JP6167195B2 - 三次元造形装置および三次元造形方法 - Google Patents
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(1)光ビーム照射手段を保持する移動手段の3次元方向の可動範囲に応じて造形物の造形サイズを容易に拡大できる。
(2)粉体供給手段および粉体均し手段が光ビーム照射手段と一体化されることで、光ビーム照射手段の移動時に粉体層を形成できるため、造形サイクルタイムを短縮化できる。
また、この三次元造形装置によれば、カバーの下端と粉体層との間に形成される隙間からの雰囲気ガスの漏れを効果的に防ぐことができる。
造形ベッド2は、例えば四角箱形状に形成された装置筐体9の内部に水平状に配置された板状部材であり、装置筐体9に固定されている。造形ベッド2の下方には、残留粉末を回収する台車10が配置されている。造形ベッド2上で発生した残留粉末は例えば、造形ベッド2を上下に貫通する図示しない排出路を介して台車10に回収される。造形ベッド2の上面の一部には、造形物載置プレート11が造形ベッド2と面一状となるように着脱自在に嵌め込まれている。造形物はこの造形物載置プレート11の上部において形成されるものであり、造形物載置プレート11の上方空間が造形エリアP1を構成する。
光ビーム照射手段5は、レーザー光等の光ビームLを照射する光ビーム照射部12からなる。光ビーム照射部12にはレンズやミラー等が内蔵されており、光ビームLの照射範囲は所定距離分、水平方向の範囲(X−Y軸の範囲)に可動できるようになっている。
移動手段6は、図1および図2に示すように、装置筐体9に取り付けられた一対の固定ガイドレール14と、一対の固定ガイドレール14に掛け渡されて図示しない駆動源によりY軸方向に移動する可動ガイドレール15と、可動ガイドレール15に取り付けられ図示しない駆動源により可動ガイドレール15に沿ってX軸方向に移動するベース16と、図示しない駆動源によりベース16に対してZ軸方向に移動する鉛直状の支柱部材17と、を備えて構成される。光ビーム照射部12は支柱部材17の下端に取り付けられている。以上の構造により、移動手段6は光ビーム照射部12を3次元方向に移動可能とする。
シュラウド7は、下端が開口形成された中空のカバー部材からなる。図2では四角形状の部材として図示してあるが、円筒形状などその他の形状でも差し支えない。シュラウド7の上部は、光ビームLの照射範囲と干渉しないように光ビーム照射部12の下端に一体に取り付けられている。シュラウド7の下端の開口面積は造形エリアP1の面積よりも小さく形成されている。シュラウド7の下端周りには、上下に移動可能であって、下降したときにシュラウド7の下端と粉体層13との間に形成された隙間Cを塞ぐスカート部材18が設けられている。スカート部材18は、シュラウド7の側面形状に倣った枠状の部材であり、たとえばシュラウド7に取り付けたモータ等の駆動源により昇降する。
図1において、粉体供給手段3は、下部に粉体落下口24が形成された粉体貯留槽23からなる。粉体貯留槽23は、たとえば粉体落下口24に向かうにしたがい平断面積が狭くなるホッパ部を有した漏斗形状からなり、上部は粉体の充填口として開口形成されている。粉体はたとえば粒径数〜数十μm程度の金属粉体等である。粉体貯留槽23には粉体落下口24を開閉するための開閉扉25が取り付けられている。開閉扉25は、たとえば粉体貯留槽23に取り付けた図示しないモータ等の駆動源により横方向にスライドして粉体落下口24を開閉する。粉体貯留槽23は、ブラケット26により、シュラウド7の前進方向(図1における右方向)寄りに位置するようにシュラウド7に取り付けられている。
粉体均し手段4は、たとえば矩形平板状のブレード27からなる。ブレード27はその板面が略鉛直方向に沿うようにして粉体貯留槽23とシュラウド7との間に配置されており、水平状に配された長辺の下縁により粉体を均して粉体層13を形成する。ブレード27は図1に示すように粉体貯留槽23の外面に螺子止め等により取り付けられるか、若しくはシュラウド7の外面に螺子止め等により取り付けられる。ブレード27の下縁は、粉体貯留槽23の粉体落下口24の位置やシュラウド7の下端位置よりも下方に位置している。
制御部8はCPU等から構成されており、たとえば装置筐体9の外部に配置される。制御部8は、PC等の操作端末装置28からの指令に基づいてレーザー光発振機29、N2ガス供給機21、ヒューム吸引機22等を制御する。前記光ビーム照射部12は、光ファイバケーブル30を介してレーザー光発振機29に接続されている。
以上の構成からなる三次元造形装置1の動作の一例について説明する。図3(a)は造形動作の開始前の状態を示しており、シュラウド7が造形エリアP1の一端側に形成された待機エリアP2に位置している。粉体貯留槽23の粉体落下口24は開閉扉25によって閉じられており、シュラウド7のスカート部材18は上昇している。なお、造形エリアP1の他端側は粉体貯留槽23の逃げ用エリアP3として形成される。
(2)粉体供給手段3および粉体均し手段4が光ビーム照射手段5と一体化されることで、光ビーム照射手段5の移動時に粉体層13を形成できるため、造形サイクルタイムを短縮化できる。
(3)粉体供給手段3および粉体均し手段4が光ビーム照射手段5と一体化されることで、粉体供給手段3や粉体均し手段4を個別に作動させるための駆動源が不要となり、装置をコンパクト化できる。
(4)造形エリアP1よりも小さい領域の粉体層13を覆うシュラウド7の内部のみに雰囲気ガスを供給すればよいため、雰囲気ガスの使用量を削減できる。
(5)光ビーム照射手段5と、粉体供給手段3および粉体均し手段4とが一体化されていることから、光ビーム照射手段5と、粉体供給手段3および粉体均し手段4によって形成される粉体層13の表面との間の寸法精度が高くなる。したがって、粉体層13における光ビームLの焦点が安定し、造形精度が向上する。
(6)移動手段6により光ビーム照射手段5を移動させながら光ビームLを照射して造形物Wを造形することも可能となり、造形サイクルタイムをさらに短縮化できる。
2 造形ベッド
3 粉体供給手段
4 粉体均し手段
5 光ビーム照射手段
6 移動手段
7 シュラウド(カバー)
8 制御部
11 造形物載置プレート
12 光ビーム照射部(光ビーム照射手段)
13 粉体層
18 スカート部材
19 雰囲気ガス供給口
20 ヒューム吸引口
23 粉体貯留槽(粉体供給手段)
24 粉体落下口
25 開閉扉
27 ブレード(粉体均し手段)
33 仮設壁体
C 隙間
L 光ビーム
P1 造形エリア
Claims (4)
- 造形エリア上に粉体を供給する粉体供給手段と、
前記粉体供給手段から供給された粉体を均して粉体層を形成する粉体均し手段と、
造形エリアの上方に配され、前記粉体層に光ビームを照射して粉体を焼結または溶融固化させて造形物を造形する光ビーム照射手段と、
上方に、造形エリアの空間と、造形エリアから外れた前記粉体供給手段を逃がすための逃げ用エリアの空間とが形成される造形ベッドと、
を備えた三次元造形装置であって、
前記光ビーム照射手段を3次元方向に移動させる移動手段と、
前記光ビーム照射手段と一体に移動し、造形エリアよりも小さい領域で光ビームの照射周りの前記粉体層の上方空間を覆うカバーと、
を備え、
前記粉体供給手段および前記粉体均し手段は、前記カバーの前進方向寄りに配されて前記光ビーム照射手段と一体に移動し、
前記カバーには、該カバーの内部に雰囲気ガスを供給するための雰囲気ガス供給口と、
前記カバーの内部に発生したヒュームを吸引するためのヒューム吸引口とが形成され、
前記カバーの下端周りには、上下に移動可能であって、下降したときに該カバーの下端と粉体層との間に形成された隙間を塞ぐスカート部材が設けられ、
前記スカート部材は、前記カバーの側面形状に倣った枠状の部材からなることを特徴とする三次元造形装置。 - 前記粉体供給手段は、下部に粉体落下口が形成された粉体貯留槽からなり、
前記粉体均し手段は、前記粉体貯留槽と前記カバーとの間に配されるブレードからなることを特徴とする請求項1に記載の三次元造形装置。 - 造形エリア上に粉体を供給する粉体供給手段と、
前記粉体供給手段から供給された粉体を均して粉体層を形成する粉体均し手段と、
造形エリアの上方に配され、前記粉体層に光ビームを照射して粉体を焼結または溶融固化させて造形物を造形する光ビーム照射手段と、
造形エリアよりも小さい領域で光ビームの照射周りの前記粉体層の上方空間を覆うカバーと、
を一体に3次元方向に移動可能に構成し、
前記カバーには、該カバーの内部に雰囲気ガスを供給するための雰囲気ガス供給口と、
前記カバーの内部に発生したヒュームを吸引するためのヒューム吸引口とを形成し、
前記カバーの下端周りには、上下に移動可能であって、下降したときに該カバーの下端と粉体層との間に形成された隙間を塞ぐスカート部材が設けられ、
前記スカート部材は、前記カバーの側面形状に倣った枠状の部材からなり、
前記カバーおよび前記スカート部材を横方向に移動させ、その移動距離分だけ前記粉体供給手段により粉体を前記カバーおよび前記スカート部材の下方に供給するとともに前記粉体均し手段により粉体を均す粉体層形成行程と、該粉体層形成行程で均された粉体層に光ビームを照射して造形物を造形する造形行程と、を複数回行うことにより粉体層一層分の造形を行う一層分造形行程を有し、
前記カバーおよび前記スカート部材を上昇させて前記一層分造形行程を繰り返し行うことにより三次元の造形を行うことを特徴とする三次元造形方法。 - 造形対象の造形物周りの粉体が崩れないように、造形物の周りを囲う仮設壁体を三次元に造形することを特徴とする請求項3に記載の三次元造形方法。
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