JP6171771B2 - 固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法及び固体酸化物型燃料電池のアノード電極材に関する。
化学エネルギーを電気エネルギーに変換する装置として、固体酸化物型燃料電池(SOFC)が知られている。この固体酸化物型燃料電池は、アノード電極、固体電解質及びカソード電極の各層を積層することによって構成されたものである。アノード電極には水素等のアノードガスが供給され、カソード電極には空気等のカソードガスが供給される。固体酸化物型燃料電池は、アノード電極に供給されたアノードガスとカソード電極に供給されたカソードガスとによって、電子(電流)を発生させる。
従来より、固体酸化物型燃料電池のアノード電極に使用するアノード電極材の表面にニッケル等の導電性材料層を形成し、固体酸化物型燃料電池の内部抵抗を抑制することが行われている。
アノード電極材の表面に導電性材料層を形成する方法としては、アノード電極材の表面にニッケルフェルトを形成する方法やアノード電極材の表面にニッケルメッキ層を形成する方法が知られている(特許文献1及び特許文献2参照。)。
特開平5−174834号公報 特開平9−115525号公報
しかし、上記のような方法では、アノード電極材の表面に導電性材料層を形成する工程が、アノード電極材を形成する工程とは別に必要とされる。
本発明は、表面に導電性材料が存在する固体酸化物型燃料電池のアノード電極材を容易に製造できる製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、表面に導電性材料が存在する固体酸化物型燃料電池のアノード電極材を提供することを目的とする。
本発明は、第1の導電性材料からなる第1の粒子と、第2の導電性材料の酸化物からなる第2の粒子と、イオン導電性又は混合導電性を有する酸化物からなる第3の粒子と、を含む第1のアノード電極材用スラリーであって、第1の主面と、前記第1の主面の反対面である第2の主面と、を有する第1のアノード電極材用スラリーを形成するスラリー形成工程と、
前記第1のアノード電極材用スラリーを乾燥させて、アノード電極材用シートを形成する乾燥工程と、前記アノード電極材用シートを焼成してアノード電極材を形成する焼成工程と、を備え、前記第1の粒子の平均質量は、前記第2の粒子の平均質量及び前記第3の粒子の平均質量よりも大きく、前記乾燥工程において、前記第1の粒子を前記第1の主面側に沈殿させることによって、前記第1の粒子を前記第1のアノード電極材用スラリーにおける前記第1の主面側に移動させる固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法に関する。
本発明は、第1の導電性材料からなる第1の粒子と、第2の導電性材料の酸化物からなる第2の粒子と、イオン導電性又は混合導電性を有する酸化物からなる第3の粒子と、を含む第1のアノード電極材用スラリーであって、第1の主面と、前記第1の主面の反対面である第2の主面と、を有する第1のアノード電極材用スラリーを形成するスラリー形成工程と、前記第1のアノード電極材用スラリーを乾燥させて、アノード電極材用シートを形成する乾燥工程と、前記アノード電極材用シートを焼成してアノード電極材を形成する焼成工程と、を備え、前記第1の粒子の平均質量、前記第2の粒子の平均質量及び前記第3の粒子の平均質量は同等であり、前記第1の導電性材料は、磁性体であり、前記乾燥工程において、前記第1のアノード電極材用スラリーの前記第1の主面側に磁石を配置し、前記第1の粒子を前記磁石に引き寄せることによって、前記第1の粒子を前記第1のアノード電極材用スラリーにおける前記第1の主面側に移動させる固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法に関する。
本発明は、第1の導電性材料からなる第1の粒子と、第2の導電性材料の酸化物からなる第2の粒子と、イオン導電性又は混合導電性を有する酸化物からなる第3の粒子と、を含む第1のアノード電極材用スラリーであって、第1の主面と、前記第1の主面の反対面である第2の主面と、を有する第1のアノード電極材用スラリーを形成するスラリー形成工程と、前記第1のアノード電極材用スラリーを乾燥させて、アノード電極材用シートを形成する乾燥工程と、前記アノード電極材用シートを焼成してアノード電極材を形成する焼成工程と、を備え、前記スラリー形成工程は、前記第1のアノード電極材用スラリーの前記第2の主面に前記第1のアノード電極材用スラリーの熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する1又は複数の第2のアノード電極材用スラリーを形成する工程を含み、前記乾燥工程は、前記第1のアノード電極材用スラリー及び前記第2のアノード電極材用スラリーを乾燥させることによって、前記アノード電極材用シートを形成する工程であり、前記乾燥工程において、前記第1の粒子を前記第1のアノード電極材用スラリーにおける前記第1の主面側に移動させる固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法に関する。
本発明によれば、表面に導電性材料が存在する固体酸化物型燃料電池のアノード電極材を容易に製造できる製造方法を提供することができる。また、本発明によれば、表面に導電性材料が存在するアノード電極材を提供することができる。
(A)〜(D)は、本発明の第1実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法を示す図である。 (A)〜(D)は、本発明の第2実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法を示す図である。 (A)〜(D)は、本発明の第3実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、製造方法、アノード電極材及びアノード電極材をアノード電極として備えた固体酸化物型燃料電池について、詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法を示す図である。図1(A)は、アノード電極材用スラリー11を示した図である。図1(B)は、アノード電極材用スラリー11を乾燥させることによって形成したアノード電極材用シート12を示した図である。図1(C)は、アノード電極材用シート12に焼成前固体電解質13を塗布することによって形成した焼成前積層体14を示す図である。図1(D)は、焼成前積層体14を焼成することによって形成した固体酸化物型燃料電池15を示す図である。
図1(A)に示すように、第1のアノード電極材用スラリーとしてのアノード電極材用スラリー11が、フィルム100上に形成される。アノード電極材用スラリー11は、第1の導電性材料としてのニッケルからなる第1の粒子としてのニッケル粒子1と、第2の導電性材料の酸化物としての酸化ニッケルからなる第2の粒子としての酸化ニッケル粒子2と、イオン導電性又は混合導電性を有する酸化物としてのイットリア安定化ジルコニア(YSZ)からなる第3の粒子としてのYSZ粒子3と、その他の材料4と、を備えている。ここで、イオン導電性を有する酸化物とは、イオンによって通電する酸化物のことである。また、混合導電性を有する酸化物とは、イオンによって通電するとともに、電子及び正孔によっても通電する酸化物のことである。
アノード電極材用スラリー11は、第1の主面5と、第2の主面6と、を有したシート状の形状をしている。図1(A)及び図1(B)においては、第1の主面5は、下面とされており、第2の主面6は、上面とされている。
ニッケル粒子1は、後述の図1(D)に示す固体酸化物型燃料電池15において、アノード電極材16の表面の導電材層として機能するグレーディッド層7を構成することになる粒子である。また、酸化ニッケル粒子2、YSZ粒子3は、固体酸化物型燃料電池15のアノード電極材16を構成することになる粒子である。
なお、グレーディッド層7に関しては、図1(B)〜図1(D)を用いて後述する。
ニッケル粒子1の平均質量は、酸化ニッケル粒子2の平均質量及びYSZ粒子3の平均質量よりも大きくされている。ニッケルの密度は、約8.9g/cmであり、酸化ニッケルの密度は、約6.7g/cmであり、YSZの密度は、約5.9g/cmである。ニッケル粒子1の平均粒径が、酸化ニッケル粒子2の平均粒径及びYSZ粒子3の平均粒径よりも大きくされることによって、ニッケル粒子1の平均質量は、酸化ニッケル粒子2の平均質量及びYSZ粒子3の平均質量よりも大きくされている。例えば、ニッケル粒子1の平均粒径は5〜10μmとされ、酸化ニッケル粒子2の平均粒径及びYSZ粒子3の平均粒径は0.3〜1.0μmとされることによって、ニッケル粒子1の平均質量は、酸化ニッケル粒子2の平均質量及びYSZ粒子3の平均質量よりも大きくされる。
その他の材料4は、ニッケル粒子1、酸化ニッケル粒子2及びYSZ粒子3以外のその他の粒子(例えば、炭素粒子、ジルコニウム粒子等)や有機溶媒等の分散媒等からなる。その他の粒子の平均質量も、酸化ニッケル粒子2及びYSZ粒子3と同様に、ニッケル粒子1の平均質量よりも小さくされている。分散媒は、ニッケル粒子1、酸化ニッケル粒子2、YSZ粒子3及びその他の粒子を均一に分散するためのものである。なお、その他の粒子は、炭素粒子やジルコニウム粒子に限定されず、必要に応じて様々な粒子が添加される。また、その他の粒子は、使用されない場合もあり得る。すなわち、その他の材料4は、その他の粒子を含まないこともあり得る。
フィルム100は、平坦な面を有する部材である。なお、フィルム100は、必ずしも薄いフィルムである必要はなく、平坦な面を有する部材であればよく、プラスチックシートのような、比較的厚みのある板状の部材等であってもよい。
アノード電極材用スラリー11は、ドクターブレード法によって、フィルム100上に形成される。具体的には、フィルム100上に、ニッケル粒子1、酸化ニッケル粒子2、YSZ粒子3、その他の材料4からなる混合材が配置され、この混合材がブレード(図示しない)で引き延ばされることによって、シート状の形状を有するアノード電極材用スラリー11が形成される。
なお、アノード電極材用スラリー11は、ドクターブレード法以外の方法によって形成することも可能である。例えば、アノード電極材用スラリー11は、スクリーン法、スプレー法等の方法によって形成することも可能である。
次に、アノード電極材用スラリー11は、フィルム100上において乾燥し、図1(B)に示すアノード電極材用シート12となる。アノード電極材用スラリー11の乾燥は、例えば、室温(15℃)で24時間かけて行われる。
図1(B)に示すように、アノード電極材用シート12は、グレーディッド層7を備えている。ここで、グレーディッド層7とは、アノード電極材用シート12の第1の主面5から第2の主面6に向けて、ニッケル粒子1の濃度が徐々に小さくなっている層のことである。
また、図1(A)と図1(B)とを比較すると、アノード電極材用シート12は、アノード電極材用スラリー11に比べて、薄くなっている。これは、アノード電極材用スラリー11が乾燥する過程で、その他の材料4の一部を構成する分散媒の一部が、揮発するためである。
アノード電極材用シート12において、グレーディッド層7が形成される理由は、以下の通りである。図1(A)に示すアノード電極材用スラリー11が乾燥し、図1(B)に示すアノード電極材用シート12になる過程で、ニッケル粒子1は、下面となっている第1の主面5側に移動する。ニッケル粒子1の平均質量が大きくされているため、ニッケル粒子1が第1の主面5側に沈殿するからである。また、すべてのニッケル粒子1が第1の主面5側に沈殿するわけではなく、一部のニッケル粒子1は沈殿しきれず、浮遊した粒子として残る。この浮遊したニッケル粒子1の数は、下面である第1の主面5から上面である第2の主面6に向けて徐々に少なくなる。そのため、アノード電極材用シート12には、第1の主面5から第2の主面6に向けて、ニッケル粒子1の濃度が徐々に小さくなっている層であるグレーディッド層7が形成されることになる。
一方、図1(B)に示すように、酸化ニッケル粒子2及びYSZ粒子3は、ほとんど第1の主面5側に沈殿しない。これは、酸化ニッケル粒子2の平均質量及びYSZ粒子3の平均質量が、ニッケル粒子1の平均質量に比べて十分に小さいためである。具体的には、ニッケル粒子1が沈殿する時間では、酸化ニッケル粒子2及びYSZ粒子3がほとんど沈殿しない程度に、酸化ニッケル粒子2の平均粒径及びYSZ粒子3の平均粒径が小さくされているためである。
このように、アノード電極材用シート12において、ニッケル粒子1は、第1の主面5側に移動してグレーディッド層7を構成する。また、アノード電極材用シート12において、酸化ニッケル粒子2及びYSZ粒子3は、均等に分散されたままになる。
次に、図1(B)に示すアノード電極材用シート12には、図1(C)に示すように、焼成前固体電解質13が塗布される。具体的には、焼成前固体電解質13は、ドクターブレード法等によって、アノード電極材用シート12の第2の主面6上に塗布される。アノード電極材用シート12と、焼成前固体電解質13とで、焼成前積層体14が形成される。焼成前固体電解質13としては、例えば、YSZが使用される。
なお、焼成前固体電解質13が塗布される前に、アノード電極材用シート12をさらに乾燥させてもよい。また、フィルム100は、焼成前積層体14を形成した後、又は、焼成前積層体14を形成する前に除去される。
図1(B)で示したように、アノード電極材用シート12において、グレーディッド層7は、第1の主面5側に形成されている。そのため、図1(C)に示すように、焼成前積層体14において、グレーディッド層7は、アノード電極材用シート12と焼成前固体電解質13とが接触する面と反対側の面に存在することになる。よって、ニッケル粒子1の濃度は、アノード電極材用シート12と焼成前固体電解質13とが接触する面と反対側の面である第1の主面5から、アノード電極材用シート12と焼成前固体電解質13とが接触する面である第2の主面6に向けて、徐々に小さくなる。
また、焼成前固体電解質13の上面には、図示しないカソード電極材用シートが塗布されていてもよい。
次に、図1(C)に示す焼成前積層体14は、焼成されて、図1(D)に示す固体酸化物型燃料電池15となる。焼成前積層体14の焼成は、例えば、1400℃の温度で30分間かけて行われる。
図1(D)に示すように、固体酸化物型燃料電池15は、アノード電極材16と、焼成後固体電解質17とを備えている。アノード電極材16は、アノード電極材用シート12が焼成されたものである。焼成後固体電解質17は、焼成前固体電解質13が焼成されたものである。アノード電極材16は、ニッケル粒子1と、酸化ニッケル粒子2と、YSZ粒子3と、その他の材料4と、で構成されている。アノード電極材16の第1の主面5側には、グレーディッド層7が存在する。このグレーディッド層7は、アノード電極材用シート12において形成されたグレーディッド層7が、焼成後もそのまま維持されたものである。すなわち、アノード電極材16におけるグレーディッド層7は、アノード電極材用シート12におけるグレーディッド層7と同様に、ニッケル粒子1の濃度が、第1の主面5から第2の主面6に向けて徐々に小さくなる層である。焼成後固体電解質17は、例えば、YSZで構成される。また、焼成後固体電解質17の上面には、図示しないカソード電極が形成されている。
また、図1(B)と図1(D)とを比較すると、アノード電極材16は、アノード電極材用シート12に比べて、薄くなっている。これは、アノード電極材用シート12が焼成される過程で、その他の材料4の一部が酸化されてしまい、その結果焼結が進行するためである。
第1実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法によれば、アノード電極材16を形成する過程で、アノード電極材16の表面に導電材層として機能するグレーディッド層7が形成される。そのため、固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法において、アノード電極材の表面に導電材層を形成するための工程(例えば、ニッケルメッキを行う工程)を別途採用する必要がなく、表面に導電材層が存在するアノード電極材を容易に製造することができる。
[第2実施形態]
図2は、第2実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法を示す図である。図2(A)は、アノード電極材用スラリー21を示した図である。図2(B)は、アノード電極材用スラリー21を乾燥させることによって形成したアノード電極材用シート22を示した図である。図2(C)は、アノード電極材用シート22に焼成前固体電解質23を塗布することによって形成した焼成前積層体24を示す図である。図2(D)は、焼成前積層体24を焼成することによって形成した固体酸化物型燃料電池25を示す図である。
第2実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については、詳細な説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
図2(A)に示すように、アノード電極材用スラリー21が、フィルム100上に形成される。アノード電極材用スラリー21が形成されたフィルム100の下には、磁石110が配置されている。磁石110は、アノード電極材用スラリー21よりも大きくすることによって、磁石110からアノード電極材用スラリー21に対して均等に磁界が掛かるようにされている。
なお、磁石110は、永久磁石でも電磁石でもよい。また、図2(A)、図2(B)では、磁石110は、一つの磁石で構成されているように示されているが、複数の磁石を束ねて構成されていてもよい。
第2実施形態では、第1実施形態と異なり、ニッケル粒子1の平均質量は、酸化ニッケル粒子2の平均質量及びYSZ粒子3の平均質量と同等である。例えば、ニッケル粒子1の平均粒径と、酸化ニッケル粒子2の平均粒径と、YSZ粒子3の平均粒径は、ほぼ同じ粒径とされる。
その他の構成については、第1実施形態のアノード電極材の製造方法と同様なので、説明を省略する。また、アノード電極材用スラリー21の形成方法も、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
次に、アノード電極材用スラリー21は、フィルム100上において乾燥し、図2(B)に示すアノード電極材用シート22となる。
図2(B)に示すように、アノード電極材用シート22は、第1実施形態と同様に、グレーディッド層7を備えている。ここで、グレーディッド層7とは、第1実施形態と同様に、アノード電極材用シート22の第1の主面5から第2の主面6に向けて、ニッケル粒子1の濃度が徐々に小さくなっている層のことである。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、図2(A)に示すアノード電極材用スラリー21が乾燥し、図2(B)に示すアノード電極材用シート22になる過程で、ニッケル粒子1は、第1の主面5側に移動する。ただし、ニッケル粒子1が第1の主面5側に移動する理由は、第1実施形態の理由と異なる。第2実施形態においては、磁石110から磁界が発生している。そのため、図2(A)に示すアノード電極材用スラリー21が乾燥し、図2(B)に示すアノード電極材用シート22になる過程で、磁性体であるニッケル粒子1は、磁石110から発生する磁界によって、磁石110に近い面である第1の主面5側に引き寄せられる。また、すべてのニッケル粒子1が第1の主面5側に引き寄せられて、第1の主面5に到達するわけではなく、一部のニッケル粒子1は、第1の主面5側に引き寄せられるものの、第1の主面5に到達せず、浮遊した粒子として残る。この浮遊したニッケル粒子1の数は、第1の主面5から第2の主面6に向けて徐々に少なくなる。そのため、アノード電極材用シート22には、第1の主面5から第2の主面6に向けて、ニッケル粒子1の濃度が徐々に小さくなっている層であるグレーディッド層7が形成されることになる。
一方、図2(B)に示すように、酸化ニッケル粒子2及びYSZ粒子3は、第1の主面5側に引き寄せられない。これは、酸化ニッケル及びYSZが、磁性体ではないため、酸化ニッケル粒子2及びYSZ粒子3は、磁石110から発生する磁界によって、第1の主面5側に引き寄せられないからである。
このように、アノード電極材用シート22において、ニッケル粒子1は、第1の主面5側に移動してグレーディッド層7を構成する。また、アノード電極材用シート22において、酸化ニッケル粒子2及びYSZ粒子3は、均等に分散されたままである。
なお、第2実施形態においては、沈殿を利用してグレーディッド層7を形成しないので、第1実施形態のように第1の主面5を下面とする必要がない。そのため、例えば、第1の主面5を上面とし、第2の主面6を下面としてもよい。また、磁石110を利用するため、第1実施形態のように、ニッケル粒子1が沈殿するのを待つ必要がない。
次に、図2(B)に示すアノード電極材用シート22には、図2(C)に示すように、焼成前固体電解質23が塗布される。具体的には、焼成前固体電解質23は、ドクターブレード法等によって、アノード電極材用シート22の第2の主面6上に塗布される。そして、アノード電極材用シート22と、焼成前固体電解質23とで、焼成前積層体24が形成される。
なお、焼成前固体電解質23が塗布される前に、アノード電極材用シート22をさらに乾燥させてもよい。
次に、第1実施形態と同様に、図2(C)に示す焼成前積層体24は、焼成されて、図2(D)に示す固体酸化物型燃料電池25となる。焼成前積層体24の焼成は、例えば、1400℃の温度で30分間かけて行われる。
図2(D)に示すように、固体酸化物型燃料電池25は、アノード電極材26と、焼成後固体電解質27とを備えている。アノード電極材26は、アノード電極材用シート22が焼成されたものである。焼成後固体電解質27は、焼成前固体電解質23が焼成されたものである。アノード電極材26は、ニッケル粒子1と、酸化ニッケル粒子2と、YSZ粒子3と、その他の材料4と、で構成されている。アノード電極材26の第1の主面5側には、グレーディッド層7が存在する。このグレーディッド層7は、アノード電極材用シート22において形成されたグレーディッド層7が、焼成後もそのまま維持されたものである。すなわち、アノード電極材26におけるグレーディッド層7は、アノード電極材用シート22におけるグレーディッド層7と同様に、ニッケル粒子1の濃度が、第1の主面5から第2の主面6に向けて徐々に小さくなる層である。また、焼成後固体電解質27の上面には、図示しないカソード電極が形成されている。
第2実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法によれば、第1実施形態と同様の効果を奏することができるとともに、次のような効果を奏することができる。すなわち、第2実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法によれば、第1実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法に比べて、沈殿を待つための時間を確保する必要がないため、第1実施形態に比べて、アノード電極材や固体酸化物型燃料電池を短時間で形成することが可能である。
[第3実施形態]
図3は、第3実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法を示す図である。図3(A)は、アノード電極材用スラリー31を示した図である。図3(B)は、アノード電極材用スラリー31を乾燥させることによって形成したアノード電極材用シート32を示した図である。図3(C)は、アノード電極材用シート32に焼成前固体電解質33を塗布することによって形成した焼成前積層体34を示す図である。図3(D)は、焼成前積層体34を焼成することによって形成した固体酸化物型燃料電池35を示す図である。
第3実施形態については、主として、第1実施形態と異なる点を中心に説明し、第1実施形態と同様な構成については、詳細な説明を省略する。特に説明しない点は、第1実施形態についての説明が適宜適用される。
第3実施形態では、第1実施形態及び第2実施形態と異なり、図3(A)に示すように、アノード電極材用スラリー31は、第1のアノード電極材用スラリーとしての第1のアノード電極材用スラリー311と、第2のアノード電極材用スラリーとしての第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312と、第2のアノード電極材用スラリーとしての第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313と、を備えた合計3層構成のスラリーである。
第1のアノード電極材用スラリー311、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313は、第1実施形態と同様に、ドクターブレード法等によって形成される。具体的には、ドクターブレード法等によって、フィルム100上に第1のアノード電極材用スラリー311が形成される。さらに、ドクターブレード法等によって、第1のアノード電極材用スラリー311の第2の主面6に第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312が形成され、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312の上面に第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313が形成される。
第1のアノード電極材用スラリー311は、第1実施形態のアノード電極材用スラリー11と同様に、ニッケル粒子1と、酸化ニッケル粒子2と、YSZ粒子3と、その他の材料4と、を備えている。また、ニッケル粒子1、酸化ニッケル粒子2及びYSZ粒子3の平均質量は、それぞれ第1実施形態と同様である。
第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313は、第1のアノード電極材用スラリー311の熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する熱膨張係数調整用のスラリーである。また、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313は、互いに熱膨張係数が異なっている。
第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313は、それぞれ、酸化ニッケル粒子2と、YSZ粒子3と、その他の材料4と、を備えている。
アノード電極材用スラリー31において、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313を設ける理由は、以下の通りである。
アノード電極材用スラリー31は、乾燥してアノード電極材用シート32となる(図3(B))。そして、アノード電極材用シート32には、焼成前固体電解質33が塗布される(図3(C))。ここで、アノード電極材用シート32の熱膨張係数が、焼成前固体電解質33の熱膨張係数と異なる場合がある。この場合、焼成後の固体酸化物型燃料電池35(図3(D))において、アノード電極材36が破壊されていることがある。例えば、アノード電極材用シート32の熱膨張係数が、焼成前固体電解質33の熱膨張係数よりも大きい場合、焼成時に、アノード電極材用シート32が、焼成前固体電解質33よりも相対的に大きく膨張しようとする。しかし、アノード電極材用シート32は、焼成前固体電解質33が塗布されているため、膨張することができず、割れてしまうのである。なお、アノード電極材用シート32の熱膨張係数が、焼成前固体電解質33の熱膨張係数よりも小さい場合も同様である。
よって、アノード電極材用シート32の熱膨張係数を焼成前固体電解質33の熱膨張係数に近づけた方が良い場合がある。そこで、アノード電極材用シート32の熱膨張係数が、焼成前固体電解質33の熱膨張係数に近づくように、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313が設けられる。具体的には、第1のアノード電極材用スラリー311の熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313が、第1のアノード電極材用スラリー311の第2の主面6上に設けられる。第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313によって、アノード電極材用スラリー31全体としての熱膨張係数が、焼成前固体電解質33の熱膨張係数に近づくように調整される。アノード電極材用スラリー31全体としての熱膨張係数を調整することによって、乾燥後のアノード電極材用シート32全体の熱膨張係数を調整される。
すなわち、図3(A)において、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313は、アノード電極材用シート32全体の熱膨張係数を焼成前固体電解質33の熱膨張係数に近づけるために、第1のアノード電極材用スラリー311の上に設けられる。
第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313の熱膨張係数の調整は、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313を構成する酸化ニッケル粒子2、YSZ粒子3、その他の粒子(炭素、ジルコニウム等)の含有量を適宜調整することによって行われる。例えば、焼成前固体電解質33が、YSZを主成分としている場合、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312におけるYSZの含有量は、第1のアノード電極材用スラリー311における含有量よりも大きくされ、第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313におけるYSZの含有量は、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312における含有量よりも大きくされる。また、酸化ニッケル粒子2やその他の粒子の含有量も適宜調整することができる。
このように第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313の熱膨張係数を調整することにより、後述するように、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート322及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート323の熱膨張係数は、最適な熱膨張係数に調整される。
次に、アノード電極材用スラリー31は、フィルム100上で乾燥し、図3(B)に示すように、アノード電極材用シート32となる。アノード電極材用シート32は、第1のアノード電極材用シート321と、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート322と、第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート323と、で構成される。第1のアノード電極材用シート321は、第1のアノード電極材用スラリー311が乾燥して形成されたものである。第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート322及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート323は、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー312及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー313が乾燥して形成されたものである。
図3(B)に示すように、アノード電極材用シート32における第1のアノード電極材用シート321は、グレーディッド層7を備えている。ここで、グレーディッド層7とは、第1実施形態と同様に、アノード電極材用シート32の第1の主面5から第2の主面6に向けて、ニッケル粒子1の濃度が徐々に小さくなっている層のことである。また、グレーディッド層7が形成される理由は、第1実施形態と同様である。
次に、図3(B)に示すアノード電極材用シート32には、図3(C)に示すように、焼成前固体電解質33が塗布される。そして、アノード電極材用シート32と、焼成前固体電解質33とで、焼成前積層体34が形成される。図3(C)に示すように、焼成前積層体34は、焼成前固体電解質33、第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート323、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート322及び第1のアノード電極材用シート321が順に積み重なった構造となる。
なお、焼成前固体電解質33が塗布される前に、アノード電極材用シート32をさらに乾燥させてもよい。
上述したように、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート322及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート323の熱膨張係数は、最適なものに調整されている。具体的には、第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート323の熱膨張係数は、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート322の熱膨張係数と、焼成前固体電解質33の熱膨張整数との間の熱膨張係数となっている。また、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート322は、第1のアノード電極材用シート321の熱膨張係数と、第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート323の熱膨張係数との間の熱膨張係数となっている。
このように、第1のアノード電極材用シート321、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート322及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート323の熱膨張係数を調整することにより、アノード電極材用シート32全体としての熱膨張係数が、焼成前固体電解質33の熱膨張係数に近づく。
次に、図3(C)に示す焼成前積層体34は、焼成されて、図3(D)に示す固体酸化物型燃料電池35となる。焼成前積層体34の焼成は、例えば、1400℃の温度で30分間かけて行われる。また、アノード電極材用シート32全体の熱膨張係数は、焼成前固体電解質33の熱膨張係数に近いので、焼成時にアノード電極材用シート32が割れてしまうことが抑制される。
図3(D)に示すように、固体酸化物型燃料電池35は、アノード電極材36と、焼成後固体電解質37とを備えている。また、アノード電極材36は、第1のアノード電極材361と、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材362と、第2の熱膨張係数調整用アノード電極材363と、で構成される。第1のアノード電極材361は、第1のアノード電極材用シート321が焼成されたものである。第1の熱膨張係数調整用アノード電極材362及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材363は、第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート322及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用シート323が焼成されたものである。
第1のアノード電極材361は、ニッケル粒子1と、酸化ニッケル粒子2と、YSZ粒子3と、を含み、第1の主面5側にグレーディッド層7を備えている。このグレーディッド層7は、第1実施形態や第2実施形態と同様に、ニッケルの濃度が、第1の主面5から第2の主面6に向けて徐々に小さくなる層である。第1の熱膨張係数調整用アノード電極材362及び第2の熱膨張係数調整用アノード電極材363は、それぞれ、酸化ニッケル粒子2と、YSZ粒子3と、を含んでいる。
また、焼成後固体電解質37の上面には、図示しないカソード電極が形成されている。
第3実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法よれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果を奏することができる。さらに、第3実施形態の固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法よれば、第1実施形態及び第2実施形態に比べて、焼成時の固体酸化物型燃料電池のアノード電極の破壊を抑制することが可能となる。
本発明は、上記実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲に記載された技術的範囲において変形が可能である。例えば、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施形態において、第1の導電材料としてニッケルを使用し、第2の導電材料として酸化ニッケルを使用し、第3の導電材料としてYSZを使用したがこれに限定されない。
例えば、第1の導電材料としては、ニッケル、鉄、コバルト、銀、クロム、銅、タングステン、白金、パラジウム、ルテニウム、モリブデン等の金属を使用することができる。また、これらの金属の中から2種以上を選択し、選択された2種以上の金属を混合して使用することも可能である。なお、第2実施形態においては、磁石を使用するため、第1の導電材料は磁性体である必要がある。よって、第2の実施形態においては、第1の導電材料として、磁性体であるニッケル、鉄、コバルトの中のいずれか1種、又は2種以上が使用される。第2の導電材料の酸化物としては、ニッケル、鉄、コバルト、銀、クロム、銅、タングステン、白金、パラジウム、ルテニウム、モリブデン等の酸化物を使用することができる。また、これらの酸化物の中から2種以上を選択し、選択された2種以上の酸化物を混合して使用することも可能である。第3のイオン導電性又は混合導電性を有する酸化物としては、イットリア、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化スカンジウム、酸化ガドリニウム等を添加した安定化ジルコニア、セリア系固溶体、酸化ビスマス固溶体、ランタンガリウム固溶体ペロブスカイト、ランタンコバルト系酸化物、ランタンマンガン系酸化物等を使用することができる。
また、第2実施形態において、ニッケル粒子1の平均質量は、酸化ニッケル粒子2の平均質量及びYSZ粒子3の平均質量と同等になっていたが、第1実施形態と同様に、ニッケル粒子1の平均質量は、酸化ニッケル粒子2の平均質量及びYSZ粒子3の平均質量よりも大きくされていてもよい。その上で、第1の主面5を下面とし、第2の主面6を上面とすることにより、磁石によってニッケル粒子1を引き寄せると同時に、ニッケル粒子1を沈殿させることも可能である。
また、第3実施形態においては、ニッケル粒子1を沈殿させていたが、第2実施形態のように、磁石を用いて引き寄せるようにしてもよいし、沈殿させるとともに磁石を用いて引き寄せるようにしてもよい。
また、第3実施形態においては、熱膨張係数調整用のスラリーは、2層であったが、1層又は3層以上、すなわち、1層又は複数層でよい。
また、第1実施形態から第3実施形態において、固体電解質としてYSZが使用されていたが、これに限定されない。例えば、固体電解質として、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化スカンジウム、酸化ガドリニウム等を添加した安定化ジルコニア、セリア系固溶体、酸化ビスマス固溶体、ランタンガリウム固溶体ペロブスカイト、ランタンコバルト系酸化物、ランタンマンガン系酸化物等を使用することができる。
1 ニッケル粒子(第1の粒子)
2 酸化ニッケル粒子(第2の粒子)
3 YSZ粒子(第3の粒子)
5 第1の主面
6 第2の主面
7 グレーディッド層
11,21 アノード電極材用スラリー(第1のアノード電極材用スラリー)
311 第1のアノード電極材用スラリー
312 第1の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー(第2のアノード電極材用スラリー)
313 第2の熱膨張係数調整用アノード電極材用スラリー(第2のアノード電極材用スラリー)
12,22,32 アノード電極材用シート
15,25,35 固体酸化物型燃料電池
16,26,36 アノード電極材

Claims (3)

  1. 第1の導電性材料からなる第1の粒子と、第2の導電性材料の酸化物からなる第2の粒子と、イオン導電性又は混合導電性を有する酸化物からなる第3の粒子と、を含む第1のアノード電極材用スラリーであって、第1の主面と、前記第1の主面の反対面である第2の主面と、を有する第1のアノード電極材用スラリーを形成するスラリー形成工程と、
    前記第1のアノード電極材用スラリーを乾燥させて、アノード電極材用シートを形成する乾燥工程と、
    前記アノード電極材用シートを焼成してアノード電極材を形成する焼成工程と、
    を備え、
    前記第1の粒子の平均質量は、前記第2の粒子の平均質量及び前記第3の粒子の平均質量よりも大きく、
    前記乾燥工程において、前記第1の粒子を前記第1の主面側に沈殿させることによって、前記第1の粒子を前記第1のアノード電極材用スラリーにおける前記第1の主面側に移動させる
    固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法。
  2. 第1の導電性材料からなる第1の粒子と、第2の導電性材料の酸化物からなる第2の粒子と、イオン導電性又は混合導電性を有する酸化物からなる第3の粒子と、を含む第1のアノード電極材用スラリーであって、第1の主面と、前記第1の主面の反対面である第2の主面と、を有する第1のアノード電極材用スラリーを形成するスラリー形成工程と、
    前記第1のアノード電極材用スラリーを乾燥させて、アノード電極材用シートを形成する乾燥工程と、
    前記アノード電極材用シートを焼成してアノード電極材を形成する焼成工程と、
    を備え、
    前記第1の粒子の平均質量、前記第2の粒子の平均質量及び前記第3の粒子の平均質量は同等であり、
    前記第1の導電性材料は、磁性体であり、
    前記乾燥工程において、前記第1のアノード電極材用スラリーの前記第1の主面側に磁石を配置し、前記第1の粒子を前記磁石に引き寄せることによって、前記第1の粒子を前記第1のアノード電極材用スラリーにおける前記第1の主面側に移動させ
    体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法。
  3. 第1の導電性材料からなる第1の粒子と、第2の導電性材料の酸化物からなる第2の粒子と、イオン導電性又は混合導電性を有する酸化物からなる第3の粒子と、を含む第1のアノード電極材用スラリーであって、第1の主面と、前記第1の主面の反対面である第2の主面と、を有する第1のアノード電極材用スラリーを形成するスラリー形成工程と、
    前記第1のアノード電極材用スラリーを乾燥させて、アノード電極材用シートを形成する乾燥工程と、
    前記アノード電極材用シートを焼成してアノード電極材を形成する焼成工程と、
    を備え、
    前記スラリー形成工程は、前記第1のアノード電極材用スラリーの前記第2の主面に前記第1のアノード電極材用スラリーの熱膨張係数と異なる熱膨張係数を有する1又は複数の第2のアノード電極材用スラリーを形成する工程を含み、
    前記乾燥工程は、前記第1のアノード電極材用スラリー及び前記第2のアノード電極材用スラリーを乾燥させることによって、前記アノード電極材用シートを形成する工程であり、
    前記乾燥工程において、前記第1の粒子を前記第1のアノード電極材用スラリーにおける前記第1の主面側に移動させる
    固体酸化物型燃料電池のアノード電極材の製造方法。
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