<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
外枠11の側方には図1に示すように、球貸装置(例えばCRユニット)Yが設けられている。球貸装置Yの前面側にはカード挿入口Hが設けられ、そのカード挿入口Hへのカードの挿入によりカードに記憶された金額に相当する数の遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。なお、遊技球の貸し出しを受ける上で球貸装置Yに挿入されるものはカードに限定されることはなく、現金であってもよく、また現金情報が記憶されたコインであってもよい。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤24の正面図である。
遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口33,下作動口34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合、上作動口33への入球が発生した場合及び下作動口34への入球が発生した場合には3個の賞球の払い出しが実行され、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の賞球の払い出しが実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の賞球の払い出しが実行される。但し、これら賞球の個数は任意であり、例えば上作動口33に係る賞球個数よりも下作動口34に係る賞球個数が多いといったように、両作動口33,34の賞球個数が相違していてもよい。また、可変入賞装置32に係る賞球個数が他の賞球個数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口31に係る賞球個数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aは遊技盤24の背面側に搭載された電動役物駆動部34bに連結されており、当該電動役物駆動部34bにより駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放状態となることで下作動口34への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口34への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物34aが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物34aを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口34自身の変位により行われる構成としてもよい。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる図示しない大入賞口を備えているとともに、当該大入賞口を開閉する開閉扉32aを備えている。開閉扉32aは可変入賞装置32として一体的に設けられた可変入賞駆動部に連結されており、当該可変入賞駆動部により駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。ちなみに、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れとなった場合に移行することとなるモードである。なお、閉鎖状態では入賞が不可ではないが開放状態よりも入賞が発生しづらい状態となる構成としてもよい。
メイン表示部43では、上作動口33又は下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部43にて明示される。そして、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部43にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部43は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部43にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット36には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置41が設けられているとともに、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置41は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置41では、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、メイン表示部43において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。
図柄表示装置41の表示内容について、図5を参照して詳細に説明する。図5は図柄表示装置41の表示面Gを示す図である。
図示は省略するが、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図5(a)に示すように、図柄表示装置41の表示面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
図5(b)に示すように、表示面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。
上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて表示面Gにおいて遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列Z1〜Z3にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する高確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する低確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。各大当たり結果の内容については、後に説明する。
なお、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、メイン表示部43及び図柄表示装置41にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置41にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、図4に示すように、メイン表示部43及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム42の右上部分には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部46が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,46の機能が図柄表示装置41の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤24には、内レール部48と外レール部49とが取り付けられており、これら内レール部48と外レール部49とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構51から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構51は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、誘導レールに向けて延びる発射レール52と、後述する上皿61aに貯留されている遊技球を発射レール52上に供給する球送り装置53と、発射レール52上に供給された遊技球を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド54と、を備えている。前扉枠14に設けられた発射ハンドル55が操作されることによりソレノイド54が駆動制御され、遊技球が発射される。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部56が形成されている。窓部56は、略楕円形状をなし、窓パネル57が嵌め込まれている。窓パネル57は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよく、パチンコ機10前方から窓パネル57を通じて遊技領域を視認可能であれば有色透明に形成されていてもよい。
窓部56の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。各種ランプ部の一部として表示ランプ部58が窓部56の上方に設けられている。また、表示ランプ部58の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部59が設けられている。
前扉枠14における窓部56の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部61と下側膨出部62とが上下に並設されている。上側膨出部61内側には上方に開口した上皿61aが設けられており、下側膨出部62内側には同じく上方に開口した下皿62aが設けられている。上皿61aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構51側へ導くための機能を有する。また、下皿62aは、上皿61a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。
上側膨出部61には、球貸操作装置65が配設されている。球貸操作装置65には球貸ボタン66と、返却ボタン67と、度数表示部68とが設けられている。球貸装置Yにカード等を挿入した状態で、球貸操作装置65によって球貸し操作、カード返却操作及びカード度数の確認を行うことができる。すなわち、球貸ボタン66は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が払い出される。返却ボタン67は、球貸装置Yに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。度数表示部68はカード等の残額情報を表示するものである。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、遊技の主たる制御を司る主制御装置71と、音声やランプ表示及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声発光制御装置72と、が搭載されている。
なお、主制御装置71の基板ボックス71aに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス71aを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。なお、このような痕跡構造を、後述する払出制御装置78の基板ボックスに設けてもよい。
主制御装置71や音声発光制御装置72を含めて内枠13の背面側を覆うようにして裏パックユニット15が設置されている。裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により形成された裏パック73を備えており、当該裏パック73に対して、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75が取り付けられている。
払出機構部74は、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク76と、当該タンク76に貯留された遊技球を払い出すための払出装置77と、を備えている。払出装置77の構成について、図6を参照しながら説明する。図6は払出装置77内部に形成された通路構造を示す縦断面図である。なお、図6においては払出装置77内部を流下する遊技球を二点鎖線で示す。
払出装置77のハウジング77aには、その上端にタンク76側から供給される遊技球を内部に取り込むための遊技球入口77bが形成されており、さらに内部にこの遊技球入口77bから入球した遊技球を通過させるための遊技球通路77cが設けられている。
遊技球通路77cはハウジング77aの下端に形成された遊技球出口77dに通じており、遊技球入口77bから入球した遊技球は遊技球出口77dに向けて1個ずつ流下する。遊技球通路77cの中間部分には通路幅が左右に広がった収容部が設けられており、同収容部に回転体77eが収容されている。回転体77eはその中心が、払出モータの出力軸77fに固定されている。また、回転体77eの周縁には、180°間隔で2箇所に凹部77gが形成されている。遊技球通路77cを流下してきた遊技球が回転体77eの凹部77gに到達すると当該遊技球は回転体77eの回転に伴って下流側に導出される。
払出モータは、ステッピングモータにより構成されており、出力軸77fは所定方向に回転駆動される。払出モータは、後述する払出制御装置78によって駆動制御される。この場合に、タンク76側から遊技球が連続して供給されている状況で払出モータが通常の速度で連続駆動した場合には、30msec周期で1個の遊技球が払い出されることとなる。
遊技球通路77cには、収容部よりも下流側の位置に略平板状をした払出球検知センサ77hが設置されている。払出球検知センサ77hは、周知の磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知部の貫通孔を遊技球が通過したことによる磁界の変化を電気信号に変換して出力する。なお、払出球検知センサ77hは磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。払出球検知センサ77hは払出制御装置78に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、当該出力レベルの関係が逆であってもよい。この払出球検知センサ77hにより、払出装置77を介して払い出された遊技球の数が確認できるようになっている。
払出装置77より払い出された遊技球は、当該払出装置77の下流側に設けられた払出通路を通じて、上皿61a又は下皿62aに排出される。なお、払出機構部74には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチを有する裏パック基板が搭載されている。
制御装置集合ユニット75は、払出装置77を制御する機能を有する払出制御装置78と、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力されるとともに遊技者による発射ハンドル55の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる電源及び発射制御装置79と、を備えている。これら払出制御装置78と電源及び発射制御装置79とは、払出制御装置78がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
制御装置集合ユニット75には、上記各制御装置78,79以外にも、遊技球発射機構51により発射されて遊技領域に到達した遊技球であって遊技盤24の背面側に排出された遊技球を回収して、その遊技球を遊技ホールの島設備に排出するための排出通路部85が設けられている。当該排出通路部85の構成について、図7を参照しながら説明する。図7(a)は排出通路部85の縦断面図であり、図7(b)は図7(a)の一部を拡大して示す図である。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のいずれかに入賞した遊技球は、遊技盤24の背面側に導出されて各入賞部に対応する検知センサにて検知される。そして、その遊技球は、遊技盤24の背面に設けられた回収通路部86により遊技盤24の下端部に誘導される。また、遊技盤24のアウト口37に入球し、当該遊技盤24の背面側に導出された遊技球も、回収通路部86により遊技盤24の下端部に誘導される。
当該回収通路部86の下方に存在するようにして、図7(a)に示すように、排出通路部85が設けられている。排出通路部85は、入口部が排出通路部85の出口部に対して下方から対向するように形成されており、当該排出通路部85の入口部は排出通路部85の出口部から排出される遊技球を全て受け入れることができるように広口に形成されているのに対して、排出通路部85の出口部側では遊技球が通路方向に対して直交する方向に並んだ状態とならないように狭口に形成されている。具体的には、図7(a)に示すように、縦方向の途中位置にて通路断面が狭くなるように傾斜部87が形成されており、当該傾斜部87以降は遊技球が通路方向に対して直交する方向に並んだ状態となることを不可とする整列通路領域88となっている。なお、傾斜部87は、整列通路領域88の入口に向けて下り傾斜となっているため、傾斜部87上に到達した遊技球は整列通路領域88に向けて自重により流下することになる。
整列通路領域88は排出通路部85の出口に通じており、整列通路領域88を通過した遊技球が島設備に排出される。当該整列通路領域88には、当該整列通路領域88を通過する遊技球を1個ずつ検知するように、排出検知センサ89が設けられている。
排出検知センサ89は、磁気検知タイプの近接センサにて構成されており、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、排出検知センサ89は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。排出検知センサ89は主制御装置71に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、当該出力レベルの関係が逆であってもよい。
上記構成であることにより、図7(b)に示すように、排出通路部85に導入された遊技球は全て整列通路領域88を通過することになる。そして、整列通路領域88を通過する遊技球は、1個ずつ排出検知センサ89にて検知され、当該排出検知センサ89にて検知された後に、島設備に排出されることとなる。
裏パック73には、図3に示すように、払出機構部74及び制御装置集合ユニット75以外にも、外部端子板81が設けられている。外部端子板81は、パチンコ機10の背面において裏パックユニット15の回動基端側であって上側の隅角部分に設置されている。外部端子板81は、パチンコ機10の状態を遊技ホールのホールコンピュータに認識させるために、所定の信号出力を行うための基板である。当該外部端子板81の詳細については後に説明する。
<パチンコ機10の電気的構成>
図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置71は、遊技の主たる制御を司る主制御基板91と、電源を監視する停電監視基板95と、を具備している。主制御基板91には、MPU92が搭載されている。MPU92には、当該MPU92により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM93と、そのROM93内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM94と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。なお、MPU92に対してROM93及びRAM94が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは主制御装置71以外の制御装置のMPUについても同様である。
MPU92には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU92の入力側には、主制御装置71に設けられた停電監視基板95及び払出制御装置78が接続されている。この場合に、停電監視基板95には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置79が接続されており、MPU92には停電監視基板95を介して電力が供給される。
また、MPU92の入力側には、各種入賞検知センサ96a〜96eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ96a〜96eには、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU92において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU92では上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU92の出力側には、停電監視基板95、払出制御装置78及び音声発光制御装置72が接続されている。払出制御装置78には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。音声発光制御装置72には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。
また、MPU92の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32aを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、メイン表示部43及び役物用表示部44が接続されている。主制御基板91には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU92は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置32が開閉されるように、MPU92において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU92において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU92においてメイン表示部43の表示制御が実行される。また、電動役物34aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU92において役物用表示部44の表示制御が実行される。
停電監視基板95は、主制御基板91と電源及び発射制御装置79とを中継し、また電源及び発射制御装置79から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置78は、主制御装置71から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置77により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置79は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板91や払出制御装置78等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。当該動作電力を供給するための構成については後に説明する。また、電源及び発射制御装置79は遊技球発射機構51の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構51は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声発光制御装置72では、主制御装置71から受信したコマンドに基づき、各種ランプ部45,46,58やスピーカ部59を駆動制御するとともに、表示制御装置101にコマンドを送信する。表示制御装置101は、音声発光制御装置72から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って図柄表示装置41の表示制御を実行する。
<主制御装置71のMPU92にて各種抽選を行うための電気的構成>
次に、主制御装置71のMPU92にて各種抽選を行うための電気的な構成について図9を用いて説明する。
MPU92は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43及び図柄表示装置41における表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM94に設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM94の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、RAM94に取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリアに格納される。
保留球格納エリアは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組み合わせが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリアに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM93に当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。
大当たり種別カウンタC2は0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリアに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先はROM93に振分テーブルとして記憶されている。当該振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜29」が高確大当たり結果に対応している。
低確大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には100回)に達した場合に終了し、低頻度サポートモードに移行する。また、高確大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともにサポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。
開閉実行モードとは、ラウンド遊技が15回行われるモードである。ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が可変入賞装置32に入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。当該上限継続時間は29secに設定されており、当該上限個数は9個に設定されている。なお、各ラウンド遊技では、可変入賞装置32の開放が1回のみ行われるが、当該開放が複数回行われる構成としてもよい。
本パチンコ機10では、発射ハンドル55が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構51が駆動制御される。そうすると、各ラウンド遊技では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の上限継続時間が設定されていることとなる。したがって、各ラウンド遊技では、可変入賞装置32に、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待できる。
サポートモードとは、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度を異ならせるモードのことであり、当該頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。また、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート35への入賞に基づき役物用表示部44にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くすることのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングで保留球格納エリアに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置41における表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、開閉実行モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置41の表示面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、大当たり結果に対応した遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、外れ結果に対応した遊技回では、ROM93に記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。つまり、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は、リーチ表示を実行するか否かを決定するために利用される。但し、リーチ表示の種類の決定に際しては、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は利用されない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43における表示継続時間と、図柄表示装置41における図柄の表示継続時間とをMPU92において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、メイン表示部43における変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、表示継続時間の決定に際しては、ROM93の表示継続時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている表示継続時間テーブルが参照される。
ここで、上記リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報に基づきリーチ表示を発生させることが決定された場合や、開閉実行モードに移行する遊技回であることに起因してリーチ表示を発生させることが決定された場合には、変動種別カウンタCSから取得した数値情報を利用してリーチ表示の種類が決定される。各リーチ表示は、リーチ表示において出現するキャラクタの種類や、リーチ表示が実行される期間などが相違している。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM94に設けられた電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいてその格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
<主制御装置71にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置71内のMPU92にて遊技を進行させるために実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU92では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理が実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
まず、タイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU92により定期的に(本パチンコ機10では2msec周期で)起動される。
ステップS101及びステップS102では、遊技ホールのホールコンピュータに対する外部出力の設定を行うための排出用の外部出力処理、及び賞球予定用の外部出力処理を実行する。これらの処理の詳細については後に説明する。
続くステップS103では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理では、各種入賞検知センサ96a〜96eの状態を読み込み、これら各種入賞検知センサ96a〜96eの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理を実行する。但し、当該処理においては、払出制御装置78に対する賞球コマンドの出力設定といった賞球指示を行うための処理は実行されない。
その後、ステップS104にて、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS105にて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。
続くステップS106ではスルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート35への入賞が発生していた場合には、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS105にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声発光制御装置72に対して、役物保留記憶数と対応する第2保留ランプ部46を点灯させるための処理を実行する。
その後、ステップS107〜ステップS110にて、作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、先ずステップS107にて、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生しているか否かを判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本タイマ割込み処理を終了する。
入賞が発生している場合には、ステップS108にて、保留球格納エリアの保留数記憶エリアNAに記憶されている始動保留記憶数が上限値(例えば、「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数が上限値である場合にはそのまま本タイマ割込み処理を終了し、始動保留記憶数が上限値未満である場合にはステップS109に進む。
ステップS109では、始動保留記憶数を1加算する。続くステップS110では、前記ステップS105にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留情報として保留球格納エリアの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、音声発光制御装置72に対して、始動保留記憶数と対応する第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。ステップS110の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図11のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S208の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS210,S211のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
具体的には、ステップS201にて、変動種別カウンタCSの更新を実行する。続くステップS202では、各遊技回の遊技を進行させるための遊技回制御処理を実行する。遊技回制御処理では、保留用エリアREに遊技回の開始対象となっていない保留情報が記憶されていることを条件に保留用エリアREの第1保留エリアRE1に記憶されている保留情報を実行エリアAEにシフトするとともに、第2〜第4保留エリアRE2〜RE4に記憶されている各保留情報をより上位側のエリアにシフトさせる処理を実行する。そして、当該シフト処理を実行した場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり乱数カウンタC1の数値情報を利用して大当たりとなるか否かの当否判定を実行する。また、大当たり当選である場合には、実行エリアAEに記憶されている大当たり種別カウンタC2の数値情報を利用して、高確大当たり結果及び低確大当たり結果のうちいずれの大当たり結果とするのかを決定するための振分判定を実行する。また、大当たり当選ではない場合には、実行エリアAEに記憶されているリーチ乱数カウンタC3の数値情報を利用して、外れ結果となる遊技回においてリーチ表示を発生させるか否かの抽選を実行する。
遊技回制御処理では、これら各種抽選を実行した後に、その時点の変動種別カウンタCSの数値情報を取得し、その取得した数値情報、及び上記各種抽選結果を利用して当該遊技回のメイン表示部43における絵柄の変動表示の表示継続期間を選択し、メイン表示部43における絵柄の変動表示を開始させる。また、MPU92は、当該表示継続期間の情報を含む変動用コマンドと、当否判定処理の結果及び振分判定処理の結果の情報を含む種別コマンドとを、音声発光制御装置72に送信する。音声発光制御装置72では、その受信したコマンドの内容に応じて当該遊技回の演出パターンを決定し、その演出パターンに従って表示ランプ部58の発光制御を実行するとともに、スピーカ部59の音出力制御を実行する。また、音声発光制御装置72は、自身が決定した演出パターンの内容をコマンドとして表示制御装置101に送信する。表示制御装置101では、当該受信したコマンドに従って、当該遊技回の表示演出を図柄表示装置41にて実行させる。
遊技回制御処理では、遊技回の実行中において表示継続期間が経過するまでは、メイン表示部43に表示される絵柄の態様を規則的なパターンに従って変更させる。そして、表示継続期間が経過した場合には、上記当否判定処理及び上記振分判定処理の結果に対応した態様の表示とした状態で、メイン表示部43における絵柄の変動表示を終了させる。また、この場合に、最終停止コマンドを音声発光制御装置72に送信する。音声発光制御装置72では、最終停止コマンドを受信することで、当該遊技回の演出パターンによる発光制御、及び音出力制御を終了する。また、最終停止コマンドは音声発光制御装置72から表示制御装置101に送信され、表示制御装置101では当該最終停止コマンドを受信することで、当該遊技回の演出パターンによる表示制御を終了する。
通常処理(図11)の説明に戻り、続くステップS203では、遊技状態移行処理を実行する。遊技状態移行処理では、大当たり結果となる遊技回が終了したことを条件に、遊技状態を開閉実行モードに移行させる。当該開閉実行モードでは、既に説明した態様で可変入賞装置32を開閉させる。そして、当該可変入賞装置32に1個の遊技球が入賞した場合には15個の遊技球が払い出されるため、当該開閉実行モードでは多数の遊技球の獲得が期待でき、遊技者にとって有利となる。また、遊技状態移行処理では、開閉実行モードが終了した場合に、当該開閉実行モードの移行の契機となった大当たり結果の種類に応じて、当否抽選モード及びサポートモードの移行設定を行う。
続くステップS204では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM94の電役保留エリアに格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御を行う。
続くステップS205では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、発射ハンドル55に対して発射操作が行われていることに基づき電源及び発射制御装置79から出力される発射許可信号を入力していることを条件として、所定の発射期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構51のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
ステップS205の後は、ステップS206にて入力状態監視処理を実行し、ステップS207にて払出用出力処理を実行する。これらの処理については後に詳細に説明する。その後、ステップS208にて、RAM94に停電フラグがセットされているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板95において停電の発生が確認され当該停電監視基板95からMPU92のNMI端子に停電信号が入力されることによりセットされ、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグがセットされていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS209にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS210では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS211では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
一方、ステップ208にて、停電フラグがセットされていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS212以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS212では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS213にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS214にてRAM94のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技球の払出に関する電気的構成>
次に、遊技球の払出に関する電気的構成及び処理構成について詳細に説明する。先ず、電気的構成について、図12のブロック図を参照しながら説明する。図12では、電力の供給ラインを二重線矢印で示し、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御基板91は、払出制御装置78に設けられた払出制御基板111と接続ユニット105を利用して電気的に接続されている。この場合、当該接続ユニット105は、一対のコネクタ間に複数(例えば14本)の電気配線(又は信号線)が設けられたものであり、これら一対のコネクタの一方は主制御基板91に設けられたコネクタ106に対して着脱自在に装着されているとともに、他方は払出制御基板111に設けられたコネクタ107に対して着脱自在に装着されている。当該接続ユニット105には、主制御基板91から払出制御基板111に複数ビットのデータ量を有するコマンドをパラレルで送信可能とするコマンド線が含まれており、当該コマンド線を通じて、主制御基板91から払出制御基板111にコマンドが送信される。また、当該接続ユニット105には払出制御基板111から主制御基板91に信号出力するための各種の電気配線が含まれており、当該各種の電気配線を通じて払出制御基板111から主制御基板91に各種の信号が送信される。
払出制御基板111は、既に説明したとおり、払出装置77を利用して賞球などの払出制御を実行するものである。演算装置であるMPU112は、そのMPU112により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM113と、ワークメモリ等として使用されるRAM114とを備えている。
なお、MPU112、ROM113及びRAM114の一部又は全部をそれぞれ別のチップとして設けてもよい。また、以下の説明では、説明の便宜上、主制御基板91のMPU92、ROM93及びRAM94を、主側MPU92、主側ROM93及び主側RAM94と言い、払出制御基板111のMPU112、ROM113及びRAM114を、払出側MPU112、払出側ROM113及び払出側RAM114と言う。
払出側MPU112には、入出力ポートが設けられている。払出側MPU112の入力側には、主制御基板91と、電源及び発射制御装置79に設けられた電源及び発射制御基板121と、裏パックユニット15に設けられた球貸用接続端子板125とが接続されている。また、払出側MPU112の入力側には、払出装置77の払出球検知センサ77hが電気的に接続されており、下流側に向けて実際に払い出された遊技球の個数を把握可能となっている。一方、払出側MPU112の出力側には、主制御基板91と球貸用接続端子板125とが接続されている。
球貸用接続端子板125は、払出制御基板111と球貸装置Yとの電気的な接続を中継するための基板である。払出側MPU112は、球貸装置Yとの間で電気信号の入出力を行うことで貸球の制御を実行する。
電源及び発射制御基板121では、既に説明したとおり、商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板91や払出制御基板111等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。具体的には、電源及び発射制御基板121には、電入時用電源部122と電断時用電源部123とが設けられている。
電入時用電源部122は、例えば、遊技ホール等における商用電源(外部電源)に接続されており、商用電源から外部電力が供給されている状況において、動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する機能を有する。電断時用電源部123は、コンデンサからなり、パチンコ機10の電源がON状態の場合(外部電源からの電力供給が行われている場合)に電入時用電源部122から供給される電力により充電される。また、パチンコ機10の電源がOFF状態の場合や商用電源における停電発生時といった電源遮断状態(外部電源からの電力供給が遮断されている場合)では、電断時用電源部123から放電され主側RAM94に対して記憶保持用電力が供給される。よって、当該状況であっても、電断時用電源部123から記憶保持用電力が供給されている間は主側RAM94に記憶された情報が消去されることなく記憶保持される。
かかる内容についてより詳細には、電入時用電源部122からの電力は、主側MPU92のVCC端子、及び払出側MPU112のVCC端子に供給される。VCC端子に供給された電力により、外部電源からの電力供給が行われている状況において、各MPU92,112にて各種制御処理が実行されるとともに、各RAM94,114にて情報の記憶保持が行われる。
一方、電断時用電源部123からの電力は、主側MPU92のVBB端子に供給され、払出側MPU112のVBB端子には供給されない。VBB端子は、VCC端子への電力供給が遮断されている状況において、RAM94,114に対して選択的に電力供給を行うことを可能とする端子である。この場合に、上記のとおり主側MPU92のVBB端子には電断時用電源部123から電力が供給されるのに対して払出側MPU112のVBB端子には当該電力が供給されないことにより、電断時用電源部123からの電力は、主側RAM94に供給されるが、払出側RAM114には供給されない。
なお、払出側MPU112のVBB端子は、アースされている又はいずれの電気配線とも接続されていない。また、各MPU92,112においてVCC端子に供給されている電力が演算部及びRAM94,114の両方に供給される構成に代えて、VCC端子に供給されている電力は演算部にのみ供給され、VBB端子に供給されている電力のみがRAM94,114に供給される構成としてもよい。この場合において、上記のように主側RAM94には電断時用電力が供給され、払出側RAM114には電断時用電力が供給されないようにするためには、電入時用電源部122からの電力が主側MPU92のVCC端子及びVBB端子に供給されるようにするとともに、当該電力が払出側MPU112のVCC端子及びVBB端子に供給されるようにし、さらに電断時用電源部123からの電力が主側MPU92のVBB端子に供給されるようにする一方、払出側MPU112のVBB端子に供給されないようにする。
電断時用電源部123の容量は比較的大きく確保されており、電源遮断前に主側RAM94に記憶されていた情報は所定の期間内(例えば、1日や2日)保持される。この場合に、上記のように電断時用電源部123の電力は主側RAM94に供給される一方、払出側RAM114に供給されないようにすることで、払出側RAM114においてはバックアップを行うことが不可となるものの、電断時用電源部123において必要な容量を低減することが可能となり、パチンコ機10のコストの低減を図ることが可能となる。
なお、電断時用電源部は、コンデンサに限定されることはなく、バッテリや非充電式電池などであってもよい。非充電式電池の場合、パチンコ機10の電源がON状態の際に電断時用電源手段への蓄電を行う必要はないが、定期的に交換する必要が生じる。また、電源及び発射制御基板121には、上記電断時用電源部123とは異なる図示しない停電時処理用電源部が設けられている。電源及び発射制御基板121では、直流安定24ボルトの電源が22ボルト未満になった後においても、停電時処理用電源部から放電することにより、後述する停電時処理の実行に十分な時間の間、制御系の駆動電源である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。これにより、主制御基板91などは、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
<遊技球の払出に関する処理構成であって主側MPU92における処理構成>
次に、遊技球の払出に関する主側MPU92における処理構成について説明する。なお、以下の説明において、カウンタエリアの値とは、バイト単位で構成されたカウンタエリアの値を仮想的に10進数で表現した値のことをいう。
<入力状態監視処理>
まず、通常処理(図11)のステップS206にて実行される入力状態監視処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
入力状態監視処理では、まずステップS301にて入賞監視処理を実行する。入賞監視処理では、図14のフローチャートに示すように、まずステップS401にていずれかの作動口33,34への入賞が発生しているか否かを判定する。いずれかの作動口33,34への入賞が発生している場合には、ステップS402にて、主側RAM94の各種賞球用カウンタ94aに設けられた3個賞球用カウンタの値を1加算する。当該3個賞球用カウンタは、3個の遊技球の払出を払出側MPU112に指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数をカウントするためのものである。続くステップS403では、主側RAM94に設けられた賞球予定カウンタ94cの値を3加算する。賞球予定カウンタ94cは、払出側MPU112に指示した賞球の個数をカウントするためのものであり、詳細は後述するように、その指示した賞球の個数を遊技ホールのホールコンピュータHCに外部出力するために利用される。
なお、通常処理の1回の処理回の範囲内で上作動口33への入賞と下作動口34への入賞とが同時に発生し得るため、ステップS401〜ステップS403の処理では、3個賞球用カウンタを1加算する処理と、賞球予定カウンタ94cを3加算する処理とが2回行われることがあり得る。
ステップS401にて否定判定をした場合、又はステップS403の処理を実行した後は、ステップS404にて一般入賞口31への入賞が発生しているか否かを判定する。一般入賞口31への入賞が発生している場合には、ステップS405にて、主側RAM94の各種賞球用カウンタ94aに設けられた10個賞球用カウンタの値を1加算する。当該10個賞球用カウンタは、10個の遊技球の払出を払出側MPU112に指示する10個賞球コマンドを出力すべき回数をカウントするためのものである。続くステップS406では、主側RAM94の賞球予定カウンタ94cの値を10加算する。
ステップS404にて否定判定をした場合、又はステップS406の処理を実行した後は、ステップS407にて可変入賞装置32への入賞が発生しているか否かを判定する。可変入賞装置32への入賞が発生している場合には、ステップS408にて、主側RAM94の各種賞球用カウンタ94aに設けられた15個賞球用カウンタの値を1加算する。当該15個賞球用カウンタは、15個の遊技球の払出を払出側MPU112に指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数をカウントするためのものである。続くステップS409では、主側RAM94の賞球予定カウンタ94cの値を15加算する。ステップS407にて否定判定をした場合、又はステップS409の処理を実行した後は、本入賞監視処理を終了する。
入力状態処理(図13)の説明に戻り、ステップS301にて入賞監視処理を実行した後は、ステップS302にて払出異常信号監視処理を実行する。払出異常信号監視処理では、払出側MPU112から異常信号を入力している場合に、音声発光制御装置72に払出異常コマンドを出力し、異常報知を実行させる。なお、ここでいう払出異常には、タンク76の球無状態などが含まれ、当該タンク76が球無状態であるかを検知するための球無検知センサからの信号は払出側MPU112にて受信される。
続くステップS303では、下皿62aが満タン状態となっているか否かを特定するための満タン信号監視処理を実行する。満タン信号監視処理では、払出側MPU112から満タン信号を受信している場合に、音声発光制御装置72に満タン状態コマンドを出力し、満タン報知を実行させる。なお、下皿62aが満タン状態であるかを検知するための満タン検知センサからの信号は払出側MPU112にて受信される。
続くステップS304では、遊技機本体12が開放状態となっているか否かを特定するための本体枠開放信号監視処理を実行する。本体枠開放信号監視処理では、内枠13に設けられた本体枠開放スイッチから本体枠開放信号を受信している場合に、音声発光制御装置72に本体枠開放状態コマンドを出力し、本体開放報知を実行させる。
続くステップS305では、前扉枠14が開放状態となっているか否かを特定するための前扉枠開放信号監視処理を実行する。前扉枠開放信号監視処理では、前扉枠14に設けられた前扉枠開放スイッチから前扉枠開放信号を受信している場合に、音声発光制御装置72に前扉枠開放状態コマンドを出力し、前扉開放報知を実行させる。
その後、ステップS306にて賞球許可信号監視処理を実行するとともに、ステップS307にて排出監視処理を実行した後に、本入力状態監視処理を終了する。ステップS307の排出監視処理については後に詳細に説明するとして、まずステップS306の賞球許可信号監視処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。
<賞球許可信号監視処理>
ここで、本パチンコ機10では、既に説明したように、電源及び発射制御基板121の電断時用電源部123からの電力は、主側RAM94に供給されるが、払出側RAM114には供給されない。当該構成とすることにより、既に説明したとおり、電断時用電源部123の小容量化が図られ、それに伴ってパチンコ機10のコストの削減が図られる。
但し、当該構成においては、外部電源からのパチンコ機10への電力供給が停止されると、払出側RAM114に記憶されている情報は全て消去されてしまう(破壊されてしまう)。この場合、従来のパチンコ機のように未払出の賞球数の情報を全て払出側RAM114に記憶しておく構成とすると、未払出の賞球数がある状況でパチンコ機10への電力供給が停止された場合にはその未払出の賞球数の全てが払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、本パチンコ機10では、未払出の賞球情報は基本的に主側RAM94の各種賞球用カウンタ94aに記憶し、主側MPU92は払出側MPU112から賞球許可信号を入力している場合に当該払出側MPU112に対して賞球コマンドを出力する。そして、払出側MPU112では、払出側RAM114の賞球数記憶エリア114aに記憶される賞球数の情報が、最大でも、1回の入賞に対する最大賞球数(15個賞球)と、後述する許可基準数との和となるように賞球許可信号の出力開始タイミング及び出力停止タイミングを設定する。なお、この許可基準数は、1回の入賞に対する最小賞球数又はそれ未満となっている。これにより、未払出の賞球数が多数残っている状況でパチンコ機10への電力供給が停止されたとしても、その際に消去される賞球数を極力少なくすることが可能となる。つまり、賞球許可信号とは、主側MPU92において賞球コマンドの出力タイミングを特定するために、払出側MPU112から主側MPU92に出力される情報である。
さて、賞球許可信号監視処理では、まずステップS501にて、賞球許可信号を受信しているか否かを判定する。賞球許可信号を受信している場合には、ステップS502にて、主側RAM94に設けられた賞球許可カウンタ94bの値が「5」以上であるか否かを判定する。賞球許可カウンタ94bとは、賞球許可信号を受信している場合に、それが払出側MPU112から実際に賞球許可信号が出力されていることに起因して格納されたものか、ノイズなどの原因により格納されたものかを主側MPU92において特定するためのものである。
賞球許可カウンタ94bの値が「5」以上の場合には、ステップS502にて肯定判定をし、そのまま本賞球許可信号監視処理を終了する。一方、賞球許可カウンタ94bの値が「5」未満の場合には、ステップS502にて否定判定をし、ステップS503に進む。ステップS503では、賞球許可カウンタ94bの値を1加算した後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。
ここで、賞球許可信号監視処理は、通常処理の一部の処理として実行されるため、その実行周期は約4msecである。したがって、払出側MPU112から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタ94bの値が「5」未満の場合には、約4msec周期で賞球許可カウンタ94bの値が1加算される。また、ステップS502の処理が実行されることにより、払出側MPU112からの賞球許可信号の出力が継続されている状況であっても賞球許可カウンタ94bの値が「5」以上となった場合には、当該賞球許可カウンタ94bの値の加算処理は実行しない。
ステップS502にて、否定判定をした場合には、ステップS504にて賞球許可カウンタ94bの値を「0」クリアした後に、本賞球許可信号監視処理を終了する。つまり、払出側MPU112から賞球許可信号が出力されていない状況では、賞球許可カウンタ94bの値は「0」に維持される。
<払出用出力処理>
次に、通常処理(図11)のステップS207にて実行される払出用出力処理について、図16のフローチャートを参照しながら説明する。払出用出力処理とは、主側MPU92から払出側MPU112に各種コマンドを出力するための処理である。
払出用出力処理では、まずステップS601にて、前扉枠14の状態が変化しているか否かを判定する。前扉枠14の状態が変化している場合には、ステップS602にて、その状態変化が生じた側に応じて、前扉枠開放コマンド又は前扉枠閉鎖コマンドを払出側MPU112に出力した後に本払出用出力処理を終了する。
一方、ステップS601にて否定判定をした場合には、ステップS603に進む。ステップS603では、前扉枠14が開放中であるか否かを判定する。前扉枠14が開放中である場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。前扉枠14が閉鎖中である場合には、ステップS604にて、主側RAM94の賞球許可カウンタ94bの値が出力許可基準回数としての「5」となっているか否かを判定する。
ここで、上記のとおり、賞球許可カウンタ94bの値は、払出側MPU112から賞球許可信号が出力されており、且つ賞球許可カウンタ94bの値が「5」未満の場合には、約4msec周期で1加算される。また、賞球許可カウンタ94bの値は、払出側MPU112からの賞球許可信号の出力が停止された場合には「0」クリアされる。したがって、ステップS604では、払出側MPU112からの賞球許可信号の出力が継続して出力許可継続期間としての20msecとなったか否かを判定している。
賞球許可カウンタ94bの値が「5」でない場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。賞球許可カウンタ94bの値が「5」である場合には、ステップS605にて、主側RAM94の各種賞球用カウンタ94aにおける3個賞球用カウンタ、10個賞球用カウンタ及び15個賞球用カウンタのいずれかの値が1以上となっているか否かを判定する。全ての賞球用カウンタの値が「0」となっている場合には、そのまま本払出用出力処理を終了する。
いずれかの賞球用カウンタの値が1以上となっている場合には、ステップS606にて主側RAM94の賞球許可カウンタ94bの値を「0」クリアする。その後、ステップS607にて、賞球コマンド出力処理を実行した後に、本払出用出力処理を終了する。
賞球コマンド出力処理では、まず15個賞球用カウンタの値が1以上となっているか否かを判定し、1以上となっている場合には15個賞球コマンドを払出側MPU112に出力するとともに、15個賞球用カウンタの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。15個賞球用カウンタの値が「0」である場合には、10個賞球用カウンタの値が1以上となっているか否かを判定し、1以上となっている場合には10個賞球コマンドを払出側MPU112に出力するとともに、10個賞球用カウンタの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。10個賞球用カウンタの値が「0」である場合には、3個賞球用カウンタの値が1以上となっているか否かを判定し、1以上となっている場合には3個賞球コマンドを払出側MPU112に出力するとともに、3個賞球用カウンタの値を1減算する。その後、本賞球コマンド出力処理を終了する。
以上のように、主側MPU92は、賞球許可信号を受信したとしても、払出側MPU112において賞球コマンドの出力が許可されたと即座に特定することはなく、複数回として設定された出力許可基準回数だけ連続して賞球許可情報が確認された場合、すなわち、出力許可基準期間である20msecに亘って賞球許可信号が出力されている状態が確認された場合に、賞球コマンドの出力が許可されたと特定する(出力許可状態であると特定する)。そして、賞球コマンドの出力が許可されたと特定することで、払出側MPU112に1回の入賞に対応した1個の賞球コマンドを出力する。このように出力許可基準期間が設定されていることにより、既に説明したように、賞球許可信号を受信している場合に、それが払出側MPU112から賞球許可信号が出力されていることに起因して受信したものか、ノイズなどの原因により受信したものかを主側MPU92において特定することができる。よって、ノイズなどの原因で賞球許可信号を受信した場合に、それに対して賞球コマンドが出力されてしまうことを阻止することができる。
特に、後述するように払出側RAM114の賞球数記憶エリア114aには、予め定められた最大基準数を超える賞球数を記憶することができないようになっている。この場合に、ノイズなどの原因で賞球許可信号を受信し、それに対して賞球コマンドが出力されてしまうと、その賞球コマンドに対応した賞球数は実際に払い出されることなく消去されてしまう。そうすると、遊技者に不利益を及ぼすこととなってしまう。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を防止することができる。
<払出側MPU112における処理構成>
次に、払出側MPU112にて遊技球の払出を制御するために実行されるタイマ割込み処理を説明する。なお、払出側MPU112では、タイマ割込み処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びコマンドを受信した場合の入力時割込み処理が実行されるが、これら処理については説明を省略する。
図17は、払出側MPU112にて実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。なお、本タイマ割込み処理は定期的に(本パチンコ機10では2msec周期で)起動される。
まずステップS701では、遊技ホールのホールコンピュータHCに対する外部出力の設定を行うための払出側の外部出力処理を実行する。当該処理の詳細については、後に説明する。
続くステップS702では、払出制御装置78に設けられた図示しない状態復帰スイッチをチェックして、状態復帰動作開始と判定した場合に状態復帰動作を実行する。
続くステップS703では、コマンド判定処理を実行する。コマンド判定処理では、払出側RAM114において主側MPU92から受信したコマンドが格納されている記憶領域(例えばリングバッファ)のうち今回の読み出し対象となっている記憶領域に記憶されているコマンドを読み出し、そのコマンドが前扉枠開放コマンドである場合には、フラグのセットなどによってその事実を払出側MPU112にて特定可能とする処理を実行し、前扉枠閉鎖コマンドである場合には、そのフラグのクリアなどによってその事実を払出側MPU112にて特定可能とする処理を実行する。
続くステップS704では、満タン検知センサの検知結果に基づいて下皿62aが満タン状態となっているか否かを判定するための満タン用処理を実行し、さらにステップS705にて、球無検知センサの検知結果に基づいてタンク76が球無状態となっているか否かを判定するための球無用処理を実行する。
その後、ステップS706にて賞球設定処理を実行し、ステップS707にて貸球設定処理を実行し、ステップS708にて払出個数設定処理を実行し、ステップS709にて払出制御処理を実行し、ステップS710にて賞球許可信号設定処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。これら各処理について、以下、個別に説明していく。
<賞球設定処理>
まず、ステップS706の賞球設定処理について、図18のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS801にて、主側MPU92から賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。賞球コマンドを受信していない場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。
賞球コマンドを受信している場合には、ステップS802にて、賞球コマンド用の演算処理を実行する。ここで、賞球コマンドは、3個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンドの3種類が設定されており、これら各賞球コマンドは、上位情報と下位情報とからなる2バイトで構成されている。そして、各賞球コマンドは、上位情報と下位情報との加算を演算した場合の1バイトからなる情報の形態が「FF」となるように設定されている。ステップS802では、今回処理対象となっている賞球コマンドについて、上記加算の演算を実行する。
続くステップS803では、今回処理対象となっている賞球コマンドを払出側RAM114から消去する。続くステップS804では、ステップS802にて演算した結果が正常であるか否かを判定する。具体的には、16進数で「FF」となっているか否かを判定する。「FF」となっている場合には、今回の賞球コマンドが正常なものであることを意味するため、ステップS805に進む。
一方、「FF」となっていない場合には、今回の賞球コマンドは、主側MPU92から払出側MPU112へのコマンド伝送経路の途中でノイズ等の影響で書き換えられてしまったことを意味するため、そのまま本賞球設定処理を終了する。この場合、今回の賞球コマンドは、賞球数の情報として賞球数記憶エリア114aに加算されることなく消去される。これにより、ノイズ等の影響で賞球コマンドが書き換えられてしまった場合に、遊技ホール等が受ける被害を低減することができる。つまり、賞球コマンドは下位情報が賞球数の情報に相当しているが、当該下位情報が書き換えられ、例えば、本来なら賞球数が3個であるはずなのに賞球数が100個となってしまうおそれがある。これに対して、上記のように当該賞球コマンドを賞球数の情報として賞球数記憶エリア114aに加算しないようにすることで、上記ノイズ等で書き換えられてしまった情報が加算されなくなり、遊技ホール等が受ける被害が低減される。
賞球設定処理の説明に戻り、ステップS805では、賞球数特定処理を実行する。具体的には、払出側ROM113に記憶されている情報に基づいて、今回処理対象となっている賞球コマンドがいずれの賞球数に対応しているかを特定する。この場合、賞球コマンドの下位情報が払出側ROM113に記憶されている情報と照合され、賞球数の特定が行われる。
続くステップS806では、加算時マスク処理を実行する。当該加算時マスク処理では、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が予め定められた加算時修正用賞球数(具体的には3個)以下となるように論理積の演算を実行する。
ここで、後述するように払出側MPU112は、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が許可基準数としての3個以下となることで賞球許可信号の出力を開始し、それに対する賞球コマンドを主側MPU92から入力して賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が4個以上となることにより賞球許可信号の出力を停止する。したがって、主側MPU92から賞球コマンドを入力し、賞球数記憶エリア114aに賞球数の情報を加算する際には、賞球数記憶エリア114aに記憶されている許可基準数以下(具体的には、3個以下)となっているはずである。
但し、パチンコ機10においては様々なタイミングでノイズ等が発生する可能性があり、払出側MPU112において賞球許可信号の出力を開始してから賞球数の加算処理を実行するまでに賞球数記憶エリア114aの情報が書き換えられてしまうおそれがある。そして、例えば、賞球数記憶エリア114aの情報が本来は3個であったのに対して、131個などに書き換えられてしまった場合には遊技ホールに多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、ステップS806の加算時マスク処理では、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が加算時修正用賞球数としての3個以下となるように論理積の演算を実行する。なお、本構成では、加算時修正用賞球数は、許可基準数と一致している。
その後、ステップS807にて、加算すべき賞球数の情報、すなわち、ステップS805にて特定した賞球数の情報が1以上か否かを判定する。加算すべき賞球数の情報が「0」である場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。加算すべき賞球数の情報が「0」でない場合には、ステップS808に進む。
ステップS808では、上記加算すべき賞球数の情報が「16」未満であるか否かを判定する。加算すべき賞球数の情報が「16」以上である場合には、そのまま本賞球設定処理を終了する。加算すべき賞球数の情報が「16」未満である場合には、ステップS809に進む。上記のようにステップS807及びステップS808の処理を実行することにより、加算すべき賞球数の情報が異常である場合には、それを無効化することができる。
続くステップS809では、賞球数の加算処理を実行する。当該加算処理では、ステップS805にて特定した賞球数の情報を、ステップS806の加算時マスク処理後の賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報に加算する。
続くステップS810では、ステップS809にて加算処理を実行した後の賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が、賞球数記憶エリア114aの上限賞球数を超えているか否かを判定する。具体的には、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が「19」以上であるか否かを判定する。
賞球数の情報が「19」未満である場合には、そのままステップS812に進む。賞球数の情報が「19」以上である場合には、ステップS811に進む。ステップS811では、加算後修正処理を実行する。具体的には、賞球数記憶エリア114aの賞球数の情報を「18」に修正する。これにより、ノイズ等の影響で賞球数記憶エリア114aに記憶されている情報が上限賞球数を超えている場合には、それを上限賞球数に修正することができる。よって、遊技ホールが不利益を被ってしまうことを抑制できる。また、上限賞球数を超えた場合にそれを無効とする(すなわち、「0」とする)のではなく、上限賞球数に修正することで、遊技者が不利益を被ってしまうこともない。
なお、ステップS806、ステップS807、ステップS808及びステップS811の各処理を実行することで、賞球数の異常を入念に解消することができる。但し、これら全ての処理を実行することは必須のことではなく、例えば、ステップS807及びステップS808の処理を実行しなくともよい。この場合であっても、ステップS806及びステップS811の処理が実行されることで、賞球数の異常を解消することができる。
続くステップS812では、払出側RAM114の賞球低速フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。賞球低速フラグとは、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が、払出側ROM113に予め記憶された切換基準数(具体的には、「2」)となった場合に格納され、切換基準数を超えることにより消去されるフラグである。
ここで、本パチンコ機10は、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合には、払出装置77の払出速度の設定をそれまでの通常周期から低速周期に変更するように構成されている。これは以下の理由による。つまり、賞球数記憶エリア114aに賞球数の情報が記憶されていない状況では、払出装置77の駆動は停止される。この場合に、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生すると、払出装置77の駆動開始及び駆動停止を繰り返し行う必要が生じる。払出装置77の駆動開始には払出装置77の駆動状態を維持する場合よりも大きな駆動力を必要とするため、上記のように払出装置77の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われることは好ましくない。これに対して、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が切換基準数となった場合に、払出装置77の払出速度を低速周期に切り換えることで、単発的な入賞が所定の間隔を置いて繰り返し発生したとしても、切換基準数の賞球を低速周期で実行している間に次の入賞が発生する可能性が高まり、払出装置77の駆動開始及び駆動停止が繰り返し行われてしまう可能性が低減される。
なお、払出装置77の払出速度を常に低速とする構成も考えられるが、この場合、遊技球の払出速度が慢性的に遅くなり、遊技者にとっては入賞が発生したにも関わらずそれに対する賞球を受けるのに相当な時間を要することとなり好ましくない。
ステップS812にて、賞球低速フラグに「1」がセットされていない場合には、そのままステップS814に進む。一方、賞球低速フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS813にて賞球低速フラグを「0」クリアした後に、ステップS814に進む。賞球低速フラグが「0」クリアされることで、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が切換基準数となることで低速周期に設定された払出装置77の払出速度が通常周期に復帰することとなる。
ステップS814では、エラーフラグの消去処理を実行する。エラーフラグは、例えば、主側MPU92から解析不能なコマンドを入力した場合等に格納されるフラグである。当該エラーフラグは、賞球コマンドを正常に入力し、その賞球コマンドに対する賞球設定処理が実行されることで、ステップS814にて消去される。ステップS814にてエラーフラグの消去処理を実行した後は本賞球設定処理を終了する。
<貸球設定処理>
次に、ステップS707の貸球設定処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS901にて、払出側RAM114の貸球状態フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。貸球状態フラグは、払出側MPU112において、球貸装置Yからの貸球要求信号の入力待機状態であるか否かを特定する上で用いられるフラグであり、入力待機状態となることで格納され、貸球要求信号を受ける必要がなくなった場合に消去される。
貸球状態フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS902〜ステップS906の貸球状態設定用処理を実行し、貸球状態フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS907〜ステップS911の貸球状態中処理を実行する。
貸球状態設定用処理では、まずステップS902にて、球貸装置Yから接続確認用信号及び貸球待機信号を入力しているか否かを判定する。接続確認用信号は、球貸装置Yにおいて払出側MPU112との間で通信可能な状態を示す信号である。また、貸球待機信号は、球貸装置Yに未払出の貸球の情報が保持されている(具体的には、未払出の貸球の情報が記憶保持されたカードが球貸装置Yに挿入されている)状況において、球貸操作装置65の球貸ボタン66が操作されていることを、払出側MPU112にて把握させるための信号である。なお、接続確認用信号を不具備としてもよい。
接続確認用信号及び貸球待機信号のいずれか一方でも入力していない場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。一方、接続確認用信号及び貸球待機信号の両方を入力している場合には、ステップS903にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態とは、前扉枠開放状態、下皿満タン状態、タンク球無状態又は払出装置異常状態のいずれかに該当している状態のことである。
払出エラー状態である場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。払出エラー状態でない場合には、ステップS904にて払出動作中か否かを判定する。具体的には、払出装置77が停止中か否かを判定する。貸球状態フラグが格納されていない状況であって払出装置77が動作中である状況は、賞球の払出が実行されている状況であること又は既に1回の貸球操作に基づく貸球の払出が実行されている状況であることを意味する。つまり、ステップS904では賞球動作中又は1回の貸球操作に基づく貸球動作中であるか否かを判定していると言える。
払出動作中である場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。払出動作中でない場合には、ステップS905にて貸球許可信号の出力状態を設定する。これにより、払出側MPU112から球貸装置Yに貸球許可信号の出力が開始され、球貸装置Yでは貸球許可信号を入力することで、球貸ボタン66の1回の操作に基づく貸球要求信号の出力を行う。その後、ステップS906にて払出側RAM114の貸球状態フラグに「1」をセットした後に、本貸球設定処理を終了する。なお、球貸装置Yは、貸球待機信号を出力した後に所定の期間(例えば、2sec)に亘って貸球許可信号を入力しなかった場合には、球貸ボタン66の操作がなかったものとして扱う。
ステップS907〜ステップS911の貸球状態中処理では、まずステップS907にて、球貸装置Yから貸球要求信号を入力しているか否かを判定する。貸球要求信号は球貸装置Yから貸球の払出を要求する場合に出力される信号である。貸球要求信号を入力していない場合には、そのままステップS909に進む。貸球要求信号を入力している場合には、ステップS908にて、払出側RAM114の貸球数記憶エリア114bへの加算処理を実行した後に、ステップS909に進む。当該加算処理では、100円分に相当する25個に相当する貸球数の情報を貸球数記憶エリア114bに加算する。つまり、球貸装置Yは、貸球状態においては球貸操作に応じて貸球要求信号を定期的に出力し、払出側MPU112は貸球要求信号を入力するごとに予め定められた単位数に相当する貸球数の情報を貸球数記憶エリア114bに加算する。
ステップS909では、球貸装置Yから終了信号を入力しているか否かを判定する。終了信号は、一の球貸操作が行われ貸球要求信号が5回出力された場合に出力される信号であり、一の球貸操作に対する貸球要求信号の出力が終了したことを払出側MPU112において認識させるための信号である。終了信号を入力していない場合には、そのまま本貸球設定処理を終了する。終了信号を入力している場合には、ステップS910にて払出側RAM114の貸球状態フラグを「0」クリアするとともに、ステップS911にて貸球許可信号の出力停止状態を設定した後に、本貸球設定処理を終了する。
ちなみに、球貸装置Yは、1回の貸球操作に基づいて貸球要求信号を払出側MPU112に出力している状況では、連続して貸球操作が行われたとしても、払出側MPU112からの貸球許可信号の出力が新たに開始されるまで、その貸球操作に基づく貸球要求信号の出力は行わない。したがって、払出側RAM114の貸球数記憶エリア114bには、1回の貸球操作に基づく貸球数の情報のみが記憶されることとなる。なお、球貸装置Yは、1回の貸球操作に基づいて貸球要求信号を払出側MPU112に出力している状況では、新たに貸球操作が行われたとしてもそれを無効化する構成としてもよい。
以上のように、払出側MPU112は、球貸装置Yから貸球待機信号を入力している状況において、払出エラー状態でなく且つ払出動作中でない場合に、貸球状態に設定される。特に、払出動作中においては貸球状態への設定が行われないようにすることで、賞球の払出が実行されている間は仮に球貸操作装置65において球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることができる。
賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われた場合に当該球貸を優先させる構成を想定すると、払出側RAM114の賞球数記憶エリア114aに賞球数の情報が記憶されているにも関わらず、賞球の払出を停止させる必要が生じる。この場合に、パチンコ機10が電源遮断状態となると、既に説明したように払出側RAM114に電断時用電力が供給されないことに伴って、賞球数の情報は消去されてしまう。その一方、球貸装置Yは独自に情報の電断時保持機能を有している(すなわち、未払出の貸球の情報はカードにて記憶保持される)ため、賞球の払出が実行されている状況では球貸装置Yから貸球要求信号を入力しないようにすることで、貸球数の情報は球貸装置Yにて保持され、パチンコ機10が電源遮断状態となったとしても貸球数の情報が消去されることはない。上記事情において、賞球の払出が実行されている状況で球貸操作が行われたとしても賞球の払出を優先させることで、賞球数の情報が実際に払い出されないまま消去されてしまうことが防止される。
<払出個数設定処理>
次に、ステップS708の払出個数設定処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。払出個数設定処理では、払出側RAM114の賞球数記憶エリア114a又は貸球数記憶エリア114bに記憶されている情報を、遊技球の払出に際しての実行エリアである払出側RAM114の払出個数カウンタ114cに格納する処理が実行される。
払出個数設定処理では、まずステップS1001にて、払出設定時マスク処理を実行する。当該払出設定時マスク処理では、払出側RAM114の賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が予め定められた払出時修正用賞球数以下となるように論理積の演算を実行する。
ここで、後述するように払出側MPU112は、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下となることで賞球許可信号の出力を開始し、それに対する賞球コマンドを主側MPU92から入力して賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が不許可基準数としての4個以上となることにより賞球許可信号の出力を停止する。また、本パチンコ機10では、1の入賞に対する最大賞球数は15個となっている。上記構成においては、賞球数記憶エリア114aの上限賞球数は、許可基準数と入賞対応最大賞球数との和である18個となる。
但し、パチンコ機10においては様々なタイミングでノイズ等が発生する可能性があり、賞球設定処理(図18)にて払出側RAM114の賞球数記憶エリア114aに賞球数の情報を設定した後であってその賞球数分の遊技球の払出が完了する前の段階で賞球数記憶エリア114aの情報が書き換えられてしまうおそれがある。そして、例えば、賞球数記憶エリア114aの情報が本来は10個であったのに対して、131個などに書き換えられてしまった場合には遊技ホールに多大な不利益を及ぼすこととなってしまう。
これに対して、ステップS1001の払出設定時マスク処理では、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が払出時修正用賞球数としての31個以下となるように論理積の演算を実行する。
続くステップS1002では、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作とはタンク76に貯留されている遊技球をパチンコ機10外部に排出するための動作のことをいう。球抜き動作中ではない場合には、ステップS1003にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態については既に説明したとおりである。払出エラー状態である場合には、そのまま本払出個数設定処理を終了する。これにより、払出エラー状態において遊技球の払出が実行されることが阻止される。
払出エラー状態でない場合には、ステップS1004にてリトライ状態か否かを判定する。リトライ状態とは、払出装置77の回転体77eに対して、通常の払出時に行われる正回転と、それとは逆の逆回転とを交互に繰り返し行わせる処理が実行されている状態である。払出装置77にて払出動作が実行されている状況で、払出側MPU112において所定の期間に亘って遊技球の払出を検知した旨の特定が行われなかった場合にリトライ状態に設定される。
リトライ状態である場合にはそのまま本払出個数設定処理を終了し、リトライ状態でない場合にはステップS1005に進む。ステップS1005では、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中とは、払出側RAM114の貸球状態フラグに「1」がセットされている状態、又は払出側RAM114の貸球数記憶エリア114bに貸球数の情報が記憶されている状態のことをいう。貸球状態フラグに「1」がセットされている又は貸球数記憶エリア114bに貸球数の情報が記憶されている場合には、ステップS1006にて、貸球数記憶エリア114bの情報を払出側RAM114の払出個数カウンタ114cに更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
一方、貸球状態フラグが格納されておらず且つ貸球数記憶エリア114bに貸球数の情報が記憶されていない場合には、ステップS1007にて、RAM114の賞球数記憶エリア114aの情報を払出側RAM114の払出個数カウンタ114cに更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。また、ステップS1002において、球抜き状態が設定されている場合にも、ステップS1007にて、賞球数記憶エリア114aの情報を払出個数カウンタ114cに更新した後に、本払出個数設定処理を終了する。
<払出制御処理>
次に、ステップS709の払出制御処理について、図21のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101にて、払出状態設定処理を実行する。払出状態設定処理では、図22のフローチャートに示すように、まずステップS1201にて、払出エラー状態か否かを判定する。払出エラー状態である場合には、ステップS1207にて、払出装置77の払出動作を停止させるべく停止状態の設定を行った後に、本払出状態設定処理を終了する。これにより、払出装置77の払出動作が停止される。
ステップS1201にて、払出エラー状態ではないと判定した場合には、ステップS1202にて、払出側RAM114の払出個数カウンタ114cの値が「0」か否かを判定する。払出個数カウンタ114cの値が「0」である場合には、払出を実行すべき遊技球が存在しないことを意味するため、ステップS1207にて払出装置77を停止状態に設定した後に、本払出状態設定処理を終了する。
ステップS1202にて、払出個数カウンタ114cの値が「0」ではないと判定した場合には、ステップS1203にて、リトライ状態か否かを判定する。リトライ状態である場合には、払出装置77にてリトライ専用の動作が実行されるため、それ以降の処理を実行することなく本払出状態設定処理を終了する。リトライ状態ではない場合には、ステップS1204にて、払出側RAM114の賞球低速フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
賞球低速フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1206にて、払出装置77の払出速度を通常周期とすべく、通常状態の設定を行った後に、本払出状態設定処理を終了する。なお、既に通常周期に設定されている場合には、その状態が維持される。
一方、賞球低速フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS1205にて、払出装置77の払出速度を低速周期とすべく、低速状態の設定を行った後に、本払出状態設定処理を終了する。なお、既に低速周期に設定されている場合にはその状態が維持される。
払出制御処理(図21)の説明に戻り、ステップS1101にて払出状態設定処理を実行した後は、ステップS1102にて駆動信号出力処理を実行する。当該駆動信号出力処理では、ステップS1101の払出状態設定処理にて設定された状態に応じて、払出装置77に対して駆動信号の出力が行われることで、当該設定された状態に応じた態様で遊技球の払出が実行される。
続くステップS1103では、払出球検知センサ77hにて1個の遊技球が検知されたか否かを特定する球検知処理を実行する。そして、ステップS1104にて、払出球検知センサ77hにて1個の遊技球が検知されたか否かを判定する。ステップS1104にて否定判定をした場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。
ステップS1104にて肯定判定をした場合には、ステップS1105にて、貸球動作中か否かを判定する。貸球動作中でない場合には、ステップS1106〜ステップS1111の賞球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。一方、貸球動作中である場合には、ステップS1112〜ステップS1113の貸球用減算処理を実行した後に、本払出制御処理を終了する。
賞球用減算処理では、まずステップS1106にて、払出側RAM114の賞球数記憶エリア114aの値を1減算し、続くステップS1107にて、払出側RAM114の払出個数カウンタ114cの値を1減算する。さらにステップS1108にて、払出側RAM114に設けられている賞球完了カウンタ114dの値を1加算する。当該賞球完了カウンタ114dは、払出装置77から実際に払い出された賞球の個数をカウントするためのものであり、詳細は後述するが、その実際に払い出された賞球の個数を遊技ホールのホールコンピュータHCに外部出力するために利用される。
その後、ステップS1109では、賞球数記憶エリア114aの値が「2」以下か否かを判定する。「2」以下でない場合には、そのまま本払出制御処理を終了する。「2」以下である場合には、ステップS1110にて、払出側RAM114の賞球低速フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。賞球低速フラグに「1」がセットされている場合にはそのまま本払出制御処理を終了し、賞球低速フラグに「1」がセットされていない場合にはステップS1111にて賞球低速フラグに「1」をセットした後に本払出制御処理を終了する。
また、貸球用減算処理では、まずステップS1112にて、払出側RAM114の貸球数記憶エリア114bの値を1減算し、続くステップS1113にて、払出側RAM114の払出個数カウンタ114cの値を1減算した後に、本払出制御処理を終了する。
<賞球許可信号設定処理>
次に、ステップS710の賞球許可信号設定処理について、図23のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1301にて、払出側RAM114の賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下か否かを判定する。4個以上である場合には、ステップS1305にて賞球不許可状態の設定をした後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球不許可状態の設定について具体的には、払出側RAM114の賞球許可状態フラグに「1」がセットされている場合に、その賞球許可状態フラグを「0」クリアして、賞球許可信号の出力を停止する。賞球許可状態フラグが「0」である状況では、払出側MPU112から主側MPU92への賞球許可信号の出力が停止され、その状態が維持される。
なお、本パチンコ機10では、賞球許可信号が出力されている状態がHIレベル信号の出力状態であるため、賞球許可信号の出力が停止されている状態はLOWレベル信号の出力状態となる。但し、賞球許可信号が出力されている状態がLOWレベル信号の出力状態とした場合には、賞球許可信号の出力が停止されている状態をHIレベル信号の出力状態としてもよい。
一方、ステップS1301にて、賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下である場合には、ステップS1302にて、球抜き動作中か否かを判定する。球抜き動作中でない場合には、ステップS1303にて、払出エラー状態か否かを判定する。
払出エラー状態である場合には、ステップS1305にて賞球不許可状態を設定した後に本賞球許可信号設定処理を終了する。このように払出エラー状態である場合に賞球不許可状態を設定することで、払出エラー状態では賞球許可信号の出力が停止され、賞球コマンドの出力が禁止される。
既に説明したように、払出エラー状態では遊技球の払出が停止される。また、本パチンコ機10では外部電源からの電力供給が停止されると払出側RAM114に記憶されている情報は消去されてしまう。したがって、払出エラー状態において賞球コマンドが出力されると、払出エラー状態が継続されたまま電力供給が停止された場合にはその賞球コマンドに対応した賞球は払い出されることなく消去されてしまう。つまり、払出エラー状態において賞球コマンドが出力される構成では、それだけ賞球コマンドに対応した賞球が払い出されることなく消去されてしまう可能性が高くなる。これに対して、本構成によれば、このような不都合の発生を阻止することができる。
ステップS1302にて肯定判定をした場合、又はステップS1303にて否定判定をした場合には、ステップS1304にて賞球許可状態に設定した後に、本賞球許可信号設定処理を終了する。
賞球許可状態の設定について具体的には、払出側RAM114の賞球許可状態フラグに「1」がセットされていない場合に、賞球許可状態フラグに「1」をセットし、賞球許可信号の出力を開始する。賞球許可状態フラグに「1」がセットされている状態では、払出側MPU112から主側MPU92への賞球許可信号の出力が開始され、その状態が維持される。つまり、球抜き動作中でない状態においては、払出側RAM114の賞球数記憶エリア114aに記憶されている賞球数の情報が許可基準数である3個以下であり、さらには払出エラー状態ではない場合に、賞球許可信号の出力が継続される。
<パチンコ機10からホールコンピュータHCへの外部出力について>
次に、パチンコ機10からホールコンピュータHCへの外部出力についての構成を説明する。図24はパチンコ機10が多数設置された遊技ホールの電気的な構成の概要を説明するための概略図である。
図24に示すように、遊技ホールには島設備Sが設けられており、当該島設備Sに対して多数のパチンコ機10が設置されている。また、島設備Sには、各パチンコ機10に1対1で対応させてデータカウンタDCが設置されている。各データカウンタDCは、対応するパチンコ機10の上方に搭載されており、遊技回の実行回数を表示するための第1表示部DC1と、所定の開閉実行モードの実行回数を表示するための第2表示部DC2とが設けられている。
各パチンコ機10及び各データカウンタDCを管理する管理制御手段として、遊技ホールにはホールコンピュータHCが設けられている。ホールコンピュータHCは、管理プログラムを有する電子演算装置であり、その内部にMPU201が搭載されている。MPU201には、当該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータやパチンコ機10から入力した情報等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、を備えている。
ホールコンピュータHCは、各パチンコ機10と電気配線群EL1を通じて電気的に接続されているとともに、各データカウンタDCと電気配線群EL2を通じて電気的に接続されている。そして、各パチンコ機10から受信した情報に基づく管理処理を実行するとともに、その管理処理の結果に応じた信号を各データカウンタDCに送信する。
ここで、パチンコ機10においてホールコンピュータHCに情報を送信するための構成について、図25を参照しながら詳細に説明する。図25(a)は外部端子板81及びその周辺を拡大して示すパチンコ機10の背面図であり、図25(b)は外部端子板81の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図25(a)に示すように、外部端子板81には、複数の外部端子(出力端子)81a〜81hが設けられている。外部端子81a〜81hは合計8個設けられており、ホールコンピュータHCに向けて外部出力する情報の種類が相違している。
大当たり用の外部端子81aは、主側MPU92の当否抽選において大当たり当選となったことに基づく開閉実行モード中であることを示す情報を出力するために用いられる。開閉実行モード用の外部端子81bは、開閉実行モード中であることを示す情報を出力するために用いられる。これら大当たり用の外部端子81a及び開閉実行モード用の外部端子81bは、いずれも開閉実行モード中であることを示す情報を出力するために用いられるが、それぞれ情報が出力されるための条件が異なっている。
外部端子81a〜81hには、上記各外部端子81a,81b以外にも、サポートモードが高頻度サポートモード中であることを示す情報を出力するために用いられるサポートモード用の外部端子81cと、一の遊技回が終了したことを示す情報を出力するために用いられる遊技回数用の外部端子81dと、所定の不正の発生が検知されたことを示す情報を出力するために用いられる外部端子81eと、が含まれている。さらに、これら以外にも、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球の個数の情報(排出信号)を出力するために用いられる外部端子81fと、主側MPU92から払出側MPU112に払出を指示した賞球の個数の情報(賞球予定信号)を出力するために用いられる外部端子81gと、払出装置77から実際に払い出された賞球の個数の情報(賞球完了信号)を出力するために用いられる外部端子81hとが設けられている。
なお、外部端子81a〜81hの種類は上記のものに限定されることはなく、例えば遊技機本体12が開放中であることを示す情報を出力するために用いられる外部端子や、前扉枠14が開放中であることを示す情報を出力するために用いられる外部端子が設けられていてもよい。
各外部端子81a〜81hは、図25(b)に示すように、パチンコ機10からホールコンピュータHCへ向けた電気信号の送信を可能としながら、その逆の流れを防止すべく、フォトカプラ131によって構成されている。フォトカプラ131の一次側である発光ダイオード132が抵抗133を介して主制御装置71に接続されており、二次側である受光素子(フォトトランジスタ)134がホールコンピュータHCに接続されている。したがって、外部端子81a〜81hに対してパチンコ機10側から信号出力がなされると、その信号出力がなされた外部端子81a〜81hの発光ダイオード132が発光し、その光が当該外部端子81a〜81hの受光素子134にて受光されて電気信号に変換され、当該電気信号がホールコンピュータHCへ出力される。
なお、ホールコンピュータHCへ出力される電気信号の態様は任意であり、パチンコ機10側から外部出力がなされていない状況では0Vの信号が出力され、外部出力がなされることで0Vよりも大きい所定の電圧の信号が出力される態様としてもよく、信号の出力パターンがこれと逆の関係となっている態様としてもよい。また、パチンコ機10側から外部出力がなされていない状況では0Vよりも大きい基準電圧の信号が出力され、外部出力がなされることで上記基準電圧よりも大きい又は小さい電圧の信号が出力される態様としてもよい。
上記各外部端子81a〜81hのうち一部は主側MPU92において出力設定の処理が実行され、残りは払出側MPU112において出力設定の処理が実行される。具体的には、8個の外部端子81a〜81hのうち、排出信号用の外部端子81f、及び賞球予定信号用の外部端子81gを含む7個の外部端子81a〜81gは主側MPU92において出力設定の処理が実行され、残り1個である賞球完了信号用の外部端子81hは払出側MPU112において出力設定の処理が実行される。但し、各外部端子81a〜81hのそれぞれに電気的に接続される複数(8本)の電気配線を有する接続ユニット141は、外部端子板81に対して逆側のコネクタが主制御基板91に接続されている。かかる構成について、図12を参照しながら説明する。
既に説明したとおり、主制御基板91は払出制御基板111と接続ユニット105を利用して接続されているが、当該接続ユニット105の電気配線には、主側MPU92から払出側MPU112に賞球コマンドを送信するためのコマンド線、及び払出側MPU112から主側MPU92に各種信号を送信するための電気配線だけでなく、払出側MPU112において賞球完了信号用の外部端子81hに対して出力設定を行うための電気配線も含まれている。
主制御基板91には、払出制御基板111側の接続ユニット105が接続されるコネクタ106と、外部端子板81側の接続ユニット141が接続されるコネクタ142とを電気的に接続するようにして中継回路143が形成されている。そして、払出側MPU112から出力される賞球完了信号は、払出制御基板111側の接続ユニット105→中継回路143→外部端子板81側の接続ユニット141の順で伝播し、外部端子81hからホールコンピュータHCに向けて出力可能な状態となる。つまり、当該賞球完了信号は、その出力設定に関して主側MPU92の処理が関与しないものの、主制御基板91から外部端子板81に向けて出力されることになる。当該構成とすることにより、主側MPU92及び払出側MPU112の両方において外部端子板81への出力設定が行われる構成において、主側MPU92の処理負荷に影響を与えないようにしながら、外部端子板81において電気配線が接続されるコネクタ部分を1のコネクタに集約することが可能となる。よって、パチンコ機10の製造時における外部端子板81に対する電気的な接続作業や、メンテナンス時における外部端子板81に対する電気的な接続の着脱作業の容易化が図られる。
なお、図示による説明は省略するが、球貸装置YもホールコンピュータHCと電気的に接続されており、球貸装置Yから払出側MPU112に貸し出し指示された遊技球の個数の情報(貸球指示信号)がホールコンピュータHCに出力される。
<主側MPU92及び払出側MPU112において外部出力を行うための処理>
次に、主側MPU92及び払出側MPU112において外部出力を行うための処理について説明する。但し、以下の説明では、外部端子板81の各外部端子81a〜81hのうち、排出信号用の外部端子81f、賞球予定信号用の外部端子81g、及び賞球完了信号用の外部端子81hを通じて外部出力を行うための処理について説明する。
<排出信号の出力設定を行うための処理>
まず、主側MPU92において排出信号用の外部端子81fを通じて外部出力を行うための処理について説明する。当該排出信号は、既に説明したとおり、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球の個数の情報をホールコンピュータHCにおいて認識可能とするために出力される。そこで、当該外部出力を実行するための処理の説明に先立ち、当該島設備Sに排出される遊技球の個数を監視するための排出監視処理について説明する。
当該排出監視処理は、既に説明したとおり、入力状態監視処理(図13)にて実行される。図26は、排出監視処理を示すフローチャートである。
排出監視処理では、ステップS1401にて排出検知センサ89において遊技球を検知しているか否かを判定する。排出検知センサ89は、既に説明したとおり、遊技領域を流下した後に遊技盤24の背面側に導出された全ての遊技球が通過することになる排出通路部85の整列通路領域88に対して設けられている。そして、その検知結果は主側MPU92に出力される。
ステップS1401にて肯定判定をした場合には、ステップS1402にて、主側RAM94に設けられた排出検知済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。排出検知済みフラグは、排出検知センサ89において1個の遊技球を継続して検知している場合に、その検知状態を主側MPU92において複数個の遊技球の通過と特定しないようにするためのフラグである。排出検知済みフラグに「1」がセットされている場合には、そのまま本排出監視処理を終了する。
排出検知済みフラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS1403にて、主側RAM94に設けられた排出検知カウンタの値を1加算する。排出検知カウンタは、排出検知センサ89から遊技球を検知している旨の信号を受信している場合において、主側MPU92においてその受信状態を複数回確認したことを条件に1個の遊技球が排出されたと特定されるようにするためのカウンタである。
続くステップS1404では、排出検知カウンタの値が2以上となっているか否かを判定する。2以上となっていない場合にはそのまま本排出監視処理を終了し、2以上となっている場合にはステップS1405に進む。ステップS1405では、主側RAM94に設けられた排出球カウンタ94dの値を1加算する。排出球カウンタ94dは、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球の個数をカウントするためのものであり、詳細は後述するように、その島設備Sに排出された遊技球の個数をホールコンピュータHCに外部出力するために利用される。その後、ステップS1406にて排出検知済みフラグに「1」をセットするとともに、ステップS1407にて排出検知カウンタの値を「0」クリアした後に、本排出監視処理を終了する。
一方、ステップS1401にて否定判定をした場合には、排出検知済みフラグを「0」クリアした後に、本排出監視処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図10)において、処理の実行に際して各処理回で処理時間の変動が大きい処理(例えばカウンタの更新処理)よりも前の実行タイミングである、より詳細には最初の実行タイミングであるステップS101にて実行される排出用の外部出力処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。
当該排出用の外部出力処理では、まずステップS1501にて、主側RAM94に設けられた排出認識用カウンタの値を1加算する。排出信号は、島設備Sに排出された遊技球の個数をホールコンピュータHCに認識させる場合には排出認識用の出力状態であるHIレベル信号とされるのに対して、当該ホールコンピュータHCに認識させない場合にはLOWレベル信号とされる。なお、HI・LOWの関係が逆であってもよい。主側MPU92では、排出信号を排出認識用の出力状態とした場合にはその状態を所定の期間に亘って維持させるとともに、排出認識用の出力状態を解除した場合には所定の期間に亘って排出認識用の出力状態への再設定が行われないようにする。この場合に、排出認識用カウンタは、これら各所定の期間をカウントするために利用される。
また、排出用の外部出力処理は、既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図10)において、処理の実行に際して各処理回で処理時間の変動が大きい処理よりも前の実行タイミングで実行される。これにより、排出認識用カウンタを1加算する処理は基本的に定期的に(具体的には2msecで)実行されることとなり、後述する各期間の計測を正確に行うことが可能となる。
ステップS1501の処理を実行した後は、ステップS1502にて、主側RAM94に設けられたフラグの状態を確認することで、排出認識用の出力状態であるか否かを判定する。排出認識用の出力状態ではない場合には、ステップS1503にて、排出認識用カウンタの値が25以上となっているか否かを判定することで、排出認識用の出力状態が前回解除されたタイミングから50msec以上経過しているか否かを判定する。ステップS1503にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、排出認識用の出力状態が解除された場合には、少なくとも排出側の出力設定制限期間である50msecが経過するまでは、排出認識用の出力状態を設定する上での他の条件が成立していたとしても、当該排出認識用の出力状態に設定することが制限される。
ステップS1503にて肯定判定をした場合には、ステップS1504にて主側RAM94の排出球カウンタ94dの値が10以上となっているか否かを判定する。ここで、主側MPU92が排出信号を排出認識用の出力状態とする場合には、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球が新たに10個以上となった場合であり、当該排出認識用の出力状態に設定した場合には後述するように排出球カウンタ94dの値を10減算する。つまり、排出信号が排出認識用の出力状態とされた場合、複数の数として予め定められた排出側特定個数の遊技球が島設備Sに新たに排出されたことがホールコンピュータHCに報知される。この場合に、ステップS1504において排出球カウンタ94dの値が10以上であるか否かを判定し、10未満である場合にはそのまま本外部出力処理を終了する。これにより、島設備Sに新たに排出された遊技球の個数が10個未満である場合には排出信号が排出認識用の出力状態に設定されないようにすることが可能となる。
ステップS1504にて肯定判定をした場合には、ステップS1505にて、主側RAM94に設けられたフラグへの設定を行うことで、排出認識用の出力状態に設定する。これにより、排出信号が排出認識用の出力状態となる。その後、ステップS1506にて排出球カウンタ94dの値を10減算するとともに、ステップS1507にて排出認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、本外部出力処理を終了する。
一方、ステップS1502にて肯定判定をした場合、つまり排出信号が排出認識用の出力状態となっている場合には、ステップS1508にて排出認識用カウンタの値が50以上となっているか否かを判定することで、排出認識用の出力状態が100msec以上に亘って継続されているか否かを判定する。ステップS1508にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、排出認識用の出力状態に設定された場合には、排出認識用の出力継続期間である100msecが経過するまでは、排出信号が排出認識用の出力状態に維持されることになる。
ステップS1508にて肯定判定をした場合には、ステップS1509にて、主側RAM94に設けられたフラグのクリア処理を行うことで、排出認識用の出力状態を解除する。これにより、排出信号が排出認識用の出力状態ではない状態となる。その後、ステップS1510にて排出認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、本外部出力処理を終了する。
<賞球予定信号の出力設定を行うための処理>
次に、主側MPU92において賞球予定用の外部端子81gを通じて外部出力を行うための処理について説明する。当該賞球予定信号は、既に説明したとおり、主側MPU92から払出側MPU112に払出を指示した賞球の個数の情報をホールコンピュータHCにおいて認識可能とするために出力される。そして、当該賞球予定信号の出力設定は、タイマ割込み処理(図10)において、処理の実行に際して各処理回で処理時間の変動が大きい処理(例えばカウンタの更新処理)よりも前の実行タイミングである、より詳細にはステップS102にて起動される賞球予定用の外部出力処理にて実行される。当該賞球予定用の外部出力処理について、図28のフローチャートを参照しながら説明する。
当該賞球予定用の外部出力処理では、まずステップS1601にて、主側RAM94に設けられた賞球予定認識用カウンタの値を1加算する。賞球予定信号は、主側MPU92から払出側MPU112に払出を指示した賞球の個数をホールコンピュータHCに認識させる場合には賞球予定認識用の出力状態であるHIレベル信号とされるのに対して、当該ホールコンピュータHCに認識させない場合にはLOWレベル信号とされる。なお、HI・LOWの関係が逆であってもよい。主側MPU92では、賞球予定信号を賞球予定認識用の出力状態とした場合にはその状態を所定の期間に亘って維持させるとともに、賞球予定認識用の出力状態を解除した場合には所定の期間に亘って賞球予定認識用の出力状態への再設定が行われないようにする。この場合に、賞球予定認識用カウンタは、これら各所定の期間をカウントするために利用される。
また、賞球予定用の外部出力処理は、既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図10)において、処理の実行に際して各処理回で処理時間の変動が大きい処理よりも前の実行タイミングで実行される。これにより、賞球予定認識用カウンタを1加算する処理は基本的に定期的に(具体的には2msecで)実行されることとなり、後述する各期間の計測を正確に行うことが可能となる。
ステップS1601の処理を実行した後は、ステップS1602にて、主側RAM94に設けられたフラグの状態を確認することで、賞球予定認識用の出力状態であるか否かを判定する。賞球予定認識用の出力状態ではない場合には、ステップS1603にて、賞球予定認識用カウンタの値が5以上となっているか否かを判定することで、賞球予定認識用の出力状態が前回解除されたタイミングから10msec以上経過しているか否かを判定する。ステップS1603にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、賞球予定認識用の出力状態が解除された場合には、少なくとも賞球予定側の出力設定制限期間である10msecが経過するまでは、賞球予定認識用の出力状態を設定する上での他の条件が成立していたとしても、当該賞球予定認識用の出力状態に設定することが制限される。この賞球予定側の出力設定制限期間は、排出側の出力設定制限期間である50msecよりも短い期間となっている。
ステップS1603にて肯定判定をした場合には、ステップS1604にて主側RAM94の賞球予定カウンタ94cの値が1以上となっているか否かを判定する。ここで、主側MPU92が賞球予定信号を賞球予定認識用の出力状態とする場合には、主側MPU92から払出側MPU112に払出を指示した賞球の個数が新たに1個以上となった場合であり、当該賞球予定認識用の出力状態に設定した場合には後述するように賞球予定カウンタ94cの値を1減算する。つまり、賞球予定信号が賞球予定認識用の出力状態とされた場合、主側MPU92から払出側MPU112に払出を指示した賞球の個数が、予め定められた賞球予定側特定個数となったことがホールコンピュータHCに報知される。
ステップS1604にて否定判定をした場合にはそのまま本外部出力処理を終了する。ステップS1604にて肯定判定をした場合には、ステップS1605にて、主側RAM94に設けられたフラグへの設定を行うことで、賞球予定認識用の出力状態に設定する。これにより、賞球予定信号が賞球予定認識用の出力状態となる。その後、ステップS1606にて賞球予定カウンタ94cの値を1減算するとともに、ステップS1607にて賞球予定認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、本外部出力処理を終了する。
一方、ステップS1602にて肯定判定をした場合、つまり賞球予定信号が賞球予定認識用の出力状態となっている場合には、ステップS1608にて賞球予定認識用カウンタの値が5以上となっているか否かを判定することで、賞球予定認識用の出力状態が10msec以上に亘って継続されているか否かを判定する。ステップS1608にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、賞球予定認識用の出力状態に設定された場合には、賞球予定認識用の出力継続期間である10msecが経過するまでは、賞球予定信号が賞球予定認識用の出力状態に維持されることになる。この賞球予定認識用の出力継続期間は、排出側の出力継続期間である100msecよりも短い期間となっている。
ステップS1608にて肯定判定をした場合には、ステップS1609にて、主側RAM94に設けられたフラグのクリア処理を行うことで、賞球予定認識用の出力状態を解除する。これにより、賞球予定信号が賞球予定認識用の出力状態ではない状態となる。その後、ステップS1610にて賞球予定認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、本外部出力処理を終了する。
<賞球完了信号の出力設定を行うための処理>
次に、払出側MPU112において賞球完了信号用の外部端子81hを通じて外部出力を行うための処理について説明する。当該賞球完了信号は、既に説明したとおり、払出装置77から実際に払い出された賞球の個数の情報をホールコンピュータHCにおいて認識可能とするために出力される。そして、当該賞球完了信号の出力設定は、タイマ割込み処理(図17)において、処理の実行に際して各処理回で処理時間の変動が大きい処理(例えば払出制御処理)よりも前の実行タイミングである、より詳細には最初の実行タイミングであるステップS701にて起動される払出側の外部出力処理にて実行される。当該払出側の外部出力処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
当該払出側の外部出力処理では、まずステップS1701にて、払出側RAM114に設けられた払出側認識用カウンタの値を1加算する。賞球完了信号は、払出装置77から実際に払い出された賞球の個数をホールコンピュータHCに認識させる場合には払出側認識用の出力状態であるHIレベル信号とされるのに対して、当該ホールコンピュータHCに認識させない場合にはLOWレベル信号とされる。なお、HI・LOWの関係が逆であってもよい。払出側MPU112では、賞球完了信号を払出側認識用の出力状態とした場合にはその状態を所定の期間に亘って維持させるとともに、払出側認識用の出力状態を解除した場合には所定の期間に亘って払出側認識用の出力状態への再設定が行われないようにする。この場合に、払出側認識用カウンタは、これら各所定の期間をカウントするために利用される。
また、払出側の外部出力処理は、既に説明したとおり、タイマ割込み処理(図17)において、処理の実行に際して各処理回で処理時間の変動が大きい処理よりも前の実行タイミングで実行される。これにより、払出側認識用カウンタを1加算する処理は基本的に定期的に(具体的には2msecで)実行されることとなり、後述する各期間の計測を正確に行うことが可能となる。
ステップS1701の処理を実行した後は、ステップS1702にて、払出側RAM114に設けられたフラグの状態を確認することで、払出側認識用の出力状態であるか否かを判定する。払出側認識用の出力状態ではない場合には、ステップS1703にて、払出側認識用カウンタの値が25以上となっているか否かを判定することで、払出側認識用の出力状態が前回解除されたタイミングから50msec以上経過しているか否かを判定する。ステップS1703にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、払出側認識用の出力状態が解除された場合には、少なくとも払出側の出力設定制限期間である50msecが経過するまでは、払出側認識用の出力状態を設定する上での他の条件が成立していたとしても、当該払出側認識用の出力状態に設定することが制限される。この払出側の出力設定制限期間は、賞球予定側の出力設定制限期間よりも長く、排出側の出力設定制限期間と同一となっている。
ステップS1703にて肯定判定をした場合には、ステップS1704にて払出側RAM114の賞球完了カウンタ114dの値が10以上となっているか否かを判定する。ここで、払出側MPU112が賞球完了信号を払出側認識用の出力状態とする場合には、払出装置77から実際に払い出された遊技球が新たに10個以上となった場合であり、当該払出側認識用の出力状態に設定した場合には後述するように賞球完了カウンタ114dの値を10減算する。つまり、賞球完了信号が払出側認識用の出力状態とされた場合、複数の数として予め定められた払出側特定個数の遊技球が払出装置77から新たに払い出されたことがホールコンピュータHCに報知される。この場合に、ステップS1704において賞球完了カウンタ114dの値が10以上であるか否かを判定し、10未満である場合にはそのまま本外部出力処理を終了する。これにより、払出装置77から実際に払い出された遊技球の個数が10個未満である場合には賞球完了信号が払出側認識用の出力状態に設定されないようにすることが可能となる。
ステップS1704にて肯定判定をした場合には、ステップS1705にて、払出側RAM114に設けられたフラグへの設定を行うことで、払出側認識用の出力状態に設定する。これにより、賞球完了信号が払出側認識用の出力状態となる。その後、ステップS1706にて賞球完了カウンタ114dの値を10減算するとともに、ステップS1707にて払出側認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、本外部出力処理を終了する。
一方、ステップS1702にて肯定判定をした場合、つまり賞球完了信号が払出側認識用の出力状態となっている場合には、ステップS1708にて払出側認識用カウンタの値が50以上となっているか否かを判定することで、払出側認識用の出力状態が100msec以上に亘って継続されているか否かを判定する。ステップS1708にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、払出側認識用の出力状態に設定された場合には、払出側認識用の出力継続期間である100msecが経過するまでは、賞球完了信号が払出側認識用の出力状態に維持されることになる。この払出側認識用の出力継続期間は、賞球予定認識用の出力継続期間である10msecよりも長い期間となっているとともに、排出側の出力継続期間である100msecと同一の期間となっている。
ステップS1708にて肯定判定をした場合には、ステップS1709にて、払出側RAM114に設けられたフラグのクリア処理を行うことで、払出側認識用の出力状態を解除する。これにより、賞球完了信号が払出側認識用の出力状態ではない状態となる。その後、ステップS1710にて払出側認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、本外部出力処理を終了する。
<外部出力の様子及び本実施形態の作用効果について>
次に、外部出力の様子及び本実施形態の作用効果について、図30のタイミングチャートを参照しながら説明する。図30(a)は排出信号の外部出力の様子を説明するためのタイミングチャートであり、図30(a1)は排出球カウンタ94dの値が変動する様子を示し、図30(a2)は排出信号の出力状態を示す。また、図30(b)は賞球完了信号の外部出力の様子を説明するためのタイミングチャートであり、図30(b1)は賞球完了カウンタ114dの値が変動する様子を示し、図30(b2)は賞球完了信号の出力状態を示す。また、図30(c)は賞球予定信号の外部出力の様子を説明するためのタイミングチャートであり、図30(c1)は賞球予定カウンタ94cの値が変動する様子を示し、図30(c2)は賞球予定信号の出力状態を示す。
まず、図30(a)を参照しながら排出信号の外部出力の様子について説明する。
発射ハンドル55に対して遊技者による発射操作が行われ遊技領域に向けた遊技球の発射が継続されることにより、排出通路部85を通じた島設備Sへの遊技球の排出が連続して発生し、それら排出される遊技球が排出検知センサ89により検知されることで、図30(a1)に示すように、主側RAM94に設けられた排出球カウンタ94dの値が増加していく。この場合、当該排出される遊技球には、既に説明したとおり、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34といった入賞部に入賞した遊技球が含まれるとともに、アウト口37に入球した遊技球も含まれる。そして、t11のタイミングで、排出球カウンタ94dの値が排出側特定個数の値に達することで、排出信号が排出認識用の出力状態となる。この出力状態は、t11のタイミングからt12のタイミングに亘る排出認識用の出力継続期間に亘って継続される。この排出認識用の出力継続期間は、100msecとなっている。また、発射ハンドル55に対して遊技者による発射操作が継続された場合の遊技球の発射周期は600msecであり、排出球カウンタ94dの値が排出側特定個数の値に達するには排出認識用の出力継続期間以上の時間を要する。つまり、排出認識用の出力状態が解除されてから次に排出認識用の出力状態となるまでの時間は、排出認識用の出力継続期間以上の時間となっている。
次に、図30(b)を参照しながら賞球完了信号の外部出力の様子について説明する。
遊技領域に向けて遊技球が発射された結果、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のいずれかへの入賞が発生することにより、主側MPU92から払出側MPU112に向けて賞球コマンドが送信され、当該払出側MPU112により払出装置77が駆動制御されることにより、遊技球の払出が実行される。この払い出された遊技球は払出球検知センサ77hにより検知され、それに伴って、図30(b1)に示すように、払出側RAM114に設けられた賞球完了カウンタ114dの値が増加していく。そして、t21のタイミングで、賞球完了カウンタ114dの値が払出側特定個数の値に達することで、賞球完了信号が払出側認識用の出力状態となる。この出力状態は、t21のタイミングからt22のタイミングに亘る払出側認識用の出力継続期間に亘って継続される。この払出側認識用の出力継続期間は、100msecとなっている。また、払出装置77が連続駆動された場合の遊技球の最短の払出周期は30msecであり、賞球完了カウンタ114dの値が払出側特定個数の値に達するには払出側認識用の出力継続期間以上の時間を要する。つまり、払出側認識用の出力状態が解除されてから次に払出側認識用の出力状態となるまでの時間は、払出側認識用の出力継続期間以上の時間となっている。
上記のように排出信号及び賞球完了信号のそれぞれについて、認識用の出力状態が継続する期間、及び当該出力状態が解除されてから次に当該出力状態に設定されるまでの期間が比較的長い期間として設定されていることにより、仮に、信号の監視周期が40msecといったように処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCであったとしても、排出信号が排出認識用の出力状態となったこと、及び賞球完了信号が払出側認識用の出力状態となったことを当該ホールコンピュータHCにおいて認識することが可能となる。
また、新たに排出された遊技球の個数が、複数の個数として設定された排出側特定個数となった場合に、排出信号が排出認識用の出力状態に設定される構成であるため、各パチンコ機10において排出信号が排出認識用の出力状態となる頻度を低減させることが可能となる。同様に、新たに払い出された賞球の個数が、複数の個数として設定された払出側特定個数となった場合に、賞球完了信号が払出側認識用の出力状態に設定される構成であるため、各パチンコ機10において賞球完了信号が払出側認識用の出力状態となる頻度を低減させることが可能となる。排出信号及び賞球完了信号を利用する遊技ホールのホールコンピュータHCにおいては、遊技ホールに存在する各パチンコ機10から送信されてくる排出信号及び賞球完了信号の全てを処理する必要がある。この場合に、上記のように排出信号及び賞球完了信号について認識用の出力状態に設定される頻度を低減することで、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCであっても、これら信号を利用した処理を好適に行うことが可能となる。
ここで、ホールコンピュータHCでは、遊技ホールに存在している遊技球の個数の管理を行っている。具体的には、ホールコンピュータHCでは、各パチンコ機10から送信されてくる遊技球の払出個数の情報(例えば賞球完了信号)と、各球貸装置Yから送信されてくる遊技球の貸出個数の情報とを合計することで、各パチンコ機10において遊技者に払い出された遊技球の数を集計する(以下、この集計数を払出集計数ともいう)。
また、遊技ホールには遊技者に払い出された遊技球を島設備Sに返却する場合にその個数を集計する集計装置が1個又は複数設けられているが、当該集計装置において集計した結果は、回収信号として遊技ホールに送信される。ホールコンピュータHCでは、この集計装置から送信されてくる遊技球の回収個数の情報と、各パチンコ機10から送信されてくる遊技球の排出個数の情報(排出信号)とを合計することで、島設備Sに返却された遊技球の数を集計する(以下、この集計数を排出集計数ともいう)。
ホールコンピュータHCでは、例えば営業開始時や営業終了時において、上記払出集計数と排出集計数とを比較することで、遊技ホールに存在している遊技球の合計数について管理を行う。例えば、遊技ホールに存在している遊技球について何ら異常が発生していない場合には、払出集計数と排出集計数とが一致、又は遊技ホールの規模にもよるが例えば100個程度の誤差は生じるものの略一致することとなり、この場合にはホールコンピュータHCは遊技球の管理結果が正常である旨の報知(例えばディスプレイへの出力)を行う。
一方、遊技者などによる遊技ホールへの遊技球の持ち込み使用や、遊技ホールから不正に遊技球を取得し、その遊技球を遊技領域に供給するような不正行為が行われた場合には、上記排出集計数の方が上記払出集計数よりも多くなる。このような事象が発生すると、遊技ホールに多大な不利益が発生してしまう可能性がある。これに対して、ホールコンピュータHCは、遊技球の管理結果として、遊技球が過剰である旨の報知(例えばディスプレイへの出力)を行う。
また、遊技者がパチンコ機10に多数の遊技球を残した状態のまま帰宅した場合や、遊技者が遊技ホールから遊技球を持ち去った場合には、上記払出集計数の方が上記排出集計数よりも多くなる。特に、近年では、単位金額に対する遊技球の貸出数を相違させる営業形態が多く見られるようになっているが、この場合、遊技ホールでは、例えば貸出数が多く設定された島設備Sのパチンコ機10において得た遊技球が、貸出数が少なく設定された島設備Sのパチンコ機10において利用されているか否かを管理する必要があり、そうすると貸出数が相違する島設備S毎に遊技球の合計数の管理を行う必要が生じる。この場合に、貸出数が多く設定された島設備Sにおいて上記払出集計数の方が上記排出集計数よりも多い管理結果となった場合には、貸出数が多い島設備S側から貸出数が少ない島設備S側への遊技球の持ち込みが発生している可能性がある。上記のような各事象が発生すると、遊技ホールに多大な不利益が発生してしまう可能性がある。これに対して、ホールコンピュータHCは、遊技球の管理結果として、遊技球が不足である旨の報知(例えばディスプレイへの出力)を行う。
上記のように、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCであっても、排出信号及び賞球完了信号を利用することで、遊技ホールに存在する遊技球の個数の管理を行うことが可能である。但し、上記賞球完了信号を利用する場合、個数の管理を厳密に行うことができないという問題が生じ得る。当該問題について、図30(b)を参照しながら説明する。
新たに払い出された賞球の個数が、複数の個数として設定された払出側特定個数となった場合に賞球完了信号が払出側認識用の出力状態とされる構成においては、図30(b)においてt23のタイミング以降に示すように、新たに払い出された賞球の個数が払出側特定個数未満である場合には、賞球完了カウンタ114dの値が1以上となった状態が継続されることになる。この場合に、払出側RAM114には既に説明したとおり電断時用電力が供給されないため、t23のタイミング以降の状態で営業が終了し、パチンコ機10の電源及び発射制御基板121への電力供給が遮断されると、賞球完了カウンタ114dの値はクリアされてしまう。そして、このような状況は遊技ホールに存在しているパチンコ機10の台数分発生し得る。例えば、払出側特定個数が10個であるため、各パチンコ機10において賞球完了カウンタ114dに残った状態のままとなる数の平均を4.5個とし、さらに遊技ホールにパチンコ機10が1000台存在しているとすると、遊技球の個数の管理に関して4500個分の誤差が日常的に発生し得ることになってしまう。また、当該誤差は、上記排出集計数の方が上記払出集計数よりも多くなる側の誤差となるため、遊技球を持ち込んで行う不正行為を発見しづらくなり得る。さらに、当該誤差は、複数の営業日で均して遊技球の個数の管理を行ったとしても相殺されるものではなく、逆に誤差は増加する傾向となる。この誤差をどのように見るかは遊技ホールの営業方針によるものとなるが、厳密に遊技球の管理を行いたい遊技ホールにおいては好ましくない。
これに対して、本パチンコ機10では賞球完了信号とは別に、賞球予定信号を出力可能としていることにより、上記問題を解決することが可能となる。当該賞球予定信号の外部出力の様子について、図30(c)を参照しながら説明する。
遊技領域に向けて遊技球が発射された結果、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のいずれかへの入賞が発生することにより、図30(c1)に示すように、t31のタイミングで、主側RAM94に設けられた賞球予定カウンタ94cに賞球個数の情報が設定される。この場合、一般入賞口31への入賞が発生し、賞球予定カウンタ94cの値は10に設定される。そして、賞球予定信号について賞球予定認識用の出力状態の設定と当該出力状態の解除との組み合わせが、当該賞球予定カウンタ94cに設定された値の数分発生する。また、t32のタイミングで、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生することにより、賞球予定カウンタ94cの値が3に設定される。この場合であっても、賞球予定信号について賞球予定認識用の出力状態の設定と当該出力状態の解除との組み合わせが、当該賞球予定カウンタ94cに設定された値の数分発生する。
以上のとおり、遊技球の管理を厳密に行いたい遊技ホールであって、処理速度が比較的速いホールコンピュータHCを有する遊技ホールにおいては、賞球の個数の管理に関して賞球予定信号を利用することにより、実際には遊技球が払い出されているにも係わらず、それがホールコンピュータHCにおいて認識されないという事象が発生してしまうことが防止され、遊技球の管理を厳密に行うことが可能となる。
また、賞球予定信号は、賞球予定認識用の出力継続期間が10msecであるとともに、賞球予定側の出力設定制限時間が10msecであり、これらの和の期間は、払出装置77から遊技球が連続して払い出される場合の最短の払出周期である30msecよりも短い時間となっている。これにより、賞球予定信号が賞球予定認識用の出力状態となるタイミングと、それに対応した遊技球が払出装置77により実際に払い出されるタイミングとの間のずれが低減される。よって、ホールコンピュータHCにおいて実際に賞球の払い出しが行われている時期の把握を正確に行うことが可能となる。
また、上記のように賞球予定信号を利用することで遊技球の管理を厳密に行うことが可能となる構成であっても、外部端子板81には、賞球予定信号用の外部端子81gとは別に、賞球完了信号用の外部端子81hが設けられており、当該賞球完了信号の出力が可能な構成であるため、遊技球の管理を厳密に行う必要がない遊技ホールや、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCを有する遊技ホールでは、賞球予定信号ではなく賞球完了信号を利用することが可能となる。よって、遊技ホールの多様性に対応することが可能となる。さらに、遊技ホールにとっては、ホールコンピュータHCにおいて利用する信号を外部端子81g,81hの選択を通じて行うことが可能であるため、遊技ホールにおける選択的な利用が容易となる。
上記のような作用効果以外にも、本実施形態によれば以下の優れた効果を奏する。
遊技領域から遊技盤24の背面側に導出され排出通路部85を通じて島設備Sに排出される遊技球をそれぞれ検知するように排出検知センサ89が設けられ、島設備Sに排出される遊技球がパチンコ機10自身において検知される構成であることにより、島設備Sに排出される遊技球を確実に検知することが可能となる。例えば、島設備Sにおいてパチンコ機10から排出される遊技球を検知する構成においては、各パチンコ機10の下方に排出球の受け部を設けてその受け部において遊技球を検知する構成、又は島設備Sの循環経路において遊技球を一列に整列する領域を設定してその整列領域にて遊技球を検知する構成が考えられる。しかしながら、前者の構成では、受け部の構成を、様々なメーカ及び様々な機種に対応可能とするように汎用性を持たせた構成とする必要が生じ、このように汎用性を持たせた構成においては、パチンコ機10から排出された遊技球が受け部上で飛び跳ねてしまい、排出球として検知しきれない状況が生じ得る。また、後者の構成では、島設備Sの循環経路の構成が複雑化してしまうという問題や、遊技球の循環速度が低下してしまうという問題が生じ得る。これに対して、上記のように、島設備Sに排出される遊技球をパチンコ機10自身において検知する構成とすることで、そのような不都合を生じさせることなく、排出球を確実に検知することが可能となる。
また、島設備Sに排出される遊技球の数の計測は主側MPU92において行われ、その計測結果は主側RAM94に設けられた排出球カウンタ94dに記憶される。そして、当該主側RAM94には電断時用電力が供給されるため、営業終了後に電源及び発射制御基板121への電力供給が停止されたとしても、排出球カウンタ94dの情報は記憶保持される。これにより、排出球カウンタ94dの値が1以上となった状態で所定の営業日が終了し、当該所定の営業日については排出球の管理について誤差が生じたとしても、排出球カウンタ94dの情報は記憶保持されて次の営業日においても利用されるため、複数の営業日で均して排出球の個数の管理を行うことで、上記誤差は相殺され、当該排出球の個数の管理を正確に行うことが可能となる。
なお、ホールコンピュータHCにおいて賞球予定信号及び賞球完了信号の両方を利用することで、入賞の発生に基づき設定された賞球予定数と、それに対して実際に払い出された賞球完了数とが一致しているか否かの管理を行うことが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、外部端子板81には、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球の個数の情報を出力するための外部端子として、上記第1の実施形態における排出信号用の外部端子81f以外にも、個別排出信号用の外部端子が設けられており、主側MPU92により当該外部端子への出力設定処理が実行されることで、ホールコンピュータHCに個別排出信号を出力可能となっている。また、当該個別排出信号を通じた排出数の外部出力を、排出信号を通じた排出数の外部出力と独立して行うことを可能とするように、主側RAM94には個別排出球カウンタが設けられている。この個別排出球カウンタに対しては、排出球カウンタ94dの加算処理が実行される場合に、それと同一数の加算処理が実行される。
なお、主側RAM94には、上記第1の実施形態と同様に、電断時用電力が供給されるため、個別排出球カウンタの値は電源及び発射制御基板121への電力供給が停止されている状況であっても記憶保持される。また、個別排出信号の出力設定に係る構成以外は、上記第1の実施形態と同様である。
以下、図31のフローチャートを参照しながら、主側MPU92にて実行される個別排出用の外部出力処理について説明する。なお、当該個別排出用の外部出力処理は、タイマ割込み処理(図10)において排出用の外部出力処理(ステップS101)が実行された直後に実行される。
個別排出用の外部出力処理では、まずステップS1801にて、主側RAM94に設けられた個別排出認識用カウンタの値を1加算する。個別排出信号は、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球の個数をホールコンピュータHCに認識させる場合には個別排出認識用の出力状態であるHIレベル信号とされるのに対して、当該ホールコンピュータHCに認識させない場合にはLOWレベル信号とされる。なお、HI・LOWの関係が逆であってもよい。主側MPU92では、個別排出信号を個別排出認識用の出力状態とした場合にはその状態を所定の期間に亘って維持させるとともに、個別排出認識用の出力状態を解除した場合には所定の期間に亘って個別排出認識用の出力状態への再設定が行われないようにする。この場合に、個別排出認識用カウンタは、これら各所定の期間をカウントするために利用される。
また、個別排出用の外部出力処理は、タイマ割込み処理(図10)において、処理の実行に際して各処理回で処理時間の変動が大きい処理よりも前の実行タイミングで実行される。これにより、個別排出認識用カウンタを1加算する処理は基本的に定期的に(具体的には2msecで)実行されることとなり、後述する各期間の計測を正確に行うことが可能となる。
ステップS1801の処理を実行した後は、ステップS1802にて、主側RAM94に設けられたフラグの状態を確認することで、個別排出認識用の出力状態であるか否かを判定する。個別排出認識用の出力状態ではない場合には、ステップS1803にて、個別排出認識用カウンタの値が5以上となっているか否かを判定することで、個別排出認識用の出力状態が前回解除されたタイミングから10msec以上経過しているか否かを判定する。ステップS1803にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、個別排出認識用の出力状態が解除された場合には、少なくとも個別排出側の出力設定制限期間である10msecが経過するまでは、個別排出認識用の出力状態を設定する上での他の条件が成立していたとしても、当該個別排出認識用の出力状態に設定することが制限される。この個別排出側の出力設定制限期間は、排出側の出力設定制限期間及び払出側の出力設定制限期間である50msecよりも短い期間となっているとともに、賞球予定側の出力設定制限期間と同一となっている。
ステップS1803にて肯定判定をした場合には、ステップS1804にて主側RAM94の個別排出球カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。ここで、主側MPU92が個別排出信号を個別排出認識用の出力状態とする場合には、パチンコ機10から島設備Sに1個の遊技球が排出された場合であり、当該個別排出認識用の出力状態に設定した場合には後述するように個別排出球カウンタの値を1減算する。つまり、個別排出信号が個別排出認識用の出力状態とされた場合、パチンコ機10から島設備Sに新たに排出された遊技球の個数が、予め定められた個別排出側特定個数となったことがホールコンピュータHCに報知される。
ステップS1804にて否定判定をした場合にはそのまま本外部出力処理を終了する。ステップS1804にて肯定判定をした場合には、ステップS1805にて、主側RAM94に設けられたフラグへの設定を行うことで、個別排出認識用の出力状態に設定する。これにより、個別排出信号が個別排出認識用の出力状態となる。その後、ステップS1806にて個別排出球カウンタの値を1減算するとともに、ステップS1807にて個別排出認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、本外部出力処理を終了する。
一方、ステップS1802にて肯定判定をした場合、つまり個別排出信号が個別排出認識用の出力状態となっている場合には、ステップS1808にて個別排出認識用カウンタの値が5以上となっているか否かを判定することで、個別排出認識用の出力状態が10msec以上に亘って継続されているか否かを判定する。ステップS1808にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、個別排出認識用の出力状態に設定された場合には、個別排出認識用の出力継続期間である10msecが経過するまでは、個別排出信号が個別排出認識用の出力状態に維持されることになる。この個別排出認識用の出力継続期間は、排出側の出力継続期間及び払出側の出力継続期間である100msecよりも短い期間となっているとともに、賞球予定側の出力継続期間と同一となっている。
ステップS1808にて肯定判定をした場合には、ステップS1809にて、主側RAM94に設けられたフラグのクリア処理を行うことで、個別排出認識用の出力状態を解除する。これにより、個別排出信号が個別排出認識用の出力状態ではない状態となる。その後、ステップS1810にて個別排出認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、本外部出力処理を終了する。
以上の構成によれば、遊技ホールにおいては、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球の個数の管理を行うための信号として、排出信号及び個別排出信号のいずれかを選択することが可能となる。そして、個別排出信号を選択した場合には、排出球が1個発生する度に、当該個別排出信号は個別排出認識用の出力状態となるため、ホールコンピュータHCでは1個単位で排出球を管理することが可能となる。排出信号においては、排出球の個数が複数の数として定められた排出側特定個数となった場合に排出認識用の出力状態に設定されるため、排出球カウンタ94dが1以上の状態のまま営業日が終了する可能性があり、この場合、営業日単位では排出球の管理を厳密に行うことはできない。これに対して、個別排出信号を利用することで、上記のとおり、ホールコンピュータHCでは1個単位で排出球を管理することが可能となるため、排出球の管理を厳密に行うことが可能となる。
また、上記のように個別排出信号を利用することで排出球の管理を厳密に行うことが可能となる構成であっても、外部端子板81には、個別排出信号用の外部端子とは別に、排出信号用の外部端子81fが設けられており、当該排出信号の出力が可能な構成であるため、排出球の管理を厳密に行う必要がない遊技ホールや、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCを有する遊技ホールでは、個別排出信号ではなく排出信号を利用することが可能となる。よって、遊技ホールの多様性に対応することが可能となる。さらに、遊技ホールにとっては、ホールコンピュータHCにおいて利用する信号を外部端子の選択を通じて行うことが可能であるため、遊技ホールにおける選択的な利用が容易となる。
また、本実施形態の構成によれば、処理速度が比較的速いホールコンピュータHCを有する遊技ホールであって遊技球の管理を厳密に行いたい遊技ホールは、賞球の個数の管理として賞球予定信号を利用するとともに、排出球の個数の管理として個別排出信号を利用することにより、賞球の個数の管理及び排出球の個数の管理の両方について、遊技球1個単位で管理を行うことが可能となり、遊技球の個数の管理を1営業日単位で正確に行うことが可能となる。一方、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCを有する遊技ホールにおいては、賞球の個数の管理として賞球完了信号を利用するとともに、排出球の個数の管理として排出信号を利用することにより、賞球の個数の管理及び排出球の個数の管理の両方について、信号の出力頻度及び信号の切り替え頻度を低減することが可能となり、遊技球の個数の管理を行うことが可能となる。
なお、本実施形態において、賞球完了カウンタ114dにも電断時用電力が供給される構成としてもよい。この場合、賞球完了カウンタ114dの値についても、電源及び発射制御基板121への動作電力の供給が停止されたとしても記憶保持される。よって、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCを有する遊技ホールにおいて、賞球の個数の管理として賞球完了信号を利用するとともに、排出球の個数の管理として排出信号を利用する構成としたとしても、遊技球の個数の管理を複数の営業日で均した場合には誤差が相殺されて当該管理を厳密に行うことが可能となる。
<第3の実施形態>
本実施形態では、賞球完了信号の出力態様が状況に応じて変化する構成となっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、当該相違する構成以外は、上記第1の実施形態における構成と同様となっている。
図32は、本実施形態における払出側MPU112にて実行される払出側の外部出力処理を示すフローチャートである。
まずステップS1901にて、払出側RAM114に設けられたフラグの状態を確認することで、個別出力状態であるか否かを判定する。個別出力状態ではない場合には、ステップS1902〜ステップS1911の処理を実行する。これらステップS1902〜ステップS1911の処理は、上記第1の実施形態における払出側の外部出力処理(図29)のステップS1701〜ステップS1710の処理と同様である。これにより、個別出力状態ではない場合には、上記第1の実施形態と同様に、払い出された賞球の個数が複数として定められた払出側特定個数となった場合に賞球完了信号が払出側認識用の出力状態とされ、さらに払出側認識用の出力継続期間は100msecであるとともに、排出側の出力設定制限期間は50msecである。
ステップS1902〜ステップS1911の処理においてステップS1904又はステップS1905にて否定判定をした場合、すなわち払出認識用の出力状態ではない場合であって払出認識用の出力状態への新たな設定を行うための条件が成立していない場合には、ステップS1912にて個別出力条件が成立しているか否かを判定する。個別出力条件は、遊技者により遊技が行われていない状態が切り替え基準期間(例えば60sec)に亘って継続した場合に成立する条件であり、具体的には発射ハンドル55の操作が切り替え基準期間に亘って継続した場合に個別出力条件が成立したと判定する。なお、個別出力条件はこれに限定されることはなく、例えば図柄表示装置41にてデモ画面が表示された場合に、個別出力条件が成立したと判定する構成としてもよい。
ステップS1912にて否定判定をした場合にはそのまま本外部出力処理を終了する。一方、ステップS1912にて肯定判定をした場合には、ステップS1913にて、払出側RAM114に設けられたフラグへの設定を行うことで、個別出力状態に設定した後に、本外部出力処理を終了する。
個別出力状態に設定することで、次回の本外部出力処理では、ステップS1901にて肯定判定をし、ステップS1914にて個別出力用処理を実行する。当該個別出力用処理について、図33のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS2001にて、払出側RAM114に設けられた個別認識用カウンタの値を1加算する。個別認識用カウンタは、個別出力状態において賞球完了信号を個別認識用の出力状態としている期間及びその出力状態を解除してからの期間をカウントするために利用される。
ステップS2001の処理を実行した後は、ステップS2002にて、払出側RAM114に設けられたフラグの状態を確認することで、個別認識用の出力状態であるか否かを判定する。個別認識用の出力状態ではない場合には、ステップS2003にて、個別認識用カウンタの値が25以上となっているか否かを判定することで、個別認識用の出力状態が前回解除されたタイミングから50msec以上経過しているか否かを判定する。ステップS2003にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、個別認識用の出力状態が解除された場合には、少なくとも個別側の出力設定制限期間である50msecが経過するまでは、個別認識用の出力状態を設定する上での他の条件が成立していたとしても、当該個別認識用の出力状態に設定することが制限される。この個別側の出力設定制限期間は、払出側の出力設定制限期間と同一となっているが、これよりも短くてもよく、長くてもよい。
ステップS2003にて肯定判定をした場合には、ステップS2004にて払出側RAM114の賞球完了カウンタ114dの値が1以上となっているか否かを判定する。ここで、払出側MPU112が賞球完了信号を個別認識用の出力状態とする場合とは、払出装置77から実際に払い出された遊技球が新たに1個以上となった場合であり、当該個別認識用の出力状態に設定した場合には後述するように賞球完了カウンタ114dの値を1減算する。つまり、賞球完了信号が個別認識用の出力状態とされた場合、払出側特定個数よりも少ない数として定められた個別特定個数の遊技球が払出装置77から新たに払い出されたことがホールコンピュータHCに報知される。
ステップS2004にて否定判定をした場合にはそのまま本外部出力処理を終了する。ステップS2004にて肯定判定をした場合には、ステップS2005にて、払出側RAM114に設けられたフラグへの設定を行うことで、個別認識用の出力状態に設定する。これにより、賞球完了信号が個別認識用の出力状態となる。その後、ステップS2006にて賞球完了カウンタ114dの値を1減算するとともに、ステップS2007にて個別認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、本外部出力処理を終了する。
一方、ステップS2002にて肯定判定をした場合、つまり賞球完了信号が個別認識用の出力状態となっている場合には、ステップS2008にて個別認識用カウンタの値が100以上となっているか否かを判定することで、個別認識用の出力状態が200msec以上に亘って継続されているか否かを判定する。ステップS2008にて否定判定をした場合には、そのまま本外部出力処理を終了する。これにより、個別認識用の出力状態に設定された場合には、個別認識用の出力継続期間である200msecが経過するまでは、賞球完了信号が個別認識用の出力状態に維持されることになる。この個別認識用の出力継続期間は、個別出力状態ではない場合に設定される払出側認識用の出力継続期間である100msecよりも長い期間となっている。これにより、遊技ホールのホールコンピュータHCでは、賞球完了信号用の外部端子81hから受信している信号であっても、認識用の出力状態となった場合の出力継続期間の相違によって、それが個別出力状態において設定された状態なのか、個別出力状態ではない状態において設定された状態なのかを識別することが可能となる。
ステップS2008にて肯定判定をした場合には、ステップS2009にて、払出側RAM114に設けられたフラグのクリア処理を行うことで、個別認識用の出力状態を解除する。これにより、賞球完了信号が個別認識用の出力状態ではない状態となる。その後、ステップS2010にて個別認識用カウンタの値を「0」クリアした後に、ステップS2011に進む。
ステップS2011では、賞球完了カウンタ114dの値が10以上となっているか否か、又は「0」となっているか否かを判定することで、個別出力状態の解除条件が成立しているか否かを判定する。ステップS2011にて否定判定をした場合にはそのまま本外部出力処理を終了し、ステップS2011にて肯定判定をした場合にはステップS2012にて、払出側RAM114に設けられたフラグのクリア処理を行うことで、個別出力状態を解除した後に、本外部出力処理を終了する。
本実施形態によれば、遊技者により遊技が行われている状況では個別出力状態ではない状態とされることで、払い出された賞球の個数が複数として定められた払出側特定個数となった場合に賞球完了信号が払出側認識用の出力状態とされ、当該払出側特定個数の賞球の払い出しが行われたことがホールコンピュータHCに報知される。一方、遊技者により遊技が行われていない状況では個別出力状態とされることで、1個の賞球単位で賞球完了信号が個別認識用の出力状態とされ、1個の賞球単位でホールコンピュータHCへの報知が行われる。当該構成とすることにより、遊技者により遊技が行われている状況では、賞球完了信号が払出側認識用の出力状態とされる頻度を抑えながら、遊技者により遊技が行われていない状況では、賞球完了カウンタ114dの値が1以上である状態がそのまま営業日の終了まで継続されないように、1個単位で外部出力される。そして、前者の場合の信号出力と後者の場合の信号出力とで、信号の出力態様が異なっていることにより、ホールコンピュータHCはそれぞれを識別可能である。よって、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCが賞球完了信号を利用して賞球の個数の管理を行う場合であっても、賞球完了カウンタ114dの値が1以上である状態のまま営業日が終了してしまうという事象の発生が防止され、賞球の個数の管理を厳密に行うことが可能となる。
また、賞球完了信号とは別の信号を利用するのではなく、賞球完了信号を利用しながら、当該賞球完了信号の出力態様を個別出力状態の場合とそうではない状態とで切り替える構成であるため、外部端子板81の外部端子の数を増加させなくても上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
また、賞球完了信号を認識用の出力状態で継続させる場合の期間を相違させることで上記切り替えを行う構成であるため、当該切り替えを行う上での処理構成、及び当該切り替えを識別する上での処理構成の簡素化が図られる。
また、個別出力状態となった場合には、賞球完了信号が認識用の出力状態に保持される期間をそれまでよりも長くする構成であるため、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCであっても、上記切り替えに対応することが可能となる。
また、個別出力状態への切り替えは、遊技者により発射ハンドル55が操作されていない状態が継続した場合に行われる。これにより、賞球完了信号が認識用の出力状態となる頻度が低下した状態おいて、個別出力状態への切り替えが行われるため、当該認識用の出力状態となる頻度を抑えながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、個別出力状態である状況において賞球コマンドを受信した場合には、当該賞球コマンドを受信する前の時点における賞球完了カウンタ114dの値が1以上であったとしても、当該個別出力状態を解除する構成としてもよい。これにより、基本的には、複数である払出側特定個数の賞球の発生に対して、賞球完了信号が認識用の出力状態に設定される構成とすることが可能となり、当該出力状態に設定される頻度を低減することが可能となる。
また、賞球完了信号の出力態様を切り替える場合の具体的な手法は、上記のように認識用の出力継続期間を変更する構成に代えて、認識用の出力状態とする場合の電圧値や電流値を変更する構成としてもよく、出力設定制限期間を変更する構成としてもよい。
また、上記のように信号の出力態様が切り替えられる構成を、賞球完了信号に加えて又は代えて、排出信号に適用してもよい。
<第4の実施形態>
本実施形態のパチンコ機10は、上記第1の実施形態と同様にパチンコ機10から島設備Sに排出される遊技球を検知するための排出検知センサ89を備えている。この場合に、本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、排出検知センサ89が設けられていることを利用した不正行為に対処するための構成が設けられている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図34(a)は、排出検知センサ89及びその周辺の構成を説明するための縦断面図であり、図34(b)は遊技盤24の下側領域を模式的に示す図である。
排出検知センサ89は、図34(a)に示すように、上記第1の実施形態と同様に排出通路部85の整列通路領域88に設けられている。具体的には、排出検知センサ89は、遊技球B1が1個ずつ通過することを可能とする貫通孔89aを備えており、当該貫通孔89aが整列通路領域88と同軸上となるようにして排出検知センサ89が設置されている。排出検知センサ89は、貫通孔89aを遊技球が通過する際の磁界の変化を検知し、その検知結果を電気信号として主側MPU92に出力する。なお、貫通孔89aの開口面積は、整列通路領域88の通路断面よりも狭くなっており、貫通孔89aと整列通路領域88の通路壁との間には段差部89bが生じている。
ここで、上記構成においては、整列通路領域88の通路幅よりも小さい直径であって、貫通孔89aの直径よりも大きい直径の不正球B2が遊技領域に発射された場合、当該不正球B2が排出検知センサ89の段差部89b上に引っ掛かることにより整列通路領域88の遊技球B1の通過が阻害される。そうすると、その後に遊技領域に向けて発射された遊技球B1は、整列通路領域88において上記不正球B2を先頭として停留することとなる。そして、その状態で遊技球B1の発射が継続されると、図34(b)に示すように、遊技盤24のアウト口37から遊技領域側に遊技球B1が溢れた状態となってしまう。この場合、一般入賞口31の周囲や、上作動口33の周囲にまで遊技球B1が溢れた状態となると、その後に発射された遊技球B1が一般入賞口31や上作動口33に入賞し易くなってしまい、不正行為者が不正な利益を得ることが可能となってしまう。
これに対して、本実施形態では、主側MPU92にて排出監視処理が実行されることにより、上記不正行為を阻止することが可能となっている。当該排出監視処理について、図35のフローチャートを参照しながら説明する。なお、排出監視処理は、上記第1の実施形態と同様に、入力状態監視処理(図13)のステップS307にて実行される。
排出監視処理では、まずステップS2101にて、排出検知センサ89がONとなっているか否かを判定する。ONとなっている場合には、ステップS2102にて、主側RAM94に設けられた排出検知カウンタの値を1加算する。排出検知カウンタは、排出検知センサ89から遊技球を検知している旨の信号を受信していることを主側MPU92にて確認した回数を特定するためのカウンタである。
続くステップS2103では、主側RAM94に設けられた排出検知済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。排出検知済みフラグは、上記第1の実施形態と同様に、排出検知センサ89において1個の遊技球を継続して検知している場合に、その検知状態を主側MPU92において複数個の遊技球の通過と特定しないようにするためのフラグである。
排出検知済みフラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS2104にて、主側RAM94の排出検知カウンタの値が2以上となっているか否かを判定する。ステップS2104にて否定判定をした場合にはそのまま本排出監視処理を終了する。ステップS2104にて肯定判定をした場合には、ステップS2105にて、主側RAM94に設けられた排出球カウンタの値を1加算する。排出球カウンタは、上記第1の実施形態と同様に、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球の個数をカウントするためのものであり、島設備Sに排出された遊技球の個数をホールコンピュータHCに外部出力するために利用される。その後、ステップS2106にて主側RAM94の排出検知済みフラグに「1」をセットした後に、本排出監視処理を終了する。
排出検知センサ89のON状態が継続している状況で主側RAM94の排出検知済みフラグに「1」がセットされることにより、ステップS2103にて肯定判定をしてステップS2107に進む。ステップS2107では、主側RAM94の排出検知カウンタの値が停留判定基準値である「500」以上となっているか否かを判定する。排出監視処理は、主側MPU92において4msec周期で起動されるため、ステップS2107では、排出検知センサ89がON状態となっている状況が、停留判定基準期間である2sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。
当該停留判定基準期間は、排出検知センサ89の位置にて不正球B2が引っ掛かった状態となってから、排出検知センサ89の検知範囲の位置から遊技盤24のアウト口37の位置まで遊技球が充填されるのに要する時間として想定される最小期間よりも短い期間として設定されている。これにより、排出検知センサ89の位置にて不正球B2が引っ掛かったとしても、アウト口37から遊技領域側に遊技球B1が溢れ出す前に排出エラー状態であることを示す報知を開始させることが可能となる。
ステップS2107にて否定判定をした場合にはそのまま本排出監視処理を終了する。ステップS2107にて肯定判定をした場合には、ステップS2108にて、主側RAM94に設けられた排出エラーフラグに「1」をセットするとともに、ステップS2109にて、排出エラーコマンドを音声発光制御装置72に出力する。その後、本排出監視処理を終了する。
排出エラーフラグは、排出エラー状態であることを主側MPU92にて特定するためのフラグである。主側MPU92は、排出エラーフラグにより排出エラー状態であるか否かを特定可能であるものの、排出エラー状態であったとしても遊技の進行を停止させない。すなわち、排出エラー状態であったとしても、当該排出エラー状態ではない状況と同様の処理を実行する。
排出エラーコマンドは、排出エラー状態となったことを音声発光制御装置72に認識させるために出力されるコマンドであり、音声発光制御装置72は当該排出エラーコマンドを受信することにより、表示ランプ部58を所定の態様で点灯させるとともに、スピーカ部59から報知音を出力させる。また、音声発光制御装置72は、排出エラーコマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置101に送信する。表示制御装置101は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置41において報知用画像を表示させる。なお、排出エラー状態となった場合における報知態様は、上記のものに限定されることはなく、上記報知態様の全部が行われるのに代えて一部のみが行われる構成としてもよく、遊技ホールに向けて報知用の信号が外部出力される構成としてもよい。
一方、排出検知センサ89がOFFとなっている場合には、ステップS2101にて否定判定をすることによりステップS2110に進む。ステップS2110では、主側RAM94の排出検知カウンタの値を「0」クリアする。また、ステップS2111では、主側RAM94の排出検知済みフラグを「0」クリアする。その後、ステップS2112にて、主側RAM94の排出エラーフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
排出エラーフラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本排出監視処理を終了する。排出エラーフラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2113にて排出エラーフラグを「0」クリアするとともに、ステップS2114にてエラー解除コマンドを音声発光制御装置72に送信した後に、本排出監視処理を終了する。
音声発光制御装置72は、エラー解除コマンドを受信することにより、表示ランプ部58及びスピーカ部59における排出エラー状態の報知を終了させる。また、音声発光制御装置72は、エラー解除コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置101に送信する。表示制御装置101は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置41における排出エラー状態の報知を終了させる。
以上詳述した本実施形態によれば、排出検知センサ89にて遊技球B1を継続して検知している期間が停留判定基準期間となった場合には、それに対してエラー報知が行われる。これにより、遊技球B1よりも大きい不正球B2を排出検知センサ89の位置に停留させ遊技領域側に遊技球B1を溢れさせる不正行為を行おうとしても、その停留が発生していることが遊技ホールの管理者に対して報知されるため、遊技ホールの管理者はそれに対処することが可能となる。
また、上記のような不正行為が発生しているか否かを、排出検知センサ89を利用して特定することが可能であるため、構成の簡素化を図りながら上記不正行為に対処することが可能となる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、排出監視処理の処理構成が上記第4の実施形態と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第4の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
排出監視処理の説明に先立ち、まず本実施形態において対処可能な不正行為の内容について図36を参照しながら説明する。図36は、排出検知センサ89及びその周辺の構成を説明するための説明図である。
図36に示すように、排出通路部85は、傾斜部87に対して下流側にて連続するように整列通路領域88が形成されており、当該整列通路領域88に排出検知センサ89が設けられている。この場合、排出通路部85内への流入が可能であって整列通路領域88の通路幅よりも大きい直径の不正球B3が遊技領域に発射された場合、当該不正球B3が整列通路領域88の入口部分において引っ掛かることにより整列通路領域88への遊技球B1の流入が阻害される。そうすると、その後に遊技領域に向けて発射された遊技球B1は、排出通路部85において上記不正球B3を先頭として停留することとなる。そして、その状態で遊技球B1の発射が継続されると、上記第4の実施形態にて説明した場合と同様に遊技盤24のアウト口37から遊技領域側に遊技球B1が溢れた状態となってしまう。また、上記不正球B3は整列通路領域88の入口部分において引っ掛かっているため、不正球B3が排出検知センサ89により検知されない。
これに対して、本実施形態では、主側MPU92にて排出監視処理が実行されることにより、上記不正行為を阻止することが可能となっている。当該排出監視処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。なお、排出監視処理は、上記第1の実施形態と同様に、入力状態監視処理(図13)のステップS307にて実行される。
排出監視処理では、まずステップS2201にて、排出検知センサ89がONとなっているか否かを判定する。OFFとなっている場合には、ステップS2202にて、排出非検知時の処理を実行する。当該排出非検知時の処理では、上記第4の実施形態における排出監視処理(図35)のステップS2110〜ステップS2114と同一の処理を実行する。
続くステップS2203では、主側RAM94に設けられた非検知カウンタの値を1加算する。非検知カウンタは、排出検知センサ89から遊技球を検知していない旨の信号を受信していることを主側MPU92にて確認した回数を特定するためのカウンタである。
その後、ステップS2204にて開閉実行モード中であるか否かを判定し、ステップS2205にて一般入賞口31、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35のいずれかへの入賞が発生したか否かを判定し、ステップS2206にて、主側RAM94の非検知カウンタの値が非検知判定基準値である「1000」以上となっているか否かを判定する。ちなみに、排出監視処理は、主側MPU92において4msec周期で起動されるため、ステップS2206では排出検知センサ89がOFF状態となっている状況が非検知判定基準期間である4sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。
開閉実行モードである場合(ステップS2204:YES)、入賞が発生していない場合(ステップS2205:NO)、又は非検知カウンタの値が1000以上となっていない場合(ステップS2206:NO)には、そのまま本排出監視処理を終了する。一方、開閉実行モードではなく(ステップS2204:NO)、入賞が発生しており(ステップS2205:YES)、且つ非検知カウンタの値が1000以上である場合(ステップS2206:YES)には、ステップS2207にて、主側RAM94に設けられた非検知時の排出エラーフラグに「1」をセットするとともに、ステップS2208にて、非検知時の排出エラーコマンドを音声発光制御装置72に出力した後に、本排出監視処理を終了する。
非検知時の排出エラーフラグは、排出検知センサ89にて遊技球B1を継続して検知していないことにより非検知時の排出エラー状態となっていることを主側MPU92にて特定するためのフラグである。主側MPU92は、非検知時の排出エラーフラグにより非検知時の排出エラー状態であるか否かを特定可能であるものの、非検知時の排出エラー状態であったとしても遊技の進行を停止させない。すなわち、非検知時の排出エラー状態であったとしても、当該非検知時の排出エラー状態ではない状況と同様の処理を実行する。
非検知時の排出エラーコマンドは、非検知時の排出エラー状態となったことを音声発光制御装置72に認識させるために出力されるコマンドであり、音声発光制御装置72は当該非検知時の排出エラーコマンドを受信することにより、表示ランプ部58を所定の態様で点灯させるとともに、スピーカ部59から報知音を出力させる。また、音声発光制御装置72は、非検知時の排出エラーコマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置101に送信する。表示制御装置101は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置41において報知用画像を表示させる。なお、非検知時の排出エラー状態となった場合における報知態様は、上記のものに限定されることはなく、上記報知態様の全部が行われるのに代えて一部のみが行われる構成としてもよく、遊技ホールに向けて報知用の信号が外部出力される構成としてもよい。
一方、排出検知センサ89がONとなっている場合には、ステップS2201にて肯定判定をすることによりステップS2209に進む。ステップS2209では排出検知時の処理を実行する。当該排出検知時の処理では、上記第4の実施形態における排出監視処理(図35)のステップS2102〜ステップS2109と同一の処理を実行する。その後、ステップS2210にて、主側RAM94の非検知カウンタの値を「0」クリアする。
続くステップS2211では、主側RAM94の非検知時の排出エラーフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。非検知時の排出エラーフラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本排出監視処理を終了する。非検知時の排出エラーフラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2212にて非検知時の排出エラーフラグを「0」クリアするとともに、ステップS2213にて非検知時のエラー解除コマンドを音声発光制御装置72に出力した後に本排出監視処理を終了する。
音声発光制御装置72は、非検知時のエラー解除コマンドを受信することにより、表示ランプ部58及びスピーカ部59における非検知時の排出エラー状態の報知を終了させる。また、音声発光制御装置72は、非検知時の排出エラーコマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置101に送信する。表示制御装置101は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置41における非検知時の排出エラー状態の報知を終了させる。
以上詳述した本実施形態によれば、上記第4の実施形態にて説明した作用効果に加え、以下の優れた作用効果を奏することが可能である。
排出検知センサ89にて遊技球B1を継続して検知していない期間が非検知判定基準期間以上となっている状況で一般入賞口31、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35のいずれかへの入賞が発生した場合には、それに対してエラー報知が行われる。これにより、遊技球B1よりも大きい不正球B3を整列通路領域88の入口部分に停留させ遊技領域側に遊技球B1を溢れさせる不正行為を行おうとしても、その停留が発生していることが遊技ホールの管理者に対して報知されるため、遊技ホールの管理者はそれに対処することが可能となる。
また、開閉実行モードでは、アウト口37の直上方に存在している可変入賞装置32が開放状態となるため、正規に遊技を行っている状況であっても、排出検知センサ89にて遊技球B1を継続して検知していない期間が非検知判定基準期間以上となる状況が発生し得る。これに対して、開閉実行モード中においては排出検知センサ89にて遊技球B1を継続して検知していない期間が非検知判定基準期間以上となっている状況で入賞が発生したとしても、非検知時の排出エラー状態の設定は行われないため、正規の遊技が行われているにも関わらず非検知時の排出エラー状態に設定されてしまう可能性が低減される。
<第6の実施形態>
本実施形態では、パチンコ機10から島設備Sに排出される遊技球の個数を計測するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図38は、本実施形態における遊技盤24の下側領域を模式的に示す図である。
本実施形態では、排出検知センサ89が設けられていない。その代わりに、図38に示すように、遊技盤24の背面側には、アウト口37を通過した遊技球を1個ずつ検知するためのアウト球検知センサ37aが設けられている。なお、アウト球検知センサ37aは、アウト口37を通過した遊技球のみを検知するものであり、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34に入球した遊技球は検知しない。
アウト球検知センサ37aは、磁気検知タイプの近接センサであり、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、アウト球検知センサ37aは磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。アウト球検知センサ37aは主制御装置71に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、当該出力レベルの関係が逆であってもよい。
遊技盤24の背面側には、上記第1の実施形態と同様に、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに1対1で対応させて入賞検知センサ171〜176が設けられている。これら入賞検知センサ171〜176は、磁気検知タイプの近接センサであり、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、入賞検知センサ171〜176は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。入賞検知センサ171〜176は主制御装置71に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、当該出力レベルの関係が逆であってもよい。主側MPU92では、上記第1の実施形態と同様に、入賞検知センサ171〜176の検知結果を利用して、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34に対する入賞の有無を特定し、入賞の発生を特定した場合には賞球を発生させるための処理や各種内部抽選を実行する。
図39は、主側MPU92にて実行される排出監視処理を示すフローチャートである。なお、排出監視処理は、上記第1の実施形態と同様に、入力状態監視処理(図13)のステップS307にて実行される。
まずステップS2301では、主側RAM94に設けられたアウト検知フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。アウト検知フラグは、アウト球検知センサ37aにて1個の遊技球が検知されたことを主側MPU92にて特定するためのフラグである。アウト検知フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2302にて、主側RAM94に設けられた排出球カウンタの値を1加算し、続くステップS2303にて、主側RAM94のアウト検知フラグを「0」クリアする。排出球カウンタは、上記第1の実施形態と同様に、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球の個数をカウントするためのものであり、島設備Sに排出された遊技球の個数をホールコンピュータHCに外部出力するために利用される。
ステップS2301にて否定判定をした場合、又はステップS2303の処理を実行した場合には、ステップS2304にて、主側RAM94に設けられたいずれかの入賞検知フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。入賞検知フラグは、入賞検知センサ171〜176に1対1で対応させて設けられており、対応する入賞検知センサ171〜176にて1個の遊技球が検知されたことを主側MPU92にて特定するためのフラグである。
全ての入賞検知フラグが「0」である場合にはそのまま本排出監視処理を終了し、いずれかの入賞検知フラグに「1」がセットされている場合にはステップS2305に進む。ステップS2305では、「1」がセットされている入賞検知フラグの数分の値を主側RAM94の排出球カウンタに加算する。その後、ステップS2306にて、各入賞検知フラグの値を「0」クリアした後に、本排出監視処理を終了する。
主側MPU92は、主側RAM94の排出球カウンタを参照することにより、遊技ホールのホールコンピュータHCに向けて排出認識用の信号を外部出力する。当該排出認識用の信号の出力設定は、上記第1の実施形態と同様に、排出用の外部出力処理(図27)にて実行される。
ここで、アウト口37にアウト球検知センサ37aが設けられた構成であっても、排出検知センサ89が設けられている場合と同様に、遊技球よりも径が大きい不正球を利用してアウト球検知センサ37aの位置にて遊技球の流れを阻害させ、アウト口37から遊技領域側に遊技球を溢れさせる不正行為が想定される。これに対して、本実施形態では、当該不正行為を阻止するための処理構成がアウト球監視処理にて採用されている。
当該アウト球監視処理について、図40のフローチャートを参照しながら説明する。
アウト球監視処理では、まずステップS2401にて、アウト球検知センサ37aがONとなっているか否かを判定する。ONとなっている場合には、ステップS2402にて、主側RAM94に設けられたアウト検知カウンタの値を1加算する。アウト検知カウンタは、アウト球検知センサ37aから遊技球を検知している旨の信号を受信していることを主側MPU92にて確認した回数を特定するためのカウンタである。
続くステップS2403では、主側RAM94に設けられたアウト検知済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。アウト検知済みフラグは、アウト球検知センサ37aにおいて1個の遊技球を継続して検知している場合に、その検知状態を主側MPU92において複数個の遊技球の通過と特定しないようにするためのフラグである。
アウト検知済みフラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS2404にて、主側RAM94のアウト検知カウンタの値が2以上となっているか否かを判定する。ステップS2404にて否定判定をした場合にはそのまま本アウト球監視処理を終了する。ステップS2404にて肯定判定をした場合には、ステップS2405にて、主側RAM94のアウト検知フラグに「1」をセットする。アウト検知フラグは、既に説明したとおり、アウト球検知センサ37aにて1個の遊技球が検知されたことを主側MPU92にて特定するためのフラグである。その後、ステップS2406にて主側RAM94のアウト検知済みフラグに「1」をセットした後に、本アウト球監視処理を終了する。
アウト球検知センサ37aのON状態が継続している状況で主側RAM94のアウト検知済みフラグに「1」がセットされることにより、ステップS2403にて肯定判定をしてステップS2407に進む。ステップS2407では、主側RAM94のアウト検知カウンタの値が停留判定基準値である「300」以上となっているか否かを判定する。アウト球監視処理は、主側MPU92において4msec周期で起動されるため、ステップS2407では、アウト球検知センサ37aがON状態となっている状況が、停留判定基準期間である1.2sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。
ちなみに、当該停留判定基準期間は、アウト球検知センサ37aの位置にて不正球が引っ掛かった状態となってから、アウト球検知センサ37aの検知範囲を先頭として遊技盤24のアウト口37の位置まで遊技球が充填されるのに要する時間として想定される最小期間よりも短い期間として設定されている。これにより、アウト球検知センサ37aの位置にて不正球が引っ掛かったとしても、アウト口37から遊技領域側に遊技球が溢れ出す前にアウトエラー状態であることを示す報知を開始させることが可能となる。
ステップS2407にて否定判定をした場合にはそのまま本アウト球監視処理を終了する。ステップS2407にて肯定判定をした場合には、ステップS2408にて、主側RAM94に設けられたアウトエラーフラグに「1」をセットするとともに、ステップS2409にて、エラーコマンドを音声発光制御装置72に出力する。その後、本アウト球監視処理を終了する。
アウトエラーフラグは、アウトエラー状態であることを主側MPU92にて特定するためのフラグである。主側MPU92は、アウトエラーフラグによりアウトエラー状態であるか否かを特定可能であるものの、アウトエラー状態であったとしても遊技の進行を停止させない。すなわち、アウトエラー状態であったとしても、当該アウトエラー状態ではない状況と同様の処理を実行する。
エラーコマンドは、アウトエラー状態となったことを音声発光制御装置72に認識させるために出力されるコマンドであり、音声発光制御装置72は当該アウトエラーコマンドを受信することにより、表示ランプ部58を所定の態様で点灯させるとともに、スピーカ部59から報知音を出力させる。また、音声発光制御装置72は、アウトエラーコマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置101に送信する。表示制御装置101は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置41において報知用画像を表示させる。なお、アウトエラー状態となった場合における報知態様は、上記のものに限定されることはなく、上記報知態様の全部が行われるのに代えて一部のみが行われる構成としてもよく、遊技ホールに向けて報知用の信号が外部出力される構成としてもよい。
一方、アウト球検知センサ37aがOFFとなっている場合には、ステップS2401にて否定判定をすることによりステップS2410に進む。ステップS2410では、主側RAM94のアウト検知カウンタの値を「0」クリアする。また、ステップS2411では、主側RAM94のアウト検知済みフラグを「0」クリアする。その後、ステップS2412にて、主側RAM94のアウトエラーフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
アウトエラーフラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本アウト球監視処理を終了する。アウトエラーフラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2413にてアウトエラーフラグを「0」クリアするとともに、ステップS2414にてエラー解除コマンドを音声発光制御装置72に送信した後に、本アウト球監視処理を終了する。
音声発光制御装置72は、エラー解除コマンドを受信することにより、表示ランプ部58及びスピーカ部59におけるアウトエラー状態の報知を終了させる。また、音声発光制御装置72は、エラー解除コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置101に送信する。表示制御装置101は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置41におけるアウトエラー状態の報知を終了させる。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技領域を流下する遊技球を遊技盤24の背面側に導出させることを可能とする一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びアウト口37のそれぞれに対応させて遊技球の検知センサ171〜176,37aが設けられており、当該各検知センサ171〜176,37aの検知結果に基づいて、パチンコ機10から島設備Sに排出された遊技球の個数が計測される。このように個別の検知センサ171〜176,37aを利用して排出個数を計測することにより、上記第1の実施形態のように排出通路部85にて遊技球を個別に検知する必要がなくなる。よって、排出通路部85の通路設計に関して制約を生じさせないようにしながら、排出個数を計測することが可能となる。
また、アウト球検知センサ37aにて遊技球を継続して検知している期間が停留判定基準期間となった場合には、それに対してエラー報知が行われる。これにより、遊技球よりも大きい不正球をアウト球検知センサ37aの位置に停留させ遊技領域側に遊技球を溢れさせる不正行為を行おうとしても、その停留が発生していることが遊技ホールの管理者に対して報知されるため、遊技ホールの管理者はそれに対処することが可能となる。
また、上記のような不正行為が発生しているか否かを、アウト球検知センサ37aを利用して特定することが可能であるため、構成の簡素化を図りながら上記不正行為に対処することが可能となる。
なお、アウト球検知センサ37aよりも上流側にて遊技球の通過を阻害させる不正行為が想定される。例えば、アウト口37を塞いでしまう不正行為が想定される。これに対して、上記第5の実施形態にて示した処理構成を本実施形態におけるアウト球監視処理にて起用することで、当該不正行為に対しても対処することが可能となる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、遊技盤24のアウト口37から遊技領域側に遊技球を溢れさせる不正行為が行われたことを検知するための構成が上記第4〜第6の実施形態と異なっている。以下、その相違する構成について説明する。なお、上記第4〜第6の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図41は、本実施形態における遊技盤24の下側領域を模式的に示す図である。
遊技盤24の背面側には、可変入賞装置32よりも下方であってアウト口37よりも上方の位置であり、さらに遊技領域において遊技球が流下する領域の後方の位置に、左右一対の停留検知センサ181,182が設けられている。停留検知センサ181,182は、フォトセンサであり、検知範囲内に遊技球が存在している場合にそれに対応した電気信号を出力する。なお、停留検知センサ181,182は、フォトセンサに限定されることはなく任意であり、例えば磁気検知タイプの近接センサやリミットセンサなどを用いてもよい。各停留検知センサ181,182は主制御装置71に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、出力レベルの関係が逆であってもよい。
停留検知センサ181,182が設けられていることにより、例えばアウト口37が不正に塞がれることにより遊技領域側に遊技球が溢れた場合にはそれを検知することが可能である。また、停留検知センサ181,182は、可変入賞装置32よりも下方であってアウト口37よりも上方の位置に設けられているため、可変入賞装置32の位置まで遊技球が溢れてしまう前に、その溢れている遊技球を停留検知センサ181,182にて検知することが可能となる。
次に、停留検知センサ181,182を利用して遊技球の停留監視を行うための処理構成について図42を参照しながら説明する。図42は、停留監視処理を示すフローチャートである。停留監視処理は、主側MPU92の入力状態監視処理(図13)にて実行される。また、停留監視処理は、一対の停留検知センサ181,182に対して個別に実行される。以下の説明では、一方の停留検知センサ181を利用した停留監視処理について説明する。なお、他方の停留検知センサ182を利用した停留監視処理の処理内容も以下の処理内容と同様である。
停留監視処理では、まずステップS2501にて、停留検知センサ181がONとなっているか否かを判定する。ONとなっている場合には、ステップS2502にて、主側RAM94に設けられた停留検知カウンタの値を1加算する。停留検知カウンタは、停留検知センサ181から遊技球を検知している旨の信号を受信していることを主側MPU92にて確認した回数を特定するためのカウンタである。
続くステップS2503では、停留検知カウンタの値が停留判定基準値である「500」以上となっているか否かを判定する。停留監視処理は、主側MPU92において4msec周期で起動されるため、ステップS2503では、停留検知センサ181がON状態となっている状況が、停留判定基準期間である2sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。
ステップS2503にて否定判定をした場合にはそのまま本停留監視処理を終了する。ステップS2503にて肯定判定をした場合には、ステップS2504にて、主側RAM94に設けられた停留エラーフラグに「1」をセットするとともに、ステップS2505にて、停留エラーコマンドを音声発光制御装置72に出力する。その後、本停留監視処理を終了する。
停留エラーフラグは、停留エラー状態であることを主側MPU92にて特定するためのフラグである。主側MPU92は、停留エラーフラグにより停留エラー状態であるか否かを特定可能であるものの、停留エラー状態であったとしても遊技の進行を停止させない。すなわち、停留エラー状態であったとしても、当該停留エラー状態ではない状況と同様の処理を実行する。
停留エラーコマンドは、停留エラー状態となったことを音声発光制御装置72に認識させるために出力されるコマンドであり、音声発光制御装置72は当該停留エラーコマンドを受信することにより、表示ランプ部58を所定の態様で点灯させるとともに、スピーカ部59から報知音を出力させる。また、音声発光制御装置72は、停留エラーコマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置101に送信する。表示制御装置101は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置41において報知用画像を表示させる。なお、停留エラー状態となった場合における報知態様は、上記のものに限定されることはなく、上記報知態様の全部が行われるのに代えて一部のみが行われる構成としてもよく、遊技ホールに向けて報知用の信号が外部出力される構成としてもよい。
一方、停留検知センサ181がOFFとなっている場合には、ステップS2501にて否定判定をすることによりステップS2506に進む。ステップS2506では、主側RAM94の停留検知カウンタの値を「0」クリアする。その後、ステップS2507にて、主側RAM94の停留エラーフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
停留エラーフラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本停留監視処理を終了する。停留エラーフラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2508にて停留エラーフラグを「0」クリアするとともに、ステップS2509にてエラー解除コマンドを音声発光制御装置72に送信した後に、本停留監視処理を終了する。
音声発光制御装置72は、エラー解除コマンドを受信することにより、表示ランプ部58及びスピーカ部59における停留エラー状態の報知を終了させる。また、音声発光制御装置72は、エラー解除コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置101に送信する。表示制御装置101は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置41における停留エラー状態の報知を終了させる。
以上詳述した本実施形態によれば、停留検知センサ181,182にて遊技球を継続して検知している期間が停留判定基準期間となった場合には、それに対してエラー報知が行われる。これにより、アウト口37の遊技球の通過を阻止させ遊技領域側に遊技球を溢れさせる不正行為が行われたとしても、遊技領域において遊技球の停留が発生していることが遊技ホールの管理者に対して報知されるため、遊技ホールの管理者はそれに対処することが可能となる。
なお、停留検知センサ181,182よりも上流側にて遊技球の通過を阻害させる不正行為や、停留検知センサ181,182よりも上流側にて遊技球が偶然停留してしまうことが想定される。これに対して、上記第5の実施形態にて示した処理構成を本実施形態における停留監視処理にて起用することで上記事象に対しても対処することが可能となる。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記各実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のいずれかへの入賞が発生した場合において、主側RAM94の賞球予定カウンタ94cへの値の設定を行うタイミングは、当該入賞が発生したタイミングに限定されることはなく、主側MPU92から払出側MPU112に賞球コマンドが送信されるタイミングであってもよい。例えば、払出用出力処理(図16)におけるステップS607の賞球コマンド出力処理において、15個賞球コマンドの出力設定を行う場合に賞球予定カウンタ94cの値を15加算し、10個賞球コマンドの出力設定を行う場合に賞球予定カウンタ94cの値を10加算し、3個賞球コマンドの出力設定を行う場合に賞球予定カウンタ94cの値を3加算する構成としてもよい。この場合、賞球予定信号が賞球予定認識用の出力状態となるタイミングを、それに対応した賞球の払い出しが実際に行われるタイミングに近付けることが可能となる。
(2)賞球予定信号について賞球予定認識用の出力継続期間と、賞球予定側の出力設定制限期間との和が、払出装置77から連続して遊技球の払い出しが実行される場合の通常の払出周期と一致している構成としてもよい。この場合、賞球予定信号が賞球予定認識用の出力状態となるタイミングを、それに対応した賞球の払い出しが実際に行われるタイミングに近付けることが可能となる。
(3)排出通路部85に排出検知センサ89を設ける構成に代えて、遊技領域を流下して遊技盤24の背面側に導出された遊技球のうちアウト口37を通過した遊技球のみを検知するようにアウト口用の検知センサを設ける構成としてもよい。この場合、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34に入賞し、遊技盤24の背面側に導出された遊技球の個数については、これら入賞を検知するために設けられている入賞検知センサ96a〜96eにより検知するようにし、アウト口37を通過した遊技球の個数については、アウト口用の検知センサにより検知するようにすることで、排出検知センサ89を設けなくても、パチンコ機10から島設備Sに排出される遊技球の個数を計測することが可能となる。
(4)払出装置77から払い出された貸出球の個数の情報を、パチンコ機10からホールコンピュータHCに向けて外部出力可能としてもよい。この場合、貸出信号を貸出認識用の出力状態とするタイミングは、計測している貸出球の個数が例えば10個といったように複数として定められた貸出側特定個数となった場合としてもよく、計測している貸出球の個数が1個となった場合としてもよい。また、前者のタイミングで出力される貸出信号と、後者のタイミングで出力される貸出信号とのそれぞれに対応した外部端子を外部端子板81に設け、それぞれの信号を個別に出力可能な構成としてもよい。この場合、前者の貸出信号の方が後者の貸出信号よりも、認識用の出力継続期間及び出力設定制限期間を長くすることで、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCを有する遊技ホールにおいて前者の貸出信号を利用し易くなる。また、上記貸出信号の出力設定を行う主体は、払出側MPU112であってもよく、主側MPU92であってもよく、他の制御装置であってもよい。さらに、貸出球の個数を計測するための情報が、電断時用電力が供給されるRAMに記憶される構成としてもよく、電断時用電力が供給されないRAMに記憶される構成としてもよい。
(5)賞球予定信号及び賞球完了信号のうち賞球予定信号の出力設定が主側MPU92により行われ、賞球完了信号の出力設定が払出側MPU112により行われる構成としたが、これに代えて、賞球予定信号の出力設定及び賞球完了信号の出力設定の両方が主側MPU92により行われる構成としてもよく、払出側MPU112により行われる構成としてもよい。また、これら出力設定のうち少なくとも一方が、主側MPU92及び払出側MPU112とは異なる制御装置において行われる構成としてもよい。
(6)認識用の出力継続期間が、賞球予定信号と賞球完了信号とで同一である構成としてもよく、賞球予定信号の方が賞球完了信号よりも長い構成としてもよい。この場合であっても、認識用の出力状態への設定の契機となる賞球の個数が賞球予定信号の方が賞球完了信号よりも少ない数に設定することで、賞球予定信号を利用した場合には賞球の個数の管理を厳密に行うことを可能とする一方、賞球完了信号を利用した場合には認識用の出力状態となる頻度を低減させることが可能となる。
(7)パチンコ機10からホールコンピュータHCに出力可能な信号として排出信号が存在していない構成としてもよい。この場合、島設備S側において排出球の個数を計測し、その計測結果がホールコンピュータHCに出力される構成とすることで、当該信号と、賞球予定信号又は賞球完了信号とを利用することで、遊技球の個数の管理を行うことが可能となる。
(8)パチンコ機10からホールコンピュータHCに出力可能な信号として賞球予定信号が存在していない構成としてもよい。この場合であっても、排出信号と賞球完了信号とを利用することで、ホールコンピュータHCにおいて遊技球の個数の管理を行うことが可能となる。
(9)パチンコ機10からホールコンピュータHCに出力可能な信号として賞球完了信号が存在していない構成としてもよい。この場合であっても、排出信号と賞球予定信号とを利用することで、ホールコンピュータHCにおいて遊技球の個数の管理を行うことが可能となる。
(10)排出信号が認識用の出力状態に設定される契機が、排出球カウンタ94dの値が10となった場合である構成に限定されることはなく、排出球カウンタ94dの値が10以外の複数の値となった場合である構成としてもよく、排出球カウンタ94dの値が1となった場合である構成としてもよい。また、排出球カウンタ94dが、電断時用電力が供給されるRAMに設けられている構成に限定されることはなく、電断時用電力が供給されないRAMに設けられている構成としてもよい。また、排出信号の出力設定が主側MPU92により行われる構成に限定されることはなく、払出側MPU112により行われる構成としてもよく、それ以外の制御装置により行われる構成としてもよい。
(11)賞球予定信号が認識用の出力状態に設定される契機が、賞球予定カウンタ94cの値が1となった場合である構成に限定されることはなく、賞球予定カウンタ94cの値が複数として定められた値となった場合である構成としてもよい。また、賞球予定カウンタ94cが、電断時用電力が供給されるRAMに設けられている構成に限定されることはなく、電断時用電力が供給されないRAMに設けられている構成としてもよい。また、賞球予定信号の出力設定が主側MPU92により行われる構成に限定されることはなく、払出側MPU112により行われる構成としてもよく、それ以外の制御装置により行われる構成としてもよい。賞球予定信号の出力設定が払出側MPU112により行われる場合、賞球予定信号及び賞球完了信号の両方の出力設定が払出側MPU112により行われることになる。
(12)賞球完了信号が認識用の出力状態に設定される契機が、賞球完了カウンタ114dの値が10となった場合である構成に限定されることはなく、賞球完了カウンタ114dの値が10以外の複数の値となった場合である構成としてもよく、賞球完了カウンタ114dの値が1となった場合である構成としてもよい。また、賞球完了カウンタ114dが、電断時用電力が供給されないRAMに設けられている構成に限定されることはなく、電断時用電力が供給されるRAMに設けられている構成としてもよい。また、賞球完了信号の出力設定が払出側MPU112により行われる構成に限定されることはなく、主側MPU92により行われる構成としてもよく、それ以外の制御装置により行われる構成としてもよい。賞球完了信号の出力設定が主側MPU92により行われる場合、賞球完了信号及び賞球予定信号の両方の出力設定が主側MPU92により行われることになる。
(13)排出信号及び賞球予定信号は主側MPU92により出力設定が行われるとともに主制御基板91から他の基板を経由することなく外部端子板81に供給される構成としたが、払出制御基板111や中継基板といった他の基板を経由して外部端子板81に供給される構成としてもよい。また、賞球完了信号は払出側MPU112により出力設定が行われるとともに払出制御基板111から主制御基板91を経由して外部端子板81に供給される構成としたが、主制御基板91を経由することなく外部端子板81に供給される構成としてもよく、中継基板といった主制御基板91以外の基板を経由して外部端子板81に供給される構成としてもよい。
(14)排出信号について出力設定制限期間が設定されていない構成としてもよい。この場合であっても、排出信号が認識用の出力状態に設定される契機が、排出球の個数が複数として定められた排出側特定個数となった場合として設定されているため、当該認識用の出力状態が解除されてから次に当該認識用の出力状態に設定されるまでに排出側の出力継続期間以上の期間を要するため、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCであっても排出信号が認識用の出力状態となったことを認識することが可能となる。
(15)賞球完了信号について出力設定制限期間が設定されていない構成としてもよい。この場合であっても、賞球完了信号が認識用の出力状態に設定される契機が、賞球の個数が複数として定められた払出側特定個数となった場合として設定されているため、当該認識用の出力状態が解除されてから次に当該認識用の出力状態に設定されるまでに払出側の出力継続期間以上の期間を要するため、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCであっても賞球完了信号が認識用の出力状態となったことを認識することが可能となる。
(16)排出信号は出力設定制限期間の方が出力継続期間よりも短い構成としたが、これに限定されることはなく、出力設定制限期間と出力継続期間が同一である構成としてもよく、出力設定制限期間の方が出力継続期間よりも長い構成としてもよい。
(17)賞球完了信号は出力設定制限期間の方が出力継続期間よりも短い構成としたが、これに限定されることはなく、出力設定制限期間と出力継続期間が同一である構成としてもよく、出力設定制限期間の方が出力継続期間よりも長い構成としてもよい。
(18)賞球予定信号は出力設定制限期間と出力継続期間とが同一である構成としたが、出力設定制限期間の方が出力継続期間よりも短い構成としてもよく、出力設定制限期間の方が出力継続期間よりも長い構成としてもよい。
(19)排出信号、賞球予定信号及び賞球完了信号のそれぞれについて、出力設定制限期間及び出力継続期間の具体的な値は任意である。また、排出信号、賞球予定信号及び賞球完了信号のそれぞれについて、認識用の出力状態に設定される契機となる具体的な個数は任意である。
(20)排出信号については認識用の出力状態に設定される契機となる排出球の個数を10個といった複数の個数に設定し、賞球完了信号についても認識用の出力状態に設定される契機となる賞球の個数を10個といった複数の個数に設定し、さらに排出球カウンタ94d及び賞球完了カウンタ114dの両方に電断時用電力が供給される構成としてもよい。これにより、電源及び発射制御基板121への動作電力の供給が停止されたとしても、排出球カウンタ94d及び賞球完了カウンタ114dの値が記憶保持されるため、処理速度が比較的遅いホールコンピュータHCであっても遊技球の個数の管理を可能としながら、その遊技球の個数の管理を複数の営業日で均した場合には誤差が相殺されて当該管理を厳密に行うことが可能となる。なお、本構成において、排出予定信号の出力態様は任意であるが、例えば認識用の出力状態に設定される契機となる排出球の個数を10個といった複数の個数に設定し、さらに賞球予定カウンタ94cに電断時用電力が供給される構成としてもよい。
(21)排出信号、賞球完了信号及び賞球予定信号のいずれについても認識用の出力状態に設定される契機となる遊技球の個数を1個に設定し、さらに排出球カウンタ94d、賞球完了カウンタ114d及び賞球予定カウンタ94cの全てに電断時用電力が供給される構成としてもよい。これにより、処理速度が比較的速いホールコンピュータHCにおいて遊技球の個数の管理を1営業日単位で厳密に行うことが可能となる。
(22)主側MPU92における停電時処理において、排出球カウンタ94dに残っている値分、排出信号を認識用の出力状態に設定する構成としてもよい。この場合、その出力継続期間を停電時処理中ではない場合とは異なる期間とすることで、ホールコンピュータHCにおいていずれの状況で認識用の出力状態に設定されているのかを識別することが可能となる。また、同様に、払出側MPU112における停電時処理において、賞球完了カウンタ114dに残っている値分、賞球完了信号を認識用の出力状態に設定する構成としてもよい。この場合、その出力継続期間を停電時処理中ではない場合とは異なる期間とすることで、ホールコンピュータHCにおいていずれの状況で認識用の出力状態に設定されているのかを識別することが可能となる。
(23)主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置72により表示制御装置101が制御される構成に代えて、主制御装置71から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置101が音声発光制御装置72を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置72と表示制御装置101とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置71に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置71に集約されていてもよい。また、主制御装置71から音声発光制御装置72に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置72から表示制御装置101に出力されるコマンドの構成も任意である。
(24)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
(25)遊技球が発射されていることを検知するための発射検知センサを設け、発射検知センサにより遊技球の継続的な発射が検知されている状況において排出検知センサ89又はアウト球検知センサ37aにて所定期間に亘って遊技球を検知しなかった場合に、エラー状態の報知といった特別処理が実行される構成としてもよい。当該構成においては、発射検知センサを別途設ける必要があるものの、排出検知センサ89又はアウト球検知センサ37aよりも上流側にて遊技球が停留している状況が発生していることを正確に特定することが可能となる。
(26)上記第5の実施形態において、排出検知センサ89において遊技球を継続して検知していない期間が所定期間以上となっている状況でいずれかの入賞が発生した場合には、開閉実行モード中であってもエラー状態の報知といった特別処理が実行される構成としてもよい。
(27)上記第5の実施形態において、排出検知センサ89の検知範囲が可変入賞装置32に向けて遊技球が流下する場合に遊技球が通過しない領域に設定されている構成としてもよい。例えば、図柄表示装置41よりも右方の領域を通過するように流下している遊技球が入球可能であって図柄表示装置41よりも左方の領域を通過するように流下している遊技球が入球不可となる位置に可変入賞装置32が設けられている構成において、当該左方の領域に排出検知センサ89の検知範囲が設定されている構成としてもよい。この場合、可変入賞装置32に向けて遊技球が発射されている状況では排出検知センサ89にて遊技球が検知されない状況が継続されることとなる。したがって、当該構成においては、上記第5の実施形態と同様に、開閉実行モード中には排出検知センサ89の検知結果に関わらずエラー状態の設定が行われない構成とすることが好ましい。
(28)上記第5の実施形態において、図柄表示装置41よりも右方の領域を通過するように流下している遊技球が入球可能であって図柄表示装置41よりも左方の領域を通過するように流下している遊技球が入球不可となる位置に下作動口34が設けられており、図柄表示装置41よりも左方の領域を通過するように流下している遊技球が入球可能となる位置に上作動口33が設けられている構成において、当該左方の領域に排出検知センサ89の検知範囲が設定されている構成としてもよい。この場合、下作動口34に向けて遊技球が発射されている状況では排出検知センサ89にて遊技球が検知されない状況が継続されることとなる。したがって、当該構成においては、下作動口34への入賞が発生し易くなる高頻度サポートモード中には排出検知センサ89の検知結果に関わらずエラー状態の設定が行われない構成とすることが好ましい。
(29)上記第7の実施形態において、停留検知センサ181,182が可変入賞装置32よりも遊技領域の上流側の遊技球を検知するように設けられている構成としてもよい。例えば、正常に遊技を行っている状況であっても遊技領域において遊技球が停留し易い箇所を検知範囲に含むように停留検知センサ181,182を設けることで、当該箇所にて遊技球が停留している場合に報知などを行うことが可能となる。
(30)排出エラー状態、アウトエラー状態又は停留エラー状態となった場合には、パチンコ機10にて報知が行われる構成に代えて又は加えて、遊技の進行が停止される構成としてもよい。この場合、遊技を進行させるための処理の一部の実行が阻止される構成としてもよく、遊技を進行させるための処理の全部の実行が阻止される構成としてもよい。例えば、遊技球を発射するための処理が少なくとも実行されなくなる構成としてもよく、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34といった入球部に遊技球が入球したか否かの監視処理が少なくとも実行されなくなる構成としてもよく、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入球に基づく内部抽選の処理が少なくとも実行されなくなる構成としてもよい。
(31)遊技盤24にアウト口37が複数設けられている構成としてもよい。例えば、遊技領域が左右に分かれるように遊技盤24に装飾部材が設けられている構成においては、左側の領域用のアウト口37と、右側の領域用のアウト口37とを個別に設ける構成としてもよい。この場合、左側の領域及び右側の領域のいずれか一方の領域に形成されたアウト口37が、他方の領域に設けられた入球部(例えば、一般入賞口31、上作動口33、下作動口34)よりも遊技領域の上側(すなわち遊技領域の上流側)に設けられている構成としてもよい。
上記のようにアウト口37が複数設けられた構成であっても、上記第1〜第5の実施形態のように排出通路部85に排出検知センサ89が設けられた構成においては、いずれのアウト口37に入球した遊技球であっても当該排出検知センサ89にて検知することが可能となる。また、上記第4の実施形態の構成を適用することで、いずれのアウト口37に不正球が入球したとしても、それを特定することが可能となる。また、上記第5の実施形態の構成を適用することで、いずれのアウト口37が不正に塞がれたとしても、当該不正行為が行われていることを特定することが可能となる。
また、上記のようにアウト口37が複数設けられた構成において、上記第6の実施形態のように各アウト口37に対して個別にアウト球検知センサ37aを設けるようにしてもよい。この場合、各アウト口37に入球した遊技球を個別に検知することが可能となるとともに、遊技球よりも大きい不正球を利用した不正行為や、アウト口37を不正に塞ぐ行為が行われた場合に、いずれのアウト口37が不正対象となっているのかを特定することが可能となる。
また、上記のようにアウト口37が複数設けられた構成において、上記第7の実施形態のように各アウト口37に対して個別に停留検知センサ181,182を設けるようにしてもよい。この場合、装飾部材により区画された各遊技領域において遊技球の停留が発生しているか否かを個別に特定することが可能となる。
<上記実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技機から排出される遊技媒体の数を、当該遊技機に設けられた媒体検知手段(排出検知センサ89)を用いて計測し、その計測結果を排出情報記憶手段(排出球カウンタ94d)に記憶させる排出計測手段(主側MPU92における排出監視処理を実行する機能)と、
当該排出計測手段への電力の供給が停止されている状況であっても前記排出情報記憶手段に電力を供給し、当該排出情報記憶手段において情報の記憶保持を可能とさせる電断中電力供給手段(電断時用電源部123)と、
前記排出情報記憶手段に記憶されている排出数情報に対応した遊技媒体の数が、2以上の数である排出規定数以上となった場合に、排出認識信号(排出認識用の出力状態となっている排出信号)を遊技機の外部に出力可能とする排出側出力手段(主側MPU92における排出用の外部出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技機から排出される遊技媒体の数が計測されて、その計測結果が遊技機の外部に出力される構成であるため、遊技ホールのホールコンピュータにおいて遊技機から排出される遊技媒体の数を管理することが可能となる。
この場合に、遊技機から排出される遊技媒体の数が当該遊技機において検知される構成であることにより、島設備側の構成の複雑化を要することなく、排出される遊技媒体の数の計測を正確に行うことが可能となる。
また、排出された遊技媒体として計測された数が2以上の数である排出規定数以上となった場合に排出認識信号が出力される構成であるため、当該排出認識信号が出力される頻度を低減させることが可能となる。これにより、例えば、処理速度が比較的遅いホールコンピュータであっても、排出認識信号の認識を無理なく行うことが可能となる。
また、排出情報記憶手段には電断中電力が供給される構成であるため、1以上であって排出規定数未満の数に対応した排出数情報が記憶されている状況で排出計測手段への電力供給が遮断されたとしても、その情報は記憶保持される。これにより、上記のように排出認識信号が出力される頻度を低減させた構成であっても、排出された遊技媒体の数の管理を厳密に行うことが可能となる。
特徴A2.遊技機から排出される遊技媒体の数が前記排出規定数よりも少ない数以上となった場合に、別排出認識信号(個別排出認識用の出力状態となっている個別排出信号)を遊技機の外部に出力可能とする別排出側出力手段(主側MPU92における個別排出用の外部出力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技ホールにおいては、認識信号が出力される頻度を低減させたいのであれば排出認識信号を利用し、当該頻度は高くなるものの排出される遊技媒体の数の管理をより細かく行いたいのであれば別排出認識信号を利用するといったように、遊技ホールにおいて所望の信号を選択することが可能となる。これにより、遊技ホールの多様な営業形態に対応することが可能となる。
なお、「排出規定数よりも少ない数」を1とすることで、排出される遊技媒体の数の管理を厳密に行うことが可能となる。
特徴A3.前記排出側出力手段は、前記排出認識信号を出力する場合、当該排出認識信号の出力状態を排出側継続期間に亘って維持し、当該出力状態を解除した場合には少なくとも排出側規制期間が経過するまでは当該出力状態への再設定が行われないようにするものであり、
前記別排出側出力手段は、前記別排出認識信号を出力する場合、当該別排出認識信号の出力状態を別排出側継続期間に亘って維持し、当該出力状態を解除した場合には少なくとも別排出側規制期間が経過するまでは当該出力状態への再設定が行われないようにするものであり、
前記排出側継続期間は前記別排出側継続期間よりも長く、前記排出側規制期間は前記別排出側規制期間よりも長いことを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、排出認識信号を利用する場合には当該信号の出力が継続される期間及び当該出力状態となることが制限される期間の両方が、別排出認識信号の場合よりも長くなるため、処理速度が比較的遅いホールコンピュータにとっては、排出認識信号をより認識し易くなる。その一方、別排出認識信号を利用する場合には、当該信号が継続される期間及び当該出力状態となることが制限される期間の両方が、排出認識信号の場合よりも短くなるため、処理速度が比較的速いホールコンピュータにとっては、遊技媒体が排出された場合にその排出されたことの認識を速やかに行うことが可能となる。
特徴A4.遊技機の外部に設けられた装置への信号出力を行うための電気配線を接続可能な端子として、前記排出側出力手段により出力される信号用の端子と、前記別排出側出力手段により出力される信号用の端子とが別々に設けられていることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技ホールにとっては電気配線を接続する端子の種類を選択するだけで、排出認識信号及び別排出認識信号のうち利用する側を選択することが可能となる。よって、信号を選択して利用する場合の作業の煩雑化が抑制される。
特徴A5.遊技者に払い出される又は払い出された遊技媒体の数を計測し、その計測結果を払出情報記憶手段(賞球予定カウンタ94c、賞球完了カウンタ114d)に記憶させる払出計測手段(主側MPU92におけるステップS403、ステップS406及びステップS409の処理を実行する機能、払出側MPU112におけるステップS1108の処理を実行する機能)と、
前記払出情報記憶手段に記憶されている払出数情報に対応した遊技媒体の数が払出規定数以上となった場合に、払出認識信号(賞球予定認識用の出力状態となっている賞球予定信号、賞球完了認識用の出力状態となっている賞球完了信号)を遊技機の外部に出力可能とする払出側出力手段(主側MPU92における賞球予定用の外部出力処理を実行する機能、払出側MPU112における払出側の外部出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、遊技機において払い出される遊技媒体の数が計測されて、その計測結果が遊技機の外部に出力される構成であるため、遊技ホールのホールコンピュータにおいて遊技機にて払い出される遊技媒体の数を管理することが可能となる。そして、当該ホールコンピュータでは、払い出される遊技媒体の数だけでなく、排出される遊技媒体の数を管理することが可能であるため、遊技ホールに存在する遊技媒体の管理を行うことが可能となる。
特徴A6.前記払出規定数は1であることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技機おいて払い出される遊技媒体の数の管理を厳密に行うことが可能となる。
特徴A7.前記払出規定数は2以上の数であることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A7によれば、払い出される又は払い出された遊技媒体として計測された数が2以上の数である払出規定数以上となった場合に払出認識信号が出力される構成であるため、当該払出認識信号が出力される頻度を低減させることが可能となる。これにより、例えば、処理速度が比較的遅いホールコンピュータであっても、払出認識信号の認識を無理なく行うことが可能となる。
特徴A8.前記払出計測手段により計測された遊技媒体の数が前記払出規定数よりも少ない別払出規定数以上となった場合に、別払出認識信号(賞球予定認識用の出力状態となっている賞球予定信号)を遊技機の外部に出力可能とする別払出側出力手段(主側MPU92における賞球予定用の外部出力処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、遊技ホールにおいては、認識信号が出力される頻度を低減させたいのであれば払出認識信号を利用し、当該頻度は高くなるものの払い出される又は払い出された遊技媒体の数の管理をより細かく行いたいのであれば別払出認識信号を利用するといったように、遊技ホールにおいて所望の信号を選択することが可能となる。これにより、遊技ホールの多様な営業形態に対応することが可能となる。
特徴A9.前記払出側出力手段は、前記払出認識信号を出力する場合、当該払出認識信号の出力状態を払出側継続期間に亘って維持し、当該出力状態を解除した場合には少なくとも払出側規制期間が経過するまでは当該出力状態への再設定が行われないようにするものであり、
前記別払出側出力手段は、前記別払出認識信号を出力する場合、当該別払出認識信号の出力状態を別払出側継続期間に亘って維持し、当該出力状態を解除した場合には少なくとも別払出側規制期間が経過するまでは当該出力状態への再設定が行われないようにするものであり、
前記払出側継続期間は前記別払出側継続期間よりも長く、前記払出側規制期間は前記別払出側規制期間よりも長いことを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、払出認識信号を利用する場合には当該信号の出力が継続される期間及び当該出力状態となることが制限される期間の両方が、別払出認識信号の場合よりも長くなるため、処理速度が比較的遅いホールコンピュータにとっては、払出認識信号をより認識し易くなる。その一方、別払出認識信号を利用する場合には、当該信号が継続される期間及び当該出力状態となることが制限される期間の両方が、払出認識信号の場合よりも短くなるため、処理速度が比較的速いホールコンピュータにとっては、遊技媒体が払い出される場合又は払い出された場合にそのことの認識を速やかに行うことが可能となる。
特徴A10.遊技機の外部に設けられた装置への信号出力を行うための電気配線を接続可能な端子として、前記払出側出力手段により出力される信号用の端子と、前記別払出側出力手段により出力される信号用の端子とが別々に設けられていることを特徴とする特徴A8又はA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、遊技ホールにとっては電気配線を接続する端子の種類を選択するだけで、払出認識信号及び別払出認識信号のうち利用する側を選択することが可能となる。よって、信号を選択して利用する場合の作業の煩雑化が抑制される。
特徴A11.前記払出側出力手段は、前記払出規定数以上の遊技媒体が払い出された場合に、前記払出認識信号を出力可能とするものであり、
前記別払出側出力手段は、前記別払出規定数以上の遊技媒体を払い出す条件が成立した場合に、当該遊技媒体の払い出しが完了する前であっても前記別払出認識信号を出力可能とするものであることを特徴とする特徴A8乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、払出認識信号を利用する場合には実際に払い出された遊技媒体の数を認識することが可能となり管理の正確性が高められ、別払出認識信号を利用する場合にはホールコンピュータにおける管理を早期に行うことが可能となる。
特徴A12.遊技媒体を払い出す条件が成立している場合に払出指令情報を出力する主制御手段(主側MPU92)と、
当該主制御手段が前記払出指令情報を出力した場合に、遊技媒体を払い出すように払出手段を駆動制御する払出制御手段(払出側MPU112)と、
を備え、
前記主制御手段が前記別払出側出力手段を有し、前記払出制御手段が前記払出側出力手段を有することを特徴とする特徴A11に記載の遊技機。
特徴A12によれば、主制御手段及び払出制御手段のそれぞれの機能を利用して、払出認識信号及び別払出認識信号のそれぞれを出力することが可能となる。
特徴A13.遊技機から排出される遊技媒体の数を、当該遊技機に設けられた媒体検知手段(排出検知センサ89)を用いて計測し、その計測結果を排出情報記憶手段(排出球カウンタ94d)に記憶させる排出計測手段(主側MPU92における排出監視処理を実行する機能)と、
当該遊技機への電力の供給が停止されている状況であっても前記排出情報記憶手段に電力を供給し、当該排出情報記憶手段において情報の記憶保持を可能とさせる電断中電力供給手段(電断時用電源部123)と、
前記排出情報記憶手段に記憶されている排出数情報に対応した遊技媒体の数が、2以上の数である排出規定数以上となった場合に、排出認識信号(排出認識用の出力状態となっている排出信号)を遊技機の外部に出力可能とする排出側出力手段(主側MPU92における排出用の外部出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A13によれば、遊技機から排出される遊技媒体の数が計測されて、その計測結果が遊技機の外部に出力される構成であるため、遊技ホールのホールコンピュータにおいて遊技機から排出される遊技媒体の数を管理することが可能となる。
この場合に、遊技機から排出される遊技媒体の数が当該遊技機において検知される構成であることにより、島設備側の構成の複雑化を要することなく、排出される遊技媒体の数の計測を正確に行うことが可能となる。
また、排出された遊技媒体として計測された数が2以上の数である排出規定数以上となった場合に排出認識信号が出力される構成であるため、当該排出認識信号が出力される頻度を低減させることが可能となる。これにより、例えば、処理速度が比較的遅いホールコンピュータであっても、排出認識信号の認識を無理なく行うことが可能となる。
また、排出情報記憶手段には電断中電力が供給される構成であるため、1以上であって排出規定数未満の数に対応した排出数情報が記憶されている状況で遊技機への電力供給が遮断されたとしても、その情報は記憶保持される。これにより、上記のように排出認識信号が出力される頻度を低減させた構成であっても、排出された遊技媒体の数の管理を厳密に行うことが可能となる。
特徴A14.遊技機から排出される遊技媒体の数を、当該遊技機に設けられた媒体検知手段(排出検知センサ89)を用いて計測し、その計測結果を排出情報記憶手段(排出球カウンタ94d、個別排出球カウンタ)に記憶させる排出計測手段(主側MPU92における排出監視処理を実行する機能)と、
前記排出情報記憶手段に記憶されている排出数情報に対応した遊技媒体の数が排出規定数以上となった場合に、それに対応した排出認識信号(排出認識用の出力状態となっている排出信号、個別排出認識用の出力状態となっている個別排出信号)を遊技機の外部に出力可能とする排出側出力手段(主側MPU92における排出用の外部出力処理を実行する機能、個別排出用の外部出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A14によれば、遊技機から排出される遊技媒体の数が計測されて、その計測結果が遊技機の外部に出力される構成であるため、遊技ホールのホールコンピュータにおいて遊技機から排出される遊技媒体の数を管理することが可能となる。
この場合に、遊技機から排出される遊技媒体の数が当該遊技機において検知される構成であることにより、島設備側の構成の複雑化を要することなく、排出される遊技媒体の数の計測を正確に行うことが可能となる。
特徴A15.遊技機から排出される遊技媒体の数を、当該遊技機に設けられた媒体検知手段(排出検知センサ89)を用いて計測し、その計測結果を排出情報記憶手段(排出球カウンタ94d、個別排出球カウンタ)に記憶させる排出計測手段(主側MPU92における排出監視処理を実行する機能)と、
前記排出情報記憶手段に記憶されている排出数情報に対応した排出認識信号(排出認識用の出力状態となっている排出信号、個別排出認識用の出力状態となっている個別排出信号)を遊技機の外部に出力可能とする排出側出力手段(主側MPU92における排出用の外部出力処理を実行する機能、個別排出用の外部出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A15によれば、遊技機から排出される遊技媒体の数が計測されて、その計測結果が遊技機の外部に出力される構成であるため、遊技ホールのホールコンピュータにおいて遊技機から排出される遊技媒体の数を管理することが可能となる。
この場合に、遊技機から排出される遊技媒体の数が当該遊技機において検知される構成であることにより、島設備側の構成の複雑化を要することなく、排出される遊技媒体の数の計測を正確に行うことが可能となる。
<特徴B群>
特徴B1.遊技者に払い出される遊技媒体の数を計測する特定計測手段(主側MPU92におけるステップS403、ステップS406及びステップS409の処理を実行する機能)と、
当該特定計測手段に計測された遊技媒体の数が特定規定数以上となった場合に、特定認識信号(賞球予定認識用の出力状態となっている賞球予定信号)を遊技機の外部に出力可能とする特定出力手段(主側MPU92における賞球予定用の外部出力処理を実行する機能)と、
を備え、
当該特定出力手段は、前記特定規定数以上の遊技媒体を払い出す条件が成立した場合に、当該遊技媒体の払い出しが完了する前であっても前記特定認識信号を出力可能とするものであることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、特定認識信号を利用することで、遊技ホールのホールコンピュータにおいては遊技媒体の払出数を管理することが可能であるだけでなく、遊技媒体が払い出される条件が成立した場合にその管理を早期に行うことが可能となる。
特徴B2.遊技者に払い出された遊技媒体の数を計測する所定計測手段(払出側MPU112におけるステップS1108の処理を実行する機能)と、
当該所定計測手段に計測された遊技媒体の数が所定規定数以上となった場合に、それに対応した所定認識信号(賞球完了認識用の出力状態となっている賞球完了信号)を遊技機の外部に出力可能とする所定出力手段(払出側MPU112における払出側の外部出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特定認識信号を利用する場合にはホールコンピュータにおける管理を早期に行うことが可能となり、所定認識信号を利用する場合には実際に払い出された遊技媒体の数を認識することが可能となり管理の正確性が高められる。
特徴B3.前記特定規定数は前記所定規定数よりも少ないことを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、遊技ホールにおいては、認識信号が出力される頻度を低減させたいのであれば所定認識信号を利用し、当該頻度は高くなるものの遊技媒体の払出数の管理をより細かく行いたいのであれば特定認識信号を利用するといったように、遊技ホールにおいて所望の信号を選択することが可能となる。これにより、遊技ホールの多様な営業形態に対応することが可能となる。
特徴B4.前記特定出力手段は、前記特定認識信号を出力する場合、当該特定認識信号の出力状態を特定継続期間に亘って維持し、当該出力状態を解除した場合には少なくとも特定規制期間が経過するまでは当該出力状態への再設定が行われないようにするものであり、
前記所定出力手段は、前記所定認識信号を出力する場合、当該所定認識信号の出力状態を所定継続期間に亘って維持し、当該出力状態を解除した場合には少なくとも所定規制期間が経過するまでは当該出力状態への再設定が行われないようにするものであり、
前記特定継続期間は前記所定継続期間よりも短く、前記特定規制期間は前記所定規制期間よりも短いことを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
特徴B4によれば、所定認識信号を利用する場合には当該信号の出力が継続される期間及び当該出力状態となることが制限される期間の両方が、特定認識信号の場合よりも長くなるため、処理速度が比較的遅いホールコンピュータにとっては、所定認識信号をより認識し易くなる。その一方、特定認識信号を利用する場合には、当該信号が継続される期間及び当該出力状態となることが制限される期間の両方が、所定認識信号の場合よりも短くなるため、処理速度が比較的速いホールコンピュータにとっては、遊技媒体が払い出される場合又は払い出された場合にそのことの認識を速やかに行うことが可能となる。
特徴B5.遊技機の外部に設けられた装置への信号出力を行うための電気配線を接続可能な端子として、前記特定出力手段により出力される信号用の端子と、前記所定出力手段により出力される信号用の端子とが別々に設けられていることを特徴とする特徴B2乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技ホールにとっては電気配線を接続する端子の種類を選択するだけで、特定認識信号及び所定認識信号のうち利用する側を選択することが可能となる。よって、信号を選択して利用する場合の作業の煩雑化が抑制される。
特徴B6.遊技媒体を払い出す条件が成立している場合に払出指令情報を出力する主制御手段(主側MPU92)と、
当該主制御手段が前記払出指令情報を出力した場合に、遊技媒体を払い出すように払出手段を駆動制御する払出制御手段(払出側MPU112)と、
を備え、
前記主制御手段が前記特定出力手段を有し、前記払出制御手段が前記所定出力手段を有することを特徴とする特徴B2乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、主制御手段及び払出制御手段のそれぞれの機能を利用して、所定認識信号及び特定認識信号のそれぞれを出力することが可能となる。
特徴B7.遊技者に払い出される遊技媒体の数を計測する特定計測手段(主側MPU92におけるステップS403、ステップS406及びステップS409の処理を実行する機能)と、
当該特定計測手段に計測された遊技媒体の数に対応した特定認識信号(賞球予定認識用の出力状態となっている賞球予定信号)を遊技機の外部に出力可能とする特定出力手段(主側MPU92における賞球予定用の外部出力処理を実行する機能)と、
を備え、
当該特定出力手段は、前記特定規定数以上の遊技媒体を払い出す条件が成立した場合に、当該遊技媒体の払い出しが完了する前であっても前記特定認識信号を出力可能とするものであることを特徴とする遊技機。
特徴B7によれば、特定認識信号を利用することで、遊技ホールのホールコンピュータにおいては遊技媒体の払出数を管理することが可能であるだけでなく、遊技媒体が払い出される条件が成立した場合にその管理を早期に行うことが可能となる。
<特徴C群>
特徴C1.遊技機からの遊技媒体の排出及び遊技者への遊技媒体の払出のうちいずれかである特定事象対象の遊技媒体数が第1規定数以上となった場合に、第1認識信号(排出認識用の出力状態となっている排出信号、払出側認識用の出力状態となっている払出完了信号)を遊技機の外部に出力可能とする第1出力手段(主側MPU92における排出用の外部出力処理を実行する機能、払出側MPU112における払出側の外部出力処理を実行する機能)と、
前記特定事象対象の遊技媒体の数が前記第1規定数よりも少ない第2規定数以上となった場合に、第2認識信号(個別排出認識用の出力状態となっている個別排出信号、賞球予定認識用の出力状態となっている賞球予定信号)を遊技機の外部に出力可能とする第2出力手段(主側MPU92における個別排出用の外部出力処理を実行する機能、払出側MPU112における賞球予定用の外部出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技ホールにおいては、認識信号が出力される頻度を低減させたいのであれば第1認識信号を利用し、当該頻度は高くなるものの遊技媒体の管理をより細かく行いたいのであれば第2認識信号を利用するといったように、遊技ホールにおいて所望の信号を選択することが可能となる。これにより、遊技ホールの多様な営業形態に対応することが可能となる。
特徴C2.前記第1出力手段は、前記第1認識信号を出力する場合、当該第1認識信号の出力状態を第1継続期間に亘って維持し、当該出力状態を解除した場合には少なくとも第1規制期間が経過するまでは当該出力状態への再設定が行われないようにするものであり、
前記第2出力手段は、前記第2認識信号を出力する場合、当該第2認識信号の出力状態を第2継続期間に亘って維持し、当該出力状態を解除した場合には少なくとも第2規制期間が経過するまでは当該出力状態への再設定が行われないようにするものであり、
前記第2継続期間は前記第1継続期間よりも短く、前記第2規制期間は前記第1規制期間よりも短いことを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、第1認識信号を利用する場合には当該信号の出力が継続される期間及び当該出力状態となることが制限される期間の両方が、第2認識信号の場合よりも長くなるため、処理速度が比較的遅いホールコンピュータにとっては、第1認識信号をより認識し易くなる。その一方、第2認識信号を利用する場合には、当該信号が継続される期間及び当該出力状態となることが制限される期間の両方が、第1認識信号の場合よりも短くなるため、処理速度が比較的速いホールコンピュータにとっては、特定事象が発生することの認識を速やかに行うことが可能となる。
特徴C3.遊技機の外部に設けられた装置への信号出力を行うための電気配線を接続可能な端子として、前記第1出力手段により出力される信号用の端子と、前記第2出力手段により出力される信号用の端子とが別々に設けられていることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、遊技ホールにとっては電気配線を接続する端子の種類を選択するだけで、第1認識信号及び第2認識信号のうち利用する側を選択することが可能となる。よって、信号を選択して利用する場合の作業の煩雑化が抑制される。
特徴C4.遊技機からの遊技媒体の排出及び遊技者への遊技媒体の払出のうちいずれかである特定事象対象の遊技媒体数が第1規定数以上となった場合に、第1認識信号(排出認識用の出力状態となっている排出信号、払出側認識用の出力状態となっている払出完了信号)を遊技機の外部に出力可能とする第1出力手段(主側MPU92における排出用の外部出力処理を実行する機能、払出側MPU112における払出側の外部出力処理を実行する機能)と、
前記特定事象対象の遊技媒体の数が前記第1規定数よりも少ない第2規定数である状況又は当該第2規定数よりも多い状況で、第2認識信号(個別排出認識用の出力状態となっている個別排出信号、賞球予定認識用の出力状態となっている賞球予定信号)を遊技機の外部に出力可能とする第2出力手段(主側MPU92における個別排出用の外部出力処理を実行する機能、払出側MPU112における賞球予定用の外部出力処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C4によれば、遊技ホールにおいては、認識信号が出力される頻度を低減させたいのであれば第1認識信号を利用し、当該頻度は高くなるものの遊技媒体の管理をより細かく行いたいのであれば第2認識信号を利用するといったように、遊技ホールにおいて所望の信号を選択することが可能となる。これにより、遊技ホールの多様な営業形態に対応することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技機からの遊技媒体の排出及び遊技者への遊技媒体の払出のうちいずれかである特定事象対象の遊技媒体数の情報を特別認識信号(払出側認識用の出力状態となっている賞球完了信号)として遊技機の外部に出力可能とする特別出力手段(第3の実施形態における払出側MPU112の払出側の外部出力処理を実行する機能)を備え、
当該特別出力手段は、
前記特定事象対象の遊技媒体数が2以上の数である特別数以上となった場合に、第1態様で前記特別認識信号を出力する第1特別出力手段(払出側MPU112におけるステップS1902〜ステップS1911の処理を実行する機能)と、
前記特定事象対象の遊技媒体数が特別数に達していなかったとしても、第2態様で前記特別認識信号を出力する第2特別出力手段(払出側MPU112における個別出力用処理を実行する機能)と、
特定状況となった場合に、前記特別認識信号を出力する対象を、前記第1特別出力手段から前記第2特別出力手段に切り替える切替手段(払出側MPU112におけるステップS1912及びステップS1913の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、通常時は特別認識信号がホールコンピュータに出力される頻度を低減しながら、特定状況となった場合には特定事象対象の遊技媒体数をホールコンピュータに個別に認識させることが可能となる。これにより、処理速度が比較的遅いホールコンピュータであっても、特定事象対象の遊技媒体数の管理を行うことを可能としながら、当該管理を厳密に行うことが可能となる。
特徴D2.前記第1態様は、前記特別認識信号の出力状態を第1継続期間に亘って維持する態様であり、
前記第2態様は、前記特別認識信号の出力状態を第2継続期間に亘って維持する態様であることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、特別認識信号の出力状態を維持する期間を調整するという簡易な構成によって、上記特徴D1にて説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴D3.前記第2継続期間の方が前記第1継続期間よりも長いことを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、特別認識信号が第1態様で出力される場合及び第2態様である出力される場合のいずれについても、処理速度が比較的遅いホールコンピュータにおいて特別認識信号を認識させることが可能となる。
特徴D4.前記切替手段は、前記特定状況として、遊技が行われる過程で生じる特別事象が特別期間に亘って発生していない状況となった場合に、前記切り替えを行うものであることを特徴とする特徴D1乃至D3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D4によれば、遊技が行われていない状況を利用して、特定事象対象の遊技媒体数の管理を厳密に行わせることが可能となる。
なお、上記特徴A群、上記特徴B群、上記特徴C群及び上記特徴D群の発明によれば、以下の課題を解決することが可能である。
例えばパチンコ遊技機やスロットマシン等といった遊技機においては、遊技者による遊技の結果、遊技媒体を払い出す条件が成立した場合に払出装置を利用して遊技者に対して遊技媒体が払い出される。例えば、パチンコ遊技機では、表示面に複数の図柄を変動表示する図柄表示装置を備えるものがあり、遊技領域に設けられた所定の作動口への入球を契機として図柄の変動表示が開始される。また、当該作動口への入球時には当たり抽選が行われ、当たり当選時には、その旨の表示が図柄表示装置にて行われ、所定の入賞口が開放され、所定の入賞口への入球数に対応した数の遊技球が払出装置を利用して払い出される。
上記遊技機は遊技ホールに設置されて利用されることになるが、当該遊技ホールにおいては上記遊技機が島設備に設置されている。当該島設備には、各遊技機から排出される遊技媒体を循環させる循環設備が設けられており、各遊技機から排出された遊技媒体を各遊技機において再度利用可能としている。
ここで、遊技ホールには多数の遊技機が設置されており、それに伴って当該遊技ホールでは多量の遊技媒体が使用されることとなる。この場合に、当該遊技ホールにおいては遊技媒体の管理を行う必要があり、当該管理の好適化に貢献し得る遊技機を提供する必要がある。
<特徴E群>
特徴E1.遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
当該遊技盤に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が入球した場合に特典が発生する特典入球部(一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34)と、
当該特典入球部よりも前記遊技領域の下流側に設けられ、当該特典入球部に入球しなかった遊技球を前記遊技領域から排出するための排出部(アウト口37)と、
当該排出部から排出された遊技球又は当該排出部に向けて流下する遊技球を検知可能な排出検知手段(第4,第5の実施形態では排出検知センサ89、第6の実施形態ではアウト球検知センサ37a、第7の実施形態では停留検知センサ181,182)と、
当該排出検知手段が検知状態となっている状況が継続したこと又は当該排出検知手段が非検知状態となっている状況が継続したことに基づいて、特別処理を実行する特別処理実行手段(第4,第5の実施形態では主側MPU92における排出監視処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU92におけるアウト球監視処理を実行する機能、第7の実施形態では主側MPU92における停留監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、排出検知手段が検知状態となっている状況が継続したこと又は排出検知手段が非検知状態となっている状況が継続したことに基づいて特別処理が実行されるため、不正行為に起因して遊技球が遊技領域にて停留した場合や、正規の遊技の過程で遊技球が遊技領域にて停留した場合に、それに対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
なお、特別処理実行手段は、特別処理として報知処理を実行する構成としてもよく、特別処理として遊技を進行させるための一部の処理の実行を阻止するための処理を実行する構成としてもよく、特別処理として遊技を進行させるための全ての処理の実行を阻止するための処理を実行する構成としてもよい。
特徴E2.前記特別処理実行手段は、前記排出検知手段が前記検知状態となっている状況が所定期間以上継続したことに基づいて前記特別処理を実行することを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、排出検知手段の検知範囲に遊技球が停留している場合に特別処理を実行することが可能となり、その停留している状態を解除するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。また、排出検知手段にて遊技球を検知している状況が所定期間以上継続した場合に特別処理が実行されるため、当該所定期間を調整することで遊技が正常に行われている状況で特別処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴E3.前記排出検知手段の検知範囲は、前記排出部よりも下流側に設定されており、
前記所定期間は、前記排出検知手段の検知範囲から前記排出部の位置まで遊技球が連なり当該排出部から前記遊技領域側に遊技球が溢れるのに要する期間として想定される最短期間よりも短い期間であることを特徴とする特徴E2に記載の遊技機。
特徴E3によれば、排出検知手段の検知範囲に遊技球が停留したとしても、排出部から遊技領域側に遊技球が溢れるまでに特別処理が実行され、それに対処させることが可能となる。
特徴E4.前記特別処理実行手段は、前記排出検知手段が非検知状態となっている状況が所定期間以上継続したことに基づいて前記特別処理を実行することを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E4によれば、排出検知手段の検知範囲よりも上流側にて遊技球が停留していることでそれよりも下流側への遊技球の流下が阻止されている場合に特別処理を実行することが可能となり、その停留している状態を解除するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。また、排出検知手段にて遊技球を検知していない状況が所定期間以上継続した場合に特別処理が実行されるため、当該所定期間を調整することで遊技が正常に行われている状況で特別処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴E5.前記特典入球部に遊技球が入球したことを特定する入球特定手段(主側MPU92におけるステップS2205の処理を実行する機能)を備え、
前記特別処理実行手段は、前記排出検知手段が非検知状態となっている状況が所定期間以上継続している場合において前記入球特定手段により前記特典入球部への遊技球の入球が特定されたことに基づいて前記特別処理を実行することを特徴とする特徴E4に記載の遊技機。
特徴E5によれば、排出検知手段にて遊技球を検知していないにも関わらず特典入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別処理が実行されるため、遊技が正常に行われている状況で特別処理が実行されてしまう可能性が低減される。
特徴E6.前記特典入球部として、開放状態と閉鎖状態とのそれぞれに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
特別遊技状態を発生させるか否かの抽選処理を実行する抽選手段(主側MPU92における遊技回制御処理を実行する機能)と、
前記抽選処理にて前記特別遊技状態の発生当選となった場合に、前記可変入球手段が開閉制御される前記特別遊技状態に遊技状態を移行させる移行手段(主側MPU92における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別処理実行手段は、前記特別遊技状態においては前記排出検知手段の検知結果に関係なく前記特別処理を実行しないことを特徴とする特徴E4又はE5に記載の遊技機。
可変入球手段が開閉されている状況では、遊技球が停留していない状況であっても排出検知手段にて遊技球が継続して検知されない状況が発生し得る。これに対して、特徴E6によれば、特別遊技状態においては排出検知手段の検知結果に関係なく特別処理が実行されないため、遊技が正常に行われている状況で特別処理が実行されてしまう可能性が低減される。
なお、前記排出検知手段の検知範囲が、前記可変入球手段よりも下流側の領域、又は前記可変入球手段に向けて流下する遊技球が通過しない領域に設定されている構成において、上記特徴E6の構成を適用することが好ましい。
特徴E7.前記排出検知手段の検知結果を利用して、前記遊技領域から排出された遊技球の個数を計測する計測手段(第4の実施形態では主側MPU92におけるステップS2105の処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU92におけるステップS2302及びステップS2305の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴E1乃至E6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴E7によれば、遊技球から排出された遊技球の個数を計測するための排出検知手段を利用して、遊技領域に遊技球が停留している可能性があるか否かを特定することが可能となる。
特徴E8.前記排出検知手段は、前記排出部よりも下流側にて、前記排出部から排出された遊技球を検知するように設けられていることを特徴とする特徴E1乃至E7のいずれか1に記載の遊技機。
排出部から排出された遊技球を検知可能とした構成においては、遊技球よりも大きい不正球を遊技領域に投入することで排出検知手段の位置にて球詰まりを発生させ、排出部を通じて遊技領域側に遊技球を溢れさせる不正行為が想定される。これに対して、上記特徴E1の構成を備えていることにより、かかる不正行為が行われた場合にはそれに対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
なお、前記排出検知手段は、前記排出部から排出された遊技球を検知し、前記特典入球部に入球した遊技球は検知しないものである構成としてもよく、前記排出検知手段は、前記排出部から排出された遊技球を検知し、前記特典入球部に入球した遊技球も検知するものである構成としてもよい。
特徴E9.前記排出検知手段は、前記遊技領域を流下している途中の遊技球を検知するものであることを特徴とする特徴E1乃至E8のいずれか1に記載の遊技機。
排出部を不正に塞ぐことで遊技領域に遊技球を停留させる行為が行われたとしても、上記特徴E1の構成を備えていることにより、それに対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
特徴E10.前記排出検知手段は、前記特典入球部のうち最も下流側に存在している特典入球部(可変入賞装置32)よりも下流側であって前記排出部よりも上流側に存在する遊技球を検知するように設けられていることを特徴とする特徴E9に記載の遊技機。
特徴E10によれば、排出部から上流側に向けて遊技球が停留している場合にはそれを早期に発見することが可能となる。
特徴E11.遊技領域が形成された遊技盤(遊技盤24)と、
当該遊技盤に設けられ、前記遊技領域を流下する遊技球が入球した場合に特典が発生する特典入球部(一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34)と、
遊技球を前記遊技領域から排出するための排出部(アウト口37)と、
当該排出部から排出された遊技球又は当該排出部に向けて流下する遊技球を検知可能な排出検知手段(第4,第5の実施形態では排出検知センサ89、第6の実施形態ではアウト球検知センサ37a、第7の実施形態では停留検知センサ181,182)と、
当該排出検知手段が検知状態となっている状況が継続したこと又は当該排出検知手段が非検知状態となっている状況が継続したことに基づいて、特別処理を実行する特別処理実行手段(第4,第5の実施形態では主側MPU92における排出監視処理を実行する機能、第6の実施形態では主側MPU92におけるアウト球監視処理を実行する機能、第7の実施形態では主側MPU92における停留監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E11によれば、排出検知手段が検知状態となっている状況が継続したこと又は排出検知手段が非検知状態となっている状況が継続したことに基づいて特別処理が実行されるため、不正行為に起因して遊技球が遊技領域にて停留した場合や、正規の遊技の過程で遊技球が遊技領域にて停留した場合に、それに対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
なお、特別処理実行手段は、特別処理として報知処理を実行する構成としてもよく、特別処理として遊技を進行させるための一部の処理の実行を阻止するための処理を実行する構成としてもよく、特別処理として遊技を進行させるための全ての処理の実行を阻止するための処理を実行する構成としてもよい。
また、上記特徴E11の構成に対して、上記特徴E2乃至E10のいずれかの構成を適用することで、各構成を備えたことによる相乗的な効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴E群の発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種としてパチンコ機が知られている。パチンコ機について具体的には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えており、当該遊技盤には遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部が複数設けられている。当該入球部に遊技球が入球した場合には、遊技球の払い出しや内部抽選の実行といった特典が遊技者に付与される。また、当該入球部に入球した遊技球は、遊技盤の背面側に排出される。また、遊技盤には、いずれの入球部にも入球しなかった遊技球を遊技領域外に排出するための排出部が設けられている。
ここで、上記例示等のようなパチンコ機においては遊技領域における遊技球の円滑な流れを意図的に阻害させる不正行為が想定され、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る又は各特徴に適用される遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。