JP6156659B2 - 超高強度コンクリート - Google Patents

超高強度コンクリート Download PDF

Info

Publication number
JP6156659B2
JP6156659B2 JP2015128697A JP2015128697A JP6156659B2 JP 6156659 B2 JP6156659 B2 JP 6156659B2 JP 2015128697 A JP2015128697 A JP 2015128697A JP 2015128697 A JP2015128697 A JP 2015128697A JP 6156659 B2 JP6156659 B2 JP 6156659B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coarse aggregate
concrete
water
aggregate
steel slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015128697A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016026989A (ja
Inventor
ばい 王
ばい 王
克佳 中西
克佳 中西
林 正宏
正宏 林
恵太 田
恵太 田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2015128697A priority Critical patent/JP6156659B2/ja
Publication of JP2016026989A publication Critical patent/JP2016026989A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6156659B2 publication Critical patent/JP6156659B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

本発明は、低自己収縮性の超高強度コンクリートに関するものである。
コンクリートにおいて、水と結合材(セメント、スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフュームなど、コンクリート中で水和反応する材料)との比率を小さくすると、超高強度コンクリートが得られることが知られている。
近年、設計基準強度が80N/mm以上の超高強度コンクリートが様々な建造物に適用されるようになってきた。超高強度コンクリートを用いることにより、建造物の柱の断面寸法を小さくできる、建造物の高層化を図ることができる、など様々な利点がある。
超高強度コンクリートを実現するには、結合材のみならず、骨材も十分な圧縮強度を発揮できるようなものを用いる必要がある。
一方、コンクリートには、ひび割れ防止のために低収縮性が求められるが、超高強度コンクリートは、一般にセメント量が多く、水セメント比が小さいので、自己収縮が大きくなるという問題がある。
従来、超高強度コンクリートや高強度コンクリートに石灰石骨材を用いると、自己収縮を小さくできることが知られている(例えば、特許文献1)。
特開平11−302056号公報
上記のように超高強度コンクリートに石灰石骨材を用いると、自己収縮を小さくできるが、硬質砂岩骨材を用いる場合に比べて圧縮強度が低下するという問題がある。一方、超高強度コンクリートに硬質砂岩骨材を用いると、圧縮強度は向上するものの、石灰石骨材を用いる場合に比べて自己収縮が大きくなりやすいという問題がある。
したがって本発明の目的は、以上のような従来技術の課題を解決し、自己収縮が小さくでき、しかも高圧縮強度が得られる超高強度コンクリートを提供することにある。
本発明者は、超高強度コンクリートにおいて、圧縮強度を低下させることなく自己収縮を小さくするのに最適な粗骨材を見出すべく検討を重ねた結果、静弾性係数が72kN/mm以上、好ましくは87kN/mm以上の鉄鋼スラグ粗骨材、特に好ましくは、静弾性係数が72kN/mm以上(好ましくは87kN/mm以上)でかつ粒形判定実績率が62%以上の鉄鋼スラグ粗骨材を用いることにより、圧縮強度を低下させることなく自己収縮を小さくできること、すなわち、優れた低自己収縮性能を備えた超高強度コンクリートを実現できることを見出した。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、以下を要旨とするものである。
[1]水結合材比が35%以下、圧縮強度が80N/mm以上の超高強度コンクリートにおいて、静弾性係数が72kN/mm以上の鉄鋼スラグ粗骨材(A)を含むことを特徴とする超高強度コンクリート。
[2]上記[1]の超高強度コンクリートにおいて、鉄鋼スラグ粗骨材(A)の粒形判定実績率が62%以上であることを特徴とする超高強度コンクリート。
[3]上記[1]または[2]の超高強度コンクリートにおいて、鉄鋼スラグ粗骨材(A)の吸水率が1%以下であることを特徴とする超高強度コンクリート。
[4]上記[1]〜[3]のいずれかの超高強度コンクリートにおいて、鉄鋼スラグ粗骨材(A)の静弾性係数が87kN/mm以上であることを特徴とする超高強度コンクリート。
[5]上記[1]〜[4]のいずれかの超高強度コンクリートにおいて、鉄鋼スラグ粗骨材(A)が、開放型の鋳型に溶融した鉄鋼スラグを流し込んで空冷することにより20〜40mmの厚さの板状に凝固させた後、破砕して得られたものであることを特徴とする超高強度コンクリート。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかの超高強度コンクリートにおいて、鉄鋼スラグ粗骨材(A)を構成する鉄鋼スラグが高炉スラグであることを特徴とする超高強度コンクリート。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの超高強度コンクリートにおいて、シリカフュームセメント、鉄鋼スラグ粗骨材(A)、細骨材、高性能減水剤、空気調整剤および水を含むことを特徴とする超高強度コンクリート。
ここで、本発明では、鉄鋼スラグ粗骨材(A)から無作為に3個の粒を採取し、これらの各粒から1:1:2(軸方向)の大きさの直方体を切り出して試験体とし、これら試験体の静弾性係数をJIS A5003(1995)の圧縮強さに関する試験法に準拠して測定し、それらの平均値をもって鉄鋼スラグ粗骨材(A)の静弾性係数とする。
本発明によれば、高い圧縮強度と自己収縮が小さい低自己収縮性能を兼ね備えた超高強度コンクリートを実現できる。このため超高強度コンクリートの収縮ひび割れ抵抗性を高めることができる。また、特別な収縮防止剤を使用することなく自己収縮を小さくできるので、製造コストを低減でき、低コストで低自己収縮性能を有する超高強度コンクリートを得ることができる。
実施例1で使用した細骨材の粒度分布を示すグラフ 実施例1におけるコンクリートの圧縮強度の測定結果を示すもので、材齢による圧縮強度の推移を示すグラフ 実施例1におけるコンクリートの自己収縮の測定結果を示すもので、材齢による長さ変化率の推移を示すグラフ 実施例2で使用した細骨材の粒度分布を示すグラフ 実施例2におけるコンクリートの圧縮強度の測定結果を示すもので、材齢による圧縮強度の推移を示すグラフ 実施例2におけるコンクリートの自己収縮の測定結果を示すもので、材齢による長さ変化率の推移を示すグラフ
本発明が対象とするコンクリートは、水結合材比が35%以下、圧縮強度(設計基準強度)が80N/mm以上の超高強度コンクリートである。
コンクリートが自己収縮しようとする際、コンクリート中に内在する骨材が抵抗する。しかし、従来の高炉徐冷スラグ粗骨材を使用した場合、収縮に対する抵抗力が十分に得られないため自己収縮を抑制することができず、高い圧縮強度と自己収縮が小さい低自己収縮性能を兼ね備えた超高強度コンクリートを実現できなかった。
そこで、自己収縮が小さい低自己収縮性超高強度コンクリートを実現できるスラグ粗骨材について検討した結果、静弾性係数が72kN/mm以上、好ましくは87kN/mm以上の鉄鋼スラグ粗骨材、特に好ましくは、静弾性係数が72kN/mm以上(好ましくは87kN/mm以上)で、かつ粒形判定実績率が62%以上の鉄鋼スラグ粗骨材を使用することにより、自己収縮が小さい低自己収縮性能を有する超高強度コンクリートが得られることを見出した。
このため本発明の超高強度コンクリートは、静弾性係数が72kN/mm以上、好ましくは87kN/mm以上の鉄鋼スラグ粗骨材(A)を含み、特に好ましくは粗骨材の100質量%を静弾性係数が72kN/mm以上(好ましくは87kN/mm以上)の鉄鋼スラグ粗骨材(A)とする。
静弾性係数(ヤング係数)は、静的な力を与えたときの物質の変形量を示す指標であり、静弾性係数が大きいほど物質の変形量は小さくなる。したがって、粗骨材自体の静弾性係数を高くすることで、コンクリートの収縮に対して物理的な抵抗力が向上する。本発明で使用する上記鉄鋼スラグ粗骨材(A)の静弾性係数は、硬質砂岩砕石よりも高く、また石灰石砕石と同等かそれ以上であり、このため収縮に対する抵抗力が硬質砂岩砕石よりも大きく、また石灰石砕石と同等かそれ以上である。
鉄鋼スラグとは、鉄鋼製造プロセスで発生するスラグである。鉄鋼スラグとしては、高炉スラグ、製鋼スラグ(転炉脱炭スラグ、溶銑予備処理スラグ、電気炉スラグ、二次精錬スラグ、造塊スラグなど)、溶融還元スラグなどが挙げられ、これらの1種以上を用いることができるが、このなかでも高炉スラグが特に好ましい。
溶融した鉄鋼スラグの凝固速度をコントロールすることで、硬く気孔の少ない緻密な凝固スラグを得ることができ、このような凝固スラグを破砕することにより、静弾性係数が72kN/mm以上(好ましくは87kN/mm以上)の鉄鋼スラグ粗骨材(A)を得ることができる。具体的には、開放型の金属製の鋳型に溶融した鉄鋼スラグを流し込んで空冷することにより20〜40mm程度の厚さの板状に凝固させた後、破砕処理(破砕後の分級を含む)して粗骨材を得るが、その際、鋳型の構造(形状、厚さなど)、鋳型温度、溶融スラグ温度などに応じてスラグの凝固厚などを調整し、凝固速度(冷却速度)を最適化することにより、静弾性係数が72kN/mm以上(好ましくは87kN/mm以上)の鉄鋼スラグ粗骨材(A)を得ることができる。なお、凝固スラグの厚さを20mm以上とするのは、凝固スラグの厚さが20mm未満では、JIS A5011−1(2013)に規定する高炉スラグ粗骨材2005の粒度範囲とするのが難しいからである。また、凝固スラグの厚さを40mm程度までとするのは、凝固スラグの厚さが40mm程度を超えると凝固スラグ中の気孔が多くなり、緻密さを損なうからである。
また、鋳型に溶融した鉄鋼スラグを流し込むに当たっては、鋳型の変形防止のために、鋳型の上下両面に冷媒(冷却水、冷却ミスト、冷却ガスなど)を噴射して冷却し、鋳型背面を300℃以下の温度とし、この状態で溶融スラグを流し込むことが好ましい。
鋳型による溶融スラグの鋳込み装置は、定置された複数の鋳型を備える装置、複数の鋳型が周回(循環移動)する装置などのいずれでもよく、鋳型が周回(循環移動)する装置の場合には、鋳型の1回の周回のなかで、鋳型への溶融スラグの流し込み、鋳型中のスラグの空冷(凝固)、鋳型からのスラグの取り出し(鋳型の反転)、鋳型の冷却(冷媒の吹付け)が順次行われる。
鋳型で凝固したスラグを、例えば、鋳型を反転させることにより鋳型から取り出し、これを破砕装置(例えば、インパクトクラッシャー、ハンマークラッシャーなど)で破砕し、さらに篩装置で分級する。これにより、例えば、JIS A5011−1(2013)に規定する高炉スラグ粗骨材2005の粒度範囲(20〜5mm)の粗骨材を得る。
また、本発明で使用する静弾性係数が72kN/mm以上、好ましくは87kN/mm以上の鉄鋼スラグ粗骨材(A)は、粒形判定実績率が62%以上であることが好ましい。粒形判定実績率は、砕石・砕砂の粒形の良否を評価する指標であり、高いほど良い粒形となり、同じ容積に充填できる砕石・砕砂の量が増える。ここで、粒形判定実績率は、JIS A5005(2009)に規定される「粒形判定実績率試験」で測定されるものである。
本発明で使用する静弾性係数が高い鉄鋼スラグ粗骨材(A)は、単位容積質量が大きいほど、粗骨材自身の乾燥収縮およびセメントペーストの自己収縮に抵抗でき、その結果、コンクリートの自己収縮量が低減できる。ここで、コンクリート中の粗骨材の単位容積質量を増加させるには、粒形判定実績率を高くすればよい。すなわち、静弾性係数が高い高炉スラグ粗骨材の粒形判定実績率を高くすると、骨材どうしの架橋作用によりセメントペーストの自己収縮に抵抗でき、静弾性係数が高いことによる効果が得られやすくなる。このため、コンクリートの自己乾燥収縮をより効果的に抑制することができる。また、コンクリート中の粗骨材の単位容積質量を増加させる(粒形判定実績率を高くする)ことにより、コンクリートの自己収縮に大きく影響するセメントペースト量を減らすことができ、この点も自己収縮の抑制に寄与する。
粒形判定実績率が62%以上の鉄鋼スラグ粗骨材は、粒形判定実績率が高くなるような破砕方法を採ること、或いは破砕後のスラグを粒形調整することで得ることができる。粒形判定実績率が高くなるような破砕方法としては、例えば、インパクトクラッシャーにより衝撃破砕し、細長い石や扁平な石を極力減らす方法がある。また、粒形調整の方法としては、例えば、(i)骨材をドラムの中で転がし、落下させることで、骨材の角を広角にする方法、(ii)骨材を摩砕機(ロッドミル、ボールミルなど)により研磨する方法、(iii)骨材どうしを衝突させることにより骨材の稜角を削る方法、(iv)骨材から扁平または細長い形状ものを除去する方法、などを用いることができる。また、上記(iv)の方法としては、撮影画像から各粗骨材の長さ、幅、厚さの相互比を算定し、自動的に扁平または細長い形状ものを除去する方法がある。
また、本発明で使用する静弾性係数が72kN/mm以上、好ましくは87kN/mm以上の鉄鋼スラグ粗骨材(A)は、吸水率が1%以下であることが好ましく、これによりコンクリートの水分管理を向上させ(天然粗骨材レベルの水分管理ができる)、乾燥で逸散する水分量を低減することができるとともに、自己収縮に悪影響を及ぼす混和剤の量を低減することができる。天然粗骨材の吸水率は概ね1%以下である。吸水率が高いと、フレッシュコンクリートの施工性が損なわれ、これを回避するために混和剤を多量に添加したり、或いは水量を増量する必要があり、その結果、自己収縮量が大きくなる。したがって、静弾性係数が72kN/mm以上、好ましくは87kN/mm以上の鉄鋼スラグ粗骨材(A)の吸水率を1%以下とすることにより、自己収縮をより効果的に抑制することができる。
上述したように高炉スラグの凝固速度をコントロールすることで、気孔の少ない緻密な凝固スラグを得ることができ、このような凝固スラグを破砕することにより、静弾性係数が72kN/mm以上、好ましくは87kN/mm以上で、かつ吸水率が1%以下の鉄鋼スラグ粗骨材(A)を得ることができる。具体的な方法は、上述したとおりである。
鉄鋼スラグ粗骨材の吸水率は、JIS A1110(2006)に規定される試験方法で測定されるものである。
本発明の超高強度コンクリートは、通常、セメントと粗骨材と細骨材と水を主材として調製され、粗骨材として、静弾性係数が72kN/mm以上、好ましくは87kN/mm以上の鉄鋼スラグ粗骨材(A)、特に好ましくは静弾性係数が72kN/mm以上(好ましくは87kN/mm以上)でかつ粒形判定実績率が62%以上の鉄鋼スラグ粗骨材(A)を含む。
粗骨材は、静弾性係数が72kN/mm以上(好ましくは87kN/mm以上)の鉄鋼スラグ粗骨材(A)以外の粗骨材(例えば、石灰石砕石、硬質砂岩砕石などの天然粗骨材)を併用してもよいが、好ましくは粗骨材の100質量%を静弾性係数が72kN/mm以上(好ましくは87kN/mm以上)の鉄鋼スラグ粗骨材(A)とする。
セメントは、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセメントなどのポルトランドセメント;高炉セメント、シリカフュームセメント、フライアッシュセメントなどの混合セメント;アルミナセメントなどの特殊セメント、などのいずれを用いてもよいが、超高強度コンクリートであることから、特にシリカフュームセメントが好ましい。
細骨材としては、天然砂(JIS A5005(2009)で規定する天然の標準砂)、高炉スラグ細骨材、フェロニッケルスラグ細骨材、銅スラグ細骨材、人工軽量細骨材などの1種以上を用いることができる。
コンクリートには、さらに、混和材、混和剤を添加してもよい。
混和材としては、フライアッシュ、シリカフューム、高炉スラグ微粉末などが挙げられ、これらの1種以上を添加することができる。また、混和剤としては、AE剤、減水剤、AE減水剤、高性能減水剤、高性能AE減水剤、急結剤、硬化促進剤、遅延剤、防錆剤、起泡剤、発泡剤、空気量調整剤などが挙げられ、これらの1種以上を添加することができるが、超高強度コンクリートであるため、特に高性能減水剤と空気量調整剤を添加することが好ましい。
セメントと粗骨材と細骨材と水を主材とし、必要に応じて混和材、混和剤を添加したものを混合して混練物を得る。混練物の水結合材比の下限は、特別な制限はないが、通常、20%程度が好ましい。
[実施例1]
下記(1)〜(3)のコンクリート(混練物)を調製した。
(1)静弾性係数87kN/mm、粒形判定実績率62%、吸水率0.6%の鉄鋼スラグ粗骨材を用いたコンクリート(本発明例)
(2)静弾性係数73kN/mm、粒形判定実績率72%、吸水率0.4%の石灰石砕石(粗骨材)を用いたコンクリート(比較例)
(3)静弾性係数53kN/mm、粒形判定実績率62%、吸水率0.6%の硬質砂岩砕石(粗骨材)を用いたコンクリート(比較例)
本発明例で使用した鉄鋼スラグ粗骨材は、開放型の鋳型に溶融した高炉スラグを流し込んで空冷することにより平均厚さが約25mmの板状に凝固させた後、これをインパクトクラッシャーにより破砕し、次いで、呼び径5mm刻みの篩装置で分級した後、鋼製ドラム内で転がし落下させることで粒形調整することにより得られた。
各粗骨材の静弾性係数は、次のようにして求めた。粗骨材から無作為に3個の粒を採取し、これらの各粒から1:1:2(軸方向)の大きさの直方体を切り出して試験体とし、これら試験体の静弾性係数をJIS A5003(1995)の圧縮強さに関する試験法に準拠して測定し、それらの平均値(小数点以下四捨五入)をもって粗骨材の静弾性係数とした。このようにして求めた各粗骨材の静弾性係数を表1に示す。
各粗骨材の粒形判定実績率と吸水率は、さきに述べた方法で測定した。
なお、以下に示す表および図に記載の「鉄鋼スラグ粗骨材」、「鉄鋼スラグ」とは、本発明で使用する鉄鋼スラグ粗骨材(A)のことである。
Figure 0006156659
本実施例(本発明例、比較例)の基本的なコンクリート配合条件を表2に示す。単位水量を155kg/m、水セメント比を20%とし、混和剤量を調整することで、スランプフロー60cm、空気2.0%の超高強度コンクリートとした。
本発明例および比較例のコンクリートの個別の配合条件を表3に、使用した細骨材の物性値を表4に、同じく粒度分布を図1に、使用した粗骨材の物性値を表5に、それぞれ示す。
各粗骨材は、いずれもJIS A5011(2013)で規定する高炉スラグ粗骨材2005の基準内の粒度分布とした。
セメントは密度3.08g/cmの超高強度コンクリート用セメント(SFC)を、細骨材は静岡県大井川水系陸砂を、練混ぜ水は上水道水を、混和剤はBASFジャパン(株)製の高性能減水剤「マスターグレニウム SP8HU」とAE剤(空気量調整剤)「マスターエア404」を、それぞれ使用した。
細骨材は表面水率1%以下に、また、粗骨材は24時間吸水を行った後、表面乾燥飽水状態に調整した。
セメント、粗骨材、細骨材、混和剤および水は、公称容量100Lの強制練りミキサ水平二軸形を使用して練り混ぜた。
スランプフローの測定はJIS A1150(2007)「コンクリ−トのスランプフロー試験方法」に従った。空気量の測定はJIS A1128(2005)「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法−空気室圧力方法」に従った。
圧縮強度試験はJIS A1108(2006)「コンクリートの圧縮強度試験方法」により材齢7日、28日、56日および91日の圧縮強度を測定した。なお、いずれの供試体も所定の材齢まで20±2℃の水中で養生した。
自己収縮試験は、公益社団法人日本コンクリート工学会の「高流動コンクリートの自己収縮試験方法」により材齢6か月までを測定した。供試体作製時にひずみゲージを埋め込み、翌日脱型後にアルミシートで供試体表面をシールし、さらに全体をポリエチレン袋で覆うことで密封し、温度20±2℃、相対湿度60±5%の恒温恒湿室にて測定した。
Figure 0006156659
Figure 0006156659
Figure 0006156659
Figure 0006156659
フレッシュコンクリート試験結果を表6に示す。これによれば、本発明例、比較例ともに高性能減水剤および空気量調整剤の使用量同一でスランプフロー60cm、空気量2.0%程度の性状が得られることが確認できた。また、凝結試験結果は、始発が6時間35分〜7時間15分、終結が8時間0分〜8時間45分の間であり、40分〜45分程度の差であるため概ね同程度の凝結性状であるといえる。
Figure 0006156659
圧縮強度の試験結果を表7と図2に示す。これらによれば、本発明例、比較例ともに圧縮強度は材齢28日で既に120N/mm以上の値を示し、超高強度配合であることが確認できる。本発明例および硬質砂岩砕石を使用した比較例は、何れの材齢ともほぼ同程度の強度発現を示し、石灰石砕石を使用した比較例は、材齢28日以降、本発明例および硬質砂岩砕石を使用した比較例に対して10N/mm程度下回る値であった。100N/mmを上回る超強度コンクリートであるため、圧縮強度試験後の供試体は爆裂のために小さな試験片をとどめる状態であった。
Figure 0006156659
自己収縮の試験結果を表8と図3に示す。これらによれば、測定6か月で概ね収束に近づいており、長さ変化は硬質砂岩砕石を使用した比較例が−0.051%、本発明例が−0.030%、石灰石砕石を使用した比較例が−0.045%であり、長さ変化の大きさは「硬質砂岩砕石を使用した比較例」>「石灰石砕石を使用した比較例」>「本発明例」であった。
また、粗骨材の静弾性係数は、鉄鋼スラグ粗骨材(本発明例)>石灰石砕石>硬質砂岩砕石であるが、この静弾性係数の大小の順番は、これらを用いたコンクリートの自己収縮量の大小の順番と一致しており、粗骨材の静弾性係数がコンクリートの自己収縮の低減に寄与していることが裏付けられる。
Figure 0006156659
なお、本実施例ではコンクリートの配合条件を単位水量155kg/m、水セメント比20%としているが、使用材料が同じとなる水セメント比15〜35%の範囲においては、効果の大小はあるものの、高静弾性係数の鉄鋼スラグ粗骨材が収縮に抵抗するという原理からして、そのような鉄鋼スラグ粗骨材を用いた本発明例のコンクリートにおいて、優れた低自己収縮性能が得られることは容易に理解できる。
[実施例2]
下記(1)〜(3)のコンクリート(混練物)を調製した。
(1)静弾性係数72kN/mm、粒形判定実績率62%、吸水率0.6%の鉄鋼スラグ粗骨材を用いたコンクリート(本発明例)
(2)粒形判定実績率63%、吸水率0.4%の石灰石砕石(粗骨材)を用いたコンクリート(比較例)
(3)粒形判定実績率62%、吸水率0.6%の硬質砂岩砕石(粗骨材)を用いたコンクリート(比較例)
本発明例で使用した鉄鋼スラグ粗骨材は、開放型の鋳型に溶融した高炉スラグを流し込んで空冷することにより平均厚さが約25mmの板状に凝固させた後、これをインパクトクラッシャーにより破砕し、次いで、呼び径5mm刻みの篩装置で分級した後、鋼製ドラム内で転がし落下させることで粒形調整することにより得られた。
鉄鋼スラグ粗骨材の静弾性係数は、次のようにして求めた。粗骨材から無作為に3個の粒を採取し、これらの各粒から1:1:2(軸方向)の大きさの直方体を切り出して試験体とし、これら試験体の静弾性係数をJIS A5003(1995)の圧縮強さに関する試験法に準拠して測定し、それらの平均値(小数点以下四捨五入)をもって粗骨材の静弾性係数とした。このようにして求めた鉄鋼スラグ粗骨材の静弾性係数を表9に示す。
各粗骨材の粒形判定実績率と吸水率は、さきに述べた方法で測定した。
なお、以下に示す表および図に記載の「鉄鋼スラグ粗骨材」、「鉄鋼スラグ」とは、本発明で使用する鉄鋼スラグ粗骨材(A)のことである。
Figure 0006156659
本実施例(本発明例、比較例)の基本的なコンクリート配合条件を表10に示す。単位水量を155kg/m、水セメント比を20%および30%とし、混和剤量を調整することで、スランプフロー60cm、空気2.0%の超高強度コンクリートとした。
本発明例および比較例のコンクリートの個別の配合条件を表11に、使用した細骨材の物性値を表12に、同じく粒度分布を図4に、使用した粗骨材の物性値を表5に、それぞれ示す。
各粗骨材は、いずれもJIS A5011(2013)で規定する高炉スラグ粗骨材2005の基準内の粒度分布とした。
セメントは中庸熱セメント(M)とシリカフューム(SF)を、細骨材は静岡県大井川水系陸砂を、練混ぜ水は上水道水を、混和剤はBASFジャパン(株)製の高性能減水剤「マスターグレニウム SP8HU」とAE剤(空気量調整剤)「マスターエア404」を、それぞれ使用した。
細骨材は表面水率1%以下に、また、粗骨材は24時間吸水を行った後、表面乾燥飽水状態に調整した。
中庸熱セメント、シリカフューム、粗骨材、細骨材、混和剤および水は、公称容量100Lの強制練りミキサ水平二軸形を使用して練り混ぜた。
スランプフローの測定はJIS A1150(2007)「コンクリ−トのスランプフロー試験方法」に従った。空気量の測定はJIS A1128(2005)「フレッシュコンクリートの空気量の圧力による試験方法−空気室圧力方法」に従った。
圧縮強度試験はJIS A1108(2006)「コンクリートの圧縮強度試験方法」により材齢7日、28日、56日および91日の圧縮強度を測定した。なお、いずれの供試体も所定の材齢まで20±2℃の水中で養生した。
自己収縮試験は、公益社団法人日本コンクリート工学会の「高流動コンクリートの自己収縮試験方法」により材齢3か月までを測定した。供試体作製時にひずみゲージを埋め込み、翌日脱型後にアルミシートで供試体表面をシールし、さらに全体をポリエチレン袋で覆うことで密封し、温度20±2℃、相対湿度60±5%の恒温恒湿室にて測定した。
Figure 0006156659
Figure 0006156659
Figure 0006156659
フレッシュコンクリート試験結果を表13に示す。これによれば、本発明例、比較例ともに高性能減水剤および空気量調整剤の使用量同一でスランプフロー60cm、空気量2.5%程度の性状が得られることが確認できた。また、凝結試験結果は、始発が6時間00分〜6時間05分、終結が7時間0分〜7時間05分の間であり、ほとんど骨材種類による差は無かった。
Figure 0006156659
圧縮強度の試験結果を表14と図5に示す。これらによれば、水セメント比20%の本発明例の圧縮強度は、材齢28日で既に120N/mm以上の値を示し、実施例1と同様、超高強度配合であることが確認できる。また、水セメント比30%の場合は、本発明例、比較例ともに圧縮強度は材齢91日で既に100N/mm以上の値を示し、超高強度配合であることが確認できる。100N/mmを上回る超強度コンクリートであるため、圧縮強度試験後の供試体は爆裂のために小さな試験片をとどめる状態であった。
Figure 0006156659
自己収縮の試験結果を表15と図6に示す。これらによれば、測定3か月で概ね収束に近づいており、水セメント比20%の場合、実施例1の結果とほぼ同じく、本発明例の長さ変化は−0.039%である。また、水セメント比30%の場合、長さ変化は硬質砂岩砕石を使用した比較例が−0.033%、本発明例が−0.022%、石灰石砕石を使用した比較例が−0.033%であり、長さ変化の大きさは「硬質砂岩砕石および石灰石砕石を使用した比較例」>「本発明例」であった。
Figure 0006156659
なお、本実施例ではコンクリートの配合条件を単位水量155kg/m、水セメント比20%および30%としているが、使用材料が同じとなる水セメント比15〜35%の範囲においては、効果の大小はあるものの、高静弾性係数の鉄鋼スラグ粗骨材が収縮に抵抗するという原理からして、そのような鉄鋼スラグ粗骨材を用いた本発明例のコンクリートにおいて、優れた低自己収縮性能が得られることは容易に理解できる。

Claims (3)

  1. 水結合材比が35%以下、材齢28日の圧縮強度が80N/mm以上の超高強度コンクリートにおいて、高炉スラグからなり、静弾性係数が72kN/mm以上、粒形判定実績率が62%以上、吸水率が1%以下である鉄鋼スラグ粗骨材(A)を含むことを特徴とする超高強度コンクリート。
  2. 鉄鋼スラグ粗骨材(A)の静弾性係数が87kN/mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の超高強度コンクリート。
  3. シリカフュームセメント、鉄鋼スラグ粗骨材(A)、細骨材、高性能減水剤、空気調整剤および水を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の超高強度コンクリート。
JP2015128697A 2014-06-27 2015-06-26 超高強度コンクリート Active JP6156659B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015128697A JP6156659B2 (ja) 2014-06-27 2015-06-26 超高強度コンクリート

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014132295 2014-06-27
JP2014132295 2014-06-27
JP2015128697A JP6156659B2 (ja) 2014-06-27 2015-06-26 超高強度コンクリート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016026989A JP2016026989A (ja) 2016-02-18
JP6156659B2 true JP6156659B2 (ja) 2017-07-05

Family

ID=55352582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015128697A Active JP6156659B2 (ja) 2014-06-27 2015-06-26 超高強度コンクリート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6156659B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7045952B2 (ja) * 2018-07-23 2022-04-01 大成建設株式会社 トンネル施工方法およびトンネル支保構造
JP7215283B2 (ja) * 2019-03-26 2023-01-31 住友大阪セメント株式会社 自己充填コンクリート及び自己充填コンクリートの製造方法
CN113754368A (zh) * 2021-08-10 2021-12-07 广州大学 一种混凝土及制备方法和应用
CN113880518A (zh) * 2021-10-12 2022-01-04 广州大学 一种耐久性强、和易性好的高强混凝土及其制备方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004277191A (ja) * 2003-03-13 2004-10-07 Jfe Steel Kk コンクリート用粗骨材
JP5724188B2 (ja) * 2010-03-05 2015-05-27 宇部興産株式会社 コンクリートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016026989A (ja) 2016-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Singh et al. Abrasion resistance and strength properties of concrete containing waste foundry sand (WFS)
JP6156659B2 (ja) 超高強度コンクリート
JP6299711B2 (ja) 転圧コンクリート舗装材
JP6530890B2 (ja) 高強度セメントモルタル組成物及び高強度セメントモルタル硬化体の製造方法
JP6346519B2 (ja) 高強度コンクリートおよびコンクリート部材の製造方法
JP6726941B2 (ja) 耐凍害性を向上したコンクリート用組成物、それを成形してなる成形品、その製造方法および品質管理方法
WO2009096359A1 (ja) 重量コンクリート
JP2010228953A (ja) セメント組成物
JP6172476B2 (ja) 低収縮コンクリート
JP5765527B2 (ja) 保水性路盤材用固化体の製造方法
JP2017109906A (ja) スラグ粉及びスラグ粉の製造方法
JP4295343B1 (ja) 重量コンクリート
JP2006016212A (ja) コンクリート組成物
JP6564674B2 (ja) セメント組成物、及び、セメント硬化体
TWI639578B (zh) 水合硬化體及其製造方法
JP5816731B2 (ja) 高強度コンクリートの製造方法
JP2009161385A (ja) コンクリート混和用貝殻粉砕物およびこれを含有するコンクリート
JP2009179503A (ja) 重量骨材を含む遮蔽硬化体
JP2010100480A (ja) セメント組成物
JP6225802B2 (ja) 鉄鋼スラグ含有組成物を転圧した鉄鋼スラグ水和固化体からなる舗装版
JP6155373B1 (ja) モルタルまたはコンクリート用組成物の製造方法、それを成形してなる成形品の製造方法および品質管理方法
JP6868079B2 (ja) セメント質硬化体の製造方法
JP2010070439A (ja) 港湾無筋コンクリート構造物用のコンクリート組成物
JP2009215092A (ja) 高流動コンクリートの構成材料及び高流動コンクリートの製造方法
JP5605235B2 (ja) コンクリート組成物および当該組成物を用いたコンクリート成形品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160122

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170131

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6156659

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250