JP6169816B2 - 化粧料 - Google Patents
化粧料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6169816B2 JP6169816B2 JP2011218123A JP2011218123A JP6169816B2 JP 6169816 B2 JP6169816 B2 JP 6169816B2 JP 2011218123 A JP2011218123 A JP 2011218123A JP 2011218123 A JP2011218123 A JP 2011218123A JP 6169816 B2 JP6169816 B2 JP 6169816B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- component
- gel particles
- cosmetic
- water
- colored
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Description
耐塩性、耐イオン性に優れた水溶性高分子を配合するだけでは、伸び広がりが重く、また均一に塗布することができず、経時安定性が良く、優れた使用感を有するゲル粒子を含有する化粧料を提供するのは困難であった。
一方、メイクアップ化粧料では、化粧膜の鮮やかな発色やツヤ感・立体感といった塗布後の化粧膜の演出だけでなく、化粧料自体の外観の美しさや使用感も重要な要素であり、また塗布時の視覚的演出も商品の魅力の1つといえる。
従来から、その視覚的演出の1つとして、使用時の形状や色調の変化を意図した化粧料の提案がなされている。顔料粒子を肌への塗擦行為やポンプによるせん断力によって崩壊させ、均一に分散させるなどの技術の提案がなされている。
浮遊していたゲル粒子が、ポンプで使用した際、崩壊して均一に出てくることは、視覚的演出として商品の魅力の1つとなる。
寒天ゲル粒子を水性媒体中に均一に分散させるためには、ゲル粒子の固さだけでなく、水性媒体にも固さが必要であり、特にポンプで使用して崩壊したゲル粒子が水性媒体と均一に混合するためにも、水性媒体に粘度をもたせた水性ゲル溶液の使用は必要であると考えられる。
そして、ゲル粒子の沈降を抑えるために、降伏値のある高分子を高濃度で用いて水性ゲル溶液を作成するとゲル粒子内部と外の水性ゲル溶液との間で水溶性高分子の濃度の差が生じ、ゲル粒子中の水分が水性ゲル溶液に移行し、ゲル粒子が収縮したり、シワになったりし、逆に外の水性ゲル溶液から水分がゲル粒子に移行して、粒子が崩壊するなど、単に水性ゲル溶液中にゲル粒子を分散するだけでは、経時安定性に優れたゲル粒子を含有する化粧料を提供するのは困難であった。
そこで、粉体を含有し、わずかな剪断力により容易に崩壊するゲル粒子を水性ゲル溶液中に安定に分散してなり、皮膚に塗布したり、ポンプ容器にて吐出した際に粒子が容易に崩壊するゲル粒子を含有する化粧料が求められていた。
(1)次の成分(A)及び(B):
(A)水を寒天で固化した着色ゲル粒子
(B)水
を含有し、成分(A)を成分(B)中に、分散させてなる化粧料であり、且つ、成分(A)及び成分(B)の何れにも成分(a)カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の第1の水溶性高分子を含有することを特徴とする化粧料、
(2)更に、前記成分(B)中に、成分(b)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ビドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上の第2の水溶性高分子を含有することを特徴とする(1)に記載の化粧料、
(3)前記成分(A)が平均粒径0.5mm〜10mmの粒子であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の化粧料、
(4)前記成分(A)中に、成分(c)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ビドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、クインシードガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、グァーガム、ローストビーンガム、ペクチン、ポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上の第3の水溶性高分子を含有することを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の化粧料、
(5)前記成分(A)の粒子径が3.5mmの場合、25℃において、1粒をテクスチャーアナライザーを用いて25gの荷重をかけ、0.1mm/秒で圧縮した時の崩壊強度(最大荷重値)が0.5〜5gであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の化粧料、
(6)前記成分(B)の25℃における粘度が4000mPa・s〜40000mPa・sであることを特徴とする(1)〜(5)の何れかに記載の化粧料、
(7)前記成分(A)と成分(B)の含有比が質量比で、3:7〜7:3であることを特徴とする(1)〜(6)の何れかに記載の化粧料、
(8)前記成分(B)が透明又は成分(A)と異なる色であることを特徴とする(1)〜(7)の何れかに記載の化粧料、
(9)容器から突出時に前記着色ゲル粒子(A)を崩壊する機構を備えた容器に充填してなることを特徴とする(1)〜(8)の何れかに記載の化粧料を提供するものである。
本発明の化粧料は、着色ゲル粒子を肉眼で認識できる程度に水中に分散させてなり、使用時や容器から出す際に着色ゲル粒子が崩壊する化粧料である。
本発明の成分(A)は、(a)カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2以上の第1の水溶性高分子を含有する水を寒天で固化した着色ゲル粒子(以下、「着色ゲル粒子(A)」と略すことがある。)である。
ここで着色ゲル粒子の着色とは、通常化粧料に用いられる顔料や染料などの着色剤で色を付け、白色や黒色の彩度がないものも含み、無色透明ではないことをいう。
本発明においてこの寒天は、着色ゲル粒子(A)中に、0.05〜5%が好ましく、更に好ましくは0.5〜2.5%である。この範囲であると、崩壊性と安定性の点で好ましい。
カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸を主としてこれに少量のアリルショ糖で架橋した共重合体、またはこれをアルキル化処理したものである。特にアルキル化処理するアルキル基は炭素数10〜30が好ましく、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマーが好ましい。これらの共重合体の平均分子量は好ましくは約50,000〜3,000,000で更に、750,000以上のものが好ましい。
成分(a)の市販品として例えば、カルボキシビニルポリマーとしては、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール980(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(NOVEON社製)、カーボポール1342、カーボポール1382(以上、LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)等が挙げられる。
成分(a)は、1種又は2種以上を用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アルギニン等の対アルカリを加えて中和、増粘させて含有することがより好ましい。
本発明において成分(a)の含有量は、着色ゲル粒子(A)中に、0.001〜1%が好ましく、更に好ましくは0.01〜0.5%である。この範囲であると、成分(B)中での着色ゲル粒子(A)の沈降や収縮を防ぐことができる。
本発明の成分(c)の水溶性高分子は、高分子化合物を1%水溶液としたとき、室温(25℃)において流動性をもつものを意味し、着色ゲル粒子(A)の物理的強度を補強することができる。
成分(c)の水溶性高分子は、着色ゲル粒子(A)中に0.001〜3%が好ましく、更に好ましくは0.01〜1%である。この範囲であると、着色ゲル粒子の強度、崩壊性、安定性の点で好ましい。
具体的な粉体としては、タルク、セリサイト、雲母、合成金雲母などの体質顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、ベンガラ等の有色無機顔料、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、有機顔料処理雲母チタン、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆合成金雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、二酸化チタン・無水珪酸処理雲母、魚鱗箔、二酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の樹脂積層末等の光輝性顔料、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等を例示することができる。なお、これらは、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
このような着色剤は、着色ゲル粒子(A)中に0.0001〜50%が好ましく、更に好ましくは0.001〜20%である。この範囲であると、外観や着色ゲル粒子の強度、崩壊性、安定性の点で好ましい。
また、着色ゲル粒子(A)は、崩壊して用いるため、例えば、着色ゲル粒子(A)が粒径3.5mmの大きさの場合、室温(25℃)にて、1粒をテクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、25gの荷重をかけ、速度0.1mm/秒で荷重をかけ圧縮した時の崩壊時にかかる崩壊強度(最大荷重値)が0.5〜5gであることが好ましい。
成分(a)は、成分(B)の水中に1種又は2種以上を用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アルギニン等の対アルカリを加えて中和、増粘させて含有することがより好ましい。
本発明において成分(a)の含有量は、成分(B)中に、0.001〜1%が好ましく、更に好ましくは0.01〜0.5%である。この範囲であると、成分(B)中での着色ゲル粒子(A)の沈降や収縮を防ぐことができる。
また成分(A)と成分(B)に含有する成分(a)の種類は、特に限定されず、成分(A)と成分(B)中に、同種のカルボキシビニルポリマー、同種のアルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有することもでき、例えば、成分(A)中にカルボキシビニルポリマーを含有し、成分(B)中に、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有することもでき、その逆でも良い。また、成分(A)か成分(B)のどちらかは、カルボキシビニルポリマーとアルキル変性カルボキシビニルポリマーを両者含有し、どちらかはカルボキシビニルポリマーかアルキル変性カルボキシビニルポリマーの一種を含有することもできる。同種のものを含有すると、成分(B)の水中での着色ゲル粒子(A)の沈降や収縮を防ぐ点で更に好ましい。
また、外観の美しさからは、透明度が高い高分子が好ましい。
成分(b)の水溶性高分子は、1種又は2種以上を用いることができ、成分(B)中に、0.001〜3%が好ましく、更に好ましくは0.01〜1%である。この範囲であると、化粧膜の膜厚感や均一性の点で好ましい。
非水溶性高分子としては、例えば、アクリル酸アルキル共重合体、メタアクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、シリコーン含有重合体等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができ、さらにこれらの水分散物を用いることもできる。
また、成分(B)の製造方法についても特に限定されないが、例えば、水と成分(a)の水溶性高分子をデスパー等の攪拌機を用いて、均一に攪拌、混合することで得ることができる。
本発明の化粧料を充填する容器は、特に限定されず、突出時に着色ゲル粒子(A)を崩壊する機構は有していてもいなくても良いが、着色ゲル粒子(A)を崩壊する機構を備えた容器に充填することが好ましい。
すなわち、使用時に着色ゲル粒子(A)と成分(B)が均一に混合されて使用することが望ましいため、例えば、崩壊する機構を備えたノズル内に吸い込まれてノズル上端に備えたメッシュでろ過されるか、ノズル内で破砕され、均一な粘度のある液状となって送り出されることが好ましい。このような機構を備えた容器として、ポンプタイプのディスペンサーが好ましく、崩壊後に、より均一性を上げるために、吐出部、ノズル内部、ノズル先端、ステム先端等にメッシュを付与したものが好ましい。
表1に示す、実施例1〜6及び比較例1〜5の組成の化粧料を下記の製造方法で調製した。得られた化粧料について、使用感としては使用時のみずみずしい伸び広がり、均一な塗布性としては着色ゲル粒子(A)の崩壊性(つぶれやすさ)、化粧効果としては塗布後の皮膜感、外観としては、着色ゲル粒子(A)の形状安定性(収縮がないか)、浮遊安定性(沈澱しないか)、保存安定性(水性成分(B)が粘度低下しないか)、について評価を行った。また、崩壊強度を測定して評価した。これらの結果も併せて表1に示す。
注2:カーボポール1382(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
(製造方法)
・着色ゲル粒子(A)
A.成分13の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1、4〜7、成分13の残部(成分13で着色ゲル粒子(A)の合計量を100%とした)を加え混合する。
B.成分8〜12を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、25℃にしたシリコーン油の中に滴下して、直径3.5mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
・成分(B)
G.成分24の一部と成分14、15を加えて中和後、成分16〜23と成分24の残部(成分24で100%とした。)を加えてデスパーを用いて均一に混合し、成分(B)を得た。
・化粧料
H.FとGを表1に記載の割合で混合して、ディスペンサー付容器に充填し、化粧料を得た。
下記(イ)〜(ハ)の評価項目については、各試料を専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点から、その平均値を算出し、下記判定規準により4段階で判定した。尚、(イ)〜(ハ)は使用直後を評価した。
評価項目:
(イ)みずみずしい伸び広がり
(ロ)均一な塗布膜(粒子(A)の崩壊性)
(ハ)化粧効果(塗布後の皮膜感)
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
判定基準:
(評点の平均点) :(判定)
5.0を超える :◎(非常に良好)
3.5以上5.0以下:○(良好)
2.0以上3.5以下:△(普通)
2.0未満 :×(不良)
(二)の評価項目については、化粧料を気密容器に入れ、室温で2週間保存した後の状態を目視観察にて評価した。
(評価) :(判定)
着色ゲル粒子(A)の収縮が全くない :◎
着色ゲル粒子(A)の収縮がわずかにあるが目立たない:○
着色ゲル粒子(A)一部が収縮している :△
着色ゲル粒子(A)の収縮がよくわかる :×
(ホ)の評価項目については、化粧料を気密容器に入れ、室温で2週間保存した後の状態を目視観察にて評価した。
(評価) :(判定)
着色ゲル粒子(A)の沈澱が全くない :◎
着色ゲル粒子(A)の沈澱がわずかにあるが問題ない:○
着色ゲル粒子(A)一部が沈澱している :△
着色ゲル粒子(A)全体が沈澱している :×
評価項目のうち、(へ)の保存安定性については、化粧料を気密容器に封入し、50℃で1ヵ月保存した後の状態を目視観察にて評価した。
(評価) :(判定)
水性成分(B)の粘度低下が全くない : ◎
水性成分(B)の粘度低下がほとんどない : ○
水性成分(B)の粘度低下が見られる : △
水性成分(B)の粘度低下が顕著に見られる : ×
(ト)の崩壊強度については、化粧料を気密容器に入れ、室温で2時間保存した後、各試料の着色ゲル粒子10粒を取り出し、下記の測定方法にて測定し、各試料の平均値を求め、下記判定基準にて判定した。
室温(25℃)にて、試料1粒(粒径3.5mm)をテクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、25gの荷重をかけ、速度0.1mm/秒で荷重をかけ圧縮した時の崩壊時にかかる崩壊強度(最大荷重値)を求めた。
(判定基準)
(崩壊強度) :(判定)
0.8〜3.6(g) :◎(非常に良い硬さ)
0.5以上0.8未満(g):○(少し柔らかいが問題なし)
3.6を超えて5以下(g):○(少し硬いが問題なし)
0.5未満 :×(柔らかすぎる)
5を超える :×(硬すぎる)
表1から明らかなように、実施例1〜7の化粧料は、透明な水性成分(B)に白色〜淡赤色の着色ゲル粒子(A)が分散し、良好な外観と保存安定性を有するものであった。また、ディスペンサーを用いて化粧料を突出させた際にも、着色ゲル粒子(A)が崩壊し、水性成分(B)中に微細に分散するため、みずみずしい伸び広がりと塗膜の均一性が得られ、塗布後の皮膜も均一に得られ化粧効果においても優れるものであった。
さらに、実施例1〜7より得られた着色ゲル粒子(A)について、崩壊強度を測定した結果、全て崩壊強度は0.5〜5gの数値幅に入り、評価項目(ロ)の結果とも合致するものであった。
これらの実施例をディスペンサーを用いずに直接手にとって指でつぶして使用しても、良好な化粧料であった。
比較例2は、寒天を多くしても、着色ゲル粒子(A)の収縮はあまり改善せず、着色ゲル粒子(A)の粒が固くなり、均一に崩壊せず、均一な塗布膜が得られず、伸び広がりや塗布後の化粧効果も良好なものが得られなかった。
水性成分(B)中に成分(a)を含有していない比較例3では、浮遊安定性が悪く沈殿するため、使用時に特にみずみずしい伸び広がりが得られなかった。
成分(a)の代わりに、着色ゲル粒子(A)と水性成分(B)に共通のキサンタンガムを用いた比較例4では、浮遊安定性は向上するものの、みずみずしい伸び広がりは改善せず、化粧効果(塗布後の皮膜感)も劣るものであった。
(成分) (%)
着色ゲル粒子(A)(白色)
1.寒天(注1) 0.5
2.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.05
3.トリエタノールアミン 0.05
4.ジェランガム 0.05
5.1,3−ブチレングリコール 20
6.酸化チタン 0.2
7.セスキオレイン酸ソルビタン 0.1
8.流動パラフィン 2
9.ジメチルポリシロキサン(20mm2/s:25℃) 2
10.アセチルヒアルロン酸ナトリウム 0.001
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
12精製水 残量(100%)
成分(B)
13.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.07
14.トリエタノールアミン 0.07
15.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.35
16.1,3−ブチレングリコール 14
17.エデト酸二ナトリウム 0.1
18.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
19. 精製水 残量(100%)
着色ゲル粒子(A)の含有割合(部) 30
成分(B)の含有割合(部) 70
・着色ゲル粒子(A)
A.成分12と成分2、3を加えて中和後、成分1、4、成分12の残部を加え混合する。
B.成分5〜11を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、5℃にした炭化水素油の中に滴下して、直径5.0mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
・成分(B)
G.成分19の一部と成分13、14を加えて中和後、成分15〜18、成分19の残部をデスパーを用いて均一に混合し、成分(B)を得た。
・化粧料
H.F30部とG70部を混合して、ディスペンサー付容器に充填し、美容液を得た。
(成分) (%)
着色ゲル粒子(A)(淡桃色)
1.寒天(注1) 1.6
2.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.08
3.トリエタノールアミン 0.08
4.1,3−ブチレングリコール 20
5.赤色226号 1
6.酸化チタン 0.5
7.タルク 2
8.雲母チタン 5
9.水添レシチン 0.05
10.ポリオキシエテレン(10)コレステリルエーテル 0.01
11.アクリル酸/アクリル酸アルキル(C3〜8)
コポリマー液(注3) 0.05
12.アセチルヒアルロン酸ナトリウム 0.001
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.精製水 残量(100%)
成分(B)(淡赤色透明)
15.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.04
16.カルボキシビニルポリマー(注4) 0.01
17.トリエタノールアミン 0.05
18.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.04
19.1,3−ブチレングリコール 8
20.エデト酸二ナトリウム 0.1
21.赤色227号 0.001
22.トコフェロール 0.001
23.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
24. 精製水 残量(100%)
着色ゲル粒子(A)の含有割合(部) 60
水性成分(B)の含有割合(部) 40
注3:ウルトラゾール V−280C(ガンツ化成社製)
注4:カーボポール980(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
・着色ゲル粒子(A)
A.成分14の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1と成分14の残部を加え混合する。
B.成分4〜13を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、25℃にしたシリコーン油と炭化水素油(1:1)の混合油中に滴下して、直径6.5mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
・成分(B)
G.成分24の一部と成分15、16に成分17を加えて中和後、成分18〜23、成分24の残部をデスパーを用いて均一に混合し、成分(B)を得た。
・化粧料
H.F60部とG40部を混合して、ディスペンサー付容器に充填し、ゲル状フェイスカラーを得た。
着色ゲル粒子(A)(淡黄色)
(成分) (%)
1.寒天(注1) 1.6
2.カルボキシビニルポリマー(注4) 0.08
3.トリエタノールアミン 0.08
4.1,3−ブチレングリコール 20
5.黄酸化鉄 2
6.酸化チタン 0.5
7.タルク 1
8.二酸化チタン被覆合成金雲母 5
9.水添レシチン 0.05
10.ポリオキシエテレン(10)コレステリルエーテル 0.01
11.アクリル酸/アクリル酸アルキル(C3〜8)
コポリマー液(注3) 0.05
12.ホホバ油 0.001
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.精製水 残量
(製造方法)
A.成分14の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1と成分14の残部を加え混合する。
B.成分4〜13を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、25℃にしたシリコーン油と炭化水素油(1:1)の混合油中に滴下して、直径6.5mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
(成分) (%)
1.寒天(注1) 1.6
2.カルボキシビニルポリマー(注4) 0.08
3.トリエタノールアミン 0.08
4.1,3−ブチレングリコール 20
5.合成金雲母 1
6.酸化チタン 0.5
7.タルク 2
8.二酸化チタン・無水珪酸処理雲母 5
9.水添レシチン 0.05
10.ポリオキシエテレン(10)コレステリルエーテル 0.01
11.アクリル酸/アクリル酸アルキル(C3〜8)
コポリマー液(注3) 0.05
12.ジメチルポリシロキサン(20mm2/s:25℃) 0.001
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.精製水 残量
(製造方法)
A.成分14の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1と成分14残部を加え混合する。
B.成分4〜13を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、25℃にしたシリコーン油と炭化水素油(1:1)の混合油中に滴下して、直径6.5mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
本発明のゲル状フェイスカラーは、3色のゲル粒子が分散し、美しい外観と保存安定性を有し、瞼や頬、顔全体に使用した際にはみずみずしい伸び広がりと塗布膜の均一性があり、化粧効果においても優れたものであった。
Claims (7)
- 次の成分(A)及び(B):
(A)水を寒天で固化した着色ゲル粒子
(B)水性成分
を含有し、成分(A)を成分(B)中に、分散させてなる化粧料であり、且つ、成分(A)及び成分(B)の何れにも成分(a)カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の第1の水溶性高分子を含有し、成分(A)と成分(B)の含有比が質量比で、3:7〜7:3であり、成分(A)が顔料及び染料から選ばれる着色剤で着色されており、容器から突出時に成分(A)を崩壊する機構を備えた容器に充填してなることを特徴とする化粧料。 - 更に、前記成分(B)中に、成分(b)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上の第2の水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
- 前記成分(A)が平均粒径0.5mm〜10mmの粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。
- 前記成分(A)中に、成分(c)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、クインシードガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、グァーガム、ローストビーンガム、ペクチン、ポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上の第3の水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の化粧料。
- 前記成分(A)の粒子径が3.5mmの場合、25℃において、1粒をテクスチャーアナライザーを用いて25gの荷重をかけ、0.1mm/秒で圧縮した時の崩壊強度(最大荷重値)が0.5〜5gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料。
- 前記成分(B)の25℃における粘度が4000mPa・s〜40000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の化粧料。
- 前記成分(B)が透明又は成分(A)と異なる色であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の化粧料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011218123A JP6169816B2 (ja) | 2011-09-30 | 2011-09-30 | 化粧料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011218123A JP6169816B2 (ja) | 2011-09-30 | 2011-09-30 | 化粧料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013075878A JP2013075878A (ja) | 2013-04-25 |
JP6169816B2 true JP6169816B2 (ja) | 2017-07-26 |
Family
ID=48479640
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011218123A Active JP6169816B2 (ja) | 2011-09-30 | 2011-09-30 | 化粧料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6169816B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6174346B2 (ja) * | 2013-03-21 | 2017-08-02 | 株式会社コーセー | 化粧料 |
FR3063899B1 (fr) * | 2017-03-17 | 2019-04-19 | Capsum | Compositions comprenant une phase grasse et une phase aqueuse sous forme de spheres solides |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH09110466A (ja) * | 1995-10-12 | 1997-04-28 | Toray Ind Inc | 感光性絶縁ガラスペースト |
JP2001187710A (ja) * | 1999-10-20 | 2001-07-10 | Kao Corp | 化粧料 |
JP3756043B2 (ja) * | 2000-06-30 | 2006-03-15 | 花王株式会社 | 皮膚化粧料 |
JP3756042B2 (ja) * | 2000-06-30 | 2006-03-15 | 花王株式会社 | 皮膚化粧料 |
JP2004210673A (ja) * | 2002-12-27 | 2004-07-29 | Kao Corp | アクネケア化粧料 |
EP2356974A4 (en) * | 2008-11-28 | 2014-09-03 | Kao Corp | hydrogel |
JP2010131479A (ja) * | 2008-12-02 | 2010-06-17 | Kao Corp | ハイドロゲル粒子 |
JP5806478B2 (ja) * | 2011-02-18 | 2015-11-10 | 花王株式会社 | 皮膚外用剤 |
-
2011
- 2011-09-30 JP JP2011218123A patent/JP6169816B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013075878A (ja) | 2013-04-25 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20140356402A1 (en) | Colour changing composition | |
US20040105827A1 (en) | Use for make-up in particular of a cosmetic composition having a continuous hydrophilic comprising a multilayer goniochromatic pigment | |
US20050129639A1 (en) | Makeup composition comprising an emulsion | |
JP2016500113A (ja) | 変色用組成物 | |
EP3727298B1 (en) | Coloured aqueous particle dispersion | |
DE102005057593A1 (de) | Zubereitung, insbesondere kosmetische Zubereitung, sowie ihre Herstellung und Verwendung | |
RU2584580C2 (ru) | Губная помада и другие косметические средства, и способ получения | |
JP2017119698A (ja) | スティック状油性固形化粧料 | |
JP2005314391A (ja) | 口唇化粧料 | |
JP5908674B2 (ja) | 油性化粧料 | |
CN1867318B (zh) | 油性固体化妆料 | |
US20130302385A1 (en) | Compositions containing a water-based gel and a water-in-oil emulsion | |
JP2011006349A (ja) | 多色油性固型化粧料 | |
JP6174346B2 (ja) | 化粧料 | |
JP2012077000A (ja) | 水中油型乳化化粧料 | |
JP3672010B2 (ja) | 睫毛用又は眉毛用化粧料 | |
JP5770488B2 (ja) | 油性スティック状口唇化粧料 | |
JP6169816B2 (ja) | 化粧料 | |
JP2004352723A (ja) | 皮膚、特に顔をメイクアップする及び/又はケアするための化粧料組成物。 | |
JP2009029718A (ja) | 化粧料 | |
JP6009740B2 (ja) | 口唇化粧料 | |
JP2014210770A (ja) | 化粧料 | |
JP5825768B2 (ja) | 水中油型乳化化粧料 | |
JP2005002110A (ja) | 皮膚特に顔をメイクアップする及び/又はケアするための化粧料組成物 | |
JP2009029721A (ja) | 1−ブテン単独重合体を含む化粧料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140903 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20140903 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20150520 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150609 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150806 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20150806 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160202 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160401 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160621 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160822 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20160822 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20170124 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20170419 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20170426 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20170606 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20170629 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6169816 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |