JP6156514B2 - 衝撃吸収部品 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の輸送機関に使用される衝撃吸収部品に関する。
輸送機関の安全基準は年々高くなっており、衝突時に、輸送機関の機能を損傷しても、キャビンの乗員を守ることが重要となっている。このため、キャビン周囲のフレームには、衝突時のエネルギーを吸収して、キャビン内に伝わる衝撃を緩和する目的で、高強度鋼板の適用が進み、衝突安全性の向上が図られている。
さらに、近年、衝突安全性のみならず、衝突後のリペア性を考慮して、クラッシュボックスのような交換可能な衝撃吸収部品で衝撃を吸収させる車種が増大している。当該衝撃吸収部品は、キャビンの前面及び後面に衝撃吸収部品の衝撃吸収方向が自動車の長手方向となるよう装着され、衝突時に衝撃吸収方向に対して、蛇腹状に圧潰変形することにより、衝撃エネルギーを吸収する。また、前記衝撃吸収部品の形状は、車種により若干異なるが設置スペースによる制約がある。
ここで、蛇腹状の圧潰変形とは、図1(イ)〜(ホ)に示すように、ある座屈波長Hで形成される座屈しわbwが折り畳まれるような変形を繰り返すことで蛇腹状に圧潰変形することである。この変形以外に、部品全体で折れ曲がる不安定な変形が生じる場合があるが、このような変形では、十分に衝撃エネルギーを吸収できないことが明らかとなっている。
また、自動車の衝突は必ずしも衝撃吸収部品の衝撃吸収方向と平行ではないため、衝撃吸収方向と交差する方向(例えば、衝撃吸収方向との交差角度が10度の斜め方向)から衝撃荷重が負荷される場合においても、衝撃エネルギーを吸収する必要がある。
以上より、衝撃吸収部品に求められることは、軽衝突時(例えば、15km/h時の衝突)の衝撃エネルギーをすべて吸収し、他の部材の損傷を抑制するという観点から、衝撃荷重が負荷される方向によらず、確実かつ安定に蛇腹状の圧潰変形が生じることである。また、燃費向上の観点から、部材の軽量化も非常に重要な課題である。
従来、衝撃吸収部品がより安定に蛇腹状の圧潰変形をするために、衝撃吸収部品の材料及び形状パラメーターを厳密に制御する取り組みがなされている。
例えば、非特許文献1では、軸方向の圧縮荷重を受ける薄肉円筒部材の圧潰挙動は、材料の降伏応力σyと縦弾性係数(ヤング率)Eとの比σy/Eに支配され、σy/Eが小さい場合は、軸対称の座屈モードが生じやすく、大きい場合は、非軸対称の座屈モードが生じることが報告されている。
同様に、非特許文献2では、薄肉円筒部材の圧潰挙動は、部材の直径dと板厚tとの比d/tにより、圧潰モードが変化することが報告されている。
また、特許文献1では、断面形状が四角形以上の多角形断面を有する衝撃吸収部品の板厚tと断面の周長Mとの比t/Mを0.0025以上に制御することで、衝撃吸収部品を蛇腹状に圧潰変形させる取り組みが開示されている。
また、特許文献2では、断面形状が多角形である衝撃吸収部品の断面を構成する多角形の辺のうち隣接する辺の長さの比を2.3以下に制御することで、衝撃吸収部品を蛇腹状に圧潰変形させる取り組みが開示されている。
上記の衝撃吸収部品の材料及び形状パラメーターを厳密に制御する取り組みは、一般的な金属材料からなる衝撃吸収部品を蛇腹状に圧潰変形させることに関して、有用な知見である。一方、コア層の両側面に金属板からなる表層を接合積層してなる積層金属板から構成される衝撃吸収部品の場合、上述した材料及び形状パラメーターを制御するだけでは、重量が金属板と比較して軽量であり、かつ小さな座屈波長で変形する積層金属板の特徴を最大限活用した衝撃吸収部品を提供することは困難である。
積層金属板から構成される衝撃吸収部品に関しては、表層の金属板のヤング率とコア層のヤング率との比を制御することにより、小さな座屈波長で蛇腹状に圧潰変形させることが報告されており、この変形のメカニズムは以下の通りである。
積層金属板は、コア層が両面の金属板を接合拘束しているため、弾性バネ11でお互いを拘束した2枚の金属板12、12としてモデル化できる(図2(イ))。金属板12の変形自由度に差異があるが、この2枚の金属板12、12の圧潰変形モードは、弾性床13上の金属板12の圧潰変形モード(図2(ロ))と等価である。弾性床13が拘束弾性バネに相当する。弾性バネ11で拘束した2枚の金属板12、12(図2(イ))では金属板12両方が非固定、弾性床13上の金属板12(図2(ロ))では1枚の金属板12のみが非固定である。このため、弾性バネ11で拘束した2枚の金属板12、12を圧潰変形させた場合の弾性バネ11の変形は、せん断変形に相当し、弾性床13上の金属板12を圧潰変形させた場合の弾性バネ11の変形は、伸び変形に相当する。しかしながら、どちらも圧潰エネルギーを、弾性体の変形と金属板の変形とで吸収する。かつ、変形の際には、変形エネルギーの総和が最小になる変形になる。ここで、表層の金属板12は、直線部と等しい座屈波長H(図2(ハ))で変形したとき、エネルギーeが最小となる。一方、弾性床の変形は、伸びを極力小さくした方がエネルギーを小さくできる。この結果、図2(二)に示すように小さな座屈波長Hで変形したときに、エネルギーeが最小になる。従って、弾性床上の板の座屈波長は、e,eの大きさのバランスで決まり、Hより小さく、かつHよりも大きい値になる(図2(ハ)(ニ))。
積層金属板も同様の原理により、小さな座屈波長で圧潰変形する。すなわち、大きな座屈波長で変形した場合に変形エネルギーが小さくなる表層と、小さな座屈波長で変形した場合に変形エネルギーが小さくなるコア層との変形エネルギーの大小関係でバランスし、かつ、双方の変形エネルギーの和が最小になるような座屈波長で変形する。小さな座屈波長で変形した場合に変形エネルギーが小さくなるコア層の変形寄与があるため、単一材料で構成された衝撃吸収部品と比較して、積層金属板から構成された衝撃吸収部品は、小さい波長で圧潰変形することが可能になる。しかしながら、コア層のヤング率が高く、かつ接合材にろう材のような変形しにくい材料を使用した積層金属板では、コア層がほぼ変形しなくなり、小さな座屈波長で変形しにくくなるため、衝撃吸収部品は、安定に蛇腹状の圧潰変形を得られない可能性がある。
また、特許文献3では、内部に向けて凹んだ溝部を持つ多角形閉断面で構成し、かつ、断面の一部に曲げモーメントに差を設けた衝撃吸収部品が開示されている。このような複雑な断面形状にすることによって、座屈波長を小さくし、斜め方向からの衝突に対しても安定な蛇腹状の圧潰変形が得られ、十分な衝撃エネルギー吸収が可能となることが示されている。しかしながら、上記取り組みは、金属板を対象としており、積層金属板で同様の複雑な形状にする場合、成形時に表層の破断などの成形不良が生じ、所望の形状が得られない可能性が高い。
以上のように、従来、衝撃吸収部品の衝撃吸収方向と交差する方向であっても、蛇腹状に圧潰変形させるために、衝撃吸収部品の材料及び形状パラメーターを制御しているが、軽量な材料で構成され、かつ、より安定に蛇腹状に圧潰変形させることで、輸送機関の燃費向上と十分な衝撃エネルギー吸収量の確保を両立するまでには至っていない。
特開平9−277953号公報 特開2011−218935号公報 特開2006−207724号公報
M&M材料力学カンファレンス 2008, "OS0905-1"-"OS0905-2" 一般社団法人日本機械学会 関西支部講演会講演論文集 2005(80)
本発明の目的は、衝撃荷重が負荷される方向が衝撃吸収方向と交差する方向であっても、より安定に蛇腹状の圧潰変形が生じ、かつ軽量な衝撃吸収部品を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために、積層金属板からなる衝撃吸収部品に関し、より詳細に研究した結果、コア層のヤング率が高く、かつ接合材にろう材のような変形しにくい材料を使用した積層金属板では、コア層がほぼ変形しなくなり、小さな座屈波長で変形しにくくなるため、荷重が負荷される方向によって、安定に蛇腹状の圧潰変形を得られない可能性があることを発見した。
当該課題に対し、鋭意研究を重ねた結果、積層金属板をより安定に小さな座屈波長で圧潰変形させるためには、接合層の変形特性も重要な因子であることから、コア層と接合層からなる層の変形を厳密に制御すべきであるという結論に至った。
上述の積層金属板特有の課題を解決し、衝撃荷重が負荷される方向が衝撃吸収方向と交差する方向であっても、より安定に蛇腹状の圧潰変形が生じ、かつ軽量な衝撃吸収部品を提供する手段として、以下の項目を見出した。
(1) 部品の衝撃吸収方向の一方の端部に衝撃荷重を負荷された際に、衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部品であって、コア層の両面に金属板からなる表層が接合積層された積層金属板を成形加工して構成され、前記積層金属板において、前記表層を除いた中心層の変形率は、下記式(101)により定義され、前記中心層の変形率が7.0%以上75.0%以下であ衝撃吸収方向に垂直な任意の断面の形状が、最小曲率半径が7.0mm以上の曲線部を有し、当該断面の周長のうち前記曲線部が30.0%以上であり、さらに、前記断面の形状が、閉構造、もしくは断面周長の15.0%未満の開口部を有することを特徴とする衝撃吸収部品。
積層金属板の中心層の変形率=100×(Dcal−Dexp)/Dcal ・・・(101)
Dcal=Eb(H −h )/12 ・・・(102)
ここで、Dcal:前記式(102)により算出される前記積層金属板の計算剛性、Dexp:前記積層金属板の曲げ剛性の実測値、E:前記表層のヤング率、b:前記積層金属板のサンプル幅、H:前記積層金属板の厚み、h:前記コア層の厚み、である。
(2)前記表層は前記コア層よりヤング率が大きい金属板からなり、前記表層の板厚tと、前記コア層の板厚tとの板厚比t/tが2.0以上7.0以下であることを特徴とする、(1)に記載の衝撃吸収部品。
(3)前記表層は前記コア層よりヤング率が大きい金属板からなり、前記表層の板厚tと、前記コア層の板厚tとの板厚比t/tが3.5以上5.0以下であることを特徴とする、(1)に記載の衝撃吸収部品。
(4)前記表層のヤング率Eと、前記コア層のヤング率Eとのヤング率比E/Eが1×10−3以上1×10−1以下であることを特徴とする、(1)に記載の衝撃吸収部品。
(5)前記中心層の変形率が7.0%以上50.0%以下であることを特徴とする、(1)に記載の衝撃吸収部品。
)衝撃吸収方向に垂直な断面に、曲率半径が7.0mm以上15mm以下の曲線で構成される、前記断面の中心側に凹んだ曲線部である溝部を4個以上有することを特徴とする、(1)に記載の衝撃吸収部品。
)前記表層の降伏応力は、100MPa以上1000MPa以下であることを特徴とする、(1)に記載の衝撃吸収部品。
)前記コア層の密度ρは、表層の密度ρに対して、ρ/ρが1/300以上1/2以下であることを特徴とする、(1)に記載の衝撃吸収部品。
)前記積層金属板は、前記表層および前記コア層の間に接合層をさらに備え、前記接合層のせん断弾性率が50MPa以上500MPa以下であることを特徴とする、(1)に記載の衝撃吸収部品。
本発明によれば、衝撃吸収方向と交差する方向であっても、より安定に蛇腹状の圧潰変形が生じ、かつ軽量な衝撃吸収部品を提供することができる。この結果、本発明の衝撃吸収部品を使用すれば、正面のみならず斜め方向からの衝突に対しても蛇腹状に圧潰変形し、衝撃エネルギーを吸収できる。かつ、軽量材から構成されるので部品自体も軽量化できる。この結果、燃費向上にも有効である。
本発明の衝撃吸収部品は、上記の効果を発現できるので、普通乗用車のみならず、軽自動車からトラック、バスなどの大型車に至る自動車全般、電車などの輸送機関の衝撃吸収部品として好適に使用することが可能である。
衝撃吸収方向に衝撃荷重を負荷した場合の代表的な変形挙動を示す模式図であり、(イ)〜(ニ)は変形過程、(ホ)は変形後の写真を示す。 積層金属板の圧潰変形時の表層及びコア層の変形挙動を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品の構成を示す説明図である。 開口部を有する衝撃吸収部品の圧潰挙動の模式図である。 本発明の実施形態に係る衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 本発明の異なる実施形態に係る衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 一部開口部を有する衝撃吸収部品の模式図である。 実施例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 実施例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 実施例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 実施例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 実施例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 実施例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 比較例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 比較例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 実施例で用いた積層金属板と衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 比較例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 比較例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 実施例で用いた衝撃吸収部品の断面の中心線の形状を示す模式図である。 衝撃吸収部品に斜め荷重を負荷する試験方法を示す模式図である。 本発明の第2の実施例に係る衝撃吸収部品の形状を示した説明図である。 実施例24、比較例14および15において、E/Eに対する平均座屈波長を示したグラフ図である。 衝撃吸収部品の形状に対する平均座屈波長を示したグラフ図である。
1 積層金属板
3A、3B 表層
5 コア層
7A、7B 接合層
11 弾性ばね
12 金属板
21 開口部端面
22 溝部
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本発明の衝撃吸収部品は、衝撃吸収方向の一方の端部に衝撃荷重を負荷された際に、衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部品である。
また、本発明の衝撃吸収部品は、衝撃吸収方向と交差する方向から衝撃荷重が負荷された場合であっても、より安定に蛇腹状に圧潰変形することにより、衝撃エネルギーを吸収できる。ここで、本発明において、衝撃吸収方向と交差する方向とは、衝撃吸収方向との交差角度が0°以上60°未満であり、0°超60°未満の方向を斜め方向、この方向から加わる衝撃荷重を斜め荷重とする。60°以上の場合、衝撃荷重による当該部品の変形モードは、圧潰変形ではなく横荷重(衝撃吸収方向と直角の荷重)による部品全体が折れ曲がる変形モードが主になる場合が多い。好ましくは、衝撃荷重の入力方向が、45°以下、より好ましくは30°以下になるように設置することである。それによって、蛇腹状に圧潰変形するモードの占める割合がより大きくなり、一層効率的に衝撃エネルギーを吸収できる。
以下では、図3を参照して、上記で説明した本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品の構成について説明を行う。図3は、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品の構成を示す説明図である。
(積層金属板の構成)
初めに、図3を参照して本発明の衝撃吸収部品を構成する積層金属板について説明する。
本発明の積層金属板は、コア層の両側面に金属板からなる表層を接合材で接合積層してなる板である。ここで、積層金属板のコア層とは、表層金属板より低い密度を有する板状層である。
図3に示すように、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品を構成する積層金属板1は、接合層7Aおよび7B、および金属板からなる表層3Aおよび3Bが、コア層5の両面に積層接合された積層金属板である。ただし、コア層5のヤング率は、表層3Aおよび3Bのヤング率よりも小さい。
表層3Aおよび3Bは、コア層5よりヤング率が大きい金属板であれば良く、降伏応力が100MPa以上1000MPa以下の金属板が好ましく、発現させたい衝撃エネルギー吸収量に応じて、適宜選択すればよい。表層の降伏応力が100MPaより小さい場合、十分な衝撃エネルギー吸収量を確保するためには、表層の厚みを増大するもしくは衝撃吸収部品の断面周長を増大しなければならず、どちらも衝撃吸収部品の重量増が問題となる。また、表層の降伏応力が1000MPaより大きい金属板は、一般的に分厚い金属板が対象となるため、重量増が問題となる。従って、衝撃吸収部品の軽量化効果を大幅に高め、従来品より軽量な衝撃吸収部材を提供するためには、表層の降伏応力が100MPa以上1000MPa以下の金属板であることが好ましい。また、軽衝突時の衝撃エネルギーをすべて衝撃吸収部品のみで吸収し、他の接続部材の損傷を抑制する目的で使用する場合は、衝撃吸収部品の変形抵抗力を接続部材の抵抗力未満にする必要があるため、表層の降伏応力が100MPa以上590MPa以下であることがより好ましい。表層3Aおよび3Bを実現する材料としては、具体的には、炭素鋼、アルミ合金、純チタン、チタン合金、マグネシウム合金などを使用することができる。さらに、積層金属板1の製造コストの面から、表層3Aおよび3Bは、炭素鋼、アルミ合金などであることがより好ましい。また、表層3Aおよび3Bは、耐腐食性を確保するために各種めっき処理(例えば、亜鉛めっき、合金めっき)が施されてもよく、クロメート処理、リン酸塩処理、有機樹脂処理等の公知の表面処理が施されてもよい。
また、表層3Aおよび3Bの板厚は、好ましくは0.2mm以上である。表層3Aおよび3Bの板厚が0.2mm未満である場合、衝撃吸収部品を製造する際の曲げ加工時に、表層3Aおよび3Bの破断が生じやすくなるため、好ましくない。また、表層3Aおよび3Bの板厚が2.0mmを超える場合、積層金属板1の総板厚が厚くなり、質量が増加してしまうため、衝撃吸収部品の軽量化の観点からは、表層3Aおよび3Bの板厚は2.0mm以下であることが好ましい。
コア層5は、表層3Aおよび3Bよりヤング率が小さい材料であれば、特に限定されず、公知の材料を適宜選択して使用することができる。コア層5を実現する材料としては、具体的には、アルミ合金、チタン、銅などの金属材料、セラミックス、樹脂、繊維強化樹脂、紙などの非金属材料、およびこれらの組み合わせ複合化した複合材料が挙げられる。複合材料の例としては、ハニカム構造体の空孔に発樹脂を充填した複合材料、樹脂シートと、網状構造体を順次積層した複合材料などが挙げられる。
なお、積層金属板からなる衝撃吸収部品を装着した自動車等の燃費効率の確保のためには、積層金属板は、より軽量であることが好ましい。このような軽量化された積層金属板を構成するために好適なコア層としては、前述の金属材料、Fe合金、およびステンレス鋼などに空隙を有する公知の構造を付与した材料を使用することが好ましい。空隙を有する公知の構造とは、例えば、網状構造、ハニカム構造、エキスパンド、パンチングなどの孔を設けた構造、波型構造体、コルゲート構造、ロール構造、発泡構造などである。特に、金網、エキスパンドメタル、パンチングメタルなどの汎用性材料は、容易に製造可能であるため、より好ましい。このような構造体の場合、コア層の密度(ρ)を目的に応じて容易に制御することができる。例えば、パンチングメタルの密度は、開孔率が50%となるよう鋼板に複数の穴を設けることで、鋼板の密度の半分に制御することが可能である。
また、コア層の密度(ρ)は、表層の密度(ρ)以下であればよいが、ρ/ρは1/300以上1/2以下が好ましい。ρ/ρ>1/2の場合、一般的な金属板との重量差異が小さくなるため、当該積層金属板からなる衝撃吸収部品による重量削減効果が小さくなり、大幅な燃費改善効果は得られない可能性がある。
ρ/ρが1/300より小さいコア層として、樹脂などの軽量材料でかつ非常に多くの空気層を有する発泡体(例えば50倍発泡ポリスチレン)が挙げられる。当該コア層は、剛性が非常に小さい空気層を多く含むため、積層金属板の剛性が小さくなり、衝撃吸収部品として十分な衝撃エネルギー吸収量が得られない可能性がある。従って、軽衝突以上の激しい衝突時にも十分な衝撃エネルギー吸収量を確保し、軽量化効果を高めるためには、ρ/ρは1/300以上1/2以下が好ましい。
また、ρ/ρが1/20以上1/2以下の範囲から材料を選択すると、原料が入手しやすく、積層金属板の製造コストを安くできるため、より好ましい。例えば、ρ/ρ が1/20以上1/2以下の範囲の材料として、表層に鋼板、コア層に金網などの金属構造体、または、表層にAl板、コア層に樹脂などが挙げられる。
ここで、積層金属板1において、表層3Aおよび3Bの板厚t と、コア層5の板厚t との板厚比t /t は、2.0以上7.0以下である。後述する実施例で実証されるように、積層金属板1の表層3Aおよび3Bとコア層5との板厚比t /t がこれらの範囲の値となる場合に、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品は、座屈波長を小さくすることができる。
具体的には、表層3Aおよび3Bとコア層5との板厚比t /t が2.0未満である場合、軸圧潰変形時の変形エネルギーにおけるコア層5の変形エネルギーの寄与が小さくなるため、座屈波長を小さくすることができない。また、表層3Aおよび3Bとコア層5との板厚比t /t が7.0を超える場合、表層3Aおよび3Bに対してコア層5が非常に厚くなるため、表層3Aおよび3Bと、積層金属板1との間で剛性に大きな乖離が生じる。そのため、衝撃吸収部品は、接合層7Aおよび7Bが破壊され、安定して蛇腹状の軸圧潰変形をすることができない可能性がある。
また、積層金属板1において、表層3Aおよび3Bの板厚t と、コア層5の板厚t との板厚比t /t は、好ましくは、3.5以上5.0以下であってもよい。積層金属板の表層3Aおよび3Bとコア層5との板厚比t /t がこれらの範囲の値となる場合に、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品は、座屈波長をより小さくし、安定して蛇腹状の軸圧潰変形を起こすことができるようになる。具体的には、表層3Aおよび3Bとコア層5との板厚比t /t が3.5以上5.0以下である場合、軸圧潰変形時のコア層5の変形エネルギーと、表層3Aおよび3Bの変形エネルギーのバランスが好適となるため、座屈波長をさらに小さくすることができる。
また、積層金属板1において、表層3Aおよび3Bのヤング率E と、コア層5のヤング率E とのヤング率比E /E は、1×10−3以上1×10−1以下であってもよい。積層金属板の表層3Aおよび3Bとコア層5とのヤング率比E /E がこれらの範囲の値となる場合に、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品は、衝撃エネルギーの吸収効率を向上させることができる。
具体的には、積層金属板の表層3Aおよび3Bとコア層5とのヤング率比E /E が1×10−3未満である場合、積層金属板1は、衝撃吸収部品の座屈波長を小さくすることはできるものの、E の低下により座屈変形時の平均荷重Wを低下させ、衝撃エネルギーの吸収効率を低下させてしまうため好ましくない。また、積層金属板の表層3Aおよび3Bとコア層5とのヤング率比E /E が1×10−1を超える場合、コア層5のヤング率E が大きく、せん断変形しにくくなる。そのため、軸圧潰変形時の挙動が、単一材料の金属板と近くなり、座屈波長を小さくすることができなくなるため好ましくない。なお、表層3Aおよび3B、コア層5のヤング率については、例えば、ASTM−D638に準拠した引張試験等にて測定することが可能である。
接合層7Aおよび7Bは、公知の接合材により形成される。例えば、接合層7Aおよび7Bは、接着剤、導電性接着剤、ろう材などで形成されてもよい。接着剤としては、例えば、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、およびウレタン系接着剤などを使用することができ、導電性接着剤としては、前述の接着剤にアルミ、ニッケル、鉄等の金属粉末を所定量添加したものを使用することができる。また、ろう材としては、鉛、スズ、アンチモン、カドミウム、亜鉛等の合金からなる軟ろう(はんだ)、Ni−Cr系ろう材、銅ろう、金ろう、パラジウムろう、銀ろう、アルミろうなどの硬ろうを使用することができる。
これらのうち、コア層5が導電材料である場合、接合層7Aおよび7Bは、導電性接着剤またはろう材で形成されることが好ましい。このような場合、積層金属板1全体が導電性になるため、溶接性を確保することができ、溶接などの手法で積層金属板1を接合することが可能になる。
また、接合層7Aおよび7Bは、コア層5と接合層7Aおよび7Bとからなる層のせん断変形を制御するために、せん断弾性率が50MPa以上500MPa以下であることが好ましい。接合層7Aおよび7Bのせん断弾性率が50MPa未満である場合、接合層7Aおよび7Bが過剰にせん断変形することにより、表層3Aおよび3Bが互いに独立して変形する可能性があり、安定した座屈変形が生じにくくなるため好ましくない。また、接合層7Aおよび7Bのせん断弾性率が500MPaを超える場合、コア層5と接合層7Aおよび7Bからなる層のせん断変形が生じにくくなるため、座屈波長が大きくなる可能性があり好ましくない。なお、上記のせん断弾性率については、JIS−K6850に準拠した引張せん断試験により測定することができる。
せん断弾性率が500MPaより大きい接合材として、ろう材が挙げられる。ろう材の場合、加熱してろう材を溶融させる必要があるため、接合可能なコア層は、ろう材以上の融点を有する金属材料及び金属材料に構造を付与した構造体が対象となる。当該コア層は、樹脂などの非金属材料と比較してせん断変形しにくい材料であるため、上述のように、ろう材を使用した積層金属板は、金属板と同様の大きな座屈波長で変形する恐れがある。また、せん断弾性率が50MPaより小さい接合材を使用した積層金属板では、接合層が過剰にせん断変形し、表層金属板がそれぞれ独立して変形する。この結果、コア層で使用する材料によっては、金属板と同様の大きな座屈波長で変形する可能性がある。従って、積層金属板がより安定に小さな座屈波長で変形するためには、接合材のせん断弾性率が50MPa以上500MPa以下であることが好ましい。
また、接合材のせん断弾性率が100MPa以上300MPa以下であれば、接合層が適度にせん断変形することができ、より安定に小さな座屈波長で積層金属板を変形させることが可能となる。せん断弾性率が100MPa以上300MPa以下である接合材として、具体的には、エポキシ系の接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤が挙げられる。
また、コア層が導電材料である場合、積層金属板の溶接性を確保する観点から、接合材が導電性接着剤であることが好ましい。具体的には、後述する接着剤に、アルミ粉、ニッケル粉や鉄粉等の金属粉を所定量添加したもの等が挙げられる。さらに、溶接が安定してできるように、導電性接着剤の電気抵抗率は、1.0×10−4Ω・cm以上1.0×10−3Ω・cm以下であることが好ましい。
以上、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品を構成する積層金属板1について説明を行った。なお、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品を構成する積層金属板1は、公知の積層方法を適用して製造することが可能であるが、具体的には、以下の製造方法にて製造することができる。
(積層金属板の製造方法)
コア層5の両面に接合材(例えば、接着剤など)を塗布し、表層3B、コア層5、表層3Aの順に積層し、常温にて、または加熱しながら加圧することで積層金属板1を得る。また、表層3Aおよび3Bの片面に接合材を塗布し、接合材を塗布した面同士でコア層5を挟み込んで積層し、常温にて、または加熱しながら加圧することによっても積層金属板1を得ることが可能である。
以下に、前述の積層金属板で衝撃吸収部品を作製した場合の効果について述べる。
積層金属板は、表層よりも小さい密度を有するコア層を積層しているため、積層金属板の総厚と同等の板厚の金属板と比較した場合、重量が小さい。従って、当該積層金属板から構成された衝撃吸収部品は、金属板で構成された衝撃吸収部品に対して大幅な軽量化が図れる。また、衝撃吸収部品に衝撃荷重が負荷された場合の変形は前述したように、形成された座屈しわが折り畳まれる変形である。このような変形では、変形時の抵抗力(剛性、強度)が総厚の2乗、もしくは3乗に比例する曲げ変形が主体となるため、重量増加を抑制しつつ、総厚を増大することができる積層金属板からなる衝撃吸収部品は、重量が等しい金属板と比較すると、衝撃エネルギー吸収量の向上が可能となる。
(積層金属板の中心層の変形率)
次に、本発明の衝撃吸収部品を構成する積層金属板の中心層の変形率について説明する。
衝撃吸収部品を構成する積層金属板の中心層の変形率は7.0%以上75.0%以下である。ここで、積層金属板の中心層とは、積層金属板の表層を除いた層であって、具体的にはコア層と接合層からなる層である。また、積層金属板の中心層の変形率とは、圧潰変形時に中心層がせん断変形する指標であって、具体的には、積層金属板の構成から算出できる計算剛性(Dcal)から実験より測定した曲げ剛性(Dexp:以降、実測剛性と称す)の減少率である。
(積層金属板の中心層の変形率)=100×(Dcal−Dexp)/Dcal
以下に、積層金属板の中心層の変形率を7.0%以上75.0%以下と制御しなければならない理由について説明する。
圧潰変形時には、接合層も大きく変形するため、コア層と接合層両方のせん断変形を制御することが重要である。一方、前述したように、積層金属板からなる衝撃吸収部品の圧潰変形に関するこれまでの報告では、コア層の変形は厳密に制御されていたが、接合層の変形は考慮されていないため、小さな座屈波長の圧潰変形が得られないことがあった。従って、より安定に小さな座屈波長で圧潰変形させるためには、コア層と接合層の混合層である積層金属板の中心層のせん断変形を適切に把握し制御する必要がある。一方、圧潰変形時における積層金属板の中心層のせん断変形を把握する試験法は確立されていないため、本発明では、3点曲げ試験で得られる実測剛性と、積層金属板の構成から予測される計算剛性との差異から算出可能な中心層の変形率を積層金属板の中心層のせん断変形の指針とした。実測剛性は、中心層のせん断変形を反映した値であるのに対し、計算剛性は、中心層のせん断変形が反映されていないため、実測剛性と計算剛性の差異が中心層のせん断変形の影響と考えることができる。
積層金属板の中心層の変形率が7.0%以上75.0%以下であると中心層が適度にせん断変形することで、中心層がより小さい変形エネルギーで変形するようになり、積層金属板は小さな座屈波長で変形する。従って、積層金属板の中心層の変形率は、7.0%以上75.0%以下が好ましい。
一方、中心層の変形率が7.0%未満の場合、中心層はせん断変形しにくくなるため、単一材料と同様の大きな座屈波長で圧潰変形する。また、中心層の変形率が75.0%超である場合、中心層の過剰なせん断変形により、表層が中心層の拘束の影響をほとんど受けなくなる。この結果、表層は大きな座屈波長で変形した方が変形エネルギーは小さくなるため、単一材料と同様の座屈波長で圧潰変形する。従って、衝撃吸収部品を構成する積層金属板の中心層の変形率を7.0%以上75.0%以下と制御することによって、より安定に小さな座屈波長で圧潰変形させることができる。
さらに、基本的に積層金属板の場合、曲げ剛性の大きさは中心層の変形率に依存するため、前記積層金属板の中心層の変形率が7.0%以上50.0%以下であることが、より好ましい。中心層の変形率が50.0%以下である場合、中心層のせん断変形による積層金属板の剛性の低下量は小さいため、十分な衝撃エネルギー吸収量を確保しつつ、小さな座屈波長の圧潰変形を生じさせることができる。
(衝撃吸収部品の形状)
次に、本発明の衝撃吸収部品の好ましい形状について説明する。
本発明の衝撃吸収部品は、衝撃吸収方向に垂直な任意の断面が、最小曲率半径が7.0mm以上の曲線を有し、当該断面の周長のうち曲線部が30.0%以上となる形状であり、さらに、前記断面が、閉構造となる形状、もしくは、断面周長の15.0%未満の開口部を有する形状である。ここで、衝撃吸収部品の衝撃吸収方向に垂直な任意の断面(以降、衝撃吸収部品の断面)の周長、及び曲線部の長さは、積層金属板の板厚の中心を結ぶ線(以後、中心線)を測定した値である。なお、本明細書において、曲率半径が1m以下を曲線とし、曲率半径が1m超である場合、直線と定義とする。さらに、衝撃吸収部品の断面にある曲線の最小曲率半径とは、当該曲線すべての曲率半径を測定した値の最小値である。
また、衝撃吸収部品の断面が断面周長の15.0%未満の開口部を有する場合、開口部の長さとは、開口部端部同士を直線で結んだ場合の直線の長さであり、開口部を有する断面の断面周長とは、開口部端部同士を直線で結んだ場合の直線の長さと開口部を有する断面の中心線の長さを足し合わせた値である。従って、開口部の割合は、開口部端部同士を直線で結んだ場合の直線の長さを開口部を有する断面の断面周長で除した値である。なお、衝撃吸収部品の衝撃吸収方向に垂直な任意の断面の外周を3次元形状測定機にて測定し、金属板または積層金属板の厚みを考慮することで、衝撃吸収部品の周長、曲線部の長さ、曲率半径及び開口部の長さを把握することができる。
ここで、衝撃吸収部品に斜め荷重が負荷された際に、安定な蛇腹状の圧潰変形が得られにくくなる理由について説明する。
衝撃吸収部品に斜め荷重が負荷された場合、最初に斜め荷重が負荷された部分から局所的な変形が生じやすくなる。一般的な金属板の場合、この時生じる局所的な変形は、大きな座屈波長の変形であるため、この大きな座屈波長で変形した部位が起点となって、衝撃吸収部品全体で折れ曲がる変形が生じやすくなる。この結果、斜め荷重が負荷された際に、安定な蛇腹状の圧潰変形が得られないことが多い。
一般的な金属板では、前述のように、複雑な断面形状にすることで、座屈波長を小さくし、衝撃吸収部品全体で折れ曲がる変形を抑制する取り組みがなされている。一方、積層金属板の場合、この取り組みも有効であるが、より簡易な手法、具体的には、衝撃吸収部品の断面に曲線部を設けることでも、座屈波長を小さくし、衝撃吸収部品全体で折れ曲がる変形を抑制することが可能である。
具体的には、本発明の衝撃吸収部品は、断面の周長のうち曲線部が30.0%以上であることが好ましい。断面の周長のうち曲線部が30.0%未満の場合、衝撃吸収部品の断面内の直線部の長さが大きくなることにより、座屈波長が大きくなる可能性がある。この理由は以下の通りである。
一般的な金属板では、座屈波長は直線部分の長さと一致する。積層金属板では、小さな座屈波長で変形する特徴を有しているため、直線部分の長さと一致しないが依存(つまり、直線部が長くなると座屈波長が大きくなる傾向あり)することが判明している。従って、小さな座屈波長で変形させるためには、直線部の長さが極力大きくならないよう曲線部を断面周長の30.0%以上にする必要がある。より安定に小さな座屈波長で変形させるためには、曲線部が断面周長の50.0%以上であることが好ましい。つまり、衝撃吸収部品の断面形状に直線部が少ない形状が好ましい。曲線部が断面周長の50.0%以上であれば、より安定に小さな座屈波長で変形し、斜め荷重の交差角度が大きくても、安定な蛇腹状の圧潰変形を得ることができる。
また、衝突エネルギー吸収量が等しい金属板と比較した場合、積層金属板の厚みは、金属板より厚くなるため、積層金属板の場合、曲線部を成形する際に表層に生じるひずみは大きくなり、表層の破断が生じやすい。従って、衝撃吸収部品の断面にある曲線部の最小曲率半径は7.0mm以上であることが好ましい。曲線部の最小曲率半径は7.0mm未満の場合、衝撃吸収部品を製造する際の曲げ加工時に、表層に生じるひずみが非常に大きくなり、表層の破断が生じやすく、所望の断面形状が得られない場合がある。従って、衝撃吸収部品の断面にある曲線部の最小曲率半径は7.0mm以上であることが好ましい。
また、本発明の衝撃吸収部品は、衝撃吸収部品の断面の形状が閉構造、もしくは断面周長の15.0%未満の開口部を有する。衝撃吸収部品の断面の形状が開口部を有する開構造の場合、衝撃吸収部品に自由端部(拘束されない部分)が生じる。図4(イ)に示すような一般的な金属板の場合、矢印の方向に衝撃荷重が加わると、開口部端面21の自由端部近傍では、図4(ロ)に示すように単純に板を曲げたような座屈波長の大きな変形が生やすくなる。従って、圧潰変形時に開口部近傍(自由端部近傍)で座屈波長の大きな変形が生じ、この変形部位を起点に部材全体で折れ曲がり変形が生じるため、安定に蛇腹状の圧潰変形が得られない。一方、本発明の衝撃吸収部品を構成する積層金属板では、自由端部であっても、小さな座屈波長で変形する特徴を有しているため、安定に圧潰変形しやすい。しかしながら、開口部の割合が15.0%以上では、開口部を起点として、部品全体で折れ曲がり変形が生じやすくなるため、安定に圧潰変形が得られなくなる可能性がある。
以上、本発明の衝撃吸収部品の形状となるよう積層金属板を成形加工し、作製した衝撃吸収部品は、衝撃吸収方向と交差する方向であっても、より安定に蛇腹状の圧潰変形が生じ、かつ軽量である。
さらに、衝撃エネルギー吸収量の増大が見込めるため、本発明の衝撃吸収部品の断面に、曲率半径が7mm以上の曲線から構成される溝部が4個以上存在するように、積層金属板を成形加工することがより好ましい。ここで、溝部とは、曲率半径が7mm以上15mm以下の曲線部の曲率中心が衝撃吸収部品断面の外側にある曲線部のことである。つまり、溝部とは、衝撃吸収部品の断面において、内側(中心側)に凹んだ曲線部である。
この溝部は、曲率半径が大きい曲線部及び直線部と比較して、剛性が大きいため、衝撃吸収部品の断面に4個以上の溝部を付与することで、衝撃エネルギー吸収量の大幅な増加が期待できる。一方、衝撃吸収部品の断面に存在する溝部が4個未満の場合、衝撃エネルギー吸収量の増大効果があまり得られなくなる。また、衝撃吸収部品の断面に16個以上の溝部を付与するよう成形加工した場合、形状が非常に複雑になり、成形コストが増すため、衝撃エネルギー吸収量の増大効果以上に成形コスト増が問題となる。
次に、本発明の具体的な形状例について説明する。
本発明の衝撃吸収部品の形状は、衝撃吸収部品の断面に少なくとも最小曲率半径が7.0mm以上の曲線を有し、当該断面の周長のうち曲線部が30.0%以上であって、当該断面の形状が閉構造、もしくは断面周長の15.0%未満が開口部となるよう成形加工されていればよく、特に限定されるものではない。
例えば、衝撃吸収部品の断面の周長のうち曲線部が100%であるような円形状、また曲線の曲率半径が連続的に変化する楕円形状、または、図5に示すような楕円形状を足し合わせた形状及び類似形状が挙げられる。
また、衝撃吸収部品の断面に直線部を有する場合、円形状や楕円形状を直線で結んだ図6(イ)、(ロ)に示すような形状及び類似形状が挙げられる。図5および図6(ロ)に示すような形状の場合、衝撃吸収部品の断面に4個の溝部22が存在するため、衝撃エネルギー吸収量の増大が見込める。
また、衝撃吸収部品の断面が、断面周長の15.0%未満の開口部を有する形状である場合、衝撃吸収部品の開口部が衝撃吸収方向に連続する形状、もしくは開口部が衝撃吸収方向に断続する形状が挙げられる。図7(イ)に示す形状の場合、位置aの断面は図7(ロ)、位置bの断面は図7(ハ)となり、部分的に開口部が衝撃吸収方向に断続しており、衝撃吸収部品を構成する材料が欠落しているため、衝撃吸収部品重量の削減が見込める。
(衝撃吸収部品の製造方法)
最後に、本発明の実施形態に係る衝撃吸収部品の製造法について説明する。
衝撃吸収部品は公知の手法により製造すればよく、特定の製造法に限定されない。例えば、積層金属板にプレス曲げ、絞り、ロールフォーミング等の加工をいずれかひとつあるいは複数行うことにより、衝撃吸収部品を製造してもよい。
(作用効果)
本発明は、部品の衝撃吸収方向の一方の端部に衝撃荷重を負荷された際に、衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部品であって、コア層の両面に金属板からなる表層が接合積層された積層金属板を成形加工して構成され、前記積層金属板は、表層を除いた中心層の、前記積層金属板の構成から算出できる計算剛性に対する実験で測定した曲げ剛性の減少率である変形率が7.0%以上75.0%以下であることを特徴とする、衝撃吸収部品である。
積層金属板で構成された衝撃吸収部品の断面形状が少なくとも曲線を有し、当該断面の周長のうち曲線部が30.0%以上であるため、斜め荷重が負荷された際にも、積層金属板が小さな座屈波長で変形し、衝撃吸収部品は安定に蛇腹状の圧潰変形が生じやすい。
また、衝撃吸収部品を構成する積層金属板の表層3Aおよび3Bの板厚tと、コア層5の板厚tとの板厚比t/tを2.0以上7.0以下にすることにより、座屈波長をより小さくし、衝撃エネルギーの吸収効率を向上させることができる。
また、本発明に係る衝撃吸収部品は、形状を複雑に加工する必要がなく、より単純な形状で衝撃エネルギー吸収効率を向上させることができる。さらに、本発明に係る衝撃吸収部品は、座屈波長をより小さくするために積層金属板の表層およびコア層のヤング率比をさらに低下させる必要がないため、衝撃吸収部品の強度を変更せずに衝撃エネルギー吸収効率を向上させることができる。
さらに、断面形状に断面周長の15.0%未満の開口部を設けることによって、より軽量化ししつ、安定な圧潰変形を生じさせることができる。また、衝撃吸収部品を積層金属板で構成することにより、部材のさらなる軽量化が図れ、当該積層金属板の中心層の変形率を厳密に制御することにより、より安定な蛇腹状の圧潰変形を生じさせることができる。この結果、正面のみならず斜め方向からの衝突に対しても、より安定な蛇腹状の圧潰変形が生じることで、衝撃エネルギーを吸収し、かつ、軽量材から構成されるので部品自体も軽量化できることから、十分な衝撃エネルギー吸収量の確保と燃費向上の両立も可能となる。
以下、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。
<第1の実施例>
(使用した積層金属板の構成と製造方法)
本発明の実施例及び比較例として、表1に示す表層とコア層の構成の積層金属板を製造した。また、表層とコア層との接合は、接着剤[1](基材:エポキシ樹脂、塗布量200g/m、せん断弾性率300MPa)、接着剤[2](変性ポリオレフィンシート、塗布量300g/m、せん断弾性率220MPa)、接着剤[3](基材:ウレタン樹脂、塗布量200g/m、せん断弾性率135MPa)、接着剤[4](基材:ウレタン、軟質材、塗布量200g/m、せん断弾性率30MPa)を使用した。
積層金属板A、Hは、接合材として接着剤[1]を使用し、表層上に接合材、コア層、接合材、表層の順に積層し、180℃まで加温した。次いで、積層した表層、接合材及びコア層を圧着力40kgf/cm(2.92MPa以下)で20分間加熱圧着し、その後、常温まで冷却して、各積層金属板を得た。
また、積層金属板B、D、E、G、I、Kは、接合剤として接着剤[2]を使用し、表層上に接合材、コア層、接合材、表層の順に積層し、240℃、40kgf/cm、1分間加圧することにより、各積層金属板を得た。
また、積層金属板C、Fは、接合剤として接着剤[3]を使用し、積層した表層、接合材及びコア層を80℃まで加熱し、圧着力40kgf/cmで30分間加熱圧着し、その後、常温まで冷却して、各積層金属板を得た。
また、積層金属板Jは、接合剤としてろう材(低温ろう、Sn−Pb系、融点183℃、使用量15g/m、せん断弾性率500MPa超)を使用し、積層した表層、接合材及びコア層を300℃まで加熱し、圧着力40kgf/cmで20分間加熱圧着し、その後、常温まで冷却して、積層金属板を製造した。
また、積層金属板Lは、接合剤として接着剤[4]を使用し、積層した表層、接合材及びコア層を80℃まで加熱し、圧着力40kgf/cmで20分間加熱圧着し、その後、常温まで冷却して、積層金属板を製造した。
積層金属板の表層として用いた金属板は、Alキルド鋼板(降伏応力:400MPa)、Al合金板(降伏応力:150MPa)、純Al板(降伏応力:80MPa)である。
積層金属板のコア層として用いた材料は、金網(線径:0.6mmφ、線材間の隙間:2mm、密度:1.76g/cm)、ポリプロピレン(密度0.94g/cm)、パンチングメタル(角孔、孔径:4mm、間隔(ピッチ):4.5mm、開孔率:79.0%、密度:1.63g/cm)、2倍発泡ポリエチレン(発泡倍率2倍、密度:0.45g/cm)、冷延鋼板(密度:7.8g/cm)、50倍発泡ポリスチレン(発泡倍率50倍、密度:0.021g/cm)である。
また、比較例として、980MPa級の高張力鋼板(板厚:1.0mm)を使用した。
(積層金属板の中心層の変形率の算出方法)
各積層金属板を幅25mm、長さ60mmとなるように切断し、3点曲げ試験サンプルを得た。3点曲げ試験は、ASTM D790に準じて実施した。具体的には、支点間距離50mm、圧子の半径5mm、支持台の半径5mm、試験速度5mm/minで3点曲げを実施した。試験で得られた荷重−変位曲線より、弾性変形域の傾き(Pexp/δexp)を求め、(i)式に代入して、積層金属板の剛性Dexpを算出した。
次に(ii)式より、計算剛性Dcalを算出し、式(iii)に示す積層金属板の中心層の変形率を決定した。
Dexp=(Pexp/δexp)×(L/48)・・・(i)
Dcal=Eb(H −h )/12・・・(ii)
(積層金属板の中心層の変形率)=100×(Dcal−Dexp)/Dcal・・・(iii)
ここで、P:荷重、δ:変位、L:支点間距離、E:表層のヤング率、b:サンプル幅、H:積層金属板の厚み、h:コア層の厚みである。
(実施した衝撃吸収部品の形状作製)
まずは、本発明に係る衝撃吸収部品の効果を検証するために落重試験を行った衝撃吸収部品の形状作製法について説明する。
形状aは、金属板または積層金属板を成形加工し、衝撃吸収部品の断面が図8(イ)のような衝撃吸収部品の半部品を得た。次に、この半部品の端部同士をレーザー溶接にて接合し、図8(ロ)の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状bは、積層金属板を成形加工し、図9の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状cは、積層金属板を成形加工し、衝撃吸収部品の断面が図10(イ)のような衝撃吸収部品の半部品を得た。次に、この半部品の端部同士をレーザー溶接にて接合し、図10(ロ)の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状dは、積層金属板を成形加工し、衝撃吸収部品の断面が図11(イ)のような衝撃吸収部品の半部品を得た。次に、この半部品の端部同士をレーザー溶接にて接合し、図11(ロ)の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状eは、金属板または積層金属板を成形加工し、衝撃吸収部品の断面が図12(イ)のような衝撃吸収部品の半部品を得た。次に、この半部品の端部同士をレーザー溶接にて接合し、図12(ロ)の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状fは、積層金属板を成形加工し、衝撃吸収部品の断面が図13(イ)のような衝撃吸収部品の半部品を得た。次に、この半部品の端部同士をレーザー溶接にて接合し、図13(ロ)の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状gは、積層金属板を成形加工し、衝撃吸収部品の断面が図14(イ)のような衝撃吸収部品の半部品を得た。次に、この半部品の端部同士をレーザー溶接にて接合し、図14(ロ)の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状hは、積層金属板を成形加工し、図15の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状iは、図16(イ)に示すような開口部を付与した積層金属板を成形加工し、衝撃吸収部品の断面が図16(ロ)のような衝撃吸収部品の半部品を得た。次に、この半部品の端部同士をレーザー溶接にて接合し、図7(ロ)、(ハ)のように一部開断面をもつ高さ200mmの衝撃吸収部品(図7(イ))を作製した。
形状jは、積層金属板を成形加工し、衝撃吸収部品の断面が図17(イ)のような衝撃吸収部品の半部品を得た。次に、この半部品の端部同士をレーザー溶接にて接合し、図17(ロ)の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状kは、積層金属板を成形加工し、図18の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
形状lは、積層金属板を成形加工し、衝撃吸収部品の断面が図19(イ)のような衝撃吸収部品の半部品を得た。次に、この半部品の端部同士をレーザー溶接にて接合し、図19(ロ)の断面を有する高さ200mmの衝撃吸収部品を作製した。
次に、本発明の衝撃吸収部品の効果を検証するために実施した落重試験手法を説明する。
衝撃吸収部品を、錘が衝突する衝撃吸収部品の端部とは反対側の端部を冶具にて固定し、120kgの質量の錘を3.5mの高さから自由落下させることより、衝撃吸収部品の衝撃吸収方向に30km/hの速度で衝突させた。
また、斜め荷重を負荷させる場合は、図20に示すように、衝撃吸収部品Sの幅方向が床面FLに対して10°傾くように台に固定し、床面FLに対して鉛直方向の衝撃荷重Pを負荷して、上記と同様の手順で、落重試験を実施した。次に、衝撃吸収部品Sを台上で90°回転させ、衝撃吸収部品Sの奥行き方向が床面FLに対して10°傾くように台に固定し、床面FLに対して鉛直方向の衝撃荷重Pを負荷して、落重試験を実施した。ここで、衝撃吸収部品断面の外郭を四角形としたときのアスペクト比が大きい方を衝撃吸収部品の幅方向、当該アスペクト比が小さい方を衝撃吸収部品の奥行方向とする。また、幅方向から斜め荷重を負荷する条件を斜め荷重負荷条件1とし、奥行き方向から斜め荷重を負荷する条件を斜め荷重負荷条件2とする。
(衝突性能の評価)
落重試験時の荷重−変位曲線より、100mm圧潰までの衝撃エネルギー吸収量Enを算出した。さらに、部品の軽量性を評価するために、部品の質量wで衝撃エネルギー吸収量を除し、単位質量あたりの衝撃エネルギー吸収量(En/w)とし、比較評価した。また、斜め荷重を負荷した場合の衝撃エネルギー吸収量も同様の方法で算出した。
なお、表3、表4の変形形態の欄における「◎」とは、小さな座屈波長で安定に蛇腹状の圧潰変形が発生したことを示し、「△」とは、大きな波長で蛇腹状の圧潰変形が生じたことを示す。また「×」とは、変形初期に生じた大きな座屈波長で変形した部位を起点に部品全体がV字状に折れ曲がる変形が発生したことを示す。ここで、座屈波長の大小は、比較例4の鋼板からなる衝撃吸収部品の座屈波長を基準とし、実施した衝撃吸収部品の座屈波長が、鋼板の座屈波長の2/3未満を小さな波長で圧潰変形したと判断した。
表3に、衝撃吸収部品の衝撃吸収方向に荷重を負荷した場合の落重試験結果を示す。
実施例1〜21の衝撃吸収部品は、En/w>6.9であり、比較例4、9の高張力鋼(板厚1mm、引張強度980MPa)からなる衝撃吸収部品と比較して、高い衝撃エネルギー吸収能を示し、且つ軽量性に優れることが判った。
実施例1、8、17、18は、構成する材料が同じで、形状のみが異なる衝撃吸収部品である。実施例1、8、17、18を比較すると、実施例18のEn/wが最も大きかった。実施例18は溝部が8個ある形状であるため、衝撃エネルギー吸収量が最も増大しやすい。この結果、実施例1、8、17と比較して、En/wは大きくなったと考えられる。
実施例7のEn/wは、表層の材質、厚み、コア層の厚みが等しい構成となる実施例1〜3、5、6と比較して小さいことがわかった。実施例7の積層金属板Gの中心層の変形率が67.7%と大きいことから、中心層がせん断変形することで、積層金属板の剛性が大幅に低下したため、実施例7では、衝撃エネルギー吸収量の低下が生じたと考えられる。
表層の降伏応力のみが異なる実施例11と実施例12を比較した場合、実施例11のEn/wの方が大きかった。実施例12の表層は、降伏応力が80MPaと小さいことから、衝撃エネルギー吸収量が若干小さくなったため、実施例11と比較して小さくなったと考えられる。
衝撃吸収部品の衝撃吸収方向からの衝撃荷重に対して、実施例1〜21は小さな座屈波長で安定に蛇腹状の圧潰変形することが確認できた。
一方、比較例1〜10は、大きな座屈波長で安定に蛇腹状の圧潰変形すること、比較例11、13は、変形途中で折れ曲がる変形が生じることが確認できた。なお、比較例12は、成形後の形状測定時に表層の破断が確認できたので、落重試験を実施しなかった。
比較例1、6は、中心層の変形率が4.2%と小さいことから、中心層がほとんどせん断変形しないため、大きな座屈波長で蛇腹状の圧潰変形が生じたと考えられる。
また、比較例2、7は、中心層の変形率が83.2%と大きいことから、中心層が過剰にせん断変形したため、大きな座屈波長で蛇腹状の圧潰変形が生じたと考えられる。
比較例5は、せん断弾性率が非常に小さい接合材を使用したため、積層金属板の中心層の変形率が非常に大きくなり、大きな座屈波長で蛇腹状の圧潰変形が生じたと考えられる。
また、実施例6と比較例3、及び実施例14と比較例8では、衝撃吸収部品を構成する積層金属板の構成要素のうち、接合材のみ異なるが、圧潰変形時の座屈波長は、大きな差異があることが判明した。比較例3、8では、接合材にろう材を使用した結果、中心層のせん断変形があまり生じなかったため、大きな座屈波長で蛇腹状の圧潰変形が生じたと考えられる。
比較例10は、衝撃吸収部品の断面うち、曲線部が30%未満である。この結果、小さな座屈波長で変形せずに、大きな座屈波長で圧潰変形したと考えられる。
比較例11、13は、衝撃吸収部品の断面のうち、開口部が占める割合は15%以上と大きい。この結果、開口部近傍部位を起点に折れ曲がりが生じ、圧潰変形が得られなかったと考えられる。
表4に、本発明の衝撃吸収部品に斜め荷重を負荷した場合の落重試験結果を示す。
実施例1〜21は、斜め荷重負荷条件1、2のEn/wと、衝撃吸収部品の衝撃吸収方向から衝撃荷重を負荷した場合のEn/wが、ほぼ等しいことが判った。これは、斜め荷重が負荷された場合においても、積層金属板が小さな座屈波長で変形し、安定に蛇腹状の圧潰変形が生じたため、衝撃エネルギー吸収量にほぼ差異がなかったと考えられる。
一方、比較例1〜11、13は、斜め荷重負荷条件1、2のEn/wと衝撃吸収部品の衝撃吸収方向から衝撃荷重を負荷した場合のEn/wには大きな差異があることが判った。比較例1〜11、13では、衝撃吸収部品全体に衝撃荷重が伝搬される前に、初めに衝撃荷重が負荷された部分で、大きな座屈波長で変形したため、この部位を起点とした部品全体での折れ曲がり変形が生じ、この結果、衝撃エネルギー吸収量が大幅に減少したと考えられる。
このように、本発明の衝撃吸収部品は、自動車などで想定される正面方向及び斜め方向からの衝突に対しても、より安定な圧潰変形が生じることで、衝撃エネルギーを吸収し、かつ、軽量材から構成されるので部品自体も軽量化できることから、衝突安全性と燃費向上の両立も可能となる。
<第2の実施例>
(積層金属板の製造)
まず、表5に示す表層、およびコア層を積層接合して、積層金属板を製造した。また、表層とコア層との接合には、表5に示す接合材を用いた。表層上に接合材、コア層、接合材、表層の順に積層し、80℃〜180℃まで加熱し、圧着力40kgf/cm(3.92MPa)で20〜30分間加熱圧着し、その後、常温まで冷却して大気開放し、各実施例および各比較例に係る積層金属板を製造した。
表5において、接着剤1は、基材がエポキシ樹脂の接着剤であり、塗布量200g/m 、180℃加温、圧着力40kgf/cm(3.92MPa)、圧着時間20分間で接合に使用した。また、接着剤2は、基材がウレタン樹脂の接着剤であり、塗布量200g/m、80℃加温、圧着力40kgf/cm(3.92MPa)、圧着時間30分間で接合に使用した。さらに、接着剤3は、接着剤2に弾性ゴムを分散させた接着剤であり、塗布量200g/m、80℃加温、圧着力40kgf/cm(3.92MPa)、圧着時間20分間で接合に使用した。また、ろう付けでは、ろう材(低温ろう材、Sn−Pb系、融点183℃)を使用量15g/mにて使用した。なお、接合材のせん断弾性率は、JIS−K6850に準拠した引張せん断試験により測定した。
また、表5において、コア層として用いたポリプロピレンは、密度が0.94g/cm であり、またコア層として用いた金網の線径は0.6mmφ、線材間の隙間は1.6mmである。さらに、上述したように、Eはコア層のヤング率であり、Eは表層のヤング率であり、tはコア層の板厚であり、tは表層の板厚である。
(衝突性能評価試験)
次に、上記で製造した各実施例および各比較例に係る積層金属板で構成された衝撃吸収部品の衝突性能評価を行った。具体的には、表5で示した構成の各実施例および各比較例に係る積層金属板を使用して、プレスブレーキによる曲げ加工にて成形し、図21に示す長さ200mmのハット型形状の衝撃吸収部品を製造した。図21は、本発明の実施例に係る衝撃吸収部品の形状を示した説明図であり、図21の(A)は衝撃吸収方向である稜線方向に垂直な断面で切断した断面図であり、図21の(B)は斜視図である。
製造した衝撃吸収部品の衝突性能評価は落重試験により行った。具体的には、製造した衝撃吸収部品を稜線方向が衝撃吸収方向となるように配置し、錘が衝突する端部と反対側の端部を治具にて固定した。その後、120kgの質量の錘を3.5mの高さから自由落下させることにより、衝撃吸収部品の衝突端側に対して30km/hの速度で衝突させた。
上記の落重試験における荷重−変位曲線から、100mm圧潰までの衝撃エネルギー吸収量を算出した。衝撃エネルギー吸収量は、衝撃吸収部品の軽量性を評価するために、部品の質量で衝撃エネルギー吸収量を除算し、単位質量あたりの衝撃エネルギー吸収量とした。
さらに、落重試験時の荷重−変位曲線から平均座屈波長を算出した。具体的には、荷重が上下する周期ごとに、荷重が極小になった変位を測定し、直前に荷重が極小になった変位から、次に荷重が極小になった変位を引くことで周期単位の座屈波長を算出した。同様の方法で各周期における座屈波長を算出し、算術平均を取ることで平均座屈波長を算出した。上記で算出した単位質量あたりの衝撃エネルギー吸収量および平均座屈波長の評価結果を表6に示す。
なお、表6において、座屈形態の欄の「◎」とは、安定した蛇腹状の圧潰変形が発生したことを示し、「△」とは、部品全体で発生した圧潰変形のうち、一部で座屈波長が大きい部位が発生したことを示す。また「×」とは、変形初期に生じた1回目の座屈部位を起点に部品全体が‘くの字’に折れ曲がる変形が発生したことを示す。
表6を参照すると、本発明の実施例22〜30に係る衝撃吸収部品は、比較例14〜16に係る衝撃吸収部品に対して、平均座屈波長が小さくなり、単位質量あたりの衝撃エネルギー吸収量が増加していることがわかる。具体的には、比較例14および15は、t/tが2.0未満であるため、平均座屈波長が大きくなり、衝撃エネルギー吸収量が減少していることがわかる。また、比較例16は、t/tは、本発明の範囲に含まれるものの、コア層のヤング率と、表層のヤング率とが同じであるため、単一材料で構成された衝撃吸収部品と実質的に同様の座屈変形の挙動を示し、平均座屈波長が大きくなり、衝撃エネルギー吸収量が減少していることがわかる。
また、実施例23、24、26〜30は、t/tが本発明の一実施形態における好ましい範囲内に含まれるために、平均座屈波長がより小さくなり、単位質量あたりの衝撃エネルギー吸収量がさらに増加していることがわかる。一方、実施例22は、t/tが3.5未満であるため、実施例23、24、26〜30よりも平均座屈波長が大きくなっている。また、実施例25は、t/tが5.0を超えているため、座屈形態が「△」になっている。
また、実施例22〜28、30は、接合層のせん断弾性率が本発明の一実施形態における好ましい範囲内に含まれているため、平均座屈波長がより小さくなっていることがわかる。一方、実施例29は、接合層のせん断弾性率が500MPaを超えているため、他の条件が同じである実施例26に対して、平均座屈波長が大きくなり、衝撃エネルギー吸収量が減少している。
また、実施例22〜29は、コア層および表層のヤング率比E/Eが本発明の一実施形態における好ましい範囲内に含まれているため、単位質量あたりの衝撃エネルギー吸収量がより増加していることができることがわかる。一方、実施例30は、コア層および表層のヤング率比E/Eが1×10−3未満であるため、他の条件が同じである実施例26に対して、衝撃エネルギー吸収量が減少している。
さらに、実施例24、比較例14および15に係る積層金属板について、シミュレーションにて、表層とコア層のヤング率比E/Eを変更しながら、表層とコア層のヤング率比E/Eに対する平均座屈波長の変化を評価した。シミュレーションは、非線形解析プログラムであるMarcを用い、座屈固有値解析を実施した。その評価結果を図22に示す。ここで、図22は、実施例24、比較例14および15に係る衝撃吸収部品において、E/Eに対する平均座屈波長を示したグラフ図である。図22において、縦軸は平均座屈波長であり、横軸はE/Eの常用対数である。
図22に示すように、実施例24(総厚2.0mm、t/t=4.3)は、いずれの表層およびコア層のヤング率比E/Eにおいても、比較例1(総厚1.0mm、t/t=1.1)および比較例15(総厚1.8mm、t/t=1.1)に対して、平均座屈波長が小さくなることがわかる。すなわち、実施例24は、t/tが本発明の一実施形態の範囲内に含まれるために、表層およびコア層のヤング率比E/Eに関わらず、比較例14および15に対して平均座屈波長を小さくすることができることがわかる。
また、実施例24および比較例15の曲げ剛性は、9.6×10N・cmであり、比較例14の曲げ剛性は、1.7×10N・cmである。すなわち、実施例24は、比較例15に対して、積層金属板の強度(具体的には、曲げ剛性)を低下させずに平均座屈波長を小さくすることができる。
さらに、図22を参照すると、実施例24は、比較例14および15に対して、特に、表層およびコア層のヤング率比E/Eが1×10−3以上1×10−1以下の範囲において、より平均座屈波長を小さくすることができる。具体的には、表層およびコア層のヤング率比E/Eが1×10−1を超える場合は、平均座屈波長の減少量が小さいため好ましくない。また、表層およびコア層のヤング率比E/Eが1×10−3未満の場合は、Eの低下により座屈変形時の平均荷重Wが低下し、衝撃エネルギーの吸収効率が低下するため好ましくない。
(衝撃吸収部品の形状に対する衝突性能評価試験)
次に、上記と同様にMarcを用いたシミュレーションにて、稜線間距離Lをそれぞれ50mm、65mm、80mmとしたハット型形状部材における表層とコア層のヤング率比E/Eに対する平均座屈波長の変化を評価した。その評価結果を図23に示す。ここで、図23は、衝撃吸収部品の形状に対する平均座屈波長を示したグラフ図である。図23において、縦軸は平均座屈波長であり、横軸はE/Eの常用対数である。
図23を参照すると、衝撃吸収部品の稜線間距離Lが50mm以上80mm以下である場合に、本発明の一実施形態において好ましいヤング率比E/Eの範囲である1×10−3以上1×10−1以下にて、より顕著に平均座屈波長が低下していることがわかる。一方、稜線間距離Lが80mmを超える場合、座屈波長が大きくなり、かつ安定して蛇腹状の軸圧潰変形が生じにくくなるため、好ましくない。また、稜線間距離Lが50mm未満の場合は、衝撃吸収部品の形状が複雑になり、形状制約を受けるため好ましくない。
以上の結果からわかるように、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品によれば、コア層の両面にコア層よりヤング率が大きい金属板からなる表層を接合積層し、表層の板厚t と、コア層の板厚tとの板厚比t/tを2.0以上7.0以下にした積層金属板で構成することによって、座屈波長を小さくし、衝撃エネルギーの吸収効率を向上させることができる。
また、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品によれば、衝撃吸収部品の形状を複雑に加工せずとも座屈波長を小さくすることができるため、衝撃吸収部品の形状をより単純化することができる。さらに、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品は、座屈波長をより小さくするために、積層金属板の表層とコア層とのヤング率比をさらに低下させる必要がないため、衝撃吸収部品の強度を低下させずに衝撃エネルギーの吸収効率を向上させることができる。
さらに、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品は、従来の衝撃吸収部品に対して、ヤング率が小さく、かつ比較的密度が小さいコア層の割合が大きい積層金属板で構成されるため、より軽量化を図ることができる。したがって、本発明の一実施形態に係る衝撃吸収部品は、より軽量化を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、普通自動車のみならず、軽自動車、トラックおよびバスなどの大型車を含む自動車全般、電車等の輸送機関の衝撃吸収部品として好適に使用することができる。

Claims (9)

  1. 部品の衝撃吸収方向の一方の端部に衝撃荷重を負荷された際に、衝撃エネルギーを吸収する衝撃吸収部品であって、
    コア層の両面に金属板からなる表層が接合積層された積層金属板を成形加工して構成され、
    前記積層金属板において、前記表層を除いた中心層の変形率は、下記式(101)により定義され、
    前記中心層の変形率が7.0%以上75.0%以下であ
    衝撃吸収方向に垂直な任意の断面の形状が、最小曲率半径が7.0mm以上の曲線部を有し、当該断面の周長のうち前記曲線部が30.0%以上であり、
    さらに、前記断面の形状が、閉構造、もしくは断面周長の15.0%未満の開口部を有することを特徴とする衝撃吸収部品。
    積層金属板の中心層の変形率=100×(Dcal−Dexp)/Dcal ・・・(101)
    Dcal=Eb(H −h )/12 ・・・(102)
    ここで、Dcal:前記式(102)により算出される前記積層金属板の計算剛性、Dexp:前記積層金属板の曲げ剛性の実測値、E:前記表層のヤング率、b:前記積層金属板のサンプル幅、H:前記積層金属板の厚み、h:前記コア層の厚み、である。
  2. 前記表層は前記コア層よりヤング率が大きい金属板からなり、
    前記表層の板厚tと、前記コア層の板厚tとの板厚比t/tが2.0以上7.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収部品。
  3. 前記表層は前記コア層よりヤング率が大きい金属板からなり、
    前記表層の板厚tと、前記コア層の板厚tとの板厚比t/tが3.5以上5.0以下であることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収部品。
  4. 前記表層のヤング率Eと、前記コア層のヤング率Eとのヤング率比E/Eが1×10−3以上1×10−1以下であることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収部品。
  5. 前記中心層の変形率が7.0%以上50.0%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収部品。
  6. 衝撃吸収方向に垂直な断面に、曲率半径が7.0mm以上15mm以下の曲線で構成される、前記断面の中心側に凹んだ曲線部である溝部を4個以上有することを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収部品。
  7. 前記表層の降伏応力は、100MPa以上1000MPa以下であることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収部品。
  8. 前記コア層の密度ρは、表層の密度ρに対して、ρ/ρが1/300以上1/2以下であることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収部品。
  9. 前記積層金属板は、前記表層および前記コア層の間に接合層をさらに備え、前記接合層のせん断弾性率が50MPa以上500MPa以下であることを特徴とする、請求項1に記載の衝撃吸収部品。
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