JP6176618B2 - 導波管型イメージリジェクションフィルタおよびそれを用いた片サイドバンド受信機、周波数分配器およびサイドバンド分離受信機 - Google Patents

導波管型イメージリジェクションフィルタおよびそれを用いた片サイドバンド受信機、周波数分配器およびサイドバンド分離受信機 Download PDF

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Description

この発明は、導波管型イメージリジェクションフィルタおよびそれを用いた片サイドバンド受信機、周波数分配器およびサイドバンド分離受信機に関する。
天体や大気微量分子からのスペクトルを受信するヘテロダイン受信方式のシステムが知られている。
例えば、星は、ガスと塵からなる希薄な星間物質中で誕生することが近年の研究で明らかになりつつあるが、星間物質の分子の回転運動に伴って分子種ごとに決まった振動数のミリ波あるいはサブミリ波帯の電磁波が放射される。その電磁波を捉えて観測することにより星の誕生と進化に関する研究成果が得られている。その観測に用いる装置は、電波望遠鏡として知られている。
また、例えば、超伝導SIS(Superconductor Insulator Superconductor)受信機を用いてオゾンスペクトル放射を観測することにより大気中のオゾン測定を行うシステムが知られている。
天体や大気微量分子からの電磁波は極めて微弱なために増幅する必要がある。しかし、受信機それ自身が持っている雑音が無視できないレベルでの信号処理であるため増幅は容易でない。しかも、ミリ波やサブミリ波と呼ばれる周波数帯域では電波を直接的に増幅できる特性のよい増幅器がほとんど存在しない。そこで、受信する電磁波信号(RF信号あるいはRadio Frequency 信号)に対して少し周波数の異なる局部発振信号(LO信号あるいはLocal Oscillation信号)を生成し、前記電磁波信号と生成された局部発振信号とを混ぜて周波数の差分を取り出す。このような処理を行って、高周波帯の信号を扱いやすい低周波帯の中間周波数信号(IF信号あるいはIntermediate Frequency信号)に変換する。この方式が前述のヘテロダイン方式と呼ばれるものであり、このときに用いる周波数変換器はミクサ(mixer)と呼ばれる。
ミクサを用いてヘテロダイン方式の受信を行う場合、IF信号はLO信号の周波数(fLO)を中心に、高周波と低周波の二つの周波数帯が出力される。このIF帯をサイドバンドと呼び、特に高周波側をUSB(Upper Side-Band)、低周波側をLSB(Lower Side-Band)と呼ぶ(図16参照)。二つのIF帯は、ミクサから全く同じ周波数成分として取り出される。これを両サイドバンド(DSB)モードと呼ぶ。観測にあたっては、USBもしくはLSB単独のIF帯に分離する。これを片サイドバンド(SSB)モードと呼ぶ。
観測は、USBとLSBの信号うちの一方、例えばUSB信号のみを用いて行う。その場合、フィルタを用いてLSB帯域を除去する。そして、フィルタを通過した信号を増幅し観測を行う。観測すべき帯域(例えばUSB)をシグナルバンドと呼び、除去すべき帯域(例えばLSB)をイメージバンドと呼ぶ。
天体や大気微量分子からのスペクトルを効率良く観測するためには観測すべき信号からイメージバンドの雑音や混信を十分に除去する必要がある。天体等のスペクトル強度は受信機のサイドバンド比(シグナルバンドとイメージバンドの感度比)によって変化するため、受信機を片サイドバンド化することは高精度測定のためには極めて重要である。一般的には、複数の光学素子を用いた干渉計方式のマーチン・パープレット型の周波数フィルタを用いる準光学方式のものが知られている。
それ以外に、ヘテロダイン受信機におけるイメージバンドの除去に帯域阻止フィルタを用いるものが知られている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。このようなイメージバンドの除去を目的とする帯域阻止フィルタは、イメージリジェクションフィルタとも呼ばれる。特許文献1は、2つの超伝導ミクサをバランスさせることで両サイドバンドを分離する方式(2バックショート方式)である。
イメージリジェクションフィルタは、不要な信号の除去、また電波障害対策における周波数成分の抑圧等で重要な部品の一つである。これまでに導波管を用いたイメージリジェクションフィルタがいくつか考案されている。導波管は、ミリ波、サブミリ波帯で使用される伝送線路の一つである。
図17は、非特許文献1に示された従来の導波管型イメージリジェクションフィルタの構造の一例を示す説明図である。(a)は要部の斜視図であり(b)は要部の寸法の一例を示す図である。数値の単位はミリメートルである。図17に示すように、従来の導波管型のイメージリジェクションフィルタ100は、主線路101である導波管の広壁上に、長さが2分の1管内波長の導波管からなる共振器103が、約4分の3管内波長隔てて配置されている。主線路101と各共振器103とは、アイリス105を介して結合している。なお、(b)で紙面奥行き方向における主線路101の幅は2.54ミリメートル、同方向におけるアイリス105の開口幅は1.10ミリメートルである。
図18は、図17のイメージリジェクションフィルタを構成する2つの導波管ブロックのうちの1つの形状を示すものである。図17(b)の主線路101、共振器103およびアイリス105に対応する部分に同様の符号を付している。
図19は、図17のイメージリジェクションフィルタを用いたオゾン測定システムの構成例を示すブロック図である(非特許文献1参照)。図17のイメージリジェクションフィルタをフィードホーンとSISミクサの間に配置することによりイメージ信号除去比を高めている。
特開2004−343654号公報
Shin'ichiro Asayama, Hideo Ogawa, Yoshinori Yonekura,Kazuji Suzuki1, Akira Mizuno, Hiroyuki Iwashita, Takashi Noguchi, "A WAVEGUIDE BAND-STOP FILTER AS AN IMAGE REJECTION FILTER FOR MEASUREMENT OF STRATOSPHERIC OZONE", International Journal of Infrared and Millimeter Waves, Vol. 24, Issue 11, 200311, pp1833-1839.
図17のような一体構造の導波管ブロックは、ミリ波、サブミリ波帯の短波長の信号に適用するにはミクロンオーダーの加工精度が要求される。その加工精度の要求を満たすことは容易でない。あるいは、その加工精度の要求を満たすためには加工や組立てに手間がかかってしまう。量産に適した構造の導波管型イメージリジェクションフィルタが求められている。
また、図17のような従来の導波管型イメージリジェクションフィルタは、阻止帯域の電波を跳ね返してしまうため、反射波による定在波やシステム内干渉が起こってしまう。特にミリ波やサブミリ波帯のリモートセンンシングにおいて、システム内における定在波は取得データの劣化を引き起こす。よって、不要な周波数成分は電波吸収体等を用いて終端させる必要があるが、それらを含めるとさらに構造が複雑になる。
この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、加工が容易で量産に適し、しかも阻止帯域の反射波による特性劣化が抑えられた導波管型イメージリジェクションフィルタを提供するものである。また、この発明は前記イメージリジェクションフィルタを用いた片サイドバンド受信機、周波数分配器およびサイドバンド分離受信機を提供するものである。
この発明は、
(1)ミリ波またはサブミリ波帯域の入力信号を受ける入力ポート、前記入力信号が2分配されかつ互いの位相が90°ずれた信号をそれぞれ出力する第1および第2出力ポートおよび信号を取り出す分岐ポートを有する導波管型90°ハイブリッドカプラと、第1出力ポートに一端が接続される導波管型第1帯域通過フィルタおよび第2出力ポートに一端が接続される導波管型第2帯域通過フィルタからなる一対の帯域通過フィルタと、第1帯域通過フィルタの他端に接続される第1電波吸収終端および第2帯域通過フィルタの他端に接続される第2電波吸収終端からなる一対の電波吸収終端とを備えるイメージリジェクションフィルタを提供する。
(2)前記イメージリジェクションフィルタと、ヘテロダイン受信用の局部発振信号を出力する局部発振器と、2つの入力ポートと出力ポートを含み、一方の入力ポートが前記イメージリジェクションフィルタと接続され他方の入力ポートが前記局部発振器と接続され、前記イメージリジェクションフィルタを経た入力信号と前記局部発振信号とが結合された信号を前記出力ポートから出力するカプラと、前記出力ポートに接続されて前記イメージリジェクションフィルタを経た入力信号と前記局部発振信号とを混合して中間周波数信号を出力するミクサとを備え、前記イメージリジェクションフィルタは、ヘテロダイン受信に係るUSBまたはLSBの何れかの帯域を阻止するヘテロダイン受信方式の片サイドバンド受信機を提供する。
(3)入力信号を受ける前段入力ポート、前記入力信号が2分配されかつ互いの位相が90°ずれた信号をそれぞれ出力する前段第1および前段第2出力ポートおよび信号を取り出す前段分岐ポートを有する導波管型前段ハイブリッドカプラと、前段第1出力ポートに一端が接続される導波管型第1帯域通過フィルタおよび前段第2出力ポートに一端が接続される導波管型第2帯域通過フィルタからなる一対の帯域通過フィルタと、後段入力ポート、後段第1および後段第2出力ポートおよび後段分岐ポートを有し、前記後段入力ポートが前記第1帯域通過フィルタの他端に接続され、前記後段分岐ポートが前記第2帯域通過フィルタの他端に接続される導波管型後段ハイブリッドカプラと、前記後段第1出力ポートに接続される電波吸収終端とを備える導波管型周波数分配器を提供する。
(4)前記周波数分配器をUSB用とLSB用に2個用いるサイドバンド分離受信機であって、前側の周波数分配器の前段分岐ポートと後側の周波数分配器の前段入力ポートとが互いに接続され、USB用の周波数分配器の帯域通過フィルタ対がUSBを通過させ、LSB用の周波数分配器の帯域通過フィルタ対がLSBを通過させる2個の周波数分配器と、ヘテロダイン受信用の局部発振信号を出力する局部発振器と、USB用周波数分配器の後段第2出力ポートに一方の入力が接続されるUSB用ミクサと、前記USB用ミクサの他方の入力に一端が接続され、USB帯域を阻止しバックショートを構成するUSBイメージリジェクションフィルタと、前記USBイメージリジェクションフィルタの他端に配置されて前記局部発振信号を前記USB用ミクサに提供するUSB用カプラと、LSB用周波数分配器の後段第2出力ポートに一方の入力が接続されるLSB用ミクサと、前記LSB用ミクサの他方の入力に一端が接続され、LSB帯域を阻止しバックショートを構成するLSBイメージリジェクションフィルタと、前記LSBイメージリジェクションフィルタの他端に配置されて前記局部発振信号を前記LSB用ミクサに提供するLSB用カプラとを備えるサイドバンド分離受信機を提供する。
この発明の前記(1)によるイメージリジェクションフィルタは90°ハイブリッドカプラと一対の帯域通過フィルタと、一対の電波吸収終端とを備えてなるので加工が容易で量産に適し、しかも阻止すべき周波数帯域の反射波が一対の電波吸収終端によって吸収されるので、不要帯域の反射による特性劣化を抑えることができる。
また、前記(2)による片サイドバンド受信機は、前記イメージリジェクションフィルタと、前記イメージリジェクションフィルタを経た入力信号と前記局部発振信号とを結合するカプラと、ミクサとを備えるので、加工が容易でありかつ反射を抑制して大きなサイドバンド比(イメージリジェクションレシオ)を得ることができる。またパッシブな導波管回路を用いているため経年変化が少なく長期間の使用においてサイドバンド比を安定に保つことが可能である。
さらにまた、前記(3)による周波数分配器は、前段および後段ハイブリッドカプラと、帯域通過フィルタ対と、電波吸収終端とを備えるので加工が容易でありかつパッシブな導波管回路で周波数分配器を構成することができ、長期間に渡り安定した特性が得られる。
前記(4)によるサイドバンド分離受信機は、USB用およびLSB用の一対の周波数分配器と、一対のミクサと、一対のイメージリジェクションフィルタと、一対のカプラとを備えるので、加工が容易でありかつ反射を抑制して大きなサイドバンド比を実現することができる。
この発明についてもう少し具体的に述べておく。
この発明において、90°ハイブリッドカプラ、通過帯域フィルタおよび電波吸収終端は、導波管回路を用いて実現される。導波管回路はパッシブな回路であって経年変化が少なく安定した特性が得られる。さらに、これらの導波管回路は導波管回路のなかでも比較的単純な形状で実現できるため、加工が容易で量産に好適である。カプラおよびミクサについても同様である。
この発明のイメージリジェクションフィルタの構成要素とその接続関係を示すブロック図である。 この発明のイメージリジェクションフィルタが示す周波数特性を模式的に示すグラフである。 この発明のイメージリジェクションフィルタの具体的な構成例を示す外観斜視図である。 図3のイメージリジェクションフィルタにおける90°ハイブリッドカプラの周波数特性を示すグラフである。 図3のイメージリジェクションフィルタにおけるBPFの周波数特性を示すグラフである。 図3のイメージリジェクションフィルタの周波数特性を示すグラフである。 この発明の実施形態の片サイドバンド受信機の構成を示すブロック図である。 図7の片サイドバンド受信機の各部の信号の周波数特性の例を示すグラフである。 図7の片サイドバンド受信機の外観を示す斜視図である。 この発明の実施形態の導波管型周波数分配器の基本構成を示すブロック図である。 図10の基本ブロックの周波数特性の例を示すグラフである。 この発明の実施形態の導波管型周波数分配器の構成を示すブロック図である。 図12の周波数分配器の各部の信号の周波数特性の例を示すグラフである。 この発明の実施形態のサイドバンド分離受信機の構成を示すブロック図である。 図14のサイドバンド分離受信機の各部の信号の周波数特性の例を示すグラフである。 公知のヘテロダイン方式の受信機により出力されるIF信号とLO信号の周波数軸上の関係を示すグラフである。 従来の導波管型イメージリジェクションフィルタの構造の一例を示す説明図である。 図17のイメージリジェクションフィルタを構成する2つの導波管ブロックのうちの1つの形状を示すものである。 図17のイメージリジェクションフィルタを用いたオゾン測定システムの構成例を示すブロック図である。 この発明に係るベンド管タイプのイメージリジェクションフィルタの構成例を示す説明図である。 この発明に係るベンド管タイプのイメージリジェクションフィルタの周波数特性の例を示すグラフである。 この発明に係るイメージリジェクションフィルタの90°ハイブリッドカプラとBPFとを直結したときの周波数特性を示すグラフである。 この発明に係るイメージリジェクションフィルタの距離dを変化させたときの周波数特性を示すグラフである。(d=1.5、2.3および2.5mm) この発明に係るイメージリジェクションフィルタの距離dを変化させたときの周波数特性を示すグラフである。(d=3.0および17.8mm)
以下、この発明の好ましい態様について説明する。
前記90°ハイブリッドカプラおよび前記一対の帯域通過フィルタは、一体の導波管ユニットとして形成され、前記一対の電波吸収終端は、前記導波管ユニットにそれぞれ接続されてもよい。
さらに、前記90°ハイブリッドカプラは、第1導波管路と、第2導波管路と、第1および第2導波管路を結合するカプラ部とを備え、前記第1導波管路は一端に前記入力ポートを有し他端に前記第1帯域通過フィルタが接続され、第2導波管路は一端に前記分岐ポートを有し他端に前記第2帯域通過フィルタが接続され、前記第1導波管路に沿って前記カプラ部から前記第1帯域通過フィルタに至る最短の管路長と前記第2導波管路に沿って前記カプラ部から前記第2帯域通過フィルタに至る最短の管路長とは互いに等しく、以下の式:
(式中、dは管路長、λgは阻止すべきイメージバンドの管内波長を表す)
を満たすものであってもよい。
ここで、カプラ部から第1帯域通過フィルタに至る「最短」の管路長とは、第1帯域通過フィルタに近い側のカプラ部の端からカプラ部に近い側の第1帯域通過フィルタの端までの管路長をいう。カプラ部から第2帯域通過フィルタに至る「最短」の管路長についても同様で、第2帯域通過フィルタに近い側のカプラ部の端からカプラ部に近い側の第2帯域通過フィルタの端までの管路長をいう。
前記管路長が、さらに以下の式:
(式中、dは前記管路長、λgは阻止すべきイメージバンドの管内波長を表す)
を満たすものであってもよい。
また、前記カプラ部から前記第1帯域通過フィルタまでの第1導波管路が直線状に形成され、前記カプラ部から前記第2帯域通過フィルタまでの第2導波管路が直線状に形成されてもよい。
また、前記(3)の好ましい態様として、この発明の周波数分配器を複数個直列に接続してなる周波数分配器であって、前側の周波数分配器の前段分岐ポートと後側の周波数分配器の前段入力ポートとが接続され、各周波数分配器の帯域通過フィルタ対の通過帯域が他の周波数分配器の帯域通過フィルタ対と異なる多出力の周波数分配器を構成してもよい。
前記前段および後段ハイブリッドカプラおよび前記一対の帯域通過フィルタは、一体の導波管ユニットとして形成されてもよい。
さらに、前記前段ハイブリッドカプラは、第1導波管路と、第2導波管路と、第1および第2導波管路を結合するカプラ部とを備え、前記第1導波管路は一端に前記入力ポートを有し他端に前記第1帯域通過フィルタが接続され、第2導波管路は一端に前記分岐ポートを有し他端に前記第2帯域通過フィルタが接続され、前記第1導波管路に沿って前記カプラ部から前記第1帯域通過フィルタに至る最短の管路長と前記第2導波管路に沿って前記カプラ部から前記第2帯域通過フィルタに至る最短の管路長とは互いに等しく、以下の式:
(式中、dは管路長、λgは阻止すべきイメージバンドの管内波長を表す)
を満たすものであってもよい。
前記管路長が、さらに以下の式:
(式中、dは前記管路長、λgは阻止すべきイメージバンドの管内波長を表す)
を満たすものであってもよい。
また、前記カプラ部から前記第1帯域通過フィルタまでの第1導波管路が直線状に形成され、前記カプラ部から前記第2帯域通過フィルタまでの第2導波管路が直線状に形成されるものであってもよい。
この発明の好ましい態様には、複数の好ましい態様を組み合わせたものも含まれる。
以下、図面を用いてこの発明をさらに詳述する。なお、以下の説明は、すべての点で例示であって、この発明を限定するものと解されるべきではない。
(実施の形態1)
発明者は、共振器を用いて阻止帯域の電磁波を反射させる従来のイメージリジェクションフィルタとは異なる思想にもとづいてこの発明の構成の着想に至った。即ち、この発明のイメージリジェクションフィルタは阻止すべき帯域の電磁波のみを電波吸収体へ導くことにより反射の抑制されたイメージリジェクションフィルタを実現するものである。
≪イメージリジェクションフィルタの構成要素と接続関係≫
図1は、この発明のイメージリジェクションフィルタの構成要素とその接続関係を示すブロック図である。図1に示すように、イメージリジェクションフィルタ11は主として以下に示す3つの要素から構成される。
i)導波管型90°ハイブリッドカプラ(図1に符号13で示す)
ii)導波管型帯域通過フィルタ (図1に示すBPF15および17)
iii)電波吸収終端(図1に示す電波吸収体19および21)
ミリ波やサブミリ波帯の導波管回路で、i〜iiiの要素を組み合わせてイメージリジェクションフィルタの機能を実現する構成に特徴的側面がある。
図1で、イメージリジェクションフィルタ11の構成要素である90°ハイブリッドカプラ13には、入力ポートP1、分岐ポートP2および出力ポートP3およびP4が設けられている。出力ポートP3およびP4からは、入力ポートP1に入力されたRF信号に対して半分の強度(電力)のRF信号が出力される。なお、出力ポートP4から出力されるRF信号は、出力ポートP3から出力されるRF信号に対して90°位相がずれている。説明を分かり易くするための単純な例として、出力ポートP4からは入力ポートP1に対して位相が1/4波長即ち90°遅れたRF信号が出力されるものとする。この単純な例では、出力ポートP3からは出力ポートP4に対して90°位相が進んだRF信号、即ち、入力ポートP1と同位相のRF信号が出力される。このような直交ハイブリッドカプラは、当該技術でよく知られている。一般的に、90°ハイブリッドカプラは、高周波信号を2つに分配したり合成したりする場合に用いられる。信号を分配する場合、分岐ポートP2を反射のないように終端させておく。入力ポートP1にRF信号を入力すると、出力ポートP3およびP4から分配された信号が得られる。信号を合成する場合はこれと逆で、出力ポートP3およびP4から合成すべき信号を入力すると、入力ポートP1および分岐ポートP2から合成された信号が得られる。
図1に示すように、この発明では出力ポートP3の先にBPF15の一端を接続し、BPF15の他端の先を電波吸収体19によって終端する。さらに、出力ポートP4の先にBPF17の一端を接続し、BPF17の他端の先を電波吸収体によって終端する。出力ポートP3とP4にそれぞれ接続する回路は互いに相似である。即ち、BPF15とBPF17は同一の通過帯域特性を有している。
イメージリジェクションフィルタ11の特性を簡単に説明する。
入力ポートP1から、BPF15および17の通過帯域「内」の周波数のRF信号を入力した場合、その信号は90°ハイブリッドカプラで2分配されたのち、BPF15および17をそれぞれ通過し、最終的に電波吸収体19および21にて終端される。
一方、入力ポートP1からBPF15および17の通過帯域「外」の周波数のRF信号を入力した場合、その信号は2分配されかつ互いの位相が90°ずれて出力ポートP3およびP4からそれぞれ出力される。前述の単純な例では、出力ポートP3からは入力RF信号に対する位相差が0°のRF信号が出力され、出力ポートP4からは入力RF信号に対する位相差が−90°のRF信号が出力される。
出力されたRF信号は、その後に結合されたBPF15および17にてそれぞれ反射される。これらの反射波は、いずれも90°ハイブリッドカプラ13へ戻る。90°ハイブリッドカプラ13およびBPF15および17に損失がなければ、それぞれの反射波は入力RF信号の半分の強度を有する。
出力ポートP3から90°ハイブリッドカプラ13へ戻る反射波は、2分配されかつ互いの位相が90°ずれて入力ポートP1および分岐ポートP2からそれぞれ出力される。前述の単純な例では、入力ポートP1からは戻りRF信号および入力RF信号に対する位相差が0°のRF信号が出力され、分岐ポートP2からは戻りRF信号に対する位相差が0°即ち入力RF信号に対する位相差が−90°のRF信号が出力される。
同時に、出力ポートP4から90°ハイブリッドカプラ13へ戻る反射波は、2分配されかつ互いの位相が90°ずれて分岐ポートP2および入力ポートP1からそれぞれ出力される。前述の単純な例では、分岐ポートP2からは入力RF信号に対する位相差が−90°のRF信号が出力され、入力ポートP1からは入力RF信号に対する位相差が−180°のRF信号が出力される。
結果的に、出力ポートP3およびP4から90°ハイブリッドカプラ13へ戻る反射波は、入力ポートP1において互いの信号強度が等しく位相が180°ずれているために打ち消しあい、入力ポートP1から戻りRF信号は出力されない。一方、分岐ポートP2において前記反射波の互いの位相は同位相となり、よって、入力に等しい信号強度かつ入力に対する位相差が−90°のRF信号が分岐ポートP2から出力される。なお、たとえ90°ハイブリッドカプラに損失があるとしても出力ポートP3およびP4から出力される信号強度が互いに等しくなるように設計すれば、前記反射波は互いに打ち消しあう。
まとめると、図1に示す構成により、BPF15および17の通過帯域の信号は電波吸収体19および21によって終端され、通過帯域外の信号は分岐ポートP2から出力される。よって、BPF15および17の通過帯域の周波数を阻止する無反射の帯域阻止フィルタが得られる。BPF15および17の通過帯域をイメージバンドと一致させればイメージリジェクションフィルタとして機能する。
図2は、上述のイメージリジェクションフィルタ11が示す周波数特性を模式的に示すグラフである。横軸は周波数であり、縦軸は透過率である。fcはBPF15および17の通過帯域の中心周波数であり、f1〜f2が通過帯域のバンド幅である。図2で、BPF15および17の周波数特性は、上に凸な曲線であってfcを中心としてf1〜f2の帯域を通過させる。BPF15および17を通過するRF信号は電波吸収体19および21で吸収される。よって、分岐ポートP2の出力特性、即ちイメージリジェクションフィルタ11としての周波数特性は、凹状の曲線であって、fcを中心としてf1〜f2の帯域を阻止しそれ以外の帯域を通過させるものである。
≪イメージリジェクションフィルタの具体的構成≫
図3は、図1のイメージリジェクションフィルタ11の具体的な構成例を示す外観斜視図である。イメージリジェクションフィルタ11は、2つの導波管ブロック31および33を重ねて構成される。
(a)は導波管ブロック31および33の接合面を上方に向けて線路が見えるようにした状態である。線路上で90°ハイブリッドカプラ13およびBPF15および17として機能する箇所に図1と同様の符号を付している。また、図1の入力ポートP1および分岐ポートP2に対応する箇所、後述する図6に示すBPF15および17の他端側ポートP3’およびP4’に同様の符号を付している。入力ポートP1からBPF15を経てポートP3’に至る導波管がこの発明の第1導波管路に相当し、分岐ポートP2からBPF17を経てポートP4’に至る導波管がこの発明の第2導波管路に相当する。
90°ハイブリッドカプラ13には、第1導波管路の信号を第2導波管路へ導く複数の分岐路(ブランチ)が形成されている。入力ポートP1から入力された信号は、強度1:1の比でBPF15および17へそれぞれ導かれる。第1および第2導波管路に沿って並ぶ複数のブランチは、隣接するブランチの間隔がλg/4に設定されている。この構成によって、第2導波管路中のBPF17へ導かれる信号は第1導波管路中のBPF15へ導かれる信号に対して位相が90°ずれる。これが90°ハイブリッドカプラと呼ばれる所以である。
また、導波管型BPFは、線路内に複数のアイリスを形成することで実現できる(例えば、特許公開第2003−163507号公報の図6参照)。主線路と別に複数の共振器を形成する図17の構造に比べるとBPFは小型で単純な構造であるため加工が容易である。
電波吸収体19および21は図3に図示していないが、BPF15および17の部分から伸びる線路の先の開口部に導波管型終端器をそれぞれ接続して電波吸収体19および21として機能させる。導波管型終端器は、当該技術でよく知られたものを適用すれば足りる。図1のイメージリジェクションフィルタ11のうち電波吸収体19および21を別体にしておくことで、実施の形態3および4で後述する周波数分配器やサイドバンド分離受信機への適用が容易になる。
(b)は、導波管ブロック31および33を重ねた状態である。(a)の導波管ブロック33を180°回転させて導波管ブロック31の上に載せた状態が(b)である。(b)のように導波管ブロック31および33を重ねたときの外形寸法は、一例として高さが20mm、長辺の長さが46mm、短辺の長さが22mmである。また、線路の断面の長さは一例として長辺が2.54mm、短辺が1.27mmである。
発明者らは−20dB以下のイメージリジェクションレシオを確保すべく種々の検討を行った。その結果、90°ハイブリッドカプラ13とBPF15の距離および90°ハイブリッドカプラ13とBPF17の距離をそれぞれ所定の距離にして一体に形成することが極めて好ましいことを見出した。以下、検討の過程とそこから得られた知見について述べる。
≪90°ハイブリッドカプラとBPFの配置に係る検討≫
発明者らは、イメージリジェクションフィルタを構成する90°ハイブリッドカプラとBPFを個別に製作してそれぞれ特性評価を行った後、これらを接続してイメージリジェクションフィルタとしての特性の測定を考えた。
検討を始めた当初は、ミクサや電波入力ホーンの接続を考慮に入れ、ベンド管(曲がった導波管)で90°ハイブリッドカプラとBPFとをそれぞれ接続することを試みた。(図20参照)
しかし、観測したい帯域、即ちシグナルバンドに対応する110〜115GHzの帯域において、観測すべき信号強度に対してイメージリジェクションフィルタ内で反射される反射波の強度を十分抑制することができない。その結果、反射強度の信号強度に対する比(イメージリジェクションレシオ)が−20dBを上回る結果となった(図21参照)。これでは、観測したい帯域の信号を十分な精度で取り出すことは難しい。ベンド管の半径を変えたときの特性評価を行ったものの、−20dB以下のイメージリジェクションレシオは得られなかった。
そこでベンド管をやめて90°ハイブリッドカプラとBPFとを直結させる構成を考えた。
図22は、90°ハイブリッドカプラとBPFとを直結したときの周波数特性を示すグラフである。図22で、シグナルバンドに対応する110〜115GHzの帯域における反射波の強度は、やはり−20dBを上回る結果となり十分なイメージリジェクションレシオは得られなかった。しかし、周波数の変化に対する反射強度のうねりが図21と比較して少ないことが見てとれる。
このことから、反射強度が−20dBを上回ってしまう原因として90°ハイブリッドカプラとBPFとの間の距離dが関係するのではないかと推測した。つまり、前記距離dが大きくなると90°ハイブリッドカプラとBPFとの間に定在波が発生して反射に影響するのではないかと考えた。この考えが正しければ、前記距離dを変化させること周波数の変化に対する反射強度のうねりに周期性を伴う変化が確認できるはずである。
そこで、前記距離dを徐々に大きくして特性評価を行った。図23および図24は、前記距離dを変化させたときのイメージリジェクションフィルタの周波数特性を示すグラフである。図23および図24に示すように、シグナルバンドに対応する110〜115GHzの帯域での反射強度のうねりに関して、前記距離d=ゼロ(直結)のときと類似の曲線がd=1.5ミリメートルのときおよびd=3.0ミリメートルのときに現われることが見てとれる。以上からd=1.5ミリメートル程度の周期性の存在を確認できた。また、前記距離dをさらに長くしたd=17.8ミリメートルのときにベンド管を用いた図21の周波数特性と似た曲線が得られた(図24(b)参照)。
以上のように、前記距離dが大きすぎると周波数の変化に対する反射強度のうねりが多くなってしまい十分なかつ安定したイメージリジェクションレシオが得られない。よって、反射強度の前記距離dについての周期性を確認したうえで好適な距離dを設定することが重要である。
まとめると、90°ハイブリッドカプラ13からBPF15および17までの距離が長すぎると所望の性能(−20dB以下のイメージリジェクションレシオ)を得ることができない。90°ハイブリッドカプラ13とBPF15および17との間の管路に屈曲部23があるために前記距離が長くなり過ぎてしまう。
一方、90°ハイブリッドカプラ13からBPF15および17までの距離が短すぎても所望の性能(−20dB以下のイメージリジェクションレシオ)を得ることができない。
そこで、発明者らは90°ハイブリッドカプラ13からBPF15および17に至る部分の管路をそれぞれ直線状に形成したうえで前記距離dを変化させて好適なイメージリジェクションレシオが得られる配置を見出した。
発明者らのこれまでの検討に基づき、以下のことがいえる。
90°ハイブリッドカプラ13とBPF15および17との距離dは、以下の範囲の構成が望ましい。
式中、dは管路長、λgは阻止すべきイメージバンドの管内波長を表す。一例として、この実施形態におけるシグナルバンドに対応する100GHz帯の信号の館内波長λgは約3ミリメートルである。
dの下限値は、BPF15および17のアイリスが90°ハイブリッドカプラ13のブランチ間隔よりも離れていること、即ち90°ハイブリッドカプラ13による信号の結合を乱さないことを規定する条件といえる。
より望ましい範囲は、距離dが以下の場合である。
上記範囲内の好適な位置は、シミュレーション等によりイメージリジェクションフィルタの周波数特性を計算して決定すればよい。
≪イメージリジェクションフィルタおよびその構成要素の周波数特性≫
図4は、図3のイメージリジェクションフィルタ11における90°ハイブリッドカプラ13の単体の周波数特性を示すグラフである。図5は、図3のイメージリジェクションフィルタ11におけるBPF15および17の単体の周波数特性を示すグラフである。図6は、図3のイメージリジェクションフィルタ11の周波数特性を示すグラフである。図4〜図6のグラフはシミュレーションにより得られたものである。
図4のグラフは、4本の特性曲線S11、S21、S31およびS41を示している。それらのうち、曲線S11は、入力ポートP1から入力した信号が、90°ハイブリットカプラ13のいずれかの箇所で反射を受け、再び入力ポートP1に戻ってくる割合を示す。曲線S21は、入力ポートP1から90°ハイブリットカプラ13へ入力された信号が、主にブランチ部を通過するときに、分岐ポートP2へと誘導される割合を示す。曲線S31は、入力ポートP1から入力した信号が出力ポートP3へと誘導される割合を示す。曲線S41は、入力ポートP1から入力した信号が90°の位相遅延を受けて出力ポートP4へと誘導される割合を示す。
なお、前述のように出力ポートP3およびP4から出力された信号が反射を受けてそれぞれの出力ポートへ戻る場合には、それらの反射信号はほぼ全て分岐ポートP2から出力される。
図5のグラフに示す2本の特性曲線S11およびS21のうち、曲線S11は、BPF15または17の一端側のポートPB1から入力した信号が、BPFとして機能する導波管回路のいずれかの箇所で反射を受け、再びポートPB1に戻ってくる割合を示す。曲線S21は、一端側のポートPB1から入力した信号が、他端側のポートPB2へと誘導される割合を示す。なお、このような特性は、等価回路的には直列LC共振回路を用いて表すことができる。
図6のグラフに示す4本の特性曲線S11、S21、S31およびS41のうち、曲線S11は、帯域フィルタ11を構成する90°ハイブリッドカプラの入力ポートP1から入力した信号が、イメージリジェクションフィルタ11のいずれかの箇所で反射を受け、再び入力ポートP1に戻ってくる割合を示す。
曲線S21は、入力ポートP1から入力した信号が、イメージリジェクションフィルタ11内の、BPF15および17を主とするいずれかの箇所で反射を受けるなどした結果、分岐ポートP2へと誘導される割合を示す。
曲線S31は、入力ポートP1から入力した信号がBPF15を通過した結果、BPF15の他端側のポートPB2(図6に示す帯域フィルタのブロック図のポートP3’)へと誘導される割合を示す。
曲線S41は、入力ポートP1から入力した信号が90°の位相遅延を受けた後、BPF17を通過してBPF17の他端側のポートPB2(図6に示す帯域フィルタのブロック図のポートP4’)へと誘導される割合を示す。
この実施形態において、95〜100GHzをイメージバンド、110〜115GHzをシグナルバンドとしている。図6のS21の線で示されるように、イメージリジェクションフィルタ11は、イメージバンドを20dBを超える割合で阻止し、シグナルバンドをほぼ無損失で通過させる特性を持つ。即ち、−20dB以下のイメージリジェクションレシオを実現している。また、S31およびS41の線でそれぞれ示す出力ポートP3’およびP4’からの出力信号は、ほぼ電波吸収体により終端されて反射を生じない。
従って、出力ポートP3’およびP4’で反射を受けた信号が分岐ポートP2に向かう割合は極めて小さい。
図6はシミュレーションの結果であるが、シミュレーションに用いた設計ツールは高精度かつ実績のあるものを用いており、実際に製作したイメージリジェクションフィルタは、加工精度が十分であれば図6に示す周波数特性とほとんど変わらない特性を示すことが期待される。
以上のように、90°ハイブリッドカプラ13、BPF15および17並びに電波吸収体19および21を図1のように組み合わせることにより、不要帯域を電波吸収帯に終端させて不要な反射を抑制した導波管型イメージリジェクションフィルタが実現できる。
導波管型90°ハイブリッドおよびBPF等は既にミリ波・サブミリ波帯において実績のあるものを採用しており、加工が容易で量産に適している。
以下、実施の形態1で述べたイメージリジェクションフィルタのいくつかの応用例を説明する。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1のイメージリジェクションフィルタを用いた片サイドバンド受信機について説明する。
従来のマーチン・パープレット型の周波数フィルタを用いる方式は可動部分を伴うため、再現性や経年変化などの問題が生じる。また、2バックショート方式のものは、2つのミクサのチューニングによりサイドバンド比が変化するため、信頼性の面で課題が残る。これらの従来の方式はいずれも位相差等を利用するためにサイドバンド比が10〜20dB程度しか達成されないという事情がある。
この実施形態による片サイドバンド受信機は、導波管イメージリジェクションフィルタでイメージ側にフィルタをかける方式に属する。導波管型イメージリジェクションフィルタを用いることにより、システムの小型・簡素化が実現できる。しかし従来の導波管型イメージリジェクションフィルタでは、阻止帯域の電波を通過させずに跳ね返してしまうため、反射波による定在波や、システム内干渉が起こってしまう。特にミリ波・サブミリ波リモートセンンシングにおいては、システム内における定在波は取得データの劣化を引き起こすため、不要な周波数成分は電波吸収体等に終端させる必要がある。
図7は、この実施形態の片サイドバンド受信機の構成を示すブロック図である。片サイドバンド受信機40は主として以下に示す要素から構成されている。
i)電波入力ホーン(図7に符号41で示す)
ii)イメージリジェクションフィルタ(図7に示す符号11)
iii)電波吸収終端(図7に示す電波吸収体47)
iv)超伝導ミクサ(図7に示す符号49)
イメージリジェクションフィルタ11は、実施の形態1で述べたものであり、実施の形態1と同様の符号を付している。
実施の形態1と同様、BPF15および17の通過帯域外の電波(信号)が入力ポートP1に入力された場合、すべての入力信号が分岐ポートP2より出力される。また、入力ポートP1から、BPF15および17の通過帯域の電波を入力した場合、入力信号は90°ハイブリッドカプラ13で2分配されたのち、BPF15および17を通過して電波吸収体19および21によって吸収される。
90°ハイブリッドカプラ13の分岐ポートP2にはLOカプラ45が有する一つの入力ポートを接続する。LOカプラ45は2つの入力ポート、1つの出力ポートおよび1つの分岐ポートを有している。LOカプラ45の出力ポートに超伝導ミクサ49を接続する。さらにLOカプラ45のもう一つの入力ポートに局部発振器43を接続する。また、LOカプラ45の分岐ポートに電波吸収体47を接続する。
BPF15および17の通過帯域をイメージバンドに設定することにより、イメージバンド信号は電波吸収体19および21によって終端される。これにより片サイドバンド受信が実現できる。
図7の回路を組むことによって、イメージバンドを反射させることなく電波吸収体19および21に終端させる。また導波管型90°ハイブリッドカプラ13およびBPF15および17並びに電波吸収体19および21は既にミリ波・サブミリ波帯において十分な実績があり、加工が容易で量産に好適である。
BPF15および17並びに電波吸収体19および21は反射電力を−20dB以下にすることが可能なため、達成されるサイドバンド比も20dB以上にすることは容易である。また本方式ではパッシブな導波管回路だけを用いているため経年変化が起こらず、長期間の使用においてもサイドバンド比を安定に保つことが可能であり、モニター観測等に極めて有利である。
図8は、図7の片サイドバンド受信機40の各部の信号の周波数特性の例を示すグラフである。(a)は入力RF信号の周波数特性の例である。(b)はBPF15および17の周波数特性の例である(図5の曲線S21に関連する特性である)。(c)はそれに対応する分岐ポートP2のRF信号の周波数特性の例である(図6の曲線21に関連する特性である)。BPF15および17は、LSB帯域FLを中心周波数とした通過特性を有しており、LSB帯域を通過させUSB帯域を阻止する。イメージリジェクションフィルタ11としてはLSB帯域FLを中心周波数とした阻止特性を有しておりUSB帯域を通過させLSB帯域を阻止する。よって、この実施形態においてイメージバンドであるLSB帯域のRF信号は阻止され、シグナルバンドであるUSB帯域のRF信号が局部発振器43からのLO信号と超伝導ミクサ49によって混ぜられ、出力IF信号に現われる。
以上のように、この発明によれば、ミリ波・サブミリ波帯における高精度かつ小型な片サイドバンド受信機が実現できる。
図9は、図7に示す片サイドバンド受信機40の要部の外観例を示す斜視図である。図3を参照しつつ図9を見ると明らかなように、電波入力ホーン41がイメージリジェクションフィルタ11の入力ポートP1に接続され、分岐ポートP2にはLOカプラ45を介して超伝導ミクサ49が接続されている。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1のイメージリジェクションフィルタの変形適用例である周波数分配器について説明する。
近年ミリ波、サブミリ波帯技術の進歩により、低損失な伝送線路としての導波管技術の重要性はますます増大している。ミリ波やサブミリ波帯においては、平面基板回路や誘電体積層回路では誘電体における電力損失が大きく、実用的ではないからである。しかし、立体回路素子である導波管は、平面基板回路や誘電体積層回路と比べると、周波数分配器を作成することが容易でない。
図10は、この実施形態の導波管型周波数分配器の基本構成を示すブロック図である。基本ブロック50は、以下に示す要素で構成されている。
i)導波管型90°ハイブリッドカプラ(図10示すに符号51および57)
ii)帯域通過フィルタ(図10に示すBPF53および55)
iii)電波吸収終端(図10に示す電波吸収体59)
各構成要素は実施の形態1と同様のものである。
90°ハイブリッドカプラ51は、入力ポートP1a、分岐ポートP2aおよび出力ポートP3aおよびP4aを有する。実施の形態1で説明したように、出力ポートP3aおよびP4aからは、入力ポートP1aに入力されたRF信号に対して半分の強度(電力)のRF信号が出力される。出力ポートP4aから出力されるRF信号は、出力ポートP3aから出力されるRF信号に対して90°位相がずれている。即ち、入力ポートP1aへの入力信号と同位相の信号が出力ポートP3aから出力され、入力信号に対して90°遅れた位相の信号が出力ポートP4aから出力される。出力ポートP3aはBPF53に接続され、出力ポートP4aは、BPF55に接続されている。
2つのBPF53および55の先は、90°ハイブリッドカプラ51と同等の90°ハイブリッドカプラ57のポートP1aaおよびP2aaにそれぞれ結合されている。90°ハイブリッドカプラ57のポートP3aaは、電波吸収体59によって終端されている。
90°ハイブリッドカプラ51の入力ポートP1aからBPF53および55の通過帯域「外」の周波数のRF信号を入力した場合、入力RF信号は2分配されかつ互いの位相が90°ずれて出力ポートP3aおよびP4aから出力される。しかし、出力ポートP3aおよびP4aの先に結合されたBPF53および55にて反射されて出力ポートP3aおよびP4aから90°ハイブリッドカプラ51へそれぞれ戻る。この反射波は、入力ポートP1aおよび分岐ポートP2aに分配されかつ互いの位相が90°ずれる。
入力ポートP1aにおいて、出力ポートP3aおよびP4aから戻る反射波の位相が互いに180°ずれて打ち消しあい、結果的に入力ポートP1aから出力されない。即ち、出力ポートP3aから入力ポートP1aに戻る信号は入力信号と同位相である。一方、出力ポートP4aからは入力信号に対して90°遅れた位相が入力ポートP1aに戻るが、90°ハイブリッドカプラ51でさらに90°遅れるために入力信号に対して180°位相の遅れた信号が戻る。
一方、分岐ポートP2aにおいて、出力ポートP3aおよびP4aから戻る反射波はそれぞれが入力信号から90°遅れて同位相となり、損失が無視できる場合は入力ポートP1aの入力RF信号と同じ強度のRF信号が出力される。
つまり、入力ポートP1aにBPF53および55の通過帯域外のRF信号を入力した場合、入力RF信号が分岐ポートP2aから出力される。
次に入力ポートP1aからBPF53および55の通過帯域のRF信号を入力した場合、入力RF信号は2分配されて出力ポートP3aおよびP4aからそれぞれ出力され、BPF53および55を通過する。BPF53および55を通過したそれぞれのRF信号は、90°ハイブリッドカプラ57の入力ポートP1aaおよび分岐ポートP2aaへ入力され、出力ポートP3aaおよびP4aaに互いの位相が90°ずれて分配される。即ち、入力ポートP1aaには入力ポートP1aへの入力信号と同位相の信号が入力される。分岐ポートP2aaには入力ポートP1aに対して90°遅れた位相の信号が入力される。
出力ポートP3aaへは、入力ポートP1aaと同位相の信号と分岐ポートP2aaに対して90°遅れた信号とが導かれる。言い換えると入力信号と同位相の信号が入力ポートP1aaから導かれ、入力信号に対して180°遅れた信号が分岐ポートP2aaから導かれる。その結果、互いの信号は打ち消しあい、出力ポートP3aaからは信号が出力
されない。
一方、出力ポートP4aaへは、入力ポートP1aaに対して90°遅れた位相の信号と分岐ポートP2aaと同位相の信号とが導かれる。言い換えると、入力信号に対して90°遅れた位相の信号がP1aaから導かれ、また、入力信号に対して90°遅れた位相の信号が分岐ポートP2aaから導かれる。その結果、互いに同位相の信号が合成されて出力ポートP4aaから出力される。
つまり、入力ポートP1aにBPF53および55の通過帯域のRF信号を入力した場合、入力RF信号が出力ポートP4aaから出力される。
まとめると、BPF53および55の通過帯域の信号は出力ポートP4aaから出力され、通過帯域外のRF信号は分岐ポートP2aから出力される。
図11は、図10の基本ブロックの周波数特性の例を示すグラフである。BPF53および55は、周波数f1からf2にかけての帯域を通過させる。(a)は入力を入力ポートP1a、出力を分岐ポートP2aとするフィルタの周波数特性の例であって、周波数f1からf2にかけての帯域を阻止する帯域阻止特性を示す。(b)は入力を入力ポートP1a、出力を出力ポートP4aaとするフィルタの周波数特性の例であって、周波数f1からf2にかけての帯域を通過させる帯域通過特性を示す。
これに基づいて、図12のように、BPFの通過帯域の中心周波数をずらした基本ブロック50a、50bおよび50cをカスケード接続すると、導波管型周波数分配器が実現できる。
図13は、図12の周波数分配器60の各部の信号の周波数特性の例を示すグラフである。(a)は入力RF信号の周波数特性の例である。(b)は出力ポートP4aaからの出力RF信号の周波数特性の例である。BPF53aおよび55aの中心周波数はF1である。(c)は出力ポートP4bbからの出力RF信号の周波数特性の例である。BPF53bおよび55bの中心周波数はF2である。
(d)は出力ポートP4ccからの出力RF信号の周波数特性の例である。BPF53cおよび55cの中心周波数はF3である。
従来の周波数分配器では、信号強度も分配され、例えば3分配器なら強度も3分の1ずつになるが、この実施形態の周波数分配器ではそうした本質的なロスがない。
この実施形態の周波数分配器を構成する導波管型90°ハイブリッドおよびBPF等は、既にミリ波やサブミリ波帯において実績のあるものを採用することができ、加工が容易で量産に適している。
(実施の形態4)
この実施形態では、実施の形態3の導波管型周波数分配器を用いることにより、超伝導ミクサをサイドバンド分離ミクサとして用いる構成について説明する。導波管型周波数分配器を用いることにより、ミリ波やサブミリ波帯における高精度、低損失かつ小型で経年変化のない信頼性の高いシステムが実現できる。
この発明で用いる周波数分配器の基本ブロックは、実施の形態3の図10に示すものである。図10の基本ブロックでは、入力ポートP1aから信号を入力した場合、BPF53および55の通過帯域の信号が出力ポートP4aaから出力され、それ以外の帯域の信号が分岐ポートP2aから出力される(図11参照)。
図14は、この実施形態のサイドバンド分離超伝導受信機の構成を示すブロック図である。サイドバンド分離受信機70は、以下に示す要素から構成されている。
i)電波入力ホーン(図14に示す符号42)
ii)導波管型90°ハイブリッドカプラ(図14に示す符号51d、51e、57dおよび57e)
iii)導波管型帯域通過フィルタ(図14に示すBPF53d、53e、55d、55e、56dおよび56e)
iv)電波吸収体(図14に示す符号59d、59e、75d、75e、77dおよび77e)
v)超伝導SISミクサ(図14に示す符号71dおよび71e)
vi)導波管型帯域阻止フィルタ(図14に示すBSF73dおよび73e)
vii)LOカプラ78dおよび78e
ここで周波数分配器50dのBPF53dおよび55dの中心周波数をUSB信号の中心周波数と一致させるように設計し、周波数分配器50eのBPF53eおよび55eの中心周波数をLSB信号の中心周波数と一致するように設計する。するとUSBの周波数帯の信号は選択的に超伝導ミクサ71dに伝送され、LSBの周波数帯の信号は選択的に超伝導ミクサ71eに伝送される。超伝導ミクサに信号を供給するためには、伝送線路中でその信号を反射させるバックショートと呼ばれる機構が必要である。この実施形態では、超伝導ミクサ71dおよび71eの後にそれらの信号を反射できるように阻止帯域を設計したBSF73dおよび73eをそれぞれ配置し、バックショートとしている。
また超伝導ミクサ71dおよび71eには局部発信信号(LO信号)を入力する必要がある。図14で、LO信号は局部発振器79から出力される。そして、RF信号が入力される側と反対の側から、局部発振器79からのLO信号がLOカプラ78dおよび78eを介して超伝導ミクサ71dおよび71eにそれぞれ入力される。
受信信号に対し、LO信号の周波数は中間周波数信号IFの帯域分だけずらされている。このためにLO信号は、BSF73dおよび73eによって阻止されることなく超伝導ミクサ71dおよび71eへ向かう。LO信号を超伝導ミクサ71dおよび71eに給電するためには、やはりバックショートが必要になるところ、BPF56dおよび56eの通過帯域はLO信号の周波数と異なっている。そのため、LO信号は、BPF56dおよび56eによって反射される。結果的にBPF56dおよび56eはLO信号に対するバックショートとして見ることができる。
図15は、図14のサイドバンド分離受信機70の各部の信号の周波数特性の例を示すグラフである。(a)は入力ポートP1dの入力RF信号の周波数特性の例である。(b)はBPF56dからの出力RF信号、即ち超伝導ミクサ71dへの入力信号の周波数特性の例である。BPF53dおよび55dの中心周波数はFUである。(c)はBPF56eからの出力RF信号、即ち超伝導ミクサ71eへの入力信号の周波数特性の例である。BPF53eおよび55eの中心周波数はFLである。
この構成により、超伝導ミクサ71dでは、USB信号のみのヘテロダイン受信が行われ、超伝導ミクサ71eではLSB信号のみがヘテロダイン受信される。すなわち両サイドバンドが分離できる。
図14の回路を組むことにより、従来のように2つの超伝導ミクサをバランスさせることなくサイドバンド分離受信機が実現できる。
この実施形態の周波数分配器を構成する導波管型90°ハイブリッドおよびBPF等は、既にミリ波やサブミリ波帯において実績のあるものを採用することができ、加工が容易で量産に適している。
導波管型イメージリジェクションフィルタは反射電力を−20dB以上にすることが容易に可能なため、サイドバンド比20dB以上を実現できる。
ミリ波・サブミリ波領域は、電波天文学の重要な領域である。また近年、オゾン等の大気微量分子の観測でも受信機開発が精力的に進められている。ミリ波・サブミリ波領域では、超伝導ミクサを用いた受信機が最も高感度な受信機として広く使用されているが、サイドバンドを分離してSSB化する方式は従来より行われてきた方法に限られていた。この発明はこれに対して全く独創的であり、達成される性能も抜きん出ている。
前述した実施の形態の他にも、この発明について種々の変形例があり得る。それらの変形例は、この発明の範囲に属さないと解されるべきものではない。この発明には、請求の範囲と均等の意味および前記範囲内でのすべての変形とが含まれるべきである。
11,100:イメージリジェクションフィルタ、 13,13a,13b:90°ハイブリッドカプラ、 15,17:BPF、 19,21:電波吸収体、 23:屈曲部、 31,33:導波管ブロック、 40:片サイドバンド受信機、 41,42:電波入力ホーン、 43:局部発振器、 45,78d,78e:LOカプラ、 47:電波吸収体、 49:超伝導ミクサ、 50,50a,50b,50c,50d,50e:基本ブロック、 51,51a,51b,51c,51d,51e,57,57a,57b,57c,57d,57e:90°ハイブリッドカプラ、 53,53a,53b,53c,53d,53e,55,55a,55b,55c,55d,55e,56d,56e:BPF、 59,59a,59b,59c,59d,59e,75d,75e,77d,77e:電波吸収体、 60:周波数分配器、 70:サイドバンド分離受信機、 71d,71e:超伝導ミクサ、 73d,73e:BSF、 79:局部発振器、 101:主線路、 103:共振器、 105:アイリスP1,P1a,P1aa,P1b,P1bb,P1c,P1cc,P1d,P1dd,P1e,P1ee:入力ポート
P2,P2a,P2aa,P2b,P2bb,P2c,P2cc,P2d,P2dd,P2e,P2ee:分岐ポート
P3,P3a,P3aa,P3b,P3bb,P3c,P3cc,P3d,P3dd,P3e,P3ee,P4,P4a,P4aa,P4b,P4bb,P4c,P4cc,P4d,P4dd,P4e,P4ee:出力ポート

Claims (11)

  1. ミリ波またはサブミリ波帯域の入力信号を受ける入力ポート、分配された前記入力信号が出力される第1および第2出力ポートならびに信号を取り出す分岐ポートを有する導波管型90°ハイブリッドカプラと、
    第1出力ポートに一端が接続される導波管型第1帯域通過フィルタおよび第2出力ポートに一端が接続される導波管型第2帯域通過フィルタからなる一対の帯域通過フィルタと、
    第1帯域通過フィルタの他端に接続される第1電波吸収終端および第2帯域通過フィルタの他端に接続される第2電波吸収終端からなる一対の電波吸収終端とを備え、
    前記90°ハイブリッドカプラは、第1導波管路と、第2導波管路と、第1および第2導波管路を結合するカプラ部とを備え、
    前記第1導波管路は一端に前記入力ポートを有し他端に前記第1帯域通過フィルタが接続され、
    第2導波管路は一端に前記分岐ポートを有し他端に前記第2帯域通過フィルタが接続され、
    前記第1導波管路に沿って前記カプラ部から前記第1帯域通過フィルタに至る最短の管路長と前記第2導波管路に沿って前記カプラ部から前記第2帯域通過フィルタに至る最短の管路長とは互いに等しく、以下の式:
    (式中、dは管路長、λは阻止すべきイメージバンドの管内波長を表す)
    を満たす導波管型イメージリジェクションフィルタ。
  2. 前記90°ハイブリッドカプラおよび前記一対の帯域通過フィルタは、一体の導波管ユニットとして形成され、前記一対の電波吸収終端は、前記導波管ユニットにそれぞれ接続される請求項1に記載のイメージリジェクションフィルタ。
  3. 前記管路長が、さらに以下の式:
    (式中、dは前記管路長、λは阻止すべきイメージバンドの管内波長を表す)
    を満たす請求項1または2に記載のイメージリジェクションフィルタ。
  4. 前記カプラ部から前記第1帯域通過フィルタまでの第1導波管路が直線状に形成され、
    前記カプラ部から前記第2帯域通過フィルタまでの第2導波管路が直線状に形成される請求項1,2または4の何れか一つに記載のイメージリジェクションフィルタ。
  5. 請求項1,2,4または5の何れか一つに記載のイメージリジェクションフィルタと、
    ヘテロダイン受信用の局部発振信号を出力する局部発振器と、
    2つの入力ポートと出力ポートを含み、一方の入力ポートが前記イメージリジェクションフィルタと接続され他方の入力ポートが前記局部発振器と接続され、前記イメージリジェクションフィルタを経た入力信号と前記局部発振信号とが結合された信号を前記出力ポートから出力するカプラと、
    前記出力ポートに接続されて前記イメージリジェクションフィルタを経た入力信号と前記局部発振信号とを混合して中間周波数信号を出力するミクサとを備え、
    前記イメージリジェクションフィルタは、ヘテロダイン受信に係るUSBまたはLSBの何れかの帯域を阻止するヘテロダイン受信方式の片サイドバンド受信機。
  6. ミリ波またはサブミリ波帯域の入力信号を受ける前段入力ポート、前記入力信号が2分配されかつ互いの位相が90°ずれた信号をそれぞれ出力する前段第1および前段第2出力ポートならびに信号を取り出す前段分岐ポートを有する導波管型前段ハイブリッドカプラと、
    前段第1出力ポートに一端が接続される導波管型第1帯域通過フィルタおよび前段第2出力ポートに一端が接続される導波管型第2帯域通過フィルタからなる一対の帯域通過フィルタと、
    後段入力ポート、後段第1および後段第2出力ポートならびに後段分岐ポートを有し、前記後段入力ポートが前記第1帯域通過フィルタの他端に接続され、前記後段分岐ポートが前記第2帯域通過フィルタの他端に接続される導波管型後段ハイブリッドカプラと、
    前記後段第1出力ポートに接続される電波吸収終端とを備え、
    前記前段ハイブリッドカプラは、第1導波管路と、第2導波管路と、第1および第2導波管路を結合するカプラ部とを備え、
    前記第1導波管路は一端に前記前段入力ポートを有し他端に前記第1帯域通過フィルタが接続され、
    第2導波管路は一端に前記前段分岐ポートを有し他端に前記第2帯域通過フィルタが接続され、
    前記第1導波管路に沿って前記カプラ部から前記第1帯域通過フィルタに至る最短の管路長と前記第2導波管路に沿って前記カプラ部から前記第2帯域通過フィルタに至る最短の管路長とは互いに等しく、以下の式:
    (式中、dは管路長、λは阻止すべきイメージバンドの管内波長を表す)
    を満たす導波管型周波数分配器。
  7. 前記前段および後段ハイブリッドカプラおよび前記一対の帯域通過フィルタは、一体の導波管ユニットとして形成される請求項7に記載の周波数分配器。
  8. 前記管路長が、さらに以下の式:
    (式中、dは前記管路長、λは阻止すべきイメージバンドの管内波長を表す)
    を満たす請求項7または8に記載の周波数分配器。
  9. 前記カプラ部から前記第1帯域通過フィルタまでの第1導波管路が直線状に形成され、
    前記カプラ部から前記第2帯域通過フィルタまでの第2導波管路が直線状に形成される請求項7,8または10の何れか一つに記載の周波数分配器。
  10. 請求項7,8,10または11の何れか一つに記載の周波数分配器を複数個直列に接続してなる周波数分配器であって、前側の周波数分配器の前段分岐ポートと後側の周波数分配器の前段入力ポートとが接続され、各周波数分配器の帯域通過フィルタ対の通過帯域が他の周波数分配器の帯域通過フィルタ対と異なる多出力の周波数分配器。
  11. 請求項7,8,10,11または12の何れか一つに記載の周波数分配器をUSB用とLSB用に2個用いるサイドバンド分離受信機であって、
    前側の周波数分配器の前段分岐ポートと後側の周波数分配器の前段入力ポートとが互いに接続され、USB用の周波数分配器の帯域通過フィルタ対がUSBを通過させ、LSB用の周波数分配器の帯域通過フィルタ対がLSBを通過させる2個の周波数分配器と、
    ヘテロダイン受信用の局部発振信号を出力する局部発振器と、
    USB用周波数分配器の後段第2出力ポートに一方の入力が接続されるUSB用ミクサと、
    前記USB用ミクサの他方の入力に一端が接続され、USB帯域を阻止しバックショートを構成するUSBイメージリジェクションフィルタと、
    前記USBイメージリジェクションフィルタの他端に配置されて前記局部発振信号を前記USB用ミクサに提供するUSB用カプラと、
    LSB用周波数分配器の後段第2出力ポートに一方の入力が接続されるLSB用ミクサと、
    前記LSB用ミクサの他方の入力に一端が接続され、LSB帯域を阻止しバックショートを構成するLSBイメージリジェクションフィルタと、
    前記LSBイメージリジェクションフィルタの他端に配置されて前記局部発振信号を前記LSB用ミクサに提供するLSB用カプラとを備えるサイドバンド分離受信機。
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