JP6165793B2 - システム同定装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、システム同定装置およびその方法に関するものである。
例えば、フィードフォワード制御では、実際の制御対象を摸した数理モデルを予め作成し、この数理モデルを利用することによって制御系への入力指令を決定する。フィードフォワード制御の精度を向上させるためには、数理モデルの応答を実際の制御対象の応答にできるだけ近づけることが重要である。そこで、実際の制御対象の応答に基づいて数理モデルのパラメータを決定するシステム同定が行われている(例えば、特許文献1、2参照)。
上記のようなシステム同定は、フィードバック制御に限られず、例えば、制御対象の異常診断にも用いることができる。具体的には、システム同定によって決定された数理モデルのパラメータの経時的変化を監視することにより、制御対象に生じている異常や経年劣化を把握することが可能となる。
特開平7−114531号公報 特開2004−30065号公報
上述したフィードフォワード制御や異常診断の精度を向上させるためには、システム同定の精度を高めることが必要となる。しかしながら、数理モデルに非線形要素が含まれている場合、システム同定を高精度で行うことが難しく、フィードフォワード制御の精度向上や異常診断の精度向上を図ることが難しい。
例えば、複数の非線形パラメータを同時に同定する場合、他のパラメータ推定に影響を及ぼす場合がある。すなわち、同時に複数の非線形パラメータを推定すると、一方の非線形パラメータの推定誤差が他方の線形パラメータの推定に影響を与えることとなり、非線形パラメータの推定精度が低下するという問題があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、複数の非線形パラメータを含む数理モデルのシステム同定の精度を向上させることのできるシステム同定装置およびその方法を提供することを目的とする。
本発明の第1態様は、モータと負荷とを有する機械装置を表した二慣性系モデルであって、前記モータから前記負荷に動力を伝達する伝達特性として非線形モデルを含む前記二慣性系モデルに含まれる線形パラメータ及び非線形パラメータを同定するシステム同定装置であって、モータ側運動方程式及び負荷側運動方程式の両辺を足し合わせることによって前記非線形モデルが相殺された線形パラメータ推定式と、モータ電流またはモータトルク、前記モータの回転位置、及び前記負荷の回転位置とを用いて、線形パラメータを推定する線形パラメータ同定部と、前記線形パラメータ同定部によって推定された前記線形パラメータと、前記モータ側運動方程式または前記負荷側運動方程式のいずれか一方とを用いて、前記非線形パラメータを推定する非線形パラメータ同定部とを具備するシステム同定装置である。
上記システム同定装置によれば、モータ側運動方程式及び負荷側運動方程式の両辺を足し合わせることによって非線形モデルが相殺された線形パラメータ推定式と、モータ電流またはモータトルク、モータの回転位置、及び負荷の回転位置とを用いて、線形パラメータが推定され、線形パラメータ同定部によって推定された線形パラメータと、モータ側運動方程式または負荷側運動方程式のいずれか一方とを用いて、非線形パラメータが推定される。このように、線形パラメータをまず推定し、その後、推定した線形パラメータを用いて非線形パラメータを推定することにより、線形パラメータ及び非線形パラメータの両方の推定精度を向上させることが可能となる。
上記システム同定装置において、前記非線形パラメータ同定部は、前記モータ側運動方程式または前記負荷側運動方程式に含まれる前記非線形モデルが、複数の非線形項の線形結合として表された非線形パラメータ推定式を用いて、前記非線形パラメータを推定し、各前記非線形項は、非線形内部信号と単一の前記非線形パラメータの誤差成分との積で表されることとしてもよい。
上記システム同定装置によれば、非線形モデルが複数の線形項の線形結合として表された非線形パラメータ推定式を用いて非線形パラメータが推定されるので、非線形であったモデルを線形モデルとして取り扱うことが可能となる。これにより、非線形パラメータの推定精度を向上させることができる。
上記システム同定装置において、前記非線形モデルは、不感帯関数を含み、複数の前記非線形パラメータは、前記不感帯関数の不感帯幅及び前記不感帯関数の中心位置の少なくとも一方を含むこととしてもよい。
上記システム同定装置によれば、不感帯関数の中心位置誤差や不感帯幅の誤差を考慮してシステム同定を行うことが可能となる。これにより、システム同定の精度を更に向上させることができる。
上記システム同定装置は、前記非線形パラメータ同定部によって推定された複数の前記非線形パラメータのうちの一つを用いて、推定された他の前記非線形パラメータを補正するパラメータ補正部を備えることとしてもよい。
非線形パラメータ推定式に含まれる非線形項は、非線形内部信号と単一の非線形パラメータの誤差成分とで表されているが、非線形内部信号に他の非線形パラメータを固定値(ノミナル値)としてみなしたときの信号が含まれている場合、推定された非線形パラメータには、誤差が含まれることとなる。この場合、固定値としてみなした非線形パラメータについても、非線形パラメータ同定部によって推定されているので、この推定値を用いれば、真値に近い非線形パラメータを得ることが可能となる。このように、上記システム同定装置によれば、非線形パラメータ同定部によって推定された複数の非線形パラメータのうちの一つを用いて、推定された他の非線形パラメータを補正するので、非線形パラメータの推定精度を更に向上させることが可能となる。
本発明の第2態様は、モータと負荷とを有する機械装置を表した二慣性系モデルであって、前記モータから前記負荷に動力を伝達する伝達特性として非線形モデルを含む前記二慣性系モデルに含まれる線形パラメータ及び非線形パラメータを同定するシステム同定装置であって、剛性系運動方程式を用いて剛体系パラメータを推定する剛体系パラメータ同定部と、モータ側運動方程式を用いて、モータ側の前記線形パラメータ及び前記非線形パラメータを推定するモータ側パラメータ同定部と、前記剛体系パラメータ同定部によって推定された前記剛体系パラメータから前記モータ側パラメータ同定部によって推定されたモータ側の前記線形パラメータを差し引くことにより、負荷側の前記線形パラメータを推定する負荷側パラメータ同定部とを具備するシステム同定装置である。
上記システム同定装置によれば、剛体系パラメータ同定部によって、剛性系運動方程式を用いて剛体系パラメータが推定され、モータ側パラメータ同定部によって、モータ側運動方程式を用いて、モータ側の線形パラメータ及び非線形パラメータが推定される。そして、負荷側パラメータ同定部において、剛体系パラメータからモータ側の線形パラメータを差し引くことにより、負荷側の線形パラメータが推定される。
負荷側におけるパラメータ推定は、モータ側におけるパラメータ推定や剛性系のパラメータ推定に比べて難しく、比較的誤差が大きい。したがって、負荷側のパラメータを直接的に行うのではなく、推定されたモータ側パラメータと推定された剛性系のパラメータとから負荷側パラメータを推定することにより、負荷側のパラメータ推定の精度を向上させることができる。
本発明の第3態様は、上記のいずれかに記載のシステム同定装置と、前記システム同定装置によって同定された前記線形パラメータ及び前記非線形パラメータが反映された前記二慣性系モデルの逆モデルを用いて制御信号を生成するフィードフォワード制御部とを具備するモータ制御システムである。
本発明の第4態様は、上記のいずれかに記載のシステム同定装置と、前記システム同定装置によって同定された前記線形パラメータおよび前記非線形パラメータの変化量を監視し、前記変化量がパラメータに応じて設定されている所定の閾値以上である場合に、異常を検知する異常検知部とを具備する異常診断システムである。
本発明の第5態様は、モータと負荷とを有する機械装置を表した二慣性系モデルであって、前記モータから前記負荷に動力を伝達する伝達特性として非線形モデルを含む前記二慣性系モデルに含まれる線形パラメータ及び非線形パラメータを同定するシステム同定方法であって、モータ側運動方程式及び負荷側運動方程式の両辺を足し合わせることによって前記非線形モデルが相殺された線形パラメータ推定式と、モータ電流またはモータトルク、前記モータの回転位置、及び前記負荷の回転位置とを用いて、線形パラメータを推定する工程と、推定された前記線形パラメータと、前記モータ側運動方程式または前記負荷側運動方程式のいずれか一方とを用いて、前記非線形パラメータを推定する工程とを含むシステム同定方法である。
本発明の第6態様は、モータと負荷とを有する機械装置を表した二慣性系モデルであって、前記モータから前記負荷に動力を伝達する伝達特性として非線形モデルを含む前記二慣性系モデルに含まれる線形パラメータ及び非線形パラメータを同定するシステム同定方法であって、剛性系運動方程式を用いて剛体系パラメータを推定する工程と、モータ側運動方程式を用いて、モータ側の前記線形パラメータ及び前記非線形パラメータを推定する工程と、推定された前記剛体系パラメータから推定されたモータ側の前記線形パラメータを差し引くことにより、負荷側の前記線形パラメータを推定する工程とを含むシステム同定方法である。
本発明によれば、複数の非線形パラメータを含む数理モデルのシステム同定の精度を向上させることができるという効果を奏する。
本発明の第1実施形態に係るモータ制御システムの制御対象の一構成例を示した図である。 図1に示した機械装置を二慣性系の数理モデルで示したときのブロック線図を示した図である。 本発明の第1実施形態に係るモータ制御システムの機能構成を示した図である。 バックラッシュを規定した不感帯関数モデルの一例を示した図である。 モータ側エラー算出部及び負荷側エラー算出部をブロック線図として表した図である。 不感帯幅変化関数について説明するための図である。 不感帯幅変化関数について説明するための図である。 不感帯中心位置変化関数について説明するための図である。 不感帯中心位置変化関数について説明するための図である。 モータ側残差計算式に含まれるモデルパラメータを誤差成分として表した計算式をブロック線図で表した図である。 本発明の第2実施形態に係るシステム同定装置の一構成例を示した図である。 本発明の第3実施形態に係るシステム同定装置の一構成例を示した図である。 本発明の第1実施形態に係るシステム同定装置を異常診断システムに適用した場合の一構成例を示した図である。
〔第1実施形態〕
以下に、本発明の第1実施形態に係るシステム同定装置およびその方法をモータ制御システムに適用した場合について、図面を参照して説明する。
図1には、本実施形態に係るモータ制御システム1の制御対象の一構成例が示されている。図1に示すように、制御対象は、モータ20と、負荷21と、モータ20から負荷21に動力を伝達する伝達機構22とを備える多慣性軸捩れ系の機械装置2である。伝達機構22は、例えば、モータ軸23に接続されるギア24と、負荷軸25に接続されるギア26とを有し、このギア同士が噛みあうことにより力が伝達される。ギア24とギア26とをかみ合わせたときに歯面間にバックラッシュが生じ、これが非線形要素として後述する数理モデルに規定される。
なお、本実施形態では、伝達機構22の一例としてギアを例に挙げて説明するが、伝達機構22はギアに限られず、例えば、ねじ等であってもよい。
モータ制御システム1は、図示しないホストコントローラから負荷21の目標位置θの情報を受信し、負荷21の回転位置(以下「負荷位置」という)θをこの目標位置θに一致させるようなモータトルクを算出し、トルク指令信号τをモータ20に出力する。これにより、モータ20は、トルク指令信号τに基づくトルクで回転駆動し、そのトルクがモータ20側から負荷21側へと伝達機構22を通じて伝達される。この結果、伝達トルクτ´に応じて負荷21が回転する。このようにして、負荷位置θが所望の目標位置θに制御される。
機械装置2を二慣性系とみなした場合、機械装置2固有の特性を表す複数のパラメータ(以下「実機パラメータ」という。)は、モータ20側の特性を示すパラメータ、負荷21側の特性を示すパラメータ、および伝達機構22の特性を示すパラメータに大別される。例えば、モータ20側の特性を示すパラメータとして、トルク定数(トルク効率)K、モータ側慣性モーメントJ、モータ側粘性係数D、モータ側クーロン摩擦係数τfMが、負荷21側の特性を示すパラメータとして、負荷側慣性モーメントJ、負荷側粘性係数D、負荷側クーロン摩擦係数τfLが挙げられる。伝達機構22の特性を示すパラメータとして、ギア効率η、ねじり剛性係数Kg、ねじり粘性係数Dgが挙げられ、更に、本実施形態では、バックラッシュに関するパラメータとして、不感帯幅BLおよび不感帯中心位置SHが挙げられる。
図2に、図1に示した機械装置2を二慣性系の数理モデルで示したときのブロック線図を示す。
図2に示すように、モータ20は、モータ電流iにトルク定数Kを乗じたトルクτからモータ側クーロン摩擦係数τfM等が差し引かれたトルクを入力とし、伝達要素1/(JMs+D)および伝達要素1/sを経てモータの回転位置(以下「モータ位置」という)θを出力する伝達系として表現される。
負荷21は、モータ20からモータ軸23を通じて伝達された伝達トルクτ´から負荷側クーロン摩擦係数τfLが差し引かれたトルクを入力とし、伝達要素1/(JLs+D)および伝達要素1/sを経て負荷位置θを出力する伝達系として表現される。
なお、図2に示す伝達系の途中には、モータ角速度ωおよび負荷角速度ωを記載している。
伝達機構22は、モータ位置θと負荷位置θとの偏差を入力とし、バックラッシュの特性を規定する不感帯関数F1と、伝達要素Kおよび伝達要素Dsとを経て、負荷21に印加される伝達トルクτ´を出力する伝達系として表現される。ここで、不感帯関数F1は、モータ位置と負荷位置の偏差(θ−θ)に応じて出力が変化する非線形関数BKLS(θ−θ)であり、実機パラメータである不感帯幅BL、不感帯中心位置SHを含む要素である。
上記トルク定数(トルク効率)K、モータ側慣性モーメントJ、モータ側粘性係数D、モータ側クーロン摩擦係数τfM、負荷側慣性モーメントJ、負荷側粘性係数D、負荷側クーロン摩擦係数τf、ギア効率η、不感帯幅BLおよび不感帯中心位置SHは、機械装置2の実際の特性を表す実機パラメータであり、いずれも個別には観測不能な未知のパラメータである。一方、入力であるモータ電流i、出力であるモータ位置θ、負荷位置θは観測可能なパラメータである。
図3は、本実施形態に係るモータ制御システム1の機能構成を示す図である。図3に示すように、モータ制御システム1は、例えば、フィードバック制御部10と、フィードフォワード制御部11と、システム同定装置12とを備えている。
フィードバック制御部10は、負荷21の目標位置θと負荷位置θとの偏差(θ−θ)がゼロになるようなトルクを算出し、フィードバックトルク指令信号τFBを出力する。このとき、フィードバック制御部10は、モータ位置θに基づいて算出されるモータ角速度ω(モータ位置θの時間微分)を用いて、適切かつ迅速なフィードバック制御がなされるようなトルクを算出してもよい。
フィードフォワード制御部11は、機械装置2を二慣性系として表した数理モデルである二慣性系モデルMODを用いて、フィードフォワードトルク指令信号τFFを算出し、出力する。二慣性系モデルMODは、図2に示した機械装置2の逆モデルであり、上述した機械装置2の実機パラメータにそれぞれ対応するモデルパラメータを含んでいる。具体的には、モデルパラメータとして、トルク定数(トルク効率)KT0、モータ側慣性モーメントJM0、モータ側粘性係数DM0、モータ側クーロン摩擦係数τfM0、負荷側慣性モーメントJL0、負荷側粘性係数DL0、負荷側クーロン摩擦係数τfL0、ギア効率η、不感帯幅BL、および不感帯中心位置SHを含んでいる。
これらのモデルパラメータ(KT0、JM0、DM0、τfM0、JL0、DL0、τfL0、η、BL、SH)は、後述するシステム同定装置12によって推定され、更新される。
このように、本実施形態においては、バックラッシュに関するパラメータである不感帯幅BLおよび不感帯中心位置SHについてもモデルパラメータとして考慮し、これらのモデルパラメータについても後述するシステム同定装置12によって同定する。これにより、二慣性系モデルMODを実際の機械装置2の特性により近づけることが可能となり、システム同定精度を更に向上させることが可能となる。
フィードバック制御部10から出力されたフィードバックトルク指令信号τFBと、フィードフォワード制御部11から出力されたフィードフォワードトルク指令信号τFFとは加算部13によって加算され、トルク指令信号τとして機械装置2のモータ20に出力される。
システム同定装置12は、フィードフォワード制御部11が有する二慣性系モデルMODのモデルパラメータ(KT0、JM0、DM0、τfM0、JL0、DL0、τfL0、η、BL、SH)を同定する。システム同定装置12は、例えば、モータ側エラー算出部120、負荷側エラー算出部121、線形パラメータ同定部122、および非線形パラメータ同定部123を備えている。以下、各部についてそれぞれ説明する。
〔モータ側エラー算出部〕
モータ側エラー算出部120は、モータ側残差eの項を含むモータ側運動方程式をモータ側残差eの項について表したモータ側残差計算式に対して、モータ電流i、モータ位置θ、および負荷位置θを入力情報として用いて、モータ側内部信号q1〜q5およびモータ側残差eを算出する。
例えば、機械装置2を摸した二慣性系モデルにおけるモータ側モデルの応答誤差をモータ側残差eと定義すると、モータ側残差eの項を含むモータ側運動方程式は、以下の(1)式で表される。
Figure 0006165793
ここで、sign(sθ)は、sθが正(sθ>0)のときに”+1”の値をとり、sθが負(sθ<0)のときに”−1”の値をとる非線形関数である。
また、BKLS(θ−θ)は、図4に示すように、バックラッシュを規定した不感帯関数モデルF1MODであり、不感帯幅(片幅)BLを有し、不感帯中心位置SHをとる。
上記(1)式をモータ側残差eについて表すと以下の(2)式となり、以下、この(2)式をモータ側残差計算式という。
Figure 0006165793
(2)式において、バックラッシュ特性を現在の二慣性モデルMODに規定されている不感帯関数モデルF1MODで表される固定特性としてみなして、既知部分をモータ側内部信号qi(i=1、2、・・・)として整理すると、以下の(3)式となる。
Figure 0006165793
ここで、q1〜q5は以下の(4)式の通りである。
Figure 0006165793
モータ側エラー算出部120は、上記(4)式にモータ電流i、モータ位置θ、および負荷位置θを入力情報として用いてモータ側内部信号q1〜q5を算出するとともに、モータ側残差eを算出し、これらを線形パラメータ同定部122に出力する。
図5には、モータ側エラー算出部120をブロック線図として表した図が示されている。
〔負荷側エラー算出部〕
負荷側エラー算出部121は、負荷側残差eの項を含む負荷側運動方程式を負荷側残差eの項について表した負荷側残差計算式に対して、モータ位置θ及び負荷位置θを用いることにより、負荷側内部信号及び負荷側残差を算出する。
例えば、機械装置2を模した二慣性系モデルの負荷側モデルの応答誤差を残差eと定義すると、負荷側残差eの項を含む負荷側運動方程式は、以下の(5)式で表される。
Figure 0006165793
ここで、sign(sθ)、BKLS(θ−θ)は、(1)式と同様である。
上記(5)式を負荷側残差eについて表現すると以下の(6)式となり、以下、この(6)式を負荷側残差計算式という。
Figure 0006165793
(6)式において、既知部分を信号qi(i=8、9、・・・)として整理すると、以下の(7)式となる。
Figure 0006165793
ここで、q8からq11は以下の通りである。
Figure 0006165793
負荷側エラー算出部121は、上記(8)式にモータ位置θおよび負荷位置θを入力情報として用いて負荷側内部信号q8〜q11を算出するとともに、負荷側残差eを算出し、これらを線形パラメータ同定部122に出力する。
図5には、負荷側エラー算出部121をブロック線図として表した図が示されている。
〔線形パラメータ同定部〕
上述した(2)式で示されるモータ側残差計算式と、(6)式で示される負荷側残差計算式とを比較すると、いずれも反対の符号をもつバックラッシュ項η(Kg+Dgs)BKLS(θ−θ)を有していることがわかる。したがって、モータ側残差計算式及び負荷側残差計算式の両辺を足し合わせることにより、非線形パラメータをうまく取り除くことが可能となる。モータ側残差計算式と負荷側残差計算式とを足し合わせ、既知情報を上記qiとして表すと、以下の(9)式となる。
Figure 0006165793
更に、(9)式において、モータ側残差e及び負荷側残差eが、各モデルパラメータのモデル化誤差によって生じていると仮定し、各モデルパラメータを以下の(10)式に規定するように誤差成分で表現すると、(9)式は以下の(11)式で表すことができる。以下、(11)式で表される計算式を線形パラメータ推定式という。
Figure 0006165793
Figure 0006165793
線形パラメータ同定部122は、上記(10)式及び(11)式で表される線形パラメータ推定式を保有しており、線形パラメータ推定式にモータ側エラー算出部120で算出されたモータ側残差eM及びモータ側内部信号q1〜q4並びに負荷側エラー算出部121で算出された負荷側残差eL及び負荷側内部信号q8〜q10を用いることにより、線形パラメータの誤差成分(δK、δJ、δD、δτfM、δJ、δD、δτfL)を推定する。
以下、算出方法の一例について説明する。
まず、線形パラメータ同定部122は、式(11)の両辺に内部信号q1〜q4、q8〜q10をそれぞれ乗じ、更に両辺を時間T、例えば、機械装置2を正弦波駆動した際の1周期分の時間に渡って時間積分して(12)式を得る。
Figure 0006165793
更に、(12)式を以下の(13)式に変形する。
Figure 0006165793
そして、以下の(14)式に従って、線形パラメータの誤差成分(δK、δJ、δD、δτfM、δJ、δD、δτfL)を算出する。
Figure 0006165793
線形パラメータ同定部122は、上記のようにして線形パラメータの誤差成分(δK、δJ、δD、δτfM、δJ、δD、δτfL)を推定すると、推定した線形パラメータの誤差成分を非線形パラメータ同定部123に出力する。更に、線形パラメータ同定部122は、線形パラメータの誤差成分(δK、δJ、δD、δτfM、δJ、δD、δτfL)を現在の線形パラメータ(KT0、JM0、DM0、τfM0、JL0、DL0、τfL0)に加算することにより、線形パラメータを更新する。
〔非線形パラメータ同定部〕
非線形パラメータ同定部123は、モータ側エラー算出部120から出力されたモータ側残差eM及びモータ側内部信号q1〜q5並びに線形パラメータ同定部122から出力された線形パラメータの誤差成分のうち、モータ側モデルに関係する線形パラメータの誤差成分(δK、δJ、δD、δτfM)を用いて、非線形パラメータを同定する。
まず、モータ側残差計算式は、上述したように、以下の(2)式で表される。
Figure 0006165793
そして、(2)式において、モータ側残差eMが各モデルパラメータのモデル化誤差によって生じていると仮定し、各モデルパラメータを(15)式で規定するような誤差成分で表現すると、(2)式は以下の(16)式で表すことができる。
Figure 0006165793
Figure 0006165793
更に、上記(16)式において、モータ側内部信号qi(i=1、2・・・)を以下の(17)式のように規定して整理すると、(18)式となる。
Figure 0006165793
Figure 0006165793
このように、モータ側残差計算式の各項を対応する各モデルパラメータで偏微分し、モータ側残差計算式に含まれるモデルパラメータを誤差成分で表すことにより、モータ側残差計算式を線形項と非線形項との線形結合で表すことが可能となる。ここで、線形項は、線形内部信号と単一の線形パラメータの誤差成分との積として表され、非線形項は、非線形内部信号と単一の非線形パラメータの誤差成分との積として表される。
特に、上記(2)式で表されるモータ側残差計算式では、バックラッシュに関する非線形項が複数の非パラメータの積{η×(Kg+Dgs)×BKLS(θ−θ)}として表現されていたが、上記のように、モデルパラメータの誤差成分で表す、換言すると、偏微分することにより、非線形パラメータをそれぞれ分離することが可能となる。これにより、複数の非線形パラメータを同時に同定する必要がなくなり、非線形パラメータの同定精度を向上させることが可能となる。
(18)式において、非線形内部信号q6の要素である{∂BKLS(θ−θ)/∂BL}は、不感帯幅の誤差成分δBLによる不感帯関数F1の特性の変化量を示す非線形関数であり、{∂BKLS(θ−θ)/∂SH}は、不感帯中心位置の誤差成分δSHによる不感帯関数F1の特性の変化量を示す非線形関数である。
ここで、図6に示すように、機械装置2の特性を規定した不感帯関数F1に対し、不感帯幅にδBL(δBL>0)の誤差成分を有する不感帯関数モデルF1MODを想定すると、不感帯関数F1に対する不感帯関数モデルF1MODの変化量を示す特性、換言すると、不感帯関数F1から不感帯関数モデルF1MODを減算した関数は、図7に示すような非線形関数(以下「不感帯幅変化関数」という。)F2=∂BKLS(θ−θ)/∂BLとなる。このように、不感帯幅変化関数F2は、不感帯幅の誤差成分δBLによる不感帯関数F1(=BKLS(θ−θ))の変化量を示す非線形の関数である。
同様に、図8に示すように、機械装置2の特性を規定した不感帯関数F1に対し、不感帯中心位置にδSH(δSH>0)の誤差成分を有する不感帯関数モデルF1MODを想定すると、不感帯関数F1に対する不感帯関数モデルF1MODの変化量を示す特性、換言すると、不感帯関数F1から不感帯関数モデルF1MODを減算した関数は、図9に示すような非線形関数(以下「不感帯中心位置変化関数」という。)F3=∂BKLS(θ−θ)/∂SHとなる。このように、不感帯中心位置変化関数F3は、不感帯中心位置の誤差成分δSHによる不感帯関数F1(=BKLS(θ−θ))の変化量を示す非線形の関数である。
上記(18)式で表される誤差表現によるモータ側残差計算式は、図10に示すようなブロック線図で表すことができる。
次に、上記(18)式に含まれる各非線形パラメータをそれぞれ推定する。例えば、以下の手法を用いて推定することができる。
まず、(18)式に含まれる線形パラメータについては、既に線形パラメータ同定部122によって推定されている。したがって、これら線形パラメータを既知として取り扱い、線形項を左辺に移動させると、以下の(19)式となる。
Figure 0006165793
そして、上記(19)式の両辺に内部信号q5〜q7を乗じ、更に両辺を時間T、例えば、機械装置2を正弦波駆動した際の1周期分の時間に渡って時間積分して(20)式を得る。
Figure 0006165793
更に、(20)式を変形して以下の(21)式を得る。
Figure 0006165793
そして、以下の(22)式に従って、非線形パラメータの誤差成分(δη、δBL、δSH)を算出する。
Figure 0006165793
そして、上記非線形パラメータの誤差成分δη、δBL、δSHを現在の非線形パラメータη、BL、SHに加えることにより、新たな非線形パラメータを推定する。
次に、本実施形態に係るモータ制御システム1の動作について説明する。
まず、目標位置θと負荷位置θとの偏差がフィードバック制御部10に入力され、負荷位置θを目標位置θに一致させるようなフィードバックトルク指令信号τFBが算出され、出力される。一方、フィードフォワード制御部11では、目標位置θと二慣性系モデルMODとを用いてフィードフォワードトルク指令信号τFFが算出され、出力される。フィードバックトルク指令信号τFBとフィードフォワードトルク指令信号τFFとは加算部13によって加算され、トルク指令信号τとして制御対象である機械装置2に与えられる。これにより、トルク指令信号τに基づくトルクがモータ20に与えられることによりモータ20が回転し、この回転動力が伝達機構22によって負荷側に伝達され、負荷位置θが目標位置θとなるように制御される。
モータ位置θ、負荷位置θは、図示しないセンサによって所定のタイミングで検出され、これらの検出値がフィードバック制御部10及びシステム同定装置12に入力される。更に、システム同定装置12には、センサによって検出されたモータ電流iについても入力される。
システム同定装置12において、モータ側エラー算出部120は、モータ位置θ、負荷位置θ及びモータ電流iをモータ側残差計算式に用いて、モータ側内部信号q1〜q5及びモータ側残差eを算出し、出力する。同様に、負荷側エラー算出部121は、モータ位置θ及び負荷位置θを負荷側残差計算式に用いて、負荷側内部信号q8〜q11及び負荷側残差eを算出し、出力する。
線形パラメータ同定部122は、モータ側内部信号q1〜q4、モータ側残差e、負荷側内部信号q8〜q10、及び負荷側残差eを用いて、線形パラメータの誤差成分δK、δJ、δD、δτfM、δJ、δD、δτfLを算出し、これらを現在のモデルパラメータKT0、JM0、DM0、τfM0、JL0、DL0、τfL0に加算することにより、線形パラメータを同定する。
非線形パラメータ同定部123は、モータ側エラー算出部120において算出されたモータ側残差及びモータ側内部信号q1〜q5並びに線形パラメータ同定部122によって同定された線形パラメータの誤差成分δK、δJ、δD、δτfM、δJ、δD、δτfLを用いて非線形パラメータの誤差成分δη、δBL、δSHを推定し、推定した非線形パラメータの誤差成分δη、δBL、δSHを現在の非線形パラメータη、BL、SHに加算することにより、非線形パラメータを同定する。
システム同定装置12において決定された線形パラメータKT0、JM0、DM0、τfM0、JL0、DL0、τfL0及び非線形パラメータη、BL、SHは、フィードフォワード制御部11に入力され、二慣性系モデルMODのモデルパラメータが更新される。これにより、二慣性系モデルMODと機械装置2との応答誤差を低減することが可能となり、フィードフォワード制御の精度を向上させることが可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係るモータ制御システム及び方法によれば、線形パラメータ同定部において、モータ側運動方程式に基づくモータ側残差計算式及び負荷側運動方程式に基づく負荷側残差計算式の両辺を足し合わせることにより、非線形項が相殺された線形パラメータ推定式を用いて、線形パラメータKT0、JM0、DM0、τfM0、JL0、DL0、τfL0を推定し、推定したこれらの線形パラメータKT0、JM0、DM0、τfM0、JL0、DL0、τfL0を利用して、非線形パラメータを推定する。
ここで、線形パラメータ及び非線形パラメータを同時に推定する従来の同定手法を用いる場合、トルク効率や負荷側粘性係数と比較して、摩擦係数、ギア効率の推定は難しく、推定精度が多少劣る傾向にあることが解析の結果わかった。しかし、更に解析を進めたところ、バックラッシュがなければ、または、バックラッシュの特性が変動しなければ、摩擦係数やギア効率も精度よく同定できることが判明した。この原因の一つとして、モデルパラメータの推定に利用する内部信号に相関性の高い波形が存在することが推定精度に影響を与えていることがわかった。例えば、モータ側粘性係数DM0、負荷側粘性係数DL0、及び、ギア効率ηに関する内部信号は高い相関性を示し、モータ側クーロン摩擦係数τfM0、負荷側クーロン摩擦係数τfL0、不感帯幅BLに関する内部信号は高い相関性を示す。したがって、これらの内部信号を同時に使用することがなければ、モデルパラメータをより高い精度で推定することが可能となる。
本実施形態に係るシステム同定装置12及びシステム同定方法によれば、線形パラメータ推定式から非線形モデルを取り除くことにより、線形パラメータと非線形パラメータとを個別に推定するので、相関性の高い波形を有する内部信号を同時に用いる必要がなく、これにより、線形パラメータ及び非線形パラメータの両方の推定精度を向上させることが可能となる。
更に、本実施形態に係るシステム同定装置12及びシステム同定方法によれば、非線形パラメータを推定する際に、非線形モデルが非線形項の線形結合として表された非線形パラメータ推定式を用いるので、非線形パラメータの推定精度を更に向上させることが可能となる。
また、非線形パラメータに、ギア効率ηだけでなく、不感帯関数の不感体幅BLや不感帯中心位置SHを含め、これらの誤差についても考慮してシステム同定を行うので、システム同定の精度を更に向上させることが可能となる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係るシステム同定装置およびその方法について、図を参照して説明する。
上述した第1実施形態では、(16)式に示されるように、ギア効率ηの誤差成分に関する非線形項においては、不感帯特性を固定特性BKLS(θ−θ)としてみなし、また、不感帯幅の誤差成分及び不感帯中心位置の誤差成分に関する非線形項においては、ギア効率を固定値ηとみなして取り扱っている。
しかしながら、固定値としてみなしたこれらの値は、本来モデルパラメータであり、ギア効率η及び不感帯特性BKLS(θ−θ)として同定されるものであり、多少の誤差成分を含んでいる。
ここで、ギア効率の誤差成分に関する非線形項については、不感帯特性が変化した場合でも、内部信号q5は振幅を含め大きく変化しない。したがって、不感帯関数を固定特性としてみなしても、推定誤差は微量であり、同定精度にあまり影響を及ぼさない。
これに対し、不感帯幅の誤差成分に関する非線形項及び不感帯中心位置の誤差成分に関する非線形項については、(17)式に表されるように、内部信号q6、q7において、ギア効率ηが不感帯幅変化関数F2、不感帯中心位置変化関数F3にそれぞれ乗じられているため、ギア効率ηが不感帯特性の振幅に直接的に影響を与えることとなり、誤差を看過できない。
したがって、本実施形態では、非線形パラメータ同定部123において推定された不感帯幅及び不感帯中心位置の誤差成分δBL、δSHを、同じく推定されたギア効率の誤差成分δηと固定値としてみなされたギア効率ηと用いて補正するパラメータ補正部を更に設け、非線形パラメータの推定精度を更に向上させる。
以下、本実施形態に係るシステム同定装置及びその方法について、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付し説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図11は、本実施形態に係るシステム同定装置の一構成例を示した図である。本実施形態に係るシステム同定装置12aは、不感帯幅の誤差成分δBL及び不感帯中心位置の誤差成分δSHを補正するパラメータ補正部124を備えている。
パラメータ補正部124は、非線形パラメータ同定部123によって推定された非線形パラメータの誤差成分δη、δBL、δSH及び内部信号q6、q7を算出する際に用いたギア効率のモデルパラメータ値η0と、以下の(23)、(24)式を用いて、不感帯幅の誤差成分δBL及び不感帯中心位置の誤差成分δSHを補正する。
Figure 0006165793
上記(23)式においてδBL´は補正後の不感帯幅の誤差成分、(24)式においてδSH´は補正後の不感帯中心位置の誤差成分である。パラメータ補正部124は、補正後の不感帯幅の誤差成分δBL´、補正後の不感帯中心位置の誤差成分δSH´を用いて、不感帯幅BL及び不感帯中心位置のモデルパラメータSHを推定し、出力する。
以上、説明したように、本実施形態に係るシステム同定装置およびその方法によれば、非線形モデルを複数の非線形項の線形結合で表したときの内部信号に内在する誤差に起因する非線形パラメータの推定誤差を低減することができる。これにより、非線形パラメータの推定精度を更に向上させることが可能となる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係るシステム同定装置およびその方法について図12を参照して説明する。
図12は、本実施形態に係るシステム同定装置の一構成例を示した図である。なお、以下においては、第1実施形態と共通する構成について同一の符号を付し説明を省略し、異なる点について主に説明する。
図12に示すように、システム同定装置12bは、モータ側エラー算出部120、負荷側エラー算出部121、及び剛体系パラメータ同定部125、モータ側パラメータ同定部126、及び負荷側パラメータ同定部127を備えている。
剛体系パラメータ同定部125には、モータ側エラー算出部120において算出されたモータ側残差e及び内部信号q1〜q5並びに負荷側エラー算出部において算出された負荷側残差e及び内部信号q8〜q11が入力される。剛体系パラメータ同定部125は、これらの入力信号と、剛体系パラメータ推定式とを用いて、剛体系のモデルパラメータであるトルク効率KT0、全体慣性モーメントJall0、全体粘性係数Dall0、及び全体クーロン摩擦係数τfall0の誤差成分δK、δJall、δDall,δτfallを算出する。ここで、Jall=J+J、Dall=D+D、τfall=τfM+τfLである。
例えば、機械装置2の剛体系モデルの応答誤差を剛体系残差eallと定義すると、剛体系残差eallの項を含む剛体系運動方程式は、以下の(25)式で表される。
Figure 0006165793
上記(25)式を剛体系残差eallについて表すと以下の(26)式となり、以下、この(26)式を剛体系残差計算式という。
Figure 0006165793
そして、上述した第1実施形態と同様に、各モデルパラメータを誤差成分で表し、既知である内部信号q1、q15〜q17で整理すると、以下の(27)式を得る。
Figure 0006165793
そして、上記(27)式と、入力情報とを用いて、剛体系パラメータの誤差成分δK、δJall、δDall,δτfallを算出する。剛体系パラメータ同定部125によって推定された剛体系パラメータの誤差成分は、負荷側パラメータ同定部127に出力される。
モータ側パラメータ同定部126は、モータ側エラー算出部120から出力されたモータ側残差eおよびモータ側内部信号q1〜q5を用いて、モータ側モデルパラメータを同定する。ここで、モータ側モデルパラメータの同定手法については特に限定されない。例えば、上述した(18)式に示されるようなモータ側残差計算式を誤差成分で表現した演算式を用いて、各モデルパラメータを推定してもよい。この場合、解法は上述した第1実施形態と同様に、両辺に各内部信号q1〜q7を乗じるとともに、両辺を機械装置2の一周期Tに渡って時間積分し、これらの行列式からモータ側モデルパラメータの誤差成分である(δK、δJ、δD、δτfM、δη、δBL、δSH)を推定する。また、モデルパラメータの推定手法は上記に限られず、例えば、ニューラルネットワーク、GA(Genetic Algorithm:遺伝子アルゴリズム)、PSO(Particle Swarm Optimization:粒子群最適化)を用いてもよい。
モータ側パラメータ同定部126は、モータ側のモデルパラメータの誤差成分を算出すると、これらを負荷側パラメータ同定部127に出力するとともに、これらのモデルパラメータの誤差成分を用いてモータ側の各モデルパラメータ(KT0、JM0、DM0、τfM0、η、BL、SH)を推定する。
負荷側パラメータ同定部127は、剛体系パラメータ同定部125から入力された剛体系のモデルパラメータの誤差成分とモータ側パラメータ同定部126から入力されたモータ側の線形パラメータの誤差成分とを用いて、負荷側の線形パラメータである負荷側慣性モーメントJ、負荷側粘性係数D、負荷側クーロン摩擦係数τfLを推定する。
具体的には、負荷側パラメータ同定部127は、以下の(28)式に示すように、剛性系のモデルパラメータの誤差成分からそれぞれ対応するモータ側のモデルパラメータの誤差成分を減算ことにより、負荷側のモデルパラメータの誤差成分を算出する。
Figure 0006165793
そして、これらの誤差成分を用いて、負荷側の線形パラメータ(J、D、τfL)を算出する。
以上説明したように、本実施形態に係るシステム同定装置12b及びシステム同定方法によれば、剛体系パラメータ同定部125によって、剛性系運動方程式を用いて剛体系パラメータが推定され、モータ側パラメータ同定部126によって、例えば、モータ側運動方程式を用いて、モータ側の線形パラメータ及び非線形パラメータが推定される。そして、負荷側パラメータ同定部127において、剛体系パラメータからモータ側の線形パラメータを差し引くことにより、負荷側の線形パラメータが推定される。
負荷側におけるパラメータ推定は、モータ側におけるパラメータ推定や剛性系のパラメータ推定に比べて難しく、比較的誤差が大きい。したがって、負荷側のパラメータを直接的に行うのではなく、推定されたモータ側パラメータと推定された剛性系のパラメータとから負荷側パラメータを推定することにより、負荷側のパラメータ推定の精度を向上させることができる。
〔異常診断システム〕
次に、上述した第1実施形態に係るシステム同定装置12およびその方法を異常診断システムに適用した場合の一実施形態について図を参照して説明する。なお、システム同定装置12に代えて、第2実施形態に係るシステム同定装置12a、第3実施形態に係るシステム同定装置12bを適用してもよい。以下、一例として、システム同定装置12を採用した場合について説明する。
上述したモータ制御システム1では、実機パラメータとモデルパラメータとの誤差成分をモデル化誤差と捉え、フィードフォワード制御部11における二慣性系モデルMODを機械装置2の特性に近づけることを目的としていた。
他方、例えば、システム同定装置12によって同定されたモデルパラメータの信頼性が既に確保されている場合、すなわち、モータ制御システム1による制御誤差が所定の誤差範囲を満足しているような場合、モデルパラメータに生じる誤差成分は、経年劣化や異常による機械装置2側の変化と捉えることができる。
本実施形態に係る異常診断システムは、システム同定装置12によって同定された各モデルパラメータの変化量を監視することによって機械装置2の特性の変化を把握し、この監視結果に基づいて機械装置2の異常を検知または予知するシステムである。
図13は、本発明の一実施形態に係る異常診断システムの一構成例を示した図である。図13に示すように、異常診断システム3は、システム同定装置12と、異常検知部15とを備えている。
システム同定装置12は、上述したモータ制御システム1が備えるシステム同定装置12と同一であるため、説明を省略する。
異常検知部15は、システム同定装置12によって同定された各モデルパラメータKT0、JM0、DM0、τfM0、JL0、DL0、τfL0、η、BL、SHの変化量をそれぞれ監視する。例えば、異常検知部15は、各モデルパラメータの基準値(例えば、初期値)を保有しているとともに、各モデルパラメータについて異常と判断する基準となる変化量の閾値をそれぞれ保有している。そして、異常検知部15は、各モデルパラメータについて、基準値に対する変化量を監視し、その変化量が閾値を超えている場合に異常を検知し、その旨を報知する。
このような異常診断システム3によれば、システム同定装置12によって同定された各モデルパラメータKT0、JM0、DM0、τfM0、JL0、DL0、τfL0、η、BL、SHが異常検知部15に入力される。異常検知部15は、各モデルパラメータについての基準値に対する変化量を演算し、この変化量がそれぞれのモデルパラメータに対応して設定されている閾値以上であるか否かを判定する。そして、変化量が閾値以上であるパラメータが存在する場合に、異常と判断する。
以上のように、本実施形態に係る異常診断システム3によれば、機械装置2のバックラッシュを規定した不感帯関数の不感帯幅、不感帯中心位置までもモデルパラメータとして取扱うシステム同定装置12によって同定されたモデルパラメータに基づいて異常診断を行うので、機械装置2の異常診断の精度を向上させることが可能となる。
なお、上述した異常検知部15による異常判定の手法は、上記例に限られず、公知の手法を採用することが可能である。例えば、変化量に代えてまたは加えて、モデルパラメータの変化率を監視し、モデルパラメータの変化率が所定の閾値を超えた場合に異常と判断することとしてもよい。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形実施が可能である。
例えば、上述の実施形態では、モデルパラメータをトルク定数(トルク効率)KT0、モータ側慣性モーメントJM0、モータ側粘性係数DM0、モータ側クーロン摩擦係数τfM0、負荷側慣性モーメントJL0、負荷側粘性係数DL0、負荷側クーロン摩擦係数τfL0、ギア効率η、不感帯幅BL、および不感帯中心位置SHとして規定したが、どれをモデルパラメータとして選定するかについては、要求される同定精度などに応じて適宜選定することが可能である。
また、上述の実施形態では、モータ電流iを入力情報として用いたが、これに代えて、モータトルク指令信号τや、モータ電流iに規定のトルク定数Kを乗じたモータトルクを入力情報として用いてもよい。
また、上述の実施形態では、(12)式等に示すように、未知のモデルパラメータを解くときに積分を行っていたが、積分を行わずに、リアルタイムの計算としてもよい。
本発明は、上述の実施形態のみに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、例えば、上述した各実施形態を部分的または全体的に組み合わせる等して、種々変形実施が可能である。
1 モータ制御システム
2 機械装置
3 異常診断システム
10 フィードバック制御部
11 フィードフォワード制御部
12 システム同定装置
15 異常検知部
20 モータ
21 負荷
22 伝達機構
24、26 ギア
120 モータ側エラー算出部
121 負荷側エラー算出部
122 線形パラメータ同定部
123 非線形パラメータ同定部
124 パラメータ補正部
125 剛体系パラメータ同定部
126 モータ側パラメータ同定部
127 負荷側パラメータ同定部

Claims (9)

  1. モータと負荷とを有する機械装置を表した二慣性系モデルであって、前記モータから前記負荷に動力を伝達する伝達特性として非線形モデルを含む前記二慣性系モデルに含まれる線形パラメータ及び非線形パラメータを同定するシステム同定装置であって、
    モータ側運動方程式及び負荷側運動方程式の両辺を足し合わせることによって前記非線形モデルが相殺された線形パラメータ推定式と、モータ電流またはモータトルク、前記モータの回転位置、及び前記負荷の回転位置とを用いて、線形パラメータを推定する線形パラメータ同定部と、
    前記線形パラメータ同定部によって推定された前記線形パラメータと、前記モータ側運動方程式または前記負荷側運動方程式のいずれか一方とを用いて、前記非線形パラメータを推定する非線形パラメータ同定部と
    を具備するシステム同定装置。
  2. 前記非線形パラメータ同定部は、前記モータ側運動方程式または前記負荷側運動方程式に含まれる前記非線形モデルが、複数の非線形項の線形結合として表された非線形パラメータ推定式を用いて、前記非線形パラメータを推定し、
    各前記非線形項は、非線形内部信号と単一の前記非線形パラメータの誤差成分との積で表される請求項1に記載のシステム同定装置。
  3. 前記非線形モデルは、不感帯関数を含み、
    複数の前記非線形パラメータは、前記不感帯関数の不感帯幅及び前記不感帯関数の中心位置の少なくとも一方を含む請求項1または請求項2に記載のシステム同定装置。
  4. 前記非線形パラメータ同定部によって推定された複数の前記非線形パラメータのうちの一つを用いて、推定された他の前記非線形パラメータを補正するパラメータ補正部を備える請求項1から請求項3のいずれかに記載のシステム同定装置。
  5. モータと負荷とを有する機械装置を表した二慣性系モデルであって、前記モータから前記負荷に動力を伝達する伝達特性として非線形モデルを含む前記二慣性系モデルに含まれる線形パラメータ及び非線形パラメータを同定するシステム同定装置であって、
    剛性系運動方程式を用いて剛体系パラメータを推定する剛体系パラメータ同定部と、
    モータ側運動方程式を用いて、モータ側の前記線形パラメータ及び前記非線形パラメータを推定するモータ側パラメータ同定部と、
    前記剛体系パラメータ同定部によって推定された前記剛体系パラメータから前記モータ側パラメータ同定部によって推定されたモータ側の前記線形パラメータを差し引くことにより、負荷側の前記線形パラメータを推定する負荷側パラメータ同定部と
    を具備するシステム同定装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のシステム同定装置と、
    前記システム同定装置によって同定された前記線形パラメータ及び前記非線形パラメータが反映された前記二慣性系モデルの逆モデルを用いて制御信号を生成するフィードフォワード制御部と
    を具備するモータ制御システム。
  7. 請求項1から請求項5のいずれかに記載のシステム同定装置と、
    前記システム同定装置によって同定された前記線形パラメータおよび前記非線形パラメータの変化量を監視し、前記変化量がパラメータに応じて設定されている所定の閾値以上である場合に、異常を検知する異常検知部と
    を具備する異常診断システム。
  8. モータと負荷とを有する機械装置を表した二慣性系モデルであって、前記モータから前記負荷に動力を伝達する伝達特性として非線形モデルを含む前記二慣性系モデルに含まれる線形パラメータ及び非線形パラメータを同定するシステム同定方法であって、
    モータ側運動方程式及び負荷側運動方程式の両辺を足し合わせることによって前記非線形モデルが相殺された線形パラメータ推定式と、モータ電流またはモータトルク、前記モータの回転位置、及び前記負荷の回転位置とを用いて、線形パラメータを推定する工程と、
    推定された前記線形パラメータと、前記モータ側運動方程式または前記負荷側運動方程式のいずれか一方とを用いて、前記非線形パラメータを推定する工程と
    を含むシステム同定方法。
  9. モータと負荷とを有する機械装置を表した二慣性系モデルであって、前記モータから前記負荷に動力を伝達する伝達特性として非線形モデルを含む前記二慣性系モデルに含まれる線形パラメータ及び非線形パラメータを同定するシステム同定方法であって、
    剛性系運動方程式を用いて剛体系パラメータを推定する工程と、
    モータ側運動方程式を用いて、モータ側の前記線形パラメータ及び前記非線形パラメータを推定する工程と、
    推定された前記剛体系パラメータから推定されたモータ側の前記線形パラメータを差し引くことにより、負荷側の前記線形パラメータを推定する工程と
    を含むシステム同定方法。
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