JP6171363B2 - 重金属含有水の処理方法及び重金属含有水の処理装置 - Google Patents

重金属含有水の処理方法及び重金属含有水の処理装置 Download PDF

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Description

この発明は、重金属類(銅、カドミウム、鉛、亜鉛等)を含有する水、例えば地下水、工場廃水、鉱山内の湧水(坑内水、浸透水)、捨石堆積場などからの浸透水、などから前記重金属を除去する処理方法及び処理装置に関する。
従来より、重金属含有水から重金属を除去する処理方法が提案されている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
例えば、特許文献1には、重金属含有水を、金属鉄、酸化鉄、カルシウム化合物を含む浄化剤に接触させることで重金属を固定化させる方法が開示されている。
特許文献2には、重金属含有水を硫化物イオンに反応させて、重金属を硫化物として分離する方法が開示されている。
特許文献3には、重金属含有水を、鉄複合粒子を含む浄化剤に接触させることで重金属を不溶化する方法が開示されている。
特開2004−243222号公報 特開2010−269249号公報 特許第4639029号公報
しかしながら、特許文献1に記載の処理方法では、浄化剤に含まれる金属鉄の酸化により浄化剤の性能が低下し、処理性能に影響が及ぶことがあった。
特許文献2に記載の処理方法では、重金属の硫化反応が不十分となり、処理効率が低下することがあり、長期にわたる安定的な処理は難しかった。
特許文献3に記載の処理方法では、重金属含有水の酸性が強い場合には、浄化剤に含まれる金属が溶出し、処理済み水中の金属濃度が高くなることがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、長期間にわたって安定して重金属を除去することが可能な重金属含有水の処理方法及び重金属含有水の処理装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は、重金属を含有する被処理水から重金属を除去する重金属含有水の処理方法であって、被処理水を石灰材に接触させて、前記被処理水のpHを調整するpH調整工程と、前記pH調整工程を経た被処理水を、腐葉土を含有する第1の有機材を含む鉄含有材に接触させて、前記鉄含有材に由来する鉄酸化物とともに前記重金属を不溶化させる第1分離工程と、前記第1分離工程を経た被処理水を、腐葉土を含有する第2の有機材に嫌気条件下で接触させて、前記第2の有機材中の硫酸還元微生物により被処理水中の硫酸イオンを還元するとともに前記重金属の硫化物を生成させる第2分離工程と、を含むことを特徴とする重金属含有水の処理方法を提供する。
本発明の重金属含有水の処理方法は、重金属を含有する被処理水から重金属を除去する重金属含有水の処理方法であって、被処理水を石灰材に接触させて、前記被処理水のpHを調整するpH調整工程と、前記pH調整工程を経た被処理水を、有機材を含む鉄含有材に接触させて、前記鉄含有材に由来する鉄酸化物とともに前記重金属を不溶化させる第1分離工程と、前記第1分離工程を経た被処理水を、有機材に嫌気条件下で接触させて、前記有機材中の硫酸還元微生物により被処理水中の硫酸イオンを還元するとともに前記重金属の硫化物を生成させる第2分離工程と、を含む重金属含有水の処理方法であってもよい。
本発明は、前記pH調整工程に先だって、前記被処理水を、有機材に接触させて前記有機材中の微生物により前記被処理水の溶存酸素濃度を調整する調整工程を含むことが好ましい。
前記調整工程では、前記有機材とともに、炭酸カルシウムを主成分とする粒状石灰および鉄含有材が用いられ、前記調整工程において、前記被処理水を、前記炭酸カルシウムを主成分とする粒状石灰および前記鉄含有材に接触させることが好ましい。
本発明は、前記被処理水を、あらかじめ礫砂を含む礫砂部に通過させる予備ろ過工程を含むことが好ましい。
予備ろ過工程では、前記被処理水に含まれる大型固形物を除去し、その後の工程における目詰まりを防止することができる。
さらに、前記石灰材は、炭酸カルシウムを主成分とすることが好ましい。
本発明は、前記重金属含有水の処理方法の実施に使用する重金属含有水の処理装置であって、石灰材を有し、被処理水のpHを前記石灰材によって調整するpH調整部と、鉄含有材を有し、前記pH調整部を経た被処理水中の前記重金属を、前記鉄含有材に由来する鉄酸化物とともに不溶化させ分離する第1分離部と、腐葉土を含有する第2の有機材を有し、前記第2の有機材中の硫酸還元微生物により前記被処理水中の硫酸イオンを還元するとともに前記重金属の硫化物を生成させ分離する第2分離部と、を有し、前記第1分離部は、前記鉄含有材が腐葉土を含有する第1の有機材を含むか、または、腐葉土を含有する第1の有機材を含む有機材層と前記鉄含有材を含む鉄含有層とを備える重金属含有水の処理装置を提供する。
本発明の重金属含有水の処理装置は、前記重金属含有水の処理方法の実施に使用する重金属含有水の処理装置であって、石灰材を有し、被処理水のpHを前記石灰材によって調整するpH調整部と、鉄含有材を有し、前記pH調整部を経た被処理水中の前記重金属を、前記鉄含有材に由来する鉄酸化物とともに不溶化させ分離する第1分離部と、有機材を有し、前記有機材中の硫酸還元微生物により前記被処理水中の硫酸イオンを還元するとともに前記重金属の硫化物を生成させ分離する第2分離部と、を有し、前記第1分離部は、前記鉄含有材が有機材を含むか、または、有機材を含む有機材層と前記鉄含有材を含む鉄含有層とを備える重金属含有水の処理装置であってもよい。
前記pH調整部の上流側には、有機材を有し、前記有機材中の微生物により前記被処理水の溶存酸素濃度を調整する調整部が設けられていることが好ましい。
前記調整部には、前記有機材とともに、炭酸カルシウムを主成分とする粒状石灰および鉄含有材が用いられることが好ましい。
本発明は、前記被処理水を予備的にろ過する礫砂部を備えていることが好ましい。
さらに、前記石灰材は、炭酸カルシウムを主成分とすることが好ましい。
本発明によれば、石灰材によりpHを調整するpH調整工程と、鉄含有材により鉄酸化物とともに重金属を不溶化させる第1分離工程と、硫酸還元微生物により硫酸イオンを還元するとともに重金属の硫化物を生成させる第2分離工程と、を有するので、重金属を第1分離工程および第2分離工程で不溶化し、確実かつ容易に除去することができる。
また、pH調整工程でpH調整を行うこと、および第1分離工程の鉄含有材に有機材を含有させることによって、鉄含有材からの鉄溶出量が過剰になるのを抑えることができる。
さらに、第1分離工程および第2分離工程では有機材を用いるため嫌気条件が維持されやすいことから、第2分離工程での硫酸還元反応および重金属の硫化反応を十分に進行させることができる。
また、調整工程では、前記pH調整工程に先だって、前記被処理水を有機材に接触させることによって、前記有機材中の微生物により前記被処理水中の溶存酸素を消費することができるため、前記石灰材表面にスケールが形成されることをさらに防止することができる。
従って、長期間にわたって安定して重金属を除去することが可能となる。
本発明の第1の実施形態である重金属含有水の処理装置の構成を説明する図である。 本発明の第1の実施形態である重金属含有水の処理方法を実施する時のフロー図である。 本発明の第2の実施形態である重金属含有水の処理装置の構成を説明する図である。 本発明の第2の実施形態である重金属含有水の処理方法を実施する時のフロー図である。 本発明の第3の実施形態である重金属含有水の処理装置の概略説明図である。 図5の処理装置の使用例を示す図である。 本発明の第4の実施形態である重金属含有水の処理装置の使用例を示す図である。 図5の処理装置の他の使用例を示す図である。 図5の処理装置の他の使用例を示す図である。 図5の処理装置の他の構造例を示す図である。 前図の処理装置の1つの層の構造を示す図である。 図5の処理装置の他の構造例を示す図である。 図5の処理装置の他の使用例を示す図である。 図5の処理装置の他の使用例を示す図である。 本発明の他の実施形態である重金属含有水の処理装置の使用例を示す図である。 処理水のpHを示す試験結果である。 処理水の酸化還元電位を示す試験結果である。 処理水のZn濃度を示す試験結果である。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態である重金属含有水の処理装置の構成を説明する図である。図2は、本発明の第1の実施形態である重金属含有水の処理方法を実施する時のフロー図である。
本発明の処理対象となるのは、重金属を含有する水であって、例えば地下水、工場廃水、鉱山内の坑内水や浸透水、捨石堆積場などからの浸透水等がある。
処理対象となる重金属としては、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、鉄(Fe)、カドミウム(Cd)、鉛(Pb)などを挙げることができる。また、アルミニウム(Al)も処理対象に含めることができる。
被処理水のpHは例えば3〜6である。
本発明の対象となる重金属含有水の具体例としては、重金属として亜鉛(Zn)を含む鉱山廃水が挙げられる。鉱山廃水は、通常、硫酸イオンを含有している。
図1に示すように、重金属含有水の処理装置1は、被処理水の流れ方向の上流側から下流側にかけて、被処理水槽10と、第1反応槽20と、第2反応槽30と、第3反応槽40とを有する。符号13は被処理水槽10内の被処理水である。
第1反応槽20は、上流側から下流側にかけて、第1調整層21(調整部)と、中間層23と、第2調整層22(調整部)とを有する。
第1および第2調整層21、22は、被処理水中の溶存酸素濃度を調整するものであって、生分解性の有機材を含有する。
有機材としては、腐葉土、バーク堆肥、木炭、油粕、鶏糞、牛糞、豚糞、コンポスト、泥炭、もみがら、ピートモス、ココピート、椰子がら、木質破砕物、おが粉、稲藁、木材チップ、ナタネ粕、バガス、オカラ、魚粕、魚粉、食品残渣などを例示することができる。
第1および第2調整層21、22には、生分解性の有機材が用いられるため、被処理水の溶存酸素濃度が十分に高い場合には、好気性微生物(好気性菌)が生育可能である。
中間層23は、第1調整層21と第2調整層22とを隔てるように設けられており、通水性が高い充てん材が充てんされた構造とすることができる。充てん材は、例えばプラスチックやセラミックスからなる。
なお、被処理水の溶存酸素濃度が十分に低い場合には、第1および第2調整層21、22はなくてもよい。このため、例えば処理装置1において、第1反応槽20がない構成も可能である。
第2反応槽30の石灰層31(pH調整部)は、石灰材で構成される層である。石灰材としては、炭酸カルシウム(CaCO)を主成分とするものが好ましい。例えば、石灰石(石灰岩、結晶質石灰岩(大理石)、方解石(カルサイト)、あられ石など)が使用できる。
石灰層31は、炭酸カルシウムなどからなる平均直径10〜100mm(例えば50mm)程度の粒状体(または粉状体)である石灰材を充てんして構成すると、通水性を高めることができる。
なお、本明細書において、平均粒子径としては、例えば50%累積粒子径、最頻粒子径などを採用してよい。平均粒子径は体積基準または質量基準で測定できる。また、主成分とは当該成分を50質量%を越えて含むことをいう。
第3反応槽40は、上流側から下流側にかけて、有機材層41と、鉄含有層42(第1分離部)と、硫酸還元層43(第2分離部)とを有する。
有機材層41は、有機材を含んで構成される。有機材としては、第1および第2調整層21、22に使用できる有機材として挙げたもの(腐葉土、バーク堆肥等)を使用できる。
鉄含有層42は、鉄を含有する接触材(鉄含有材)で構成される層である。鉄含有材は、鉄を含む材料(金属鉄、酸化鉄など)からなり、例えば鉄粉、鉄微粒子、鉄片、鉄切削屑などが使用できる。
鉄含有層42は、上流側に有機材層41があるため、被処理水に伴って有機材層41から流入した有機材を含む。
硫酸還元層43は、有機材を含んで構成される。有機材としては、第1および第2調整層21、22に使用できる有機材として挙げたもの(腐葉土、バーク堆肥等)を使用できる。
後述のように、硫酸還元層43は嫌気条件となるため、硫酸還元微生物(硫酸還元菌)が生育する。
硫酸還元菌としては、例えば、Desulfovibrio, Desulfomicrobium, Desulfobacula, Desulfobacterが挙げられるが、これらには限定されない。
硫酸還元層43には、生分解性プラスチックなどからなる充てん材(担体)を使用してもよい。
次に、図1および図2を参照して、処理装置1を用いた重金属含有水の処理方法について説明する。
被処理水槽10内の被処理水を、送液ポンプ11により経路12を通して第1反応槽20に供給する。
第1反応槽20内で、被処理水は第1調整層21に供給され、第1調整層21を構成する有機材に接触する(調整工程)。これによって、有機材中の好気性微生物により被処理水の溶存酸素が消費され、その濃度が低下する。
同様に、第2調整層22でも、有機材中の好気性微生物により被処理水の溶存酸素が消費され、その濃度が低下する。
第1および第2調整層21、22を通過することにより被処理水の溶存酸素濃度が低下するため、下流側の石灰層31での鉄酸化物(または鉄水酸化物)からなる固着物(スケール)の生成を抑えることができる。
また、有機材は生分解性であるため好気性微生物の栄養源となり得ることから、第1および第2調整層21、22は好気性微生物の生育に適している。
第1および第2調整層21、22を構成する有機材には、例えば腐植酸(フミン酸)等のpH緩衝能を有する物質が含まれる。腐植酸(フミン酸)等は、カルボキシル基(−COOH)、水酸基(−OH)、アミノ基(−NH)などを含み、これらの官能基は金属類とイオン交換可能である。
有機材のpH緩衝能の例として、酸およびアルカリの中和反応を以下に示す。
Na+ H+ Cl → RH + Na+ Cl
H + Na + OH + Cl → R Na + HO(Rは有機材に含まれる官能基であって、Hに対する選択性の高い陽イオン交換基である)
有機材のpH緩衝能によって、被処理水のpHは調整される。被処理水のpHは例えば3〜4から5〜6に上昇する。
また、被処理水に含まれる一部の金属は、有機材との反応により被処理水中の濃度が低下する。
例えばAlおよびZnは、有機材(例えば前述の腐植酸)との反応によって、被処理水中の濃度が低下する。
第1反応槽20を経た被処理水は、経路24を通して、第2反応槽30の石灰層31に供給される。
石灰層31では、被処理水は石灰材に接触する(pH調整工程)。石灰材を構成する炭酸カルシウム等が被処理水に溶解することによって、被処理水のpHは上昇する。被処理水のpHは例えば6〜8に高められる。
石灰材(炭酸カルシウム)の溶解時の反応の例を挙げる。pHが5より低いときには主に次の反応が進行する。
CaCO + 2H → Ca2+ + H + CO
反応が進み、pHが5以上となると、主に次の反応が進行する。
CaCO + HCO → Ca2+ + 2HCO
pH緩衝作用を有する炭酸水素イオンの生成によって、第1分離工程の鉄含有層42で鉄イオンの酸化が起きてもpH低下が起こりにくくなる。
このため、石灰材として炭酸カルシウムを主成分とするものを用いれば、pHを中性付近(例えば6〜8)に調整するのが容易になる。
被処理水のpHを中性付近にすることによって、鉄含有層42での鉄溶出量が過剰になるのを抑えることができる。
被処理水は石灰層31の入口で無酸素状態(またはそれに近い状態)であることが好ましい。すなわち、石灰層31の入口での酸化還元電位は0mV以下が好ましい。酸化還元電位は、Eh計(藤原製作所)で水素基準電極に換算した数値を測定値とすることができる。
第2反応槽30を経た被処理水は、経路32を通して、第3反応槽40の有機材層41に供給される(第1分離工程)。有機材層41では、有機材中の好気性微生物により被処理水の溶存酸素濃度がさらに低下する。
被処理水が鉄含有層42(第1分離工程)に供給されると、鉄含有材に含まれる鉄の一部は、次式に示すようにイオン化する。
Fe + 2HO → Fe2+ + H+ 2OH
この反応によれば、水素および水酸化物イオンが生成するため、被処理水のpHが上昇するとともに、被処理水は強い還元状態となる。
鉄含有層42出口における被処理水の酸化還元電位は、例えば−100mV以下(例えば−600〜−100mV)とすることができる。鉄含有層42における被処理水の酸化還元電位は−200mV以下とすると、硫酸還元層43での硫酸還元反応およびマグネタイト生成が促進されるため好ましい。
生成した鉄イオンは、酸化物(マグネタイト(Fe)など)となって不溶化する。この酸化物は、重金属(Zn、Cu、Cd、Pbなど)を吸着する作用があるため、前記重金属を伴って不溶化する。
このため、被処理水中の重金属濃度は低下する。不溶化した重金属は鉄含有層42に捕捉され、被処理水から分離される。
有機材層41の有機材の一部は被処理水とともに流出し、鉄含有層42に供給されるため、鉄含有層42には有機材が含まれる。
有機材は、鉄含有層42の鉄含有材からの鉄溶出が過剰となるのを抑える作用を有する。
有機材が鉄溶出を抑えることができる理由として、有機材が鉄含有材表面を覆い、鉄含有材と水との接触機会が減少するとともに、溶解した鉄が有機材に吸着・共沈することにより鉄イオン溶出が起こりにくくなるという推測が可能である。
また、有機材はpH緩衝能を有するため、被処理水のpHの低下を防ぎ、鉄溶出を抑えることができる。
鉄含有層42を経た被処理水は、還元状態のまま硫酸還元層43に供給され、嫌気条件で有機材に接触する(第2分離工程)。
被処理水中の硫酸イオンは、硫酸還元層43内の硫酸還元菌により還元され、硫化物イオン(S2−)が生成される。
この硫化物イオンと重金属とが反応して、前記重金属の硫化物が生成される。重金属の硫化物の多くは難溶性であるため、大部分が不溶化物となって有機材等に捕捉され、硫酸還元層43内に残る。このため、被処理水から分離される。
例えば、Znは硫化物イオンと反応して硫化亜鉛(ZnS)が生成される。硫化亜鉛は水に対して難溶性であるため、不溶化物として被処理水から分離される。
硫酸還元菌による硫化物イオンの生成から硫化亜鉛の生成までの反応式を以下に示す。
2CHO + SO 2− → HS + 2HCO3−
S + Zn2+ → ZnS↓ + 2H
被処理水中のFeは、黒変していることから、硫化物イオンと反応して硫化鉄(FeS)となるか、またはマグネタイト(Fe)として不溶化すると考えられる。
硫酸還元層43内は還元状態となるため、鉄酸化物からなる固着物(スケール)の生成を抑えることができる。
硫酸還元層43を経た被処理水は、処理済み水63として経路44を通して系外に排出される。
本実施形態の重金属含有水の処理方法によれば、被処理水中の溶存酸素を消費する調整工程と、石灰層31で被処理水のpHを調整するpH調整工程と、鉄含有層42で鉄酸化物とともに重金属を不溶化させる第1分離工程と、硫酸還元層43で硫酸イオンを還元するとともに重金属の硫化物を生成させる第2分離工程と、を有するので、重金属を第1分離工程および第2分離工程で不溶化し、確実かつ容易に除去することができる。
また、調整工程で溶存酸素量を低下させること、pH調整工程でpH調整を行うこと、および鉄含有層42に有機材を含有させることによって、鉄含有層42での鉄溶出量が過剰になるのを抑えることができる。
さらに、鉄含有層42および硫酸還元層43には有機材が含まれるため、微生物の作用により嫌気条件が維持されやすい。よって、硫酸還元層43において硫酸還元反応および重金属の硫化反応を十分に進行させることができる。
従って、長期間にわたって安定して重金属を除去することが可能となる。
図3は、本発明の第2実施形態である重金属含有水の処理装置の構成を説明する図である。
また、図4は、本発明の第2の実施形態である重金属含有水の処理方法を実施する時のフロー図である。
以下の説明において、第1実施形態の処理装置1と共通の部分については同じ符号を付してその説明を省略する。
ここに示す処理装置1’は、第1反応槽20の上流側に、予備ろ過槽50(予備ろ過部)が設けられている点で図1の処理装置1と異なる。
予備ろ過槽50は、被処理水を予備的にろ過するもので、礫砂を充てんした礫砂層51(礫砂部)を有する。礫砂層51は、例えば平均直径10〜100mm(例えば50mm)程度の粒状体(または粉状体)である礫砂を充てんして構成すると、通水性を高めることができる。
この処理装置1’は、被処理水を礫砂層51に通過させることによって(予備ろ過工程)、被処理水中に含まれる大型固形物を除去し、その後の工程における目詰まりを防ぐことができる。
図5は、本発明の第3実施形態である重金属含有水の処理装置の概略説明図である。
ここに示す処理装置61は、上流側から下流側にかけて、礫砂層51と、調整層21と、石灰層31と、有機材層41と、鉄含有層42と、硫酸還元層43とを有する。
処理装置61は、前記複数の層が一体化したユニットである。例えば、これら6つの層を外装体内に設けて一体化し、隣り合う層の間には通水性の隔壁を設けた構成が可能である。
処理装置61は、図5に示す構成から礫砂層51と調整層21の一方または両方を欠く構成としてもよい。
図6は、処理装置61の使用例を示す概略説明図である。
ここに示す処理装置61(61A)は、伏流型の人工湿地62に設置されている。
処理済み水63に含まれる金属成分のうち、酸化物として分離可能なものについては、貯水部64において噴射管65から大気中に噴射することで酸化して不溶化し、除去することができる。
例えば処理済み水63中のマンガン(Mn)は、酸化物として不溶化し、除去できる。
図7は、本発明の第4実施形態である重金属含有水の処理装置の使用例を示す図である。
ここに示す処理装置71は、溝状空間72を有する通水路本体部73と、通水路本体部73の一方の側縁に設けられた被処理水13の供給部74と、通水路本体部73の他方の側縁に設けられた処理済み水63の排出部75とを備えている。
通水路本体部73の内部の溝状空間72は、隔壁76によって、処理装置61(61B)が設けられる処理用空間77と、処理済み水63を排出部75に導く排出路78とに区画されている。
供給部74からの被処理水13は通水路本体部73の溝状空間72に流入し、溝状空間72内を長手方向に流れつつ、処理装置61に導入される。
処理装置61を通過した処理済み水63は排出路78を通って排出部75に導入され、系外に排出される。
図8は、処理装置61の他の使用例を示す図である。
処理装置61(61C)は鉱山の縦坑道81内、横坑道82内、および地表面の陥没部83に形成された縦坑84内に設けてもよい。
鉱山の坑道内の坑内水や浸透水は、処理装置61(61C)に導入されることで重金属が除去される。
図9は、処理装置61の他の使用例を示す図である。
処理装置61(61D)は、捨石堆積場の堆積された捨石層91に設置してもよい。捨石層91からの浸透水は、処理装置61に導入されることで重金属が除去される。
図10および図11は、処理装置61の他の構造例を示す図である。
図10に示す処理装置61(61E)は、礫砂層51、調整層21、石灰層31、有機材層41、鉄含有層42および硫酸還元層43をそれぞれカートリッジ化し、他の層に対し着脱可能とすることができる。
図11は、各層の構造の一例(図11では調整層21)を示す構成図であって、矩形筒状の外装体21a内に有機材を充てんした層本体21bと、その両端開口を覆う保持網部21cとを有する。保持網部21cは被処理水が通過可能であり、かつ外装体21a内の有機材の脱落を阻止できる。他の層51、31、41、42、43も同様に、外装体内に内容物が充てんされた層本体の両端開口が保持網部で覆われた構造とすることができる。
図10に示すように、処理装置61(61E)を構成する層51、21、31、41、42、43のうち一部が劣化した場合には、その層を新しいものに交換できる。図示例では劣化した調整層21(21A)が取り出され、新しい調整層21(21B)に交換される。
図12は、処理装置61の他の構造例を示す図である。
図12に示す処理装置61(61F)は、隣り合う層を互いに接続する経路として、層下部どうしを接続する下部経路と層上部どうしを接続する上部経路とが、上流側から下流側にかけて交互に使用される。
図示例では、層21、31間と、層41、42間に隔壁67(67A、67B)が設けられている。また、隔壁67は層43の下流側にも設けられている(隔壁67C)。隔壁67は設置面66から立設されている。隔壁67の高さは各層より低くされている。
図12の符号68はセパレータであって、天板部69とその下面から垂下する隔壁70とを有するT字形に形成されている。図12では3つのセパレータ68が使用されている。
第1のセパレータ68(68A)は、天板部69(69A)が層51、21の上面を覆い、隔壁70(70A)が層51、21間に設けられている。第2のセパレータ68(68B)は、天板部69(69B)が層31、41の上面を覆い、隔壁70(70B)が層31、41間に設けられている。第3のセパレータ68(68C)は、天板部69(69C)が層42、43の上面を覆い、隔壁70(70C)が層42、43間に設けられている。隔壁70は、下端が設置面66に達しない長さとされている。
天板部69は、外気が被処理水に触れるのを阻止できる気密性を有することが好ましい。また、隣り合うセパレータ68の天板部69は端部どうしが互いに気密に接続されていることが好ましい。これによって、外気の流入を防止して被処理水の酸化還元電位が上昇するのを防止できる。
層51に流入した被処理水は、層51内を上部から下部に向けて流れ、セパレータ68Aの隔壁70A下端と設置面66との隙間(下部経路91(91A))を通って層21の下部に導入される。被処理水は、層21内を下部から上部に向けて流れ、隔壁67A上端と天板部69Bとの隙間(上部経路92(92A))を通って層31の上部に導入される。
層31に流入した被処理水は、層31内を上部から下部に向けて流れ、セパレータ68Bの隔壁70B下端と設置面66との隙間(下部経路91(91B))を通って層41の下部に導入される。被処理水は、層41内を下部から上部に向けて流れ、隔壁67B上端と天板部69Cとの隙間(上部経路92(92B))を通って層42の上部に導入される。
層42に流入した被処理水は、層42内を上部から下部に向けて流れ、セパレータ68Cの隔壁70C下端と設置面66との隙間(下部経路91(91C))を通って層43の下部に導入される。被処理水は、層43内を下部から上部に向けて流れ、隔壁67C上端を越えて系外に流出する。
この例の処理装置61(61F)は、下部経路91(91A、91B、91C)と上部経路92(92A、92B)とが層51から層43にかけて交互に使用されるため、簡略な構造でありながら被処理水を各層の全体に通過させることができる。よって、処理効率の向上を図ることができる。また、構造が簡略であるため低コスト化および装置の小型化も可能となる。
図13は、処理装置61の他の使用例を示す図である。
この例の処理装置61(61G)は土壌中の汚染源93に対して地下水流の下流側に設けられている。層51〜43は、土壌中にボーリング等によって形成された空間94内に設けられる。汚染源93を経た地下水は、矢印方向に流れて処理装置61に導入されることで重金属が除去される。
図14は、処理装置61の他の使用例を示す図である。
この例の処理装置61(61H)では、調整層21と有機材層41に液肥を供給することができる。液肥としては、有機材中の微生物が資化可能なものが用いられ、例えばアルコール(エタノール等)、乳酸、有機酸等が使用できる。液肥の供給によって有機材中の微生物を活性化できる。
図15は、本発明の他の実施形態である重金属含有水の処理装置101を説明する図である。
ここに示す処理装置101は、第1反応槽20A以外は図1に示す処理装置1と同じ構成である。第1反応槽20Aは、調整層21C(調整部)を有する。調整層21Cには、図1に示す調整層21、22と同様に、生分解性の有機材が充てんされる。有機材としては、処理装置1の説明中ですでに述べた材料、すなわち、腐葉土、バーク堆肥等を使用できる。
調整層21Cには、鉄含有材(鉄粉等)と、石灰材(炭酸カルシウム等)とが有機材とともに充填される。
鉄含有材の添加量は、例えば有機材100質量部に対し、5〜100質量部(好ましくは5〜25質量部)としてよい。
鉄含有材の添加によって、上述のとおり、被処理水の酸化還元電位を低くできる。このため、被処理水中の鉄に由来する鉄酸化物等が第2反応槽30の石灰層31に付着するのを防ぐことができる。また、鉄含有材には、pHの低下を抑制する作用もある。
鉄含有材は、過剰に添加しても上記作用をそれ以上に高めるのは難しいため、添加量は上述の範囲とするのが好ましい。
石灰材は、炭酸カルシウム(CaCO)を主成分とする粒状物(粒状石灰)が好ましい。石灰材は前述の石灰層31に使用できるものと同じものが使用可能である。
石灰材の添加量は、被処理水のpH(調整層21Cの出口水のpH)が5〜7、好ましくは5.5〜6.5となるように設定するのが好適である。
石灰材の添加量が少なすぎれば、pH低下により調整層21C中の微生物の活性が低下し、酸化還元電位を低く維持するのが難しくなる。
pHが高くなりすぎれば金属の水酸化物が析出して通水が阻害されるため、pHは上記範囲が好ましい。石灰材は、添加量が多くてもpHの過剰な上昇が起こりにくいという利点がある。
石灰材の添加量は、例えば有機材100質量部に対し、5〜100質量部(好ましくは25〜50質量部)としてよい。
石灰材の添加によって、上述のとおり、pHの低下を抑制することができる。このため、鉄含有材が溶出するのを防ぎ、処理水中のFe濃度を低くすることができる。
石灰材は、過剰に添加しても上記作用をそれ以上高めることはできず、かつコストがかさむことになるため、添加量は上述の範囲に抑えるのが好ましい。
鉄含有材および石灰材は、有機材とともに調整層21Cに充てんされる。
調整層21C内の鉄含有材および石灰材の分布は特に限定されないが、鉄含有材および石灰材は有機材に均一に混合してよい。また、鉄含有材および石灰材は、必要に応じて、調整層21C内で偏在させてもよい。例えば、調整層21Cの入口側の部分(図15において調整層21Cの上部)に鉄含有材を集中的に含有させてもよい。また、調整層21Cは、有機材からなる層と、鉄含有材からなる層と、石灰材からなる層とで構成してもよい。
FeやZnなどの金属の濃度が高い被処理水は、処理が長期にわたると、第1反応槽の処理性能が低下し、酸化還元電位を低く維持できなくなるおそれがある。
酸化還元電位を低くできなくなれば、第2反応槽で鉄酸化物が固着する問題が生じて処理性能が低下し、さらにはそれ以降の反応槽の性能低下も引き起こす可能性がある。
これに対し、図15に示す処理装置101では、調整層21Cに、鉄含有材(鉄粉等)と石灰材(炭酸カルシウム等)とが用いられるので、被処理水の金属濃度が高い場合でも、長期にわたって酸化還元電位を低くし、処理性能を維持できる。
(実施例1)
図1に示す処理装置1を作製した。
第1反応槽20の第1調整層21には腐葉土を用い、第2調整層22にはバーク堆肥を用いた。
石灰層31には、石灰石(炭酸カルシウムを主成分とする)を用いた。有機材層41には腐葉土を用い、鉄含有層42には鉄粉を使用した。硫酸還元層43には構造上強度を高め透水性を維持するために腐葉土とプラスチック製充てん材を使用した。
被処理水の流量は637ml/dayとし、総通水量が15Lとなるまで連続通水し、その時点での被処理水の測定結果を表1に示す。採取地点とは、図1の処理装置1における囲み文字の数字で示す箇所である。
Figure 0006171363
表1より、pHについては、当初3.1であったのが、第1および第2調整層21、22を経た段階で6.0に上昇し、さらに、石灰層31により6.7にまで上昇し、硫酸還元層43を経た段階で7.3に達したことがわかる。また、酸化還元電位は、鉄含有層42において十分に低い値となったことが確認された。
亜鉛濃度については、当初26.6mg/lであったのが、鉄含有層42を経た段階で3.0mg/lにまで低下し、さらに、硫酸還元層43を経ることで0.02mg/lにまで低下したことが確認された。
鉄濃度については、鉄含有層42の鉄含有材からの鉄溶出による上昇が見られたが、硫酸還元層43を経ることで大幅に低下したことが確認された。
(実施例2〜5)
図15に示す第1反応槽20を模して、腐葉土(有機材)を充填した調整層を有する反応槽を作製した。調整層の成分を表2に示す。
実施例2では鉄粉、炭酸カルシウムのいずれも使用しなかった。実施例3、4では調整層に炭酸カルシウム(粒状)を添加した。実施例5では鉄粉と炭酸カルシウム(粒状)の両方を使用した。
この反応槽にFe、Cu、Zn等を含む酸性の被処理水を導入し、処理水(出口水)のpHと酸化還元電位(ORP)を測定した。結果を図16および図17に示す。
図16に示すように、調整層に鉄粉と炭酸カルシウムとを使用した実施例5では、鉄粉と炭酸カルシウムのいずれも使用しない実施例2に比べ、長期にわたってpH低下を抑制できた。
図17に示すように、調整層に鉄粉と炭酸カルシウムとを使用した実施例5では、他の実施例に比べて、長期にわたって酸化還元電位(ORP)を低く維持できた。
Figure 0006171363
(実施例6)
図15に示す処理装置101を作製した。
第1反応槽20Aの調整層21Cには、腐葉土40g、炭酸カルシウム5g、鉄粉10gを使用した。
石灰層31には、石灰石(炭酸カルシウムを主成分とする)300gを用いた。有機材層41には腐葉土30gを用い、鉄含有層42には鉄粉20gを使用した。硫酸還元層43には腐葉土40gを使用した。総充填量は742mL(空隙量597mL)とした。
被処理水(原水)のFe濃度、Mn濃度、Zn濃度、およびpHを測定した結果を表3に示す。表3に示すように、金属濃度が比較的高い被処理水を用いた。表3には、総充填量に対する被処理水の流量および滞留時間を併せて示す。
処理水のZn濃度の測定結果を、図18に示す。
Figure 0006171363
表3、図18に示すように、第1反応槽20Aの調整層21Cに鉄粉および炭酸カルシウムを用いた実施例6では、被処理水の金属濃度が高いにもかかわらず、より長期にわたって処理水のZn濃度を低くすることができた。
なお、石灰材としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウムなどがあるが、特に、炭酸カルシウムが好ましい。
1、1’、61、71 101 重金属含有水の処理装置
21 第1調整層(調整部)
22 第2調整層(調整部)
31 石灰層(pH調整部)
41 有機材層(第1分離部)
42 鉄含有層(第1分離部)
43 硫酸還元層(第2分離部)
51 礫砂層(礫砂部)

Claims (10)

  1. 重金属を含有する被処理水から重金属を除去する重金属含有水の処理方法であって、
    被処理水を石灰材に接触させて、前記被処理水のpHを調整するpH調整工程と、
    前記pH調整工程を経た被処理水を、腐葉土を含有する第1の有機材を含む鉄含有材に接触させて、前記鉄含有材に由来する鉄酸化物とともに前記重金属を不溶化させる第1分離工程と、
    前記第1分離工程を経た被処理水を、腐葉土を含有する第2の有機材に嫌気条件下で接触させて、前記第2の有機材中の硫酸還元微生物により被処理水中の硫酸イオンを還元するとともに前記重金属の硫化物を生成させる第2分離工程と、
    を含むことを特徴とする重金属含有水の処理方法。
  2. 前記pH調整工程に先だって、前記被処理水を、有機材に接触させて前記有機材中の微生物により前記被処理水の溶存酸素濃度を調整する調整工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の重金属含有水の処理方法。
  3. 前記調整工程では、前記有機材とともに、炭酸カルシウムを主成分とする粒状石灰および鉄含有材が用いられ、
    前記調整工程において、前記被処理水を、前記炭酸カルシウムを主成分とする粒状石灰および前記鉄含有材に接触させることを特徴とする請求項2に記載の重金属含有水の処理方法。
  4. 前記被処理水を、あらかじめ礫砂を含む礫砂部に通過させる予備ろ過工程を含むことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の重金属含有水の処理方法。
  5. 前記石灰材は、炭酸カルシウムを主成分とすることを特徴とする請求項1乃至4のうちいずれか1項に記載の重金属含有水の処理方法。
  6. 請求項1乃至5のうちいずれか1項に記載の重金属含有水の処理方法の実施に使用する重金属含有水の処理装置であって、
    石灰材を有し、被処理水のpHを前記石灰材によって調整するpH調整部と、
    鉄含有材を有し、前記pH調整部を経た被処理水中の前記重金属を、前記鉄含有材に由来する鉄酸化物とともに不溶化させ分離する第1分離部と、
    腐葉土を含有する第2の有機材を有し、前記第2の有機材中の硫酸還元微生物により前記被処理水中の硫酸イオンを還元するとともに前記重金属の硫化物を生成させ分離する第2分離部と、を有し、
    前記第1分離部は、前記鉄含有材が腐葉土を含有する第1の有機材を含むか、または、腐葉土を含有する第1の有機材を含む有機材層と前記鉄含有材を含む鉄含有層とを備えることを特徴とする重金属含有水の処理装置。
  7. 前記pH調整部の上流側に、有機材を有し、前記有機材中の微生物により前記被処理水の溶存酸素濃度を調整する調整部が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の重金属含有水の処理装置。
  8. 前記調整部には、前記有機材とともに、炭酸カルシウムを主成分とする粒状石灰および鉄含有材が用いられることを特徴とする請求項7に記載の重金属含有水の処理装置。
  9. 前記被処理水を予備的にろ過する礫砂部を備えていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項に記載の重金属含有水の処理装置。
  10. 前記石灰材は、炭酸カルシウムを主成分とすることを特徴とする、請求項6乃至9のいずれか1項に記載の重金属含有水の処理装置。
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