JP6173561B2 - 液圧車両ブレーキシステムのための内接歯車ポンプ - Google Patents

Description

本発明は、請求項１の前文の構成要件を有する内接歯車ポンプに関する。このような内接歯車ポンプは、スリップ制御式および／または外力式の車両ブレーキシステムで、通常用いられるピストンポンプの代わりとして採用されており、しばしば、必ずしも適切というわけではないがリターンポンプとも呼ばれている。

内接歯車ポンプは公知である。内接歯車ポンプは、ピニオンすなわち外歯のある歯車を有しており、このピニオンは内歯のあるリングギヤの中で偏心的に配置されるとともに、円周の１つの個所ないし１つの円周区域でリングギヤと噛み合っている。ピニオンとリングギヤは、内接歯車ポンプの歯車として把握することができる。これら両方の歯車のうちの一方が、通常はピニオンが、回転駆動されることによって、他方の歯車も、通常はリングギヤも、一緒に回転駆動されて、内接歯車ポンプが周知の仕方で流体を送出し、液圧車両ブレーキシステムにおいてはブレーキ液を送出する。

ピニオンがリングギヤと噛み合う円周区域に向かい合って、内接歯車ポンプは、ピニオンとリングギヤの間の三日月形の自由空間を有しており、ここではこれをポンプ室と呼ぶ。ポンプ室には、ポンプ室を吸込室と圧力室に区分する分離片が配置されている。分離片はその典型的な形状に基づき、クレセントまたはクレセント片とも呼ばれ、さらに別の名称として充填片がある。典型的には中空円である分離片の内面はピニオンの歯の歯先に当接しており、典型的には外方に向かって湾曲している分離片の外面はリングギヤの歯の歯先に当接しており、それにより分離片は、内接歯車ポンプのそれぞれの歯車の歯の間の歯中間スペースで流体容積を包囲している。回転駆動によって、これらの歯車が流体を歯中間スペースで吸込側から圧力側へ送出する。

特許文献１は、このような種類の内接歯車ポンプを開示しており、その分離片は多部分でできており、ピニオンの歯の歯先に内面が当接する内側部分と、リングギヤの歯の歯先に外面が当接する外側部分とを有している。

ドイツ特許出願公開第１０２００９０４７６４３Ａ１号明細書

請求項１の構成要件を有する本発明の内接歯車ポンプは、ピニオンの歯の歯先に当接する内側部分と、リングギヤの歯の歯先に当接する外側部分とを備える多部分からなる分離片を有している。分離片の内側部分と外側部分は半径方向で相互に可動である。「半径方向」とは、あとでまた使用する「円周方向」という表現と同様に、内接歯車ポンプおよび各部品の意図される取付状態を基準とするものである。回転方向とは、ピニオンおよびリングギヤの意図される回転方向を意味している。内接歯車ポンプの半径方向への内側部分と外側部分の可動性は、内接歯車ポンプのそれぞれの歯車の歯の歯先への、内側部分と外側部分の意図される当接を可能にする。内側部分は外面で圧力付勢され、それにより、内方に向かってピニオンの歯の歯先に対して押圧され、外側部分は内面で圧力付勢され、それにより、外方に向かってリングギヤの歯の歯先に対して押圧される。圧力付勢は、特に、好ましくは内接歯車ポンプの圧力室と連通する、内側部分と外側部分の間の中間スペースで行われる。吸込室から圧力室を封止するために、分離片の内側部分と外側部分は封止個所で相互に封止される。封止個所は、シール材が配置されている個所および／または内側部分と外側部分が封止のために直接的に互いに当接する個所である。複数の封止個所があるとき、内接歯車ポンプの回転方向と反対向きに一番前の封止個所が意味されており、すなわち、吸込室のもっとも近くに位置する封止個所が意味されている。本発明によると内側部分と外側部分は、内接歯車ポンプの円周方向で内接歯車ポンプの回転方向と反対向きに、内側部分と外側部分が常に、すなわち歯車の任意の回転位置で、内側部分と外側部分の間の封止個所の前で各歯車の歯の少なくとも１つの歯先に当接する程度まで、封止個所から突き出している。ピニオンまたはリングギヤの歯が円周方向で見て封止個所の高さにあるとき、回転方向で見て封止個所の前で、内側部分と外側部分がピニオンないしリングギヤの別の歯の少なくとも１つの歯先に当接する。各歯車の回転方向で内側部分と外側部分の間の封止個所の前で分離片の内側部分と外側部分がこのように当接することは、回転方向で見て封止個所の前では内側部分と外側部分を旋回しないように互いに離れるように支持し、すなわち内側部分を内方に向かって、外側部分を外方に向かって支持し、また、回転方向で見て封止個所の後では互いに近づくように、すなわち各歯車の歯の歯先から遠ざかるように支持する。本発明は、内側部分と外側部分が旋回して、回転方向で見て封止個所の後にある、すなわち圧力室のほうを向く端部で、互いに近づくように動き、その結果として各歯車の歯先から浮き上がることを回避する。

従属請求項は、請求項１に記載されている発明の好ましい実施形態と発展例を対象としている。

請求項３の対象物は、ピニオンおよび／またはリングギヤの歯の歯中間スペースが圧力室と連通するパイロット制御部である。パイロット制御の目的は、歯中間スペースが歯車の回転時に圧力室に対して開いたとき、歯中間スペースで円周方向に圧力室まで連続する圧力生成をして、急激な圧力上昇を回避することにある。パイロット制御部は、典型的な場合、半径方向で見て各歯車の歯の歯先と歯底の間の高さにあり、圧力室から多少とも長い区間にわたって分離片に沿って延びる、断面の小さな刻み目によって具体化される。この刻み目は、各歯車の側壁または端面の軸方向ディスクにあり、各歯車の歯に向かって開いている。刻み目により、歯中間スペースが分離片の領域で圧力室と連通し、このとき刻み目の断面は、歯中間スペースの圧力を円周方向で急激にでなく連続的に上昇させる絞り作用が生じる程度に小さい。刻み目は、スロットルとして狭隘個所を有することもできる。上述した刻み目以外のパイロット制御部も、本発明によって排除されない。本発明によると、パイロット制御部は各歯車の回転方向で見て分離片の内側部分と外側部分との封止個所のところで終わっており、または封止個所の後で終わっており、それにより歯中間スペースでは、円周方向で見て封止個所またはその後で初めて圧力が生成される。このような本発明の実施形態は、歯中間スペースで生じる圧力が分離片の内側部分を外方に向かって、および／または外側部分を内方に向かって押圧して、各歯車の歯の歯先から浮き上がらせるのを防止する。

本発明による内接歯車ポンプは、特に、液圧式、スリップ制御式、および／または外力式の車両ブレーキシステムのためのハイドロポンプとして意図される。スリップ制御式の車両ブレーキシステムでは、ハイドロポンプはリターンポンプとも呼ばれており、今日では主としてピストンポンプとして施工される。

次に、図面に示されている実施形態を参照しながら本発明について詳しく説明する。

本発明による内接歯車ポンプを示す端面図である。

図面に示す本発明の内接歯車ポンプ１は、ポンプハウジングなしで図示されている。内接歯車ポンプは、ここではピニオン２と呼ぶ外歯のある歯車と、ここではリングギヤ３と呼ぶ内歯のある歯車とを有している。ピニオン２は軸平行かつ偏心的にリングギヤ３の中に配置されており、ピニオン２とリングギヤ３が噛み合うようになっている。ピニオン２はポンプシャフト４で回転不能になっており、このポンプシャフトによって、ピニオン２およびピニオン２を介してこれと噛み合うリングギヤ３を回転駆動可能である。回転方向は矢印Ｐで図示されている。

ピニオン２がリングギヤ３と噛み合う円周区域と向かい合うように、内接歯車ポンプ１は、ここではポンプ室６と呼ぶ三日月形の自由空間を有している。ポンプ室６には、ポンプ室６を吸込室８と圧力室９に分割する、同じく三日月形または半三日月形をした多部分からなる分離片７が配置されている。吸込室８は、穴として施工されていて横方向に、すなわち内接歯車ポンプ１に対して軸平行に、ポンプ室６の吸込室８へ一方の側から開口するポンプ取込部１０と連通している。圧力室９は、本実施形態では円弧状のスリットとして施工され、ポンプ室６の圧力室９へ一方の側から開口するポンプ吐出部１１と連通している。円弧状のポンプ吐出部１１は部分的に分離片７で覆われており、円周方向で、分離片７の圧力側端部よりも若干遠くまでポンプ室６の圧力室９に突き出している。

多部分からなる分離片７は、円弧状の内側部分１２と、同じく円弧状かつアーチ状の外側部分１３とを有している。内側部分１２の凹面状、円筒状の内面はピニオン２の歯の歯先に当接し、外側部分１３の凸面状、円筒状の外面はリングギヤ３の歯の歯先に当接する。ピニオン２およびリングギヤ３の歯先への当接により、分離片７の内側部分１２と外側部分１３は、ピニオン２とリングギヤ３のそれぞれの歯の間の歯中間スペースで流体を取り囲み、それにより、ピニオン２とリングギヤ３が回転駆動されたときに、流体が吸込室８から圧力室９へと送出される。液圧車両ブレーキシステムのハイドロポンプとしての内接歯車ポンプ１の使用が意図されるケースでは、送出される流体はブレーキ液である。

外側部分１３はその内面に切欠きを有しており、その中に内側部分１２が入っている。分離片７の外側部分１３は、歯車２，３の回転方向Ｐで見て後側の端部に、すなわち圧力室９のほうを向いている端部に、回転方向Ｐで見て内側部分１２の後側の端部の周囲に後方から係合する、内方を向く屈曲部１４を有している。外側部分１３は、円周方向で見て長手方向中心と、回転方向Ｐで前側すなわち吸込室８のほうを向く端部との間に、内側部分１２が中に入っている切欠きに段部１５を有しており、この段部のところで、切欠きは接線方向区域から、外方に向かって延びる半径方向区域へと移行し、次いで凸面状に湾曲した円周方向に延びる区域へと移行しており、この区域は外側部分１３の後側端部に向かって延びている。外側部分１３の段部１５の半径方向に延びている面に、内側部分１２が対応段部１６によって当接する。分離片７の外側部分１３の屈曲部１４と段部１５はいずれも内接歯車ポンプ１に対して半径方向に延びており、すなわち、屈曲部１４と段部１５の間の中間スペースは内方に向かって狭くなっている。それにより、内側部分１２は半径方向で遊びをもって外側部分１３の切欠きに保持されており、内側部分１２は半径方向で外側部分１３の切欠きから外に出ることができない。屈曲部１４と段部１５は、回転方向Ｐで見て、内側部分１２の後側の端部と対応段部１６とに後方から係合する。遊びによって内側部分と外側部分１３は、内接歯車ポンプ１の半径方向で相互に可動である。

内側部分１２と外側部分１３の間には、スリット状のポンプ吐出部１１を通して内接歯車ポンプ１の圧力室９と連通する間隙がある。内側部分１２と外側部分１３の間の間隙では圧力室９と同じ圧力が生じており、すなわち、内接歯車ポンプ１の吐出圧力が生じている。この吐出圧力は、内側部分１２を内方に向かってピニオン２の歯の歯先に対して付勢するとともに、外側部分１３を外方に向かってリングギヤ３の歯の歯先に対して付勢する。

内側部分１２と外側部分１３の間の間隙には、内側部分１２と外側部分１３を互いに離れるように押圧し、それによって内側部分１２を内方に向かってピニオンの歯の歯先に対して押圧するとともに、外側部分１３を外方に向かってリングギヤ３の歯の歯先に対して押圧する板ばね１７が配置されている。板ばね１７は、特に内接歯車ポンプ１が無圧のときに、たとえば静止しているときに、内側部分１２と外側部分１３が、ピニオン２およびリングギヤ３の歯の歯先に当接するように作用する。

外側部分１３の段部１５には弾性的なシール部材１８が、内側部分１２および外側部分１３の円周方向に延びる面の間に入っている。シール部材１８は分離片７の内側部分１２と外側部分１３の間で封止をし、それにより、圧力室９が吸込室８から封止されるようになっている。さらに、互いに当接している外側部分１３の段部１５と内側部分１２の対応段部１６は、それぞれの直接的な当接によって封止をする。このような直接的な当接による封止はメタルシールとして把握することもでき、そのために前提となるのは、内側部分１２と外側部分１３が金属でできていることにある。対応段部１６への段部１５の直接的な当接によっても、圧力室９と吸込室８が相互に封止される。シール部材１８がある場所、ないし内側部分１２の対応段部１６が外側部分１３の段部１５に当接する個所は、圧力室９と吸込室８が相互に封止される封止個所１９として把握することもできる。弾性的なシール部材１８は内側部分１２と外側部分１３を互いに離れるように押圧し、それにより、内側部分１２を内方に向かってピニオン２の歯の歯先に対して押圧するとともに、外側部分１３を外方に向かってリングギヤ３の歯の歯先に対して押圧する。シール部材１８が存在している場合、板ばね１７を場合により省略することができる。特に内接歯車ポンプ１が無圧のとき、シール部材１８が内側部分１２と外側部分１３の間の封止を惹起する。内接歯車ポンプ１の作動時には、圧力室９で生じている内接歯車ポンプ１の吐出圧力が内側部分１２を歯車２，３の回転方向Ｐと反対向きに付勢し、それに伴って内側部分１２の対応段部１６を外側部分１３の段部１５へ密封式に当接するように付勢する。内接歯車ポンプ１の作動時に、回転するピニオン２の歯の歯先と内側部分１２との間の摩擦が、内側部分１２の対応段部１６を外側部分１３の段部１５から浮き上がらせたときでも、シール部材１８が確実な封止を生じさせるように作用する。円周方向で見て、シール部材１８と、外側部分１３の段部１５に当接する内側部分１２の対応段部１６とはほぼ同一の個所で封止をしており、したがって、１つの封止個所１９という表現を用いることができる。

内側部分１２、外側部分１３、板ばね１７、およびシール部材１８を備える分離片７は、予備組立されて全体として内接歯車ポンプ１の歯車２，３の間のポンプ室６へ挿入されるモジュールを形成する。内側部分１２と外側部分１３を互いに離れるように押圧し、その際に回転方向Ｐで見て内側部分１２の後側の端部を屈曲部１４に向かって押圧するとともに、内側部分１２の対応段部１６を外側部分１３の段部１５に向かって押圧する板ばね１７は、分離片７が構成されるモジュールを形成する内側部分１２、外側部分１３、板ばね１７そのもの、およびシール部材１８を統合し、分離片７が内接歯車ポンプ１のポンプ室６で適用されている限りにおいて、各部分がばらばらになるのを防ぐ。

回転方向Ｐと反対向きに、すなわち吸込室８の方向に、分離片７の内側部分１２と外側部分１３は封止個所１９よりも突き出しており、すなわち、それぞれピニオン２ないしリングギヤ３の歯の歯間隔よりも大きく突き出している。したがって、回転方向Ｐで見て封止個所１９の前で、内側部分１２は常にピニオン２の歯の歯先に内方に向かって支持されており、外側部分１３はリングギヤ３の歯の歯先に外方に向かって支持される。ピニオン１２およびリングギヤ３の歯の歯先でのこのような内側部分１２と外側部分１３の支持は、内側部分１２が封止個所１９の前で内方に向かって旋回したり、外側部分１３が封止個所１９の前で外方に向かって旋回することを防止する。それにより、回転方向Ｐで見て封止個所１９の後で内側部分１２が外方に向かって旋回したり外側部分１３が内方に向かって旋回し、そのためにピニオン２およびリングギヤ３の歯の歯先から浮き上がってしまうことが防止される。内側部分１２と外側部分１３は、封止個所１９よりも回転方向Ｐと反対向きに突出することで、回転方向で見て封止個所１９の後でピニオン２およびリングギヤ３の歯の歯先に当接するように保持される。

内接歯車ポンプ１は、パイロット制御刻み目２０を有しており、これを通してピニオン２の歯とリングギヤ３の歯の間の歯中間スペースが圧力室９と連通している。パイロット制御刻み目２０は、ピニオン２、リングギヤ３、および分離片７が側方で当接する側壁または軸方向ディスクに刻まれた、小さな断面積をもつ断面が三角形の溝である。パイロット制御刻み目２０のこれ以外の断面形状も可能であり、たとえば面取りされた形状、正方形または長方形、台形などの形状が可能である。半径方向で見たとき、パイロット制御刻み目２０は、ピニオン２およびリングギヤ３の歯の歯先と歯底との間にあり、圧力室９から若干遠くまで円周方向へ歯車２，３の回転方向Ｐと反対向きに延びている。パイロット制御刻み目２０は回転方向Ｐと反対向きに先細になっており、回転方向Ｐで見て封止個所１９の後で終わっている。パイロット制御刻み目２０の断面は、スロットルとして作用して、圧力室９から歯中間スペースへの流体流を絞る程度に小さい。それにより歯中間スペースの圧力は、回転方向Ｐで見て封止個所１９の後で、吸込室８の圧力から、圧力室９の吐出圧力へと連続的に上昇していく。パイロット制御刻み目２０が回転方向Ｐで見て封止個所１９の後で初めて始まっていることにより、内側からの内側部分１２の圧力付勢、および外側からの外側部分１３の圧力付勢が回転方向Ｐで見て封止個所１９の前で回避され、および、それに伴って内側部分１２と外側部分１３の圧縮と、ピニオン２およびリングギヤ３の歯の歯先からの浮き上がりとが、吸込室８のほうを向いている前側の端部のところで回避される。パイロット制御刻み目２０は、一般に、内接歯車ポンプ１のパイロット制御部として把握することもできる。

円周方向で圧力室９の吐出圧力に抗して、分離片７の外側部分１３は、外側部分１３の前側端部に配置されてポンプ室６をそこで横向きに貫通するボルトに支持されている。外側部分１３の前側端部に当接するための平坦部を有するボルトは、ここでは受け部２１と呼ぶ。外側部分１３の前側端部の穴を横向きに貫通するピン２２が、外側部分１３を円周方向で、回転するリングギヤ３と一緒に動かないよう保持する。内側部分１２はその対応段部１６で外側部分１３の段部１５に回転方向Ｐと反対向きに、圧力室９での圧力付勢に抗して支持される。回転方向Ｐでは内側部分１２は、外側部分１３の屈曲部１４により固定されている。

本発明による内接歯車ポンプ１は、図示しない液圧式、スリップ制御式、および／または外力式の車両ブレーキシステムのハイドロポンプとして意図されており、そこでブレーキブロック防止、駆動スリップコントロール、および／またはドライブダイナミックコントロールのようなスリップ制御のために用いられ、および／または液圧式の外力式車両ブレーキシステムでブレーキ圧力生成のために用いられる。このようなハイドロポンプは、必ずしも妥当ではないがリターンポンプとも呼ばれる。上述したスリップ制御についてはＡＢＳ，ＡＳＲ，ＦＤＲおよびＥＳＰの略称が慣用されている。ドライブダイナミックコントロールは日常用語では横滑り防止制御とも呼ばれる。

１ 内接歯車ポンプ
２ ピニオン
３ リングギヤ
６ ポンプ室
７ 分離片
８ 吸込室
９ 圧力室
１２ 内側部分
１３ 外側部分
１８ シール部材
１９ 封止個所

Claims (8)

1. 液圧車両ブレーキシステムのための内接歯車ポンプであって、内歯のあるリングギヤ（３）と、前記リングギヤ（３）の中で偏心的に配置され、円周区域で前記リングギヤ（３）とかみ合う外歯のあるピニオン（２）とを有しており、前記ピニオン（２）が前記リングギヤ（３）と噛み合う円周区域に向かい合うように三日月形のポンプ室（６）が前記ピニオン（２）と前記リングギヤ（３）の間にあり、該ポンプ室には吸込室（８）と圧力室（９）に前記ポンプ室（６）を分割する分離片（７）が配置されており、前記分離片（７）は半径方向へ相互に可動である内側部分（１２）と外側部分（１３）とを有しており、前記内側部分（１２）は前記ピニオン（２）の歯の歯先に当接し、外側で圧力付勢されて、内方に向かって前記ピニオン（２）の歯の歯先に対して押圧され、前記外側部分（１３）は前記リングギヤ（３）の歯の歯先に当接し、内側で圧力付勢されて、外方に向かって前記リングギヤ（３）の歯の歯先に対して押圧され、前記内側部分（１２）と前記外側部分（１３）は前記圧力室（９）を前記吸込室（８）から封止するために封止個所（１９）で相互に封止されている、そのような内接歯車ポンプにおいて、前記内側部分（１２）と前記外側部分（１３）は円周方向で前記内接歯車ポンプ（１）の回転方向（Ｐ）と反対向きに、前記内側部分（１２）と前記外側部分（１３）が常に前記封止個所（１９）の前で前記ピニオン（２）ないし前記リングギヤ（３）の歯の少なくとも１つの歯先に当接する程度まで、前記封止個所（１９）から突き出していることを特徴とする内接歯車ポンプ。
2. 前記内側部分（１２）と前記外側部分（１３）の間の中間スペースは前記圧力室（９）と連通していることを特徴とする、請求項１に記載の内接歯車ポンプ。
3. 前記内接歯車ポンプ（１）は前記ピニオン（２）および／または前記リングギヤ（３）の歯の間の歯中間スペースが前記圧力室（９）と連通するパイロット制御部を有しており、前記パイロット制御部は円周方向に前記内接歯車ポンプ（１）の回転方向（Ｐ）で前記封止個所（１９）の前からは始まっていないことを特徴とする、請求項１に記載の内接歯車ポンプ。
4. 前記内側部分（１２）または前記外側部分（１３）は円周方向で前記内接歯車ポンプ（１）の回転方向（Ｐ）および／またはこれと反対向きに保持されており、前記外側部分（１３）は前記内側部分（１２）に、または前記内側部分（１２）は前記外側部分（１３）に、円周方向で前記内接歯車ポンプ（１）の回転方向（Ｐ）に、またはこれと反対向きに保持されていることを特徴とする、請求項１に記載の内接歯車ポンプ。
5. 前記吸込室（８）から前記圧力室（９）を封止するために前記内側部分（１２）と前記外側部分（１３）は前記封止個所（１９）で互いに直接的に当接していることを特徴とする、請求項１に記載の内接歯車ポンプ。
6. 前記分離片（７）は前記内接歯車ポンプ（１）の円周方向で前記内側部分（１２）と前記外側部分（１３）が互いに直接的に当接する個所に配置されたシール部材（１８）を有していることを特徴とする、請求項５に記載の内接歯車ポンプ。
7. 前記内側部分（１２）と前記外側部分（１３）は半径方向で遊びをもって互いに係合していることを特徴とする、請求項１に記載の内接歯車ポンプ。
8. 前記分離片（７）のコンポーネント（１２，１３，１７，１８，２２）は予備組立されたモジュールを形成することを特徴とする、請求項１に記載の内接歯車ポンプ。

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