JP6176801B2 - 無線通信システム及び送信機 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信における送信ダイバーシチの一手法である差動時空間ブロック符号(DSTBC)方式の送信技術や通信システムに関するものである。
移動体との通信を行う際に移動局の受信品質を向上させる手段の一つに、STBC(Space-Time Block Coding:時空間符号化)を用いる送信ダイバーシチ方式がある。STBCは、送信機にCSI(Channel State Information:チャネル状態情報)を用いることなく送信ダイバーシチを実現できるため、フェージング環境下では有効であるが、受信機側でCSIを必要とする。
CSIは、無線信号が空間等を伝搬した時に信号に与えられる要素であり、CSIの変動がゆるやかな時は、トレーニング信号等を用いて受信側でCSIを推定することができる。しかし、伝送周波数帯域が狭く高速で移動するような通信システムにおいては、トレーニングしている間にCSIのパラメータが変動してしまうため、この点が大きな問題となる。
そこで、送信機と受信機にCSIを必要としないDSTBC(Differential Space−Time Block Coding:差動時空間符合化)方式が、Tarokhらによって提案されている。DSTBC方式は、受信機側においてもCSIが不要なため、STBCでは追従できなかった高速フェージング環境下においても有効である。
例えば列車無線システムのように、線路上に複数の基地局を設置し、該複数の基地局から、同一の周波数を使用する信号を同時に送信して1つの無線エリアを構築し、複数の車上局で同報的に信号を受信するシステムがある。この列車無線システムでは、隣接する2つの基地局の中点付近において、対向方向から到来する2つの同じ信号が同程度の電力で互いに干渉して定在波を形成し、通信品質が大幅に劣化する可能性がある。この現象は、同一波干渉と呼ばれる。
このため、列車無線システムにおける同一波干渉の対策として、DSTBC方式の適用が提案されてきている(特許文献1:特開2012−015682)。これは、基地局−移動局間の無線伝送の下りリンク(基地局→移動局)にDSTBC方式を採用するもので、直交する2つの符号系列(以下、A系列、B系列と称する)を生成し使用する。そして、A系列のみを送信する基地局と、B系列のみを送信する基地局を交互に配置することにより、2つの基地局間の中点付近でも、2つの基地局からの到来波が互いに干渉することなく、逆に、送信ダイバーシチ効果が得られ、通信品質の向上を可能とする方法である。このことを、図7を用いて説明する。
図7は、列車無線システムの代表的なモデルケースであり、以下では下りリンクに限定して説明する。また説明の簡素化のため、本モデルは2つの基地局で構成されるシステムとする。
図7の列車無線システムは、中央卓64と、中央装置65と、基地局61と、基地局62と、車上局63とを含むように構成される。中央卓64は、中央装置65に対し制御等を行う。中央装置65と基地局61及び62間は、例えば光ファイバのような有線回線66で接続される。基地局61と車上局63との間、及び基地局62と車上局63との間は、同一周波数の無線回線でそれぞれ接続される。こうして、中央卓64と車上局63との間で、音声による同報通話等が可能となる。
なお、図7のモデルケースの無線エリアは、次のように構築されている。すなわち、基地局61からの送信電波は、図7のカバーエリアCA1の範囲をカバーし、基地局62からの送信電波は、図7のカバーエリアCA2の範囲をカバーする。そして、不感地帯がないよう、カバーエリアCA1及びCA2の境界付近では、カバーエリアCA1及びCA2が重なるようにしている。その結果、基地局61の電波を一定レベル以上で受信する領域81と、基地局62の電波を一定レベル以上で受信する領域82と、基地局61及び62のどちらの電波も一定レベル以上で受信する領域83とが存在する。
図7の列車無線システムは、領域83で発生する同一波干渉を対策するために、DSTBC符号化方式を適用したシステムである。具体的には、DSTBC符号送信機61aを内蔵した基地局61から、DSTBCのA系列のみを送信し、カバーエリアCA1をカバーする。同様に、DSTBC符号送信機62aを内蔵した基地局62から、DSTBCのB系列のみを送信し、カバーエリアCA2をカバーする。車上局63は、DSTBC復号受信機63aを内蔵し、基地局61や基地局62から到来する電波を受信し、復号することで通信を行う。
ここで、一般的なDSTBC復号受信機の特徴として以下が挙げられる。
特徴1は、A系列のみを受信しても(図7の領域81)、B系列のみを受信しても(図7の領域82)、A系列とB系列の合成波を受信しても(図7の領域83)、受信機はすべて同一の回路構成で復号ができることである。
特徴2は、領域83のようにA系列とB系列の合成波を受信する場合には、両者の位相関係によらず送信ダイバーシチの効果を得ることができることである。
以上の特徴により、図7のモデルケースは、同一波干渉の対策として有効な方式といえる。
しかし、図7のシステムでは、同一波干渉を対策する方法として、1つの基地局からはDSTBCの片方の系列のみを送信する方法をとっている。この方法では、2つの基地局電波の干渉領域(領域83)においては問題ないが、片方の系列しか受信しない領域や片方の電界が相当に低い領域(領域81及び82)においては、DSTBCを適用しない場合と比して、通信品質がわずかながら劣化してしまうという課題がある。
特開2012−015682号公報
本発明の目的は、2つの基地局電波の干渉領域以外の領域においても、通信品質の劣化を抑制することのできるDSTBC送信技術を提供することにある。
上記の課題を解決するための、無線通信システムの代表的な構成は、次のとおりである。すなわち、
第1の送信機と第2の送信機と受信機とを備える無線通信システムであって、
前記第1の送信機は、
第1のビット列をシンボル変調して第1及び第2の送信基本シンボルを出力する第1のシンボルマッピング部と、
第1の初期値に基づき、前記第1及び第2の送信基本シンボルが入力されて差動時空間符号化処理を行い、直交する2種の系列A系列符号とB系列符号とを生成する第1の差動時空間符号化部と、
前記A系列符号と前記B系列符号を無線周波数に変調し、それぞれA系列送信信号とB系列送信信号として出力する第1の送信部と、
前記A系列送信信号を無線出力する第1のアンテナと、
前記B系列送信信号を無線出力する第2のアンテナと、を備え、
前記第2の送信機は、
前記第1のビット列をシンボル変調して前記第1及び第2の送信基本シンボルを出力する第2のシンボルマッピング部と、
前記第1の初期値と異なる第2の初期値に基づき、前記第1及び第2の送信基本シンボルが入力されて前記差動時空間符号化処理を行い、前記A系列及び前記B系列と異なり、かつ直交性を有する2種の系列C系列符号とD系列符号を生成する第2の差動時空間符号部と、
前記C系列符号と前記D系列符号を無線周波数に変調し、それぞれC系列送信信号とD系列送信信号として出力する第2の送信部と、
前記C系列送信信号を無線出力する第3のアンテナと、
前記D系列送信信号を無線出力する第4のアンテナと、を備え
前記受信機は、
前記A系列送信信号と前記B系列送信信号と前記C系列送信信号と前記D系列送信信号とを受信して復調する受信部と、
前記受信部からの出力信号を差動時空間復号化処理する差動時空間復号化部と、
前記差動時空間復号化部からの出力信号に基づき前記第1のビット列を復元するシンボル判定部と、を備えることを特徴とする無線通信システム。
このように構成すると、2つの基地局電波の干渉領域以外の領域においても、通信品質の劣化を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る列車無線システムの構成図である。 本発明の実施形態に係るDSTBC送信機の構成図である。 本発明の実施形態に係るDSTBC受信機の構成図である。 比較例1に係るDSTBC送受信系統の等価系統図である。 比較例1に係る平均受信電界を示す図である。 比較例2に係るDSTBC送受信系統の等価系統図である。 比較例2に係る平均受信電界を示す図である。 本発明の実施形態に係るDSTBC送受信系統の等価系統図である。 本発明の実施形態に係る平均受信電界を示す図である。 背景技術に係る列車無線システムの構成図である。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、本発明の実施形態に係る列車無線システムの構成について、図1を用いて説明する。図1は、本発明の実施形態に係る列車無線システムの構成図である。図7と同じ構成については、図7と同じ符号を付している。
図1に示すように、基地局71と基地局72には、それぞれ送信アンテナが2本設けられ、それら2本のアンテナからDSTBCのA系列信号とB系列信号とが送信される。つまり、2つの基地局71,72のDSTBC送信機71a,72aから、それぞれ、互いに直交するA系列信号とB系列信号の2系列を送信する。そして、本実施形態では、基地局71と基地局72から送信されるA系列信号は互いに異なり、かつ、基地局71と基地局72から送信されるB系列信号は互いに異なるように構成される。
このように、本実施形態では、すべての基地局に送信アンテナ2本を用意して、すべての基地局で送信ダイバーシチ構成をとり、すべての基地局から、互いに直交するDSTBCの2系列の信号を同時送信する。そして、このとき、互いに隣接する基地局から送信する2系列の信号が互いに異なるように構成する。
なお、図1では、説明の簡素化のため、2つの基地局で構成されるシステムとしたが、3つ以上の基地局で構成されるシステムとすることも可能である。
次に、DSTBC方式の送信機及び受信機の回路構成について、図2と図3を用いて説明する。図2は、本発明の実施形態に係るDSTBC送信機の構成図である。図3は、本発明の実施形態に係るDSTBC受信機の構成図である。
まず、DSTBC送信機10について、図2を用いて説明する。
図2に示すように、本実施形態のDSTBC送信機10は、S/P(シリアル−パラレル)変換部11、2つのシンボルマッピング部12a,12b、差動演算部13、遅延部14、時空間符号化部(STBC符号化部)15、記憶部16、2つの送信部17a,17b、2つのアンテナ18a,18bを含むように構成される。そして、差動時空間符号化部(DSTBC符号化部)19は、差動演算部13、遅延部14、時空間符号化部15、記憶部16を含むように構成される。
本実施形態のDSTBC送信機10の動作を説明する。
S/P変換部11には、例えば音声信号などをデジタル化したビット(bit)列のシリアル信号が入力される。S/P変換部11は、入力されたシリアル信号を2シンボル毎に分割し、パラレル信号として、シンボルタイミングの間隔でシンボルマッピング部12a,12bへ出力する。シンボルタイミングとは、送信側において情報(シンボル)を搬送波に載せるタイミングである。
本実施形態では4値デジタル変調(2bit/1シンボル)を使用しているので、S/P変換部11は、4ビットの入力信号(b4n、b4n+1、b4n+2、b4n+3)を(b4n、b4n+1)と(b4n+2、b4n+3)の2ビットずつに分割し、例えば、初めのシンボルタイミングで(b4n、b4n+1)をシンボルマッピング部12aへ出力し、次のシンボルタイミングで(b4n+2、b4n+3)をシンボルマッピング部12bへ出力する。ここで、n(=0、1、2、・・・)は、4bit毎に変化する時系列番号である。
なお、4値デジタル変調(2bit/1シンボル)のシンボル変調としては、例えば、位相変調(QPSK:Quadrature Phase Shift Keying)と呼ばれる変調方式を用いることができる。
各シンボルマッピング部12a,12bは、S/P変換部11から、それぞれ、ビット列(b4n、b4n+1)、(b4n+2、b4n+3)が入力されると、予め指定されたシンボル変調に従ってマッピングして、その結果を、送信シンボルの基本となる送信基本シンボルとして、差動演算部13へ出力する。
具体的には、S/P変換部11で分割した2シンボル分のビット列に対して、シンボルマッピング部12aにより、入力ビット列(b4n、b4n+1)をIQ平面の値にマッピングして、シンボル変調結果m2iを出力する。また、シンボルマッピング部12bにより、入力ビット列(b4n+2、b4n+3)をIQ平面の値にマッピングして、シンボル変調結果m2i+1を出力する。
こうして、シンボルマッピング部12aとシンボルマッピング部12bから、送信機10のシンボルマッピング部12が構成される。シンボルマッピング部12は、送信機10に入力されたビット列をシンボル変調して、第1の送信基本シンボルm2iと第2の送信基本シンボルm2i+1を出力する。
このように、差動演算部13の入力は、ベクトル[m2i m2i+1であり、送信するデジタルビットに基づき、各シンボルマッピング部12a,12bで変調された送信基本シンボル(複素数)である。ここで、Tは転置を表す。また、時系列を表す添え字i(=0、1、2、・・・)は、2シンボル毎にインクリメントされる番号で、i≧0とする。なお、i=0は、送信する無線フレームの先頭を意味し、無線フレームの先頭で0にリセットされる。
差動演算部13は、シンボル変調結果m2i、m2i+1が入力された後に、(式1)の演算を行い、その結果であるs2i、s2i+1を、遅延部14及び時空間符号化部(STBC符号化部)15へ出力する。(式1)では、入力m2i、m2i+1と、遅延部14の出力s2i−2、s2i−1、つまり差動演算部13の前回の出力s2i−2、s2i−1とを用いて演算し、演算結果s2i、s2i+1を出力する。ここで、(式1)において、*は共役複素数を表す。
なお、差動演算部13は、(式1)の演算を行う際に、s2i、s2i+1の初期値であるs―2,s−1を、記憶部16から取り込む。
Figure 0006176801
このように、差動演算部13の出力シンボルは、前回の出力、つまり2シンボル時間前の自身の出力値を用いた、式(1)による再帰的行列演算の結果である。ここで、シンボル時間とは、送信部17a,17bからシンボルが送信される時間間隔である。なお、差動演算部13の演算は、前回の出力を用いた再帰的行列演算であれば、式(1)による演算に限られるものではない。
遅延部14は、差動演算部13で(式1)の演算ができるように、差動演算部13から入力されるs2i、s2i+1を遅延させて、差動演算部13へ出力する。
記憶部16は、初期値s―2,s−1を記憶する。初期値s―2,s−1は、後述の式(6)を満足するものであればよく、任意の値が設定可能である。初期値s―2,s−1は、例えば送信機10の操作部(不図示)から操作員により入力され、予め記憶部16に記憶される。
時空間符号化部15は、差動演算部13の出力ベクトルである[s2i s2i+1を入力とし、公知の時空間符号化処理を行って、その結果、A系列信号とB系列信号とを生成し、これらを、2シンボル時間かけて送信部17a,17bへ出力する。詳しくは、時空間符号化部15は、A系列信号の出力として、シンボル番号2iのタイミングでs2iを送信部17aへ出力し、シンボル番号2i+1のタイミングで−s 2i+1を送信部17aへ出力する。また、時空間符号化部15は、B系列信号の出力として、シンボル番号2iのタイミングでs2i+1を送信部17bへ出力し、シンボル番号2i+1のタイミングでs 2iを送信部17bへ出力する。このように、時空間符号化部15は、入力ベクトル[s2i s2i+1の各要素を、時間的及び空間的に組みかえた信号系列を生成し出力する。
送信部17aは、時空間符号化部15からの出力に対して、D/A(Digital to Analog)変換処理や直交変調処理を施した後に、所望の無線送信周波数に変調し、増幅してアンテナ18aへ出力する。送信部17bも、送信部17aと同様の処理を行う。送信部17aと送信部17bから、送信機10の送信部17が構成される。このように、送信部17(送信部17aと送信部17b)の出力は、送信部17aと送信部17bのそれぞれの出力信号が、互いに同一周波数であってかつ直交性を有する。
アンテナ18aは、送信部17aからの出力信号を無線により出力する。アンテナ18bは、送信部17bからの出力信号を無線により出力する。なお、アンテナ18aとアンテナ18bは、本実施形態では無指向性であるが、指向性をもたせ、所定の方向、例えば対向する基地局の方向へ送信するよう構成することも可能である。アンテナ18aとアンテナ18bから、送信機10のアンテナ18が構成される。
こうして、A系列の出力(s2i,−s 2i+1)は、2シンボル時間かけてアンテナ18aより送信され、A系列と直交するB系列の出力(s2i+1,s 2i)は、2シンボル時間かけてアンテナ18bより送信される。
このように、DSTBC送信機10は、1つの信号系列(s2i2i+1)から、A系列信号(s2i −s 2i+1)とB系列信号(s2i+1 2i)を発生させ、A系列信号とB系列信号を、アンテナから送信する。受信側では、受信したA系列信号とB系列信号を復調演算することにより、時間的及び空間的にダイバーシチ効果を得る。
次に受信機20について、図3を用いて説明する。
DSTBC受信機20は、受信アンテナ21、受信部22、S/P(シリアル−パラレル)変換部23、差動演算部24、遅延部25、シンボル判定部27を含むように構成される。そして、差動時空間復号化部(DSTBC復号化部)26は、差動演算部24、遅延部25を含むように構成される。
なお、デジタル無線通信において、受信機は受信ダイバーシチの構成をとることが一般的であるが、説明の簡素化のため、本明細書ではDSTBC受信機20はシングル受信とする。
受信部22は、受信アンテナ21を介して送信機10から送信された信号を受信すると、増幅、周波数変換、復調、A/D(Analog to Digital)変換等の処理を行い、S/P変換部23へ出力する。
S/P変換部23は、受信部22から入力されるシリアル信号をパラレル変換し、2シンボルずつまとめて、差動演算部24と遅延部25へ出力する。
遅延部25は、差動演算部24で演算ができるように、S/P変換部23から入力される信号を、2シンボル時間遅延させて差動演算部24へ出力する。
ここで、送信機10の送信アンテナ18a,18bから受信アンテナ21に至る伝搬路のCSIをそれぞれh,hで表すと、受信部22の受信信号、つまりS/P変換部23の出力は、式(2)で表される。
Figure 0006176801
差動演算部24は、この受信信号r2i,2i+1から元の送信基本シンボル[m2i m2i+1を復号するために、S/P変換部23から差動演算部24へ前回出力された受信信号r2i―2,r2i―1(2シンボル時間前の受信信号)を遅延部25から受け取り、これを用いて、式(3)であらわす演算を、2シンボル時間に1回行う。これにより、送信機10で行われたDSTBC符号化に対応する復号処理が行われ、その処理結果である[p2i p2i+1が、シンボル判定部27に出力される。
Figure 0006176801
ここで、差動演算部24の出力であるベクトル[p2i p2i+1は、雑音成分を無視でき、h,hの時間変動が十分に緩やかであるという条件下では、送信シンボルベクトル[m2i m2i+1と等しくなる。したがって、上記の条件下では、ベクトル[p2i p2i+1の成分をシンボル判定することによって得られるビット列を、受信ビットとして出力することで、送信機10に入力されたビット列のデータを復元することが可能となる。
シンボル判定部27は、差動演算部24から出力される信号[p2i p2i+1をシンボル判定し、その判定結果に基づきビット列のデータを復元、つまり送信機10に入力されて送信されたビット列のデータを推定して出力する。
ここで、送信機10のDSTBC符号化部19の出力信号の電力を一定値に維持するためには、式(1)内の行列である式(4)がユニタリ行列である必要がある。
Figure 0006176801
式(4)の行列がユニタリ行列であるための条件は、送信基本シンボルベクトル[m2i m2i+1が、式(5)を満足し、かつ、式(1)の初期値s―2,s−1が式(6)を満足することである。つまり、[m2i m2i+1が式(5)を満足し、初期値s―2,s−1が式(6)を満足する場合、式(1)の出力に関し、|s2i+|s2i+1=1の関係が保たれることになる。
Figure 0006176801
Figure 0006176801
ここで、DSTBC符号化部19の出力シンボル[s2i s2i+1、[−s 2i+1 s 2iは、式(6)を満たす初期値s―2,s−1の与え方により、DSTBC符号化部19の入力[m2i m2i+1が同じであっても、異なる出力シンボルとなることが確認されている。つまり、式(1)の演算を2シンボル送信時間毎に繰り返すことで得られるDSTBC符号化部19の出力の時間的遷移は、DSTBC符号化部19に与える初期値s―2,s−1の値により異なることが確認されている。このことは、国際出願公開公報WO2011/105103やWO2011/125329に開示されている。
なお、この初期値s―2,s−1は、式(6)の条件を満たしていれば、受信機20の回路構成には影響を与えない。即ち、式(6)の条件を満たしていれば、初期値s―2,s−1がどのような値であっても、受信機20は、その回路構成を変更することなく、DSTBC復号処理を行うことができる。
(比較例1)
ここで比較例1として、前述した図7のシステムについて説明する。
図2は、図1に示す1つのDSTBC送信機、例えば送信機71aの系統を表すように表記しているが、A系列とB系列を2つの別のアンテナから出力するという点で、図7に示す2つのDSTBC送信機61a,62aと等価なブロック図でもある。したがって、図7に示す2つのDSTBC送信機と、図3に示すDSTBC受信機とで構成される送受信系統図は、図2と図3で構成される送受信系統図で表すことができる。
図2と図3で構成される送受信系統図を簡素化すると、図4Aのブロック図のように表記できる。図4Aは、比較例1の送受信系統(図7に示す2つのDSTBC送信機と、図3に示すDSTBC受信機とで構成される送受信系統)を示す図である。図4Aに示すように、DSTBC符号化部19で生成されたA系列とB系列の2系統の信号が、送信部(不図示)で直交変調された後、送信機10から出力される。そして、伝搬路のCSIとしてA系列信号にはhの重みが加えられ、B系列信号にはhの重みが加えられる。A系列信号とB系列信号の電波は、受信機20に入力されると、電波的に合成された後、DSTBC復号化部26へ入力される。加算器31は、電波的な合成を意味する。
図4Bは、図7のモデル図における基地局61と基地局62の中点付近の受信機20の平均受信電界を、概念的に示したものである。図4Bの横軸は、上記中点付近における数メートル〜数10メートルの範囲と位置を表す。但し、図4Bは、見通し環境、つまり、2つの基地局間に物理的な障害物が存在しない環境の場合であるので、hとhが略等しい条件の場合、つまり|h|≒|h|の条件の場合である。
送信機61a,62aからDSTBC符号化されたA系列信号とB系列信号が送信されるため、図4Bのイメージ図のように、2つの基地局の中点付近における数10メートル程度の範囲内では、場所によらずほぼ一定の受信入力を確保できる。しかし、前述したように、図7のシステムでは、片方の系列しか受信しない領域においては、DSTBCを適用しない場合と比して、通信品質が劣化してしまうという問題点がある。
(比較例2)
比較例1の問題点を解決するために、すべての基地局に送信アンテナ2本を用意して、すべての基地で送信ダイバーシチ構成をとり、すべての基地局からDSTBCの2系列信号を同時送信する方式(比較例2)が考えられる。ただし、この比較例2では、基地局71と基地局72から送信されるA系列信号は互いに同一であり、かつ、基地局71と基地局72から送信されるB系列信号は互いに同一である。
比較例2は、すべての基地局からDSTBCの2系列を同時送信する点において、本実施形態と共通するので、図1のモデル図で表すことができる。つまり、図1は、本実施形態に係る列車無線システムの構成図であるが、比較例2に係る列車無線システムの構成図でもある。
図7のモデルとの相違点のみ説明すると、比較例2では、基地局71と基地局72にはそれぞれ送信アンテナが2本あり、それら2本のアンテナからDSTBC符号化されたA系列信号とB系列信号とが送信される。前述したように、比較例2では、基地局71と基地局72から送信されるA系列信号は互いに同一であり、かつ、基地局71と基地局72から送信されるB系列信号は互いに同一である。
比較例2のシステムによれば、図7に示す全ての領域81〜83において送信ダイバーシチの効果を得ることができるため、システム全体として通信品質は向上する。しかし、2つの基地局から同時に同一信号を送信するので、基地局71からのA系列と基地局72からのA系列同士が同電力逆位相で干渉し、かつ、基地局71からのB系列と基地局72からのB系列同士も同電力逆位相で干渉するという条件下では、同一波干渉対策としての効果がなくなってしまうという問題点がある。これは、見通し環境において比較的生じやすい。
以下、比較例2の構成について、詳しく説明する。
比較例2の送受信系統は、簡素化してブロック図で表すと、図5Aのようになる。図5Aは、比較例2に係るDSTBC送受信系統の等価系統図である。比較例2では、図1に示すように、2つの基地局71,72のDSTBC送信機71a,72aで、それぞれ、A系列信号とB系列信号の2系列を生成し、無線周波数に変調し送信する。すなわち、図5Aに示すように、2つの基地局1,2のDSTBC符号化部19a,19bで、それぞれ、A系列信号とB系列信号の2系列を生成する。
このとき、DSTBC符号化部19a,19bには、互いに同じ値の初期値s―2,s−1が与えられる。したがって、DSTBC符号化部19aとDSTBC符号化部19bで生成されるA系列信号は、互いに同じ内容(s2i,−s 2i+1)である。また、DSTBC符号化部19aとDSTBC符号化部19bで生成されるB系列信号は、互いに同じ内容(s2i+1, 2i)である。
ここで、基地局1のA系列信号用アンテナ18aから、受信機20の受信アンテナ21のまでの伝搬路のCSIをhとし、基地局1のB系列信号用アンテナ18bから、受信機20の受信アンテナ21のまでの伝搬路のCSIをhとし、基地局2のA系列信号用アンテナ18a´から、受信機20の受信アンテナ21のまでの伝搬路のCSIをgとし、基地局2のB系列信号用アンテナ18b´から、受信機20の受信アンテナ21のまでの伝搬路のCSIをgとする。
基地局1,2からそれぞれ送信されたA系列信号とB系列信号の電波は、受信機20に入力されると、電波的に合成されて、DSTBC復号化部26へ入力される。したがって、このときの受信アンテナ21の入力信号、つまりDSTBC復号化部26の入力信号は、式(7)、つまり式(8)で表される。図5Aに示す加算器51は、電波的な合成を意味する。
Figure 0006176801
Figure 0006176801
図5Bは、比較例2における、図1のモデル図に示す基地局71と基地局72の中点付近の受信機20の平均受信電界を、概念的に示したものである。図5Bの横軸は、上記中点付近における数メートル〜数10メートルの範囲と位置を表す。但し、図5Bは、見通し環境の場合であるので、hとhとgとgが略等しい条件の場合、つまり|h|≒|h|≒|g|≒|g|の条件の場合である。
式(8)からも明らかなように、式(9)の条件が成立すると、式(7)の受信機入力r2i,2i+1がゼロとなる。この状態は、信号の無受信状態と等価であり、この状態となる場所において通信品質が劣化する。その場所は、イメージ図の図5Bにおいて、周期的に平均受信電界レベルが落ち込んでいる箇所である。
Figure 0006176801
前述したように、図5Bに示すような定在波は、実フィールドでは、平野部などの見通し環境にある路線上で発生しやすいという問題があるので、なんらかの対策が必要である。本発明では、この問題に対する対策を提案するものである。
本発明の実施形態に係るDSTBC送信機について、図6Aを用いて説明する。
図6Aは、本発明の実施形態に係るDSTBC送受信系統の等価系統図である。図5Aとの相違点は、基地局1から出力する2系列(A系列、B系列)の送信シンボルと異なる2系列(A系列に対応するC(A´)系列、B系列に対応するD(B´)系列)の送信シンボルを、基地局2から出力する点である。これにより、基地局1と基地局2間の中点付近においても、同一波干渉の影響を抑えることを可能とする。
本実施形態では、図6Aに示すように、基地局1のDSTBC符号化部19aで、A系列信号(s2i,−s 2i+1)と、B系列信号(s2i+1, 2i)の2系列の送信シンボルを生成する。また、基地局2のDSTBC符号化部19bで、A系列信号と異なるC系列信号(u2i,−u 2i+1)と、B系列信号と異なるD系列信号(u2i+1, 2i)の2系列の送信シンボルを生成する。このように、A系列信号、B系列信号、C系列信号、D系列信号は、互いに異なる信号である。
なお、前述したように、DSTBC符号化部19a後段の送信部(図6Aでは送信部の図示を省略)において、A系列信号とB系列信号は互いに直交性を有する。また、DSTBC符号化部19b後段の送信部(図6Aでは送信部の図示を省略)において、C系列信号とD系列信号は互いに直交性を有する。
図6Aにおいて、DSTBC符号化部19aとDSTBC符号化部19bの入力信号は、同じ入力[m2i m2i+1であるが、DSTBC符号化部19a,19bには、それぞれ、互いに異なる値の初期値s―2,s−1とu―2,u−1が与えられる。これにより、前述したように、DSTBC符号化部19aで、A系列信号とB系列信号が生成され、DSTBC符号化部19bで、A系列信号と異なるC系列信号と、B系列信号と異なるD系列信号とが生成される。
なお、DSTBC符号化部19aとDSTBC符号化部19bは、与えられる初期値以外は、同一の構成であり、同一のDSTBC符号化処理を行う。したがって、DSTBC符号化部19bに初期値s―2,s−1が与えられた場合は、DSTBC符号化部19bは、A系列信号とB系列信号とを生成し、DSTBC符号化部19aに初期値u―2,u−1が与えられた場合は、DSTBC符号化部19aは、C系列信号とD系列信号とを生成するように動作する。
このように、基地局1の送信機10の差動時空間符号化部19は、第1の初期値s―2,s−1が与えられ、第1及び第2の送信基本シンボルm2i、m2i+1が入力されて差動時空間符号化処理を行い、A系列符号とB系列符号とを生成する。そして、基地局1の送信機10の送信部17は、直交変調後、無線周波数に変調し、それぞれA系列送信信号とB系列送信信号として出力する。
また、基地局2の送信機10の差動時空間符号化部19は、第1の初期値と異なる第2の初期値u―2,u−1が与えられ、第1及び第2の送信基本シンボルm2i、m2i+1が入力されて差動時空間符号化処理を行い、A系列符号と異なるC(A´)系列符号と、B系列符号と異なるD(B´)系列符号とを生成する。そして、基地局2の送信機10の送信部17は、直交変調後、無線周波数に変調し、それぞれC(A´)系列送信信号とD(B´)系列送信信号として出力する。
こうして、本実施形態に係る無線通信システムでは、
第1のビット列が入力され、第1の初期値が与えられた場合に、A系列送信信号と、前記A系列送信信号と直交するB系列送信信号とを生成し、前記A系列送信信号と前記B系列送信信号とを互いに異なるアンテナから送信する第1の送信機と、
前記第1のビット列が入力され、前記第1の初期値が与えられた場合に、前記A系列送信信号と前記B系列送信信号とを生成し、前記第1の初期値と異なる第2の初期値が与えられた場合に、前記A系列送信信号と異なるC系列送信信号と、前記C系列送信信号と直交するD系列送信信号とを生成し、前記C系列送信信号と前記D系列送信信号とを互いに異なるアンテナから送信する第2の送信機と、を備え、
前記第1の送信機には前記第1の初期値が与えられ、前記第2の送信機には前記第2の初期値が与えられる。
図6Bは、本発明の実施形態に係る平均受信電界を示す図であり、図1のモデル図における基地局71と基地局72の間の中点付近の受信機20の平均受信電界を、概念的に示したものである。図6Bの横軸は、上記中点付近における数メートル〜数10メートルの範囲と位置を表す。図6Bに示すように、本実施形態の送信機10を用いれば、見通し環境においても、同一波干渉による定在波の落ち込みレベルを低減することが可能である。
なお、図6Aに示すような本実施形態のDSTBC送信機を用いる場合においても、受信機側の構成は、図3に示されるDSTBC受信機の構成でよい。つまり、図4Aや図5Aの受信系統で使用されるDSTBC受信機の構成でよい。
前述したように、式(1)を用いて生成されるDSTBC符号化部19の出力信号を単独に受信した場合は、受信機20では式(3)により復号でき、元の信号を復元可能である。
ここでは、式(10)を用いて生成されるDSTBC符号化部19aの出力信号と、式(11)を用いて生成されるDSTBC符号化部19bの出力信号との合成波を受信した場合において、この合成波を受信機20で式(3)により復号でき、元の信号を復元可能であること、つまり、図3に示す受信機20の回路構成で元の信号を復元可能であることを説明する。
図6Aに示す基地局1のDSTBC符号化部19aの差動演算部13の出力は、式(1)と同様にして、式(10)で表すことができる。
Figure 0006176801
但し、基地局1の差動演算部13には、|s―2+|s−1=1の条件を満たす初期値s―2,s−1を与えることとする。
一方、図6Aに示す基地局2のDSTBC符号化部19bの差動演算部13の出力は、式(11)で表すことができる。
Figure 0006176801
但し、基地局2の差動演算部13には、基地局1の初期値s―2,s−1とは異なり、かつ|u―2+|u−1=1の条件を満たす初期値u―2,u−1を与えることとする。
当然ながら、基地局1と基地局2の差動演算部13へ入力される送信基本シンボル[m2i m2i+1は、互いに同一となるように設定される。つまり、基地局1と基地局2の各送信機10には、同一データのビット列が同一のタイミングで入力される。
ここで、式(10)の両辺に、式(12)を左から掛けると、式(13)となる。
Figure 0006176801
Figure 0006176801
式(13)を式(11)に代入すると、式(14)となる。
Figure 0006176801
図6Aに示すように、基地局1のA系列信号用アンテナ18aから、受信機20の受信アンテナ21のまでの伝搬路のCSIをhとし、基地局1のB系列信号用アンテナ18bから、受信機20の受信アンテナ21のまでの伝搬路のCSIをhとし、基地局2のC系列信号用アンテナ18a´から、受信機20の受信アンテナ21のまでの伝搬路のCSIをgとし、基地局2のD系列信号用アンテナ18b´から、受信機20の受信アンテナ21のまでの伝搬路のCSIをgとする。
基地局1,2からそれぞれ送信されたA系列信号とB系列信号とC系列信号とD系列信号の電波は、受信機20に入力されると、電波的に合成されて、DSTBC復号化部26へ入力される。図6Aに示す加算器51は、電波的な合成を意味する。したがって、このときの受信アンテナ21の入力信号、つまりDSTBC復号化部26へ入力信号は、式(15)で表される。
Figure 0006176801
さらに、式(15)の2番目の式のみ両辺の共役をとると、式(16)に変形できる。
Figure 0006176801
式(16)を行列表記すると、式(17)となる。
Figure 0006176801
式(17)に式(14)を代入すると、式(18)となる。
Figure 0006176801
(式18)で示すz1とz2は、それぞれ、式(19)、式(20)のとおりである。
Figure 0006176801
Figure 0006176801
式(19)の右辺を、2シンボル送信時間後の式で表し、さらに、式(10)と式(11)を代入すると、式(21)となる。
Figure 0006176801
式(21)から、式(19)は、2シンボル送信時間ずらせても同一であることが解る。したがって、z=u−2s −2+u −1s−1 となる。
同様に、式(20)の右辺についても2シンボル送信時間後の式で表し、さらに、式(10)と式(11)を代入して整理すると、
=u−2s −1−u −1s−2 となる。
したがって、式(19)と式(20)のz,zは、固定値であることが解る。つまり、z,zは、各初期値s―2,s−1、u―2,u−1を決定した時点で、各初期値s―2,s−1、u―2,u−1により確定する固定値(複素数)である。
式(18)をさらに展開すると、式(22)となる。
Figure 0006176801
但し、
Figure 0006176801
式(22)の両辺に左からK−1を掛けると、式(24)となる。
Figure 0006176801
ここで、CSIの時間変動がシンボルレートに対して十分緩やかである場合は、上述したようにz,zは固定値なので、式(23)の時間変動はないものとみなすことができる。したがって、式(24)を2シンボル送信時間前に適用することができ、その場合、式(24)は、式(25)となる。
Figure 0006176801
式(25)のエルミート転置Hをとると、式(26)となる。
Figure 0006176801
式(24)と式(26)の両辺同士をかける(式(24)に式(26)を左からかける)と、式(27)となる。
Figure 0006176801
式(13)より、式(27)の左辺=m2iである。
また、式(27)の一部である[K−1−1は、式(28)となる。
Figure 0006176801
したがって、式(27)の左辺であるm2iは、式(29)となる。
Figure 0006176801
次に、式(25)の左から式(30)を掛けて、式(25)のベクトルを回転させると、式(31)となる。
Figure 0006176801
Figure 0006176801
式(31)の転置Tをとると、式(32)となる。
Figure 0006176801
式(24)と式(32)の両辺同士をかける(式(24)に式(32)を左からかける)と、式(33)となる。
Figure 0006176801
式(13)より、式(33)の左辺=m2i+1である。
また、式(33)の右辺の一部である式(34)は、式(35)となる。
Figure 0006176801
Figure 0006176801
よって、式(33)の右辺は、式(36)となる。
Figure 0006176801
したがって、式(33)の左辺であるm2i+1は、式(37)となる。
Figure 0006176801
式(29)と式(37)を行列表記すると、式(38)となる。
Figure 0006176801
ここで、式(22)を変形すると式(39)となる。
Figure 0006176801
式(39)の導出について説明する。
前述の式(22)を1時刻前に適用すると、式(22a)となる。
Figure 0006176801
Figure 0006176801
式(22a)の両辺のエルミート転置 Hをとると、式(22b)となる。
Figure 0006176801
式(22a)と式(22b)の右辺同士、左辺同士をかける(式(22b)を式(22a)の左からかける)と、式(39)となる。
Figure 0006176801
したがって、式(38)は、式(40)となる。
Figure 0006176801
式(40)の右辺は、式(3)の右辺と一致する。したがって、式(40)の左辺であるm2iとm2i+1は、それぞれ、式(3)の左辺であるp2iとp2i+1と一致する。このことは、図6AのDSTBC受信機が、図4AのDSTBC受信機、つまり図3のDSTBC受信機と同一の構成で実現できることを意味する。
本実施形態では、少なくとも次の効果を得ることができる。
(1)互いに隣接する2つの基地局の送信機に、それぞれ、同一のDSTBC符号化処理を行うDSTBC符号化部を設け、該2つの基地局のDSTBC符号化部に、送信する同一のデジタルビット列に基づく同一の送信基本シンボルを入力し、かつ、2つの基地局のDSTBC符号化部に与える初期値を互いに異なるように構成した。この構成により、2つの基地局電波の干渉領域以外の領域においては、通信品質の劣化を抑制することができ、また、2つの基地局電波の干渉領域においては、同一波干渉の影響を低減することができる。
(2)上記(1)のように送信機を構成したので、背景技術で述べた受信機と同じ構成で、本実施形態の受信機を構成することができる。つまり、背景技術で述べた受信機を、そのまま本実施形態の受信機に転用することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更が可能であり、また、前記実施形態の各構成要素を、必要に応じて任意にかつ適宜に組み合わせてもよい。
例えば、前記実施形態においては、送信する2デジタルビットに基づき1つの送信シンボルを生成する4値デジタル変調(2bit/1シンボル)を例に説明したが、3つ以上のデジタルビットに基づき1つの送信シンボルを生成するように構成することも可能である。
また、前記実施形態においては、列車無線システムにおいて互いに隣接する基地局に、DSTBC送信機を設けたが、本発明の適用は、列車無線システムに限られるものではない。また、基地局の送信機に限られるものではない。
また、本発明は、本発明に係る処理を実行するシステムとしてだけでなく、装置、方法として、或いは、このような方法やシステムを実現するためのプログラムや当該プログラムを記録する記録媒体などとして把握することができる。
また、本発明は、CPUがメモリに格納された制御プログラムを実行することにより制御する構成としてもよく、また、ハードウエア回路として構成してもよい。
10…送信機、11…S/P変換部、12,12a,12b…シンボルマッピング部、13…差動演算部、14…遅延部、15…時空間符号化部(STBC符号化部)、16…記憶部、17,17a,17b…送信部、18,18a,18b…送信アンテナ、19…差動時空間符号化部(DSTBC符号化部)、20…受信機、21…受信アンテナ、22…受信部、23…S/P変換部、24…差動演算部、25…遅延部、26…差動時空間復号化部(DSTBC復号化部)、27…シンボル判定部、31…加算器、51…加算器、61,62…基地局、63…車上局、63a…受信機、64…中央卓、65…中央装置、66…回線、71,72…基地局、71a,72a…送信機。

Claims (4)

  1. 第1の送信機と第2の送信機と受信機とを備える無線通信システムであって、
    前記第1の送信機は、
    第1のビット列をシンボル変調して第1及び第2の送信基本シンボルを出力する第1のシンボルマッピング部と、
    第1の初期値が与えられ、前記第1及び第2の送信基本シンボルが入力されて差動時空間符号化処理を行い、A系列符号とB系列符号とを生成する第1の差動時空間符号化部と、
    前記A系列符号と前記B系列符号を無線周波数に変調し、それぞれA系列送信信号とB系列送信信号として出力する第1の送信部と、
    前記A系列送信信号を無線出力する第1のアンテナと、
    前記B系列送信信号を無線出力する第2のアンテナと、を備え、
    前記第2の送信機は、
    前記第1のビット列をシンボル変調して前記第1及び第2の送信基本シンボルを出力する第2のシンボルマッピング部と、
    前記第1の初期値と異なる第2の初期値が与えられ、前記第1及び第2の送信基本シンボルが入力されて前記差動時空間符号化処理を行い、前記A系列符号と異なるC系列符号と、前記B系列符号と異なるD系列符号とを生成する第2の差動時空間符号化部と、
    前記C系列符号と前記D系列符号を無線周波数に変調し、それぞれC系列送信信号とD系列送信信号として出力する第2の送信部と、
    前記C系列送信信号を無線出力する第3のアンテナと、
    前記D系列送信信号を無線出力する第4のアンテナと、を備え
    前記受信機は、
    前記A系列送信信号と前記B系列送信信号と前記C系列送信信号と前記D系列送信信号とを受信して復調する受信部と、
    前記受信部からの出力信号を差動時空間復号化処理する差動時空間復号化部と、
    前記差動時空間復号化部からの出力信号に基づき前記第1のビット列を復元するシンボル判定部と、を備えることを特徴とする無線通信システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信システムであって、
    前記第1の差動時空間符号化部は、第1の差動演算部と第1の時空間符号化部とを備え、
    前記第2の差動時空間符号化部は、第2の差動演算部と第2の時空間符号化部とを備え、
    前記第1及び第2の差動演算部では、それぞれ、その出力をs 2i 、s 2i+1 とし、前記第1及び第2の送信基本シンボルをm 2i 、m 2i+1 とする場合に、(式1)を用いて差動演算を行い、
    前記第1及び第2の時空間符号化部では、それぞれ、前記第1及び第2の差動演算部からの出力s 2i 、s 2i+1 を入力とし、前記A系列符号及び前記C系列符号としてs 2i ,−s *2i+1 を出力し、前記B系列符号及び前記D系列符号としてs 2i+1 ,s *2i を出力することを特徴とする無線通信システム。
    Figure 0006176801
    ・・・(式1)
  3. 請求項1又は請求項2に記載の無線通信システムであって、
    前記第1の送信機と前記第2の送信機は、見通し環境に設けられることを特徴とする無線通信システム。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の無線通信システムであって、
    前記第1の送信機は第1の基地局に設けられ、前記第2の送信機は第2の基地局に設けられ、前記第1の送信機及び前記第2の送信機からの信号を受信する受信機は、車上局に設けられることを特徴とする無線通信システム。
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