JP6179904B2 - ソラフェニブの副作用低減剤 - Google Patents

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Description

本発明は、4−[4−[3−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド]フェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボアミド(以下、「ソラフェニブ」ともいう。)の副作用の低減剤や、ソラフェニブによる抗がん作用の増強剤等に関し、より詳しくは、4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸(以下、「デフェラシロックス」ともいう。)又はその薬理的に許容される塩を有効成分とする、がん治療において生じるソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与による副作用の低減剤や、デフェラシロックス又はその薬理的に許容される塩を含んでなる、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与による抗がん作用の増強剤等に関する。
我が国における死亡原因の第一位はがんであり、その対策は国民の健康という観点から最重要課題となっている。現在行われているがんの治療方法としては、外科的治療、放射線治療、化学療法、免疫療法等があり、その中でも抗がん剤を利用した化学療法は広く用いられている。しかし、抗がん剤の多くは、がん細胞だけでなく正常細胞にまで傷害を及ぼすため、副作用が多いという問題点があり、がんを効果的に治療し得る有効な治療剤の開発は容易ではなく、未だ十分な治療剤は得られていない。
がんの中で、肝細胞がんは世界中で最も頻出の高い固形がんのひとつであり、2011年の日本における肝細胞がんによる死亡率は、悪性新生物による死亡率第4位(年間約3万5千人)である。肝細胞がんは、早期で発見されても年率15〜20%の再発を繰り返すがんであり、やがて肝線維化が進行すると共にがんの数も大きさも増えて進行肝細胞へと移行し、治療が困難となる。現在の進行肝細胞がんの治療は、抗がん剤を肝臓に直接動脈から注入する治療法(肝動注化学療法)や、経口摂取する治療法しかない。これらの治療法に反応しない進行肝細胞がんに対しては、有効な治療法がないのが現状である。
抗がん剤のひとつであるソラフェニブは経口投与が可能な分子標的薬であり、がん細胞において、がん細胞の増殖に働くMAPキナーゼ経路におけるRafの活性を直接阻害する他、血管新生に働くVEGF受容体、PDGF受容体活性を合わせて阻害するキナーゼ阻害剤である。このソラフェニブはバイエル薬品社とオニキス・ファーマシューティカル社が開発し、ソラフェニブのトシル塩(BAY43−9006)が製剤化され、2009年9月現在、腎細胞がんに対して80カ国以上、肝細胞がんに対して70カ国以上で承認されている。国内においては、ネクサバール(登録商標)としてバイエル薬品社によって販売されており、切除不能の肝細胞がんの全身化学療法として唯一承認されている治療薬である。
しかしながら、実際のソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与では、手足症候群、剥奪性皮膚炎、湿疹、脱毛、紅斑、消化管出血、気道出血、脳出血、口腔内出血、鼻出血、爪床出血、血腫、腫瘍出血、食欲不振、体重低下、肝重量低下、肝機能低下等の重篤な副作用を引き起こし、患者のQOL(生活の質)が著しく低下するだけでなく、投薬開始後早期に減薬や中止を余儀なくされるケースがしばしば問題となっている。
一方、近年、がんの化学療法剤として鉄キレート剤が着目されてきた。本発明者らは、鉄キレート剤であるデフェロキサミンが顕著な抗腫瘍効果を有することを見出し、臨床において動注化学療法が無効な進行肝がんに対して新規治療法のひとつとなりうることを明らかにした(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。しかしながら、デフェロキサミンは血中有効半減期が短いことにより、治療における投与方法が静脈投与となるために、持続投与が必要であり、病期において限定的であるという問題があった。
このほか、鉄キレート剤であるデフェラシロックス単独でも肝線維化及び肝がん発生を抑制することが知られているが(例えば、非特許文献2参照)、その肝線維化及び肝がん発生抑制効果も十分ではなかった。
さらに、哺乳類、とりわけヒトにおける新生物細胞及び/又は組織の成長及び/又は増殖に関連する及び/又は難治性血管形成によって引き金となる疾患を、(a)鉄キレート剤;及び(b)1種以上の薬学的活性剤、を含む医薬の組合せによって予防又は処置する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、この方法は、デフェラシロックスと5−フルオロウラシル、マイトマイシンC、シスプラチン、ロイコボリン及びTumodexとの併用による細胞レベルでの抗増殖活性を示しているにすぎない。
なお、ソラフェニブと抗体との組み合わせによるソラフェニブの副作用低減として、ソラフェニブとグリピカン3抗体を組み合わせてなる、肝がんを治療又は予防するための医薬組成物が知られているが(例えば、特許文献3参照)、抗体を作製することによる生産性やコスト面での問題がある。
特開2009−196959号公報 特表2009−536180号公報 再表2009−122667号公報
Yamasaki T. et al., (2011) N. Engl. J. Med. 365: 576-578 Kaji K. et al., (2011) Am. J. Physiol Gastrointest Liver Physiol. 300: G1094-G1104
本発明の課題は、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩を投与することによるがん治療における副作用の低減剤や、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩を投与することによる抗がん作用の増強剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討し、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩との併用剤を検討する中で、鉄キレート剤自体のがんに対する治療効果の作用機序が不明であるにもかかわらず、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩と鉄キレート剤との併用を検討したところ、偶然にもソラフェニブのトシル酸塩と鉄キレート剤であるデフェラシロックスとを併用することで、ソラフェニブにおける副作用の一つである手足症候群の改善が観察された。
そこで、さらに研究を進めた結果、単に手足症候群の改善が認められただけでなく、デフェラシロックスをソラフェニブのトシル酸塩と併用することでソラフェニブによる様々な副作用を低減し、加えてソラフェニブのトシル酸塩の投与によるある種の副作用とも考えられる生存期間の減少を抑えることを見出した。また、デフェラシロックスをソラフェニブのトシル酸と併用することでソラフェニブよる抗がん作用が増強することも見出した。本発明はこれら知見により完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、[1]4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸又はその薬理的に許容される塩を有効成分とする、がん治療において生じる4−[4−[3−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド]フェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボアミド又はその薬理的に許容される塩の投与による副作用の低減剤や、[2]がん治療が、肝細胞がんの治療であることを特徴とする上記[1]記載の副作用の低減剤や、[3]副作用が、手足症候群、剥奪性皮膚炎、湿疹、脱毛、紅斑、消化管出血、気道出血、脳出血、口腔内出血、鼻出血、爪床出血、血腫、腫瘍出血、食欲不振、体重低下、肝重量低下、肝機能低下のいずれかであることを特徴とする上記[1]又は[2]記載の副作用の低減剤や、[4]経口薬であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれか記載の副作用の低減剤や、[5]4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸又はその薬理的に許容される塩を含んでなる、4−[4−[3−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド]フェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボアミド又はその薬理的に許容される塩の投与による抗がん作用の増強剤や、[6]抗がん作用が、肝細胞がんの発がん抑制作用であることを特徴とする上記[5]記載の抗がん作用の増強剤や、[7]抗がん作用が、肝組織の線維化抑制作用であることを特徴とする上記[5]記載の抗がん作用の増強剤や、[8]4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]安息香酸又はその薬理的に許容される塩と4−[4−[3−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド]フェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボアミド又はその薬理的に許容される塩とを備えてなる、がんの治療又は予防のためのキットに関する。
本発明の副作用の低減剤によると、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与による皮膚症状、出血、体重や肝重量の低下、さらには生存期間の減少等の副作用を改善することができる。また、本発明の抗がん作用の増強剤によると、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与による肝細胞がんの発がん抑制効果若しくは肝組織の線維化抑制効果を増強することにより、従来よりも少量のソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与によりがん治療が可能となる他、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩を早期より長期的に持続投与することが可能となるため、難治性肝硬変の肝線維化を抑制し、肝細胞がん発症を抑制することが可能となる。
肝線維化・肝発がんラットの生存率を調べた結果を示す図である。縦軸は各群においてすべてのラットが生存している場合を1とした場合のラットの生存率を示し、横軸はコリン欠乏食(CDAA食)投与開始からの日数(日)を示す。 肝線維化・肝発がんラットのアザン染色結果を示す図である。図2上段左は(1)CDAAのみ持続投与群(CDAA only 16w)、図2上段中は(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群(CDAA+Deferasirox 16w)、図2上段右は(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群(CDAA+Sorafenib+Deferasirox 16w)である。図2下段は、縦軸がアザン陽性エリア(%)、横軸は左から順に(1)CDAAのみ持続投与群(CDAA16w)、(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群(CDAA+DEF 16w)、(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群(CDAA+SOR 16w)、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群(CDAA+SOR+DEF 16w)である。なお、「DEF」はデフェラシロックスを、「SOR」はソラフェニブをそれぞれ表す(以下同様)。 肝線維化・肝発がんラットのGST−P抗体による免疫組織染色結果を示す図である。図3上段は、縦軸がGST-P染色による腫瘍領域(%)、横軸は左から順に(1)CDAAのみ持続投与群(CDAA16w)、(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群(CDAA+DEF 16w)、(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群(CDAA+SOR 16w)、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群(CDAA+SOR+DEF 16w)である。図3下段は、縦軸が単位面積(1cm)あたりの腫瘍個数、横軸は図3上段と同様である。
本発明のがん治療において生じるソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与による副作用の低減剤(以下、単に「本発明の副作用の低減剤」ともいう。)としては、下記式(I)で示される4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸(デフェラシロックス)又はその薬理的に許容される塩を有効成分として含むものであれば特に制限されない。上記本発明の副作用の低減剤をソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩と併用して投与することにより、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与による副作用を低減することができる。
上記式(I)で示される化合物は、国内では「エックスジェード(登録商標)」として、海外では「Exjade(登録商標)」として、ノバルティスファーマ社からキレート剤として販売されている。このデフェラシロックス又はその薬理的に許容される塩は、市販品を用いてもよく、あるいは、例えば1997年12月31日公開の国際公開第97/49395号パンフレットに記載されている公知の方法により製造することができる。
デフェラシロックスの薬理的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩や、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩や、亜鉛塩等の遷移金属塩や、環状アミン塩や、モノ−、ジ−若しくはトリ−低級アルキルアミン塩や、モノ−、ジ−若しくはトリヒドロキシ−低級アルキルアミン塩や、ポリヒドロキシ−低級アルキルアミン塩等のヒドロキシ−低級アルキルアミン塩や、ヒドロキシ−低級アルキル−低級アルキルアミン塩を挙げることができる。
本発明における4−[4−[3−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド]フェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボアミド(ソラフェニブ)又はその薬理的に許容される塩は、下記の式(II)で示される化合物又はその薬理的に許容される塩を有効成分として含むものであれば特に制限されない。ソラフェニブはRafキナーゼ、PDGFRキナーゼ、VEGFRキナーゼ、KITキナーゼを阻害するマルチキナーゼ阻害剤である。
上記式(II)で示される化合物は、国内では「ネクサバール(登録商標)」として、海外では「Nexavar(登録商標)」として、バイエル薬品社から販売されている。このソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩は、市販品を用いてもよく、あるいは、例えば特許第3845792号公報に記載されている公知の方法により製造することができる。
ソラフェニブの薬理的に許容される塩としては、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩等の各無機酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、コハク酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、グリコール酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、クエン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、p−トルエンスルホン酸(トシル酸)塩、メタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、1−ナフタレンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩等の各有機酸付加塩を挙げることができ、特にトシル酸塩を好適に挙げることができる。
本発明において、副作用としてはソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与により生じるものである限り特に制限されないが、皮膚症状(手足症候群、剥奪性皮膚炎、湿疹、脱毛、紅斑)、出血(消化管出血、気道出血、脳出血、口腔内出血、鼻出血、爪床出血、血腫、腫瘍出血)、食欲不振、体重低下、肝重量低下、肝機能低下、酸化ストレスを挙げることができ、特に手足症候群、剥奪性皮膚炎、湿疹、脱毛、紅斑、消化管出血、食欲不振、体重低下、肝重量低下を好適に挙げることができる。
ここで、副作用の低減とは、皮膚症状、出血、食欲不振等の上記副作用の症状が低くなることをいい、例えば、皮膚症状であればその症状が生じる面積が減ることや、出血であれば出血する個所や出血量が低下すること等をいう。さらに、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の過剰投与等により、副作用が昂進する結果、所定期間内における生存率が低下するおそれがあるが、かかる副作用の昂進を改善することもできる。
本発明のソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩による抗がん作用の増強剤(以下、「本発明の抗がん作用の増強剤」ともいう。)としては、上記式(I)で示されるデフェラシロックス又はその薬理的に許容される塩を有効成分として含むものであれば特に制限されない。本発明の抗がん作用の増強剤におけるデフェラシロックスの薬理的に許容される塩やソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩としては、上記本発明の副作用の低減剤の場合と同様の塩を挙げることができる。
本発明の対象とするがんとしては、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩が抗がん作用を発揮するがんである限り特に制限されないが、例えば、肝細胞がん、腎細胞がん、乳がんを挙げることができ、肝細胞がんをより好適に挙げることができる。
本発明の抗がん作用の増強剤における抗がん作用としては特に制限されないが、肝細胞がん等の発がん抑制、肝組織等の線維化抑制、酸化ストレス抑制、肝臓等の臓器の機能改善等を挙げることができ、肝細胞がんの発がん抑制又は肝組織の線維化抑制を好適に挙げることができる。
本発明の副作用の低減剤や本発明の抗がん作用の増強剤におけるデフェラシロックス又はその薬理的に許容される塩は、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩の投与による副作用を低減する旨の添付文書等、又は、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩による抗がん作用を増強する旨の添付文書等と共に単独製剤として提供することもできるが、上記添付文書等と共に、デフェラシロックス又はその薬理的に許容される塩とソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩との混合製剤とすることもできる。
本発明のがんの治療又は予防のためのキットとしては、デフェラシロックス又はその薬理的に許容される塩と、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩とをそれぞれ有効成分とする個別の製剤の組合せ(組合せ製剤)として含むキットであれば特に制限されず、上記キットによりがんの治療又は予防を行うための方法を記載した添付文書等を含んでもよく、かかるがんの治療又は予防のためのキットを用いると、ソラフェニブの副作用が低減されるとともに抗がん作用が増強されることから、早期より長期持続投与が可能となるため、難治性肝硬変の肝線維化を抑制し、肝細胞がん発症を抑制することが可能となる。
本発明の副作用の低減剤、本発明の抗がん作用の増強剤、及び本発明のがんの治療又は予防のためのキットの投与対象としては、哺乳動物又は哺乳動物細胞を好適に挙げることができ、かかる哺乳動物の中でも、ヒト、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーをより好適に挙げることができ、ヒトを特に好適に挙げることができる。
本発明の副作用の低減剤(単独製剤又は混合製剤)、本発明の抗がん作用の増強剤(単独製剤又は混合製剤)、及び本発明のがんの治療又は予防のためのキットの各組合せ製剤の剤型としては、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、溶液剤、乳剤、懸濁剤、シロップ剤、カプセル剤、坐剤、注射剤等を挙げることができる。これらの製剤は、製剤上の必要に応じて、適宜の薬理的に許容される担体、例えば、溶媒、賦形剤、結合剤、溶解補助剤、懸濁化剤、乳化剤、等張化剤、緩衝剤、安定化剤、無痛化剤、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、滑沢剤、崩壊剤、湿潤剤、吸着剤、甘味剤、希釈剤等の任意成分を配合することにより製造することができる。
本発明の副作用の低減剤、本発明の抗がん作用の増強剤、及び本発明のがんの治療又は予防のためのキットの各成分の投与方法は、本発明の副作用の低減効果、本発明の抗がん作用の増強効果を有する限り特に制限されないが、経口投与、あるいは直腸内投与、口腔内投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与等の非経口投与を挙げることができ、負担の重い持続注入治療を行う必要がない点で経口投与が好ましい。さらに、本発明の副作用の低減剤(単独製剤)、本発明の抗がん作用の増強剤(単独製剤)、及び本発明のがんの治療又は予防のためのキットの各成分は、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩と同時に投与にしてもよく、いずれか一方を先に投与してもよいが、より優れた本発明の副作用の低減作用又は抗がん作用の増強を得る観点から、ソラフェニブ又はその薬理的に許容される塩と同時に投与することが好ましい。
本発明の副作用の低減剤、本発明の抗がん作用の増強剤、及び本発明のがんの治療又は予防のためのキットにおけるデフェラシロックスの投与量としては、本発明の副作用の低減効果、本発明の抗がん作用の増強効果を有する限り特に制限されないが、例えばヒトの成人の場合には、ソラフェニブに対して20〜500質量%、好ましくは50〜300質量%、より好ましくは100〜200質量%、さらに好ましくは130〜170質量%を好適に挙げることができる。デフェラシロックスの一日の投与量としては、ソラフェニブの投与量に応じて適宜調整できるが、例えばヒトの成人の場合には、5〜30mg/kg、好ましくは10〜25mg/kg、より好ましくは18〜22mg/kgを挙げることができる。
一方、ソラフェニブの一日の投与量としては特に制限されないが、例えばヒトの成人の場合には、14mg/kgを超えないことが好ましい。
本発明の副作用の低減剤、本発明の抗がん作用の増強剤、及び本発明のがんの治療又は予防のためのキットにおけるデフェラシロックスの投与時間帯は特に制限されず、朝でも夕方でもよいが、投与量が多い場合は一日に複数回に分けて投与する方が好ましい。
以下の実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[肝線維化・肝発がんラットの観察]
(肝線維化・肝発がんラットの作製)
6週齢Wister系雄性ラット(SLC社製)80匹(各群20匹)にコリン欠乏食(Choline-deficient L-amino acid-defined:CDAA(518752 Choline Deficient Diet:Dyets Inc.社製)を持続投与して、12時間明暗周期、25℃で16週間(112日)飼育し、以下の(1)〜(4)に示す4つの群の肝線維化・肝発がんラットを作製した。なお、このCDAA食による肝線維化・肝発がんラットは、臨床で遭遇する肝硬変から肝がん発症状態を発現できる唯一のモデルである。
(1)CDAAのみ持続投与群
(2)CDAA+デフェラシロックス20mg/kg/day単剤持続投与群(以下、「CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群」ともいう。)
(3)CDAA+ソラフェニブ13.3mg/kg/day単剤持続投与群(以下、「CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群」ともいう。)
(4)CDAA+ソラフェニブ13.3mg/kg/day+デフェラシロックス20mg/kg/day併用持続投与群(以下、「CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群」ともいう。)
上記デフェラシロックスとしてはノバルティス社製のエックスジェード(登録商標)を用い、上記ソラフェニブとしてはバイエル薬品社製のネクサバール(登録商標)を用いた。なお、ネクサバール1mg中にはソラフェニブを1mg(ソラフェニブトシル酸塩として1.37mg)含有している。投与方法はいずれも経口投与であり、また、上記(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群においては、ソラフェニブとデフェラシロックスを同時に投与した。
(結果)
上記(1)〜(4)の4つの群の肝線維化・肝発癌ラットにおいて、以下の(a)〜(c)の3つの項目について観察を行った。
(a)皮膚症状
(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群では、(1)CDAAのみ持続投与群や(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群と比較すると、皮膚症状として手足症候群、剥奪性皮膚炎、湿疹、脱毛、紅斑が観察されたが、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群においては、上記皮膚症状を有意に抑制した。
(b)出血
(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群では、(1)CDAAのみ持続投与群や(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群と比較して消化管出血がみられたが、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群においては、消化管出血を有意に抑制していた。
(c)食欲
(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群では、(1)CDAAのみ持続投与群や(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群と比較して食欲不振がみられたが、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群においては、食欲不振を有意に改善していた。
上記観察結果より、本発明の副作用の低減剤は、ソラフェニブによって引き起こされる副作用を有意に低減させることが明らかとなった。
[体重、肝重量の検討]
(測定項目)
実施例1で作製した(1)〜(4)の4群の16週目(112日目)のラットにおける体重、肝重量を測定した。
(結果)
体重においては、(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群では、(1)CDAAのみ持続投与群(245.1±7.7g)に対して32%も減少していた(166.2±18.8g)が、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群では(1)CDAAのみ持続投与群に対して10%しか減少していなかった(221.4±5.1g)。また、肝重量においては、(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群では、(1)CDAAのみ持続投与群(14.7±0.8g)に対して50%も減少していた(7.3±1.8g)が、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群では(1)CDAAのみ持続投与群に対して11%しか減少していなかった(13.1±0.1g)。したがって、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群はソラフェニブによる副作用である体重低下、肝重量低下を低減させていることが明らかとなった。なお、CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群は(1)CDAAのみ持続投与群と体重(240.5±3.8g)、肝重量(13.9±0.1g)ともにほぼ同じであった。
[各投与群における生存期間の検討]
(肝線維化・肝発がんラットの作製)
6週齢Wister系雄性ラット(SLC社製)36匹(各群9匹)にコリン欠乏食(Choline-deficient L-amino acid-defined:CDAA(518752 Choline Deficient Diet:Dyets Inc.社製)を持続投与して、12時間明暗周期、25℃で飼育し、実施例1と同様に(1)〜(4)の4つの群の肝線維化・肝発癌ラットに分けて生存期間の検討を行った。用いたデフェラシロックスやソラフェニブ及びその投与量は実施例1の(1)〜(4)の各群と同様である。なお、ソラフェニブは、ヒトの成人に対して投与する投与量の上限(13.3mg/kg/day)を投与しており、この投与量は、ヒトの成人でさえ重篤な副作用を引き起こすことにより投薬開始後早期に減薬や中止を余儀なくされるケースがしばしば問題となっている量である。
(結果)
図1から明らかなように、(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群(・・■・・)では90日目から死亡するラットが生じ、100日目にはおよそ半分のラットが死亡し、140日目にはすべてのラットが死亡した。一方、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群(‐▲‐)では200日目まではすべてのラットが生存し、280日目でも半数以上のラットが生存し、380日目でも3割以上のラットが生存していた。このことから、デフェラシロックスをソラフェニブに併用することでソラフェニブによる副作用の一つとも考えられる「生存期間の減少」を著しく改善していることが明らかとなった。なお、図中、実線(―)は(1)CDAAのみ持続投与群、(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群であり、同様の結果であったため、一つの実線で示している。
[肝機能線維化抑制効果の検討]
(パラフィン包埋未染標本の作製)
実施例1で得られた(1)〜(4)の4群の16週目(112日目)の肝線維化・肝発がんラットに対して、アザン(Azan)染色を行った。(1)〜(4)の各群のラットから微量の肝組織を採取し、採取された肝組織をホルマリンに漬け、ホルマリン固定した組織からパラフィン包埋未染標本を作製した。
(アザン染色)
上記のパラフィン包埋未染標本について、線維組織染色のためのアザン染色を常法に従って行った。すなわち、パラフィン切片の脱パラフィン操作を行った後、10%重クロム酸カリウム/10%トリクロル酢酸等量混合液中にて、20分間媒染し、蒸留水で水洗(5分間)した後、0.8%オレンジG水溶液中で10分間浸漬した。蒸留水水洗(約10秒間、以下同様)の後、アゾカルミンG液中で60分間浸漬し、蒸留水水洗の後、アニリン・アルコール中で3秒間浸漬して分別した。蒸留水で水洗した後、酢酸アルコール中で1分間処理し、蒸留水で水洗した後、さらに2.5%リンタングステン酸溶液中で20分間処理した。これを蒸留水で水洗した後、アニリン青/オレンジG混合液中で20〜60分間、鏡検しながら染色した。染色後、水洗し、脱水、透徹及び封入を行った。アザン陽性エリア比は、蛍光顕微鏡画像処理システム Meta Morph(オリンパス社製)を用いて分析した。結果を図2に示す。
(結果)
図2上段の写真から明らかなように、(1)CDAAのみ持続投与群に対して(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群でも肝線維化がある程度抑制されていたが、(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群ではほとんど肝線維化が見られないほど肝線維化を抑制していた。また、図2下段のアザン陽性エリアにおいて、(1)CDAAのみ持続投与群に対して、(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群はアザン陽性エリアがおよそ1/7.5低下しているが、(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群はおよそ1/4しか低下していなかった。しかしながら、このデフェラシロックスをソラフェニブと併用した(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群では、驚くことにアザン陽性エリアがおよそ1/30にまで低下していた。この結果から、デフェラシロックスをソラフェニブと併用することにより、単に相加的な効果にとどまらず相乗的な効果として、ソラフェニブの肝線維化抑制効果を増強していることが明らかとなった。
[肝発がん抑制効果の検討]
(GST−P抗体による免疫組織染色)
実施例1で得られた(1)〜(4)の4群の16週目(112日目)の肝線維化・肝発がんラットに対してGST−P抗体による免疫組織染色を行った。まず、実施例4と同様の方法でパラフィン包埋未染標本を作製し、パラフィン切片の脱パラフィン操作を行った後、抗ラットGST−P抗体(ABCAM社製)を用い、アビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ複合体(ABC)法を行い、その後GST−P染色を、高倍率顕微鏡(オリンパス社製)にて観察した。組織小片の面積あたりのGST−P陽性面積の割合(%)と、単位面積(1cm)あたりの腫瘍個数は蛍光顕微鏡画像処理システム Meta Morph(オリンパス社製)によって求めた。結果を図3に示す。
(結果)
図3上段において、腫瘍領域が(1)CDAAのみ持続投与群に対して、(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群はおよそ1/30低下しているが、(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群はおよそ1/6.5しか低下していなかった。しかしながら、このデフェラシロックスをソラフェニブと併用した(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群では、腫瘍領域が(1)CDAAのみ持続投与群に対しておよそ1/46にまで低下していた。この結果から、ソラフェニブとデフェラシロックスとの併用により、単に相加的な効果にとどまらず相乗的な効果として、ソラフェニブの肝線維化抑制効果を増強していることが明らかとなった。
また、図3下段において、腫瘍個数が(1)CDAAのみ持続投与群に対して、(3)CDAA+ソラフェニブ単剤持続投与群はおよそ1/7低下しているが、(2)CDAA+デフェラシロックス単剤持続投与群はおよそ1/3しか低下していなかった。しかしながら、このデフェラシロックスをソラフェニブと併用した(4)CDAA+ソラフェニブ+デフェラシロックス併用持続投与群では、腫瘍個数が(1)CDAAのみ持続投与群に対して、驚くことにおよそ1/20にまで低下していた。この結果から、デフェラシロックスをソラフェニブと併用することにより、単に相加的な効果にとどまらず相乗的な効果として、ソラフェニブの肝発がん抑制効果を増強していることが明らかとなった。
本発明の副作用の低減剤、本発明の抗がん作用の増強剤、及び本発明のがんの治療又は予防のためのキットは、医薬・医療の分野で有利に使用することができる。

Claims (8)

  1. 4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする、がん治療において生じる4−[4−[3−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド]フェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボアミド又はその薬理的に許容される塩の投与による副作用の低減剤。
  2. がん治療が、肝細胞がんの治療であることを特徴とする請求項1記載の副作用の低減剤。
  3. 副作用が、手足症候群、剥奪性皮膚炎、湿疹、脱毛、紅斑、消化管出血、気道出血、脳出血、口腔内出血、鼻出血、爪床出血、血腫、腫瘍出血、食欲不振、体重低下、肝重量低下、肝機能低下のいずれかであることを特徴とする請求項1又は2記載の副作用の低減剤。
  4. 経口薬であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の副作用の低減剤。
  5. 4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル]安息香酸又はその薬学的に許容される塩を含んでなる、4−[4−[3−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド]フェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボアミド又はその薬理的に許容される塩の投与による抗がん作用の増強剤。
  6. 抗がん作用が、肝細胞がんの発がん抑制作用であることを特徴とする請求項5記載の抗がん作用の増強剤。
  7. 抗がん作用が、肝組織の線維化抑制作用であることを特徴とする請求項5記載の抗がん作用の増強剤。
  8. 4−[3,5−ビス(2−ヒドロキシフェニル)−1H−[1,2,4]トリアゾール−1−イル]安息香酸又はその薬学的に許容される塩と4−[4−[3−[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]ウレイド]フェノキシ]−N−メチルピリジン−2−カルボアミド又はその薬理的に許容される塩とを備えてなる、がんの治療又は予防のためのキット。
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