JP6163313B2 - 有機el装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)素子を敷き詰めて形成される有機EL装置に関するものである。また、本発明は、有機EL装置の製造方法に関連するものである。
近年、白熱灯や蛍光灯に代わる照明装置として有機EL装置が注目され、多くの研究がなされている。
ここで、有機EL装置は、ガラス基板等の基材に、有機EL素子を積層し、この有機EL素子に給電するための給電構造を形成したものである。
また、有機EL素子は、一方又は双方が透光性を有する2つの電極を対向させ、この電極の間に有機化合物からなる発光層を積層したものである。有機EL装置は、電気的に励起された電子と正孔との再結合のエネルギーによって発光する。
詳説すると、有機EL素子は、有機EL素子の電極間に複数の層が積層した構造を有しており、一方の電極側から順に正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層からなる積層構造をとっている。そして、正孔は、一方の電極から正孔注入層、正孔輸送層を経由して発光層に至り、電子は、他方の電極から電子注入層、電子輸送層を経由して発光層に至り、発光層内で正孔と電子が再結合する。すなわち、有機EL素子は、発光層の材料を適宜選択することにより、種々の波長の光を発光することができ、所望の発光色を選択することができる。
照明装置に使用される有機EL装置は、白色の光源として使用される場合が多い。このとき、1つの発光層のみで、白色光源を取り出すのは困難である。そこで、従来技術として特許文献1がある。
特許文献1に記載の白色発光有機EL素子(有機EL装置)は、光の三原色である赤(Red)、青(Blue)、緑(Green)の3色の発光層を組み合わせて、白色光源として使用している。すなわち、特許文献1に記載の白色発光有機EL素子(有機EL装置)は、発光色が赤色の赤色発光層と、発光色が青色の青色発光層、発光色が緑色の緑色発光層の3色の発光層を備えており、それぞれの発光層で電子と正孔を再結合させることで、光を加色していき、白色の光を取り出す構造となっている。
特開2011−253722号公報
近年の照明装置は、単純な点灯と消灯の切り替えだけではなく、取り出す光の明るさや色度を調整する調光・調色機能が求められる場合が多い。
このような背景から、調光・調色機能を備えた有機EL装置が市場から求められている。しかしながら、特許文献1の白色発光有機EL素子(有機EL装置)に調光・調色機能を付加させると、各色の発光層に流れる電流値を高い精度で調整が必要であり、コストが高くなるという問題がある。
そこで、本発明者は、発光層の積層方向の発光色の重なりを利用するのではなく、面方向の発光色の重なりを利用して光を取り出すことを考えた。具体的には、発光色の異なる複数種類の有機EL素子を1つのガラス基板上に面状に広がりをもって集積し、1つの有機EL素子から発せられる光と、当該有機EL素子に隣接するそれぞれの有機EL素子から発せられる光との面方向の重なりを利用して、合成色の光を取り出すことを考えた。また、同色の発光色を有する有機EL素子間をそれぞれ電気的に直列接続することによって、直列接続された有機EL素子間の電流値等を調整することによって調光・調色機能を付加できると考えた。
すなわち、本発明は、安価に調光・調色機能を付加可能な有機EL装置を提供することを課題とするものである。
上記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、1枚の基材上に、少なくとも第1電極層と、第2電極層と、前記両電極層に挟まれた有機発光層とを備えた単位発光素子を複数有する有機EL装置であって、少なくとも3つの単位発光素子が前記基材上に所定の方向に1列に並んでおり、当該3つの単位発光素子のうち、互いに隣接しない単位発光素子同士が残りの単位発光素子を迂回して電気的に直列接続されており、前記単位発光素子を封止する封止層を有し、当該封止層上であって、単位発光素子側と反対側の面上に橋渡し層を有し、前記互いに隣接しない単位発光素子同士は当該橋渡し層を経由して電気的に直列接続されており、前記橋渡し層は、前記互いに隣接しない単位発光素子同士を前記残りの単位発光素子を迂回して電気的に直列接続することを特徴とする有機EL装置である。
すなわち、本発明は、1枚の基材上に、少なくとも第1電極層と、第2電極層と、前記両電極層に挟まれた有機発光層とを備えた単位発光素子を複数有する有機EL装置であって、少なくとも3つの単位発光素子が前記基材上に所定の方向に1列に並んでおり、当該3つの単位発光素子のうち、互いに隣接しない単位発光素子同士が電気的に直列接続されている。
本発明の構成によれば、少なくとも3つの単位発光素子が前記基材上に所定の方向に1列に並んでおり、当該3つの単位発光素子のうち、互いに隣接しない単位発光素子同士が電気的に直列接続されている。すなわち、2以上の互いに隣接しない単位発光素子同士が電気的に直列接続された直列接続群と、その他の単位発光素子を含んだ接続群との少なくとも2つの接続群がある。そのため、それぞれの接続群毎に電流を流すことが可能であり、例えば、前記直列接続群を寒色(具体的には、550nm未満の低波長色)に発光する単位発光素子を用い、その他の接続群を暖色(具体的には、550nm以上の高波長色)に発光する単位発光素子を用いることによって、加色混合して白色の発光色を得ることができる。また、前記直列接続群又は前記その他の接続群に流す電流を相対的に変更することによって、調光・調色することができる。そのため、従来ほど電流値を高い精度で調整する必要がなく、コストを低減できる。
請求項2に記載の発明は、前記3つの単位発光素子は、第1電極層及び第2電極層のうち少なくとも1層が共通の材質であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、前記3つの単位発光素子は、第1電極層及び第2電極層のうち少なくとも1層が共通の材質であるため、第1電極層又は第2電極層を共通の工程によって製造することができる。それ故に、製造コストを低減できる。
請求項3に記載の発明は、1枚の基材上に、少なくとも第1電極層と、第2電極層と、前記両電極層に挟まれた有機発光層とを備えた発光素子を有する有機EL装置であって、発光素子は、少なくとも3つの単位発光素子に分割されるものであり、当該3つの単位発光素子は、所定の方向に1列に並んでおり、当該3つの単位発光素子のうち、互いに隣接しない単位発光素子同士が残りの単位発光素子を迂回して電気的に直列接続されており、前記単位発光素子を封止する封止層を有し、当該封止層上であって、単位発光素子側と反対側の面上に橋渡し層を有し、前記互いに隣接しない単位発光素子同士は当該橋渡し層を経由して電気的に直列接続されており、前記橋渡し層は、前記互いに隣接しない単位発光素子同士を前記残りの単位発光素子を迂回して電気的に直列接続することを特徴とする有機EL装置である。
すなわち、本発明は、1枚の基材上に、少なくとも第1電極層と、第2電極層と、前記両電極層に挟まれた有機発光層とを備えた発光素子を有する有機EL装置であって、発光素子は、少なくとも3つの単位発光素子に分割されるものであり、当該3つの単位発光素子は、所定の方向に1列に並んでおり、当該3つの単位発光素子のうち、互いに隣接しない単位発光素子同士が電気的に直列接続されている。
本発明の構成によれば、3つの単位発光素子は、所定の方向に1列に並んでおり、当該3つの単位発光素子のうち、互いに隣接しない単位発光素子同士が電気的に直列接続されている。すなわち、2以上の互いに隣接しない単位発光素子同士が電気的に直列接続された直列接続群と、その他の単位発光素子を含んだ接続群との少なくとも2つの接続群がある。そのため、それぞれの接続群毎に電流を流すことが可能であり、例えば、前記直列接続群を寒色に発光する単位発光素子を用い、その他の接続群を暖色に発光する単位発光素子を用いることによって、加色混合して白色の発光色を得ることができる。そして、前記直列接続群又は前記その他の接続群に流す電流を相対的に変更することによって調光・調色機能を備えることができる。
上記した発明は、前記互いに隣接しない単位発光素子同士は、導電体を介して接続されていることに関連する。
請求項に記載の発明は、前記所定の方向に並んだ列は、発光色の異なる2種類の単位発光素子から形成されており、同一種類の単位発光素子は、互いに隣接せず、かつ、電気的に直列接続されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の有機EL装置である。
本発明の構成によれば、前記所定の方向に並んだ列は、発光色の異なる2種類の単位発光素子から形成されており、同一種類の単位発光素子は、互いに隣接せず、かつ、電気的に直列接続されている。すなわち、少なくとも所定の方向には、同一の種類の単位発光素子が局所的に固まって、分布していないため、各単位発光素子の発光色が重なりやすく、発光色が混ざりやすい。
上記した発明は、前記単位発光素子は前記基材上に行列状に並んでおり、少なくとも1列は、前記3つの単位発光素子を含んでおり、前記3つの単位発光素子に行方向に隣接する単位発光素子は、いずれも当該3つの単位発光素子と発光色の異なる単位発光素子が配されていてもよい。
この構成によれば、前記単位発光素子は前記基材上に行列状に並んでいる。すなわち、単位発光素子が面上に縦横に分布されて並んでいる。また、この構成によれば、列方向に前記3つの単位発光素子が並んでおり、当該3つの単位発光素子の行方向に隣接する単位発光素子は、いずれも当該3つの単位発光素子と発光色の異なる単位発光素子が配されている。要するに、単位発光素子は、3行3列以上となっており、列方向に加えて、行方向においても、異なる発光色の単位発光素子が並んでいるため、同一種類の単位発光素子が局所的に固まって分布しておらず、各単位発光素子の発光色が重なりやすく、発光色が混ざりやすい。
上記した発明は、前記発光素子は、発光色の異なる2種類以上4種類以下の単位発光素子から形成されていてもよい。
この構成によれば、前記発光素子は、発光色の異なる2種類以上4種類以下の単位発光素子から形成されている。
単位発光素子の種類が1種類の場合には、単色光となり、発光色の重なりによる調光・調色機能を付加できない。単位発光素子の種類が4種類より多くなると、同色の単位発光素子間の距離が離れすぎて、使用者に白色に発光しているように見えなくなるおそれがある。
上記の有機EL装置において、前記発光素子は、発光色が青色を呈する単位発光素子及び発光色が黄色を呈する単位発光素子を含んでいることが好ましい。
ここでいう「青色」とは400nm以上500nm未満の波長を有するものであり、「黄色」とは550nm以上590nm未満の波長を有するものである。
上記した本発明は、前記単位発光素子を封止する封止層を有し、当該封止層上であって、単位発光素子側と反対側の面上に橋渡し層を有し、前記互いに隣接しない単位発光素子同士は当該橋渡し層を経由して電気的に直列接続されている。
本発明は、前記発光素子を封止する封止層を有し、当該封止層上であって、発光素子側と反対側の面上に橋渡し層を有し、前記互いに隣接しない単位発光素子同士は当該橋渡し層を経由して電気的に直列接続されている有機EL装置に関連する。
上記の発明の構成によれば、封止層の外側に一部又は全部が位置する橋渡し層を介して電気的に直列に接続されている。そのため、封止層の内部(発光素子側)の前記互いに隣接しない単位発光素子間の間に配されている単位発光素子と橋渡し層が電気的に絶縁されており、橋渡し層が電気的に干渉しない。そのため、各単位発光素子に安定して給電できる。
上記した発明は、前記3つの単位発光素子は、少なくとも第1電極層と、有機発光層と、第2電極層が重畳した発光部を有し、前記第2電極層は、第1電極層よりも導電率が大きいものであり、前記発光部の外側において、第1電極層と第2電極層が物理的に接続された接続部を有し、当該接続部は、3つの単位発光素子の並設方向に対して直交する方向に延伸していてもよい。
この構成によれば、前記発光部の外側において、第1電極層と第2電極層とが物理的に接続された接続部を有しており、当該接続部は、3つの単位発光素子の並設方向に対して直交する方向に延伸している。すなわち、接続部に位置する第2電極層が、第1電極層の電気伝導の補助を行う補助電極として機能し、接続部に位置する第2電極層が3つの単位発光素子の並設方向に対して直交する方向に延伸している。そのため、接続部に位置し第1電極層よりも導電率が大きな第2電極層によって、第1電極層内での前記直交する方向への電気伝導を補助されており、発光部全体を均一に発光させることができる。
上記した発明は、接続溝を有し、前記接続部は、当該接続溝の内部に第1電極層又は第2電極層が進入して形成されており、前記接続溝は、レーザースクライブによって形成されてなるものであってもよい。
この構成によれば、前記接続溝は、レーザースクライブによって形成されてなるため、形成しやすい。
上記した発明は、上記の有機EL装置を製造する製造方法において、第1電極層と、第2電極層と、有機発光層のうち、いずれかの層をレーザーによって分離する工程を含む有機EL装置の製造方法に関連する。
この構成によれば、第1電極層と、第2電極層と、有機発光層のうち、いずれかの層をレーザーによって分離する工程を含むため、製造しやすい。
本発明の有機EL装置によれば、容易かつ安価に調光・調色機能を付加可能である。
本発明に関連する製造方法によれば、各発光素子を形成しやすい。
本発明の第1実施形態における有機EL装置の斜視図である。 図1の有機EL装置の無機封止層の一部を剥がした一部破断斜視図である。 図1の有機EL装置のA−A断面図である。 図1の有機EL装置のB−B断面図である。 図1の有機EL装置のC−C断面図である。 図1の有機EL装置の単位有機EL素子の説明図であり、(a)は単位有機EL素子近傍の斜視図であり、(b)は(a)の各領域を太線で示した平面図であり、(c)は(b)を裏面からみた図である。 図1の1つの有機EL素子群を表す概念図である。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、第1電極層を積層し、溝を形成した状態の有機EL装置を表す。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、図8の状態の有機EL装置に機能層を積層した状態の有機EL装置を表す。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、図9の状態の有機EL装置に溝を形成した状態の有機EL装置を表す。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、図10の状態の有機EL装置に第2電極層を積層した状態の有機EL装置を表す。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、図11の状態の有機EL装置に溝を形成した状態の有機EL装置を表す。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、図12の状態の有機EL装置に無機封止層を積層した状態の有機EL装置を表す。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、図13の状態の有機EL装置に溝を形成した状態の有機EL装置を表す。 図1の有機EL装置の製造工程を表す説明図であり、図14の状態の有機EL装置に第1橋渡し層及び第2橋渡し層を積層した状態の有機EL装置を表す。 図1の有機EL装置の接続関係を示した説明図である。 図1の有機EL装置に外部電源を接続した場合の説明図であり、(a)は、単位有機EL素子の実際の位置関係を考慮した電気回路図であり、(b)は、(a)を簡略化した電気回路図である。 図17の状態の有機EL装置の第1有機EL素子からなる直列接続群に電流を流した際の電流の流れの説明図であり、電流の流れを矢印で示している。 図17の状態の有機EL装置の第2有機EL素子からなる直列接続群に電流を流した際の電流の流れの説明図であり、電流の流れを矢印で示している。 図18の状態の有機EL装置の橋渡し接続溝近傍(D領域)を表す一部破断斜視図である。 第2実施形態の有機EL装置の接続関係を示した説明図である。 第2実施形態の有機EL装置に外部電源を接続した場合の説明図であり、(a)は、単位有機EL素子の実際の位置関係を考慮した電気回路図であり、(b)は、(a)を簡略化した電気回路図である。 図22の有機EL装置を拡張した場合の説明図である。 他の実施形態の有機ELパネルの接続構造の説明図であり、(a)は、有機ELパネルの接続構造の実際の位置関係を考慮した電気回路図であり、(b)は、(a)を簡略化した電気回路図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、特に断りがない限り、有機EL装置1の上下の位置関係は、図1の姿勢を基準に説明する。すなわち、光取り出し側が下である。また、図面は、理解を容易にするために全体的に実際の大きさ(長さ、幅、厚さ)に比べて誇張して描写していることがある。
本実施形態の有機EL装置1は、図2のように一枚の基板2(基材)上に有機EL素子10(発光素子)が面状に広がりをもって敷設されて形成されている。また、有機EL装置1は、有機EL素子10上を無機封止層7が積層しており、さらに無機封止層7上から第1橋渡し層8(橋渡し層)と第2橋渡し層9(橋渡し層)が積層している。
基板2上の有機EL素子10は、図2,図12のように複数の単位有機EL素子11に分割されており、各単位有機EL素子11が平面充填になるように分布されている。すなわち、有機EL装置1は、基板2上に各単位有機EL素子11がほぼ隙間なく配されている。
具体的には、有機EL装置1は、図2のように単位有機EL素子11が縦横碁盤状に並設されて形成されており、図3,図4のように横方向(列方向R)に互いに隣接しない単位有機EL素子11間を帯状の第1橋渡し層8又は第2橋渡し層9によって、無機封止層7の外側(有機EL素子10と反対側)を経由して物理的に接続されている。
また、有機EL素子10は、発光色が異なる複数種類の単位有機EL素子11によって構成されている。そして、有機EL装置1は、それぞれの単位有機EL素子11から発せられる光を重ね合わせることによって加色混合され、使用者に有機EL素子10が白色に発光しているように見せることが可能となっている。
単位有機EL素子11の種類は、発光させたい色や調光・調色の精度、明るさ、単位有機EL素子11の大きさによって適宜選択されるものであり、特に限定されないが、2種類以上4種類以下で使用していることが好ましい。単位有機EL素子11の種類が1種類の場合には、単色光となり発光色の重なりによる調光・調色機能を付加できない。単位有機EL素子11の種類が4種類より多くなると、同色の単位有機EL素子11間の距離が離れすぎて、使用者に白色に発光しているように見えなくなるおそれがある。
本実施形態では、発光色が異なる単位有機EL素子11を2種類使用しており、それぞれの単位有機EL素子11を明確に区別するため、以下の説明においては、それぞれ同色の発光色ごとに区別して第1有機EL素子20、第2有機EL素子21という。また、同一種類の第1有機EL素子20間、第2有機EL素子21間でそれぞれ区別する際には、各第1有機EL素子20、第2有機EL素子21の符番にそれぞれアルファベットを添えて表示する。
本実施形態の有機EL素子10は、図2のように所定の色に発光する第1有機EL素子20と、当該第1有機EL素子20と異なる色に発光する第2有機EL素子21から形成されている。
また、本実施形態の有機EL装置1は、同色の発光色を呈する第1有機EL素子20同士及び第2有機EL素子21同士をそれぞれ電気的に直列接続することによって、それぞれの色に対応する単位有機EL素子11を独立して発光することが可能となっている。そのため、発光色が異色の単位有機EL素子11間に流れる電流値に対して、発光色が同色の単位有機EL素子11間に流れる電流量を相対的に制限することによって、輝度を制御して、調光・調色可能となっている。
そして、本実施形態の各単位有機EL素子11は、機能層5の構成部材をそれぞれ変更することによって所望の発光色を呈するように設計している。詳細な層構造については、後述する。
以下、有機EL装置1の各構成部材の構成について説明する。
有機EL素子10は、図3,図4,図5のように基板2(基材)上に第1電極層3と、機能層5と、第2電極層6がこの順に積層されて形成されている。また、上記したように、有機EL素子10は、複数の単位有機EL素子11に区分けされている。
第1橋渡し層8は、導電性を有した層であり、図3,図16のように第2有機EL素子21を迂回して、横方向R(列方向)に隣接する第1有機EL素子20同士を物理的に直列接続する層である。すなわち、第1橋渡し層8は、各第2有機EL素子21に対応して設けられている。
第1橋渡し層8は、図2のように横方向Rに帯状に延びており、長方形状となっている。また、各第1橋渡し層8の長辺は、それぞれ横方向Rにおいて、同一直線上に並んでおり、各第1橋渡し層8の短辺は、それぞれ縦方向(横方向に直交する方向,行方向C)において、同一直線上に並んでいる。
図2に示される第1橋渡し層8の幅W1は、縦方向Cにおいて、後述する有機EL素子群25の幅W3の半分(図7参照)よりも小さな幅となっている。
第2橋渡し層9は、導電性を有した層であり、図4,図16のように第1有機EL素子20を迂回して、横方向(列方向R)に隣接する第2有機EL素子21同士を物理的に直列接続する層である。すなわち、第2橋渡し層9は、各第1有機EL素子20に対応して設けられている。
第2橋渡し層9は、図2のように横方向Rに帯状に延びており、長方形状となっている。また、各第2橋渡し層9の長辺は、それぞれ横方向Rにおいて、同一直線上に並んでおり、各第2橋渡し層9の短辺は、それぞれ縦方向Cにおいて、同一直線上に並んでいる。
図2に示される第2橋渡し層9の幅W2は、縦方向Cにおいて、後述する有機EL素子群25の幅W3の半分(図7参照)よりも小さな幅となっている。
各第1橋渡し層8は、図2,図5のように縦方向Cにおいて、平行に並んでおり、それらの間に各第2橋渡し層9の一部が介在している。同様に、各第2橋渡し層9は、縦方向において、平行に並んでおり、それらの間に各第1橋渡し層8の一部が介在している。
一つの単位有機EL素子11に注目すると、単位有機EL素子11は、図6のように点灯時に発光する発光領域26(発光部)と、発光しない非発光領域27(非発光部)から形成されている。
発光領域26は、図3,図4のように第1電極層3と機能層5と第2電極層6が重畳した領域である。すなわち、発光領域26は、第1電極層3と第2電極層6が、機能層5を挟んで対向しており、第1電極層3と第2電極層6の間に通電することによって、機能層5に通電して電子と正孔との再結合が起こり発光する。すなわち、発光領域26は、第1電極層3と機能層5と第2電極層6間を通過する自己通電経路を有している。
発光領域26は、四角形状の領域であり、本実施形態では、長方形状の領域となっている。
非発光領域27は、図6(c)のように発光領域26を環状に囲んだ領域であって、自己の発光領域26と隣接する単位有機EL素子11の発光領域26を電気的に切り離す領域である。
非発光領域27は、図6(b)のように、横方向において、発光領域26の自己通電経路への給電に寄与する給電領域28,29を有しており、給電領域28,29は、発光領域26を挟んで対向している。すなわち、給電領域28,29内には、図3,図4のように、発光領域26内の第1電極層3又は第2電極層6と電気的に接続される給電構造が存在し、発光領域26内の第1電極層3又は第2電極層6に対して給電可能となっている。
また、有機EL装置1全体でみると、図3,図4のように横方向において、単位有機EL素子11のうち、最も外側に位置する単位有機EL素子11,11の外側には、外部電源に接続される接続端子を取り付け可能な接続領域33,34を有している。
接続領域33,34には、図2,図8のように縦方向に並設された各単位有機EL素子11に対応して、2つずつ孤立部35,36,37,38を有している。
孤立部35,36は、それぞれ第1電極層3によって形成されており、孤立部35と孤立部36の間には、孤立部35と孤立部36を分離する孤立部分離溝39が形成されている。同様に、孤立部37,38は、それぞれ第1電極層3によって形成されており、孤立部37と孤立部38の間には、孤立部37と孤立部38を分離する孤立部分離溝40が形成されている。
孤立部36は、図4のように第2橋渡し層9の下地となる部位であり、孤立部37は、図3のように第1橋渡し層8の下地となる部位である。すなわち、孤立部36及び孤立部37によって、第2橋渡し層9及び第1橋渡し層8の基板2に対する相対的な接着強度を向上されている。そのため、第1橋渡し層8及び第2橋渡し層9が剥がれにくく、安定して通電することができる。
有機EL装置1は、上記したように、基板2上に有機EL素子10の大部分が積層されており、有機EL素子10を覆うように無機封止層7(封止層)を積層されており、図3,図4,図5のように深さの異なる複数の溝によって、複数に区切られている。
また、有機EL装置1は、図2のように、縦方向Cに延びた溝と横方向Rに延びた溝が設けられている。
有機EL装置1の縦方向Cに延びた溝には、図3,図4のように、部分的に第1電極層3を除去した第1電極分離溝12及び素子分離縦溝13と、部分的に機能層5を除去した電極接続溝15、補助電極接続溝16、並びに、保護層形成溝22,23と、部分的に第2電極層6と機能層5の双方を除去した補助電極分離溝17と、部分的に機能層5と第2電極層6と無機封止層7を除去した橋渡し接続溝18,19がある。
有機EL装置1の縦方向Cに延びた溝には、図5,図8のように、部分的に第1電極層3を除去した素子分離横溝14及び孤立部分離溝39,40がある。
各溝について詳説すると、孤立部分離溝39,40、第1電極分離溝12、素子分離縦溝13、並びに、素子分離横溝14は、いずれも基板2上に積層された第1電極層3を分離する溝である。
第1電極分離溝12は、図3,図4のように発光領域26と給電領域29に分離する溝であって、縦方向全体に亘って形成されて溝である。また、第1電極分離溝12内には、発光領域26と給電領域29に跨がった機能層5の一部が進入しており、機能層5は第1電極分離溝12の底部で基板2と直接接触している。
素子分離縦溝13は、図3,図4のように各単位有機EL素子11を区分けする溝であって、縦方向全体に亘って形成されて溝である。
素子分離横溝14は、図5のように各単位有機EL素子11を区分けする溝であって、横方向全体に亘って形成されて溝である。
素子分離縦溝13と素子分離横溝14内には、無機封止層7の一部が進入しており、無機封止層7は素子分離縦溝13と素子分離横溝14のそれぞれの底部で基板2と直接接触している。そのため、隣接する単位有機EL素子11は、電気的に絶縁されている。
素子分離縦溝13と素子分離横溝14は、図2のように単位有機EL素子11の外形を形成している。
孤立部分離溝39,40は、図8のように孤立部35,36,37,38をそれぞれ隔離する溝であって、横方向に延びて素子分離縦溝13と交差して連続する溝である。
電極接続溝15、補助電極接続溝16、並びに、保護層形成溝22,23は、図3,図4のように機能層5のみを複数の領域分離する溝である。
電極接続溝15は、図3,図4のように給電領域29において、発光領域26から延びた第2電極層6と給電領域29内の第1電極層3を物理的に接続する溝である。電極接続溝15は、図10のように縦方向C全体に亘って形成されている。また、電極接続溝15は、第1電極分離溝12と平行に形成されており、一つの単位有機EL素子11に注目すると、発光領域26側からみて、第1電極分離溝12の外側に位置している。
補助電極接続溝16は、図3,図4のように、給電領域28において、発光領域26内から延びた第1電極層3と給電領域28内の第2電極層6を物理的に接続する溝であり、給電領域28内の第2電極層6によって、発光領域26内の第1電極層3全体を同電位にすることが可能となっている。補助電極接続溝16は、図10のように縦方向全体に亘って形成されている。
保護層形成溝22,23は、製造工程において、無機封止層7を除去して橋渡し接続溝18,19を形成するにあたって、第1電極層3を保護する保護層41,42(図6参照)を形成する溝である。保護層41,42は、機能層5によって形成されており、橋渡し接続溝18,19によって一部が除去されている。保護層形成溝22,23は、図6(a)のように縦方向C全体に亘って形成されている。
また、保護層形成溝23は、電極接続溝15と平行に形成されており、一つの単位有機EL素子11に注目すると、図6(b)のように発光領域26側からみて、電極接続溝15の外側に位置している。保護層形成溝22は、補助電極接続溝16と平行に形成されており、一つの単位有機EL素子11に注目すると、発光領域26側からみて、補助電極接続溝16の外側に位置している。
補助電極分離溝17は、図2,図3のように機能層5と第2電極層6の双方を複数の領域に分離する溝である。補助電極分離溝17は、給電領域28と発光領域26に位置し、給電領域28内の第2電極層6及び機能層5を発光領域26内の単位有機EL素子11から分離する溝である。
また、補助電極分離溝17内には、図3,図4のように無機封止層7の一部が進入しており、無機封止層7は補助電極分離溝17の底部でそれぞれ第1電極層3と直接接触している。すなわち、補助電極分離溝17は、発光領域26内の第2電極層6と、給電領域28内の第2電極層6(補助電極層)を無機封止層7によって電気的に切り離している。
補助電極分離溝17は、図12のように各単位有機EL素子11の縦方向全体に亘って形成されている。補助電極分離溝17は、補助電極接続溝16と平行に形成されており、一つの単位有機EL素子11に注目すると、図6(b)のように発光領域26側からみて、補助電極接続溝16の内側に位置している。
橋渡し接続溝18,19は、図3,図4のように機能層5と第2電極層6と無機封止層7に亘って取り除かれた溝である。
橋渡し接続溝18は、図3のように給電領域28に形成される溝であって、第1橋渡し層8と第1電極層3を接続する溝である。また、橋渡し接続溝18内には、第1橋渡し層8の一部が進入しており、第1橋渡し層8は橋渡し接続溝18の底部でそれぞれ第1電極層3と直接接触している。
橋渡し接続溝19は、図4のように給電領域29に形成される溝であって、第2橋渡し層9と第1電極層3を接続する溝である。また、橋渡し接続溝19内には、第2橋渡し層9の一部が進入しており、第2橋渡し層9は橋渡し接続溝19の底部でそれぞれ第1電極層3と直接接触している。
すなわち、第1橋渡し層8によって、第1有機EL素子20同士が接続されており、第2橋渡し層9によって、第2有機EL素子21同士が接続されている。
橋渡し接続溝18は、図7のように保護層41の一部と重なるように形成されており、保護層41の一部が除去されて形成されている。同様に、橋渡し接続溝19は、保護層42の一部と重なるように形成されており、保護層42の一部が除去されて形成されている。
また、有機EL装置1全体でみると、図3のように横方向両外側端部に位置する第1橋渡し層8は、孤立部35,37の部材厚方向(各層の積層方向)の投影面上まで至っており、図4のように横方向両外側端部に位置する第2橋渡し層9は、孤立部36,38の部材厚方向の投影面上まで至っている。
そして、孤立部37は、図3のように橋渡し接続溝18を介して第1橋渡し層8と接続されており、孤立部36は、図4のように橋渡し接続溝19を介して第2橋渡し層9と接続されている。
続いて、基板2を平面視した際の各単位有機EL素子11の位置関係について説明する。
有機EL装置1は、図2のように発光色が異なる第1有機EL素子20と第2有機EL素子21が行方向C及び列方向Rに交互に配列されており、本実施形態の有機EL装置1では、5行4列に配列している。すなわち、発光色が異なる第1有機EL素子20と第2有機EL素子21が千鳥状に配されている。また、有機EL装置1は、横方向R(列方向)に第1有機EL素子20と第2有機EL素子21が交互に配された有機EL素子群25を複数有している。
有機EL素子群25は、図7,図16のように第1有機EL素子20と第2有機EL素子21の集合体であって、横方向Rに帯状に延びている。有機EL素子10全体では、図16のように有機EL素子群25が縦方向Cに5つ並設している。
有機EL素子群25は、図17(b)のように第1有機EL素子20同士が第1橋渡し層8によってそれぞれ電気的に直列接続してなる直列接続群30と、第2有機EL素子21が第2橋渡し層9によってそれぞれ電気的に直列接続してなる直列接続群31から形成されている。そのため、直列接続群30及び直列接続群31のそれぞれに電流を流すことによって全ての単位有機EL素子11が全体的に発光可能となっている。
具体的に説明すると、横方向(列方向R)では、図16のように第1行に配される有機EL素子群25aは、第1有機EL素子20a,第2有機EL素子21a,第1有機EL素子20b,第2有機EL素子21bの順に交互に配されている。第2行に配される有機EL素子群25bは、第2有機EL素子21c,第1有機EL素子20c,第2有機EL素子21d,第1有機EL素子20dの順に交互に配されている。第3行に配される有機EL素子群25cは、第1有機EL素子20e,第2有機EL素子21e,第1有機EL素子20f,第2有機EL素子21fの順に交互に配されている。第4行に配される有機EL素子群25dは、第2有機EL素子21g,第1有機EL素子20g,第2有機EL素子21h,第1有機EL素子20hの順に交互に配されている。第5行に配される有機EL素子群25eは、第1有機EL素子20i,第2有機EL素子21i,第1有機EL素子20j,第2有機EL素子21jの順に交互に配されている。
このように、有機EL装置1は、いずれの行においても、2種類の第1有機EL素子20と第2有機EL素子21が交互に配列されており、有機EL素子10は、同一色の単位有機EL素子11間に少なくとも1種類の異なる色の単位有機EL素子11を挟んで、並設されている。例えば、有機EL素子群25aでは、第1有機EL素子20a,20b間に少なくとも1種類の異なる第2有機EL素子21aを挟んで、並設されている。
一方、縦方向(行方向C)においては、図16のように第1列には、第1有機EL素子20a,第2有機EL素子21c,第1有機EL素子20e,第2有機EL素子21g,第1有機EL素子20iの順に配されている。第2列には、第2有機EL素子21a,第1有機EL素子20c,第2有機EL素子21e,第1有機EL素子20g,第2有機EL素子21iの順に配されている。第3列には、第1有機EL素子20b,第2有機EL素子21d,第1有機EL素子20f,第2有機EL素子21h,第1有機EL素子20jの順に配されている。第4列には、第2有機EL素子21b,第1有機EL素子20d,第2有機EL素子21f,第1有機EL素子20h,第2有機EL素子21jの順に配されている。
このように、有機EL装置1は、行方向Cにおいて、2種類の単位有機EL素子11のうち、全種類(本実施形態では2種類)の単位有機EL素子11が同一列に並んでいる。すなわち、いずれの単位有機EL素子11においても、自己に隣接する単位有機EL素子11の種類が異なっており、自己の発光色と異なっている。また、自己に最近接する同一種類の単位有機EL素子11の距離が等間隔となっている。
また、本実施形態の有機EL装置1は、図16のように第1行に属する有機EL素子群25aと第2行に属する有機EL素子群25bは、一方に対して、他方が列方向Rに単位有機EL素子11を1つ分だけスライドした配列となっている。同様に、第2行に属する有機EL素子群25bと第3行に属する有機EL素子群25c、第3行に属する有機EL素子群25cと第4行に属する有機EL素子群25d、第4行に属する有機EL素子群25dと第5行に属する有機EL素子群25eは、いずれも、一方に対して、他方が列方向R(横方向)に単位有機EL素子11を1つ分だけスライドした配列となっている。
次に、本実施形態に係る有機EL装置1の製造方法について説明する。
有機EL装置1は、図示しない真空蒸着装置及びCVD装置によって成膜し、図示しないパターニング装置、本実施形態では、レーザースクライブ装置を使用してパターニングを行い、製造される。
有機EL素子10を積層する有機EL素子形成工程を行う。
具体的には、スパッタ法やCVD法によって基板2の大部分に第1電極層3を成膜する。その後、第1電極層3が成膜された基板に対して、レーザースクライブ装置によって、図8に示されるように第1電極分離溝12、素子分離縦溝13、素子分離横溝14、並びに、孤立部分離溝39,40を形成する。
このとき、第1電極分離溝12及び素子分離縦溝13は、図8のように縦辺に対して平行に形成されている。孤立部分離溝39,40及び素子分離横溝14は、横辺に対して平行に形成されている。すなわち、素子分離縦溝13と素子分離横溝14は、交差(直交)している。孤立部分離溝39,40は、最も外側に位置する素子分離縦溝13と連続しており、孤立部35,36,37,38を形成している。
次に、真空蒸着装置によって、この基板の接続領域33,34(図3参照)にマスクして、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層、電子注入層などを順次積層し、図9のように機能層5を成膜する。
このとき、図3,図4のように第1電極分離溝12内に機能層5が積層されて満たされており、基板2と機能層5が接触している。また、孤立部35,36,37,38は、図9のようにそれぞれ露出している。
その後、機能層5が成膜された基板に対して、レーザースクライブ装置によって、図10のように電極接続溝15及び補助電極接続溝16を形成する。
このとき、電極接続溝15及び補助電極接続溝16は、第1電極分離溝12に対して平行に形成されている。また、孤立部35,36,37,38はそれぞれ露出している。
その後、機能層5が成膜された基板に対して、真空蒸着装置によって、図11のように機能層5のほぼ全面に第2電極層6を成膜する。
このとき、給電領域28内では、図3,図4のように第1電極層3と第2電極層6が補助電極接続溝16の内で直接接触した状態で固着し、物理的に接続される。給電領域29内では、第1電極層3と第2電極層6は、電極接続溝15の内で直接接触した状態で固着し、物理的に接続される。
その後、第2電極層6が成膜された基板に対して、レーザースクライブ装置によって、図12のように補助電極分離溝17及び保護層形成溝22,23を形成する。
このとき、保護層形成溝22,23は、横方向における各第2電極層6の縁に沿って設けられており、機能層5の第2電極層6からの露出部位を切り離している。そして、機能層5が孤立した保護層41,42(図7参照)が形成されている。
以上が、有機EL素子形成工程である。
続いて、無機封止層7を形成する無機封止層積層工程を行う。
まず、基板の一部をマスクで覆い、CVD装置によって、無機封止層7の一部である第1無機封止層50を成膜する。
このとき、第1無機封止層50は、少なくとも発光領域26内の第2電極層6を覆っており、さらに、本実施形態では、第1無機封止層50は、基板2全面を覆っている。すなわち、補助電極分離溝17内に、第1無機封止層50が積層されて満たされている。
その後、第1無機封止層50を成膜したCVD装置から取り出して、第2無機封止層51の原料を塗布し、無機封止層7の一部である第2無機封止層51を形成し、無機封止層7が形成する。
このとき、第1無機封止層50上の全面を第2無機封止層51が覆っている。このようにして、第1無機封止層50上に第2無機封止層51が積層されて図13に示される無機封止層7が形成される。
その後、無機封止層7が成膜された基板に対して、レーザースクライブ装置によって、図14のように、橋渡し接続溝18,19を形成する(橋渡し層形成工程)。
このとき、各橋渡し接続溝18は、縦方向Cにおいて、同一直線上に所定の間隔を空けて配されており、各橋渡し接続溝19は、縦方向Cにおいて、同一直線上に所定の間隔を空けて配されている。縦方向Cに隣接する橋渡し接続溝18と橋渡し接続溝19は、横方向Rに交互にずれている。
このとき、1つの単位有機EL素子11に注目すると、橋渡し接続溝18,19は、図6(a)のように、保護層形成溝22,23の外側であって、機能層5からなる保護層41,42を昇華した上で形成されている。
続いて、無機封止層7が成膜された基板に対して、真空蒸着装置によって、図15のように第1橋渡し層8及び第2橋渡し層9を成膜する。
このとき、第1橋渡し層8は、図3のように第2有機EL素子21を迂回し、隣接する第1有機EL素子20間を結ぶように物理的に接続されており、第2橋渡し層9は、図4のように第1有機EL素子20を迂回し、第2有機EL素子21間を結ぶように物理的に接続されている。
各第1橋渡し層8及び各第2橋渡し層9は、図15のようにそれぞれ横方向Rに同一直線上に並んでおり、第1橋渡し層8と第2橋渡し層9は縦方向Cにずれた位置に並んでいる。すなわち、第1橋渡し層8と第2橋渡し層9は、横方向Rに同一直線上に並んでいない。
このようにして橋渡し層形成工程を終了し、後述する電気回路を接続して有機EL装置1が完成する。
続いて、上記した有機EL装置1を外部電源に接続した場合における電気的な接続関係について説明する。なお、図17(a)は、有機EL装置1の実際の位置関係を考慮した電気回路図であり、図17(b)は、図17(a)を簡略化した電気回路図である。
第1行に配列する、第1有機EL素子20a、第2有機EL素子21a、第1有機EL素子20b、第2有機EL素子21bからなる有機EL素子群25aの接続関係に注目すると、図3,図16,図17のように外部電源と、第1有機EL素子20aの給電領域28内の第1電極層3が第1橋渡し層8によって接続されている。第1有機EL素子20aの給電領域29内の第1電極層3と、隣接する第1有機EL素子20bの給電領域28内の第1電極層3とが第1橋渡し層8によって接続されており、第1有機EL素子20bの給電領域29内の第1電極層3と、孤立部37と、外部電源とが第1橋渡し層8によって接続されている。
また、図4,図16,図17のように外部電源と、孤立部36と、第2有機EL素子21aの給電領域28内の第1電極層3が第2橋渡し層9によって接続されている。第2有機EL素子21aの給電領域29内の第1電極層3と、隣接する第2有機EL素子21bの給電領域28内の第1電極層3とが第2橋渡し層9によって接続されており、第2有機EL素子21bの給電領域29内の第1電極層3と外部電源とが第2橋渡し層9によって接続されている。
すなわち、第1有機EL素子20aと第1有機EL素子20b間には、第2有機EL素子21aとは電気的に絶縁された導電経路が形成されており、互いに電気的に直列に接続されている。同様に第1有機EL素子20bと孤立部37の間には第2有機EL素子21bとは電気的に絶縁された導電経路が形成されており、互いに電気的に直列に接続されている。
また、孤立部36と第2有機EL素子21aの間には、第1有機EL素子20aとは電気的に絶縁された導電経路が形成されており、互いに電気的に直列に接続されている。同様に第2有機EL素子21aと第2有機EL素子21b間には、第1有機EL素子20bとは電気的に絶縁された導電経路が形成されており、互いに電気的に直列に接続されている。
第2行〜第5行の接続関係については、第1行の第1有機EL素子20と第2有機EL素子21の位置関係と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、有機EL装置1は、図17(b)のように、列方向に配列した同一種類の単位有機EL素子11間で、電気的に直列接続された複数の直列接続群30,31を形成している。また、各有機EL素子群25の直列接続群30,31は互いに電気的に並列の関係となっている。各有機EL素子群25の直列接続群30,31は、それぞれ外部電源と閉回路を形成している。
続いて、各直列接続群30,31に電流を流した場合の有機EL装置1内の電流の流れについて説明する。
まず、有機EL素子群25aの直列接続群30に電流を流した場合について説明すると、外部電源から供給された電流は、図18のように、第1橋渡し層8を介して第1有機EL素子20aの給電領域28内の第1電極層3に伝わり、発光領域26内の第1電極層3に至る。
このとき、給電領域28において、補助電極接続溝16内を経由して接続された第2電極層6によって、第1電極層3内での電流の拡散が補助されて第1有機EL素子20aの発光領域26全体の第1電極層3に電流が拡散する。
そして、発光領域26内の第1電極層3に至った電流は、機能層5を経由して第2電極層6に至る。このとき、機能層5に電流が通過し、所望の発光色を呈する。
発光領域26内の第2電極層6に至った電流は、電極接続溝15内を経由して給電領域29内の第1電極層3に至る。
給電領域29内の第1電極層3に至った電流は、第1橋渡し層8によって、第2有機EL素子21aを迂回し、隣接する第1有機EL素子20bの給電領域28内の第1電極層3に伝わる。第1電極層3に伝わった電流は、第1電極層3内で拡散し、発光領域26内の第1電極層3に至る。そして、発光領域26内の第1電極層3に至った電流は、機能層5を経由して第2電極層6に至る。このとき、機能層5に電流が通過し、所望の発光色を呈する。
発光領域26内の第2電極層6に至った電流は、電極接続溝15内を経由して給電領域29内の第1電極層3に至る。給電領域29内の第1電極層3に至った電流は、第1橋渡し層8によって、外部電源に戻る。
このように、直列接続群30の各第1有機EL素子20内の機能層5が発光する。
続いて、有機EL素子群25aの直列接続群31に電流を流した場合について説明すると、外部電源から供給された電流は、図19のように、第2橋渡し層9によって、第1有機EL素子20aを迂回し、第2有機EL素子21aの給電領域28内の第1電極層3に伝わる。第1電極層3に伝わった電流は、第1電極層3内で拡散し、発光領域26内の第1電極層3に至る。
このとき、給電領域28において、補助電極接続溝16内を経由して接続された第2電極層6によって、第1電極層3内での電流の拡散が補助されて第2有機EL素子21aの発光領域26全体の第1電極層3に電流が拡散する。
そして、発光領域26内の第1電極層3に至った電流は、機能層5を経由して第2電極層6に至る。このとき、機能層5に電流が通過し、所望の発光色を呈する。
発光領域26内の第2電極層6に至った電流は、電極接続溝15内を経由して給電領域29内の第1電極層3に伝わり、給電領域29内の第1電極層3に伝わった電流は、第2橋渡し層9によって、第1有機EL素子20bを迂回し、隣接する第2有機EL素子21bの給電領域28内の第1電極層3に伝わる。第1電極層3に伝わった電流は、第1電極層3内で拡散し、発光領域26内の第1電極層3に至る。
そして、発光領域26内の第1電極層3に至った電流は、機能層5を経由して第2電極層6に至る。このとき、機能層5に電流が通過し、所望の発光色を呈する。
発光領域26内の第2電極層6に至った電流は、電極接続溝15内を経由して給電領域29内の第1電極層3に至り、第2橋渡し層9によって、外部電源に戻る。
このように、直列接続群31の各第2有機EL素子21内の機能層5が発光する。
なお、残りの有機EL素子群25b〜25eの直列接続群30,31に電流を流した場合については上記の直列接続群30,31と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、有機EL装置1は、それぞれの直列接続群30,31が外部電源と閉回路を形成しており、可変抵抗やマイコンを使用したPWM制御等によってそれぞれの有機ELパネルへの電流量等を制御することによって調光することが可能となっている。
なお、可変抵抗を使用してそれぞれの単位有機EL素子11への電流量等を制御する場合には、正確に制御する観点から各直列接続群30,31に対して可変抵抗を取り付けることが好ましい。
また、本実施形態の有機EL装置1によれば、直列接続群30,31を構成する単位有機EL素子11に流れる電流は制御可能であり、さらに直列接続群30,31を構成する単位有機EL素子11はまんべんなく全体に分布しているため、色むらがなく、均一に発光させることが可能となっている。
ここで、上記したように橋渡し接続溝18,19の幅は、後述する有機EL素子群25の幅の半分より小さい。そのため、第1橋渡し層8又は第2橋渡し層9によって第1電極層3に給電される部位は、縦方向の一部であり、発光領域26全体を均等に発光させるには、第1電極層3の縦方向において電流を行き渡らせる必要がある。第1電極層3は、後述するが、金属に比べて透明導電性酸化物等の内部抵抗が比較的大きな材質であるため、電圧分布が生じるおそれがある。
そこで、有機EL装置1では、給電領域28において、補助電極接続溝16内では、発光領域26内から延びた第1電極層3と給電領域28内の第2電極層6が物理的に接続されている。すなわち、給電領域28内の第2電極層6によって第1電極層3の電気伝導を補助されているため、発光領域26内の第1電極層3全体を同電位にすることが可能となっている。
具体的に説明すると、給電領域28において、図20のように補助電極接続溝16内を経由して接続された第2電極層6によって、第1電極層3内での電流の拡散が補助されて第1有機EL素子20aの発光領域26全体の第1電極層3に電流が拡散する。そのため、電流は、第1電極層3内を縦方向にも拡散し、縦方向のいずれの位置もほぼ同電位となる。それ故に、有機EL装置1であれば、縦方向において、ほぼ電位分布が生じず、色むらが発生しにくくできる。
このように、有機EL装置1は、直列接続群30,31のいずれの単位有機EL素子11においても、第1電極層3内での電流の拡散を導電率の高い第2電極層6によって電気伝導が補助されているため、発光領域26内の機能層5に均一に電流が流れて色むらなく発光させることができる。
続いて、有機EL装置1の層構成について説明する。
基板2の材質は、透明性と絶縁性を備えたものであれば、特に限定されるものではない。本実施形態では、ガラス基板を採用している。
また、基板2は、面状に広がりをもっている。具体的には、多角形又は円形をしており、四角形であることが好ましい。本実施形態では、正方形状のガラス基板を採用している。
第1電極層3は、透明導電性酸化物によって形成された層であり、例えば、インジウム錫酸化物(ITO)などが採用できる。
機能層5は、図3のように第1電極層3と第2電極層6との間に設けられ、少なくとも一層の有機発光層を備えた層である。
具体的には、機能層5の構成は、第1電極層3側から順に、正孔注入層,正孔輸送層,有機発光層,電子輸送層,及び電子注入層を有している。正孔注入層,正孔輸送層,有機発光層,電子輸送層,及び電子注入層はいずれも公知の有機材料等によって形成されている。
上記したように、本実施形態では、機能層の種類(特に有機発光層の種類)によって、有機EL装置1の発光色を制御し、それぞれの単位有機EL素子11間で、発光色が異なるものにしている。
具体的には、第1有機EL素子20は、有機発光層の種類によって、550nm未満の波長にのみ発光ピークを有する青色系発光色を有した有機ELパネルとなるように設計しており、第2有機EL素子21は、有機発光層の種類によって、550nm以上の波長にのみ発光ピークを有する黄色系発光色を有した有機ELパネルとなるように設計している。
有機EL装置1の発光面積は、4mm2から4m2であり、50cm2から2m2であることが好ましく、100cm2から2500cm2であることが特に好ましい。
第2電極層6は、第1電極層3と一対となって電極を形成するものであれば、特に限定されるものではなく、例えば銀(Ag)やアルミニウム(Al)などが採用できる。
無機封止層7の材質は、絶縁性及び封止性を有していれば、特に限定されるものではないが、酸素、炭素、窒素の中から選ばれた1種類以上の元素と、ケイ素元素とからなるシリコン合金により形成されていることが好ましく、Si−O、Si−N、Si−H、N−H等の結合を含む窒化珪素や酸化珪素、及び両者の中間固溶体である酸窒化珪素であることが特に好ましい。
そして、本実施形態では、多層構造の無機封止層を使用している。
具体的には、無機封止層7は、図3のように有機EL素子10側から乾式法によって形成される第1無機封止層50と、湿式法によって形成される第2無機封止層51がこの順に積層されて形成されている。
第1無機封止層50は、化学気相蒸着によって形成される層であり、さらに詳細にはシランガスやアンモニアガス等を原料としてプラズマCVD法で成膜される層である。第1無機封止層50は、後述するように有機EL装置1の製造工程において、水分含量が少ない雰囲気下で、有機EL素子10の形成工程に連続して成膜できるため、空気や水蒸気に晒さずに成膜でき、使用直後の初期ダークスポットの発生を低減することができる。
第2無機封止層51は、液体状又はゲル状の原料を塗布した後、化学反応を介して成膜される層である。第2無機封止層51は、より詳細には、緻密性を有したシリカを素材としている。また、第2無機封止層51はポリシラザン誘導体を原料とするのが好ましい。ポリシラザン誘導体を用いてシリカ転化によって第2無機封止層51を成膜した場合、シリカ転化時に重量増加を生じ、体積収縮が小さい。また、シリカ膜転化時(固化時)に樹脂の耐え得る温度で十分にしかもクラックを生じにくくできる。
なお、ここでいうポリシラザン誘導体は、珪素−窒素結合を持つポリマーであり、Si−N、Si−H、N−H等からなるSiO2、Si34、及び両者の中間固溶体SiOxNy等のセラミック前駆体ポリマーである。また、このポリシラザン誘導体は、Siと結合する水素部分が一部アルキル基等で置換された誘導体も含む。
ポリシラザン誘導体の中でも特に側鎖が全て水素であるペルヒドロポリシラザンや、珪素と結合する水素部分が一部メチル基に置換された誘導体が好ましい。
また、このポリシラザン誘導体は、有機溶媒に溶解した溶液状態で塗布し使用することが好ましい。この溶解する有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素等の炭化水素溶媒、ハロゲン化炭化水素溶媒、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が使用できる。
第2無機封止層51は、図3のように第1無機封止層50とは異なる材料を封止層として積層したものであり、相互の欠陥を補完することにより、封止性能を高め、経時的な新たなダークスポットの発生を防止したり、発生したダークスポットの拡大化を抑制したりすることができる。
続いて、第2実施形態の有機EL装置100について説明する。なお、第1実施形態と同様のものは同じ符番を付して説明を省略する。
第2実施形態の有機EL装置100は、第1実施形態の有機EL装置1とは異なり、4色の単位有機EL素子11を使用している。
具体的には、第2実施形態の有機EL装置100は、図21のように第1有機EL素子20と第2有機EL素子21に加えて、第1有機EL素子20及び第2有機EL素子21と発光色が異なる2種類の第3有機EL素子120及び第4有機EL素子121を使用している。そして、第2実施形態の有機EL装置100は、有機EL素子群25に加えて、第3有機EL素子120と第4有機EL素子121が交互に配された有機EL素子群125を複数有している。有機EL素子群125は、図21のように第3有機EL素子120と第4有機EL素子121の集合体であって、横方向Rに帯状に延びている。
ここで、第2実施形態の有機EL装置100では、4色の単位有機EL素子11を使用しているため、第1有機EL素子20には、有機発光層の種類によって、400nm以上500nm未満の波長にのみ発光ピークを有する青色系発光色を有した単位有機EL素子11となるように設計しており、第2有機EL素子21には、有機発光層の種類によって、550nm以上590nm未満の波長にのみ発光ピークを有する黄色系発光色を有した単位有機EL素子11となるように設計している。また、第3有機EL素子120には、有機発光層の種類によって、500nm以上550nm未満の波長にのみ発光ピークを有する緑色系発光色を有した単位有機EL素子11となるように設計しており、第4有機EL素子121には、有機発光層の種類によって、590nm以上620nm未満の波長にのみ発光ピークを有する橙色系発光色を有した単位有機EL素子11となるように設計している。
有機EL素子群125は、図22のように第3有機EL素子120同士が第1橋渡し層8によってそれぞれ電気的に直列接続してなる直列接続群130と、第4有機EL素子121が第2橋渡し層9によってそれぞれ電気的に直列接続してなる直列接続群131から形成されている。そのため、直列接続群130及び直列接続群131のそれぞれに電流を流すことが可能となっている。
第2実施形態の有機EL装置100は、図21のように、縦方向(行方向C)において、有機EL素子群25a、有機EL素子群125a、有機EL素子群25b、有機EL素子群125bの順に配列されている。
第2実施形態の有機EL装置100は、横方向(列方向R)において、第2行に位置する有機EL素子群125aは、第3有機EL素子120a,第4有機EL素子121a,第3有機EL素子120b,第4有機EL素子121bの順に交互に配されており、第4行に位置する有機EL素子群125bは、第4有機EL素子121c,第3有機EL素子120c,第4有機EL素子121d,第3有機EL素子120dの順に交互に配されている。
このように、有機EL装置100は、いずれの行においても、2種類の第1有機EL素子20と第2有機EL素子21、又は2種類の第3有機EL素子120と第4有機EL素子121が交互に配列されており、有機EL素子10は、同一色の単位有機EL素子11間に少なくとも1種類の異なる単位有機EL素子11を挟んで、並設されている。
一方、縦方向(行方向C)においては、第1列には、第1有機EL素子20a,第3有機EL素子120a,第2有機EL素子21c,第4有機EL素子121cの順に配されている。第2列には、第2有機EL素子21a,第4有機EL素子121a,第1有機EL素子20c,第3有機EL素子120cの順に配されている。第3列には、第1有機EL素子20b,第3有機EL素子120b,第2有機EL素子21d,第4有機EL素子121dの順に配されている。第4列には、第2有機EL素子21b,第4有機EL素子121b,第1有機EL素子20d,第3有機EL素子120dの順に配されている。
このように、有機EL装置100は、行方向Cにおいて、2種類の単位有機EL素子11のうち、全種類の単位有機EL素子11が同一列に並んでいる。すなわち、いずれの単位有機EL素子11においても、自己に隣接する単位有機EL素子11の種類が異なっており、自己の発光色と異なっている。
本第2実施形態の有機EL装置100は、第1行に属する有機EL素子群25aと第3行に属する有機EL素子群25bは、一方に対して、他方が列方向Rに単位有機EL素子11を1つ分だけスライドした配列となっている。同様に、第2行に属する有機EL素子群125aと第4行に属する有機EL素子群125bは、いずれも、一方に対して、他方が列方向Rに単位有機EL素子11を1つ分だけスライドした配列となっている。
以上のように有機EL装置100では、4種類の単位有機EL素子11が均等に分布されているため、色むらなく、加色混合でき、白色の発光色を得ることができる。
上記した第1,2実施形態において、5行4列又は4行4列の単位有機EL素子11が配列された有機EL装置1,100について説明したが、実際に有機EL装置1,100を照明として使用する場合には、使用環境に合わせて、有機EL装置1,100を拡張して使用することとなる。そこで、代表例として、図23のように4つの有機EL装置100で拡張した場合について、各単位有機EL素子11の位置関係を説明する。
有機EL装置100が平面上に分布するように拡張した照明は、図23のように同一色の単位有機EL素子11,11の間に、異なる種類の単位有機EL素子11のそれぞれが挟まれる関係となっている。具体的には、同一色の単位有機EL素子11,11の間に、残りの色の単位有機EL素子11が一つずつ挟まれている。
また、行方向に隣接する同一種類の単位有機EL素子11,11の間隔は、隣の列の、行方向に隣接する同一種類の単位有機EL素子11,11の間隔と等間隔となっている。例えば、行方向に隣接する第1有機EL素子20a,20a間の距離は、隣の列の第1有機EL素子20b,20b間の距離と等しくなっている。
上記した第2実施形態では、列方向に並んだ同色の単位有機EL素子11(例えば、第1有機EL素子20a,20b)が電気的に直列接続の関係となっており、当該列方向に並んだ同色の単位有機EL素子11が、行方向に隣接する行方向に並んだ同色の単位有機EL素子11(例えば、第1有機EL素子20c,20d)と電気的に並列の関係となっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図24のようにすべての同色の単位有機EL素子11が電気的に直列に接続されていてもよい。
1,100 有機EL装置
2 基板(基材)
3 第1電極層
5 機能層(有機発光層)
6 第2電極層
7 無機封止層(封止層)
8 第1橋渡し層(橋渡し層)
9 第2橋渡し層(橋渡し層)
10 有機EL素子(発光素子)
11 単位有機EL素子
16 補助電極接続溝(接続部)
20,20a〜20j 第1有機EL素子(単位発光素子)
21,21a〜21j 第2有機EL素子(単位発光素子)
26 発光領域(発光部)
27 非発光領域(非発光部)
120,120c,120d,120g,120h 第3有機EL素子(単位発光素子)
121,121c,121d,121g,121h 第4有機EL素子(単位発光素子)

Claims (4)

  1. 1枚の基材上に、少なくとも第1電極層と、第2電極層と、前記両電極層に挟まれた有機発光層とを備えた単位発光素子を複数有する有機EL装置であって、
    少なくとも3つの単位発光素子が前記基材上に所定の方向に1列に並んでおり、
    当該3つの単位発光素子のうち、互いに隣接しない単位発光素子同士が残りの単位発光素子を迂回して電気的に直列接続されており、
    前記単位発光素子を封止する封止層を有し、
    当該封止層上であって、単位発光素子側と反対側の面上に橋渡し層を有し、
    前記互いに隣接しない単位発光素子同士は当該橋渡し層を経由して電気的に直列接続されており、
    前記橋渡し層は、前記互いに隣接しない単位発光素子同士を前記残りの単位発光素子を迂回して電気的に直列接続することを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記3つの単位発光素子は、第1電極層及び第2電極層のうち少なくとも1層が共通の材質であることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 1枚の基材上に、少なくとも第1電極層と、第2電極層と、前記両電極層に挟まれた有機発光層とを備えた発光素子を有する有機EL装置であって、
    発光素子は、少なくとも3つの単位発光素子に分割されるものであり、
    当該3つの単位発光素子は、所定の方向に1列に並んでおり、
    当該3つの単位発光素子のうち、互いに隣接しない単位発光素子同士が残りの単位発光素子を迂回して電気的に直列接続されており、
    前記単位発光素子を封止する封止層を有し、
    当該封止層上であって、単位発光素子側と反対側の面上に橋渡し層を有し、
    前記互いに隣接しない単位発光素子同士は当該橋渡し層を経由して電気的に直列接続されており、
    前記橋渡し層は、前記互いに隣接しない単位発光素子同士を前記残りの単位発光素子を迂回して電気的に直列接続することを特徴とする有機EL装置。
  4. 前記所定の方向に並んだ列は、発光色の異なる2種類の単位発光素子から形成されており、
    同一種類の単位発光素子は、互いに隣接せず、かつ、電気的に直列接続されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の有機EL装置。
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