JP6157402B2 - 環境試験装置 - Google Patents
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Description
環境試験装置は、一般に特許文献1に開示された様な構造をしており、試験室と、空気調和部を有している。空気調和部には、温度及び湿度を調整する機器と送風機が内蔵されている。また空気調和部には、試験室と連通する空気吹き出し部と空気吸い込み部がある。
特許文献1に記載された様な一般的な環境試験装置では、空気吸い込み部から空気調和部に試験室内の空気を導入し、空気調和部で温度及び湿度を調整する。そして調整済の空気を空気吹き出し部から試験室内に勢い良く吹き出す。
特許文献2に開示された環境試験装置は、試験室の下部に空気調和部があり、当該空気調和部に温度及び湿度を調整する機器が内蔵されている。
そして試験室の下部に空気吹き出し部と空気吸い込み部があり、空気吹き出し部から試験室の内側側面に沿って空気が吹き出される。吹き出された空気は、試験室の側面に沿って上昇し、さらに天井に沿って流れ、他方の側面に沿って下方に流れる。
そのため特許文献2に開示された環境試験装置では、試験室の内面に所定の温度に調節された空気層が形成される。即ち特許文献2に開示された環境試験装置では、試験室の内面に疑似的なエアージャケットが形成され、供試体が当該エアージャケットに包まれる。特許文献2に開示された環境試験装置では、試験室内の風が少ない。
また散薬を対象とする安定性試験の一つとして、散薬の包装を故意に破って薬剤の経時変化を調べる試験がある。
即ち近年の散薬は、予め密閉包装されて販売されるが、何らかの事情で包装が破れてしまう場合がある。そこで包装を故意に破って環境試験装置に配置し、長時間放置して散薬の経時変化を調査する。
そこで本発明は、疑似的なエアージャケットを形成させる構造の環境試験装置を改良し、試験室内の風が少なく、且つ試験室内部の温度ばらつきが小さい環境試験装置を提供することを目的とする。
特許文献2に開示された環境試験装置では、左右の側面と天井面に空気が流れ、この空気層で試験室の三面が覆われる。特許文献2に開示された環境試験装置では、床面側には空気が流れ難く、床面側には空気層はできていない。
そこで本発明者らは、左右の側面と天井面の3面に加え、床面にも空気層を形成させることを考えた。
(1)前記空気吹き出し部はいずれか一方の側面部の下部近傍にあって当該側面部及び床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は他方の側面部の下部近傍に設けられている。
(2)前記空気吹き出し部は前面部又は奥面部のいずれか一方の下部近傍にあって前面部又は奥面部の前記いずれか一方と床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は前面部又は奥面部の他方側の面の下部近傍に設けられている。
すなわち、本発明は、被試験物を設置する試験室と、温度及び湿度を調整する機器が内蔵された空気調和部を有し、当該空気調和部には、試験室につながる空気吹き出し部及び空気吸い込み部があり、試験室内の空気を空気吸い込み部から空気調和部に導入し、前記機器で所定の温度及び湿度に調整した空気を空気吹き出し部から試験室内に戻す環境試験装置において、前記試験室は、床面部と、左側面部と、天井面部と、右側面部と、前面部と、奥面部を有し、前記空気吹き出し部はいずれか一方の側面部の下部近傍にあって当該側面部及び床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は他方の側面部の下部近傍に設けられている環境試験装置に関連する。
また空気吹き出し部から床面部に沿って吹き出された空気は、床面部を流れて空気吸い込み部に吸い込まれる。
上記の環境試験装置では、左右の側面と天井面の3面に加え、床面にも空気層が形成され、試験室内の4面に空気層を存在させることができる。そのため試験室が4面の疑似的なエアージャケットで覆われ、試験室内の温度ばらつきが小さなものとなる。
この構成を採用した請求項1に記載の発明は、被試験物を設置する試験室と、温度及び湿度を調整する機器が内蔵された空気調和部を有し、当該空気調和部には、試験室につながる空気吹き出し部及び空気吸い込み部があり、試験室内の空気を空気吸い込み部から空気調和部に導入し、前記機器で所定の温度及び湿度に調整した空気を空気吹き出し部から試験室内に戻す環境試験装置において、前記試験室は、床面部と、左側面部と、天井面部と、右側面部と、前面部と、奥面部を有し、前記空気吹き出し部は前面部又は奥面部のいずれか一方の下部近傍にあって前面部又は奥面部の前記いずれか一方と床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は前面部又は奥面部の他方側の面の下部近傍に設けられている環境試験装置に関連する。
また空気吹き出し部から床面部に沿って吹き出された空気は、床面部を流れて空気吸い込み部に吸い込まれる。
上記の環境試験装置では、前面部及び奥面部と天井面の3面に加え、床面にも空気層が形成され、試験室内の4面に空気層を存在させることができる。そのため試験室が4面の疑似的なエアージャケットで覆われ、試験室内の温度ばらつきが小さなものとなる。
請求項2に記載の発明は、被試験物を設置する試験室と、温度及び湿度を調整する機器が内蔵された空気調和部を有し、当該空気調和部には、試験室につながる空気吹き出し部及び空気吸い込み部があり、試験室内の空気を空気吸い込み部から空気調和部に導入し、前記機器で所定の温度及び湿度に調整した空気を空気吹き出し部から試験室内に戻す環境試験装置において、前記試験室は、床面部と、左側面部と、天井面部と、右側面部と、前面部と、奥面部を有し、前記空気吹き出し部はいずれか一方の側面部の下部近傍にあって当該側面部及び床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は他方の側面部の下部近傍に設けられており、空気吹き出し部には整流部材が設けられ、当該整流部材は複数の板部が一定の間隔を開けて複数並べられていて前記板部同士の間を空気が通過するものであり、整流部材の上部に空気を水平方向に導く水平向き風向ガイド部材が設けられており、前面部は開閉可能な扉によって構成されており、水平向き風向ガイド部材と空気吹き出し部との間に扉側に空気を導く下部前面向き風向ガイド部材があることを特徴とする環境試験装置である。
請求項3に記載の発明は、被試験物を設置する試験室と、温度及び湿度を調整する機器が内蔵された空気調和部を有し、当該空気調和部には、試験室につながる空気吹き出し部及び空気吸い込み部があり、試験室内の空気を空気吸い込み部から空気調和部に導入し、前記機器で所定の温度及び湿度に調整した空気を空気吹き出し部から試験室内に戻す環境試験装置において、前記試験室は、床面部と、左側面部と、天井面部と、右側面部と、前面部と、奥面部を有し、前記空気吹き出し部はいずれか一方の側面部の下部近傍にあって当該側面部及び床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は他方の側面部の下部近傍に設けられており、試験室には棚部材が設置可能であり、試験室内の前記側面部に前記棚部材を支持する複数の棚受け部材があり、少なくとも空気吹き出し部上に設置された棚受け部材は、筒状又は枠状であって上下が連通しており、前記棚受け部材は一列に並べられており、少なくとも空気吹き出し部上に設置された棚受け部材の奥面側に邪魔板が設けられており、当該邪魔板によって空気の一部が前面側に向かうことを特徴とする環境試験装置である。
請求項4に記載の発明は、被試験物を設置する試験室と、温度及び湿度を調整する機器が内蔵された空気調和部を有し、当該空気調和部には、試験室につながる空気吹き出し部及び空気吸い込み部があり、試験室内の空気を空気吸い込み部から空気調和部に導入し、前記機器で所定の温度及び湿度に調整した空気を空気吹き出し部から試験室内に戻す環境試験装置において、前記試験室は、床面部と、左側面部と、天井面部と、右側面部と、前面部と、奥面部を有し、前記空気吹き出し部はいずれか一方の側面部の下部近傍にあって当該側面部及び床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は他方の側面部の下部近傍に設けられており、試験室には棚部材が設置可能であり、試験室内の前記側面部に前記棚部材を支持する複数の棚受け部材があり、少なくとも空気吹き出し部上に設置された棚受け部材は、筒状又は枠状であって上下が連通しており、前記棚受け部材は一列に並べられており、上下に並んだ棚受け部材の間に空気を前面部側に導く棚受け間風向ガイド部材が設けられていることを特徴とする環境試験装置である。
そのため空気吹き出し部から吹き出された空気は、試験室の側面部に沿って流れ、試験室の側面に安定した空気層を作ることができる。
加えて本発明の環境試験装置によると、扉の結露を防ぐ効果もある。即ち環境試験装置は、試験室内に被試験物を出し入れするために扉が設けられている。扉の部分は、他の面に比べて断熱性が劣る。そのため試験室内の温度が高い場合は、扉の内面の温度は試験室の中央部に比べて低温となる。そのため試験室内を高温高湿度状態にしたとき、扉の断熱性が低いために扉の内面で試験室内の空気が冷やされて結露する懸念がある。
これに対して本発明では、扉側に空気が送られるので、扉の内面が空気で保温され、試験室内の温度に近づくから、扉の部位が結露することはない。
即ち本実施形態の環境試験装置1は、試験室6内における風の流れや、風(空気)を導く各種ガイドに特徴がある。特徴部分については、後記することとし、先に環境試験装置1の概略構造を説明する。
本実施形態の環境試験装置1は、図1の様に、大きく上下二段の領域に分かれている。具体的には、環境試験装置1は、図1の様に上部に試験室領域2があり、下部に機械配置領域3がある。
本実施形態の環境試験装置1では、試験室6の前面から被試験物を出し入れする構造となっている。本実施形態の環境試験装置1では、装置全体の前面側(正面側)が、図4,5,6の様に二重扉になっている。具体的には、試験室領域2の正面に、大扉20があり、その内側に試験室開閉扉21がある。大扉20は、前記した断熱空間8の壁の一部を構成するものであり、断熱材22が内蔵されていて断熱性を有している。これに対して試験室開閉扉21は、ガラス製の扉であり、断熱性は低い。
なお本実施形態では、試験室開閉扉21の内面が試験室6の前面部15を構成している。
試験室6の他の面の内、床面部10を除く各内壁には断熱材22が内蔵されていて断熱性を有している。
空気調和部7には、加湿装置26、冷却装置27、加熱ヒータ(加熱装置)28、及び送風機30を備えている。
空気調和部7は、空気吹き出し部31と空気吸い込み部32の二箇所で試験室6と連通している。
空気調和部7は試験室6と連通する一連の空気流路であり、その空気流路に加湿装置26と、冷却装置27と、加熱ヒータ(加熱装置)28、及び送風機30が設けられている。
環境試験装置1は、図示しない制御装置を有し、制御装置によって空気調和部7内の機器が制御される。より詳細には、図示しない温度センサーと湿度センサーの検出値が、設定温度及び設定湿度となる様に、加湿装置26、冷却装置27、加熱ヒータ(加熱装置)28、及び送風機30が制御される。
即ち送風機30を回転することによって試験室6内の空気が空気吸い込み部32から空気調和部7に導入され、温度及び湿度が調整されて、空気吹き出し部31から試験室6に吹き出される。
本実施形態では、空気吹き出し部31及び空気吸い込み部32がいずれも試験室6の側面(左側面部11、右側面部13)の下部近傍に開いている。
より具体的には、空気吹き出し部31及び空気吸い込み部32は、いずれも床面部10に設けられている。また空気吹き出し部31及び空気吸い込み部32は、いずれも試験室6の側面側に近接した位置に開いている。そのため空気吹き出し部31及び空気吸い込み部32は、共に試験室6の側面(左側面部11、右側面部13)と床面部10との角の近傍にあり、試験室6の側面(左側面部11、右側面部13)の下部近傍にある。
また空気吸い込み部32は、床面部10の向かって右辺にあり、右側面部13の下部近傍に開いている。空気吸い込み部32についても細長く、床面部10の右辺の略全長に及んでいる。
整流部材40,41は、同一構造であるから、空気吹き出し部31側の整流部材40について説明する。
整流部材40は、図8の様な格子状開口42を有する部材である。
即ち整流部材40は複数の縦板45a,b,c,d,eと、複数の横板46が格子状に組み合わされたものである。
整流部材40の縦板45a,b,c,d,eは、全長Lが同一であり、幅Wが異なる板である。縦板45a,b,c,d,eは幅Wの広いものを外側にし、幅の順に一定の間隔47a,b,c,d,eを開けて平行に配列されている。
また横板46は、等間隔に配置されている。
整流部材40が取り付けられた状態においては、整流部材40の各縦板45a,b,c,d,eは、いずれも試験室6の左側面部11と平行である。
また空気吸い込み部32側の整流部材41も、幅Wの広い縦板45aを外側(右側面部13側)にして空気吸い込み部32に装着されている。
整流部材41が取り付けられた状態においては、整流部材41の各縦板45a,b,c,d,eは、いずれも試験室6の右側面部13と平行である。
即ち水平向き風向ガイド部材50は、縦ガイド部51と、これに繋がる横ガイド部52を有する部材である。
水平向き風向ガイド部材50は、空気吹き出し部31側の整流部材40の上に設けられている。より詳細には、整流部材40の内側から二番目に配された縦板45dに、水平向き風向ガイド部材50の縦ガイド部51が接続された状態で、整流部材40の上に設けられている。
横ガイド部52の幅は、前記した間隔47e(送風間隙53)よりも大きく、横ガイド部52の先端は、床面部10の板状部分に及んでいる。
下部前面向き風向ガイド部材55の傾斜姿勢は、詳細には図9の様であり、全体的に先端側が試験室開閉扉21に向くように傾斜するものの、傾斜姿勢は場所によって異なっている。即ち図9の様に、試験室開閉扉21に近い側に設置された下部前面向き風向ガイド部材55は、試験室開閉扉21に向かって比較的強く傾斜し、設置位置が奥側にゆく程傾斜角度が緩くなる。奥面部16に近い位置に設置された下部前面向き風向ガイド部材55には傾斜は無く、奥面部16と平行に設置されている。なお、下部前面向き風向ガイド部材55の傾斜角度を全て同じにしてもよい。
下部前面向き風向ガイド部材55は、前面向き風向ガイド部材の一つでもある。
棚受け部材25の試験室6側の面には、図7に示す様に、棚部材23の軸を保持するための半円状の切り欠き56が設けられている。
本実施形態で採用する棚受け部材25は、図7、図10の様に断面形状が四角形の枠であり、上下方向に連通している。即ち棚受け部材25は角パイプ状であり、中が空洞であって上下に空気が通過可能である。
複数の棚受け部材25は、縦方向に一列に並んで設けられている。
試験室6内における風の流れは、大きく周方向ルートと、底流ルート、前方分流ルートの3ルートに分けられる。
即ち周方向ルートは、空気吹き出し部31から左側面部11、天井面部12、右側面部13を流れ、空気吸い込み部32に至る送風ルートである。底流ルートは、空気吹き出し部31から床面部10に沿って流れ空気吸い込み部32に至る送風ルートである。
前方分流ルートは、送風の一部が試験室開閉扉21に向かって分流される送風ルートである。
ここで本実施形態では、空気吹き出し部31は、床面部10の向かって左辺にあり、左側面部11の下部近傍に開いている。また空気吹き出し部31は、細長く、床面部10の左辺の略全長に及んでいる。さらに整流部材40の各縦板45a,b,c,d,eは、いずれも試験室6の左側面部11と平行である。
そのため空気吹き出し部31から吹き出される送風は、整流部材40によって左側面部11と平行方向に整流される。
その結果、風(空気)は、試験室6の左側面部11に沿って吹き出される。
加えて本実施形態では、整流部材40の各縦板45a,b,c,d,eは、幅が相違し、幅の広いものほど左側面部11に近い位置に配置されている。そのため左側面部11に近い位置を流れる空気は、より層流化されており、試験室6の左側面部11に沿って流れる。
また本実施形態では、前記した様に試験室6に複数の棚受け部材25が設けられている。棚受け部材25は、図7、図10の様に断面形状が四角形の枠であり、上下方向に連通している。そのため試験室6の左側面部11に沿って流れる空気の一部は、棚受け部材25を通過する。そのため風の試験室6中央側への拡散が防止される。本実施形態では、棚受け部材25は、試験室6の左側面部11に沿って空気を流すためのガイド部材、あるいは整流部材としての機能を果たす。
本実施形態では、空気吹き出し部31に水平向き風向ガイド部材50が設けられている。
水平向き風向ガイド部材50は、空気吹き出し部31側の整流部材40の上に設けられ、整流部材40の最も内側の縦板45eと、二番目の縦板45dの間に存在する間隔47e部分の真上を、水平向き風向ガイド部材50の横ガイド部52が覆う。即ち整流部材40の最も内側の送風間隙53の上に間隔をおいて水平向き風向ガイド部材50の横ガイド部52が設置されている。水平向き風向ガイド部材50は、前記した様に断面形状が「L」字状であるから、水平向き風向ガイド部材50が取り付けられた状態においては、通風路は試験室6の中央方向にのみ開口し、左側面部11側は閉塞している。
そのため最も内側の送風間隙53から吹き出された送風は、水平向き風向ガイド部材50の横ガイド部52と衝突し、向きを水平方向に変える。即ち水平向き風向ガイド部材50によって送風方向が床面部10に沿う方向に変換される。
そのためこの風は、床面部10に沿って流れ、空気吸い込み部32に至る。
本実施形態では、水平向き風向ガイド部材50の横ガイド部52と、整流部材40の間に、複数の下部前面向き風向ガイド部材55が設けられている。そして下部前面向き風向ガイド部材55は、先端側が試験室開閉扉21に向くように傾斜している。
そのため水平向き風向ガイド部材50内を流れる風の一部が、方向を変えて試験室開閉扉21に向かう。
本実施形態では、最も奥に設置された下部前面向き風向ガイド部材55は、奥面部16と平行に設置されており、設置位置が試験室開閉扉21に近づくにつれて下部前面向き風向ガイド部材55の姿勢が試験室開閉扉21側に向く。そのため風は、扇状に流れ、試験室開閉扉21に向かう。
そのため本実施形態の環境試験装置1は、試験室6内の温度等のばらつきが小さい。
また試験室開閉扉21が送風によって保温され、結露する懸念が低い。
例えば、図11に示す様に、棚受け部材25同士の間に、棚受け間風向ガイド部材60を設け、風を一方に導いてもよい。図11に示す実施形態では、棚受け間風向ガイド部材60は、先端側が試験室開閉扉21に向かって折り曲げられており、風は試験室開閉扉21に向かう。棚受け間風向ガイド部材60は、前面向き風向ガイド部材として機能する。
即ち医薬品を対象とする安定性試験は、摂氏25度、湿度60パーセントという様な常温に近い環境で行う場合が多く、高温高湿度の環境にさらすことはむしろ稀である。高温高湿度の環境を作る必要が無い場合には、試験室開閉扉21に送風するためのガイド等は不要である。
上記した実施形態に則して説明すると、下部前面向き風向ガイド部材55、邪魔板57、棚受け間風向ガイド部材60は、省略することができる。
図12に示す実施形態では、上面に風を吹き出す吹き出し口67は、左側面部11に寄った位置に開口しており、側面の吹き出し口68の近傍は閉塞部70となっている。そのため側面の吹き出し口68からも相当量の空気を吹き出すことができる。図12に示す実施形態では、空気吹き出し部66に整流部材40が設けられており、最も内側の送風間隙53の上部が閉鎖され、側面に吹き出し口68が設けられている。
しかしながら本発明は、この構成に限定されるものではなく、右側面部13、天井面部12及び左側面部11の順に流れてもよい。また奥面部16、天井面部12、前面部15の順に風を通過させたり、前面部15、天井面部12、奥面部16の順に風を通過させることも可能である(縦方向ルート)。
他の構成部材については、先の実施形態と同一の部材に同一の番号を付することによって詳細な説明を省略する。
6 試験室
7 空気調和部
10 床面部
11 左側面部
12 天井面部
13 右側面部
15 前面部
16 奥面部
20 大扉
21 試験室開閉扉
23 棚
25 棚受け部材
31 空気吹き出し部
32 空気吸い込み部
40,41 整流部材
42 格子状開口
45a,b,c,d,e 縦板
46 横板
50 水平向き風向ガイド部材
51 縦ガイド部
52 横ガイド部
55 下部前面向き風向ガイド部材
57 邪魔板
60 棚受け間風向ガイド部材
66 空気吹き出し部
Claims (11)
- 被試験物を設置する試験室と、温度及び湿度を調整する機器が内蔵された空気調和部を有し、当該空気調和部には、試験室につながる空気吹き出し部及び空気吸い込み部があり、試験室内の空気を空気吸い込み部から空気調和部に導入し、前記機器で所定の温度及び湿度に調整した空気を空気吹き出し部から試験室内に戻す環境試験装置において、
前記試験室は、床面部と、左側面部と、天井面部と、右側面部と、前面部と、奥面部を有し、
以下の(1)又は(2)の条件を満たすものであり、
空気吹き出し部には整流部材が設けられ、当該整流部材は複数の板部が一定の間隔を開けて複数並べられていて前記板部同士の間を空気が通過するものであり、
前記複数の板部は、幅が異なるものであって、幅の広い板部を外側にして、幅の順に配列されていることを特徴とする環境試験装置。
(1)前記空気吹き出し部はいずれか一方の側面部の下部近傍にあって当該側面部及び床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は他方の側面部の下部近傍に設けられている。
(2)前記空気吹き出し部は前面部又は奥面部のいずれか一方の下部近傍にあって前面部又は奥面部の前記いずれか一方と床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は前面部又は奥面部の他方側の面の下部近傍に設けられている。 - 被試験物を設置する試験室と、温度及び湿度を調整する機器が内蔵された空気調和部を有し、当該空気調和部には、試験室につながる空気吹き出し部及び空気吸い込み部があり、試験室内の空気を空気吸い込み部から空気調和部に導入し、前記機器で所定の温度及び湿度に調整した空気を空気吹き出し部から試験室内に戻す環境試験装置において、
前記試験室は、床面部と、左側面部と、天井面部と、右側面部と、前面部と、奥面部を有し、前記空気吹き出し部はいずれか一方の側面部の下部近傍にあって当該側面部及び床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は他方の側面部の下部近傍に設けられており、
空気吹き出し部には整流部材が設けられ、当該整流部材は複数の板部が一定の間隔を開けて複数並べられていて前記板部同士の間を空気が通過するものであり、
整流部材の上部に空気を水平方向に導く水平向き風向ガイド部材が設けられており、
前面部は開閉可能な扉によって構成されており、水平向き風向ガイド部材と空気吹き出し部との間に扉側に空気を導く下部前面向き風向ガイド部材があることを特徴とする環境試験装置。 - 被試験物を設置する試験室と、温度及び湿度を調整する機器が内蔵された空気調和部を有し、当該空気調和部には、試験室につながる空気吹き出し部及び空気吸い込み部があり、試験室内の空気を空気吸い込み部から空気調和部に導入し、前記機器で所定の温度及び湿度に調整した空気を空気吹き出し部から試験室内に戻す環境試験装置において、
前記試験室は、床面部と、左側面部と、天井面部と、右側面部と、前面部と、奥面部を有し、前記空気吹き出し部はいずれか一方の側面部の下部近傍にあって当該側面部及び床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は他方の側面部の下部近傍に設けられており、
試験室には棚部材が設置可能であり、試験室内の前記側面部に前記棚部材を支持する複数の棚受け部材があり、少なくとも空気吹き出し部上に設置された棚受け部材は、筒状又は枠状であって上下が連通しており、前記棚受け部材は一列に並べられており、
少なくとも空気吹き出し部上に設置された棚受け部材の奥面側に邪魔板が設けられており、当該邪魔板によって空気の一部が前面側に向かうことを特徴とする環境試験装置。 - 被試験物を設置する試験室と、温度及び湿度を調整する機器が内蔵された空気調和部を有し、当該空気調和部には、試験室につながる空気吹き出し部及び空気吸い込み部があり、試験室内の空気を空気吸い込み部から空気調和部に導入し、前記機器で所定の温度及び湿度に調整した空気を空気吹き出し部から試験室内に戻す環境試験装置において、
前記試験室は、床面部と、左側面部と、天井面部と、右側面部と、前面部と、奥面部を有し、前記空気吹き出し部はいずれか一方の側面部の下部近傍にあって当該側面部及び床面部に沿って空気を吹き出し、前記空気吸い込み部は他方の側面部の下部近傍に設けられており、
試験室には棚部材が設置可能であり、試験室内の前記側面部に前記棚部材を支持する複数の棚受け部材があり、少なくとも空気吹き出し部上に設置された棚受け部材は、筒状又は枠状であって上下が連通しており、前記棚受け部材は一列に並べられており、
上下に並んだ棚受け部材の間に空気を前面部側に導く棚受け間風向ガイド部材が設けられていることを特徴とする環境試験装置。 - 空気吹き出し部には整流部材が設けられ、当該整流部材は複数の板部が一定の間隔を開けて複数並べられていて前記板部同士の間を空気が通過するものであり、
整流部材の上部に空気を水平方向に導く水平向き風向ガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1、3、又は4に記載の環境試験装置。 - 前面部は開閉可能な扉によって構成されており、水平向き風向ガイド部材と空気吹き出し部との間に扉側に空気を導く下部前面向き風向ガイド部材があることを特徴とする請求項5に記載の環境試験装置。
- 前面部は開閉可能な扉によって構成されており、扉側に空気を導く前面向き風向ガイド部材があることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の環境試験装置。
- 空気吹き出し部には整流部材が設けられ、当該整流部材は格子状の開口を有していることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の環境試験装置。
- 試験室には棚部材が設置可能であり、試験室内の前記側面部に前記棚部材を支持する複数の棚受け部材があり、少なくとも空気吹き出し部上に設置された棚受け部材は、筒状又は枠状であって上下が連通しており、前記棚受け部材は一列に並べられていることを特徴とする請求項1、2、5乃至8のいずれかに記載の環境試験装置。
- 少なくとも空気吹き出し部上に設置された棚受け部材の奥面側に邪魔板が設けられており、当該邪魔板によって空気の一部が前面側に向かうことを特徴とする請求項9に記載の環境試験装置。
- 上下に並んだ棚受け部材の間に空気を一方に導く棚受け間風向ガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項9又は10に記載の環境試験装置。
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