JP6167361B2 - 資金運用計画策定支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、会社の総資産を増やしていくために、資金をどのように運用していくかという資金運用の計画策定を支援する資金運用計画策定支援システムに関するものである。
通常、会社が来期の経営計画を作成する場合、最初に行なうことは、例えば「来期は、今期の20%増の総売上を目指そう」という総売上の対前年比の設定である。次に、粗利益の対前年比を設定し目標の粗利益を算出する。そして、原価や固定費を算出して、最後に純利益(経常利益)が算出される。このような利益計画を策定する支援システムは、例えば下記特許文献1に示すように多く用いられている。
特開2005−038292号公報
しかしながら、上述のような利益計画も重要であるが、会社が大きくなるか否かは資金運用に関わってくる。言い換えれば、資金運用は、会社の死活を左右するものである。なぜ「売上あって、金足らず」「売上はあるのだが、締め日に支払うお金がない…」とった資金繰りに苦しむような状況になるかというと、それは帳簿上の損益と、実際の現金の動きは違うという事実に起因する。
例えば、ある月に月末払いで7万円の商品を仕入れて、翌月請求で10万円で売ったとする。この場合、確かに帳簿上(損益計算書、貸借対照表)では3万円の利益が計上されるが、それは売掛金であるため、現金収入は0(ゼロ)である。
そして、その月末にどうなるかといえば、7万円の支払いが不足する。すなわち、売上は「帳簿上の数字」であって、現金が手元に入ってきて、はじめて「資金」となる。
そこで会社としては資金の流れを掴み「今動かせる資金は、いくらあるのか」ということを、常に念頭に置いて資金運用を行っていく必要がある。そうなると当然のこととして「いくら借入れができるのか?」も把握しておく必要がある。この借入れ可能額は、主に土地と定期預金に比例する。この総資産を増やしていくのも資金運用次第である。以上の理由から、会社が大きくなるか否かは、資金運用で決まる。
本発明に係る資金運用計画策定支援システムは、2次元マトリクス状の縦横方向に伸びる列と行が交差する表の各セルに対応して設定した数値と計算ルールに基づき、当該セル内に計算結果を自動的に設定して表示する表計算手段を備えている。そして、資金運用計画策定支援システムは、BS実績値受付手段と、目安額算出手段と、資金計画値受付手段と、資金運用計画作成手段を備えている。
BS実績値受付手段は、勘定科目表のセルにおいて、直近の貸借対照表の実績値の入力を受け付ける。このBS実績値に基づいて、目安額算出手段は、利用者が資金計画値を入力する際の目安となる資金目安額を算出するとともに表示する。この表示された目安額を参考にして、利用者は計画する固定資金や運転資金の資金計画値を決定することができる。
資金計画値受付手段は、利用者による固定資金および運転資金に関する資金計画値の入力を受け付ける。この資金計画値とBS実績値に基づいて、資金運用計画作成手段は、各勘定科目が固定資金の使途および源泉、運転資金の使途および源泉のブロックに分類され互いに隣接して配置され、各勘定科目に、利用者が資金計画値を入力する際の目安となる資金目安額及び固定資金および運転資金に関する資金計画値が表示された資金運用計画表を作成する。
この資金運用計画表により、会社の総資産を増やしていくために、資金をどのように運用していくかというシミュレーションを行い、資金運用の計画を策定することができる。
また、本発明に係る資金運用計画策定支援システムは、流動性預金目安額算出手段および流動性預金予定額算出手段を備えても良い。流動性預金目安額算出手段は、BS実績値受付手段が受け付けた期首現金流動預金を用いて、期末流動性預金の目安額を算出する。流動性預金予定額算出手段は、前記資金運用計画作成手段が作成した運転資金の使途と運転資金の源泉とから期末現金流動預金の予定額を算出する。
期末流動性預金の目安額と予定額を参考にして、資金運用の計画のシミュレーションを行うことができる。
また、本発明に係る資金運用計画策定支援システムは、BS実績値受付手段が受け付けた直近の貸借対照表のデータと、資金運用計画表作成手段が作成した資金運用計画表に基づいて、借入れの判断基準となる借入れ可能額を算出する借入可能額算出手段を備えることもできる。
さらに、本発明に係る資金運用計画策定支援システムは、BS実績値受付手段が受け付けた直近の貸借対照表のデータと、資金運用計画表作成手段が作成した資金運用計画表に基づいて、今期、期中増減、来期からなる比較貸借対照表を作成する比較貸借対照表作成手段を備えてもよい。この比較貸借対照表により、今期と来期の貸借対照表の数字を比較することができる。
本発明は、期末に現金流動預金をどの程度確保するかを考え、その運用を検討するとともに、その最終段階では「借入れが可能であるか」、即ち、「会社の総資産を増やしていくために、資金をどのように運用していくかの計画」を明確にする資金運用計画策定支援システムを提供するものである。
本実施形態の資金運用計画策定支援システムの全体構成の一例を示すブロック図である。 本実施形態の情報処理部の主要部の構成例を示すブロック図である。 本実施形態の勘定科目表の一部を示す図である。 本実施形態の勘定科目表の損益計算書に関するブロックを示す図である。 本実施形態の勘定科目表の短期利益計画表を示す図である。 本実施形態の貸借対照表を示す図である。 本実施形態の資金運用計画表を示す図である。 本実施形態の資金運用計画表の一部を示す図である。 本実施形態の資金運用計画表の固定資金の使途に関するブロックを示す図である。 リース資産増減を説明するための図である。 本実施形態の資金運用計画表の固定資金の源泉に関するブロックを示す図である。 税務上の当期利益を説明するための図である。 土地の担保評価額を説明するための図である。 本実施形態の資金運用計画表の運転資金の使途に関するブロックを示す図である。 本実施形態の資金運用計画表の運転資金の源泉に関するブロックを示す図である。 固定資金余裕のシミュレーションを説明するための図である。 固定資金余裕のシミュレーションを説明するための別の図である 借入金のシミュレーションを説明するための図である。 借入金のシミュレーションを説明するための別の図である。 借入金のシミュレーションを説明するためのさらに別の図である。 本実施形態の比較貸借対照表を示す図である。 運転資金と比較貸借対照表の関連の一例を示す図である。 本実施形態の比較貸借対照表の減価償却費を説明するための図である。
本発明に係る資金運用シミュレーションプログラムは、コンピュータに搭載され、そのコンピュータ及び周辺装置を資金シミュレーションシステムとして動作させる。コンピュータへのプログラムの搭載は、プログラムが格納された記録媒体、若しくはインターネット上のウェブサイトからダウンロードされることで行われる。
資金運用シミュレーションプログラムが記録される記録媒体は、コンピュータによる読み取り・書き込みが可能な情報記録媒体(フレキシブルディスク、ハードディスク、PD、MD、MOディスク、半導体メモリ等)であれば良い。
以下、資金運用に係る処理をソフトウェア(資金運用シミュレーションプログラムとデータ)で実現し、コンピュータに当該ソフトウェアを読み込ませてコンピュータを資金運用シミュレーションシステムとして動作させる場合を例として説明する。
なお、本発明に係る資金運用シミュレーションプログラムが適用される装置は、コンピュータプログラムの実行制御が可能なデータ処理装置であれば良く、ハードウェア構成は汎用的なものを適用することができる。
図1は、本実施形態の資金運用計画策定支援システム10の全体構成の一例をブロック図で示している。図1において、資金運用計画策定支援システム10を構成するデータ処理装置は、本実施の形態ではパーソナルコンピュータである。
本システム10は、制御部11、入力部12、表示部13、記憶部14、情報処理部15を備えている。制御部11は、コンピュータプログラムの実行制御や周辺機器の入出力制御などを行うためのもので、例えばCPU,MPU等の制御装置で構成される。入力部12は、利用者による操作情報などを入力するためのインターフェイスであって、コントロールパッド、マウス、キーボード等の入力装置で構成される。表示部13は、表や画像等を表示するためのもので、液晶ディスプレイ、CRT等の表示装置で構成される。記憶部14は、アプリケーションプログラムや制御データなどを記憶する。
図2は、図1中の情報処理部15の主要部の構成例を示すブロック図である。情報処理部15は、資金運用シミュレーションを実行するためのもので、BS実績値受付手段21、貸借対照表作成手段22、資金運用計画策定手段23、比較貸借対照表作成手段24で構成されている。
上記各手段をコンピュータに実行させるための処理ルーチン(各手段としてコンピュータを機能させるプログラム)は、本実施形態では、一般的に利用されている市販の表計算ソフトウェアのマクロプログラムとして組み込まれ、表計算ソフトウェアとして動作する。
表計算ソフトウェアとは、2次元マトリクス状の縦横方向に伸びる「列」と「行」が交差する各セルに対応して設定した数値と計算ルールに基づき、当該セル内に計算結果を自動的に設定して表示する表計算手段(表計算プログラム)を有するワークシートである。例えば米国マイクロソフト社のエクセル(マイクロソフト社商標)等市販のソフトを用いることができる。
言い換えると、本発明に係る資金運用シミュレーションシステムでの情報処理を遂行する資金運用シミュレーションプログラムは、表計算ソフトウェアにより表示された表の画面を利用者が操作すると、その利用者の操作に応じて、セル内の所望の演算式で得られる数値や文字を入力して集計することで、資金を運用して会社の総資産を増やしていくための情報を自動的に作成する手段としてコンピュータを機能させるプログラムである。以下、具体的に本実施形態の手段について説明する。
BS実績値受付手段21は、入力部(マウス、キーボード等)を介して資金運用シミュレーションを行う上での情報源となる貸借対照表のBS実績値を勘定科目表(図3参照。詳細は後述する。)にて受け付ける。BS実績値受付手段21は、利用者によって表計算ソフトウェアのワークシートのセルに数値や情報が入力されることで実現される。
貸借対照表作成手段22は、データ受付手段21が受け付けたBS実績値に基づいて、貸借対照表(図6参照。詳細は後述する。)を作成する。貸借対照表作成手段22は、データ受付手段21と関連付けられており、上記データ受付手段21で作成された勘定科目表の内容に基づいて自動的に貸借対照表を作成する。
資金運用計画策定手段23は、資金運用シミュレーションを行いながら、会社の総資産を増やしていくために、資金をどのように運用していくかという資金運用の計画を策定する。目安額算出表示手段23A、資金計画値受付手段23B、資金運用計画表作成手段23Cを備えている。
目安額算出表示手段23Aは、前記BS実績値受付手段21及び前記貸借対照表作成手段22と関連付けられており、前記BS実績値や前記貸借対照表の内容(例えば、成長率等)に基づいて、来期どれだけの資金が必要であるかを示す金額を、自動的に計算するとともに表示する。目安額算出表示手段23Aは、BS実績値受付手段及び前記貸借対照表作成手段22から受け付けた数値に対応して、設定された計算ルールに基づき、セル内に計算結果を自動的に算出することにより実現される。利用者は、この目安金額を参考にして、資金運用計画に関する数値を決めることができる。
資金計画値受付手段23Bは、利用者が目安額算出表示手段23Aが表示した目安金額を参考に、表計算ソフトウェアのワークシートのセルに数値や情報が入力することで実現される。
資金運用計画表作成手段23Cは、資金計画値受付手段23Bおよび貸借対照表作成手段22と関連付けられており、資金計画値や貸借対照表を用いて、資金運用計画表(図7参照。詳細は後述する。)を作成する。この資金運用計画表により、会社の総資産を増やしていくために、資金をどのように運用していくかというシミュレーションを行い、資金運用の計画を策定する。
比較貸借対照表作成手段24は、資金運用計画表作成手段23Cおよび貸借対照表作成手段22と関連付けられており、今期および期中増減および来期からなる比較貸借対照表(図21参照。詳細は後述する。)を作成する。今期の金額は、貸借対照表から転記される。期中増減の金額は、資金運用計画表の「固定資金の使途」「固定資金の源泉」「運転資金の使途」「運転資金の源泉」で入力した数値が転記される。この今期及び期中増減から、計画する来期の金額が算出される。
続いて、これらの各手段が作成する表について説明する。利用者からの数値等の入力を受け付けることで実現する。
1 勘定科目表
まず、利用者はBS実績値受付手段21に対して資金運用シミュレーションを行う上での情報源となる貸借対照表のデータを入力する。期中に作成している場合は、作成時点のデータを入力する。本実施形態では、第10期の期中に作成しているとする。
図3は、本実施形態の勘定科目表30の一部である。勘定科目表30は、会社の最新の貸借対照表のデータ(自社の資産や負債等)を、勘定科目32ごとに入力する表である。各勘定科目30に番号(コードNo)31が付与されている。利用者が、その番号(コードNo)31に合わせて、決算書や直近の貸借対照表を見ながら、勘定科目表の金額列33に金額を入力していくと、会社の情報が、コードNo31に対応した勘定科目32ごとに集計されるようになっている。
具体的には、流動資産として、現金、普通預金、当座預金、固定預金、受取手形、売掛金、棚卸資産、予定納税、仮払消費税、未収入金、有価証券等の勘定科目が設けられている。固定資産として、建物、機械、車輌、備品、建設仮勘定、リース資産、土地、ソフトウェア
、その他無形、投資有価証券、敷金・保証金、長期貸付金等の勘定科目が設けられている。
決算報告書の貸借対照表に、リース資産が記載されている場合は、その総額をリース資産34の勘定科目に入力する。また、土地を担保として銀行に預けている場合、銀行ごとの預け額を、土地35の勘定科目に入力する。
流動負債として、支払手形、買掛金、仮受(未払)消費税、割引手形、短期借入金、その他の負債、預かり金、納税引当金、引当金(賞・給・他) の勘定科目が設けられている。
固定負債として、長期借入金、未払分割金、社債、リース負債の勘定科目が設けられている。
純資産として、資本金、新株申込証拠金、資本準備金、利益準備金、内部留保、繰越損失、繰越利益、当期利益、自己株式、自己株式申込証拠金、評価・換算差額、新株予約権の勘定科目が設けられている。なお、上述の勘定科目32は、追加や修正が可能となっている。
また、勘定科目表32の一部には、図4に示すように、繰越欠損金、支払い金利率(年利)、受け取り金利率(年利)、支払い金利額、受け取り金利額、法人税等、配当、役員賞与、社債償還、社債利息等の損益計算に関するブロックも設けられている。社債の償還および利息の支払を行った場合は、損益計算書・利益処分計算書を確認して、それぞれの金額を入力する。支払い金利率、受け取り金利率は、銀行に確認してから入力する。
決算済みで、法人税/配当/役員賞与が発生した場合は、損益計算書・利益処分計算書を確認して、それぞれの金額を入力する。決算を行う前で、決算報告書が試算の場合は、まだ金額が確定していないので、ゼロを入力する。
また、勘定科目表32の一部には、来期の利益計画を示す短期利益計画表50も設けられている。図5は、本実施形態の短期利益計画表50を示す図である。短期利益計画表50には、今期売上(ここでは、第10期)51、来期売上(ここでは、第11期)52、人件費53A、役員報酬53B、経費53C、販売促進費53D、減価償却費53E、営業外収益54A、営業外費用54B、経常利益55、特別利益・除却益56A、特別損失・除却損56B、人員57の項目が設けられており、利用者から入力を受け付けることができるようになっている。今期売上51には、現在の第10期中の実績売上から予測した売上を入力する。来期売上52には、来期の目標の売上を入力する。
上述の項目に入力すると、前記勘定科目表30の内容に基づいて、売上成長率45、総仕入高、粗利益率、粗利益、内部費用合計(すなわち、人件費、経費、販売促進費、減価償却費53Eの合計)、営業利益、税引前利益、労働分配率、一人当たりの人件費の項目が自動計算される。これらの項目については入力ができないようになっている。
2 貸借対照表
続いて、前記BS実績値に基づいて、貸借対照表60を作成する。貸借対照表60は勘定科目表30と関連付けられており、勘定科目表30の内容に基づいて自動的に作成される。
図6は、勘定科目表30に入力されたデータを基に作成された貸借対照表60である。貸借対照表60には、勘定科目表30と同一の勘定科目61が表示されている。貸借対照表60の金額欄62は、コードNo63を介して勘定科目表30の金額欄と関連付けられており、前記勘定科目表30に入力した各勘定科目の金額は、貸借対照表60の対応する勘定科目61の金額欄62に自動転記される。このようにして、貸借対照表60は、勘定科目表30に入力された金額を、コードNo63ごとに集計した一覧になっている。この貸借対照表60は、後述する資金運用シミュレーションの基になるデータとなる。なお、この表に示されている数字は、表の内容を説明するために便宜上表示されているだけであり、数字自体に特に意味は持たない。このことは他のすべての表についても同様であり、各表中の数字はそれぞれ各表のみ説明するための数字である。したがって、例えば関連付けられた2つの表の数字が、本図面においては関連付けられた数字となっているとは限らない。
利用者は、この貸借対照表60により、資産科目合計と負債・資本科目合計の金額が一致しているかを確認する。
一致していない場合は、金額が一致していない旨のメッセージが表示され、勘定科目表30に入力した金額をもう一度確認できるようになっている。この場合は、確認後、現時点のBS実績値を入力する。
3−1 資金運用計画表(概要)
次に、資金運用計画表70を用いた資金運用シミュレーションについて説明する。まず、本資金運用シミュレーションの考え方について説明する。このシミュレーションの大前提は、期末に現金流動預金をどの程度確保しておくかを考え、その運用を検討していくものである。そして、その最終段階では「借入れが可能なのか」が、わかるようになっている。即ち、「会社の総資産を増やしていくために、資金をどのように運用していくかの計画」を明確にすることができる。
また、ここのシミュレーションでは、無理な資金運用の時は、借入れ可能額に不足額が表示されるようになっている。したがって、「資金が調達できなくなり、設備投資を断念せざるを得ない」という判断もできるようになっている。さらには「来期の設備投資も、最大いくらまでできるのか?」も知ることもできる。
何故このようなこともシミュレーションする必要があるのかと言えば、利益が出て失敗するケースの多くが、過剰設備投資によるものだからである。また、急激に売上が下がった時に利益が出ていても、お金が回らないからである。利益があまり出ていなかった会社が、突然大きな利益を出すと、その翌年は予定納税が極端に増える。それを忘れて「利益が出たから」といって大きな設備投資を行うと、資金繰りの悪化を招くのである。そのようなことがないように、ここでは予定納税額の計上も、大きな要素となっている。
図7は、本実施形態の資金運用計画表70は「固定資金の使途」「固定資金の源泉」「運転資金の使途」「運転資金の源泉」の4つの部分に分かれている。利用者は、この順で金額、数値を入力し、資金運用計画表を作成する。
「使途」とは、どのような勘定科目で、いくらの資金が必要かということである。図7を例にとれば、「法人税の支払で10百万円必要」となる。「源泉」とは、必要な資金をどのような勘定科目で、いくら賄うかということである。図7を例にとれば、「長期借入金で103.9百万円賄う」となる。
したがって、「固定資金の使途」とは、固定資金関係で必要な資金のことである。そして、各勘定科目の「目安」に表示されている金額が、その必要な目安の金額になる。「固定資金の源泉」とは、先に入力した「固定資金の使途」の分を、どうやってまかなっていくかを示す項目である。
「運転資金の使途」とは、事業を行う上での必要な運転資金である。「運用資金の源泉」は、先に入力した必要な運転資金を、どのようにして調達していくかを示す項目である。
各項目には、「目安」と「運用」の欄が設けられている。「目安」とは、来期の資金運用計画を決定する際に、どれだけの資金が必要かを自動的に計算した金額である。
資金運用計画表70は、前記貸借対照表60と関連付けられており、前記貸借対照表から必要なデータ(例えば、成長率等)を受け取ることで、目安額が表示される。例えば、「運転資金の使途」の「売掛金増加」の計算は、次のように算出される。
(期首売掛金残高×成長率)−期首売掛金残高=目安
「運用」の金額は、利用者が「今期中にこれだけ増減させる」と意思決定した資金計画値である。本実施形態では、目安額通りに運用額を入力する勘定科目と、この目安額を参考にして、運用額を決定する勘定科目がある。利用者が「目安」を基に決定する「運用」額について説明する。
この「運用」額は「目安」を参照にしながら、諸々の情勢、会社の状況等々を踏まえながら、決定するのであるが、決定に際し、その考え方の決定要因となるのが、次の3つのことである。
1・・・方針続行の場合は、「目安」と同額を「運用」に入力していく。
2・・・現状維持の場合は、「目安」の金額を無視して「運用」にはゼロを入力する。
3・・・方針変更の場合は、
1)増加させる時は、「目安」よりも大きな金額を「運用」に入力する。
2)減少させる時は、「目安」よりも小さな金額(マイナスの金額にする場合もある)を「運用」に入力する。
以上のように「目安」の金額が表示されることで、どれだけ増減させれば良いか判らない場合は、とりあえず「目安」と同じ金額を「運用」に入力してすることができる。そして、ひと通りやってみてから、入力した金額が本当に必要な額かどうか、シミュレーションを行うことができるようになっている。
3−2 資金運用計画表(売上・成長率)
利用者は、まず、資金運用計画表70の今期売上71や来期売上72が、前記短期利益計画表50から正しく転記されてきているかどうか、確認する。今期売上71や来期売上72を修正したい場合は、直接データを入力することも可能である。今期売上、来期売上を修正すると、それに合わせて売上成長率73が再計算される。
3−3 資金運用計画表(減価償却費率・借入目安)
資金運用計画表70の一部には、減価償却費率81、長借返済年数82、社債償還年数83、借入目安84といった項目が設けられており、自社の現状に合わせて入力できるようになっている(図8参照)。
減価償却費率 81欄には、有形固定資産に対する、減価償却の比率を入力する。業種・事業構造が異なると、減価償却費率も異なるため、自社の比率を計算して入力する。初期設定では、15%となっているが、修正することが可能である。
長借返済年数82欄には、長期借入金の返済年数を入力する。初期設定では、5年に設定してあるが、例えば3年で返済の場合は、3と入力する。 社債償還年数83欄には、借入社債の償還年数を入力する。初期設定では、10年に設定してあるが、残り償還年数が6年の場合は、6と入力する。
これらの数値を指定することで、後述するアバウト減価償却、長期借入金返済額、借り入れ可能額の金額が変動する。
次に、「固定資金の使途」「固定資金の源泉」「運転資金の使途」「運転資金の源泉」の順で金額、数値の入力、検討等を行っていく。
3−4 資金運用計画表(固定資金の使途)
図9は、図7に示す資金運用計画表の中の「固定資金の使途」に関するブロック70Aを示している。「固定資金の使途」とは、固定資金関係で必要な資金のことである。
「固定資金の使途」には、「1.前期利益処分(法人税等・配当・役員賞与)」91、「2.当期予定納税」92、「3.長期借入金返済」93、「4.社債利息・償還」94、「5.当期設備投資(建物・機械・車輌・備品・土地)」95、「6.リース資産増減」96、「7.ソフトウェア」97、「8.その他無形固定資産」98、「9.投資有価証券増」99、「10.敷金・保証金」85、「11.長期貸付金増加」86、「12.その他投資等」87、「13.権利金増加」88、「14.開発費増加」89の勘定科目が設けられている。各勘定科目の「目安」に表示されている金額が、その「必要な目安の金額」になる。以下各勘定科目の「目安」欄と「運用」欄について説明する
1.前期利益処分(法人税等、配当、役員賞与)
法人税等91A、配当91B、役員賞与91Cの「目安」には、勘定科目表30の内容が自動転記されている。「運用」へは法人税91Aから入力していく。法人税91Aについては、目安の金額をそのまま入力する(図9参照)。次の配当91B、役員賞与91Cへ入力する金額は、目安の金額を参考にして決定する。
2.当期予定納税
当期予定納税92の「目安」には、貸借対照表の当期利益の4分の1が表示される。「運用欄」には、目安額をそのまま入力する。
3.長期借入金返済
長期借入金返済93の「目安」には、貸借対照表60での長期借入金を長期返済年数82(初期設定では5年返済)で割った金額が目安として表示される。返済期間が5年とは異なる場合は、自社の返済年数を入力する。たとえば、7年返済なら、7を入力すると、返済額を自動計算して目安欄に表示される。「運用」には、自社の返済期間がおよそ5年間なら、目安の金額をそのまま運用欄に入力する。
4.社債利息・償還
社債利息・償還94の「目安」には、勘定科目表30の社債償還と社債利息の合計額が自動転記されている。「運用」には、社債利息の支払・償還が発生した場合は、社債利息・償還の運用に、当期処理する金額を入力する。
5.当期設備投資
当期設備投資95の各項目(建物・機械・車輌・備品・土地)の運用欄には、当期に計画や予定があれば、とりあえずその予定額を入力しておく。なお、入力した各項目(建物・機械・車輌・備品・土地)の合計金額が、後述する「固定資金の源泉」の長期借入金増加の目安欄に表示される。
6.リース資産増減
図10は、リース資産増減に関する表を示している。リース資産増減表100には、今期101と、期中減102および期中増103と、来期104の項目が設けられている。
今期101の金額は、勘定科目表30のリース資産34に入力した金額が自動転記される。期中減102には、当期償却するリース資産額を入力する。期中増103には、後述するリース総額107の金額が自動転記される。期中減102と期中増103の増減合計の金額が「6.リース資産増減」96の運用欄に、転記される。たとえば、増額に「13」、償却に「−7」を入力すると、「6.リース資産増減」96の運用欄には「6」と表示される。また、今期リース資産額101が「40」であれば、来期の金額は「40+13−7=46」となる。
次に、何年のリースで契約したか、リース契約年数を、リース年数108に入力する。本実施形態では建物は10年、機械は5年、車輌は3年、備品は5年を標準としている。すでに契約済みのリース資産については、残っている償却年数を入力する。
資産を追加する場合は、新規に契約するリース年数と残りのリース年数とを、案分して書き換える。
新たにリース資産を増やす場合は、新規の分のリース月額106を入力する。月額を入力すると、リース年数108から自動計算して、リース総額107が表示される。たとえば、「建物」に「83」と入力すると、83千円×10年(10×12月=120月)=9960千円=9.96(百万円)が表示される。
リース資産がある場合は、勘定科目表から今期リース資産額101に、科目ごとの資産額が転記される。また、今期リース資産額101をリース年数108で割った値である、期中の償却目安額105が表示される。表示された目安額を参考にして、期中に償却するリース資産の金額を入力する。
7.ソフトウェア
ソフトウェア97は、新規に購入するパソコン等に搭載するプログラムや追加投入するシステムの費用を入力する。
「8.その他無形固定資産」98、「9.投資有価証券増」、99「10.敷金・保証金」85、「11.長期貸付金増加」86の「運用」には、それぞれ大体の予定額を入力する。予定がない場合はゼロと入力する。
「12.その他投資等」87、「13.権利金増加」88、「14.開発費増加」89の「運用」には、資金の投入や投資の予定がある場合には、その予定額を入力する。投入・投資を行う予定はあるが、金額が未定の場合は、とりあえず目安額をそのまま運用欄に入力してもよい。
「固定資金の使途」の合計額84は、後述する「固定資金の源泉」の合計額137から転記される。したがって、「固定資金の源泉」の合計額84と「固定資金の源泉」の合計額137とは常に同一の金額が表示される。実際の合計額の差額は、固定資金余裕90として自動計算される。このため、この時点の固定資金余裕は、正しい数字になっていない。後述する「固定資金の源泉」「運転資金の使途」「運転資金の源泉」にデータが入れば、正しい数字となる。
3−5 資金運用計画表(固定資金の源泉)
次に、「固定資金の源泉」のブロックに入力する。図11は、図7に示す資金運用計画表の中の固定資金の源泉に関するブロック70Bを示している。「固定資金の源泉」は、先に入力した「固定資金の使途」の分を、どうやってまかなっていくかを示す項目である。
「固定資金の源泉」には、「1.期首現金流動預金」111、「2.当期経常利益」112、「3.当期特別利益・除却益」113、「4.当期特別損失・除却損」114、「5.当期減価償却費」118、「6.前期予定納税」120、「7.増資」121、「8.利益準備金」122、「9.長期借入金増加」123、「10.未払分割金(手形)」124、「11.社債増加」125、「12.引当金(賞・給・他)増」126の勘定科目が設けられている。以下各勘定科目の「目安」欄と「運用」欄について説明する。
1.期首現金流動預金
期首現金流動預金111は、貸借対照表30の現金預金から、自動的に転記されている。「目安」には何も表示されず、「運用」には入力できないようになっている。
2.当期経常利益
「当期経常利益」112は、「目安」の欄に短期利益計画表50の金額が転記されている。短期目標計画の利益なので、「運用」欄には「目安」の金額をそのまま入力する。
3.当期特別利益・除却益
当期特別利益・除却益113は、目安の欄に短期利益計画表50の金額が転記されている。目安の金額は、今期の実績である。運用欄に特別利益(貸倒引当金戻入・前期損益修正益・固定資産売却益)を入力する。来期も同じように発生が見込まれる場合は、目安の金額をそのまま入力する。来期は発生しない場合は0を入力する。
4.当期特別損失・除却損
当期特別損失・除却損114の目安欄に、短期利益計画表50の金額が転記されている。目安の金額は、今期の実績である。運用欄に特別損失(貸倒引当金充当・前期損失修正・固定資産売却損)の金額を入力する。来期も同じように発生が見込まれる場合は、目安の金額をそのまま入力する。来期は発生しない場合は0を入力する。
経常利益112・特別利益113・特別損失114の金額を入力すると、税引き前当期利益115が表示される。
繰越欠損金116の目安欄に勘定科目表の損益に関するブロックに入力した金額が転記されている。繰越欠損金とは、過去7年間に税引き前利益がマイナスとなり発生した、欠損金の累計のことである。今期利益を上げても、繰越欠損金がある場合は、税務上減額が認められ、税額が減少する。
例えば、繰越欠損金が30.0百万円、当期の税引き前利益が50.0百万円の場合、課税所得は5000万−3000万=2000万となり、20.0百万円が課税対象となる。
また、例えば図12に示すように、繰越欠損金116が50.0百万円、当期の税引き前利益115が30.0百万円の場合、課税所得は3000万−5000万=−2000万となり、税務上の当期利益117がマイナスとなる。課税が免除され、繰越欠損金の20.0百万円が翌期に持ち越される。
5.当期減価償却費
当期減価償却費118の目安欄には、短期利益計画表50の金額が転記されている。短期利益計画表50の金額であるので、運用欄には目安の金額をそのまま入力するが、当期減価償却費は今期の決算書の数字を入れて計算したので、有形固定資産から計算したアバウト減価償却費119と見比べて判断することになる。
なお、アバウト減価償却費119は、有形固定資産(建物・機械・車輌・備品)の減価償却費率81が15.0%として計算している。アバウト減価償却費119のカッコ内の数字は、無形固定資産のソフトウェアおよび開発費を含めた場合の減価償却費である。ソフトウェア・開発費も含めて減価償却を行う場合は、カッコ内の数字を目安とする。自社の減価償却費率が分っている場合は、減価償却費率81の15.0%を、自社のパーセントに変更する。
また、アバウト減価償却費119が当期減価償却費118の目安と同じ金額(25.0)となるようにしたい場合は、減価償却費率81にパーセントをいろいろと入力して、アバウト減価償却費が(25.0)になるように、シミュレーションする。
6.前期予定納税
前期予定納税120の「目安」には、勘定科目表30の金額が転記されている。「前期予定納税」120の「運用」欄には、目安額をそのまま入力する。これらの税金関係は、法的に決まっているものなので、目安の金額をそのまま運用欄に入力する。
7.増資
増資121の目安額は「資本金の不足額を表示したもの」である。運用欄への入力に際しては、この目安額と考えを参考にして運用額を決めて入力する。
8.利益準備金
利益準備金122は、目安の金額をそのまま運用欄に入力する。資本準備金の額と合わせて、資本金の25%までを積み立てることができる。
9.長期借入金増加
長期借入金増加123の「目安」には、当期設備投資(建物95A、機械95B、車輌95C、備品95D)95の運用欄の合計額が転記される。長期借入金増加123の運用欄には、最初は目安の金額をそのまま入力する。続けて「運転資金の源泉」を入力したあと、「運転資金の使途」の期末現金流動預金が目安以上になっているかを確認する。目安に届いていない時は、もう一度長期借入金の借入額を検討して、ここの運用欄に入力する。
10.未払分割金(手形)
未払分割金124の「目安」には、勘定科目表30の未払分割金に成長率73を掛けた値から勘定科目表の未払分割金を引いた金額が表示される。したがって、例えば成長率73が100%であれば、「目安」は0となる。未払分割金124の運用欄には、長期借入金増加123の中にある「機械、設備の支払手形を発行する時に、長期借入金から引いた金額」を入力する。売上の増加に比例して預かり保証金が増加する会社は、この未払分割金124の欄を使用する。
11.社債増加 12.引当金(賞・給・他)増
社債125、引当金(賞・給・他)増126は、目安の金額をそのまま運用欄に入力する。
以上、入力した「1.期首現金流動預金」111、「2.当期経常利益」112、「3.当期特別利益・除却益」113、「4.当期特別損失・除却損」114、「5.当期減価償却費」118、「6.前期予定納税」120、「7.増資」121、「8.利益準備金」122、「9.長期借入金増加」123、「10.未払分割金(手形)」124、「11.社債増加」125、「12.引当金(賞・給・他)増」126の勘定科目の合計額137が表示される。
この固定資金の源泉の合計額137は、固定資金の源泉の合計額84に転記される。この合計額84から、固定資金の使途のリース資産増減96を除いた全ての勘定科目(すなわち、「1.前期利益処分(法人税等・配当・役員賞与)」91、「2.当期予定納税」92、「3.長期借入金返済」93、「4.社債利息・償還」94、「5.当期設備投資(建物・機械・車輌・備品・土地)」95、「7.ソフトウェア」97、「8.その他無形固定資産」98、「9.投資有価証券増」99、「10.敷金・保証金」85、「11.長期貸付金増加」86、「12.その他投資等」87、「13.権利金増加」88、「14.開発費増加」89の勘定科目)の合計額を引いた値が固定資金余裕90として表示される。
すなわち、固定資金の源泉が、どのように固定資金の使途(リース資産は除く)に用いられるかが分かり、その差額は固定資金余裕90として表示される。言い換えると、固定資金余裕90とは、固定資金関係において必要以上の余分に余った金額と言える。
「固定資金の源泉」のブロックには、上述の勘定科目以外にも、長期借入限度額127、実質金利128、借り入れ可能額129、土地の担保価値130、土地の担保評価額131、支払い金利率(年利) 132、支払い金利額133、受け取り金利率(年利) 134、受取り金利額135、預貸率136についての科目が設けられている。以下、これらの科目について説明する。
3−6 資金運用計画表(実質金利)
実質金利128は銀行に実際に払っている金利のことで、以下のように自動計算される。実質金利=(支払金利−受取金利)/(借入金+割引手形−固定預金)×100で求める。なお、この実質金利は、預貸率(=銀行預金/(短期借入金+長期借入金+割引手形
)×100)によって変わるが、詳細は後述する。
3−7 資金運用計画表(借り入れ可能額)
借り入れ可能額129は、土地の担保価値130を基準にして、次の計算式で目安額を算出している。
借り入れ可能額=土地の担保価値+(固定預金×固定預金倍率)+(固定預金の増加額×増加額倍率)+長期借入金の返済額+短期借入金の返済額−短期借入金の増加額−長期借入金の増加額−長期借入金残高−短期借入金残高−(割引手形×割引手形倍率)+(敷金・保証金×敷金・保証金倍率)
借り入れ可能額129の計算式中の倍率84(すなわち、固定預金倍率、固定預金増加額倍率、割引手形倍率、敷金・保証金倍率)は、自社に合わせて書き換えができる。
固定預金に掛ける固定預金倍率(図8中では「2.5」)は、業界によってその倍率(銀行の判断)が変わるので、自社の事情に合わせた倍率に、計算式の数値を書き換えることもできる。
固定預金の増加額に掛ける増加額倍率(図8中では「1.5」)は「期中に定期預金をした時」の倍率である。自社の事情に合わせた倍率に、計算式の数値を書き換えることもできる。
割引手形に掛ける割引手形倍率(図8中では「0.5」)は「割引の時、どのくらい銀行からの担保に該当するのか」の倍率である。これはメイン銀行に尋ねて書き換えることもできる。
敷金・保証金に掛ける倍率(図8中では「0.3」)は「敷金・保証金が、どのくらい銀行からの担保に該当するのか」の倍率である。これはメイン銀行に尋ねて書き換えることもできる。
3−8 資金運用計画表(土地の担保価値)
土地の担保価値130には、勘定科目表30に入力したデータが、転記されている。土地の担保評価額131は、図13に示す土地担保に関する表で算出された担保額(図中では「400」)が、転記されている。
図13に示す土地担保に関する表では、預け先ごとに、今期(ここでは第10期)の預け額、期中増減、来期(ここでは第11期)預け額、評価率、担保価額の項目が設けられている。今期の預け額は、勘定科目表30に入力したデータが、転記されている。期中に土地の購入・売却または担保の提出・返却を行って、預け額が変わる場合は、期中増減にその金額を入力する。
期中増減に入力した結果、土地の資産額を超えている場合は、資産額を超えている旨のメッセージが表示される。資産額以内に収まるように、増減の額を修正する。
評価率は、預け先ごとに自社の土地の評価率に合わせて入力する。評価率がわからない場合は、「評価額」を確認しながら、実際の担保額になるように、率を修正する。
3−9 資金運用計画表(支払い金利・受け取り金利)
支払い金利率(年利)132の運用欄は、図4に示す損益計算に関するブロックに入力した、一番最近の借入の金利(年利)である。借入の条件の変更などで、金利率が変わった場合は、新しい率を入力する。
支払い金利額133は、(短期借入金+長期借入金)×支払い金利率で自動計算して求められた金額が表示される。
ここで、当期での設備投資を止める場合、設備投資を減額する場合を考えてみる。
ここでは当初機械の設備投資1千万円を、取り止めることにする。「固定資金の使途」にある「機械」の運用欄の「10.0」(百万円)をゼロ「0.0」にする。
「機械」の設備投資にゼロ「0.0」を入力すると、長期借入金増加の目安額も、1千万円減るので、それに従って、長期借入金増加の運用額にも1千万円減額した値を入力する。
その結果、借り入れ可能額、支払金利額の数値が変化する。結論として、利益を優先するのであれば設備投資を取り止め、また、設備投資を行うのであれば、短期計画を作成し直すということが分かり、会社の方針に従って、資金運用計画を策定することができる。
受け取り金利率(年利)134は、図4に示す損益計算に関するブロックに入力した、一番最近の預金の金利(年利)である。受け取り金利額135は、固定預金×受け取り金利率で自動計算して求められた金額である。
3−10 資金運用計画表(預貸率)
預貸率136の目安率は、(普通預金+固定預金)÷(割引手形+短期借入金+長期借入金)で自動計算して求められた率である。預貸率136の運用欄には、この目安率を入力する。
3−11 資金運用計画表(運転資金の使途)
図14は、図7に示す資金運用計画表の中の運転資金の使途に関するブロック70Cを示している。「運転資金の使途」では、必要な運転資金を検討する。「運転資金の使途」には、「1.固定預金増加」141、「2.受取手形増加」142、「3.売掛金増加」143、「4.棚卸し増加」144、「5.仮払消費税」145、「6.未収入金増加」146、「7.有価証券増加」147、「8.その他の流動」148、「9.短期借入金返済」149の勘定科目が設けられている。以下各勘定科目の「目安」欄と「運用」欄について説明する。
1.固定預金増加
固定預金増加141とは、積立および定期預金のことである。「固定預金増加」141の目安額は、(短期借入金残高+長期借入金残高+割引手形残高)×目標預貸率−期首固定預金−普通預金残高−当座預金残高で計算している。
この計算式のように固定預金増加141の目安額は、「固定資金の源泉」の目標の預貸率(預貸率の運用の数値)によって変化する。 このように「運転資金の使途」の固定預金増加141と、「固定資金の源泉」の預貸率136は、関連付けられている。
以上のように預貸率136と固定預金増加141の関係を検討しながら、固定預金増加141の運用額を入力していく。なお、固定預金増加141は、資金運用においてはカンフル剤の役目を果たすものである。来期以降の資金運用のためには「土地を買う(含み資産を持つ)か、固定預金(積立預金、定期預金)を増やすか」が、銀行に対して借り入れ可能額を増やす上で大きな要素となるからである。
2.受取手形増加
受取手形増加142の目安額は、売上増加額に成長率を掛けて自動計算している。本来は回転率で計算するが、成長率を掛けても近似値が出る。
それぞれの運用額は、自社の方針に従って入力する。
1)来期はそのままの状況でいく方針の場合は、目安額をそのまま運用額に入力する。
2)来期は受取手形を増やさない方針の場合は、運用欄に0を入力する。
3)受取手形を3千万円減らす方針の場合は、受取手形の運用欄に、減額する金額にマイナスを付けて入力する。
3.売掛金増加
売掛金増加143も受取手形142と同じ考え方で、運用額を決定する。
4.棚卸し増加
棚卸し増加144は、新たに営業所や支店などを出店する場合は、当然、在庫が増える。目安額に増加する分を加えた金額を運用欄に入力する。たとえば、棚卸増加の見込みが2百万円であれば、目安額の「8.9」に2百万円を加えた「10.9」を運用額に入力する。
5.仮払消費税
仮払消費税145の目安は、(期首仮払消費税×成長率)−期首仮払消費税で計算される。運用欄には目安額をそのまま入力する。
6.未収入金増加、7.有価証券増加、8.その他の流動
未収入金増加146、有価証券増加147、その他の流動148の目安は、(期首残高×成長率)−期首残高で計算される。目安の金額をそのまま運用欄に入力する。
9.短期借入金返済
短期借入金返済149の目安額は、「短期で借りている総額の半分と増加分」から、自動計算されて表示されている。運用欄には目安額をそのまま入力(即ち、来期は短期で借りている総額の半分を返済)していく。
「運転資金の使途」の合計額162は、後述する「運転資金の源泉」の合計額161から転記される。したがって、「運転資金の使途」の合計額162と「運転資金の源泉」の合計額161とは常に同一の金額が表示される。実際の合計額の差額は、期末現金流動預金150として自動計算される。このため、この時点での期末現金流動預金150は、まだ「運転資金の源泉」にデータを入力していないので、仮の金額である。「運転資金の源泉」の運用欄にデータを入力すると、シミュレーションが行なわれ、修正される。期末現金流動預金150については、後述する。
3−12 資金運用計画表(運転資金の源泉)
図15は、図7に示す資金運用計画表の中の運転資金の源泉に関するブロック70Dを示している。「運転資金の源泉」では、「必要な運転資金」を、どのようにして調達していくかを検討していく。
「運転資金の源泉」には、「1.固定資金余裕」151、「2.支払手形増加」152、「3.買掛金増加」153、「4.経費未払金増加」154、「5.手数料未払金増加」155、「6.仮受(未払)消費税」156、「7.割引手形増加」157、「8.短期借入金増加」258、「9.預かり金増加」159の項目が設けられている。
各勘定科目の「目安」欄は、(期首残高×成長率)−期首残高で計算される。期首残高とは、勘定科目表に入力した今期(ここでは第10期)の金額である。以下、「運用」欄について説明する。
1.固定資金余裕
固定資金余裕151の運用欄には、「固定資金の使途」の固定資金余裕90の運用欄から、転記されている。
2.支払手形増加
支払手形増加152のそれぞれの運用額は、自社の方針に従って入力する。
1)現在と同じ方針でいく場合は、目安額をそのまま運用欄に入力する。
2)総額を増加させない方針でいく場合は、運用欄に0を入力する。
3)少しでも減らす方針でいく場合は、運用欄に減少させる金額を入力する(マイナスを付ける)。
3.買掛金増加
買掛金増加153は、買掛金の回収が悪くなると仕入れ価格が上昇し、粗利益率が減少する、ということを考えて、運用額を決めて入力する。
なお、方針決定の考え方は、先の支払手形増加と同じである。
4.経費未払金増加、5.手数料未払金増加
経費未払金増加154と手数料未払金増加155は、自社の方針に従って運用額を決めて入力する。
6.仮受(未払)消費税
仮受(未払)消費税156は、貸借対照表側の勘定科目と同じ科目になっているか確認の上、自社の方針に従って運用額を決めて入力する。
7.割引手形増加
割引手形増加157は、自社の方針に従って運用額を決めて入力する。
8.短期借入金増加
短期借入金増加158は、目安額をそのまま運用欄に入力する。
9.預かり金増加、10.その他の負債増加
預かり金増加159とその他の負債増加160は、目安額をそのまま運用欄に入力する。
「運転資金の使途」の合計額162は、上述の全科目の合計額が表示される。この合計額162は、「運転資金の源泉」の合計額161へ転記される。したがって、「運転資金の源泉」の合計額161とは常に同一の金額が表示される。実際の合計額の差額は、期末現金流動預金150として自動計算される。
期末現金流動預金150の目安には、「固定資金の源泉」の期首現金流動性預金に売上成長率を掛け合わせた値が表示されている。運用には、「運転資金の使途」の合計額162から、「1.固定預金増加を除く運転資金の使途の合計」を引いた額が表示されている。利用者は、期末現金流動預金の運用が目安よりも大きいか確認することができるようになっている。
3−13 資金運用計画表(期末現金流動預金のシミュレーション例)
次に、期末現金流動預金に関するシミュレーションについて説明する。期末現金流動預金150の運用額は自動計算されるが、本資金運用計画では、期末現金流動預金の運用額を目安額よりも多くしていくことを目的としている。期末現金流動預金とは、期末になくてはならないお金、すなわち現金、普通預金、当座預金のことをいう。
この期末現金流動預金が期首の現金流動預金よりも少ないということは、資金繰りの悪化に陥っているということになる。例えば、黒字の会社でも期末に資金がないのは、ここでいう目安額よりも運用額の方が少なくなっているからである。従って、現在、資金繰りに悩んでいる会社は、なんとしてでもこの運用額を目安額よりも多くしなければならない。
そのために、この資金運用計画で何度もシミュレーションを行っていくわけであるが、最終的には長期か短期の借入金で、資金を調達しなければならなくなる。
その長期と短期のどちらで借りるべきかという見極めは、この期末現金流動預金で、次のように判断して決める。
期末現金流動預金の目安額と運用額の差額(目安−運用)が、目安額の例えば3分の1以下であれば短期で借りる。その差が例えば3分の1以上であれば、長期で借りるか、無理な設備投資を止めるかにする。すなわち、運用が目安を大幅に下回っているかを長期か短期かの判断基準とすることができる。
こうして最終的に短期借入金と長期借入金の借入額が決定されていくわけであるが、長期借入金は担保価値から算出される借り入れ可能額の限度内になる。
また、最初からお金が余ったら、すなわち目安額より運用額の方が多くなったら、 1)支払手形を減らす 、2)割引手形を減らす、3)定期預金を増やす等の、いずれかの処置を行う。
期末現金流動預金の運用額が、検討の結果、どうしても目安額以上にならない場合は、利益計画、設備投資に無理があるので、短期経営計画を練り直すことになる。
3−14 資金運用計画表(固定資金余裕のシミュレーション例)
次に、固定資金余裕に関するシミュレーションについて説明する。図16Aに示すように、「固定資金の源泉」の長期借入金増加の運用が105.9百万円、「運転資金の源泉」の短期借入金増加の運用が24.1百万円、固定資金余裕が52.2百万円になっていると、仮定する。この長期と短期の借入金増加の運用額を入れ替えたらどうなるか、試してみる。
図16Bに示すように、長期借入金増加に24.1百万円を、短期借入金増加に105.9
百万円を入力する。それぞれの運用額を入れ替えると、期末現金流動預金の金額は変わらないが、固定資金余裕はマイナスになる。すなわち、期末現金流動預金を見る限り、今期はお金は足りているが、固定資金余裕がマイナスになり、長期的に見ると資金繰りを悪化させる。従って、銀行からお金を借りる時は、短期ではなく、長期で借りるべきである。短期で借りると資金繰りが苦しくなる。
次に、[当期経常利益]が計画より増加した時と赤字の時にどうなるか、検討する。まず、計画より増加した場合を見る。図17Aに示すように、当期経常利益の運用額に倍の60.0百万円にしてみる。利益が増加すると、その増えた金額と同額分だけ固定資金余裕も増額する。同時に、期末現金流動預金も同額分増える。
次に、赤字の時はどうなるのかについて検討する。会社が赤字になると、予定の経常利益プラス赤字になった分の合計額の資金が不足する。図17Bに示すように、ここでは−30.0百万円を入力する。3千万円赤字が出ると、当初の計画の3千万円にこの赤字分が加わり、6千万円資金が不足することになり、期末現金流動預金は8百万円近いマイナス(来期の不足)になる。固定資金余裕も6千万円分減額することになる。
3−15 資金運用計画表(借入金のシミュレーション例)
次に、借入金(長期でも短期でも考えは同じである)と実質金利、支払金利、預貸率などの関係に関するシミュレーションについて説明する。実質金利(銀行に実際に支払っている金利)は、上述のように、(支払利子−受取利子)/(借入金+割引手形−固定預金)×100の式で算出する。計算結果の1%は4ポイントで、1ポイントとは0.25%の金利のことである。この実質金利は預貸率によって変わる。
なお、預貸率は、 銀行預金/(短期借入金+長期借入金+割引手形)×100の式で算出する。
さてそれでは、実際にこれらがどのような関係を持つものか、説明する。仮に、図18に示すようなデータを運用欄に入力されているとする。(ここでは、目安の金額は、無視する。)
現在は、長期借入金(短期借入金でも同じ)を190.0百万円借りて、実質金利が0.054、支払い金利額が16.2である。預貸率は0.249になっている(図19A参照)。
ここで、あと1億5千万円借り増し(190.0+150.0=340.0)してみる。この場合、実質金利などはどうなるかについて、説明する。340.0を長期借入金増加の運用欄に入力する(図19B参照)。すると、実質金利が0.046に下がる。銀行からお金を借りれば借りるほど、実質金利は安くなる。それに対して、支払い金利額は逆に20.5に増加し、預貸率は0.409に上がることが分かる。
次に、長期借入金増加の運用をゼロにしたらどうなるかをみてみる。0.0を長期借入金増加の運用欄に入力する(図20A参照)。すると、実質金利が0.102に増加し、支払い金利額は10.6に減少、預貸率は−0.146に下降する。
次に、長期借入金増加を“340.0”に戻して、「運転資金の使途」の固定預金の増加を“170.0”百万円増加して、2億円(30.0+170.0=200.0)にする(図20B参照)。なお、ここでの固定預金とは、定期預金のことである。
その結果は、預貸率は先ほどの0.409と同じでも、定期預金を増加させると受け取り金利額が0.3に、そして実質金利が0.046に上昇したことが分かる。なお、預貸率の運用を変えると、固定預金増加の目安が変わる。
3−16 資金運用計画表(支払手形のシミュレーション例)
例えば、支払手形の減らし方に関するシミュレーションについて説明する。手形がなければ、会社は絶対に倒産しない。「運転資金の源泉」の支払手形増加の運用額決定に関する考え方は、「可能な限り発行しない」ということである。また手形がなければ、いろいろと手を打つための時間稼ぎもできる。支払手形を減らす方法は下記のとおりである。
1)現金に余裕がある場合
現金に余裕がある場合とは、「運転資金の使途」の期末現金流動預金150の目安と運用を比べて、運用の数字が多い場合である。このような場合、目安額と運用欄の差額で支払手形を減額することができる。
2)借り入れ可能額に余裕がある場合
「固定資金の源泉」の借り入れ可能額129に余裕があれば、お金を借りて減らすことができる。
3)どうしても減らしたい場合
この時は貸借対照表の「支払手形」の残高を見る。仮に残高が2千万円(20.0)の支払手形を減らす場合は、「運転資金の源泉」の支払手形増加152の運用欄に「−20.0」と入力する。「−20.0」を減額したら、その分「固定資金の源泉」の長期借入金増加123を借り増しする。ここでは、長期借入金増加の目安10.0に「20.0」を加えた30.0を長期借入金増加の運用欄に入力する。
長期借入金増加に借り増し分を加えた30.0を入力したら、「運転資金の使途」の期末現金流動預金150がどうなっているか確認する。結果、期末現金流動預金の運用が、目安を下回っている場合は、借入を追加するなどして源泉を増やしたり、設備投資などを見直して使途を減らしたりして、期末現金流動預金150を目安と同額とする。
以上より、本シミュレーションでは、借入れ可能額が表示されるため、無理な資金運用の時は、資金が調達できなくなり、設備投資を断念せざるを得ないという判断もできるようになっている。
また、期末現金流動預金を把握することで、来期の設備投資も、最大いくらまでできるのかも知ることもできる。これにより、利益が出たために過剰設備投資をした結果、資金繰りの悪化を招くという事態を防ぐことができる。
さらに、予定納税額も算出することで、突然大きな利益を出した翌年に予定納税が極端に増えることで、資金繰りの悪化を招くという事態を防ぐことができる。
4−1 比較貸借対照表(概要)
続いて、比較貸借対照表210を作成する。比較貸借対照表210は、貸借対照表及び資金運用計画表と関連付けられており、資金運用計画表の「固定資金の使途」「固定資金の源泉」「運転資金の使途」「運転資金の源泉」で入力した数値は、比較貸借対照表の期中増減に転記され、自動計算されていく。
図21は、本実施形態の比較貸借対照表210を示す。比較貸借対照表210は、貸借対照表60と同様、流動資産、固定資産、流動負債、固定負債、純資産のブロックに分類されており、各ブロックには貸借対照表60と同一の勘定科目211が設けられている。勘定科目211ごとに、貸借対照表60に入力した今期(ここでは第10期)の金額212が自動転記される。利用者は、各項目の数値と比較貸借対照表の数値が合っているかどうかを確認する。
また、期中増減213には、資金運用計画表の運用欄に入力した金額が転記される。今期212と期中増減213とから、計画する来期214が算出される。
図22は、運転資金の源泉および使途と、比較貸借対照表210の関連の一例を示した図である。それぞれ該当する勘定科目に運転資金側から期中増減へ転記される。以下、各勘定科目の期中増減213について説明する。
4−2 比較貸借対照表(流動資産)
比較貸借対照表210の流動資産のブロックには、現金、普通預金、当座預金、固定預金、受取手形、売掛金、棚卸資産、予定納税、仮払消費税、未収入金、有価証券等の勘定科目が設けられている。
普通預金の来期214の金額欄には、「運転資金の使途」の期末現金流動預金から転記される。
予定納税の期中増減213には、「固定資金の使途」の当期予定納税の運用額から「固定資金の源泉」の前期予定納税の運用額を引いた額が転記される。
固定預金、受取手形、売掛金、棚卸資産、仮払消費税、未収入金、有価証券、その他の流動の期中増減213には、「運転資金の使途」の中の対応する項目の運用額がそれぞれ転記される。今期212と期中増減213から来期214の金額欄が算出される。
4−3 比較貸借対照表(固定資産)
比較貸借対照表210の固定資産のブロックには、建物、機械、車輌、備品、建設仮勘定、リース資産、土地、ソフトウェア
、その他無形、投資有価証券、敷金・保証金、長期貸付金等の勘定科目が設けられている。
図23Aに示すように、有形固定資産の「建物」「機械」「車輌」「備品」、無形固定資産の「ソフトウェア」、繰延資産の「開発費」の6項目には、当期の減価償却費を入力する項目が設けられている。本実施形態では、項目名のカッコ内の数字が、その科目の当期減価償却費を示している。これら6項目の合計は、「固定資金の源泉」の当期減価償却費の運用額と等しい額となっている。
言い換えると、利用者は、図23Bに示すように、当期減価償却費の運用に入力された金額を、「建物」「機械」「車輌」「備品」「ソフトウェア」の「開発費」の6項目に振り分ける。すなわち、減価償却費7.0百万円を、「建物」で5.0百万円、「機械」「車輌」で1.0百万円ずつ償却する場合、各項目名のところにそれぞれ入力する。
このようにして振り分けた金額(すなわち来期償却する金額)を「固定資金の使途」の運用額から差し引いた額が、固定資産の「建物」「機械」「車輌」「備品」および「ソフトウェア」ならびに「開発費」の期中増減に表示される。
リース資産の期中増減には、図10のリース資産増減表の「リース資産合計」の期中減と期中増の合計額が、算出されて表示される
その他の固定資産の勘定科目、すなわち、土地、その他無形、投資有価証券、敷金・保証金、長期貸付金、その他投資等、権利金の期中増減には、「固定資金の使途」の中の対応する項目の運用額がそれぞれ転記される。
4−4 比較貸借対照表(流動負債)
比較貸借対照表210の流動負債のブロックには、支払手形、買掛金、仮受(未払)消費税、割引手形、短期借入金、預かり金、納税引当金、引当金(賞・給・他) 、経費未払金、手数未払金の勘定科目が設けられている。
短期借入金の期中増減には、「運転資金の源泉」の短期借入金増加の運用額から、「運転資金の使途」の短期借入金返済の運用額を差し引いた額が転記される。
納税引当金の期中増減には、「固定資金の源泉」の税引き前当期利益の2分の1の額が転記される
その他の流動負債の勘定科目、すなわち、支払手形、買掛金、経費未払金、手数未払金、仮受(未払)消費税、割引手形、預かり金、その他の負債の期中増減には、「運転資金の源泉」の中の対応する項目の運用額がそれぞれ転記される。
4−5 比較貸借対照表(固定負債)
比較貸借対照表210の固定負債のブロックには、長期借入金、未払分割金、社債、リース負債の勘定科目が設けられている。
長期借入金の期中増減には、「固定資金の源泉」の長期借入金増加運用額から、「固定資金の使途」の長期借入金返済の運用額を差し引いた額が転記される。
未払分割金の期中増減には、「固定資金の源泉」の運用額が転記される。社債の期中増減には、「固定資金の源泉」の社債増加から、「固定資金の使途」の社債利息・償還の運用額を差し引いた額が転記される。
リース負債の期中増減には、図10のリース資産増減表の「リース負債合計」の期中減と期中増の合計額が、算出されて表示される
4−6 比較貸借対照表(純資産)
比較貸借対照表210の純資産のブロックには、資本金、資本余剰金、利益準備金、内部留保、当期利益・損失、評価・換算差額、新株予約権の勘定科目が設けられている。
資本金の期中増減には、「固定資金の源泉」の増資の運用額が転記される。利益準備金の期中増減には、「固定資金の源泉」の利益準備金の運用額が転記される。
内部留保の期中増減には、貸借対照表の当期利益・損失から、「固定資金の使途」の法人税、配当、役員賞与の運用額と、「固定資金の源泉」の利益準備金の運用額と、資本余剰金の期中増減と、自己株式の期中増減を引いた額が算出される
当期利益・損失の期中増減は、「固定資金の源泉」の税引き前当期利益の2分の1から、貸借対照表の繰越利益と当期利益・損失を引いた額が算出される。
以上のように今期と来期(ここでは、第10期と第11期)の貸借対照表の数字を比較することができる比較貸借対照表を作成する。
10 資金運用計画策定支援システム
21 BS実績値受付手段
22 貸借対照表作成手段
23 資金運用計画策定手段
23A 目安額算出表示手段
23B 資金計画値受付手段
23C 資金運用計画表作成手段
24 比較貸借対照表作成手段
30 勘定科目表
60 貸借対照表
70 資金運用計画表
210 比較貸借対照表

Claims (7)

  1. 2次元マトリクス状の縦横方向に伸びる列と行が交差する表の各セルに対応して設定した数値と計算ルールに基づき、当該セル内に計算結果を自動的に設定して表示する表計算手段を備える資金運用計画策定支援システムであって、
    勘定科目表のセルにおいて、直近の貸借対照表の実績値であるBS実績値の入力を受け付けるBS実績値受付手段と、
    勘定科目が固定資金の使途および源泉、運転資金の使途および源泉のブロックに分類され互いに隣接して配置され、各勘定科目に、利用者が資金計画値を入力する際の目安となる資金目安額及び固定資金および運転資金に関する資金計画値が表示された資金運用計画表を作成する資金運用計画作成手段と、
    前記資金運用計画表の前記資金目安額を表示するセルにおいて、前記勘定科目表の前記セルに入力された前記BS実績値に対応して、各勘定科目に設定された計算ルールに基づき、計算結果を自動的に算出する目安額算出手段と、
    前記資金運用計画表の前記資金計画値を表示するセルにおいて、前記資金計画値の入力を受け付ける資金計画値受付手段と、
    を備えた資金運用計画策定支援システム。
  2. 前記資金運用計画作成手段が、固定資金の源泉のブロックの合計額と固定資金の使途のブロックの合計額との差額から固定資金余裕を算出し、この算出した固定資金余裕を運転資金の源泉のブロックに分類する請求項1記載の資金運用計画策定支援システム。
  3. 前記資金運用計画作成手段が、運転資金の源泉のブロックの合計額と運転資金の使途のブロックの合計額との差額から期末現金流動預金の予定額を算出する請求項1又は2記載の資金運用計画策定支援システム。
  4. 前記目安額算出手段が、BS実績値受付手段が受け付けた期首現金流動預金を用いて、期末流動性預金の目安額を算出する請求項1から3の何れかに記載の資金運用計画策定支援システム。
  5. 前記目安額算出手段が、前記固定資金の使途に分類された当期設備投資の予定額に基づいて、長期借入金の増加額の目安額を算出する請求項1から4の何れかに記載の資金運用計画策定支援システム。
  6. BS実績値受付手段が受け付けたBS実績値と、資金運用計画表作成手段が作成した資金運用計画表に基づいて、借入れの判断基準となる借入れ可能額を算出する借入可能額算出手段を備えた請求項1から5の何れかに記載の資金運用計画策定支援システム。
  7. BS実績値受付手段が受け付けたBS実績値と、資金運用計画表作成手段が作成した資金運用計画表に基づいて、今期、期中増減、来期からなる比較貸借対照表を作成する比較貸借対照表作成手段を備えた請求項1から6の何れかに記載の資金運用計画策定支援システム。
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