JP6160453B2 - ハイブリッド車のエンジン始動制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、モータリングして始動されるエンジンとモータとを駆動力源として備えたハイブリッド車において、そのモータで走行している状態でそのモータが出力する駆動力でエンジンをモータリングするように構成されたエンジン始動制御装置に関するものである。
この種のハイブリッド車ではエンジン(内燃機関)を停止させてモータの駆動力によって走行することが可能であり、またその状態でモータの駆動力を利用してエンジンをモータリングして始動することが可能である。このような始動制御を行う装置が特許文献1や特許文献2に記載されている。これらの特許文献1,2に記載された装置は、発電機モータと走行用駆動モータとを備えたハイブリッド車を対象とした装置であって、発電機モータとエンジンとが差動機構を介して連結されていることにより、二つのモータを使用して走行する場合には、エンジンの出力軸を一方向クラッチやブレーキによって固定し、発電機モータをいわゆる逆回転させて出力部材もしくは出力要素に前進走行する方向のトルクを生じさせている。そして、エンジンを始動するためにモータリングする場合、発電機モータをいわゆる正回転させている。その場合、発電機モータによるトルクは、前記出力部材もしくは出力要素に対して、前進方向のトルクを低下させるように作用する。
特開平08−295140号公報 特開2000−23310号公報
特許文献1に記載された装置では、発電機モータおよび走行用駆動モータの両方のモータによって走行している状態でエンジンを始動する場合、発電機モータを上述したように正回転させ、それによって前進方向のトルクが減殺されるから、エンジンをモータリングすることに伴って走行駆動力が意図せずに低下してしまったり、走行駆動力の急激な低下によってショックが発生する可能性がある。
また、特許文献2に記載された装置では、上記のショックを防止するために、いわゆるモータ走行状態でエンジンを始動する場合、エンジンの始動に先立って目標走行用駆動モータトルクを僅かずつ低下させ、その後、目標走行用駆動モータトルクを僅かずつ増大させ、車速がエンジン始動車速に達してエンジンの始動を行い、その後、目標走行用駆動モータトルクを所定量ずつ低下させる。特許文献2の装置では、このようにエンジンを始動する際に目標走行用駆動モータトルクを僅かずつ変化させるので、ショックを防止できる、とされている。しかしながら、この制御は、モータで発進した後にエンジンを始動する場合に適用される制御であり、いわゆる中高速の一定車速で走行している場合や車速が低下している場合に、要求駆動力の増大によってエンジンを始動する制御に直ちに適用することは困難である。
この発明は上記の事情を背景としてなされたものであって、エンジンの始動に伴う駆動力の変化が違和感とならないように駆動力を制御することのできるエンジン始動制御装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、エンジンが出力した動力を第1モータと出力要素とに分割する動力分割機構と、その出力要素から駆動輪に動力を伝達する伝達経路に連結された第2モータと、前記エンジンの出力軸の回転を止めるブレーキ手段とを備えたハイブリッド車が前記ブレーキ手段によって前記エンジンの出力軸の回転を止め、かつ前記第1モータおよび第2モータの動力で走行している状態から前記ブレーキ手段を解放し、かつ前記エンジンを前記第1モータの出力トルクを利用して始動するハイブリッド車のエンジン始動制御装置において、前記駆動輪で発生させる目標駆動力に基づいて前記第1モータと前記第2モータとの出力する駆動力を定めるように構成され、前記エンジンの始動を行いつつ前記第1モータおよび第2モータによって出力することのできる最大走行駆動力よりも、前記第1モータおよび第2モータの動力で走行している状態で前記エンジンの始動要求があった際の前記ハイブリッド車での要求駆動力が大きいときに、前記運転者の運転操作に基づいて判定された走行意図がスムースな走行である場合には、前記目標駆動力を予め定められた所定の変化速度で前記最大走行駆動力まで低下させてエンジンを始動し、前記運転者の運転操作に基づいて判定された走行意図が高応答性である場合には、前記目標駆動力を前記所定の変化速度よりも大きい変化速度で前記最大走行駆動力よりも大きい所定の駆動力まで低下させた後に前記最大走行駆動力に切り替えて前記エンジンを始動するように構成されていることを特徴とするものである。
モータが出力する駆動力によって走行している状態で、そのモータによってエンジンをモータリングするとすれば、走行のための最大駆動力(すなわちエンジン始動時最大駆動力)は、モータリングのために消費される分、小さくなる。この発明では、モータの駆動力で走行している状態でエンジンをモータリングする際の要求駆動力が、上記のエンジン始動時最大駆動力より大きい場合、エンジンの始動もしくはモータリングに先立ってモータが出力する駆動力が、モータが出力し得る最大走行駆動力より小さい駆動力に制限される。そのため、モータリング直前の駆動力と上記のエンジン始動時最大駆動力との差が小さくなるから、モータリングを行って駆動力が低下するとしてもその低下量が小さくなり、駆動力の変化が違和感となることが防止もしくは抑制される。
この発明に係る制御装置で実行される制御の一例を説明するためのフローチャートである。 EVモードでの駆動力の領域を設定したマップの一例を示す線図である。 この発明における指令駆動力の変化の一例を示す線図である。 この発明で対象とすることのできるハイブリッド車のパワートレーンを模式的に示す図である。 第1および第2のモータ・ジェネレータを使用したEVモードでの動力分割機構におけるトルクの状態を示す共線図である。 エンジン始動時における動力分割機構におけるトルクの状態を示す共線図である。
この発明で対象とする車両は、エンジン(内燃機関)とモータとを駆動力源として備えたハイブリッド車であり、特にそのモータが走行のための駆動力とエンジンをモータリングするための駆動力とを出力するように構成されたハイブリッド車である。そのモータは、エンジンの出力軸もしくはエンジンの出力側に連結された部材との間でトルクを授受する一つのモータであってもよく、あるいはエンジンによって駆動されて発電を行う第1のモータとその第1のモータから電力を受けて走行のための駆動力をエンジンから伝達される駆動力に加える第2のモータとの二つのモータであってもよい。後者のいわゆるツーモータ式ハイブリッド車では、第2のモータの駆動力によって走行する走行モードだけでなく、第1および第2のモータの駆動力によって走行する走行モードも可能である。
図4にはツーモータ式のハイブリッド車におけるパワートレーンの一例を模式的に示してある。ここに示す例では、モータはそれぞれ発電機能のあるモータ・ジェネレータによって構成されており、エンジン(E/G)1と第1モータ・ジェネレータ(MG1)2とが動力分割機構3に連結されている。動力分割機構3は、エンジン1が出力した動力を第1モータ・ジェネレータ2と出力要素4とに分割して伝達する機構であって、例えば三要素の差動機構によって構成されている。その差動機構の一例は遊星歯車機構であって、シングルピニオン型遊星歯車機構が採用されている場合には、そのサンギヤに第1モータ・ジェネレータ2が連結され、またキャリヤにエンジン1が連結され、さらにリングギヤが出力要素4とされる。
出力要素4とされているリングギヤにカウンタドリブンギヤ5が噛み合っている。そのカウンタドリブンギヤ5はカウンタシャフト6に取り付けられており、そのカウンタシャフト6にはカウンタドライブギヤ7が更に取り付けられている。そして、このカウンタドライブギヤ7が終減速機であるデファレンシャルギヤ8のリングギヤ9に噛み合っている。また、上記のカウンタドリブンギヤ5には、第2モータ・ジェネレータ(MG2)10のモータ軸に取り付けられているギヤ11が噛み合っていて、動力分割機構3で分割されたエンジン1の駆動力に、第2モータ・ジェネレータ10が出力する駆動力を付加するように構成されている。
そして、エンジン1の出力軸の回転を止めるブレーキ12が設けられている。このブレーキ12は、前述した第1モータ・ジェネレータ2が走行のための駆動力を出力する際に、動力分割機構3における回転要素のうちエンジン1が連結されている回転要素を固定して反力を与えるためのものであり、一方向クラッチや摩擦クラッチあるいは噛み合い式クラッチ(ドグクラッチ)などによって構成され、ケースなどの所定の固定部13とエンジン1の出力軸もしくはその出力軸が連結された回転要素との間に設けられている。
上記の第1モータ・ジェネレータ2と第2モータ・ジェネレータ10とは、図示しないインバータや蓄電装置に接続され、相互に電力を授受できるように構成されている。また、ブレーキ12は、図示しない所定のアクチュエータによって駆動されて係合および解放させられるように構成されている。このような制御を電気的に行うための電子制御装置(ECU)14が設けられている。その電子制御装置14は、マイクロコンピュータを主体にして構成され、入力されたデータや予め記憶しているデータに基づいて演算を行い、その演算の結果を制御指令信号として上記のインバータやアクチュエータあるいはエンジン1などに出力して所定の制御を行うように構成されている。その入力されるデータは、アクセル開度や車速、所定の回転部材の回転数、蓄電装置の充電残量(SOC)などであり、また記憶しているデータは、車速に応じた駆動力の領域を定めたマップなどである。
上述したハイブリッド車では、エンジン1と各モータ・ジェネレータ2,10とを使用したハイブリッド走行モード(HVモード)と、第2モータ・ジェネレータ10もしくは両方のモータ・ジェネレータ2,10を使用したEVモードとが可能である。HVモードでは、エンジン1の出力した動力が動力分割機構3によって第1モータ・ジェネレータ2側と出力要素4側とに分割される。出力要素4に伝達される駆動力は、前述したカウンタドリブンギヤ5やカウンタシャフト6およびカウンタドライブギヤ7を介してデファレンシャルギヤ8に伝達される。また、第1モータ・ジェネレータ2にエンジン1から駆動力が伝達されることにより第1モータ・ジェネレータ2が発電機として機能し、その電力が第2モータ・ジェネレータ10に供給されて第2モータ・ジェネレータ10がモータとして機能し、その駆動力がカウンタドリブンギヤ5に伝達される。すなわち、エンジン1が出力した動力の一部が電力に変換された後、第2モータ・ジェネレータ10によって機械的な駆動力に逆変換されて、出力要素4から伝達される駆動力に加えられる。
EVモードは、蓄電量が十分に多く、かつ要求駆動力が小さいなどの所定の条件が成立した場合に選択される。その要求駆動力が二つのモータ・ジェネレータ2,10によって充足できる大きさであれば、各モータ・ジェネレータ2,10がモータとして機能させられる。その場合、動力分割機構3が遊星歯車機構によって構成されていれば、第1モータ・ジェネレータ2が出力したトルクが前進走行を行う方向のトルクとして出力要素4に表れるようにするために、ブレーキ12が係合させられて(一方向クラッチの場合には係合して)エンジン1の出力軸もしくはこれが連結されている回転要素が固定される。その状態を図5に共線図で示してある。ここに示す共線図は、動力分割機構3を構成しているシングルピニオン型の遊星歯車機構についての共線図であって、サンギヤに第1モータ・ジェネレータ2が連結され、キャリヤにエンジン1が連結され、リングギヤが出力要素4となっていてこれに第2モータ・ジェネレータ10の駆動力が加えられる例である。第1モータ・ジェネレータ2のトルクをリングギヤでの前進方向のトルクとするためには、第1モータ・ジェネレータ2をリングギヤの回転方向とは反対方向に回転させ、いわゆる負の方向のトルクを出力させる。その場合、キャリヤおよびこれに連結されているエンジン1にはエンジン1を逆回転させる負の方向のトルクが作用するが、前記ブレーキ12が係合していてキャリヤやエンジン1の出力軸の回転が止められているので、リングギヤには第1モータ・ジェネレータ2の出力トルクとは反対方向のトルクが表れる。したがって、この第1モータ・ジェネレータ2によるトルク(駆動力)に第2モータ・ジェネレータ10によるトルク(駆動力)が加算されたトルク(駆動力)が出力トルク(出力駆動力)となる。
エンジン1を始動するためのモータリングは、第1モータ・ジェネレータ2によってサンギヤを正回転させる方向のトルクを生じさせ、これによってキャリヤに正回転方向のトルクを作用させることにより行われる。その状態を図6に共線図で示してある。この状態では、第1モータ・ジェネレータ2によるトルクがリングギヤにはその回転を止める方向(いわゆる逆回転方向)のトルクとして作用する。そのため、エンジン1のモータリングに伴って出力駆動力が減じられる。このようなエンジン1のモータリングに伴う出力駆動力がショックや違和感の要因とならないようにこの発明に係る制御装置は、以下に説明する制御を実行するように構成されている。
図1はその制御例を説明するためのフローチャートであって、ここに示すルーチンは、第1および第2のモータ・ジェネレータ2,10によって走行するEVモードの際に、前記電子制御装置14によって所定の短時間ごとに繰り返し実行される。EVモードで走行している状態でアクセルペダル(図示せず)が大きく踏み込まれたり、蓄電装置の充電残量が少なくなったりするとエンジン1の始動要求が成立することがある。ステップS1ではこのようなエンジン1の始動要求があるか否かが判断される。始動要求がないことによりステップS1で否定的に判断された場合には特に制御を行うことなくリターンする。したがってEVモードが継続される。
エンジン1の始動要求があることによりステップS1で肯定的に判断された場合には、駆動力領域が判定される(ステップS2)。この判定は、現時点すなわちEVモードで走行している状態でエンジン1の始動要求があった時点の要求駆動力が属する駆動力領域を判定するものである。その要求駆動力は、車速とスロットル開度とに応じて目標駆動力を定めたマップから求めることができる。そのマップは、前述した電子制御装置14に予め記憶させておくことができる。また、駆動力領域とは、EVモードでの車速ごとに設定し得る走行駆動力(単に駆動力と記すことがある。)の範囲を定めたものであり、その例を図2に示してある。前述した各モータ・ジェネレータ2,10が出力することのできる駆動力(トルク)は、所定の回転数を超えると回転数の増大に応じて低下する。したがって、EVモードで設定し得る最大駆動力は、所定の車速を超えると、車速の増大に応じて低下する。図2は横軸に車速を採り、縦軸に駆動力を採った駆動領域線図であって、符号(i)で示す領域は、前述した二つのモータ・ジェネレータ2,10をモータとして駆動させて設定することのできる駆動力の領域であり、その上限値(この発明における最大走行駆動力)は、各モータ・ジェネレータ2,10による最大駆動力を合算したものとなる。これに対して、符号(ii)で示す領域は、エンジン1を始動中(モータリング中)に各モータ・ジェネレータ2,10の出力で設定できる駆動力の領域であり、上記の(i)の領域における駆動力に対してエンジン1のモータリングに伴って減じられた駆動力になる。したがってその上限値(この発明におけるエンジン始動時最大走行駆動力)は、(i)の領域の上限値から、エンジン1のモータリングに伴って消費される駆動力を減じた値になる。なお、この図2に示す線図は、使用するモータ・ジェネレータ2,10などに応じて、実験やシミュレーションもしくは演算によって予め求めて電子制御装置14に記憶させておくことができる。
要求駆動力が上記の(i)の領域に属していてエンジン始動時最大走行駆動力を超えている場合、エンジン1の始動(モータリング)に先立って駆動力を低下させる変化速度および低下量(制限量)が算出される(ステップS3)。前述したように、EVモードにおいて、エンジン1をモータリングしつつ設定することの可能な最大駆動力は、エンジン1のモータリングを行わない場合の駆動力より小さいから、エンジン1を始動する時点の要求駆動力もしくはそれに伴って実際に設定されている駆動力が、エンジン始動時最大走行駆動力より大きければ、エンジン1のモータリングに伴って駆動力が低下することになる。そのような駆動力の変化がショックもしくは違和感とならないように、駆動力を予め低下させ、その低下速度および低下量(制限量)をステップS3で算出することとしてある。
ショックもしくは違和感として体感されない駆動力変化の許容幅は、運転者もしくは搭乗者の運転の意図もしくは走行に対する意識によって異なっており、積極的な走行もしくは機敏な走行を意図もしくは意識している場合には、駆動力の急速あるいは大きな変化が特にはショックとならず、あるいは違和感とならない。これとは反対に静かでゆっくりとしたいわゆるコンフォートな走行を意図もしくは意識している場合には、駆動力の変化に敏感になってショックあるいは違和感を感じ取りやすい。また、車両の走行の状態によっても駆動力の変化の体感しやすさが異なり、例えば高車速であったり、ラフロードを走行している場合などには駆動力の変化は感じ取り難くなり、これとは反対に低車速であったり、フラットな路面を走行している場合などには駆動力の変化を感じ取りやすくなる。ステップS3ではこのような運転者あるいは搭乗者の運転意図もしくは意識や走行状態など、駆動力の変化が感じ取られやすい状態か否かに応じて駆動力の変化速度や変化量を設定する。
駆動力の変化が感じ取られやすい状態の例を挙げると、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度の増大量)もしくはその踏み込み速度(増大速度)が小さい場合や車速が比較的低車速の場合であり、駆動力の変化が感じ取られ難い状態の例は、これらとは反対にアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度の増大量)もしくはその踏み込み速度(増大速度)が大きい場合や車速が比較的高車速の場合である。これらのアクセルペダルの踏み込み量やアクセル開度の増大量もしくはその踏み込み速度やアクセル開度の増大速度さらには車速についての判断しきい値を予め設定しておき、検出された値とその判断しきい値とを比較することにより、駆動力の変化が感じ取られやすい状態か否かを判断することができる。
駆動力の変化が感じ取られやすい状態ではエンジン1の始動(モータリング)に先立つ駆動力の変化速度を小さくし、かつ駆動力の低下量(制限量)を大きくし、これとは反対に駆動力の変化が感じ取られにくい状態では、駆動力の変化が感じ取られやすい状態に比較して、エンジン1の始動(モータリング)に先立つ駆動力の変化速度を大きくし、かつ駆動力の低下量(制限量)を小さくする。その例を図3に線図で示してあり、破線は駆動力の変化が感じ取られ難い状態の場合の指令駆動力(目標駆動力)の変化を示し、これは、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度の増大量)や踏み込み速度(アクセル開度の増大速度)あるいは車速もしくは車速に比例して回転数が変化する所定の回転部材の回転数が所定のしきい値を超えていて、運転者の要求が駆動力など車両の制御応答性の高いことにあると判断される場合に採用される。また、図3で実線は、駆動力の変化が感じ取られ易い状態の場合の指令駆動力(目標駆動力)の変化を示し、これは、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度の増大量)や踏み込み速度(アクセル開度の増大速度)あるいは車速もしくは車速に比例して回転数が変化する所定の回転部材の回転数が所定のしきい値以下であって、運転者の要求がスムースな走行にあると判断される場合に採用される。
運転者の要求が応答性にある場合の駆動力の変化(破線で示す変化)について更に説明すると、始動要求が有った際(t1 時点)に所定の勾配(df/dt)1 で低下し、所定量ΔF1 低下した時点(t2 時点)にエンジン1のモータリング(クランキング)が開始される(t2 時点)。これらの勾配(df/dt)1 および所定量ΔF1 は実験あるいはシミュレーションなどによって予め設定されている。その所定量ΔF1 が後述するように相対的に小さいので、エンジン1のモータリング時には駆動力が前述したエンジン始動時最大走行駆動力より大きくなっており、その状態でエンジン1のモータリングが実行されるために、EV走行状態での実駆動力がエンジン始動時最大走行駆動力まで急激に低下する。しかしながら、この場合は駆動力の変化が感じ取られ難い状態になっているので、このような駆動力の変化がショックや違和感となることはない。そして、エンジン1が自立回転する状態になると(t3 時点)、その時点に要求されている駆動力に向けて所定の増大勾配で増大させられる。なお、エンジン1の始動後は、HVモードになるので、エンジン1および各モータ・ジェネレータ2,10が所定の動作を行って目標駆動力が設定される。
運転者の要求がスムースな走行にある場合の駆動力の変化(実線で示す変化)について更に説明すると、始動要求が有った際(t1 時点)に所定の勾配(df/dt)2 で低下し、所定量ΔF2 低下した時点(t12時点)にエンジン1のモータリング(クランキング)が開始される。その勾配(df/dt)2 は上述した破線で示す駆動力の変化の例におけるより小さく、また所定量ΔF2 は上述した破線で示す駆動力の変化の例における所定量ΔF1 より大きい値であって、実験あるいはシミュレーションなどによって予め設定されている。なお、所定量ΔF2 は、前述したエンジン始動時最大走行駆動力にまで駆動力を低下させる量であってもよい。したがって、エンジン1のモータリング時には駆動力が前述したエンジン始動時最大走行駆動力に近い駆動力、もしくは一致した駆動力になっており、その状態でエンジン1のモータリングが実行されるために、EV走行状態での実駆動力の変化が僅かであり、あるいは変化しない。そのため、ショックや違和感が生じることが殆どない。なお、その後にエンジン1が自立回転し(t13 時点)、駆動力がその時点に要求されている駆動力に向けて所定の増大勾配で増大させられることは、上記の破線で示す駆動力の変化の例と同様である。
上記の図3に示す指令駆動力は例えばマップなどの形で電子制御装置14に記憶させられており、ステップS3でそのマップを使用して動力変化速度および制限量が算出される。そして、その算出された駆動力を達成するように駆動力制御が実行される(ステップS4)。具体的には、各モータ・ジェネレータ2,10の電流値が制御される。この駆動力制限制御による指令駆動力の変化は図3を参照して説明したとおりであり、したがって駆動輪と路面との間での実駆動力は指令駆動力の変化にほぼ準じて変化するので、ショックや違和感などを生じさせることがない。その駆動力の制御の過程における上記のt2 時点あるいはt12時点にエンジン1が始動させられる(ステップS5)。こうして走行モードがHVモードに変更させられてHVモードでの制御が開始され(ステップS6)、リターンする。
なお、上記のステップS2で、要求駆動力が前述した(ii)の領域に入っていることが判定された場合には、直ちにステップS5に進んでエンジン1が始動させられる。
上述した具体例では、EVモードでエンジン1の始動要求が成立し、かつその時点の駆動力がエンジン始動時最大走行駆動力を超えている場合に駆動力の制限を実行するように構成されているが、この発明ではこれに限らず、エンジン始動時における駆動力のエンジン始動時最大走行駆動力に対する超過量が予め定めた量以上の場合に、上述した駆動力の制限制御を実行するように構成してもよい。また、駆動力の制限の態様は、上述した二つの態様以外に、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度の増大量)や踏み込み速度(アクセル開度の増大速度)あるいは車速もしくは車速に比例した回転数となる回転部材の回転数などを変数とした関数によって求められ、したがって連続的に変化する態様としてもよい。
1…エンジン(E/G)、 2…第1モータ・ジェネレータ(MG1)、 3…動力分割機構、 4…出力要素、 10…第2モータ・ジェネレータ(MG2)、 12…ブレーキ、 13…固定部、 14…電子制御装置(ECU)。

Claims (1)

  1. エンジンが出力した動力を第1モータと出力要素とに分割する動力分割機構と、その出力要素から駆動輪に動力を伝達する伝達経路に連結された第2モータと、前記エンジンの出力軸の回転を止めるブレーキ手段とを備えたハイブリッド車が前記ブレーキ手段によって前記エンジンの出力軸の回転を止め、かつ前記第1モータおよび第2モータの動力で走行している状態から前記ブレーキ手段を解放し、かつ前記エンジンを前記第1モータの出力トルクを利用して始動するハイブリッド車のエンジン始動制御装置において
    前記駆動輪で発生させる目標駆動力に基づいて前記第1モータと前記第2モータとの出力する駆動力を定めるように構成され、
    記エンジンの始動を行いつつ前記第1モータおよび第2モータによって出力することのできる最大走行駆動力よりも、前記第1モータおよび第2モータの動力で走行している状態で前記エンジンの始動要求があった際の前記ハイブリッド車での要求駆動力が大きいときに、前記運転者の運転操作に基づいて判定された走行意図がスムースな走行である場合には、前記目標駆動力を予め定められた所定の変化速度で前記最大走行駆動力まで低下させてエンジンを始動し、前記運転者の運転操作に基づいて判定された走行意図が高応答性である場合には、前記目標駆動力を前記所定の変化速度よりも大きい変化速度で前記最大走行駆動力よりも大きい所定の駆動力まで低下させた後に前記最大走行駆動力に切り替えて前記エンジンを始動するように構成されていることを特徴とするハイブリッド車のエンジン始動制御装置。
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