JP6171783B2 - 触診センサおよび触診システム - Google Patents

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Description

本発明は、触診センサおよび触診システムに関する。
客観的かつ正確なデータを取得する腹力測定装置が開発されている。例えば、特許文献1は、腹部表面を押圧する押圧部と、腹部表面が押圧部を押し返す腹力を測定電圧として出力するセンサ部と、を備える腹力測定装置を開示している。
特開2005−261546号公報
しかしながら、特許文献1の技術を用いた腹診データの測定は医者の腹診過程と分離されているため、医者が有用な情報を触知すると同時に即時即場的に有用な情報を取得することができない。この課題を解決するために、面積の大きいシート状圧力センサを用いることが考えられる。しかしながら、面積の大きいシート状圧力センサを用いた場合、配線で生じる電磁ノイズや寄生容量の影響が考えられる。
1つの側面では、本件は、高精度測定が可能な触診センサおよび触診システムを提供することを目的とする。
1つの態様では、触診センサは、少なくとも1つの第1電極、および前記第1電極に接続された配線が設けられたシート部材と、前記シート部材と分離して設けられた第2電極と、前記第1電極または前記第2電極に固定された圧電膜と、を備える。
1つの態様では、触診システムは、上記触診センサと、前記触診センサの検出結果に基づいて、人体の位置と当該位置における圧力を格納する格納部と、を備える。
高精度測定が可能である。
(a)〜(c)は比較例に係る触診センサを説明するための図である。 (a)〜(e)は実施例1に係る触診センサを説明するための図である。 (a)〜(c)は他の例を説明するための図である。 (a)〜(e)は実施例2に係る触診センサを説明するための図である。 (a)〜(e)は実施例3に係る触診センサを説明するための図である。 (a)〜(e)は実施例4に係る触診センサを説明するための図である。 (a)および(b)は実施例5に係る触診センサを説明するための図である。 (a)および(b)は実施例6に係る触診センサを説明するための図である。 (a)および(b)は実施例7に係る触診システムを説明するための図である。 (a)はフローチャートであり、(b)はテーブルである。 フローチャートの例である。 フローチャートの例である。
実施例の説明に先立って、比較例に係る触診センサ200について説明する。図1(a)は、触診センサ200を表す図である。図1(a)で例示するように、触診センサ200は、シート状のセンサであり、人体の腹部などに載置される。また、触診センサ200は、複数のセンシングセル201がシート面内で互いに離間して分散して配置された構造を有する。
図1(c)で例示するように、センシングセル201は、上部電極202と下部電極203とによってセンシング薄膜204が挟持された構造を有する。上部電極202、下部電極203、およびセンシング薄膜204は、絶縁膜205によって覆われている。図1(b)で例示するように、シート面内には、センシングセル201の出力電圧を外部に取り出すための上面配線206および下面配線207が設けられている。上面配線206は、各センシングセル201の上部電極202に独立して接続される複数の配線を含む。下面配線207は、各センシングセル201の下部電極203に独立して接続される複数の配線を含む。
触診センサ200では、出力電圧と、出力電圧が検出されているセンシングセル201とを特定することによって、出力電圧に応じた大きさの圧力と、出力電圧が検出される箇所とを検出することができる。しかしながら、触診センサ200では、上面配線206および下面配線207がシート面内に設けられていることから、配線で生じる電磁ノイズや寄生容量の影響によって測定精度が低下することが考えられる。そこで、以下の実施例では、高精度測定が可能な触診センサおよび触診システムについて説明する。
図2(a)は、実施例1に係る触診センサ100の下面側(人体側)を表す図である。図2(a)で例示するように、触診センサ100は、シート状のセンサであり、複数の下部電極12がシート面内で互いに離間して分散して配置された構造を有する。触診センサ100は、シート面全体にわたって設けられた1枚のセンシング薄膜11を備える。センシング薄膜11は、圧力の印加により、内部分極を起こすピエゾ膜、有機エレクトレット材料などの圧電膜で構成される。また、印加電圧による容量変化型や抵抗値変化型の圧電膜を用いてもよい。また、センシング薄膜11は、シート面全体にわたって設けられていない場合には、少なくとも2つの下部電極12にまたがって設けられていればよい。
図2(b)で例示するように、センシング薄膜11の下面には、複数の下部電極12がシート面内で互いに離間して分散するように配置されている。センシング薄膜11の下面の露出部および下部電極12は、絶縁膜13によって覆われている。触診センサ100においては、下部電極12が設けられている各領域がセンシングセルの領域として機能する。図2(a)で例示するように、各下部電極12に独立して接続される複数の配線からなる下面配線14が設けられている。
図2(c)で例示するように、上部電極15は、指先に装着されている。上部電極15は、複数設けられていてもよい。複数の上部電極15が設けられている場合には、各上部電極15は、それぞれ異なる指先に装着されていてもよい。上部電極15には、上部電極用配線16が接続されている。図2(d)で例示するように、上部電極15と指先との間には、絶縁膜17が介在する。絶縁膜17は、上部電極15を指先に装着するための絶縁性粘着シール等である。絶縁膜17が指先と上部電極15との間に介在することによって、上部電極15に対する電気的な影響が抑制される。
図2(e)で例示するように、指先をセンシング薄膜11に対して押圧することによって、センシング薄膜11の押圧されている領域が電圧を発生し、上部電極15と下部電極12とから当該電圧を取り出すことができる。各センシングセルの位置が予め定まっているため、電圧が検出されるセンシングセルを特定することによって、電圧が検出される位置を取得することができる。また、検出される電圧に応じて、押圧力(例えば腹力)を取得することができる。
本実施例によれば、シート状のセンシング薄膜11から上部電極15および上部電極用配線16が分離されていることから、シート面内に上部電極を設ける必要がなく、上面配線を設けなくてもよい。それにより、シート面内における配線数を削減することができる。その結果、配線で生じる電磁ノイズや寄生容量の影響を低減することができ、高精度測定が可能となる。
なお、図3(a)で例示するように、下部電極12の下面に、絶縁膜13を介して突起20が設けられていてもよい。突起20を設けることによって、各センシングセルと生体部との接触性が向上し、各センシングセルの感度が向上する。図3(b)で例示するように、突起20は、絶縁膜17の上部電極15と反対側に設けられていてもよい。この構成では、上部電極15を指先に装着するために、突起20が粘着性を有していてもよい。
また、図3(c)で例示するように、上部電極15は、センシングセルよりも大きい面積を有することによって、複数のセンシングセルにまたがって設けられていてもよい。具体的には、上部電極15の幅は、センシングセル間の距離(下部電極12間のピッチ)よりも大きく設定されていてもよい。この場合、触診範囲を広げることができる。
図4(a)〜図4(e)は、実施例2に係る触診センサ100aを説明するための図である。図4(b)で例示するように、触診センサ100aは、シート状の下地層18を備えている。下地層18は、絶縁性を有する。図4(a)で例示するように、下地層18の上面には、複数の下部電極12がシート面内で互いに離間して分散するように配置されている。図4(b)で例示するように、本実施例においては、センシング薄膜11は、各下部電極12の上に分散して配置されている。下地層18の上面の露出部およびセンシング薄膜11は、絶縁膜13によって覆われている。触診センサ100aにおいては、下部電極12およびセンシング薄膜11が設けられている各領域がセンシングセルの領域として機能する。
図4(c)および図4(d)で例示するように、上部電極15および上部電極用配線16は、実施例1と同様の構造を有する。図4(e)で例示するように、指先をセンシング薄膜11に対して押圧することによって、センシング薄膜11の押圧されている領域が電圧を発生し、上部電極15と下部電極12とから当該電圧を取り出すことができる。各センシングセルの位置が予め定まっているため、電圧が検出されるセンシングセルを特定することによって、電圧が検出される位置を取得することができる。また、検出される電圧に応じて、押圧力(例えば腹力)を取得することができる。
本実施例においては、下部電極12が設けられたシート状の下地層18から上部電極15および上部電極用配線16が分離されていることから、シート面内に上部電極を設ける必要がなく、上面配線を設けなくてもよい。それにより、シート面内における配線数を削減することができる。その結果、配線で生じる電磁ノイズや寄生容量の影響を低減することができ、高精度測定が可能となる。また、センシング薄膜11がセンシングセルごとに離間しているため、センシングセル間の干渉を抑制することができる。本実施例においても、図3(a)または図3(b)のような突起が設けられていてもよい。また、図3(c)のように、上部電極15の幅は、センシングセル間の距離よりも大きく設定されていてもよい。
図5(a)〜図5(e)は、実施例3に係る触診センサ100bを説明するための図である。図5(b)で例示するように、触診センサ100bは、シート状の絶縁性の下地層18を備えている。下地層18の上面には、複数の下部電極12がシート面内で互いに離間して分散するように配置されている。触診センサ100bにおいては、下部電極12が設けられている各領域がセンシングセルの領域として機能する。
図5(d)で例示するように、本実施例においては、センシング薄膜11は、上部電極15の絶縁膜17と反対側の面に接合されている。図5(e)で例示するように、指先をセンシング薄膜11に対して押圧することによって、センシング薄膜11が電圧を発生し、上部電極15と下部電極12とから当該電圧を取り出すことができる。各センシングセルの位置が予め定まっているため、電圧が検出されるセンシングセルを特定することによって、電圧が検出される位置を取得することができる。また、検出される電圧に応じて、押圧力(例えば腹力)を取得することができる。
本実施例においても、下部電極12が設けられたシート状の下地層18から上部電極15および上部電極用配線16が分離されていることから、シート面内に上部電極を設ける必要がなく、上面配線を設けなくてもよい。それにより、シート面内における配線数を削減することができる。その結果、配線で生じる電磁ノイズや寄生容量の影響を低減することができ、高精度測定が可能となる。また、センシング薄膜11を上部電極15と同数だけ設ければよいため、コストが低減される。また、センシング薄膜11が複数設けられていても、各センシング薄膜11が互いに離間しているため、センシングセル間の干渉を抑制することができる。本実施例においても、図3(a)または図3(b)のような突起が設けられていてもよい。また、図3(c)のように、上部電極15の幅は、センシングセル間の距離よりも大きく設定されていてもよい。
図6(a)〜図6(e)は、実施例4に係る触診センサ100cを説明するための図である。図6(b)で例示するように、触診センサ100cが実施例2に係る触診センサ100bと異なる点は、下地層18の下面にグランド電極19が設けられている点である。触診センサ100cを人体の腹部に載置した場合に、人体とグランド電極19とが接触する。それにより、人体が保持する電荷の影響を抑制することができる。それにより、さらに高精度の測定が可能となる。
なお、グランド電極19は、実施例1において絶縁膜13が人体と接触する箇所に設けられていてもよい。また、グランド電極19は、実施例2において下地層18が人体と接触する箇所に設けられていてもよい。
有機エレクトレット材料は、高電圧印加で注入される電荷が材料内部の層状構造にトラップされた人工的な双極子効果を有する。圧力印加によって、双極子が分極して電圧が生じる。したがって、予め注入した電荷の逸失は感度の低下を招く。特に、材料の表面近くに存在する注入電荷が電極などの金属配線を介して逸失しやすい。有機エレクトレット材料をセンシング薄膜として用いる場合、熱などの負荷により、有機エレクトレット材料内に注入されている電荷が材料の表面から逃げて経時変化として感度が低下することがある。特にセンシング薄膜をセンシングセルごとに分離した場合、有機エレクトレット材料の表面積が増えるため、感度低下が顕著となるおそれがある。
そこで、本実施例においては、センシング薄膜11として有機エレクトレット材料を用い、有機絶縁材料で構成される絶縁保護層を設ける。図7(a)で例示するように、上部電極15が下地層21を介して指先に装着されている。下地層21は、絶縁性の粘着シールなどであり、指先に装着されている。上部電極15の下面側は、絶縁保護層22で覆われている。図7(b)で例示するように、絶縁性の下地層23がシート面全体にわたって設けられている。下部電極12は、下地層23の上面において、互いに離間して分散するように配置されている。下地層23の上面の露出部および下部電極12は、絶縁接着層24によって覆われている。下部電極12の上方には、絶縁接着層24を介してセンシング薄膜11が設けられている。絶縁接着層24の上面の露出部およびセンシング薄膜11は、絶縁保護層25によって覆われている。絶縁保護層22および絶縁保護層25は、有機絶縁材料で構成されている。また、絶縁接着層24も有機絶縁材料で構成されていることが好ましい。
本実施例においては、有機エレクトロレット材料のセンシング薄膜11が有機絶縁材料で覆われることから、電導しやすい金属体からセンシング薄膜11が隔離される。それにより、センシング薄膜11が有機エレクトレット材料に高電圧印加により予め注入した電荷が製造プロセスまたは使用中の熱負荷などの原因でエレクトレット材料の表面から逸失することが抑制される。なお、有機絶縁材料として、アクリル製樹脂、ポリエチレン製樹脂などを用いることができる。このような材料は、絶縁接着層24を兼ねることもできる。なお、センシング薄膜11が有機エレクトロレット材料で構成される場合、センシング薄膜11の全ての面が有機絶縁材料で覆われていることが好ましい。
なお、センシング薄膜11が複数のセンシングセル間にまたがって設けられている場合であっても、当該センシング薄膜11を有機絶縁材料で覆うことによって、電荷の逸失を抑制することができる。
実施例4ではセンシング薄膜11が下部電極側に固定されていたが、上部電極側に固定されていてもよい。本実施例においては、図8(a)で例示するように、上部電極15が下地層21を介して指先に装着されている。上部電極15の下面側は、絶縁接着層24で覆われている。上部電極15の下方には、絶縁接着層24を介してセンシング薄膜11が設けられている。絶縁接着層24の下面の露出部およびセンシング薄膜11は、絶縁保護層25によって覆われている。図8(b)で例示するように、下地層23がシート面全体にわたって設けられている。下部電極12は、下地層23の上面において、互いに離間して分散するように配置されている。下地層23の上面の露出部および下部電極12は、絶縁保護層22によって覆われている。
本実施例においても、有機エレクトロレット材料のセンシング薄膜11が有機絶縁材料で覆われることから、電導しやすい金属体からセンシング薄膜11が隔離される。それにより、センシング薄膜11が有機エレクトレット材料に高電圧印加により予め注入した電荷が製造プロセスまたは使用中の熱負荷などの原因でエレクトレット材料の表面から逸失することが抑制される。
上記各実施例において、触手の感覚が触診センサを介して触診者の指先に伝わるためには、センシング薄膜11のヤング率は、1GPa未満であることが好ましく、指先と人体との間に介在する部材の合計の厚さは、200μm以下であることが好ましい。また、センシングセル間の干渉を抑制するために、下部電極12のピッチは、100μmを上回ることが好ましい。
続いて、上記各実施例で説明した触診センサを備える触診システム300について説明する。図9(a)は、触診システム300のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図9(a)で例示するように、触診システム300は、触診センサ100、加速度センサ30、信号処理部40、検証部50などを備える。なお、触診センサ100として、上記いずれの実施例の触診センサを用いてもよい。
加速度センサ30は、触診センサ100において各センシングセルが人体に対して押し込まれる量を検出するセンサである。信号処理部40は、増幅器41、A/Dコンバータ42、インタフェース43などを備える。増幅器41は、触診センサ100の下面配線14および上部電極用配線16からの信号を増幅する。A/Dコンバータ42は、増幅器41で増幅された信号をデジタル信号に変換する。インタフェース43は、A/Dコンバータ42で得られたデジタル信号を検証部50に送信する。
図9(b)は、検証部50のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。図9(b)で例示するように、検証部50は、CPU101、RAM102、記憶装置103、インタフェース104などを備える。これらの各機器は、バスなどによって接続されている。CPU(Central Processing Unit)101は、中央演算処理装置である。CPU101は、1以上のコアを含む。RAM(Random Access Memory)102は、CPU101が実行するプログラム、CPU101が処理するデータなどを一時的に記憶する揮発性メモリである。記憶装置103は、不揮発性記憶装置である。記憶装置103として、例えば、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリなどのソリッド・ステート・ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブに駆動されるハードディスクなどを用いることができる。CPU101が所定のプログラムを実行することによって、検証部50は、後述する各処理を行う。インタフェース104は、インタフェース43との間で信号を送受信する。
図10(a)は、検証部50によって実行される処理の一例を表すフローチャートである。検証部50は、触診センサ100および加速度センサ30の検出結果に基づいて、測定点座標(x,y)の同定を行い、当該測定点においてセンシングセルが人体に対して押し込まれる量(z)を特定する(ステップS1)。ステップS1で得られたデータは、(x,y,z)と表すことができる。
次に、検証部50は、ステップS1で特定された座標と、触診センサ100で検出された圧力値(P)とを対応させてデータテーブルに格納する(ステップS2)。格納されるデータは、(x,y,z,P)と表すことができる。図10(b)は、データテーブルに格納されるデータの例を表す図である。図10(b)で例示するように、データテーブルにおいては、IDに対して、指先の位置座標(x,y,z)、圧力値(P)、圧力検出時の時刻情報tなどが関連付けられている。時刻情報は、同期信号などから得ることができる。ここでのIDは、データを格納するメモリのアドレスなどに相当する。
ステップS2の実行後、検証部50は、データテーブルに格納されているデータを用いてスコア演算を行い、当該スコアを分類する(ステップS3)。なお、スコア演算に、外部機器から受信される補足データ(舌診、脈診、問診などのデータ)を反映させてもよい。検証部50は、ステップS3で演算分類されたスコアの検証を行う(ステップS4)。なお、ステップS4の検証に、医者の診断結果を反映させてもよい。必要に応じてステップS3が再度実行される。
次に、検証部50は、ステップS4の検証結果に応じて、体質、健康度等の類推を行う(ステップS5)。検証部50は、ステップS5の類推結果を検証する(ステップS6)。必要に応じてステップS5が再度実行される。次に、検証部50は、ステップS4およびステップS6の検証結果をデータベース化する(ステップS7)。検証部50は、データベース化されたデータを外部機器に送信してもよい(ステップS8)。
図11は、図10のステップS3の一例を表すフローチャートである。図11で例示するように、検証部50は、データテーブルに格納されている所定のデータの(x,y)座標値から、センシングセルが押されている場所を同定する(ステップS11)。一例として、検証部50は、センシングセルが押されている場所として臍上部および小腹部を同定する。
次に、検証部50は、データテーブルから臍上部の弾性係数K1(t)を抽出する(ステップS12)。弾性係数K1(t)は、ΔP1(t)/Δz1(t)から求まる。次に、検証部50は、データテーブルから小腹部の弾性係数K2(t)を抽出する(ステップS13)。弾性係数K2(t)は、ΔP2(t)/Δz2(t)から求まる。次に、検証部50は、腹部の他の部位の弾性係数Km(t)(mは1,2以外の整数)を抽出する(ステップS14)。弾性係数Km(t)は、ΔPm(t)/Δzm(t)から求まる。
次に、検証部50は、ステップS12〜S14で抽出した腹部の各部位の弾性係数に基づいて、腹力をスコア化する(ステップS15)。例えば、ステップS14で求められた弾性係数Km(t)の平均値からの、弾性係数K1(t)および弾性係数K2(t)の偏差などに基づいてスコアを求めてもよい。例えば、弾性係数K1(t)が上記平均値に近い場合にはスコアを3点(中等度)とし、大きい場合にはスコアを4点(やや実)とし、「やや実」よりも大きい場合には5点(実)とし、小さい場合にはスコアを2点(やや虚)よし、「やや虚」よりも小さい場合には1点(虚)としてもよい。
図12は、図10のステップS3の他の例を表すフローチャートである。図12で例示するように、検証部50は、データテーブルに格納されている所定のデータの(x,y)座標値から、センシングセルが押されている場所を同定する(ステップS21)。一例として、検証部50は、センシングセルが押されている場所として臍上部および小腹部を同定する。
次に、検証部50は、データテーブルから臍上部の弾性係数K1(t)を抽出する(ステップS22)。弾性係数K1(t)は、ΔP1(t)/Δz1(t)から求まる。次に、検証部50は、データテーブルから小腹部の弾性係数K2(t)を抽出する(ステップS23)。弾性係数K2(t)は、ΔP2(t)/Δz2(t)から求まる。次に、検証部50は、指標IndexをK2/K1として求める(ステップS24)。次に、検証部50は、指標Indexをデータベースと比較することによって、小腹不仁の有無の判断や、小腹不仁の程度をスコア(0〜5)で表す(ステップS25)。
本実施例によれば、触診センサの検出結果に基づいて、人体の位置と当該位置における圧力とをデータテーブルに格納することができる。また、加速度センサ等を用いることによって、当該人体に対する押下量をデータテーブルに格納することができる。上述した弾性係数を求めることによって、人体の弾力/緊張度を求めることができる。この弾力/緊張度の値に基づいて、腹力を数値でスコア化することができる。このような腹力の数値化により、腹診の座標化やエビデンス化が可能となり、予後の状態を数値化したスコアで記録・比較できるメリットが生まれる。また、各部の弾性係数同士の比率を取得することによって、症状を判断することもできる。
なお、上記各実施例において、下部電極12が第1電極として機能し、上部電極15が第2電極として機能し、センシング薄膜11が、第1電極または第2電極に固定された圧電膜として機能し、絶縁膜17が装着部材として機能する。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
11 センシング薄膜
12 下部電極
13 絶縁膜
14 下面配線
15 上部電極
16 上部電極用配線
17 絶縁膜
18 下地層
19 グランド電極
20 突起
21 下地層
22 絶縁保護層
23 下地層
24 絶縁接着層
25 絶縁保護層
30 加速度センサ
40 信号処理部
50 検証部
100 触診センサ
300 触診システム

Claims (9)

  1. 少なくとも1つの第1電極、および前記第1電極に接続された配線が設けられたシート部材と、
    前記シート部材と分離して設けられた第2電極と、を備え、
    前記第1電極または前記第2電極に圧電膜が固定されていることを特徴とする触診センサ。
  2. 前記シート部材に、前記第1電極が複数設けられ、
    前記圧電膜は、前記第1電極ごとに分離されて固定されていることを特徴とする請求項1記載の触診センサ。
  3. 前記シート部材に、前記第1電極が複数設けられ、
    前記圧電膜は、少なくとも2つの第1電極にまたがって設けられていることを特徴とする請求項1記載の触診センサ。
  4. 前記圧電膜は、有機エレクトレット材料であり、
    前記圧電膜の少なくとも1部は、絶縁性の有機保護膜によって覆われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の触診センサ。
  5. 前記シート部材の面内に、前記第1電極が複数設けられ、
    前記第2電極は、前記第1電極のピッチよりも大きい幅を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の触診センサ。
  6. 前記シート部材には、グランド電極が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の触診センサ。
  7. 前記第2電極を指先に装着する装着部材を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の触診センサ。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項の触診センサと、
    前記触診センサの検出結果に基づいて、人体の位置と当該位置における圧力を格納する格納部と、を備えることを特徴とする触診システム。
  9. 前記第1電極の押下量を検出する検出手段を備え、
    前記格納部は、前記人体の位置における前記第1電極の押下量をさらに格納することを特徴とする請求項8記載の触診システム。
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