JP6158128B2 - 冷媒切替弁およびこれを備える機器 - Google Patents

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本発明は、冷媒切替弁およびこれを備える機器に関する。
本発明の背景技術として、従来、下記の特許文献1〜特許文献3がある。
特許文献1(特開2009−79837号公報)には、要約の解決手段欄に、「冷蔵庫は、開口部を有する断熱箱体と、断熱箱体の内部を複数の貯蔵室に区切るための断熱仕切部と、断熱扉と、冷媒配管と、圧縮機と、凝縮器と、冷媒を圧縮機から凝縮器まで流通させるための第一の流路とを備え、断熱仕切部は、断熱扉が開口部を閉塞している場合に断熱扉に対向する断熱仕切部前面を有し、さらに、断熱仕切部前面の周辺に冷媒を流通させるための仕切部結露防止配管を備え、第一の流路に冷媒を流通させるか、または、圧縮機から仕切部結露防止配管を経て凝縮器まで冷媒を流通させるかを切替えるための電磁四方弁を備える。」ことが開示されている。
特許文献2(特許4112918号公報)には、請求項1に、「冷媒の流入口、および冷媒の流出口が厚さ方向に貫通する弁座プレートと、該弁座プレートの表面側および裏面側のうち表面側を覆うように該弁座プレートの表面部分に取り付けられている密閉ケースと、前記弁座プレートの表面を摺動して前記流入口あるいは前記流出口を開閉する弁体とを有するバルブ装置において、前記流入口および前記流出口に各々連通するパイプ挿入穴が形成され、前記弁座プレートの裏面側に積層されたパイプ支持プレートと、該パイプ支持プレートの前記パイプ挿入穴内で端部が固定されて前記流入口および前記流出口に各々連通する流入パイプおよび流出パイプとを有し、前記流入パイプおよび前記流出パイプの各端部は、前記パイプ挿入穴内においてロウ付けされており、前記弁座プレートと前記パイプ支持プレートとは、双方の端部がずれるように積層されて前記接合面の外周縁に段部が形成され、前記弁座プレートと前記パイプ支持プレートとの接合面の外周側は金属薄膜によって気密に封止されており、前記金属薄膜は、前記弁座プレートと前記パイプ支持プレートとが積層された状態で施されためっき膜であり、ロウ付けの際の熱によって溶融して表面張力により集中したことにより、前記段部に形成されている部分の膜厚が他の領域に形成されている部分の膜厚よりも厚くなっていることを特徴とするバルブ装置」が開示されている。
特許文献3(特許4183075号公報)には、請求項1に、「流体の流入口、および流体の流出口が厚さ方向に貫通する弁座プレートと、該弁座プレートの表面側および裏面側のうち表面側を覆う密閉ケースと、前記流入口および前記流出口に連通するように前記弁座プレートの裏面側に固着された流入パイプおよび流出パイプと、前記弁座プレートの表面側のうち、前記流出口が形成されている領域上を摺動して当該流出口を開閉する弁体と、前記弁体を駆動するためのモータと、前記モータのロータを回転可能な状態で支持するために前記弁座プレートに固定されているロータ支軸と、前記ロータ支軸よりも短く細く形成されており、前記弁体を回転可能な状態で支持するために前記弁座プレートに固定されている弁体支軸とを有するバルブ装置において、前記弁座プレートは、当該弁座プレートの面内方向に、前記流出口が形成されている領域を構成する第1のプレート構成部材と第2のプレート構成部材とに分割されており、前記第2のプレート構成部材は、プレス加工品であり、前記ロータ支軸を固定するための第1軸穴が形成されており、前記第1のプレート構成部材は、前記第2のプレート構成部材よりも厚い切削加工品であり、前記第2のプレート構成部材にロウ付けにより接合されており、前記弁体支軸を固定するための前記第1軸穴よりも小さい第2軸穴が形成されていることを特徴とするバルブ装置。」が開示されている。
特開2009−79837号公報 特許第4112918号公報 特許第4183075号公報
特許文献1に記載された構成では、仕切部結露防止配管を通過する冷媒は高温高圧であって、冷蔵庫本体開口部周囲との温度差が大きいため、冷蔵庫本体開口部へ移動する冷媒の熱量が過大となり、冷蔵庫内の温度上昇を招来し、エネルギ使用量が大きくなるおそれがある。そのため、冷蔵庫の消費電力が大きくなり、維持費が嵩む可能性がある。
また、四方弁である電磁弁と冷媒逆流防止弁との2式の冷媒切替弁を備えた構成の場合には、2式の冷媒切替弁を冷媒回路に接続するための例えば銅製の冷媒配管が長くなり、かつ冷媒配管と冷媒切替弁とをロウ付けによって接続する箇所が電磁弁の入口管1か所、出口管3か所、冷媒逆流防止弁の両端が2か所、計6か所と多い。
そのため、冷媒配管の材料費が高くなり、組み立てコストが上昇し、コストが高くなるおそれがある。
特許文献2に記載された構成では、ロータ支軸と弁体支軸は、ともに弁座プレートに設けられた貫通穴である軸穴に圧入してロウ(ロウ)付けにより固定されているので、軸と軸穴との間にはロウが流れ込む隙間が必要であって、弁座プレートと軸との直角度精度には限界があるとともに、ロウが軸穴と軸との間の隙間を通って弁座プレートの裏面から表面側に滲出することがあり、滲出したロウが弁座プレートと弁体との密着を妨げる場合がある、という問題がある。
また、弁体支軸と弁体は弁座プレートの中心よりも外周側に偏った位置に設けられているので、弁座プレートと密閉ケース(弁ケース)の外周を溶接する際の熱が弁体に伝導しやすく、樹脂製の弁体が温度上昇して熱変形しやすい、という問題がある。
特許文献3に記載された構成では、ロータ支軸(中心軸)はプレス加工品の第2のプレート構成部材に設けられた第1軸穴にロウ付けされているので、第2のプレート構成部材の板厚が薄いとともに、ロウ付けのための軸穴と軸との間にはロウが流入する隙間が必要なので、ロータ支軸(中心軸)と第2のプレート構成部材との直角度精度には限界があるとともに、毛管現象によってロウが軸穴と軸との間の隙間を通って第2のプレート構成部材の表面側に滲出することがある。
また、第1軸穴はロータ軸なのでバルブ装置の中心軸であり、一方、第1のプレート構成部材(弁座)は第1軸穴(中心軸)よりも外周側に寄って位置しているので、溶接時の熱が第2のプレート構成部材の外周に近接した第1のプレート構成部材(弁座)に伝導しやすいので、樹脂製の弁体が温度上昇して熱変形しやすい、という問題がある。
また、第1のプレート構成部材(弁座)と第2のプレート構成部材とを別体として互いにロウ付けで接合するので、その接合部からロウが第1のプレート構成部材(弁座)の表面すなわち弁体との摺動面に滲出することがある、という問題点がある。
本発明は、上記実状に鑑み、冷媒の切替性能が向上する冷媒切替弁、および、当該冷媒切替弁を備えて機器の実使用状態に即して冷媒の切り替えを可能とする機器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、一例として冷媒切替弁は、弁体と、前記弁体を内在するケースと、前記ケースの一端に設けられて前記弁体が接して回動する弁座プレートと、前記ケース内部に一端が接続された流入管と、前記ケース内部にそれぞれ一端が接続された複数の連通管と、を備え、前記弁体は、前記流入管と第1連通管を連通し、第2連通管と第3連通管を連通させる第1状態と、前記第2連通管を閉塞する第2状態と、前記流入管と前記第3連通管を連通し、前記第1連通管と前記第2連通管を連通させる第3状態と、前記流入管を前記第1連通管、前記第2連通管及び前記第3連通管のいずれとも連通させず、前記第1連通管、前記第2連通管及び前記第3連通管を連通させる第4状態と、前記流入管と前記第2連通管を連通し、前記第1連通管と前記第3連通管を閉塞する第5状態と、を切り替えることを特徴とする。
また、冷媒切替弁を備える機器は、減圧手段と、前記減圧手段の下流に配置される蒸発器と、前記蒸発器の下流に配置される圧縮機と、前記圧縮機の下流に配置される凝縮器と、冷媒が流通可能な冷媒流通部と、を備え、前記冷媒切替弁は、前記凝縮器の下流側と前記冷媒流通部の一方端を連通させるとともに、前記冷媒流通部の他方端と前記減圧手段の上流側を連通させる第1モードと、前記冷媒流通部を経由せずに、前記凝縮器の下流側と前記減圧手段の上流側を連通させる第2モードと、前記減圧手段の上流側への連通を閉塞する第3モードと、前記凝縮器の下流側が前記冷媒流通部と連通しないとともに、前記冷媒流通部の両端と前記減圧手段の上流側を連通させる第4モードと、前記凝縮器の下流側と前記冷媒流通部の他方端を連通させるとともに、前記冷媒流通部の一方端と前記減圧手段の上流側を連通させる第5モードと、を切り替えることを特徴とする。
本発明によれば、冷媒の切替性能が向上する冷媒切替弁を提供することができる。また、当該冷媒切替弁を備える機器の実使用状態に即して、冷媒の切り替えが可能な機器を実現できる。
第1実施形態の冷蔵庫を前方から見た正面外観図である。 冷蔵庫の庫内の構成を表す図1のE−E断面図である。 冷蔵庫の庫内の機能構成を表す正面図である。 図2の冷却器近傍を拡大して示す要部拡大説明図である。 第1実施形態に係る冷媒切替弁を用いた冷媒経路の第1モードを示す図である。 第1実施形態に係る冷媒切替弁を用いた冷媒経路の第2モードを示す図である。 第1実施形態に係る冷媒切替弁を用いた冷媒経路の第3モードを示す図である。 第1実施形態に係る冷媒切替弁を用いた冷媒経路の第4モードを示す図である。 第1実施形態に係る冷媒切替弁を用いた冷媒経路の第5モードを示す図である。 実施形態に係る冷媒切替弁の外観を示す斜視図である。 図9のG方向矢視図である。 図10のF−F断面図である。 冷媒切替弁の内部構成を示す斜視図であり、冷媒切替弁からステータケースと弁ケースとを仮想的に取り外して透視した斜視図である。 ロータピニオンギヤとアイドラギヤと弁体の構成を示す斜視図である。 第1実施形態に係る冷媒切替弁の連通口の配置と弁体摺接面の形状を示す説明図である。 第1実施形態に係る冷媒切替弁の弁体の回動と開閉状態とを示す説明図である。 第1実施形態に係る冷媒切替弁を切り替えた際の第1状態から第5状態までの冷媒切替弁の内部構成と、冷媒経路とを説明する図である。 冷媒切替弁の第二の弁座プレート部と弁体と連通管の断面を示す拡大部分断面図である。 冷媒切替弁の弁座プレートに冷媒流入管と冷媒流出管とアイドラ軸とをロウ付けした状態を示すF−F断面図である。 冷媒切替弁の弁座プレートに冷媒流入管と冷媒流出管とアイドラ軸とをロウ付けした状態を示す斜視図である。 弁座プレートに冷媒流入管の一部を拡幅して仮固定した状態を示す図である。 冷媒切替弁の弁座プレートの断面図である。 弁座プレートの最外周部と弁ケースの位置関係を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態である実施形態について添付図面を参照して説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付して示し、重複した説明を省略する。
≪第1実施形態≫
図1は、第1実施形態の冷蔵庫を前方から見た正面外観図である。図2は、冷蔵庫の庫内の構成を表す図1のE−E断面図である。図3は、冷蔵庫の庫内の機能構成を表す正面図である。図4は、図2の冷却器近傍を拡大して示す要部拡大説明図である。
<冷媒切替弁60を用いる機器(冷蔵庫1)の構成>
第1実施形態に係る冷媒切替弁60(図9等参照)を説明する前に、まず、冷媒切替弁60(図9等参照)を備える機器として、冷蔵庫1を例として挙げ、図1から図4を用いて説明する。
図1、図3に示すように、冷蔵庫1は、その本体の冷蔵庫本体1Hに、上方から、冷蔵室2と、左右に並べた製氷室3および上段冷凍室4と、下段冷凍室5と、野菜室6とを備えている。なお、冷蔵室2および野菜室6は、冷蔵温度帯の貯蔵室であり、例えば、約3〜5℃の温度とされている。また、製氷室3、上段冷凍室4および下段冷凍室5は、冷凍温度帯の貯蔵室であり、例えば、約−18℃の温度とされている。
図1に示すように、冷蔵室2は、前方側に、左右に分割された観音開き(いわゆるフレンチ型)の冷蔵室扉2a、2bを備えている。また、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6は、それぞれ引き出し式の製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aを備えている。なお、以下の説明において、冷蔵室扉2a、2b、製氷室扉3a、上段冷凍室扉4a、下段冷凍室扉5a、野菜室扉6aを、単に扉2a、2b、3a、4a、5a、6aと称する場合がある。
扉2a、2b、3a、4a、5a、6aは、内側の周囲にゴム製のドアパッキン15(図2参照)が設けられている。ドアパッキン15は、各扉2a、2b、3a、4a、5a、6aを閉じた際、弾性変形して冷蔵庫本体前面16の開口周縁部1H2と密着することで貯蔵空間(冷蔵室2、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5、野菜室6)を外部空間に対して閉塞して密閉し、貯蔵空間から外部への冷気の漏れを抑制している。
冷蔵庫1は、扉開閉検知・報知手段として、冷蔵庫本体1Hに、扉2a、2b、3a、4a、5a、6aの開閉状態をそれぞれ検知する扉センサ(図示せず)と、各扉2a、2b、3a、4a、5a、6aが開放していると判定された状態が所定時間(例えば、1分間以上)継続された場合に、使用者に報知音で報知するアラーム(図示せず)とを有している。
その他、冷蔵庫1は、冷蔵室2の温度設定や上段冷凍室4や下段冷凍室5の温度設定をユーザが行うための温度設定器を有している。温度設定器とは、操作部および表示部を有する図1に示すコントロールパネル40である。
図2に示すように、冷蔵庫本体1Hは、庫外と庫内とが、樹脂製の内箱10aと鋼板製の外箱10bとの間に発泡断熱材(発泡ポリウレタン)を充填することにより形成される断熱箱体10により、断熱して隔てられている。また、冷蔵庫本体1Hの断熱箱体10は、断熱性能を向上するため、熱伝達率がより低い複数の真空断熱材14を、外箱10bの内面に沿って実装している。
冷蔵庫1の庫内は、冷蔵温度帯と冷凍温度帯との温度帯の異なる上下方向に配置された複数の貯蔵室が、熱漏洩を抑制するため、断熱仕切壁11a、11bにより断熱的に区画されている。
すなわち、上断熱仕切壁11aにより、冷蔵温度帯の貯蔵室である冷蔵室2と、冷凍温度帯の貯蔵室である上段冷凍室4および製氷室3(図1参照、図2中で製氷室3は図示せず)とが断熱して隔てられている。また、下断熱仕切壁11bにより、冷凍温度帯の貯蔵室である下段冷凍室5と、冷蔵温度帯の貯蔵室である野菜室6とが断熱して隔てられている。
冷蔵室扉2a、2bの庫内側には、図2に示すように、飲み物などを収容(貯蔵)するための複数の扉ポケット13が庫内側に突出して備えられている。また、冷蔵室2は、食品などを載置する複数の棚12により鉛直方向に複数の貯蔵スペースに区画されている。
引き出し式の扉をもつ製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5および野菜室6は、各貯蔵室の前方に備えられた各扉3a、4a、5a、6aの後方に一体に、収納容器3b、4b、5b、6bがそれぞれ設けられている。そして、扉3a、4a、5a、6aの図示しない取手部に手を掛けて手前側に引き出すことにより、収納容器3b、4b、5b、6bが引き出せるようになっている。
<結露防止>
ここで、冷蔵庫本体1Hの各扉2a、2b、3a、4a、5a、6aを開くと、温かい外気が冷蔵庫本体前面16の開口周縁部1H2と接触する。特に、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5内は氷点下の冷凍温度帯(例えば、−18℃)であるため、扉3a、4a、5aを開いた場合、冷蔵庫本体前面16の開口周縁部1H2に外気が触れて冷却されることで露点以下となり、冷蔵庫本体前面16に、外気中の水分が結露しやすい状態となる。
さらに、冷蔵庫本体前面16に結露した状態で扉3a、4a、5aを閉じると、ドアパッキン15と冷蔵庫本体前面16との間の水滴が氷点下に冷却され、凍結するおそれがある。
そこで、図2、図3に示すように、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5の開口周縁部1H2には、結露防止を目的に開口周縁部1H2を温め露点の温度を上げるため、後記する凝縮器52を通過した後の高温の冷媒を通過させる冷媒配管17が埋設されている。ここで、冷媒配管17を流れる冷媒の温度(後記の凝縮器52を通過した後の冷媒の温度)は、庫外温度(外部空間の温度)よりも高温であり、例えば、庫外温度が30℃の際に33℃程度となるように設定している。
このように、冷媒配管17は、流れる冷媒の熱により冷蔵庫本体前面16の開口周縁部1H2を加熱して、外気中の水分の結露および凍結を抑制する機能を有している。以下の説明においては、冷媒配管17を「結露防止配管17」と称する。
なお、本第1実施形態において、結露防止配管17は、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5の開口周縁部1H2に設ける構成としたが、冷蔵室2、野菜室6の開口1H2に設ける構成であってもよく、この場合、同様に、結露防止の効果が得られる。
<冷気循環>
図2、図3に示すように、冷却器7は、下段冷凍室5のほぼ奥側に備えられる冷却器収納室8内に配設されている。冷却器7は、冷却器配管7dに伝熱面積を広げるための多数のフィンが取り付けられて構成され、冷却器配管7d内の冷媒と空気との間の熱交換が行われている。
また、冷却器7の上方には、庫内送風機9(例えば、モータ駆動するファン)が設けられている。冷却器7で熱交換して冷やされた空気(以下、冷却器7で熱交換した低温の空気を「冷気」と称す)は、庫内送風機9によって、冷蔵室送風ダクト22、野菜室送風ダクト25、製氷室送風ダクト26a、上段冷凍室送風ダクト26bおよび下段冷凍室送風ダクト27を介して、冷蔵室2、野菜室6、製氷室3、上段冷凍室4および下段冷凍室5の各貯蔵室へ送られる。ちなみに、冷蔵室2、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5および野菜室6への各送風ダクト(22、26a、26b、27、25)は、図2で示すように、冷蔵庫本体1Hの各貯蔵室の背面側に設けられている。
庫内送風機9が取り付けられている送風機支持部30は、冷却器収納室8と冷凍温度帯室背面仕切29との間を区画する。
図4に示すように、製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5にそれぞれ冷気を吹き出す吹出口3c、4c、5cが形成されている冷凍温度帯室背面仕切29は、上段冷凍室4、製氷室3および下段冷凍室5と、冷却器収納室8との間を区画する。
送風機カバー31は、庫内送風機9の前面を覆うように配置されている。送風機カバー31と冷凍温度帯室背面仕切29との間には、庫内送風機9によって送風された冷気を吹出口3c、4c、5cに導くための、製氷室送風ダクト26a、上段冷凍室送風ダクト26bおよび下段冷凍室送風ダクト27が形成されている。
また、送風機カバー31の上部には、吹出口31aが形成されており、吹出口31a近くに冷凍温度帯室冷気制御手段21が設けられている。
さらに、送風機カバー31は、庫内送風機9によって送風された冷気を冷蔵温度帯室冷気制御手段20側に送風する役目も果たしている。即ち、送風機カバー31に設けられた冷凍温度帯室冷気制御手段21側に流れない冷気は、図4に示すように、冷蔵室上流ダクト23を経由して冷蔵温度帯室冷気制御手段20側に導かれる。
また、送風機カバー31は、庫内送風機9の前面に整流部31bを備えている。整流部31bは、吹き出す冷気が引き起こす乱流を整流して、騒音の発生を防止するようになっている。
<ダンパ>
冷却器7の冷気が何れの貯蔵室へ送られるかは、図2、図3に示す冷蔵温度帯室冷気制御手段20および冷凍温度帯室冷気制御手段21の開閉により制御される。
ここで、冷蔵温度帯室冷気制御手段20は、独立した2つの第一・第二の開口部20a、20b(図3参照)を備える所謂ツインダンパであり、第一の開口20aを開閉することで、冷蔵室送風ダクト22への送風を制御し、第二の開口20bを開閉することで、野菜室送風ダクト25への送風を制御する。
図4に示すように、冷凍温度帯室冷気制御手段21は、単独の開口部を備えたシングルダンパであり、開口部を開閉することで、製氷室送風ダクト26a、上段冷凍室送風ダクト26bおよび下段冷凍室送風ダクト27への送風を制御する。
<ダンパによる冷蔵室2の冷却>
冷蔵室2の冷却に際しては、冷蔵温度帯室冷気制御手段20の第一の開口20aを開状態とすると、冷気は、冷蔵室上流ダクト23(図4参照)および冷蔵室送風ダクト22を経て、多段に設けられた吹出口2c(図3参照)から冷蔵室2に送られる。そして、冷蔵室2を冷却した冷気は、冷蔵室2の下部に設けられた戻り口2dから冷蔵室戻りダクト24を経て、冷却器収納室8内にその側方下部から流入し、冷却器7と熱交換され冷却される。
<ダンパによる野菜室6の冷却>
野菜室6の冷却に際しては、冷蔵温度帯室冷気制御手段20の第二の開口20bを開状態とすると、冷気は、冷蔵室上流ダクト23および野菜室送風ダクト25(図3参照)を経て、吹出口6c(図3参照)から野菜室6に送られる。そして、野菜室6を冷却した冷気は、戻り口6dを経て、冷却器収納室8内にその下部から流入し、冷却器7と熱交換され冷却される。
ちなみに、野菜室6を循環する風量は、冷蔵室2より冷蔵温度がやや高めのため、冷蔵室2を循環する風量や冷凍温度帯室(3、4、5)を循環する風量に比べて少なくなっている。
<ダンパによる冷凍室(3、4、5)の冷却>
冷凍室(3、4、5)の冷却に際しては、冷凍温度帯室冷気制御手段21を開状態とすると、冷気は、製氷室送風ダクト26aや上段冷凍室送風ダクト26bを経て、吹出口3c、4cからそれぞれ製氷室3、上段冷凍室4に送られる。また、冷気は、下段冷凍室送風ダクト27(図2参照)を経て、吹出口5cから下段冷凍室5に送られる。このように、冷凍温度帯室冷気制御手段21は、送風機カバー31(図4参照)の上方に取り付けられ、その下方に配置される冷凍室(3、4、5)への送風を容易にしている。
製氷室送風ダクト26aを介して製氷室3に送風された冷気、および、上段冷凍室送風ダクト26bを介して上段冷凍室4に送風された冷気は、下方に配置される下段冷凍室5に下降する。そして、下段冷凍室送風ダクト27を介して、下段冷凍室5に送風される冷気とともに、下段冷凍室5の奥下方に設けられた冷凍室戻り口28を介して、冷却器収納室8内に流入し、冷却器7と熱交換され冷却される。
ちなみに、冷凍室戻り口28の横幅寸法は、冷却器7の幅寸法とほぼ等しい横幅である。
ところで、冷蔵温度帯室冷気制御手段20および冷凍温度帯室冷気制御手段21が開状態のとき、大部分の冷気が冷凍温度帯室冷気制御手段21側に送られて、残りの他の冷気が冷蔵温度帯室冷気制御手段20側に導かれるように各送風ダクト等が構成されている。これにより、温度帯の異なる貯蔵室である冷凍温度帯室(製氷室3、上段冷凍室4および下段冷凍室5)および冷蔵温度帯室(冷蔵室2および野菜室6)に、1つの冷却器7で冷気を供給することができる。
以上説明したように、冷蔵庫本体1Hの各貯蔵室へ送風する冷気の切り替えは、冷蔵温度帯室冷気制御手段20および冷凍温度帯室冷気制御手段21をそれぞれ適宜開閉制御することにより行われる。
<霜取装置の除霜ヒータ35>
図4に示すように、冷却器7の下方には、除霜手段である除霜ヒータ35が設置されている。除霜ヒータ35の上方には、除霜水が除霜ヒータ35に滴下することを防止するため、上部カバー36が設けられている。
冷却器7およびその周辺の冷却器収納室8の壁に付着した霜の除霜(融解)によって生じた除霜水は、冷却器収納室8の下部に備えられた樋32に流入した後に、排水管33を介して機械室50に配設された蒸発皿34に達して貯留され、後記の圧縮機51(図3参照)や凝縮器52で発生する熱により蒸発させられ、冷蔵庫1外に排出される。
<機械室>
図3に示すように、断熱箱体10の下部背面(奥)側には、機械室50が設けられている。
機械室50には、冷媒を圧縮して高温、高圧にして吐出する圧縮機51と、冷媒と空気とを熱交換させる凝縮器52と、凝縮器52における冷媒と空気の熱交換を促進させる庫外送風機53と、細管である減圧手段54と、冷媒切替弁60とが配置されている。
なお、圧縮機51、凝縮器52、減圧手段54、および、冷媒切替弁60は、冷却器7や結露防止配管17と配管で接続され、冷媒が流通する冷媒経路(冷媒回路)(図5から図9を用いて後記)が形成されている。
<センサ・制御系>
図2に示すように、冷蔵庫本体1Hの天井壁1H1の上面奧側には、制御手段として、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等のメモリなどを有するマイクロコンピュータや、インターフェース回路等を実装した制御手段である制御基板41が配置されている。
冷蔵庫1には、庫外の温度環境(外気温度)を検知する外気温度センサ42、庫外の湿度環境(外気湿度)を例えば水分吸着型の固体電解質を用いて検知する外気湿度センサ43、冷蔵室2の温度を検出する冷蔵室温度センサ44、野菜室6の温度を検出する野菜室温度センサ45、冷凍温度帯室(製氷室3、上段冷凍室4および下段冷凍室5)の温度を検出する冷凍室温度センサ46、冷却器7の温度を検出する冷却器温度センサ47等の温度センサが設けられている。これらセンサで検出された温度が検出信号として制御基板41に入力される。
また、制御基板41は、扉2a、2b、3a、4a、5a、6aの開閉状態をそれぞれ検知する扉センサ(図示せず)、冷蔵室扉2aに設けたコントロールパネル40(図1参照)と電気的に接続されている。
そして、制御基板41は、前記ROMに予め搭載された制御プログラムを実行することにより、圧縮機51のON/OFFや回転速度の制御、冷蔵温度帯室冷気制御手段20および冷凍温度帯室冷気制御手段21を個別に開閉駆動するそれぞれの駆動モータ(図示せず)の制御、庫内送風機9のON/OFFや回転速度の制御、庫外送風機53(図3参照)のON/OFFや回転速度等の制御、扉開放状態を報知するアラーム(図示せず)のON/OFF、冷媒切替弁60の切替動作等の制御を行い、冷蔵庫1全体の運転を統括的に制御している。
以上が、機器である冷蔵庫1の構成である。
<冷媒経路(冷媒回路)>
次に、実施形態に係る冷媒切替弁60(図3、図10等参照)を備える冷蔵庫1の冷媒経路(冷媒回路)、運転モードについて、図5から図9を用いて説明する。
図5は、第1実施形態に係る冷媒切替弁60を用いた冷媒経路の第1モードを示す図である。
図6は、第1実施形態に係る冷媒切替弁60を用いた冷媒経路の第2モードを示す図である。
図7は、第1実施形態に係る冷媒切替弁60を用いた冷媒経路の第3モードを示す図である。
図8は、第1実施形態に係る冷媒切替弁60を用いた冷媒経路の第4モードを示す図である。
図9は、第1実施形態に係る冷媒切替弁60を用いた冷媒経路の第5モードを示す図である。
図5の第1モードは第1の通常のモードであり、結露防止配管17(図2、図3参照)に高温の冷媒を矢印α方向に送り、結露を抑制する第1結露防止モードである。
図6の第2モードは、結露の可能性がない環境において、結露防止配管17を冷媒がバイパスするバイパスモードである。
図7の第3モードは、圧縮機51を停止する停止モードである。
図8の第4モードは、結露防止配管17から冷媒を回収して省エネを図る冷媒回収モードである。
図9の第5モードは第2の通常のモードであり、結露防止配管17(図2、図3参照)に高温の冷媒を、第1の通常のモードの方向(矢印α方向)とは逆側の矢印β方向から送り、結露を抑制する第2結露防止モードである。
冷媒切替弁60は、4つの連通管(図10等を用いて後記する流入管68、連通管69b、69c、69d)が接続されており、1つの流入口Aと、3つの連通口B、C、Dを備える、所謂、四方弁である。
すなわち、流入口Aには、流入管68が接続され、3つの連通口B、C、Dには、それぞれ連通管69b、69c、69dが接続されている。
図5に示すように、流入口Aの上流側には、第一冷媒配管55が接続されている。第一冷媒配管55には、上流側に凝縮器52が接続され、さらにその上流側には圧縮機51の高圧側吐出口51oが接続されている。連通口Bには、第二冷媒配管56の一端が接続され、結露防止配管17を経由して、連通口Dに第二冷媒配管56の他端が接続されている。連通口Cの下流側には、第三冷媒配管57が接続されている。
第三冷媒配管57は、下流側の細管である減圧手段54を経由して、冷却器7と接続される。冷却器7の下流側は圧縮機51の低圧側吸入口51iに接続されている。ちなみに、冷媒経路(冷媒回路)の冷媒としては、例えば、処理時のCO2の排出が少ないイソブタンを用いることができる。
図5から図9に示すように、第1モードから第5モードは、それぞれモードが異なるので、冷媒切替弁60の開閉状態(連通状態)が異なり、冷媒の経路(回路)が異なっている。
図5に示す第1モード(第1結露防止モード)においては、冷媒切替弁60は、流入口Aと連通口Bとが連通し(冷媒流れL1)、連通口Cと連通口Dとが連通(冷媒流れL2)する。
圧縮機51により圧縮された高温高圧の冷媒は、凝縮器52に流入し、凝縮器52で空気(庫外空気)と熱交換して冷却される。凝縮器52から流出した冷媒は、第一冷媒配管55を通って、冷媒切替弁60の流入口Aに流入し、冷媒流れL1に示すように、連通口Bから流出する。そして、第二冷媒配管56の一部を通って、結露防止配管17に流入する。
結露防止配管17に流入した冷媒の温度(即ち、凝縮器52から流出した冷媒の温度)は、庫外空気よりも高温であるため、結露防止配管17に流入した冷媒は、冷蔵庫本体1Hの開口周縁部1H2(図2、図3参照)を加熱する。これにより、冷蔵庫本体1Hの開口周縁部1H2の温度が上昇し、露点温度が上昇し結露が抑制される。
そして、結露防止配管17を矢印α方向に通過して開口周縁部1H2に放熱して結露防止配管17への流入時よりも低温となった冷媒は、結露防止配管17から流出して、第二冷媒配管56の残部を経て、冷媒切替弁60の連通口Dに流入する。そして、冷媒は、冷媒流れL2に示すように、連通口Cから流出し、第三冷媒配管57を経て、細管である減圧手段54を通過した後、断熱膨張して低温低圧となる。
減圧手段54を通過した後の冷媒は、蒸発器である冷却器7(冷却器配管7a)(図4参照)に流入する。冷却器7(冷却器配管7a)に流入した低温の冷媒は、冷却器7で周囲空気と熱交換して、圧縮機51に戻る。
このように、第1モード(第1結露防止モード)では、結露防止配管17を通る冷媒温度は、冷蔵庫本体1Hが設置された外気温度よりも高くなるので、外気が高温高湿な場合であっても、冷蔵庫本体1Hの開口周縁部1H2の結露を抑制することができる。
図6に示すように、第2モード(バイパスモード)においては、冷媒切替弁60は、流入口Aと連通口Cとが連通(冷媒流れL3)し、連通口Bおよび連通口Dは、他と連通しない。
圧縮機51により圧縮された高温高圧の冷媒は、凝縮器52に流入し、凝縮器52で空気(庫外空気)と熱交換することにより冷却される。凝縮器52から流出した冷媒は、第一冷媒配管55を通って、冷媒切替弁60の流入口Aに流入し、冷媒流れL3に示すように、連通口Cから流出して、第三冷媒配管57を通って、細管である減圧手段54を通過した後、断熱膨張して低温低圧となり、蒸発器である冷却器7(冷却器配管7a)に流入する。冷却器7(冷却器配管7a)(図2参照)に流入した低温の冷媒は、冷却器7で周囲空気と熱交換して、圧縮機51に戻る。
第1モード(第1結露防止モード)(図5参照)で運転すると、結露防止配管17に外気よりも高温の冷媒が流れるため、その熱が貯蔵室(製氷室3、上段冷凍室4、下段冷凍室5)(図3参照)等を温めてしまうおそれがある。そこで、外気が低湿など結露のおそれが低い場合、第2モード(バイパスモード)で運転することにより、結露防止配管17に冷媒を流さないようにすることができる。
これにより、冷蔵庫本体1Hの開口周縁部1H2の結露防止の効果はないものの、結露のおそれが低い場合には、結露防止配管17から冷蔵庫本体1H内部への熱漏洩を防止でき、冷蔵庫1の省エネルギ性能を高くすることができる。
冷媒切替弁60の第1モード(第1結露防止モード)と第2モード(バイパスモード)は、図2に示す外気温度センサ42や外気湿度センサ43の検知結果に基づいて結露のおそれがあるか否かを判定する。
例えば、外気湿度センサ43で検出した外気の湿度から露点が求められ、外気温度センサ42で検出した外気温度から、結露しそうな環境か否かが求められる。或いは、外気温度センサ42で検出した外気温度から飽和湿度が求められ、外気湿度センサ43で検出した外気の湿度から、結露しそうな環境か否かが求められる。
そして、結露のおそれがある場合は第1モード(結露防止モード)とし、結露のおそれがない場合には第2モード(バイパスモード)とするようモードを切り替えると、結露しそうな必要な時だけ結露を防止できる。また、それ以外の時、つまり結露しそうでない時は熱漏洩を抑制できるので、消費電力を低減するのに効果的である。
図7に示すように、第3モード(停止モード)において、圧縮機51は停止している状態となっており、冷媒切替弁60は連通口Cを閉塞している。
第3モードにおいては、連通口Cを閉塞することで、冷媒が循環する回路を遮断するようになっている。すなわち、冷媒切替弁60の連通口Cが遮断されていることにより、第一冷媒配管55や凝縮器52、第二冷媒配管56や冷媒結露防止配管17内の比較的高温な冷媒が、第三冷媒配管57や冷却器7に流れ込むことが遮断される。これにより、冷却器7の温度上昇を抑制できる。
ここで、冷蔵庫1は、冷凍サイクルによって貯蔵室(2、3、4、5、6)を冷却する運転の場合、貯蔵室が所定温度以下となるまで圧縮機51を動作させて、貯蔵室が既設定の所定温度以下まで低下すると圧縮機51を停止させるようになっている。そして、貯蔵室が既設定の所定温度より上昇すると圧縮機51を再起動して貯蔵室を冷却する。
圧縮機51の停止時に冷媒切替弁60を第3モード(停止モード)とすることにより、冷却器7内の冷媒を低温で維持することができる。そのため、圧縮機51の再起動時には、冷却器7内の冷媒が低温であることから、熱交換効率が高い状態にあり、冷蔵庫1の省エネルギ性能を向上できる。
図8に示すように、第4モード(冷媒回収モード)において、冷媒切替弁60は、流入口Aは閉塞されて他と連通しないようになっており、連通口Bと連通口Cと連通口Dはすべて連通している(冷媒流れL4)。
流入口Aはいずれの連通口B、C、Dとも連通しないので、圧縮機51を運転しても冷媒は流れることはなく、圧縮機51の高圧側吐出口51oよりも下流側の凝縮器52、第一冷媒配管55は圧縮機51の高圧側吐出口51oと連通して高圧の状態となる。
一方、連通口Bと連通口Cと連通口Dは互いに連通しているので第二冷媒配管56と第三冷媒配管57は連通する。そして、連通口Dは閉塞されているので、圧縮機51を運転しても冷媒は流れず、連通口Dより下流側となる第二冷媒配管56と結露防止配管17と、連通口Cの下流側から圧縮機51の吸入側に接続された第三冷媒配管57、細管である減圧手段54、および冷却器7は、圧縮機51の運転により、圧縮機51の低圧側吸入口51iと等しく低圧の状態となる。
すなわち、第4モード(冷媒回収モード)で圧縮機51を運転すると、第二冷媒配管56と結露防止配管17内の冷媒を圧縮機51の低圧側吸入口51iの低圧によって冷却器7内に吸引することができる。そして、圧縮機51の再起動時には、第二冷媒配管56と結露防止配管17内の冷媒量は少ない状態となる一方、冷却器7内に十分に冷媒があって熱交換効率が高い状態であり、冷蔵庫1の省エネルギ性能を高くすることができる。
この際、図8の破線で示すように、冷媒回収モードが、連通口Bと連通口Dとの2つの口から行われるので、極めて効率的かつ円滑に冷媒回収を遂行することが可能である。
図9に示すように、第5モード(第2結露防止モード)において、冷媒流れL5のように、冷媒切替弁60は、流入口Aと連通口Dとが連通し、連通口Bと連通口Cとが連通する。
圧縮機51により圧縮された高温高圧の冷媒は、凝縮器52に流入し、凝縮器52で空気(庫外空気)と熱交換して冷却される。凝縮器52から流出した冷媒は、第一冷媒配管55を経て、冷媒切替弁60の流入口Aに流入し、冷媒流れL5に示すように、連通口Dから流出して、第二冷媒配管56の一部を経て、矢印β方向に結露防止配管17に流入する。
ここで、結露防止配管17に流入した冷媒の温度(すなわち、凝縮器52から流出した冷媒の温度)は、庫外空気よりも高温であるため、結露防止配管17に流入した冷媒は、冷蔵庫本体1の開口周縁部1H2を加熱する。
そして、開口周縁部1H2を加熱(開口周縁部1H2に放熱)することで、結露防止配管17の流入時よりも低温となった冷媒は、結露防止配管17から流出して、第二冷媒配管56の残部を通って、冷媒切替弁60の連通口Bに流入し、冷媒流れL5に示すように、連通口Cから流出する。そして、冷媒は、第三冷媒配管57を通って、細管である減圧手段54を通過した後、断熱膨張して低温低圧となる。
減圧手段54を通過した後の冷媒は、蒸発器である冷却器7の冷却器配管7a(図2参照)に流入する。冷却器7の冷却器配管7aに流入した低温の冷媒は、冷却器7で周囲空気と熱交換して、圧縮機51に戻る。
このように、第5モード(第2結露防止モード)では、第1モード(第1結露防止モード)と同通路(同経路)を冷媒が流れるが、第二冷媒配管56と結露防止配管17内のみで、冷媒の流れる方向(矢印β方向)が第1モード(第1結露防止モード)の冷媒の流れる方向(図5の矢印α方向)とは逆向きになる。
結露防止配管17を通る冷媒は上流から下流にかけて徐々に熱交換されるため結露防止配管17内で、温度が低下する温度勾配が生じる。そのため、結露防止配管17において下流側で部分的に結露防止効果が低下する。
そこで、第1モード(第1結露防止モード)と第5モード(第2結露防止モード)とを適切に切替えることによって結露防止配管17の下流側の冷媒の温度を上昇させ、結露防止配管17内の温度勾配を減少させることができる。
結露防止配管17の温度勾配が抑制されることで、冷蔵庫本体1H内の低温部と結露防止配管17との熱交換も少量になるため、冷蔵庫1の省エネルギ性能を高めることができる。
また、実施形態の冷蔵庫1では、結露しそうな箇所を検出して、第1モード(第1結露防止モード)と第5モード(第2結露防止モード)とを適切に切替え、結露防止効果を高めることとしている。
なお、第1モード(第1結露防止モード)と第5モード(第2結露防止モード)の切り替えに関しては、後に詳述する。
以上が冷蔵庫1の冷媒回路と第1〜第5モードの運転モードである。
≪冷媒切替弁60≫
次に、第1実施形態に係る冷媒切替弁60の構成と動作について、図10から図17を用いて説明する。
図10は、第1実施形態に係る冷媒切替弁60の外観を示す斜視図である。
図11は、図9のG方向矢視図である。
図12は、図10のF−F断面図である。
図13は、冷媒切替弁60の内部構成を示す斜視図であり、冷媒切替弁60からステータケース61と弁ケース66とを仮想的に取り外して透視した斜視図である。
図14は、ロータピニオンギヤ75とアイドラギヤ79と弁体80の構成を示す斜視図であり、ロータ70から弁体80に至るまでのギヤを用いた駆動力の伝達手段の構成を示す。
図10、図12に示すように、冷媒切替弁60の外装を成す略円筒形状のステータケース61の内部には、コイルを巻回したモータの固定子である略円筒形状のステータ62が形成されている。また、ステータケース61の一部に、外方に凸形状に突出するコネクタケース63が形成されており、コネクタケース63内には、ステータ62のコイルからの配線を、外部の駆動回路に接続するコネクタピン64を有するコネクタ65が設けられている。
冷媒切替弁60の弁体80を覆う弁ケース66は、例えばステンレス材などの非磁性体金属で深絞り加工などで一体に形成されており、上端が閉じて下端が開口した有底円筒形状に形成されており、開口した下端はフランジ状に拡大されている。
図12に示すように、弁ケース66の上側は、ステータ62の内周部に嵌合する一方、弁ケース66の下側は、その直径が上側よりも拡大された開口端とされている。この開口端には、円盤状の弁座プレート67が嵌合して、全周を溶接によって密封して接合されている。
図11から図13に示すように、弁座プレート67は、互いに厚さの異なる同心円状の3つの部分からなり、弁座プレート67の大部分を構成する円盤形状の第一の弁座プレート部67aと、第一の弁座プレート部67aよりも径が小さくかつ厚さが厚く、連通管69の側に一方向に突出して第一の弁座プレート部67aの中心を内包する円盤形状の第二の弁座プレート部67bと、第一の弁座プレート部67aより厚さが薄く、弁座プレート67の最外周の外郭を構成する第三の弁座プレート部67cとを一体として有している。また、弁座プレート67の弁体80と当接する側の面は研磨仕上面90となっている。弁座プレート67の構成の詳細については後述する。
図12から図13に示すように、第一の弁座プレート部67aには、1つの流入管68が、ロウ付けによって接合部を密封するように結合され、弁ケース66の内部と連通している。
図11から図13に示すように、最も厚い第二の弁座プレート部67bには、3つの連通管69である連通管69b、連通管69c、および連通管69dが、ロウ付けによって接合部を密封するように結合され、弁ケース66の内部と連通している。そして、図10および図11に示すように、流入管68と連通管69b、連通管69c、連通管69dの一端はそれぞれ、弁座プレート67の一面に弁ケース66内側に向けて開口した流入口A、連通口B、連通口C、連通口Dに接続されている。
図12に示すロータ70は、マグネットを有するモータの回転子である。コネクタピン64を駆動回路(図示せず)に接続してステータ62のコイルに通電すると、ステータ62に磁界が生じ、弁ケース66を介して磁界がロータ70のマグネットに加わり、ロータ70が弁体軸71の回りに回転する。このモータの構成の一例は、一般的なステッピングモータであり、詳細な説明は省略するが一定の角度毎に回転するようになっている。
弁体軸71は、ロータ70の回転中心軸であるとともに、後記する弁体80の回動中心となる軸である。
第一の弁座プレート部67aないし第二の弁座プレート部67bの中心位置には、弁体軸71の嵌合孔であるロータ軸穴72が第二の弁座プレート部67bを貫通しないよう有底穴として形成されている。そして、第一の弁座プレート部67aと第二の弁座プレート部67bとは、ロータ軸穴72に同軸に配置されている。
図12に示すように、弁ケース66上部の円筒有底部の略中央には、凹部であるロータ軸受73が形成されている。弁体軸71は、一端部がロータ軸穴72に嵌合して支持されるとともに、他端部がロータ軸受73と嵌合して支持される。
弁体軸71は、弁座プレート67に設けられた一端部のロータ軸穴72に圧入固定され、他端部のロータ軸受73に、緩み嵌めで組み立てられている。つまり、一端部のロータ軸穴72は弁体軸71より若干小さい径を有しており、他端部のロータ軸受73は弁体軸71より若干大きな径を有している。
これにより、弁体軸71はロータ軸穴72とはガタなく一体として圧入固定されているので、ロータ軸穴72を弁座プレート67に対して直角に精度よく植立させることができる。
図11に示すように、冷媒切替弁60の下面に開口される連通口B、連通口C、および連通口Dは、弁体軸71(ロータ軸穴72)を中心した同一円上に配置されている。
連通口B、連通口C、および連通口Dの好適な配置角度については、後に詳述する。
本第1実施形態では、連通口Dは、弁体軸71(ロータ軸穴72)に対して流入口Aに近接した位置に設けられている。連通口Bは弁体軸71(ロータ軸穴72)を挟んで連通口Bとは反対側に設けられている。
連通口Cは、弁体軸71(ロータ軸穴72)に対して側方の、連通口Bと連通口Dに対して互いに90゜の関係にあり、アイドラ軸78の近傍位置に設けられている。
なお、連通口B、連通口C、および連通口Dの位置は、弁体軸71まわりの互いの配置関係を満たすものであれば、流入口Aないしアイドラ軸78に対しては本例の位置関係に限られるものではない。
図11、図13に示すように、第一の弁座プレート部67aにおいて、弁体軸71(ロータ軸穴72)に対して連通口Cに近接した側には、後記するアイドラギヤ79の回転中心であるアイドラ軸78の嵌合孔78aが形成されている。嵌合孔78aには、アイドラ軸78の一端部がロウ付けによって第一の弁座プレート部67aに接合部を密封して結合されている。
図12、図13、図14に示すように、アイドラ軸78の他端部は固定されておらず、アイドラ軸78は、所謂、片持ち支持の構造となっている。
ロータ70は、ロータ駆動部74に一体に支持され、弁体軸71を回転中心軸として、ロータ70とロータ駆動部74とが一体として回転するようになっている。図12に示すように、ロータ駆動部74の下部にロータピニオンギヤ75が形成されている。すなわち、ロータ70が回転すると、ロータ駆動部74およびロータピニオンギヤ75が一体に回転するようになっている。
弁体80は、一面を弁体摺接面81(図14参照)として弁座プレート67の研磨仕上面90と接しながら、弁体軸71を中心として回動するようになっている。
弁体80が回動することで、弁座プレート67に設けられた連通口B、C、D(図11参照)を開閉する構成である。
ロータ駆動部74と一体に形成されたロータピニオンギヤ75は、ロータピニオンギヤ75の下端部の回転軸周囲に設けられた凸部であるロータ駆動部先端76が弁体80の上面に載置されている。そして、ロータピニオンギヤ75と弁体80とは、共通の中心軸である弁体軸71のまわりにそれぞれロータ駆動軸穴77と弁体軸穴85を介して回転自在に配置されている。
図12、図13に示すように、弁ケース66の上面内側に向けて一部を放射状に腕を伸長した付勢手段である板バネ86が、ロータ70を支持し一体として回転するロータ駆動部74の上面に配置されている。
図13に示す如く、板バネ86の腕が弁ケース66の上面内側から受ける弁体軸71方向の反力を、ロータ駆動部74、ロータピニオンギヤ75を介して弁体80に加え、弁体80を弁座プレート67に対して押圧する。さらに、弁体80にはロータ70の自重も併せて加わる。
ここで、図14に示すように、ロータ駆動部先端76が弁体80と接触する位置は、弁体軸71の近傍であるため、弁体80は回転軸(弁体軸71)の近傍、つまり回転中心近傍で弁座プレート67に対して軸方向に押圧されることとなり、均一でバランスよく押圧されるようになっている。
図12、図13に示すように、アイドラ軸78には、アイドラ大歯車79bとアイドラピニオンギヤ79aとを有するアイドラギヤ79が回転自在に軸支されている。アイドラ大歯車79bはロータピニオンギヤ75と噛み合い、アイドラピニオンギヤ79aは弁体ギヤ83と噛み合って減速する。ロータ70からの回転トルクは、ロータピニオンギヤ75、アイドラ大歯車79b、アイドラピニオンギヤ79a、弁体ギヤ83の順に減速しながら伝達される。なお、ロータ70からの回転トルクは、弁体ギヤ83までに減速される分、大きくなる。
ここで、ロータピニオンギヤ75の歯数をZ1、アイドラ大歯車79bの歯数をZ2、アイドラピニオンギヤ79aの歯数をZ3、弁体ギヤ83の歯数をZ4とすれば、全てのギヤのモジュールが同一であれば、Z1+Z2=Z3+Z4なる関係を満たせばロータピニオンギヤ75とアイドラ大歯車79bとの間の軸間距離と、アイドラピニオンギヤ79aと弁体ギヤ83との間の軸間距離とは等しくなるので、ロータピニオンギヤ75と弁体ギヤ83とを同軸に配置することができる。例えば、Z1=12、Z2=34、Z3=13、Z4=33、とすれば、Z1+Z2=Z3+Z4=46となるのでこの関係を満たすことができる。
ちなみに、このときのロータ70から弁体80にいたるまでの減速比は、(Z1×Z3)/(Z2×Z4)となり、前記した例では(12×13)/(34×33)=約1/7.2となる。
(回転トルク)×(減速比)=一定 の関係から、弁体80はロータ70により生じるトルクの7.2倍のトルクで回転する。そのため、弁体80の回転トルクに余裕があり、弁体80の切替動作を確実に駆動することができる。
<流入管68と、第二の弁座プレート部67bないし弁体80と、アイドラ軸78ないしアイドラギヤ79との好適な配置>
次に、図11〜図13を用いて、流入管68と、第二の弁座プレート部67bないし弁体80と、アイドラ軸78ないしアイドラギヤ79との好適な配置関係について説明する。
図11〜図13に示すように、流入管68は弁ケース66の内部に連通しており、弁ケース66内には流入口Aから冷媒が高速に噴出する。冷媒は、流入管68を通って、弁ケース66内に流入した際には流路面積が拡大されて流速は低下し、弁体80の切替状態に応じて開放された流出口B、C、Dの何れかから連通管69へと流出される。
ここで、流入管68が接続される流入口Aから噴出する冷媒により生じる流体力がアイドラギヤ79に作用すると、アイドラギヤ79が浮上したり、振動してアイドラギヤ79が噛み合う弁体80に力が作用し、弁体80の第二の弁座プレート部67bに対する押圧力が変化したり、第二の弁座プレート部67bに対する封止性が低下したりする可能性がある。
そこで、本第1実施形態(本発明)では、弁ケース66の中心軸の弁体軸71と同軸に配置された弁体80に対して、流出口Dを挟んで他方側に流入口A(流入管68)を設け、流出口Cの近傍にアイドラ軸78とアイドラギヤ79とを設けた。
あるいは本第1実施形態に限られるものではなく、弁体80に対して一方側に流入口A(流入管68)を設け、弁体80を挟んで他方側にアイドラ軸78とアイドラギヤ79とを設ける構成であってもよい。
この配置により、流入口Aの近傍にアイドラギヤ79が配置されないので、アイドラギヤ79が弁ケース66内に流入する冷媒による流体力を受けることがなく、アイドラギヤ79が浮上したり振動したりすることがない。そのため、弁体80の弁座プレート67に対する押圧力が変化しないので、弁座プレート67に対する安定した封止性が得られ、信頼性の高い冷媒切替弁60が得られる。
また、図14に示すように、弁体80の一部は弁体ギヤ83の外周よりも凸形状のストッパ84が形成されている。この構成により、弁体80が時計まわりまたは反時計まわりに最大角度回転した際には、凸形状のストッパ84が、アイドラギヤ79のアイドラピニオンギヤ79aよりも下側に突出した円筒状のアイドラストッパ79cに当接して弁体ギヤ83の回転角度を所定の角度範囲に制限する。
なお、弁体ギヤ83の回転角度は、必要な回動角度の範囲を確保するため、後記する弁体80の切替動作に必要な回動角度の範囲に加えて、所定の角度例えば8°程度の角度を余分に回動してから当接して回動を停止するよう構成されている。
図13に示すように、アイドラギヤ79には、アイドラ大歯車79bの上面に円周状の突起部79sが形成されている。また、図12に示すように、ロータ駆動部74には、円周状に突起部74sが形成されている。アイドラギヤ79のアイドラ軸78は、片持ちの構造であるが、アイドラギヤ79の軸方向の位置が上方向にずれた場合、アイドラギヤ79の突起部79sがロータ駆動部74の突起部74sに当接してそれ以上移動することができないようになっている。これにより、アイドラギヤ79が片持ちのアイドラ軸78から脱落することが防止される。
<冷媒切替弁60の動作>
次に、弁体80による連通口B、C、Dの開閉動作について図15〜図17を用いて説明する。
弁座プレート67の連通口B、C、Dの配置として、仮想的な正方形91のうち3つの頂点に連通口を配置するのが、連通口B、C、Dを弁体80により開閉する点、弁体80の回動制御の容易性等から、より好適である。
図15は、図10の矢印G方向から見た弁体80の弁体摺接面81と、第1実施形態における連通口B、C、Dの位置関係を説明する図である。なお、図15〜図17において、理解を容易にするために弁座プレート67と接する弁体摺接面81にはハッチングを付加して図示している。
隣接する連通口D、B、C同士において、それぞれの連通口D、B、Cと弁体軸71を結んだ中心線のなす角は90゜となる。
ここで、連通口Dと連通口Bと連通口Cとはそれぞれ90°毎に隣接して配置され、連通口Dから連通口Cまでの配置される範囲は180゜となる。
弁体80の弁体摺接面81もまた、180゜の範囲を覆うものとすれば、弁体80は連通口B、C、Dを同時に覆うことができる。本実施形態においては、加えて、弁体80の弁体摺接面81に連通凹部82を180゜の範囲を連通するように設け、連通口D、B、Cが連通するように配置する。
弁体80は、図15に示す状態を角度180°として、角度0から反時計方向に回動する。
本実施形態では反時計方向に270゜回動するものとし、それぞれの方向に90゜ないし45°回動する毎に連通口B、C、Dの開閉状態が変化する。
上述の連通口B、C、Dの開閉状態を、図16により説明する。
図16は連通口の配置と弁体の回動と開閉状態を示した説明図であって、図18と同様に図示している。
図16は、弁体80の弁体摺接面81が弁体軸71のまわりに反時計方向に
(1)は図15と同じく角度=0の第1状態、
(2)は45゜回動した第2状態、
(3)は90゜回動した第3状態、
(4)は180゜回動した第4状態(図14に示す状態と同じ)
(5)は270°回動した第5状態
を図示している。
弁体80は、(1)の第1状態から(5)の第5状態まで回動するとともに、可逆的に(5)の第5状態から(1)の第1状態に回動できる構成である。
図17は、冷媒切替弁60が図15(1)の第1状態から(4)の第5状態に対応して弁体80が90゜ないし45°ずつ順次回動した際の冷媒回路を説明する模式図である。図17において、連通口Bおよび連通口Dは第二冷媒配管56の両端が接続されており、結露防止配管17は連通口Bと連通口Dの間に設けられる。連通口Cは第三冷媒配管57に接続されている。
ここで、図10に示すように、流入口Aには、第一冷媒配管55に接続される流入管68が固定されている。
連通口Bには、第二冷媒配管56の一端に接続される連通管69bが固定されている。
連通口Cには、第三冷媒配管57に接続される連通管69cが固定されている。
連通口Dには、第二冷媒配管56の他端に接続される連通管69dが固定されている。
<第1結露防止モード>
図16(1)、図17(1)の第1状態は、図5に示す第1モードであり、結露防止配管17に冷媒が矢印α方向に流れる第1の通常モードの第1結露防止モードである。
第1状態(第1結露防止モード)では、連通口Bが開口し、連通口Cおよび連通口Dは連通凹部82に開口して互いに連通している。
圧縮機51で圧縮され凝縮器52を経て冷媒切替弁60の流入口Aから流入した冷媒は弁ケース66内の空間を介して連通口Bから第二冷媒配管56に流出する。そして、冷媒は結露防止配管17を矢印α方向(図5参照)に流れて経由して連通口Dから連通凹部82(図17(1)参照)に流入し、連通口Cから流出して第三冷媒配管57を経て細管である減圧手段54を通過した後、断熱膨張して低温低圧となり、冷却器7に流入する。冷却器7(冷却器配管7a)に流入した低温の冷媒は、周囲空気と熱交換して、圧縮機51に戻る。
<停止モード>
図16(2)、図17(2)の第2状態は、図7に示す第3モードであり、圧縮機51が停止する停止モードである。
第2状態では、流入口Aと連通口Bと連通口Dが弁ケース66の内部空間を介して連通しており、連通口Cは閉塞されている。この場合、圧縮機51は停止しており、冷媒は流れない。
<第2結露防止モード>
図17(3)、図18(3)の第3状態は、図9に示す第5モードであり、結露防止配管17に冷媒が矢印β方向に流れる第2の通常モードである第2結露防止モードである。
第3状態(第2結露防止モード)では、連通口Dが開口し、連通口Bおよび連通口Cは連通凹部82に開口して互いに連通している。
圧縮機51で圧縮され凝縮器52を経て冷媒切替弁60の流入口Aから流入した冷媒は弁ケース66内の空間を介して連通口Dから第二冷媒配管56に流出する。そして、冷媒は、結露防止配管17を矢印β方向(図9参照)に流れて経由して連通口Bから連通凹部82に流入し、連通口Cから流出して第三冷媒配管57を経て細管である減圧手段54を通過した後、断熱膨張して低温低圧となり、冷却器7に流入する。
冷却器7(冷却器配管7a)に流入した低温の冷媒は、周囲空気と熱交換して、圧縮機51に戻る。
<冷媒回収モード>
図17(4)、図18(4)の第4状態は、図8に示す第4モードであり、冷媒回収モードである。
第4状態(冷媒回収モード)では、連通口B、連通口Cおよび連通口Dは全て弁体80によって覆われているため、冷媒は弁ケース66内から連通口B、連通口Cおよび連通口Dのいずれにも流れない。すなわち流入口Aが閉塞された状態である。
一方、第二冷媒配管56と第三冷媒配管57とは、連通管69bが固定される連通口Bと連通管69cが固定される連通口Cが連通凹部82によって互いに連通している。
この状態で圧縮機51を運転すれば、連通口Dより下流側となる第二冷媒配管56と結露防止配管17と、連通口Cの下流側から圧縮機51の吸入側吸入口51iに接続された第三冷媒配管57、細管である減圧手段54、冷却器7は、圧縮機51の低圧側吸入口吸入口51iと等しく低圧の状態となる。
<バイパスモード>
図17(5)、図18(5)の第5状態は、図6に示す第2モードであり、結露防止配管17に冷媒が流れないバイパスモードである。
第5状態では、結露防止配管17を有する第二冷媒配管56が接続される連通口Bおよび連通口Dは閉塞されている。そのため、結露防止配管17に冷媒は流れない。
第二冷媒配管56の両端(連通口B、D)は閉塞されているから、圧縮機51で圧縮され凝縮器52を経て冷媒切替弁60の流入口Aから流入した冷媒は弁ケース66内の空間を介して連通口Cへと流れる。そして、冷媒は連通口Cから第三冷媒配管57を経て細管である減圧手段54を通過した後、断熱膨張して低温低圧となり、冷却器7に流入する。冷却器7(冷却器配管7a)に流入した低温の冷媒は、周囲空気と熱交換して、圧縮機51に戻る。
≪弁座構造≫
次に、第1実施形態に係る冷媒切替弁60の弁座構造について、図18から図23を用いて更に説明する。
図18は、冷媒切替弁60の第二の弁座プレート部67bと弁体80と連通管69の断面を示す拡大部分断面図である。
図19は冷媒切替弁60の弁座プレート67と連通管69と流入管68とアイドラ軸78の図11におけるF−F断面を示す拡大部分断面図、
図20は弁座プレート67に弁体軸71を圧入する状態を仮想的に示す分解斜視図である。
図21は第一の弁座プレート部67aと流入管68の断面形状を示す拡大部分断面図である。
図22は弁座プレートの一面を研磨した後の形状を示す図18と同様な断面図である。
図23は第三の弁座プレート部67cと弁ケース66の断面を示す拡大部分断面図である。
図18に示すように、第二の弁座プレート部67bは外周の第一の弁座プレート部67aより直径が小であり、一体で同心であって、段差が設けられている。
第二の弁座プレート部67bの中央には、弁体80が配置される側から貫通しない有底のロータ軸穴72が穿設され、弁体軸71を圧入で固定支持するようになっている。また、ロータ軸穴72に隣接して、連通管69(69b,69c,69d)がそれぞれ接続される連通孔88(連通管穴87)が開口されている。なお、図17では、連通管69(69b,69c,69d)がそれぞれ接続される3つの連通孔88(連通管穴87)の一つを示している。
ここで、連通孔88、連通管穴87は、弁体80が配置される側は、直径d0(例えば、φ1mm程度)の連通孔88が開口され、弁体80が配置される側の反対側の連通管穴87は、直径d1が拡大(d1>d0)されている。連通管穴87の直径d1の部分に、連通管69が嵌合されてロウ付けされて接合される。
これら連通管69の接続される連通孔88、連通管穴87は、弁体80の弁体摺接面81に設けられた連通凹部82に対応して配置するために、弁体軸71に近接した半径2−4mm程度の位置に設ける必要がある。
一方、連通管69は冷媒配管として銅管を用いるのが一般的であり、連通管69を嵌合してロウ付けする連通管穴87は、連通孔88の内径より太い直径d1(例えば、φ3mm程度)であり、ロウ付けする際に第二の弁座プレート部67bに対して位置決めするために、ある程度の深さt2(例えば、2mm程度)が必要となる。
ここで、第二の弁座プレート部67bの厚さをt0、有底のロータ軸穴72の深さをt1、連通管69b、連通管69c、連通管69dが嵌合される深さをt2とすれば、t0>(t1+t2)なる関係を満たせば、ロータ軸穴72と連通管穴87とが干渉して穴が開くことがない。したがって、連通管69をロウ付けする際にロータ軸穴72にロウが流れ込むことがないので、好適である。これは、例えば、t0=5mm、t1=t2=2mmとして実現できる。
次に、図18、図20を用いて弁座プレート67と弁体軸71の好適な構成について説明する。
弁体軸71は、有底のロータ軸穴72に深さt1まで圧入で嵌合されて固定されるものであってロウ付けされないので、弁体軸71と第二の弁座プレート部67bの接合部にロウが侵入することがなく、表面張力によって隅部にフィレット状にはみ出すことがないとともに、はみだしたロウによって弁体80が第二の弁座プレート部67bへの密着を妨げられることがない、という効果がある。またさらに、ロウ付けで軸を固定する場合には軸と軸穴との間にロウが流れ込むための例えば0.05〜0.1mm程度の隙間が必要なので、その隙間によって軸と軸穴との間には直角度の誤差を生じる。すなわち、ロータ軸穴72を第二の弁座プレート部67bの弁体80との摺接面に対して高い直角度で穴あけ加工を行ったとしても、弁体軸71のロウ付け後の直角度は穴あけ加工の直角度より劣る。
一方、本実施形態においては、弁体軸71はロータ軸穴72に圧入されるので、弁体軸71はロータ軸穴72に対して位置ずれを生じることなく、弁体軸71はロータ軸穴72の穴あけ加工精度と同等の精度が得られるので、弁体軸71は弁座プレート67に対して誤差なく固定されて高い直角精度が得られる、という効果がある。
次に、連通溝82の好適な寸法を図18により説明する。
図16に示す第1実施形態の(1)第1状態、(3)第3状態、および(4)第4状態において、冷媒は連通凹部82を通って流れるようになっている。
ここで、連通凹部82の断面寸法として、図18に示す連通凹部82の幅wを、概ね連通孔88の直径d0と等しいかやや大きい値とし、図18に示す連通凹部82の深さhを概ねwと等しい寸法とすることが望ましい。
このような寸法とすることで、冷媒が連通口B、C、Dから連通凹部82に流入する際に、流路面積が急拡大することによる圧力損失を抑制できる効果がある。
図19ないし図20に示すように、流入管68ないし流入管穴89は、弁座プレート67のうち中間の厚さt4を備えた第一の弁座プレート部67aに設けるのが好適である。すなわち、流入管68と流入管穴89との位置関係には高い直角精度は必要ないものの、ロウ付けした後の強度を確保するためには第一の弁座プレート部67aは外周の第三の弁座プレート部67cほど薄肉ではない方が望ましい。
一方、流入管68と流入管穴89との間に溶融したロウが確実に侵入するためには、第一の弁座プレート部67aは連通管69が設けられる最厚部である第二の弁座プレート部67bほどは厚くないことが望ましい。またさらに、流入管68と流入管穴89との隙間はたかだか0.05〜0.1mmに過ぎないので、流入管穴89に流入管68を貫通する際には第一の弁座プレート部67aは過度に厚くない方が組立性は良好である。したがって、流入管68ないし流入管穴89は、弁座プレート67のうち中間の厚さt4を備えた第一の弁座プレート部67aに設けるのが最も好適である。
次に、図21により第一の弁座プレート部67aに穿設された流入管穴89と流入管68との関係について説明する。
図21は流入管68を第一の弁座プレート部67aに穿設された流入管穴89に通した後に流入管68先端を拡幅して仮固定した、ロウ付け前の状態を示す図であり、図21(a)は図20のJ矢視図であり、図21(b)は図21(a)のK−K断面図であって、図示上方が弁ケース66内部であり、冷媒は図示下方から流入管68を通って弁ケース66内部に流入する。
流入管穴89の内径は、流入管68の外径よりも0.05〜0.1mm大きく、隙間が生じるよう構成されている。この隙間はロウ付けの際に溶融したロウが流入管68と流入管穴89との間に侵入するために必要であり、隙間が小さすぎるとロウが侵入せず、流入管68が流入管穴89とが密封されない、という問題が生じる。
一方、ロウ付け以前の状態では、流入管68と流入管穴89とは単に嵌合されただけの状態なので、隙間が生じたままの状態だとロウ付け時に流入管68の位置がずれる、という問題が生じる。したがって、流入管68と流入管穴89との間にはロウが流れ込むのに必要な隙間は保持しつつ、かつ互いに圧接してロウ付けが完了するまでは位置がずれない構成が望ましい。
このような構成の一例としては、図21に示すように、流入管68を第一の弁座プレート部67aから内側に所定の凸量97だけ突き出して配置した後、流入管68の端面円周上の矢印方向に2箇所を拡幅部94として拡幅するよう流入管68の端部を部分的に変形させて、拡幅部94に対応した圧接部95において流入管穴89内側と圧接することで、流入管68と第一の弁座プレート部67aとの位置ずれを防止しつつ、かつ流入管68と流入管穴89との間にはロウが流れ込むのに必要な隙間96を確保できる。
本実施形態においては、流入管68は2箇所を拡幅する構成を示したが、2箇所に限定されるものではなく3箇所を拡幅してもよく、流入管68と流入管穴89との間にロウが流れ込むのに必要な隙間96を確保できればよい。
2箇所を拡幅すれば流入管68の内側の端面は概ね楕円形ないし長円形となり、3箇所を拡幅すれば所謂「おむすび形状」となる。
図10から図13に示す弁ケース66と弁座プレート67の外周である第三の弁座プレート部67cとは、最外周の溶接部98において、例えばTIG溶接(タングステン・不活性ガス溶接)やレーザ溶接によって密封される構成である。一方、弁体80やアイドラギヤ79(図12、図14参照)は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド樹脂)などの耐熱性樹脂で製作されるものの、温度上昇に対しては限界がある。特に、弁体80の弁体摺接面81は、わずかな熱変形が生じても冷媒を封止できなくなるおそれがあるため、弁体80の温度上昇を抑制する構成が望ましい。
本第1実施形態に係る冷媒切替弁60の構成では、弁体80は、ロータ70と同軸に配置され、弁ケース66の中心かつ弁座プレート67の中心に設けられた弁体軸71のまわりに回動するように配置される構成である。そのため、弁体80は、図12に示すように、溶接部98からは最も遠い位置に配置される。
これにより、溶接時の熱が最も伝わりにくく温度上昇しにくい中心位置に弁体80が配置されるので、弁ケース66と弁座プレート67との接合時における弁体80の熱変形を抑制できるという効果がある。
またさらに図19ないし図20に示すように、弁座プレート67の外周である第三の弁座プレート部67cは第一の弁座プレート部67aよりも薄く、弁座プレート67では最も薄い、厚さt3としている。弁ケース66と第三の弁座プレート部67cとを溶接する際には、溶接部の温度は弁ケース66と第三の弁座プレート部67cとが溶融する温度まで上昇する必要があるが、内部の弁体80やアイドラギヤ79の温度上昇は抑制しなければならない。そのためには、溶接時に溶融する外周部の厚さを薄くして、少量の熱量で十分に温度上昇させるとともに、その熱が弁座プレート67の内周に向けて伝導する熱量を低減することが望ましい。
そのためには、外周の最も薄い第三の弁座プレート部67cの厚さt3と、内周の最も厚い厚さt0の第二の弁座プレート部67bとの間に設けられた第一の弁座プレート部67aの厚さt4を、t3<t4<t0の関係とすることで、外周部である第三の弁座プレート部67cと弁ケース66外周部とは少量の熱量で溶融して確実に溶接するとともに、第一の弁座プレート部67aの厚さを第二の弁座プレート部67bより薄くすることで熱伝導を抑制し、弁体80やアイドラギヤ79の温度上昇を抑制することができるので好適である。
次に、弁座プレート67のうち、弁体80の弁体摺接面81と摺接する表面形状の詳細について図22により説明する。図22は図11に示したF−F断面図において弁座プレート67のみを示す断面図である。
第一の弁座プレート部67aと第二の弁座プレート部67bの弁体80の側を向いた面、すなわち図11、図12及び図17から図19においては図示上方の面は同一平面であり、かつ第二の弁座プレート部67bは弁体80の回動動作によって連通口B、連通口C、連通口Dを開放ないし閉鎖する摺動面であって、高い平面精度が必要であるため、研磨仕上面90としている。
研磨仕上げ作業は例えば砥石を用いた研削盤や、スラリー状の研磨剤を用いたラッピング研磨盤などによって行われるが、研磨仕上面90のうち外周縁部は中央部よりも砥石との圧接力が大となって研磨されやすいため、所謂「ダレ」が生じる。すなわち弁座プレート67の弁体80側の面においては、図21に示すように研磨仕上面90の外周からeの範囲において深さs程度のダレが生じ、これは例えばeが1〜2mm程度、sが5〜10μm程度である。
外周からeの範囲を除いた内側の範囲においては、ダレが生じないために面精度の高い面が得られる。ここで、弁体摺接面81の直径をdとすれば、直径dの範囲を外周からeの範囲よりも十分に内周に設けることによって、研磨によるダレの影響が無く、弁体摺接面81と弁座プレート67とを高い精度で隙間なく摺接することができるので、封止性を向上して冷媒のもれを低減し、弁の切替精度を向上できる効果がある。
図15に示すとおり弁体80の連通凹部82は、連通口D〜連通口C、の180°の範囲に設けられているが、第1実施形態おいて、図16、17に示すとおり(1)第1状態〜(5)第5状態のいずれのモードに関係することなく、180°の範囲を封止しなければならない。このように、特に封止性が求められる場合には、弁座プレート67を採用することは特に有効である。
次に、第一の弁座プレート部67aと第三の弁座プレート部67cと弁ケース66との好適な形状について図23により説明する。
図23は弁座プレート67と弁ケース66の外周の溶接部98近傍を示す断面図である。
厚さt4かつ直径D1の第一の弁座プレート部67aと、外周部の厚さt3の第三の弁座プレート部67cにおいて、第一の弁座プレート部67aと第三の弁座プレート部67cの図示下面を同一面となるように配置すれば、第一の弁座プレート部67aの図示上面と第三の弁座プレート部67cの図示上面との間に段差Hが生じる。ここで、H=(t4−t3)である。
弁ケース66は、直径D1で開口した下端はフランジ状に拡大されており、その外周直径は第三の弁座プレート部67cの外周と等しい。弁ケース66の外周と第三の弁座プレート部67cの外周との境界部の全周の溶接部98を溶接によって密封して接合する。
溶接の際には弁ケース66と弁座プレート67とを同軸に精度よく溶接しなければならない。弁ケース66は深絞り加工などで一体に成型されているために、直径D1の円筒形状からフランジ状に拡大された内周の稜線部は、弁ケース66の板厚と等しいか板厚よりやや大なる曲げRがついた断面形状となる。
そこで、第一の弁座プレート部67aの図示上面と第三の弁座プレート部67cの図示上面との間の段差Hを、弁ケース66の曲げRより大、すなわちH>Rとすれば、第一の弁座プレート部67aの図示上面から(H−R)の範囲においては、弁ケース66の内周と第一の弁座プレート部67aの外周が直径D1の円筒部で互いに嵌合するので、弁ケース66の内周と第一の弁座プレート部67aの外周とが同軸に精度よく位置決めでき、溶接後も高い同軸度が確保できて好適である。
1 冷蔵庫(機器)
1H2 開口周縁部
7 冷却器(蒸発器)
17 結露防止配管(冷媒流通部)
51 圧縮機
52 凝縮器
54 減圧手段
60 冷媒切替弁
66 弁ケース(ケース)
67 弁座プレート(ケース)
67a 第一の弁座プレート(ケース)
67b 第二の弁座プレート(弁座)
68 流入管
69 連通管(第1連通管、第2連通管、第3連通管)
69b 連通管(第1連通管)
69c 連通管(第2連通管)
69d 連通管(第3連通管)
71 弁体軸
80 弁体
81 弁体摺接面
82 連通凹部(連通溝)
86 板バネ(付勢手段)
87 連通管穴(連通管接続部、第一の連通口、第二の連通口、第三の連通口)
88 連通孔(連通管接続部、第一の連通口、第二の連通口、第三の連通口)
89 流入管穴
90 研磨仕上面
91 正方形
92 弁体軸
93 ロータ軸
94 拡幅部
95 圧接部
96 隙間
97 凸量
98 溶接部
A 流入口(流入管接続部)
B 連通口(連通管接続部、第一の連通口)
C 連通口(連通管接続部、第二の連通口)
D 連通口(連通管接続部、第三の連通口)

Claims (1)

  1. 減圧手段と、
    前記減圧手段の下流に配置される蒸発器と、
    前記蒸発器の下流に配置される圧縮機と、
    前記圧縮機の下流に配置される凝縮器と、
    冷媒が流通可能な冷媒流通部と、
    冷媒切替弁と、を備え、
    前記冷媒切替弁は、
    前記凝縮器の下流側と前記冷媒流通部の一方端を連通させるとともに、前記冷媒流通部の他方端と前記減圧手段の上流側を連通させる第1モードと、
    前記冷媒流通部を経由せずに、前記凝縮器の下流側と前記減圧手段の上流側を連通させる第2モードと、
    前記減圧手段の上流側への連通を閉塞する第3モードと、
    前記凝縮器の下流側が前記冷媒流通部と連通しないとともに、前記冷媒流通部の両端と前記減圧手段の上流側を連通させる第4モードと、
    前記凝縮器の下流側と前記冷媒流通部の他方端を連通させるとともに、前記冷媒流通部の一方端と前記減圧手段の上流側を連通させる第5モードと、を切り替えることを特徴とする機器。
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