JP6155333B2 - 自己支持性インターフェイス型創傷被覆材 - Google Patents

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Description

本発明は、創傷の治療を目的とした自己支持性(すなわち支持体のない)インターフェイス型創傷被覆材(interface dressing)に関する。
創傷の治療においては、創傷に直接貼られて、創傷被覆材上に配置される吸収性圧定布と創傷の間の界面(インターフェイス)となることにより、創傷からの滲出物を吸収する創傷被覆材が長年使用されている。そのような創傷被覆材は通常「インターフェイス型創傷被覆材」と呼ばれている。
現在市販されているインターフェイス型創傷被覆材の一例としては、Laboratoires URGO社よりUrgotul(R)という名称で販売されている製品が挙げられる。
この製品、特に特許文献1の実施例1に記載の製品は、概して、オープンメッシュ生地で作製された補強材からなり、その生地の糸は、メッシュが実質的に塞がらないように非粘着性のコヒーシブゲル(cohesive(結合力のある、凝集性の) gel)でコーティングされている。
このゲルは、親水コロイドの親水性粒子を分散状態で少量含む、高度に可塑化された疎水性エラストマーマトリックスから形成されている。
Urgotul(R)創傷被覆材は、新しく再生した組織に粘着せず、創傷がふやけるリスクを防ぎつつ治癒のために好ましい最適な湿度条件を維持する点で特に有利である。
しかしながら、その補強材の剛性のせいで、Urgotul(R)製品は形状追従性(conformality)を欠き、例えば手の指や、肘などの関節等、場所により被覆することが難しい創傷の治療のために使用するのは容易ではない。
このような状況では、Urgotul(R)製品と同様な利点を有しながらも、補強材を含まない、すなわち自己支持性のインターフェイス型創傷被覆材を配置するのが望ましい。そのような創傷被覆材は、容易に取り扱え、容易に創傷に貼ることができるような充分な剛性を有していなければならない。
しかしながら、そのような相反することもある物性を満足しなければならない製品の製造は特に複雑である。
具体的には、上記製品には、
・製造時及び使用時のいずれにおいても断裂するリスクを伴わず取り扱えるような充分なコヒーシブ性(結合力/凝集性)を有しつつも、形状追従性が示されるようできる限り薄いこと、
・コヒーシブ性を保ちつつ、幅方向及び長手方向に充分に伸縮性があること、
・好ましくは、創傷被覆材を剥がさなくても医療従事者が創傷の治癒状態を観察できるように透明又は半透明であること、
・製造が容易であること
が必要である。
さらに上記製品は、Urgotul(R)製品の、皮膚や創傷に対する非粘着性及び油性感があるが触り心地は良いという性質を保持し、治癒過程、特に線維芽細胞の増殖の促進を保証するものでなければならない。
Urgotul(R)創傷被覆材の製造において使用されるエラストマーマトリックス及びその現在市販されているバリエーションの組成では、自己支持性の、すなわち補強材を含まない創傷被覆材を得ることはできない。
特許文献2においては、滲出物が流れる貫通穴を有し、特定の疎水性マトリックスからなる薄層状の、補強材を含まないインターフェイス型創傷被覆材が提案されている。この疎水性マトリックスは、スチレンとイソプレン(SIS/SI)の直鎖型トリブロック/ジブロック共重合体からなるエラストマーと、可塑化オイルと、ポリエチレンと、親水コロイド粒子を特定の比率で含有する。
この特許文献2に記載のインターフェイス型創傷被覆材は良好な形状追従性を有しているものの、この製品は、特にその構成マトリックスの性質のせいで、完全に満足できるものではない。
具体的には、上記エラストマーマトリックスは、酸化感受性の不飽和中央ブロック(イソプレン)を有する共重合体を含有しており、したがって時間の経過とともに劣化して、製品の初期物性に悪影響が及ぼされ、治癒効果が下がるというリスクを伴う。
このインターフェイス型創傷被覆材は今日まで販売されていない。
このように、Urgotul(R)製品(10年以上も販売されている)よりも形状追従性が高い製品が長い間切望されているものの、自己支持性インターフェイス型創傷被覆材は今日まで販売されていない。
国際公開第00/16725号 仏国特許発明第2936158号明細書
このような状況を鑑み、仏国特許発明第2936158号明細書で提案されているものよりもさらにUrgotul(R)製品に近い組成を有するエラストマーマトリックスを用いて、Urgotul(R)製品と同様の利点を有する自己支持性創傷被覆材を開発できることが見出された。これが本発明の基礎をなす。
特に、本発明のインターフェイス型創傷被覆材の開発のために使用できるエラストマーマトリックスは、上記仏国特許発明の明細書で推奨されている不飽和中央ブロックを有するエラストマーも、ポリエチレンなどの添加物も含有していない。したがって、このようなマトリックスは、時間とともに酸化による劣化が起こりやすいということはなく、創傷被覆材の初期物性を維持できることが保証される。
より具体的には、本発明において使用されるエラストマーマトリックスは、単独のエラストマーとしてスチレン/飽和オレフィン/スチレン型の特定のトリブロック共重合体を含有する。このトリブロック共重合体は、トルエンの10%(重量/重量)溶液で測定した粘度が0.2〜2Pa・sであり、このエラストマーはエラストマーマトリックス中に所定の重量で含有されており、マトリックスの他の成分(可塑剤及びワセリン(petroleum jelly))に対して特定の値になるように選択した比率で存在している。
このように、第1の態様によると、本発明の1つの主題は、貫通穴を有する、疎水性マトリックスを含む組成物の薄層を用いて作製された自己支持性インターフェイス型創傷被覆材であって、上記疎水性マトリックスは、
・10%(重量/重量)トルエン溶液で測定した粘度が0.2〜2Pa・sであるスチレン/飽和オレフィン/スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、
・400〜1220重量部の可塑剤、好ましくは可塑化オイルと、
・0〜720重量部のワセリンと
を含有し、さらに
・可塑剤とワセリンの合計含有量は750重量部以上であり、
・可塑剤の含有量が1000〜1220重量部である場合にワセリンの含有量は400〜720重量部である、
創傷被覆材である。
ある具体的な特徴によると、上述の疎水性マトリックスは、さらに親水コロイド粒子を上記疎水性マトリックスの総重量に対して25重量%以下の量で含有する。
本発明によると、上述の疎水性マトリックスは概してエラストマーと可塑剤からなり、場合によってはワセリンも含有する。
上記マトリックスは、2つのスチレン熱可塑性末端ブロックと、飽和ポリオレフィンからなる1つのエラストマー中央ブロックを含むトリブロック型ブロック共重合体を単独のエラストマーとして含有する。
上記飽和ポリオレフィンは、ポリ(エチレン/ブチレン)又はポリ(エチレン/プロピレン)型の飽和ポリオレフィンであってもよい。
飽和中央ブロックを有するトリブロック共重合体は当業者に周知である。
これらの化合物は種々の特性を有しており、特に粘度が異なる。
自己支持性創傷被覆材が製造できるかどうかは、選択した共重合体の粘度の値に依存することが見出された。
したがって、本発明においては、エラストマーは、具体的には、10%(重量/重量)トルエン溶液で測定した粘度が0.2〜2Pa・sであることを特徴とする高分子量の共重合体から選択される。
この物性に相当する飽和中央ブロックを有するトリブロック共重合体としては、例えば、
・KRATON POLYMERS社からKRATON(R)G1651又はKRATON(R)G1654という名称で販売されているポリ(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)(SEBSと略す)ブロック共重合体や、
・株式会社クラレからSEPTON(R)S2006という名称で販売されているポリ(スチレン−エチレン/プロピレン−スチレン)(SEPSと略す)ブロック共重合体、SEPTON(R)S8006という名称で販売されているSEBSブロック共重合体
が挙げられる。
本発明においては、スチレン含量が上記共重合体の総重量に対して25重量%〜45重量%であるSEBS又はSEPSトリブロック共重合体が好ましい。
KRATON POLYMERS社からKRATON(R)G1651及びKRATON(R)G1654という名称で販売されている製品を使用するのが好ましい。
自己支持性インターフェイス型創傷被覆材を得るためには、下記に示すように、使用するエラストマーの性質が特定のものとなるよう選択しなければならないだけでなく、さらにこのエラストマーが疎水性マトリックス中で特定の比率で使用されなければならない。
疎水性マトリックスを製造するために使用される可塑剤は、上述のエラストマーの伸張性、柔軟性、押出性及び加工性を改善することを目的としたものである。
上記可塑剤は、使用するエラストマーの飽和ポリオレフィン中央ブロックと相溶性を有する液体又は液体混合物からなるのが好ましい。
上記可塑剤は、ワセリンを含まず、滴点が35℃以下の化合物から選択されるのがより好ましい。
有利に使用できる可塑剤としては、特に、可塑化オイルや、飽和炭化水素の液体混合物を主体とした他の合成製品、例えばTOTAL社からGEMSEAL(R)という名称で販売されている製品、特に石油留分を完全に水素添加して得られるイソパラフィン混合物である製品GEMSEAL(R)60が挙げられる。
本発明においては、可塑化オイル、好ましくは可塑化鉱油、特にパラフィン系若しくはナフテン系化合物又はこれらを種々の割合で含む混合物からなる鉱油を使用するのが好ましい。
特に好ましい可塑化鉱油は、パラフィン系化合物及びナフテン系化合物の混合物からなるもの、特にパラフィン系化合物の割合の方が高い混合物からなるものである。
市販の可塑化鉱油の例としては、SHELL社からONDINA(R)という名称で販売されている製品が挙げられる。
これらの製品の中でも、ONDINA(R)917又はONDINA(R)919という名称で販売されているオイルを用いると優れた結果が得られた。
上で示したように、疎水性マトリックス中に存在する可塑剤の量は、エラストマーの量に応じて特定の量に選択しなければならない。
すなわち、疎水性マトリックスは、エラストマー100重量部に対して400〜1220重量部、好ましくは600〜900重量部の可塑剤、好ましくは可塑化オイルを含有する。
エラストマーと可塑剤からなる混合物の油性の触感及び特性を向上させるために、本発明においては、この混合物に所定量のワセリンを添加するのが有利な場合もある。
上記ワセリンは、フランス薬局方に適合した市販のワセリンであるのが好ましい。
疎水性マトリックス中のワセリンの含有量は、エラストマー100重量部に対して、通常は0〜720重量部、好ましくは150〜450重量部であってもよい。
しかしながら、自己支持性創傷被覆材を得るためには、以下の2つの条件を必ず満たさなければならないことが分かった。
・可塑剤とワセリンの合計含有量は、エラストマー100重量部に対して750重量部以上でなければならない。
・可塑剤の含有量が1000〜1220重量部である場合にワセリンの含有量は400〜720重量部でなければならない。
以上記載した疎水性マトリックスは、本発明の自己支持性創傷被覆材の製造を可能にする組成物の必須成分をなす。
しかしながら、上記組成物は追加の化合物、特に、酸化防止剤、親水コロイド、及び、創傷治療の分野で一般的に使用されている活性成分又は補助剤から選択される化合物を含有していてもよい。
このように、ある特定の実施形態によると、上記組成物は1種以上の酸化防止剤を含有している。
酸化防止剤又は安定化化合物は、創傷被覆材組成物に配合される化合物の安定性、特に酸素、熱、オゾン又は紫外線に対する安定性を確保するために一般的に使用される。
本発明において使用できる酸化防止剤の例として、なかでもフェノール系酸化防止剤、例えば特にチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社からIRGANOX(R)という名称で販売されている製品、特にIRGANOX(R)1010、IRGANOX(R)565及びIRGANOX(R)1076という参照番号の製品が挙げられる。
上記化合物は、通常、組成物の総重量に対しておおよそ0.05重量%〜1重量%、好ましくは0.05重量%〜0.2重量%の量で使用することができる。
製品IRGANOX(R)1010を組成物の総重量に対して0.05重量%〜0.1重量%の量で使用するのが特に有利である。
創傷治癒において特に好ましい本発明の他の実施形態によると、本発明の創傷被覆材を構成する組成物は親水コロイドの親水性粒子を含有する。
親水コロイド粒子は、組成物中に均一に分散しているのが好ましい。
「親水コロイド」又は「親水コロイド粒子」という語は、本明細書においては、水、生理食塩水又は創傷からの滲出物などの水性液体を吸収する能力を有するが故に当業者によって通常使用されるあらゆる化合物を指すものである。
本発明においては、このような化合物は、インターフェイス型創傷被覆材を痛みなく剥がしやすくするために、かつ、治癒が促進されるように創傷の湿潤環境を維持するために用いられる。
好適な親水コロイドとしては、例えば、ペクチン、アルギン酸塩、天然由来の植物性ガム(特にカラヤゴム等)、カルボキシメチルセルロースやそのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カルシウム塩等)などのセルロース誘導体の他、「超吸収剤」という呼び名で知られるアクリル酸塩を主体とした合成ポリマー、例えば、BASF社からLUQUASORB(R)1003という名称で販売されている製品、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社からSALCARE(R)SC91という名称で販売されている製品、さらにはこれらの化合物の混合物が挙げられる。
本発明において好ましい親水コロイドは、カルボキシメチルセルロースのアルカリ金属塩、特にカルボキシメチルセルロース(CMC)ナトリウムである。
親水コロイド粒子の粒径は、通常は50〜100μm、特に約80μmである。
粒径が10μm未満であることから「マイクロコロイド」といわれる超吸収剤を使用することもできる。
組成物中に分散した親水コロイド粒子の量は、疎水性マトリックスの総重量に対して、通常は25重量%以下、有利にはおおよそ2重量%〜20重量%、好ましくはおおよそ5重量%〜18重量%、より好ましくはおおよそ10重量%〜15重量%である。
この範囲内の値に親水コロイド粒子量を選択することは、自己支持性インターフェイス型創傷被覆材を製造するために、特に滲出物を吸収する間に組成物がゲル化して貫通穴を塞ぐことになるのを防止するために重要である。
得られるインターフェイス型創傷被覆材の吸収能力が、Urgotul(R)製品と同等に、限定的となるように親水コロイドの使用量を充分に少なくするのが特に好ましい。
さらに別の実施形態によると、本発明の自己支持性創傷被覆材の製造を可能にする組成物は、創傷治療の分野、より一般的には薬理学分野で通常使用されている1種以上の補助剤及び/又は活性成分を含有する。
上記活性成分は、特に創傷の治療において好ましい役割を果たす物質、特に創傷の清浄及び/又は肉芽形成期において治癒を誘導又は加速させることができる物質である。
親水コロイドが組成物中に存在すると、上記活性成分の放出にとって有利である。
本発明において使用できる他の活性成分としては、例えば殺菌剤又は静菌剤、鎮痛剤又は局所麻酔薬及び抗炎症薬が挙げられる。
本発明の創傷被覆材を構成する組成物は、通常、上記活性成分を組成物の総重量に対して0.01重量%〜20重量%、好ましくは1重量%〜15重量%、より好ましくは2重量%〜10重量%の量で含有していてもよい。
当然ながら、以上記載した3つの特定の実施形態は、別々に行ってもよく、それらをどのように組み合わせて行ってもよい。以上記載した組成物を用いて自己支持性創傷被覆材を製造することができる。
この目的のために、上記組成物は貫通穴を有する薄層、好ましくはその薄層中に分散した状態で貫通穴が設けられている薄層へと成形される。
貫通穴は、事前に薄層へと成形された組成物に対して、単独で又は創傷被覆材の製造に通例使用される仮支持体若しくは保護フィルムと組み合わせて、穿孔又は打ち抜きを行うことによって形成することができ、あるいは、仮支持体上にスクリーンコーティングすることによって形成することもできる。
更に詳しくは、仏国特許発明開第2936158号明細書を参照されたい。
別の方法としては、本発明の創傷被覆材は、貫通穴を形成するためのパターンが彫り込まれた板上に上述の組成物を高温キャストした後、冷却し、型から取り出すことにより製造することもできる。
本発明の創傷被覆材は、通常、厚みが0.4mm〜2mm、好ましくは0.5mm〜1mm、より好ましくは約0.6mmである。
上記貫通穴はどのような形状であってもよく、例えば、円形、長方形、台形又は正方形の断面を有している。
その表面積は通常は0.25〜5mmである。
これらの穴は、特に、その断面が円形の場合には平均直径が0.5〜2mm、好ましくは約1mmである。
これらの穴は、穴の合計表面積が創傷被覆材の総表面積の20%〜70%、好ましくは30%〜50%となるような密度で分布、好ましくは均一に分布している。
好ましい実施形態の1つによると、本発明の自己支持性インターフェイス型創傷被覆材は、通気性のある網状(又は格子状)、好ましくは通気性のある正方形メッシュの網状(又は格子状)であって、
・その網の厚みが0.5〜2mmであり、
・「糸幅」(2つの連続する穴の間の空間の幅)が1〜10mm、好ましくは1〜5mmであり、
・秤量が200〜1700g/m、好ましくは300〜800g/mである。
本発明の特に好ましい実施形態の1つによると、上記創傷被覆材は通気性のある正方形メッシュの網状であって、
・その網の厚みが約600μmであり、
・糸幅が約2mmであり、
・坪量が約450g/mである。
従来通り、上記創傷被覆材は、該創傷被覆材を外部環境から保護するためにその両面をそれぞれ覆う保護支持体と組み合わせることもでき、上記保護材は使用直前に剥がせるようになっている。
上記保護支持体は当業者に周知であり、例えばシリコン処理ポリエステルフィルムからなるものが挙げられる。
別の方法として、本発明の自己支持性インターフェイス型創傷被覆材の取り扱い性をさらに良くするために、自己支持性インターフェイス型創傷被覆材は、国際公開第2008/145884号に記載されているような保護システムと組み合わせることもできる。この保護システムは、創傷被覆材の両面を覆う1枚のシートからなるものであり、創傷被覆材を創傷に貼りやすくする。
以下に示す実施例により本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例1〜3
本発明の自己支持性インターフェイス型創傷被覆材の製造
設定温度が90℃のZアームニーダに可塑剤と親水コロイドを撹拌しながら順次投入し、均一な混合物が得られるまで混練する。
設定温度を140℃にした後、エラストマーと酸化防止剤を撹拌しながら投入し、その後、均一な混合物が得られるまで混練する。
次に、ワセリンを2回に分けて撹拌しながら140℃で投入して、均一な混合物を得る。
このようにして得られた混合物を彫刻平板、例えば正方形メッシュの網状又は格子状の刻印を形成する彫刻平板上に約120〜130℃の温度で高温キャストする。
冷却し、型から取り出した後、厚みが約600μmの正方形メッシュの網状であって、メッシュの大きさが約2mm、厚みが約0.6mm、坪量が約450g/mである所望の創傷被覆材を得る。
このようにして作製した創傷被覆材を、50μm厚のシリコン処理ポリエステル製の仮保護フィルム2枚の間に置いた。
以下の構成成分を表1に記載の重量比で用いることにより実施例1〜3の創傷被覆材を作製した。
エラストマー:ポリ(スチレン−エチレン/ブチレン−スチレン)(SEBSと略す)ブロック共重合体;
・KRATON(R)G1654(実施例1);
・KRATON(R)G1651(実施例2及び3)
可塑剤:Ondina(R)917鉱油(SHELL社製)
酸化防止剤:IRGANOX(R)1010(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)
ワセリン:Codex Aワセリン(AIGLON社製)
親水コロイド:カルボキシメチルセルロースナトリウム:CMC BLANOSE(R)7H4XF(ASHLAND社製)
Figure 0006155333

Claims (14)

  1. 貫通穴を有する、疎水性マトリックスを含む組成物の薄層を用いて作製された自己支持性インターフェイス型創傷被覆材であって、前記疎水性マトリックスは、
    10%(重量/重量)トルエン溶液で測定した粘度が0.2〜2Pa・sであるスチレン/飽和オレフィン/スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、
    400〜1220重量部の可塑化オイルと、
    0〜720重量部のワセリンと
    を含有し、さらに
    可塑化オイルとワセリンの合計含有量は750重量部以上であり、
    可塑化オイルの含有量が1000〜1220重量部である場合にワセリンの含有量は400〜720重量部であることを特徴とする
    創傷被覆材。
  2. 前記疎水性マトリックスは、前記共重合体100重量部に対して、
    600〜900重量部の可塑化オイルと、
    150〜450重量部のワセリンと
    を含有することを特徴とする、
    請求項1に記載の創傷被覆材。
  3. 前記可塑化オイルが可塑化鉱油である、請求項1または2に記載の創傷被覆材。
  4. 貫通穴を有する、疎水性マトリックスを含む組成物の薄層を用いて作製された自己支持性インターフェイス型創傷被覆材であって、前記疎水性マトリックスは、
    10%(重量/重量)トルエン溶液で測定した粘度が0.2〜2Pa・sであるスチレン/飽和オレフィン/スチレントリブロック共重合体100重量部に対して、
    400〜1220重量部の可塑化鉱油と、
    0〜720重量部のワセリンと
    を含有し、さらに
    可塑化鉱油とワセリンの合計含有量は750重量部以上であり、
    可塑化鉱油の含有量が1000〜1220重量部である場合にワセリンの含有量は400〜720重量部であることを特徴とする
    創傷被覆材。
  5. 前記可塑化鉱油は、パラフィン系化合物、ナフテン系化合物、またはそれらの混合物である、請求項1〜4のいずれかに記載の創傷被覆材。
  6. 前記組成物は、さらに親水コロイド粒子を前記疎水性マトリックスの総重量に対して25重量%以下の量で含有することを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  7. 前記組成物は、さらに、創傷の治療において好ましい役割を果たす物質、殺菌剤又は静菌剤、鎮痛剤又は局所麻酔薬、及び、抗炎症薬から選択される1種以上の物質を前記組成物の総重量に対して0.01〜20重量%の量で含有することを特徴とする、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  8. 前記組成物は、さらに、創傷の治療において好ましい役割を果たす物質、殺菌剤又は静菌剤、鎮痛剤又は局所麻酔薬、及び、抗炎症薬から選択される1種以上の物質を前記組成物の総重量に対して1〜15重量%の量で含有することを特徴とする、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  9. 前記組成物は、さらに1種以上の酸化防止剤を前記組成物の総重量に対して0.05重量%〜1重量%の量で含有することを特徴とする、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  10. 前記組成物は、さらに1種以上の酸化防止剤を前記組成物の総重量に対して0.05重量%〜0.2重量%の量で含有することを特徴とする、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  11. 厚みが0.4mm〜2mmの通気性のある網状又は格子状であることを特徴とする、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  12. 厚みが0.5mm〜1mmの通気性のある網状又は格子状であることを特徴とする、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  13. 貫通穴を有しており、各穴はどのような形状でもよく、その表面積は0.25mm〜5mmであり、前記穴の合計表面積は前記創傷被覆材の総表面積の20%〜70%となることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
  14. 貫通穴を有しており、各穴はどのような形状でもよく、その表面積は0.25mm 〜5mm であり、前記穴の合計表面積は前記創傷被覆材の総表面積の30%〜50%となることを特徴とする、
    請求項1〜12のいずれか1項に記載の創傷被覆材。
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