JP6161859B1 - ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置 - Google Patents

ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6161859B1
JP6161859B1 JP2017516536A JP2017516536A JP6161859B1 JP 6161859 B1 JP6161859 B1 JP 6161859B1 JP 2017516536 A JP2017516536 A JP 2017516536A JP 2017516536 A JP2017516536 A JP 2017516536A JP 6161859 B1 JP6161859 B1 JP 6161859B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wiring
wiring portion
resistance heating
sweep
row
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017516536A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2017090692A1 (ja
Inventor
裕司 梅村
裕司 梅村
祥平 加藤
祥平 加藤
智博 森田
智博 森田
美穂 松田
美穂 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Misuzu Industry Co., Ltd.
Original Assignee
Misuzu Industry Co., Ltd.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Misuzu Industry Co., Ltd. filed Critical Misuzu Industry Co., Ltd.
Application granted granted Critical
Publication of JP6161859B1 publication Critical patent/JP6161859B1/ja
Publication of JPWO2017090692A1 publication Critical patent/JPWO2017090692A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B3/00Ohmic-resistance heating
    • H05B3/10Heating elements characterised by the composition or nature of the materials or by the arrangement of the conductor
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G15/00Apparatus for electrographic processes using a charge pattern
    • G03G15/20Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat
    • G03G15/2003Apparatus for electrographic processes using a charge pattern for fixing, e.g. by using heat using heat
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B3/00Ohmic-resistance heating
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B3/00Ohmic-resistance heating
    • H05B3/10Heating elements characterised by the composition or nature of the materials or by the arrangement of the conductor
    • H05B3/12Heating elements characterised by the composition or nature of the materials or by the arrangement of the conductor characterised by the composition or nature of the conductive material
    • H05B3/14Heating elements characterised by the composition or nature of the materials or by the arrangement of the conductor characterised by the composition or nature of the conductive material the material being non-metallic
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B3/00Ohmic-resistance heating
    • H05B3/20Heating elements having extended surface area substantially in a two-dimensional plane, e.g. plate-heater
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B2203/00Aspects relating to Ohmic resistive heating covered by group H05B3/00
    • H05B2203/002Heaters using a particular layout for the resistive material or resistive elements
    • H05B2203/004Heaters using a particular layout for the resistive material or resistive elements using zigzag layout

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Surface Heating Bodies (AREA)
  • Fixing For Electrophotography (AREA)
  • Control Of Resistance Heating (AREA)

Abstract

本発明は、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置、並びにヒータの製造方法を提供することを目的とし、基体11と基体上に各別に給電を受ける複数の抵抗発熱配線と、を備え、抵抗発熱配線は、掃引方向D1に、第1列、第2列、第3列の順に並んで配置された少なくとも3列の横配線部Xと、横配線部間を接続する縦配線部Yと、が結ばれてつづら折り状に形成され、抵抗発熱配線のうちの少なくとも1つの抵抗発熱配線が、第2列横配線部X2が、第1列横配線部X1及び第3列横配線部X3より短く形成されたパターンP1、又は、第2列横配線部X2が、第1列横配線部X1及び第3列横配線部X3より長く形成されたパターンP2のいずれかを有する。【選択図】図8

Description

本発明は、ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置に関する。詳しくは、通電により発熱する複数の抵抗配線を備えるヒータ、このようなヒータを備える定着装置、画像形成装置及び加熱装置に関する。
対象物の熱処理を行うための加熱手段として、ステンレス板やセラミック板の表面に通電により発熱する複数の抵抗発熱配線を設けたヒータが知られている。このようなヒータは、薄くコンパクトに形成できるため、例えば、複写機やプリンター等に組み込まれて記録媒体にトナーやインク等を定着する目的で用いられたり、乾燥機に組み込まれてパネル等の被処理体を均一に加熱乾燥させる目的で用いられたりする。これらの用途では、ヒータの発熱面を複数の抵抗発熱配線を配置することによって、加熱対象となる面内における温度分布を自己的に均化できるヒータが下記特許文献1及び2に開示されている。
国際公開第2013/073276号パンフレット
上記特許文献1には、正の抵抗温度係数を有した抵抗発熱配線を電気的に並列に接続して構成したヒータが開示されている。これらのヒータによれば、各抵抗発熱配線は実質的に同じ発熱特性を有するため、それぞれの抵抗発熱配線は互いに温度分布を自己的に均化することができる。そのため、特許文献1に開示された技術によれば、基体上の位置に拠らずより高度な均熱が可能となる。
更に、上記特許文献1の技術によれば、発熱配線の並列配線が傾斜した矩形パターンを含んでいる。そのため、配線の非形成部分が、ヒータの長手方向又は幅方向に対して斜めとなり、使用時における抵抗発熱配線部の局所的な温度上昇を招かない([0023])。
このように、特許文献1に開示されたヒータによれば、優れた均熱を行うことができる点で優れている。
これに対して、昨今、上記の均熱を維持しながらも、更に、コンパクトなヒータが求められつつある。特に、掃引方向により幅狭なヒータが要望されるに至っている。しかしながら、特許文献1に開示されたヒータを、単純に、掃引方向により幅狭となるように切り詰めると、配線の非形成部分の両脇に配置された傾斜パターンによる影響が大きくなり、均熱を維持し難くなるという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータ、このようなヒータを備える定着装置、画像形成装置及び加熱装置、並びにヒータの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
請求項1に記載のヒータは、被加熱物と対面された状態で、前記被加熱物及び本ヒータのうちの少なくとも一方を掃引方向に掃引することにより前記被加熱物を加熱するヒータであって、
基体と、前記基体上に、各別に給電を受ける複数の抵抗発熱配線と、を備え、
前記抵抗発熱配線は、前記掃引方向に、第1列、第2列、第3列の順に並んで配置された少なくとも3列の横配線部と、前記横配線部間を接続する縦配線部と、が結ばれてつづら折り状に形成されており、
前記抵抗発熱配線のうちの少なくとも1つの抵抗発熱配線が、下記(P)のパターン又は下記(P)のパターンいずれかのパターンを有することを要旨とする。
(P):第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より短く形成されたパターン。
(P):第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より長く形成されたパターン。
請求項2に記載のヒータは、請求項1に記載のヒータにおいて、前記(P)のパターンを有する抵抗発熱配線と、前記(P)のパターンを有する抵抗発熱配線と、の両方の抵抗発熱配線を備え、
前記(P)のパターンを有する抵抗発熱配線と、前記(P)のパターンを有する抵抗発熱配線と、が隣り合って配置されていることを要旨とする。
請求項3に記載のヒータは、請求項1又は2に記載のヒータにおいて、前記抵抗発熱配線は、前記掃引方向とは略垂直である幅方向に、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)の順に並んで、少なくとも4つの前記抵抗発熱配線と、を備えており、
前記第1配線(L)の第1列横配線部(X11)及び第2列横配線部(X12)を繋ぐ縦配線部(Y112)と、前記第2配線(L)の第1列横配線部(X21)及び第2列横配線部(X22)を繋ぐ縦配線部(Y212)と、が隙間を介して対向された対向箇所(A)を有し、
前記第2配線(L)の第2列横配線部(X22)及び第3列横配線部(X23)を繋ぐ縦配線部(Y223)と、前記第3配線(L)の第2列横配線部(X32)及び第3列横配線部(X33)を繋ぐ縦配線部(Y323)と、は隙間を介して対向された対向箇所(B)を有し、
前記第3配線(L)の第1列横配線部(X31)及び第2列横配線部(X32)を繋ぐ縦配線部(Y312)と、前記第4配線(L)の第1列横配線部(X41)及び第2列横配線部(X42)を繋ぐ縦配線部(Y412)と、は隙間を介して対向された対向箇所(C)を有し、
前記対向箇所(B)の前記隙間の掃引軌跡が、前記対向箇所(A)の前記隙間の掃引軌跡と、前記対向箇所(C)の前記隙間の掃引軌跡と、の間に位置されるとともに、前記対向箇所(A)の前記隙間の掃引軌跡、及び、前記対向箇所(C)の前記隙間の掃引軌跡、のいずれか一方の側へ偏って位置されていることを要旨とする。
請求項4に記載のヒータは、請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のヒータにおいて、各々の前記抵抗発熱配線は、前記掃引方向に、前記第1列から前記第3列に加えて、更に、第4列の順に並んで配置された少なくとも4列の前記横配線部と、前記横配線部間を接続する縦配線部と、が結ばれてつづら折り状に形成されており、
前記抵抗発熱配線のうちの所定の抵抗発熱配線(L)の第1列横配線部(XS1)及び第2列横配線部(XS2)を繋ぐ縦配線部(YS12)と、前記抵抗発熱配線(L)に隣り合った抵抗発熱配線(L)の第1列横配線部(XT1)及び第2列横配線部(XT2)を繋ぐ縦配線部(YT12)と、が隙間を介して対向された対向箇所(D)を有し、
前記抵抗発熱配線(L)の第3列横配線部(XS3)及び第4列横配線部(XS4)を繋ぐ縦配線部(YS34)と、前記抵抗発熱配線(L)の第3列横配線部(XT3)及び第4列横配線部(XT4)を繋ぐ縦配線部(YT34)と、が隙間を介して対向された対向箇所(E)を有し、
前記対向箇所(D)の前記隙間の掃引軌跡と、前記対向箇所(E)の前記隙間の掃引軌跡と、が重ならないように幅方向へ離間されていることを要旨とする。
請求項5に記載のヒータは、請求項1乃至4のうちのいずれかに記載のヒータにおいて、前記横配線部は、前記縦配線部よりも長く形成されていることを要旨とする。
請求項6に記載のヒータは、請求項1乃至5のうちのいずれかに記載のヒータにおいて、前記縦配線のうちの少なくとも一部の縦配線が、前記掃引方向に対して傾斜されていることを要旨とする。
請求項7に記載のヒータは、請求項1乃至6のうちのいずれかに記載のヒータにおいて、前記抵抗発熱配線は、正の抵抗発熱係数を有することを要旨とする。
請求項8に記載の定着装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載のヒータを備えることを要旨とする。
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載のヒータを備えることを要旨とする。
請求項10に記載の加熱装置は、請求項1乃至7のいずれかに記載のヒータを備えることを要旨とする。
本発明のヒータによれば、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
即ち、第1列横配線部(X)が第2列横配線部(X)に比べて長く、且つ、第2列横配線部(X)が第3列横配線部(X)に比べて短いパターン(P)、又は、第1列横配線部(X)が第2列横配線部(X)に比べて短く、且つ、第2列横配線部(X)が第3列横配線部(X)に比べて長いパターン(P)を備えることにより、これらのパターン(P)及びパターン(P)が有する縦配線部によって形成される掃引軌跡を、幅方向で重ならないように分散させることができ、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
パターン(P)の抵抗発熱配線、及び、パターン(P)の抵抗発熱配線の両方の抵抗発熱配線を備え、これらの抵抗発熱配線が隣り合って配置されている場合には、横配線部同士の凹凸を噛み合わせることができるため、縦配線部によって形成される掃引軌跡を、幅方向で重ならないように分散させながら、密な全体パターンを形成できる。従って、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡が、対向箇所(A)と対向箇所(C)との各々の隙間の掃引軌跡の間に位置され、且つ、対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡が、対向箇所(A)及び対向箇所(C)の各々の隙間の掃引軌跡のいずれか一方の側へ偏って位置されている場合には、縦配線部が密集した領域である対向箇所が、掃引方向に規則的に現れることを防止できる。従って、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
抵抗発熱配線が掃引方向に少なくとも4列の横配線部を備えており、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡と、が重ならないように幅方向へ離間されている場合には、縦配線部が密集した領域である対向箇所が、掃引方向に規則的に現れることを防止できる。従って、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
横配線部が、縦配線部よりも長く形成されている場合には、掃引方向よりも幅方向に長いヒータに適したパターンを得ることができる。従って、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
縦配線のうちの少なくとも一部の縦配線が、掃引方向に対して傾斜されている場合には、縦配線によって被加熱物に付与される熱を、掃引時に、幅方向へ分散させることができる。従って、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
抵抗発熱配線が、正の抵抗発熱係数を有する場合には、各抵抗発熱配線の発熱状態を自律的に均一化させることができる。従って、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
本ヒータにおける抵抗発熱配線の一例(パターンP)を模式的に示す平面図である。 本ヒータにおける抵抗発熱配線の他例(パターンP)を模式的に示す平面図である。 本ヒータにおける抵抗発熱配線の配置の一例を模式的に説明する平面図である。 本ヒータにおける抵抗発熱配線の各部を模式的に説明する平面図である。 本ヒータにおける抵抗発熱配線の各部を模式的に説明する平面図である。 本ヒータにおける抵抗発熱配線の対向箇所(A)〜(C)について模式的に説明する平面図である。 本ヒータにおける抵抗発熱配線の対向箇所(D)〜(E)について模式的に説明する平面図である。 実施形態1のヒータを模式的に示す平面図である。 実施形態2のヒータを模式的に示す平面図である。 実施形態3のヒータを模式的に示す平面図である。 実施形態4のヒータを模式的に示す平面図である。 実施形態5のヒータを模式的に示す平面図である。 実施形態5(図12と同様)のヒータを模式的に示す平面図である。 実施形態6のヒータを模式的に示す平面図である。 実施形態7のヒータを模式的に示す平面図である。 本ヒータを使用した定着装置の一例を表す概略斜視図である。 本ヒータを使用した定着装置の他例を表す概略斜視図である。 本ヒータを使用した画像形成装置の一例を表す概略図である。
以下、図を参照しながら、本発明を詳しく説明する。
[1]ヒータ
本ヒータ(1)は、被加熱物と対面された状態で、被加熱物及び本ヒータ(1)のうちの少なくとも一方を掃引方向(D)に掃引することにより被加熱物を加熱するヒータである。また、本ヒータ(1)は、基体(11)と、基体(11)上に、各別に給電を受ける複数の抵抗発熱配線(12)と、を備えている。
(1)横配線部(X〜X)の長さの相関について
抵抗発熱配線(12)は、掃引方向(D)に、第1列、第2列、第3列の順に並んで配置された少なくとも3列の横配線部(X)と、横配線部(X)間を接続する縦配線部(Y)と、を有し、横配線部(X)と縦配線部(Y)とが結ばれてつづら折り状に形成されている。即ち、各抵抗発熱配線(12)は、各々、つづら折り形状(蛇行形状)のパターン(以下、単に「つづら折りパターン」ともいう)を有している。
そして、複数の抵抗発熱配線(12)のうちの少なくとも1つの抵抗発熱配線(12)が、下記のパターン(P)又はパターン(P)を有している。
(P):第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より短く形成されたパターン。
(P):第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より長く形成されたパターン。
このように、パターン(P)(図1参照)又はパターン(P)(図2参照)を備えることで、これらのパターンが有する縦配線部によって形成される掃引軌跡が、幅方向(D)に重ならないように、分散させることができる。
即ち、各別に給電を受ける複数の抵抗発熱配線(12)を1つのセルと考えた場合に、従来、1つのセルは、隣接されたセルと発熱領域を共有しないように個々に独立して配置されている。このような独立セルの形態では、隣接された独立セル同士の横配線は、掃引方向で重ならないように分離される。しかしながら、このような独立セル配置では、独立セル同士の境界に、縦配線が密集して直線的に連なった領域が形成されることとなる。掃引方向に幅広なヒータであれば、上述の縦配線が密集して直線的に連なった領域が存在しても、例えば、この領域が、掃引時に被加熱物のいずれの箇所でも1回は通過するように、横配線の列数を多くしたパターニングを行うことで、加熱の偏りを防止できる。
しかしながら、掃引方向に幅狭なヒータでは、掃引方向の幅を確保できないために、横配線の列数を多くしたパターニングを行うことができない。そのため、被加熱物に対して、縦配線が密集して直線的に連なった領域が局所的に掃引されてしまうことになり、加熱の偏りを生じてしまうことになる。
これに対し、本発明ではパターン(P)又はパターン(P)を有することで、所定のセルの横配線を、隣接セルに対して入り込ませたパターニングを行うことになる。即ち、パターン(P)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より短く形成されることによって、図1に例示するように、点線で囲んだ領域に他の抵抗発熱配線(12)のパターンを受け入れる領域を確保することができる。同様に、パターン(P)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より長く形成されることによって、図2に例示するように、点線で囲んだ領域に他の抵抗発熱配線(12)のパターンを受け入れる領域を確保することができる。これらの領域を有することによって、所定のセルの横配線を、隣接セルに対して入り込ませたパターニングを行うことができる。従って、発熱領域を隣接したセル間で共有した形態とすることができる。このような形態では、掃引方向に幅狭なヒータであっても、縦配線が密集して直線的に連なった領域が形成されることを防止して、縦配線が密集しないように分散させることができる。
上述のように、本ヒータが備える抵抗発熱配線(12)の各々は、掃引方向(D)に、第1列、第2列、第3列の順に並んで配置された少なくとも3列の横配線部(X)を有している。即ち、本ヒータを構成する抵抗発熱配線(12)は、横配線部(X)としてこれら3列のみを有するパターンであってもよいが、4列以上の横配線部(X)を備えてもよい。また、4列以上の横配線部(X)を備える場合には、第1列、第2列、第3列は、抵抗発熱配線(12)のどの横配線部(X)の連続された3本を取り出したものであってもよい。
そして、本ヒータに配設された抵抗発熱配線(12)は、各々、これらの横配線部(X)間を接続する縦配線部(Y)を備えている。更に、これらの横配線部(X)と縦配線部(Y)とが結ばれて、全体として抵抗発熱配線(12)はつづら折り状(蛇行形状)のパターン(以下、単に「つづら折りパターン」ともいう)とされている。
尚、当然ながら、本ヒータは、基体上に、上述のつづら折りパターンを有する抵抗発熱配線のみを備えてもよいし、つづら折りパターンを有さない他の形態の抵抗発熱配線を、つづら折りパターンを有する抵抗発熱配線に加えて備えていてもよい。
上記パターン(P)は、第1列横配線部(X)が、第2列横配線部(X)に比べて長く、且つ、第2列横配線部(X)が、第3列横配線部(X)に比べて短く形成されたパターンである。
即ち、換言すれば、第2列横配線部(X)が、掃引方向(D)において、第1列横配線部(X)と第3列横配線部(X)との間に配置され、且つ、第2列横配線部(X)の幅方向(D)の長さが、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)の幅方向(D)の長さよりも短く形成されたパターンである。
従って、第1列横配線部(X)の幅方向(D)の長さをLX1とし、第2列横配線部(X)の幅方向(D)の長さをLX2とし、第3列横配線部(X)の幅方向(D)の長さをLX3とした場合、「LX1>LX2」且つ「LX3>LX2」である。
また、各々の長短の程度は特に限定されないが、例えば、0.05≦LX2/{(LX1+LX3)/2}<1とすることができる。この値は、0.2≦LX2/{(LX1+LX3)/2}≦0.95が好ましく、0.5≦LX2/{(LX1+LX3)/2}≦0.9がより好ましい。特に、LX2/{(LX1+LX3)/2}が0.5以上である場合には、第1列横配線部(X)と第2列横配線部(X)と第3列横配線部(X)の各々の長さが過度に異なることが抑制される。この形態は、後述するように、抵抗発熱配線(12)が、正の抵抗発熱係数を有する場合に特に好適である。即ち、長さが過度に異なることが抑制されることによって、抵抗発熱配線(12)が自律的に発熱状態を均一化させ易くすることができる。
ここで、第1列横配線部(X)と第3列横配線部(X)との幅方向(D)の長さは、いずれかが一方が他方に比べて長く形成されてもよく、同じ長さであってもよい。
上記パターン(P)は、第1列横配線部(X)が、第2列横配線部(X)に比べて短く、且つ、第2列横配線部(X)が、第3列横配線部(X)に比べて長く形成されたパターンである。
即ち、換言すれば、第2列横配線部(X)が、掃引方向(D)において、第1列横配線部(X)と第3列横配線部(X)との間に配置され、且つ、第2列横配線部(X)の幅方向(D)の長さが、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)の幅方向(D)の長さよりも長く形成されたパターンである。
従って、第1列横配線部(X)の幅方向(D)の長さをLX1とし、第2列横配線部(X)の幅方向(D)の長さをLX2とし、第3列横配線部(X)の幅方向(D)の長さをLX3とした場合、「LX1<LX2」且つ「LX3<LX2」である。
また、各々の長短の程度は特に限定されないが、例えば、1<LX2/{(LX1+LX3)/2}≦5とすることができる。この値は、1.05≦LX2/{(LX1+LX3)/2}≦3が好ましく、1.1≦LX2/{(LX1+LX3)/2}≦2がより好ましい。特に、LX2/{(LX1+LX3)/2}が2以下である場合には、第1列横配線部(X)と第2列横配線部(X)と第3列横配線部(X)の各々の長さが過度に異なることが抑制される。この形態は、後述するように、抵抗発熱配線(12)が、正の抵抗発熱係数を有する場合に特に好適である。即ち、長さが過度に異なることが抑制されることによって、抵抗発熱配線(12)が自律的に発熱状態を均一化させ易くすることができる。
ここで、第1列横配線部(X)と第3列横配線部(X)との幅方向(D)の長さは、いずれかが一方が他方に比べて長く形成されてもよく、同じ長さであってもよい。
また、パターン(P)及びパターン(P)は、1つの抵抗発熱配線(12)が、これらの両方の特性を備えていてもよい。具体的には、例えば、幅方向(D)に所定の長さを有する横配線部(X)と、幅方向(D)の長さが横配線部(X)よりも短い横配線部(X’)と、を掃引方向に交互に備えたパターンを有する抵抗発熱配線(12)は、パターン(P)と、パターン(P)と、の両方の特性を有することになる。
尚、第1列横配線部(X)の幅方向(D)の長さLX1、第2列横配線部(X)の幅方向(D)の長さLX2、第3列横配線部(X)の幅方向(D)の長さLX3、など、横配線部の長さの測定は、図4及び図5に示す通りである。即ち、掃引方向に対して垂直な仮想線(U)を想定し、この仮想線(U)によって区画される最長の長さを各々の横配線部の長さであるとする。
上述のパターン(P)及びパターン(P)は、基体上に配設された複数の抵抗発熱配線(12)のうちの少なくとも1本の抵抗発熱配線のパターンとして、パターン(P)又はパターン(P)の少なくともいずれかを有していればよいが、基体上に配設された複数の抵抗発熱配線(12)のうち、異なる2本の抵抗発熱配線のパターンとして、パターン(P)とパターン(P)との両方を有することが好ましい。
このように、異なる2本の抵抗発熱配線(12)のパターンとして、パターン(P)とパターン(P)との両方を有するヒータでは、これらのパターン(P)及びパターン(P)は、不規則に配置されていてもよいが、両者が隣り合って配置されてもよい(図3、図8−図14参照)。
両者が隣り合って配置される場合には、横配線部(X)同士の凹凸を噛み合わせることができるため、縦配線部(Y)によって形成される掃引軌跡を、幅方向(D)で重ならないように分散させながら、密な全体パターンを形成できる。このため、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。更には、少なくとも3本の隣り合った抵抗発熱配線(12)において、パターン(P)とパターン(P)とが交互に配置されていることが好ましい。即ち、例えば、パターン(P)とパターン(P)とパターン(P)とが幅方向(D)にこの順に並んで配置された態様や、パターン(P)とパターン(P)とパターン(P)とが幅方向(D)にこの順に並んで配置された態様等が挙げられる。
また、特に、パターン(P)及びパターン(P)とは、後述するように、同じ条件下で測定される抵抗値が同じであることが好ましく、とりわけ長さが同じパターン(横配線部と縦配線部との合計長さが同じ)であることが好ましい。
更に、1つの基体上に配置される抵抗発熱配線(12)の数は特に限定されないが、例えば、3以上とすることができる。上限は、基体の幅方向の長さによって適宜の数とすることができるが、例えば、24以下とすることができる。
また、抵抗発熱配線(12)は、どのように配置してもよく、配置についても特に限定されないが、例えば、掃引方向(D)とは略垂直である幅方向(D)に、並べて配置することができる。
更に、複数の抵抗発熱配線(12)が、幅方向(D)に並んで配置される場合には、各抵抗発熱配線(12)が有する縦配線部(Y)は、隣り合った抵抗発熱配線(12)同士において、対向されなくてもよいが、本ヒータでは、隙間を介して対向されることが好ましい。即ち、隣り合った抵抗発熱配線(12)の縦配線部(Y)同士が隙間を介して対向されて、対向箇所(Z)を形成していることが好ましい(図3参照)。
(2)対向箇所(A〜C)の相関について
本ヒータにおいて、掃引方向(D1)に少なくとも3列の横配線部(X)を備えた抵抗発熱配線(12)が、幅方向(D2)に少なくとも4つ並んで配置されている場合には、下記のように、対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡(T)が、対向箇所(A)と対向箇所(C)の間であって、且つ、いずれか一方の側へ偏って位置させることによって、均熱性に優れたヒータとすることができる(図6参照)。
即ち、本ヒータでは、掃引方向(D)とは略垂直である幅方向(D)に、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)の順に並んで、少なくとも4つの抵抗発熱配線(12)を備えた形態において、隣り合った抵抗発熱配線(12)の縦配線部(Y)同士で対向箇所を形成することができる。
この場合において、第1配線(L)の第1列横配線部(X11)及び第2列横配線部(X12)を繋ぐ縦配線部(Y112)と、第2配線(L)の第1列横配線部(X21)及び第2列横配線部(X22)を繋ぐ縦配線部(Y212)と、が隙間を介して対向された対向箇所を、対向箇所(A)とし、
第2配線(L)の第2列横配線部(X22)及び第3列横配線部(X23)を繋ぐ縦配線部(Y223)と、第3配線(L)の第2列横配線部(X32)及び第3列横配線部(X33)を繋ぐ縦配線部(Y323)と、は隙間を介して対向された対向箇所を、対向箇所(B)とし、
第3配線(L)の第1列横配線部(X31)及び第2列横配線部(X32)を繋ぐ縦配線部(Y312)と、第4配線(L)の第1列横配線部(X41)及び第2列横配線部(X42)を繋ぐ縦配線部(Y412)と、は隙間を介して対向された対向箇所を、対向箇所(C)とした場合に、
対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡(T)が、対向箇所(A)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(C)の隙間の掃引軌跡(T)と、の間に位置されるとともに、対向箇所(A)の隙間の掃引軌跡(T)、及び、対向箇所(C)の隙間の掃引軌跡(T)、のいずれか一方の側へ偏って位置されることが好ましい(図6参照)。
即ち、この形態のために、対向箇所(B)を形成している縦配線部(Y223)及び縦配線部(Y323)の2本の縦配線部が共に、対向箇所(A)又は対向箇所(C)の側へ偏って配置されることが好ましい。
対向箇所(B)は、どの程度、対向箇所(A)又は対向箇所(C)の側へ偏っていてもよいが、例えば、対向箇所(A)の隙間の掃引軌跡(T)と対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡(T)との間隙の幅方向(D)の長さをWABとし、対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡(T)と対向箇所(C)の隙間の掃引軌跡(T)との間隙の幅方向(D)の長さをWBCとした場合(図6参照)に、0.02≦WAB/WBC≦50とすることができる。この値は、0.1≦WAB/WBC≦10が好ましく、0.15≦WAB/WBC≦6.5がより好ましい。
このように、対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡が、対向箇所(A)と対向箇所(C)との各々の隙間の掃引軌跡の間に位置され、且つ、対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡が、対向箇所(A)及び対向箇所(C)の各々の隙間の掃引軌跡のいずれか一方の側へ偏って位置されている場合には、縦配線部(Y)が密集した領域である対向箇所が、掃引方向(D)に規則的に現れることを防止することができる。このため、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
前述したパターン(P)及びパターン(P)の形態は、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、及び、第4配線(L)のいずれの抵抗発熱配線も有さず、これらの以外の抵抗発熱配線がパターン(P)及び/又はパターン(P)を有することによってヒータとして成立していてもよい。しかしながら、本ヒータでは、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、及び、第4配線(L)のうちの少なくとも1つの抵抗発熱配線が、パターン(P)又はパターン(P)を有することが好ましい。
更に、本ヒータでは、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、及び、第4配線(L)のうちの、第2配線(L)及び第3配線(L)が、パターン(P)及びパターン(P)を、各々有することが好ましい。即ち、例えば、第2配線(L)がパターン(P)を有し、第3配線(L)がパターン(P)を有する態様や、第2配線(L)がパターン(P)を有し、第3配線(L)がパターン(P)を有する態様であることが好ましい。このような態様は、各々抵抗発熱配線が存在する領域をよりコンパクトに集約することができ、自己温度均衡作用の観点から好ましい。(図8、図10−図14参照)。
(3)対向箇所(D〜E)の相関について
本ヒータにおいて、掃引方向(D1)に少なくとも4列の横配線部(X)を備えた抵抗発熱配線(12)が、幅方向(D2)に少なくとも2つ並んで配置されている場合には、下記のように、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡と、が重ならないように幅方向へ離間されていることによって、均熱性に優れたヒータとすることができる(図7参照)。
本ヒータでは、抵抗発熱配線(12)が、掃引方向(D)に、第1列、第2列、第3列、第4列の順に並んで配置された少なくとも4列の横配線部(X)を有することができる。本ヒータを構成する抵抗発熱配線(12)は、横配線部(X)としてこれら4列のみを有するパターンであってもよいが、5列以上の横配線部(X)を備えてもよい。また、5列以上の横配線部(X)を備える場合には、第1列、第2列、第3列、第4列は、抵抗発熱配線(12)のどの横配線部(X)の連続された4本を取り出したものであってもよい。
そして、本ヒータに配設された抵抗発熱配線(12)は、各々、これらの横配線部(X)間を接続する縦配線部(Y)を備えている。更に、これらの横配線部(X)と縦配線部(Y)とが結ばれて、全体として抵抗発熱配線(L及びL)はつづら折りパターンとされている。
また、本ヒータでは、上述のような、少なくとも4列の横配線部(X)を有した抵抗発熱配線(12)を隣り合って、少なくとも2つ備えることができる。
即ち、掃引方向(D)とは略垂直である幅方向(D)に、少なくとも4列の横配線部(X)を有した所定の抵抗発熱配線(L)と、少なくとも4列の横配線部(X)を有した所定の抵抗発熱配線(L)との2つの抵抗発熱配線(12)を、隣り合って配置することができる。そして、この形態において、抵抗発熱配線(L及びL)の縦配線部(Y)同士で対向箇所を形成することができる。
このような場合には、抵抗発熱配線(L)の第1列横配線部(XS1)及び第2列横配線部(XS2)を繋ぐ縦配線部(YS12)と、抵抗発熱配線(L)の第1列横配線部(XT1)及び第2列横配線部(XT2)を繋ぐ縦配線部(YT12)と、が隙間を介して対向された対向箇所を、対向箇所(D)とし、
抵抗発熱配線(L)の第3列横配線部(XS3)及び第4列横配線部(XS4)を繋ぐ縦配線部(YS34)と、抵抗発熱配線(L)の第3列横配線部(XT3)及び第4列横配線部(XT4)を繋ぐ縦配線部(YT34)と、が隙間を介して対向された対向箇所を、対向箇所(E)とした場合に、
対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、は重ならないことが好ましく、更には、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、が幅方向へ離間されていることが好ましい(図7参照)。
即ち、掃引軌跡(T)と掃引軌跡(T)との離間距離WDEが0μmを超えることが好ましい。より具体的には、WDEは、掃引軌跡(T)及び掃引軌跡(T)のうちの幅(幅方向Dにおける幅)がより小さい掃引軌跡の幅と同じであるか、それよりも大きいことが好ましい。一方、このWDEは、掃引軌跡(T)の幅と、掃引軌跡(T)の幅と、の積算幅よりは小さいことが好ましい。このような態様は、各々抵抗発熱配線が存在する領域をよりコンパクトに集約することができ、自己温度均衡作用の観点から好ましい。
このように、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、が重ならず、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、が幅方向へ離間されている場合には、縦配線部(Y)が密集した領域である対向箇所が、掃引方向(D)に規則的に現れることを防止することができる。このため、掃引方向に幅狭なヒータにおいても均熱性に優れたヒータとすることができる。
尚、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、及び、第4配線(L)において、前述したパターン(P)及びパターン(P)と形態は、どの配線が備えてもよく、また、備えていなくてもよく、特に限定されない。
また、当然ながら、抵抗発熱配線(12)が、掃引方向(D)に、第1列、第2列、第3列、第4列の順に並んで配置された少なくとも4列の横配線部(X)を有し、更には、これらの横配線部(X)間を接続する縦配線部(Y)を備えて、横配線部(X)と縦配線部(Y)とが結ばれて、全体として抵抗発熱配線(L及びL)はつづら折りパターンとされ、更に、幅方向(D)に、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)の順に並んで、少なくとも4つの抵抗発熱配線(12)を備えた形態であって、隣り合った抵抗発熱配線(12)の縦配線部(Y)同士で対向箇所を形成している場合には、前述した対向箇所(A)〜(E)の全ての対向箇所を同時に備えることができる。
即ち、対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡(T)が、対向箇所(A)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(C)の隙間の掃引軌跡(T)と、の間に位置されるとともに、対向箇所(A)の隙間の掃引軌跡(T)、及び、対向箇所(C)の隙間の掃引軌跡(T)、のいずれか一方の側へ偏って位置され、且つ、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、は重ならず、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、が幅方向へ離間された形態とすることができる(図12−図14参照)。
(4)抵抗発熱配線について
本ヒータに配設される抵抗発熱配線(12)において、横配線部(X)と縦配線部(Y)とは、同じ長さであってもよいし、いずれか一方がより長く形成されていてもよいが、横配線部(X)が縦配線部(Y)よりも長く形成されていることが好ましい。前述した各パターンは、横配線部(X)が縦配線部(Y)よりも長く形成されたパターンにおいてより効果的に機能されるからである。
横配線部(X)が縦配線部(Y)よりも長く形成されている場合、その程度は特に限定されないが、横配線部(X)の幅方向(D)の長さをLとし、縦配線部(Y)の掃引方向(D)の長さをLとした場合に、例えば、1<L/L≦1000とすることができる。この割合は、1.5≦L/L≦300が好ましく、2≦L/L≦150がより好ましい。
尚、横配線部(X)の幅方向(D)の長さLの測定は、前述と同様に、図4及び図5に示す通りである。即ち、掃引方向に対して垂直な仮想線(U)を想定し、この仮想線(U)によって区画される最長の長さを横配線部(X)の長さLとする。一方、縦配線部(Y)の掃引方向(D)の長さLの測定は、図4及び図5に示す通りである。即ち、掃引方向に対して垂直な仮想線(U)を想定し、この仮想線(U)によって区画される最長の長さを縦配線部(Y)の長さLとする。
また、抵抗発熱配線(12)を構成する横配線部(X)及び縦配線部(Y)は、各々曲線であってもよいが、本ヒータでは直線的なパターンであることが好ましい。
更に、抵抗発熱配線(12)を構成する横配線部(X)は、掃引方向(D)に対して略垂直に配置されればよい。具体的には、掃引方向(D)に対して90度に配置されてもよく、掃引方向(D)に対して所定の角度で傾斜されてもよい。このうち、掃引方向(D)に対して傾斜されている場合は、通常、掃引方向(D)に対して80度を超えて100度以下(但し、90度を除く)の範囲である。また、横配線部(X)は、複数列存在するが、これらは、互いに平行でなくてもよいが、互いに平行であることが好ましい。
一方、抵抗発熱配線(12)を構成する縦配線部(Y)は、隣り合った横配線部(X)同士を電気的に接続できればよく、配置形態は特に限定されないが、通常、掃引方向(D)に対して平行又は傾斜して配置される。具体的には、掃引方向(D)に対して0度に配置されてもよく、掃引方向(D)に対して所定の角度で傾斜されてもよい。このうち、掃引方向(D)に対して傾斜されている場合は、掃引方向(D)に対して−80度以上80度以下の範囲とすることができる。この角度は、更に、−60度以上60度以下が好ましく、−50度以上50度以下がより好ましい。
また、縦配線部(Y)同士は、各々異なる配置形態とすることができるが、各対向箇所を形成するという観点では、隣り合った異なる抵抗発熱配線同士の縦配線部(Y)は略平行であることが好ましい。即ち、例えば、前述のように、対向箇所(A)を構成する第1配線(L)の縦配線部(Y112)と第2配線(L)の縦配線部(Y212)とは、略平行であることが好ましい。このことは、対向箇所(B)〜(E)及びその他の対向箇所においても同様である。
本ヒータの抵抗発熱配線を構成する導電材料は、通電によりその抵抗値に応じた発熱ができる導電材料である。抵抗発熱配線に用いる導電材料の種類は特に限定されないが、例えば、銀、銅、金、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブデン、レニウム(Re)及びルテニウム(Ru)等を用いることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合においては合金とすることができる。より具体的には、銀−パラジウム合金、銀−白金合金、白金−ロジウム合金、銀−ルテニウム、銀、銅及び金等を利用できる。
また、各抵抗発熱配線は、どのような抵抗発熱特性を有してもよいが、各抵抗発熱配線の間で、自己温度均衡作用(自己温度補完作用)を発揮できることが好ましい。その観点から、抵抗発熱配線を構成する導電材料は、正の抵抗発熱係数を有することが好ましい。具体的には、−200℃以上1000℃以下の温度範囲における抵抗温度係数が100ppm/℃以上4400ppm/℃以下であることが好ましく、更には、300ppm/℃以上3700ppm/℃以下であることがより好ましく、500ppm/℃以上3000ppm/℃以下であることが特に好ましい。このような材料としては、銀−パラジウム合金等の銀系合金が挙げられる。
このように、正の抵抗温度係数を有する導電材料を用いて形成された抵抗発熱配線が並列に接続されている場合、これらの複数の抵抗発熱配線同士は自己温度均衡の作用を奏する。即ち、例えば、第1の抵抗発熱配線と第3の抵抗発熱配線とに挟まれて、第2の抵抗発熱配線がある場合、第2の抵抗発熱配線の温度が低下すると、熱が周囲の第1の抵抗発熱配線及び第3の抵抗発熱配線から補われることとなる。そうすると、温度が低下した第1の抵抗発熱配線及び第3の抵抗発熱配線への電流が増加して、奪われた熱による温度低下を自律的に回復しようとする作用が働くこととなる。つまり、第2の抵抗発熱配線の周囲の抵抗発熱配線が、第2の抵抗発熱配線の温度低下を補完するように振る舞うこととなる。このように、本ヒータは、複数の抵抗発熱配線にわたって均一に発熱するように自律的に制御することができる。
抵抗発熱配線の寸法(幅、長さ、厚さ等)は特に限定されず、使用する導電材料や求められる電気特性に応じて、適宜決めることができる。但し、より優れた自己温度均衡の作用を得るという観点から、抵抗発熱配線のうちの所定の抵抗発熱配線(L)の第1列横配線部(XQ1)の掃引軌跡と、第2列横配線部(XQ2)の掃引軌跡と、第3列横配線部(XQ3)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)は、第1列横配線部(XQ1)、第2列横配線部(XQ2)及び第3列横配線部(XQ3)の合計長さに対して、8%以上(上限は33.333%)であることが好ましい。この範囲であることによって、各々抵抗発熱配線が、存在する領域がよりコンパクトとなり、上記範囲外である場合に比べて、より優れた自己温度均衡の作用を得ることができる。この値は、更に、10%以上がより好ましく、19%以上が特に好ましい。尚、この割合は、大きい方が好ましいものの、例えば、33%以下、更には32%以下、特に31%以下とすることができる。
また、各抵抗発熱配線同士が、実質的に同一の発熱量になるようにする場合には、各抵抗発熱配線が実質的に同じ抵抗値となるように形成すればよい。その場合、抵抗発熱配線は、同じ線長、同じ線幅及び同じ厚さで、同様の配線パターンとして形成することができる。抵抗発熱配線の厚さは、例えば、面積固有抵抗の観点から3μm以上40μm以下とすることができる。
尚、実質的に同一の発熱量を有するとは、各抵抗発熱配線が、同じ測定条件下において、実質的に同じ抵抗温度係数と抵抗値を有することを意味する。例えば、抵抗発熱配線間での抵抗温度係数の差異が±20%以内であり、且つ、抵抗発熱配線間での抵抗値の差異が±10%以内とすることができる。
(5)基体について
基体(11)は、抵抗発熱配線を指示する基板である。
基体の寸法や形状は特に限定されないが、掃引方向(D)の長さよりも幅方向(D)の長さが長い形状である場合に、特に本発明に構成による効果を得易い。具体的には、例えば、基体の掃引方向(D)の長さをLD1とし、基体の幅方向(D)の長さをLD2とした場合に、長さの比(LD1/LD2)は、0.001以上0.25以下とすることができる。この比は、更に、0.005以上0.2以下が好ましく、0.01以上0.15以下がより好ましい。また、その厚さは、例えば、基体の材質や寸法等に応じて0.1〜20mmとすることができる。
基体の材質は、その表面上で抵抗発熱配線を発熱させられればよく、特に限定されない。基体として、例えば、金属、セラミックス及びこれらの複合材料等を利用できる。金属等の導電材を用いる場合には、基体はその導電材上に絶縁層(図示せず)を設けて構成することができる。この場合、抵抗発熱配線は、絶縁層上に形成されることとなる。
基体を構成する金属としては、スチール等を挙げることができ、なかでもステンレスを好適に用いることができる。ステンレスの種類は特に限定されず、フェライト系ステンレス及び/又はオーステナイト系ステンレスが好ましい。更にこれらのステンレスのなかでも、特に耐熱性及び/又は耐酸化性に優れた品種が好ましい。例えば、SUS430、SUS436、SUS444、SUS316L等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
更に、基体を構成する金属として、アルミニウム、マグネシウム、銅及びこれらの金属の合金を用いることができる。これらは1種のみで用いてもよく2種以上を併用してもよい。そのうち、アルミニウム、マグネシウム、及び、これらの合金(アルミニウム合金、マグネシウム合金、Al−Mg合金等)は比重が小さいため、これらを採用することによって本ヒータの軽量化を図ることができる。また、銅及びその合金は、熱伝導性に優れているため、これらを採用することによって本ヒータの均熱性の向上を図ることができる。
前述のとおり、基体を構成する材料として導電材を用いる場合には、その導電材上に絶縁層を設けることが好ましい。絶縁層の材料は、基体を構成する導電材と抵抗発熱配線との間の電気的絶縁を達することができればよく、特に限定されないが、特にガラス、セラミックス、ガラス・セラミックス等が好ましい。これらのなかでも、基体を構成する材料として金属(ステンレス等)を用いる場合、絶縁層の材料は、その熱膨張バランスの観点から、ガラスが好ましく、結晶化ガラス及び半結晶化ガラスがより好ましい。具体的には、SiO−Al−MO系ガラスが好ましい。ここで、MOは、アルカリ土類金属の酸化物(MgO、CaO、BaO、SrO等)である。絶縁層の厚さは特に限定されないが、30〜200μmであることが好ましい。
また、セラミックスを用いて基体を構成する場合には、高温において、基体上に設けられる抵抗発熱配線との間の電気的絶縁を達することができるものであればよい。例えば、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、ジルコニア、シリカ、ムライト、スピネル、コージェライト、窒化ケイ素等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらのうち、酸化アルミニウム及び窒化アルミニウムが好ましい。また、金属とセラミックスとの複合材料としては、SiC/Cや、SiC/Al等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
尚、前述のように、ヒータの発熱面と被加熱物とを対面された状態で、被加熱物とヒータとを相対的に掃引方向(D)に掃引させて被加熱物を加熱する場合、基体の掃引方向(D)の断面形状は、掃引方向(D)と直交する軸を中心として被加熱物との対面側に凸状な円弧形状(即ち、円柱又は円筒を、中心軸に平行な平面で切り取った形状)とすることができる。そして、各抵抗発熱配線は、凸状の面上に配設することもできるし、反対側の面(凹状の面)上に配設することもできる。このような形状とすることにより、ヒータを円筒状のロールに取り付け、ロールを回転させることによって、ロール上を掃引される被加熱物を効率的に加熱することができる。
(6)その他の回路等について
本ヒータは、前述の抵抗発熱配線以外にも、他の回路を備えることができる。他の回路としては、抵抗発熱配線へ電極を供給するための給電配線、本ヒータへ電極を供給するための外部配線を接続するランド等が挙げられる。これらは1種のみを備えてもよく2種以上を備えてもよい。
抵抗発熱配線は、それ自体が、給電配線部(R)を備えていてもよい(図15)。
(7)用途について
本ヒータは、印刷機、複写機、ファクシミリ等の画像形成装置や定着装置等に組み込まれて、記録媒体にトナーやインク等を定着する定着用ヒータとして利用できる。また、加熱機に組み込まれて、パネル等の被処理体を均一に加熱(乾燥又は焼成など)する加熱装置として利用できる。その他、金属製品の熱処理、各種形状の基体に形成された塗膜、被膜の熱処理等を好適に行うことができる。具体的には、フラットパネルディスプレイ用の塗膜(フィルター構成材料)の熱処理、塗装された金属製品、自動車関連製品、木工製品等の塗装乾燥、静電植毛接着乾燥、プラスチック加工製品の熱処理、プリント基板のはんだリフロー、厚膜集積回路の印刷乾燥等に利用することができる。
(8)実施形態について
以上より、本ヒータは、例えば、以下のような実施形態とすることができる。尚、以下の実施の形態に係る図8−図15は、図面上に符号を付すことができるよう、アスペクト比を変更(掃引方向(D)が大きくなり、幅方向(D)に小さくなるように変更)して表した模式的な平面図である。
〈実施の形態1〉
実施の形態1のヒータを模式的に表す平面図を図8に示した。
実施の形態1のヒータは、基体11を有する。この基体11は、掃引方向(D)の長さLD1と幅方向(D)の長さLD2との比(LD1/LD2)が、0.013以上0.076以下とされて、掃引方向(D)の長さよりも幅方向(D)の長さが長い形状である(以下の実施形態では、いずれも同様の基体である)。また、基体11上に、各別に給電を受ける5本の抵抗発熱配線12と、を備える。各抵抗発熱配線は、銀−パラジウム合金を含むペーストの焼き付けによって形成されており、各々正の抵抗発熱係数を有し、各抵抗発熱配線間での抵抗温度係数の差異は±20%以内とされている(以下の実施形態では、いずれも同様の抵抗発熱配線である)。
また、これらの全ての抵抗発熱配線12は、掃引方向Dに、第1列、第2列、第3列の順に並んで配置された3列の横配線部(X)と、横配線部間を接続する縦配線部(Y)とを有している。全ての横配線部(X)は、いずれも、縦配線部(Y)よりも長く形成され、更に、全ての縦配線(Y)は掃引方向Dに対して傾斜してパターニングされている。そして、横配線部(X)は、縦配線部(Y)によって電気的に接続されてつづら折り状に形成されている。
更に、これら5本の抵抗発熱配線12は、掃引方向Dとは垂直である幅方向Dに、図8の左側から、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)、第5配線(L)の順で並んで配置され、このうち、第2配線(L)及び第4配線(L)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より長く形成されたパターン(P)を有している。更に、第3配線(L)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より短く形成されたパターン(P)を有している。即ち、実施の形態1のヒータ(1)は、パターン(P)及びパターン(P)の両方を異なる抵抗発熱配線として同時に有し、更に、パターン(P)及びパターン(P)は隣り合って配置されている。
また、第1配線(L)の第1列横配線部(X11)及び第2列横配線部(X12)を繋ぐ縦配線部(Y112)と、第2配線(L)の第1列横配線部(X21)及び第2列横配線部(X22)を繋ぐ縦配線部(Y212)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(A)を形成している。同様に、第2配線(L)の第2列横配線部(X22)及び第3列横配線部(X23)を繋ぐ縦配線部(Y223)と、第3配線(L)の第2列横配線部(X32)及び第3列横配線部(X33)を繋ぐ縦配線部(Y323)と、は隙間を介して対向されて対向箇所(B)を形成している。更に同様に、第3配線(L)の第1列横配線部(X31)及び第2列横配線部(X32)を繋ぐ縦配線部(Y312)と、第4配線(L)の第1列横配線部(X41)及び第2列横配線部(X42)を繋ぐ縦配線部(Y412)と、は隙間を介して対向されて対向箇所(C)を形成している。
そして、対向箇所(B)の隙間の掃引軌跡Tは、対向箇所(A)の隙間の掃引軌跡Tと、対向箇所(C)の隙間の掃引軌跡Tと、の間に位置されるとともに、対向箇所(A)の隙間の掃引軌跡Tの側へ偏って位置されている。即ち、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間隙距離をWABとし、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間隙距離をWBCとした場合に、WAB<WBCとなっている。
このように、実施の形態1のヒータは、各別に給電を受ける5本の抵抗発熱配線12を備えながら、各抵抗発熱配線同士は、掃引方向Dにおける加熱領域が共有され、しかも、隣接された抵抗発熱配線の縦配線部(Y)同士の対向箇所が幅方向Dで重ならないように分散され、掃引方向Dに規則的に現れることを防止しながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとすることができている。これによって、掃引方向(D)に横配線部(X)が3段しかない幅狭なヒータであっても、正常に自己温度均衡を機能させ、均熱性に優れたヒータとすることができる。
尚、当然ながら、図8に示した形態を左右鏡像反転させたパターンとすることもでき、同じ効果を得ることができる。以下の他の実施の形態でも同様である。
更に、各縦配線部(Y)は、図8では、いずれも同じ角度で同じ方向へ傾斜されているが、これらは各々独立して異なる角度であってもよいし、また、各々独立して異なる方向へ傾斜されていてもよい。更には、傾斜された縦配線部(Y)と、傾斜されない(掃引方向Dに平行)縦配線部(Y)とが混在されてもよい。以下の他の実施の形態でも同様である。
〈実施の形態2〉
実施の形態2のヒータを模式的に表す平面図を図9に示した。
実施の形態1のヒータは、基体11と、この基体11上に、各別に給電を受ける5本の抵抗発熱配線12と、を備える。これらの全ての抵抗発熱配線12は、掃引方向Dに、第1列、第2列、第3列の順に並んで配置された3列の横配線部(X)と、横配線部間を接続する縦配線部(Y)とを有している。全ての横配線部(X)は、いずれも、縦配線部(Y)よりも長く形成され、更に、全ての縦配線(Y)は掃引方向Dに対して傾斜してパターニングされている。そして、横配線部(X)は、縦配線部(Y)によって電気的に接続されてつづら折り状に形成されている。
更に、これら5本の抵抗発熱配線12は、掃引方向Dとは垂直である幅方向Dに、図9の左側から、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)、第5配線(L)の順で並んで配置され、このうち、第1配線(L)及び第5配線(L)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より短く形成されたパターン(P)を有している。更に、第3配線(L)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より長く形成されたパターン(P)を有している。即ち、実施の形態2のヒータ(1)は、パターン(P)及びパターン(P)の両方を異なる抵抗発熱配線として同時に有している。但し、パターン(P)及びパターン(P)は隣り合って配置されてはいない。
また、実施の形態1のヒータ(図8)と同様に、対向箇所(A)、対向箇所(B)、対向箇所(C)を有し、掃引軌跡Tは、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間に位置されるとともに、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されている。即ち、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間隙距離をWABとし、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間隙距離をWBCとした場合に、WAB<WBCとなっている。
このように、実施の形態2のヒータは、各別に給電を受ける5本の抵抗発熱配線12を備えながら、各抵抗発熱配線同士は、掃引方向Dにおける加熱領域が共有され、しかも、隣接された抵抗発熱配線の縦配線部(Y)同士の対向箇所が幅方向Dで重ならないように分散され、掃引方向Dに規則的に現れることを防止しながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとすることができている。これによって、掃引方向(D)に横配線部(X)が3段しかない幅狭なヒータであっても、正常に自己温度均衡を機能させ、均熱性に優れたヒータとすることができる。
〈実施の形態3〉
実施の形態3のヒータを模式的に表す平面図を図10に示した。
実施の形態3のヒータは、基体11と、この基体11上に、各別に給電を受ける5本の抵抗発熱配線12と、を備える。これらの全ての抵抗発熱配線12は、掃引方向Dに、第1列、第2列、第3列の順に並んで配置された3列の横配線部(X)と、横配線部間を接続する縦配線部(Y)とを有している。全ての横配線部(X)は、いずれも、縦配線部(Y)よりも長く形成され、更に、全ての縦配線(Y)は掃引方向Dに対して傾斜してパターニングされている。そして、横配線部(X)は、縦配線部(Y)によって電気的に接続されてつづら折り状に形成されている。
更に、これら5本の抵抗発熱配線12は、掃引方向Dとは垂直である幅方向Dに、図10の左側から、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)、第5配線(L)の順で並んで配置され、このうち、第2配線(L)及び第4配線(L)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より短く形成されたパターン(P)を有している。更に、第3配線(L)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より長く形成されたパターン(P)を有している。即ち、実施の形態3のヒータ(1)は、パターン(P)及びパターン(P)の両方を異なる抵抗発熱配線として同時に有し、更に、パターン(P)及びパターン(P)は隣り合って配置されている。
また、実施の形態1のヒータ(図8)及び実施の形態2のヒータ(図9)と同様に、対向箇所(A)、対向箇所(B)、対向箇所(C)を有し、掃引軌跡Tは、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間に位置されるとともに、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されている。即ち、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間隙距離をWABとし、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間隙距離をWBCとした場合に、WAB<WBCとなっている。
このように、実施の形態3のヒータは、各別に給電を受ける5本の抵抗発熱配線12を備えながら、各抵抗発熱配線同士は、掃引方向Dにおける加熱領域が共有され、しかも、隣接された抵抗発熱配線の縦配線部(Y)同士の対向箇所が幅方向Dで重ならないように分散され、掃引方向Dに規則的に現れることを防止しながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとすることができている。これによって、掃引方向(D)に横配線部(X)が3段しかない幅狭なヒータであっても、正常に自己温度均衡を機能させ、均熱性に優れたヒータとすることができる。
上述した実施の形態1、実施の形態2及び実施の形態3では、実施の形態3よりも、実施の形態1及び実施の形態2が、均熱の観点からより好ましい。これは、実施の形態1のヒータ(図8)及び実施の形態2のヒータ(図9)が備える第2配線(L)、第3配線(L)及び第4配線(L)は、実施の形態3のヒータ(図10)が備える第2配線(L)、第3配線(L)及び第4配線(L)よりも、横配線部(X)同士の掃引軌跡の重複領域が大きいためである。
即ち、実施の形態3のヒータの第2配線(L)は、第1列横配線部(X21)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X22)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X23)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)が、第1列横配線部(X21)、第2列横配線部(X22)及び第3列横配線部(X23)の合計長さに対して、11.8%である。また、実施の形態3のヒータの第3配線(L)は、第1列横配線部(X31)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X32)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X33)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)が、存在しない形状である。更に、実施の形態3のヒータの第4配線(L)は、第1列横配線部(X41)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X42)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X43)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)が、第1列横配線部(X41)、第2列横配線部(X42)及び第3列横配線部(X43)の合計長さに対して、11.8%である。
これに対して、実施の形態1のヒータの第2配線(L)は、第1列横配線部(X21)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X22)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X23)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)が、第1列横配線部(X21)、第2列横配線部(X22)及び第3列横配線部(X23)の合計長さに対して、24.3%である。また、実施の形態1のヒータの第3配線(L)は、第1列横配線部(X31)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X32)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X33)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)が、第1列横配線部(X31)、第2列横配線部(X32)及び第3列横配線部(X33)の合計長さに対して、16.6%である。更に、実施の形態1のヒータの第4配線(L)は、第1列横配線部(X41)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X42)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X43)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)が、第1列横配線部(X41)、第2列横配線部(X42)及び第3列横配線部(X43)の合計長さに対して、24.3%である。
更に、実施の形態2のヒータの第2配線(L)は、第1列横配線部(X21)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X22)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X23)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)が、第1列横配線部(X21)、第2列横配線部(X22)及び第3列横配線部(X23)の合計長さに対して、20.5%である。また、実施の形態2のヒータの第3配線(L)は、第1列横配線部(X31)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X32)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X33)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)が、第1列横配線部(X31)、第2列横配線部(X32)及び第3列横配線部(X33)の合計長さに対して、16.6%である。更に、実施の形態2のヒータの第4配線(L)は、第1列横配線部(X41)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X42)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X43)の掃引軌跡と、が全て重複する長さ(K)が、第1列横配線部(X41)、第2列横配線部(X42)及び第3列横配線部(X43)の合計長さに対して、20.5%である。
このように、実施の形態1〜3の各ヒータの第2配線(L)、第3配線(L)及び第4配線(L)の横配線部(X)同士の掃引軌跡の重複を比較すると、実施の形態3に比べて、実施の形態1及び実施の形態2は、大きくなっている。これによって、第2配線(L)、第3配線(L)及び第4配線(L)の各抵抗発熱配線が存在する領域がコンパクトになり、より優れた自己温度均衡の作用を得ることができるからである。
一方で、実施の形態3のヒータにおける第3配線(L)は、第1列横配線部(X31)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X32)の掃引軌跡と、の2つの掃引軌跡が同時に重複する形状となっている。また、第2列横配線部(X32)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X33)の掃引軌跡と、の2つの掃引軌跡が同時に重複する形状となっている。しかしながら、第1列横配線部(X31)の掃引軌跡と、第2列横配線部(X32)の掃引軌跡と、第3列横配線部(X33)の掃引軌跡と、の3つの掃引軌跡が同時に重複しない形状となっている。
このように抵抗発熱配線は、掃引軌跡の重複量が少ない形状とすることで、掃引軌跡の重複量が多い形状の抵抗発熱配線に比べて、抵抗発熱配線が存在する領域をコンパクトにまとめ難くなる。しかしながら、実施の形態3のヒータでは、第3配線(L)を、掃引軌跡の重複量が少ない形状とすることによって、第3配線(L)に隣り合った他の2つの配線形状の自由度を大きくすることができ、第2配線(L)と第4配線(L)における掃引軌跡の重複量を大きくすることに成功している。即ち、隣り合った他の2つの配線形状の自由度を大きくするために、1つの抵抗発熱配線の掃引軌跡の重複量を積極的に低減することができる。
〈実施の形態4〉
実施の形態4のヒータを模式的に表す平面図を図11に示した。
実施の形態4のヒータは、基体11と、この基体11上に、各別に給電を受ける6本の抵抗発熱配線12と、を備える。これらの全ての抵抗発熱配線12は、掃引方向Dに、第1列、第2列、第3列の順に並んで配置された3列の横配線部(X)と、横配線部間を接続する縦配線部(Y)とを有している。全ての横配線部(X)は、いずれも、縦配線部(Y)よりも長く形成され、更に、全ての縦配線(Y)は掃引方向Dに対して傾斜してパターニングされている。そして、横配線部(X)は、縦配線部(Y)によって電気的に接続されてつづら折り状に形成されている。
更に、これら6本の抵抗発熱配線12は、掃引方向Dとは垂直である幅方向Dに、図11の左側から、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)、第5配線(L)、第6配線(L)の順で並んで配置され、このうち、第2配線(L)及び第5配線(L)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より短く形成されたパターン(P)を有している。更に、第3配線(L)は、第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より長く形成されたパターン(P)を有している。即ち、実施の形態4のヒータ(1)は、パターン(P)及びパターン(P)の両方を異なる抵抗発熱配線として同時に有している。そして、パターン(P)を有する第2配線(L)と、パターン(P)を有する第3配線(L)と、が隣り合って配置されている。
また、実施の形態1〜3のヒータと同様に、第1配線(L)と第2配線(L)の対向箇所として対向箇所(A)を有し、第2配線(L)と第3配線(L)の対向箇所として対向箇所(B)を有し、第3配線(L)と第4配線(L)の対向箇所として対向箇所(C)を有している。そして、掃引軌跡Tは、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間に位置されるとともに、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されている。即ち、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WABと、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WBCとはWAB<WBCとなっている。
更に、本実施の形態4のヒータでは、第3配線(L)と第4配線(L)の対向箇所として対向箇所(A’)を有し、第4配線(L)と第5配線(L)の対向箇所として対向箇所(B’)を有し、第5配線(L)と第6配線(L)の対向箇所として対向箇所(C’)を有している(第3配線(L)を第1配線、第4配線(L)を第2配線、第5配線(L)を第3配線、第6配線(L)を第4配線と、読み換えることが可能である)。そして、掃引軌跡TB’は、掃引軌跡TA’と掃引軌跡TC’との間に位置されるとともに、掃引軌跡TC’の側へ偏って位置されている。即ち、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WABと、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WBCとはWAB>WBCとなっている。
このように、本実施の形態4のヒータでは、対向箇所(A)〜(C)のセット2組を、1つのヒータ内に備え、これらのいずれの対向箇所(A)〜(C)においても、掃引軌跡Tが、掃引軌跡T又は掃引軌跡Tのどちらかの側へ偏って位置されることによって、対向箇所が幅方向Dで重ならないように分散され、掃引方向Dに規則的に現れることを防止しながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとなっている。そして、これによって、掃引方向(D)に横配線部(X)が3段しかない幅狭なヒータであっても、正常に自己温度均衡を機能させ、均熱性に優れたヒータとすることができる。
〈実施の形態5〉
実施の形態5のヒータを模式的に表す平面図を図12に示した。
実施の形態5のヒータは、基体11と、この基体11上に、各別に給電を受ける5本の抵抗発熱配線12と、を備える。これらの全ての抵抗発熱配線12は、掃引方向Dに、第1列、第2列、第3列、第4列の順に並んで配置された4列の横配線部(X)と、横配線部間を接続する縦配線部(Y)とを有している。全ての横配線部(X)は、いずれも、縦配線部(Y)よりも長く形成され、更に、全ての縦配線(Y)は掃引方向Dに対して傾斜してパターニングされている。そして、横配線部(X)は、縦配線部(Y)によって電気的に接続されてつづら折り状に形成されている。
更に、これら5本の抵抗発熱配線12は、掃引方向Dとは垂直である幅方向Dに、図12の左側から、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)、第5配線(L)の順で並んで配置され、このうち、第2配線(L)、第3配線(L)及び第4配線(L)は、パターン(P)とパターン(P)との両方のパターンを1本の抵抗発熱配線12内に備えている。
即ち、第2配線(L)は、第2列横配線部(X22)が、第1列横配線部(X21)及び第3列横配線部(X23)より短く形成されたパターン(P)を有し、且つ、第3列横配線部(X23)が、第2列横配線部(X22)及び第4列横配線部(X24)より長く形成されたパターン(P)を有している。同様に、第3配線(L)は、第2列横配線部(X32)が、第1列横配線部(X31)及び第3列横配線部(X33)より長く形成されたパターン(P)を有し、且つ、第3列横配線部(X33)が、第2列横配線部(X32)及び第4列横配線部(X34)より短く形成されたパターン(P)を有している。また、第4配線(L)は、第2配線(L)と同形状とされている。
即ち、実施の形態5のヒータ(1)は、パターン(P)及びパターン(P)の両方を1つの抵抗発熱配線が同時に有し、更に、これら抵抗発熱配線が隣り合って配置されていることによって、パターン(P)とパターン(P)とが隣り合って配置されている。
また、実施の形態5のヒータは、実施の形態1〜3のヒータと同様に、第1配線(L)と第2配線(L)の対向箇所として対向箇所(A)を有し、第2配線(L)と第3配線(L)の対向箇所として対向箇所(B)を有し、第3配線(L)と第4配線(L)の対向箇所として対向箇所(C)を有している。そして、掃引軌跡Tは、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間に位置されるとともに、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されている。即ち、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WABと、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WBCとはWAB<WBCとなっている。
更に、実施の形態5のヒータは、図13に示すように、5本の抵抗発熱配線12を、幅方向Dに、図13の左側から、第S配線(L)、第T配線(L){当該第T配線は、対向箇所(A)〜(C)に対しては第1配線(L)でもある}、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)の順で並んで配置されているものとして、読み換えると、第1配線(L)と第2配線(L)の対向箇所として対向箇所(A)を有し、第2配線(L)と第3配線(L)の対向箇所として対向箇所(B)を有し、第3配線(L)と第4配線(L)の対向箇所として対向箇所(C)を有している。そして、掃引軌跡Tは、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間に位置されるとともに、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されている。即ち、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WABと、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WBCとはWAB<WBCとなっている。
このように、本実施の形態5のヒータは、例えば、図12に示す対向箇所(A)〜(C)のセットと、図13に示す対向箇所(A)〜(C)のセットと、の2組を、1つのヒータ内に備え、これらのいずれの対向箇所(A)〜(C)においても、掃引軌跡Tが、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されることによって、対向箇所が幅方向Dで重ならないように分散され、掃引方向Dに規則的に現れることを防止しながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとなっている。
また、実施の形態5のヒータは、図12に示すように、第1配線(L)の第1列横配線部(X11)及び第2列横配線部(X12)を繋ぐ縦配線部(Y112)と、第1配線(L)に隣り合った第2配線(L)の第1列横配線部(X21)及び第2列横配線部(X22)を繋ぐ縦配線部(Y212)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(D)を形成している。更に、第1配線(L)の第3列横配線部(X13)及び第4列横配線部(X14)を繋ぐ縦配線部(Y134)と、第2配線(L)の第3列横配線部(X23)及び第4列横配線部(X24)を繋ぐ縦配線部(Y234)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(E)を形成している。そして、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、は重ならないように幅方向へ離間されている。即ち、掃引軌跡(T)と掃引軌跡(T)との間には、間隙距離WDEが形成されて、WDE>0μmとなっている。
同様に、実施の形態5のヒータは、図12に示すように、第3配線(L)の第1列横配線部(X31)及び第2列横配線部(X32)を繋ぐ縦配線部(Y312)と、第3配線(L)に隣り合った第4配線(L)の第1列横配線部(X41)及び第2列横配線部(X42)を繋ぐ縦配線部(Y412)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(D’)を形成している。更に、第3配線(L)の第3列横配線部(X33)及び第4列横配線部(X34)を繋ぐ縦配線部(Y334)と、第4配線(L)の第3列横配線部(X43)及び第4列横配線部(X44)を繋ぐ縦配線部(Y434)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(E’)を形成している。そして、対向箇所(D’)の隙間の掃引軌跡(TD’)と、対向箇所(E’)の隙間の掃引軌跡(TE’)と、は重ならないように幅方向へ離間されている。即ち、掃引軌跡(TD’)と掃引軌跡(TE’)との間には、間隙距離WD’E’が形成されて、WD’E’>0μmとなっている。
このように、本実施の形態5のヒータは、対向箇所(D)及び(E)のセット2組を、1つのヒータ内に備え、これらの対向箇所(D)及び(E)において、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとが幅方向Dで重ならないように分散されながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとなっている。
即ち、実施の形態5のヒータは、各別に給電を受ける5本の抵抗発熱配線12を備えながら、各抵抗発熱配線同士は、掃引方向Dにおける加熱領域が共有され、しかも、対向箇所が幅方向Dで重ならないように分散され、掃引方向Dに規則的に現れることを防止しながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとすることができている。これによって、掃引方向(D)に横配線部(X)が4段しかない幅狭なヒータであっても、正常に自己温度均衡を機能させ、均熱性に優れたヒータとすることができる。
尚、実施の形態5のヒータの図12における対向箇所(D)(縦配線112と縦配線212とによって形成)及び(E)(縦配線134と縦配線234とによって形成)のセットは、実施の形態5のヒータの図13における対向箇所(D)(縦配線S12と縦配線S12とによって形成)及び(E)(縦配線S12と縦配線S12とによって形成)のセットに対応している。即ち、図13の第S配線(L)が図12の第1配線(L)に対応し、図13の第T配線(L)が図12の第2配線(L)に対応している。
〈実施の形態6〉
実施の形態6のヒータを模式的に表す平面図を図14に示した。
実施の形態6のヒータは、基体11と、この基体11上に、各別に給電を受ける6本の抵抗発熱配線12と、を備える。これらの全ての抵抗発熱配線12は、掃引方向Dに、第1列、第2列、第3列、第4列の順に並んで配置された4列の横配線部(X)と、横配線部間を接続する縦配線部(Y)とを有している。全ての横配線部(X)は、いずれも、縦配線部(Y)よりも長く形成され、更に、全ての縦配線(Y)は掃引方向Dに対して傾斜してパターニングされている。そして、横配線部(X)は、縦配線部(Y)によって電気的に接続されてつづら折り状に形成されている。
更に、これら6本の抵抗発熱配線12は、掃引方向Dとは垂直である幅方向Dに、図14の左側から、第S配線(L)、第T配線(L)、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)の順で並んで配置され、このうち、第T配線(L)、第1配線(L)、第2配線(L)及び第3配線(L)は、パターン(P)とパターン(P)との両方のパターンを1本の抵抗発熱配線12内に備えている(実施の形態5において説明したのと同様)。
即ち、実施の形態6のヒータ(1)は、パターン(P)及びパターン(P)の両方を1つの抵抗発熱配線が同時に有し、更に、これら抵抗発熱配線(第T配線L、第1配線L、第2配線L及び第3配線L)が隣り合って配置されていることによって、パターン(P)とパターン(P)とが隣り合って配置されている。
また、実施の形態6のヒータは、実施の形態1〜3のヒータと同様に、第1配線(L)と第2配線(L)の対向箇所として対向箇所(A)を有し、第2配線(L)と第3配線(L)の対向箇所として対向箇所(B)を有し、第3配線(L)と第4配線(L)の対向箇所として対向箇所(C)を有している。そして、掃引軌跡Tは、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間に位置されるとともに、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されている。即ち、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WABと、掃引軌跡T及び掃引軌跡Tの間隙距離WBCとはWAB<WBCとなっている。
更に、煩雑であるために図示を省略しているが、第S配線(L)と第T配線(L)の対向箇所として対向箇所(A)を有し、第T配線(L)と第1配線(L)の対向箇所として対向箇所(B)を有し、第1配線(L)と第2配線(L)の対向箇所として対向箇所(C)を有している。そして、掃引軌跡Tは、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間に位置されるとともに、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されている(WAB<WBC)。加えて、第T配線(L)と第1配線(L)の対向箇所として対向箇所(A)を有し、第1配線(L)と第2配線(L)の対向箇所として対向箇所(B)を有し、第2配線(L)と第3配線(L)の対向箇所として対向箇所(C)を有している。そして、掃引軌跡Tは、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとの間に位置されるとともに、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されている(WAB<WBC)。
このように、本実施の形態6のヒータは、対向箇所(A)〜(C)のセット3組を、1つのヒータ内に備え、これらのいずれの対向箇所(A)〜(C)においても、掃引軌跡Tが、掃引軌跡Tの側へ偏って位置されることによって、対向箇所が幅方向Dで重ならないように分散され、掃引方向Dに規則的に現れることを防止しながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとなっている。
また、実施の形態6のヒータは、図14に示すように、第S配線(L)の第1列横配線部(XS1)及び第2列横配線部(XS2)を繋ぐ縦配線部(YS12)と、第S配線(L)に隣り合った第T配線(L)の第1列横配線部(XT1)及び第2列横配線部(XT2)を繋ぐ縦配線部(YT12)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(D)を形成している。更に、第S配線(L)の第3列横配線部(XS3)及び第4列横配線部(XS4)を繋ぐ縦配線部(YS34)と、第T配線(L)の第3列横配線部(XT3)及び第4列横配線部(XT4)を繋ぐ縦配線部(YT34)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(E)を形成している。そして、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、は重ならないように幅方向へ離間されている。即ち、掃引軌跡(T)と掃引軌跡(T)との間には、間隙距離WDEが形成されて、WDE>0μmとなっている。
更に、煩雑であるために図示を省略しているが、第1配線(L)の第1列横配線部(X11)及び第2列横配線部(X12)を繋ぐ縦配線部(Y112)と、第1配線(L)に隣り合った第2配線(L)の第1列横配線部(X21)及び第2列横配線部(X22)を繋ぐ縦配線部(Y212)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(D)を形成している。更に、第1配線(L)の第3列横配線部(X13)及び第4列横配線部(X14)を繋ぐ縦配線部(Y134)と、第2配線(L)の第3列横配線部(X23)及び第4列横配線部(X24)を繋ぐ縦配線部(Y234)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(E)を形成している。そして、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、は重ならないように幅方向へ離間されている。即ち、掃引軌跡(T)と掃引軌跡(T)との間には、間隙距離WDEが形成されて、WDE>0μmとなっている。
同様に、第3配線(L)の第1列横配線部(X31)及び第2列横配線部(X32)を繋ぐ縦配線部(Y312)と、第3配線(L)に隣り合った第4配線(L)の第1列横配線部(X41)及び第2列横配線部(X42)を繋ぐ縦配線部(Y412)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(D)を形成している。更に、第3配線(L)の第3列横配線部(X33)及び第4列横配線部(X34)を繋ぐ縦配線部(Y334)と、第4配線(L)の第3列横配線部(X43)及び第4列横配線部(X44)を繋ぐ縦配線部(Y434)と、が隙間を介して対向されて対向箇所(E)を形成している。そして、対向箇所(D)の隙間の掃引軌跡(T)と、対向箇所(E)の隙間の掃引軌跡(T)と、は重ならないように幅方向へ離間されている。即ち、掃引軌跡(T)と掃引軌跡(T)との間には、間隙距離WDEが形成されて、WDE>0μmとなっている。
このように、本実施の形態6のヒータは、対向箇所(D)及び(E)のセット3組を、1つのヒータ内に備え、これらの対向箇所(D)及び(E)において、掃引軌跡Tと掃引軌跡Tとが幅方向Dで重ならないように分散されながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとなっている。
即ち、実施の形態6のヒータは、各別に給電を受ける6本の抵抗発熱配線12を備えながら、各抵抗発熱配線同士は、掃引方向Dにおける加熱領域が共有され、しかも、対向箇所が幅方向Dで重ならないように分散され、掃引方向Dに規則的に現れることを防止しながら、全体として密な抵抗発熱配線パターンとすることができている。これによって、掃引方向(D)に横配線部(X)が4段しかない幅狭なヒータであっても、正常に自己温度均衡を機能させ、均熱性に優れたヒータとすることができる。
〈実施の形態7〉
実施の形態7のヒータを模式的に表す平面図を図15に示した。
実施の形態7のヒータは、実施の形態1のヒータにおいて、抵抗発熱配線12が、給電配線部(R)を備える形態を例示するものである。図15に示すように、給電配線部(R)は、掃引方向Dと平行にパターニングして、基体11の端縁まで導出することができる。このような給電配線部(R)を有する場合、給電配線部(R)は、上述のように掃引方向Dに対して平行にパターニングしてもよいし、縦配線部(Y)と同様に傾斜されてもよい。
[2]定着装置
本ヒータを備える定着装置は、加熱対象や定着手段等により、適宜選択された構成とすることができる。例えば、圧着を伴う定着手段を備えて、紙等の記録用媒体にトナー等を定着させる場合や、複数の部材を貼り合わせる場合には、ヒータを備える加熱部と、加圧部とを備える定着装置とすることができる。勿論、圧着を伴わない定着手段とすることもできる。本発明においては、紙、フィルム等の記録用媒体の表面に形成されたトナーを含む未定着画像を記録用媒体に定着させる定着装置5であることが好ましい。
図16は、電子写真方式の画像形成装置に配設される定着装置5の要部を示している。定着装置5は、回転可能な定着用ロール51と、回転可能な加圧用ロール54とを備え、ヒータ1は定着用ロール51の内部に配設されている。ヒータ1は、好ましくは、定着用ロール51の内表面に近接するように配設される。
ヒータ1は、例えば、図18に示される定着手段5のように、ヒータ1の発した熱を伝導可能な材料からなるヒータホルダ53の内部に固定されて、ヒータ1の発熱を、定着用ロール51の内側から外表面に伝える構造とすることもできる。
図17もまた、電子写真方式の画像形成装置に配設される定着装置5の要部を示している。定着装置5は、回転可能な定着用ロール51と、回転可能な加圧用ロール54とを備え、定着用ロール51に熱を伝えるヒータ1、及び、加圧用ロール54と共に記録用媒体を圧接する固定パッド52、が定着用ロール51の内部に配設されている。ヒータ1は、定着用ロール51の円筒面に沿うように配設されている。
図16又は図17に示された定着装置5において、図示していない電源装置から電圧を加えることによりヒータ1を発熱させ、その熱が定着用ロール51に伝えられる。そして、表面に未定着のトナー画像を有する記録用媒体が、定着用ロール51と加圧用ロール54との間に供給されると、定着用ロール51及び加圧用ロール54の圧接部において、トナーが溶融して定着画像が形成される。定着用ロール51及び加圧用ロール54の圧接部を有するので、連れだって回転する。前記のように、ヒータ1は、小さい記録用媒体を用いた際に発生しやすい局所的な温度上昇が抑制されるので、定着用ロール51における温度むらが発生しにくく、定着を均一に行うことができる。
本ヒータ1を備える定着装置の他の態様としては、上型及び下型を備える金型であって、上型及び下型の少なくとも一方の内部にヒータを配設した態様とすることができる。
本ヒータ1を備える定着装置は、電子写真方式の印刷機、複写機等の画像形成装置をはじめ、家庭用の電気製品、業務用、実験用の精密機器等に装着して、加熱、保温等の熱源として好適である。
[3]画像形成装置
本ヒータを備える画像形成装置は、加熱対象や加熱目的等により、適宜選択された構成とすることができる。本発明においては、図18に示されるように、紙、フィルム等の記録用媒体の表面に未定着画像を形成する作像手段と、未定着画像を記録用媒体に定着させる定着手段5とを備え、定着手段5が本ヒータ1を備える画像形成装置4であることが好ましい。画像形成装置4は、上記手段の他、記録用媒体搬送手段や、各手段を制御するための制御手段を備えて構成することができる。
図18は、電子写真方式の画像形成装置4の要部を示す概略図である。作像手段としては、転写ドラムを備える方式及び転写ドラムを備えない方式のいずれでもよいが、図18は、転写ドラムを備える態様である。
作像手段では、回転しながら、帯電装置43により所定の電位に帯電処理された感光ドラム44の帯電処理面に、レーザースキャナー41から出力されるレーザーが照射され、現像器45から供給されるトナーにより静電潜像が形成される。次いで、電位差を利用して、感光ドラム44と連動する転写ドラム46の表面に、トナー画像が転写される。その後、転写ドラム46及び転写用ロール47の間に供給される記録用媒体の表面に、トナー画像が転写され、未定着画像を有する記録用媒体が得られる。トナーは、結着樹脂と着色剤と添加剤とを含む粒子であり、結着樹脂の溶融温度は、通常、90℃〜250℃である。尚、感光ドラム44及び転写ドラム46の表面には、不溶なトナー等を除去するための清掃装置を備えることができる。
定着手段5は、前記定着装置5と同様の構成とすることができ、加圧用ロール54と、通紙方向通電型のヒータ1を保持したヒータホルダ53を内部に備え、加圧用ロール54と連動する定着用ロール51と、を備える。作像手段からの未定着画像を有する記録用媒体は、定着用ロール51及び加圧用ロール54の間に供給される。定着用ロール51の熱が、記録用媒体のトナー画像を溶融し、更に、溶融したトナーが、定着用ロール51と加圧用ロール54との圧接部で加圧されて、トナー画像が記録用媒体に定着される。図18の定着手段5においては、定着用ロール51に代えて、ヒータ1を近接配置した定着用ベルトを備える態様であってもよい。
一般に、定着用ロール51の温度が不均一となって、トナーに与えられる熱量が小さすぎる場合にはトナーが記録用媒体から剥がれ、一方、熱量が大きすぎる場合にはトナーが定着用ロール51に付着し、定着用ロール51が一周して記録用媒体に再付着してしまうことがある。本発明のヒータを備える定着手段5によれば、所定の温度へ迅速に調整されるので、不具合を抑制することができる。
本発明の画像形成装置は、使用時に非通紙領域の過昇温が抑制され、電子写真方式の印刷機、複写機等として好適である。
[4]加熱装置
本ヒータを備える加熱装置は、加熱対象の大きさや形状等により、適宜選択された構成とすることができる。本発明においては、例えば、筐体部と、被熱処理物の出し入れ等のために配された密閉可能な窓部と、筐体部の内部に配された移動可能なヒータ部と、を備えて構成することができる。必要に応じて、筐体部の内部に、被熱処理物を配置する被熱処理物設置部、被熱処理物の加熱により気体が排出された場合に、この気体を排出する排気部、筐体部の内部の圧力を調整する、真空ポンプ等の圧力調整部等を備えることができる。また、加熱は、被熱処理物及びヒータ部を固定した状態で行ってよいし、いずれか一方を移動させながら行ってもよい。
本加熱装置は、水、有機溶剤等を含む被熱処理物の乾燥を、所望の温度で行う装置として好適である。そして、真空乾燥機(減圧乾燥機)、加圧乾燥機、除湿乾燥機、熱風乾燥機、防爆型乾燥機等として用いることができる。また、LCDパネル、有機ELパネル等の未焼成物の焼成を、所望の温度で行う装置として好適である。そして、減圧焼成機、加圧焼成機等として用いることができる。
尚、本発明においては、上記の具体的実施形態に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施形態とすることができる。
1;ヒータ、
11;基体、
12;抵抗発熱配線、X;横配線部、Y;縦配線部、
2;被加熱物、
4;画像形成装置、41:レーザースキャナー、42:ミラー、43:帯電装置、44:感光ドラム、45:現像器、46:転写ドラム、47:転写用ロール、
5:定着装置(定着手段)、51:定着用ロール、52:固定パッド、53:ヒータホルダ、54:加圧用ロール、
P:記録用媒体、
:掃引方向、D:幅方向。

Claims (10)

  1. 被加熱物と対面された状態で、前記被加熱物及び本ヒータのうちの少なくとも一方を掃引方向に掃引することにより前記被加熱物を加熱するヒータであって、
    基体と、前記基体上に、各別に給電を受ける複数の抵抗発熱配線と、を備え、
    前記抵抗発熱配線は、前記掃引方向に、第1列、第2列、第3列の順に並んで配置された少なくとも3列の横配線部と、前記横配線部間を接続する縦配線部と、が結ばれてつづら折り状に形成されており、
    前記抵抗発熱配線のうちの少なくとも1つの抵抗発熱配線が、下記(P)のパターン又は下記(P)のパターンいずれかのパターンを有することを特徴とするヒータ。
    (P):第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より短く形成されたパターン。
    (P):第2列横配線部(X)が、第1列横配線部(X)及び第3列横配線部(X)より長く形成されたパターン。
  2. 前記(P)のパターンを有する抵抗発熱配線と、前記(P)のパターンを有する抵抗発熱配線と、の両方の抵抗発熱配線を備え、
    前記(P)のパターンを有する抵抗発熱配線と、前記(P)のパターンを有する抵抗発熱配線と、が隣り合って配置されている請求項1に記載のヒータ。
  3. 前記抵抗発熱配線は、前記掃引方向とは略垂直である幅方向に、第1配線(L)、第2配線(L)、第3配線(L)、第4配線(L)の順に並んで、少なくとも4つの前記抵抗発熱配線、を備え、
    前記第1配線(L)の第1列横配線部(X11)及び第2列横配線部(X12)を繋ぐ縦配線部(Y112)と、前記第2配線(L)の第1列横配線部(X21)及び第2列横配線部(X22)を繋ぐ縦配線部(Y212)と、が隙間を介して対向された対向箇所(A)を有し、
    前記第2配線(L)の第2列横配線部(X22)及び第3列横配線部(X23)を繋ぐ縦配線部(Y223)と、前記第3配線(L)の第2列横配線部(X32)及び第3列横配線部(X33)を繋ぐ縦配線部(Y323)と、は隙間を介して対向された対向箇所(B)を有し、
    前記第3配線(L)の第1列横配線部(X31)及び第2列横配線部(X32)を繋ぐ縦配線部(Y312)と、前記第4配線(L)の第1列横配線部(X41)及び第2列横配線部(X42)を繋ぐ縦配線部(Y412)と、は隙間を介して対向された対向箇所(C)を有し、
    前記対向箇所(B)の前記隙間の掃引軌跡が、前記対向箇所(A)の前記隙間の掃引軌跡と、前記対向箇所(C)の前記隙間の掃引軌跡と、の間に位置されるとともに、前記対向箇所(A)の前記隙間の掃引軌跡、及び、前記対向箇所(C)の前記隙間の掃引軌跡、のいずれか一方の側へ偏って位置されている請求項1又は2に記載のヒータ。
  4. 各々の前記抵抗発熱配線は、前記掃引方向に、前記第1列から前記第3列に加えて、更に、第4列の順に並んで配置された少なくとも4列の前記横配線部と、前記横配線部間を接続する縦配線部と、が結ばれてつづら折り状に形成されており、
    前記抵抗発熱配線のうちの所定の抵抗発熱配線(L)の第1列横配線部(XS1)及び第2列横配線部(XS2)を繋ぐ縦配線部(YS12)と、前記抵抗発熱配線(L)に隣り合った抵抗発熱配線(L)の第1列横配線部(XT1)及び第2列横配線部(XT2)を繋ぐ縦配線部(YT12)と、が隙間を介して対向された対向箇所(D)を有し、
    前記抵抗発熱配線(L)の第3列横配線部(XS3)及び第4列横配線部(XS4)を繋ぐ縦配線部(YS34)と、前記抵抗発熱配線(L)の第3列横配線部(XT3)及び第4列横配線部(XT4)を繋ぐ縦配線部(YT34)と、が隙間を介して対向された対向箇所(E)を有し、
    前記対向箇所(D)の前記隙間の掃引軌跡と、前記対向箇所(E)の前記隙間の掃引軌跡と、が重ならないように幅方向へ離間されている請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のヒータ。
  5. 前記横配線部は、前記縦配線部よりも長く形成されている請求項1乃至4のうちのいずれかに記載のヒータ。
  6. 前記縦配線のうちの少なくとも一部の縦配線が、前記掃引方向に対して傾斜されている請求項1乃至5のうちのいずれかに記載のヒータ。
  7. 前記抵抗発熱配線は、正の抵抗発熱係数を有する請求項1乃至6のうちのいずれかに記載のヒータ。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載のヒータを備えることを特徴とする定着装置。
  9. 請求項1乃至7のいずれかに記載のヒータを備えることを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至7のいずれかに記載のヒータを備えることを特徴とする加熱装置。
JP2017516536A 2015-11-27 2016-11-24 ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置 Active JP6161859B1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015232372 2015-11-27
JP2015232372 2015-11-27
PCT/JP2016/084850 WO2017090692A1 (ja) 2015-11-27 2016-11-24 ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6161859B1 true JP6161859B1 (ja) 2017-07-12
JPWO2017090692A1 JPWO2017090692A1 (ja) 2017-11-30

Family

ID=58763479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017516536A Active JP6161859B1 (ja) 2015-11-27 2016-11-24 ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6161859B1 (ja)
KR (1) KR102637446B1 (ja)
CN (1) CN107535017B (ja)
TW (1) TWI706689B (ja)
WO (1) WO2017090692A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200092255A (ko) 2017-12-08 2020-08-03 가부시키가이샤 미스즈 코우쿄우 히터, 정착 장치, 화상 형성 장치 및 가열 장치
JP7276700B2 (ja) * 2018-11-30 2023-05-18 株式会社リコー 定着装置および画像形成装置
JP2022093918A (ja) 2020-12-14 2022-06-24 東芝テック株式会社 画像形成装置
JP2024014572A (ja) * 2022-07-22 2024-02-01 株式会社美鈴工業 ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11287238A (ja) * 1997-06-27 1999-10-19 Ricoh Co Ltd 発熱ローラ
WO2013073276A1 (ja) * 2011-11-15 2013-05-23 株式会社美鈴工業 ヒータ並びにそれを備える定着装置及び乾燥装置
WO2014034744A1 (ja) * 2012-08-31 2014-03-06 株式会社美鈴工業 ヒータ並びにそれを備える定着装置、画像形成装置及び加熱装置
WO2015151905A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 株式会社美鈴工業 ヒータとそれを備える定着装置、画像形成装置及び加熱装置、並びにヒータの製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI374682B (en) * 2006-07-20 2012-10-11 Watlow Electric Mfg Layered heater system having conductive overlays
CN102483237B (zh) * 2009-08-27 2014-06-04 三菱电机株式会社 加热装置
JP5983495B2 (ja) * 2013-03-28 2016-08-31 株式会社デンソー 輻射ヒータ装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11287238A (ja) * 1997-06-27 1999-10-19 Ricoh Co Ltd 発熱ローラ
WO2013073276A1 (ja) * 2011-11-15 2013-05-23 株式会社美鈴工業 ヒータ並びにそれを備える定着装置及び乾燥装置
WO2014034744A1 (ja) * 2012-08-31 2014-03-06 株式会社美鈴工業 ヒータ並びにそれを備える定着装置、画像形成装置及び加熱装置
WO2015151905A1 (ja) * 2014-03-31 2015-10-08 株式会社美鈴工業 ヒータとそれを備える定着装置、画像形成装置及び加熱装置、並びにヒータの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR20180087138A (ko) 2018-08-01
CN107535017B (zh) 2020-11-10
KR102637446B1 (ko) 2024-02-19
JPWO2017090692A1 (ja) 2017-11-30
CN107535017A (zh) 2018-01-02
TW201737757A (zh) 2017-10-16
WO2017090692A1 (ja) 2017-06-01
TWI706689B (zh) 2020-10-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6424010B2 (ja) ヒータとそれを備える定着装置、画像形成装置及び加熱装置、並びにヒータの製造方法
KR102037827B1 (ko) 히터 및 그것을 구비하는 정착 장치 및 건조 장치
JP6161859B1 (ja) ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置
JP5819533B2 (ja) ヒータ並びにそれを備える定着装置、画像形成装置及び加熱装置
JP6614742B2 (ja) ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置
CN107615879B (zh) 加热器、具备该加热器的定影装置、图像形成装置和加热装置
WO2024018826A1 (ja) ヒータ、定着装置、画像形成装置及び加熱装置
CN205644025U (zh) 加热器以及图像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20170411

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170509

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170512

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170530

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170613

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6161859

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250