JP6169816B2 - 化粧料 - Google Patents

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Description

本発明は、わずかな剪断力により容易に崩壊する着色ゲル粒子を水中に安定に分散させてなり、皮膚に塗布したり、ポンプ容器にて吐出した際に粒子が容易に崩壊する着色ゲル粒子を含有する化粧料に関する。
水性のゲル粒子を調整する技術は、従来より検討されている。例えば、アルギン酸のカルシウム等の多価金属により架橋されてゲル化する性質を利用したアルギン酸カルシウムによる小球状物質を得る技術(例えば、特許文献1参照)や寒天やゼラチンなどの熱可逆性によってゲル化が生じるゲル化剤を用いてハイドロゲル粒子を調製する技術(例えば、特許文献2参照)が知られている。
特開昭63−139108号公報 特開2010−131479号公報
しかしながら、アルギン酸カルシウムによる小球状物質を含有する化粧料をポンプ容器にて吐出する製剤形態とした場合、吐出の際に小球状物質の不溶膜の残片が残存し、ポンプの目詰まりを起こす原因となっていた。また、ポンプの目詰まりの心配のない寒天やゼラチンを用いたゲル粒子であっても、ゲル粒子中に粉体を多く配合した化粧料では、粉体の重さにより経時で沈降したり、また粉体の遊離イオンにより、ゲル粒子の崩壊や、ゲル粒子を分散している水性媒体の粘度が低下したりする問題があった。
耐塩性、耐イオン性に優れた水溶性高分子を配合するだけでは、伸び広がりが重く、また均一に塗布することができず、経時安定性が良く、優れた使用感を有するゲル粒子を含有する化粧料を提供するのは困難であった。
一方、メイクアップ化粧料では、化粧膜の鮮やかな発色やツヤ感・立体感といった塗布後の化粧膜の演出だけでなく、化粧料自体の外観の美しさや使用感も重要な要素であり、また塗布時の視覚的演出も商品の魅力の1つといえる。
従来から、その視覚的演出の1つとして、使用時の形状や色調の変化を意図した化粧料の提案がなされている。顔料粒子を肌への塗擦行為やポンプによるせん断力によって崩壊させ、均一に分散させるなどの技術の提案がなされている。
浮遊していたゲル粒子が、ポンプで使用した際、崩壊して均一に出てくることは、視覚的演出として商品の魅力の1つとなる。
寒天ゲル粒子を水性媒体中に均一に分散させるためには、ゲル粒子の固さだけでなく、水性媒体にも固さが必要であり、特にポンプで使用して崩壊したゲル粒子が水性媒体と均一に混合するためにも、水性媒体に粘度をもたせた水性ゲル溶液の使用は必要であると考えられる。
そして、ゲル粒子の沈降を抑えるために、降伏値のある高分子を高濃度で用いて水性ゲル溶液を作成するとゲル粒子内部と外の水性ゲル溶液との間で水溶性高分子の濃度の差が生じ、ゲル粒子中の水分が水性ゲル溶液に移行し、ゲル粒子が収縮したり、シワになったりし、逆に外の水性ゲル溶液から水分がゲル粒子に移行して、粒子が崩壊するなど、単に水性ゲル溶液中にゲル粒子を分散するだけでは、経時安定性に優れたゲル粒子を含有する化粧料を提供するのは困難であった。
そこで、粉体を含有し、わずかな剪断力により容易に崩壊するゲル粒子を水性ゲル溶液中に安定に分散してなり、皮膚に塗布したり、ポンプ容器にて吐出した際に粒子が容易に崩壊するゲル粒子を含有する化粧料が求められていた。
上記実情に鑑み、本発明者は鋭意研究を行った結果、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の第1の水溶性高分子を含有する成分(A)の水を寒天で固化した着色ゲル粒子を、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の第1の水溶性高分子を含有する成分(B)の水中に分散することにより、安定に分散することが可能となり、しかも皮膚に塗布したり、ポンプ容器にて吐出したりする際に粒子が容易に崩壊し、みずみずしい伸び広がり、均一な塗布膜と優れた化粧効果が得られ、かつ保存安定性に極めて良好な化粧料が得られ、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、
(1)次の成分(A)及び(B):
(A)水を寒天で固化した着色ゲル粒子
(B)水
を含有し、成分(A)を成分(B)中に、分散させてなる化粧料であり、且つ、成分(A)及び成分(B)の何れにも成分(a)カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の第1の水溶性高分子を含有することを特徴とする化粧料、
(2)更に、前記成分(B)中に、成分(b)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ビドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上の第2の水溶性高分子を含有することを特徴とする(1)に記載の化粧料、
(3)前記成分(A)が平均粒径0.5mm〜10mmの粒子であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の化粧料、
(4)前記成分(A)中に、成分(c)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ビドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、クインシードガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、グァーガム、ローストビーンガム、ペクチン、ポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上の第3の水溶性高分子を含有することを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の化粧料、
(5)前記成分(A)の粒子径が3.5mmの場合、25℃において、1粒をテクスチャーアナライザーを用いて25gの荷重をかけ、0.1mm/秒で圧縮した時の崩壊強度(最大荷重値)が0.5〜5gであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の化粧料、
(6)前記成分(B)の25℃における粘度が4000mPa・s〜40000mPa・sであることを特徴とする(1)〜(5)の何れかに記載の化粧料、
(7)前記成分(A)と成分(B)の含有比が質量比で、3:7〜7:3であることを特徴とする(1)〜(6)の何れかに記載の化粧料、
(8)前記成分(B)が透明又は成分(A)と異なる色であることを特徴とする(1)〜(7)の何れかに記載の化粧料、
(9)容器から突出時に前記着色ゲル粒子(A)を崩壊する機構を備えた容器に充填してなることを特徴とする(1)〜(8)の何れかに記載の化粧料を提供するものである。
本発明の化粧料は、わずかな剪断力により容易に崩壊する着色ゲル粒子を水中に安定に分散させてなり、皮膚に塗布したり、ポンプ容器にて吐出したりした際に着色ゲル粒子が容易に崩壊し、使用感に優れ、均一な塗布膜が得られ、化粧持続性に優れ、かつ保存安定性に極めて良好なものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧料は、着色ゲル粒子を肉眼で認識できる程度に水中に分散させてなり、使用時や容器から出す際に着色ゲル粒子が崩壊する化粧料である。
本発明の成分(A)は、(a)カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2以上の第1の水溶性高分子を含有する水を寒天で固化した着色ゲル粒子(以下、「着色ゲル粒子(A)」と略すことがある。)である。
ここで着色ゲル粒子の着色とは、通常化粧料に用いられる顔料や染料などの着色剤で色を付け、白色や黒色の彩度がないものも含み、無色透明ではないことをいう。
成分(A)に用いられる寒天は、(a)カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2以上の第1の水溶性高分子を含有する水の、固化剤として用いられ、公知の天然高分子であり、その産地、起源等は問わず何れのものも使用可能である。また、この寒天は、ゼリー強度を調整するために、酸処理して分子を切断させた、いわゆる低強度寒天(特開平5−317008号公報に開示)を用いても良い。また、この寒天のゼリー強度は特に限定されないが、20〜2000g/cmが好ましく、更に30〜1000g/cmが好ましい。ここでゼリー強度とは1.5質量%(以下、単に「%」と記す。)となるように寒天を水に加熱溶解し、20℃で15時間放置、凝固せしめたゲルについて、その表面を1cm当たり20秒間耐え得る最大質量のことを言う。この範囲のゼリー強度の寒天を用いると、硬い固形状になり難いので、化粧膜の均一性が特に良好な水中油型乳化化粧料を得ることができる。このような寒天は、市販品としてAX−100、UP−37(以上、伊那食品工業社製)等を用いることができる。
本発明においてこの寒天は、着色ゲル粒子(A)中に、0.05〜5%が好ましく、更に好ましくは0.5〜2.5%である。この範囲であると、崩壊性と安定性の点で好ましい。
発明の成分(A)は、成分(a)カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2以上の第1の水溶性高分子を含有するが、これを含有することにより、特に保存安定性が向上する。
カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸を主としてこれに少量のアリルショ糖で架橋した共重合体、またはこれをアルキル化処理したものである。特にアルキル化処理するアルキル基は炭素数10〜30が好ましく、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマーが好ましい。これらの共重合体の平均分子量は好ましくは約50,000〜3,000,000で更に、750,000以上のものが好ましい。
成分(a)の市販品として例えば、カルボキシビニルポリマーとしては、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール980(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(NOVEON社製)、カーボポール1342、カーボポール1382(以上、LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)等が挙げられる。
成分(a)は、1種又は2種以上を用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アルギニン等の対アルカリを加えて中和、増粘させて含有することがより好ましい。
本発明において成分(a)の含有量は、着色ゲル粒子(A)中に、0.001〜1%が好ましく、更に好ましくは0.01〜0.5%である。この範囲であると、成分(B)中での着色ゲル粒子(A)の沈降や収縮を防ぐことができる。
本発明の着色ゲル粒子(A)中には、水、寒天、成分(a)に加えて、成分(c)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ビドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、クインシードガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、グァーガム、ローストビーンガム、ペクチン、ポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上の第3の水溶性高分子を含有することができる。
本発明の成分(c)の水溶性高分子は、高分子化合物を1%水溶液としたとき、室温(25℃)において流動性をもつものを意味し、着色ゲル粒子(A)の物理的強度を補強することができる。
成分(c)の水溶性高分子は、着色ゲル粒子(A)中に0.001〜3%が好ましく、更に好ましくは0.01〜1%である。この範囲であると、着色ゲル粒子の強度、崩壊性、安定性の点で好ましい。
本発明の着色ゲル粒子(A)は、通常化粧料に用いられる顔料や染料などの着色剤で着色されているものである。ここで着色とは、白色や黒色の彩度がないものも含み、透明であっても、不透明であっても良いが、無色透明ではないものである。着色剤としては、球状、板状、紡錘状、針状等の形状や煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、あるいは多孔質、無孔質等の粒子構造等には特に限定されず、無機有色顔料、有機有色顔料、染料、光輝性顔料、金属類等を使用することができる。
具体的な粉体としては、タルク、セリサイト、雲母、合成金雲母などの体質顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青、ベンガラ等の有色無機顔料、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、有機顔料処理雲母チタン、二酸化チタン被覆雲母、二酸化チタン被覆合成金雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄被覆雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、二酸化チタン・無水珪酸処理雲母、魚鱗箔、二酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の樹脂積層末等の光輝性顔料、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体あるいは更にアルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体、微粒子酸化チタン被覆雲母チタン、微粒子酸化亜鉛被覆雲母チタン、硫酸バリウム被覆雲母チタン、酸化チタン含有二酸化珪素、酸化亜鉛含有二酸化珪素等の複合粉体等を例示することができる。なお、これらは、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。
このような着色剤は、着色ゲル粒子(A)中に0.0001〜50%が好ましく、更に好ましくは0.001〜20%である。この範囲であると、外観や着色ゲル粒子の強度、崩壊性、安定性の点で好ましい。
本発明において、着色ゲル粒子(A)の大きさは、10粒のそれぞれの最大径を測定したときに、平均粒径0.5mm〜10mmであると、外観や使用性の点で好ましい。
また、着色ゲル粒子(A)は、崩壊して用いるため、例えば、着色ゲル粒子(A)が粒径3.5mmの大きさの場合、室温(25℃)にて、1粒をテクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、25gの荷重をかけ、速度0.1mm/秒で荷重をかけ圧縮した時の崩壊時にかかる崩壊強度(最大荷重値)が0.5〜5gであることが好ましい。
本発明は、前記着色ゲル粒子(A)を成分(B)の水中に分散している化粧料である。この成分(B)は、前記成分(a)カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の第1の水溶性高分子を含有するが、これらは、降伏値を持ち、成分(B)中での着色ゲル粒子(A)の沈降や収縮を防ぐことができる。
成分(a)は、成分(B)の水中に1種又は2種以上を用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アルギニン等の対アルカリを加えて中和、増粘させて含有することがより好ましい。
本発明において成分(a)の含有量は、成分(B)中に、0.001〜1%が好ましく、更に好ましくは0.01〜0.5%である。この範囲であると、成分(B)中での着色ゲル粒子(A)の沈降や収縮を防ぐことができる。
また成分(A)と成分(B)に含有する成分(a)の種類は、特に限定されず、成分(A)と成分(B)中に、同種のカルボキシビニルポリマー、同種のアルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有することもでき、例えば、成分(A)中にカルボキシビニルポリマーを含有し、成分(B)中に、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有することもでき、その逆でも良い。また、成分(A)か成分(B)のどちらかは、カルボキシビニルポリマーとアルキル変性カルボキシビニルポリマーを両者含有し、どちらかはカルボキシビニルポリマーかアルキル変性カルボキシビニルポリマーの一種を含有することもできる。同種のものを含有すると、成分(B)の水中での着色ゲル粒子(A)の沈降や収縮を防ぐ点で更に好ましい。
成分(B)は、水及び成分(a)に加えて、成分(b)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ビドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上の第2の水溶性高分子を含有することができ、化粧膜の膜厚感と均一性が格段に向上する。このなかでも、ポンプ容器にて吐出した際に、容易に粒子が崩壊し、均一な塗布膜となるように水性成分(B)のゲル強度を向上する高分子が好ましい。
また、外観の美しさからは、透明度が高い高分子が好ましい。
成分(b)の水溶性高分子は、1種又は2種以上を用いることができ、成分(B)中に、0.001〜3%が好ましく、更に好ましくは0.01〜1%である。この範囲であると、化粧膜の膜厚感や均一性の点で好ましい。
なお本発明においては、成分(B)の25℃における粘度が4000mPa・s〜40000mPa・sであると、着色ゲル粒子(A)の沈降を防ぎ、使用性の点において好ましい。
本発明の成分(B)は、着色ゲル粒子(A)と同様に、通常化粧料に用いられる顔料や染料などの着色剤で着色されていても問題ない。なお外観で着色ゲル粒子が分散していることが認識でき、美しさの観点から、成分(B)は、透明が好ましく、不透明の場合は着色ゲル粒子(A)と異なる色であることが好ましい。
本発明の化粧料には、前記成分のほか、通常の化粧料に用いられる成分、油性成分、非水溶性高分子、成分(A)及び成分(B)に含有される成分以外の水性成分、界面活性剤、油ゲル化剤、保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、香料、美容成分等を、本発明の効果を損なわない範囲で便宜配合することができる。通常成分(B)が媒体となるため、成分(B)中に配合できるが、成分(A)である着色ゲル粒子(A)中にも配合することができる。
油性成分としては、通常化粧料に使用される原料であれば特に限定されず、用いることができる。例えば、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、高級アルコール類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の植物油類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、モクロウ等のロウ類、モンタンワックス、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデミアンナッツ脂肪酸フィトステリル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、パラアミノ安息香酸エチル、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、オキシベンゾン等の油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられる。これらの油剤は必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
非水溶性高分子としては、例えば、アクリル酸アルキル共重合体、メタアクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、シリコーン含有重合体等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができ、さらにこれらの水分散物を用いることもできる。
水性成分としては、前記成分のほかに、感触調整、保湿、清涼、防腐等の目的で用いられるものであり、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
水溶性高分子としては、前記成分のほかに、粘度調整剤、感触調整剤等の目的でコンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
界面活性剤としては、顔料や染料の分散剤、湿潤剤、感触調整剤等の目的で用いられるものであり、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、グリセリン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンシリコーン共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、レシチン、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
油ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、2サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のPABA系;4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパン−2−エン酸2−エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルへキシル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、等が挙げられる。
保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられ、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられ、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステルフェノキシエタノール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール等が挙げられ、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等がそれぞれ挙げられる。
本発明の化粧料は、成分(A)と成分(B)を混合することで製造することができる。ただし、成分(A)が崩壊しないよう、せん断力を抑えて混合する。例えば、ドラム缶に成分(A)と成分(B)を流し入れ、ドラム回転機を用いてゆっくりと回転することで混合することにより、本発明の化粧料を得ることができる。
着色ゲル粒子(A)の製造方法は特に限定されないが、例えば、水と寒天と成分(a)の水溶性高分子を、約90℃に加熱溶解し、約50℃まで冷却後、着色剤を添加し、冷却固化することにより着色ゲル粒子の元となる寒天ゲルを製造する。その寒天ゲルを再度約70℃に加熱し、シリコーン油や炭化水素油などの油性成分中に滴下することで粒子状の着色ゲル粒子(A)を得ることができる。このとき加熱溶解した寒天ゲルを50〜60℃程度に冷却し、シリコーン油や炭化水素油などの油性成分は5〜30℃程度にして滴下すると、形状が美しくなるため好ましい。得られた着色ゲル粒子(A)は、精製水で洗浄し、表面の油分を取り除いて使用する。
また、成分(B)の製造方法についても特に限定されないが、例えば、水と成分(a)の水溶性高分子をデスパー等の攪拌機を用いて、均一に攪拌、混合することで得ることができる。
着色ゲル粒子(A)と成分(B)を含有する化粧料の調製に当たり、外観の美しさと塗布膜の均一性の面から着色ゲル粒子(A)と成分(B)の含有比が質量比で、3:7〜7:3であることが好ましい。
本発明の化粧料を充填する容器は、特に限定されず、突出時に着色ゲル粒子(A)を崩壊する機構は有していてもいなくても良いが、着色ゲル粒子(A)を崩壊する機構を備えた容器に充填することが好ましい。
すなわち、使用時に着色ゲル粒子(A)と成分(B)が均一に混合されて使用することが望ましいため、例えば、崩壊する機構を備えたノズル内に吸い込まれてノズル上端に備えたメッシュでろ過されるか、ノズル内で破砕され、均一な粘度のある液状となって送り出されることが好ましい。このような機構を備えた容器として、ポンプタイプのディスペンサーが好ましく、崩壊後に、より均一性を上げるために、吐出部、ノズル内部、ノズル先端、ステム先端等にメッシュを付与したものが好ましい。
以上のようにして得られる本発明の化粧料は、下地料、ファンデーション、フェイスカラー、頬紅、アイカラー、口紅等のメイクアップ化粧料、化粧水、美容液などのスキンケア化粧料、ヘアジェル、整髪剤等のヘアケア化粧料、ボディー用やフレグランス等に適用することができる。このなかでも、特にメイクアップ化粧料が、色を整える点において好ましい。
以下に実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
実施例1〜7、比較例1〜4 化粧料(下地料)
表1に示す、実施例1〜6及び比較例1〜5の組成の化粧料を下記の製造方法で調製した。得られた化粧料について、使用感としては使用時のみずみずしい伸び広がり、均一な塗布性としては着色ゲル粒子(A)の崩壊性(つぶれやすさ)、化粧効果としては塗布後の皮膜感、外観としては、着色ゲル粒子(A)の形状安定性(収縮がないか)、浮遊安定性(沈澱しないか)、保存安定性(水性成分(B)が粘度低下しないか)、について評価を行った。また、崩壊強度を測定して評価した。これらの結果も併せて表1に示す。
注1:伊那寒天UP−37CS(伊那食品工業社製)
注2:カーボポール1382(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
(製造方法)
・着色ゲル粒子(A)
A.成分13の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1、4〜7、成分13の残部(成分13で着色ゲル粒子(A)の合計量を100%とした)を加え混合する。
B.成分8〜12を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、25℃にしたシリコーン油の中に滴下して、直径3.5mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
・成分(B)
G.成分24の一部と成分14、15を加えて中和後、成分16〜23と成分24の残部(成分24で100%とした。)を加えてデスパーを用いて均一に混合し、成分(B)を得た。
・化粧料
H.FとGを表1に記載の割合で混合して、ディスペンサー付容器に充填し、化粧料を得た。
(評価方法 1)
下記(イ)〜(ハ)の評価項目については、各試料を専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記評価基準にて7段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点から、その平均値を算出し、下記判定規準により4段階で判定した。尚、(イ)〜(ハ)は使用直後を評価した。
評価項目:
(イ)みずみずしい伸び広がり
(ロ)均一な塗布膜(粒子(A)の崩壊性)
(ハ)化粧効果(塗布後の皮膜感)
評価基準:
(評点):(評価)
6 :非常に良い
5 :良い
4 :やや良い
3 :普通
2 :やや悪い
1 :悪い
0 :非常に悪い
判定基準:
(評点の平均点) :(判定)
5.0を超える :◎(非常に良好)
3.5以上5.0以下:○(良好)
2.0以上3.5以下:△(普通)
2.0未満 :×(不良)
(評価方法 2)
(二)の評価項目については、化粧料を気密容器に入れ、室温で2週間保存した後の状態を目視観察にて評価した。
(評価) :(判定)
着色ゲル粒子(A)の収縮が全くない :◎
着色ゲル粒子(A)の収縮がわずかにあるが目立たない:○
着色ゲル粒子(A)一部が収縮している :△
着色ゲル粒子(A)の収縮がよくわかる :×
(評価方法 3)
(ホ)の評価項目については、化粧料を気密容器に入れ、室温で2週間保存した後の状態を目視観察にて評価した。
(評価) :(判定)
着色ゲル粒子(A)の沈澱が全くない :◎
着色ゲル粒子(A)の沈澱がわずかにあるが問題ない:○
着色ゲル粒子(A)一部が沈澱している :△
着色ゲル粒子(A)全体が沈澱している :×
(評価方法 4)
評価項目のうち、(へ)の保存安定性については、化粧料を気密容器に封入し、50℃で1ヵ月保存した後の状態を目視観察にて評価した。
(評価) :(判定)
水性成分(B)の粘度低下が全くない : ◎
水性成分(B)の粘度低下がほとんどない : ○
水性成分(B)の粘度低下が見られる : △
水性成分(B)の粘度低下が顕著に見られる : ×
(崩壊強度)
(ト)の崩壊強度については、化粧料を気密容器に入れ、室温で2時間保存した後、各試料の着色ゲル粒子10粒を取り出し、下記の測定方法にて測定し、各試料の平均値を求め、下記判定基準にて判定した。
室温(25℃)にて、試料1粒(粒径3.5mm)をテクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、25gの荷重をかけ、速度0.1mm/秒で荷重をかけ圧縮した時の崩壊時にかかる崩壊強度(最大荷重値)を求めた。
(判定基準)
(崩壊強度) :(判定)
0.8〜3.6(g) :◎(非常に良い硬さ)
0.5以上0.8未満(g):○(少し柔らかいが問題なし)
3.6を超えて5以下(g):○(少し硬いが問題なし)
0.5未満 :×(柔らかすぎる)
5を超える :×(硬すぎる)
(結果)
表1から明らかなように、実施例1〜7の化粧料は、透明な水性成分(B)に白色〜淡赤色の着色ゲル粒子(A)が分散し、良好な外観と保存安定性を有するものであった。また、ディスペンサーを用いて化粧料を突出させた際にも、着色ゲル粒子(A)が崩壊し、水性成分(B)中に微細に分散するため、みずみずしい伸び広がりと塗膜の均一性が得られ、塗布後の皮膜も均一に得られ化粧効果においても優れるものであった。
さらに、実施例1〜7より得られた着色ゲル粒子(A)について、崩壊強度を測定した結果、全て崩壊強度は0.5〜5gの数値幅に入り、評価項目(ロ)の結果とも合致するものであった。
これらの実施例をディスペンサーを用いずに直接手にとって指でつぶして使用しても、良好な化粧料であった。
一方、着色ゲル粒子(A)中に成分(a)を含有していない比較例1では、着色ゲル粒子(A)の収縮が見られ、形状安定性に劣り外観が美しいものではなかった。崩壊性にも劣るため均一な塗布膜が得られず伸び広がりの点においても良好なものが得られなかった。
比較例2は、寒天を多くしても、着色ゲル粒子(A)の収縮はあまり改善せず、着色ゲル粒子(A)の粒が固くなり、均一に崩壊せず、均一な塗布膜が得られず、伸び広がりや塗布後の化粧効果も良好なものが得られなかった。
水性成分(B)中に成分(a)を含有していない比較例3では、浮遊安定性が悪く沈殿するため、使用時に特にみずみずしい伸び広がりが得られなかった。
成分(a)の代わりに、着色ゲル粒子(A)と水性成分(B)に共通のキサンタンガムを用いた比較例4では、浮遊安定性は向上するものの、みずみずしい伸び広がりは改善せず、化粧効果(塗布後の皮膜感)も劣るものであった。
実施例8:美容液
(成分) (%)
着色ゲル粒子(A)(白色)
1.寒天(注1) 0.5
2.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.05
3.トリエタノールアミン 0.05
4.ジェランガム 0.05
5.1,3−ブチレングリコール 20
6.酸化チタン 0.2
7.セスキオレイン酸ソルビタン 0.1
8.流動パラフィン 2
9.ジメチルポリシロキサン(20mm/s:25℃) 2
10.アセチルヒアルロン酸ナトリウム 0.001
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
12精製水 残量(100%)
成分(B)
13.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.07
14.トリエタノールアミン 0.07
15.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.35
16.1,3−ブチレングリコール 14
17.エデト酸二ナトリウム 0.1
18.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
19. 精製水 残量(100%)
着色ゲル粒子(A)の含有割合(部) 30
成分(B)の含有割合(部) 70
(製造方法)
・着色ゲル粒子(A)
A.成分12と成分2、3を加えて中和後、成分1、4、成分12の残部を加え混合する。
B.成分5〜11を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、5℃にした炭化水素油の中に滴下して、直径5.0mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
・成分(B)
G.成分19の一部と成分13、14を加えて中和後、成分15〜18、成分19の残部をデスパーを用いて均一に混合し、成分(B)を得た。
・化粧料
H.F30部とG70部を混合して、ディスペンサー付容器に充填し、美容液を得た。
本発明のゲル状美容液は、白色のゲル粒子が分散し、美しい外観と保存安定性を有し、使用時にはみずみずしい伸び広がりと塗布膜の均一性があり、化粧効果においても優れたものであった。ディスペンサー容器に入れて使用した場合にも、均一に崩壊し、使用時にはみずみずしい伸び広がりと塗布膜の均一性があり、化粧効果においても優れたものであった。
実施例9 ゲル状フェイスカラー
(成分) (%)
着色ゲル粒子(A)(淡桃色)
1.寒天(注1) 1.6
2.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.08
3.トリエタノールアミン 0.08
4.1,3−ブチレングリコール 20
5.赤色226号 1
6.酸化チタン 0.5
7.タルク 2
8.雲母チタン 5
9.水添レシチン 0.05
10.ポリオキシエテレン(10)コレステリルエーテル 0.01
11.アクリル酸/アクリル酸アルキル(C3〜8)
コポリマー液(注3) 0.05
12.アセチルヒアルロン酸ナトリウム 0.001
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.精製水 残量(100%)
成分(B)(淡赤色透明)
15.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.04
16.カルボキシビニルポリマー(注4) 0.01
17.トリエタノールアミン 0.05
18.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.04
19.1,3−ブチレングリコール 8
20.エデト酸二ナトリウム 0.1
21.赤色227号 0.001
22.トコフェロール 0.001
23.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
24. 精製水 残量(100%)
着色ゲル粒子(A)の含有割合(部) 60
水性成分(B)の含有割合(部) 40
注3:ウルトラゾール V−280C(ガンツ化成社製)
注4:カーボポール980(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
(製造方法)
・着色ゲル粒子(A)
A.成分14の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1と成分14の残部を加え混合する。
B.成分4〜13を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、25℃にしたシリコーン油と炭化水素油(1:1)の混合油中に滴下して、直径6.5mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
・成分(B)
G.成分24の一部と成分15、16に成分17を加えて中和後、成分18〜23、成分24の残部をデスパーを用いて均一に混合し、成分(B)を得た。
・化粧料
H.F60部とG40部を混合して、ディスペンサー付容器に充填し、ゲル状フェイスカラーを得た。
本発明のゲル状フェイスカラーは、美しい外観と保存安定性を有し、使用時にはみずみずしい伸び広がりと塗布膜の均一性があり、化粧効果においても優れたものであった。
実施例10 ゲル状フェイスカラー
着色ゲル粒子(A)(淡黄色)
(成分) (%)
1.寒天(注1) 1.6
2.カルボキシビニルポリマー(注4) 0.08
3.トリエタノールアミン 0.08
4.1,3−ブチレングリコール 20
5.黄酸化鉄 2
6.酸化チタン 0.5
7.タルク 1
8.二酸化チタン被覆合成金雲母 5
9.水添レシチン 0.05
10.ポリオキシエテレン(10)コレステリルエーテル 0.01
11.アクリル酸/アクリル酸アルキル(C3〜8)
コポリマー液(注3) 0.05
12.ホホバ油 0.001
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.精製水 残量
(製造方法)
A.成分14の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1と成分14の残部を加え混合する。
B.成分4〜13を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、25℃にしたシリコーン油と炭化水素油(1:1)の混合油中に滴下して、直径6.5mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
着色ゲル粒子(A)(白色)
(成分) (%)
1.寒天(注1) 1.6
2.カルボキシビニルポリマー(注4) 0.08
3.トリエタノールアミン 0.08
4.1,3−ブチレングリコール 20
5.合成金雲母 1
6.酸化チタン 0.5
7.タルク 2
8.二酸化チタン・無水珪酸処理雲母 5
9.水添レシチン 0.05
10.ポリオキシエテレン(10)コレステリルエーテル 0.01
11.アクリル酸/アクリル酸アルキル(C3〜8)
コポリマー液(注3) 0.05
12.ジメチルポリシロキサン(20mm/s:25℃) 0.001
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.精製水 残量
(製造方法)
A.成分14の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1と成分14残部を加え混合する。
B.成分4〜13を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、約50℃に冷却後、25℃にしたシリコーン油と炭化水素油(1:1)の混合油中に滴下して、直径6.5mm程度の粒子状の着色ゲル粒子(A)を得た。
F.Eで得られた着色ゲル粒子(A)を、精製水で洗浄した。
実施例9のゲル状フェイスカラーで製造した着色ゲル粒子(A)(淡桃色)を20部と、上記着色ゲル粒子(A)(淡黄色)を20部と、上記着色ゲル粒子(A)(白色)20部と、実施例9で製造した成分(B)40部とを混合し、ディスペンサー付容器に充填して、実施例10のゲル状フェイスカラーを得た。
本発明のゲル状フェイスカラーは、3色のゲル粒子が分散し、美しい外観と保存安定性を有し、瞼や頬、顔全体に使用した際にはみずみずしい伸び広がりと塗布膜の均一性があり、化粧効果においても優れたものであった。

Claims (7)

  1. 次の成分(A)及び(B):
    (A)水を寒天で固化した着色ゲル粒子
    (B)水性成分
    を含有し、成分(A)を成分(B)中に、分散させてなる化粧料であり、且つ、成分(A)及び成分(B)の何れにも成分(a)カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上の第1の水溶性高分子を含有し、成分(A)と成分(B)の含有比が質量比で、3:7〜7:3であり、成分(A)が顔料及び染料から選ばれる着色剤で着色されており、容器から突出時に成分(A)を崩壊する機構を備えた容器に充填してなることを特徴とする化粧料。
  2. 更に、前記成分(B)中に、成分(b)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガムから選ばれる1種又は2種以上の第2の水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1に記載の化粧料。
  3. 前記成分(A)が平均粒径0.5mm〜10mmの粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の化粧料。
  4. 前記成分(A)中に、成分(c)メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、クインシードガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、グァーガム、ローストビーンガム、ペクチン、ポリビニルアルコールから選ばれる1種又は2種以上の第3の水溶性高分子を含有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の化粧料。
  5. 前記成分(A)の粒子径が3.5mmの場合、25℃において、1粒をテクスチャーアナライザーを用いて25gの荷重をかけ、0.1mm/秒で圧縮した時の崩壊強度(最大荷重値)が0.5〜5gであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料。
  6. 前記成分(B)の25℃における粘度が4000mPa・s〜40000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の化粧料。
  7. 前記成分(B)が透明又は成分(A)と異なる色であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の化粧料。
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