JP6170541B2 - 空調機の制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セントラル空調方式の空調機の制御方法に関する。
中規模ないしは大規模の建物の空調設備には、セントラル空調方式が採用されている。近年では、地域冷暖房システムも普及してきており、地域で共有する冷熱源から温水及び冷水が各建物に供給されている。各建物にそれぞれ設定された空調機は、外気を取り入れてその温度を冷水又は温水を用いて調節し、当該建物内の冷房又は暖房の空調を行う。一般的な空調機は、季節による外気の変化に関わらず室内温度を常に一定に維持する制御を行っている。そこで、外気の条件に応じて空調機において種々の制御を行い、冷水や温水に使用量をできるだけ低減して省エネルギーを図るための技術が提案されている。
特許文献1に記載された空調制御システムでは、空調機とは別に設置された喚起システムにおいて外気と排気の全熱交換を行うことにより、外気温度を調整して空調設備の省エネルギーを図っている。
特許文献2に記載された外気冷房システムでは、還気を加湿して外気と混合し、その際に混合空気の温度が給気温度となるように混合量を制御することにより、冷水コイルを停止して省エネルギーを図っている。
特開2014−59124号公報 特許3990143号公報
四季によって外気温度は大きく変化するが、このような外気温度の変化に応じて年間を通し省エネルギーを実現できる空調機制御方法であって、かつ、既存のシステム構成を大きく変更することなく簡易に実施できる制御方法は未だ提示されていない。
現状では、一般的なビル空調設備では、春期も冬期の設定のまま維持し、秋期も夏期の設定のまま維持するという制御を行っている。またその設定は、例えば外気と排気の全熱交換効率や、給気(外気と還気からなる)における外気量比率を常に一定とするものである。この結果、外気と還気を混合した混合空気の温度が、一定に設定された給気温度より高くなった場合や低くなった場合は、混合空気の温度を給気温度に冷却又は加熱するために、冷却コイルにおいて冷水を使用し、又は、加熱コイルにおいて温水を使用している。
春秋の中間期は、屋外が快適な外気条件ではあるが、外気をそのまま室内に導入しただけでは、変動しやすい外気温度と室内発生熱の存在により常に室内を快適に維持(即ち一定の給気温度を維持)することは困難である。従って、中間期にも冷水・温水の供給調整が頻繁に行われているのが現状であり、エネルギー消費量を大きくしている。これは、中間期においても、全熱交換効率及び外気量比率を冬期や夏期と同じ設定としていることが大きな要因である。
また、冬期においても、同様にして冷水を使用することがしばしば発生するため、エネルギーの無駄となっている。なお、夏期においては冷水を大量に使用せざるを得ないが、できるだけその使用量を低減することが望ましいことはいうまでもない。
年間を通して冷水も温水も使用せずに一定の給気温度を維持できれば理想的である。そのためには、少なくとも全熱交換効率と外気量比率をリアルタイムに所望する値に制御することが必要となる。しかしながら、一般的なシステムの全熱交換器は停止(全熱交換効率が零)と稼働(全熱交換効率が一定値)の2値の制御のみが可能である。また、外気量比率も、外気ダンパの開度の機械的な調整によるので、現状では2段から3段程度の段階的な制御のみが可能となっている。
従って、現実的には、中間期及び冬期については、冷水を使用せず温水使用量をできるだけ少なく使用するような制御方法、また夏期については、冷水使用量をできるだけ少なくするような制御方法を実現するだけでも、現状よりも大きな省エネルギー効果が得られると期待される。
以上の現状に鑑み、本発明は、空調機の制御方法において、既存のシステム構成を大きく変更することなく簡易に実施可能であり、春秋の中間期、冬期及び夏期のいずれの季節においても省エネルギー効果を上げることができる制御方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は、以下の構成を提供する。なお、括弧内の記号は、後述する図面中の符号であり参考のために付するものである。
本発明の第1の態様は、所定の全熱交換効率(η)にて排気(EA)と全熱交換可能な所定の外気温度(To)の外気(OA)を、所定の外気量比率(α)にて所定の還気温度(Tr)の還気(RA)と混合することにより混合空気(M)とし、混合空気温度(Tm)が一定の給気温度(Ts)と異なる場合は混合空気(M)を冷却又は加熱して一定の給気温度(Ts)の給気(SA)を送出する空調機の制御方法であって、
中間期(N)における全熱交換効率(η)及び外気量比率(α)の決定工程において、
(a)一定の設計値である給気温度(Ts)及び還気温度(Tr)を決定するステップと、
(b)全熱交換効率を零に決定するステップと、
(c)段階的な2以上の外気量比率(α)のレベルを選択するステップと、
(d)前記外気量比率(α)の各レベルについて、前記還気温度(Tr)及び前記全熱交換効率(η)を用いて、外気温度(To)と混合空気温度(Tm)の関係を示す一次関数をそれぞれ導出するステップと、
(e)中間期(N)の外気温度(To)の範囲内であって前記一次関数の各々について混合空気温度(Tm)が前記給気温度(Ts)より低い範囲を対象とし、各一次関数の混合空気温度(Tm)が他の一次関数のそれに比べて前記給気温度(Ts)に最も近くなる範囲を、当該一次関数の外気量比率(α)の設定を維持する設定維持範囲(N1, N2, N3)としてそれぞれ決定するステップと、を有することを特徴とする。
本発明の第2の態様は、所定の全熱交換効率(η)にて排気(EA)と全熱交換可能な所定の外気温度(To)の外気(OA)を、所定の外気量比率(α)にて所定の還気温度(Tr)の還気(RA)と混合することにより混合空気(M)とし、混合空気温度(Tm)が一定の給気温度(Ts)と異なる場合は混合空気(M)を冷却又は加熱して一定の給気温度(Ts)の給気(SA)を送出する空調機の制御方法であって、
冬期(W)における全熱交換効率(η)及び外気量比率(α)の決定工程において、
(a)一定の設計値である給気温度(Ts)及び還気温度(Tr)を決定するステップと、
(b)全熱交換効率を一定値に決定するステップと、
(c)段階的な2以上の外気量比率(α)のレベルを選択するステップと、
(d)前記外気量比率(α)の各レベルについて、前記還気温度(Tr)及び前記全熱交換効率(η)を用いて、外気温度(To)と混合空気温度(Tm)の関係を示す一次関数をそれぞれ導出するステップと、
(e)冬期(W)の外気温度(To)の範囲内であって前記一次関数の各々について混合空気温度(Tm)が前記給気温度(Ts)より低い範囲を対象とし、各一次関数の混合空気温度(Tm)が他の一次関数のそれに比べて前記給気温度(Ts)に最も近くなる範囲を、当該一次関数の外気量比率(α)の設定を維持する設定維持範囲(W1, W2)としてそれぞれ決定するステップと、を有することを特徴とする。
本発明の第3の態様は、所定の全熱交換効率(η)にて排気(EA)と全熱交換可能な所定の外気温度(To)の外気(OA)を、所定の外気量比率(α)にて所定の還気温度(Tr)の還気(RA)と混合することにより混合空気(M)とし、混合空気温度(Tm)が一定の給気温度(Ts)と異なる場合は混合空気(M)を冷却又は加熱して一定の給気温度(Ts)の給気(SA)を送出する空調機の制御方法であって、
夏期(S)における全熱交換効率(η)及び外気量比率(α)の決定工程において、
(a)一定の設計値である給気温度(Ts)及び還気温度(Tr)を決定するステップと、
(b)全熱交換効率を一定値に決定するステップと、
(c)段階的な2以上の外気量比率(α)のレベルを選択するステップと、
(d)前記外気量比率(α)の各レベルについて、前記還気温度(Tr)及び前記全熱交換効率(η)を用いて、外気温度(To)と混合空気温度(Tm)の関係を示す一次関数をそれぞれ導出するステップと、
(e)夏期(S)の外気温度(To)の範囲内であって前記一次関数の各々について混合空気温度(Tm)が前記給気温度(Ts)より高い範囲を対象とし、各一次関数の混合空気温度(Tm)が他の一次関数のそれに比べて前記給気温度(Ts)に最も近くなる範囲を、当該一次関数の外気量比率(α)の設定を維持する設定維持範囲(S1, S2)としてそれぞれ決定するステップと、を有することを特徴とする。
上記いずれかの態様において、前記設定維持範囲の各々に対し月単位又は日単位の実際の期間を対応付けておき、実際の期間において、対応する設定維持範囲の全熱交換効率(η)及び外気量比率(α)の設定を維持して空調機を制御することが、好適である。
本発明による空調機の制御方法は、季節毎の全熱交換効率と外気量比率の設定値を決める工程に特徴がある。全熱交換効率については、季節毎に零又は一定値とする。外気量比率については、季節毎に先ず2以上の段階的な数値を選択し、各数値について外気温度と混合空気温度との関係を示す一次関数を用いて、混合空気温度が一定の給気温度にできる限り近くなるように、当該数値を維持する外気温度範囲を決定する。この結果、中間期及び冬期においては、冷水の使用を回避し、温水使用量も少なくすることができる。また、夏期においても冷水の使用を低減することができる。よって本発明によれば、年間を通して温水及び冷水の使用による消費熱量を低減でき、省エネルギーを実現できる。
図1は、本発明による空調機(空気調和機)の制御方法を適用される空調システムの全体構成を概略的かつ模式的に示した図である。 図2は、所定の設計条件による空調機の制御状況の一例を湿り空気線図上に表したものである。 図3は、[式3]のTr、η、αの定数を所定の設計条件の数値とし、外気温度To及び混合空気温度Tmを、それぞれx軸及びy軸の変数として示したグラフである。 図4は、本発明による中間期Nにおける全熱交換効率η及び外気量比率αの設定工程を、外気温度Toと混合空気温度Tmの一次関数により示したグラフである。 図5は、本発明による冬期Wにおける全熱交換効率η及び外気量比率αの設定工程を、外気温度Toと混合空気温度Tmの一次関数により示したグラフである。 図6は、本発明による夏期Sにおける全熱交換効率η及び外気量比率αの設定工程を、外気温度Toと混合空気温度Tmの一次関数により示したグラフである。 図7は、図4、図5、図6に示した各季節毎の全熱交換効率及び外気量比率の設定例おいて、各季節における各設定維持期間に実際の期間を対応付けた適用例を示した表である。 図8は、中間期又は冬期における制御方法のフローを概略的に示す流れ図である。 図9は、夏期における制御方法のフローを概略的に示す流れ図である。
以下、本発明の実施例を示した図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(1)システム構成の概要
図1は、本発明による空調機(空気調和機)の制御方法を適用される空調システムの全体構成を概略的かつ模式的に示した図である。本発明は、セントラル空調方式の空調機に適用される。
セントラル空調方式における空調機1は、エアハンドリングユニットとも称され、基本的に建物毎に設けられている。インテリアゾーン2は、建物内の空調対象となる各室を代表的に示したものである。空調機1には、外気ダンパ15から外気OAが取り込まれ、インテリアゾーン2からの還気RAと混合されて混合空気Mとなり、加熱コイル11又は冷却コイル12を通過する際に必要に応じて熱交換により加熱又は冷却される。
空調機1の熱源である温水及び冷水は、建物毎に作られる場合と、一定地域内で1つの熱源プラントから複数の建物に供給される場合がある。加熱又は冷却された混合空気は、さらに加湿器13で必要に応じて加湿され、給気SAとしてインテリアゾーン2に送られる。インテリアゾーン2から空調機1へ戻る空気は、還気RAと排気EAからなる。排気EAは、還気RAとは分岐して全熱交換器14を通過し、必要に応じて外気OAとの間で全熱交換を行った後、排気される。
空調機1には、上記の内部機器類を制御するための制御部16が設けられている。図1では、制御部16による主な制御の流れを模式的に点線で示している。空調設計では、一定の給気温度Tsが設定されている。一定の給気温度Tsを維持するために、加熱コイル11の温水量調整弁11a又は冷却コイル12の冷水量調整弁12aを制御する(点線C1参照)。また、空調設計では、一定の室内相対湿度も設定されており、加湿器13を制御して給気SAの湿度を制御する(点線Ch参照)。さらに、全熱交換器の停止と稼働の制御(点線C2参照)、及び、外気ダンパ15の開度の制御(点線C3参照)も行っている。これらは、それぞれ一般的な制御方法であるので、詳細説明を省略する。
本発明の制御方法の特徴は、季節毎の全熱交換器14における全熱交換効率ηと、給気SAに占める外気OAの割合である外気量比率αの設定工程にある。
全熱交換効率ηは、基本的には、全熱交換器14を稼働させる(一定値η)か、停止させる(零)かの2値制御となる。全熱交換効率ηの数値は、通常、全熱交換器14により決まっており、例えば50%である。全熱交換後の外気温度Toxは、後述する[式1]で表される。全熱交換器14が停止しているときは、Toxは外気温度Toと同じである。
外気量比率αは、主として外気ダンパ15の開度により制御する。給気SAの量Qsは、空調設計により一定値に設定され、常に一定に維持される。外気量比率αが増すと、給気SAに占める外気OAの量Qoが増え、還気RAの量Qrが減る(その分、排気EAの量が増える)。α(%)、Qs、Qo、Qrの関係は次のようになる。
Qs(一定)=Qo+Qr
α/100 =Qo/Qs
外気量比率αの調整により、混合空気温度Tmを調整することができる。混合空気温度Tmの算出式は、後述する[式2]で表される。
(2)制御方法の基本説明
先ず、本発明の制御方法の説明に先立って、前提となる基本原理を説明するとともに、従来の制御方法において中間期(春秋)及び冬期に生じやすい問題点も併せて説明する。
一例として、従来の中間期及び冬期における一般的な空調機の設計条件を用いる。従来の一般的な制御では、中間期及び冬期を通して全熱交換器は常に稼働(全熱交換効率ηは一定)させており、かつ、外気量比率αも常に一定とされている。給気温度Tsは一定の設計値である。還気温度(室内温度)Trは、中間期及び冬期では経験的に給気温度Ts+2℃程度であり、これを設計値とする(但しこれに限定しない)。制御の基本は、給気温度Tsを常に設計値とするように、温水及び冷水を制御することである。
<従来の中間期及び冬期の設計条件>
・給気温度Ts :20℃(設計値)
・還気温度(=室内温度)Tr :22℃(設計値)
・全熱交換効率η :50%(一定)
・外気量比率α :33%(一定)
図2は、上記の設計条件による空調機の制御状況の一例を湿り空気線図上に表したものである。この例は、外気温度Toが15℃のときのものである。外気OA及び還気RAの値を図上に示している。還気RAの点を通り、顕熱比線SHF(図示せず)に平行な線と、給気温度Tsの設計値20℃との交点が給気SAとなる。全熱交換後の外気OXは、RAとOAを結ぶ直線上に位置する。全熱交換後の外気OXの温度Toxは、以下の[式1]から算出され、この場合は18.5℃となる。
・全熱交換後の外気温度Toxの算出式:
[式1] Tox=To+(Tr−To)η’ (但し、η’=η/100)
さらに、全熱交換後の外気OXと還気RAが、外気量比率αで混合されると、混合空気Mは、RAとOXを結ぶ直線上に位置する。混合空気温度Tmは、以下の[式2]から算出され、この場合は20.85℃となる。
・混合空気温度Tmの算出式:
[式2] Tm=Tr−(Tr−Tox)α’ (但し、α’=α/100)
図2の例では、混合空気Mを給気SAとするには、混合空気温度Tmを給気温度Tsまで冷却する必要がある(黒矢印参照)。このために冷却コイルにおいて冷水との熱交換が行われる。なお、湿度については、加湿器により混合空気Mの湿度から給気SAの湿度まで加湿される(白矢印参照)。このように、中間期でありながら冷水が使用されるというエネルギーの無駄が生じる。実際の還気温度Trは、上記の設計値より高くなることもあり、さらに多くの冷水が使用されることになる。
ここで、混合空気温度Tmは、冷水又は温水の使用量に直接的に関係するので、混合空気温度Tmと他の要素との関係を把握することが重要である。上記[式1]及び[式2]から、混合空気温度Tmを外気温度Toの関数として表すと、以下の[式3]のようになる。
・外気温度Toと混合空気温度Tmの関係式:
[式3] Tm=(1−η’)α’To+(1−(1−η’)α’)Tr

特に、全熱交換器を停止させる場合(η=0(η’=0))は、以下の[式3A]のようになる。
・外気温度Toと混合空気温度Tmの関係式:
[式3A] Tm=α’To+(1−α’)Tr
上記[式3]は、外気温度Toをx変数とし、混合空気温度Tmをy変数とした傾きが(1−η’)α’で切片が(1−(1−η’)α’)Trの一次関数である([式3A]も同様)。従って、外気温度Toと混合空気温度Tmの関係は、xy平面上に直線で表すことができる。
[式3]の一次関数は、定数であるη’及びα’(すなわちη及びα)が異なると、その傾きと切片が変わるが、xy平面上の直線は、必ずx=Tr,y=Trという一点を通るという性質がある。中間期N及び冬期Wの外気温度Toの範囲は、設計上、還気温度Tr(中間期と冬期は22℃)よりも低い範囲に想定される。従って、中間期N及び冬期Wの外気温度Toの範囲では、η及びαの異なる各直線は互いに交差することがない([式3A]も同様)。このことは、後述する中間期N及び冬期Wにおける本発明による外気量比率αの決定工程を可能とする。
図3は、上記[式3]のTr、η、αの定数を上記設計条件の数値としたときの外気温度To(x軸)と混合空気温度Tm(y軸)の一次関数を示したグラフである。点Pが図2に示した外気温度Toが15℃のときである。混合空気温度Tmが給気温度Tsより低い領域は、温水による加熱が必要な領域であり、これを「加熱領域」と称する。混合空気温度Tmが給気温度Tsより高い領域は、冷水による冷却が必要な領域であり、これを「冷却領域」と称する。
図3では、上記[式3]の直線が給気温度Tsと交わる点の外気温度Toである10℃を、便宜上、冬期Wと中間期Nの境界としている。従来は、冬期W及び中間期Nを通して全熱交換効率η及び外気量比率αの双方を一定としていたため、外気温度Toと混合空気温度Tmはこの一次関数の直線に沿って推移していた。直線に沿った白矢印及び黒矢印はそれぞれ、外気温度Toが上昇及び低下していくときの混合空気温度Tmの変化を示している(以下の同様の図においても同じ)。従って、外気温度Toが10℃より低下すればするほど、加熱のための温水量が増加し、一方、外気温度Toが10℃より上昇すればするほど、冷却のための冷水量が増加することとなる。
ここで、外気温度15℃の場合に、上記[式3]を用いてTm=Tsの理想的条件とするための全熱交換効率ηと外気量比率αの値を求めてみる。全熱交換効率ηが50%の場合と、0%の場合の2つの例を以下に示す。
<例1> 全熱交換効率η=50%の場合
上記[式3]で、Tm=20℃(=Ts)、η’=0.5、To=15℃、Tr=22℃とすると、α’=0.57すなわち外気量比率αは57%となる。
<例2> 全熱交換効率η=0%の場合
上記[式3]で、Tm=20℃(=Ts)、η’=0、To=15℃、Tr=22℃とすると、α’=0.29すなわち外気量比率αは29%となる。
これらの例から、仮に外気量比率αを57%又は29%に調整したとすれば、加熱も冷却も必要なく、最も省エネルギーの制御を行うことが可能である。しかしながら、上述した通り、実際には外気ダンパの開度を自在に調整して外気量比率αを連続的に制御して所望する値に設定することは困難である。特に、既存のシステムをこのように制御することは不可能といえる。
(3)本発明による中間期の制御方法
本発明は、外気量比率αを、連続値ではなく段階的な2以上のレベルで設定することによる空調機の制御方法を提示する。現状の外気ダンパにおいても、2段階又は3段階程度の開度の制御は可能である。本発明では、中間期(春秋)、冬期、夏期の3つの季節の各々において、それぞれ所定の設計条件を基に制御を行う。先ず、中間期の制御方法について説明する。
図4は、本発明による中間期Nにおける全熱交換効率η及び外気量比率αの決定工程を、外気温度Toと混合空気温度Tmの一次関数により示したグラフである。参考のために冬期Wの一部も示している。各季節の外気温度Toの範囲は、経験上のおおよその目安として設定しておく。従って、中間期Nの外気温度Toの高温側及び低温側の境界値、冬期Wの高温側の境界値、並びに、夏期Sの低温側の境界値は厳密に決定しておく必要はない。なお、図示の例では、中間期Nと冬期Wが外気温度Toにおいて連続しているが、両季節の外気温度範囲の間に、別の制御方法を適用する移行期間の外気温度範囲を設けてもよい(後述する夏期Sと中間期Nの境界も同様)。
本発明では、中間期(春秋)、冬期、夏期の各季節の全熱交換効率ηは零又は一定値に設定する。全熱交換効率ηは、一般的にこれらの2値しか選択できないため、経験的に好ましい方の値に固定することが簡易である。中間期Nについては、全熱交換器を停止させて全熱交換効率ηを0%に設定する。中間期の外気温度Toの範囲を考慮すると、還気との熱交換はほぼ不要のためである。
外気量比率αについては、各季節の外気温度Toの範囲内で段階的な2以上のレベルを切り替えて適用する。従って、先ず、段階的な2以上のレベルの数値を選択する。図示の例では、中間期Nの外気温度Toの範囲内において外気量比率αを3段階のレベルで切り替えている。一例として3段階のレベルを、20%、33%、50%とする。
次に、外気量比率αの3段階の各レベルを適用する外気温度Toの各範囲を決定する。各レベルを適用する外気温度Toの各範囲内では、外気量比率αを一定に維持(全熱交換効率ηも当然一定に維持)するので、この外気温度Toの各範囲を本明細書では「設定維持範囲」と称することとする。
中間期Nの各設定維持範囲を決定するために、先ず、外気量比率αの各レベルについて、上記[式3A]の外気温度Toと混合空気温度Tmの一次関数を導出する。中間期Nの設計条件は、上述したものと同じく以下の通りとする。
・給気温度Ts :20℃(設計値)
・還気温度(=室内温度)Tr :22℃(設計値)
外気量比率αの各レベルについての一次関数は、次の通りとなる。
・η=0%、α=20%の場合(図4のN1)
Tm=0.2To+17.6
・η=0%、α=33%の場合(図4のN2)
Tm=0.33To+14.74
・η=0%、α=50%の場合(図4のN3)
Tm=0.5To+11
外気量比率αの各レベルの一次関数は、それぞれ図4の直線N1、N2、N3のようになる。(以下、符号N1、N2、N3は、一次関数又はその直線を示す場合と、当該一次関数に対応する外気温度Toの設定維持範囲を示す場合がある。)
続いて、中間期Nの外気温度Toの範囲内における3つのレベルの各設定維持範囲を決定する。先ず、一次関数の各々について混合空気温度Tmが給気温度Tsより低い範囲すなわち加熱領域(Tm<Ts)を対象とする。次に、各一次関数の混合空気温度Tmが、他の一次関数のそれに比べて給気温度Tsに最も近くなる範囲を見出す。その範囲を、当該一次関数の外気量比率αの設定を維持する設定維持範囲N1、N2、N3としてそれぞれ決定する。
外気温度Toが10℃〜12℃では、全ての直線が加熱領域にあるが、直線N1が最もTsに近い。これを外気量比率20%の設定維持範囲N1とする。設定維持範囲N1では、外気量比率20%を維持することにより、他の外気量比率に設定した場合に比べて温水の使用量が最も少なくなる(図4の点cと点dの間)。(なお、この例では10℃を中間期Nの低温側の境界値としているが、この低温側の境界値の決定は本発明の方法と直接関係するものではない。)
外気温度Toが12℃を超えると、直線N1は冷却領域に入るので対象外となる。外気温度To12℃〜16℃では、直線N2とN3が加熱領域にあるが、直線N2が最も給気温度Tsに近い。これを外気量比率33%の設定維持範囲N2とする。従って、外気温度To=12℃で直線N2に対応する外気量比率33%に切り換える(図4の点d→点e)。設定維持範囲N2では、外気量比率33%に維持することにより、他の外気量比率に設定した場合に比べて温水の使用量が最も少なくなる(図4の点eと点fの間)。
外気温度Toが16℃を超えると直線N2も冷水領域に入るので対象外となる。外気温度To16℃〜18℃では、直線N3のみが加熱領域にある。これを外気量比率50%の設定維持範囲N3とする。従って、外気温度To=16℃で直線N3に対応する外気量比率50%に切り換える(図4の点f→点g)。設定維持範囲N3では、外気量比率50%に維持することにより、他の外気量比率に設定した場合に比べて温水の使用量が最も少なくなる(図4の点gと点hの間)。
外気温度Toが18℃を超えると直線N3も冷却領域に入る。これ以上の外気温度Toの範囲については、夏期S(又は任意の移行期間)の別の設計条件による制御を適用する。よって、この例では外気温度18℃が中間期の高温側の境界として決定される。
なお、夏から秋となり、外気温度Toが低下してくると、外気温度To18℃で夏期S(又は任意の移行期間)の制御から中間期Nの制御に切り換える。上記とは逆の経路を辿り、外気温度Toの低下に伴って、外気量比率αを、設定維持範囲N3の50%、設定維持範囲N2の33%、設定維持範囲N1の20%と、順次切り替えていく。
以上のように、中間期Nにおいては、外気温度Toの3レベルの設定維持範囲N1、N2、N3に従って外気量比率αを段階的に切り換えることにより、図3のように中間期Nを通して同じ外気量比率を維持した場合に比べて、冷水を使用せずかつ温水使用量を大きく低減することができる。
なお、図4に示す冬期Wの直線W2は、図3と同じものであるが、外気温度Toが10℃を超えると冷却領域(Tm>Ts)に入り冷水の使用が生じる。一方、中間期Nの3つの直線は、外気温度Toが10℃以上でも加熱領域(Tm<Ts)にある。そこでこの例では、To=10℃を冬期Wと中間期Nの境界としている。すなわち、外気温度Toが10℃を超えるときに冬期Wの制御から中間期Nの制御に切り換える(図4の点b→点c:冬から春への移行)。逆に、Toが10℃以下となるときに中間期Nの制御から冬期Wの制御へに切り換える(図4の点c→点b:秋から冬への移行)。
(4)本発明による冬期における制御方法
図5は、本発明による冬期Wにおける全熱交換効率η及び外気量比率αの決定工程を、外気温度Toと混合空気温度Tmの一次関数により示したグラフである。参考のために図4に示した中間期Nの一部も示している。
冬期Wでは、全熱交換器を稼働させる(高温の還気を無駄にしないため)。従って、全熱交換効率ηは一定値であり、一例として50%とする。
外気量比率αについては、一例として2段階のレベル制御を行うこととし、それらの数値として、この例では20%、33%を選択する。
次に、外気量比率の2段階の各レベルについて、上記[式3]の外気温度Toと混合空気温度Tmの一次関数を導出する。冬期Wの設計条件は、中間期Nと同じであり以下の通りである。
・給気温度Ts :20℃(設計値)
・還気温度(=室内温度)Tr :22℃(設計値)
外気量比率の各レベルについての一次関数は、次の通りとなる。
・η=50%、α=20%の場合(図5のW1)
Tm=0.1To+19.8
・η=50%、α=33%の場合(図5のW2)
Tm=0.165To+18.37
外気量比率αの各レベルについての一次関数の直線は、それぞれ図5のW1、W2のようになる。(以下、符号W1、W2は、一次関数又はその直線を示す場合と、当該一次関数に対応する外気温度Toの設定維持範囲を示す場合がある。)
続いて、冬期Wの範囲内の2段階の各設定維持範囲を決定する。その方法は、上述した中間期Nの場合と同じである。先ず、一次関数の各々について混合空気温度Tmが給気温度Tsより低い範囲すなわち加熱領域(Tm<Ts)を対象とする。次に、各一次関数の混合空気温度Tmが、他の一次関数のそれに比べて給気温度Tsに最も近くなる範囲を見出す。その範囲を、当該一次関数の外気量比率αの設定を維持する設定維持範囲W1、W2としてそれぞれ決定する。
外気温度Toが2℃より低い範囲では、直線W1、W2のいずれも加熱領域にあるが、直線W1の方が給気温度Tsに近い。これを設定維持範囲W1とする。設定維持範囲W1では、外気量比率20%に維持することにより温水の使用量が最も少なくなる(図5の点pと点qの間。但し低温側の点qは特定の点ではない)。
外気温度Toが2℃〜10℃の範囲では、直線W2のみが加熱領域にある。これを設定維持範囲W2とする。従って、外気温度To=2℃で直線W1から直線W2に対応する外気量比率33%に切り換える(図5の点p→点a)。設定維持範囲W2では、外気量比率33%に維持することにより温水の使用量が最も少なくなる(図5の点aと点bの間)。
なお、図5に示す中間期Nの直線N1は、図4と同じものであるが、外気温度Toが10℃より低下すると、冬期Wの直線W2の方が、TmがTsにより近くなる。そこで、10℃より低下するときに中間期Nから冬期Wの制御に切り換える(図5の点c→点b:秋から冬への移行)。
(5)本発明による夏期における制御方法
図6は、本発明による夏期Sにおける全熱交換効率η及び外気量比率αの決定工程を、外気温度Toと混合空気温度Tmの一次関数により示したグラフである。
夏期Sでは、全熱交換器を稼働させる(低温の還気を無駄にしないため)。従って、全熱交換効率ηは一定値であり、一例として50%とする。
外気量比率αについては、一例として2段階のレベル制御を行うこととし、それらの数値として、この例では33%、20%を選択する。
次に、外気量比率の2段階の各レベルについて、上記[式3]の外気温度Toと混合空気温度Tmの一次関数を導出する。夏期の設計条件は、以下の通りである。
・給気温度Ts :14℃(設計値)
・還気温度(=室内温度)Tr :26℃(設計値)
外気量比率の各レベルについての一次関数は、次の通りとなる。
・η=50%、α=33%の場合(図6のS1参照)
Tm=0.165To+21.71
・η=50%、α=33%の場合(図6のS2参照)
Tm=0.1To+23.4
外気量比率αの各レベルについての一次関数の直線は、それぞれ図6のS1、S2のようになる。(以下、符号S1、S2は、一次関数又はその直線を示す場合と、当該一次関数に対応する外気温度Toの設定維持範囲を示す場合がある。)
続いて、夏期Sの範囲内の各設定維持範囲を決定する。夏期Sでは、いずれの直線も冷却領域にあり、冷水のみを使用することになる。従って、一次関数の各々について混合空気温度Tmが給気温度Tsより高い範囲すなわち冷却領域(Tm>Ts)を対象とする。次に、各一次関数の混合空気温度Tmが、他の一次関数のそれに比べて給気温度Tsに最も近くなる範囲を見出す。その範囲を、当該一次関数の外気量比率αの設定を維持する設定維持範囲S1、S2としてそれぞれ決定する。
外気温度Toが18℃〜26℃の範囲では、直線S1の方がTmがTsに近いので、これを設定維持範囲S1とする。設定維持範囲S1では外気量比率33%に維持する(図6の点iと点jの間)。
外気温度Toが26℃を超えると、直線S2の方がTmがTsに近くなるので、これを設定維持範囲S2とする。外気温度26℃で外気量比率20%に切り替える(点j)。設定維持範囲S2では外気量比率20%を維持することにより冷水使用量を低減できる(図6の点jと点kの間。但し、高温側の点kは特定の点ではない。)。
図6では、外気温度To18℃を中間期Nと夏期Sの境界としている。しかしながら、中間期Nと夏期Sは設計条件が大きく異なるため、実際にはこの間に一定の移行期間を設ける方が望ましい。このような移行期間については、本発明の対象ではないため説明を省く。
(6)本発明の制御方法の適用方法
上述した本発明の制御方法における外気量比率αの決定工程に用いた外気温度Toは、設計上の外気温度Toである。実際の外気温度Toは、当然に一日の間で変動し、また、一日毎に平均気温が単調に上昇又は低下していくものでもない。還気温度Trについても設計通りではなく変化する。従って、中間期や冬期の場合、上記のように加熱領域となるように設定していても、実際には一日の中で冷水を使用する時間帯があったり、冷水使用量の方が多い日があったりする。しかしながら、設計上の外気温度Toは、例えばオフィスビルでの昼間の平均的な外気温度にほぼ相当することを想定している。従って、1日を通してあるいは数日間を通して平均的にみれば、本発明が目標とする冷水及び温水の使用態様を実現することができる。これは、実際のビルで年間を通して行った試験でも確認されている。
本発明の制御方法では、上記のように外気量比率の設定維持範囲を決定した後、各設定維持範囲に対し実際の期間を対応付ける。すなわち、設計上の冬期W、中間期N、夏期Sの各設定維持範囲に対し、実際の月単位又は日単位の所定の期間をそれぞれ対応付ける。その後、実際の各期間において、対応する設定維持範囲の設定値に従って空調機を制御する。このような制御を行うことにより、特に中間期Nの設定については、冬期Wや夏期Sと同じまま維持していた従来制御に比べて大きく冷水/温水の使用量を低減することができる。
図4に示した中間期Nの場合、3段階の外気量比率の設定に対応する第1、第2、第3の設定維持範囲N1、N2、N3に対し、実際の月単位又は日単位の期間をそれぞれ対応付けておく。各期間内では対応する各設定値を維持して空調機を制御する。このように制御することにより、中間期N全体を通して同じ外気量比率を維持した場合に比べて大きく冷水/温水の使用量を低減することが可能である。
図5に示した冬期Wの場合も、2段階の外気量比率の設定に対応する設定維持範囲W1、W2に対し、実際の月単位又は日単位の所定の期間をそれぞれ対応付けておく。各期間内では対応する各設定値を維持して空調機を制御する。このように制御することにより、冬期W全体を通して同じ外気量比率を維持した場合に比べて大きく冷水/温水の使用量を低減することが可能である。
図6に示した夏期Sの場合も、2段階の外気量比率の設定に対応する設定維持範囲S1、S2に、実際の月単位又は日単位の所定の期間をそれぞれ対応付けておく。各期間内では対応する各設定値を維持して空調機を制御する。このように制御することにより、夏期S全体を通して同じ外気量比率を維持した場合に比べて、冷水使用量を低減することができる。
図7は、図4、図5、図6に示した各季節毎の全熱交換効率及び外気量比率の設定例おいて、各季節における各設定維持期間に実際の期間を対応付けた適用例を示した表である。実際の期間の対応付けは、実際の期間の過去の外気温度の記録、天気予報等により予想される外気温度、あるいは経験的なデータを基に、設計上の外気温度Toの範囲とできるだけ重なるようにすることが好ましい。なお、この対応付けは、空調機制御の観点によるものであるので、一般的な季節区分とはずれを生じる場合がある。
(7)空調機の制御方法のフロー
以上に述べた、本発明による空調機の制御方法のフローをまとめて示す。本発明の制御方法は、各季節に対して独立して適用されるものである。
図8は、中間期(又は冬期)における制御方法のフローを概略的に示す流れ図である。
先ず、中間期(又は冬期)の設計上の給気温度Ts及び還気温度Trをそれぞれ決定する(ステップS11)。次に、全熱交換効率ηを、零又は一定値の2値から決定する(ステップS12)。中間期は零に決定し、冬期は一定値(例えば50%)に決定する。
外気量比率αは、段階的な2以上のレベルの数値を選択する(ステップS13)。例えば、中間期は20%、33%、50%の3段階のレベルとする。冬期は20%、33%の2段階のレベルとする。但し、外気量比率αのレベル数は、2段階又は3段階に限定されない。またレベルの数値も、例示した数値に限定されない。
続いて、外気量比率αの各レベルについて、決定した各数値を上記[式3]又は[式3A]に適用することにより、外気温度Toをx変数とし、混合空気温度Tmをy変数とする一次関数をそれぞれ導出する(ステップS14)。
外気量比率αの各レベルについて導出した各一次関数について、混合空気温度Tmが給気温度Tsより低い範囲(加熱領域)でありかつ他の一次関数と比べて混合空気温度Tmが給気温度Tsに最も近くなる範囲を決定することにより、中間期(又は冬期)における各外気量比率の設定維持範囲をそれぞれ決定する(ステップS15)。これにより、中間期(又は冬期)の外気温度Toの全範囲内に、外気量比率のレベル数と同じ数の設定維持範囲がそれぞれ決まる。1つの設定維持範囲内では、当該一次関数に対応する外気量比率αのレベルを維持するものとする。
ここまでのステップで、設計上の外気温度Toの範囲内において複数の設定維持範囲が決定される。その後、各設定維持範囲に対して、月単位又は日単位の実際の期間を対応付ける(ステップS16)。
実際の期間においては、当該期間に対応する設定維持範囲の全熱交換効率η及び外気量比率αとなるように全熱交換器及び外気ダンパを調整し、これを維持する。当該期間中は、全熱交換効率η及び外気量比率αを一定に維持した上で、温水又は冷水による空調機の制御を行う(ステップS17)。1つの設定維持範囲から次の設定維持範囲に移行するときに、外気量比率αを切り替える。1つの季節から次の季節に移行するときは、全熱交換効率η及び外気量比率αを切り替える。
図9は、夏期における制御方法のフローを概略的に示す流れ図である。
ステップS21〜S24及びステップS26〜S27については、図8に示した中間期(又は冬期)のステップS11〜S14及びステップS16〜S17と基本的に同じである。夏期では、全熱交換効率は一定値(例えば50%)に決定する。
夏期の場合、外気量比率αの各レベルについて決定した各一次関数について、混合空気温度Tmが給気温度Tsより高い範囲でありかつ他の一次関数と比べて混合空気温度Tmが給気温度Tsに最も近くなる範囲を決定することにより、夏期における各外気量比率の設定維持範囲をそれぞれ決定する(ステップS25)。
1 空調機
2 インテリアゾーン
11 加熱コイル
12 冷却コイル
13 加湿器
14 全熱交換器
15 外気ダンパ
16 制御部
To 外気温度
Tox 全熱交換後の外気温度
Tm 混合空気温度
Ts 給気温度
Tr 還気温度
η 全熱交換効率
α 外気量比率
OA 外気
SA 給気
RA 還気
EA 排気
M 混合空気
N 中間期
N1、N2、N3 中間期の設定維持範囲(各外気量比率の一次関数又はその直線)
W 冬期
W1、W2 冬期の設定維持範囲(各外気量比率の一次関数又はその直線)
S 夏期
S1、S2 夏期の設定維持範囲(各外気量比率の一次関数又はその直線)

Claims (4)

  1. 所定の全熱交換効率(η)にて排気(EA)と全熱交換可能な所定の外気温度(To)の外気(OA)を、所定の外気量比率(α)にて所定の還気温度(Tr)の還気(RA)と混合することにより混合空気(M)とし、混合空気温度(Tm)が一定の給気温度(Ts)と異なる場合は混合空気(M)を冷却又は加熱して一定の給気温度(Ts)の給気(SA)を送出する空調機の制御方法であって、
    中間期(N)における全熱交換効率(η)及び外気量比率(α)の決定工程において、
    (a)一定の設計値である給気温度(Ts)及び還気温度(Tr)を決定するステップと、
    (b)全熱交換効率を零に決定するステップと、
    (c)段階的な2以上の外気量比率(α)のレベルを選択するステップと、
    (d)前記外気量比率(α)の各レベルについて、前記還気温度(Tr)及び前記全熱交換効率(η)を用いて、外気温度(To)と混合空気温度(Tm)の関係を示す一次関数をそれぞれ導出するステップと、
    (e)中間期(N)の外気温度(To)の範囲内であって前記一次関数の各々について混合空気温度(Tm)が前記給気温度(Ts)より低い範囲を対象とし、各一次関数の混合空気温度(Tm)が他の一次関数のそれに比べて前記給気温度(Ts)に最も近くなる範囲を、当該一次関数の外気量比率(α)の設定を維持する設定維持範囲(N1, N2, N3)としてそれぞれ決定するステップと、を有することを特徴とする
    空調機の制御方法。
  2. 所定の全熱交換効率(η)にて排気(EA)と全熱交換可能な所定の外気温度(To)の外気(OA)を、所定の外気量比率(α)にて所定の還気温度(Tr)の還気(RA)と混合することにより混合空気(M)とし、混合空気温度(Tm)が一定の給気温度(Ts)と異なる場合は混合空気(M)を冷却又は加熱して一定の給気温度(Ts)の給気(SA)を送出する空調機の制御方法であって、
    冬期(W)における全熱交換効率(η)及び外気量比率(α)の決定工程において、
    (a)一定の設計値である給気温度(Ts)及び還気温度(Tr)を決定するステップと、
    (b)全熱交換効率を一定値に決定するステップと、
    (c)段階的な2以上の外気量比率(α)のレベルを選択するステップと、
    (d)前記外気量比率(α)の各レベルについて、前記還気温度(Tr)及び前記全熱交換効率(η)を用いて、外気温度(To)と混合空気温度(Tm)の関係を示す一次関数をそれぞれ導出するステップと、
    (e)冬期(W)の外気温度(To)の範囲内であって前記一次関数の各々について混合空気温度(Tm)が前記給気温度(Ts)より低い範囲を対象とし、各一次関数の混合空気温度(Tm)が他の一次関数のそれに比べて前記給気温度(Ts)に最も近くなる範囲を、当該一次関数の外気量比率(α)の設定を維持する設定維持範囲(W1, W2)としてそれぞれ決定するステップと、を有することを特徴とする
    空調機の制御方法。
  3. 所定の全熱交換効率(η)にて排気(EA)と全熱交換可能な所定の外気温度(To)の外気(OA)を、所定の外気量比率(α)にて所定の還気温度(Tr)の還気(RA)と混合することにより混合空気(M)とし、混合空気温度(Tm)が一定の給気温度(Ts)と異なる場合は混合空気(M)を冷却又は加熱して一定の給気温度(Ts)の給気(SA)を送出する空調機の制御方法であって、
    夏期(S)における全熱交換効率(η)及び外気量比率(α)の決定工程において、
    (a)一定の設計値である給気温度(Ts)及び還気温度(Tr)を決定するステップと、
    (b)全熱交換効率を一定値に決定するステップと、
    (c)段階的な2以上の外気量比率(α)のレベルを選択するステップと、
    (d)前記外気量比率(α)の各レベルについて、前記還気温度(Tr)及び前記全熱交換効率(η)を用いて、外気温度(To)と混合空気温度(Tm)の関係を示す一次関数をそれぞれ導出するステップと、
    (e)夏期(S)の外気温度(To)の範囲内であって前記一次関数の各々について混合空気温度(Tm)が前記給気温度(Ts)より高い範囲を対象とし、各一次関数の混合空気温度(Tm)が他の一次関数のそれに比べて前記給気温度(Ts)に最も近くなる範囲を、当該一次関数の外気量比率(α)の設定を維持する設定維持範囲(S1, S2)としてそれぞれ決定するステップと、を有することを特徴とする
    空調機の制御方法。
  4. 前記設定維持範囲の各々に対し月単位又は日単位の実際の期間を対応付けておき、実際の期間において、対応する設定維持範囲の全熱交換効率(η)及び外気量比率(α)の設定を維持して空調機を制御することを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の空調機の制御方法。
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