JP6176611B2 - ロボットの関節機構 - Google Patents
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Description
例えば、特許文献1に記載されたマニピュレータ(ロボット)は、モータにてウォームギヤを駆動することによって、ウォームホイールに取り付けられた指部を開閉させている。具体的には、このマニピュレータは、モータおよびウォームを内部に収容するとともに、ウォームホイールを回転自在に支持する円筒を備えている。
ここで、このようなロボットの関節機構において、指部の開閉角度、すなわちウォームホイールの回転角度を検出しようとする場合には、円筒に対するウォームホイールの回転角度を検出する手法が考えられる。
また、指部の全体を回転させると、センサに接続された信号線などのケーブルが絡まってしまうという問題がある。この問題は、指部の全体を無限回転させる場合には特に顕著である。
本発明によれば、筒状体およびウォームの回転角度の差を検出する角度検出装置は、筒状体およびウォームの端部を回転自在に支持する支持部に設けられているので、筒状体を軽くすることができる。したがって、ロボットの関節機構は、指部の全体を動かす際に必要となる力を小さくして動かしやすくすることができる。また、角度検出装置は、支持部に設けられているので、指部の全体を回転させた場合であっても、センサに接続された信号線などのケーブルが絡まってしまうことはない。
図1は、本発明の一実施形態に係る関節機構を備えるロボットの外観を示す斜視図である。
ロボット1は、図1に示すように、路上を走行する走行車Vに載置されるマニピュレータである。このロボット1は、走行車Vに取り付けるための取付部2と、取付部2に設けられた円柱状のアーム3と、アーム3の先端に接続された円柱状のアーム4と、アーム4の先端に接続されたハンド5とを備えている。
アーム4は、アーム3の中心軸と直交する軸を回転軸としてアーム3に回転自在に取り付けられている。
ハンド5は、本体部51と、本体部51におけるアーム4側の端部に設けられた指部としての2つのグリッパ6と、本体部51におけるグリッパ6とは反対側の端部に設けられたカメラ7とを備えている。
ハンド5の本体部51およびグリッパ6は、図2に示すように、関節機構8を介して互いに接続されている。
関節機構8は、ハンド5に設けられるとともに、ハンド5の中心軸回りに回転自在に設けられた基部81を備え、グリッパ6のそれぞれは、この基部81にハンド5の中心軸と直交する軸回りに回転自在に設けられている。
なお、図2では、紙面上方向を+Z軸方向とし、このZ軸に直交する2軸のうち、基部81の回転軸と平行な軸をX軸とし、グリッパ6の回転軸と平行な軸をY軸として説明する。以下の図面においても同様である。
関節機構8は、図3および図4に示すように、筒状に形成された前述の基部81と、基部81の内部に同心状に設けられたウォーム82と、基部81に設けられるとともに、ウォーム82と嵌合することによってウォーム82の回転に伴って回転する2つのウォームホイール83とを備えている。
ここで、2つのウォームホイール83のそれぞれは、ウォームホイール83の回転軸方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)に延出するように設けられている。したがって、グリッパ6は、ウォーム82を回転させることによって開閉することができる。
また、本体部51は、基部81を回転させるためのモータ52と、ウォーム82を回転させるためのモータ53と、基部81およびウォーム82の回転角度の差を検出する角度検出装置9とを備えている。
角度検出装置9は、図5および図6に示すように、ウォーム82に同心状に設けられることによってウォーム82の回転に伴って回転するサンギヤ91と、基部81に同心状に設けられることによって基部81の回転に伴って回転するアウターギヤ92と、サンギヤ91およびアウターギヤ92の間に設けられたプラネタリギヤ93と、プラネタリギヤ93の公転運動を出力するキャリア94とを有する遊星歯車機構を備えている。
また、角度検出装置9は、基部81の回転角度を検出するポテンショメータ95と、キャリア94の回転角度を検出するポテンショメータ96とを備えている。なお、ポテンショメータ95,96は、ロータリ型のポテンショメータである。
アウターギヤ92は、アウターギヤ92に一体的に取り付けられるとともに、アウターギヤ92の回転に伴って回転する平歯車92A,92Bを備えている。
平歯車92Aは、アウターギヤ92と略同一の大きさを有し、平歯車92Bよりも基部81側(紙面右側)に取り付けられるとともに、モータ52の出力軸52Aと嵌合している。したがって、モータ52は、平歯車92Aを回転させることによって、アウターギヤ92を回転させることができ、ひいては基部81を回転させることができる。
平歯車92Bは、平歯車92Aよりも小さく、平歯車92Aよりもモータ52,53側(紙面左側)に取り付けられるとともに、ポテンショメータ95に接続されている。したがって、ポテンショメータ95は、平歯車92Bの回転を検出することによって、アウターギヤ92の回転角度を検出することができ、ひいては基部81の回転角度を検出することができる。
平歯車94Aは、キャリア94の端部(紙面左側の端部)に取り付けられるとともに、ポテンショメータ96に接続されている。したがって、ポテンショメータ96は、平歯車94Aの回転を検出することによって、キャリア94の回転角度を検出することができる。
ここで、キャリア94の回転角度は、基部81およびウォーム82の回転角度の差に相当するので、ポテンショメータ96は、キャリア94の回転角度を検出することによって、基部81およびウォーム82の回転角度の差を検出することができる。
(1)基部81およびウォーム82の回転角度の差を検出する角度検出装置9は、基部81およびウォーム82の端部を回転自在に支持する本体部51に設けられているので、基部81を軽くすることができる。したがって、ロボット1の関節機構8は、グリッパ6の全体を動かす際に必要となる力を小さくして動かしやすくすることができる。また、角度検出装置9は、本体部51に設けられているので、グリッパ6の全体を回転させた場合であっても、ポテンショメータ95,96に接続された信号線などのケーブルが絡まってしまうことはない。
(3)ロボット1の関節機構8は、角度検出装置9にて基部81およびウォーム82の回転角度の差を検出することによって、基部81に対する2つのウォームホイール83の回転角度を一度に検出することができるので、ロボット1の関節機構8における限られたスペースを更に有効に利用することができる。
例えば、前記実施形態では、角度検出装置9は、遊星歯車機構を備え、キャリア94の回転角度を検出することによって、基部81およびウォーム82の回転角度の差を検出していたが、遊星歯車機構とは異なる他の歯車機構を採用し、筒状体およびウォームの回転角度の差を検出してもよい。要するに、角度検出装置は、筒状体およびウォームの回転角度の差を検出することができればよい。
また、前記実施形態では、ロボット1の関節機構8は、ウォーム82の回転に伴って回転する2つのウォームホイール83を備えていたが、ウォームホイールは、1つであってもよく、3つ以上であってもよい。
2 取付部
3,4 アーム
5 ハンド
6 グリッパ
7 カメラ
8 関節機構
9 角度検出装置
51 本体部
52 モータ
52A 出力軸
53 モータ
81 基部
82 ウォーム
83 ウォームホイール
91 サンギヤ
92 アウターギヤ
92A,92B 平歯車
93 プラネタリギヤ
94 キャリア
94A 平歯車
95,96 ポテンショメータ
V 走行車
Claims (3)
- 自己の中心軸回りに回転する筒状体と、
前記筒状体の内部に同心状に設けられるとともに、自己の中心軸回りに回転するウォームと、
前記筒状体および前記ウォームの端部を回転自在に支持する支持部と、
前記筒状体に設けられるとともに、前記ウォームと嵌合することによって前記ウォームの回転に伴って回転するウォームホイールと、
前記支持部に設けられるとともに、前記筒状体および前記ウォームの回転角度の差を検出する角度検出装置とを備えることを特徴とするロボットの関節機構。 - 請求項1に記載されたロボットの関節機構において、
前記角度検出装置は、
前記ウォームに同心状に設けられることによって前記ウォームの回転に伴って回転するサンギヤと、
前記筒状体に同心状に設けけられることによって前記筒状体の回転に伴って回転するアウターギヤと、
前記サンギヤおよび前記アウターギヤの間に設けられたプラネタリギヤと、
前記プラネタリギヤの公転運動を出力するキャリアとを有する遊星歯車機構を備え、
前記キャリアの回転角度を検出することによって、前記筒状体および前記ウォームの回転角度の差を検出することを特徴とするロボットの関節機構。 - 請求項1または請求項2に記載されたロボットの関節機構において、
前記ウォームの回転に伴って回転する複数の前記ウォームホイールを備え、
前記複数のウォームホイールのそれぞれは、当該ウォームホイールの回転軸方向と直交する方向に延出するように設けられる指部を備え、
前記指部は、前記ウォームを回転させることによって開閉することを特徴とするロボットの関節機構。
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2013
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