[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施例1について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、実施例1における遊技機(以下、適宜パチスロという)1の機能フローについて説明する。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組み合わせが決定される。尚、図柄の組み合わせの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(例えば、後述の主制御回路71)は、内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組み合わせの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組み合わせが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリール3L、3C、3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組み合わせについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転がすべて停止されると、入賞判定手段(例えば、後述のメインCPU31)は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組み合わせが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組み合わせを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述のサブ制御基板72)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、スピーカ9L、9Rや液晶表示装置5は、リール3L、3C、3Rの回転が開始されるとき、各リール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組み合わせ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[パチスロの構造]
次に、図2を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。図2は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ1は、リール3L、3C、3Rや回路基板等を収容する筐体となるキャビネット1aと、キャビネット1aの前面側に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2と、フロントドア2の前面側にパネル部となるフロントパネル4とを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられる。各リール3L、3C、3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄が回転方向に沿って連続的に配置された帯状のシートを貼り付けて構成される。また、フロントドア2の正面の略中央には、縦長矩形の図柄表示領域21L、21C、21Rが設けられる。
フロントドア2は、ドア本体の部分であり、フロントドア2の中央には、液晶表示装置5が設けられる。液晶表示装置5は、フロントドア2の前面側であって、フロントドア2とフロントパネル4との間に設けられる。液晶表示装置5は、取付枠により、フロントドア2の上側の部分に固定される。
また、液晶表示装置5は、図柄表示領域21L、21C、21Rを含む表示画面5aを備え、正面から見て3つのリール3L、3C、3Rに重畳する手前側に位置するように設けられる。図柄表示領域21L、21C、21Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応して設けられており、その背面側に設けられたリール3L、3C、3Rを透過することが可能な構成を備える。図柄表示領域21L、21C、21Rには、入賞判定ラインとして、有効ラインが設けられている。有効ラインは、水平方向中央に配されたセンターライン8aと、斜め右上がりに配されたクロスアップライン8bと、水平方向下部に配されたボトムライン8cと、斜め右下がりに配されたクロスダウンライン8dと、水平方向上部に配されたトップライン8eとから構成される。
つまり、図柄表示領域21L、21C、21Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域21L、21C、21Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域21L、21C、21Rは、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転が停止されたとき、リール3L、3C、3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各図柄表示領域21L、21C、21Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組み合わせてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(入賞ライン)として定義する。なお、本実施例では、入賞ラインは、センターライン8a、クロスアップライン8b、ボトムライン8c、クロスダウンライン8dおよびトップライン8eの5ラインである。
フロントドア2には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられる。メダル投入口10は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口10に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン11は、パチスロ内部に預けられているメダルから最大掛け枚数のメダルの投入を決定するために設けられ、また、1ベットボタン12は、パチスロ内部に預けられているメダルから1枚のメダルの投入を決定するために設けられている。C/Pボタン13は、パチスロ内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー6は、全てのリール3L、3C、3Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L、7C、7Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するために設けられる。
7セグ表示器13は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ(LED等)14は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ9L、9Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
[パチスロが備える回路の構成]
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図3および図4を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主基板(主制御回路)71、サブ制御基板(副制御回路)72及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
図4は、パチスロの主制御回路の構成を示す図である。主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32およびメインRAM33などを含む。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、各種のデータテーブル、副制御回路72に対して送信される各種制御指令(コマンドなど)のデータ等が記憶される。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36およびサンプリング回路37が接続される。クロックパルス発生回路34および分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲(例えば、0〜65535)から1つの乱数を発生させる。
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、各種のスイッチなどからの入力を受けて、ステッピングモータ49L、49C、49Rなどの周辺装置の動作を制御する。
リール停止信号回路7Sは、3つのストップボタン7L、7C、7Rが遊技者により、リール3L、3C、3Rの回転を停止させるために押下されたことを検出する。また、スタートスイッチ14Sは、スタートレバー6が遊技者により、リール3L、3C、3Rの回転を開始させるために操作されたことを検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルを検出する。1ベットスイッチ11Sは、1ベットボタン12が遊技者により押下されたことを検出する。最大ベットスイッチ12Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押下されたことを検出する。C/Pスイッチ13Sは、C/Pボタン13が遊技者により押下されたことを検出する。
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R、7セグ表示器53およびホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39は、リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L、3C、3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、回転速度がパルスの出力数に比例し、指定された角度で回転軸を停止させることが可能な構成を含む。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比のギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L、3C、3Rの回転角度を管理する。メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転角度を管理することにより、リール3L、3C、3Rの表面に配置された複数の図柄の各位置を管理する。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器53の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72には、液晶表示装置5、スピーカ9L、9R、ランプ14が接続されており、主制御回路71から送信されたコマンドに応じてこれらを制御する。また、副制御回路72は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM(図示せず)に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行うサブCPU(図示せず)を有する。
図4は、副制御回路72の構成を示すブロック図である。副制御回路72は、画像制御回路72aと、音・ランプ制御回路72bとから構成されている。この画像制御回路72a及び音・ランプ制御回路72bは、主制御回路71を構成する回路基板とは各々別の回路基板上に構成されているが、これらの機能を統合することにより、主制御回路71と一体に構成してもよい。
図4に示す実施例では、主制御回路71と画像制御回路72aとの間の通信は、主制御回路71から画像制御回路72aへの一方向で行われ、画像制御回路72aから主制御回路71に対して、コマンド、その他の情報が送信されることはない。また、画像制御回路72aと音・ランプ制御回路72bとの間の通信は、画像制御回路72aから音・ランプ制御回路72bへの一方向で行われ、音・ランプ制御回路72bから画像制御回路72aへコマンド、情報等が送信されることはない。
画像制御回路72aは、画像制御マイコン81、シリアルポート82、プログラムROM83、ワークRAM84、カレンダIC85、画像制御IC86、制御RAM87、画像ROM88(キャラクタROM)及びビデオRAM89で構成される。
画像制御マイコン81は、CPU、割込コントローラ、入出力ポート、シリアルポート82を備えている。画像制御マイコン81に備えられたCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドに基づき、プログラムROM83内に格納されたプログラムに従って各種の処理を行う。なお、画像制御回路72aは、乱数発生器及びサンプリング回路を備えていないが、プログラムROM83に格納されたプログラムを画像制御マイコン81が実行することによって、乱数値を抽出して演出データの抽籤処理を行うように構成されている。
また、画像制御マイコン81は、受信した「スタートコマンド」に基づいた内部当籤役と、「リール停止コマンド」に基づいた各リール3の停止操作、及び「表示役コマンド」等に応じて、各種画像を液晶表示装置5に表示する処理を行う。
シリアルポート82は、主制御回路71から送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM83は、画像制御マイコン81が実行するプログラムを格納する。
ワークRAM84は、画像制御マイコン81がプログラムを実行する場合に、一時的に情報を記憶するための手段として設けられる。ワークRAM84には、画像データや演出データなど、種々の情報が格納される。
カレンダIC85は、日付データやタイマ用の時間を計数する。画像制御マイコン81には、操作部60が接続されている。実施例では、この操作部60を遊技場の従業員等が操作することにより日付の設定等を行うことが可能となっている。画像制御マイコン81は、操作部60から送信される入力信号に基づいて設定された日付情報を、カレンダIC85に転送する。カレンダIC85に転送された日付情報は主電源遮断後もバックアップされている。
前述のワークRAM84とカレンダIC85は、電源遮断時のバックアップ対象となっている。つまり、画像制御マイコン81に供給される電源が遮断された場合であっても、電源が供給され続け、記憶された情報等の消失が防止される。
画像制御IC86は、画像制御マイコン81により決定された演出内容(例えば、後述の演出データ)に応じた画像を生成し、液晶表示装置5に出力する。
制御RAM87は、画像制御IC86内に形成されている。画像制御マイコン81は、この制御RAM87に対して情報等の書き込みや読み出しを行う。また、制御RAM87には、画像制御IC86のレジスタ等が展開されている。画像制御マイコン81は、画像制御IC86のレジスタ等を所定のタイミング毎に更新する。
画像制御IC86には、液晶表示装置5と、画像ROM88と、ビデオRAM89とが接続されている。なお、画像ROM88は、画像制御マイコン81に接続された構成であってもよい。この場合、3次元画像データなど大量の画像データを処理する場合に有効な構成となる場合がある。画像ROM88は、画像を生成するための画像データ等を格納する。ビデオRAM89は、画像制御IC86で画像を生成する場合に一時的に情報を記憶するための手段である。また、画像制御IC86は、ビデオRAM89のデータを液晶表示装置5へ転送終了する毎に画像制御マイコン81に信号を送信する。
また、画像制御回路72aでは、画像制御マイコン81が、音・ランプの演出の制御を行うことが可能となっている。画像制御マイコン81は、決定された演出内容(例えば、後述の演出データや、特殊演出を決定する特殊演出データ)に基づいて、音・ランプの種類に関する情報、及び出力タイミングを決定する。そして、画像制御マイコン81は、所定のタイミング毎に、音・ランプ制御回路72bにシリアルポート82を介してコマンドを送信する。音・ランプ制御回路72bでは、主に、画像制御回路72aから送信されたコマンドに応じて、音・ランプの出力制御を行うこととなる。
音・ランプ制御回路72bは、音・ランプ制御マイコン111、シリアルポート112、プログラムROM113、ワークRAM114、音源IC115、パワーアンプ116、音源ROM117で構成される。
音・ランプ制御マイコン111は、CPU、割込コントローラ、入出力ポートを備えている。音・ランプ制御マイコン111に備えられたCPUは、画像制御回路72aから送信されたコマンドに基づき、プログラムROM113内に格納されたプログラムに従って音・ランプの出力を制御するための処理を行う。
シリアルポート112は、画像制御回路72aから送信されるコマンド等を受信する。プログラムROM113は、音・ランプ制御マイコン111が実行するプログラム等を格納する。ワークRAM114は、音・ランプ制御マイコン111が前述したプログラムを実行する場合に一時的に情報を記憶するための手段である。
音源IC115は、画像制御回路72aから送信されたコマンドと音源ROM117とを参照して音源を生成し、パワーアンプ116に出力する。パワーアンプ116は増幅器であり、このパワーアンプ116にはスピーカ9L、9Rが接続されている。パワーアンプ116は、音源IC115から出力された音源を増幅し、増幅した音をスピーカ9L、9Rから出力させる。音源ROM117は、音源を生成するための音源データ等を格納する。
また、音・ランプ制御マイコン111には、音量調節部59が接続されている。音量調節部59は、遊技場の従業員等により操作可能となっており、スピーカ9L、9Rから出力される音量の調節を行うための手段である。音・ランプ制御マイコン111は、音量調節部59から得られる情報に基づいて、スピーカ9L、9Rから出力される音の音量を調節する制御を行う。
[図柄配置テーブル]
図5を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3L、3C、3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに図柄表示領域21L、21C、21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L、3C、3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として図柄表示領域21L、21C、21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
左リール3L、中リール3C、及び右リール3Rの外周面上には、"赤7"、"青7"、"紫7"、"黄7"、"BAR"、"ベル"、"スイカ"、"リプレイ"及び"チェリー"の図柄を所定の順番で配列した図柄列が、それぞれ描かれている。左リール3L、中リール3C、及び右リール3Rは、各図柄表示領域21L、21C、21R内において、図柄列が同図の上方向に向かって順次移動する方向に回転駆動される。なお、本発明は、図5示した図柄列に限定するものではない。
ここで、図5に示すように、左リール3Lの図柄位置「0」、「7」、「14」、中リール3Cの図柄位置「6」、「13」、「20」、及び、右リール3Rの図柄位置「0」、「7」、「14」については、背景の色が赤色となっている。また、各リール3L、3C、3Rについて、赤色の背景が7図柄間隔で規則的に配されている。このため、各リール3L、3C、3Rが回転している場合であっても、遊技者の目が疲れにくくなっている。また、各リール3L、3C、3Rにおいて、背景に赤色が配された図柄以外の他の図柄については、背景の色が白色であるものとする。これにより、特別に背景に赤色を配した図柄と、通常の白い背景の図柄とを区分けすることができる。
[内部抽籤テーブル決定テーブル]
図6を参照して、メインCPU31が内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定するときに用いる内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応して、内部抽籤テーブルを示す情報及び抽籤回数を示す情報を規定している。
遊技状態は、内部当籤役が決定される内部抽籤処理において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲームの作動が行われているか否か等により区別される状態である。内部抽籤テーブルは、各遊技状態で使用される内部抽籤テーブルの種別である。具体的には、図6に示すように、一般遊技状態においては、内部抽籤テーブルが「一般遊技状態用内部抽籤テーブル」であり、RB遊技状態においては、内部抽籤テーブルが「RB遊技状態用内部抽籤テーブル」である。
抽籤回数は、サンプリング回路(図示せず)により抽出された一の乱数値(抽籤用乱数値)から後述の抽籤値をメインCPU31が減算する最大の回数である。具体的には、図6に示すように、一般遊技状態において、抽籤回数が「14」であり、RB遊技状態において、抽籤回数が「3」である。
[内部抽籤テーブル]
図7、図8を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。図7は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。また、図8は、RB遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。一般遊技状態用内部抽籤テーブルは、遊技状態が一般遊技状態である場合に参照されるテーブルであり、RB遊技状態用内部抽籤テーブルは、遊技状態がRB遊技状態である場合に参照されるテーブルである。
内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、抽籤値とデータポインタとを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタが設けられている。
本実施例では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。なお、図中特に表記しない場合は、抽籤範囲は「0〜65535」、すなわち、確率分母は「65536」である。
また、図7に示すように、内部当籤役の略称として、"リプレイ"、"チャンスリプレイ"、"ベル"、"弱スイカ"、"強スイカ"、"チェリー"、"BB1(青7)"、"BB2(赤7)"、"BB3(紫7)"、"BB4(黄7)"、"BB1(青7)+強スイカ"、"BB2(赤7)+強スイカ"、"BB3(紫7)+強スイカ"又は"BB4(黄7)+強スイカ"が規定されている。このうち、弱スイカは、スイカのみ当籤する小役であり、強スイカは、スイカとチェリーが重複当籤する小役である。なお、スイカとチェリーが同時で入賞した場合であっても、払い出し枚数の上限が15枚であるため、スイカのみに入賞した場合と同様に、15枚しか払い出しが行われない。また、BB1(青7)+強スイカ、BB2(赤7)+強スイカ、BB3(紫7)+強スイカ、BB4(黄7)+強スイカ(以下、4つの役をまとめて、BB+強スイカという)は、BBとスイカが重複当籤する役であり、BBまたはスイカが入賞し得るため、遊技者にとって有利度合いが高い役である。ここで、「強スイカ」または「BB+強スイカ」が内部当籤役として決定し、強スイカが入賞した際には、背景が赤いスイカ図柄が一直線に並ぶこととなる(図19参照)。つまり、背景が赤いスイカ図柄が一直線に並んだ場合には、遊技者は、BBに同時当籤したことを期待することができる。
[内部当籤役決定テーブル]
次に、図9及び図10を参照して、データポインタに基づいて当たり要求フラグを決定するための内部当籤役決定テーブルについて説明する。図9及び図10に示す内部当籤役決定テーブルは、各データポインタに対応した当たり要求フラグのデータを備えている。当図示例では、内部当籤役として、"ハズレ"、"リプレイ"、"チャンスリプレイ"、"ベル"、"スイカ"、"スイカ+チェリー"、"チェリー"並びに"BB1"、"BB2"、"BB3"、又は"BB4"が設定されている。
具体的には、図9に示されるように、小役・リプレイ用データポインタが「0」の場合には、当たり要求フラグのデータとして、いずれの内部当籤役にも内部当籤していない"ハズレ"が決定される。小役・リプレイ用データポインタが「1」の場合には、内部当籤役データとして、"リプレイ"が決定される。小役・リプレイ用データポインタが「2」の場合には、当たり要求フラグのデータとして、"チャンスリプレイ"が決定される。小役・リプレイ用データポインタが「3」の場合には、当たり要求フラグのデータとして、"ベル"が決定される。
また、小役・リプレイ用データポインタが「4」の場合には、当たり要求フラグのデータとして、"スイカ"が決定される。小役・リプレイ用データポインタが「5」の場合には、当たり要求フラグのデータとしてスイカ+チェリーが決定される。小役・リプレイ用データポインタが「6」の場合には、当たり要求フラグのデータとして、"チェリー"が決定される。
また、図10に示すように、ボーナス用データポインタが「0」の場合には、当たり要
求フラグのデータとして、"ハズレ"が決定される。ボーナス用データポインタが「1」の場合には、当たり要求フラグのデータとして、"BB1"が決定される。ボーナス用データポインタが「2」の場合には、当たり要求フラグのデータとして、"BB2"が決定される。ボーナス用データポインタが「3」の場合には、当たり要求フラグのデータとして、"BB3"が決定される。ボーナス用データポインタが「4」の場合には、当たり要求フラグのデータとして、"BB4"が決定される。
[図柄組み合わせテーブル]
図11を参照して、図柄組み合わせテーブルについて説明する。本実施例では、入賞ラインに沿って各リール3L、3C、3Rにより表示される図柄の組み合わせが、図柄組み合わせテーブルにより規定されている図柄の組み合わせと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。図11は、図柄組合せテーブルを示す図である。
各図柄組み合わせテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組み合わせと、入賞作動フラグとを規定している。図柄組み合わせテーブルでは、入賞作動フラグとして、入賞ラインに沿って表示された図柄の組み合わせを識別する1バイトのデータと、該データを格納する後述の内部当籤役格納領域をメインCPU31が識別するために設けられた格納領域識別データと、表示役の内容(名称)と、図柄の組み合わせが表示された場合に移行するRT遊技状態を示すRT移行と、配当枚数とを規定している。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施例では、表示役としてベル、スイカ、チェリーのいずれかが決定されたときメダルの払い出しが行われる。なお、入賞ラインに沿って表示された図柄の組み合わせが、図柄組み合わせテーブルにより規定されている図柄の組み合わせの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。
また、表示役としてBB1、BB2、又はBB3の表示役が成立してもメダルの払出しは行われないが、次回以降の遊技における遊技状態が「RB遊技状態」(所謂、レギュラーボーナス遊技状態。)となる。「RB遊技状態」については、後述する。
このように、図柄組合せテーブルには、遊技者に付与される利益(例えば、メダルの払
出し、ボーナス遊技状態の作動)に対応付けられた情報が、それぞれ関連付けて格納さ
れている。
次に、図12を参照して、ボーナス作動監視処理(後述する図22参照)等において参照されるボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルには、遊技状態フラグ格納領域に格納されているBB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ、BB4遊技状態フラグ及びRB遊技状態フラグの情報と、ボーナス終了枚数カウンタに格納される値の情報と、遊技可能回数カウンタに格納される値の情報と、入賞可能回数カウンタに格納される値の情報とが、「BB1作動時」〜「BB4作動時」及び「RB作動時」の遊技状態毎に関連付けて記憶されている。
ボーナス終了枚数カウンタは、「BB遊技状態」の終了条件の払出枚数までの残り枚数を計数するカウンタであり、「BB遊技状態」の終了を判断する際に用いる。遊技可能回数カウンタは、一の「RB遊技状態」において実行することが可能な残りの単位遊技の回数(即ち、遊技可能回数)を計数するためのカウンタである。入賞可能回数カウンタは、一の「RB遊技状態」において小役を成立させることが可能な残りの単位遊技の回数(即ち、入賞可能回数)を計数するためのカウンタである。
[引込優先順位テーブル]
図13を参照して、引込優先順位テーブルについて説明する。図13に示す引込優先順位テーブルは、引込優先順位テーブル番号の「00」〜「02」の各々に対応して、優先順位と引込優先順位データと入賞作動フラグのデータとを規定する。なお、図13では、簡便のために、入賞作動フラグのデータは省略して示した。
引込優先順位テーブルは、入賞作動フラグ(表示役)に係る図柄の組み合わせ間の引込みの優先順位を示す引込データを規定している。引込優先順位データは、引込みの優先順位に対応する全リプレイ、全小役の各々をメインCPU31が識別するために設けられた情報である。引き込みは、基本的に、最大滑り駒数の範囲内で内部当籤役に係る図柄の組み合わせを構成する図柄を入賞ラインに沿って表示するように、リール3L、3C、3Rの回転を停止させることをいう。
優先順位は、入賞作動フラグの種別に対応して優先的に引き込みが行われる引込優先順位データを規定する。図13に示す引込優先順位テーブルにおける優先順位の値が小さい方が引込優先順位は高く、値が大きい方が引込優先順位は低い。
例えば、引込優先順位テーブル番号「00」では、以下のように、引込優先順位データと入賞作動フラグのデータとを規定する。すなわち、優先順位1(引込優先順位データ006H)には、リプレイ、チャンスリプレイの入賞作動フラグが規定され、優先順位2(引込優先順位データ004H)には、ベル、チェリー、スイカの入賞作動フラグが規定され、優先順位3(引込優先順位データ002H)には、BBの入賞作動フラグが規定されている。
例えば、「強スイカ」が内部当籤役として決定された場合には、引込優先順位テーブル番号「00」の引込優先順位テーブルが選択される。「強スイカ」は、「チェリー」と「スイカ」が同時当籤する役である。図13に示すように、引込優先順位テーブル番号「00」では、「チェリー」と「スイカ」の優先順位が両者とも「2」であるため、同じ優先順位である。このように、「チェリー」と「スイカ」とが同じ優先順位である場合には、後述する図19の停止テーブルを参照して、リール3L、3C、3Rの停止位置を決定する。
また、例えば、引込優先順位テーブル番号「01」では、以下のように、引込優先順位データと入賞作動フラグのデータとを規定する。すなわち、優先順位1(引込優先順位データ00EH)には、ベルの入賞作動フラグが規定され、優先順位2(引込優先順位データ006H)には、チェリーの入賞作動フラグが規定され、優先順位3(引込優先順位データ004H)には、スイカの入賞作動フラグが規定され、優先順位4(引込優先順位データ002H)には、BBの入賞作動フラグが規定されている。
また、例えば、引込優先順位テーブル番号「02」では、以下のように、引込優先順位データと入賞作動フラグのデータとを規定する。すなわち、優先順位1(引込優先順位データ00EH)には、ベルの入賞作動フラグが規定され、優先順位2(引込優先順位データ006H)には、スイカ、チェリーの入賞作動フラグが規定され、優先順位3(引込優先順位データ004H)には、リプレイ、チャンスリプレイの入賞作動フラグが規定され、優先順位4(引込優先順位データ002H)には、BBの入賞作動フラグが規定されている。
[内部当籤役格納領域]
図14は、内部当籤役(表示役)を示すデータが格納される内部当籤役格納領域1を示す。内部抽籤処理において決定された内部当籤役は対応する領域に格納される。なお、表示役のフラグをデータとして格納するための表示役格納領域も、図14に示す内部当籤役格納領域と同様の構造であるので、表示役格納領域については図14にて代用し、その説明は省略する。
1バイト(8ビット)からなる内部当籤役格納領域において、ビット0を、"リプレイ"に対応する格納領域に設定してある。ビット1は、"チャンスリプレイ"に対応する格納領域である。ビット2は、"ベル"に対応する格納領域である。ビット3は、"スイカ"に対応する格納領域である。ビット4は、"チェリー"に対応する格納領域である。ビット5〜7は、未使用の格納領域である。
ここで、内部当籤役格納領域においては、決定された内部当籤役データに対応するビットを「1」としている。例えば、内部当籤役格納領域に「00000010」が格納されているとき(即ち、ビット1のデータが「1」のとき)には、内部当籤役は"チャンスリプレイ"である。
[遊技状態フラグ格納領域]
図15は、遊技状態フラグを示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域を示す図である。遊技状態フラグの値は、メインCPU31が現在の遊技状態を識別するために用いられる。例えば、BB1遊技状態である場合には、ビット0に「1」が格納される。ここで、遊技状態フラグ格納領域に格納された遊技状態フラグを示すデータに応じて、前述した図7、図8に示す内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。例えば、ビット4に「1」が格納された場合には、RB遊技状態用の内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされ、それ以外の場合には、一般遊技状態用の内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。
[持越役格納領域]
図16は、持越役に係るデータが格納される持越役格納領域を示す。例えば、内部抽籤処理において内部当籤役としてBB1が決定された場合には、持越役格納領域のビット4に「1」が格納される。ここで、持越役は、後述の内部抽籤処理において決定されたデータポインタに対応する図柄の組合せが入賞ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該データポインタをメインCPU31が識別するために設けられた情報である。
[引込優先順位データ格納領域]
図17は、各図柄位置データに対応して優先引込順位データが格納される引込優先順位データ格納領域を示す。引込優先順位データ格納領域は、左リール用引込優先順位データ格納領域、中リール用引込優先順位データ格納領域、及び右リール用引込優先順位データ格納領域により構成される。各引込優先順位データ格納領域は、当該引込優先順位データ格納領域に対応するリール3L、3C、3Rの図柄位置データのそれぞれについて、引込優先順位データを格納する。引込優先順位データは、一の図柄位置データに位置する図柄がセンターラインの位置で表示された場合に、何れの表示役に係る図柄の組み合わせ又はその一部が入賞ラインの何れかに沿って表示されるかを示すデータである。
例えば、「強スイカ」が内部当籤役として決定された場合に、「強スイカ」は、「チェリー」と「スイカ」が同時当籤する役であり、「チェリー」および「スイカ」の図柄が優先的に引き込まれる。このため、「強スイカ」に内部当籤した場合には、例えば、右リール3Rにおいて、図柄位置「16」番のスイカ図柄よりも、図柄位置「14」番のスイカ図柄が、下段(図柄位置13番)にチェリー図柄が存在するため、優先的に停止することとなる。
また、「強スイカ」に内部当籤した際に、「チェリー」と「スイカ」の優先順位が両者とも同じ優先順位である場合には、「チェリー」と「スイカ」のどちらを優先して入賞させるか、または、両者を同時に入賞するかについては、後述する図19の停止テーブルを参照して、リール3L、3C、3Rの停止位置を決定する。
[停止テーブル]
次に、図18および図19を参照して、停止テーブルについて説明する。図18は、弱スイカ用停止テーブルを示す図である。図19は、強スイカ用停止テーブルを示す図である。停止テーブルは、各内部当籤役、すなわち"ハズレ"、"リプレイ"、"チャンスリプレイ"、"ベル"、"強スイカ"、"弱スイカ"、"チェリー"、"BB1"、"BB2"、"BB3"、"BB4"それぞれに対応する停止テーブルが設けられている。ここでは、「スイカ」を弱スイカとし、「スイカ+チェリー」を強スイカとし、弱スイカ用停止テーブルおよび強スイカ用停止テーブルを例として停止テーブルについて説明する。
停止テーブルは、内部当籤役が決定され、各ストップボタン7L、7C、7Rが押下操作された際に、参照されるテーブルである。図18および図19に示すように、停止データテーブルは、図柄位置データ「0」〜「20」の各々に対応して、1バイトの停止データを規定している。この図18及び図19の図柄位置データが示す停止開始位置は押下位置である。停止テーブルの滑り駒の値が「0」である停止開始位置は、その位置で優先的に停止させないことを意味し、滑り駒の値が「1」である図柄位置は、その位置で優先的に停止させることを意味する。
ここで、弱スイカに内部当籤した場合と強スイカに内部当籤した場合のそれぞれについて、左リール3Lを停止開始位置「1」で押下し、中リール3Cを停止開始位置「14」で押下し、右リール3Rを停止開始位置「15」で押下した場合における停止位置について説明する。
まず、弱スイカに内部当籤した場合の例について説明する。例えば、図18において、左リール3Lを停止開始位置「1」で押下した場合、停止開始位置「1」の滑り駒の値が「1」であるから、図柄位置データ「1」で優先的に停止する。なお、ここで、図柄位置データ「1」で停止しているとは、図柄位置データ「1」が中段に位置していることを意味しており、上段には図柄位置データ「2」が位置し、下段には図柄位置データ「0」が位置している。つまり、図柄表示領域21Lには、図柄位置データ「2」に対応する図柄である「青7」、図柄位置データ「1」に対応する図柄である「黄7」、図柄位置データ「0」に対応する図柄である「スイカ」が上から順に表示されている状態となる。
また、図18において、中リール3Cを停止開始位置「14」で押下した場合、停止開始位置「14」の滑り駒の値が「1」であるから、図柄位置データ「14」で優先的に停止する。また、図18において、右リール3Rを停止開始位置「15」で押下した場合、停止開始位置「15」の滑り駒の値が「0」であり、次の停止開始位置「16」の滑り駒の値が「1」であるから、図柄位置データ「16」で優先的に停止する。なお、ここでは、「スイカ」を入賞させるため、図柄位置データ「16」が下段に位置することとなる。
次に、強スイカに内部当籤した場合の例について説明する。図19において、左リール3Lを停止開始位置「1」で押下した場合、停止開始位置「1」の滑り駒の値が「1」であるから、図柄位置データ「1」で優先的に停止する。また、中リール3Cを停止開始位置「14」で押下した場合、停止開始位置「14」の滑り駒の値が「1」であるから、図柄位置データ「14」で優先的に停止する。また、右リール3Rを停止開始位置「15」で押下した場合、停止開始位置「15」の滑り駒の値が「1」であるから、図柄位置データ「15」で優先的に停止する。
ここで、図20を参照して、上記の例で各ストップボタン7L、7C、7Rの押下操作が行われた場合に、強スイカまたは弱スイカに対応する図柄の組合せの停止表示例について説明する。図20は、強スイカおよび弱スイカに対応する図柄の組合せの停止表示例を示す図である。図20の(1)には、強スイカに対応する図柄の組合せの停止表示例を示し、図20の(2)には、弱スイカに対応する図柄の組合せの停止表示例を示す。
図20の(1)に例示するように、強スイカが入賞した場合には、有効ラインのひとつであるボトムライン8cには、左リール3Lにおける図柄位置データ「0」のスイカ、中リール3Cにおける図柄位置データ「13」のスイカ、右リール3Rにおける図柄位置データ「14」のスイカが表示されている。これらのスイカの図柄の背景は、全て赤色であり、スイカ図柄が一直線に並ぶとともに、背景が赤い図柄が一直線に並ぶので、強スイカに入賞したことを遊技者が容易に識別することができる。
一方、弱スイカが入賞した場合には、有効ラインのひとつであるボトムライン8cには、左リール3Lにおける図柄位置データ「0」のスイカ、中リール3Cにおける図柄位置データ「13」のスイカ、右リール3Rにおける図柄位置データ「16」のスイカが表示されている。図柄位置データ「16」のスイカは、背景が白色であるため、スイカ図柄が一直線に並ぶのは、強スイカと同様であるが、これらのスイカの図柄の背景が赤―赤―白となり、背景が赤い図柄が一直線に並ばないため、強スイカではなく、弱スイカに入賞したことを遊技者が容易に識別することができる。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
次に、図21〜図28を参照して、主制御回路71のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図21を参照して、メインCPU31が実行する主たる処理を示したメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU31は、初期化処理を行い(ステップS1)、ステップS2に移る。なお、この処理では、メインCPU31は、バックアップが正常であるか否か、設定変更が適切に行われたか否かを判定し、判定結果に応じた初期化処理を行う。
続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理、すなわち、単位遊技終了時のRAM33の所定の記憶領域の情報を消去する(ステップS2)。例えば、メインCPU31は、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等に格納されるデータをクリアする。
そして、CPU31は、ボーナス作動監視処理を行う(ステップS3)。ここでは、例えばBB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグの何れかがセットされているときにはRB作動時処理を実行する。すなわち、遊技状態が「BB遊技状態」に入るとすぐに「RB遊技状態」となり、「BB遊技状態」が終了するまで「RB遊技状態」が継続されることになる。このボーナス作動監視処理の詳細については、図22を用いて後に説明する。
続いて、メインCPU31は、後で図23を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS4)。ここでは、新たにメダルが投入されたことによる投入枚数カウンタ又はクレジットカウンタの更新処理、投入枚数カウンタの値に応じた有効ラインの設定処理、BETスイッチの押下操作のチェック処理、単位遊技を行うためのメダルが投入されていることを条件としてスタートレバー6の操作をチェックする処理等を行う。
次に、メインCPU31は、抽籤用乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS5)。このステップS5の処理で抽出された抽籤用乱数値は、内部抽籤処理(後述の図24)において使用される。続いて、メインCPU31は、後で図24を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS6)。なお、この処理では、メインCPU31は、内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、停止テーブル群決定テーブルを参照し、遊技状態および内部当籤役に基づいて、停止テーブル群を決定する(ステップS7)。次に、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(ステップS8)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役等の情報を含み、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理においてサブ制御基板72に送信される。これにより、サブ制御基板72は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU31は、全リールの回転開始処理を行う(ステップS9)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転の開始を要求するとともに、リール回転開始コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。
次に、メインCPU31は、後で図25を参照して説明するリール停止制御処理を行う(ステップS10)。続いて、メインCPU31は、図柄組み合わせテーブルを参照し、有効ラインに沿って表示される図柄の組み合わせに基づいて表示役等を決定する(ステップS11)。
続いて、メインCPU31は、「第3停止操作」を行った停止ボタンが押下操作されたことを条件に、副制御回路72に対して「表示役コマンド」を送信する。「表示役コマンド」には、表示役を特定する表示役データ、メダルの払出枚数に関する情報等が含まれる。(ステップS12)。次に、メインCPU31は、ステップS12において決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払い出す(ステップS13)。
次に、メインCPU31は、上記払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタの値を更新する(ステップS14)。ここでは、ボーナス終了枚数カウンタの値が「1」以上の値であるときには、メダルの払出枚数に応じてボーナス終了枚数カウンタの値を減算する。なお、ボーナス終了枚数カウンタの下限値は「0」とし、負の値を取らないものとする。
そして、CPU31は、RAM33における所定の記憶領域を参照して、図15に示すBB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグのいずれかがが「オン」状態であるか否かの確認を行う(ステップS15)。BB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグのいずれかが「オン」の状態である場合には、ステップS16に移行する。
また、ステップS15においてBB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ及びBB4遊技状態フラグの全てが「オフ」の状態であった場合、若しくは、ステップS16におけるボーナス終了チェック処理が終了した場合には、処理をステップ17に移し、ボーナス作動チェック処理を行う。ボーナス終了チェック処理については、後段にて図26を用いて説明し、ボーナス作動チェック処理については、後段にて図27を用いて説明する。ステップS17において、ボーナス作動チェック処理が終了したら、ステップS2に戻り、再び以降の処理を実行する。
[ボーナス作動監視処理]
図22を参照して、ボーナス作動監視処理について説明する。図22は、ボーナス作動監視処理を示すメインフローチャートである。
ステップS21にてCPU31(特別遊技作動手段)は、図15に示す遊技状態フラグ格納領域を参照して、BB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグのいずれかが「オン」状態であるか否かの判断を行う。BB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグのいずれかが「オン」状態となっていなければ、即ち、全てが「オフ」状態であれば、ボーナス作動監視処理を終了させる。
他方、BB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグのいずれかが「オン」状態であるときには、ステップS22に進み、RB遊技状態フラグが「オン」状態であるか否かを確認する。RB遊技状態フラグが「オン」状態であれば、ボーナス作動監視処理を終了する。
他方、RB遊技状態フラグが「オン」状態でない場合(即ち、RB遊技状態フラグが「オフ」状態の場合。)には、次のステップS23に移行して、ボーナス作動時テーブルに基づいたRB作動時処理を行う。具体的には、図15に示すRB遊技状態フラグを「オン」状態として設定し、遊技可能回数カウンタに「8」を設定し、入賞可能回数カウンタに「8」を設定する(図12参照。)。
[メダル受付・スタートチェック処理]
図23を参照して、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かをメインCPU31が判別する処理の手順を示したメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、自動投入カウンタの値があるか否か、すなわち、「0」であるか否かを判別する(ステップS31)。このとき、自動投入カウンタの値がある場合、すなわち「0」以外である場合には、メインCPU31は、続自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写し(ステップS33)、自動投入カウンタをクリアして(ステップS34)、ステップS35の処理に移行する。なお、自動投入カウンタは、自動的に投入するメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタであり、投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。自動投入カウンタ及び投入枚数カウンタは、メインRAM33の所定の領域に格納される。
他方、自動投入枚数カウンタの値がない、すなわち「0」である場合には、メインCPU31は、メダル通過を許可し(ステップS32)、続いて、ステップS35の処理を行う。ステップS35では、メインCPU31は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する。本実施形態では、メインCPU31は、投入枚数の最大値を「3」とセットする。
次のステップS36にてCPU31は、図14に示す遊技状態フラグ格納領域を参照して、BB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグのいずれかが「オン」にセットされているか否かの判断を行う。そして、BB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグのいずれかが「オン」にセットされている場合には、次のステップS37の処理に進み、投入枚数カウンタを「RB遊技状態」における最大値の2枚に変更する処理を行う。他方、BB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ及びBB4遊技状態フラグのいずれも「オン」にセットされていない場合には、次のステップS38に分岐する。
次のステップS38では、メダル投入口10における投入メダルセンサ42Sが「オン」になったか否かを検出することにより、メダルが通過したか否かの判断を行う。メダル投入口10における投入メダルセンサ50が「オン」状態になっていなければ、ステップS44に分岐して、最大BETスイッチ12Sのチェック処理を行う。また、投入メダルセンサ42Sが「オン」状態になった場合には、次のステップS39に進み、投入枚数カウンタの値が最大値であるか否かの判断を行う。
ステップS39にてCPU31は、投入枚数カウンタが最大値であるか否かを判別する。なお、投入枚数カウンタの最大値は、上述のように遊技状態に対応して設けることが可能であるが、ここでは、投入枚数カウンタの最大値として「一般遊技状態」における「3」枚が設定されている例について説明する。ステップS39にて、投入枚数カウンタが最大値であると判断した場合には、CPU31は、ステップS43の処理に分岐する。ステップS43にてCPU31は、クレジットカウンタの値に「1」を加算し、続いて、ステップS44の処理に進む。クレジットカウンタは、クレジットされたメダル枚数を計数するためのカウンタである。他方、投入枚数カウンタの値が最大値でない場合には、CPU31は、ステップS40の処理に進み、投入枚数カウンタの値に「1」を加算する処理を行う。
続いて、ステップS41にてCPU31は、有効ラインカウンタに「5」を格納し、全ての有効ラインを有効にしておく。続いて、CPU31は、次のステップS42にて「メダル投入コマンド」を副制御回路72に送信する処理を行って、ステップS44の処理に進む。この「メダル投入コマンド」を副制御回路72が受信すると、BETランプを点灯させたり、音による案内をスピーカ9L,9Rから発する演出を行う。
ステップS44にてCPU31は、最大BETスイッチ12Sのチェックを行う。具体的には、最大BETスイッチ12Sからの入力があった場合(即ち、遊技者によって最大BETスイッチ12Sが押下操作された場合)には、投入枚数カウンタの値と、クレジットカウンタの値と、遊技状態に対応する開始操作が有効となる最大の投入枚数とに基づいて、投入枚数カウンタの値に加算する値を算出し、投入枚数カウンタの値を更新する。
続いて、ステップS45にてCPU31は、投入枚数カウンタの値が最大値の「3」枚であるか否かを判別する。このとき、投入枚数カウンタの値が最大値の「3」枚である場合には、次のステップS46の処理に進む。他方、投入枚数カウンタの値が最大値の「3」枚でない場合には、CPU31は、ステップS38の処理に戻る。
次のステップS46にてCPU31は、スタートスイッチ14Sが「オン」であるか否かを判断する。具体的には、CPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ14Sからの入力があったか否かを判別する。このとき、スタートスイッチ14Sからの入力があった場合には、ステップS47の処理に進み、メダル投入口10からメダルが投入されても、投入されたメダルをメダル払出口15からメダル受皿16に排出して(図2参照)、メダルの受付を禁止する。ステップS47の処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了して、元の処理ルーチンに戻る。
[内部抽籤処理]
図24を参照して、乱数値及び遊技状態等に基づいてメインCPU31が内部当籤役を決定する処理の手順を示した内部抽籤処理について説明する。
ステップS51にて、CPU31は、図6に示す内部抽籤テーブル決定テーブルを参照して、遊技状態に応じて内部抽籤テーブルの種別と抽籤回数とを決定する処理を行う。例えば、現在の遊技状態が「一般遊技状態」(図7参照)である場合には、抽籤回数として「14」を代入する。また、現在の遊技状態が、「RB遊技状態」(図8参照)である場合には、抽籤回数として「3」を代入する。そして、決定した抽籤回数をCPU31のレジスタに抽籤回数カウンタの値としてセットする。
次のステップS52では、図16に示す持越役格納領域のビット4〜ビット7に格納されている「持越役」のフラグが「0」であるか否かの判断を行う。この判断により、「持越役」のフラグが全て「0」でないとき(即ち、「BB内部当籤状態」にあるとき)には、ステップS53の処理に進み、当籤番号「7」〜「14」のボーナス用の抽籤を省くために(図6及び図7参照)、抽籤回数から8を減算して、抽籤回数を「14」から「6」に変更する。他方、ステップS52の判断にて、「持越役」のフラグが全て「0」のときには、ステップS54の処理に分岐する。
次のステップS54では、図21のステップS5にて抽出した乱数値をRAM33の乱数値格納領域から取得して、乱数データとしてセットする。次のステップS110では、図6に示す抽籤回数、ステップS53又はステップS58にて変更した抽籤回数を当籤番号としてセットする。そして、現在の当籤番号に対応した抽籤値を取得する。
次のステップS56にてCPU31は、乱数データから抽籤値を減算する処理を行い、減算した結果を新たな乱数データとしてセットする処理を行う。次のステップS57にてCPU31は、乱数データについて桁借りが行われたか否かの判断を行う。乱数データについて桁借りが行われた場合(すなわち、負の値になった場合)には、ステップS56の処理に分岐して、図9又は図10を参照して、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタをセットする。他方、桁借りが行われなかった場合には、次のステップS58の処理に進み、次の抽籤を行うための準備を行う。
ステップS58にてCPU31は、現在設定されている抽籤回数から「1」を減算する処理を行う。そして、次のステップS59では、抽籤回数を減算した結果、「0」になったか否かの判断を行う。抽籤回数が「0」でない場合には、再度抽籤処理を行うべく、ステップS55に戻る。他方、抽籤回数が「0」となっている場合には、次のステップS60に進み、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタとして"ハズレ"を意味する「0」をセットする。そして、ステップS62の処理に進む。
ステップS62にてCPU31は、図9に示す小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照して、ステップS60又はステップS61にてセットした小役・リプレイ用データポインタに基づいて、当たり要求フラグを取得する処理を行う。そして、次のステップS63にてCPU31は、取得した当たり要求フラグを対応する内部当籤役格納領域に格納する処理を行う。
次のステップS64にてCPU31は、図16に示す持越役格納領域を参照して、持越役格納領域のビット4〜ビット7の全てが「0」であるか否かの判断を行う。もし、持越役格納領域のビット4〜ビット7の全てが「0」でない場合(すなわち既に「BB内部当籤状態」にあるとき。)には、ステップS67の処理に分岐する。なお、持越される「BB内部当籤状態」は何れか1つのみであり、複数ストックされることはない。
他方、ステップS64にて、持越役格納領域のビット4〜ビット7の全てが「0」であった場合には、ステップS65の処理に進み、図10に示すボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照して、ボーナス用データポインタに基づいてボーナス用の当たり要求フラグを取得する。なお、このボーナス用の当たり要求フラグのデータは、図10及び図14を参照すると明らかなようにビット4〜ビット7であり、小役・リプレイ用の当たり要求フラグとは別の格納領域を割り当てている。次のステップ66にてCPU31は、取得した当たり要求フラグを、図16に示す持越役格納領域に格納する処理を行う。
次のステップS67にてCPU31は、図16に示す持越役格納領域に格納されているボーナス用の当たり要求フラグを取得し、内部当籤役格納領域と持越役格納領域の論理和を演算して、図14に示す内部当籤役格納領域に格納する処理を行う。この内部当籤役格納領域に格納されているデータが「1」となっている役が、現在の内部当籤役であり、小役や"リプレイ"などのフラグと併せて、「持越役」のフラグを内部当籤役格納領域にセットすることができる。なお、小役や"リプレイ"は次回の遊技に持越されることはないが、「持越役」については、前回の「持越役」が次回以降の遊技に持越されることになる。すなわち、「持越役」が停止表示されるまで、「持越役」のフラグが内部当籤役格納領域に繰り返しセットされることとなる。
[リール停止制御処理]
次に、図25を参照して、内部当籤役と遊技者による停止操作のタイミングとに基づいて、左リール3L、中リール3C、及び右リール3Rの回転を停止させるためのリール停止制御処理について説明する。
先ず、ステップS71にてCPU31は、左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、及び右停止ボタン7Rのうち、有効な停止ボタンがオンになったか否か、すなわち回転している左リール3L、中リール3C、又は右リール3Rに対応する左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、又は右停止ボタン7Rが押下操作されたか否かを判別する。このとき、有効な停止ボタンが押下操作されたと判断した場合には、次のステップS72の処理を実行する。他方、有効な停止ボタンが押下操作されていない場合には、再び、ステップS71の判断に戻り、左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、又は右停止ボタン7Rが押下操作されるのを待つ処理を行う。
ステップS72にてCPU31は、押下操作された停止ボタンの「有効停止ボタンフラグ」を「オフ」に更新することで、押下操作された停止ボタンを無効化する処理を行う。これにより、一旦押下操作が行われた左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、又は右停止ボタン7Rに対しては、再度の押下操作が無効化される。なお、「有効停止ボタンフラグ」とは、左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、又は右停止ボタン7Rの押下操作を許可するか否かを識別するための情報であり、左停止ボタン7L、中停止ボタン7C、及び右停止ボタン7Rのそれぞれに対応して3つ設けられる。
次のステップS73にてCPU31は、決定されている停止制御テーブル群から、押下操作された停止ボタンに基づいて停止制御テーブルを絞り込んで選択し、図柄カウンタに応じた停止データを、図柄の滑りコマ数の初期値として格納する処理を行う。
次のステップS74にてCPU31は、図柄の滑りコマ数のチェック回数として、「5」回の初期値をセットする。図柄の滑りコマ数として、「0」〜「4」の5種類の引込める範囲が存在するからである。
次のステップS75にてCPU31は、図柄カウンタに対応する図柄位置からのチェック回数の範囲内において、より優先順位の高い図柄位置を検索する処理を行う。例えば、複数の内部当籤役が内部当籤役格納領域(図14参照)に格納されている場合には、予め定められている優先順位に従って停止させる図柄を決定し、図柄に対応した停止制御テーブルを参照して、停止させる図柄位置を検索する。例えば、内部当籤役格納領域(図14参照)に、"リプレイ"と"BB1"、"BB2"、"BB3"又は"BB4"のフラグが組み合わされてセットされている場合には、優先順位の高い"リプレイ"の図柄組合せが揃う停止制御テーブルを決定して、停止させる図柄位置を検索する。
次のステップS76にてCPU31は、ステップS73にて格納した停止データ(図柄の滑りコマ数の初期値。)とステップS75にて検索した図柄位置とに基づいて実際に停止制御を行う際の滑りコマ数を決定する。
次のステップS77にてCPU31は、停止制御位置待ちへ移行する処理を行い、リールを停止させる。そして、次のステップS78にて、副制御回路72に対して「リール停止コマンド」を送信する。
次のステップS79にてCPU31は、押下操作が有効な停止ボタンがあるか否かの判断を行う。具体的には、3つの「有効停止ボタンフラグ」のうち何れかが「オン」であるか否かを判別する。このとき、3つの「有効停止ボタンフラグ」のうち何れかが「オン」である場合にはステップS71に分岐し、再度リール停止制御処理を行う。
他方、3つの「有効停止ボタンフラグ」の全てが「オフ」である場合(「第3停止操作」が終了した状態であり、押下操作が有効な停止ボタンが無い場合。)には、リール停止制御処理のサブルーチンを終了して、元の処理ルーチンに戻る。
次に、図26に示すフローチャートを用いて、ボーナス終了チェック処理について説明する。図26は、図21のステップS16における主制御回路71のボーナス終了チェック処理の詳細を示すものである。
ステップS81にてCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタが「0」になっているか否かの判定を行う。更新されたボーナス終了枚数カウンタの値が「0」であればステップS82に進み、CPU31は、「BB遊技状態」を終了させるべく、RB遊技状態フラグ並びにBB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグを「オフ」にセットし、「BB遊技状態」及び「RB遊技状態」で使用していた入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタの値をクリアする等のBB終了時処理を行う。そして、次のステップS83にて副制御回路72に対して「ボーナス終了時コマンド」を送信して、ボーナス終了チェック処理を終了する。なお、この「ボーナス終了時コマンド」を副制御回路72が受信すると、副制御回路72は「BB遊技状態」が終了したことを遊技者に通知する演出を行う。
他方、ステップS81にて、ボーナス終了枚数カウンタの値が「0」でないと判断した場合にはステップS84に分岐し、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタの値から「1」を減算する処理を行う。なお、図12に示したボーナス作動時テーブルにおいて、遊技可能回数カウンタと入賞可能回数カウンタの初期値が異なる場合(すなわち、遊技可能回数カウンタの初期値が「12」である場合のように、「RB遊技状態」において"ハズレ"が存在する場合。)には、入賞可能回数カウンタの値が「0」であるか否かの判断を行って、入賞可能回数カウンタの値が「0」である場合にはRB終了時処理を実行し、入賞可能回数カウンタの値が「0」でない場合には、遊技可能回数カウンタの値から「1」を減算する処理を行った後に、遊技可能回数カウンタの値が「0」であるか否かの判断を行う。そして、当該遊技可能回数カウンタの値が「0」である場合には、RB終了時処理を実行した後に、当該ボーナス終了チェック処理を終了して元の処理ルーチンに戻る。他方、遊技可能回数カウンタの値が「0」でない場合には、「RB遊技状態」を継続すべく、RB終了時処理を実行せずに当該ボーナス終了チェック処理を終了して元の処理ルーチンに戻る。
次のステップS85では、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタの値が「0」であるか否かの判定を行い、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタの値が「0」のときには、「RB遊技状態」を終了させるべくステップS86に進み、RB終了時処理を行う。RB終了時処理が終了すると、当該ボーナス終了チェック処理を終了して元の処理ルーチンに戻る。
他方、ステップS85の判断にて、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタの値が「0」でないときには、「RB遊技状態」を継続させるためにボーナス終了チェック処理を終了して、元の処理ルーチンに戻る。
次に、図27に示すフローチャートを用いて、ボーナス作動チェック処理について説明する。図27は、図21のステップS17における、ボーナス作動チェック処理を説明するものである。
ステップS91にてCPU31は、停止表示された図柄組合せに係る表示役が"BB1"、"BB2"、"BB3"又は"BB4"の何れかであるか否かの判定を行う。表示役が"BB1"、"BB2"、"BB3"又は"BB4"の何れでもない場合には、ステップS94の処理に分岐し、表示役が"BB1"、"BB2"、"BB3"又は"BB4"の何れかである場合には、ステップS92に進む。
ステップS92にてCPU31は、表示役が"BB1"、"BB2"、"BB3"又は"BB4"の何れかであることを受けて、表示されたボーナスに応じた作動時処理を行う。より具体的には、図14に示す遊技状態フラグ格納領域にBB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグの何れかをセットする処理、ボーナス終了枚数カウンタに、図12に示す「402」、「177」又は「58」の払出枚数の値をセットする処理、図16に示す持越役格納領域のビット4、ビット5、ビット6又はビット7の何れかを「0」にセットして「持越状態」を解除する処理等を行う。
次のステップS93にて、CPU31は、副制御回路72に対して「ボーナス開始コマンド」を送信する。副制御回路72がこの「ボーナス開始コマンド」を受信すると、遊技者に対して「BB遊技状態」にあることを通知する華やかな演出を行う。ステップS93の処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
他方、ステップS94にてCPU31は、表示役が"リプレイ"であるか否かの判断を行う。表示役が"リプレイ"であるときには、ステップS95に進み、CPU31は、今回の遊技に用いた投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する処理を行って、当該ボーナス作動チェック処理を終了し、元の処理ルーチンに戻る。他方、ステップS94の処理において、表示役が"リプレイ"でないと判断した場合には、そのまま当該ボーナス作動チェック処理を終了して元の処理ルーチンに戻る。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1172msec)]
図28を参照して、メインCPU31が所定の時間(例えば、1.1172ms)毎に実行する割込の処理の手順を示したメインCPU31の制御による割込処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS101)。続いて、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS102)。この処理では、メインCPU31は、マイクロコンピュータ30へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ14S、ストップスイッチ7S等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。また、メインCPU31は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する割込処理の通信データ送信処理においてサブ制御基板72に送信される。これにより、スタートレバー6やストップボタン7L、7C、7Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU31は、リール制御処理を行う(ステップS103)。例えば、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を制御する。より詳細には、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L、3C、3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L、3C、3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L、3C、3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU31は、ランプ・7SEG駆動処理を行う(ステップS104)。例えば、メインCPU31は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(ステップS105)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
次に、副制御回路72の画像制御マイコン81にて実行される処理について説明する。なお、以降の副制御回路72にて実行される処理は、図4に示す画像制御マイコン81が実行してもよいし、画像制御マイコン81及び音・ランプ制御マイコン111とを併せる形で構成したCPUを用いて実行することも可能である。
先ず、画像制御マイコン81が実行する割込処理について、図29を用いて説明する。回胴式遊技機1の電源が投入され、画像制御マイコン81のリセット端子にリセット信号が入力されると、画像制御マイコン81はステップS201にて、ワークRAM84における所定領域の初期化処理や、制御RAM87、シリアルポート82等の周辺機器に対する初期化処理を行うとともに、画像制御マイコン81に対する割込許可の設定等の処理を行う。
次のステップS202にて画像制御マイコン81は、操作部60から入力された信号を監視する処理を行う。例えば、操作部60を操作することにより日付に関する情報が入力された場合には、その情報を画像制御マイコン81が読み取って、ワークRAM84の所定の領域に記憶する。
次のステップS203にて画像制御マイコン81は、シリアルポート82を介して主制御回路71から取得したコマンドの入力処理を行う。コマンド入力処理の詳細については、後段にて図30を用いて説明する。
次のステップS204にて画像制御マイコン81は、液晶表示装置5、LED類57、ランプ類58、又はスピーカ9L,9Rを介して行う演出内容を決定する処理を行う。例えば、主制御回路71から受信したコマンドに応じて、液晶表示装置5にて表示するアニメーションデータ(演出画像を含む。)の登録処理や、LED類57、又はランプ類58が発光する発光データ、又はスピーカ9L,9Rから発するサウンドデータの登録処理を行う。演出内容決定処理の詳細については、後段にて図31を用いて説明する。
次のステップS205にて画像制御マイコン81は、先のステップS204にて登録したアニメーションデータを画像制御IC86に出力する。また、先のステップS204にて登録したLED類57、又はランプ類58を発光させる発光データ、又はスピーカ9L,9Rから発するサウンドに関するデータを、シリアルポート82を介して音・ランプ制御マイコン111に送信する処理を行う。
音・ランプ制御マイコン111は、画像制御マイコン81から取得した発光データに基づき、LED類57、又はランプ類58を発光させる信号を、LED類57、又はランプ類58に対して出力する。
また、音・ランプ制御マイコン111は、画像制御マイコン81から取得したサウンドに関するデータに基づき、スピーカ9L,9Rから発する音を設定して音源IC115に出力する。音源IC115が音源を生成してパワーアンプ116に出力すると、音源の信号が増幅されてスピーカ9L,9Rから演出音が発せられる。ステップS205におけるコマンド出力処理が終了すると、画像制御マイコン81が実行する処理はステップS202に戻る。
次に、画像制御マイコン81が実行するコマンド入力処理について、図30を用いて説明する。図30は、図29のステップS203における、コマンド入力処理を説明するものである。
ステップS211にて画像制御マイコン81は、シリアルポート82の受信バッファを参照して、主制御回路71から受信した未処理のコマンドが存在するか否かの判断を行う。未処理のコマンドが存在する場合にはステップS212に進み、未処理のコマンドが存在しない場合には、コマンド入力処理を終了して、元の処理ルーチンに戻る。
次のステップS212にて画像制御マイコン81は、コマンドの種別に応じた実行処理を行う。例えば、「スタートコマンド」、「リール停止コマンド」、「表示役コマンド」、「払出終了コマンド」、「メダル投入コマンド」、「ボーナス開始コマンド」、「ボーナス終了時コマンド」その他のコマンドを受信した場合には、そのコマンドに応じたフラグやデータをセットする処理を行う。
次のステップS213にて画像制御マイコン81は、ステップS212にて処理を終えたコマンドを処理済みのコマンドとして設定する処理を行う。ステップS213における処理が終了すると、コマンド入力処理のルーチンを終了する。
次に、画像制御マイコン81が実行する演出内容決定処理について、図31を用いて説明する。図31は、図29のステップS204における、演出内容決定処理を説明するものである。
ステップS221にて画像制御マイコン81は、図29のステップS203にて主制御回路72から取得した情報に、「スタートコマンド」が含まれているか否かの判断を行う。この「スタートコマンド」は、図21のステップS8にて、CPU31が送信したコマンドを受信したものであり、内部当籤役データや、遊技状態フラグ等の情報が含まれる。
受信したコマンドに「スタートコマンド」が含まれていると判断した場合には、ステップS222に進み、演出抽籤処理を行って演出データを決定し、複数種類の演出の中から実際に実行する演出を選び出す処理等を行って、ステップS231に進む。ここで実行する演出抽籤処理の詳細については、図32を用いて、後段にて説明する。他方、受信したコマンドに「スタートコマンド」が含まれていないと判断した場合には、ステップS223に進む。
ステップS223にて画像制御マイコン81は、図29のステップS203にて取得した情報に、「リール停止コマンド」が含まれているか否かの判断を行っている。この「リール停止コマンド」は、回転していた左リール3L、中リール3C、又は右リール3Rに対する停止操作が行われたことを表すものであり、停止したリールの識別情報、及び停止表示される図柄の情報などが含まれている。
もし、「リール停止コマンド」が含まれている場合には、次のステップS224に進み、停止操作に応じた演出を行う処理であるリール停止コマンド受信時処理を行う。他方、ステップS223の判断にて、受信したコマンドに「リール停止コマンド」が含まれていないと判断した場合には、ステップS225に分岐する。
ステップS205にて画像制御マイコン81は、図29のステップS203にて取得した情報に、「表示役コマンド」が含まれているか否かの判断を行う。この「表示役コマンド」には、回転していた左リール3L、中リール3C、及び右リール3Rが停止した際に、有効ライン8上に停止した図柄の停止態様に基づいて決定した表示役を特定する表示役データの情報が含まれている。
もし、「表示役コマンド」が含まれている場合には、次のステップS226に進み、「
表示役コマンド」が含まれていない場合には、ステップS227に分岐する。
ステップS226にて画像制御マイコン81は、取得した表示役コマンドに応じた演出
データをセットする処理を行って、ステップS231に進む。
ステップS227にて画像制御マイコン81は、図29のステップS203にて取得した情報に、「ボーナス開始コマンド」が含まれているか否かの判断を行う。この「ボーナス開始コマンド」は、図27のステップS93にて、CPU31が送信したコマンドを受信したものであり、BB1遊技状態フラグ、BB2遊技状態フラグ、BB3遊技状態フラグ又はBB4遊技状態フラグの情報が含まれる。受信したコマンドに「ボーナス開始コマンド」が含まれていると判断した場合には、ステップS228に進み、BB開始用演出データをセットする処理を行う。他方、受信したコマンドに「ボーナス開始コマンド」が含まれていないと判断した場合には、ステップS229に分岐する。
ステップS229にて、画像制御マイコン81は、図29のステップS203にて取得した情報に、「ボーナス終了時コマンド」が含まれているか否かの判断を行っている。この「ボーナス終了時コマンド」は、図26のステップS83にて、CPU31が送信したコマンドを受信したものであり、「BB遊技状態」が終了したことを表す情報である。もし、受信したコマンドに「ボーナス終了時コマンド」が含まれていると判断した場合には、次のステップS230に進む。他方、受信したコマンドに「ボーナス終了時コマンド」が含まれていないと判断した場合には、ステップS231に分岐する。
ステップS230にて画像制御マイコン81は、受信したコマンドに「ボーナス終了時コマンド」が含まれていることを受けて、BB終了時用演出データをセットする処理を行う。
ステップS231にて画像制御マイコン81は、ステップS222、ステップS224、ステップS226、ステップS228、及びステップS230にて決定した演出データや遊技状態、表示役等に応じた演出を選び出して所定の記憶領域にセットする処理を行う。ここでは、例えば演出内容に応じた所定のアニメーションデータをセットしたり、LED類57又はランプ類58を発光させる発光データをセットしたり、スピーカ9L,9Rから発するサウンドデータをセットする処理を行う。ステップS231にて演出データのセットが終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、画像制御マイコン81にて実行される演出抽籤処理について、図32を用いて説明する。図32は、図31のステップS222における演出抽籤処理の詳細を示すものである。
ステップS241にて画像制御マイコン81は、主制御回路71から送信されてきた「BB1遊技状態フラグ」、「BB2遊技状態フラグ」、「BB3遊技状態フラグ」又は「BB4遊技状態フラグ」を参照して、現在の遊技状態が「BB遊技状態」であるか否かの判断を行う。もし、現在の遊技状態が「BB遊技状態」である場合には、次のステップS242の処理に進む。
ステップS242にて画像制御マイコン81は、遊技状態フラグの種別に基づいたボーナス作動中用の演出データを決定してセットする処理を行う。更に、画像制御マイコン81は、LED類57、又はランプ類58を発光させる発光データ、サウンドデータ等のボーナス作動中用演出データを決定してセットする処理を行う。これにより、以降「BB遊技状態」専用の華やかな演出を行うことができる。ステップS242の処理が終了すると、当該演出抽籤処理を終了して、元の処理ルーチンに戻る。
他方、ステップS241にて、現在の遊技状態が「BB遊技状態」ではないと判断した場合には、ステップS243の処理に分岐し、演出内容が規定された演出決定テーブル(図示せず)を参照して、「一般遊技状態」の内部当籤役に基づいた演出データを抽籤により決定してセットする。ステップS243の処理が終了すると、当該演出抽籤処理を終了して、元の処理ルーチンに戻る。
以上、説明したように、実施例1の遊技機1では、遊技者にとって有利度合いが高い強スイカを構成する図柄の背景と遊技者にとって有利度合いが低い弱スイカを構成する図柄の背景とを異ならせることで、当籤役の識別を容易にすることが可能である。例えば、従来のように、図柄の組み合わせが停止表示された有効ラインに応じて、有利度合いが高い当籤役と有利度合いが低い当籤役とを識別させる場合には、どの有効ラインで停止表示した場合に有利度合いが高い当籤役であるのか、また、どの有効ラインで停止表示した場合に有利度合いが高い当籤役であるのかを覚える必要がある。これに対して、実施例1の遊技機1によれば、背景に色または模様が付与された図柄の組み合わせが有効ライン上に揃った場合には、強スイカが入賞したことが一目で判別できるため、当籤役の識別を容易にすることが可能である。また、所定の間隔でスイカ図柄の背景に赤色が規則的に付されているので、回転するリールを目視する遊技者の目に対する負担が軽く、遊技者の目を疲れにくくすることが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、背景に赤色が付された図柄が一直線に並んだ場合には、ボーナス役が同時当籤している可能性のある強スイカに当籤していることが判別可能であるので、ボーナスに同時当籤したことを遊技者に期待させることができ、遊技の興趣性を向上することが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、遊技者にとって有利度合いが高い強スイカが、スイカとチェリーの複数の役が重複当籤する重複当籤役であり、背景に赤色が付与された図柄のみが所定の有効ライン上で揃い、且つ、重複当籤したスイカとチェリーが同時に入賞する場合があるので、当籤役の識別を容易にすることが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、背景に色または模様が付与された図柄のみが所定の有効ライン上で揃った場合には、有利度合いが高い当籤役が入賞したことを一目で判別でき、また、背景が白色であって、且つ、模様がない図柄が有効ライン上に含まれていた場合には、有利度合いが低い当籤役が入賞したことを遊技者に直感的に判別させることが可能である。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
上記の実施例では、赤色の背景が7図柄間隔で規則的に配されている場合を説明したがこれに限定されるものではない。つまり、背景として配されるのは、色に限定されるものではなく、例えば、水玉や花柄などの模様であってもよい。また、背景の色は赤色に限定されるものではなく、例えば、青色や黄色などでもよいし、黒色と黄色など2色以上を配してもよい。また、色や模様を配する間隔は、7図柄間隔で限定されるものではなく、7図柄間隔よりも間隔が短くてもよいし、長くてもよい。
また、上記の実施例では、所定の図柄間隔で規則的に背景に赤色を配する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、所定の図柄間隔で規則的に背景に白色を配し、他の図柄の背景に色や模様を配するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、遊技者にとって有利度合いが高いBB+強スイカは、スイカとBBが重複当籤する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、強スイカが当籤することで、弱スイカよりも遊技者に付与される特典が多ければよい。例えば、強スイカに当籤した場合にのみ、有利な遊技状態に移行させてもよいし、強スイカに当籤した場合に、有利な遊技状態が継続する回数がより多くなるようにしてもよい。
また、上記の実施例では、リール3L、3C、3Rの3つのリールを用いたパチスロ1を例にとって説明したが、リールの数は3つに限られるものではない。例えば、2つ又は4つ以上のリールを用いることとしてもよい。また、リールの数の増減に伴い、択ベル等の択数を変化させることとしてもよい。なお、択数に関しては、リールの数の増減だけでなく、リールの数と図柄の組み合わせにより変化させることとしてもよい。
また、上記の実施例では、遊技状態として、一般遊技状態とRB遊技状態を設けている場合を説明したが、これに限られるものではない。例えば、遊技状態が3つ以上あってもよい。また、BBの種別として、BB1〜4の4つを設けている場合を説明したが、これに限られるものではなく、BBの種別が3つ以下であってもよいし、5つ以上であってもよい。
さらに、実施例のようなパチスロ1の他、他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のパチスロ1での動作を家庭用ゲーム機用として疑似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。