JP6156480B2 - 膜カセット及び膜ユニット - Google Patents
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Description
本発明は板状の膜エレメントを収容するカセットにおける膜エレメントの配置構造に関する。
下水処理や産業排水処理において固液分離手段として適用されている膜分離装置は、排水に含まれる汚濁物質を生物処理若しくは凝集処理した後に固形物質と水成分とに固液分離する装置であって、生物処理槽内若しくは凝集処理槽内の液相に浸漬される。
膜分離装置としては、例えば特許文献1,2に開示された膜ユニットが知られている。この膜ユニットは平板状のセラミックフィルタから成る膜エレメントが複数所定間隔に配置された構成となっている。そして、この膜エレメントは枠体から引き出し可能に当該枠体の案内溝に装着されている。
前記複数の膜エレメントは、膜ユニットの集水管,フレキシブル管,コネクタのいずれかまたは組合せを介して接続されているので、メンテナンス時に膜エレメントを装着脱する際、フレキシブル管やコネクタの脱着作業に多くの時間を要する。また、膜ユニットの設置規模によっては膜エレメントの装着枚数は数千から数万となるので維持管理に相当な手間を要する。さらに、膜エレメントの着脱作業時にはフィルタ本体を損傷または破損させないように慎重な取り扱いを要する。
これに対して、特許文献3に開示された膜分離装置は、中空糸膜を束ねた膜エレメントの集水部を固定枠から取り外し可能に当該膜エレメントを当該固定枠に備える。前記膜エレメントの集水部と前記固定枠の集水部とは継ぎ手によって接続可能となっている。このように、可撓性のある中空糸膜の場合には膜の動きを制限する目的で膜エレメントの両端の集水部によって中空糸膜を保持する必要があるが、中空糸膜はその可撓性のために両端の集水部間の距離(取り付け寸法)がある程度の自由度や誤差が許容される。
しかしながら、膜エレメントがプラスチックやセラミックなどの有機素材,無機素材からなる非収縮性,非可撓性などの場合には、取り付けピッチに合わせて膜エレメントの寸法や当該膜エレメントの集水部の固定寸法などの製作精度が要求されることとなる。したがって、膜エレメントとこれを備える膜ユニットの製造コストの上昇に繋がる。
特許文献4に開示された膜分離装置の膜エレメントは、平板状のセラミックフィルタと、このセラミックフィルタの端部が装着されるマウントを備えた集水部とを備える。前記集水部は前記セラミックフィルタの両端に装着されるので、この集水部とセラミックフィルタの接続寸法の精度が必要となり、特許文献3の膜分離装置と同じ課題を抱える。すなわち、膜エレメントを収容する枠体に対する膜エレメントの取り付け寸法に対応して膜エレメント、集水部の製作精度が要求されるので、膜カセット,膜ユニットの製造コストの上昇に繋がる。
本発明は、上記の事情に鑑み、膜分離装置の製造コストの低減とメンテナンス性の向上を図ることを課題とする。
そこで、本発明の膜エレメントの配置構造は、固液分離処理に供される濾過本体部とこの濾過本体部の一端部から固液分離処理水を集水する集水部と当該濾過本体部の他端部を封止する封止部とを備えた複数の膜エレメントと、この複数の膜エレメントの集水部が接続される集水部受けと、前記複数の膜エレメントが並列するように当該複数の膜エレメントの封止部が配置される封止部受けとを有する。
本発明の膜カセットの態様としては、複数の膜エレメントを備えた膜カセットであって、固液分離処理に供される濾過本体部とこの濾過本体部の一端部から固液分離処理水を集水する集水部と当該濾過本体部の他端部を封止する封止部とを備えた複数の膜エレメントと、この複数の膜エレメントの集水部が接続される集水部受けと、前記複数の膜エレメントが並列するように当該複数の膜エレメントの封止部が配置される封止部受けとを備える。
本発明の膜ユニットの態様としては、前記膜カセットを積層した膜ユニットである。
以上の本発明によれば膜分離装置の製造コストが低減すると共にメンテナンス性が向上する。
以下に図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
[第一実施形態]
図1に例示された本実施形態の膜カセット1は、固液分離処理に供される被処理水に浸漬される膜カセットである。膜カセット1は、複数の膜エレメント2と、この複数の膜エレメント2のヘッダー(集水部)22が接続されるヘッダー受け3と、当該複数の膜エレメント2が並列するようにこの複数の膜エレメント2のフッター(封止部)23が配置されるフッター受け4を備える。また、膜カセット1は、ヘッダー受け3とフッター受け4とに取り付けられる一対のサイドカバー(覆い部)5と、前記複数の膜エレメント2のヘッダー22若しくはフッター23を押さえつけた状態で当該一対のサイドカバー5に取り付けられる押さえ部材6を備える。
図1に例示された本実施形態の膜カセット1は、固液分離処理に供される被処理水に浸漬される膜カセットである。膜カセット1は、複数の膜エレメント2と、この複数の膜エレメント2のヘッダー(集水部)22が接続されるヘッダー受け3と、当該複数の膜エレメント2が並列するようにこの複数の膜エレメント2のフッター(封止部)23が配置されるフッター受け4を備える。また、膜カセット1は、ヘッダー受け3とフッター受け4とに取り付けられる一対のサイドカバー(覆い部)5と、前記複数の膜エレメント2のヘッダー22若しくはフッター23を押さえつけた状態で当該一対のサイドカバー5に取り付けられる押さえ部材6を備える。
(膜エレメント2の態様例)
膜エレメント2は、固液分離処理に供される濾過本体部21と、この濾過本体部21の一端部から固液分離処理水を集水するヘッダー22と、濾過本体部21の他端部を封止するフッター23とを備える。また、ヘッダー22の一端部には、ヘッダー受け3に嵌装される処理水取出部24が備えられている。
膜エレメント2は、固液分離処理に供される濾過本体部21と、この濾過本体部21の一端部から固液分離処理水を集水するヘッダー22と、濾過本体部21の他端部を封止するフッター23とを備える。また、ヘッダー22の一端部には、ヘッダー受け3に嵌装される処理水取出部24が備えられている。
濾過本体部21は、平板状の濾過部材から成る。この濾過部材の内部には固液分離処理水を流通させる空間として流通路または流通間隙が形成されている。濾過部材の具体的な態様としては、通水性の平板状の支持体に濾過膜が形成されたものが挙げられるが、濾過機能を有していればよいので、特定の態様に限定しない。
濾過本体部21,ヘッダー22,フッター23及び処理水取出部24の構成材料としては、固液分離技術に適用されている金属,セラミック等に例示される周知の無機材料または高分子樹脂等に例示される周知の有機材料が挙げられる。尚、前記構成材料は、濾過本体部21,ヘッダー22,フッター23及び処理水取出部24が膜カセット1として組み込まれた際に濾過本体部21の洗浄のための気液混合流によって破損しない程度の強度を有していればよいので、特に限定しない。
ヘッダー22,フッター23は接着、溶着若しくはモールド形態により濾過本体部21の一端部,他端部に各々液密的に固定される。例えば、濾過本体部21にヘッダー22,フッター23をモールド形態によって固定したものとしては、特許文献5に開示された濾過膜モジュールが挙げられる。
(ヘッダー受け3の態様例)
ヘッダー受け3は、複数の膜エレメント2のヘッダー22が接続される直方体形状の集水本体部31と、この集水本体部31を水平支持する一方で集水本体部31の一端部,他端部と対向してサイドカバー5が一対に取り付けられる支持部32とを備える。
ヘッダー受け3は、複数の膜エレメント2のヘッダー22が接続される直方体形状の集水本体部31と、この集水本体部31を水平支持する一方で集水本体部31の一端部,他端部と対向してサイドカバー5が一対に取り付けられる支持部32とを備える。
集水本体部31には、膜エレメント2の処理水取出部24が嵌装される嵌装穴33が集水本体部31の長手方向に沿って等間隔に複数形成されている。集水本体部31の内部には、個々の嵌装穴33と連通する集水路34が集水本体部31の長手方向に沿って形成されている。
また、集水本体部31の長手側面部には、個々の膜エレメント2のヘッダー22から集水路34内に集めた固液分離処理水を系外に移送する集水管35が立設されている。この集水管35の通水路350は通水孔352を介して集水本体部31の集水路34と連通している。
集水本体部31の構成材料としてはポリ塩化ビニル樹脂が例示されるが、この材料に限定することなく、膜カセット1の使用環境に応じて強度や耐薬品性の周知の鋼材、樹脂性の部材が適宜選択して適用される。
支持部32は、ステンレス鋼(例えば、SUS304)等の鋼材から成る鋼板の曲げ加工によって形成される。そして、この支持部32には、集水本体部31を支持部32に固定するボルト等の締結具36が取り付けられる固定孔37が形成されている。尚、固定孔37は高さ方向に沿う長孔に形成されると、集水本体部31の配置が高さ方向に任意に調整可能となる。
(フッター受け4の態様例)
フッター受け4には、複数の膜エレメント2のフッター23が配置される直方体形状の受け本体部41と、この受け本体部41を水平支持する一方で受け本体部41の一端部,他端部と対向してサイドカバー5が一対に取り付けられる支持部42とを備える。
フッター受け4には、複数の膜エレメント2のフッター23が配置される直方体形状の受け本体部41と、この受け本体部41を水平支持する一方で受け本体部41の一端部,他端部と対向してサイドカバー5が一対に取り付けられる支持部42とを備える。
受け本体部41には、複数の膜エレメント2が並列するように膜エレメント2のフッター23が載置される溝43が複数等間隔に形成されている。溝43の長さは、個々の膜エレメント2の長さに個体差がある場合でもフッター23が溝43に載置できる程度の長さが確保される。例えば、図4に示したように、溝43の長さLは、濾過本体部21の横方向に沿うフッター23の外径Dよりも長く設定される。
受け本体部41の構成材料としてはポリ塩化ビニル樹脂が例示されるが、この材料に限定することなく、集水本体部31と同様に膜カセット1の使用環境に応じて強度や耐薬品性の周知の鋼材、樹脂性の部材が適宜選択して適用される。
支持部42は、支持部32と同様にステンレス鋼(例えばSUS304)等の鋼材から成る鋼板の曲げ加工によって形成される。また、支持部42には、受け本体部41がこの両者の部材の材料に応じて締結具または接着若しくは溶接によって固定される。さらに、支持部42には、サイドカバー5を支持部42に固定するボルト,ナット等の締結具52が取り付けられる固定孔44が形成されている。
また、図1(b)に示したように、支持部42には、受け本体部41を支持部42に固定するボルト等の締結具45が取り付けられる固定孔46が形成されている。尚、固定孔46は高さ方向に沿う長孔に形成されると、受け本体部41の配置が高さ方向に任意に調整可能となる。
(サイドカバー5の態様例)
サイドカバー5は、複数の膜エレメント2のうちで最も外側に配置された双方の膜エレメント2と各々並列にヘッダー受け3とフッター受け4とに取り付けられる。
サイドカバー5は、複数の膜エレメント2のうちで最も外側に配置された双方の膜エレメント2と各々並列にヘッダー受け3とフッター受け4とに取り付けられる。
サイドカバー5は、例えば、ステンレス鋼(例えば、SUS304)等の長板状の鋼材から成る。また、サイドカバー5には、このサイドカバー5をヘッダー受け3,フッター受け4,押さえ部材6に固定させる締結具52が挿通される固定孔51が形成されている。
尚、固定孔51は高さ方向に沿う長孔に形成されると、サイドカバー5の配置が高さ方向に任意に調整可能となる。また、押さえ部材6により膜エレメント2のヘッダー22またはフッター23を押さえつける力を調整できる。
(押さえ部材6の態様例)
押さえ部材6は、膜エレメント2のヘッダー22若しくはフッター23の上端部を押さえつける押さえ本体部61と、サイドカバー5が一対に取り付けられる取り付け部62とを一体的に備える。
押さえ部材6は、膜エレメント2のヘッダー22若しくはフッター23の上端部を押さえつける押さえ本体部61と、サイドカバー5が一対に取り付けられる取り付け部62とを一体的に備える。
押さえ本体部61には、複数の膜エレメント2が並列するように膜エレメント2のヘッダー22,フッター23の上端部を押さえつける溝63が複数等間隔に形成されている。
溝63の長さは、個々の膜エレメント2の長さに個体差がある場合でもヘッダー22,フッター23を溝63にて押さえつけが可能となる程度の長さが確保されている。例えば、図5,6に示したように、溝63の長さLは、濾過本体部21の横方向に沿うヘッダー22,フッター23の外径Dよりも長く設定される。
押さえ本体部61の構成材料としてはポリ塩化ビニル樹脂が例示されるが、この材料に限定することなく、膜カセット1の使用環境に応じて強度や耐薬品性の周知の鋼材、樹脂性の部材が適宜選択して適用される。
押さえ本体部61は、部材の材料に応じて締結具または接着若しくは溶接によって取り付け部62に固定される。
取り付け部62には、この取り付け部62をサイドカバー5に固定する締結具52が取り付けられる固定孔64が形成されている。固定孔64は高さ方向に沿う長孔に形成されると、押さえ部材6の配置が高さ方向に任意に調整可能となる。また、押さえ部材6により膜エレメント2のヘッダー22またはフッター23を押さえつける力を調整できる。
(止水部材7の態様例)
ヘッダー22とヘッダー受け3との間には、この両者間を液密に封止する止水部材7が配置される。止水部材7は、ヘッダー受け3の集水本体部31上に配置される止水長板部71と、この止水長板部71を液密に貫通したヘッダー22の処理水取出部24を嵌装穴33に液密に嵌装させる止水円筒部72とを一体的に備える。止水円筒部72はヘッダー受け3に接続される膜エレメント2の数に対応して止水長板部71に具備される。
ヘッダー22とヘッダー受け3との間には、この両者間を液密に封止する止水部材7が配置される。止水部材7は、ヘッダー受け3の集水本体部31上に配置される止水長板部71と、この止水長板部71を液密に貫通したヘッダー22の処理水取出部24を嵌装穴33に液密に嵌装させる止水円筒部72とを一体的に備える。止水円筒部72はヘッダー受け3に接続される膜エレメント2の数に対応して止水長板部71に具備される。
止水部材7の構成材料としては、膜カセット1の使用環境に応じて止水性の周知の弾性部材が適宜選択されて適用される。例えば、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、EPM(エチレンプロピレンゴム)、ポリテトラフルオロエチレン、フッ素系ゴム、シリコーン系ゴム等から適宜選択される。
尚、止水部材7は、必ずしも止水円筒部72を備える必要はなく、要求される液密性に応じて止水円筒部72の有無が選択される。
(膜カセット1の組立手順例)
膜カセット1の組立手順の具定例1,2について説明する。
膜カセット1の組立手順の具定例1,2について説明する。
(具体例1)予め、図3に示したようにヘッダー受け3の集水本体部31における個々の嵌装穴33に止水部材7の止水円筒部72が各々嵌装される。次いで、膜エレメント2のヘッダー22の処理水取出部24が集水本体部31上の止水部材7の止水円筒部72に挿入される。また、図4に示したように膜エレメント2が他の膜エレメント2と並列するように膜エレメント2のフッター23がフッター受け4の溝43に載置される。次いで、図3,4に示したようにサイドカバー5が締結具52によってヘッダー受け3,フッター受け4に一対に固定される。そして、このサイドカバー5間にて仮配置された個々の膜エレメント2のヘッダー22,フッター23の上端部が図5,6に示した押さえ部材6によって押さえられた状態で、押さえ部材6が締結具52によって双方のサイドカバー5に固定される。以上のように膜カセット1の組立が完了する。
(具体例2)予め、図3に示したようにヘッダー受け3の集水本体部31における個々の嵌装穴33に止水部材7の止水円筒部72が各々嵌装される。次いで、図3,4に示したようにサイドカバー5が締結具52によってヘッダー受け3,フッター受け4に一対に固定される。次いで、図3に示したように膜エレメント2のヘッダー22の処理水取出部24が集水本体部31上の止水部材7の止水円筒部72に挿入される。また、図4に示したように膜エレメント2が他の膜エレメント2と並列するように膜エレメント2のフッター23がフッター受け4の溝43に載置される。そして、このサイドカバー5間にて仮配置された個々の膜エレメント2のヘッダー22,フッター23の上端部が図5,6に示された押さえ部材6によって押さえられた状態で、押さえ部材6が締結具52によって双方のサイドカバー5に固定される。以上のように膜カセット1の組立が完了する。
(本実施形態の効果)
本実施態様によれば、膜カセット1を組み立てる際に膜エレメント2のヘッダー22をヘッダー受け3の集水本体部31に接続させる一方で膜エレメント2のフッター23をフッター受け4の溝43に載置すればよいので、膜カセット1の組立作業が容易となる。したがって、膜エレメント2を備えた膜分離装置の製造コストが低減すると共にメンテナンス性が向上する。
本実施態様によれば、膜カセット1を組み立てる際に膜エレメント2のヘッダー22をヘッダー受け3の集水本体部31に接続させる一方で膜エレメント2のフッター23をフッター受け4の溝43に載置すればよいので、膜カセット1の組立作業が容易となる。したがって、膜エレメント2を備えた膜分離装置の製造コストが低減すると共にメンテナンス性が向上する。
特に、ヘッダー22の処理水取出部24がヘッダー受け3の嵌装穴33に挿入されると、膜エレメント2の位置決めがなされるので、膜カセット1の組立作業がさらに容易となる。
また、フッター受け4には、膜エレメント2のフッター23が載置される溝43が形成されているので、前記位置決めの精度が高まり、膜カセット1の組立作業効率がさらに向上する。
さらに、ヘッダー22とヘッダー受け3との間に止水部材7を介在させたことにより、ヘッダー受け3上のヘッダー22の振動などの動きが抑制される。したがって、ヘッダー22とヘッダー受け3との間の液密性が向上すると共にヘッダー22の下端部が受ける繰り返し荷重が低減し、ヘッダー22と集水本体部31の材料疲労が軽減するので、材料疲労よる破損を防止できる。
そして、前記複数の膜エレメント2のうち最も外側の双方の膜エレメント2に対してサイドカバー5が一対に並列配置されたことにより、双方の膜エレメント2が保護されると共にこの両者の膜エレメント2に対して上昇気液混合流が無駄なく供給される。
また、サイドカバー5に対しては膜エレメント2のヘッダー22並びにフッター23の上端部を押さえた状態で押さえ部材6が取り付け固定されるので、前記複数の膜エレメント2がヘッダー受け3及びフッター受け4上に一層安定的に支持される。
さらに、押さえ部材6を取り外せば、膜カセット1の上方から膜エレメント2を引き出すことが可能となるので、例えば、メンテナンス時に膜カセット1が被処理水に浸漬された状態であっても膜カセット1から任意の膜エレメント2を取り出すことができる。
そして、フッター受け4の溝43の長さLがヘッダー22の外径Dよりも長いので、膜エレメント2の長さに個体差がある場合でも、全ての膜エレメント2のフッター23をそのフッター受け4の溝43に載置できる。また、膜エレメント2の濾過本体部21がプラスチックやセラミック等の有機素材若しくは無機素材からなる非収縮性、非可撓性等の場合でも、膜エレメント2の製造上の自由度が増し、例えば、膜エレメント2の寸法誤差の許容範囲が拡充する。よって、膜カセット1並びに膜エレメント2の製造コストの低減を図ることができる。
さらに、押さえ部材6の溝63の長さLがヘッダー22,フッター23の外径Dよりも長いので、上述のフッター受け4の溝43の効果に加えて、全ての膜エレメント2のヘッダー22,フッター23を押圧支持できる。
[第二実施形態]
本発明の他の実施態様としては例えば図2に示した膜ユニット11が挙げられる。
本発明の他の実施態様としては例えば図2に示した膜ユニット11が挙げられる。
膜ユニット11は、固液分離処理に供される被処理水に浸漬される膜ユニットであって、膜カセット1を積層したカセット積層部12と、このカセット積層部12内の膜カセット1に空気を供給する散気部13とから成る。
図2に例示された膜ユニット11においては、2つのカセット積層部12が並列に配置されている。尚、膜ユニット11におけるカセット積層部12の設置数及び膜カセット1の積層数は、図2に例示された態様に限定することなく、被処理水の処理量に応じて適宜に設定される。
(カセット積層部12の態様例)
カセット積層部12は、複数の膜カセット1を高さ方向に積層配置して成る。一つの膜カセット1の集水管35はその上下に配置された他の膜カセット1の集水管35とフランジ部351を介して連結される。
カセット積層部12は、複数の膜カセット1を高さ方向に積層配置して成る。一つの膜カセット1の集水管35はその上下に配置された他の膜カセット1の集水管35とフランジ部351を介して連結される。
また、最下位に配置された膜カセット1における集水管35の下端側のフランジ部351は、密閉蓋38によって密閉される。一方、最上位に配置された膜カセット1における集水管35の上端側のフランジ部351には、集水管35の通水路350内に導入された固液分離処理水を系外に移送する移送管14のフランジ部141が接続される。
カセット積層部12は、引き上げ部材15によって他のカセット積層部12と共に引き上げ可能に支持架台16上に立設支持されている。尚、支持架台16は膜ユニット11が設置される水槽の底部に配置固定されている。
(散気部13の態様例)
散気部13は、排水処理技術に適用されている周知の散気装置の態様を採ればよい。
散気部13は、排水処理技術に適用されている周知の散気装置の態様を採ればよい。
散気部13は、系外のブロアーから空気が供給される供給管131に接続されて膜ユニット11の幅方向に沿うヘッダー管132と、このヘッダー管132に接続されてカセット積層部12の真下にて膜エレメント2の長さ方向に沿う複数の散気管133とを備える。
散気部13の構成材料としては、ステンレス鋼(例えば、SUS304)等の鋼材が例示されるが、受け本体部41と同様に当該材料に限定されることなく、膜ユニット11の使用環境に応じて強度や耐薬品性の周知の鋼材、樹脂性の部材が適宜選択して適用される。
(膜ユニット11の組立手順例)
図2を参照しながら膜ユニット11の組立手順の一例について説明する。
図2を参照しながら膜ユニット11の組立手順の一例について説明する。
先ず、一つの膜カセット1における集水管35の上端側のフランジ部351と他の膜カセット1における集水管35の下端側のフランジ部351とが止水部材(例えば、パッキン)を介して締結具(例えば、ボルト,ナット)によって連結される。次いで、積層された膜カセット1における上下のサイドカバー5が図示省略の連結部材(例えば、連結プレート)によって連結される。以上の組立作業が膜カセット1の積層数に応じて繰り返し行われることにより、図2に例示したように3つの膜カセット1を積層させたカセット積層部12が2つ並列に支持架台16上に設置される。そして、最下位に配置された膜カセット1における集水管35の下端側のフランジ部351は密閉蓋38によって密閉される。
尚、図示の膜ユニット11において、膜カセット1はヘッダー受け3,フッター受け4が下方に配置されるように積層されているが、この態様に限定することなく、ヘッダー受け3,フッター受け4が上方に配置されるように膜カセット1を積層させてもよい。
(本実施形態の効果)
従来の膜ユニットは膜エレメントに不具合が生じた際に膜ユニットから膜エレメントを直接取り出して膜エレメントを新たに交換する作業が必要であるが、この交換作業の過程で新たな膜エレメントを破損若しくは落下させることがある。または、既存の他の膜エレメントと接触し、この他の膜エレメントをも破損させる可能性もある。
従来の膜ユニットは膜エレメントに不具合が生じた際に膜ユニットから膜エレメントを直接取り出して膜エレメントを新たに交換する作業が必要であるが、この交換作業の過程で新たな膜エレメントを破損若しくは落下させることがある。または、既存の他の膜エレメントと接触し、この他の膜エレメントをも破損させる可能性もある。
これに対して、膜ユニット11は膜カセット1を備えており、膜エレメント2は膜カセット1のサイドカバー5によって遮蔽されて膜エレメント2が露出することがない。したがって、第一実施形態の効果に加えて、膜ユニット11のメンテナンスの過程で膜エレメント2の破損若しくは落下を防止できる。
また、膜ユニット11において、膜カセット1は個々に取り外しが可能であるので、処理水量に応じて膜カセット1の積層数を任意に変更可能となる。さらに、故障のおそれがある膜エレメント2を有する膜カセット1のみを交換できる。したがって、膜ユニットのメンテナンス性が向上する。
1…膜カセット
2…膜エレメント、21…濾過本体部、22…ヘッダー(集水部)、23…フッター(封止部)、24…処理水取出部
3…ヘッダー受け(集水部受け)
4…フッター受け(封止部受け)、43…溝
5…サイドカバー(覆い部)
6…押さえ部材、63…溝
7…止水部材
11…膜ユニット
12…カセット積層部
13…散気部
D…濾過本体部21の横方向に沿うヘッダー22,フッター23の外径
L…溝43,63の長さ
2…膜エレメント、21…濾過本体部、22…ヘッダー(集水部)、23…フッター(封止部)、24…処理水取出部
3…ヘッダー受け(集水部受け)
4…フッター受け(封止部受け)、43…溝
5…サイドカバー(覆い部)
6…押さえ部材、63…溝
7…止水部材
11…膜ユニット
12…カセット積層部
13…散気部
D…濾過本体部21の横方向に沿うヘッダー22,フッター23の外径
L…溝43,63の長さ
Claims (6)
- 複数の膜エレメントを備えた膜カセットであって、
固液分離処理に供される濾過本体部とこの濾過本体部の一端部から固液分離処理水を集水する集水部と当該濾過本体部の他端部を封止する封止部とを備えた複数の膜エレメントと、
この複数の膜エレメントの集水部が接続される集水部受けと、
前記複数の膜エレメントが並列するように当該複数の膜エレメントの封止部が配置される封止部受けと、
前記複数の膜エレメントのうち最も外側に配置された双方の膜エレメントと並列に前記集水部受けと前記封止部受けとに取り付けられる一対の覆い部と、
前記複数の膜エレメントの集水部若しくは封止部の上端部を押さえつけた状態で前記一対の覆い部に取り付け可能な押さえ部材と
を備え、
前記集水部受けは、複数の前記膜エレメントの集水部が接続される直方体形状の集水本体部を備え、
この集水本体部の長手側面部には、個々の前記膜エレメントの集水部から当該集水本体部の集水路内に集めた固液分離処理水を系外に移送する集水管が立設され、
前記集水管は、当該膜カセットが他の当該膜カセットと積層される際に、当該他の膜カセットの集水管と連結可能である
膜カセット。 - 前記集水部の一端部には、前記集水部受けに嵌装される処理水取出部が備えられた
請求項1に記載の膜カセット。 - 前記封止部受けには、前記複数の膜エレメントが並列するように当該膜エレメントの封止部が載置される溝が形成された
請求項1または2に記載の膜カセット。 - 前記溝の長さは、前記濾過本体部の横方向に沿う前記封止部の外径よりも長い
請求項3に記載の膜カセット。 - 前記集水部と前記集水部受けとの間を止水する止水部材
をさらに有する請求項1から4のいずれか1項に記載の膜カセット。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の膜カセットを積層した膜ユニット。
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