以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
1.システム
2.ハードウェア構成例
3.機能
4.動作シーケンス
(1.システム)
図1は一実施形態における位置情報管理システム1を表す。位置情報管理システム1の一実施形態は、通信装置100と、通信端末と、管理装置140と、管理サーバ160とを有する。以下、通信端末の一実施形態として、無線端末を例として説明する。位置情報管理システム1の一実施形態は、通信装置100、102、104、106、無線端末120、122、124、管理装置140、管理サーバ160、通信装置と無線端末と管理装置とから構成されるネットワーク180及びネットワーク190を有する。ここで、ネットワーク180は、管理装置140によって管理される無線ネットワークである。
図2は、図1において無線ネットワークを構成する通信装置100、102、104、106、無線端末120、122、124、管理装置140を抜き出して示したものである。
通信装置100、102、104、106は、例えば部屋の天井等に固定され、固定された位置に係る、経緯情報、建物の階数及び棟番号のような位置情報(以下「位置情報」とする)そのものを連続的又は断続的に無線送信する。通信装置は、それぞれ独立した筐体を有し、予め設置された電源から給電されて動作するか、あるいはLED蛍光管のような照明器具に組み込まれ、該照明器具から給電されて動作する。通信装置100、102、104、106は、それぞれが保持する位置情報を、無線信号により所定の範囲に送信する。所定の範囲は、用いられる無線信号の信号強度によって定められる。通信装置は、位置の管理対象となる領域をカバーするように配置され、それぞれの領域が重複しないように構成される。あるいは、重複する場合であっても、位置情報を受信する側において、受信電波の強度に基づいて、何れか一つの通信装置が決定できるよう構成される。図1の例では、それぞれの通信装置の下方に示される円錐型の点線が、所定の範囲を表している。位置情報を送信する通信方式として、例えば地上補完信号(Indoor Messaging System;IMES)を用いることができる。
無線端末120、122、124は、通信装置100、102、104、106のうち、最寄の通信装置が送信する無線信号を受信することができる。図1の例では、それぞれの無線端末は、位置を管理する対象である直方体の管理対象物に付されている。無線端末120、122、124は、自らも電波を送信可能な、例えばアクティブタグのような端末である。以下、無線端末120について説明する。
(無線端末120)
無線端末120は、通信装置100からの無線信号を受信できる範囲にあり、通信装置100の位置情報を受信する。通信装置100の位置情報の受信は、例えばIMESを用いて行われる。無線端末120は、受信した位置情報と共に、例えばネットワークアドレスのような自らの識別情報を含む情報を通信装置100へ送信する。該送信は、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)のような近距離無線通信によるネットワーク180を通じて行われる。この場合には、無線端末120の識別情報として、IEEE802.15.4の短縮アドレスまたはIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。通信装置100へ送信された識別情報と位置情報は、次に、隣接する通信装置102を経由して、管理装置140に送信される。なお、無線端末120における送受信の動作は、当該無線端末120において予め定められたタイミングか、あるいは、当該無線端末120の備える加速度センサによる加速度の変化が検出されたタイミングで行われる。
管理装置140は、ネットワーク180とネットワーク190とを相互に接続し、ネットワーク180側から送信されたデータをネットワーク190にブリッジする。管理装置140は、例えば建物のフロア毎、または壁などで仕切られた部屋毎に設置される。ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)によるPAN(Personal Area Network)であり、ネットワーク190がIEEE802.3規格に基づくLANである場合には、それらの間での通信方式の変換を行う。また、無線端末120の識別情報がIEEE802.15.4の短縮アドレスで表されている場合には、PAN構成時の情報に基づきIEEE拡張アドレスに変換し、管理サーバ160に送信する。
管理サーバ160は、管理装置140を経由して受信された識別情報と位置情報とを、受信日時と共に記録し、通信装置の位置を管理する。管理サーバ160では、無線端末に係る管理対象物が予め記録されている。よって、これらの情報を用いて、管理対象物の所在を探索することができる。
ネットワーク180は、それぞれの通信装置100、102、104、106と、無線端末120、122、124と、管理装置140とを接続する、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格によって構成されるPANである。PANがIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格で構成される場合は、無線端末、通信装置、管理装置は、それぞれZigBee(登録商標)規格で定められるエンドデバイス機能、ルータ機能及びコーディネータ機能を有する。そして、それぞれの通信装置及び無線端末は、起動時に管理装置の管理下に入り、PANを構成し、管理装置への最小経路が決定される。
ネットワーク190は、管理装置140と管理サーバ160とを接続するネットワークであり、例えばIEEE802.3規格で定められるLANである。
上記の通り、一実施形態における位置情報管理システム1において、無線端末は、最寄の通信装置と通信できるだけの電力を用いて、識別情報と位置情報とを管理サーバへ送信することができる。また、通信装置を設置するための新たなインフラの敷設が不要であり、導入コストを低減することができる。
なお、通信装置の位置情報は、ネットワーク180を通じて提供されてもよい。これにより、IMESのような位置情報を送信するための送信手段が不要となる。
また、無線端末は、位置情報を送信した通信装置よりさらに近傍に管理装置が存在する場合には、識別情報と位置情報とを管理装置140に送信してもよい。これにより、最短経路で識別情報と位置情報が管理サーバに送信できる。
また、管理サーバに、管理装置の機能を統合してもよい。これにより、個別の管理装置が不要となる。
また、無線端末は、スマートフォン、PDA、PC又はスマートメータのような、アクティブタグと同等の機能を有する無線端末であってもよい。これにより、タグを付することなく、既存の無線端末の位置情報の管理が可能となる。
また、上述の位置情報に加えて、例えば部屋の中の区画を表す情報のような、より細かな位置を特定する情報を含んでもよい。これにより、より細かな位置管理が可能となる。
また、位置管理対象が人であってもよい。これにより、当該システム1によって人の所在を管理することができる。
また、ネットワーク180は、例えばBluetooth LE、ANT、Z-Wave等の近距離無線通信を用いて構成されてもよい。これにより、多様な無線端末の位置情報を管理することが可能となる。
また、ネットワーク190は、例えばインターネットのような、複数の種類のネットワークを含んでもよい。これにより、ネットワーク180と管理サーバ160との間の物理的な位置に関係なく、無線端末の位置情報を管理することが可能となる。
(2.ハードウェア構成例)
次に、図3、図4、図5、図6を用いて、位置情報管理システム1に含まれる通信装置100、無線端末120、管理装置140、管理サーバ160のハードウェア構成について説明する。
図3は、一実施形態における通信装置100のハードウェア構成を表す。通信装置100は、CPU200、RAM202、ROM204、位置信号送信制御部206、位置信号送信部208、無線通信制御部210、無線通信部212及びバス214を有する。
CPU200は、当該通信装置100の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM202は、CPU200のワークエリア等を構成する。ROM204は、CPU200が実行するプログラムに加えて、当該通信装置100の位置情報を記憶する。位置信号送信制御部206は、位置信号送信部208を介して当該通信装置100の位置情報を表す測位信号を送信するための処理を実行する。位置信号送信部208は、例えばIMESのような測位信号を送出するアンテナを含む装置である。無線通信制御部210は、無線通信部212を介して無線通信処理を実行する。無線通信部212は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。バス214は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における通信装置100は、無線端末120に対して位置情報を送信し、無線端末120から識別情報と位置情報を受信し、これらの情報を管理装置を介して管理サーバへ送信することができる。
なお、上述したように、位置情報を無線通信によって送信する場合には、位置信号送信制御部206と位置信号送信部208は不要となる。
図4は、一実施形態における無線端末120のハードウェア構成を表す。無線端末120は、CPU220、RAM222、ROM224、位置信号受信制御部226、位置信号受信部228、無線通信制御部230、無線通信部232、加速度検出制御部234、加速度検出器236及びバス238を有する。
CPU220は、当該無線端末120の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM222は、CPU220のワークエリア等を構成する。ROM224は、CPU220が実行するプログラムに加えて、当該無線端末120の識別情報や、通信装置100から受信した位置情報を記憶する。位置信号受信制御部226は、位置信号受信部228を介して、位置情報を表す測位信号を受信するための処理を実行する。位置信号受信部228は、例えばIMESのような測位信号を受信するアンテナを含む装置である。無線通信制御部230は、無線通信部232を介して無線通信処理を実行する。無線通信部232は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。加速度検出制御部234は、加速度検出部236を介して加速度の変化を検出する。加速度検出部236は、例えば加速度センサ又は慣性力や磁気を用いたモーションセンサである。バス238は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における無線端末120は、通信装置100から位置情報を受信し、前記位置情報と共に自らの識別情報を通信装置100へ送信することができる。特に、無線端末が動かされたタイミングで送信又は受信の動作を行うことにより、効率的に識別情報及び位置情報を送信することができる。
なお、無線端末120がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける、例えばタッチパネル、ダイヤルキー、キーボード、マウスのような入力装置及び対応する入力制御部を備えてもよい。さらに、スクリーンのような表示装置及び対応する表示制御部を備えてもよい。
また、無線端末120がGPSアンテナ及び対応する制御部を備える場合には、前記アンテナを用いてIMESによる測位信号を受信でき、ソフトウェアの改修によって当該位置情報管理システム1に対応させることができる。
また、加速度検出制御部234及び加速度検出部236は任意の構成要素である。加速度検出制御部234及び加速度検出部236を備えない場合には、当該無線端末120の送信又は受信の動作は、予め定められた間隔又は時刻においてなされる。
また、上述したように、位置情報が無線通信によって受信される場合には、位置信号受信制御部226と位置信号受信部228は不要となる。
図5は、一実施形態における管理装置140のハードウェア構成を表す。管理装置140は、CPU240、RAM242、ROM244、無線通信制御部246、無線通信装置248、有線通信制御部250、有線通信装置252及びバス254を有する。
CPU240は、当該管理装置140の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM242は、CPU240のワークエリア等を構成する。ROM244は、CPU240が実行するプログラムや該プログラムが使用するデータを記憶する。無線通信制御部246は、無線通信装置248を介して無線通信処理を実行する。無線通信装置248は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。有線通信制御部250は、有線通信装置252を介して有線による通信処理を実行する。有線通信装置252は、例えばIEEE802.3規格に適合するネットワークインターフェースを有する装置である。バス254は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における管理装置140は、通信装置100及び無線端末120を含むネットワーク180からの信号を、管理サーバ160を含むネットワーク190へと変換することができる。また、PANを構成するネットワーク180がZigBee(登録商標)である場合には、PANに参加するデバイスを管理するコーディネータの機能を有することができる。
図6は、一実施形態における管理サーバ160のハードウェア構成を表す。管理サーバ160は、CPU260、RAM262、ROM264、HDD266、通信制御部268、通信部270、表示制御部272、表示部274、入力制御部276、入力部278及びバス280を有する。
CPU260は、当該管理サーバ160の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM262は、CPU260のワークエリア等を構成する。ROM264は、CPU260が実行するプログラムや該プログラムが使用するデータを記憶する。HDD266は、当該位置情報管理システム1で用いられる無線端末120の位置を管理するための情報を記憶する。通信制御部268は、通信部270を介して通信処理を実行する。通信部270は、例えばIEEE802.3規格に適合するネットワークインターフェースを有する装置である。表示制御部272は、当該管理サーバ160上で実行される、位置管理に係るプログラムの処理内容に合わせて、表示部274に表示される内容を制御する。表示部274は、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイのようなディスプレイが含まれる。入力制御部276は、ユーザからの入力を受け付ける、キーボード、マウス等の入力部278からの信号を処理する。バス280は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における管理サーバ160は、無線端末120の位置を管理し、該無線端末120の所在を探索することができる。
なお、HDD266は、テープドライブを含むあらゆる記憶装置であってもよく、あるいは、ネットワークを介してアクセス可能なストレージ領域であってもよい。
また、管理サーバ160は、上述した管理装置140が備える無線通信制御部及び無線通信装置を備え、管理装置140に代えて、その処理を行ってもよい。これにより、管理装置140を別途設ける必要がなくなる。
(3.機能)
図7は、一実施形態における通信装置100の機能ブロック図を表す。一実施形態における通信装置100は、記憶手段300、通信手段304及び制御手段312を有する。
記憶手段300は、当該通信装置100の位置情報302を記憶する。位置情報302を記憶するためのテーブルの例を図11に示す。図11は、階数、緯度、経度、棟番号の項目を含む。階数は、当該通信装置100が設置される建物の階数を表す。緯度及び経度は、当該通信装置100の所在する位置の緯度及び経度を表す。棟番号は、当該通信装置100が設置される建物の棟番号を表す。図11の例では、通信装置100は、ある建物のC棟の16階に所在し、緯度が35.459555、経度が139.387110の地点に所在する。
通信手段304は、位置情報送信手段306、端末情報受信手段308及び端末情報送信手段310を有する。
位置情報送信手段306は、経緯情報、建物の階数、棟番号のような情報を含む位置情報302を、所定の範囲にある無線端末120に対して連続的又は断続的に無線送信する。位置情報302は、例えばIMESに規定されるフォーマットを用いて送信される。
端末情報受信手段308は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを受信する。
端末情報送信手段310は、無線端末120から送信された識別情報と位置情報とを、管理装置140を介して管理サーバ160へ送信する。ネットワーク180がZigBee(登録商標)規格を用いてなされる場合には、前記送信は、当該通信装置100が保持するルーティング情報を用いて行われる。
制御手段312は、当該通信装置100の動作を制御する。当該通信装置100が無線端末120及び管理装置140とZigBee(登録商標)を用いてPANを構成する場合には、当該通信装置100がルータ機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における通信装置100は、位置情報302を保持し、位置情報302を無線端末120に送信し、該無線端末120の識別情報と位置情報を受信して、該識別情報を管理装置140を通じて管理サーバへ送信することができる。
なお、位置情報302は、通信装置100が設置される建物名や、部屋の中の区画を表す情報のような追加の情報を含んでもよい。これにより、より細かな位置管理が可能となる。
図8は、一実施形態における無線端末120の機能ブロック図を表す。一実施形態における無線端末120は、記憶手段320、通信手段326、加速度検出手段332及び制御手段334を有する。
記憶手段320は、識別情報322と位置情報324を有する。識別情報322は、当該無線端末120のネットワークアドレスのような、当該位置情報管理システム1上で無線端末120を特定可能な情報を含む。例えば、ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づく場合には、IEEE802.15.4の短縮アドレス又はIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。位置情報324は、通信装置100から送信された位置情報302である。位置情報324を記憶するためのテーブルの例を図12に示す。構成は図11と同様である。
通信手段326は、位置情報受信手段328と識別情報送信手段330を有する。
位置情報受信手段328は、通信装置100から送信された位置情報302を受信する。受信された位置情報302は、当該無線端末120の記憶手段320に保持される。
識別情報送信手段330は、当該無線端末120の識別情報322と共に位置情報324を通信装置100に送信する。位置情報322は、例えば図13のようなフォーマットにより無線端末120に送信される。図12のフォーマットでは、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、IMES規格によって受信したメッセージの該当フィールドを繋げた形とする。各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。実際には、このフォーマットに加えて、通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加されて送信される。通信方式として、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格が用いられる。
加速度検出手段332は、当該無線端末120の加速度の変化を検出する。加速度の変化は、例えば当該無線端末120が移動を開始した時、該移動が停止した時、又は傾きを検出した時等に検出される。検出された加速度の変化は、当該無線端末120の送信又は受信の動作のタイミングを決定するために用いられる。なお、当該加速度検出手段332は任意の構成要素である。
制御手段334は、位置情報受信手段238による位置情報の受信のタイミングと、識別情報送信手段330による識別情報322と位置情報324との送信のタイミングを制御する。送受信のタイミングは、加速度検出手段332による加速度の変化の検出に基づいて決定される。あるいは、当該無線端末120に予め設定された間隔あるいは時刻に基づいて決定されてもよい。また、送信と受信のタイミングは、それぞれ独立して決定されてもよい。さらに、制御手段334は、当該無線端末120が通信装置100及び管理装置140と共にZigBee(登録商標)によりPANを構成する場合には、当該無線端末120がエンドポイント機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における無線端末120は、通信装置から位置情報を効率的に受信し、該位置情報と共に識別情報通信装置へ効率的に送信することができる。
なお、無線端末120がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける入力手段や、ユーザに情報を提示する表示手段を備えてもよい。これにより、ユーザへの識別情報又は位置情報の提示や、ユーザからの識別情報又は位置情報の入力又は修正が可能となる。
図9は、一実施形態における管理装置140の機能ブロック図を表す。一実施形態における管理装置140は、通信手段340、変換手段346及び制御手段348を有する。
通信手段340は、受信手段342と送信手段344を有する。受信手段342は、ネットワーク180に属する通信装置又は無線端末から送信されたデータを受信する。送信手段344は、当該管理装置140で変換された前記データを、ネットワーク190に属する管理サーバ160へ送信する。ネットワーク180は、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づくPANである。また、ネットワーク190は、例えばIEEE802.3規格に基づくLANである。
変換手段346は、受信手段342がネットワーク180から受信したデータを、ネットワーク190に適合する形式に変換する。変換されたデータは、送信手段344によって、ネットワーク190を介して管理サーバ160へ送信される。ここで、前記データに含まれる、無線端末120の識別情報が、IEEE802.15.4の短縮アドレスで表されている場合には、PAN構成時の情報に基づき、IEEE拡張アドレスに変換される。
制御手段348は、当該管理装置140の動作を制御する。当該管理装置140が通信装置100と無線端末120と共にZigBee(登録商標)規格によりPANを構成する場合には、当該管理装置140がコーディネータ機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における管理装置140は、通信装置100及び無線端末120が属するネットワーク180と、管理サーバが属するネットワーク190との間の通信をブリッジすることができる。
図10は、一実施形態における管理サーバ160の機能ブロック図を表す。一実施形態における管理サーバ160は、通信手段360、記憶手段366、入力手段370、表示手段372及び制御手段374を有する。
通信手段360は、受信手段362と送信手段364を有する。受信手段362は、管理装置140を通じて無線端末から送信された識別情報と位置情報とを受信する。受信された識別情報と位置情報は、記憶手段366に記憶される。送信手段364は、外部サーバ等に対して位置情報の提供を求められた場合に、該位置情報を前記外部サーバ等に送信する。
記憶手段366は、位置管理情報368を有する。位置管理情報368は、無線端末120から受信した識別情報と位置情報に、受信時刻等の管理情報を付加した情報である。該情報を記憶するテーブルの例を図14に示す。図14は、識別情報、機器名、所有部署、緯度、経度、階数、棟、受信日時の項目を有する。識別情報は、当該識別情報を送信した無線端末120の、例えばIEEE拡張アドレスのような情報である。緯度、経度、階数、棟は、識別情報と共に受信された位置情報に対応する。受信日時は、管理サーバ160が当該情報を受信した日時である。機器名は、当該情報を送信した無線端末120が付される管理対象の名前又は無線端末120の機器名である。所有部署は、当該情報を送信した無線端末120を所有する部署名である。機器名及び所有部署の情報は、予め当該管理サーバ160によって、識別情報と関連付けられている。
入力手段370は、ユーザが位置情報を探索するために、ユーザからの入力を受け付ける。
表示手段372は、ユーザが位置情報を探索するための検索画面に係るGUIを画面上に表示する。検索画面の例を図16に示す。図16に示された「所在検索システム」では、記憶手段366に記憶された情報を元に、無線端末に係る所有部署と機器名を画面に一覧表示する。ユーザが、検索したい機器のチェックボックスを入力手段370を通じて選択すると、チェックマークが付される。検索したい機器に全てチェックマークを付けた後に「検索実行」ボタンを選択すると、検索が実行され、結果を表示する画面に切り替わる。図16の例では、ユーザが「営業1課」が所有する「UCS P3000」という機器を対象として検索を実行する例を示している。図17は、その検索結果の画面の例である。「検索実行」ボタンが選択されると、表示手段372は、記憶手段366に記憶されたデータを元に、「UCS P3000」が所在する「A棟4階」のフロア図と、その機器名及び受信日時を表示する。
制御手段374は、当該管理サーバの動作を制御する。
上記構成により、一実施形態における管理サーバ160は、無線端末の位置を管理し、その所在を検索することができる。特に、無線端末の位置そのものを表す情報そのものを直接受信して管理することができ、位置の探索にかかる計算量を低減することができる。
なお、管理サーバ160は、管理装置160の有する変換手段346、制御手段348及び受信手段342と同様の機能を有し、管理装置160と同様の機能を有してもよい。これにより、管理装置160を個別に設ける必要がなくなる。
また、管理サーバ160によって記憶される位置管理情報368は、図14に示された情報と共に、あるいは該情報に代えて、無線端末が情報を送信した日時、経由した通信装置又は管理装置の識別子、情報の到着までにかかった時間又は電界強度を含む情報を記憶してもよい。これにより、より詳細な条件で位置情報を管理することができる。
また、管理サーバ160は、無線端末の過去の位置情報を記録してもよい。これにより、無線端末の移動を追跡することができる。
(4.動作シーケンス)
図15は、図1の構成における一実施形態における位置情報管理システム1の動作シーケンスを表す図である。図15では、加速度の変化を検知すると位置情報を受信し、識別情報を送信する通信装置100と、該通信装置100の属する領域に位置情報を送信する無線端末120と、PAN(IEEE802.15.4及びZigBee(登録商標))とLAN(IEEE802.3)とをブリッジする管理装置140と、管理サーバ160とで構成される例について説明する。通信装置100と、無線端末120と、管理装置140との間のPANは既に確立されているものとする。
ステップS800において、通信装置100は、IMES等を用いて位置情報を連続的又は断続的に送信する。
ステップS802において、無線端末120は、加速度の変化を検知する。
ステップS804において、無線端末120は、通信装置100から送信される位置情報を受信する。
ステップS806において、無線端末120は、受信された位置情報を記憶する。
ステップS808において、無線端末120は、識別情報と位置情報を通信装置100へ送信する。
ステップS810において、通信装置100は、無線端末120から受信した識別情報と位置情報とを最小経路を通じて管理装置へ送信する。
ステップS812において、管理装置140は、通信装置100から受信した識別情報と位置情報を含む、ネットワーク180から送信されたデータをネットワーク190で適合する形式へと変換する。
ステップS814において、管理装置140は、ネットワーク190に適合する形式に変換された識別情報と位置情報を管理サーバ160へ送信する。
ステップS816において、管理サーバ160は、管理装置から受信した識別情報と位置情報を、識別情報に対応する無線端末の情報と共に登録する。
以上の手順により、一実施形態における位置情報管理システム1は、無線端末が最寄の通信装置に対して効率よく識別情報と位置情報とを送信することにより、無線端末の消費電力を抑えることができる。
なお、既に述べたように、管理サーバ160が管理装置140の機能を統合して実行してもよい。この場合には、別個の管理装置140を設置する必要がなくなる。
また、無線端末が加速度検出手段332を備えていない場合には、ステップS802は実行されず、ステップS804における位置情報の受信は、所定の時刻又は所定の間隔で行われ得る。その後の処理は、ステップS806〜S816と同様である。
上述した実施例において、通信装置100は、記憶手段300に記憶された位置情報302を位置信号送信機208から、無線送信する。例えば、位置信号送信機208は、IMESメッセージとして、位置情報を送信する。
無線端末120は、通信装置100からの位置情報を受信し、無線端末120の識別子とともに位置情報を送信する。
このような位置情報管理システムでは、位置情報の真正性を確保できることが好ましい。
特に、IMESメッセージが送信される場合には、IMESの仕様が既知である場合には、信号の偽造が可能であり、一定レベル以上の技術・知識があればIMES送信機の製造が可能であるからである。
位置情報の真正性が明らかになることにより、IMESを用いた測位システムを活用した位置情報管理システムの信頼性を向上させることができる。
IMESメッセージを用いた測位システムで、通信装置100から送信される位置情報の真正性を確保する。
位置情報管理システム1は、通信装置100に、真正性が確保された位置情報を送信させるために、管理端末500を用いる。上述した無線端末120が管理端末500の機能を有するようにしてもよい。
(管理端末500)
図18は、管理端末500のハードウェア構成の一実施例を示す。
管理端末500は、CPU420、RAM422、ROM424、位置信号受信制御部426、位置信号受信部428、無線通信制御部430、無線通信部432及びバス438を有する。
CPU420は、当該管理端末500の動作制御を行うプログラムを実行する。RAM422は、CPU420のワークエリア等を構成する。ROM424は、CPU420が実行するプログラムを記憶する。位置信号受信制御部426は、位置信号受信部428を介して、位置情報を表す測位信号を受信するための処理を実行する。位置信号受信部428は、例えばIMESのような測位信号を受信するアンテナを含む装置である。無線通信制御部430は、無線通信部432を介して無線通信処理を実行する。無線通信部432は、例えばIEEE802.15.4規格に適合する電波を送受信可能なアンテナを含む装置である。バス438は、上記装置を電気的に接続する。
上記構成により、一実施形態における管理端末500は、通信装置100から位置情報を受信し、前記位置情報を管理サーバ160へ送信することができる。位置情報を管理サーバ160へ送信する際、管理装置140を経由して、管理サーバ160へ送信されてもよい。また、管理サーバ160が、無線通信部及び対応する制御部を有する場合には、管理端末500から、管理サーバ160へ、位置情報が送信されてもよい。
なお、管理端末500がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける、例えばタッチパネル、ダイヤルキー、キーボード、マウスのような入力装置及び対応する入力制御部を備えてもよい。さらに、スクリーンのような表示装置及び対応する表示制御部を備えてもよい。
また、管理端末500がGPSアンテナ及び対応する制御部を備える場合には、前記アンテナを用いてIMESによる測位信号を受信でき、ソフトウェアの改修によって当該位置情報管理システム1に対応させることができる。
また、上述したように、位置情報が無線通信によって受信される場合には、位置信号受信制御部426と位置信号受信器428は不要となる。
図19は、管理端末500の一実施例の機能ブロック図を表す。管理端末500は、記憶手段380、通信手段386、及び制御手段396を有する。
記憶手段380は、識別情報382と位置情報384を有する。識別情報382は、当該管理端末120のネットワークアドレスのような、当該位置情報管理システム1上で管理端末500を特定可能な情報を含む。例えば、ネットワーク180がIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格に基づく場合には、IEEE802.15.4の短縮アドレス又はIEEE拡張(MAC)アドレスを用いることができる。位置情報384は、通信装置100から送信された位置情報302である。位置情報384を記憶するためのテーブルの例は図12と同様である。構成は図11と同様である。
通信手段386は、位置情報受信手段388と、位置情報送信手段390と、証明書受信手段392と、証明書送信手段394を有する。
位置情報受信手段388は、通信装置100から送信された位置情報302を受信する。具体的には、位置情報受信手段388は、位置信号受信機428により位置情報を受信する。受信された位置情報302は、当該管理端末500の記憶手段380に保持される。位置情報302は、例えば図12に示したようなフォーマットにより管理端末500に送信される。図12のフォーマットでは、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、IMES規格によって受信したメッセージの該当フィールドを繋げた形とする。各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。実際には、このフォーマットに加えて、通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加されて送信される。通信方式として、例えばIEEE802.15.4及びZigBee(登録商標)規格が用いられる。
位置情報送信手段390は、位置情報受信手段388により受信された位置情報を、管理サーバ160へ送信し、公開鍵証明書(以下、「証明書」という)の発行を依頼する。具体的には、位置情報送信手段390は、無線通信部432からの位置情報を、管理サーバ160へ送信し、証明書の発行を依頼する。該位置情報は、管理装置140を介して管理サーバ160へ送信されてもよいし、管理装置140を介さずに管理サーバ160へ送信されてもよい。
証明書受信手段392は、位置情報送信手段390により送信された位置情報に対して、管理サーバ160から送信される証明書を受信する。具体的には、証明書受信手段392は、無線通信部432により、証明書を受信する。証明書は、位置情報に対する応答として送信されたものであってもよい。
証明書送信手段394は、通信装置100へ、証明書受信手段392により受信された証明書を送信する。具体的には、証明書送信手段394は、無線通信部432から、証明書を送信する。また、証明書送信手段394は、証明書を削除する際に、証明書を削除する命令を送信する。
制御手段396は、位置情報受信手段388による位置情報の受信と、位置情報送信手段390による位置情報384の送信と、証明書受信手段392による証明書の受信と、証明書送信手段394による証明書の送信とを制御する。また、送信と受信のタイミングは、それぞれ独立して決定されてもよい。さらに、制御手段396は、当該管理端末500が通信装置100及び管理装置140と共にZigBee(登録商標)によりPANを構成する場合には、当該管理端末500がエンドポイント機能を提供するよう制御する。
上記構成により、一実施形態における管理端末500は、通信装置100から位置情報を受信し、管理サーバ160へ、該位置情報を送信することができる。また、管理端末500は、通信装置100へ、管理サーバ160からの証明書を送信することができる。
なお、管理端末500がスマートフォンやPCのような情報端末である場合には、ユーザからの入力を受け付ける入力手段や、ユーザに情報を提示する表示手段を備えてもよい。これにより、ユーザへの位置情報又は証明書の提示が可能となる。
(通信装置100)
通信装置100のハードウェア構成の一実施例は、図3を略同一である。
図20は、通信装置100の一実施例を示す機能ブロック図である。
通信装置100は、図7を参照して説明した通信装置に、証明書受信手段314と、証明書登録手段316と、証明書送信手段318とを有する。
証明書受信手段314は、管理端末500から送信される証明書を受信する。具体的には、証明書受信手段314は、無線通信部212により、証明書を受信する。また、証明書受信手段314は、管理端末500から送信される証明書削除命令を受信する。具体的には、証明書受信手段314は、無線通信部212により、証明書削除命令を受信する。証明書削除命令は、管理サーバ160から送信されたものであってもよい。
証明書登録手段316は、証明書受信手段314により受信された証明書を登録する。具体的には、証明書登録手段316は、証明書を記憶手段300へ格納する。また、証明書登録手段316は、証明書受信手段314により受信された証明書削除命令に従って、該当する証明書を削除する。具体的には、証明書登録手段316は、該当する証明書を記憶手段300から削除する。また、証明書登録手段316は、自通信装置100が移設された場合、証明書の有効期限がオーバした場合等に、記憶手段300に登録された証明書を消去するようにしてもよい。
証明書送信手段318は、証明書登録手段316により記憶手段300に格納された証明書を送信する。具体的には、位置情報送信手段306により位置情報が送信される際に、証明書送信手段318は、位置信号送信機208から証明書を送信するようにしてもよい。また、位置情報送信手段306により位置情報が送信される際に、証明書送信手段318は、無線通信装置212から証明書を送信するようにしてもよい。
(管理サーバ160)
管理サーバ160のハードウェア構成の一実施例は、図6を略同一である。
図21は、通信装置100の一実施例を示す機能ブロック図である。
図21に示される通信装置100は、図10を参照して説明した通信装置に、証明書取得処理手段376を追加したものである。
証明書取得処理手段376は、受信手段362により受信された位置情報を認証局サーバに問い合わせる。認証局サーバに問い合わせる際に、証明書取得処理手段376は、送信手段364に位置情報を含む管理情報を送信させる。管理情報には、位置情報に加えて、管理サーバ160のMACアドレス、ISP情報、管理業者、建物名等のいずれかが含まれてもよい。
認証局サーバは、管理サーバ160からの管理情報に基づいて、該管理サーバ160の身元を明らかにし、位置情報を認証し、証明書を発行する。認証局サーバは、管理情報に含まれる位置情報が正しいか否かを判定する。例えば、管理サーバ160のMACアドレスが正しいか否かを判定し、正しい場合には位置情報が正しいと判定し、誤っている場合には位置情報が誤っていると判定してもよい。また、管理サーバ160のISP情報が正しいか否かを判定し、正しい場合には位置情報が正しいと判定し、誤っている場合には位置情報が誤っていると判定してもよい。また、管理業者が正しいか否かを判定し、正しい場合には位置情報が正しいと判定し、誤っている場合には位置情報が誤っていると判定してもよい。また、位置情報が建物に含まれるか否かを判定し、含まれる場合には位置情報が正しいと判定し、含まれない場合には位置情報が誤っていると判定してもよい。具体的には、認証局サーバは、国土地理院が発行する地図情報等の真正性が確保されている地図から、通信装置100が設置された建物の外形情報を取得し、該外形内に、位置情報が含まれるか否かを判定する。該外形内に、位置情報が含まれる場合には位置情報が正しいと判定し、含まれない場合には位置情報が誤っていると判定する。また、事業者名や、施設情報と照合することにより、位置情報が正しいか否かを判定するようにしてもよい。さらに、認証局サーバは、上記判定方法を組み合わせて判定するようにしてもよい。勿論、認証局サーバは、他の条件により、管理情報に含まれる位置情報が正しいか否かを判定するようにしてもよい。
認証局サーバは、位置情報が正しいと判定した場合、証明書を発行する。また、認証局サーバは、位置情報が正しいと判定した場合、証明書用の復号キー(公開鍵)を生成する。認証サーバは、証明書に、該証明書用の復号キーを含め、管理サーバ160へ送信する。
認証局サーバからの証明書、復号キーは、受信手段362により受信される。証明書取得処理手段376が、DBへ、受信手段362により受信された証明書、復号キーを格納する。具体的には、証明書、復号キーは、位置情報とともに、DBに格納される。DBには、証明書DB、証明書用復号キーDB、位置管理DBが含まれる。証明書取得処理手段376は、証明書DBに証明書を格納し、証明書用復号キーDBに復号キーを格納し、位置管理DBに位置情報を格納する。
証明書取得処理手段376は、証明書を、管理端末500へ送信する。
また、認証局サーバは、位置情報が誤っている判定した場合、管理サーバ160に、位置情報を認証できないことを通知する。証明書取得処理手段376は、認証局サーバから位置情報を認証できないことが通知された場合、管理端末500へ、位置情報が誤っていることを通知する。
管理端末500へ位置情報が誤っていることが通知されることにより、通信装置100に登録されている位置情報が正しいか否かを判定できる。
また、受信手段362により無線端末120からの復号キー要求が受信された場合、制御手段374は、DBに格納された復号キーを複製し、複製された復号キーを送信する制御を実行する。送信手段364は、無線端末120へ、複製された復号キーを送信する。具体的には、複製された復号キーは、通信装置270から送信され、管理装置140から無線信号として送信される。
(無線端末120)
無線端末120のハードウェア構成の一実施例は、図4を略同一である。
図22は、無線端末120の一実施例を示す機能ブロック図である。
無線端末120は、図8を参照して説明した通信装置に、復号キー要求送信手段336と、復号キー受信手段338を有するようにしたものである。
復号キー要求送信手段336は、通信装置100から送信される証明書を復号するための復号キーを取得するために、自無線端末120の識別情報を含む復号キー要求を、管理サーバ160へ送信する。例えば、復号キー要求送信手段336は、無線通信装置232から、復号キー要求を送信する。該復号キー要求は、管理装置140を経由して、管理サーバ160に受信される。
復号キー受信手段338は、復号キー要求に応じて、管理サーバ160から送信された復号キーを受信する。復号キー受信手段338は、記憶手段320に、復号キーを格納する。
位置情報受信手段328は、通信装置100から位置情報とともに送信される証明書を、記憶手段320に格納された復号キーにより復号する。制御手段334は、証明書が復号されたか否かに応じて、真正性を判定する。制御手段334は、証明書を復号できた場合には位置情報が正しいと判定し、復号できない場合には位置情報が誤っていると判定する。制御手段334は、位置情報が正しいと判定した場合、該位置情報を測位位置とする。この場合、識別情報送信手段330は、当該無線端末120の識別情報322と共に位置情報324を通信装置100に送信する。
(位置情報管理システムの動作(その1))
図23は、位置情報管理システムの動作の一実施例(その1)を示す。
図23には、主に、証明書を発行する処理が示される。
ステップS2302において、通信装置100へ、事前に、位置情報が設定される。
ステップS2304において、通信装置100は、位置情報を送信する。例えば、通信装置100は、IMESメッセージとして、位置情報を送信する。
ステップS2306において、管理端末500は、通信装置100からの位置情報を受信する。
ステップS2308において、管理端末500は、管理サーバ160へ、管理装置140を介して、ステップS2306で受信した位置情報を送信する。位置情報に加えて、管理端末のMACアドレス、ISP情報、管理業者、建物名等のいずれかを含めた管理情報が送信されてもよい。
ステップS2310において、管理サーバ160は、認証局サーバへ、位置情報を問い合わせる処理を開始する。
ステップS2312において、管理サーバ160は、認証局サーバへ、位置情報を含む管理情報を送信する。管理情報には、位置情報が含まれ、さらに、管理サーバ160のMACアドレス、ISP情報、管理業者、設置されている建物名等のいずれかが含まれてもよい。また、無線端末120のMACアドレスが含まれてもよい。
ステップS2314において、認証局サーバは、位置情報が正しいと判定した場合、認証、登録処理を行う。
ステップS2316において、認証局サーバは、証明書、該証明書の復号キーを発行し、管理サーバ160へ送信する。
ステップS2318において、管理サーバ160は、DBへ問い合わせ、認証サーバからの証明書、該証明書の復号キー、位置情報を格納する。
ステップS2320において、管理サーバ160は、管理端末500へ、証明書を送信する。
ステップS2322において、管理端末500は、通信装置100へ、証明書を送信する。
ステップS2324において、通信装置100は、管理端末500からの証明書を登録する。
(位置情報管理システムの動作(その2))
図24は、位置情報管理システムの動作の一実施例(その2)を示す。
図24には、主に、無線端末120へ、復号キーを登録する処理が示される。
ステップS2402において、無線端末120は、管理サーバ160へ、自無線端末情報を送信する。自無線端末情報として、識別情報が送信されてもよい。
ステップS2404において、管理サーバ160は、無線端末120からの無線端末情報を受信した場合、DBに問い合わせ、復号キーを取得する。ここで、無線端末120からの無線端末情報に基づいて、ネットワーク180に属していると判断した場合、DBに問い合わせ、復号キーを取得するようにしてもよい。ネットワーク180に属していない場合には、復号キーを送信できないこと、ネットワーク180に登録すべきことを通知するようにしてもよい。
ステップS2406において、管理サーバ160は、無線端末120へ、復号キーを送信する。
ステップS2408において、無線端末120は、管理サーバ160からの復号キーを保存する。
(位置情報管理システムの動作(その3))
図25は、位置情報管理システムの動作の一実施例(その3)を示す。
図25には、主に、無線端末120へ復号キーが保存された後、無線端末120において、通信装置100から送信される位置情報の真正性を確認する処理が示される。
ステップS2502において、通信装置100から、位置情報が送信される。
ステップS2504において、通信装置100から、証明書が送信される。
ステップS2506において、無線端末120は、通信装置100からの位置情報、及び証明書を受信する。
ステップS2508において、無線端末120は、復号キーで、証明書を復号し、解読する。証明書を復号でき、解読できた場合には、位置情報が正しいと判定される。また、復号できない場合には、位置情報が誤っていると判定される。
(位置情報管理システムの動作(その4))
図26は、位置情報管理システムの動作の一実施例(その4)を示す。
図26には、主に、証明書を発行できない場合の処理が示される。
ステップS2602において、通信装置100へ、事前に、位置情報が設定される。
ステップS2604において、通信装置100は、位置情報を送信する。例えば、通信装置100は、IMESメッセージとして、位置情報を送信する。
ステップS2606において、管理端末500は、通信装置100からの位置情報を受信する。
ステップS2608において、管理端末500は、管理サーバ160へ、管理装置140を介して、ステップS2606で受信した位置情報を送信する。位置情報に加えて、無線端末のMACアドレス、ISP情報、管理業者、建物名等のいずれかを含めた管理情報が送信されてもよい。
ステップS2610において、管理サーバ160は、認証局サーバへ、位置情報を問い合わせる処理を開始する。
ステップS2612において、管理サーバ160は、認証局サーバへ、位置情報を含む管理情報を送信する。管理情報には、位置情報が含まれ、さらに、管理サーバ160のMACアドレス、ISP情報、管理業者、設置されている建物名等のいずれかが含まれてもよい。また、無線端末120のMACアドレスが含まれてもよい。
ステップS2614において、認証局サーバは、位置情報が誤っていると判定した場合、認証、登録処理は行わない。
ステップS2616において、認証局サーバは、却下通知を、管理サーバ160へ送信する。
ステップS2618において、管理サーバ160は、管理端末500へ、却下通知を送信する。
管理端末500は、管理サーバ160からの却下通知を受信する。管理端末500は、却下通知を受信したことにより、通信装置100へ、証明書を送信できない。従って、通信装置100により、証明書の登録は行われない。
図26において、ステップS2604において、通信装置100は、管理サーバ160へ、位置情報を送信するようにしてもよい。その後、ステップS2610以降の処理が実行される。
管理サーバ160が、認証サーバの機能を有するようにしてもよい。
本実施例によれば、通信装置100に、位置情報の真正性を確認するための証明書を格納できる。通信装置100は、位置情報とともに、証明書を送信する。無線端末120には、証明書の復号キーを予め格納する。無線端末120は、復号キーにより、位置情報とともに送信される証明書を復号でき、解読できた場合に、位置情報が正しいと判定する。このようにすることにより、通信装置100から送信される位置情報の真正性を確保できる。
仮に、位置情報の真正性を確保するために、通信装置100は、自通信装置100のID情報を元にネットワーク経由で管理サーバ160に問い合わせ、真正性が確保された位置情報を定期的に取得することが考えられる。そして、通信装置100は、常に最新の位置情報をIMESメッセージとして電波送信する。
しかし、この方法では、多数の通信装置100からの問い合わせが生じるおそれがあり、ネットワーク負荷の増大およびネットワーク障害発生時に位置情報が途絶えてしまうおそれがある。
本実施例によれば、通信装置100に、位置情報とともに、証明書が登録されているため、管理サーバに問い合わせる必要がない。このため、ネットワークへの負荷を低減でき、また、ネットワークに障害が発生した場合でも、位置情報の送信が途絶えることがない。
(第2の実施形態)
位置管理システムの一実施例の用途は、上述した実施形態に限られない。
図27は、一実施形態に係る位置管理システム全体の概略図である。
図27に示されているように、位置管理システム1は、屋内αの天井β側の複数の配信装置(3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h)と、屋内αの床側の複数の通信端末(5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h)と、位置情報管理システム9とによって構築されている。
また、各配信装置(3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h)は、それぞれが設置される位置(それぞれが設置された後は「設置された位置」を意味する)を示す位置情報(Xa,Xb,Xc,Xd,Xe,Xf,Xg,Xh)を記憶しており、屋内αの床に向けて各位置情報(Xa,Xb,Xc,Xd,Xe,Xf,Xg,Xh)を配信する。更に、各配信装置(3a,3b,3c,3d,3e,3f,3g,3h)は、それぞれを識別するための装置識別情報(Ba,Bb,Bc,Bd,Be,Bf,Bg,Bh)を記憶している。
なお、以下、複数の配信装置のうち任意の配信装置を「配信装置3」と示し、複数の通信端末のうち任意の通信端末を「通信端末5」と示す。「配信装置3」は、上述した通信装置100に対応する。また、複数の位置情報のうち任意の位置情報を「位置情報X」と示し、複数の装置識別情報のうち任意の装置識別情報を「装置識別情報B」と示す。装置識別情報Bとしては、MAC(Media Access Control)アドレスが挙げられる。
一方、各通信端末(5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g,5h)は、それぞれを識別するための端末識別情報(Aa,Ab,Ac,Ad,Ae,Af,Ag,Ah)を記憶している。なお、複数の端末識別情報のうち任意の端末識別情報を「端末識別情報A」と示す。端末識別情報Aとしては、MACアドレスが挙げられる。各通信端末5は、配信装置3から位置情報Xを受信すると、自己の端末識別情報Aと共に位置情報Xを配信装置3に対して送信する。通信端末5は、上述した無線端末120に対応する。
また、各配信装置3は、それぞれ屋内αの天井βに設置された電気機器(2a,2b,2c,2d,2e,2f,2g,2h)に内蔵されるか又はこれらの各外部に取り付けられている。なお、以下、複数の電気機器のうち任意の電気機器を「電気機器2」と示す。
各電気機器2は、各配信装置3に対して電力を供給する。このうち、電気機器2aは、蛍光灯型LED(Light Emitting Diode)照明器具である。電気機器2bは、換気扇である。電気機器2cは、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントである。電気機器2dは、スピーカである。電気機器2eは、非常灯である。電気機器2fは、火災報知機又は煙報知器である。電気機器2gは、監視カメラである。電気機器2hは、エアコンである。
なお、各電気機器2は、各配信装置3に電力を供給することができれば、図27に示されている物以外であってもよい。例えば、上記電気機器2の例以外に、LEDではない一般の蛍光灯又は白熱灯の照明器具、外部からの人の侵入を検知する防犯センサ等が挙げられる。
一方、各通信端末5は、それぞれ位置情報管理システム9によって位置を管理される管理対象物(4a,4b,4c,4d,4e)の外部に取り付けられている。
このうち、管理対象物4aは、鞄である。管理対象物4bは、テーブルである。管理対象物4cは、プロジェクタである。管理対象物4dは、テレビ会議端末である。管理対象物4eは、コピー機能を含んだMFP(Multi Function Product)である。管理対象物4fは、ほうきである。
また、管理対象物4gはパソコンであり、パソコン内に通信端末5の機能が搭載されているため、この場合は通信端末5gでもある。更に、管理対象物4hはスマートフォン等の携帯電話機であり、携帯電話機内に通信端末5の機能が搭載されているため、この場合は通信端末5hでもある。なお、以下、複数の管理対象物のうち任意の管理対象物を「管理対象物4」と示す。
また、各管理対象物4は、図27に示されている物以外であってもよい。例えば、管理対象物4の他の例として、ファクシミリ装置、スキャナ、プリンタ、コピー機、電子黒板、空気清浄機、シュレッダ、自動販売機、腕時計、カメラ、ゲーム機、車椅子、及び内視鏡等の医療機器が挙げられる。
次に、位置管理システム1を利用した位置情報の管理方法の一例の概略を説明する。本実施形態では、例えば、屋内αの天井βに設置されている配信装置3aは、無線通信により、この配信装置3aが設置された位置を示す位置情報Xaを配信する。これにより、通信端末5aが位置情報Xaを受信する。次に、通信端末5aは、無線通信により、配信装置3aに、通信端末5aを識別するための端末識別情報Aa及び位置情報Xaを送信する。この場合、通信端末5aは、配信装置3aから受け取った位置情報Xaを、配信装置3aに送り返すことになる。
これにより、配信装置3aは、端末識別情報Aa及び位置情報Xaを受信する。次に、配信装置3aは、無線通信により、ゲートウェイ7に端末識別情報Aa及び位置情報Xaを送信する。そして、ゲートウェイ7は、LAN8eを介して位置情報管理システム9へ端末識別情報Aa及び位置情報Xaを送信する。位置情報管理システム9では、端末識別情報Aa及び位置情報Xaを管理することで、位置情報管理システム9の管理者は、通信端末5a(管理対象物4a)の屋内αにおける位置を把握することができる。
また、通信端末5のうち特に通信端末(5g,5h)は、図27に示されているように、屋外γでは、GPS(Global Positioning System)衛星999から無線信号(時刻情報、軌道情報等)を受信して、地球上の位置を算出することができる。そして、通信端末(5g,5h)は、3G(3rd Generation)、4G(4th generation)等の移動通信システムを利用して、基地局8a、移動体通信網8b、ゲートウェイ8c、インターネット8d、及びLAN8eを介して、位置情報管理システム9へ、通信端末(5g,5h)をそれぞれ識別するための端末識別情報(Ag,Ah)及び位置情報(Xg,Xh)を送信することもできる。
なお、基地局8a、移動体通信網8b、ゲートウェイ8c、インターネット8d、LAN8e、及びゲートウェイ7によって、通信ネットワーク8が構築されている。また、地球上の緯度と経度が測位されるためには、少なくとも3つのGPS衛星が必要であるが(高度を含めると4つ必要)、簡単に説明するため、図27では1つのGPS衛星を示している。
LEDランプ1300は、主に、電源制御部1400、リード線(1510a,1510b)、端子ピン(1520a1,1520a2,1520b1,1520b2)、リード線1530、リード線1540、リード線1550、及び配信装置3aによって構成されている。このうち、電源制御部1400は、電源(図示なし)から出力される電流を制御し、主に、電流監視回路1410及び平滑回路1420によって構成されている。電流監視回路1410は、電源から出力される電流を入力して整流する。平滑回路1420は、電流監視回路1410によって整流された電流を平滑し、リード線(1510a,1510b)を介して各端子ピン(1520a1,1520a2,1520b1,1520b2)に電力を供給する。
また、電源制御部1400と端子ピン(1520a1,1520a2,1520b1,1520b2)は、リード線(1510a,1510b)によって電気的に接続されている。電源制御部1400と配信装置3aは、リード線1540によって電気的に接続されている。なお、LED1600は、紙面の面積の関係上、図28において1つだけ示しているが、実際には複数のLEDが取り付けられている。また、図28に示されている構成のうち、配信装置3a以外は、一般のLEDランプと同じ構成である。
次に、配信装置3aについて説明する。配信装置3aは、電圧変換器1000、リード線1550、制御部1100、位置情報配信部1200、無線通信部1300によって構成されている。そして、電圧変換器1000が、リード線1550を介して、制御部1100、位置情報配信部1200、及び無線通信部1300に電気的に接続されている。
このうち、電圧変換器1000は、電源制御部1400から供給された電力の電圧を、配信装置3aの駆動電圧に変換し、制御部1100、位置情報配信部1200、及び無線通信部1300へ供給する電子部品である。
また、制御部1100は、制御部1100全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)1010、基本入出力プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)1020、CPU1010のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)1030、位置情報配信部1200及び無線通信部1300とそれぞれ信号の送受信を行うI/F(1080a,1080b)、並びに、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン1090を備えている。
また、位置情報配信部1200は、位置情報配信部1200全体の動作を制御するCPU2010、基本入出力プログラム及び位置情報Xaを記憶したROM2020、位置情報Xaを配信する通信回路2040及びアンテナ2040a、制御部1100と信号の送受信を行うI/F2080、並びに、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン2090を備えている。
このうち、通信回路2040は、屋内GPSと呼ばれる屋内測位技術の1つであるIMESを利用し、アンテナ2040aによって位置情報Xaを配信する。なお、図1には、位置情報Xの到達可能な範囲(配信可能な範囲)が仮想的に破線によって表されている。本実施形態のIMESでは、屋内αの天井高が約3mの場合に、屋内αの床に表された位置情報Xの到達可能な仮想円の半径が約5mとなるように、送信出力が設定される。但し、この送信出力の設定を変更すれば、5mよりも小さくすることも可能であり、大きくすることも可能である。
また、位置情報Xaは、蛍光灯型LED照明器具である電気機器2aが設置された位置を示し、図11に示したように、階数、緯度、経度、棟番号の項目を含む。なお、図11は、配信装置が配信する位置情報の概念図である。
このうち、階数は、電気機器2aが設置される建物の階数を表す。緯度及び経度は、電気機器2aが設置された位置の緯度及び経度を表す。棟番号は、電気機器2aが設置された建物の棟番号を表す。図11に示した例では、電気機器2aは、ある建物のC棟の16階で、緯度が北緯35.459555度、経度が東経139.387110度の地点に設置されていることが示されている。なお、緯度は南緯により、経度は西経により表されてもよい。
また、図28に戻って、無線通信部1300は、無線通信部1300全体の動作を制御するCPU3010、基本入出力プログラム及び装置識別情報Baを記憶したROM3020、CPU301のワークエリアとして使用されるRAM3030、位置情報Xaや端末識別情報Aaを受信してゲートウェイ7に送信する通信回路3040及びアンテナ3040a、制御部1100と信号の送受信を行うI/F3080、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン3090を備えている。
また、無線通信部1300は、920MHz帯を利用してデータの送受信を行う。920MHz帯は、電波到達性が高いため、配信装置3aとゲートウェイ7との間に建物の柱や壁が存在している場合であっても、配信装置3aからゲートウェイ7にデータを送信することができるという効果を奏する。
更に、通信回路3040は、IEEE802.15.4規格のアーキテクチャモデルのうち少なくとも物理層(レイヤ)の規格を利用し、アンテナ3040aによってデータの送受信を行う。また、この場合には、配信装置3(無線通信部13)を識別するための装置識別情報Bとして、MACアドレスを用いることができる。
なお、IEEE802.15.4規格のアーキテクチャモデルのうち物理層とMAC層を採用したZigBee(登録商標)を利用してもよい。この場合、日本、米国、欧州等の利用領域に応じて、配信装置3は、800MHz帯、900MHz帯、又は2.4GHz帯を利用し、隣接する他の配信装置3を経由して、ゲートウェイ7にデータを送信することができる。このように他の配信装置3を経由してデータを送信するマルチホップ通信を利用すれば、各配信装置3の無線通信部1300は、ルーティング処理に時間が掛かるが、最寄りの配信装置3にデータが到達する程度の電力で通信すればよいため、省電力で駆動することができるというメリットがある。
また、位置情報Xaは、配信装置3aの工場出荷前にメーカーによって記憶部29に記憶されてもよいし、配信装置3aの工場出荷後で天井βに電気機器2aが設置される際に設置者によって記憶されてもよい。更に、位置情報Xaは、位置情報管理システム9等の外部の装置から、ゲートウェイ7を介して無線通信により、無線通信部13の通信回路3040が受信し、制御部1100を介して位置情報配信部1200のROM2020に記憶されるようにしてもよい。
次に、図29を用い、通信端末5のハードウェア構成について説明する。なお、図29は、通信端末のハードウェア構成図である。通信端末5は、上述した無線端末120に対応する。
図29に示されているように、通信端末5は、制御部1400及び無線通信部1500によって構成されている。
このうち、制御部1400は、制御部1400全体の動作を制御するCPU4010、基本入出力プログラムを記憶したROM4020、CPU4010のワークエリアとして使用されるRAM4030、位置情報Xを受信する通信回路4040及びアンテナ4040a、加速度を検出する加速度センサ4050、無線通信部1500と信号の送受信を行うI/F4080、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン4090を備えている。また、制御部1400は、ボタン電池4060も設けられており、このボタン電池4060によって駆動される。なお、本実施形態では、ボタン電池4060を使う場合について説明するが、ボタン型に限らず、単3、単4等の乾電池や、通信端末5に専用の電池であってもよい。
通信回路4040は、アンテナ4040aによって、IMESを利用して配信された位置情報Xを受信する。また、制御部1400は、コネクタ4090aを介して無線通信部1500に、ボタン電池4060の電力を供給する。更に、制御部1400は、I/F4080からコネクタ4090bを介して無線通信部1500とデータ(信号)の送受信を行う。
また、加速度センサ4050は、通信端末5の加速度の変化を検出する。加速度の変化は、例えば、通信端末5が移動を開始した時、通信端末5が移動を停止した時、又は通信端末5が傾いた時等に検出される。CPU4010の処理が停止中の場合、加速度センサ4050が加速度の変化を検出すると、CPU4010へ処理を始動させるための信号を送信する。これにより、CPU4010は、自己の処理を始動させると共に、通信回路4040に対して処理を始動させるための信号を送信する。よって、位置情報Xが配信装置3から配信されている場合、通信端末5の通信回路4040は、アンテナ4040aを介して位置情報Xの受信を開始することができる。
一方、無線通信部1500は、上記無線通信部1300と基本的に同じ構成を有し、無線通信部1300と同じ帯域を利用して、配信装置3の無線通信部1300とデータの送受信を行うことができる。そして、無線通信部1500は、図29に示されているように、無線通信部1500全体の動作を制御するCPU5010、基本入出力プログラム及び端末識別情報Aを記憶したROM5020、CPU5010のワークエリアとして使用されるRAM5030、位置情報Xや端末識別情報Aを送信する通信回路5040及びアンテナ5040a、制御部1400と信号の送受信を行うI/F5080、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン5090を備えている。なお、なお、無線通信部1500は、例えばZigBeeによる通信を行う。但し、無線通信部1500が用いる通信方式は、ZigBeeに限らず、Bluetooth等の近距離無線通信であってもよい。
また、通信回路5040は、CPU5010からの命令により、コネクタ4090bを介して、制御部1400のRAM4030に記憶されている位置情報Xを取得する。更に、通信回路5040は、ROM5020に記憶されている端末識別情報Aを読み出し、上記取得された位置情報Xと共に、アンテナ5040aを介して配信装置3へ送信する。
また、通信回路5040によって送信される位置情報Xのデータは、図13に示したようなフォーマットによって構成されている。なお、図13は、位置情報のデータのフォーマットの概念図である。図13の例では、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。実際には、このフォーマットに加えて、通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加され、図30に示されているように、送信先、送信元、及びデータ内容(位置情報X等)が含まれている。なお、図30は、位置情報を含んだデータのデータ構造を示す概念図である。
次に、図31を用い、管理対象物4h(通信端末5h)である携帯電話機のハードウェア構成について説明する。なお、図31は、管理対象物が携帯電話機の場合のハードウェア構成図である。
図31に示されているように、管理対象物4h(通信端末5h)は、通信端末5h全体の動作を制御するCPU6010、基本入出力プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)6020、CPU6010のワークエリアとして使用されるRAM6030、CPU6010の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行うEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)6040、CPU6010の制御に従って被写体を撮像し画像データを得るCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ6050、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパスや加速度センサ等の各種加速度・方位センサ6060、フラッシュメモリ等の記録メディア6070に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ6080を備えている。そして、メディアドライブ6080の制御に従って、既に記録されていたデータが読み出され、又は新たにデータが書き込まれて記憶する記録メディア6070が着脱自在な構成となっている。
なお、EEPROM6040には、CPU6010が実行するオペレーティングシステム(OS)、その他のプログラム、及び、種々データが記憶されている。また、CMOSセンサ6050は、光を電荷に変換して被写体の画像を電子化する電荷結合素子であり、被写体を撮像することができれば、CMOSセンサに限らず、CCD(Charge Coupled Device)センサであってもよい。
更に、管理対象物4h(通信端末5h)は、音声を音声信号に変換する音声入力部6110、音声信号を音声に変換する音声出力部6120、アンテナ6130a、このアンテナ6130aを利用して無線通信信号により、最寄りの基地局8aと通信を行う通信部6130、GPS衛星999からGPS信号を受信するGPS受信部6140、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイ6150、このディスプレイ6150上に載せられ、感圧式又は静電式のパネルによって構成され、指やタッチペン等によるタッチによってディスプレイ6150上におけるタッチ位置を検出するタッチパネル6160、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン6100を備えている。また、管理対象物4h(通信端末5h)は、専用の電池617も設けられており、この電池6170によって駆動される。なお、音声入力部6110は、音声を入力するマイクが含まれ、音声出力部6120には、音声を出力するスピーカが含まれている。
また、この管理対象物4h(通信端末5h)のGPS受信部6140は、一般の携帯電話機が有するGPS受信部と同じである。但し、ROM6020に記憶されたプログラムにおけるファームウェアは微調整されており、屋内αの配信装置3及び屋外γのGPS衛星からシームレスにデータ受信を行うことができる。なお、加速度・方位センサ6060は、図29における加速度センサ6050の処理を含む働きをする。
なお、管理対象物4g(通信端末5g)であるパソコンのハードウェア構成に関しては、基本的に後述の図33に示されている位置情報管理システム9と同じであるため、その説明を省略する。但し、管理対象物4g(通信端末5g)であるパソコンの場合は、図33に示されているUSB(Universal Serial Bus)コネクタ等の外部機器I/F9160に、GPSアンテナを接続する。パソコンによっては、GPSアンテナが搭載されているものがあり、この場合には、外部機器I/F9160にGPSアンテナを接続する必要はない。
次に、図32を用い、ゲートウェイ7のハードウェア構成について説明する。なお、図32は、ゲートウェイのハードウェア構成図である。ゲートウェイ装置7は、上述した管理装置140に対応する。
図32に示されているように、ゲートウェイ7は、無線通信部1700及び有線通信部1800によって構成されている。
このうち、無線通信部1700は、上記無線通信部1300と基本的に同じ構成を有し、無線通信部1300と同じ帯域を利用して、配信装置3の無線通信部1300とデータの送受信を行うことができる。無線通信部1700は、図32に示されているように、無線通信部1700全体の動作を制御するCPU7010、基本入出力プログラム及び装置識別情報Cを記憶したROM7020、CPU7010のワークエリアとして使用されるRAM7030、位置情報X等を送信する通信回路7040及びアンテナ7040a、有線通信部1800と信号の送受信を行うI/F7080、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン7090を備えている。また、無線通信部1700は、I/F7080からコネクタ7090aを介して有線通信部1800と信号の送受信を行う。
なお、無線通信部1700においても、ZigBeeを利用してもよい。また、装置識別情報Cは、ゲートウェイ7(無線通信部17)を識別するための固有の情報である。装置識別情報Cとしては、例えば、MACアドレスが挙げられる。
一方、有線通信部1800は、図32に示されているように、有線通信部1800全体の動作を制御するCPU8010、基本入出力プログラム及び装置識別情報Dを記憶したROM8020、CPU8010のワークエリアとして使用されるRAM8030、イーサネットコントローラ8050、無線通信部1700と信号の送受信を行うI/F8080a、ケーブル8090を介しLAN8eに対しデータ(信号)の送受信を行うI/F8080b、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン8090を備えている。
ここで、CPU8010及びイーサネットコントローラ8050は、IEEE802.15.4に準拠した通信方式(通信プロトコル)を、IEEE802.3に準拠した通信方式(通信プロトコル)に変換して、配信装置3から送られて来た各種データ(情報)を、イーサネット(登録商標)のパケット通信ができるように制御する。
更に、装置識別情報Dは、ゲートウェイ7(有線通信部1800)を識別するための固有の情報である。装置識別情報Dとしては、例えば、IP(Internet Protocol Address)アドレスが挙げられる。なお、ROM8020には、MACアドレスも記憶されているが、位置情報管理システム9との通信を簡単に説明するため、その説明を省略する。
次に、図33を用い、位置情報管理システム9のハードウェア構成について説明する。なお、図33は、位置情報管理システムのハードウェア構成図である。
位置情報管理システム9は、コンピュータによって構成されている。そして、位置情報管理システム9は、位置情報管理システム9全体の動作を制御するCPU9010、IPL(Initial Program Loader)等のCPU9010の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM9020、CPU9010のワークエリアとして使用されるRAM9030、位置情報管理システム9用のプログラム等の各種データやシステム識別情報Eを記憶するHD9040、CPU9010の制御にしたがってHD9040に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)9050、フラッシュメモリ等の記録メディア9060に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ9070、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ9080、通信ネットワーク8を利用してデータ通信するためのネットワークI/F9090、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード9110、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス9120、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)9130に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ9140、無線通信を行う通信回路9150及びアンテナ9150a、外部機器を接続するための外部機器I/F9160、並びに、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン9100を備えている。
更に、システム識別情報Eは、位置情報管理システム9を識別するための固有の情報である。システム識別情報Eとしては、IPアドレスが挙げられる。なお、ROM9020には、MACアドレスも記憶されているが、ゲートウェイ7との通信を簡単に説明するため、その説明を省略する。
また、HD9040には、図34に示されているような管理情報F、及び図17に示されているような特定のフロア等のレイアウト情報Gが管理される。なお、図34は、位置情報管理システムが管理する管理情報の概念図である。
図34に示されているように、管理情報Fは、端末識別情報A、機器名、所有者名(管理者名)、位置情報X、及び受信日時の各種情報が関連付けられた情報である。
このうち、端末識別情報Aは、上述の如く通信端末5を識別するための情報である。機器名は、管理対象物4の名称又は通信端末5の名称である。所有者名(管理者名)は、通信端末5の所有者又は管理者の名称である。位置情報Xは、図11に示された情報である。受信日時は、位置情報管理システム9がゲートウェイ7から位置情報X等を受信した受信日時である。
また、端末識別情報A、機器名、及び所有者名(管理者名)は、予め位置情報管理システム9で関連付けて管理されている。位置情報管理システム9は、ゲートウェイ7から位置情報X及び端末識別情報Aを受信することによって、管理情報Fにおける同じ端末識別情報Aを含むレコード部分に、位置情報X及び受信日時を追加する。
更に、位置情報管理システム9は、既に位置情報X及び受信日時を管理している状態で、新たにゲートウェイ7から位置情報X及び端末識別情報Aを受信した場合には、既に管理している位置情報X及び受信日時に対して上書きを行う。
なお、位置情報管理システム9は、位置情報X及び受信日時の上書きを行わずに、新たなレコードを作成して追加書き込みを行ってもよい。
続いて、図35乃至図37を用いて、本実施形態の位置管理システム1の機能構成について説明する。なお、図35乃至図37を用いて機能構成を説明するに際し、図28、図29、図31、図32、及び図33に示されているハードウェア構成との関係についても簡単に説明する。
図35は、配信装置及び通信端末の機能ブロック図である。図35に示されているように、配信装置3は、機能又は手段として、変換部10、配信制御部2000、無線通信制御部3000を有している。このうち、変換部10は、図28に示されている電圧変換器1000が動作することによって実現される機能又は手段である。
また、配信制御部2000は、図28に示されている制御部1100及び位置情報配信部1200が動作することによって実現される機能又は手段である。更に、無線通信制御部3000は、図28に示されている制御部1100及び無線通信部1300が動作することによって実現される機能又は手段である。
配信制御部2000は、図28に示されているROM2020によって構築される記憶部2900を有している。この記憶部2900には、上述の位置情報Xが記憶されている。更に、配信制御部2000は、配信部2100、通信部2700、及び記憶・読出部2800を有している。
このうち、配信部2100は、主に、図28に示されているCPU2010及び通信回路2040の処理によって実現され、配信可能な範囲内に位置情報Xを配信する。
通信部2700は、主に、図28に示されているCPU(1010,2010)の処理、並びに、I/F(1080a,2080)及びバス(1090,2090)によって実現され、無線通信制御部3000とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部2800は、CPU(1010,2010)の処理によって実現され、記憶部2900に各種データを記憶し、記憶部2900から各種データを読み出す。記憶・読出部2800は、例えば、位置情報Xのデータの記憶や読み出しを行う。
また、無線通信制御部3000は、図28に示されているRAM3030によって構築される記憶部3900を有している。この記憶部3900には、上述の装置識別情報Bが記憶されている。
送受信部3100は、主に、図28に示されているCPU3010及び通信回路3040の処理によって実現され、無線通信によって、通信端末5又はゲートウェイ7と各種データの送受信を行う。
通信部3700は、主にCPU(1010,3010)の処理、並びにI/F(1080B,3080)及びバス(1090,3090)によって実現され、配信制御部2000とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部3800は、記憶部3900に各種データを記憶し、記憶部3900から各種データを読み出す。
次に、通信端末5の機能構成を説明する。
通信端末5は、機能又は手段として、受信制御部4000及び無線通信制御部5000を有している。
受信制御部4000は、図29に示されているRAM4030によって構築される記憶部4900を有している。この記憶部4900には、配信装置3から配信された位置情報Xを記憶することができる。更に、受信制御部4000は、受信部4100、検知部4200、判断部4300、測定部4400、通信部4700、及び記憶・読出部4800を有している。
このうち、受信部4100は、主に、図29に示されているCPU4010及び通信回路4040の処理によって実現され、配信装置3から配信された位置情報Xを受信する。また、受信部4100は、位置情報Xを受信可能な状態になったり受信不可能な状態になったりする。
検知部4200は、主に、図29に示されているCPU4010及び加速度センサ4050の処理によって実現され、通信端末5の移動(傾きを含む)を検知し、受信部4100に処理を開始させる。なお、検知部4200は、加速度センサ4050に代えて、慣性力や磁気を用いたモーションセンサによって実現してもよい。
判断部4300は、主に、図29に示されているCPU4010の処理によって実現され、受信部4100によって、少なくとも一つの位置情報Xを受信したかを判断する。更に、判断部4300は、受信部4100によって、複数の配信装置3からそれぞれの位置情報Xを受信したかを判断する。なお、この場合、同じ配信装置3から配信された位置情報Xは、後述の所定時間内に何度受信しても1つとして扱う。
測定部4400は、主に、図29に示されているCPU4010の処理によって実現され、判断部4300によって、複数の配信装置3から、それぞれの位置情報Xを受信したと判断された場合には、それぞれの位置情報Xに係る信号強度を測定する。
通信部4700は、主に、図29に示されているCPU4010の処理、並びにI/F4080及びバス4090によって実現され、無線通信制御部5000とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部4800は、CPU4010の処理によって実現され、記憶部4900に各種データを記憶し、記憶部4900から各種データを読み出す。記憶・抽出部4800は、例えば、位置情報Xのデータの記憶や読み出しを行う。
また、無線通信制御部5000は、図28に示されているRAM5030によって構築される記憶部5900を有している。この記憶部5900には、上述の端末識別情報Aが記憶されている。更に、無線通信制御部5000は、送受信部5100、判断部5300、測定部5400、通信部5700、及び記憶・読出部5800を有している。
送受信部5100は、主に、図29に示されているCPU5010及び通信回路5040の処理によって実現され、無線通信により、配信装置3と各種データの送受信を行う。
判断部5300は、主に、図29に示されているCPU5010の処理によって実現され、受信部5100によって、少なくとも一つの装置識別情報Bを受信したかを判断する。更に、判断部5300は、受信部5100によって、複数の配信装置3からそれぞれの装置識別情報Bを受信したかを判断する。なお、この場合、同じ配信装置3から送信された装置識別情報Bは、後述の所定時間内に何度受信しても1つとして扱う。
測定部5400は、主に、図29に示されているCPU5010の処理によって実現され、判断部5300によって、複数の配信装置3から、それぞれの装置識別情報Bを受信したと判断された場合には、それぞれの装置識別情報Bに係る信号強度を測定する。
通信部5700は、主に、図29に示されているCPU5010の処理、並びにI/F5080及びバス5090によって実現され、受信制御部4000とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部5800は、主に、図29に示されているCPU5010の処理によって実現され、記憶部5900に各種データを記憶し、記憶部5900から各種データを読み出す。記憶・抽出部5800は、例えば、装置識別情報(A,B)のデータの記憶や読み出しを行う。
次に、図36を用いて、管理対象物(4g,4h)の場合の機能構成について説明する。なお、図26は、管理対象物が携帯電話機又はパソコンの場合の機能ブロック図である。
図36に示されているように、管理対象物(4g,4h)は、図31に示されているEEPROM6040、又は図33に示されているRAM9030及びHD(Hard Disk)9040によって構築される記憶部6900を有している。更に、管理対象物(4g,4h)は、受信部6100、検知部6200、判断部6300、測定部6400、送受信部6500、判断部6600、測定部6700、及び記憶・読出部6800を有している。
このうち、受信部6100は、主に、図31に示されているCPU6010及びGPS受信部6140の処理、又は図33に示されているCPU9010及び外部機器I/F9160に接続されるGPSアンテナの処理によって実現され、受信部4100と同様の機能を有する。
検知部6200は、主に、図31に示されているCPU6010及び加速度・方位センサ6060の処理、又は図33に示されているCPU9010及び外部機器1/F9160に接続される加速度センサの処理によって実現され、検知部4200と同様の機能を有する。
判断部6300は、主に、図31に示されているCPU6010の処理、又は図33に示されているCPU9010によって実現され、判断部4300と同様の機能を有する。
測定部6400は、主に、図31に示されているCPU6010の処理、又は図33に示されているCPU9010の処理によって実現され、測定部4400と同様の機能を有する。
送受信部6500は、主に、図31に示されているCPU6010及び通信部6130の処理、又は図33に示されているCPU9010及び通信回路9150の処理によって実現され、送受信部5100と同様の機能を有する。
判断部6600は、主に、図31に示されているCPU6010の処理、又は図33に示されているCPU9010の処理によって実現され、判断部5300と同様の機能を有する。
測定部6700は、主に、図31に示されているCPU6010の処理、又は図33に示されているCPU9010の処理によって実現され、測定部5400と同様の機能を有する。
記憶・読出部6800は、主に、図31に示されているCPU6010の処理、又は図33に示されているCPU9010の処理によって実現され、記憶・読出部4800又は記憶・読出部5800と同様の機能を有する。
次に、図37を用いて、ゲートウェイ7の機能構成を説明する。なお、図37は、ゲートウェイ及び位置情報管理システムの機能ブロック図である。
ゲートウェイ7は、機能又は手段として、無線通信制御部7000及び有線通信制御部8000を有している。
無線通信制御部7000は、図32に示されている無線通信部1700の処理によって実現され、基本的に配信装置3の無線通信制御部3000と同様の機能を有している。
具体的には、無線通信制御部7000は、図32に示されているRAM7030によって構築される記憶部7900を有している。この記憶部7900には、上述の装置識別情報Cが記憶されている。また、無線通信制御部7000は、送受信部7100、通信部7700、及び記憶・読出部7800を有している。
このうち、送受信部7100は、主に、図32に示されているCPU7010及び通信回路7040の処理によって実現され、無線通信によって、配信装置3と各種データの送受信を行う。
通信部7700は、主にCPU7010の処理、並びに、I/F7080及びバス7090によって実現され、有線通信制御部8000とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部7800は、主にCPU8010の処理によって実現され、記憶部7900に各種データを記憶し、記憶部7900から各種データを読み出す。
また、有線通信制御部8000は、図32に示されている有線通信部1800の処理によって実現される。この有線通信制御部8000は、図32に示されているRAM8030によって構築される記憶部8900を有している。この記憶部8900には、上述の装置識別情報Dが記憶されている。更に、有線通信制御部8000は、送受信部8100、変換部8200、通信部8700、及び記憶・読出部8800を有している。
このうち、送受信部8100は、主に図32に示されているCPU8010の処理及びI/F8080bによって実現され、有線通信によって、位置情報管理システム9と各種データの送受信を行う。
変換部8200は、主に図32に示されているCPU8010及びイーサネットコントローラ8050の処理によって実現され、上述のように、通信方式を変換することで、配信装置3から送られて来た各種データ(情報)を、イーサネットのパケット通信ができるように制御する。
通信部870は、主にCPU8010の処理、並びに、I/F8080a及びバス8090によって実現され、無線通信制御部7000とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部9800は、主にCPU8010の処理によって実現され、記憶部8900に各種データを記憶し、記憶部8900から各種データを読み出す。
次に、図37を用いて、位置情報管理システム9の機能構成を説明する。
位置情報管理システム9は、図33に示されているRAM9030及びHD9040によって構築される記憶部9900を有している。この記憶部9900には、上述のシステム識別情報E、管理情報F、及びレイアウト情報Gが記憶されている。また、位置情報管理システム9は、送受信部9100、操作入力受付部9200、検索部9300、表示制御部9400、及び記憶・読出部9800を有している。
このうち、送受信部9100は、主に、図33に示されているCPU9010の処理、並びにネットワークI/F9090又は通信回路9150によって実現され、有線通信又は無線通信によって、ゲートウェイ7と各種データの送受信を行う。更に、送受信部9100は、屋外γの通信端末5hから通信ネットワーク8を介して、各種データの送受信を行う。
操作入力受付部9200は、主にCPU9010の処理、並びにキーボード9110及びマウス9120によって実現され、管理者から各種の選択又は入力を受け付ける。
検索部9300は、主にCPU9010の処理によって実現され、操作入力受付部9200によって受け付けられた検索条件に基づいて、記憶・読出部9800を介して記憶部9900の管理情報Fを検索し、検索結果を出力する。
表示制御部9400は、主にCPU9010の処理によって実現され、ディスプレイ9080に各種画像や文字等を表示させるための制御を行う。
記憶・読出部9800は、主にCPU9010の処理によって実現され、記憶部9900に各種データを記憶し、記憶部9900から各種データを読み出す。
続いて、図38を用い、本実施形態の動作について説明する。
図38を用い、屋内αの天井βにおける通信ネットワークを構築する処理を説明する。なお。図38は、天井の通信ネットワークを構築する処理を示したシーケンス図である。
まず、ユーザが屋内αの各電器機器2の電源をオンにすると、各配信装置3の無線通信制御部3000における記憶・読出部3800(図35参照)は、各記憶部3900から各装置識別情報Bを読み出す(ステップS3802)。そして、各送受信部3100は、ゲートウェイ7に対して、自己の装置識別情報Bを含めた参加要求を行う(ステップS3804)。これにより、ゲートウェイ7の無線通信制御部7000における送受信部7100が、参加要求を受信する。
次に、無線通信制御部7000の記憶・読出部7800は、記憶部7900から装置識別情報Cを読み出す(ステップS3806)。そして、送受信部7100は、配信装置3に対して、装置識別情報(B,C)を含めた参加応答を行う(ステップS3808)。これにより、配信装置3の無線通信制御部3000における送受信部3100は、参加応答を受信する。この場合、参加応答には、上記ステップS3804によって送信された装置識別情報Bが含まれているため、無線通信制御部3000は、上記ステップS3804に関連した処理として、上記ステップS3808における受信の処理を行う。そして、記憶・読出部3800は、記憶部3900に装置識別情報Cを記憶する(ステップS3810)。このように、配信装置3側で、ゲートウェイ7の装置識別情報Cを記憶することで、配信装置3とゲートウェイ7との間の通信ネットワークが構築される。
続いて、図39を用いて、図37に示す屋内αの天井βの配信装置3から床方向に、位置情報を配信する処理を説明する。なお、図39は、位置情報を配信する処理を示したシーケンス図である。図39では、簡単に説明するために、2つの配信装置(3a、3b)によって構築された配信システム6を用いた場合について説明する。ここでは、配信装置3aは位置情報Xaを配信し、配信装置3bは位置情報Xbを配信する。また、図39では、配信装置(3a,3b)がそれぞれ位置情報(Xa,Xb)を配信可能な範囲内に、通信端末5が存在している場合を示している。
まず、配信装置3aの配信制御部20における記憶・読出部2800は、記憶部2900から自己の位置情報Xaを読み出す(ステップS3902)。そして、配信装置3aの配信制御部2000における配信部2100は、配信可能な範囲内に位置情報Xaを配信する(ステップS3904)。また同じく、配信装置3bの配信制御部2000における記憶・読出部2800は、記憶部2900から自己の位置情報Xbを読み出す(ステップS3906)。そして、配信装置3bの配信制御部2000における配信部2100は、配信可能な範囲内に位置情報Xbを配信する(ステップS3908)。なお、位置情報(Xa,Xb)が配信されたとしても、通信端末5では受信部4100が始動していなければ、位置情報(Xa,Xb)を受信することができない。
続いて、図40を用いて、通信端末5が利用する位置情報Xを決定すると共に、位置情報Xの送信先となる配信装置3を決定する処理を説明する。なお、図40は、通信端末が利用する位置情報を決定すると共に、位置情報の送信先となる配信装置を決定する処理を示したシーケンス図である。図40では、通信端末5は、配信装置3aから位置情報Xaを受信するが、この位置情報Xaを、送信元の配信装置3aではなく配信装置3bに送信する場合を示している。
まず、図40に示されているように、通信端末5の受信制御部4000における記憶・読出部4800は、配信装置3aから配信された位置情報Xa、及び配信装置3bから配信された位置情報Xbのうち、通信端末5で受信した際の信号強度が最も高いものを記憶部4900に記憶する(ステップS4002)。これにより、この記憶された位置情報Xで示される位置が通信端末5の位置として、後ほど位置情報管理システム9で管理されることになる。
ここで、上記ステップS4002に関し、図41を用いて、更に詳細に説明する。なお、図41は、通信端末が位置情報を受信してから記憶するまでの処理を示したフローチャートである。
まず、通信端末5の受信制御部4000における検知部4200は、通信端末5の移動の開始を検知し続ける(ステップS4102,S4104のNO)。そして、検知部4200が通信端末5の移動の開始を検知した場合には(ステップS4104のYES)、更に、検知部4200は通信端末5の移動の停止を検知し続ける(ステップS4106,S4108のNO)。より具体的には、図29に示されているCPU4010の処理が停止中の場合、加速度センサ4050は、加速度の変化を検出することに基づき、CPU4010に対して、通信端末5が移動を開始した旨(CPU4010の処理を始動させる旨)の信号を送信する。これにより、CPU4010は、自己の処理を始動させる。そして、CPU4010は、加速度センサ4050から、通信端末5の移動が停止した旨の信号を受信するまで、自己の処理を始動させたままの状態を維持する。なお、この場合の通信端末5の移動には、通信端末5が傾いた場合も含まれる。
次に、上記ステップS4108において、検知部4200が通信端末5の移動の停止を検知した場合には(ステップS4108のYES)、更に、受信部4100は、配信装置3から配信されている位置情報Xを受信可能な状態になる(ステップS4110)。より具体的には、図29に示されているCPU4010が、加速度センサ4050から通信端末5の移動が停止した旨の信号を受信すると、CPU4010は、通信回路4040へ通信回路4040の処理を始動させるための信号を送信する。これにより、通信回路4040は、自己の処理を始動させる。ここで、位置情報(Xa,Xb)が各配信装置(3a,3b)からそれぞれ配信されている場合、通信端末5の制御部1400における通信回路4040は、アンテナ4040aを介して位置情報(Xa,Xb)の受信を開始することができる。
次に、判断部4300は、受信部4100が位置情報Xを受信可能な状態になってから所定時間内(例えば、5秒以内)に、少なくとも1つの位置情報Xを受信したかを判断する(ステップS4112)。ここでは、所定時間内に、2つの位置情報(Xa,Xb)が受信されている場合について更に説明する。
また、上記ステップS4112において、判断部4300が、少なくとも1つの位置情報Xが受信されたと判断した場合には(YES)、更に、判断部4300は、複数の位置情報Xを受信したかを判断する(ステップS4114)。
次に、ステップS4114において、複数の位置情報Xが受信されたと判断された場合には(YES)、測定部4400は、受信部4100で受信された際の各位置情報Xに係る信号強度を測定する(ステップS4116)。ここでは、測定の結果、位置情報Xaの信号強度が、位置情報Xbの信号強度よりも高い場合について更に説明する。
次に、記憶・読出部4800は、記憶部4900に、上記ステップS4116の測定によって最も信号強度が高い位置情報Xを記憶する(ステップS4118)。ここでは、位置情報Xaが記憶されることになる。
一方、上記ステップS4112において、判断部4300が、所定時間内に少なくとも一つの位置情報Xが受信されなかったと判断した場合には(NO)、記憶・読出部48は、記憶部4900に、受信を失敗した旨を示す失敗情報を記憶する(ステップS4120)。
また、上記ステップS4114において、判断部4300が、所定時間内に複数の位置情報Xが受信されなかったと判断した場合には(NO)、記憶・読出部4800は、唯一受信された位置情報Xを記憶する(ステップS4122)。
そして、上記ステップS4118,4120,4122の処理後、受信部4100は、処理を停止することで、位置情報Xを受信不可能な状態になる(ステップS4124)。より具体的には、図29に示されているCPU4010は、通信回路4040へ、通信回路4040の処理を停止させるための信号を送信する。このように、通信端末5が移動した後、停止した場合のみ、位置情報Xが受信される処理が行われるため、たとえ、ボタン電池4060のような容量が小さい電池を用いた場合であっても、電池交換の頻度を極力少なくすることができ、省電力(省エネ)化に寄与することができるという効果を奏する。
なお、上記では、通信端末5の移動の開始後(ステップS4104のYES)、通信端末5の移動の停止(ステップS4108のYES)によって、受信部4100は位置情報Xを受信可能な状態になる(ステップS4110)。即ち、移動の開始及び移動の停止の両方が行われることが、受信部4100が位置情報Xの受信可能な状態となるトリガである。しかし、これに限るものではなく、例えば、通信端末5の移動の開始(ステップS4104のYES)によって、受信部4100が位置情報Xを受信可能な状態になってもよい。即ち、上記ステップS4106,4108を省略し、移動の開始が行われることが、受信部4100が位置情報Xの受信可能な状態となるトリガとしてもよい。また、例えば、上記ステップS4102,4104を省略し、移動の停止が行われることが、受信部4100が位置情報Xの受信可能な状態となるトリガとしてもよい。
続いて、図40に戻り、受信制御部4000の通信部4700は、無線通信制御部5000に対して、動作を開始する命令を行う(ステップS4004)。これにより、無線通信制御部5000の通信部5700は、動作を開始する命令を受け付けることで、以下に示す処理を開始する。
まず、通信端末5の無線通信制御部5000における記憶・読出部5800は、記憶部5900から自己の端末識別情報Aを読み出す(ステップS4006)。そして、送受信部5100は、配信装置(3a,3b)に、端末識別情報Aを含んだ参加要求を行う(ステップS4008)。これによって、配信装置(3a,3b)は、それぞれ通信端末5から参加要求を受け付ける。
次に、配信装置3aの無線通信制御部3000における記憶・読出部3800は、記憶部3900から自己の装置識別情報Baを読み出す(ステップS4010)。そして、配信装置3aの送受信部3100は、通信端末5に対して、端末識別情報A及び装置識別情報Baを含めた参加応答を行う(ステップS4014)。これにより、通信端末5の無線通信制御部5000における送受信部5100は、参加応答を受信する。この場合、参加応答には、上記ステップS4008によって送信された端末識別情報Aが含まれているため、通信端末5は、上記ステップS4008に関連した処理として、上記ステップS4014における受信の処理を行う。そして、通信装置5の無線通信制御部5000における記憶・読出部5800は、記憶部5900に装置識別情報Baを記憶する(ステップS4016)。
一方、配信装置3b側でも同じように、配信装置3bの無線通信制御部3000における記憶・読出部3800は、記憶部3900から自己の装置識別情報Bbを読み出す(ステップS4012)。また、配信装置3bの送受信部3100は、通信端末5に対して、端末識別情報A及び装置識別情報Bbを含めた参加応答を行う(ステップS4018)。これにより、通信端末5の無線通信制御部5000における送受信部5100は、参加応答を受信する。そして、通信装置5の無線通信制御部5000における記憶・読出部5800は、記憶部5900に装置識別情報Bbを記憶する(ステップS4020)。
次に、無線通信制御部5000は、配信装置3から受信した位置情報X及び自己の端末識別情報Aの送信先である配信装置3を決定する処理を行う(ステップS4022)。ここで、図43を用いて、ステップS4022の処理について詳細に説明するが、その前に、図28、図35、及び図42を用いて、ステップS4022の処理を行う背景について説明する。なお、図42は、配信装置と通信端末との通信状況を示したイメージ図である。
図35に示されているように、配信装置3の配信制御部2000と通信端末5の受信制御部4000との間の通信は、配信装置3の無線通信制御部3000と通信端末5の無線通信制御部5000との間の通信と独立している。そして、受信制御部4000は配信元の配信装置3から位置情報Xを受信する一方で、無線通信制御部5000は自己の端末識別情報Aと共に配信装置3に位置情報Xを送り返す。
しかし、各配信装置3の全てに、配信制御部2000及び無線通信制御部3000を設けようとすると、屋内αのフロア面積が広い場合、多数の配信装置3を設置することになるため、設置コストが非常に掛かる場合がある(パターン1)。
また、配信装置3aは位置情報Xaを配信することができるが、配信装置3aの無線通信制御部3000が故障しているため、通信端末5から端末識別情報A及び位置情報Xaを受信することができない場合がある(パターン2)。
更に、複数の配信装置3が天井βに設置されている場合、屋内αにおける通信端末5の位置によっては、配信装置3bの配信制御部2000(ステップS3908参照)よりも配信装置3aの配信制御部2000(ステップS3906参照)から受信した位置情報Xのデータの信号強度が高いにも拘わらず、配信装置3aの無線通信制御部3000(ステップS4014)よりも配信装置3bの無線通信制御部3000(ステップS4018)から受信した参加応答のデータの信号強度が高い場合がある(パターン3)。
上記各パターン1乃至3の場合、図42に示されているように、通信端末5hは、配信元である配信装置3aから位置情報Xaを受信するが、配信装置3aとは異なる送信先としての配信装置3bに対して、自己の端末識別情報Aと共に位置情報Xaを送信することになる。以下では、図35及び図41を用いて、このような配信元と送信先が異なる場合の例を説明する。なお、図43は、送信先を決定する処理を示したフローチャートである。
図35に示されている通信端末5の無線通信制御部5000における判断部5300は、送受信部5100が上記ステップS4008によって各配信装置(3a,3b)に参加要求を行ってから所定時間内(例えば、5秒以内)に、少なくとも1つの参加応答を受信したかを判断する(ステップS4302)。即ち、判断部5300は、端末識別情報Aの送信を開始してから所定時間内に、少なくとも1つの装置識別情報Bを受信したかを判断する。
次に、上記ステップS4302において、判断部5300が、少なくとも1つの参加応答を受信したと判断した場合には(YES)、更に、判断部5300は、複数の参加応答を受信したかを判断する(ステップS4304)。即ち、判断部5300は、端末識別情報Aの送信を開始してから所定時間内に、複数の装置識別情報Bを受信したかを判断する。
次に、上記ステップS4304において、複数の参加応答が受信されたと判断された場合には(YES)、測定部5400は、送受信部5100で受信された際の参加応答に係る信号強度を測定する(ステップS4306)。ここでは、上記ステップS4014,4018において、通信端末5の無線通信制御部5000は、各配信装置(3a,3b)から参加応答を受信しているため、ステップS4306の処理を実行する。
次に、上記ステップS4306の処理による測定の結果、配信装置3bからの参加応答の信号強度が、配信装置3aからの参加応答の信号強度よりも高い場合について更に説明する。図43に示されているように、記憶・読出部5800は、上記ステップS4306によって測定された信号強度のうち、最大の信号強度である参加応答に含まれている装置識別情報B(ここでは、装置識別情報Bb)を、記憶部5900に記憶する(ステップS4308)。
なお、上記ステップS4302において、判断部5300が、所定時間内に少なくとも一つの参加応答が受信されなかったと判断した場合には(NO)、送信先を決定する処理は終了する。また、上記ステップS4304において、判断部5300が、複数の参加応答が受信されなかったと判断した場合には(NO)、記憶・読出部5800は、記憶部5900に、唯一受信された参加応答に含まれている装置識別情報Bを記憶する(ステップS4310)。
以上より、記憶・読出部5800に記憶された装置識別情報Bで示される配信装置5が、通信端末5の送信先として決定されることになる。
そして、上記ステップS4308,4310の処理後、送受信部5100は、上記ステップS4800によって決定された送信先に対して、図30に示されているような情報のデータ構造を作成する(ステップS4024)。この場合のデータ構造は、送信先である配信装置3bの装置識別情報Bb、送信元である通信端末5hの端末識別情報Ah、及び、データ内容(ここでは、配信元である配信装置3aの位置情報Xa)が順に配列された状態になっている。
次に、送受信部5100は、配信装置3bに対して、上記ステップS4024によって作成されたデータ構造の情報を送信する(ステップS4026)。これによって、配信装置3bの無線通信制御部3000は、通信端末5hから送信されてきた情報を受信する。
そして、通信端末5hでは、無線通信制御部5000の送受信部5100、判断部5300、測定部5400、通信部5700及び記憶・読出部5800の処理が停止する(ステップS4028)。このように、送受信部5100が、配信装置3に対して、位置情報X等の情報を送信し終えると、無線通信制御部5000の各構成部の処理が停止することで、省エネを実現することができるという効果を奏する。なお、無線通信制御部5000の各構成部は、上記ステップS4004によって受信制御部4000から、新たに開始命令を受け取ることで、再始動することができる。
続いて、図44を用い、位置情報Xを含む情報が、配信装置3で受信されてから、位置情報管理システム9で管理情報Fとして管理されるまでの処理について説明する。なお、図44は、位置情報を管理する処理を示したシーケンス図である。
図44に示されているように、まず、配信装置3bの無線通信制御部3000は、上記ステップS4024の処理のように、ゲートウェイ7に送信する情報のデータ構造を作成する(ステップS4402)。この場合のデータ構造は、送信先であるゲートウェイ7の装置識別情報C、送信元である配信装置3bの装置識別情報Bb、及び、データ内容(配信元である配信装置3aの位置情報Xa及び位置情報Xaの送信元である通信端末5の端末識別情報A)が順に配列された状態になっている。
次に、配信装置3bの無線通信制御部3000における送受信部3100は、ゲートウェイ7に対して、上記ステップS4402によって作成されたデータ構造の情報を送信する(ステップS4404)。これによって、ゲートウェイ7の無線通信制御部7000における送受信部7100は、配信装置3bから送信されてきた情報を受信する。
次に、無線通信制御部7000の通信部7700は、同じくゲートウェイ7の通信部8700に対して、上記ステップS4404によって受信された情報を転送する(ステップS4406)。これにより、有線通信制御部8000は、無線通信制御部7000から転送されて来た情報を受信する。
次に、有線通信制御部8000の変換部8200は、IEEE802.15.4に準拠した通信方式を、IEEE802.3に準拠した通信方式に変換して、配信装置3bから送られて来た情報を、イーサネットのパケット通信ができるように制御する。そして、有線通信制御部8000の送受信部8100は、上記ステップS4402の処理のように、位置情報管理システム9に送信する情報のデータ構造を作成する(ステップS4410)。この場合のデータ構造は、送信先である位置情報管理システム9のシステム識別情報E、送信元であるゲートウェイ7の装置識別情報D、及び、データ内容(配信元である配信装置3aの位置情報Xa及び位置情報Xaの送信元である通信端末5の端末識別情報A)が順に配列された状態になっている。
次に、ゲートウェイ7の有線通信制御部8000における送受信部8100は、位置情報管理システム9に対して、上記ステップS4410によって作成されたデータ構造の情報を送信する(ステップS4412)。これによって、位置情報管理システム9の送受信部9100は、ゲートウェイ7から送信されてきた情報を受信する。
次に、位置情報管理システム9の記憶・読出部9800は、記憶部9900に予め記憶されている端末識別情報Aに対して、位置情報X等を受信した受信日時の情報及び位置情報Xaを関連付け、図34に示されているような管理情報Fとして記憶することで、位置情報の管理処理を行う(ステップS4414)。
以上のように、位置情報管理システム9が管理情報Fを管理することで、位置情報管理システム9の管理者は、図16及び図17に示されているような検索を行うことができる。なお、図16及び図17は、位置情報管理システムにおける画面例を示した図である。
例えば、管理者が図33に示されているキーボード9110やマウス9120等を操作すると、操作入力受付部9200が操作入力を受け付け、表示制御部9400が記憶・読出部9800を介して管理情報Fを読み出し、ディスプレイ9080上に、図16に示されているような検索画面を表示する。この検索画面には、所有者名(又は管理者名)毎に機器名が示された検索リストが表示されている。また、機器名の右側にはチェックボックスが表示されている。更に、検索リストの右下には、検索を実行するための「検索実行」ボタンが表示されている。なお、図16に示されている検索画面には、例えば、所有者「営業1課」が所有する機器「UCS P3000」の位置を検索する場合が示されている。
そして、管理者が、キーボード9110やマウス9120等を操作して、位置を知りたい機器(管理対象物4)の機器名におけるチェックボックスにチェックマークを付すと、操作入力受付部9200がチェックの入力を受け付ける。そして、管理者が位置を知りたい全ての機器の機器名におけるチェックボックスにチェックマークを付した後に、「検索実行」ボタンを押すと、操作入力受付部9200が検索実行を受け付け、検索部9300が、チェックマークが付された機器名に基づいて、記憶部9900に記憶されている管理情報Fを検索することにより、対応する位置情報Xを含む管理情報Fの一部及び、この位置情報Xに係る位置を含むフロア等を示すレイアウト情報Gを抽出する。
そして、表示制御部9400は、管理情報F及びレイアウト情報Gに基づいて、ディスプレイ9080上に、図17に示されているような検索結果画面を表示する。この検索結果画面には、機器「UCS P3000」が位置しているフロア「A棟4階」のレイアウト図と、管理情報Fにおける位置情報X及び受信日時の各情報が示されている。これによって、管理者は、管理対象物4(通信端末5)の位置を視覚的に把握することができるという効果を奏する。
以上説明したように本実施形態によれば、配信装置3が、配信部2100だけでなく送受信部3100を有している。即ち、配信装置3から配信された位置情報Xが届く範囲内に存在する通信端末5は、この範囲内で配信装置3に位置情報X及び端末識別情報Aを送信すればよいため、送信のために最低限の消費電力を使用するだけで済む。よって、配信装置が通信端末の省電力化に寄与することができるという効果を奏する。
また、通信端末5が移動した後、停止した場合のみ、位置情報Xが受信される処理が開始されるため、電池の容量の消費を抑えることで省電力(省エネ)化に寄与することができるという効果を奏する。更に、送受信部5100が、配信装置3に対して、位置情報X等の情報を送信し終えると、無線通信制御部5000の各構成部の処理が停止することで、省電力化を実現することができるという効果を奏する。なお、省電力化に寄与することで、ボタン電池4060のような容量が小さい電池を用いた場合であっても、電池交換の頻度を極力少なくすることができるため、ユーザの手間を省くことができるという効果も奏する。
また、図42に示されているように、配信装置3bが、配信装置3aに代わって、通信端末5から位置情報Xa及び端末識別情報Aを受信することができるため、配信装置3の設置コストを抑制することができるという効果を奏する(上記パターン1に対応)。また、無線通信制御部3000が故障しても、配信システム6としては、通信端末5から位置情報Xa及び端末識別情報Aを取得することができるという効果を奏する(上記パターン2に対応)。更に、通信端末5は、より信号強度の高い通信を行うことができる配信装置3に対して、位置情報X及び端末識別情報Aを送信することができるため、配信システム6としては、通信端末5から、より確実に位置情報X及び端末識別情報Aを受信することができるという効果を奏する(上記パターン3に対応)。
なお、位置情報管理システム9は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
また、上記実施形態の各プログラムが記憶されたCD−ROM等の記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたハードディスクは、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
また、上記実施形態の各プログラムが記憶されたCD−ROM等の記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたハードディスクは、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
更に、第1の判断手段の具体例としての判断部6300に、第2の判断手段の具体例としての判断部5300が含まれてもよい。即ち、第1の判断手段と第2の判断手段は同じ手段であっても良く、別の手段であってもよい。同じく、第1の測定手段の具体例としての測定部6400に、第2の測定手段の具体例としての測定部6700が含まれてもよい。即ち、第1の測定手段と第2の測定手段は同じ手段であっても良く、別の手段であってもよい。
(第3の実施形態)
位置管理システムの一実施例の用途は、上述した実施形態に限られない。
図45は、一実施形態における位置情報設定システム1のシステム構成の一例を示す図である。図45に示されるように、位置情報設定システム1は、配信装置3a、・・・3n(それぞれを区別しない場合は、「配信装置3」という。)と、通信端末5と、管理端末6と、ゲートウェイ装置7と、認証サーバ8と、管理サーバ9とを有する。位置情報管理対象物4には通信端末5が取り付けられている。なお、通信端末5、管理端末6及びゲートウェイ装置7は、複数存在してもよい。ゲートウェイ装置7は、上述した管理装置140に対応する。管理端末6は、上述した管理端末120に対応する。管理サーバ9は、上述した管理サーバ160に対応する。認証サーバ8は、上述した認証局サーバに対応する。
配信装置3は、例えば地上補完信号IMESが用いられるネットワーク901により、所定の範囲にIMESメッセージを配信する。図45に示されるように、所定の範囲に位置する通信端末5及び管理端末6は、配信装置3が配信するIMESメッセージを受信する。IMESメッセージには、例えば配信装置3に設定された位置情報が含まれる。
通信端末5と配信装置3とゲートウェイ装置7とは、例えばIEEE802.15.4規格のアーキテクチャモデルのうち物理層とMAC(Media Access Control)層を採用したZigBee(登録商標)によるネットワーク902を介して通信可能に接続されている。この場合、日本、米国、欧州等の利用領域に応じて、配信装置3は、800MHz帯、900MHz帯又は2.4GHz帯を利用し、隣接する他の配信装置3を経由して、ゲートウェイ装置7にデータを送信できる。
管理端末6と配信装置3とは、例えば近距離無線通信規格のIEEE802.15.1(Bluetooth(登録商標))によるネットワーク903を介して通信可能に接続されている。
ゲートウェイ装置7と管理サーバ9とは、例えばLAN(Local Area Network)等のネットワーク904を介して、通信可能に接続されている。
管理サーバ9と認証サーバ8とアクセスポイント900とは、例えばインターネット等のネットワークを介して通信可能に接続されている。通信端末5及び管理端末6とアクセスポイント900とは、例えばIEEE802.11規格に準拠する無線LAN等のネットワーク906を介して通信可能に接続されている。したがって、通信端末5及び管理端末6と管理サーバ9と認証サーバとは、ネットワーク906及びネットワーク905を介して通信可能である。
なお、ネットワーク901・902・903・904・905・906の通信方式は、各機器間の通信が可能であれば上記に限定されず、例えば移動通信網等であってもよい。
位置情報設定システム1の概要を説明する。管理サーバ9は、配信装置3により配信された位置情報を受信した通信端末5の位置情報を管理する。これにより、通信端末5が取り付けられた位置情報管理対象物4の位置は、通信端末5の位置情報に基づき特定可能である。しかしながら、例えば位置情報を管理するシステムの導入時等には、配信装置3に位置情報が設定されていない場合があり、管理サーバ9は通信端末5の位置情報を管理できない。一実施形態における位置情報設定システム1は、配信装置3に位置情報が設定されていない場合、管理端末6の現在地を示す位置情報に基づき、この位置情報を配信装置3に設定する。また、管理端末6は、自律航法による測位により管理端末6の位置情報を推定する。また、管理端末6は、管理サーバ9を介して、認証サーバ8に対して、管理端末6が配信装置3に位置情報を設定するための設定権限の認証を要求する。なお、認証サーバ8は、予め設定権限が付与された管理サーバ9を経由して認証が行われているかを判定する。これにより、設定権限の無い第三者による意図しない位置情報の設定を防止できる。さらに、認証サーバ8は、管理端末6が配信装置3に設定しようとする位置情報が正しいことを示す真正性を判定する。これにより、管理端末6が設定しようとする位置情報が、実際の位置座票と異なる場合に設定されてしまうことを回避できる。
次に、各機器の概要を説明する。
図46は、一実施形態における配信装置3の設置形態の一例を示す図である。なお、図46において、認証サーバ8、アクセスポイント900、ネットワーク905及びネットワーク906は省略している。配信装置3a、3b、3c、3d、・・・3nは、それぞれ屋内の天井等に設置された電気機器2a、2b、2c、2d、・・・2n(それぞれを区別しない場合は「電気(器)機器2」という。)に内蔵されるか又はこれらの外部に取り付けられている。電気機器2は、配信装置3に対して電力を供給する。電気機器2は、例えば蛍光灯型LED(Light Emitting Diode)照明器具である。なお、電気機器2はLED照明器具に限らず、例えば一般の蛍光灯や換気扇、スピーカ、監視カメラ、エアコン等であってもよい。配信装置3は、ネットワーク901により、所定の範囲に対して、地上補完信号(IMES)の規格に準拠するメッセージ(IMESメッセージ)を連続的又は断続的に送信する。配信装置3に自機が設置された位置に対応する位置情報が設定されている場合、IMESメッセージにはその位置情報が含まれる。一方、配信装置3に位置情報が設定されていない場合、IMESメッセージにはその配信装置3を一意に識別する識別情報(例えばMACアドレス)が含まれる。但し、識別情報はMACアドレスに限らず、機器を一意に識別できる情報であればよく、例えばデバイスID等であってもよい。なお、所定の範囲は、IMESの信号強度及び送信アンテナの指向性等によって定められる。配信装置3は、位置の管理対象となる領域をカバーするように配置され、それぞれの領域が重複しないように構成される。あるいは重複する場合であっても、位置情報を受信する側において、受信電波の強度に基づいて、いずれか一つの配信装置3が決定できるように構成される。図46の例では、配信装置3の下方に示される円錐型の点線が、所定の範囲を表している。
通信端末5は、図45又は図46に示されるように、位置情報管理対象物4の外部に取り付けられるか又は内蔵されている、例えばRFID(Radio Frequency IDentification)タグである。通信端末5は、配信装置3に位置情報が設定されている場合、ネットワーク901により配信装置3から送信されるIMESメッセージを受信して、受信したIMESメッセージに含まれる位置情報を取得する。そして、通信端末5は、ネットワーク902を介して、受信した位置情報を管理サーバ9に送信する。なお、通信端末5から送信される位置情報には、通信端末5を一意に識別する識別情報(例えばMACアドレス)が含まれる。なお、識別情報はMACアドレスに限らず、機器を一意に識別できる情報であればよく、例えばデバイスID等であってもよい。
位置情報管理対象物4は、管理サーバ9によって位置が管理される対象の物品であり、電子機器に限らず、ユーザが携行するカバンや財布、衣服等であってもよい。図46では、位置情報管理対象物4の例として、PC(Personal Computer)(位置情報管理対象物4a)、プロジェクタ(位置情報管理対象物4b)、スマートフォン(位置情報管理対象物4c)、デジタル複合機(位置情報管理対象物4d)を示している。
管理端末6は、情報通信機能及び情報入出力機能等を有する、スマートフォンやタブレット端末、PC等の携帯端末である。管理端末6は、ネットワーク901により配信装置3から送信されるIMESメッセージを受信する。管理端末6は、ネットワーク903により、配信装置3に位置情報を設定するための位置情報設定要求を送信する。
ゲートウェイ装置7は、例えばネットワーク902とネットワーク904とを相互に接続し、一方のネットワークから送信されたデータを他方のネットワークにブリッジする。ゲートウェイ装置7は、例えば建物のフロア毎又は壁等で仕切られた部屋毎に設置される。ネットワーク902がIEEE802.15.4規格及びZigBeeによるネットワークであり、ネットワーク904がIEEE802.3規格に準拠するLANである場合は、それらの間の通信方式の変換を行う。
管理サーバ9は、通信端末5の位置情報を管理する位置情報管理機能及び情報通信機能等を有するコンピュータである。管理サーバ9は、管理端末6から送信されたデータを認証サーバ8に転送し、認証サーバ8から送信されたデータを管理端末6に転送する。
認証サーバ8は、管理端末6が配信装置3に位置情報を設定するための設定権限の認証を行うコンピュータである。認証サーバ8は、予め設定権限が付与された管理サーバ9を経由して認証が行われているかを判定する。認証サーバ8は、管理端末6が配信装置3に設定しようとする位置情報が正しいことを示す真正性を判定する。
(システム動作概要)
次に、配信装置3に位置情報が設定されている場合と設定されていない場合とに分けて、配信装置3から送信されたIMESメッセージを通信端末5が受信したときの位置情報設定システム1の動作を説明する。図47は、一実施形態における配信装置3からのIMESメッセージを通信端末5が受信したときの位置情報設定システム1の動作概要の一例を示す図である。図47(a)には配信装置3に位置情報が設定されている場合の動作が示され、図47(b)には配信装置3に位置情報が設定されていない場合の動作が示されている。
図47(a)の初期状態では、配信装置3には位置情報が設定されている。ここで、位置情報には、屋内に設置された配信装置3の設置場所に対応する「階数」、「緯度」、「経度」、「棟番号」が含まれる。
S4702:配信装置3は、所定の範囲に対して、所定の周期(例えば、1秒周期)で、配信装置3に設定された位置情報を含むIMESメッセージを送信する。
S4704:所定の範囲に位置する位置情報管理対象物4に取り付けられた(又は内蔵された)通信端末5がIMESメッセージを受信すると、通信端末5は受信したIMESメッセージに含まれる位置情報を管理サーバ9に登録させるための位置情報登録要求を配信装置3に送信する。位置情報登録要求には、位置情報及び通信端末5の識別情報が含まれる。
S4706:配信装置3は、受信した位置情報登録要求を、ゲートウェイ装置7を介して、管理サーバ9に転送する。
S4708:管理サーバ9は、受信した位置情報を、通信端末5の識別情報に対応付けて登録(記憶)する。
上述したS4702〜S4708の動作により、管理サーバ9は、配信装置3から送信される位置情報を受信した通信端末5の位置を登録し、管理できる。
次に、配信装置3に位置情報が設定されていない場合の動作を図47(b)を用いて説明する。図47(b)に示されるように、配信装置3に位置情報が設定されていないため、位置情報の各項目には、「N/A(Not available)」が設定されている。なお、配信装置3に位置情報が設定されていない場合の位置情報の各項目には、「N/A」に限らず、例えば所定のデフォルト値(「0」等)が設定されていてもよい。
S4702a:配信装置3は、所定の範囲に対して、所定の周期(例えば、1秒周期)で、配信装置3の識別情報を含むIMESメッセージを送信する。
S4704a:通信端末5は、受信したIMESメッセージに位置情報が含まれていないため、受信したIMESメッセージを破棄する。そのため、通信端末5は位置情報登録要求を送信しない。なお、通信端末5が位置情報を含まないIMESメッセージを受信したときの動作は、IMESメッセージの破棄に限らず、位置情報を含まない位置情報登録要求を送信し、管理サーバ9が位置情報登録要求を破棄するようにしてもよい。
次に、位置情報設定システム1により位置情報が未設定である配信装置3に対して位置情報が設定されるまでの動作概要を説明する。図48は、一実施形態における位置情報設定システム1による配信装置3への位置情報の設定動作の一例を示す図である。図48の初期状態では、配信装置3に位置情報が設定されていない。また、管理端末6は、位置情報設定システム1の管理者が所持している。また、管理端末6には、予め自律航法アプリがインストールされている。自律航法アプリは、屋外等で測位したGPS(Global Positioning System)測位に加え、管理端末6が備える慣性センサにより取得された方位情報や加速度情報を複合して演算処理し、移動時(移動後)の位置情報を逐次測位できるアプリケーションである。この自律航法アプリを用いることにより、例えば屋外でGPSにより位置情報を測位した後、GPS信号を受信できない屋内に移動した後の位置情報を推定できる。
S4802:まず屋外に位置する管理者は、所持する管理端末6を操作し、管理端末6に予めインストールされている自律航法アプリを起動させる。これにより、管理端末6は、GPS測位を行い、自律航法による測位を開始する。
S4804:管理者は、管理端末6において自律航法アプリを起動させながら、位置情報の設定を行う配信装置3からIMESメッセージを受信可能な所定の範囲に移動する。
S4806:管理端末6は、自律航法アプリを用いて、ステップS12において移動した場所における自律航法による測位を行う。なお、一実施形態において、自律航法により測位された位置情報を、「推定位置情報」という。また、図4に示される「階数」及び「棟番号」は、自律航法アプリを用いて管理者により手入力される。「推定位置情報」には、自律航法により測位された「緯度」及び「経度」と管理者により入力された「階数」及び「棟番号」とが含まれる。
S4808:配信装置3は、自機に位置情報が設定されていないため、所定の範囲に対して、所定の周期(例えば、1秒周期)で、配信装置3の識別情報を含むIMESメッセージを送信する。そして、管理端末6は、配信装置3から送信されるIMESメッセージを受信する。
S4810:管理端末6は、配信装置3から送信された配信装置3の識別情報を含むIMESメッセージを受信すると、配信装置3に推定位置情報を設定するための設定権限の認証を行う認証要求を、管理サーバ9を介して認証サーバ8に送信する。ここで、認証要求には、推定位置情報が含まれる。また、管理サーバ9が、認証要求を受信すると、認証要求に管理サーバ9を識別する識別情報を設定し、認証サーバ8に転送する。
S4812:認証サーバ8は、認証要求を受け付けると、認証要求を行った管理端末6が配信装置3に位置情報を設定するための設定権限の認証を行う。一実施形態における設定権限の認証とは、次の二つの認証を行う。まず、認証要求が、予め定めた特定の管理サーバ9を経由して送信されているか否かを判定する。これにより、第三者により配信装置3に位置情報が設定されてしまうことを防止できる。次に、認証要求に含まれる推定位置情報が、適当な位置情報を指しているかを示す真正性を判定する。適当な位置情報とは、推定位置情報が例えば配信装置3が設置されている建物の領域を示す位置情報に含まれている場合をいう。配信装置3が設置されている建物の特定は、例えば管理サーバ9毎に管理する配信装置3が設置されている建物を定めている場合、管理サーバ9の識別情報に基づいて建物を特定できるようにする。これにより、推定位置情報が建物外である場合等に、その建物内の配信装置3に対して誤って位置情報が設定されることを回避できる。
S4814:認証サーバ8は、設定権限の有無を示す認証結果を含む認証要求応答を、管理サーバ9を介して、管理端末6に送信する。
S4816:管理端末6は、設定権限を有することを示す認証結果を含む認証要求応答を受信すると、配信装置3に推定位置情報を含む位置情報設定要求を送信する。なお、設定権限が無いと認証された場合、管理端末6は処理を終了し、配信装置3への位置情報の設定を行わない。
S4818:配信装置3は、受信した位置情報設定要求に含まれる推定位置情報を設定する。
上述したS4802〜S4818の動作により、位置情報設定システム1は、管理端末6が配信装置3に位置情報を設定する権限を有する場合に、管理端末6において自律航法を用いて推定された位置情報を配信装置3に設定できる。これにより、屋内において絶対位置情報が不明である場合において、管理者は自律航法による測位に基づき位置情報を簡易に推定し、その位置情報を配信装置3に設定できる。また、上述したように、配信装置3に位置情報を設定しようとする管理端末6の設定権限の有無を判定することにより、第三者により不正に設定されてしまうことを防止できる。また、配信装置3に設定しようとする位置情報が適当であるか否かを判定することにより、誤った位置情報が設定されてしまうことを回避できる。
(ハードウェア構成)
<通信端末>
一実施形態における通信端末5のハードウェア構成は、図29と略同一であるため、説明を省略する。。
<配信装置>
一実施形態における配信装置3のハードウェア構成は、図28と略同一であるため、説明を省略する。
また、位置情報配信部1200は、地上補完信号配信部1250として構成される。地上保管信号配信部1250のハードウェア構成は、位置情報配信部1200と略同一である。
配信装置3が配信するIMESメッセージのフレーム構造及び内容は、配信装置3に位置情報が設定されている場合と設定されていない場合とで異なり、それぞれのフレーム構造をそれぞれ図49、図50に示す。一実施形態のIMESメッセージのフレーム構造は、IMES規格に準拠する。各フレーム構造には、3ビットのメッセージタイプMSG Typeが含まれており、このMSG Type毎にフレーム構造が定義される。
(位置情報が設定されている場合のフレーム構造)
図49は、一実施形態における配信装置3が配信するIMESメッセージのフレーム構造(配信装置3に位置情報が設定されている場合)の一例を示す図である。配信装置3に位置情報が設定されている場合、図49に示されるように、MSG Typeは「010」が設定される。このフレーム構造は、配信装置3に設定されている位置情報として、「階数(Floor)」、「棟番号(Building)」、「緯度(Latitude)」、「経度(Longitude)」、「高度(Altitude)」等を含む。「階数」は、第1ワードのビット12〜20(ビット長9)に設定され、その配信装置3が設置されている建物の階数を示しており、その単位は階である。「棟番号」は、第1ワードのビット21〜24(ビット長4)に設定され、その配信装置3が設置されている建物の棟を識別する番号を示している。「緯度」は、第2ワードのビット4〜24(ビット長21)に設定され、その配信装置3が設置されている場所の緯度を示しており、その単位は「度」である。「経度」は、第3ワードのビット4〜24(ビット長21)に設定され、その配信装置3が設置されている場所の経度を示しており、その単位は「度」である。「高度」は、第4ワードのビット4〜15(ビット長12)に設定され、その配信装置3が設置されている高度を示しており、その単位はメートルである。なお、一実施形態において「高度」の設定は任意であってよい。
(位置情報が設定されていない場合のフレーム構造)
図50は、一実施形態における配信装置3が配信するIMESメッセージのフレーム構造(配信装置3に位置情報が設定されていない場合)の一例を示す図である。配信装置3に位置情報が設定されていない場合、図50に示されるように、MSG Typeは「101」が設定される。このフレーム構造において、第1〜3ワードに配信装置3の例えばROM202に記憶されているMACアドレス(ビット長48)が設定される。なお、配信装置3を一意に識別可能な情報であれば、MACアドレスに限らず、例えばデバイスID等であってもよい。
なお、IMESメッセージのフレーム構造及び内容は、図49及び図50の例に限らず任意である。また、図49及び図50の例におけるMSG Typeは、IMES規格においてReservedの設定値を使用している。
配信装置3の位置情報は、管理端末6による位置情報設定要求に基づき位置情報が地上補完信号配信部1250のROM2020に記憶される。なお、配信装置3の位置情報は、配信装置3の工場出荷前にメーカーによって記憶部2900に記憶されてもよいし、配信装置3の工場出荷後で天井に電気機器2が設置される際に設置者によって記憶されてもよい。また、配信装置3の位置情報は、管理サーバ9等の外部の装置から、ゲートウェイ装置7を介して無線通信により無線通信部1300の通信回路3040が受信し、制御部1100を介して地上補完信号配信部1250のROM2020に記憶されるようにしてもよい。
<ゲートウェイ装置>
一実施形態におけるゲートウェイ装置7のハードウェア構成は、図32と略同一である
<管理サーバ>
一実施形態における管理サーバ9のハードウェア構成は、図33と略同一であるため、その説明を省略する。
<認証サーバ>
図51は、一実施形態における認証サーバ8のハードウェア構成の一例を示した図である。
認証サーバ8は、コンピュータによって構成されている。そして、認証サーバ8は、認証サーバ8全体の動作を制御するCPU8210、IPL等のCPU8210の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM8220、CPU8210のワークエリアとして使用されるRAM8230、認証サーバ8用のプログラム等の各種データやアドレス情報を記憶するHD8240、CPU8210の制御にしたがってHD8240に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD8250、フラッシュメモリ等の記録メディア8260に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ8270、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種情報を表示するディスプレイ8280、ネットワーク9050を利用してデータ通信するためのネットワークI/F8290、文字、数値、各種指示等の入力のための複数のキーを備えたキーボード8310、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行うマウス8320、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM8330に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ8340、無線通信を行う通信回路8350及びアンテナ8350a、外部機器を接続するための外部機器I/F8360並びに上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン8300を備えている。
さらに、アドレス情報は、認証サーバ8を識別するための固有の情報である。アドレス情報としては、IPアドレスが挙げられる。なお、ROM8220には、MACアドレスも記憶されている。
<管理端末>
図52は、一実施形態における管理端末6のハードウェア構成の一例を示した図である。
管理端末6は、管理端末6全体の動作を制御するCPU6210、基本入出力プログラムを記憶したROM6220、CPU6210のワークエリアとして使用されるRAM6230、CPU6210の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行うEEPROM6240、CPU6210の制御に従って被写体を撮像し画像データを得るCMOS(Complementary Metal OxIDe Semiconductor)センサ6250、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパスや加速度センサ等の各種加速度・方位センサ6260、フラッシュメモリ等の記録メディア6270に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ6280を備えている。そして、メディアドライブ6280の制御に従って、既に記録されていたデータが読み出され又は新たにデータが書き込まれて記憶する記録メディア6270が着脱自在な構成となっている。
なお、EEPROM6240には、CPU6210が実行するオペレーティングシステム(OS)、その他のプログラム及び各種データが記憶されている。また、CMOSセンサ6250は、光を電荷に変換して被写体の画像を電子化する電荷結合素子であり、被写体を撮像することができれば、CMOSセンサに限らず、CCD(Charge Coupled Device)センサであってもよい。
さらに、管理端末6は、3G又はLTE(Long Term Evolution)等の移動体通信用アンテナ6310aを利用して最寄りの基地局と通信を行う移動体通信部6310、地上補完信号用アンテナ6320aを利用して地上補完信号の通信を行う地上補完信号通信部632、近距離無線通信用アンテナ6330aを利用して近距離無線通信(Bluetooth等)を行う近距離無線通信部6330、最寄りのアクセスポイント900とIEEE802.11規格に準拠する無線LAN通信を行う無線LAN通信部6340、GPS衛星からGPS信号を受信するGPS受信部6350、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機EL等のディスプレイ6360、このディスプレイ6360上に載せられ、感圧式又は静電式のパネルによって構成され、指やタッチペン等によるタッチによってディスプレイ6360上におけるタッチ位置を検出するタッチパネル6370及び上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン6300を備えている。また、管理端末6は、専用の電池6380も設けられており、この電池6380によって駆動される。なお、上記のハードウェアの構成要素に加えて、音声を入力するマイク及び音声を出力するスピーカ等が含まれていてもよい。
(機能構成)
図53は、一実施形態における位置情報設定システム1の機能構成の一例を示す図である。
<配信装置>
配信装置3は、通信I/F手段31、位置情報設定要求受付手段32、地上補完信号生成・配信手段33、データ転送手段34及び位置情報記憶手段35等を有する。
通信I/F手段31は、CPU3010及び通信回路3040の処理によって実現され、ZigBee規格に準拠した通信を行う。
位置情報設定要求受付手段32は、CPU3010及び通信回路3040の処理によって実現され、管理端末6から送信される位置情報設定要求を受け付ける。そして、位置情報設定要求受付手段32は、位置情報設定要求に含まれる位置情報を、位置情報記憶手段3500により記憶させる。
地上補完信号生成・配信手段33は、CPU2010及び通信回路2040の処理によって実現され、IMESメッセージを生成し、配信可能な範囲内にIMESメッセージを配信する。具体的には、地上補完信号生成・配信手段33は、配信装置3に位置情報が設定されている場合、位置情報記憶手段35によりROM2020を用いて記憶される位置情報を読み出し、図49に示されるフレーム構造を有するIMESメッセージを生成する。また、地上補完信号生成・配信手段33は、配信装置3に位置情報が設定されていない場合、ROM2020に記憶される配信装置3のMACアドレスを読み出し、図50に示されるフレーム構造を有するIMESメッセージを生成する。そして、地上補完信号生成・配信手段33は、生成したIMESメッセージを、所定の周期(例えば1秒周期)で所定の範囲に対して配信する。なお、地上補完信号生成・配信手段33は、位置情報を含むIMESメッセージ(図49)の配信後、位置情報記憶手段35に記憶される認証サーバ8により発行された証明書を所定の範囲に送信する。
データ転送手段34は、CPU3010及び通信回路3040の処理によって実現され、通信端末5から送信される位置情報登録要求をゲートウェイ装置7に転送する。
位置情報記憶手段35は、ROM2020により構築され、位置情報及び位置情報の設定権限を有し、設定する位置情報の真正性が証明された証明書を記憶する。
<管理端末>
管理端末6は、通信I/F手段61、自律航法測位手段62、地上補完信号受信手段63、認証要求手段64、認証要求応答受付手段65、位置情報設定要求手段66、推定位置情報記憶手段67、入力手段68及び表示手段69等を有する。また、自律航法手段62は、自律航法アプリ60によって実現される。
通信I/F手段61は、CPU6210の処理並びに移動体通信部6310、近距離無線通信部6330及び無線LAN通信部6340によって実現され、例えばBluetooth等の近距離無線通信により配信装置3にデータを送信したり、無線LAN通信により管理サーバ9とデータの送受信を行ったりする。
自律航法測位手段62は、CPU6210の処理により実現され、自律航法アプリ60に含まれる機能である。自律航法測位手段62は、まず起点とする位置情報を取得するため屋外等でGPS受信部6350を用いてGPS測位を行う。なお、自律航法による測位の起点となる位置情報は、屋外におけるGPS測位による取得に限らず、例えば屋内において位置情報の設定が完了している他の配信装置3から配信されるIMESメッセージに含まれる位置情報を使用したり、無線LANアクセスポイントや移動通信網における基地局により測位された位置情報を使用したりしてもよい。そして、自律航法測位手段62は、加速度・方位センサ6260により取得された方位情報や加速度情報を複合して演算処理し、移動時(移動後)の位置情報を測位する。なお、自律航法測位手段62に測位される位置情報は「緯度」及び「経度」であるため、その他の位置情報である「階数」及び「棟番号」は、管理者が手入力する。ここで、自律航法アプリ60により実行される機能及びこれにより表示される画面を説明する。図54は、一実施形態における自律航法アプリ60により表示される画面の一例を示す図である。図54(a)は、自律航法アプリ60の起動時の画面である。図54(a)に示される「開始」ボタンを押下すると、GPS測位が開始され、自律航法による測位が開始される。図54(b)は、自律航法アプリ60の起動後、自律航法による測位結果が示される画面である。図54(b)に示される「測位停止」ボタンが押下されると、自律航法による測位が停止され、自律航法アプリ60は終了する。「入力画面表示ボタン」が押下されると、図54(c)に示される現在の「階数」及び「棟番号」を入力する画面が表示される。図54(c)に示される「階数」及び「棟番号」の入力フォームに、管理者は管理端末6の現在の場所に対応する「階数」及び「棟番号」を入力する。入力後、「保存」ボタンを押下すると、入力された「階数」及び「棟番号」と自律航法により測位された「緯度」及び「経度」が位置情報記憶手段67に記憶され、認証要求手段64に対して位置情報が記憶されたことが通知される。
図53に戻り説明する。
地上補完信号受信手段63は、CPU6210及び地上補完信号通信部6320の処理によって実現され、配信されるIMESメッセージを受信する。そして、地上補完信号受信手段63は、受信したIMESメッセージが配信装置3の識別情報(MACアドレス)が含まれているフレーム構造(図50)である場合、すなわち配信装置3に位置情報が設定されていないことを示す情報が含まれている場合、認証要求手段64に配信装置3の識別情報を通知する。なお、地上補完信号受信手段63は、受信したIMESメッセージが配信装置3の位置情報が含まれるフレーム構造(図49)であった場合は、受信したIMESメッセージを例えば破棄する。
認証要求手段64は、CPU6210の処理によって実現され、配信装置3に位置情報を設定するための設定権限を認証するための認証要求を生成し、管理サーバ9を介して、認証サーバ8に送信する。認証要求手段64は、自律航法測位手段62からの推定位置情報が推定位置情報記憶手段67に記憶されたことの通知を受け付け後、地上補完信号受信手段63からの配信装置3の識別情報の通知を受け付けると、認証要求を生成する。認証要求には、推定位置情報記憶手段67に記憶された位置情報のうち「緯度」及び「経度」と、配信装置3の識別情報とが含まれる。認証要求手段64は、生成した認証要求を、通信I/F手段61を介して管理サーバ9に送信する。
認証要求応答受付手段65は、CPU6210の処理によって実現され、通信I/F手段61を介して、管理サーバ9から送信された認証要求応答を受け付ける。認証要求応答には、配信装置3への設定権限の有無に基づく認証結果及び設定権限が有る場合に認証サーバ8により発行される証明書が含まれる。この証明書は、配信装置3毎に一意に発行される。そして、認証要求応答受付手段65は、設定権限が有ると判定された場合、位置情報設定要求手段66に、配信装置3への位置情報の設定処理を要求する。
位置情報設定要求手段66は、CPU6210の処理によって実現され、配信装置3に設定する位置情報及び認証要求応答に含まれる証明書を含む位置情報設定要求を生成し、配信装置3に送信する。
推定位置情報記憶手段67は、自律航法測位手段62により測位された「緯度」及び「経度」と、管理者により図54(c)に示される画面により入力された「階数」及び「棟番号」とをRAM6230に記憶する。
入力手段68は、タッチパネル6370によりユーザ(管理者)からの入力命令を受け付ける。
表示手段69は、ディスプレイ6360により、ユーザ(管理者)に対する情報を表示出力する。
<管理サーバ>
管理サーバ9は、通信I/F手段91、認証要求転送手段92、認証要求応答転送手段93、位置情報登録要求受付手段94、位置情報管理手段95及び通信端末位置情報記憶手段96等を有する。
通信I/F手段91は、CPU9010及び通信回路9150の処理によって実現され、管理端末6、ゲートウェイ装置7及び認証サーバ8とのデータの送受信を行う。
認証要求転送手段92は、CPU9010の処理によって実現され、管理端末6から送信される認証要求を受信すると、受信した認証要求に自機(管理サーバ9)の識別情報(例えばMACアドレス)を設定し、それを認証サーバ8に送信する。
認証要求応答転送手段93は、CPU9010の処理によって実現され、認証サーバ8から送信される認証要求応答を、管理端末6に送信する。
位置情報登録要求受付手段94は、CPU9010の処理によって実現され、ゲートウェイ装置7を介して通信端末5の識別情報及び位置情報を含む位置情報登録要求を受け付ける。そして、位置情報登録要求受付手段94は、受け付けた通信端末5の識別情報及び位置情報を位置情報管理手段95に通知する。
位置情報管理手段95は、HD9040により構築される通信端末位置情報記憶手段96に、通信端末5の識別情報と位置情報とを対応付けて記憶させる。
通信端末位置情報記憶手段96は、通信端末5の識別情報と位置情報とを対応付けてHD904に記憶する。図55は、一実施形態における管理サーバ9の通信端末位置情報記憶手段96に記憶される情報の一例を示す図である。図55に示されるように、通信端末位置情報記憶手段96には「管理ID」、「識別情報」、「緯度」、「経度」、「階数」、「棟番号」及び「受信日時」等が含まれる。「管理ID」は通信端末位置情報記憶手段96において通信端末5の位置情報を一意に識別するための管理番号である。「識別情報」は通信端末5を識別するための情報であり、例えば通信端末5のMACアドレスである。「緯度」、「経度」、「階数」及び「棟番号」は、一実施形態における位置情報であり、通信端末5から送信される位置情報登録要求に含まれる。「受信日時」は、管理サーバ9がゲートウェイ装置7から送信された位置情報登録要求を受信した受信日時である。このように、配信装置3に位置情報が設定されている場合は、配信装置3から配信された位置情報(IMESメッセージ)を受信した通信端末5の位置情報が管理される。
<認証サーバ>
認証サーバ8は、通信I/F手段81、認証要求受付手段82、認証判定手段83、証明書/復号キー生成手段84、認証要求応答手段85、管理サーバ情報記憶手段86、復号キー取得応答手段87及び証明書/復号キー記憶手段88等を有する。
通信I/F手段81は、CPU8210及び通信回路8350の処理によって実現され、LANによりデータの送受信を行う。
認証要求受付手段82は、CPU8210の処理によって実現され、管理サーバ9から送信される認証要求を受信する。この認証要求には、配信装置3の識別情報、配信装置3に設定する対象となる推定位置情報(「緯度」、「経度」)及び管理サーバ9の識別情報が含まれる。
管理サーバ情報記憶手段86は、予め配信装置3に対する位置情報の設定権限が付与された管理サーバ9に関する情報を、例えばHD8240に記憶する。図56は、一実施形態における認証サーバ8の管理サーバ情報記憶手段86に記憶される情報の一例を示す図である。図56に示されるように、管理サーバ情報記憶手段86には、「管理サーバID」、「管理サーバ識別情報」、「管理対象建物名称」、「管理対象建物設置住所」及び緯度、経度の情報である「東端」、「西端」、「南端」、「北端」等が含まれる。「管理サーバID」は、管理サーバ9を識別する番号であり、管理サーバ情報記憶手段86において一意に割り当てられる番号である。「管理サーバ識別情報」は、管理サーバ9を一意に識別する識別情報(例えばMACアドレス)である。「管理対象建物名称」は、管理サーバ9が管理する配信装置3が設置される建物の名称である。「管理対象建物設置住所」は、管理サーバ9が管理する配信装置3が設置される建物の設置された住所である。「東端」及び「西端」は、管理サーバ9が管理する配信装置3が設置された建物の領域を示す東側と西側との境界線を、経度(東経)で表したものである。「南端」及び「北端」は、その建物の領域の南側と北側との境界線を、緯度(北緯)で表したものである。すなわち、図56の例では、管理サーバ9が管理する配信装置3が設置された建物の領域は、矩形で定義される。図56の例では、管理サーバ識別情報が「00123456789a」である管理サーバ9が管理する配信装置3が設置された建物「A事業所」の位置を定義する領域は、
東端:139.62101
西端:139.62003
南端:35.50540
北端:35.50450
の四つの線分によって囲まれた範囲である。なお、一実施形態においては、建物の領域を緯度・経度による四つの線分に囲まれた領域として定義したが、この定義の方法に限らず、例えば、複数の緯度・経度を用いて、三つ以上の線分で囲まれた多角形等によって、建物の領域を定義してもよい。なお、これら「東端」、「西端」、「南端」、「北端」は、例えば、国土地理院が発行する地図情報等の真正性が確保されている地図から、「管理対象建物名称」又は「管理対象建物設置住所」に基づき、設定するようにしてもよい。
図53に戻り説明する。
認証判定手段83は、CPU8210の処理によって実現され、管理端末6が配信装置3に位置情報を設定するための設定権限を認証する。そして、認証判定手段83は、認証の判定処理の終了後、判定結果を証明書/復号キー生成手段84に通知する。認証判定手段83による判定処理のフローチャート図を図57に示す。図57は、一実施形態における認証サーバ8における認証判定処理の一例を示すフローチャート図である。
図57に示されるように、認証判定手段83は、まず認証要求受付手段82から通知された認証要求に含まれる管理サーバ9の識別情報及び配信装置3に設定する対象の位置情報(「緯度」、「経度」)を受け付ける(S5702)。
次に、受け付けた認証要求に含まれる管理サーバ9の識別情報が、管理サーバ情報記憶手段86に記憶される「管理サーバ識別情報」に含まれるか否かを判定する(S5704)。すなわち、配信装置3への位置情報の設定を予め許容した管理サーバ9を経由して認証要求が送信されたということは、設定する権限の無い第三者による設定ではないことが示される。
ここで、認証要求に含まれる管理サーバ9の識別情報が、管理サーバ情報記憶手段86に記憶される「管理サーバ識別情報」に含まれている場合(ステップS5706においてYES)、認証要求に含まれる位置情報(「緯度」、「経度」)が、管理サーバ情報記憶手段86に記憶される、管理サーバ9が管理する配信装置3が設置される建物の領域(「東端」、「西端」、「南端」、「北端」により定義される矩形)の中に含まれるか否かが判定される(S5706)。すなわち、配信装置3に設定しようとする位置情報が、認証要求に含まれた識別情報を有する管理サーバ9の管理対象の建物の領域に含まれるということは、設定対象の位置情報が誤った位置情報ではないことが示される。
ここで、認証要求に含まれる位置情報が、管理サーバ情報記憶手段86に記憶される、管理サーバ9が管理する配信装置3が設置される建物の領域の中に含まれる場合(ステップS5706においてYES)、認証要求を行った管理端末6が設定権限を有すると判定する(S5708)。
一方、認証要求に含まれる管理サーバ9の識別情報が、管理サーバ情報記憶手段86に記憶される「管理サーバ識別情報」に含まれていない場合(ステップS5704においてNO)又は認証要求に含まれる位置情報が管理サーバ9の管理対象の建物の領域の中に含まれない場合(ステップS5706においてNO)、認証要求を行った管理端末6が設定権限を有さないと判定する(S5710)。
なお、上記ステップS5704における判定処理において、例えば管理サーバ9と認証サーバ8との間に専用線やVPN(Virtual Private Network)が用いられる場合は、予め回線契約(ISP契約)を行った特定の通信回線から送信された認証要求であるか否かに基づき判定を行うようにしてもよい。
図53に戻り説明する。
証明書/復号キー生成手段84は、CPU821の処理によって実現され、認証要求を行った管理端末6が設定権限を有するという認証判定の結果である場合、設定対象の位置情報の真正性を証明する証明書を生成する。証明書は、認証要求に含まれる配信装置3の識別情報毎に生成される。また、その証明書には暗号化されたデジタル署名が含まれ、証明書/復号キー生成手段84は、デジタル署名を復号化するための復号キーを生成する。そして、証明書/復号キー生成手段84は、生成した証明書及び復号キーを配信装置3の識別情報に対応付けて、証明書/復号キー記憶手段88に記憶させる。また、証明書/復号キー生成手段84は、証明書を生成すると、生成した証明書を認証要求応答手段85に通知する。また、証明書/復号キー生成手段84は、認証要求を行った管理端末6が設定権限を有しないという認証の結果である場合、認証の結果のみを認証要求応答手段85に通知する。
認証要求応答手段85は、CPU8210の処理によって実現され、認証要求応答を生成し、管理サーバ9に送信する。認証要求応答には、認証の結果及び証明書が生成されている場合は証明書が含まれる。
復号キー取得応答手段87は、CPU8210の処理によって実現され、通信端末5から送信される復号キー取得要求を受け付けると、復号キー取得要求に含まれる配信装置3の識別情報に対応する復号キーを証明書/復号キー記憶手段88から読み出す。そして、復号キー取得応答手段87は、読み出した復号キーを含む復号キー取得要求応答を生成し、通信端末5に送信する。
証明書/復号キー記憶手段88は、証明書及び復号キーを認証要求に含まれる配信装置3の識別情報に対応付けて、例えばHD8240やRAM8230等に記憶する。
<通信端末>
通信端末5は、通信I/F手段51、地上補完信号受信手段52、復号キー取得手段53、復号化手段54、位置情報登録要求手段55及び受信位置情報記憶手段56等を有する。
通信I/F手段51は、CPU5010及び通信回路5040の処理によって実現され、無線LANによりデータの送受信を行う。
地上補完信号受信手段52は、CPU4010及び通信回路4040の処理によって実現され、配信装置3から送信されるIMESメッセージを受信する。地上補完信号受信手段52は、IMESメッセージに位置情報が含まれている場合、受信位置情報記憶手段56にその位置情報を記憶する。また、地上補完信号受信手段52は、位置情報が含まれたIMESメッセージの受信後に、証明書が含まれたIMESメッセージを受信した場合、その証明書に含まれる暗号化されたデジタル署名を復号するための復号キーの取得処理を、復号キー取得手段53に要求する。
復号キー取得手段53は、CPU5010の処理によって実現され、認証サーバ8に対して復号キー取得要求を送信し、復号キーを取得する。
復号化手段54は、CPU5010の処理によって実現され、取得した復号キーに基づき、受信した証明書に含まれるデジタル署名を復号化し、復号化が成功した場合、位置情報登録要求手段55に、位置情報登録処理の実行を要求する。
位置情報登録要求手段55は、CPU5010の処理によって実現され、管理サーバ9に自機の位置情報を登録させるための位置情報登録要求を生成し、生成した位置情報登録要求を配信装置3に送信する。位置情報登録要求には、通信端末5の識別情報(例えばMACアドレス)及び受信位置情報記憶手段56に記憶される位置情報が含まれる。
<ゲートウェイ装置>
ゲートウェイ装置7は、通信I/F手段71及び通信変換手段72等を有する。
通信I/F手段71は、CPU7010及び通信回路7040並びにCPU8010及びI/F8080bの処理によって実現され、配信装置3及び管理サーバ9と各種データの送受信を行う。
通信変換手段72は、CPU8010及びイーサネットコントローラ8050の処理によって実現される。通信変換手段72は、通信方式を変換することで、配信装置3から送信されたデータを、イーサネットのパケット通信ができるように制御する。
(動作手順)
次に、一実施形態の位置情報設定システム1において、位置情報が設定されていない配信装置3に対して、位置情報が設定されるまでの動作手順を説明する。図58は、一実施形態における位置情報設定システム1の動作手順の一例を示すシーケンス図である。図58に示されるシーケンス図の初期状態において、配信装置3には位置情報が設定されていない。また、管理端末6を所持する管理者は、屋外に位置している。
配信装置3の地上補完信号生成・配信手段33は、位置情報記憶手段35に位置情報が記憶されていないため、配信装置3の識別情報を含むIMESメッセージ(図50参照)を、所定の周期(1秒周期)で所定の範囲に対して配信している(S5802)。
管理端末6を所持する管理者は、管理端末6のタッチパネル6370を操作し、自律航法アプリ60を起動させ、図54(a)に示される画面を表示させ、画面に表示される「開始」ボタンを押下し、自律航法による測位を開始させる(S5804)。自律航法測位手段62は、GPS測位により自律航法の測位のための起点とする位置情報を取得し、自律航法による測位を開始する(S5806)。
管理者は、屋外から位置情報を設定する対象の配信装置3が設置される建物に向かって移動する。そして、管理者は、位置情報を設定する対象の配信装置3の設置場所に移動すると、自律航法測位手段62は自律航法による測位によりその地点における緯度、経度を取得する(S5808)。そして、管理者は、管理端末6に管理端末6のタッチパネル6370を操作し、管理端末6に表示される図54(c)に示される画面に基づき、移動した地点の「階数」及び「棟番号」を入力し、「保存」ボタンを押下する(S5810)。これにより、推定位置情報記憶手段67に、自律航法により測位された「緯度」、「経度」及び管理者により入力された「階数」、「棟番号」が記憶される(S5812)。
管理端末6の地上補完信号受信手段63は、配信装置3から所定の周期(1秒周期)で配信されているIMESメッセージを受信する(S5814)。このIMESメッセージは、ステップS5802の場合同様に、配信装置3に位置情報が設定されていないため、配信装置3の識別情報が含まれている。地上補完信号受信手段63は、IMESメッセージに含まれる配信装置3の識別情報を、認証要求手段64に通知する。
認証要求手段64は、推定位置情報記憶手段67に記憶されている「緯度」及び「経度」と受信したIMESメッセージに含まれる配信装置3の識別情報とを含む認証要求を生成する(S5816)。認証要求手段64は、通信I/F手段61を介して、管理サーバ9に認証要求を送信する(S5818)。
管理サーバ9の認証要求転送手段92は、受信した認証要求に自機(管理サーバ9)の識別情報を付加し、認証サーバ8に認証要求を送信する(S5820)。認証サーバ8の認証要求受付手段82は、管理サーバ9からの認証要求を受信すると、受信した認証要求を認証判定手段83に通知する。
認証判定手段83は、認証要求を行った管理端末6が配信装置3に位置情報を設定するための設定権限の有無を判定する(S5822)。なお、認証判定手段83による認証処理は、上述した図57の処理手順に基づき実行される。ここで、認証判定手段83により、認証要求を行った管理端末6が設定権限を有すると判定されると、証明書/復号キー生成手段84は、証明書を生成する(S5824)。この証明書は、配信装置3の識別情報毎に一意に生成され、所定の復号キーにより復号が可能なように暗号化がなされている。証明書/復号キー生成手段84は、生成した証明書と認証結果とを認証要求応答手段85に通知する。なお、設定権限が無いという認証結果の場合は、ステップS5824の証明書の生成処理は実行されない。認証要求応答手段85は、認証結果及び生成された場合における証明書を含む認証要求応答を生成し、管理サーバ9に送信する(S5826)。
管理サーバ9の認証要求応答転送手段93は、認証要求応答を受信すると、認証要求を行った管理端末6に認証要求応答を送信する(S5828)。
管理端末6の認証要求応答受付手段65は、受信した認証結果及び証明書を受信すると、位置情報設定要求手段66に通知する。位置情報設定要求手段66は、設定権限を有するという認証結果である場合、推定位置情報記憶手段67から読み出した位置情報(「緯度」、「経度」、「階数」、「棟番号」)と受信した証明書とを含む位置情報設定要求を生成する(S5830)。そして、位置情報設定要求手段66は、近距離無線通信により、配信装置3に位置情報設定要求を送信する(S5832)。
配信装置3の位置情報設定要求受付手段32が位置情報設定要求を受け付けると、位置情報記憶手段35に、位置情報設定要求に含まれている位置情報及び証明書を記憶する(S5834)。そして、地上補完信号生成・配信手段33は、位置情報記憶手段35に記憶されている位置情報を読み出し、所定の周期(例えば1秒周期)で所定の範囲に対して、位置情報を含むIMESメッセージ(図49参照)を配信する(S5836)。
上述した動作手順により、位置情報設定システム1は、位置情報が設定されていない配信装置3に対して、自律航法により測位された位置情報を配信装置3に設定できる。また、このとき管理端末6が配信装置3に設定するための設定権限の有無及び設定しようとする位置情報の真正性の判定が行われる。
これにより、屋内において位置情報が不明である場合において、管理者は自律航法による測位に基づき位置情報を簡易に推定し、その位置情報を配信装置3に設定できる。したがって、GPS信号を受信できない場合や配信装置3の設置場所の地図情報が無い場合でも、屋内の緯度及び経度を特定できる。
また、一実施形態によれば、予め定められた配信装置3の設定権限を有さないと、配信装置3に位置情報を設定できない。そのため、配信装置3に位置情報を設定しようとする管理端末6の設定権限の有無を判定することにより、第三者により不正に設定されてしまうことを防止できる。
また、配信装置3に設定しようとする位置情報が適当であるか否かを判定することにより、誤った位置情報が設定されてしまうことを回避できる。これにより、配信装置3に精度の高い位置情報を設定でき、通信端末5の位置情報も正確に管理できる。
(変形例(その1))
一実施形態の第1の変形例では、認証サーバ8による認証処理を行わず、そのため、認証サーバ8を必要としない。これにより、より簡易なシステム構成により位置情報設定システム1を利用できる。なお、第1の変形例では、一実施形態において認証サーバ8が有する証明書/復号キー生成手段84に相当する機能を、管理サーバ9が有する。
図59は、一実施形態の第1の変形例における位置情報設定システム1の動作手順の一例を示すシーケンス図である。なお、図59において、図58と同一の処理には、同一のステップ番号を付与しており、これらの詳細な説明は省略する。
ステップS5802〜S5814の動作は、図58に示すシーケンスと同じである。
管理端末6の地上補完信号受信手段63が、配信装置3の識別情報を含むIMESメッセージを受信する(S5814)と、認証要求手段64は、配信装置3の識別情報を含む証明書発行要求を生成する(S5816a)。次に、管理端末6から管理サーバ9に証明書発行要求を送信する(S5818a)。管理サーバ9は、証明書発行要求を受信すると、証明書発行要求に含まれる配信装置3の識別情報毎の証明書を生成する(S5824a)。そして、管理サーバ9は、生成した証明書を含む証明書発行要求応答を管理端末6に送信する(S5828a)。次のステップS5830以降の処理は、図58の例と同じである。
なお、より簡易に位置情報設定しシステム1を使用するためには、位置情報設定システム1において証明書自体を使用(生成)しないようにしてもよい。
第1の変形例によれば、認証サーバ8を必要としないため、一実施形態の構成に比べ、簡易に位置情報設定システム1を構築でき、ハードウェアに要するコストを削減できる。
(変形例(その2))
一実施形態の第2の変形例では、配信装置3において、自機に設定されている位置情報が、管理端末6による位置情報設定要求に基づく位置情報であるのか又は管理者による手入力等による位置情報であるかを識別し管理する。そして、配信装置3が配信するIMESメッセージにおいてこれらが識別できるように、3ビットのメッセージタイプMSG Typeを設定する。また、IMESメッセージの受信側である通信端末5及び管理端末6において、各メッセージタイプを識別し、例えば各端末の表示部に表示できるようにしてもよい。また、例えば通信端末5が生成する位置情報登録要求に、各メッセージタイプを識別する情報を含めるようにしてもよい。
図60は、一実施形態の第2の変形例における配信装置3が配信するIMESメッセージのフレーム構造に含まれるメッセージタイプの設定例を示す図である。図60に示されるように、推定位置情報(位置情報設定要求)に基づく位置情報が配信装置3に設定されている場合は、MSG Typeに「110」を設定する。なお、この場合のその他のフレーム構造は、図49に示されるフレーム構造と同じである。
第2の変形例によれば、自律航法による推定された位置情報であるのか又はより正確性の高い位置情報であるのかを簡易に区別し、位置情報を管理できる。
以上、本発明は特定の実施形態、実施例を参照しながら説明されてきたが、各実施形態、実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。また、各実施例、実施形態、変形例が必要に応じて組み合わされてもよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が包含される。