JP6178961B2 - 磁場計測装置及びこの磁場計測装置を用いた非破壊検査装置 - Google Patents
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Description
本発明は、磁気センサを用いた磁場計測装置及びこの磁場計測装置を用いた非破壊検査装置に関する。
各種用途に応じて様々な磁気センサが使われている。広く使われているものとしてホール素子があり、素子中に流れる電流に磁場がかけられると、磁場の方向と直交する方向に起電力が発生するホール効果を用いたものである。ホール素子はモータなどの回転機構の位置検出や、携帯電話などの開閉スイッチなど広く用いられている。高感度な磁気センサとして磁気インピーダンス(MI)素子があり、アモルファス合金ワイヤをパルス電流駆動させた時のインピーダンスが磁場によって変化する現象を用いている。空間分解能が優れたものとして、磁気抵抗(MR)素子があり、磁気ハードディクスの磁気記録のデジタルデータの読み出し用として広く使われている。磁気抵抗素子は計測磁場に対して抵抗が変化する現象を用いたもので、その動作原理には様々なものがあり、巨大磁気抵抗(GMR)素子や、トンネル型磁気抵抗(TMR)素子、異方性磁気抵抗(AMR)素子などがある。
最近では、これらホール素子やMI素子、MR素子などは、デジタル計測のみなら高感度な磁気センサとして、アナログ計測なら地磁気を計測するコンパス等として様々な用途の開発がなされている。アナログ計測用としての磁気センサの特性は、磁気強度に応じたセンサ出力値の関係での線形性や、その磁場強度範囲であるダイナミックレンジや、計測できる磁場の最少分解能などの性能が重要となる。このため、これらの向上を目的とする開発が行われてきている。
MI素子やMR素子などを用いて磁気計測しようとすると、印加磁場に対する出力電圧の出力特性が偶関数となる特性、すなわち偶関数特性をもっているため、検出した磁場の方向がプラス方向なのかマイナス方向なのかを判定することは、そのままではできない。このため、磁場の方向が分かるようにするため、各種計測方法が報告されている。例えばMRセンサでは、素子パターンを直交させた1対のMR素子でブリッジ構成を取り、それぞれに45°の方向にバイアス磁場を印加したものが報告されている(非特許文献1)。また、偶関数特性をもつている磁気センサにおいて、線形性の特性を示す領域だけで動作させるようにバイアス磁場を印加して用いる方法もあり、バイアス磁場の印加方法として磁石を磁気センサと一緒に実装することが提案されている(特許文献1)。また、線形性のない磁気センサとして超伝導量子干渉素子(SQUID)があり、計測磁場に対して繰り返しの電圧出力しかしないが、一定の動作点で駆動するようにフィードバックコイルと負帰還回路であるFLL(Flux Locked Loop)回路を用いて、常に入力磁場を打ち消すようにしている。このように各種アナログ応用の磁気センサでは、入力磁場に対してセンサ出力が線形性を示すように工夫がされている。
金属材料の欠陥を検査する非破壊検査方法として、被検体に渦電流を発生させ、渦電流から発生する磁場を検出コイル等の磁気センサを用いて計測する方法は古くから渦流探傷試験として良く知られ、広く用いられている。この試験方法は被検体の金属表面に生じた欠陥の有無によって渦電流の分布が変化することにより、渦電流が作る磁場も変化するので、この検出磁場変化を捉えている。
渦流探傷試験において、金属表面を検査するために磁気プローブを表面に当てて測定する検出コイルは、一般的に上置コイルと呼ばれる。この上置コイルには様々な形態があるが、上置コイルのコイル面が金属表面と平行、つまり印加磁場と検出磁場が金属表面に垂直になるものが広く使われる。しかし検出コイルは低周波では感度が低いため、高周波しか用いることができず、表面の検査に限定されていた。この問題を解決するため、検出コイルの代わりに磁気センサを用いた渦電流検査装置を発明者は報告した(特許文献2)。磁気センサとしては、先に述べたように入力磁場に対して線形応答特性のあるものが使われた。
磁気センサ理工学、毛利佳年雄著、コロナ社 pp. 89-91
磁気センサを用いた渦電流検査装置では、磁気センサの近くに配置したコイルに直流電流を流して動作点を決定しているが、その直流電流の揺らぎ、あるいは地磁気などの直流磁場によって計測磁場のゼロ点がゆらぐため、方向性が誤判定されることがあった。また、負帰還回路を用いた場合も同様に、一度、磁気センサを校正してゼロ点を決定する必要があった。
しかし、計測磁場のゼロ点を作ることは困難である。なぜならば、環境磁場中には地磁気があり、これを磁気シールドである程度遮蔽することも可能であるが、完全に遮蔽にすることはできず、また、このような地磁気を遮蔽した磁気センサを校正する作業場所はどこにでも簡易に用意するということが困難であった。
また、直流磁場を磁石で与える場合も同様の問題があるのとともに、例えば鋼材の残留磁化を計測する場合には、磁石を備えた磁気センサ部分を近づけることで磁石により鋼材を磁化させてしまう問題がでてくる。このように、磁気センサが線形性を示す領域で磁気センサを動作させるために、磁気センサに直流バイアス磁場を印加する方法では、磁気センサのゼロ点設定の難しさや、測定対象に対して影響を与えてしまう問題があった。
しかし、計測磁場のゼロ点を作ることは困難である。なぜならば、環境磁場中には地磁気があり、これを磁気シールドである程度遮蔽することも可能であるが、完全に遮蔽にすることはできず、また、このような地磁気を遮蔽した磁気センサを校正する作業場所はどこにでも簡易に用意するということが困難であった。
また、直流磁場を磁石で与える場合も同様の問題があるのとともに、例えば鋼材の残留磁化を計測する場合には、磁石を備えた磁気センサ部分を近づけることで磁石により鋼材を磁化させてしまう問題がでてくる。このように、磁気センサが線形性を示す領域で磁気センサを動作させるために、磁気センサに直流バイアス磁場を印加する方法では、磁気センサのゼロ点設定の難しさや、測定対象に対して影響を与えてしまう問題があった。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の磁場計測装置では、磁場に対する出力電圧の出力特性が偶関数となる磁気センサと、この磁気センサに変調交流磁場を印加する変調コイルと、この変調コイルを駆動させて変調交流磁場を発生させる変調交流磁場発生部と、変調交流磁場と同じ周波数によって磁気センサの出力信号を検波するロックインアンプと、このロックインアンプの出力信号から計測磁場の磁場強度と方向を判定するデータ収集解析部とを備えた磁気計測装置であって、変調コイルは、磁気センサが検出する計測磁場の方向と同じ方向に変調交流磁場を印加し、変調交流磁場発生部では、変調交流磁場の周波数を、計測磁場の周波数よりも大きくしている磁気計測装置である。
さらに、変調交流磁場発生部では、変調交流磁場の強度を、計測磁場の強度よりも大きくしていることにも特徴を有するものである。
また、本発明の非破壊検査装置では、上記の磁気計測装置を用いた非破壊検査装置であって、被検体に渦電流を発生させる渦電流発生用コイルと、この渦電流発生用コイルを駆動させて渦電流を発生させる磁場を発生させる渦電流用磁場発生部と、渦電流を発生させる磁場と同じ周波数によってロックインアンプの出力信号を検波する測定信号用ロックインアンプとを備え、渦電流を発生させる磁場の周波数を、変調交流磁場の周波数より小さくしている非破壊検査装置である。
さらに、渦電流発生用コイルと渦電流用磁場発生部とを設ける代わりに、変調交流磁場発生部によって変調コイルで生成する磁場に、渦電流用磁場発生部によって渦電流発生用コイルで生成する磁場を重畳した磁場を、変調コイルのみで生成することにも特徴を有するものである。
本発明によれば、従来、直流バイアスによって線形応答特性を示す領域で使用する必要があった偶関数特性を有する磁気センサに対して、直流バイアスなしにマイナス方向およびプラス方向の計測磁場の極性を判別できるだけでなく、その極性の原点であるゼロ磁場を校正することなく利用でき、簡便な構成の磁場計測装置及び非破壊検査装置を提供できる。
まず、磁場に対する出力電圧の出力特性が偶関数となる磁気センサについて説明する。ここでは、磁気センサの例としてナノグラニュラーTMRの特性について述べる。なお、本発明は、他のAMRやGMR等の偶関数特性をもつ磁気センサ全てに適用できる。ナノグラニュラーTMRは、ナノメータサイズの磁性粒子を絶縁体に分散させていて、粒子間に流れるトンネル電流が磁気によって粒子のスピンの向きが変化することでトンネル電流値が変化する現象を使っている。また磁気センサの構成として、ナノグラニュラーTMR素子は感度の異なる2つの磁気抵抗素子を直列接続させており、直列接続の接続点からセンサの磁場・抵抗特性を電圧出力変化として取りだすこととしている。このナノグラニュラーTMR素子の磁場に対する電圧出力の関係を図1に示す。図1から明らかなようにy軸対象となっており、磁場に対する出力電圧の出力特性が偶関数となっていることが分かる。
このように偶関数特性をもつ磁気センサに交流磁場を印加した時の出力特性の概念図を図2に示す。図2に示すように、原点のところで印加した交流磁場に対して、磁気センサからは半分が折り返された波形の信号が出力される。一方、印加する交流磁場の振幅より大きい強度の直流磁場をバイアス磁場として磁気センサに印加すると、印加した交流磁場と同じ周波数の波形の信号が出力される。先に述べたように、計測磁場に対して線形性が得られるようにするため、磁気センサに直流磁場をバイアスとして印加することが一般的に使われるが、このように磁気センサに印加する磁場の波形と同じ周波数の波形が出力される領域で使うことを意味している。
偶関数特性の磁気センサに、変調交流磁場として交流磁場に直流磁場を重畳させた磁場を印加した場合の動作を単純にシミュレーションした結果を図3に示す。ここで単位は任意としている。
直流磁場をゼロとして振幅2、周波数10Hzの交流磁場を入力した場合には、図3(a)のように交流信号が半分折り返された波形の信号が出力される。これを周波数解析すると周波数として10Hzの基本波はなく、20Hzの第2高調波が出力される。
振幅2、周波数10Hzの交流磁場に所定の直流磁場を重畳させた磁場を変調交流磁場として入力した場合には、図3(b)のように出力波形の大きさが交互に違う信号が出力され、その周波数も2次高調波が減少していきその代わりに10Hzの基本波が増加してくる。ここで、図3(b)では、直流磁場の強度は交流磁場の強度の3/4としている。
直流磁場の強度を交流磁場の振幅と同じ強度として、振幅2、周波数10Hzの交流磁場に直流磁場を重畳させた磁場を変調交流磁場として入力した場合には、図3(c)に示すように印加した交流磁場と同じ周波数の波形の信号が出力され、より大きい強度の直流磁場を重畳しても出力信号の波形は一定となり、つまり磁気センサとしては飽和状態になる。
直流磁場をゼロとして振幅2、周波数10Hzの交流磁場を入力した場合には、図3(a)のように交流信号が半分折り返された波形の信号が出力される。これを周波数解析すると周波数として10Hzの基本波はなく、20Hzの第2高調波が出力される。
振幅2、周波数10Hzの交流磁場に所定の直流磁場を重畳させた磁場を変調交流磁場として入力した場合には、図3(b)のように出力波形の大きさが交互に違う信号が出力され、その周波数も2次高調波が減少していきその代わりに10Hzの基本波が増加してくる。ここで、図3(b)では、直流磁場の強度は交流磁場の強度の3/4としている。
直流磁場の強度を交流磁場の振幅と同じ強度として、振幅2、周波数10Hzの交流磁場に直流磁場を重畳させた磁場を変調交流磁場として入力した場合には、図3(c)に示すように印加した交流磁場と同じ周波数の波形の信号が出力され、より大きい強度の直流磁場を重畳しても出力信号の波形は一定となり、つまり磁気センサとしては飽和状態になる。
この特性を実際のTMR素子で測定した結果を図4に示す。図の横軸は直流磁場の大きさを示しており、交流磁場として周波数1kHz、大きさ100μTの磁場を印加した。TMR素子の出力信号に対して、交流磁場の周波数である基本波および第2高調波をそれぞれロックイン検波した。先ほどのシミュレーションと同じように直流磁場がゼロの時は、基本波は出力されておらず、第2高調波が最大値をとっている。直流磁場を増加させていくにつれ基本波成分は直線的に増加しており、一方第2高調波は減少している。
図4から明らかなように、直流磁場に対して基本波の信号強度は、入力の磁場強度に対して線形性がある。本発明の磁気計測装置では、この特性を利用するものである。図5に本発明の磁気計測装置の構成図を示す。ここで磁気センサとしてはナノグラニュラーTMR素子を用いているが、計測磁場に対して偶関数特性をもつ他の磁気センサに対しても同様の構成を取ることができる。
本発明の磁気計測装置は、磁場に対する出力電圧の出力特性が偶関数となる偶関数特性をもつ磁気センサ1-1と、この磁気センサ1-1に変調交流磁場を印加する変調コイル2-1と、この変調コイル2-1を駆動させて変調交流磁場を発生させる変調交流磁場発生部3-1と、変調交流磁場と同じ周波数によって磁気センサ1-1の出力信号を検波するロックインアンプ4-1と、このロックインアンプ4-1の出力信号から計測磁場の磁場強度と方向を判定するデータ収集解析部5-1とで構成している。
変調コイル2-1は、変調交流磁場発生部3-1からの入力によって磁気センサ1-1に交流磁場を印加する。なお、変調コイル2-1は、磁気センサ1-1を構成しているチップに集積化したり、あるいは磁気センサ1-1のすぐ近くに磁気センサ1-1と一緒に実装したりすることで、再現性の向上を図りやすく、さらには、変調コイル2-1に流す電流の低減化の点からも望ましい。また、変調コイル2-1の印加磁場方向は、磁気センサ1-1の感度軸、つまり計測磁場と同じ方向に合わせてある。ロックインアンプ4-1では、磁気センサ1-1の出力を、変調コイル2-1によって磁気センサ1-1に印加した変調交流磁場と同じ周波数によって検波し、出力信号としている。
本発明の磁気計測装置は、磁場に対する出力電圧の出力特性が偶関数となる偶関数特性をもつ磁気センサ1-1と、この磁気センサ1-1に変調交流磁場を印加する変調コイル2-1と、この変調コイル2-1を駆動させて変調交流磁場を発生させる変調交流磁場発生部3-1と、変調交流磁場と同じ周波数によって磁気センサ1-1の出力信号を検波するロックインアンプ4-1と、このロックインアンプ4-1の出力信号から計測磁場の磁場強度と方向を判定するデータ収集解析部5-1とで構成している。
変調コイル2-1は、変調交流磁場発生部3-1からの入力によって磁気センサ1-1に交流磁場を印加する。なお、変調コイル2-1は、磁気センサ1-1を構成しているチップに集積化したり、あるいは磁気センサ1-1のすぐ近くに磁気センサ1-1と一緒に実装したりすることで、再現性の向上を図りやすく、さらには、変調コイル2-1に流す電流の低減化の点からも望ましい。また、変調コイル2-1の印加磁場方向は、磁気センサ1-1の感度軸、つまり計測磁場と同じ方向に合わせてある。ロックインアンプ4-1では、磁気センサ1-1の出力を、変調コイル2-1によって磁気センサ1-1に印加した変調交流磁場と同じ周波数によって検波し、出力信号としている。
ロックインアンプ4-1の出力信号は、信号強度のデータとともに位相のデータを持ち、あらかじめ計測磁場がプラス方向の時に位相をゼロに調整することで、計測磁場が反転したマイナス方向では位相が180度と反転することとなる。データ収集解析部5-1では、ロックインアンプ4-1の出力信号の信号強度のデータと位相のデータに基づいて、測定する磁場強度と方向を判定している。
図6に、入力直流磁場をマイナス方向からプラス方向まで変化させた時の磁気計測装置の計測結果を示す。この結果から、本計測方法により従来偶関数特性をもつ磁気センサでも計測磁場の極性を判別できるようになっていることがわかる。また、ここで、図6を詳しく見てみると、印加磁場ゼロのところで出力がゼロになっていないことがわかる。これは環境磁場で特に影響の大きい地磁気がすでに入っているためであり、オフセットが生じていることが原因である。これは問題ではなく、むしろ、本方法では、ゼロ点を調整することなく、すでにゼロ点が決まっていることを表している。つまり、従来バイアス磁場などの調整により磁場の極性を調整していたものが不要となり、絶対磁場を無調整で判別できることが分かった。
直流磁場に対する特性を先に述べたが、次に交流磁場に対する特性を調べた。本発明の磁気計測装置では、直流磁場だけでなく、変調コイル2-1によって磁気センサ1-1に印加する変調交流磁場の周波数より低い周波数に対して応答することができる。
図7は、変調交流磁場の周波数を1kHz、300μTとし、計測磁場として100Hz、200μTの交流磁場を印加する前後の信号スペクトルを示している。図7(a)は、計測磁場がゼロの場合であり、この場合ではどの周波数にも信号は見えず、雑音だけになっている。一方、図7(b)は、計測磁場として100Hz、200μTの交流磁場を印加した場合であって、この場合には計測磁場が100Hzであるので、印加交流磁場の対応する周波数のところ、すなわち100Hzでのところに信号強度のピークが現れている。このことから、本発明の磁気計測装置による計測によって、直流磁場だけなく交流磁場、ただし、変調コイル2-1によって磁気センサ1-1に印加する変調交流磁場の周波数より低い周波数の交流磁場に対しては計測できることが分かった。
図8は、上述した磁気計測装置を用いた非破壊検査装置の構成図である。磁気計測装置の部分は、上述したように、磁場に対する出力電圧の出力特性が偶関数となる偶関数特性をもつ磁気センサ1-2と、この磁気センサ1-2に変調交流磁場を印加する変調コイル2-2と、この変調コイル2-2を駆動させて変調交流磁場を発生させる変調交流磁場発生部3-2と、変調交流磁場と同じ周波数によって磁気センサ1-2の出力信号を検波するロックインアンプ4-2と、このロックインアンプ4-2の出力信号から計測磁場の磁場強度と方向を判定するデータ収集解析部5-2とで構成している。
さらに、非破壊検査装置では、被検体6に渦電流を発生させる渦電流発生用コイルと、この渦電流発生用コイルを駆動させて前記渦電流を発生させる磁場を発生させる渦電流用磁場発生部7と、渦電流を発生させる磁場と同じ周波数によってロックインアンプ4-2の出力信号を検波する測定信号用ロックインアンプ9とを備え、この測定信号用ロックインアンプ9の出力信号をデータ収集解析部5-2に入力している。
渦電流用磁場発生部7により渦電流発生用コイル8で発生させた交流磁場によって、被検体6には渦電流を発生させ、被検体6に傷などの異常がある場合には、渦電流分布が変化して、渦電流が発生する磁場が変化する。この変化を磁気センサ1で検出することとしている。ここで、渦電流を発生させる磁場は、変調交流磁場の周波数より低い周波数としている。したがって、渦電流が作る磁場も、その渦電流を発生させる磁場の周波数となっている。これにより、前段のロックインアンプ4-2からの出力信号には変調交流磁場の周波数はなくっており、変調交流磁場の周波数より低い周波数のみがでてくる。さらに、後段の測定信号用ロックインアンプ9によって、渦電流を発生させる磁場の周波数で検波することにより、渦電流が作る磁場の強度と位相を検知することができる。これをデータ収集解析部5-2により解析することによって被検体6の欠陥の大きさ等を解析することができる。
ここで、変調コイル2-2と渦電流発生用コイル8を別々に設け、それぞれを変調交流磁場発生部3-2と渦電流用磁場発生部7によって駆動させているが、変調交流磁場発生部3-2の出力信号と、渦電流用磁場発生部7の出力信号とを重畳させた信号として単一のコイル、例えば変調コイルのみで2つの周波数を有する変調交流磁場を生じさせることもできる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々の変形例・設計変更などをその技術的範囲内に包含することは云うまでもない。
本発明は、磁気センサとして入力磁場に対して偶関数特性を示す磁気抵抗素子等を、線形特性に変換することなく、またゼロ点調整をすることなくマイナスからプラス方向の磁場を計測できる。この特徴により、地磁気を測定して方位を判定するコンパスや、地磁気そのものの変動計測、物質の磁化特性計測、金属製の欠陥を検査する非破壊検査装置など幅広い分野での応用ができる。
1−1 磁気センサ
1−2 磁気センサ
2−1 変調コイル
2−2 変調コイル
3−1 変調交流磁場発生部
3−2 変調交流磁場発生部
4−1 ロックインアンプ
4−2 ロックインアンプ
5−1 データ収集解析部
5−2 データ収集解析部
6 被検体
7 印加交流磁場発生回路
8 渦電流発生用コイル
9 測定信号用ロックインアンプ
1−2 磁気センサ
2−1 変調コイル
2−2 変調コイル
3−1 変調交流磁場発生部
3−2 変調交流磁場発生部
4−1 ロックインアンプ
4−2 ロックインアンプ
5−1 データ収集解析部
5−2 データ収集解析部
6 被検体
7 印加交流磁場発生回路
8 渦電流発生用コイル
9 測定信号用ロックインアンプ
Claims (4)
- 磁場に対する出力電圧の出力特性が偶関数となる磁気センサと、
この磁気センサに変調交流磁場を印加する変調コイルと、
この変調コイルを駆動させて変調交流磁場を発生させる変調交流磁場発生部と、
前記変調交流磁場と同じ周波数によって前記磁気センサの出力信号を検波するロックインアンプと、
このロックインアンプの出力信号から計測磁場の磁場強度と方向を判定するデータ収集解析部と
を備えた磁気計測装置であって、
前記変調コイルは、前記磁気センサが検出する前記計測磁場の方向と同じ方向に前記変調交流磁場を印加し、
前記変調交流磁場発生部では、前記変調交流磁場の周波数を、前記計測磁場の周波数よりも大きくしている磁気計測装置。 - 前記変調交流磁場発生部では、前記変調交流磁場の強度を、前記計測磁場の強度よりも大きくしている請求項1に記載の磁気計測装置。
- 請求項1または請求項2に記載の磁気計測装置を用いた非破壊検査装置であって、
被検体に渦電流を発生させる渦電流発生用コイルと、
この渦電流発生用コイルを駆動させて前記渦電流を発生させる磁場を発生させる渦電流用磁場発生部と、
前記渦電流を発生させる磁場と同じ周波数によって前記ロックインアンプの出力信号を検波する測定信号用ロックインアンプと
を備え、
前記渦電流を発生させる磁場の周波数を、前記変調交流磁場の周波数より小さくしている非破壊検査装置。 - 前記渦電流発生用コイルと前記渦電流用磁場発生部とを設ける代わりに、前記変調交流磁場発生部によって前記変調コイルで生成する磁場に、前記渦電流用磁場発生部によって前記渦電流発生用コイルで生成する磁場を重畳した磁場を、前記変調コイルのみで生成する請求項3に記載の非破壊検査装置。
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