JP6166431B1 - 偏光板およびその製造方法ならびに画像表示装置 - Google Patents

偏光板およびその製造方法ならびに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】偏光子と、偏光子の少なくとも片面に接着剤により貼合された保護フィルムとを含む偏光板であって、反射光の濃淡として現れるスジ状のムラによる外観への影響を効果的に抑制することが可能な新規な偏光板を提供する。【解決手段】偏光子1と、偏光子1の少なくとも片面に接着剤2,4により貼合された保護フィルム3,5とを含む偏光板110であって、保護フィルム3,5を除去したときの、接着剤2,4が付着した偏光子の表面における高低差が280nm以下である、偏光板である。【選択図】図1

Description

本発明は、様々な光学用途に使用可能な偏光板およびその製造方法に関する。また、本発明は、かかる偏光板を有する画像表示装置に関する。
偏光板は、画像表示装置における偏光の供給素子等として広範に用いられている。このような偏光板には、例えばポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸、染色、架橋、乾燥等に付して得られる偏光子が好適に採用されている。一般的に、偏光板は、偏光子の片面または両面に接着剤を用いて保護フィルムを貼合した構成を有する。
従来、偏光板において、反射光の濃淡により確認されるスジ状のムラが発生することがあり、かかる偏光板を画像表示装置に用いると画質を損ねることから、スジ状のムラの発生を防止すべく、種々の提案がなされている(特許文献1〜4を参照のこと)。例えば、偏光子(偏光フィルム)の片面または両面に接着層を介して保護フィルムを貼合した偏光板において、接着層の厚さを52nm以下とすることが提案されている(特許文献1)。特に、偏光子の延伸軸方向に発生するシワを防止すべく、延伸前のポリビニルアルコール系フィルムの厚さを85μm以上として、偏光子(偏光フィルム)の延伸軸に垂直な方向の表面粗さを中心線平均粗さに基づいて0.04μm以下とすること(特許文献2の第0011〜0012段落)や、ポリビニルアルコール系フィルムに対して施される乾燥処理を多段で行い、乾燥処理の各段におけるフィルムの張力を実質的に一定に制御し、かつ後段の張力を前段の張力以下とすること(特許文献3)が知られている。また、最終浴を出たときの偏光子の幅(A)に対する、保護フィルムを貼合するときの偏光子の幅(B)で規定されるネックイン率(=B/A)を0.80以上0.95以下に調整すること(特許文献4の第0019段落)も知られている。
特開2006−221158号公報 特開2000−249832号公報 特開2006−189560号公報 特開2002−40247号公報 特開2015−114536号公報
近年、偏光板の薄肉化が進行し、偏光板を構成する偏光子や保護フィルムをより薄くすることが求められている。保護フィルムが薄くなると、スジ状のムラの発生が顕著に認められるようになり、上述したような従来の方法では、スジ状のムラによる偏光板の外観への影響を十分に抑制することが困難である。かかる状況下、接着剤層の厚みを比較的小さくすることにより、接着剤層が硬化(または乾燥)するときの収縮力を小さくし、これにより、保護フィルムの表面に発生し得る凹凸を抑制することが提案されている(特許文献5)。しかしながら、このような方法は、接着剤層が硬化するときの収縮力を小さくできるものの、スジ状のムラは、その他の要因により発生することもあり得、別の方法により解決することができればより望ましい。
本発明の目的は、偏光子と、偏光子の少なくとも片面に接着剤により貼合された保護フィルムとを含む偏光板であって、反射光の濃淡として現れるスジ状のムラによる外観への影響を効果的に抑制することが可能な新規な偏光板およびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、偏光板の外観は、特に保護フィルムが薄くなると、薄い保護フィルムを通じて、偏光子の表面凹凸による影響を受け易くなることに着目し、偏光子の表面凹凸の問題に対処することを指向した。そして、本発明者らは、鋭意研究の結果、偏光板において、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差を小さくすること、具体的には280nm以下とすることで、スジ状のムラによる外観への影響を効果的に抑制することができるという独自の知見を得て、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の[1]〜[5]を含む。
[1] 偏光子と、偏光子の少なくとも片面に接着剤により貼合された保護フィルムとを含む偏光板であって、保護フィルムを除去したときの、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差が280nm以下である、偏光板。
[2] 保護フィルムの厚みが85μm以下である、[1]に記載の偏光板。
[3] 偏光子と、偏光子の少なくとも片面に接着剤により貼合された保護フィルムとを含む偏光板の製造方法であって、
偏光子の少なくとも片面に保護フィルムを接着剤により貼合し、
保護フィルムが貼合された偏光子を硬化させる
ことを含み、保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後の、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差が280nm以下である、偏光板の製造方法。
[4] 保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後の、保護フィルムの厚みが85μm以下である、[3]に記載の偏光板の製造方法。
[5] 液晶セルまたは有機エレクトロルミネッセンス素子と、[1]または[2]に記載の偏光板とを含む、画像表示装置。
本発明によれば、偏光子と、偏光子の少なくとも片面に接着剤により貼合された保護フィルムとを含む偏光板であって、反射光の濃淡として現れるスジ状のムラによる外観への影響を効果的に抑制することが可能な新規な偏光板およびその製造方法が提供される。また、本発明によれば、かかる偏光板を有する画像表示装置が提供される。
(a)は、本発明の1つの実施形態における偏光板の概略断面図を示し、(b)は、偏光板から保護フィルムを除去したときの、接着剤が付着した偏光子の概略模式断面図を示し、(c)は、偏光板から保護フィルムを除去し、これによって得られる接着剤が付着した偏光子の表面凹凸をライン測定した結果から高低差(起伏の大きさΔH)を求めるための概念模式図であり、表面の平均線を点線にて示し、これに水平または垂直な補助線を一点鎖線にて示す。 本発明のもう1つの実施形態における偏光板の概略断面図を示す。 本発明のもう1つの実施形態における偏光板の概略断面図を示す。 本発明の1つの実施形態における画像表示装置の概略断面図を示す。 本発明の偏光板における偏光子に利用可能な偏光フィルムの製造方法を説明するための装置概略断面図である。 実施例1にて得られた偏光板から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを除去した後の、接着剤が付着した偏光子のフロント側の表面凹凸をライン測定した結果を示す。 実施例2にて得られた偏光板から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを除去した後の、接着剤が付着した偏光子のフロント側の表面凹凸をライン測定した結果を示す。 実施例3にて得られた偏光板から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを除去した後の、接着剤が付着した偏光子のフロント側の表面凹凸をライン測定した結果を示す。 実施例4にて得られた偏光板から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを除去した後の、接着剤が付着した偏光子のフロント側の表面凹凸をライン測定した結果を示す。 比較例1にて得られた偏光板から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを除去した後の、接着剤が付着した偏光子のフロント側の表面凹凸をライン測定した結果を示す。 比較例2にて得られた偏光板から第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを除去した後の、接着剤が付着した偏光子のフロント側の表面凹凸をライン測定した結果を示す。
以下、本発明に係る偏光板およびその製造方法ならびに画像表示装置について詳述するが、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。
本発明の偏光板は、偏光子と、偏光子の少なくとも片面に接着剤により貼合された(または接着剤を介して積層された)保護フィルムとを含む。例えば、本発明の1つの実施形態において、図1(a)に示すように、偏光板110は、偏光子1と、その両面にそれぞれ接着剤により貼合された第1保護フィルム3および第2保護フィルム5を含むものであってよい。しかしながら、本発明の偏光板の構成(積層順序等)は、これら実施形態に限定されず、偏光子と、偏光子の少なくとも片面に接着剤により貼合された保護フィルムとを含む限り、任意の構成を有し得る。
本発明における「偏光子」は、自然光などの光を直線偏光に変換する機能を有する部材であり、透過軸と吸収軸を有する。偏光子の透過軸方向は、偏光子に自然光を透過させたときの透過光の振動方向として理解される。一方、偏光子の吸収軸は、偏光子の透過軸に直交する。なお、一般に、偏光子は延伸フィルムであり得、偏光子の吸収軸方向は、その延伸方向(MD)に一致し得、偏光子の透過軸方向は、幅方向(TD)に一致し得る。
本発明の偏光板は、保護フィルムを除去したときの、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差(ΔH、以下、単に「起伏の大きさ」とも言う)が280nm以下である。より詳細には、起伏の大きさ(ΔH)は、偏光板から保護フィルムを除去したときに、接着剤が付着した偏光子の表面を、そのスジ方向に対して垂直方向に走査して、接着剤が付着した偏光子の表面凹凸をライン測定し、測定結果から、例えば図1(c)に示すように、表面の平均線(図中に点線にて示す)に対して、最も高い凸部の頂点における高さ(H)と、最も高い凸部に各々隣接する2つの凹部のうちより深いほうの凹部の底部における深さ(H)との合計により求められ、下記式(1)を満たす。
ΔH=H+H≦ 280nm ・・・(1)
: 最も高い凸部の頂点の高さ(nm)
: 最も高い凸部に各々隣接する2つの凹部のうちより深いほうの凹部の底部における深さ(nm)
本発明における用語「スジ方向」は、接着剤が付着した偏光子のスジ状の表面凹凸に対して平行な方向を意味し、通常、延伸方向(MD)に一致する方向である。
本発明においては、保護フィルムを貼合する前の偏光子の表面状態ではなく、保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後の偏光子の表面状態を評価することが重要であり、よって、偏光板から保護フィルムを除去したときの、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差(起伏の大きさ)を規定している。偏光板から保護フィルムを除去する方法は、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差を、偏光板を構成した状態のままで概ね維持し得る限り、任意の適切な方法を用いてよい。より詳細には、保護フィルムを溶解させ得るが、接着剤および偏光子は実質的に溶解しない溶媒を用いて、かかる溶媒に偏光板を浸漬し、必要に応じて超音波処理および/または撹拌操作等を施して、保護フィルムを溶解させて除去し、接着剤が付着した偏光子の表面を露出させることができる。
本発明において、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差(起伏の大きさ)は、280nm以下であり、これにより、偏光板において反射光の濃淡として現れるスジ状のムラが視認され難くなり、外観の良好な偏光板を得ることができる。起伏の大きさは、280nm以下であればよく、例えば250nm以下、好ましくは230nm以下である。起伏の大きさの下限は特に限定されないが、起伏の大きさは、例えば10nm以上であり得、代表的には50nm以上であり得る。本発明を限定するものではないが、接着剤が付着した偏光子の表面において互いに隣接する凸部と凹部との間の面内距離、代表的には、上述した測定結果から、例えば図1(c)に示すように、表面の平均線(図中に点線にて示す)に対して、最も高い凸部の頂点と、最も高い凸部に各々隣接する2つの凹部のうちより深いほうの凹部の底部との間の、表面の平均線に対して平行な方向における距離(D、以下、単に「凹凸間距離」とも言う)は、例えば300〜800μmであり得る。
上記起伏の大きさを280nm以下にすることは、例えば、偏光子の製造時の条件(特に乾燥条件)を制御して偏光子そのもの(保護フォルムを接着剤により貼合する前の偏光子)の表面凹凸を小さくすることと、その後に偏光子の表面に適用される接着剤の量を多くして偏光子そのものの表面凹凸の凹部への接着剤の噛み込み(図1(b)参照。)を多くすることのいずれか一方、好ましくは双方により達成できる。なお、図1(b)は、偏光子そのものの表面凹凸の凹部への接着剤の噛み込みを誇張して模式的に表したものであり(これに対して、図1(a)および後述する図2〜4は、接着剤を省略して示している点に留意されたい)。
図1(a)に示すように偏光子1の両面にそれぞれ第1保護フィルム3および第2保護フィルム5が積層(貼合)されている場合、本発明の偏光板は、フロント側(画像表示装置に適用した場合は視認側)およびリア側(画像表示装置に適用した場合は表示装置側)の少なくとも一方に位置する保護フィルムを除去したときの、その下に位置していた接着剤が付着した偏光子の表面における高低差(起伏の大きさ)が上記範囲にあればよい。本発明に必須ではないが、フロント側およびリア側の両面において、保護フィルムを除去したときの、その下に位置していた接着剤が付着した偏光子の表面における高低差(起伏の大きさ)が上記範囲にあることがより好ましい。
例えば、本発明の1つの実施形態において、図1(b)に示すように、フロント側に位置する第1保護フィルム3およびリア側に位置する第2保護フィルム5の少なくとも一方を除去したとき(図1(b)は両方を除去したときを例示的に示す)の、接着剤2が付着した偏光子1の表面における高低差および接着剤4が付着した偏光子1の表面における高低差の少なくとも一方が上記範囲にあればよい。視認側であるフロント側に位置する第1保護フィルム3を除去したときの、接着剤2が付着した偏光子1の表面における高低差が上記範囲にあることが好ましく、これに加えて、リア側に位置する第2保護フィルム5を除去したときの、接着剤4が付着した偏光子1の表面における高低差も上記範囲にあること(即ち、接着剤2と接着剤4が付着した偏光子1の両表面における高低差が上記範囲にあること)がより好ましい。
最終的に得られる起伏の大きさ(すなわち、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差)を小さくするには、偏光子それ自体の表面における高低差が、より小さいほうが好ましい。偏光子それ自体の表面における高低差は、保護フィルムを接着剤により貼合する前の偏光子の表面における高低差に実質的に等しいと考えて差し支えなく、例えば400nm以下、好ましくは350nm以下である。偏光子の表面における高低差の下限は特に限定されないが、例えば5nm以上であり得る。偏光子それ自体の表面における高低差は、上記接着剤が付着した偏光子の表面における高低差(起伏の大きさ)と同様に、偏光子の表面を、そのスジ方向に対して垂直方向に走査して、偏光子の表面凹凸をライン測定し、測定結果から、表面の平均線に対して、最も高い凸部の頂点における高さと、最も高い凸部に各々隣接する2つの凹部のうちより深いほうの凹部の底部における深さとの合計により求められる。
偏光子の厚みは、偏光板の薄膜化の観点から薄いことが好ましいが、偏光板の用途等に応じて適宜設定され得る。偏光子の厚みは、例えば35μm以下、特に20μm以下、より特に15μm以下であり、例えば1μm以上、特に3μm以上であってよい。偏光板における偏光子の厚みは、保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後の偏光子の厚みに実質的に等しいと考えて差し支えない。
保護フィルムの厚みも、偏光板の薄膜化の観点から薄いことが好ましいが、偏光板の用途等に応じて適宜設定され得る。保護フィルムの厚みは、例えば85μm以下、特に50μm以下、より特に30μm以下であってよい。本発明によれば、比較的薄い保護フィルムを適用した場合にも、スジ状のムラによる外観への影響を効果的に抑制することができる。他方、かかる保護フィルムの厚みは、加工性の観点からある程度の強度を確保し得る厚みであることが好ましく、例えば5μm以上、特に10μm以上であってよい。偏光板における保護フィルムの厚みは、保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後の保護フィルムの厚みに実質的に等しいと考えて差し支えない。
接着剤(または接着剤層)の厚みは、偏光子そのものの表面凹凸の凹部に接着剤が噛み込まれて、上述した起伏の大きさ(これは、偏光子と接着剤とを合わせた全体のみかけの表面凹凸としても理解され得る)をできるだけ小さくし得る程度に、大きいことが好ましい。接着剤の厚みは、例えば20nm以上、特に40nm以上であってよい。他方、かかる接着剤の厚みは、生産コスト等の観点から必要以上に大き過ぎない程度であればよく、例えば1000nm以下、特に500nm以下、より特に300nm以下であってよい。偏光板における接着剤(接着剤層)の厚みは、保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後の接着剤(接着剤層)の厚みに実質的に等しいと考えて差し支えない。
本発明の偏光板は、更に、その片面側の表面に、例えば図2に示す偏光板111のように少なくとも一方の保護フィルム(図示する態様では第2保護フィルム5)の偏光子1と反対側の面に、粘着剤層7が積層されてよく、かかる粘着剤層7は最表面に剥離層(図示せず)を有していても、いなくてもよい。また、第2保護フィルム5は必須ではなく、例えば、第2保護フィルム5に代えて、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどの他の機能層が適用されていてもよい。本発明の別の実施形態において、図3に示すように、偏光板112は、偏光子1と、その片面に接着剤により貼合された保護フィルム3と、偏光子1のもう片面に積層された粘着剤層7を含むものであってよい。粘着剤層の厚みは、通常3〜100μm程度であり、好ましくは5〜50μmである。
本発明に必須ではないが、図2および図3に示すように、本発明の偏光板に含まれ得る粘着剤層7は(その表面に剥離層が存在する場合には、剥離層を剥がした後に)、偏光板111、112を他の部材に貼り合わせるために使用され得る。
例えば偏光板111は、図4に示すように粘着剤層7を介して他の部材115に貼り合わせられて、画像表示装置120を構成し得る。他の部材は、特に限定されないが、例えば液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス素子などであってよく、代表的にはこれらを構成するガラス板上に、偏光板が粘着材層を介して貼り合わせられ得る。画像表示装置は、液晶セルの場合は液晶表示装置と称され、有機エレクトロルミネッセンス素子の場合は有機エレクトロルミネッセンス表示装置と称される。しかしながら、本発明の画像表示装置は、かかる実施形態に限定されず、液晶セルまたは有機エレクトロルミネッセンス素子と、本発明の偏光板とを含む限り、任意の適切な構成を有し得る。
以下、本発明の偏光板および画像表示装置について、それらの製造方法を通じてより詳細に説明する。
<偏光子>
偏光子は、一軸延伸されたポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素(ヨウ素や二色性染料)が吸着配向しているポリビニルアルコール系偏光フィルムであり得る。
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを構成するポリビニルアルコール系樹脂は通常、ポリ酢酸ビニル系樹脂をケン化することにより得られる。そのケン化度は、通常約85モル%以上、好ましくは約90モル%以上、より好ましくは約99モル%以上である。ポリ酢酸ビニル系樹脂は、例えば、酢酸ビニルの単独重合体であるポリ酢酸ビニルの他、酢酸ビニルとこれに共重合可能な他の単量体との共重合体等であることができる。共重合可能な他の単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、オレフィン類、ビニルエーテル類、不飽和スルホン酸類等を挙げることができる。ポリビニルアルコール系樹脂の重合度は、通常約1000〜10000、好ましくは約1500〜5000程度である。これらのポリビニルアルコール系樹脂は変性されていてもよく、例えば、アルデヒド類で変性されたポリビニルホルマール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール等も使用し得る。
<偏光フィルムの製造方法>
上記偏光フィルムは、次の工程:
ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤浴に浸漬させる膨潤処理工程、
膨潤処理工程後のフィルムを染色浴に浸漬させる染色処理工程、
染色処理工程後のフィルムを架橋浴に浸漬させる架橋処理工程、
フィルムに一軸延伸処理を施す延伸処理工程、及び
フィルムを乾燥させる乾燥処理工程
を含む方法によって好適に製造することができる。
より具体的には、偏光フィルムは、例えば長尺の未延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルム(原反フィルム)を出発材料として、これを偏光フィルム製造装置のフィルム搬送経路に沿って連続的に搬送させて所定の処理工程を実施することにより長尺の偏光フィルムとして連続製造することができる。
上記所定の処理工程は、原反フィルムを膨潤浴に浸漬させる膨潤処理工程、膨潤処理工程後のフィルムを染色浴に浸漬させる染色処理工程、及び染色処理工程後のフィルムを架橋浴に浸漬させる架橋処理工程を含むことができる。また、これらの一連の処理工程の間(すなわち、いずれか1以上の処理工程の前後及び/又はいずれか1以上の処理工程中)に、湿式又は乾式にて一軸延伸処理を施す。その後、得られたフィルムを乾燥処理に付す。必要に応じて、他の処理工程を付加してもよい。
以下、図5を参照しながら、偏光子に利用可能な偏光フィルムの製造方法についてより詳細に説明する。図5に示される偏光フィルム製造装置は、ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反(未延伸)フィルム20を、原反ロール11より連続的に巻出しながらフィルム搬送経路に沿って搬送させることにより、フィルム搬送経路上に設けられる膨潤浴13、染色浴14、架橋浴17、及び洗浄浴19を順次通過させ、最後に乾燥炉21を通過させるように構成されている。得られた偏光フィルム10は、例えば、そのまま次の偏光板作製工程(偏光フィルム10の片面又は両面に保護フィルムを貼合する工程)に搬送することができる。図5における矢印は、フィルムの搬送方向を示している。
なお図5は、膨潤浴13、染色浴14、架橋浴17及び洗浄浴19をそれぞれ1槽ずつ設けた例を示しているが、必要に応じて、いずれか1以上の処理浴(膨潤浴13、染色浴14、架橋浴17及び洗浄浴19のような、フィルム搬送経路上に設けられるポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して処理を施す処理液を収容する浴を総称して「処理浴」ともいう。)を2槽以上設けてもよい。
偏光フィルム製造装置のフィルム搬送経路は、上記処理浴の他、搬送されるフィルムを支持する、あるいはさらにフィルム搬送方向を変更することができるガイドロール30〜41や、搬送されるフィルムを押圧・挟持し、その回転による駆動力をフィルムに与えることができる、あるいはさらにフィルム搬送方向を変更することができるニップロール50〜55を適宜の位置に配置することによって構築することができる。ガイドロールやニップロールは、各処理浴の前後や処理浴中に配置することができ、これにより処理浴へのフィルムの導入・浸漬及び処理浴からの引き出しを行うことができる(図5参照)。例えば、各処理浴中に1以上のガイドロールを設け、これらのガイドロールに沿ってフィルムを搬送させることにより、各処理浴にフィルムを浸漬させることができる。
図5に示される偏光フィルム製造装置は、各処理浴の前後にニップロールが配置されており(ニップロール50〜54)、これにより、いずれか1以上の処理浴中で、その前後に配置されるニップロール間に周速差をつけて縦一軸延伸を行うロール間延伸を実施することが可能になっている。以下、各処理工程について説明する。
(膨潤処理)
膨潤処理は、原反フィルム20表面の異物除去、原反フィルム20中の可塑剤除去、易染色性の付与、原反フィルム20の可塑化等の目的で行われる。処理条件は、当該目的が達成できる範囲で、かつ原反フィルム20の極端な溶解や失透等の不具合を生じない範囲で決定される。
原反フィルム20は、厚みが65μm以下、好ましくは約10〜50μm、より好ましくは約10〜35μmの未延伸のポリビニルアルコール系樹脂フィルムであることができる。原反フィルム20は通常、長尺の未延伸ポリビニルアルコール系樹脂フィルムのロール(巻回品)として用意される。ただし、原反フィルム20は、膨潤処理工程前に予め気体中で一軸延伸処理を施した延伸フィルムであってもよい。
図5を参照して、膨潤処理は、原反フィルム20を原反ロール11より連続的に巻出しながら、ガイドロール30〜32及びニップロール50によって構築されたフィルム搬送経路に沿って搬送させ、原反フィルム20を膨潤浴13(膨潤槽に収容された処理液)に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。ニップロール50とニップロール51との周速差を利用して膨潤浴13中で一軸延伸処理を施すこともできる。
膨潤浴13には、純水のほか、ホウ酸(特開平10−153709号公報)、塩化物(特開平06−281816号公報)、無機酸、無機塩、水溶性有機溶媒、アルコール類等を約0.01〜10重量%の範囲で添加した水溶液を使用することも可能である。
原反フィルム20が未延伸フィルムである場合、膨潤浴13の温度は、例えば10〜50℃程度、好ましくは10〜40℃程度、より好ましくは15〜30℃程度である。原反フィルム10の浸漬時間は、好ましくは10〜300秒程度、より好ましくは20〜200秒程度である。また、予め気体中で延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムを膨潤させる場合、膨潤浴13の温度は、例えば20〜70℃程度、好ましくは30〜60℃程度である。フィルムの浸漬時間は、好ましくは30〜300秒程度、より好ましくは60〜240秒程度である。
膨潤処理では、原反フィルム20が幅方向に膨潤してフィルムにシワが入るといった問題が生じやすい。このシワを取りつつフィルムを搬送するための1つの手段として、ガイドロール30、31及び/又は32にエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることが挙げられる。シワの発生を抑制するためのもう1つの手段は延伸処理を施すことである。
膨潤処理では、フィルムの搬送方向にもフィルムが膨潤拡大するので、フィルムに積極的な延伸を行わない場合は、搬送方向のフィルムのたるみを無くすために、例えば、膨潤浴13の前後に配置するニップロール50、51の速度をコントロールする等の手段を講ずることが好ましい。また、膨潤浴13中のフィルム搬送を安定化させる目的で、膨潤浴13中での水流を水中シャワーで制御したり、EPC装置(Edge Position Control装置:フィルムの端部を検出し、フィルムの蛇行を防止する装置)等を併用したりすることも有用である。
図5に示される例において、膨潤浴13から引き出されたフィルムは、ガイドロール32、ニップロール51を順に通過して染色浴14へ導入される。
(染色処理)
染色処理は、膨潤処理後のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性色素を吸着、配向させる等の目的で行われる。処理条件は、当該目的が達成できる範囲で、かつフィルムの極端な溶解や失透等の不具合が生じない範囲で決定される。図5を参照して、染色処理は、ガイドロール33〜35及びニップロール51によって構築されたフィルム搬送経路に沿って搬送させ、膨潤処理後のフィルムを染色浴14(染色槽に収容された処理液)に所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。二色性色素の染色性を高めるために、染色処理工程に供されるフィルムは、少なくともある程度の一軸延伸処理を施したフィルムであることが好ましく、又は染色処理前の一軸延伸処理の代わりに、あるいは染色処理前の一軸延伸処理に加えて、染色処理時に一軸延伸処理を行うことが好ましい。
二色性色素としてヨウ素を用いる場合、染色浴14には、例えば、濃度が重量比でヨウ素/ヨウ化カリウム/水=約0.003〜0.3/約0.1〜10/100である水溶液を用いることができる。ヨウ化カリウムに代えて、ヨウ化亜鉛等の他のヨウ化物を用いてもよく、ヨウ化カリウムと他のヨウ化物を併用してもよい。また、ヨウ化物以外の化合物、例えば、ホウ酸、塩化亜鉛、塩化コバルト等を共存させてもよい。ホウ酸を添加する場合は、ヨウ素を含む点で後述する架橋処理と区別され、水溶液が水100重量部に対し、ヨウ素を約0.003重量部以上含んでいるものであれば、染色浴14とみなすことができる。フィルムを浸漬するときの染色浴14の温度は、通常10〜45℃程度、好ましくは10〜40℃であり、より好ましくは20〜35℃であり、フィルムの浸漬時間は、通常30〜600秒程度、好ましくは60〜300秒である。
二色性色素として水溶性二色性染料を用いる場合、染色浴14には、例えば、濃度が重量比で二色性染料/水=約0.001〜0.1/100である水溶液を用いることができる。この染色浴14には、染色助剤等を共存させてもよく、例えば、硫酸ナトリウム等の無機塩や界面活性剤などを含有していてもよい。二色性染料は1種のみを単独で用いてもよいし、2種類以上の二色性染料を併用してもよい。フィルムを浸漬するときの染色浴14の温度は、例えば20〜80℃程度、好ましくは30〜70℃であり、フィルムの浸漬時間は、通常30〜600秒程度、好ましくは60〜300秒程度である。
上述のように染色処理工程では、染色浴14でフィルムの一軸延伸を行うことができる。フィルムの一軸延伸は、染色浴14の前後に配置したニップロール51とニップロール52との間に周速差をつけるなどの方法によって行うことができる。
染色処理においても、膨潤処理と同様にフィルムのシワを除きつつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送するために、ガイドロール33、34及び/又は35にエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることができる。シワの発生を抑制するためのもう1つの手段は、膨潤処理と同様、延伸処理を施すことである。
図5に示される例において、染色浴14から引き出されたフィルムは、ガイドロール35、ニップロール52を順に通過して架橋浴17へ導入される。
(架橋処理)
架橋処理は、架橋による耐水化や色相調整(フィルムが青味がかるのを防止する等)などの目的で行う処理である。図5を参照して、架橋処理は、ガイドロール36〜38及びニップロール52によって構築されたフィルム搬送経路に沿って搬送させ、架橋浴17(架橋槽に収容された処理液)に染色処理後のフィルムを所定時間浸漬し、次いで引き出すことによって実施することができる。
架橋浴17は、水100重量部に対してホウ酸を例えば約1〜10重量部含有する水溶液であることができる。架橋浴17は、染色処理で使用した二色性色素がヨウ素の場合、ホウ酸に加えてヨウ化物を含有することが好ましく、その量は、水100重量部に対して、例えば1〜30重量部とすることができる。ヨウ化物としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化亜鉛等が挙げられる。また、ヨウ化物以外の化合物、例えば、塩化亜鉛、塩化コバルト、塩化ジルコニウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸ナトリウム等を共存させてもよい。
架橋処理においては、その目的によって、架橋剤(ホウ酸等)及びヨウ化物の濃度、並びに架橋浴の温度を適宜変更することができる。例えば、架橋処理の目的が架橋による耐水化であり、未延伸のポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対し、膨潤処理、染色処理及び架橋処理をこの順に施す場合、架橋浴の架橋剤含有液は、濃度が重量比でホウ酸/ヨウ化物/水=3〜10/1〜20/100の水溶液であることができる。必要に応じ、ホウ酸に代えてグリオキザール又はグルタルアルデヒド等の他の架橋剤を用いてもよく、ホウ酸と他の架橋剤を併用してもよい。フィルムを浸漬するときの架橋浴の温度は、通常50〜70℃程度、好ましくは53〜65℃であり、フィルムの浸漬時間は、通常10〜600秒程度、好ましくは20〜300秒、より好ましくは20〜200秒である。一方、予め延伸したポリビニルアルコール系樹脂フィルムに対して染色処理及び架橋処理をこの順に施す場合、架橋浴の温度は、通常50〜85℃程度、好ましくは55〜80℃である。
色相調整を目的とする架橋処理においては、例えば、二色性色素としてヨウ素を用いた場合、濃度が重量比でホウ酸/ヨウ化物/水=1〜5/3〜30/100の架橋浴を使用することができる。フィルムを浸漬するときの架橋浴の温度は、通常10〜45℃程度であり、フィルムの浸漬時間は、通常1〜300秒程度、好ましくは2〜100秒である。
架橋処理は複数回行ってもよく、通常2〜5回行われる。この場合、使用する各架橋浴の組成及び温度は、上記の範囲内であれば同じであってもよく、異なっていてもよい。架橋による耐水化のための架橋処理及び色相調整のための架橋処理は、それぞれ複数の工程で行ってもよい。ただし、色相調整を目的とする架橋処理は任意の処理であり、省略されてもよい。
ニップロール52とニップロール53との周速差を利用して架橋浴17中で一軸延伸処理を施すこともできる。
架橋処理においても、膨潤処理と同様にフィルムのシワを除きつつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送するために、ガイドロール36、37及び/又は38にエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることができる。シワの発生を抑制するためのもう1つの手段は、膨潤処理と同様、延伸処理を施すことである。
図5に示される例において、架橋浴17から引き出されたフィルムは、ガイドロール38、ニップロール53を順に通過して洗浄浴19へ導入される。
(洗浄処理)
架橋処理工程後の洗浄処理工程を含むことができる。洗浄処理は、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに付着した余分なホウ酸やヨウ素等の薬剤を除去する目的で行われる。洗浄処理は、例えば、架橋処理したポリビニルアルコール系樹脂フィルムを洗浄浴19(水)に浸漬、又は該フィルムに対して水をシャワーとして噴霧、若しくはこれらを併用することによって行うことができる。
図5には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを洗浄浴19に浸漬して洗浄処理を行う場合の例を示している。洗浄処理における洗浄浴19の温度は、通常2〜40℃程度であり、フィルムの浸漬時間は、通常2〜120秒程度である。
なお、洗浄処理においても、シワを除きつつポリビニルアルコール系樹脂フィルムを搬送する目的で、ガイドロール39、40及び/又は41にエキスパンダーロール、スパイラルロール、クラウンロールのような拡幅機能を有するロールを用いたり、クロスガイダー、ベンドバー、テンタークリップのような他の拡幅装置を用いたりすることができる。また、洗浄処理において、シワの発生を抑制するために延伸処理を施してもよい。
(延伸処理)
上述のように原反フィルム20は、上記一連の処理工程の間(すなわち、いずれか1以上の処理工程の前後及び/又はいずれか1以上の処理工程中)に、湿式又は乾式にて一軸延伸処理される。一軸延伸処理の具体的方法は、例えば、フィルム搬送経路を構成する2つのニップロール(例えば、処理浴の前後に配置される2つのニップロール)間に周速差をつけて縦一軸延伸を行うロール間延伸、特許第2731813号公報に記載されるような熱ロール延伸、テンター延伸等であることができ、好ましくはロール間延伸である。一軸延伸処理工程は、原反フィルム20から偏光フィルム10を得るまでの間に複数回にわたって実施することができる。上述のように延伸処理は、フィルムのシワの発生の抑制にも有利である。
原反フィルム20(未延伸のポリビニルアルコール系樹脂フィルム)を基準とする、偏光フィルム10の最終的な累積延伸倍率は通常、4.5〜7倍程度であり、好ましくは5〜6.5倍である。
(乾燥処理)
洗浄処理の後、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを乾燥させる処理を行う。フィルムの乾燥は特に制限されないが、図5に示される例のように乾燥炉21を用いて行うことができ、より詳細には、例えば熱風乾燥機や遠赤外線ヒーターなどを用いて行うことができる。本発明において、乾燥条件は、最終的に得られる起伏の大きさ(すなわち、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差)に影響するので重要である。乾燥温度は、例えば20〜100℃、特に20〜80℃であり、乾燥時間は、例えば10〜600秒、特に30〜300秒である。
(その他の処理工程)
上記した処理以外の処理を付加することもできる。追加されうる処理の例は、架橋処理の後に行われる、ホウ酸を含まないヨウ化物水溶液への浸漬処理(補色処理)、ホウ酸を含まず塩化亜鉛等を含有する水溶液への浸漬処理(亜鉛処理)を含む。
偏光子は、かかる偏光フィルム10を適宜裁断して得ることができ、方形形状であってもよいし、長尺のフィルムであってもよい。以上、偏光子に利用可能な偏光フィルム10を作製する方法について説明したが、他の方法によって偏光フィルムないし偏光子を作製することも可能である。
保護フィルムを接着剤により貼合する前の、偏光子の表面における高低差は、例えば400nm以下、好ましくは350nm以下であり、本発明を限定するものではないが、例えば5nm以上であり得る。
<偏光板の製造方法>
本発明に係る偏光板は、例えば上述の方法によって偏光子を得た後、次の工程:
偏光子の少なくとも片面に保護フィルムを接着剤により貼合する貼合処理工程、及び
保護フィルムが貼合された偏光子を硬化させる硬化処理工程
を含む方法によって好適に製造することができる。
保護フィルムとしては、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなアセチルセルロース系樹脂からなるフィルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びポリブチレンテレフタレートのようなポリエステル系樹脂からなるフィルム;ポリカーボネート系樹脂フィルム、シクロオレフィン系樹脂フィルム;アクリル系樹脂フィルム;ポリプロピレン系樹脂の鎖状オレフィン系樹脂からなるフィルムが挙げられる。偏光板が第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを有する場合、これらは、同種の樹脂からなるフィルムであってもよいし、異種の樹脂からなるフィルムであってもよい。
(予備処理)
偏光子(偏光フィルム)と保護フィルム(第1保護フィルムおよび存在する場合には第2保護フィルム、以下同様)との接着性を向上させるために、貼合に先立ち、偏光子及び/又は保護フィルムの貼合面に、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、紫外線照射、プライマー塗布処理、ケン化処理等の表面処理を施してもよい。
(貼合処理)
偏光子の少なくとも片面に保護フィルムを接着剤により貼合する。偏光子と保護フィルムとの貼合に用いる接着剤としては、ポリビニルアルコール系樹脂の水溶液、又はこれに架橋剤が配合された水溶液、ウレタン系エマルジョン接着剤のような水系接着剤を挙げることができる。
本発明において、貼合条件は、最終的に得られる起伏の大きさ(すなわち、接着剤が付着した偏光子の表面における高低差)に影響するので重要である。貼合条件は、偏光子の表面に適用される接着剤の量が比較的多くなるように設定される。水系接着剤を用いる場合には、接着剤の主成分濃度は、水100重量部に対して0.5〜20重量部程度である。
(硬化処理)
その後、保護フィルムが少なくとも片面に貼合された偏光子を硬化させる。水系接着剤を用いる場合には、フィルム貼合後、接着剤層の乾燥処理を行うことによって硬化させる。乾燥温度は、例えば30〜100℃、特に40〜90℃であり、乾燥時間は、例えば30〜1200秒、特に60〜900秒である。乾燥後に、室温又はそれよりやや高い温度、例えば、20〜45℃程度の温度で養生してもよい。
以上の工程を経て偏光板が作製される。偏光板は、偏光子と同様、方形形状であってもよいし、長尺のフィルムであってもよい。方形形状の偏光板は、例えば長尺の偏光板の裁断により得てもよい。本発明に係る長尺の偏光板は、偏光板ロール(巻回品)であってもよい。
偏光子の厚みは、保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後で、例えば35μm以下、特に20μm以下、より特に15μm以下であり、例えば1μm以上、特に3μm以上であり得る。
保護フィルムの厚みは、保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後で、例えば85μm以下、特に50μm以下、より特に30μm以下であり、例えば5μm以上、特に10μm以上であり得る。
接着剤(接着剤層)の厚みは、保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後で、例えば20nm以上、特に40nm以上であり、例えば1000nm以下、特に500nm以下、より特に300nm以下であり得る。
図2および図3に示すように、粘着剤層を使用する場合、それ自体の粘着性により、保護フィルムまたは偏光子に対して積層することができる。より詳細には、粘着剤層の積層面に剥離層が存在する場合はその剥離層を剥がして、粘着剤層を保護フィルムまたは偏光子に対して転写することにより積層できる。
粘着剤層を形成する粘着剤としては、従来公知のものを適宜選択すればよく、偏光板が曝され得る環境下において、剥れなどが生じない程度の接着性を有するものであればよい。具体的には、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤などを挙げることができ、透明性、耐候性、耐熱性、加工性の点で、アクリル系粘着剤が特に好ましい。
粘着剤には、必要に応じ、粘着付与剤、可塑剤、ガラス繊維、ガラスビーズ、金属粉、その他の無機粉末等からなる充填剤、顔料、着色剤、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、シランカップリング剤など、各種の添加剤を適宜に配合してもよい。
本発明の偏光板は、視感度補正透過率が通常42.0%以上であり、好ましくは42.5%以上、より好ましくは43.0%以上である。また、視感度補正偏光度は通常99.8%以上であり、好ましくは99.9%以上、より好ましくは99.99%以上である。視感度補正透過率及び視感度補正偏光度は例えば、分光光度計等を用いて測定することができる。
<画像表示装置の製造>
上記のようにして製造される偏光板を、粘着剤層を介して他の部材(光学部材)に、貼り合わせて、画像表示装置を得ることができる。より詳細には、粘着剤層の貼り合わせ面に剥離層が存在する場合はその剥離層を剥がして、偏光板を他の部材に対して粘着剤層の粘着性により貼り合わせることができる。例えば、偏光板を液晶セルに貼り合わせることにより液晶表示装置を得ることができ、有機エレクトロルミネッセンス素子に貼り合わせることにより有機エレクトロルミネッセンス表示装置を得ることができる。偏光板が貼り合わせられる液晶セルまたは有機エレクトロルミネッセンス素子は、既知のものを適用すればよい。液晶セルまたは有機エレクトロルミネッセンス素子のうち、偏光板が直接貼り合わせられる構成要素は、代表的にはガラス板である。
しかしながら、本発明の偏光板の用途は画像表示装置に限定されず、様々な光学用途に使用され得ることに留意されたい。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
<実施例1>
3つの架橋浴17(以下では、1つ目の架橋浴を17aといい、2つ目の架橋浴を17bといい、3つ目の架橋浴を17cという。)を用いたこと以外は図5に示される偏光フィルム製造装置と同様の装置を用いて偏光フィルムを製造し、得られた偏光フィルムを用いて、引き続き偏光フィルム10の両面に保護フィルムが貼合された偏光板を作製した。
図5におけるガイドロール30〜41にはすべてフラットロールを使用した。
(1)膨潤処理工程
厚み30μm、幅450mmのポリビニルアルコールフィルム(原反フィルム20)〔(株)クラレ製の商品名「クラレポバールフィルムVF−PE#3000」、重合度2400、ケン化度99.9モル%以上〕を原反ロール11より連続的に巻出しながら搬送し、20℃の純水が入った膨潤浴13に30秒間浸漬した。この膨潤処理では、膨潤浴13から引き出された直後のフィルム幅が膨潤浴13浸漬前のフィルム幅以下になるように、ニップロール50、51間に周速差をつけてロール間延伸(縦一軸延伸)を行った。原反フィルム10を基準とする延伸倍率は2.5倍とした。
(2)染色処理工程
次に、ニップロール51を通過したフィルムを、ヨウ素/ヨウ化カリウム/水(重量比)が0.05/2/100である30℃の染色浴14に120秒間浸漬した。この染色処理においても、染色浴14から引き出された直後のフィルム幅が染色浴14浸漬前のフィルム幅以下になるように、ニップロール51、52間に周速差をつけてロール間延伸(縦一軸延伸)を行った。原反フィルム10を基準とする膨潤処理及び染色処理における累積延伸倍率は2.7倍とした。
(3)架橋処理工程
次に、耐水化を目的とする第1の架橋処理を施すため、ニップロール52を通過したフィルムを、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水(重量比)が12/4.4/100である55℃の第1架橋浴17aに30秒間浸漬した。この第1の架橋処理においても、第1架橋浴17aから引き出された直後のフィルム幅が第1架橋浴17a浸漬前のフィルム幅以下になるように、ニップロール52と、第1架橋浴17aと第2架橋浴17bとの間に設置されたニップロール53との間に周速差をつけてロール間延伸(縦一軸延伸)を行った。原反フィルム10を基準とする膨潤処理、染色処理及び第1の架橋処理における累積延伸倍率は5.0倍とした。
次いで、第1の架橋処理後のフィルムを、第1架橋浴17aと同一組成である59℃の第2架橋浴17bに30秒間浸漬した後(第2の架橋処理)、色相調整を目的とする架橋処理を施すため、ヨウ化カリウム/ホウ酸/水(重量比)が9/2.9/100である40℃の第3架橋浴17cに15秒間浸漬した(第3の架橋処理)。
(4)乾燥工程
その後、第3の架橋処理後のフィルムを5℃の純水が入った洗浄浴19に浸漬し、次いで乾燥炉21を通過させることにより80℃で3分間乾燥させて、偏光フィルム10を作製した。
得られた偏光フィルム10の厚みは、約12μmであった。また、偏光フィルム10の表面を、その延伸方向(スジ方向)に対して垂直方向に走査して、偏光フィルム10の表面凹凸をライン測定したところ、上面における高低差および下面における高低差は、いずれも約320nmであった。
尚、表面凹凸の測定は、以下の条件で行った。
測定装置:VertScan(登録商標)(株式会社菱化システム製 型式R5500G)
対物レンズ(倍率):2.5倍
測定範囲:3700×2800μm
解像度:640×480ピクセル
測定モード:Waveモード
面補正:4次処理
(5)貼合工程
接着剤として、水100重量部に対してポリビニルアルコール(PVA)を5重量部含有する水系接着剤を調製した。
上記で得られた長尺の偏光フィルム10を引き続き搬送しながら、その両面に上記で調製した接着剤を供給しながら、第1保護フィルム(フロント側)として厚み約20μmのトリアセチルセルロースフィルムと、第2保護フィルム(リア側)として厚み約25μmのトリアセチルセルロースフィルムとを、一対の貼合ロールを用いて偏光フィルム10の両面に貼合した。貼合条件は以下の通りであった。
搬送速度:4m/min
貼合ロール:硬度72.5°、ゴム製(材質)、直径100mm
貼合圧:0.45MPa
接着剤供給量(片面あたり):15mL/min
次いで、第1保護フィルムおよび第2保護フィルムが貼合された偏光フィルムを引き続き搬送しながら乾燥炉を通過させることにより、80℃にて5分間乾燥(これにより接着剤を硬化)させて、偏光板を作製した。
第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを偏光フィルムに接着剤により貼合して乾燥(硬化)させた後の積層体において、第1保護フィルムの厚みは、約20μmであり、第2保護フィルムの厚みは、約25μmであり、接着剤(接着剤層)の厚みは約50nmであり、偏光フィルム(偏光子)の厚みは約12μmであった。
得られた偏光板について、フロント側(第1保護フィルム側)から目視により反射光の濃淡として現れるスジ状のムラ(以下、単に「スジ」と言う)の有無を確認したところ、外観上、スジの発生は認められなかった。この偏光板の透過率(視感度補正透過率)は43.3%、偏光度(視感度補正偏光度)は99.97%であった。視感度補正透過率および視感度補正偏光度は、分光光度計(日本分光(株)製の「V7100」)を用い、JIS Z 8729に準拠して測定した。これら結果を表1に示す。なお、表1中、偏光板の外観上、スジの発生が目視により認められなかったものを「○」、認められたものを「×」とした。
更に、上記で得られた偏光板を10cm×5cmの小片に切り出し、二塩化メチレン600mLに浸漬させて、室温にて30分間超音波処理を行い、貼合されていた第1保護フィルムおよび第2保護フィルムを溶解除去した。これら保護フィルムが除去された偏光フィルムについて、フロント側(第1保護フィルムが貼合されていた側)の表面であって、接着剤が付着した偏光子の表面を、その延伸方向に対して垂直方向に走査して、接着剤が付着した偏光子の表面凹凸をライン測定した。結果を図6に示す。この測定結果から、起伏の大きさ(接着剤が付着した偏光子の表面における高低差)は、276nmであった。また、この測定結果から凹凸間距離を求めたところ、791μmであった。結果を表1に示す。
尚、表面凹凸の測定は、以下の条件で行った。
測定装置:VertScan(登録商標)(株式会社菱化システム製 型式R5500G)
対物レンズ(倍率):2.5倍
測定範囲:3700×2800μm
解像度:640×480ピクセル
測定モード:Waveモード
面補正:4次処理
<実施例2>
実施例1にて上述した操作のうち、(5)貼合工程において、接着剤として、水100重量部に対してポリビニルアルコール(PVA)を6重量部含有する水系接着剤を調製して、これを用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板について、実施例1と同様にして、スジの発生(目視)、透過率、偏光度、起伏の大きさ、および凹凸間距離について測定評価した。結果を表1および図7に示す。
<実施例3および比較例1>
実施例1にて上述した操作のうち、(5)貼合工程において、接着剤として、ポリビニルアルコールの含有濃度を表1に示すように変更した水系接着剤を調製して、これを用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板について、実施例1と同様にして、スジの発生(目視)、透過率、偏光度、起伏の大きさ、および凹凸間距離について測定評価した。結果を表1および図8(実施例3)、図10(比較例1)に示す。
<実施例4および比較例2>
実施例1にて上述した操作のうち、(4)乾燥工程において、乾燥温度を表1に示すように変更し、(5)貼合工程において、接着剤として、ポリビニルアルコール(PVA)の含有濃度を表1に示すように変更した水系接着剤を調製して、これを用いたこと以外は、実施例1と同様にして偏光板を作製した。得られた偏光板について、実施例1と同様にして、スジの発生(目視)、透過率、偏光度、起伏の大きさ、および凹凸間距離について測定評価した。結果を表1および図9(実施例4)、図11(比較例2)に示す。
Figure 0006166431
表1から理解されるように、起伏の大きさ(接着剤が付着した偏光子の表面における高低差)が280nm以下である実施例1〜4では、偏光板の外観上、スジ(反射光の濃淡として現れるスジ状のムラ)の発生は認められなかった。これに対して、起伏の大きさが280nm以上である比較例1、2では、偏光板の外観上、スジの発生が認められた。本発明を限定するものではないが、特に実施例1、2では、極めて高い偏光度を得ることができた。
本発明の偏光板は、様々な光学用途に使用可能であり、例えば画像表示装置における偏光の供給素子として、また、偏光の検出素子として広範に用いられ得る。
1 偏光子(偏光フィルム)
2、4 接着剤
3、5 保護フィルム
7 粘着剤層
10 偏光フィルム
11 原反ロール
13 膨潤浴
14 染色浴
17 架橋浴
19 洗浄浴
20 ポリビニルアルコール系樹脂からなる原反フィルム
21 乾燥炉
30〜41 ガイドロール
50〜55 ニップロール
110、111、112 偏光板
115 他の部材(例えば液晶セル、有機エレクトロルミネッセンス素子等)
120 画像表示装置

Claims (5)

  1. 偏光子と、偏光子の少なくとも片面に接着剤により貼合された保護フィルムとを含む偏光板であって、保護フィルムを除去したとき、接着剤が付着した偏光子の表面を、偏光子の吸収軸方向に対して垂直方向に走査して、接着剤が付着した偏光子の表面凹凸をライン測定し、測定結果から、表面の平均線に対して、最も高い凸部の頂点における高さと、最も高い凸部に各々隣接する2つの凹部のうちより深いほうの凹部の底部における深さとの合計により求められる起伏の大きさが280nm以下である、偏光板。
  2. 保護フィルムの厚みが85μm以下である、請求項1に記載の偏光板。
  3. 偏光子と、偏光子の少なくとも片面に接着剤により貼合された保護フィルムとを含む偏光板の製造方法であって、
    偏光子の少なくとも片面に保護フィルムを接着剤により貼合し、
    保護フィルムが貼合された偏光子を硬化させる
    ことを含み、保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後、保護フィルムを除去したときに、接着剤が付着した偏光子の表面を、偏光子の吸収軸方向に対して垂直方向に走査して、接着剤が付着した偏光子の表面凹凸をライン測定し、測定結果から、表面の平均線に対して、最も高い凸部の頂点における高さと、最も高い凸部に各々隣接する2つの凹部のうちより深いほうの凹部の底部における深さとの合計により求められる起伏の大きさが280nm以下である、偏光板の製造方法。
  4. 保護フィルムを接着剤により貼合して硬化させた後の、保護フィルムの厚みが85μm以下である、請求項3に記載の偏光板の製造方法。
  5. 液晶セルまたは有機エレクトロルミネッセンス素子と、請求項1または2に記載の偏光板とを含む、画像表示装置。
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