.5mmの円状であった。得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーター(イーグルエンジニアリング社製、500Wキセノン光源装置LHX−500E3:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm)を用いて一定の光を照射し、発生する電流を測定して短絡電流密度、開放電圧、曲線因子、および光電変換効率を求めた。短絡電流密度は4.61mA/cmであり、開放電圧は1.27Vであり、曲線因子は0.54であり、光電変換効率は3.2%であった。
Figure 0006180099
比較例1(有機薄膜太陽電池の作製および評価)
電子受容性高分子化合物にA3を用いた以外は、実施例1と同様にして有機薄膜太陽電池を作製し、評価した。短絡電流密度は3.88mA/cmであり、開放電圧は1.26Vであり、曲線因子は0.55であり、光電変換効率は2.7%であった。
以上のように、本発明の光電変換素子にかかる実施例によれば、光電変換効率を向上させることができる。上記実施例から明らかな通り、短絡電流密度が向上していることから、活性層における電子受容性高分子化合物と電子供与性化合物との接触界面の面積がより増加しており、かつ接触界面がより共連続となっていることが示唆される。よって本発明の光電変換素子は、有機薄膜太陽電池、光センサーなどの光電デバイスに好適に適用することができ、特に、有機薄膜太陽電池に好適に適用することができる。

Claims (9)

  1. 第1の電極と、第2の電極と、該第1の電極および該第2の電極間に設けられる活性層とを備える光電変換素子であって、
    前記活性層は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定されたポリスチレン換算の重量平均分子量が異なる2種以上の電子受容性高分子化合物と、電子供与性高分子化合物とを含み、
    前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種の化合物は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が50000以上であり、
    前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種の化合物は、ポリスチレン換算の重量平均分子量が50000未満であり、
    前記ポリスチレン換算の重量平均分子量が50000以上である化合物と前記ポリスチレン換算の重量平均分子量が50000未満である化合物とを構成する単量体が同一である、光電変換素子。
  2. 前記電子供与性高分子化合物および前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、アリーレン基、および2価の複素環基からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位を含む高分子化合物である、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちのポリスチレン換算の重量平均分子量が最も大きい電子受容性化合物の割合が、30重量%以上、70重量%以下である、請求項1又は2に記載の光電変換素子。
  4. 前記電子供与性高分子化合物および前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種の化合物の両方が、2価の芳香族炭化水素基、および2価の複素環基からなる群から選ばれる1種以上の繰り返し単位のみからなる高分子化合物である、請求項1から3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 電子供与性高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量が10000以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 電子供与性高分子化合物および前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、チオフェン骨格を有する繰り返し単位を含む高分子化合物である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  7. 電子供与性高分子化合物および前記2種以上の電子受容性高分子化合物のうちの少なくとも1種が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の光電変換素子。
    Figure 0006180099
    (式(1)中、R、R、R、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。R、R、R、R、RおよびRのうちの2個が連結し、連結するR、R、R、R、RおよびRのうちの2個が結合している炭素原子とともに環状構造を形成していてもよい。X、XおよびXは、それぞれ独立に、硫黄原子、酸素原子、セレン原子、−N(R)−で表される基、またはCR=CR−で表される基を表す。R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。nおよびmは、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Rが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Xが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。Xが複数個ある場合、それらは同一であっても相異なっていてもよい。)
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子を含むモジュール。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の光電変換素子を含むイメージセンサー。
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