JP6178094B2 - 天井異常検知システム、天井異常検知装置、天井異常検知方法、及び天井異常検知プログラム - Google Patents

天井異常検知システム、天井異常検知装置、天井異常検知方法、及び天井異常検知プログラム Download PDF

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Description

本発明は、天井異常検知システム、天井異常検知装置、天井異常検知方法、及び天井異常検知プログラムに関する。
建物の変位を測定する技術として、特許文献1や特許文献2に記載の技術がある。特許文献1には、建物の床と天井との間に生じる層間変位を測定する建物用層間変位測定装置が開示され、この建物用層間変位測定装置は、床側及び天井側のいずれか一方の側である第1の側に固定された第1マークと、該第1マークを映し出すように、床側又は天井側に固定された鏡部材と、少なくとも、該鏡部材に映し出された第1マークの位置を非接触の状態で光学的に測定するマーク位置測定手段と、床側又は天井側であって前記第1の側とは反対の第2の側の基準位置を規定する基準位置規定手段と、を備える。
また、特許文献2には、距離計測ユニットを机上や天井等の任意の位置に設置し、天井,壁,床等の建造物を構成する部材との間の距離を測定し、地震発生の前後で測定した距離を比較し、その差分から天井板の落下や壁が倒壊等の建造物が崩壊する可能性を報知する技術が開示されている。
更に、非特許文献1には、光位置検出素子(Position sensitive detector : PSD)と
レンズ、LED光源からなる水平変位検出器を3組使用することによって5自由度層間変位センサを構成し、センサ自身が回転しても正確な層間変位計測を実現することが開示されている。
特開2009−258036号公報 特開2012−252460号公報
岩城隆昌、他10名、「構造ヘルスモニタリングのための5自由度層間変位センサの開発」、日本機械学会論文集(C編)、78巻 789号 (2012−5)
建物の変位を測定する種々の技術が存在する。建物の変位の一つに、天井落下など天井の変位が例示される。ここで、天井の変位、換言すると天井の異常発生を検知する上では、天井に例えば加速度センサを設置して変位を求めることが考えられる。しかしながら、天井は複数の天井パネルによって構成されていることが多い。そのため、例えば天井の一部に異常が発生した場合でも、異常が発生した天井パネルに加速度センサが設置されていないと異常を検知できない可能性がある。換言すると、全ての天井パネルにセンサを設置しなければ、天井全体の異常を検知することは困難である。なお、建物に限らず、例えばトンネルなどの土木構造物においても上記課題は存在する。
本発明は、上記の問題に鑑み、複数の天井パネルの個々にセンサを設置することなく、構造物の天井全体の異常発生を検知できる技術を提供することを課題とする。
本発明では、天井を有する空間の状況と天井裏の状況とには差異があることに着目し、上記課題を解決するため、天井を有する空間の状況に関する情報と天井裏の状況に関する情報との差に基づいて天井異常の発生の有無を判断することとした。
詳細には、本発明は、天井を有する空間の状況に関する空間情報を検知する空間情報検知装置と、前記空間の上方に存在する天井裏の状況に関する天井裏情報を検知する天井裏情報検知装置と、前記空間情報検知装置で検知した空間情報と、前記天井裏情報検知装置で検知した天井裏情報との差に基づいて天井異常の発生の有無を判断し、当該判断結果を出力する情報処理装置と、を備える。
天井裏は一般的に密閉されていることから、天井を有する空間とは異なる状況を有している。例えば、両者の気圧、気温、湿度、明るさ、気流、音、ほこりを比較すると、両者には差がみられる。そこで、本発明では、この差に基づいて天井異常の発生の有無を判断する。その結果、天井を構成する複数の天井パネルの個々にセンサを設置することなく、天井全体の異常発生を検知することができる。検知対象の天井には、建物の天井、トンネルなどの土木構造物の天井が例示される。
ここで、本発明に係る天井異常検知システムにおいて、前記情報処理装置は、前記空間情報と前記天井裏情報との差を求め、求めた差が閾値よりも小さくなると、天井異常が発生したと判断してもよい。
本発明では、差が相対的に小さくなると、空間と天井裏との仕切りを構成する天井の機能が失われたとして、天井異常が発生したと判断する。例えば、天井の一部が落下すると、空間と天井裏が連通して、気圧などの差が徐々に無くなり、平衡状態となる。本発明では、この現象を活用することで天井の異常発生の有無を判断することができる。
なお、前記情報処理装置は、前記空間情報と前記天井裏情報との差を求め、求めた差の変化に基づいて天井異常の発生の有無を判断してもよい。例えば、求めた差と、前回求めた差を比較し、差に変化がある場合、天井異常が発生したと判断することができる。
前記空間情報、および天井裏情報は、気圧に関する情報と、明るさに関する情報とのうち少なくとも何れか一方を含むことができる。例えば、天井裏の気圧は、空間の気圧と比較すると相対的に高くなる傾向がある。また、天井裏は、空間と比較すると相対的に暗くなる傾向がある。本発明では、本来、差があるはずの気圧や明るさの差が無くなってくると、天井異常が発生したと判断することができる。
前記空間情報、および天井裏情報は、気流に関する情報、音に関する情報、温度に関する情報、湿度に関する情報、ほこりに関する情報のうち少なくとも何れか一つを含むことができる。例えば、天井裏の気流は、空間の気流と比較すると相対的に小さくなる傾向がある。また、天井裏の音は、空間の音と比較すると相対的に小さくなる傾向がある。また、天井裏の温度と空間の温度には差がみられる。この差は、季節によって異なってくるが、例えば、夏季であれば、天井裏の温度は、空間の温度よりも高くなる傾向がある。また、天井裏の湿度と空間の湿度にも差がみられる。この差も、季節によって異なってくるが、天井裏の湿度は、例えば、夏季であれば、空間の湿度よりも高くなる傾向がある。なお、空間情報、及び天井裏情報は、空間や天井裏の状態を特定でき、かつ、状態に差があるものであればよく、上記各情報に限定されるものではない。また、天井裏のほこりと空間のほこりにも差がみられる。この差は、建物や構造物の築年数によって異なってくるが、例えば、築年数が比較的長い建物の天井裏の埃は、空間のほこりよりも多くなる傾向があ
る。
ここで、本発明は、上述した天井異常検知装置として特定することもできる。例えば、本発明は、天井を有する空間の状況に関する空間情報と、前記空間の上方に存在する天井裏の状況に関する天井裏情との差に基づいて天井異常の発生の有無を判断し、当該判断結果を出力する天井異常検知装置である。
ここで、本発明は、天井異常検知方法として特定することができる。例えば、本発明は、天井を有する空間の状況に関する空間情報を検知する空間情報検知ステップと、前記空間の上方に存在する天井裏の状況に関する天井裏情報を検知する天井裏情報検知ステップと、前記空間情報検知ステップで検知した空間情報と、前記天井裏情報検知ステップで検知した天井裏情報との差に基づいて天井異常の発生の有無を判断する判断ステップと、前記判断ステップでの判断結果を出力する出力ステップと、をコンピュータが実行する天井異常検知方法である。
また、本発明は、天井異常検知プログラムとして特定することができる。例えば、本発明は、天井を有する空間の状況に関する空間情報を検知する空間情報検知ステップと、前記空間の上方に存在する天井裏の状況に関する天井裏情報を検知する天井裏情報検知ステップと、前記空間情報検知ステップで検知した空間情報と、前記天井裏情報検知ステップで検知した天井裏情報との差に基づいて天井異常の発生の有無を判断する判断ステップと、前記判断ステップでの判断結果を出力する出力ステップと、をコンピュータに実行させる天井異常検知プログラムである。
また、本発明は、上記プログラムを記録した記録媒体として特定することもできる。この場合、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。なお、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、又は化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
本発明によれば、複数の天井パネルの個々にセンサを設置することなく、構造物の天井全体の異常発生を検知できる技術を提供することができる。
図1は、第一実施形態に係る天井異常検知システムの構成を示す。 図2は、第一実施形態に係る天井異常検知処理フローを示す。 図3は、段階的に設定された閾値の一例を示す。 図4は、送信された判断結果の一例を示す。 図5は、第二実施形態に係る天井異常検知システムの構成を示す。 図6は、第二実施形態に係る天井異常検知処理フローを示す。
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。以下の実施形態では、建物の天井異常の発生を検知する場合を例に説明する。以下の説明は例示であり、本発明は以下の内容に限定されるものではない。
<第一実施形態>
<<天井異常検知システムの構成>>
図1は、第一実施形態に係る天井異常検知システムの構成を示す。天井異常検知システム1は、室内の気圧センサ2、天井裏の気圧センサ3、天井異常検知装置4、スピーカ5
を備える。
室内の気圧センサ2は、床7、天井6、壁(図示せず)によって仕切られた室内9に設置され、室内9の気圧を検知する。室内の気圧センサ2は、天井異常検知装置4と接続され、検知された室内9の気圧(本発明の空間情報の一例である)は天井異常検知装置4のメモリ42に記憶される。
天井裏の気圧センサ3は、天井6、壁(図示せず)、及び上階の床71によって仕切られた天井裏の空間(以下、天井裏8とする)に設置され、天井裏8の気圧を検知する。天井裏の気圧センサ3は、天井異常検知装置4と接続され、検知された天井裏8の気圧(本発明の天井裏情報の一例である)は天井異常検知装置4のメモリ42に記憶される。
天井異常検知装置4は、例えば汎用のコンピュータによって構成され、CPU41(中央演算処理装置)及びメモリ42を有する情報処理装置43、キーボード、マウスからなる入力装置44、ディスプレイからなる表示装置45を備える。入力装置44は、情報の入力や各種設定操作を受け付ける。CPU41は、メモリ42に格納された天井異常検知プログラムを実行し、室内の気圧センサ2で検知された室内9の気圧と、天井裏の気圧センサ3で検知された天井裏8の気圧差に基づいて天井異常の発生の有無を判断する。天井異常検知装置4は、タブレット端末、携帯端末によって構成してもよい。また、コンピュータ、タブレット端末、及び携帯端末では、情報の受け付け、算出結果の表示のみを行い、コンピュータ、タブレット端末、及び携帯端末とネットワークを介して接続されたサーバ上で天井異常の発生の有無を判断してもよい。この場合、判断結果は、ネットワークを介して接続されたコンピュータ、タブレット端末、及び携帯端末に送信することができる。例えば、判断結果は、建物の管理者(例えば防災センタ)のコンピュータに送信することができる。
スピーカ5は、天井異常検知システム1で天井異常が発生したと判断された場合、その旨を音声出力する。
<<天井異常検知処理>>
図2は、第一実施形態に係る天井異常検知処理フローを示す。この処理は、天井異常検知処理プログラムが起動されることで開始される。ステップS01では、天井異常検知装置4は、室内9の気圧、及び天井裏8の気圧を取得する。室内9の気圧は、室内の気圧センサ2によって検知された情報である。天井裏8の気圧は、天井裏の気圧センサ3によって検知された情報である。室内9の気圧、及び天井裏8の気圧はメモリ42に記憶され、天井異常検知装置4は、メモリ42にアクセスして、室内9の気圧、及び天井裏8の気圧を取得する。室内9の気圧、及び天井裏8の気圧が取得されると、ステップS02へ進む。
ステップS02では、天井異常検知装置4は、室内9の気圧と天井裏8の気圧に気圧差があるか否か判断する。より具体的には、天井異常検知装置4は、室内9の気圧と天井裏8の気圧との気圧差を求め、求めた気圧差が閾値よりも小さいか否か判断する。室内9の気圧と天井裏8の気圧との気圧差が無い場合は、室内9と天井裏8とを仕切る天井6が何らかの原因で破損して、室内9と天井裏8とが連通して平衡状態になったと推測することができる。従って、閾値を設定せず、室内9の気圧と天井裏8の気圧との差があるか否かを判断してもよい。但し、平衡状態になるには時間を要するため、室内9の気圧と天井裏8の気圧との差が徐々に無くなり、この差が閾値よりも小さくなった時点で天井異常の発生の有無を判断することで、より早く天井異常の発生を検知することが可能となる。閾値は、例えば、室内9毎に、実験やシミュレーションに基づいて設定することができる。また、閾値は、室内9の換気状況など、室内9の条件に応じて段階的に設定してもよい。図
3は、段階的に設定された閾値の一例を示す。このような閾値をメモリ42に予め記憶しておき、天井異常検知装置4は、メモリ42にアクセスして、閾値を読み込むようにしてもよい。閾値は、入力装置44を介して手動で設定することができる。また、天井異常検知装置4は、換気の状態を取得し、換気の状態に応じて自動的に閾値を設定するようにしてもよい。換気の状態は、例えば換気扇のスイッチから取得することができる。室内9の気圧と天井裏8の気圧に気圧差がない場合(もしくは気圧差が閾値以下の場合)には、ステップS03へ進む。一方、室内9の気圧と天井裏8の気圧に気圧差があり、気圧差が閾値を上回る場合、ステップS01へ戻る。
ステップS03では、天井異常検知装置4は、天井異常が発生したと判断する。次に、ステップS04では、天井異常検知装置4は、天井異常が発生した旨を警告する。例えば、天井異常検知装置4は、スピーカ5を通じて、「天井が損傷しました。ご注意ください。」といった音声を出力させる。なお、天井異常検知装置4は、天井異常の発生の有無の判断結果を、予め登録された建物管理者のコンピュータ、タブレット端末、及び携帯端末にネットワークを介して送信するようにしてもよい。ここで、図4は、送信された判断結果の一例を示す。図4は、10階建ての建物における天井異常の発生状況を示す。図4では、5階の一部(2部屋)と4階において、天井異常が発生している。警告が完了すると、天井異常検知処理が終了する。
なお、ステップS02において、天井異常検知装置4は、室内9の気圧と天井裏8の気圧との気圧差を一定の間隔で求め、求めた気圧差をメモリ42に気圧差の履歴として記憶させ、気圧差に所定以上の変化があるか否かを判断するようにしてもよい。例えば、今回求めた気圧差と、前回求めた気圧差とを比較し、気圧差に所定以上の変化があるか否かを判断してもよい。所定以上の変化は、天井異常が発生した際に出現する変化を、実験やシミュレーションにより予め算出することができる。ステップS02において気圧差に所定以上の変化があると判断された場合、ステップS03において、天井異常検知装置4は、天井異常が発生したと判断することができる。一方、ステップS02において気圧差に所定以上の変化がないと判断された場合、ステップS01へ戻る。
<<作用効果>>
第一実施形態に係る建物の天井異常検知システム1によれば、室内9の気圧と天井裏8の気圧との気圧差に基づいて天井異常の発生の有無を判断することができる。その結果、天井6を構成する複数の天井パネルの個々にセンサを設置することなく、天井6全体の異常発生を検知することができる。スピーカ5を通じて、「天井が損傷しました。ご注意ください。」といった音声を出力させ、警告することで、建物内に居る人に危険性を知らせることができる。また、判断結果を建物管理者(例えば、防災センタ)のコンピュータ等に送信することで、建物管理者側において速やかに異常を把握することができる。判断結果は、例えば、救助活動の優先順位付けに用いることができる。その結果、救助活動をより円滑に進めることができる。
<第二実施形態>
第二実施形態では、トンネルの天井異常の発生の有無を判断する場合について説明する。図5は、第二実施形態に係る天井異常検知システムの構成を示す。第二実施形態に係る天井異常検知システム1は、第一実施形態に係る天井異常検知システム1における室内の気圧センサ2に代えてトンネル内の明るさセンサ21がトンネル内91に設置され、天井裏の気圧センサ3に代えてトンネル天井裏の明るさセンサ31がトンネル天井裏81に設置されている。トンネル内の明るさセンサ21は、道路面72、トンネルの天井61、壁(図示せず)によって仕切られたトンネル内91に設置され、トンネル内91の気圧を検知する。トンネル天井裏の明るさセンサ31は、トンネルの天井61、壁(図示せず)、地山73によって仕切られたトンネル天井裏の空間(以下、トンネル天井裏81とする)
に設置され、トンネル天井裏81の気圧を検知する。各明るさセンサは、明るさセンサの検知範囲に応じて所定の間隔で適宜設置することができる。また、トンネルの入り口(図5における右側)には、天井異常検知装置4と接続された信号機10が設置されている。信号機10は、天井異常発生時は「赤」で点灯して警告を促す。一方、天井異常が発生していない場合、換言すると正常時では、「青」で点灯する。なお、第一実施形態と同様の構成については同一符号を付し、説明は省略する。
次に、第二実施形態に係る天井異常検知処理について説明する。図6は、第二実施形態に係る天井異常検知処理フローを示す。なお、第一実施形態に係る天井異常検知処理と同様、若しくは対応する処理については、簡略化して説明する。
第二実施形態に係る天井異常検知処理も、第一実施形態と同じく、天井異常検知処理プログラムが起動されることで開始される。ステップ11(ステップS01に対応する)では、情報処理装置43は、トンネル内91の明るさ、及びトンネル天井裏8の明るさを取得する。トンネル内91の明るさは、トンネル内の明るさセンサ21によって検知された情報である。トンネル天井裏8の明るさは、トンネル天井裏の明るさセンサ31によって検知された情報である。トンネル内91の明るさ、及びトンネル天井裏8の明るさはメモリ42に記憶され、情報処理装置43は、メモリ42にアクセスして、トンネル内91の明るさ、及びトンネル天井裏8の明るさを取得する。トンネル内91の明るさ、及びトンネル天井裏8の明るさが取得されると、ステップS12へ進む。
ステップS12では、天井異常検知装置4は、トンネル内91の明るさとトンネル天井裏8の明るさに差があるか否か判断する。より具体的には、天井異常検知装置4は、トンネル内91の明るさとトンネル天井裏8の明るさとの明るさの差を求め、求めた明るさの差をメモリ42に明るさの差の履歴として記憶させ、明るさの差に所定以上の変化があるか否かを判断する。所定以上の変化は、天井異常が発生した際に出現する変化として、実験やシミュレーションにより予め算出することができる。なお、天井異常検知装置4は、トンネル内91の明るさとトンネル天井裏8の明るさとの明るさの差を求め、求めた明るさの差が閾値よりも小さいか否か判断するようにしてもよい。閾値は、例えば、トンネル内91毎に、実験やシミュレーションに基づいて設定することができる。また、閾値は、トンネル内91の換気状況など、トンネル内91の条件に応じて段階的に設定してもよい。トンネル内91の明るさとトンネル天井裏8の明るさに明るさの差がない場合(もしくは明るさの差が閾値以下の場合)には、ステップS13へ進む。一方、トンネル内91の明るさとトンネル天井裏8の明るさに明るさの差があり、明るさの差が閾値を上回る場合、ステップS11へ戻る。
ステップS13(ステップS03に相当する。)では、天井異常検知装置4は、天井異常が発生したと判断する。次に、ステップS14(ステップS04に相当する)では、天井異常検知装置4は、天井異常が発生した旨を警告する。例えば、天井異常検知装置4は、信号機10に赤を点灯させ、更に、スピーカ5を通じて、「天井が損傷しました。ご注意ください。」といった音声を出力させる。なお、天井異常検知装置4は、天井異常の発生の有無の判断結果を、予め登録された管理者のコンピュータ、タブレット端末、及び携帯端末にネットワークを介して送信するようにしてもよい。警告が完了すると、天井異常検知処理が終了する。
<<作用効果>>
第二実施形態に係る建物の天井異常検知システム1によれば、トンネル内91の明るさとトンネル天井裏8の明るさとの明るさの差に基づいて天井異常の発生の有無を判断することができる。その結果、トンネルの天井61を構成する複数の天井パネルの個々にセンサを設置することなく、トンネルの天井6全体の異常発生を検知することができる。スピ
ーカ5を通じて、警告することで、トンネル内91に居る人に危険性を知らせることができる。また、信号機10に赤を点灯させて警告することで、後続車のトンネル内91への侵入を抑制して、災害を最小限に抑えることができる。更に、判断結果を管理者のコンピュータ等に送信して警告することで、救助活動をより円滑に進めることができる。
<変形例>
第一実施形態では気圧差に基づいて天井異常の発生の有無を判断し、第二実施形態では明るさの差に基づいて天井異常の発生の有無を判断したが、両者を組み合わせて天井異常の発生の有無を判断してもよい。例えば、天井異常検知装置4は、気圧差が閾値以下であり、かつ、明るさの差に所定以上の変化がある場合、天井異常が発生したと判断することができる。これにより、天井異常の発生の有無をより正確に判断することが可能となる。
また、第一実施形態、及び第二実施形態において、気流を検知する気流センサ、音を検知する音センサ、温度を検知する温度センサ、湿度を検知する湿度センサ、ほこりを検知するほこりセンサのうち少なくとも何れか一つを更に設置してもよい。そして、天井異常検知装置4は、気流の差、音の差、温度差、湿度差、ほこりの差が閾値以下である場合、天井異常が発生したと判断することができる。また、天井異常検知装置4は、気流の差、音の差、温度差、湿度差、ほこりの差の履歴をメモリ42に記憶させ、これらの差に所定以上の変化がある場合、天井異常が発生したと判断してもよい。所定以上の変化は、気流の差、音の差、温度差、湿度差、ほこりの差の夫々について、天井異常が発生した際に出現する変化を、実験やシミュレーションにより予め算出することができる。なお、第一実施形態では、気圧差に基づいて天井異常の発生の有無を判断し、第二実施形態では、明るさの差に基づいて天井異常の発生の有無を判断したが、気流の差、音の差、温度差、湿度差、ほこりの差のうちの少なくとも何れか一つに基づいて天井異常の発生の有無を判断してもよい。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、本発明は、可能な限り各実施形態を組み合わせて実施することができる。
1・・・天井異常検知システム
2・・・室内の気圧センサ
3・・・天井裏の気圧センサ
4・・・天井異常検知装置
5・・・スピーカ
6・・・天井
7・・・床
8・・・天井裏
9・・・室内
10・・・信号機
21・・・トンネル内の明るさセンサ
31・・・トンネル天井裏の明るさセンサ
61・・・トンネルの天井
72・・・道路面
81・・・トンネル天井裏
91・・・トンネル内

Claims (7)

  1. 天井を有する空間の状況に関する空間情報を検知する空間情報検知装置と、
    前記空間の上方に存在する天井裏の状況に関する天井裏情報を検知する天井裏情報検知装置と、
    前記空間情報検知装置で検知した空間情報と、前記天井裏情報検知装置で検知した天井裏情報との差に基づいて天井異常の発生の有無を判断し、当該判断結果を出力する情報処理装置と、
    を備え、
    前記情報処理装置は、前記空間情報及び前記天井裏情報の差と、所定の閾値とを比較して天井異常の発生の有無を判断し、
    前記閾値は、前記空間の状態に応じて変更される
    天井異常検知システム。
  2. 前記情報処理装置は、前記空間情報と前記天井裏情報との差を求め、求めた差が前記閾値よりも小さくなると、天井異常が発生したと判断する、請求項1に記載の天井異常検知システム。
  3. 前記空間情報、および前記天井裏情報は、気圧に関する情報と、明るさに関する情報とのうち少なくとも何れか一方を含む、請求項1又は2に記載の天井異常検知システム。
  4. 前記空間情報、および前記天井裏情報は、気流に関する情報、音に関する情報、温度に関する情報、湿度に関する情報、ほこりに関する情報のうち少なくとも何れか一つを含む、請求項1から3の何れか1項に記載の天井異常検知システム。
  5. 天井を有する空間の状況に関する空間情報と、前記空間の上方に存在する天井裏の状況に関する天井裏情との差に基づいて天井異常の発生の有無を判断し、当該判断結果を出力する天井異常検知装置であって、
    前記空間情報及び前記天井裏情報の差と、所定の閾値とを比較して天井異常の発生の有無を判断し、
    前記閾値は、前記空間の状態に応じて変更される
    天井異常検知装置
  6. 天井を有する空間の状況に関する空間情報を検知する空間情報検知ステップと、
    前記空間の上方に存在する天井裏の状況に関する天井裏情報を検知する天井裏情報検知ステップと、
    前記空間情報検知ステップで検知した空間情報と、前記天井裏情報検知ステップで検知した天井裏情報との差に基づいて天井異常の発生の有無を判断する判断ステップと、
    前記判断ステップでの判断結果を出力する出力ステップと、
    をコンピュータが実行し、
    前記判断ステップにおいて、前記空間情報及び前記天井裏情報の差と、所定の閾値とを比較して天井異常の発生の有無を判断し、
    前記閾値は、前記空間の状態に応じて変更される
    天井異常検知方法。
  7. 天井を有する空間の状況に関する空間情報を検知する空間情報検知ステップと、
    前記空間の上方に存在する天井裏の状況に関する天井裏情報を検知する天井裏情報検知ステップと、
    前記空間情報検知ステップで検知した空間情報と、前記天井裏情報検知ステップで検知した天井裏情報との差に基づいて天井異常の発生の有無を判断する判断ステップと、
    前記判断ステップでの判断結果を出力する出力ステップと、
    をコンピュータに実行させ
    前記判断ステップにおいて、前記空間情報及び前記天井裏情報の差と、所定の閾値とを比較して天井異常の発生の有無を判断し、
    前記閾値は、前記空間の状態に応じて変更される
    天井異常検知プログラム。
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