JP6166859B2 - 味マスクされた活性医薬粉末組成物およびその製造方法 - Google Patents

味マスクされた活性医薬粉末組成物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、活性医薬成分の味マスキングに関する。具体的には、二層コーティングで味マスクされた微粒子医薬製剤およびその製造方法に関する。
薬物治療コンプライアンスは、幼児、超高齢者、および嚥下障害患者等の飲み込むことに困難を有する患者にとって重要な課題である。製薬業界は、口腔内急速崩壊錠剤、服用前に液体中で分解する錠剤、液剤およびシロップ剤、ガム剤、並びに経皮パッチ剤さえも含めて、この課題に取り組むための多数の薬物送達プロトコルを開発してきた。残念なことに、これらの方法は、それぞれ固有の問題を抱えている。例えば、経皮パッチ剤は、使用するのに不便または不快であったり、製造コストがかなり高額になったりする可能性がある。皮膚を介した薬物流量はまた、複雑な投与上の課題を提起する可能性がある。
米国特許第6,740,341号明細書には、活性医薬成分(active pharmaceutical ingredient:API)の不快な味をマスキングすることにより、それを咀嚼および嚥下するのに十分に良い味にすることができるため、患者が薬剤を服用し易くなることが開示されている。APIの味をマスクするために、様々な方法が使用されてきた。これらは、香味料、甘味料、発泡系、および種々のコーティング戦略の使用を含む。特に効果的な1つの方法は、エチルセルロース、エチルセルロースとヒドロキシプロピルセルロースとの混合物、またはその他のセルロース誘導体でコーティングすることにより、API粉末をマイクロカプセル化して、味マスクされたチュアブル薬剤を提供することである。米国特許第6,740,341号明細書にはまた、薬物粒子上に味マスキング層と間隔層とを含む味マスキング製剤も開示されている。該薬物粒子のサイズは、1500μmにまでなる可能性があり、それにより口腔分散性剤形に好ましくないざらつき感をもたらすことがある。また、この製剤は、少なくとも5μmの厚さの2つの層を必要とし、高いポリマー負荷をもたらす。このことは、剤形のサイズに影響をおよぼす可能性がある。
米国特許第5,552,152号明細書には、制御放出特性を有し、約100μm〜約0.8mmの直径のマイクロカプセルを含む味マスクされたチュアブル錠剤が開示されている。マイクロカプセルは、結晶性イブプロフェンの医薬コアと、咀嚼に耐えるのに十分な弾性を有するメタクリル酸コポリマーコーティングとを有する。大きいサイズのマイクロカプセルが好ましい(直径0.25〜1mm)。より大きいマイクロカプセルは、より小さいマイクロカプセルと比較して、製造およびパッケージングがし易く、製造コストが安価だからである。しかしながら、このサイズのマイクロカプセルは、十分な弾性をもたらすために加えられた可塑剤またはその他の成分の量が不十分である場合は特に、咀嚼の間に破砕し、マイクロカプセルから薬物が放出される可能性がある。従って、大きいサイズのマイクロカプセルほど、咀嚼の間に破砕する可能性を最小限にするために、高い弾性を必要とする。
Yangらは、凝集性コーンスターチ粉末を様々なシリカ粒子でドライコーティングするためのいくつかの加工技術を開示している(Yang J,Sliva A,Banerjee A,Dave,RN,Pfeffer R.Dry particle coating for improving the flowability of cohesive powders.Powder Technology,V.158,2005,21−22)。ナノサイズのシリカ粒子は、単分散した500nmのシリカと比較して、良好に流動性を増大させる。さらに、表面処理された疎水性シリカは、コーンスターチ粒子の流動性の改善において、未処理の親水性シリカよりも有効であることが教示されている。しかしながら、Yangらは、流動性について取り上げるのみで、味マスキングについては取り上げていない。
Chenらは、ごく少量のナノサイズ粒子(0.01重量%ほどの低量)を、凝集性粉末(ゲルダート(Geldart)分類によるグループC粉末)の表面上に高精度に堆積させる方法を開示している(Chen Y,Yang J,Dave RN,Pfeffer R.Fluidization of Coated Group C Powders.AIChE Journal,V.54,2008,104−121)。該方法は、凝集性粉末の流動性および流動化性を改善する。Chenらは、医薬製剤に添加されることが多いコーンスターチ等の理想的な凝集性粉末の流動化挙動について検討しているだけである。Chenらは、一般に不規則な形状、高い表面エネルギーを有し、大きなトリボ帯電を受ける活性医薬成分の流動化については検討していない。Chenらによる別の文献には、流動層膜技術を用いて、ナノサイズのシリカ粒子がその表面上に堆積しているグループC粉末をコーティングする方法が開示されている(Chen Y,Yang J,Mujumdar A,Dave,RN.Fluidized bed film coating of cohesive Geldart group C powders.Powder Technology.v189(2009)466−480)。この論文に開示されている実施例は、実質的に球形のコーンスターチおよびアルミニウム粒子に限定されている。
米国特許第5,552,152号明細書には、フィブラート、好ましくはフェノフィブラートと、フィブラート粒子の表面に吸着した少なくとも1つの表面安定剤とを含む組成物が開示されている。フィブラート粒子は、約2000nm未満の有効平均粒径を有する。
先行技術の方法における重要な課題は、伝統的な流動層コーティング法におけるAPI粒子の凝集であり、通常100μmよりもはるかに大きい粒径をもたらし、これらの投薬を不快なものにする好ましくないザラザラした食感に繋がる。本発明は、薬物粒子の凝集を最小限にした流動層コーティングにより、味マスクされたAPI粉末を製造する方法を提供する。本発明の方法はまた、API’sが比較的高い力価を有することが可能となるように、低いポリマー負荷を必要とする。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許出願公開第2002/098227号明細書
(特許文献2) 欧州特許出願公開第2201939号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2011/0003006号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2004/0137156号明細書
(特許文献5) 米国特許出願公開第2008/0179433号明細書
(特許文献6) 米国特許出願公開第2009/0269411号明細書
(特許文献7) 米国特許第6,740,341号明細書
(特許文献8) 米国特許第6,475,523号明細書
(特許文献9) 米国特許第6,740,341号明細書
(特許文献10) 米国特許第7,276,249号明細書
(特許文献11) 米国特許第8,252,370号明細書
(特許文献12) 米国特許第5,552,152号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1) International Search Report and Written Opinion; Mailed 2014−01−03 for the corresponding PCT Application No.PCT/US2013/064064
(非特許文献2) Yang J,et al.,"Dry Particle Coating for Improving the Flowability of Cohesive Powders".Powder Technology,V.158,2005,pgs.21−22.
(非特許文献3) Chen Y,et al.,"Fluidization of Coated Group C Powders"; AlChE Journal,V.54,2008,pgs.104−121.
(非特許文献4) Chen Y,et al.,"Fluidized Bed Film Coating of Cohesive Geldart Group C Gowders"Powder Technology.v189(2009)pgs.466−480.
(非特許文献5) Han,X.et al.,"Simultaneous Micronization and Surface Modification for Improvement of Flow and Dissolution of Drug Particles"International Journal of Pharmaceutics,"2011.415(1−2): p.185−195.
(非特許文献6) Pfeffer,R.et al.,"Synthesis of Engineered Particulates With Tailored Properties Using Dry Particle Coating,"Powder Technology,Vol.117,pp.40−67,2001.
(非特許文献7) Yang,J.et al.,"Dry Particle Coating for Improving the Flowability of Cohesive Powders."Powder Technology,158,2005,21−33.
第1の態様において、本発明は、活性医薬成分を含むコアと;100nm以下のメジアン粒径を有するナノ粒子材料を含む前記コア上のナノ粒子材料と;少なくとも部分的に水溶性である第1のポリマー層と;水不溶性である第2のポリマー層とを含む微粒子医薬製剤に関する。前記コアは、前記ナノ粒子により、その表面を30%〜100%の表面積被覆率で覆われている。前記活性医薬成分の味は、前記微粒子医薬製剤で服用される場合、未コーティングの活性医薬成分と比較して、少なくとも部分的に味マスクされている。この微粒子医薬製剤において、前記活性医薬成分は、USP溶解試験において30分間で完全に放出される。
本発明の別の態様は、活性医薬成分と、100nm以下のメジアン粒径を有するナノ粒子によるナノ粒子コーティングとを含むコア粒子から微粒子医薬製剤を調製する方法に関する。前記方法は、流動層中で第1のポリマー溶液を前記コア粒子上に噴霧することにより、前記コア粒子を第1のポリマー層でコーティングして、第1のポリマーコーティングを形成する工程と;流動層中で前記第1のポリマーでコーティングされた前記コア粒子に第2のポリマー溶液を噴霧することにより、前記第1のポリマーでコーティングされた前記コア粒子の前記第1のポリマーコーティングを第2のポリマーでコーティングする工程とを含む。前記第1のポリマー層は、少なくとも部分的に水溶性である。前記第2のポリマー層は、水不溶性であり、前記活性医薬成分を少なくとも部分的に味マスキングすることができる。
図1は、本発明のいくつかの実施形態に係る流動層コーティング法の概略図である。 図2は、本発明で使用することができるMini−Glatt 9550の概略図である。 図3は、凝集に対するインペラ速度の影響を示す。 図4は、16%のEudragit RS 100、ヒドロキシルプロピルメチルセルロース(hydroxylpropyl methylcellulose:HPMC)、およびシリカと、7.2%のEudragit RS 100とでコーティングされた70μmコア粒子における、ポリマー負荷対凝集のプロットである。 図5は、味マスクされたイブプロフェン粉末の溶解プロフィールを示す。 図6は、イブプロフェンの凝集体サイズに対する様々なシリカの影響を示す。 図7a−7cは、流動層コーティングされたイブプロフェン粒子の走査電子顕微鏡(scanning electron microscope:SEM)画像を示す。 図8a−8dは、流動層コーティングされたイブプロフェン粒子のSEM画像を示す。 図9は、様々なタイプのシリカをコーティング材料として用いた、ポリマー濃度対イブプロフェン粒子の凝集体サイズのプロットである。 図10a−10cは、流動層コーティングされたイブプロフェン粒子のSEM画像を示す。 図11は、イブプロフェン粒子のコーティングに対する様々な噴霧条件による影響を示す、ポリマー濃度対イブプロフェン粒子の凝集体サイズのプロットである。 図12は、様々な噴霧条件による影響を示す、ポリマー濃度対イブプロフェン粒子の凝集体サイズの別のプロットである。 図13は、様々な噴霧条件に対するポリマー濃度対イブプロフェン粒子の凝集体サイズのプロットである。 図14は、過剰流動化速度対イブプロフェン粒子の凝集体サイズのプロットである。 図15は、過剰運搬速度対イブプロフェン粒子の凝集体サイズのプロットである。 図16は、イブプロフェン粒子の初期分布スパン対イブプロフェン粒子の凝集体サイズのプロットである。 図17は、様々なサイズの粒子のコーティング効果を示すためのポリマーコーティングの厚み対イブプロフェン粒径のプロットである。 図18は、増量関数としてのイブプロフェン粒子の凝集体サイズのプロットである。
例示を目的として、本発明の原理は、様々な実施例を参照して記載される。本発明の特定の実施形態が本明細書に具体的に記載されるが、当業者は、同じ原理が、他のシステムおよび方法に等しく応用可能であり、また、他のシステムおよび方法で使用可能であることを容易に認めるであろう。本発明の開示される実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その応用において、示される特定の実施形態の詳細に限定されないと理解されるべきである。また、本明細書で使用される専門用語は、説明を目的とするものであり、限定を目的とするものではない。さらに、特定の方法が、特定の順序で本明細書に示される工程を参照して説明されるが、多くの場合、これらの工程は、当業者に認識される可能性があるいずれの順序で実施されてもよく、従って、新たな方法は、本明細書に開示される特定の工程配置に限定されない。
本明細書および添付の特許請求の範囲で用いられる場合、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈上明白に他の意味を規定していない限り、複数の参照を含むことに注意されなければならない。さらに、用語「a」(または「an」)、「1つまたは複数」、および「少なくとも1つ」は、本明細書中で交換可能に使用することができる。用語「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」、および「からなる(constructed from)」もまた、交換可能に使用することができる。
第1の態様において、本発明は、好ましくは活性医薬成分(API)を含む味マスクされた粉末の製造方法に関する。
1つの例示的な方法を図1に示す。図1の例示的な方法では、API粉末およびシリカ粒子を使用する。API粉末は、好ましくない味を有する活性医薬成分(API)を含むコア粒子である。APIコア粒子は、シリカ粒子よりもはるかに大きい粒径を有する。APIコア粒子は、例えば、1μm〜200μmの範囲、5μm〜150μmの範囲、または10μm〜100μmの範囲の体積平均メジアン粒径を有することができる。APIコア粒子は、狭い粒径分布を有する複数の粒子からなる。微小粒子および粗大粒子の両方を含む広いサイズ分布を有するAPIコア粒子ほど、混合およびコーティングの最中に凝集する可能性が高いからである。
当業者は、サイズ分布の幅に基づいて許容サイズ範囲を選択することができ、粒径分布の幅は、(d90−d10)/d50と定義されるそのスパンにより規定される。ここで、d90は、それ以下に90%の体積分布が存在するサイズを意味し、同様に、d50は、体積サイズ分布の中央値であり、d10は、それ以下に10%の体積分布が存在するサイズである。スパンは、約3未満、より好ましくは約2未満であるべきである。微粒フラクションまたは粗粒フラクションが非常に長いロングテール分布ではない場合は、4までのスパンもまた許容可能である。好ましくは、d90粒径は300μm未満、d10粒径は25μm超である。
図1の実施例ではシリカを使用したが、本発明は、60mJ/m未満、好ましくは40mJ/m未満の比較的低い分散表面エネルギー、および5nm〜100nmのメジアン粒径を有し、APIコア粒子をコーティングする任意のタイプのナノ粒子を使用することができる。好ましくは、ナノ粒子は、米国食品医薬品局による一般に安全と認められる(generally regarded as safe:GRAS)材料のリストに掲載され、内服および/または医薬用途が許可されている1つまたは複数の材料を含む。ナノ粒子材料の例としては、シリカ、アルミナ、チタニア、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸ナトリウムカルシウム、ケイ酸トリカルシウム、シリカエアロゲル、タルク、酸化鉄、その他の金属酸化物、およびこれらの混合物のナノ粒子が挙げられる。ナノ粒子は、1〜30nmまたは7〜15nmの範囲の粒径を有することができる。また、ナノ粒子は、解砕し、APIコア粒子上で容易に分散/コーティングすることができるように、APIコア粒子の表面エネルギーに対して十分に低い分散表面エネルギーを有するべきである。このようなコーティングにより、担体粒子(本願では微小薬物粒子)の凝集性が低下する。そのような微小担体粒子は、通常、凝集性があり、流動化することができない。粒子を流動化することができるか否かをテストする最も確実な方法は、実際に粒子を流動化してみることであるが、流動化性の改善についての間接的な指標もまた、安息角(Angle of Repose:AoR)の低減または流関数係数(flow function coefficient:FFC)の増加を通して収集することができる。流動化気体にさらされた際に十分にAoRの低減またはFFCの増加をもたらし、その後流動化の改善を示すGRASナノ粒子はどれも、本発明においてコーティング材料として許容される。
微小原薬粉末は、適切な粉末特性評価装置を用いて当業者により測定された場合に、50°超またはちょうど55°のAoRを有し、5以下または3以下のFFCを有することが期待される。ナノ粒子でのコーティングは、粉末の流動性を変化させる可能性があり、AoRは、45°未満、より好ましくは40°未満、またはさらに低くなることが期待される。一方、FFCは、6または6よりさらに高く、例えば、8超まで増加する可能性がある。
具体例として、約74ミクロンのメジアン粒径を有するイブプロフェン粉末を検討した。コーティング前、イブプロフェン粉末は、約55°のAoRを有した(日本のホソカワミクロン社(Hosokawa Micron)のHosokawa Powder Tester PT−Nで、ASTM規格のASTM D6393−08に従って測定した)。また、このイブプロフェン粉末は、FT4 tester(フリーマンテクノロジーズ社(Freeman Technologies)、英国)のせん断セルで、低密度粉末に関する205ASTM規格の推奨に基づいた3kPaの先行圧密(Emery et al.,2009;Emery,E.,Oliver,J.,Pugsley,T.,Sharma,J.,Zhou,J.,2009,"Flowability of moist 688 pharmaceutical powders,"Powder Technol.189,689 409−415)および医薬粉末に通常使用される範囲下で測定して、約5のFFCを有した。イブプロフェンを2重量%のR972pナノシリカでドライコーティングすると、AoRは約39°に低下し、FFCは10超まで増加した。どちらも実質的な流動性の改善を示しているため、当業者に認められるような凝集性の低下を意味する。別の例として、約41ミクロンのメジアンサイズを有するさらに微小なイブプロフェン粉末は、約58°のAoRおよび約2.8のFFCを有し、2重量%のR972pナノシリカでドライコーティングした後は、AoRは約37°に低下し、FFCは10超に増加した。これらのイブプロフェン粉末は、どちらもコーティング前は十分に流動化することができなかったが、コーティングされたイブプロフェン粉末は、どちらもドライコーティング後に良好に流動化された。
流動化しなければ流動しない医薬粉末の流動化は、ドライコーティングに基づく表面修飾による凝集性の低下に基づく。一般に、そのような粉末の粒子間引力、ひいては凝集性に寄与する2つの因子がある。第1の因子は、その表面エネルギーまたはハマカー(Hamaker)定数で一般に表される材料表面特性である。一般に、ハマカー定数が低いほど、または表面エネルギーの分散成分が低いほど、その他が全て等しければ、粒子間引力の低下、ひいては凝集性の低下に繋がる。
第2の因子もまた、表面特性であり、2つの粒子の接触面における粗さである。その他が全て等しければ、非常に粗い(即ち、100nm以上程度の粗さ)、あるいは非常に滑らか(即ち、原子的な平滑さ、または数nm未満、例えば5nm未満の粗さ)のいずれかであるほど、ナノラフと称される(即ち、例えば原子間力顕微鏡を用いた測定で、5〜100nmの表面粗さを有する)粒子と比較して、高い粒子間引力を有する。より好ましくは、7〜30nmの表面粗さが用いられる。従って、ナノシリカ、または5〜100nmの粒径、より好ましくは10〜25nmの粒径を有するその他の許容されるGRAS粒子でのドライコーティングは、ナノスケールの表面粗さが付与されることによる凝集性の低下をもたらすことができる。ナノ粒子の表面エネルギーの分散成分が概して低い(<60mJ/m、好ましくは<40mJ/m)、もしくは元の医薬粉末よりも低い場合は、凝集性の低下のさらなる効果がある可能性がある。
上記の因子の一方または両方により凝集性の低下を起こすことができるため、ナノ粒子を用いたコーティングの代わりに、混合すると薄片性およびスミアを有するより柔軟で可変性の材料もまた、使用することができる。そのようなコーティングによってもまた、コーティングされた生成物の分散表面エネルギーは低くなる。従って、コーティングはまた、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ロイシン、アミノ酸、並びに、疎水性および/または低接着性の材料を通して分散性を付与する吸入用途に通常使用されるその他の材料等の材料を用いて行なってもよい。例えば、界面活性分子の総合リストを含み、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,475,523号明細書を参照のこと。従って、そのような材料では、シリカまたはナノサイズの離散粒子を可変性/薄片性の材料に置き換える。凝集性の低下は、分散表面エネルギーの低下によって起こり、また、より平滑な表面をもたらす、粗面の空隙へのより柔軟な材料の充填の結果として生じた、表面粗さの低減による可能性もある。
上記の説明の通り、粒径範囲の下限に近い粒径を有するナノ粒子を用いたコーティングは、API粉末の流動化を大幅に改善する。しかしながら、ナノ粒子のメジアン粒径が5nmよりも小さい場合は、流動化の改善が低下する可能性がある。
本発明で使用するシリカ粒子は、疎水処理シリカまたはフュームドシリカ等、どのタイプのシリカ粒子でもよい。適切なシリカの例としては、Aerosil R972シリカ(エボニック社(Evonik))、CAB−O−SIL EH−5シリカ(キャボット社(Cabot))、CAB−O−SIL M−5Pシリカ(キャボット社)、CAB−O−SIL M−5DPシリカ(キャボット社)、AEROSIL(登録商標)200 Pharma(エボニック社)、AEROSIL(登録商標)200 VV Pharma(エボニック社)、AEROPERL(登録商標)300 Pharma(エボニック社)、OX−50シリカ(エボニック社)、COSMO55(カタリスト・アンド・ケミカル社(Catalyst&Chemical Ind.Co.Ltd)、日本)、P−500親水性シリカ(カタリスト・アンド・ケミカル社、日本)、およびTS530シリカ(キャボット社)が挙げられる。一般に、約100m/g超の比表面積を有する非晶質フュームドシリカが好ましい。典型的には、これらの非晶質フュームドシリカは、気相合成により製造され、表面修飾を受けてその疎水性が変化する。いくつかの実施形態において、2つ以上のタイプのシリカを組み合わせて使用してもよい。例えば、シリカTS5およびシリカR972を併用してもよい。
親水性シリカは、シリカを疎水性にする疎水処理により得てもよい。1つの実施形態において、親水性シリカの疎水処理は、親水性シリカをジクロロジメタノールシランで処理することにより行われてもよい。シリカを疎水性シリカに修飾することが可能な、当業者に知られている任意の他の適切な方法を使用してもよい。疎水性シリカは、流動性および流動化性の改善に加えて、コーティングされたAPIの湿潤の遅延、およびその初期放出の遅延を助ける可能性がある。
API粉末をコーティングするシリカの重量は、API粉末およびシリカの総重量の0.1〜10重量%の範囲内である。あるいは、1〜5重量%のシリカを使用してもよい。高濃度のシリカ(即ち、100%をはるかに超える表面積被覆率(surface area coverage:SAC))を用いることにより、APIをドライコーティングすることができ、また、流動層コーティング工程の間、シリカ粒子を使用可能にしておくことができると考えられている。この過剰なシリカは、後続の流動層コーティング工程の間、複合ドライコーティングからポリマーコーティングされた粉末を除去することができる。
図1を参照すると、工程1においてAPI粉末およびナノシリカを供給する。工程2において、シリカでAPI粉末をドライコーティングしてAPI−シリカ複合粒子を生成させるような方法で、API粉末をシリカと混合する。ドライコーティング工程の目的は、流動化を促進し、コーティングされたAPI粉末の凝集を最小限にすることである。
ドライコーティング工程2を行うための装置は、当業者に知られている適切な装置のいずれであってもよい。適切な装置としては、これに限定されるものではないが、Comil(クアドロ社(Quadro)のU3 Quadro Comil、米国ペンシルバニア州)、LabRAM(レソジン社(Resodyne)、米国ミネソタ州)、Magneticcally Assisted Impact Coater(MAIC、アベカ社(Aveka)、米国ミネソタ州)、およびFluid Energy Mill(FEM、スタートバント社(Sturtevant)のQualification Micronizer、米国マサチューセッツ州)が挙げられる。ドライコーティング装置のその他の例としては、HybridizerまたはOmnitex(奈良機械製作所社(Nara Machinary)、東京、日本)、Mechanofusion、またはNobiltaおよびNanocular等のより最近のバージョン(ホソカワミクロンパウダーシステムズ社(Hosokawa Micron Powder Systems)、大阪、日本)、Theta composer(徳寿工作所社(Tokuju Corporation)、東京、日本)、およびある程度までは、任意の高強度ミキサー、例えば、撹拌バー付きVブレンダー(PK Blend Master(登録商標)Lab Blender、パターソン−ケリー社(Patterson−Kelly)、ペンシルバニア州East Stroudsburg、およびCyclomix、ホソカワミクロンパウダーシステムズ社、大阪、日本)が挙げられる。FEMは、API粉末の粉砕およびドライコーティングを同時に行い、コーティングされたAPIの粒径を元のAPI粉末の粒径の50%以下にすることができる。API粉末のドライコーティングは、ドライコーティングを行うように設計された装置において、比較的短時間で達成することができる。対照的に、低強度ミキサーのいくつかは、使用することはできるが、より長い処理時間を必要とする。どのケースにおいても、スケールの大きな装置ほど、処理時間を大幅に変えることなく高い生産率をもたらす。当業者は、適切なスケールアップ戦略を発展させることができるであろう。
コーティング工程2の操作条件は、例えば、粒子の凝集化およびコーティングされたAPI粉末の安息角(AOR)値の低減を考慮して、当業者が規定してもよい。粒子の凝集化の程度は、コーティングされた粒子のサイズをSEM画像において測定することにより判断してもよい。また、凝集化の程度は、Rodos/Helosシステム(Rodos and Helos、シンパテック社(Sympatec)、米国ニュージャージー州Lawrenceville)において、分散圧力滴定を用いて評価してもよい。圧力滴定の説明は、その全体が参照により組み込まれる、Han,X.,Ghoroi,C.,To,D.,Chen,Y.,Dave,R.,"Simultaneous micronization and surface modification for improvement of flow and dissolution of drug particles(2011)."International Journal of Pharmaceutics,vol.415,pp.185−195で確認することができる。AORは、ASTM D6393−99の手順である"Bulk Solids Characterization by CARR Indices"を用いて測定してもよい。例えば、Comilを用いる場合、インペラ速度が高いほどシリカコーティングされたAPI粉末の凝集体サイズが増大するため、インペラ速度を最適化して、凝集化を低下させてもよい(図3)。
API粉末をシリカでドライコーティングした後の生成物を、工程3に示す。これらのシリカコーティングされたAPI粉末を、「API−シリカ複合粒子」と称する。API−シリカ複合粒子の表面上の、好ましくは疎水性のシリカ粒子は、ナノサイズの表面凹凸および修飾された表面エネルギーという形で修飾された表面特性を導入することにより、凝集化を最小限にするのに役立つ。また、疎水性シリカの導入により、API−シリカ複合粒子の溶解を減速する可能性がある。API粉末は凝集性であることが多いが、API−シリカ複合粒子は、良好な流動性を有し、流動化させることができる。
API粉末のシリカによる表面積被覆率(SAC)は、API−シリカ複合粒子のSEM画像の画像分析により評価することができる。いくつかの実施形態において、API−シリカ複合粒子のSACは、15%〜100%の範囲内、25%〜100%の範囲内、または35%〜100%の範囲内である。いくつかの実施形態において、SACは、100%近くになる可能性がある。
API−シリカ複合粒子を、流動層コーティング工程である図1の工程4に供給する。工程4の流動層コーティング工程は、API−シリカ複合粒子を第1および第2のポリマー層でコーティングして、APIを味マスクする二層コーティングを生成するために使用する。第1のポリマー層(内側コーティング)は、少なくとも部分的に水溶性である。第2のポリマー層(外側コーティング)は、完全に水不溶性である。
流動層コーティング工程後の味マスクされた最終的な生成物は、活性医薬成分を含むコア、コア上のシリカ粒子、少なくとも部分的に水溶性である第1のポリマー層、および水不溶性である第2のポリマー層を有する。
図1の流動層コーティング工程4において、API−シリカ複合粒子を、流動層コーティング槽に供給する。熱風が前記槽に吹き込み、槽内の粒子を循環させる。次に、第1のポリマー溶液が、霧状のポリマー溶液を流動層コーティング槽に噴霧するノズルへと、ポンプで汲み上げられる。次いで、第2のポリマー溶液が、ノズルへとポンプで汲み上げられ、流動層コーティング槽に噴霧される。流動層コーティングは、トップスプレーコーティング、ボトムスプレーコーティング、接線スプレーコーティング、またはその他の任意の適切な方法により行われる。Mini−Glatt 9550(グラット社(Glatt)製、米国ニュージャージー州)は、流動層コーティング工程のための適切な装置として使用することができる。トップスプレー流動層コーティング用に構成されたMini−Glatt 9550を、図2に示す。
第1のポリマー溶液および第2のポリマー溶液はどちらも、霧化後、微小液滴としてそれぞれ流動層コーティング槽に噴霧される。微小液滴は、API−シリカ複合粒子の表面に付着し、ポリマー溶液の液滴の溶媒が蒸発した後、ポリマー層を形成する。
本発明の第1のポリマー溶液は、水溶性ポリマーまたは部分的に水溶性のポリマーを少なくとも1つ含む。従って、API−シリカ複合粒子上の第1のポリマー層は、水溶性であるか、または、適切な量の水溶性材料と共に水不溶性ポリマーを含むため、活性物質は、15分未満の少しの遅れだけでpH7.2のリン酸緩衝液等の適切な溶解溶媒に溶解可能となる。水溶性ポリマーは、中性pHおよび室温で、ポリマーの少なくとも50mg/mlの水溶解度を有する。一方、水不溶性ポリマーは、6〜7.2のpH範囲および約37℃までの室温で、最大でポリマーの0.001mg/mlの水溶解度を有する。
第1のポリマー溶液には、複数のポリマーが存在してもよい。第1のポリマー層に適切なポリマーの例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(hydroxypropyl cellulose:HPC)、ポリビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone:PVP)、ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol:PVA)、アンモニオメタクリレートコポリマー、エチルセルロース、およびこれらの組み合わせが挙げられる。1つの実施例において、45%のHPMCおよび55%のアンモニオメタクリレートコポリマーを含む第1のポリマー層を使用する。第1のポリマー溶液中のポリマーが水溶性である場合は、溶媒は、好ましくは水である。しかしながら、ポリマーが部分的にのみ水溶性である場合は、水と1つまたは複数の有機溶媒とを含む混合溶媒等の別の溶媒を使用してもよい。適切な溶媒の1つの例は、水とエタノールとの混合物である。第1の部分的に水溶性のポリマー層は、第2の水不溶性ポリマー層を薬物から分離し、速いAPI放出をもたらすために使用する。また、第1の部分的に水溶性の層は、凝集化の制御を誘導し、これは、第2のポリマー層の流動化の間、非流動化を最小限にするのに効果的である。
第1のポリマー層のポリマー負荷は、第2のポリマー層を含む味マスクされた最終的な生成物の総重量の約20重量%まで、または2重量%〜15重量%の範囲内、または5重量%〜10重量%の範囲内であってもよい。API−シリカ複合粒子上の第1のポリマー層の厚みは、0.5μm〜5μm、より好ましくは、1μm〜3μmであってもよい。
いくつかの実施形態において、シリカ(安定化シリカであってもよい)を第1のポリマー溶液に使用することが望ましい。第1のポリマー溶液中のシリカは、流動層コーティング工程の間、凝集を低下または防止するために使用する。この目的に適したシリカは、100nm〜500nmの範囲のメジアン粒径を有してもよく、好ましくは非晶質コロイダルシリカである。180nm以上の直径を有するシリカ粒子は、よく知られているストーバー(Stober)法を用いて調製することができる(例えば、"Controlled growth of monodisperse silica spheres in the micron size range,"Journal of Colloid and Interface Science,Volume 26,Issue 1,January 1968,Pages 62−69,Werner Stober,Arthur Fink,Ernst Bohn doi:10.1016/0021−9797(68)90272−5を参照)。この第2のシリカは、より小さいメジアン粒径(100nm未満、より好ましくは25nm未満)を有し、API粉末のドライコーティングに使用される第1のシリカとは異なる。このシリカは、好ましくは凝集に対して安定化される。NaOHの使用またはシリカ溶液のpH調製によるイオン強度の増加を含め、従来技術を使用してシリカ粒子を安定化してもよい。
第1のポリマー溶液におけるこの第2のシリカの量は、使用するポリマーおよび溶媒に依存する。1つの実施形態において、第1のポリマー溶液は、水酸化ナトリウム溶液中に分散したシリカを、ポリマー懸濁液の総量の約1〜10重量%までのシリカ量で含む。
第1のポリマー層は、少なくとも部分的に水溶性である。この第1のポリマー層は、粒子の著しい凝集をもたらすことなくAPI−シリカ粒子を完全に被覆することができる。また、第1のポリマー層は、第2のポリマー層のコーティングの間、著しい非流動化を予防するのに役立つ可能性がある。この第1のポリマー層は、これらの味マスクされた薬剤の溶解特性のいくつかを制御するために使用してもよい。
第2のポリマー層は、水不溶性であるが、透過性の層であり、このことにより味マスクした粒子からのAPI放出を減速する。第2のポリマー溶液は、水不溶性である少なくとも1つのポリマーを含む。第2のポリマー層に適したポリマーとしては、Eudragit RS 100、アンモニオメタクリレートコポリマー、エチルセルロース、およびこれらの組み合わせが挙げられる。第2のポリマー層は、味マスクされた粒子においてAPIの味をマスクし、それによりAPIの好ましくない味特性を低減または除去する。
第2のポリマー溶液は、好ましくは、エタノール、アセトン等の有機溶媒、および有機溶媒と無機溶媒との混合物である溶媒を使用する。有機溶媒の選択は、食品製造での使用が承認されている有機溶媒に限定するべきである。
第2のポリマー層のポリマー負荷は、味マスクされた最終的な生成物の25重量%まで、または2重量%〜15重量%の範囲、または5重量%〜10重量%の範囲であってもよい。第2のポリマー層の厚みは、0.5μm〜5μm、または1μm〜3μmであってもよい。第1のポリマー層および第2のポリマー層の厚みの合計は、2μm〜10μm、または3μm〜6μmであってもよい。
いくつかの実施形態において、第2のポリマー溶液の噴霧液は、好ましくは少量のシリカと一定時間ごとに混合されて、凝集を低減し、それにより粒子が壁または粒子の好ましくない凝集に付着する機会を最小限にしてもよい。1つの実施形態では、シリカを追加して、コーティングされたポリマーが2%増量するごとに、シリカを0.1〜1.0%増量させている。
第2のポリマー溶液の噴霧液と混合するために使用するシリカは、第1のポリマー溶液と混合するための上記に説明したシリカと同じであってもよい。1つの適切なシリカは、Aerosil R972P(または医薬品グレードR972P)であり、その他の例としては、CAB−O−SIL EH−5シリカ(キャボット社)、CAB−O−SIL M−5Pシリカ(キャボット社)、CAB−O−SIL M−5DPシリカ(キャボット社)、AEROSIL(登録商標)200 Pharma(エボニック社)、AEROSIL(登録商標)200 VV Pharma(エボニック社)、AEROPERL(登録商標)300 Pharma(エボニック社)が挙げられる。
噴霧されたポリマー溶液の液滴サイズは、流動層コーティングの性能および最終的な味マスキング特性に重要である。より大きい液滴サイズでは、乾燥工程において困難が生じ、その後好ましくない凝集体の形成に繋がる可能性がある。一方、より小さい液滴サイズでは、液滴が粒子の表面に到達する前に溶媒が急速に蒸発することによるポリマー材料の損失が生じる可能性がある。噴霧されたポリマー溶液の液滴サイズは、Malvern Spraytec system(マルバーンインスツルメント社(Malvern Instrument Inc.)、英国)を用いて、レーザービームから15cmの距離で、焦点レンズから15cmの位置に位置する、0.5mmの開口部を有するノズル上で、測定してもよい。当業者は、ポリマー溶液の噴霧に適切な液滴サイズを決定することができる。
噴霧されたポリマー溶液の液滴サイズは、溶液中のポリマー濃度の影響を受ける可能性がある。平均液滴サイズは、ポリマー濃度と非線形的に増加する。高濃度ポリマー溶液は、粘性が高く、微小液滴に霧化するためによりエネルギーを必要とする傾向にあるからである。従って、ポリマー濃度が高い(故に、粘性がより高い)ポリマー溶液は、溶液を霧化して小さいサイズの液滴を生成するために、より高い投入エネルギーを必要とする可能性がある。
好ましい液滴サイズは、API−シリカ複合粒子のサイズよりも小さい。いくつかの実施形態において、好ましい液滴サイズは、5μm〜15μmの範囲または7μm〜12μmの範囲である。また、いくつかの実施形態において、均質なポリマー膜形成を促すために、噴霧されたポリマー溶液の液滴が狭い液滴サイズ分布を確実に有するようにすることは、有益である可能性がある。d90−d10およびd50の割合は、2以下であることが好ましい。より広い分布は、微粒フラクションの噴霧乾燥をもたらす可能性があり、粗粒フラクションは、凝集化を促進する可能性がある。
第1のポリマー溶液および第2のポリマー溶液の両方を噴霧する噴霧速度もまた、流動層コーティングの性能に影響する可能性がある。ポリマー溶液中のポリマー濃度が低いほど、高い噴霧速度を使用できる可能性がある。しかしながら、噴霧速度は、流動化速度とのバランスを取らなければならない。流動化速度は、粉末が十分に流動化されるように選択することができる。高い噴霧速度は、凝集化を引き起こす高湿度条件をもたらす可能性がある。一方、低い噴霧速度は、噴霧乾燥を引き起こす乾燥条件をもたらす可能性がある。噴霧速度は、液滴サイズ分布が一般に噴霧速度と線形的に変化し、圧力の2乗に反比例するような液滴サイズ分布と、相関性がある可能性がある。
Mini−glatt装置において、流動層コーティングの間、凝集化を低減するために適切な流動化速度は、1cm/s〜10cm/s、好ましくは3〜7cm/sである。噴霧速度は、流動層内の環境条件が25〜40%RHおよび25〜30℃の限度内であるように制御するべきである。
流動層のスケールに応じて、層内の環境条件を所望の限度内に保ちながら、流動化流量(表面の気体速度および層の断面積の積)、噴霧速度、および霧化圧を、表面の気体速度および液滴サイズ分布が所望の限度内に保たれるように制御することができる。
イブプロフェン微小粉末等のAPI微小粉末は、未破砕のイブプロフェン粗大粒子よりも低い流動化速度とするべきである可能性がある。これにより、流動層コーティングの間使用することができる流動化流量を低減する。また、噴霧速度は、気体速度の変化を補うために低減される必要がある。最終的に、これは、破砕粉末(41μm)および未破砕粉末(74μm)に関して表1に示した著しく長い処理時間に繋がる。これらの処理時間は長いが、微小な破砕粉末をコーティングする実行可能な代替アプローチがほとんどないことを考慮すれば、妥当である。
Figure 0006166859
いくつかの実施形態において、第1のポリマー溶液、第2のポリマー溶液、またはその両方の噴霧は、断続噴霧技術を用いて行ってもよい。断続噴霧は、一定の時間、定期的にポリマー溶液を噴霧し、その後、ある程度の乾燥が起こる一定の時間、噴霧を中止することにより達成される。1つの適切な断続噴霧周期として、120秒間の噴霧時間および120秒間の非噴霧時間を使用してもよい。その他の適切な噴霧時間は、20秒間〜3分間に及ぶ非噴霧時間と共に、同じく20秒間〜3分間の範囲としてもよく、噴霧時間および非噴霧時間が同じである必要はない。
本発明の工程は、APIの好ましくない味特性を低減または除去する味マスクされたAPI含有粒子の製造に用いることができる。複合ポリマー層のポリマー負荷は、味マスクされた粒子の総重量に対して、20重量%未満であってもよい。これらのポリマー負荷は、最小限に抑えた粒子の凝集化により、多くの先行技術の味マスキング用途で用いられるポリマー負荷よりも実質的に低い一方、所望の味マスキング特性を付与する高品質で均一なコーティングを依然として達成する。
味マスクされた最終的な生成物は、保管の間、付着および粘結という深刻な問題を有する可能性がある。これらの問題を防ぐために、本発明は、味マスクされた生成物をシリカでコーティングする工程をさらに含むことができる。このさらなる工程は、シリカコーティングされ、味マスクされた生成物の総重量に対して2重量%までまたは約0.5〜1.5重量%のシリカ粒子で、味マスクされた粒子をドライコーティングするために使用してもよい。これらのシリカ粒子は、好ましくは、100nmよりも小さい。1つの適したシリカは、良好に流動する味マスクされた粉末を製造するために使用することができるAerosil R972である。使用することができるその他のシリカとしては、CAB−O−SIL EH−5シリカ(キャボット社)、CAB−O−SIL M−5Pシリカ(キャボット社)、CAB−O−SIL M−5DPシリカ(キャボット社)、AEROSIL(登録商標)200 Pharma(エボニック社)、AEROSIL(登録商標)200 VV Pharma(エボニック社)、AEROPERL(登録商標)300 Pharma(エボニック社)が挙げられる。このシリカコーティング工程は、例えば、50G‘sで30秒間、LabRAMを用いて行ってもよく、または、味マスクされた粒子をシリカ粒子と単に混合することにより行ってもよい。
味マスクされた生成物は、咀嚼の間、生成物のAPI放出を実質的に防ぐか、または完全に防ぎ、それにより咀嚼の間、その味をマスキングする。製薬業界で一般に行われているように、味マスキングの程度を評価するために、人パネルを用いてもよい。ポリマーコーティングは、APIコア粒子の溶解挙動を著しく変化させることはない。2つのポリマー層は、消化管において、APIを迅速に放出することができる。生成物からのAPIの放出速度を評価するために、溶解試験を使用してもよい。本発明の味マスクされた粒子は、USP溶解試験において30分以内に、若しくはUSP溶解試験において20分以内または15分以内に、APIを完全に放出する可能性がある。
本発明は、USP溶解試験を使用して、最終的な生成物からのAPI放出を評価する。この試験は、pH7.2のリン酸緩衝液と、粉末の湿潤を保証するために使用されるドデシル硫酸ナトリウム(sodium dodecyl sulfate:SDS)0.4g/Lとの溶媒を用い、37℃で、50RPMで回転するUSP Apparatus II(パドル)を用いて行われる。溶解している活性医薬成分の割合は、経時的に測定される。
74μmのメジアンコア粒径を有するイブプロフェン粉末(IBU50、BASF社製)を、Comilを用いてシリカでドライコーティングした。588gのIBU50粉末を、12gのAerosil R972疎水性シリカ(2%負荷、エボニックデグサ社(Evonik Degussa)製)と、V−blender(パターソンケリー社)中で、27RPMで5分15秒間、事前混合した。その後、粉末を、目盛り付きスクリューフィーダを用いて10g/分の流量でComilに供給した。Comilに475μmの円錐型スクリーンを取り付け、円形のインペラを1300RPMで作動させた(このインペラの速度は、最小動作周波数を16.8Hzに低減することにより達成した)。特別な処理周期を用いて低いインペラ速度を補った。インペラを作動させた状態で、粉末を10分間供給した。粉末を供給せずに、インペラをさらに5分間作動させたままにした。次に、インペラを5分間停止させて、過熱を防いだ。機器を冷却した後、インペラを再開し、その後IBU50粉末の供給を続けた。
イブプロフェンIBU50を、LabRAMを用いてシリカでドライコーティングした。500mL瓶に、122.5gのIBU50粉末および2.5gのAerosil R972疎水性シリカ(2%)を入れた。瓶を密封し、LabRAMのプラットフォームクランプに嵌め込んだ。瓶を60Hzで5分間、70〜75G‘sで振動させた。
イブプロフェンIBU50を、MAICを用いてシリカでドライコーティングした。120mLの瓶に、9.8gのIBU50、0.2gのAerosil R972疎水性シリカ(2%)、および5.0gの700〜1400μmバリウムフェライト磁性顆粒(アベカ社、米国ペンシルバニア州)を入れた。瓶を密封し、110V(60Hz)電源の20%を動力源とする振動磁場中に置いた。磁性顆粒を、振動磁場により10分間駆動させた。終了後、355μmの篩を用いて磁性顆粒を篩過した。
イブプロフェンIBU90を、FEMを用いてシリカでドライコーティングした。600gのイブプロフェンIBU90を、LabRAMを用いて2%のAerosil R972疎水性シリカと事前混合した。その後、事前混合した粉末を、目盛り付きスクリューフィーダを用いて6g/分でFEMに供給した。10psiで作動させたベンチャー式供給ノズルは、粉末を破砕槽に吸い取り、一方、10psiで作動させた2つの破砕ノズルは、粒子−粒子間の衝突および粒子と壁との衝突を引き起こして、粉末を破砕した。該工程を50分/バッチで2バッチ行い、収集槽が過剰充填されないようにした。各バッチの後、粉末を収集瓶および排気フィルタから別々に収集した。より狭いサイズ分布を得るために、収集瓶からのコーティングされた粉末(粗大)と、排気槽からのコーティングされた粉末(微小、典型的には20ミクロン未満)とは混合しなかった。
600gのイブプロフェンをAerosil R972シリカでドライコーティングするスケールアップ実験において、様々なドライコーティング法を比較した。結果を表2に示す。全ての方法で良好に流動するイブプロフェン粉末を製造することができたが、LabRAMは、処理時間が短く、使用/清掃が容易であるため、特に便利である。LabRAMを用いることにより、600gのイブプロフェン−シリカ粒子をたったの1時間で製造したが、小スケールのComilで処理した際には、4時間近くを要した。しかしながら、ComilおよびFEMは連続して作動させることができ、このことは、いくつかの実施形態において、LabRAMのようなバッチ法に優る利点をもたらす可能性がある。
Figure 0006166859
ドライコーティング後のイブプロフェン粉末(IBU50またはIBU90)の流動性を、様々なタイプのシリカおよび/または様々なコーティング方法でコーティングした後、測定した(表3)。未コーティングのイブプロフェンの安息角(AOR)値が高いことは、その流動性が極めて乏しいことを示す。一方、イブプロフェン−シリカ粒子は全て、極めて低いAOR値を有する。未コーティングの(受け取った状態の(as received))粉末よりも1桁近く小さいサイズを有するドライコーティングされたイブプロフェン粉末であっても、まずまずの流動性を有する。M5P親水性シリカは、20nmの粒径を有し、キャボット社が製造している。
Figure 0006166859
イブプロフェン粉末を、様々なシリカ粒子(M5P、TS530、およびR972P)でドライコーティングした。疎水性シリカでドライコーティングした場合、イブプロフェン−シリカ粒子はあまり湿潤せず、その結果、低用量溶解試験における30秒後の溶解量は低かった。これと比較して、イブプロフェン粉末をコーティングしないか、または未処理の親水性シリカでコーティングした場合は、イブプロフェン−シリカ粒子は、同じ溶解試験において、30秒間での溶解量がより高かった。より疎水性の高いTS530(非食品等級)シリカでコーティングした場合は、より疎水性の低いAerosil R972Pと比較して、極めて低い溶解が見られた。
Figure 0006166859
23μmのコア粒径を有するジクロフェナクナトリウム粉末を、20nmの粒径を有する1%M5P親水性シリカでドライコーティングした。Comilを用いて様々なインペラ速度でドライコーティングを行った。Rodos/Helos分散機およびレーザー散乱式粒径測定器(シンパテック社(Sympatec Inc.)、ニュージャージー州)を用いて、ドライコーティングの前後で粉末のサイズを測定した。Rodos/Helosシステムは、ベンチュリノズルを用いて粉末を分散させる。このシステムでは、より低い圧力では一般に粉末を解砕させる一方、より高い圧力では粒子破砕が生じる可能性がある。図3から分かるように、分散圧力を0.1barから1barに増加させても、未コーティング粉末の粒径はほぼ一定に保たれる。より高い分散圧力では、粉末の粒径が著しく減少した。このことは、ジクロフェナクナトリウム粉末の粒子が、サイズ測定の間に摩耗したことを意味する。Comilでのドライコーティング後、再びジクロフェナクナトリウム粉末のサイズ測定をした。本実施例では、恐らくより高いインペラ速度におけるより高いせん断強度により、インペラ速度が高いほど凝集を引き起こし、このことは、凝集性の高い粉末同士を融合させる可能性がある。
イブプロフェン−シリカ粒子を流動層中でコーティングした。LabRAMで製造した150gのイブプロフェン−シリカ粒子を、Mini−Glatt 9550(グラット社、米国ニュージャージー州、独国)の流動層ボウルに入れた。空気を最初に55℃まで加熱した後、円錐状の流動層の底を通し、5μmの細孔径を有するステンレス鋼焼結金属分配板(モット社(Mott Corporation)、米国コネチカット州)を通して、供給した。流動化速度を、5.33cm/sの表面気体速度(または、d50最小流動化速度とd50最終速度との差の約30−40%)に制御した。これらの低い流動化速度を達成するために、加熱した空気を図2に示す低ノズル入口を通して迂回させて、低流ヒーターの安全装置が始動しないようにする必要があった。吹き出し気体を10μmのフィルタカートリッジを通して5秒毎にパルス状に送り、フィルタに張り付いた粉末を除去した。円錐状の流動層構造体を用いてこれらの微小イブプロフェン−シリカ粒子を流動化して、微小粒子を水簸せずにより大きい粒子が確実に流動化されるようにした。
流動層を28℃まで加熱した。この温度において、蠕動ポンプを用い、内側ノズル(300μm)を有する同心ノズルを通して、1.26mL/分でポリマー溶液(懸濁液)を押し出した。噴霧液を、外側ノズル(800μm)を通過する1.00barの非加熱圧縮空気により液滴に分解した。層の温度を綿密にモニターし、入口の温度を必要に応じて変更して、層の温度が確実に26±1℃となるようにした。定期的にカラムの側面をゴム槌でたたき、壁に付着した粒子を取り除いた。
イブプロフェン−シリカ粒子が所定のポリマー溶液量でコーティングされるまで、流動層に継続的に噴霧した。噴霧を止め、層の温度が28℃を超えるまで、層を数分間乾燥させた。この時、流動化空気および霧化空気も停止させた。層を開き、過剰な凝集、非流動化、またはフィルタの固化の痕跡を調べた。3〜5gのサンプルをサイズ測定および画像解析のために収集した。ポリマーコーティングが不十分だった場合は、流動層コーティング工程を再スタートさせてもよい。流動層コーティング工程の終了後、ボウル内の粉末を収集した。フィルタまたは壁に付着した粉末を収集しないように注意を払った。これらのイブプロフェン−シリカ粒子は、良好にコーティングされていないことが予想されたからである。
イブプロフェン−シリカ粒子を、流動層中で様々なポリマーでコーティングした。2%Aerosil R972疎水性シリカでドライコーティングしたイブプロフェン(d50=70μm)を出発物質とした。様々な水溶性、非水溶性、およびpH依存性ポリマーを含め、ポリマーを表5に挙げる。表5に記載した流動層コーティング実験は、様々な実験条件で達成されたポリマー負荷の最大値を反映している。味マスキングを3人の味パネルにより評価した。そこでは、集団の意見の一致に基づいて、全体の味および咽喉しゃく熱感の有無を分類した。使用した味分類は、不十分、まあまあ、良好であった。
Figure 0006166859
3種類のEudragitポリマー(E100、FS30D、RSI00)の全てにおいて、イブプロフェン粉末が流動層コーティング機器の壁に強く付着し、最終的に流動化しなくなり、イブプロフェン粉末に十分な味マスキングを付与するには低すぎるポリマー負荷となった。
イブプロフェン−シリカ複合粒子のコーティングを流動層内で行った。水不溶性ポリマーおよび水溶性ポリマーのいくつかの組み合わせについて、味マスキングをもたらす様々な負荷で検証した。これらのポリマーを、以下の表6に記載した操作条件でイブプロフェン−シリカ複合粒子上に噴霧した。全ての実験において、流入空気の温度、湿度、および霧化空気圧は全て、それぞれ55℃、10%相対湿度、および100barで一定に保った。
Figure 0006166859
最初に、エチルセルロースをイブプロフェン−シリカ複合粒子(FBC−IBU−30)上に噴霧することにより、ポリマー単層コーティング系を生成させた結果、3.6%のポリマー負荷を加えただけで良好に味マスクされた粉末が得られた。しかしながら、Rodos/Helos sizer(最大サイズ800μm)で測定することができる粒径よりも大きい粒径に粉末が成長し、その結果、不快な食感となった。この大きい凝集体サイズは、高粘度のポリマー溶液によって生じる大きい噴霧液滴サイズによるものと思われた。
エタノール中の不溶性Eudragit RS 100溶液をイブプロフェン−シリカ複合粒子(FBC−IBU−59)上に噴霧することにより、別のポリマー単層コーティング系を生成させた。凝集体サイズは、著しく低減した。しかしながら、味マスキング前に非流動化した層が得られた。
その他の単層コーティング系において、溶媒としての水/エタノール混合物に混合した、水不溶性ポリマーおよび水溶性ポリマーの組み合わせを用いた。これらの2つの系では、重大な非流動化の問題なしに小さいイブプロフェン凝集体サイズを達成した。ここで、エチルセルロース/HPMC(FBC−IBU−40)溶液を、Eudragit RS100/HPMC(FBC−IBU−58)溶液の噴霧速度の半分の速度で噴霧した結果、より大きな凝集体サイズ(同様により長い処理時間)となり、依然としてより大きな粒径を有した。しかしながら、水溶性ポリマーが存在することにより、試みたポリマー負荷で味マスキングを達成するのが困難になった。それ故、味マスキングを達成するためには、水不溶性ポリマーによるさらなる第2のポリマー層が必要となる。
最初にEudragit RS100/HPMC/180nmシリカ(FBC−IBU−57)を用いてイブプロフェン−シリカ複合粒子を流動層中で16%のポリマー負荷でコーティングして、第1のポリマー層をイブプロフェン−シリカ複合粒子上に生成させることにより、2層ポリマーコーティング系を製造した。次に、Eudragit RS100(水に不溶)のエタノール溶液を噴霧して、イブプロフェン−シリカ複合粒子上の第1のポリマー層を第2のポリマー層でコーティングし、さらに6.1%の増量を達成した。この第2の層は、図4に示すように、粒径を112μmまで顕著に低減するとともに、顕著な味マスキングを付与した。Eudragit RS100溶液の噴霧中に生じたサイズの低減は、流動化の間に凝集体同士が衝突したこと、およびスプレーノズルにおいて高いせん断に曝されたことに起因する可能性がある。
図5は、2つの異なる実験(2つのポリマー層用のFBC−IBU−57およびポリマー単層系用のFBC−IBU−59)に基づいた、流動化層コーティングされたイブプロフェン−シリカ複合粒子の溶解プロフィールを示す。USP溶解試験を行った。2つのポリマー層(FBC−IBU−57)を有する粒子により、USP溶解試験において15分間でAPIを完全に放出する良好に味マスクされた粉末が製造された。一方、完全に水不溶性のポリマー単層(FBC−IBU−59)でコーティングされたイブプロフェン−シリカ複合粒子は、USP溶解試験において完全な放出を達成するのに45分間を要し、また、不十分な味マスキングをもたらした。
2層ポリマーコーティング系を用いたイブプロフェン−シリカ複合粒子の流動層コーティング(内層としてEudragit RS100/HPMCおよび外層としてEudragit RS100)は、最小の凝集体サイズおよび許容される溶解速度とともに最も高品質の味マスキングをもたらした。
噴霧したポリマー溶液は、流動層に噴霧する際に少量のシリカと定期的に混合した。0.1重量%のシリカ(Aerosil R972p、Aerosil R974、またはM5P)を、穏やかに流動層中にかき混ぜ、特に注意を払って第2のポリマー溶液の噴霧中に形成される大きな塊を分解した。シリカの添加は粒子間の凝集性の低下に役立つことが分かった。微小粉末へのポリマー溶液の噴霧が凝集化をもたらす場合、約2重量%のポリマーを添加する毎に0.1重量%のシリカを層に添加するべきである。
流動層コーティング実験のための第1のポリマー溶液に、シリカを直接加えた。表7に記載したように、イブプロフェン−シリカ複合粒子を、流動層中で、エタノールと水との溶媒中の1.13%のHPMCと、1.50%のEudragit RS100と、選択的に180nmのシリカ粒子とで構成されるポリマー溶液を用いてコーティングした。全てのケースにおいて、イブプロフェン−シリカ複合粒子粉末を、以下の条件を用いて処理した:150gのイブプロフェン−シリカ複合粒子を、55℃まで加熱した2cfm(5.3cm/s)の乾燥空気で流動化した。ポリマー溶液を1.26mL/分で噴霧し、その結果得られた層の温度は、約26℃であった。シリカ粒子の凝集体サイズを、動的光散乱(DelsaNano、ベックマンコールター社(Beckman Coulter)、米国)を用いて測定した。
Figure 0006166859
イブプロフェン−シリカ粒子の凝集体サイズを、ポリマー負荷の関数として図6に示す。ポリマー溶液中に180nmの(非安定化)シリカ粒子を含むことにより、シリカを使用していない実験と比較して、凝集体サイズが有意に低減した。しかしながら、水およびエタノール溶液中での非安定化シリカの不十分な安定性により、ノズルの目詰りの問題が定期的に生じた。
安定化シリカ粒子は、ノズルの目詰りを効果的に低減することができる。いくつかの異なる方法を使用してシリカ粒子を安定化させることができる。安定化シリカを第1のポリマー溶液に加えて、あまり凝集していないコーティングされたイブプロフェン粉末を製造した(図6)。非安定化シリカおよび安定化(NaOH+70%エタノール)シリカを含むポリマー溶液でコーティングされたイブプロフェンのSEM画像を図7a−7cに示す。図7a(非安定化シリカ)は、シリカ粒子がポリマーコーティング中で良好に分散していることを示す。図7bおよび図7cは、安定化シリカがポリマーコーティング全体に渡って分散していることを示す。
図8aおよび図8bを参照すると、これらの図は、HNOで安定化したシリカを用いて製造した生成物を示す。一方、図8cおよび図8dは、NaOH+55%エタノールで安定化したシリカを用いて製造した生成物を示す。図8aおよび図8cは、それぞれ〜1μmおよび〜4μmのシリカ凝集体を形成するイブプロフェン−シリカ粉末を示す。図8bおよび図8dは、これらのシリカ凝集体が、ポリマー層全体に渡る分散が不十分であったことを示す。
3タイプのシリカを第1のポリマー溶液に使用して、流動層コーティング工程の間、イブプロフェン凝集体を最小化した。2つは、Cab−o−sil m5およびAerosil Ox50であり、気相加水分解で製造されるというさらなる利点を有するため、FDAによりGRAS(一般に安全と認められる)と認められている。もう1つは、180nmのシリカである。実験手順は、実施例13と同じであった。図9に示すように、気相加水分解で製造されたシリカのいずれかを使用することにより、シリカを使用しなかった場合と比較して、顕著に凝集化が低下した。180nmシリカの使用により、より小さいシリカナノ粒子を使用した場合よりも凝集体サイズを小さく保つことができた。図10a−10cは、ポリマー/シリカでコーティングされたイブプロフェンの表面のSEM画像を示す。より小さいシリカ粒子を使用した場合(図10aはCab−o−sil、図10bはOX50)、シリカ粒子の厚い層がポリマーとともに結合した。一方、180nmシリカ粒子を使用した場合(図10c)、これらはイブプロフェン−シリカ粒子上で離散し、分散する傾向にあった。
イブプロフェン−シリカ粒子の流動層コーティングを、様々な実験条件下で行った(表8)。噴霧速度および表面流動化速度を、イブプロフェン粒子凝集体の成長に対するこれらの影響を検証するために変化させた。全てのケースにおいて、流入空気の温度は、層の温度をほぼ26℃に保つように選択した。より低い層温度では、イブプロフェン粒子が顕著に凝集し、低いポリマー負荷で非流動化する可能性がある。
これらの実験条件による影響を図11−13に示す。図11−13は、ポリマー溶液がそれぞれシリカなしの場合、非安定化シリカを含む場合、およびNaOH、70%エタノールで安定化させたシリカを含む場合の、イブプロフェン粒子の凝集を示す。シリカなし(図11)の第1のポリマー溶液でコーティングされたイブプロフェンのd90の割合は、シリカが含まれる場合(図12および13)よりも大きいことが分かった。
Figure 0006166859
図12(同じポリマー負荷において、FBC−IBU−46は、FBC−IBU−57よりも大きかった)および図13(FBC−IBU−83は、FBC−IBU−81/84およびFBC−IBU−82よりも大きかった)に示すように、イブプロフェン粒子の凝集体サイズは、ポリマー負荷に関して、噴霧速度が低いほど速く成長した。1.26mL/分(FBC−IBU−57)から1.44mL/分(FBC−IBU−62)への噴霧速度の増加は、図11に示すように、同等の凝集体サイズをもたらした。しかしながら、より高い噴霧速度では、層は、低いポリマー負荷において非流動化した。静電帯電をもたらす可能性がある過度の乾燥条件(低い噴霧速度)と、流動化空気によりポリマーが乾燥するのよりも速くポリマーを噴霧することができる過度の湿潤条件(高い噴霧速度)との間で、バランスを保たなければならない。
また、図11(FBC−IBU−63は、FBC−IBU−58よりも大きかった)および図13(FBC−IBU−66およびFBC−IBU−77は、FBC−IBU−81/84およびFBC−IBU−82よりも大きかった)に示すように、イブプロフェン凝集体は、表面流動化速度が高いほど速く成長した。これは、2つの主な因子による可能性がある。第1の因子は、より高い流動化速度(即ち、より高い流量)で起こる過度の乾燥条件であった。これは、粒子の帯電を引き起こし、凝集化をもたらす可能性がある。第2の因子は、微小なイブプロフェン粒子がより高い流動化速度で系から排斥されるか、またはフィルタ上に固着する可能性があることであった。これは、微小なイブプロフェン粒子を除去することにより、層中のイブプロフェン粉末の凝集体サイズを増加させ、記録されたポリマー負荷よりも高いポリマー負荷をもたらす可能性がある。フィルタへの微小なイブプロフェン粒子の損失および排出は、図13に示すように、再生可能ではない可能性がある。より高い流動化速度で行った再生実験では、大きく異なるイブプロフェン粉末粒径(FBC−IBU−66およびFBC−IBU−77)が得られたが、低い速度における同様の繰り返し実験では、非常によく似た凝集粒径(FBC−IBU−81/84およびFBC−IBU−82)が得られた。
イブプロフェン−シリカ粒子の粒径分布に対する流動化速度の影響を示すために、さらなる実験を行った。ここで、2種類の過剰な流動化速度を検証した:(1)実際の流動化速度(円筒部分における)とメジアン粒径の最小流動化速度との差を指す、過剰流動化速度、(2)実際の流動化速度とd10粒径の最終速度との差である過剰運搬速度。粒子スパンは、粒径分布の幅を指す無次元速度であり((d90−d10)/d50))、サイズ分布の標準偏差に相当する。一般に、大きな粒子スパンの粒径分布は、微小粒子および粗大粒子の両方を含むとても広い分布を有する。実験条件を表9に挙げる。全てのケースにおいて、ポリマーの約5%をイブプロフェン−シリカ粒子上に噴霧した。
実験結果を図14−16に示す。これらの図に見られる傾向線は、明確にすることのみを目的とする。図14−15に示すように、d10、d50、およびd90のサイズ比はいずれも、過剰流動化速度および過剰運搬速度とともに、概して増加した。サイズの成長は、少なくとも部分的には、高い流動化速度での微小粒子の水簸および高い流動化速度での過剰な乾燥条件における静電帯電による可能性がある。粒径比は、過剰流動化速度または過剰運搬速度がそれぞれ2.5cm/秒または1cm/秒を超えるまで、ほぼ一定であった。従って、これらの限度内で過剰速度を維持すれば、水簸および静電帯電による凝集化を制限することにより、流動層内での凝集化を最小限にすることが可能である。
d10比が、d50比またはd90比よりも急速に増加することが分かった。これは、小粒子が水簸により系から離れるか、より大きな粒子の1つに付着するかのいずれかをし易いことよるものと思われた。このことは、微小粒子に対して重要な影響を持つ可能性がある一方、より大きな粒子に対してはあまり影響しない。これらの微小粒子は、より大きい粒子と比較して、粒径全体に小規模な影響しか与えないからである。
図16に示すように、最初のイブプロフェン−シリカ粒子の粒径分布のスパンが増加すると、d10およびd50のサイズ比が増加することから明らかなように、凝集体サイズ全体も増加した。これらの結果は、微小粒子および粗大粒子の両方を含むイブプロフェン粉末粒子の幅広いサイズ分布は、より狭いサイズ分布よりも凝集し易い傾向にあったことを示す。このことは、微小粒子の大きい粒子への付着による可能性がある。最大粒子体積は、ごく僅かに変化しただけであったことを考えると、d90比に対して大きな影響は与えなかったと思われる。一方、最も微小な粒子の除去は、d10比を有意に変化させることができる。
Figure 0006166859
イブプロフェン−シリカ複合粒子の流動層コーティングに対する噴霧条件の影響を示すために、実験を行った(表10)。ここで、流動化速度を増減させて、様々なサイズのイブプロフェン−シリカ粒子に対して、過剰流動化速度を約2cm/秒に、過剰運搬速度を1cm/秒未満に維持した。噴霧速度もまた、総流動化速度に対して相対的に増減させ、過剰な湿潤または乾燥条件を回避した。実験において、霧化圧を変化させることにより、噴霧液滴サイズを変化させた。
Figure 0006166859
これらの実験の間、同じポリマー溶液を使用した(FBC−IBU−81と同じ)。Spraytec(マルバーン社(Malvern)、米国マサチューセッツ州)レーザー散乱サイズ測定装置の開いた光学槽内に噴霧を向けることにより、液滴サイズを測定した。液滴サイズ、噴霧速度、および霧化圧の関係は、下記の方程式3および方程式4により説明する。式中、d50およびd90のサイズはμm単位、SはmL/分単位での噴霧速度、Pはpsig単位での圧力である。この関係は、0.5〜2.3mL/分の噴霧速度および10〜20psigの霧化圧に対して正確である。いくつかの実験において、実験値と予測値との間に10%ほどの偏差が見られる可能性がある。
FBC−IBU−92サンプル(表10)で見られる最終的なイブプロフェン小粒子の粒径は、スプレーノズル中の高い霧化圧(−1.00barとは対照的に1.36bar)に誘導される解砕に起因する可能性がある。この霧化圧は、緩慢に形成された凝集体を分解することが可能な強いせん断力を誘導することができる。
方程式3:噴霧速度および霧化圧に対する液滴サイズのd50
d50=28.16+1.056S−2.228P+0.05787P
方程式4:噴霧速度および霧化圧に対する液滴サイズのd90
d90=78.04+1.84S−6.361P+0.1629P
イブプロフェン粒子の凝集とポリマー層の厚みとの関係を示すために、イブプロフェン−シリカ複合粒子の流動層コーティングを行った。d90比をコーティング層の厚みの関数で表した図17に、実験結果を示す。これらの実験の間、噴霧速度に対する総流動化速度の割合を約3.4に一定に保ち、過度の乾燥または湿潤条件を防いだ。液滴サイズと最初のイブプロフェンのメジアンサイズとの比が増加するにつれて、速く成長する全般的傾向があった。この影響は、最初のイブプロフェンの粒径によるものではなかった(即ち、同じ量のポリマーを表面にコーティングする場合、大きいイブプロフェン粒子ほど、イブプロフェン単位当たりの表面積が小さいため、層が厚くなる)。
FBC−IBU−81/84は、優れた流動層コーティング製剤であることが分かった(表8を参照)。この製剤は、LabRAMでドライコーティングされたイブプロフェン−シリカ複合粒子の、流動層を用いたコーティングに使用された。製剤は、部分的に水溶性である第1のポリマー層と水不溶性の第2のポリマー層とを含む。2%Aerosil R972でLabRAMにおいて予めドライコーティングした150gのイブプロフェンを、流動層コーティング槽に入れ、表11に記載した条件を用いて噴霧した。第2のポリマー溶液を噴霧する間、0.1%Aerosil R972を定期的に流動層に混合し、コーティングされた粉末が壁に付着するのを最小限にした。シリカの添加はまた、後の保管上の問題を防ぐものでもある。図18により、最終粒径はたったの92μmであったことが分かる。
Figure 0006166859
味マスクされたイブプロフェン粒子を保管している間の付着および固化を防ぐため、実験を行った。実験では、シリカ粒子を、流動層コーティングされたイブプロフェン−シリカ−ポリマー粉末(2つのポリマー層を有する)と混合した。LabRAMにおいて、50Gで30秒間、1%Aerosil R972シリカを味マスクされたイブプロフェン粉末上にドライコーティングし、良好に流動する味マスクされたイブプロフェン粉末を製造した。
しかしながら、本発明の多数の特徴および利点について、本発明の構造および機能の詳細とともに前述の説明に記載したが、本開示は例示にすぎないこと、また、詳細、特に、部品の形状、サイズ、および配置の事項に関して、本発明の原理内で、添付の特許請求の範囲を表現する用語の広い一般的な意味で示される最大限まで、変更を行うことができることを理解するべきである。

Claims (15)

  1. 活性医薬成分を含むコア粒子から味マスクされた微粒子医薬製剤を調製する方法であって、前記方法は、
    1)前記コア粒子上でナノ粒子材料の少なくとも部分的なコーティングを形成するために、100nm以下のメジアン粒径を有するナノ粒子材料で前記コア粒子をドライコーティングする工程であって、前記少なくとも部分的にコーティングされたコア粒子は前記活性医薬成分および前記ナノ粒子材料の総重量に基づいて0.1重量%〜10重量%の前記ナノ粒子材料を含むものである、前記ドライコーティングする工程と、
    2)前記少なくとも部分的にコーティングされたコア粒子を流動層中で第1のポリマー層でコーティングする工程と、
    3)前記微粒子医薬製剤の重量に基づくポリマー負荷が2重量%〜20重量%となるのに十分な量の第2のポリマー溶液を噴霧する工程を含むコーティングする工程によって、100nm以下のメジアン粒径を有するナノ粒子材料の存在下で、前記第1のポリマー層を流動層中で水不溶性の第2のポリマー層でコーティングする工程と
    を有し、前記第1のポリマー層は、少なくとも部分的に水溶性である、方法。
  2. 請求項1記載の方法において、前記少なくとも部分的にコーティングされたコア粒子を前記第1のポリマー層でコーティングする工程は、前記微粒子医薬製剤のポリマー負荷が2重量%〜15重量%となるのに十分な量のポリマー溶液を噴霧する工程を含むものである方法。
  3. 請求項1記載の方法において、前記第1のポリマー層は水溶性ポリマーを含むものである方法。
  4. 請求項1記載の方法において、前記第1のポリマー層は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、アンモニオメタクリレートコポリマー、エチルセルロース、およびこれらの組み合せから成る群から選択されるポリマーを含むものである方法。
  5. 請求項1記載の方法において、前記少なくとも部分的にコーティングされたコア粒子を前記第1のポリマー層でコーティングする工程は、100nm〜500nmの範囲のメジアン粒径を有するナノ粒子材料の存在下で行われるものである方法。
  6. 請求項記載の方法において、前記噴霧されたポリマー溶液のメジアン液滴径は、5μm〜15μmの範囲のメジアン液滴径から独立して選択されるものである方法。
  7. 請求項記載の方法であって、さらに、前記第2のポリマー層をナノ粒子材料の少なくとも部分的なコーティングでコーティングする工程を有する方法。
  8. 請求項1記載の方法において、前記第2のポリマー層は、アンモニオメタクリレートコポリマー、エチルセルロース、酢酸セルロース、およびこれらの組み合せから成る群から選択される水不溶性ポリマーを含むものである方法。
  9. 請求項記載の方法において、前記第1および第2のポリマー溶液の噴霧速度は、0.5ml/分〜5ml/分の範囲の噴霧速度から独立して選択されるものである方法。
  10. 請求項記載の方法において、前記第1のポリマー溶液および前記第2のポリマー溶液の流動化流量は、0.1cfm〜5cfmの範囲の流動化流量から独立して選択されるものである方法。
  11. 請求項記載の方法において、前記第1のポリマー溶液および前記第2のポリマー溶液は、それぞれ5psig〜35psigの範囲内から独立して選択される噴霧圧で噴霧されるものである方法。
  12. 請求項1記載の方法において、1cm/秒〜10cm/秒の範囲の流動化速度は、前記第1および第2のポリマー溶液でコーティングする工程の間、維持されるものである方法。
  13. 請求項1記載の方法において、前記第1のポリマー層および前記第2のポリマー層の厚みの合計は、2〜10μmである方法。
  14. 請求項2記載の方法において、前記噴霧されたポリマー溶液のメジアン液滴径は、5μm〜15μmの範囲のメジアン液滴径から独立して選択されるものであり、前記第1および第2のポリマー溶液の噴霧速度は、0.5ml/分〜5ml/分の範囲の噴霧速度から独立して選択されるものであり、および前記第1のポリマー溶液および前記第2のポリマー溶液は、それぞれ5psig〜35psigの範囲内から独立して選択される噴霧圧で噴霧されるものである方法。
  15. 請求項1記載の方法において、前記少なくとも部分的にコーティングされたコア粒子は、45度(ASTM D6393−08)より小さい安息角を有するものである方法。
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